JP2013248745A - インクジェット記録装置およびインクジェット記録方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】記録動作の中断の前後における記録画像の連続性を確保して、高品位な画像を記録することができるインクジェット記録装置およびインクジェット記録方法を提供すること。
【解決手段】記録動作の中断時における用紙1の側端部1Aの位置P1と、用紙1を矢印A2方向に所定量戻したときの用紙1の側端部1Aの位置P2と、用紙1を矢印A1方向に所定量搬送させたときの用紙1の側端部1Aの位置P3と、を検知する。記録動作の再開後における記録ヘッドと用紙1の側端部1Aとの位置関係から、記録ヘッドにおけるノズルの使用範囲を変更する。
【選択図】図4
【解決手段】記録動作の中断時における用紙1の側端部1Aの位置P1と、用紙1を矢印A2方向に所定量戻したときの用紙1の側端部1Aの位置P2と、用紙1を矢印A1方向に所定量搬送させたときの用紙1の側端部1Aの位置P3と、を検知する。記録動作の再開後における記録ヘッドと用紙1の側端部1Aとの位置関係から、記録ヘッドにおけるノズルの使用範囲を変更する。
【選択図】図4
Description
本発明は、記録動作を中断および再開が可能なインクジェット記録装置およびインクジェット記録方法に関するものである。
従来、インクジェット記録装置によって、Z折り紙やロール紙等の長尺な記録媒体を所定の搬送方向に搬送しつつ、その記録媒体に連続した長い画像を記録している場合に、その記録動作が一時的に中断されるときがある。その原因としては、記録動作中に、ホスト装置からの記録データの転送が間に合わなかった場合、記録ヘッドの回復動作を行なう場合、インクカートリッジの交換を行なう場合などがある。
特許文献1には、このように記録動作が中断した場合には、それまで画像が記録された記録途中の記録媒体を無駄にしないように、記録動作を再開する方法が記載されている。その方法によれば、記録動作が中断された後、記録途中の記録媒体を搬送方向と逆の方向に一旦戻してから、再度、その記録媒体を搬送方向に搬送しつつ、記録動作を中断した部分から画像の記録を再開する。
記録動作が中断された後、それまで記録媒体に記録されていた画像と、記録動作の再開により記録する画像と、を連続させるためには、それらの画像をつなぎ合わせる高い精度が求められる。
記録動作の中断前の画像と、その後における記録動作の再開時の画像と、を精度良くつなげるための構成としては、記録媒体の側端部を基準壁に当接させながら搬送する構成が考えられる。例えば、記録媒体に搬送力を与えるピンチローラと、ピンチローラよりも搬送方向の上流側に位置して記録媒体を斜走させる斜走ローラと、によって記録媒体を基準壁に押し付けつつ搬送し、その搬送時に画像を記録する。そして、記録動作を中断した後に、斜走ローラを記録媒体から離間させてから、記録媒体を搬送方向と逆の方向に戻し、その後、ピンチローラと斜走ローラによって記録媒体を基準壁に押し付けつつ搬送し、その搬送時に画像の記録を再開する。
記録媒体として、端部の折れやすいラベルの台紙や薄紙が用いられる場合、その記録媒体の折れ曲がりを回避するためには、それを緩やかに斜走させることが望ましい。また、記録動作の中断後に記録動作を再開させるためには、記録媒体を搬送方向と逆の方向に戻して、それまで記録された画像の記録部分を記録ヘッドよりも搬送方向の上流側に移動させることが必要となる。その場合、記録動作の中断時には、それまで記録されていた画像の記録部分が記録ヘッドよる記録位置よりも記録媒体の搬送方向の下流側に若干なりともずれるため、その分、記録媒体を搬送方向と逆の方向に戻すときの戻し量が多くなる。必然的に、その戻し量は、その戻し位置から記録ヘッドが画像の記録を再開するまで記録媒体を搬送方向に搬送させる搬送量よりも多くなる。このように、記録動作の中断後に記録媒体を戻すときの搬送量と、記録媒体を戻してから記録ヘッドが画像の記録を開始するまでの搬送量と、に差が生じることになる。また、記録媒体の斜走は、記録媒体を搬送するための搬送ベルトの厚みのばらつき、ピンチローラの押圧位置、複数のピンチローラによる押圧力のバランス等の影響を受ける。
