JP2013251227A - リチウムイオン二次電池正極材用リン酸鉄リチウム粒子およびその製造方法、ならびに上記リン酸鉄リチウム粒子を用いたリチウムイオン二次電池正極およびその正極を備えるリチウムイオン二次電池 - Google Patents
リチウムイオン二次電池正極材用リン酸鉄リチウム粒子およびその製造方法、ならびに上記リン酸鉄リチウム粒子を用いたリチウムイオン二次電池正極およびその正極を備えるリチウムイオン二次電池 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】正極活物質材料を改良することで剥離強度上昇させたリチウムイオン二次電池正極材用リン酸鉄リチウム粒子を提供する。
【解決手段】酸素を0.5質量%以上含有する鉄粒子を原材料とし、リチウムイオン二次電池正極材用リン酸鉄リチウム粒子のJIS Z 8841に規定された圧壊強度が、10MPa以下とする。
【選択図】なし
【解決手段】酸素を0.5質量%以上含有する鉄粒子を原材料とし、リチウムイオン二次電池正極材用リン酸鉄リチウム粒子のJIS Z 8841に規定された圧壊強度が、10MPa以下とする。
【選択図】なし
Description
本発明は、アルミ箔等の集電体上に塗工された時の剥離強度に優れたリチウムイオン二次電池正極材用リン酸鉄リチウム粒子およびその製造方法、ならびに上記リン酸鉄リチウム粒子を用いたリチウムイオン二次電池正極およびその正極を備えるリチウムイオン二次電池に関するものである。
リチウムイオン電池では、その電解液に導電性の低い有機溶剤を用いていることから、電極間の距離を短くする必要がある。そのため、集電体金属箔の上に、薄く電極活物質、バインダー、溶媒等を混合したスラリーを塗工することによって電極を作製している。
この製造工程上における課題は、上記電極上に塗工されたスラリーに含まれる電極活物質、すなわちリン酸鉄リチウム粒子の剥離強度特性を改善することである。この課題は、製造工程中に、電極上で、リン酸鉄リチウム粒子の剥離や離脱が発生した場合、当該部分が不良となるだけでなく、剥離した粒子が他の部分に異物として付着することによって新たな不良箇所を生み出し、工程歩留まりの大幅な低下を引き起こすことも含んでいる。そのため、リン酸鉄リチウム粒子の剥離強度の上昇は、リチウムイオン電池の工程歩留まりの向上において重要な意味を有する。
加えて、作製された電池の使用時を想定した場合にも、リン酸鉄リチウム粒子の剥離強度は重要となってくる。例えば、リチウムイオン二次電池は、ハイブリッドカーなどの普及に伴い、絶えず振動に曝される車載用用途で、その使用量がますます増加すると考えられる。しかしながら、リン酸鉄リチウム粒子の剥離強度が低い電極を用いた場合、内部で剥離を起こしやすく、結果的に電池寿命が大幅に短くなってしまうという問題が懸念される。
これらの問題に対し、剥離強度上昇には、バインダー量の増量が最も安易でかつ有効な手段であって、従来から用いられている技術(特許文献1参照)である。
しかしながら、特許文献1に示したようにバインダー量を増量させると、同時に非導電性成分が増加してしまうために、種々の電池特性の劣化を引き起こす。そのために、特許文献1に示したような手段での剥離強度上昇は望ましいものではなく、正極活物質材料、例えば、リン酸鉄リチウム粒子の剥離強度向上を実現することは重要な課題となっていた。
本発明は、上記した現状に鑑み開発されたもので、正極活物質材料であるリン酸鉄リチウム粒子を改良することで剥離強度上昇させたリチウムイオン二次電池正極材用リン酸鉄リチウム粒子およびその製造方法、ならびに上記リン酸鉄リチウム粒子を用いたリチウムイオン二次電池正極およびその正極を備えるリチウムイオン二次電池を提供することを目的とする。
発明者らは、まず、リン酸鉄リチウムの原料について、酸素量をある一定以上含む鉄粒子を選択することで、正極粒子とバインダーの接着性を改善した。次に、得られたリン酸鉄リチウムに適切な粒度分布を規定することにより、粒子の充填性を改善させ、さらに、適宜、リン酸鉄リチウム粒子の圧壊強度について規定を設けることで、粒子間の空隙残を減少させて、空隙に対するバインダー偏析量を減少させた。かかる工程により、バインダーを集電体アルミ箔と正極活物質の界面に効果的に集中させることができ、バインダー添加量を増量させること無しに、大幅に、電極の剥離強度向上が達成できることが明らかになった。
本発明は、以上の知見に基づきなされたもので、その要旨構成は次のとおりである。
1.酸素を0.5質量%以上含有する鉄粒子を原材料としたリチウムイオン二次電池正極材用リン酸鉄リチウム粒子であって、該リチウムイオン二次電池正極材用リン酸鉄リチウム粒子のJIS Z 8841に規定された圧壊強度が、10MPa以下であることを特徴とするリチウムイオン二次電池正極材用リン酸鉄リチウム粒子。
1.酸素を0.5質量%以上含有する鉄粒子を原材料としたリチウムイオン二次電池正極材用リン酸鉄リチウム粒子であって、該リチウムイオン二次電池正極材用リン酸鉄リチウム粒子のJIS Z 8841に規定された圧壊強度が、10MPa以下であることを特徴とするリチウムイオン二次電池正極材用リン酸鉄リチウム粒子。
2.前記リン酸鉄リチウム粒子の、レーザー回折式粒度分布測定法による平均粒径(d50径)が、3〜50μmの範囲であることを特徴とする前記1に記載のリチウムイオン二次電池正極材用リン酸鉄リチウム粒子。
3.前記リン酸鉄リチウム粒子の、JIS K 6854-2に規定された180度剥離の強度の値が、10N/m以上であることを特徴とする前記1または2に記載のリチウムイオン二次電池正極用リン酸鉄リチウム粒子。
4.前記1〜3のいずれかに記載のリチウムイオン二次電池正極材用リン酸鉄リチウム粒子を製造する方法であって、
リン酸、ヒドロキシカルボン酸およびリチウム化合物と、酸素を0.5質量%以上含有する鉄粒子とを原材料とする、リン酸鉄リチウム前駆体を焼成してリチウムイオン二次電池正極材用リン酸鉄リチウム粒子とするにあたり、
上記焼成時の昇温速度を、300℃/h以下とする
ことを特徴とするリチウムイオン二次電池正極材用リン酸鉄リチウム粒子の製造方法。
リン酸、ヒドロキシカルボン酸およびリチウム化合物と、酸素を0.5質量%以上含有する鉄粒子とを原材料とする、リン酸鉄リチウム前駆体を焼成してリチウムイオン二次電池正極材用リン酸鉄リチウム粒子とするにあたり、
上記焼成時の昇温速度を、300℃/h以下とする
ことを特徴とするリチウムイオン二次電池正極材用リン酸鉄リチウム粒子の製造方法。
5.前記1〜3のいずれかに記載のリチウムイオン二次電池正極材用リン酸鉄リチウム粒子を含有することを特徴とするリチウムイオン二次電池正極。
6.前記5に記載のリチウムイオン二次電池正極を備えることを特徴とするリチウムイオン二次電池。
本発明によれば、製造工程中のみならず、絶えず振動に曝される車載用途に供したとしても、電極に塗工したリン酸鉄リチウム粒子の剥離や離脱を効果的に防止することができる。その結果、本発明に従うリチウムイオン二次電池は、高い製造歩留まりを得ると共に、その実寿命を大幅に延長することができる。
以下、本発明を具体的に説明する。
本発明は、正極活物質材料であるリン酸鉄リチウム粒子を改良することで剥離強度上昇させたリチウムイオン二次電池正極材用リン酸鉄リチウム粒子を得るものである。
リン酸鉄リチウム粒子
本発明におけるリン酸鉄リチウム粒子は、リン酸、カルボン酸およびリチウム源を含む水溶液に、酸素量を0.5質量%以上含む鉄粒子を添加する合成工程を経たものである。
本発明は、正極活物質材料であるリン酸鉄リチウム粒子を改良することで剥離強度上昇させたリチウムイオン二次電池正極材用リン酸鉄リチウム粒子を得るものである。
リン酸鉄リチウム粒子
本発明におけるリン酸鉄リチウム粒子は、リン酸、カルボン酸およびリチウム源を含む水溶液に、酸素量を0.5質量%以上含む鉄粒子を添加する合成工程を経たものである。
鉄粒子としては、例えば、鉄粉を用いることができ、鉄粉の具体例としては、ミルスケール(酸化鉄)をコークスで還元した還元鉄粉;溶鋼を高圧水で粉化、冷却したアトマイズ鉄粉;鉄塩水溶液を電気分解して陰極に析出させた電解鉄粉;等が挙げられる。
上記の鉄粒子としては、反応性の観点から100μm以下の平均粒径(d50径)が望ましい。なお、一般的な工業用鉄粒子の平均粒径は80μm程度であるものの、粗大な粒子としては150μm程度のものも含まれている。その際には、機械的に粗大な粒子を粉砕したり、篩によって除去したりすることなどが有効である。
