JP2009066868A - 金型装置および光記録媒体基板 - Google Patents

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卓也 甲田
Takayuki Shitomi
貴行 蔀
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Abstract

【課題】成形された光記録媒体基板の最外周部における離型性を高め、タンジェンシアル・デビエーションを有効に小さく押さえうる金型装置を実現する。
【解決手段】光ディスク基板を成形する金型装置であって、キャビティリング32の内壁に、キャビティリング中心軸方向に段差をなすように大径内周面部32Aと小径内周面部32Bとが形成され、大径内周面部と小径内周面部の境界に棚状部32Cが形成され、金型全閉時には棚状部32Cの最内周縁部を、鏡面部30Aに直交する中心軸方向へ鏡面部と略同一面まで後退させ、この状態で成形を行い、光ディスク基板に鏡面部30Aにより平面を転写するとともに、他方の面の外周辺部を棚状部32Cにより、外周端面部を大径内周面部30Aにより形成し、成形後の型開放時にキャビティリングを中心軸方向へ前進させ、棚状部32Cにより光ディスク基板外周辺部に力を作用させて、光ディスク基板を鏡面部から剥離させる。
【選択図】図1

Description

この発明は、金型装置および光記録媒体基板に関する。
樹脂製品を成形する方法として広く知られた射出成形法は、金型を成形装置に搭載し、溶融樹脂を金型内に射出注入し、冷却固化後取り出す方法である。コンパクト・ディスク(CD)、デジタル・ヴァーサタイル・ディスク(DVD)等に代表される光記録媒体基板(所謂「光ディスク基板」)も射出成形法により製造される。
光記録媒体基板(以下「光ディスク基板」と言う。)の製造は「ピットやグルーブで構成される凹凸パタ−ン」を記録したスタンパをホルダに装着した固定型と、可動型とを型閉し、固定型と可動型との間に形成したキャビティ内に溶融樹脂を射出し、所定時間経過後に型開きし、可動型側キャビティ面に付着している「成形間もない光ディスク基板」を、フロ−ティングパンチや圧縮空気等を利用して離型するのが一般的である。
また、光ディスク再生装置等の光ディスク回転軸と係合させる「センタ穴」を設けるため、例えば、可動型に中空軸状のガイドブッシュを挿嵌し、このガイドブッシュから出没可能なカットパンチを設け、キャビティ内に溶融樹脂を射出した直後に、カットパンチを突き出してセンタ−穴を形成させている。
成形された光ディスク基板は、更に後工程を経て「製品としての光ディスク」となるが、高線速化、2層化、青波長記録へと光ディスクシステムの改良が進むにつれ、成形された光ディスク基板の機械特性に対する要求品質が益々厳しくなってきており、この要求品質を満足しないと、正常なトラッキングや書き込みが困難となる。
光ディスク基板に求められる品質としてタンジェンシアル・デビエーション(以下「TD」と略記する。)がある。
「TD」は、光ディスク基板の「周方向(ディスク回転方向)の反り角」である。
正常な光ディスク基板では「TD」が小さく、光ピックアップは光ディスクの回転に追従して適性に情報の記録や再生を行うが、TDが大きい場合や、急激に変化する場合は、光ピックアップが光ディスクの回転に追従しきれない。
光ピックアップは、光スポット位置を光ディスクの記録面上に位置させるためにフォーカシング制御される。この制御のために対物レンズが光軸方向へ微小変位されるが、光ディスク基板のTDのような「変化の振幅の大きいもの」では、光ピックアップ全体を光ディスク回転軸方向へ変位させて基板面の反りに追従させる。
このとき、TDが大きい場合やTDの変化が急である場合には、光ピックアップを上記回転軸方向へ変位させるための加速度(「アクシアル・アクセルレーション(以下、AAと略記する。)」)が大きくなり、このような大きな加速度を発生しきれずにフォーカシング制御が破綻してしまい、書き込みや再生ができなくなってしまう。
上記「TD」の規格について例示すると、T−Dev規格では、例えば「DVD+R DL8x」に対する規格は0±0.3度以内である。また、新世代のブル−フォ−マットメディアである「HD DVD」に関しては、TDの規格は±0.2度以内となっている。