このような理由から、記録媒体が記録動作の中断後の戻しによって基準壁から離れた後、その記録媒体を搬送方向に搬送させたときに、記録ヘッドが画像の記録を開始するまでに記録媒体が基準壁の位置に戻らなくなるおそれがある。この場合には、記録動作の中断の前後のおける記録画像の連続性が損なわれるおそれがある。その対策として、仮に、記録動作の中断後の記録媒体の戻し量を多くした場合には、記録媒体のジャムの発生、およびスループットの低下を招くおそれがある。
本発明の目的は、記録動作の中断の前後における記録画像の連続性を確保して、高品位な画像を記録することができるインクジェット記録装置およびインクジェット記録方法を提供することにある。
本発明のインクジェット記録装置は、記録媒体を搬送方向に搬送する搬送動作と、前記搬送方向と交差する方向に延在するノズル列を形成する記録ヘッドの複数のノズルからインクを吐出する吐出動作と、によって前記記録媒体に画像を記録するインクジェット記録装置であって、前記吐出動作および前記搬送動作が中断された後に、前記記録媒体を前記搬送方向と逆の戻し方向に所定量搬送させてから、前記搬送動作を再開させる搬送制御手段と、前記搬送動作が再開された後に、前記吐出動作の中断前に前記記録媒体に記録した画像と連続する画像を記録するように、前記吐出動作を再開させる吐出制御手段と、前記搬送動作時に、前記記録媒体の幅方向の位置を規制する規制手段と、前記吐出動作の再開時および再開後における前記記録媒体の前記幅方向の位置を検知する検知手段と、前記検知手段によって検知された前記記録媒体の位置に応じて、前記吐出動作の再開時および再開後に使用可能なノズルが位置する前記ノズル列内の使用範囲を変更する変更手段と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、記録媒体を戻し方向に所定量搬送させてから、それを搬送方向に搬送する搬送動作を再開したときに、記録媒体の幅方向の位置を検知する。そして、その検知した位置に応じて、記録ヘッドからのインクの吐出動作の再開時および再開後におけるノズルの使用範囲を変更することにより、記録動作の中断の前後における記録画像の連続性を確保して、高品位な画像を記録することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本実施形態におけるインクジェット記録装置の構成を説明するための概略図である。記録媒体としての用紙1を吸着するための孔が形成された搬送ベルト20は、駆動軸14と従動軸A19と従動軸B21の間に掛け渡されている。この搬送ベルト20は、プラテン13によって受けられていて、用紙1を矢印A1方向、および、それとは逆のA2方向に搬送可能である。以下、矢印A1方向を「搬送方向」とし、矢印A2方向を「戻し方向」とする。プラテン13の上部には、インク滴を吐出して用紙1に画像を記録するための記録ヘッド12を含むヘッドユニットが配置されている。本例の場合は、この記録ヘッド12として、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、およびブラック(K)のインクを吐出するための記録ヘッド12Y,12M,12C,12Kが備えられている。これらの記録ヘッド12には、搬送方向と交差(本例の場合は、直交)する方向に延在するノズル列を形成するように、インクを吐出可能な複数のノズルが形成されている。ノズルは、電気熱変換素子(ヒータ)やピエゾ素子などの吐出エネルギー発生素子を用いてインクを吐出する構成となっている。電気熱変換素子を用いた場合には、その発熱によってインクを発泡させ、その発泡エネルギーを利用して、ノズル先端の吐出口からインクを吐出することができる。