鉄粒子の平均粒径は、後に続くリン酸およびカルボン酸との反応を促進してリン酸鉄のキレート体を形成する上で重要であることから、上述したように、100μm以下であることが好ましく、30〜80μmであることがより好ましい。なお、平均粒径は、JIS M 8706に準拠して求めた。
本発明において、鉄粒子が含有する酸素とは、鉄に化学結合した酸素を意味し、含まれる酸素量が0.5質量%以上である必要がある。なぜなら、0.5質量%未満の酸素量しか含まない時には、後述する焼成(二次焼成含む)時の昇温速度が300℃/h以下であっても、リン酸鉄リチウム粒子の圧壊強度が10MPa超に上がってしまい、結果的に、リン酸鉄リチウム粒子の剥離強度が低く、10N/m未満に留まってしまうためである。
上記現象のメカニズムは明らかになっていないが、発明者らは、鉄粒子が0.5質量%未満の酸素量しか含まない時は、その熱処理時の反応速度が過度に高まって、粉同士の凝集力が高くなる結果、リン酸鉄リチウム粒子の圧壊強度が高くなってしまうのではないか、と考えている。
また、鉄粒子の酸素含有量を0.5質量%以上、好ましくは0.6〜2質量%とすることにより、反応初期におけるリン酸鉄キレート体の形成が促進される。
鉄粒子の酸素含有量が0.5質量%未満である場合は、前記理由に加えて、金属鉄とリン酸との直接反応が優先して難溶性の2価鉄化合物であるリン酸鉄(Fe3(PO4)2・8H2O)の凝集粒子が生成・成長しやすくなるために、水溶液が、白色〜淡青色を呈するクリーム状の高粘度物質となる場合がある。その結果、水溶液の撹拌が不十分となり、未反応の金属鉄が残存し易い、また原料が均一に混合されない等の支障をきたすという不利もあるからである。
なお、鉄粒子の酸素含有量は、JIS Z 2613(1992年)真空融解赤外線吸収法に準拠し、LECO社製TC436を用いて定量したものである。
さらに、鉄粒子の酸素含有量が2質量%を超えると、鉄粉表面に酸化鉄のスケールが偏析するため、リン酸とカルボン酸の水溶液との反応が妨げられるおそれがある。
鉄粒子の酸素含有量が0.5質量%未満である場合は、前記理由に加えて、金属鉄とリン酸との直接反応が優先して難溶性の2価鉄化合物であるリン酸鉄(Fe3(PO4)2・8H2O)の凝集粒子が生成・成長しやすくなるために、水溶液が、白色〜淡青色を呈するクリーム状の高粘度物質となる場合がある。その結果、水溶液の撹拌が不十分となり、未反応の金属鉄が残存し易い、また原料が均一に混合されない等の支障をきたすという不利もあるからである。
なお、鉄粒子の酸素含有量は、JIS Z 2613(1992年)真空融解赤外線吸収法に準拠し、LECO社製TC436を用いて定量したものである。
さらに、鉄粒子の酸素含有量が2質量%を超えると、鉄粉表面に酸化鉄のスケールが偏析するため、リン酸とカルボン酸の水溶液との反応が妨げられるおそれがある。
ここに、酸素含有量が0.5質量%以上の鉄粒子を得るためには、例えば、ミルスケールを還元して得る手法で鉄粒子を得る際に、還元温度を通常(1000〜1200℃)よりも低温(800〜1000℃)にすることが有効である。なお、本発明に使用する鉄粒子は、高価な水素還元処理した鉄粒子を特に必要としない。
本発明に使用するリン酸は、オルトリン酸(H3PO4)の水溶液が好ましいが、高次の縮合リン酸(Hn+2PnO3n+1)の水溶液を用いることも可能である。オルトリン酸は通常、工業製品として75〜85質量%が使用できる。リン酸の添加量は、鉄1molに対して1molが化学量論的当量であるが、0.1mol程度過剰に添加しても構わない。
また、カルボン酸は、カルボキシル基を有する有機化合物を指し、リン酸鉄リチウムのキレート体を合成する際のキレート剤として機能する。カルボン酸は、好ましくはヒドロキシカルボン酸である。本発明において用いられる上記カルボン酸としては、鉄に対してキレート力の強いカルボン酸、例えば、酒石酸、リンゴ酸、クエン酸等が挙げられる。これらのうち、キレート力が強く、かつ酸化され難いキレート体を形成するクエン酸が特に好ましい。
ここで、カルボン酸は焼成時に残炭するため、還元剤としても機能する。かかる機能を発揮すべく、本発明においてはカルボン酸の残炭率を3質量%以上とすることが好ましい。カルボン酸の残炭率が3質量%未満である場合、前駆体は雰囲気に微量に存在する酸素で酸化してしまうおそれがあるからである。
上記残炭率は20質量%以下とすることが好ましく、20質量%を超えると焼成後の残炭量が過剰となる。上記カルボン酸の残炭率は、酒石酸:7質量%、リンゴ酸:12質量%およびクエン酸一水和物:7質量%であり、シュウ酸二水和物や、酢酸などは1質量%未満である。
なお、本発明において「残炭率」とは、焼成後に残留する炭素をJIS G 1211(1995年)高周波誘導加熱炉燃焼−赤外線吸収法に準拠して定量し、元のカルボン酸量で除した値とした。
上記残炭率は20質量%以下とすることが好ましく、20質量%を超えると焼成後の残炭量が過剰となる。上記カルボン酸の残炭率は、酒石酸:7質量%、リンゴ酸:12質量%およびクエン酸一水和物:7質量%であり、シュウ酸二水和物や、酢酸などは1質量%未満である。
なお、本発明において「残炭率」とは、焼成後に残留する炭素をJIS G 1211(1995年)高周波誘導加熱炉燃焼−赤外線吸収法に準拠して定量し、元のカルボン酸量で除した値とした。
カルボン酸の含有量は、鉄:1molに対して0.18〜0.5molとすることが好ましく、0.2〜0.4molとすることがより好ましい。カルボン酸の含有量が0.18mol未満の場合では、上記カルボン酸によるキレート化の効果が小さくなるため、金属鉄とリン酸イオンとが直接反応して難溶性のリン酸鉄の凝集粒子が生成・成長し、水溶液が白色〜淡青色を呈するクリーム状態の高粘度物質となってしまう。その結果、水溶液の撹拌が不十分となり、未反応の金属鉄が残存し易い、原料が均一に混合されない等の支障をきたす。一方、上記含有量が0.5molを超える場合には、合成されたリン酸鉄リチウムのキレート体が水溶液中に均一に分散する(原料が均一に混合される)が、焼成後の残炭量が過剰となる。その結果、最終的に得られるリン酸鉄リチウムの見かけ上の放電容量が低下してしまう。
リチウム源としては、水溶性のリチウム塩であればその種類を問わないが、特に焼成時に有害ガスを発生しない水酸化リチウム、炭酸リチウムが好ましい。
リン酸鉄リチウム粒子の粒度およびその測定
本発明においては、リン酸鉄リチウム粒子のレーザー回折式粒度分布測定法による平均粒径(d50径)が、3〜50μmの範囲であることが重要である。というのは、粒子の充填性を改善させることで、粒子間の空隙残を減少させて、空隙に対するバインダー偏析量を減少させることができるからである。
なお、リン酸鉄リチウム粒子の粒度のd50径に関する規定がなされているが、粒径の測定・算出には、マイクロトラックMT3300(日機装株式会社製)を用い、粒子の全体積を100%として累積カーブを求めた時、その累積カーブが50%となる点、すなわちd50径を粒子径として算出した。なお、前述した鉄粒子の粒径も上記マイクロトラックを用いて測定することが望ましい。
本発明においては、リン酸鉄リチウム粒子のレーザー回折式粒度分布測定法による平均粒径(d50径)が、3〜50μmの範囲であることが重要である。というのは、粒子の充填性を改善させることで、粒子間の空隙残を減少させて、空隙に対するバインダー偏析量を減少させることができるからである。
なお、リン酸鉄リチウム粒子の粒度のd50径に関する規定がなされているが、粒径の測定・算出には、マイクロトラックMT3300(日機装株式会社製)を用い、粒子の全体積を100%として累積カーブを求めた時、その累積カーブが50%となる点、すなわちd50径を粒子径として算出した。なお、前述した鉄粒子の粒径も上記マイクロトラックを用いて測定することが望ましい。
リン酸鉄リチウムの圧壊強度の測定
本発明においては、リチウムイオン二次電池正極材用リン酸鉄リチウム粒子のJIS Z 8841に規定された圧壊強度を、10MPa以下とする規定がなされている。ここに、本発明におけるリン酸鉄リチウム粒子の圧壊強度測定は、リン酸鉄リチウム粒子の一次粒子径が50〜150nm程度で、それらが3〜50μm径の顆粒状の二次粒子を形成しているから、上記JIS Z 8841に定められた造粒粉圧壊強度測定方法により数値化が可能である。なお、本発明で目標とする剥離強度が10N/m以上である正極電極を得るためには、上記の圧壊強度が10MPa以下となる粒子を得る必要があることは前述したとおりである。