このような規格に対し、規格と同水準で光ディスク基板を成形すると、信頼性に乏しく、生産では全数検査や「抜き取り検査における抜き取り頻度の増加」を余儀なくされるので、生産においてはTDやAAに対する管理値はより厳しいものになる。
「TD」が悪化する要因は種々あるが、TDの劣化は一般には光ディスク基板の外周辺部で起こりやすく、その原因としては以下のものをあげることができる。
A.成形直後の光ディスク基板の冷却不十分による強度不足による離型時の変形
B.基板最外周部における局所的バリ発生による離型不良
このような原因によるTDの劣化を防止する方策としては、金型温度を下げたり、成形サイクルを大きくして、十分に冷却した光ディスク基板を離型することや、バリ発生を抑えるために成形条件を変えたり、金型自体を交換したりすることが考えられるが、金型温度降下による転写性低下や、成形サイクル延長による生産性低下、金型交換に伴うコスト上昇などの副作用がある。
光ディスク基板の「特に外周部での離型性を向上」させる技術として、従来から、スタンパが取り付けられている側と異なる側の外周縁部に離型抵抗部を設けて離型抵抗を増やし、均一にスタンパから基板を離型するもの(特許文献1)や、スタンパが取り付けられている側と異なる側の外周縁部の外周形成部品にテ−パ−を設けて離型抵抗を減らし、離型性を向上させるもの(特許文献2)が提案されている。
また、光ディスク基板の内周部での「基板と金型の離型性」を良好にし、基板特性を安定化するものが提案されている(特許文献3)。特許文献3記載のものは、内周部の離型性に効果があるものの、外周部の基板変形を低減させる効果は少ないと考えられる。前述したように、TDが一番大きくなるのは、光ディスク基板の最外周部である。
特許第3301103号 特開2002−144377 特開2002−358692
この発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、光記録媒体基板を射出成形する金型装置であって、成形された光記録媒体基板の最外周部における離型性を高め、タンジェンシアル・デビエーションを有効に小さく押さえ得る金型装置の実現、およびかかる金型装置により成形される「タンジェンシアル・デビエーションを小さく押さえられた光記録媒体基板」の提供を課題とする。
この発明の金型装置は「一方の面がピットおよび/またはグルーブによる記録パターンを転写された信号面として成形され、他方の面が平面からなる光記録媒体基板を成形する金型装置」であって、以下の如き特徴を有する。
即ち、光記録媒体基板の外周端面部を形成するキャビティリングの内壁に、このキャビティリングの中心軸方向に段差をなすように大径内周面部と小径内周面部とが形成され、これら大径内周面部と小径内周面部の境界に棚状部が形成される。以下、光記録媒体基板を「光ディスク基板」という。
キャビティリングは、成形の際に「光ディスク基板の外周端面部(光ディスク基板の厚みをなす周面)」を形成する。キャビティリングは金型装置の可動側に設けられ、型閉め・型開きの際にはその中心軸方向へ変位する。「大径内周面部と小径内周面部と」は、キャビティリングの中心軸方向から見ると同心円状であり、上記中心軸を含む任意の断面でみると、大径内周面部から小径内周面部に切り替わる境界部に「内径の差による段差」が形成される。この段差の面が「棚状部」である。
金型全閉時には、キャビティリングの棚状部の最内周縁部を、鏡面部(光ディスク基板に転写されて光ディスク基板の平面を形成する。)に直交する上記「中心軸方向」へ、鏡面部と略同一面まで後退させ、この状態で成形を行うことにより、光記録媒体基板の他方の面に鏡面部により平面を転写するとともに、上記他方の面の外周辺部を棚状部により、外周端面部を大径内周面部により形成する。なお上記「棚状部の最内周縁部」は、棚状部と小径内周面部とが交わる部分である。
成形後の型開放時には、キャビティリングを中心軸方向へ前進させ、棚状部により光記録媒体基板の外周辺部に力を作用させて、光ディスク基板を鏡面部から剥離させるように構成されている。