記録ヘッド12よりも搬送方向の上流側には、用紙1に付された後述のTOFマークMを検知するためのTOFセンサ(マーク検知手段)25が備えられ、さらに上流側には、用紙1の側端部を検知するためのエッジセンサユニット24が備えられている。さらに、エッジセンサユニット24よりも搬送方向の上流側には、用紙1に搬送力を与えるピンチローラ23と、それに対向するピンチローラ受けコロ22と、が配置されている。プラテン13の下部には、用紙1を搬送ベルト20に吸着させるための負圧を発生する吸引ファン17が配備されている。また、ピンチローラ23よりも搬送方向の上流側には、用紙1の方向の位置を規制するための後述する用紙ガイド26および基準壁27と、不図示の斜走ローラと、が配備されている。1Aは、基準壁27側に位置する用紙1の側端部であり、1Bは、用紙ガイド26側に位置する用紙1の側端部である。不図示の斜走ローラは、用紙1が矢印A1に搬送されるときに、定位置に備わる基準壁27に側端部1Aを押し付けるように、用紙1を基準壁27に向かって斜めに斜走させる。これにより、用紙1の搬送動作時に、用紙1の幅方向における位置が規制されることになる。
搬送ベルト駆動モータ16によって、駆動伝達ベルト15を介して駆動軸14を正転および逆転駆動され、その駆動力によって、搬送ベルト20が矢印A1の搬送方向および矢印A2の戻し方向に移動させる。搬送ベルト20に従動する従動軸A19にはコードホイール18が取り付けられており、このコードホイール18を含むエンコーダセンサ32(図9参照)によって、用紙1の搬送速度および記録ヘッド12の駆動周波数(インク吐出周波数)が管理される。
図2(a)および(b)は、エッジセンサユニット24の概略構成図である。キャリッジ2は、キャリッジ支持部材8に固定されるキャリッジ支持軸11によって、搬送方向と直交する用紙1の幅方向の矢印B1,B2方向に移動可能に支持されている。キャリッジ2は、矢印B1,B2方向に移動するときにキャリッジ支持軸11を中心として回転しないように、不図示の規制手段によって姿勢が一定に保たれる。キャリッジ2には、反射センサ4と、エンコーダ6と対向する不図示のエンコーダセンタと、が備えられている。キャリッジ2は、駆動プーリ31Aと従動プーリ31Bとの間に掛け渡されたキャリッジ駆動ベルト3に連結されている。
キャリッジ支持部材8に備わるキャリッジ駆動モータ7によって、駆動プーリ31Aが正転および逆転駆動させることにより、キャリッジ駆動ベルト3を介してキャリッジ2が矢印B1,B2方向に移動される。その際、キャリッジ2に備わるエンコーダセンサ33(図9参照)によって、エンコーダ6とキャリッジ2との相対位置を検知することにより、キャリッジ2の位置および移動量を管理することができる。キャリッジ支持部材8には、キャリッジ2に取付けられたフラグ2Aを検知するための第1および第2のフォトインタラプタ9および10が備えられている。キャリッジ2は、フラグ2Aが第1のフォトインタラプタ9によって検知される移動位置を移動基準位置PAとして、その移動基準位置PAと、フラグ2Aが第2のフォトインタラプタ10によって検知される移動位置と、の間が移動範囲として規制されている。
図9は、本例の記録装置における制御系のブロック構成図である。記録装置の制御部において、CPU100は、本記録装置の動作の制御処理(後述する記録動作中断後の再開処理を含む)やデータ処理等を実行する。記録動作中断後の再開処理においては、後述するように、用紙1の搬送動作を制御するための搬送制御手段、および記録ヘッド12のインクの吐出動作を制御するための吐出制御手段として機能する。ROM101には、それらの処理手順等のプログラムが格納され、RAM102は、それらの処理を実行するためのワークエリアなどとして用いられ、EEPROM103には種々のデータを格納される。搬送ユニットに備わるセンサ24,25,32,33などの検出信号に基づいて、ドライバ104,105を介してモータ7,16を制御すると共に、記録ヘッドユニットに備わる記録ヘッド12を記録データに基づいて制御する。