本発明においては、リチウムイオン二次電池正極材用リン酸鉄リチウム粒子のJIS Z 8841に規定された圧壊強度を、10MPa以下とする規定がなされている。ここに、本発明におけるリン酸鉄リチウム粒子の圧壊強度測定は、リン酸鉄リチウム粒子の一次粒子径が50〜150nm程度で、それらが3〜50μm径の顆粒状の二次粒子を形成しているから、上記JIS Z 8841に定められた造粒粉圧壊強度測定方法により数値化が可能である。なお、本発明で目標とする剥離強度が10N/m以上である正極電極を得るためには、上記の圧壊強度が10MPa以下となる粒子を得る必要があることは前述したとおりである。
つぎに、リン酸鉄リチウム粒子の製造方法について説明する。
リン酸、カルボン酸およびリチウム源を含む水溶液に鉄粒子を添加して反応させる際の雰囲気は、酸化雰囲気とする必要がある。キレート反応が進んで鉄粒子表面の酸素は消費されると、キレート反応を持続することができずに、金属鉄とリン酸イオンとの直接反応が優先して難溶性のリン酸鉄の凝集粒子が生成・成長してしまうからである。
リン酸、カルボン酸およびリチウム源を含む水溶液に鉄粒子を添加して反応させる際の雰囲気は、酸化雰囲気とする必要がある。キレート反応が進んで鉄粒子表面の酸素は消費されると、キレート反応を持続することができずに、金属鉄とリン酸イオンとの直接反応が優先して難溶性のリン酸鉄の凝集粒子が生成・成長してしまうからである。
そこで、本発明では、上記反応時の雰囲気を酸化雰囲気とすることにより、鉄粒子表面を適度に酸化して酸素を補い、キレート反応を持続させることができる。本発明において酸化雰囲気とは、水溶液中の鉄粒子の表面を適度に酸化させることができる状態であり、例えば、水溶液界面を酸素含有ガスと接触させる、或いは、水溶液中に溶存酸素、酸素含有ガスのバブルまたはナノバブルを導入する等による。
また、具体的な操作としては、空気雰囲気下での撹拌や、空気のバブリングなどが挙げられる。
また、具体的な操作としては、空気雰囲気下での撹拌や、空気のバブリングなどが挙げられる。
上記キレート反応は、水溶液温度を10〜40℃の範囲に制御することが好ましく、20〜30℃とすることがより好ましい。水溶液を10〜40℃の範囲に制御すると、上記キレート反応により酸素が消費されて新たに現れた鉄粒子表面は、水溶液中の溶存酸素または空気バブル等と接触することにより適度に酸化され、連続的にリン酸鉄リチウムのキレート体を生成することが可能となる。
ここに、水溶液温度が10℃未満の場合は、鉄粒子のキレート反応が遅くなり、完全に反応が終了するまでに長時間を要する。一方、水溶液温度が40℃超の場合は、酸素が消費された鉄粒子表面に酸素を補うための酸化が追いつかない。そのため、金属鉄とリン酸との直接反応が優先して難溶性のリン酸鉄の凝集粒子が生成・成長し、水溶液が白色〜淡青色を呈するクリーム状の高粘度物質となってしまうおそれがある。
ここに、水溶液温度が10℃未満の場合は、鉄粒子のキレート反応が遅くなり、完全に反応が終了するまでに長時間を要する。一方、水溶液温度が40℃超の場合は、酸素が消費された鉄粒子表面に酸素を補うための酸化が追いつかない。そのため、金属鉄とリン酸との直接反応が優先して難溶性のリン酸鉄の凝集粒子が生成・成長し、水溶液が白色〜淡青色を呈するクリーム状の高粘度物質となってしまうおそれがある。
本発明においては、リン酸、カルボン酸およびリチウム源を含む水溶液に鉄粒子を添加し、酸化雰囲気に晒すことにより、鉄粒子表面に存在する酸素または水酸基を介して上記カルボン酸が鉄をキレート化するとともに、リン酸が鉄を酸化して結合することによってリン酸鉄が生成し、カルボキシル基の水素の一部がリチウムに置換される。その結果、リン酸鉄リチウムのキレート体が合成され、このキレート体が均一に分散した反応液が得られる。
また、本発明においては、このようにキレート体が均一に分散した反応液を第I反応液とし、さらにリチウム源を添加することにより、原料が原子レベルで均一に混合された第II反応液を得ることもできる。
上記第I反応液に添加するリチウム源は、水溶性のリチウム塩であればその種類を問わないが、特に焼成時に有害ガスを発生しない水酸化リチウム、炭酸リチウムが好ましい。第I反応液にリチウム源を添加すると、反応液は濃緑色に変化し、pHは6〜7を示す第II反応液が得られる。
前記反応液や第II反応液を乾燥した乾燥物(リン酸鉄リチウム前駆体)についてX線回折分析を行うと、結晶質の化合物は検出されず、原子レベルで均一に混合したキレート体に起因するアモルファス相が確認される。
上記第I反応液に添加するリチウム源は、水溶性のリチウム塩であればその種類を問わないが、特に焼成時に有害ガスを発生しない水酸化リチウム、炭酸リチウムが好ましい。第I反応液にリチウム源を添加すると、反応液は濃緑色に変化し、pHは6〜7を示す第II反応液が得られる。
前記反応液や第II反応液を乾燥した乾燥物(リン酸鉄リチウム前駆体)についてX線回折分析を行うと、結晶質の化合物は検出されず、原子レベルで均一に混合したキレート体に起因するアモルファス相が確認される。
また、上記第I反応液にリチウム源を添加して第II反応液を作製した場合、以下に示す化学式1、すなわちキレート体のカルボキシル基における水素の一部が、リチウムに置換されて、以下に化学式2として示すリン酸鉄リチウムのキレート体が生成しているものと推測される。従って、このリン酸鉄リチウムのキレート体は、第II反応液中に分散して存在していると推測される。
ここに、このキレート体の一部には、凝集粒子として存在し、沈殿物となってしまう場合がある。このような場合には、前駆体溶液の均一化を図るため、凝集粒子を湿式で機械粉砕して微細化することが望ましい。なお、湿式粉砕方法としては、ビーズミル、湿式ジェットミル、超音波照射等が挙げられる。
ここに、このキレート体の一部には、凝集粒子として存在し、沈殿物となってしまう場合がある。このような場合には、前駆体溶液の均一化を図るため、凝集粒子を湿式で機械粉砕して微細化することが望ましい。なお、湿式粉砕方法としては、ビーズミル、湿式ジェットミル、超音波照射等が挙げられる。
また、本発明においては、鉄を他元素に置換(ドープ)したリン酸鉄リチウムを得ることもできる。このようなリン酸鉄リチウムにおいては、放電特性がより優れることが期待される。
この場合、例えば、上述した水溶液を準備する際に、リン酸およびカルボン酸を含む水溶液に、鉄と置換する元素の金属または化合物を予め溶解させればよい。これにより、置換する元素を均一に混合することができる。
この場合、例えば、上述した水溶液を準備する際に、リン酸およびカルボン酸を含む水溶液に、鉄と置換する元素の金属または化合物を予め溶解させればよい。これにより、置換する元素を均一に混合することができる。
リン酸鉄リチウムに他元素を置換する場合には、リン酸、カルボン酸およびリチウム源を含む水溶液に、置換する元素の金属または化合物を、予め溶解することによって、置換する元素を均一に混合することができる。例えば、チタンの場合はTi(OH)4,TiOSO4・H2O、バナジウムの場合はFeV,V2O5,VOSO4・2H2O、マグネシウムの場合はMg,MgO,Mg(OH)2、タングステンの場合はWO3,H2WO4、マンガンの場合はMnCO3・nH2O、Mn(CH3COO)2などが挙げられる。
このとき、リン酸とカルボン酸とを含む水溶液に予め溶解した置換元素が、鉄粒子を添加することによって還元され、低酸化状態となる場合には、電子供与体としての作用が期待できる。置換量は、元素の種類によるが、一般に、鉄元素の0.1mol%以上の置換が好ましく、特に0.5mol%以上がより好ましい。置換量が鉄元素の0.1mol%未満であると置換の効果に乏しい。上限については、置換元素のイオン半径、価数、配位数などの要因により大きく変化するため、一概には決められないが、置換量が閾値を超えると、不純物相の生成やバンド構造の変化による電子の局在化などによって導電性などの特性が悪くなる傾向がある。
反応液や第II反応液の乾燥は、スプレードライ法を採用することが好ましい。
スプレードライ法は、高温加熱空気中に試料溶液を噴霧して乾燥するため、形状の揃った粉末を製造することが可能である。スプレードライ法を採用する場合には、リン酸鉄リチウムの前駆体の酸化温度が約250℃であることを踏まえ、スプレードライ装置の入口温度(加熱空気温度)を150〜250℃とすることが好ましい。入口温度を150〜250℃とすれば、生成する乾燥物の到達温度は、送液量とのバランスにも依存するが、約100〜150℃となる。そして、生成する乾燥物であるリン酸鉄リチウム前駆体は粉末状となるが、その粒径は100μm以下であることが好ましく、80μm以下であることがより好ましく、50μm以下であることがさらに好ましい。粒径が100μm超であると、焼成後の粉砕が不十分である場合に粗粒が残留し、これを正極活物質として電極を作製する際に集電体を傷めるおそれがあるからである。
