JP2013248747A - 射出成形方法および射出成形用金型 - Google Patents

射出成形方法および射出成形用金型 Download PDF

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Abstract

【課題】射出成形の型開時における離型不良により成形品が変形するのを防ぐとともに、傷や押圧跡がない高精度な成形品が成形されるようにする。
【解決手段】固定型20または可動型21を一方型とし、該一方型と相対する固定型20または可動型21を他方型とする射出成形用金型により、中央域に開口3〜7を有する板状の成形品を成形する方法であって、成形品の一方の面を成形する型面22を一方型に形成し、他方の面を成形する中央域成形用型板30と、成形品の開口3〜7を形成するコア部23〜25と、外周域11を成形する外周域成形用型板35とをそれぞれ相対的な進退動が可能なるように他方型に設け、型開する際に一方型から他方型が所定寸法離間するまで制動機構50を作動させ中央域成形用型板30および外周域成形用型板35の進退動を制止させる。
【選択図】図5

Description

本発明は、パチンコ、アレンジボール、雀球等の弾球遊技機の内部に設けられる合成樹脂製の遊技板、その他の合成樹脂製品を射出成形する方法および射出成形用金型に関するものである。
周知のようにパチンコ遊技機の遊技板は、遊技球を遊技領域に誘導する2本のガイドレールが装着されると共に、ガイドレールで囲まれた遊技領域に図柄変動表示装置、入賞装置等の遊技部品が配置される。そして、これらの遊技部品の周辺に障害釘、風車等が植設され、これにより遊技領域を落下する遊技球の経路に変化を与えている。
近年、遊技板は、環境保護の観点や意匠上の観点から、従来の合板に代えて合成樹脂製のものが提案され、特に透明な合成樹脂により成形された遊技板は、裏面に配置した図柄変動表示装置や電飾等各種装飾部材をも遊技者から見ることができるので、従来の合板製の遊技板ではできない斬新なデザイン構成を採ることを可能にしている。
ところで、合成樹脂製の遊技板を製造するには、特許文献1に示された押出成形による方法と、特許文献2および特許文献3に示された射出成形による方法とが従来から知られている。
特許文献1に示された押出成形による方法は、先ず厚手の平板を押出成形し、該平板の所定位置に切削加工により上記のような遊技部品を取り付けるための貫通状の開口を形成するものである。このような押出成形による方法は、加工時間を要し生産効率がよくない欠点があるほか、貫通状の開口を切削することで生じた切削屑が無駄になるので材料歩留まりが悪く、特に大型ディスプレイや大型役物を取り付けるための大きな開口部を形成すると大量の切削屑が生じ、切削屑を廃材として処分する費用が嵩むと同時に資源の無駄になるといった問題がある。
一方、射出成形による方法は、金型によって遊技板を成形すると同時に遊技部品を取り付けるための開口を形成することができるので、生産性がよく、切削屑も生じないといった利点がある。しかし、周知のように一般に射出成形においては、合成樹脂が冷却する際の不揃いな収縮を防止し、ヒケ、反り、変形等が生じないようにするために、成形品の肉厚を成形品全体でほぼ均一になるように設定する必要がある。そのために、遊技板を射出成形するに際しては、特許文献2および特許文献3に示されたように、多数のボスを遊技領域の裏面に一体に成形することで、肉厚がほぼ均一となるようにしている。即ち、障害釘を打ち込むための釘孔が中心部に形成された多数のボスを遊技領域の裏面に突出状に形成することにより、該釘孔が一定以上の深さになるようにすることで、障害釘がぐら付くことなく固植できるようにしている。なお、特許文献2および特許文献3に示された方法では、射出成形用金型が離型する際にボスの上端面をスリーブピンと呼ばれる突出ピン(エジェクトピン)により突き出して、遊技板を該金型の成形面から離間させることにより、突出ピンの押圧跡が該ボスの上端面以外に残らないようにしている。