即ち、キャビティリングが変位する「キャビティリングの中心軸方向」は、鏡面部に直交する方向である。そして、金型全閉時のキャビティリングの変位は「後退」であり、金型開放時における変位は「前進」である。この前進のときに、キャビティリングの棚状部から光ディスク基板の「平面を形成された側」の外周辺部に「離型のための力」が作用する。この力は、光ディスク基板の「平面を形成された側の面」に作用するので、良好な離型力として作用する。
請求項1記載の金型装置におけるキャビティリング内周の「棚状部の幅(大径内周面部と小径内周面部の径差)は100μm〜1000μmの範囲内であることが好ましい(請求項2)。
請求項1または2記載の金型装置は、金型全閉時(キャビティ内に溶融樹脂が注入される状態)において、キャビティリングの棚状部の「最内周縁部の位置」が鏡面部に対して「鏡面部に直交する方向において±90μm以内」に設定されることが好ましい(請求項3)。
請求項1〜3の任意の1に記載の金型装置において、キャビティリングの小径内周面部と「鏡面部の外周端面」のクリアランスは、5μm〜30μmの範囲であることが好ましい(請求項4)。
請求項1〜4の任意の1に記載の金型装置において、キャビティリングの棚状部は「中心軸方向を含む断面内で、中心軸方向に直交する平面に対し±30度の範囲のテーパ角」を有することができる(請求項5)。
この発明の光記録媒体基板は、上記請求項1〜5の任意の1に記載の金型装置を用いて成形された光記録媒体基板であり、光ディスク基板である(請求項6)。
なお、キャビティリングの内周面部に「窒化チタン被膜処理」等を行って、光ディスク基板に対する摩擦抵抗を減少させ、離型を円滑にさせて離型性を向上させたり、シボ加工を施して離型抵抗を持たせ「光ディスク基板を均一に剥がす」ようにすることも、離型性をさらに向上させる効果があり、TDやAAの減少の助長に有効である。
以上に説明したように、この発明によれば、新規な金型装置および光記録媒体基板を提供できる。この発明の金型装置では、上記のように、キャビティリングの内周面に棚状部が形成され、離型の際に、棚状部が光ディスク基板の板面に離型力を作用させるので、離型が良好に行われ、光ディスク基板の「外周縁部における反り」を有効に軽減できる。従って、この金型装置で製造される光ディスク基板は外周縁部におけるTDが小さい。
以下、図面を参照して金型装置の実施の形態を説明する。
図1は、金型装置の要部を示す図である。
図1(a)、(b)において、上部は「固定側」、下部は「可動側」である。図1(a)は、金型装置の「金型全開時の状態」を示し、(b)は「金型全閉時でキャビティ内に溶融樹脂を注入した状態」を示している。
先ず、図1(a)に示す金型全開時の状態を例にとって各部を説明すると、同図において「固定側」における符号10はスタンパ固定部材である。スタンパ固定部材10は保持体12により保持されている。スタンパ固定部材10の、図で下側の面10Aは鏡面状態となっており、この面10にスタンパSTが保持機構18により保持され、図示されない吸引機構により面10Aに吸着保持される。スタンパ固定部材10には押圧リング20が嵌装されその下方の面(押圧面)はスタンパSTの転写面と略同一面をなしている。
スタンパSTの転写面(図1(a)において下方の面)には、光ディスク基板に転写すべきパターンが形成されており、このパターンが転写されて、光ディスク基板における信号面(ピットおよび/またはグルーブによる記録パターンによりなる。)を形成する。
図1(a)における符号14はシリンダ、符号15はノズル、符号16はスプルブッシュを示している。また符号25はスタンパ固定部材10と押圧リング20を保持する保持リングを示している。
「可動側」における符号30は鏡面転写型を示す。鏡面転写型30の、図において上方の面(スタンパSTの転写面に配向に対向する面)30Aは鏡面仕上げされた鏡面部となっている。以下、面30Aを鏡面部30Aと呼ぶ。
鏡面転写型30はキャビティリング32により囲繞され、キャビティリング32と鏡面転写型30との間には圧縮性のバネ34が設けられている。鏡面転写型30は保持体36により保持され、保持体36には、成形された光ディスク基板DKに対するゲ−トカットを行い、中心孔を設けさせるカットパンチ41と、光ディスク基板DKと残余22を取り出す目的で出没可能に配置されたフロ−ティングパンチ40とエジェクタピン38が設けられ、これらは、鏡面転写型30を固定側へ貫通している。また、鏡面転写型30とキャビティリング32は、可動側保持リング39により保持されている。