スプレードライ法は、高温加熱空気中に試料溶液を噴霧して乾燥するため、形状の揃った粉末を製造することが可能である。スプレードライ法を採用する場合には、リン酸鉄リチウムの前駆体の酸化温度が約250℃であることを踏まえ、スプレードライ装置の入口温度(加熱空気温度)を150〜250℃とすることが好ましい。入口温度を150〜250℃とすれば、生成する乾燥物の到達温度は、送液量とのバランスにも依存するが、約100〜150℃となる。そして、生成する乾燥物であるリン酸鉄リチウム前駆体は粉末状となるが、その粒径は100μm以下であることが好ましく、80μm以下であることがより好ましく、50μm以下であることがさらに好ましい。粒径が100μm超であると、焼成後の粉砕が不十分である場合に粗粒が残留し、これを正極活物質として電極を作製する際に集電体を傷めるおそれがあるからである。
その後、リン酸鉄リチウム前駆体を、非酸化性雰囲気において300℃以上で焼成することにより、リン酸鉄リチウム前駆体に含まれるH2O、CO2、H2が熱分解除去され、アモルファス相を有する乾燥物は結晶化して、オレビン構造であるリン酸鉄リチウムの結晶体が得られる。焼成温度は300℃以上とすることが好ましく、350〜700℃とすることがより好ましい。300℃未満の場合には、揮発成分であるH2O、CO2、H2の熱分解除去が不十分である上、結晶化が生じない。一方、焼成温度の上限については700℃を超えると得られる結晶粒子の粗大化が進行するので700℃以下とすることが好ましい。なお、焼成を非酸化性雰囲気で行うのは、酸化を防ぐためである。
ついで、上記焼成物であるリン酸鉄リチウムを一次焼成物とし、さらに炭素源を混合して二次焼成を行うことで、リン酸鉄リチウムの結晶性を高め、並びに、リン酸鉄リチウムの表面を炭素で被覆または表面に炭素を付着させてリン酸鉄リチウムの導電性を高めることができる。
混合する炭素源としては、二次焼成時に熱分解して炭素を生成する物質、または、導電性炭素を使用する。二次焼成時に熱分解して炭素を生成する物質は、二次焼成時に溶融してリン酸鉄リチウム粒子の表面を濡らす物質が好ましく、例えばグルコース、フルクトース、マルトース、スクロース、アスコルビン酸およびエリソルビン酸等の糖や、カルボキシメチルセルロース、アセナフチレンおよびキノリン不溶分レスピッチ(キノリン不溶分≦0.1質量%、アッシュ≦0.01質量%)等を用いることができる。導電性炭素としては、例えば、カーボンブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、VGCF、カーボンナノファイバーおよびフラーレン等を用いることができる。これらの物質は、単独で使用することも、また複数組み合わせて使用することもできる。
炭素源を一次焼成物に混合する方法としては、一次焼成物を湿式または乾式で粉砕する前、または粉砕した後に炭素源を加え、ボールミル、ジェットミルなどを用いて粉砕して行う方法等が挙げられる。
炭素源の添加量は、二次焼成後のリン酸鉄リチウムに含まれる炭素量が1〜5質量%になるように加えることが好ましく、1.5〜4質量%とすることがより好ましい。上記炭素量が1質量%未満である場合には、リン酸鉄リチウムの導電性が不十分となり、正極活物質としてのリン酸鉄リチウム粒子の性能を十分に引き出すことができないおそれがある。一方、上記炭素量が5質量%超である場合には、見かけ上の放電容量が低下する傾向がある。二次焼成を行う場合は、一次焼成を非酸化性雰囲気において350〜400℃で行うことが好ましい。350℃以上の焼成でリン酸鉄リチウムの結晶化が確実になされるが、温度上昇とともに粒成長するため、一次焼成は400℃で十分である。
炭素源の添加量は、二次焼成後のリン酸鉄リチウムに含まれる炭素量が1〜5質量%になるように加えることが好ましく、1.5〜4質量%とすることがより好ましい。上記炭素量が1質量%未満である場合には、リン酸鉄リチウムの導電性が不十分となり、正極活物質としてのリン酸鉄リチウム粒子の性能を十分に引き出すことができないおそれがある。一方、上記炭素量が5質量%超である場合には、見かけ上の放電容量が低下する傾向がある。二次焼成を行う場合は、一次焼成を非酸化性雰囲気において350〜400℃で行うことが好ましい。350℃以上の焼成でリン酸鉄リチウムの結晶化が確実になされるが、温度上昇とともに粒成長するため、一次焼成は400℃で十分である。
また、二次焼成は、非酸化性雰囲気において550〜750℃で行うことが好ましく、600〜700℃とすることがより好ましい。炭素源として熱分解炭素を生成する物質を使用する場合、550℃未満では熱分解炭素の生成が不十分となり、二次焼成後に得られるリン酸鉄リチウムの導電性が十分に発揮されないおそれがある。一方、750℃超ではリン酸鉄リチウム粒子の粗大化が懸念される。
また、リン酸鉄リチウム粒子の製造方法は、以下のようにも行うことができる。
[水溶液準備工程]
水溶液準備工程は、リン酸およびカルボン酸を含む水溶液を準備する工程である。水溶液準備工程で準備される水溶液に含まれるリン酸は、前述したとおりであり、カルボン酸の詳細は後述する。なお、当該水溶液に含まれる水としては、特に限定されず、例えば、イオン交換水、蒸留水が好適に用いられる。
[水溶液準備工程]
水溶液準備工程は、リン酸およびカルボン酸を含む水溶液を準備する工程である。水溶液準備工程で準備される水溶液に含まれるリン酸は、前述したとおりであり、カルボン酸の詳細は後述する。なお、当該水溶液に含まれる水としては、特に限定されず、例えば、イオン交換水、蒸留水が好適に用いられる。
[第1の作製工程]
第1の作製工程は、水溶液準備工程で準備された水溶液に、0.5〜2質量%の酸素を含有する鉄粒子を添加し、酸化雰囲気下で当該水溶液中のリン酸およびカルボン酸と鉄粒子とを反応させて第1反応液を作製する工程である。
第1の作製工程においては、0.5〜2質量%の酸素を含有する鉄粒子を、リン酸およびカルボン酸を含む水溶液に添加し、酸化雰囲気中で反応させることにより、リン酸鉄のキレート体が形成される。
第1の作製工程は、水溶液準備工程で準備された水溶液に、0.5〜2質量%の酸素を含有する鉄粒子を添加し、酸化雰囲気下で当該水溶液中のリン酸およびカルボン酸と鉄粒子とを反応させて第1反応液を作製する工程である。
第1の作製工程においては、0.5〜2質量%の酸素を含有する鉄粒子を、リン酸およびカルボン酸を含む水溶液に添加し、酸化雰囲気中で反応させることにより、リン酸鉄のキレート体が形成される。
以下、本発明で用いられる「鉄粒子」を適宜、「鉄」、「金属鉄」または「鉄粉」等と呼ぶ場合がある。
リン酸およびカルボン酸を含む水溶液に鉄粒子を添加して反応させる際の雰囲気は、酸化雰囲気とする必要がある。
キレート体が形成される反応(以下「キレート反応」ともいう)が進んで鉄粒子表面の酸素が消費されると、キレート反応は持続できず、金属鉄とリン酸イオンとの直接反応が優先して難溶性のリン酸鉄の凝集粒子が生成・成長してしまう。
そこで、本発明では、上記反応時の雰囲気を酸化雰囲気とすることにより、鉄粒子表面を適度に酸化して鉄粒子に化学結合した酸素を補給し、キレート反応を持続させる。
キレート体が形成される反応(以下「キレート反応」ともいう)が進んで鉄粒子表面の酸素が消費されると、キレート反応は持続できず、金属鉄とリン酸イオンとの直接反応が優先して難溶性のリン酸鉄の凝集粒子が生成・成長してしまう。
そこで、本発明では、上記反応時の雰囲気を酸化雰囲気とすることにより、鉄粒子表面を適度に酸化して鉄粒子に化学結合した酸素を補給し、キレート反応を持続させる。
上記した酸化雰囲気とは、水溶液中の鉄粒子の表面を適度に酸化できる状態であり、この状態は、例えば、水溶液の界面を酸素含有ガスと接触させる方法;水溶液中に酸素含有ガスを吹き込む方法;等により実現され、これらの方法における具体的な操作としては、例えば、空気雰囲気下での撹拌;空気のバブリングによる酸素の供給;等が挙げられる。
カルボン酸は、水酸基およびカルボキシ基を有するカルボン酸であり、リン酸鉄のキレート体を形成する際のキレート剤として機能する。カルボン酸は、好ましくはヒドロキシカルボン酸である。
本発明において用いられるカルボン酸としては、例えば、鉄に対するキレート力の強い乳酸、酒石酸、リンゴ酸、クエン酸等が挙げられ、なかでも、キレート力が強く、かつ、酸化されにくいキレート体を形成するクエン酸が好ましい。