図3および図4は、記録動作を中断した後に記録動作を再開するまでの間の用紙1の挙動の説明図である。記録動作は、用紙1の搬送動作と、記録ヘッド12のノズルからインクを吐出させる吐出動作と、を含むものとする。
図4において、P1は、用紙1の側端部1Aが基準壁27に押し付けられた基準位置P0にあるときに、エッジセンサユニット24によって検知された用紙1の側端部1Aの位置である。この位置P1は、記録動作を中断した後における用紙1の矢印A1,A2方向の搬送に応じて、位置P2,P3のように移動する。仮に、このような用紙1における位置P1の移動をエッジセンサユニット24によって追い続けようとした場合には、反射センサ4を矢印A1,A2方向および矢印B1,B2方向に移動可能としなければならず、その移動範囲も大きくなってしまう。そこで本例においては、後述する第1、第2、および第3の3つの時点において、エッジセンサユニット24によって用紙1の側端部1Aの矢印B1,B2方向の位置を検知すると共に、コードホイール18によって用紙1の矢印A1,A2方向の搬送量を検知する。すなわち、エッジセンサユニット24が側端部1Aを検知する位置まで移動したときの移動量をキャリッジ2側の不図示のエンコーダセンタによって検知すると共に、搬送ベルト20による用紙1の搬送量をコードホイール18によって検知する。これにより、図4のような側端部1A上の1つの位置P1の移動を擬似的に検知することができる。
用紙1の側端部1Aを検知する第1の時点は図3(a)のように記録動作が中断した時点であり、また第2の時点は、図3(b)のように用紙1を戻し方向に所定量搬送した時点である。第3の時点は、図3(c)のように、用紙1を搬送方向に搬送させてから、記録を再開する前に停止させた時点である。これら第1、第2、および第3の時点において、図4中の位置P1,P2,P3が検知されることになる。図4において、LNは、記録ヘッド12におけるノズル列の位置である。本例のように、4つの記録ヘッド12Y,12M,12C,12Kが搬送方向にずれて配備されているため、それぞれにノズル列の位置LNがある。図4においては、1つの記録ヘッドのノズル列を代表して表している。
後述するように、記録ヘッド12による記録位置を補正するためには、記録ヘッドがインクを吐出する吐出動作の再開前に検知した位置P2,P3の位置情報が必要となる。すなわち、それらの位置P2,P3における搬送方向(矢印A1,A2方向)と幅方向(矢印B1,B2)のずれ量に基づいて、位置P1がノズル列の位置LNに達したときに、その位置P1が基準位置から幅方向にずれる量(ずれ量)Sを予測する。そして、そのずれ量Sに応じて記録位置を補正する。
図4(b)のように、基準位置P0に対して、予測した位置P1のずれが同図中の右側に現れる場合には、記録ヘッド12による記録位置は補正しない。その理由は、用紙1の側端部1Aが基準壁27に押し付けられた状態で用紙1に画像が記録されるため、図4(b)の場合には、用紙1の側端部1Aが基準壁27によって基準位置P0に規制されるからである。この場合には、記録停止前の記録画像Iの側端部IA(図3参照)に対して、記録を再開したときの記録画像が幅方向にずれることなく連続するため、記録ヘッド12による記録位置を補正する必要はない。記録動作時は、用紙1の側端部1Aが基準壁27に押し付けられているため、図3(a)のように位置P1を検知することは、基準位置P0を検知することになる。
一方、図4(a)のように、基準位置P0に対して、予測した位置P1のずれが同図中の左側に現れる場合には、用紙1の側端部1Aの位置が基準壁27によって規制される前に記録動作が再開することになる。そのため、この場合には、記録停止前(吐出動作の中断前)の記録画像Iの側端部IA(図3参照)に対して、記録を再開したときの記録画像が幅方向にずれ量S分だけずれることになる。この場合には、後述するように、そのずれ量S分だけ、記録ヘッド12による記録位置を補正する。
次に、位置P2,P3に関する位置情報の検知方法の具体例について説明する。