ところがこのようにボスが形成された遊技板では、遊技機の機種に従い障害釘の位置を微調整したり変更しようとすると、該ボスの成形位置をも変更しなければならないので、金型自体を変えなければならず、機種に応じた微細な対処を即座にすることができないという問題がある。また、透明な合成樹脂により成形され、多数のボスを形成してなる遊技板は、該ボスが光を屈折、乱反射させ、透明性、透光性を損うために、上記のように遊技板内に図柄変動表示装置や電飾等各種装飾部材を配置しても、これらを透視し難くなるとともに光が透過し難くなるので、斬新で効果的な演出、装飾ができないという問題があった。
そこで、ボスを形成することなく、遊技板全体の肉厚を厚くすることで一定以上の深さの釘孔を確保し、障害釘がぐら付かないようにすることが考えられるが、そうすると、図21に示した透明な遊技板のように、遊技部品を取り付けるための開口a〜eの周囲に突出ピンの押圧跡fが付き、特に遊技板の肉厚が厚くしかも大きな開口を形成する必要があるものでは該開口の付近を変形することなく離型させるために金型に多数の突出ピンを配備する必要があるので遊技領域gに多数の押圧跡fが付き、該押圧跡によって該遊技板の遊技領域の透視性が損なわれるという問題がある。このため、透視性が損なわれるとういう問題は遊技板全体の肉厚を厚くすることによっても解決できないものであった。なお、図21の符号hは、遊技領域gの外側(ガイドレールが装着されるラインの外側)の非遊技領域を示す。
このように押出成形法と射出成形法には一長一短があるために、従来では未だ大多数の遊技板が非効率であるにも拘わらず押出成形と切削加工により製造されていた。
一方、上記問題点を解決するために本出願人が先に特許出願した下記特許文献4に記載の発明は、遊技領域に遊技部品を取り付けるための開口が形成され、外周縁に額縁状の外縁リブが形成される合成樹脂製の遊技板を射出成形用金型により成形する方法であって、射出成形用金型は固定型または可動型を一方型とし、該一方型と相対する固定型または可動型を他方型とすると、前記遊技領域を含む遊技板の前面全体を成形するための型面を一方型に形成し、前記開口を形成するコア部を他方型に設け、前記遊技領域の裏面を成形する遊技領域成形用型板を前記コア部の外周に前記コア部に対して相対的に進退動可能なるように他方型に設け、さらに該遊技領域成形用型板とともに前記外縁リブを成形する外周域成形用型板を該遊技領域成形用型板に対して独立して相対的に進退動可能なるように他方型に設け、型開時に遊技領域成形用型板と外周域成形用型板とを同時に一体的に前記コア部に対して相対的に突き出すことにより前記コア部から遊技板を離脱させ、その後に外周域成形用型板を遊技領域成形用型板からさらに相対的に突き出すことにより該遊技板を遊技領域成形用型板から離脱させるようにしたものである。
このように本出願人が先に特許出願した下記特許文献4に記載の発明は、型開時に先に遊技領域成形用型板と外周域成形用型板とをコア部に対して相対的に突き出して遊技板をコア部から離脱させることで遊技領域成形用型板と外周域成形用型板とが遊技板の裏面全体を押圧し、押圧力を分散させることにより、遊技領域の裏面を傷付けたり、押圧跡が残ることがないようにしたものである。
ところで、この射出成形用金型によって実際に遊技板を成形したところ、新たに次のような問題があることが明らかとなった。即ち、型開時に一般的には、遊技板は可動型(他方型)側に固着した状態で固定型(一方型)から離脱するが、この射出成形用金型の場合は遊技板の表面全体が固定型に面しており、かつ、可動型に進退動可能に設けられた遊技領域成形用型板が該遊技板の裏面に広く面しているので、該遊技板は固定型からも遊技領域成形用型板からも離脱し難くなり、そのために可動型を後退させた際に該遊技板が該遊技領域成形用型板を引っ張るような状態となって遊技板を変形させてしまうことがあった。特に十分に冷却されていない状態で可動型を後退させた場合にこのような離型不良が起きて成形品を変形させるおそれがあった。