本発明において用いられるカルボン酸としては、例えば、鉄に対するキレート力の強い乳酸、酒石酸、リンゴ酸、クエン酸等が挙げられ、なかでも、キレート力が強く、かつ、酸化されにくいキレート体を形成するクエン酸が好ましい。
カルボン酸は、焼成時に残炭するため、還元剤としても機能する。かかる機能を発揮すべく、本発明においては、カルボン酸の残炭率を3質量%以上とするのが好ましい。残炭率が3質量%未満であると、得られるリン酸鉄リチウム前駆体が雰囲気中の微量な酸素で酸化されてしまう場合があるからである。また、残炭率が20質量%を超えると焼成後の残炭量が過剰となることから、残炭率は20質量%以下とするのが好ましい。
カルボン酸の残炭率としては、乳酸:7質量%、酒石酸:7質量%、リンゴ酸:12質量%およびクエン酸一水和物:7質量%である。また、カルボン酸のシュウ酸二水和物、酢酸などは1質量%未満であるため、焼成時の還元作用が小さい。
カルボン酸の残炭率としては、乳酸:7質量%、酒石酸:7質量%、リンゴ酸:12質量%およびクエン酸一水和物:7質量%である。また、カルボン酸のシュウ酸二水和物、酢酸などは1質量%未満であるため、焼成時の還元作用が小さい。
なお、上記「残炭率」は、高周波誘導加熱炉燃焼−赤外線吸収法に準拠して定量し、元のカルボン酸量で除して得られた値である。
カルボン酸の添加量は、鉄:1molに対して、0.1〜0.5molが好ましく、0.15〜0.3molがより好ましい。
上記添加量が0.1mol未満の場合は、カルボン酸によるキレート化の効果が小さくなるため、金属鉄とリン酸イオンとが直接反応して難溶性のリン酸鉄の凝集粒子が生成・成長し、水溶液が白色〜淡青色を呈するクリーム状態の高粘度物質となってしまう。その結果、水溶液の撹拌が不十分となり、未反応の金属鉄が残存しやすい、原料が均一に混合されない等の支障をきたす場合がある。
上記添加量が0.1mol未満の場合は、カルボン酸によるキレート化の効果が小さくなるため、金属鉄とリン酸イオンとが直接反応して難溶性のリン酸鉄の凝集粒子が生成・成長し、水溶液が白色〜淡青色を呈するクリーム状態の高粘度物質となってしまう。その結果、水溶液の撹拌が不十分となり、未反応の金属鉄が残存しやすい、原料が均一に混合されない等の支障をきたす場合がある。
また、上記添加量が0.5molを超える場合には、形成されるリン酸鉄のキレート体が水溶液中に均一に分散する(原料が均一に混合される)が、焼成後の残炭量が過剰となって、最終的に得られるリン酸鉄リチウムの見かけ上の放電容量が低下するおそれがある。
これに対し、上記添加量が上記範囲内であれば、未反応の金属鉄が残存しにくくなり、原料が均一に混合され、また、得られるリン酸鉄リチウムの見かけ上の放電容量が良好になる。
これに対し、上記添加量が上記範囲内であれば、未反応の金属鉄が残存しにくくなり、原料が均一に混合され、また、得られるリン酸鉄リチウムの見かけ上の放電容量が良好になる。
第1の作製工程のキレート反応においては、前述したキレート反応に同じく、水溶液温度が10〜40℃であるのが好ましく、20〜30℃がより好ましい。
本発明においては、リン酸およびカルボン酸を含む水溶液に鉄粒子を添加し、酸化雰囲気に晒すことにより、鉄粒子表面に存在する酸素または水酸基を介してカルボン酸が鉄とキレート化するとともに、リン酸が鉄を酸化して結合することにより、下記式(1)で表されるリン酸鉄のキレート体が形成され、このキレート体が均一に分散した第1反応液が得られるものと推測される。
[第2の作製工程]
第2の作製工程は、第1の作製工程で作製された第1反応液にリチウム源を添加して第2反応液を作製する工程である。
第2の作製工程では、上記式(1)で表されるキレート体が均一に分散した第1反応液にリチウム源を添加することにより、原料が原子レベルで均一に混合されたリン酸鉄リチウムの前駆体が得られる。
第2の作製工程は、第1の作製工程で作製された第1反応液にリチウム源を添加して第2反応液を作製する工程である。
第2の作製工程では、上記式(1)で表されるキレート体が均一に分散した第1反応液にリチウム源を添加することにより、原料が原子レベルで均一に混合されたリン酸鉄リチウムの前駆体が得られる。
第1反応液に添加するリチウム源としては、水溶性のリチウム塩であれば特に限定されないが、焼成時に有害ガスを発生しないという理由から、水酸化リチウム、炭酸リチウムが好ましい。
第1反応液にリチウム源を添加すると、反応液は濃緑色に変化し、pH6〜7を示す第2反応液が得られる。また、この第2反応液を乾燥した乾燥物についてX線回折分析を行うと、結晶質の化合物は検出されず、原子レベルで均一に混合したキレート体に起因するアモルファス相が確認される。
第1反応液にリチウム源を添加して第2反応液を作製すると、上記式(1)で表されるキレート体のカルボキシ基の水素の一部がリチウムに置換され、下記式(2)で表されるリン酸鉄リチウムのキレート体が生成されるものと推測される。
このリン酸鉄リチウムのキレート体は、第2反応液中に分散して存在するが、キレート体の一部が凝集粒子として存在し、沈殿物となってしまう場合がある。
このような場合には、後の工程で行われる乾燥の前に、前駆体溶液の均一化を図るため、凝集粒子を湿式で機械粉砕して微細化することが望ましい。なお、湿式粉砕方法としては、例えば、超音波照射、湿式ジェットミル、ビーズミル等による方法が挙げられる。
このような場合には、後の工程で行われる乾燥の前に、前駆体溶液の均一化を図るため、凝集粒子を湿式で機械粉砕して微細化することが望ましい。なお、湿式粉砕方法としては、例えば、超音波照射、湿式ジェットミル、ビーズミル等による方法が挙げられる。
[第3の作製工程]
第3の作製工程は、第2作製工程で作製された第2反応液に炭素源を添加して第3反応液を作製する工程である。
第3の作製工程は、第2作製工程で作製された第2反応液に炭素源を添加して第3反応液を作製する工程である。
第2反応液に添加する炭素源としては、焼成時に熱分解して炭素を生成する物質、または、導電性炭素が好ましい。
焼成時に熱分解して炭素を生成する物質としては、焼成時に溶融してリン酸鉄リチウム粒子の表面を濡らすもの、または、ガス状物質を生成しリン酸鉄リチウム粒子の表面に炭素を析出するものが好ましく、具体的には、例えば、グルコース、フルクトース、マルトース、スクロース、アスコルビン酸およびエリソルビン酸などの糖;ポリビニルアルコール(PVA)およびポリエチレングリコールなどの水溶性高分子;等を用いることができる。
導電性炭素としては、例えば、カーボンブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、気相成長炭素繊維(VGCF)、カーボンナノファイバーおよびフラーレン等を用いることができる。
これらは、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
焼成時に熱分解して炭素を生成する物質としては、焼成時に溶融してリン酸鉄リチウム粒子の表面を濡らすもの、または、ガス状物質を生成しリン酸鉄リチウム粒子の表面に炭素を析出するものが好ましく、具体的には、例えば、グルコース、フルクトース、マルトース、スクロース、アスコルビン酸およびエリソルビン酸などの糖;ポリビニルアルコール(PVA)およびポリエチレングリコールなどの水溶性高分子;等を用いることができる。
導電性炭素としては、例えば、カーボンブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、気相成長炭素繊維(VGCF)、カーボンナノファイバーおよびフラーレン等を用いることができる。
これらは、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
第2反応液に添加する炭素源の添加量は、焼成後のリン酸鉄リチウムに含まれる炭素量が1〜5質量%になる量が好ましく、1.5〜3質量%になる量がより好ましい。
上記炭素量が1質量%未満である場合には、リン酸鉄リチウムの導電性が不十分となる場合があり、正極活物質としてのリン酸鉄リチウム粒子の性能を十分に引き出すことができないおそれがある。一方、上記炭素量が5質量%超である場合には、見かけ上の放電容量が低下する場合がある。
しかし、炭素源の添加量が上記範囲内であれば、リン酸鉄リチウムの導電性が十分となり、見かけ上の放電容量も良好となる。
しかし、炭素源の添加量が上記範囲内であれば、リン酸鉄リチウムの導電性が十分となり、見かけ上の放電容量も良好となる。
[前駆体生成工程]
前駆体生成工程は、第3の作製工程で作製された第3反応液を乾燥させてリン酸鉄リチウム前駆体を生成させる工程である。