前述したように、位置P2,P3に関する幅方向(矢印B1,B2方向)の位置情報はエッジセンサユニット24によって検知される。本例において、エンコーダ6と協働してキャリッジ2の移動位置を検出するエンコーダセンサ33(図9参照)は、360dpi(ドット/インチ)の記録解像度に対応する分解能を有する。キャリッジ2が移動基準位置PA(図2(a)参照)にあるとき、つまりフラグ2Aが第1のフォトインタラプタ9によって検知される位置にあるときに、反射センサ4は、基準壁27から図3中の左方に10mmずれた位置にある。図3(a)のように記録動作が中断した時点において、キャリッジ2は、移動基準位置PAから、反射センサ4が用紙1の側端部1Aを検知するまで矢印B2方向に移動する。その間のエンコーダセンサ33の出力パルス数が141パルスであった場合、用紙1の側端部1Aは、移動基準位置PAから矢印B2方向に10mm離れた位置(基準位置P0)にある。その後、キャリッジ2は移動基準位置PAに戻る。
同様に、図3(b)のように用紙1を戻し方向に所定量搬送した時点において、キャリッジ2は、移動基準位置PAから、反射センサ4が用紙1の側端部1Aを検知するまで矢印B2方向に移動する。その間のエンコーダセンサ33の出力パルス数が127パルスであった場合、用紙1の側端部1Aは、移動基準位置PAから矢印B2方向に9mm離れた位置、つまり基準位置P0から矢印B1方向に1mmずれた位置にある。この位置情報は、図4中の位置P2に関する幅方向の位置情報である。その後、キャリッジ2は移動基準位置PAに戻る。
同様に、図3(c)のように、用紙1を搬送方向に所定量搬送させてから、記録を再開する前に停止させた時点において、キャリッジ2は、移動基準位置PAから、反射センサ4が用紙1の側端部1Aを検知するまで矢印B2方向に移動する。その間のエンコーダセンサ33の出力パルス数が131パルスであった場合、用紙1の側端部1Aは、移動基準位置PAから矢印B2方向に8.7mm離れた位置、つまり基準位置P0から矢印B1方向に1.3mmずれた位置にある。この位置情報は、図4中の位置P3に関する幅方向の位置情報である。その後、キャリッジ2は移動基準位置PAに戻る。
一方、位置P2,P3に関する搬送方向(矢印A1,A2方向)の位置情報はコードホイール18によって検知される。本例において、コードホイール18は、2400dpiの解像度に対応する分解能を有する。図3(a)の時点から、図3(b)の時点まで用紙1を戻したときに、コードホイール18の出力パルス数が9451パルスであった場合、用紙1は矢印A2方向に100mm搬送されたことになる。その後、図3(b)の時点から、図3(c)の時点まで用紙1を搬送したときに、コードホイール18の出力パルス数が4725パルスであった場合、用紙1は矢印A1方向に50mm搬送されたことになる。
本例のように、エッジセンサユニット24とコードホイール18がパルスを出力した場合、図4中の位置P2が位置P3に移動する間に、用紙1が矢印A1方向に50mm搬送され、かつ、矢印B2方向に0.3mm移動したことが検知される。このように用紙1が斜めに搬送されるときの情報から、その用紙1がそのまま斜めに搬送されたときのずれ量S、つまり位置P1がノズル列の位置LNに達したときに、その位置P1が基準位置P0から幅方向にずれる量が予測できる。例えば、図3(b)の時点において、記録画像Iの側端部IAとノズル列の位置LNとの間の距離が70mmである場合、その側端部IAを位置LNまで移動させたときに、用紙1が矢印B2方向に0.42mm移動することが予想できる。この場合、図3(a)の時点から図3(b)の時点までの間に用紙1が基準位置P0から矢印B1方向に1mm移動しているため、側端部IAが位置LNまで移動したときには、0.58(1−0.42)mmだけ用紙1が基準位置P0から矢印B1方向にずれる。その0.58mmが図4(a)中のずれ量Sとなり、後述するように、そのずれ量Sに応じて記録ヘッド12による記録位置を補正する。