即ち、図22は下記特許文献4に示される射出成形用金型の型閉状態の縦断面図であるが、この射出成形用金型では、キャビティーに射出された合成樹脂が冷却・固化することで遊技板100が成形されるが、図23に示したように、可動盤110、可動型120を後退動することで型開した時、該遊技板100が固定型130の型面140から離れずに遊技領域成形用型板150からも離れ難い状態となることで、該遊技板100が該遊技領域成形用型板150を引っ張り、該該遊技領域成形用型板150が可動型120から浮いたような状態となり、そのために遊技板100を変形させるおそれがあった。特に十分に冷却されていない状態で可動型120を後退させた場合にこのような離型不良が起き、遊技板100を変形させるおそれがあった。
なお、このような問題は、図24に示したような突出ピン(エジェクトピン)160を設けた射出成形用金型、および、図25に示したようなスリーブピン170が設けた射出成形用金型の場合にも起こり得るものであった。
特許第3720829号公報 特開平4−354959号公報(図3を参照) 特許第3118617号公報(図6を参照) 特願2012−013480号公報
本発明は、上記のような離型不良の問題を解決し、傷や押圧跡が付くことなく、透明性、透光性にも優れた樹脂成形品を成形し得る射出成形方法および射出成形用金型を提供しようとするものである。
そのために本発明に係る射出成形方法は、固定型または可動型を一方型とし、該一方型と相対する固定型または可動型を他方型とする射出成形用金型により、開口を有する板状の合成樹脂成形品を成形する方法であって、該成形品の一方の面を成形するための型面を一方型に形成し、該成形品の他方の面を成形する中央域成形用型板と、該成形品の開口を形成するコア部と、該成形品の外周域を成形する外周域成形用型板とをそれぞれ相対的な進退動が可能なるように他方型に設け、かつ、少なくとも中央域成形用型板の進退動を制止させる制動機構を設け、該射出成形用金型を型開する際に一方型から他方型が所定寸法離間するまで該制動機構を作動させることにより中央域成形用型板および外周域成形用型板の進退動が制止されるようにしたことを特徴とする。
また本発明に係る射出成形用金型は、固定型または可動型を一方型とし、該一方型と相対する固定型または可動型を他方型とし、合成樹脂成形品の一方の面を成形するための型面を一方型に形成し、該成形品の他方の面を成形する中央域成形用型板と、該成形品の開口を形成するコア部と、該成形品の外周域を成形する外周域成形用型板とをそれぞれ相対的な進退動が可能なるように他方型に設け、かつ、型開時に他方型が一方型から所定寸法離間するまで少なくとも前記中央域成形用型板の進退動を制止させる制動機構を具備してなることを特徴とする。
本発明に係る射出成形方法および射出成形用金型によれば、型開時における離型不良が防止され、成形品が変形するのを防ぐことができる。このため、傷や押圧跡がない遊技板等の成形品を射出成形により高精度に成形でき、その透明性、透光性を確保することも可能となる。
本発明に係る合成樹脂製成形品である遊技板の表面の斜視図。 本発明に係る合成樹脂製成形品である遊技板の裏面の斜視図。 図2のA−A線断面図。 本発明の実施例1に係る射出成形用金型の型閉状態の縦断面図。 図4に示した射出成形用金型が所定寸法型開きしたときの縦断面図。 図4に示した射出成形用金型の型開状態の縦断面図。 図4に示した射出成形用金型の先行離型手段が作動したときの縦断面図。 図4に示した射出成形用金型の後行離型手段が作動したときの縦断面図。 図4の部分拡大図。 図5の部分拡大図。 本発明の実施例2に係る射出成形用金型の型閉状態の縦断面図。 図11に示した射出成形用金型が所定寸法型開きしたときの縦断面図。 図11に示した射出成形用金型の型開状態の縦断面図。 図11に示した射出成形用金型の先行離型手段が作動したときの縦断面図。 図11に示した射出成形用金型の後行離型手段が作動したときの縦断面図。 図11の部分拡大図。 図12の部分拡大図。 図13の部分拡大図。 本発明の実施例1に係る射出成形用金型の要部の部分拡大図。 本発明の実施例2に係る射出成形用金型の要部の部分拡大図。 従来の透明な合成樹脂製遊技板の正面図。 先行技術に係る射出成形用金型の型閉状態の縦断面図。 図20の射出成形用金型の型開状態の縦断面図。 先行技術に係る射出成形用金型の型閉状態の縦断面図。 先行技術に係る射出成形用金型の型閉状態の縦断面図。