第3反応液の乾燥物であるリン酸鉄リチウム前駆体は、粉末状であり、その粒径は特に限定されないが、取り扱いのしやすさの観点から、50〜200μmが好ましい。
前駆体生成工程は、第3の作製工程で作製された第3反応液を乾燥させてリン酸鉄リチウム前駆体を生成させる工程である。
第3反応液の乾燥物であるリン酸鉄リチウム前駆体は、粉末状であり、その粒径は特に限定されないが、取り扱いのしやすさの観点から、50〜200μmが好ましい。
第3反応液を乾燥させる方法としては、特に限定されないが、乾燥効率が良好であるという理由から、スプレードライ法を採用することが好ましい。スプレードライ法は、形状の揃った粉末を得ることができるからである。
なお、スプレードライ法の操作条件は、前述したように、スプレードライ装置の入口温度(加熱空気温度)を100〜250℃とすることが好ましい。また、入口温度を150〜250℃にすれば、生成する乾燥物の到達温度は、送液量とのバランスにも依存するが、100〜150℃となる。
なお、スプレードライ法の操作条件は、前述したように、スプレードライ装置の入口温度(加熱空気温度)を100〜250℃とすることが好ましい。また、入口温度を150〜250℃にすれば、生成する乾燥物の到達温度は、送液量とのバランスにも依存するが、100〜150℃となる。
[焼成工程]
焼成工程は、前駆体生成工程で生成したリン酸鉄リチウム前駆体を非酸化性雰囲気下で焼成してリン酸鉄リチウムを得る工程である。
前駆体生成工程で生成したリン酸鉄リチウム前駆体を、非酸化性雰囲気下で焼成することにより、リン酸鉄リチウム前駆体が結晶化してリン酸鉄リチウムの結晶体に変化するとともに、熱分解炭素がリン酸鉄リチウムの粒子表面に析出する。
焼成工程は、前駆体生成工程で生成したリン酸鉄リチウム前駆体を非酸化性雰囲気下で焼成してリン酸鉄リチウムを得る工程である。
前駆体生成工程で生成したリン酸鉄リチウム前駆体を、非酸化性雰囲気下で焼成することにより、リン酸鉄リチウム前駆体が結晶化してリン酸鉄リチウムの結晶体に変化するとともに、熱分解炭素がリン酸鉄リチウムの粒子表面に析出する。
なお、上記非酸化性雰囲気下とは、例えば、酸素濃度が1000ppm以下の窒素、アルゴンなどの不活性ガス雰囲気下;水素、一酸化炭素などの還元性ガスを含む還元性ガス雰囲気下;等のことをいう。
焼成工程における焼成の温度(焼成温度)は、300℃以上が好ましく、500℃以上がより好ましく、600〜800℃がさらに好ましい。
焼成温度が300℃未満の場合には、揮発成分であるH2O,CO2,H2および炭化水素の熱分解除去が不十分となる場合があるうえ、結晶化が生じない場合もある。一方、焼成温度が800℃を超えると、得られる結晶粒子の粗大化が進行し、Fe2Pなどの副生成物が生成する場合がある。
しかし、焼成温度が上記範囲内であれば、揮発成分の熱分解除去および結晶化が十分に進行し、また、結晶粒子の粗大化やFe2Pなどの副生成物の生成も抑制される。
焼成温度が300℃未満の場合には、揮発成分であるH2O,CO2,H2および炭化水素の熱分解除去が不十分となる場合があるうえ、結晶化が生じない場合もある。一方、焼成温度が800℃を超えると、得られる結晶粒子の粗大化が進行し、Fe2Pなどの副生成物が生成する場合がある。
しかし、焼成温度が上記範囲内であれば、揮発成分の熱分解除去および結晶化が十分に進行し、また、結晶粒子の粗大化やFe2Pなどの副生成物の生成も抑制される。
上記のリン酸鉄リチウム前駆体を非酸化性雰囲気下で焼成して得られるリン酸鉄リチウムの一次粒径は、リチウムイオンの拡散距離を短縮するという理由から、200nm以下が好ましく、50〜150nmがより好ましい。
なお、本発明において、リン酸鉄リチウムの一次粒径は、Rigaku社製UltimaIV(X−Ray:Cu−Kα1)を使用して行ったX線回折分析によりScherrer式を用いて求めたものである。
なお、本発明において、リン酸鉄リチウムの一次粒径は、Rigaku社製UltimaIV(X−Ray:Cu−Kα1)を使用して行ったX線回折分析によりScherrer式を用いて求めたものである。
以上説明したように、本発明における第2の製造方法によれば、原料が原子レベルで均一に混合されたリン酸鉄リチウム前駆体の溶液(第3反応液)が得られ、この溶液に炭素源を加え、乾燥後、非酸化性雰囲気下で焼成することにより放電容量の高いリン酸鉄リチウムを製造できる。
正極活物質には高速充放電特性が要求されることから、本発明の製造方法により得られるリン酸鉄リチウムは、リチウムイオン電池等の二次電池用正極活物質として好適に用いられる。
なお、本発明においては、安価な鉄粒子が使用されているため、低コスト化も実現されている。
正極活物質には高速充放電特性が要求されることから、本発明の製造方法により得られるリン酸鉄リチウムは、リチウムイオン電池等の二次電池用正極活物質として好適に用いられる。
なお、本発明においては、安価な鉄粒子が使用されているため、低コスト化も実現されている。
リン酸鉄リチウムの粒度制御方法
本発明に規定した粒度分布、粒度条件を満たすリン酸鉄リチウムを得るために好ましい手法は、前述したように、スプレードライ法が挙げられる。また、スプレードライ設備の操業条件としては、公知の条件に従うことが良いが、ディスク式であればディスク回転数を25000〜6000rpm程度にすることで、本発明に規定した粒度分布、粒度条件を満たすリン酸鉄リチウムを得ることができる。
さらに、転動造粒や、流動層などを用いた造粒によっても、望ましい粒度の球形粒子を得ることが可能である。これらの造粒機を用いた造粒条件は、公知の条件の中から適宜選択すればよい。
本発明に規定した粒度分布、粒度条件を満たすリン酸鉄リチウムを得るために好ましい手法は、前述したように、スプレードライ法が挙げられる。また、スプレードライ設備の操業条件としては、公知の条件に従うことが良いが、ディスク式であればディスク回転数を25000〜6000rpm程度にすることで、本発明に規定した粒度分布、粒度条件を満たすリン酸鉄リチウムを得ることができる。
さらに、転動造粒や、流動層などを用いた造粒によっても、望ましい粒度の球形粒子を得ることが可能である。これらの造粒機を用いた造粒条件は、公知の条件の中から適宜選択すればよい。
リン酸鉄リチウムの圧壊強度制御方法
上記した試料の熱処理条件のうち、本発明に規定したように、圧壊強度を10MPa未満の範囲内に収めるためには、特に、前述した焼成工程における焼成時、また、二次焼成を行う場合は、二次焼成における焼成時(本発明では、焼成時とは、二次焼成を行う場合は、二次焼成における焼成時を意味する)、それぞれの昇温時の昇温速度を制御することが重要である。すなわち、昇温速度が300℃/hを超えた場合に、粒子は急激な加熱に対して激しく熱収縮をするために、圧壊強度が10MPaを越えてしまうので、焼成時の昇温速度は300℃/h以下を保つ必要がある。焼成時の昇温速度は、好ましくは290℃/h以下、より好ましくは275℃/h以下である。
上記した試料の熱処理条件のうち、本発明に規定したように、圧壊強度を10MPa未満の範囲内に収めるためには、特に、前述した焼成工程における焼成時、また、二次焼成を行う場合は、二次焼成における焼成時(本発明では、焼成時とは、二次焼成を行う場合は、二次焼成における焼成時を意味する)、それぞれの昇温時の昇温速度を制御することが重要である。すなわち、昇温速度が300℃/hを超えた場合に、粒子は急激な加熱に対して激しく熱収縮をするために、圧壊強度が10MPaを越えてしまうので、焼成時の昇温速度は300℃/h以下を保つ必要がある。焼成時の昇温速度は、好ましくは290℃/h以下、より好ましくは275℃/h以下である。
以上説明したように、酸素を0.5質量%以上含有する鉄粒子を、リン酸、カルボン酸およびリチウム源を含む水溶液に添加し、酸化雰囲気中で反応させることによりリン酸鉄リチウムのキレート体を合成し、これを乾燥することにより、原料が原子レベルで均一に混合したリン酸鉄リチウム前駆体が得られる。ついでこのリン酸鉄リチウム前駆体を焼成して、所望のリン酸鉄リチウム粒子を得ることができる。
リン酸鉄リチウム粒子を用いたリチウムイオン二次電池正極の製造方法
正極の作製時は、前記の粒度や、圧壊強度を有する正極材料に導電性物質として黒鉛を配合し、さらにバインダーを加えた正極合剤を用いることが多い。バインダーとしては、電解質に対して化学的安定性、電気化学的安定性を有するものを用いることが好ましく、例えば、ポリ四フッ化エチレン(PTFE)やポリフッ化ビニリデン(PVdF)などが用いられる。また、これらを併用することもできる。バインダーは、通常、正極合剤の全量中1〜20質量%程度の量で用いるのが好ましい。正極の作製の具体例として、前記リン酸鉄リチウムの粒子と導電性物質としての黒鉛をバインダーと混合することによって正極合剤を調製し、この正極合剤を、通常、集電体の片面または両面に塗布することで正極合剤層を形成する方法が挙げられる。