図2を参照する。まず、図2(b)に即してキャビティリング32を説明する。キャビティリング32は、図示の如く「短い中空シリンダ状のリング」であるが、その内壁に、キャビティリング32の「中心軸方向に段差をなす」ように大径内周面部32Aと小径内周面部32Bとが形成され、これら大径内周面部32Aと小径内周面部32Bの境界に棚状部32Cが形成されている。
図2(a)は、樹脂の射出注入を行うとき(金型全閉時)の状態を要部のみ示している。
図2(a)に示すように、注入が行われるときには、固定側における押圧リング20により、キャビティリング32が中心軸方向に押し込められて後退し、大径内周面部32Aの「図で上側の面」がスタンパSTの転写面と略同一面になる。このとき、キャビティリング32における棚状部32Cは、鏡面転写型30の鏡面部30Aと「略同一の高さ」になる。
このようにして、スタンパSTの転写面と、鏡面部30Aと、キャビティリング32の大径内周面部32Aと棚状部32CとによりキャビティCVが形成され、このキャビティCV内に矢印方向から溶融樹脂が前述のスプルブッシュを通して射出注入される。
注入された樹脂が冷却した状態は、図1(b)に示す如きものとなり、キャビティ内で冷却された樹脂が光ディスク基板DKとなっている。光ディスク基板DKはスタンパSTからは信号面を転写され、鏡面転写型30からは鏡面部30Aの平面形状を転写される。また、キャビティリング32の大径内周面部32Aにより「光ディスク基板の厚み部分をなす外周端面部」が形成される。
注入された樹脂が冷却したら型開きを行う。この型開きにより、キャビティリング32を押圧していた押圧リング20による押圧が解除され、圧縮性のバネ34の弾性力がキャビティリング32を中心軸方向へ変位させる。即ち、この変位はキャビティリング32の「前進」である。この前進の際、キャビティリング32の棚状部32Cが光ディスク基板DKの外周辺部における「鏡面部30A側の部分」を均一に押圧する。このように押圧されて光ディスク基板32は鏡面部30Aから離型する。図2(c)は、離型が行われた状態を示している。
図3(a)、(b)は、離型動作を説明図的に示している。
図3(a)では、キャビティリング32は固定側の押圧リング20により押圧された状態にある。光ディスク基板DKは、スタンパSTの転写面と鏡面部30Aとにより挟まれている。型開きにより押圧リング20の押圧力が解除されると、圧縮性のバネ34の弾性力によりキャビティリング32が図の上方へ前進し、キャビティリング32の棚状部32Cが、光ディスク基板DKの鏡面部30Aに接する側の面の外周辺部に均一な力を離型力として作用させるので、極めて良好な離型が行われる。
図3(c)、(d)は、従来から行われていた離型を説明するための図である。
キャビティリング320は中空シリンダ状であって、内周面は中心軸方向へ均一な内径を有している。図3(c)の「押圧リング20によりキャビティリング320が押さえられている状態」から、押圧リング20による押圧力が解除されると、バネ34Aの弾性力によりキャビティリング320は中心軸方向へ前進するが、このとき、キャビティリング320の内周面が光ディスク基板DKの外周端面部と密着しており、この密着力は、キャビティリング320の前進時に、光ディスク基板DKに対して十分な離型力として作用せず、必ずしも良好な離型が行われない。また、鏡面部30Aへの密着力とキャビティリング320の前進による外周端面部での密着力が「互いに逆向き」に作用し合い、光ディスク基板DKの外周辺部に反りを発生させやすい。上記「外周端面部での密着力」は、必ずしも外周端面部に均一に作用しないので、上記反りによりタンジェンシアル・デビエーション(TD)が発生しやすい。
これに対し、この発明の金型装置ではキャビティリング32の棚状部32Cからの離型力が、均一且つ十分な強さで作用するので「大きな反り」を発生させることなく良好な離型を実現できる。