図1〜図3に、本発明に係る射出成形方法および射出成形用金型によって成形される長方形板状の遊技板1を示す。該遊技板1は、透明なポリカーボネイト樹脂、ABS樹脂、アクリロニトリル樹脂等の合成樹脂により一体に成形される。遊技板1の中央域(遊技領域)2は、表面が平坦に成形される厚さ10mm程度の部分で、該中央域に機種に応じた配置にて多数の障害釘が打ち込まれる。3は電子ディスプレイやセンター役物等の大型の遊技部品を取り付けるために中央域2に表裏貫通状に形成された大きな開口、4は該開口3の下部であって始動用可変入賞装置等の遊技部品を取り付けるために表裏貫通状に形成された開口、5は該開口4の下部であって大入賞口装置等の遊技部品を取り付けるために表裏貫通状に形成された開口、6は該遊技板1の下部両側に普通入賞装置、装飾部材等の遊技部品を取り付けるために表裏貫通状に形成された開口、7は通過チャッカー等の遊技部品を取り付けるために中央域2に表裏貫通状に形成された小さな開口である。なお、8は遊技板1の表面にガイドレール(図示せず)を固定ピンにより固定するためにガイドレールの長手方向に沿って所定間隔で多数形成した固定ピン差込用の小孔、9は遊技板1の四隅角部に組付、位置合わせ、配線通し等のために形成された貫通孔である。また、遊技板1の外周縁には裏側へ額縁状に突出するように外縁リブ10が成形されている。なお、11は中央域2の外側(ガイドレールが装着される環状ラインの外側)の外周域(非遊技領域)を示す。
次にこの遊技板1を成形する射出成形用金型を図4〜図10に従い説明する。同図において、20は固定盤18の前面に固設された射出成形用金型の固定型、21は該固定型と相対するように可動盤19の前面に桁部材19aを介して固設された可動型で、図4に示した状態では固定型20に対し可動型21を進出させて型閉状態とすることにより、両型間にキャビティーが形成され、射出ノズル(図示しない)から合成樹脂が固定盤18に設けられたスプルーブッシュ18aを介して固定型20内に形成されたホットランナ20aを経て該キャビティーに射出され、冷却によって該合成樹脂が固結することにより、遊技板1が成形される。なお、固定型20には遊技板1の遊技領域2を含む前面全体を成形するため凹窪状の型面22が該キャビティーに面するように形成されている。
一方、可動型21には、図示したように、前記開口3〜5を形成するためのコア部23〜25が形成され、図4に示した型閉状態では該各コア部は先端面を固定型20の型面22に圧接させている。そしてこれらのコア部23〜25の外周に相当する可動型21前面の凹窪部26に中央域成形用型板30が進退動可能に設けられる。なお、図示していないが、可動型21にはコア部23〜25の他、前記開口6,7を形成するためのコア部、および前記小孔8、貫通孔9を形成するための突状部もそれぞれ形成されている。31は中央域成形用型板30を進退動させるために該型板30の背後に縦に設けられた突出棒、32は該突出棒の基端部を当接させている突出プレート、33は該突出プレートに固設した油圧シリンダで、該油圧シリンダのピストンロッドが可動盤19の前面に止着されている。このため該油圧シリンダ33が作動すると、該突出プレート32を進退動させ、突出棒31を出没させる。該突出棒31と突出プレート32と油圧シリンダ33とにより先行離型手段が構成される。なお、突出棒31および油圧シリンダ33は、図面ではそれぞれ1本であるが、これらは中央域成形用型板30を進退動させるために必要に応じて複数本設けられる。