正極の作製時は、前記の粒度や、圧壊強度を有する正極材料に導電性物質として黒鉛を配合し、さらにバインダーを加えた正極合剤を用いることが多い。バインダーとしては、電解質に対して化学的安定性、電気化学的安定性を有するものを用いることが好ましく、例えば、ポリ四フッ化エチレン(PTFE)やポリフッ化ビニリデン(PVdF)などが用いられる。また、これらを併用することもできる。バインダーは、通常、正極合剤の全量中1〜20質量%程度の量で用いるのが好ましい。正極の作製の具体例として、前記リン酸鉄リチウムの粒子と導電性物質としての黒鉛をバインダーと混合することによって正極合剤を調製し、この正極合剤を、通常、集電体の片面または両面に塗布することで正極合剤層を形成する方法が挙げられる。
正極の作製には、正極作製用の通常の溶媒を用いることができる。正極合剤を溶媒中に分散させ、ペースト状にした後、集電体に塗布、乾燥すれば、正極合剤層が均一かつ強固に集電体に接着される。より具体的には、例えば、前記正極材料のリン酸鉄リチウム粒子とPTFE、PVdF等の粘結剤とを、1メチル2ピロリドンなどの溶媒と混合してスラリーとした後、ニーダーやミキサーなどで混練し、ペーストを調製する。このペーストを集電材の片面または両面に塗布し、乾燥すれば、正極合剤層が均一に接着した正極が得られる。
リン酸鉄リチウム電極の剥離強度の測定方法
本発明における電極の剥離強度は、電極にプレス成形圧力を加えない状態において、JIS K 6854-2 に示された180°剥離強度測定手法に則りオートグラフを用いて荷重を測定し算出する。
本発明における電極の剥離強度は、電極にプレス成形圧力を加えない状態において、JIS K 6854-2 に示された180°剥離強度測定手法に則りオートグラフを用いて荷重を測定し算出する。
正極の電池特性(放電容量、初期充放電効率およびサイクル特性)の測定方法
上記の手順で得られた正極電極を用い、以下の要領でボタン型二次電池を作製し、電池評価を行う。
まず、正極と対極の負極との間に、電解液を含浸させたセパレータを挟んで積層し、その後、正極と負極を外装カップおよび外装缶に収容した上で、外装カップと外装缶とを合わせる。その際、外装カップと外装缶との周縁部に絶縁ガスケットを介在させ、両周縁部を加締めて密閉する。
かようにして測定する電池特性は、放電容量、初期充放電効率およびサイクル特性の値であり、これらは25℃の温度下での充放電試験の結果から算出する。
上記の手順で得られた正極電極を用い、以下の要領でボタン型二次電池を作製し、電池評価を行う。
まず、正極と対極の負極との間に、電解液を含浸させたセパレータを挟んで積層し、その後、正極と負極を外装カップおよび外装缶に収容した上で、外装カップと外装缶とを合わせる。その際、外装カップと外装缶との周縁部に絶縁ガスケットを介在させ、両周縁部を加締めて密閉する。
かようにして測定する電池特性は、放電容量、初期充放電効率およびサイクル特性の値であり、これらは25℃の温度下での充放電試験の結果から算出する。
(放電容量、初期充放電効率の測定)
本発明における放電容量および初期充放電効率の測定要領は、以下のとおりである。まず、回路電圧が4.0Vに達するまで0.9mAの定電流充電を行った後、定電圧充電に切替えて、電流値が20μAになるまで充電を続けて、その間の通電量から充電容量を求める。その後、120分間休止し、ついで0.9mAの電流値で、回路電圧が2.0Vに達するまで定電流放電を行い、この間の通電量から放電容量を求める。これを第1サイクルとして、次式から初期充放電効率を計算する。
初期充放電効率(%)=(第1サイクルの放電容量/第1サイクルの充電容量)×100
なお、この試験では、リチウムイオンを正極材料に吸蔵する過程を充電、正極材料から離脱する過程を放電とした。
本発明における放電容量および初期充放電効率の測定要領は、以下のとおりである。まず、回路電圧が4.0Vに達するまで0.9mAの定電流充電を行った後、定電圧充電に切替えて、電流値が20μAになるまで充電を続けて、その間の通電量から充電容量を求める。その後、120分間休止し、ついで0.9mAの電流値で、回路電圧が2.0Vに達するまで定電流放電を行い、この間の通電量から放電容量を求める。これを第1サイクルとして、次式から初期充放電効率を計算する。
初期充放電効率(%)=(第1サイクルの放電容量/第1サイクルの充電容量)×100
なお、この試験では、リチウムイオンを正極材料に吸蔵する過程を充電、正極材料から離脱する過程を放電とした。
(サイクル特性の評価)
放電容量、初期充放電効率を評価した評価電池とは別の評価電池を作製し、以下のような評価を行なう。
回路電圧が4.0Vに達するまで4.0mAの定電流充電を行った後、定電圧充電に切替え、電流値が20μAになるまで充電を続け、その後120分間休止する。次に、4.0mAの電流値で、回路電圧が2.0Vに達するまで定電流放電を行う。かかる充放電を20回繰返し、得られた放電容量から、次式を用いてサイクル特性を計算する。
サイクル特性=(第20サイクルにおける放電容量/第1サイクルにおける放電容量)× 100
放電容量、初期充放電効率を評価した評価電池とは別の評価電池を作製し、以下のような評価を行なう。
回路電圧が4.0Vに達するまで4.0mAの定電流充電を行った後、定電圧充電に切替え、電流値が20μAになるまで充電を続け、その後120分間休止する。次に、4.0mAの電流値で、回路電圧が2.0Vに達するまで定電流放電を行う。かかる充放電を20回繰返し、得られた放電容量から、次式を用いてサイクル特性を計算する。
サイクル特性=(第20サイクルにおける放電容量/第1サイクルにおける放電容量)× 100
さらに、以上述べた製造方法に従い作製された正極電極は、リチウムイオン二次電池用の正極として用いられる。なお、上記正極電極のリチウムイオン二次電池への組込み手順は、常法によれば良い。
〔実施例1〕
本発明おける、原料鉄粉の酸素量と、d50径の剥離への影響を確認する試験を以下に示すように行った。
(リン酸鉄リチウム粒子の作製)
蒸留水:2000gに、85質量%のリン酸:10mol、クエン酸1水和物:2molおよび炭酸リチウム:5molを溶解し、この混合溶液に鉄粉(JFEスチール製、平均粒径(d50径):80μm、酸素含有量が異なる水準で作製)10molを添加し、液温25〜30℃、空気雰囲気下で撹拌しながら1日間反応させた。この反応液をスプレードライヤー(大川原化工機製)を用い、入口温度200℃で乾燥し乾燥粉末を得た。この乾燥粉末の平均粒径は、SEM観察により測定し約30μmであった。
この乾燥粉末に、窒素気流中にて400℃×5hの一次焼成を施し、さらに一次焼成物全量に炭素源として、アスコルビン酸:40gを加えてボールミルにて湿式粉砕・混合を行った。得られた混合物は、再びスプレードライヤーを用い乾燥したのだが、この際のスプレードライヤーの条件を、ディスク式と二流体ノズル式の違い、ディスク式の場合には回転数を変更、ノズル式の場合は送る空気圧を変更することで、表1に示すマイクロトラック測定でのd50径の異なるものを作製した。得られた乾燥粉末は、窒素気流中で700℃×10hの二次焼成を施し、リン酸鉄リチウムを調製した。なお二次焼成における700℃への昇温速度は200℃/hであった。
本発明おける、原料鉄粉の酸素量と、d50径の剥離への影響を確認する試験を以下に示すように行った。
(リン酸鉄リチウム粒子の作製)
蒸留水:2000gに、85質量%のリン酸:10mol、クエン酸1水和物:2molおよび炭酸リチウム:5molを溶解し、この混合溶液に鉄粉(JFEスチール製、平均粒径(d50径):80μm、酸素含有量が異なる水準で作製)10molを添加し、液温25〜30℃、空気雰囲気下で撹拌しながら1日間反応させた。この反応液をスプレードライヤー(大川原化工機製)を用い、入口温度200℃で乾燥し乾燥粉末を得た。この乾燥粉末の平均粒径は、SEM観察により測定し約30μmであった。