図4(a)は、キャビティリング32と、鏡面転写型30との位置関係を説明するための図である。図4(a)における間隔:dは、キャビティリング32(押圧リングにより後退した状態)の棚状部32Cの「最内周縁部(棚状部と小径内周面部との角部)」と鏡面部30Aとの、鏡面部30Aに直交する方向(図の上下方向)の「位置差」である。
この位置差:dは「DVD系Bookの規格:100μm以内に対し、加工精度バラツキを考慮」すると±90μm以内であるのが良い。光ディスク基板の品種/仕様により光ディスク基板DKの外周端面部の形状は異なるが、説明中の実施の形態では一般的な光ディスク基板形状として、鏡面部30Aと同じ高さとなる様に加工を施している。加工精度が10μm程度ばらつく事を考慮すると上記「d」に対する範囲は±90μmであり、より好ましくは±10μmである。
図4(a)における間隔:CLは、鏡面転写型30の外周面とキャビティリング32の小径内周面部との間の間隔である「クリアランス」である。クリアランスCLは5μm〜30μmの範囲が良い。クリアランスCLが狭すぎるとキャビティリングの小径内周面部と鏡面転写型の外周面部が接触して部品間で「カジリ」が発生し、部品の破損/劣化を招く。逆にクリアランスCLが大きい場合は、クリアランス部分に樹脂が入り込んで光ディスク基板の光入射面側外周部にバリが発生してしまう。クリアランスCLのより好ましい範囲は8μm〜20μmの範囲である。
上に説明した実施の形態においては、キャビティリングの棚状部32Cは「リングの中心軸方向」に対して直交しているが、これに限らず、図4(b)に示す棚状部32C1や、(c)に示す棚状部32C2のようにテーパを付けられていても良い。この場合、テーパ角が大きすぎると離型時に抵抗となり、光ディスク基板に負荷を与えてしまうので、テーパ角に最適範囲値は、図4(d)に示す中心軸方向に直交する棚状部32C0を基準として0度〜±30度の範囲が好ましい。
キャビティリング32における棚状部32Cの幅(大径内周面部32Aと小径内周面部32Bとの径差)は100μm〜1000μmが好ましい幅である。これは、光ディスク基板DKの「スタンパ側に転写されるピットおよび/またはグルーブで構成される記録パタ−ン」が半径:58.8mm付近まで存在するため、外周端面部半径:60.0mmより基板内部に向けて最大1000μmにすることにより、光ピックアップのレーザ光の入射に影響させないためである。また、鏡面部30Aの外周面とキャビティリング32の小径内周面部32Bとの間で「バリが発生」した場合でも、上記レ−ザ−光の入射に影響しない。
棚状部32Cの上記「幅」を変化させたときのTD(度)とアクシアル・アクセルレーション:AA(m/sec)の値を実験により調べた。
実験条件は以下の通りである。
成形装置:住友重機械工業製成形機 SD−35E
金型:精工技研製DVD金型
スタンパ:リコ−製DVD+Rスタンパ
成形サイクル:5.0秒
樹脂温度:380度
金型温度:可動側120度/固定側116度
機械特性測定機:Dr.Shenk製 MT−200検査機
キャビティリングの棚状部の幅:100μm〜800μm
棚状部と鏡面部の位置差:d ±10μm以下
キャビティリングの棚状部のテーパ角:0度
このときの結果を一覧にして以下に示す。
棚状部の幅 TD AA
0(従来例) 0.25 0.78
100 0.24 0.82
300 0.21 0.62
500 0.16 0.44
700 0.16 0.58 。
これらの結果を、図5(a)、(b)に示す。
キャビティリングの棚状部の幅が小さい場合は、TDやAAに対する効果が少ない。図5に図示されていないが、棚状部の幅が900μmを超える場合には、光ディスク基板の取り出し作業で、500回に1度程度「取り出し不良」が発生した。この結果から、棚状部の幅は、より好ましくは300μm〜600μmの範囲である。
なお、実験におけるTD、AAとも「数値は個別の実験ごとの実験値を平均したもの」であるが、実験値のばらつきの範囲は極めて小さく上記の数値により評価できるものであることを確認した。