また、35は中央域成形用型板30に対して独立して進退動可能なるように、該中央域成形用型板30に形成された凹窪部40中に設けられた外周域成形用型板である。36は該外周域成形用型板を進退動させるために該外周域成形用型板35の背後に縦に設けられた突出棒、37は該突出棒の基端部を当接させている突出プレート、38は該突出プレートに固設した油圧シリンダで、該油圧シリンダのピストンロッドが可動盤19の前面に止着されている。このため該油圧シリンダ38が作動すると、該突出プレート37を進退動させ、突出棒36を出没させる。該突出棒36と突出プレート37と油圧シリンダ38とにより後行離型手段が構成され、後述するように、該油圧シリンダ38は前記油圧シリンダ33が作動した後に作動するよう設定される。なお、突出棒36および油圧シリンダ38は図面ではそれぞれ1本であるが、これらについても外周域成形用型板35を進退動させるために必要に応じて複数本設けられる。39は該突出棒36の基端部を突出プレート37上に保持するために設けられた保持プレートである。
50は固定型20に設けられた制動機構で、該制動機構は、図9、図10に拡大して示したように、固定型20の前記外周域成形用型板35と相対する部位にバネ室51を形成し、該バネ室にコイルバネからなる付勢部材52を設けるとともに該バネ室の中心に支軸53を固設し該支軸53に制動部材54を進退動自在に設け、該付勢部材52により該制動部材54を可動型21方向に付勢してなる。なお、支軸53の先端には制動部材54を抜止するための頭部53aが形成されている。このため、図4および図9に示した型閉状態では、該制動部材54が付勢部材52によって外周域成形用型板35を弾性的に押圧した状態にある。
このように構成した射出成形用金型では、図4、図9に示したようにキャビティーに射出された合成樹脂が冷却・固化して遊技板1が成形され、その後、可動盤19、可動型21を後退させる。図5、図10は、可動盤19、可動型21を後退させることにより、固定型20と可動型21とが所定寸法Lだけ離間した状態を示す。このように固定型20と可動型21とが所定寸法Lだけ離間するまでの間は、付勢部材52によって制動部材54が外周域成形用型板35を押圧し続ける状態にある。このため、外周域成形用型板35および中央域成形用型板30は、可動型21が後退する際に成形品である遊技板1に引っ張られても浮き上がることはなく、遊技板1を変形させないで、図6に示したように該遊技板1を固定型20の型面22から離脱させ、型開することができる。
次いで、図7に示したように先行離型手段である油圧シリンダ33を作動させることにより突出プレート32を介して突出棒31を突出させ中央域成形用型板30と外周域成形用型板35とを同時に一体的に突き出す。この作動によりコア部23〜25から遊技板1を離脱させる。なおこのとき遊技板1はその他のコア部および前記突状部からも離脱する。この離脱作動時に中央域成形用型板30と外周域成形用型板35とが該遊技板1の裏面全体を押圧することによりその押圧力が分散する。このため、遊技板1は肉厚で大きな開口3が存在することで離型抵抗が大きいものであるにも拘わらず、中央域2の裏面を傷付けたり、押圧跡を残したりするおそれがない。
その後、後行離型手段である油圧シリンダ38を作動させ、図8に示したように、突出プレート37を介して突出棒36を突出させ、外周域成形用型板35をさらに突き出し、該外周域成形用型板35によって遊技板1の外縁リブ10の端面を押圧することにより該遊技板1を中央域成形用型板30から離脱させる。このように、遊技板1を中央域成形用型板30から離脱させる際も、外周域成形用型板35が遊技板1の外縁リブ10の端面を押圧することから、中央域2の裏面を傷付けたり、押圧跡を残したりすることがない。