この乾燥粉末に、窒素気流中にて400℃×5hの一次焼成を施し、さらに一次焼成物全量に炭素源として、アスコルビン酸:40gを加えてボールミルにて湿式粉砕・混合を行った。得られた混合物は、再びスプレードライヤーを用い乾燥したのだが、この際のスプレードライヤーの条件を、ディスク式と二流体ノズル式の違い、ディスク式の場合には回転数を変更、ノズル式の場合は送る空気圧を変更することで、表1に示すマイクロトラック測定でのd50径の異なるものを作製した。得られた乾燥粉末は、窒素気流中で700℃×10hの二次焼成を施し、リン酸鉄リチウムを調製した。なお二次焼成における700℃への昇温速度は200℃/hであった。
(正極合材ペーストの調製)
得られたリン酸鉄リチウム正極材料について、リン酸鉄リチウム:アセチレンブラック:ポリフッ化ビニリデンを86:4:10の割合で混合し、溶媒にNMP(1メチル2ピロリドン)を用いプラネタリ−ミキサーを用い混合、撹拌することで正極合材ペーストを得た。
得られたリン酸鉄リチウム正極材料について、リン酸鉄リチウム:アセチレンブラック:ポリフッ化ビニリデンを86:4:10の割合で混合し、溶媒にNMP(1メチル2ピロリドン)を用いプラネタリ−ミキサーを用い混合、撹拌することで正極合材ペーストを得た。
(電極の作製)
得られたペーストを15μm厚みのアルミ箔上に塗布し、120℃の温度下にて真空乾燥させ、正極電極を得た。
得られたペーストを15μm厚みのアルミ箔上に塗布し、120℃の温度下にて真空乾燥させ、正極電極を得た。
(剥離強度の測定)
得られた負極電極について、プレス等による成形圧力印加はせず、JIS K 6854-2 に示された180°剥離強度測定手法に則り測定した。
結果を、表1に併記する。
得られた負極電極について、プレス等による成形圧力印加はせず、JIS K 6854-2 に示された180°剥離強度測定手法に則り測定した。
結果を、表1に併記する。
同表より、まず、用いた鉄粉原料の酸素含有量が0.5重量%未満の水準では、平均粒径に関わらず剥離強度が10N/m未満となった。この理由の詳細は不明ではあるが、上記水準では、表1に併せて示した圧壊強度が、いずれも10MPa以上の値であるため、この高圧壊強度が原因で得られる正極電極が剥離しやすいものとなっている。
また、酸素含有量が0.5重量%以上の鉄粉を原料に用いた水準において、平均粒径のメディアン径が3〜50μmの範囲外の水準では、剥離強度が10N/m未満の値に留まっているのに対し、適正な径の範囲内に含まれる水準では、剥離強度が10N/m以上という優れた値を示していることが分かる。
また、酸素含有量が0.5重量%以上の鉄粉を原料に用いた水準において、平均粒径のメディアン径が3〜50μmの範囲外の水準では、剥離強度が10N/m未満の値に留まっているのに対し、適正な径の範囲内に含まれる水準では、剥離強度が10N/m以上という優れた値を示していることが分かる。
〔実施例2〕
本発明おける、圧壊強度の影響を確認する試験を以下に示すように行った。
(負極合材ペーストの調製)
表1の発明例(1−5)に示した原料、条件で二次焼成前の乾燥粉末(d50径=30μm)を作製し、表2に示すように、意図的に二次焼成時の昇温速度を変化させ、圧壊強度の異なるリン酸鉄リチウム粒子を作製した。得られたリン酸鉄リチウム正極材料について、リン酸鉄リチウム:アセチレンブラック:ポリフッ化ビニリデンを86:4:10の割合で混合し、溶媒にNMP(1メチル2ピロリドン)を用いプラネタリ−ミキサーを用い混合、撹拌することで正極合材ペーストを得た。
本発明おける、圧壊強度の影響を確認する試験を以下に示すように行った。
(負極合材ペーストの調製)
表1の発明例(1−5)に示した原料、条件で二次焼成前の乾燥粉末(d50径=30μm)を作製し、表2に示すように、意図的に二次焼成時の昇温速度を変化させ、圧壊強度の異なるリン酸鉄リチウム粒子を作製した。得られたリン酸鉄リチウム正極材料について、リン酸鉄リチウム:アセチレンブラック:ポリフッ化ビニリデンを86:4:10の割合で混合し、溶媒にNMP(1メチル2ピロリドン)を用いプラネタリ−ミキサーを用い混合、撹拌することで正極合材ペーストを得た。
(電極の作製)
得られたペーストを15μm厚みのアルミ箔上に塗布し、120℃の温度下にて真空乾燥させ、正極電極を得た。
得られたペーストを15μm厚みのアルミ箔上に塗布し、120℃の温度下にて真空乾燥させ、正極電極を得た。
(剥離強度の測定)
得られた負極電極について、プレス等による成形圧力印加はせず、JIS K 6854-2 に従う180°剥離強度測定手法に則り、それぞれの水準の剥離強度を測定した。
結果を表2に併記する。
得られた負極電極について、プレス等による成形圧力印加はせず、JIS K 6854-2 に従う180°剥離強度測定手法に則り、それぞれの水準の剥離強度を測定した。
結果を表2に併記する。
同表より、圧壊強度が規定よりも高い10MPa以上の水準では、リン酸鉄リチウム粒子の剥離強度が10N/m未満の値に低下している。一方、適正範囲内に含まれる水準では、リン酸鉄リチウム粒子の剥離強度が10N/m以上という優れた値を示していることが分かる。
〔実施例3〕
実施例1〜2に示した発明例および比較例のうちいくつかの水準について、ボタン電池を試作し、電池特性を評価した。選択した水準、および評価結果を表3に示す。
実施例1〜2に示した発明例および比較例のうちいくつかの水準について、ボタン電池を試作し、電池特性を評価した。選択した水準、および評価結果を表3に示す。
同表より、剥離強度が10N/m以上という優れた値を有する実施例では、サイクル特性が95%以上と良好であるのに対し、10N/m未満に留まっている比較例では、サイクル特性が94%以下と低い値しか得られないことが分かる。
Claims (6)
- 酸素を0.5質量%以上含有する鉄粒子を原材料としたリチウムイオン二次電池正極材用リン酸鉄リチウム粒子であって、該リチウムイオン二次電池正極材用リン酸鉄リチウム粒子のJIS Z 8841に規定された圧壊強度が、10MPa以下であることを特徴とするリチウムイオン二次電池正極材用リン酸鉄リチウム粒子。
- 前記リン酸鉄リチウム粒子の、レーザー回折式粒度分布測定法による平均粒径(d50径)が、3〜50μmの範囲であることを特徴とする請求項1に記載のリチウムイオン二次電池正極材用リン酸鉄リチウム粒子。
- 前記リン酸鉄リチウム粒子の、JIS K 6854-2に規定された180度剥離の強度の値が、10N/m以上であることを特徴とする請求項1または2に記載のリチウムイオン二次電池正極用リン酸鉄リチウム粒子。
- 請求項1〜3のいずれかに記載のリチウムイオン二次電池正極材用リン酸鉄リチウム粒子を製造する方法であって、
リン酸、ヒドロキシカルボン酸およびリチウム化合物と、酸素を0.5質量%以上含有する鉄粒子とを原材料とする、リン酸鉄リチウム前駆体を焼成してリチウムイオン二次電池正極材用リン酸鉄リチウム粒子とするにあたり、
上記焼成時の昇温速度を、300℃/h以下とする
ことを特徴とするリチウムイオン二次電池正極材用リン酸鉄リチウム粒子の製造方法。 - 請求項1〜3のいずれかに記載のリチウムイオン二次電池正極材用リン酸鉄リチウム粒子を含有することを特徴とするリチウムイオン二次電池正極。
- 請求項5に記載のリチウムイオン二次電池正極を備えることを特徴とするリチウムイオン二次電池。
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JP2012127088A JP2013251227A (ja) | 2012-06-04 | 2012-06-04 | リチウムイオン二次電池正極材用リン酸鉄リチウム粒子およびその製造方法、ならびに上記リン酸鉄リチウム粒子を用いたリチウムイオン二次電池正極およびその正極を備えるリチウムイオン二次電池 |
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---|---|---|---|---|
JP2007305585A (ja) * | 2006-05-11 | 2007-11-22 | Aquire Energy Co Ltd | 充電式バッテリ製造用の陰極材料 |
JP2011042553A (ja) * | 2009-03-13 | 2011-03-03 | Jfe Chemical Corp | リン酸鉄リチウムの製造方法 |
JP2011146254A (ja) * | 2010-01-14 | 2011-07-28 | Jfe Chemical Corp | リン酸鉄リチウムの製造方法 |
-
2012
- 2012-06-04 JP JP2012127088A patent/JP2013251227A/ja active Pending
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