なお、上記実験に用いたキャビティリングの内周面部に「TiN処理(窒化チタン被膜処理)」を行い、光ディスク基板に対する摩擦抵抗を減少させ、離型を円滑にさせることにより離型性を向上させることができた。TiNに限らず、DLC(ダイヤモンドライクカ−ボン)やテフロン(登録商標)などTiNより摩擦係数の少ない被膜材料でも効果は得られる。
摩擦抵抗を減少させるのとは逆に、シボ加工を施して離型抵抗を持たせ「光ディスク基板を均一に剥がす」ようにしても良い。
上述した実施の形態は、この発明の好適な実施の形態の一例を示すものであり、この発明はそれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内において、種々変形実施が可能である。
なお、上野説明において参照した各図において、可動側を固定側に対して、図の上下方向へ変位させて型閉め・型開きを行うように記載したが、実際の可動側の中心軸方向は、鉛直方向とは限らず、むしろ、型閉め・型開きは、可動側を水平方向へ変位させて行う場合が多い。
金型装置の実施の1形態を説明するための図である。 上記実施の形態の特徴部分を説明するための図である。 キャビティリングの棚状部の効果を説明するための図である。 キャビティリングと鏡面転写型の位置関係、キャビティリングの棚状部の形態の変形例を説明するための図である。 棚状部の幅の変化によるタンジェンシアル・デビエーションとアクシアル・アクセルレーションの変化の実験結果を示す図である。
符号の説明
32 キャビティリング
32A 大径内周面部
32B 小径内周面部
32C 棚状部
30A 鏡面部

Claims (6)

  1. 一方の面がピットおよび/またはグルーブによる記録パターンを転写された信号面として成形され、他方の面が平面からなる光記録媒体基板を成形する金型装置であって、
    光記録媒体基板の外周端面部を形成するキャビティリングの内壁に、このキャビティリングの中心軸方向に段差をなすように大径内周面部と小径内周面部とが形成されて、これら大径内周面部と小径内周面部の境界に棚状部が形成され、
    金型全閉時には、上記キャビティリングの上記棚状部の最内周縁部を、鏡面部に直交する上記中心軸方向へ、上記鏡面部と略同一面まで後退させ、この状態で成形を行うことにより、光記録媒体基板の他方の面に上記鏡面部により平面を転写するとともに、上記他方の面の外周辺部を上記棚状部により、外周端面部を上記大径内周面部により形成し、
    成形後の型開放時に、上記キャビティリングを上記中心軸方向へ前進させ、上記棚状部により光記録媒体基板の外周辺部に力を作用させて、上記光記録媒体基板を上記鏡面部から剥離させるように構成された金型装置。
  2. 請求項1記載の金型装置において、
    キャビティリングの棚状部の幅である、大径内周面部と小径内周面部の径差が100μm〜1000μmの範囲内であることを特徴とする金型装置。
  3. 請求項1または2記載の金型装置において、
    金型全閉時において、キャビティリングの棚状部の最内周縁部の位置が、鏡面部に対して上記鏡面部に直交する方向において±90μm以内に設定されることを特徴とする金型装置。
  4. 請求項1〜3の任意の1に記載の金型装置において、
    キャビティリングの小径内周面部と鏡面部の外周端面のクリアランスが5μm〜30μmの範囲であることを特徴とする金型装置。
  5. 請求項1〜4の任意の1に記載の金型装置において、
    キャビティリングの棚状部が、中心軸方向を含む断面内で上記中心軸方向に直交する平面に対し±30度の範囲のテーパ角を有することを特徴とする金型装置。
  6. 請求項1〜5の任意の1に記載の金型装置を用いて成形された光記録媒体基板。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2013248747A (ja) * 2012-05-30 2013-12-12 Adachi Light Co Ltd 射出成形方法および射出成形用金型
US9276351B2 (en) 2012-01-23 2016-03-01 Robert Bosch Gmbh Composite insert

Cited By (2)

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