なお、この実施例では、油圧シリンダ33と油圧シリンダ38を設け、第1段階で油圧シリンダ33を作動させ、第2段階で油圧シリンダ38を作動させるようにしたが、可動盤19、可動型21が後退動する過程で、先ず突出プレート32が射出成形機に設けられた固定体(図示しない)に当たることで油圧シリンダ33を作動させるのと同様に突出棒31を突出させ中央域成形用型板30と外周域成形用型板35とが同時に一体的に突き出され、次いで突出プレート37が固定体(図示しない)に当たることで油圧シリンダ38を作動させるのと同様に突出棒36を突出させ外周域成形用型板35がさらに突き出されるように構成することもできる。この射出成形用金型は、可動型21内に独立して進退動する突出プレート32と突出プレート37とを設けたことにより、自由なタイミングで2段階にて遊技板を離型させることを可能にしている。
このように本発明に係る遊技板1は射出成形により製造され、押出成形のように開口等を切削加工しなくてもよいので材料の歩留まりがよく、生産性も高い。そして本発明によっては、遊技板1の裏面に傷や押圧跡が付くことなく、遊技領域の透明性、透光性が損なうおそれがなく、パチンコ遊技機等の遊技機においては該遊技板1の内側に図柄変動表示装置や電飾等各種装飾部材を配置することにより、遊技者が遊技板1内を鮮明に透視できるようになるとともに、電飾の光がよく通るので、自由なデザインにて斬新な演出を行うことができる。なお、本発明によって成形される遊技板は、無色透明のものに限らず、有色透明のものや半透明、透光性のものにすることができる。
本発明によれば、遊技板の裏面に傷や押圧跡が全く付かないように成形することを可能にするが、透明性、透光性の遊技板であっても、例えば、外周域11のように、透明性、透光性を必要とせず押圧跡があっても支障がないような部位に例えば図24に示したように突出ピン(エジェクトピン)160を設けてもよく、さらには、図25に示したようにスリーブピン170を設けてもよい。
なお、この実施例1では、外周域成形用型板35を押圧するように制動部材54を配設したが、図19に示したように、中央域成形用型板30を押圧するように該制動部材54を配設してもよい。
本発明の実施例2として図11〜図18に示した射出成形用金型は、実施例1における上記制動機構50の構成が異なるだけでその他の構成は実施例1と同じである。このため、実施例1と同一部分または相当部分は同一符号にて示す。この実施例2の制動機構50は、図13、図18に明確に示されるように、固定型20にアンギュラピン(可動型21の移動方向に対して10度程度傾斜させて固植されたピン)55を突設する一方、可動型21に設けられた中央域成形用型板30の一部に制動部材54を矢印で示したように横スライド可能に配設し、該制動部材54が横スライドすることで、該制動部材54の先端部54aが外周域成形用型板35に形成された切欠部35aに係脱するようにしている。該制動部材54には開口端がアンギュラピン55の先端部と相対するように傾斜孔54bが開設され、図11、図16に示した型閉状態としたときには、該アンギュラピン55が傾斜孔54b中に遊嵌し該制動部材54の先端部54aが外周域成形用型板35の切欠部35aに係合した状態となるようにしている。
このように構成した射出成形用金型では、図11、図16に示したようにキャビティーに射出した合成樹脂が冷却・固化して遊技板1が成形された後、図12、図17に示したように、可動盤19、可動型21を少し後退させ、固定型20と可動型21とが所定寸法Lだけ離間した状態となるまでの間、アンギュラピン55が制動部材54の傾斜孔54b中に遊嵌した状態であるようにすることにより、該アンギュラピン55が制動部材54を介して中央域成形用型板30の進退動を制止するとともに該制動部材54の先端部54aが外周域成形用型板35の切欠部35aに係合した状態に保たれ、外周域成形用型板35の進退動も制止される。このため該中央域成形用型板30および該外周域成形用型板35が遊技板1に引っ張られて浮き上がるようなことはなく、図13、図18に示したように該遊技板1を変形させることなく固定型20の型面22から離脱させることができる。
次いで、図14に示したように油圧シリンダ33を作動させることにより、突出プレート32を介して突出棒31を突出させ中央域成形用型板30と外周域成形用型板35とを同時に一体的に突き出し、コア部23〜25から遊技板1を離脱させる。その後、油圧シリンダ38を作動させ、図15に示したように、突出プレート37を介して突出棒36を突出させ、外周域成形用型板35をさらに突き出し、該外周域成形用型板35によって遊技板1の外縁リブ10の端面を押圧し該遊技板1を中央域成形用型板30から離脱させる。これにより高精度の遊技板1を中央域2を傷付けたり押圧跡を残すことなく成形することができる。
なお、この実施例2の場合も、実施例1と同様に、突出ピンやスリーブピンを設け、油圧シリンダ38を作動させ外周域成形用型板35が突出するのと同時に該突出ピンやスリーブピンが外周域11に突出するように構成してもよい。
また、この実施例2では、制動部材54を中央域成形用型板30に配設したが、図20に示したように、制動部材54を可動型21に横スライド可能に設け、該制動部材54の先端部54aを中央域成形用型板30に形成された切欠部30aに係脱させるようにしてもよい。
また、この実施例1および実施例2に示した射出成形用金型は、固定型20に型面22を形成し、可動型21にコア部23〜25、中央域成形用型板30および外周域成形用型板35を設けたが、固定型20にコア部、中央域成形用型板および外周域成形用型板を設け、可動型21に遊技板1の前面全体を成形するための型面を形成するようにしてもよい。要するに、固定型20と可動型21とは名称にこだわらず、いずれか一方を固定型、他方を可動型とすればよい。
以上、実施例について説明したように本発明は、制動機構を設け、射出成形用金型が型開する際に所定寸法離間するまで、中央域成形用型板および外周域成形用型板の進退動が制止されるようにしたので、成形品を変形させることなく、傷や押圧跡のない高精度な成形品を成形することができる。
本発明によれば、実施例として示した遊技板に限らず、種々の板状の合成樹脂成形品を高精度に成形することができる。
1 遊技板(合成樹脂成形品)
2 中央域
3〜7 開口
10 外縁リブ
11 外周域
20 固定型
21 可動型
22 型面
23〜25 コア部
26 凹窪部
30 中央域成形用型板
31 突出棒
32 突出プレート
33 油圧シリンダ
35 外周域成形用型板
36 突出棒
37 突出プレート
38 油圧シリンダ
50 制動機構
52 付勢部材
54 制動部材
55 アンギュラピン

Claims (2)

  1. 固定型または可動型を一方型とし、該一方型と相対する固定型または可動型を他方型とする射出成形用金型により、開口を有する板状の合成樹脂成形品を成形する方法であって、該成形品の一方の面を成形するための型面を一方型に形成し、該成形品の他方の面を成形する中央域成形用型板と、該成形品の開口を形成するコア部と、該成形品の外周域を成形する外周域成形用型板とをそれぞれ相対的な進退動が可能なるように他方型に設け、かつ、少なくとも中央域成形用型板の進退動を制止させる制動機構を設け、該射出成形用金型を型開する際に一方型から他方型が所定寸法離間するまで該制動機構を作動させることにより中央域成形用型板および外周域成形用型板の進退動が制止されるようにしたことを特徴とする射出成形方法。
  2. 固定型または可動型を一方型とし、該一方型と相対する固定型または可動型を他方型とし、合成樹脂成形品の一方の面を成形するための型面を一方型に形成し、該成形品の他方の面を成形する中央域成形用型板と、該成形品の開口を形成するコア部と、該成形品の外周域を成形する外周域成形用型板とをそれぞれ相対的な進退動が可能なるように他方型に設け、かつ、型開時に他方型が一方型から所定寸法離間するまで少なくとも前記中央域成形用型板の進退動を制止させる制動機構を具備してなることを特徴とする射出成形用金型。
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