図5は、ずれ量Sに応じた記録ヘッド12の記録位置の補正例の説明図である。本例の場合、記録ヘッド12におけるノズルは解像度360dpiの対応する間隔で配列されており、ずれ量Sは3ノズル分に相当する0.21mmとする。図5(a)は、記録動作の中断時における記録ヘッド12と用紙1の位置関係を示す。図5(b)は、記録動作の再開時における記録ヘッド12と用紙1の位置関係を示し、用紙1の位置がずれ量S(3ノズル分)だけ矢印B1方向にずれている。このずれ量Sに対応して、記録ヘッド12におけるノズルNの使用範囲(使用可能なノズルが位置するノズル列内の範囲)を3ノズル分だけ矢印B1方向にずらすことにより、記録動作の再開時における記録画像Iの連続性が確保されることになる。IaおよびIbは、記録画像Iの矢印B1,B2方向側の端部である。用紙1は、図5(c),(d)のように、録動作の再開後に斜走ローラによって徐々に矢印B2方向に移動されて、ずれ量Sが徐々に小さくなり、最終的には、図5(e)のように側端部1Aが基準位置P0に戻されて、ずれ量Sが“ゼロ”となる。このような用紙1の位置の変化に応じて、図5(c),(d),(e)のように、記録ヘッド12のノズル列内におけるノズルNの使用範囲を徐々に矢印B2方向にずらす。このように、ノズルの使用範囲を変更することにより、記録動作の再開後における記録画像Iの連続性を維持しつつ、ノズルNの使用範囲を戻すことができる。
図6は、ミシン目PLと関連付けてTOFマークMが付されている用紙1に対して、前後のミシン目PL,PL間の領域を単位記録領域として画像を記録する場合の説明図である。この場合には、単位記録領域内において、ずれ量Sに応じて記録ヘッド12の記録位置を補正することができる。図6の例において、ずれ量Sはノズル5つ分の量である。同図中の黒丸は、記録動作中断時における記録画像(インクドット)Iを表し、実線の白丸は、記録位置を補正した場合における記録動作再開後の記録画像Iを表す。同図中の点線の白丸は、記録位置を補正しなかった場合における記録動作再開後の記録画像Iを表す。
記録動作の再開時には、記録ヘッドにおいて使用するノズルの範囲を5ノズル分だけ矢印B1方向にずらす。その後は、図6中の四角によって表すように、記録画像Iの端部1aの位置を所定数分ずつ(本例の場合は、1ノズル分ずつ)矢印B2方向にずらすように、使用するノズルの範囲を所定数分ずつ矢印B2方向に戻す。このように、使用するノズルの範囲を矢印B2方向に戻す速度は、前後のミシン目PL,PL間の領域(単位記録領域)の長さ、およびずれ量Sによって異ならせる。用紙1には、その単位記録領域毎にTOFマークMが付されている。図6のように、前後のTOFマークM,M間の距離、つまり前後のミシン目PL,PL間の領域の長さが300mmの場合には、300mmを5等分した搬送距離毎に、1ノズル分ずつ戻す。このように本例においては、単位記録領域内の画像の記録中に、ノズルの使用範囲が段階的に変更される。
このように、使用するノズルの範囲を矢印B2方向に戻すことにより、記録画像は曲がるように記録されることになる。しかし、記録動作の再開時における記録画像Iの連続性を確保することができ、しかも、図5のように用紙1が徐々に基準位置P0に向かって移動するため、図6中の実線の丸のように記録画像の曲がりの影響はさほど受けない。
図7は、記録動作中断後の再開処理を説明するためのフローチャートである。
まず、用紙1の側端部1Aを検知するための図8(a)の検知処理を実行する(ステップS10)。その検知処理においては、エッジセンサユニット24をONにしてから(ステップS11)、第1のフォトインタラプタ9がキャリッジ2のフラグ2を検知してONとなっているか否かを判定する(ステップS12)。つまり、キャリッジ2が移動基準位置PA(図2(a)参照)にあるか否かを判定する。第1のフォトインタラプタ9がONでないときには、モータ7の正転によってキャリッジ2を矢印B1方向に移動させ(ステップS13)、それを移動基準位置PAに位置させる。キャリッジ2に移動基準位置PAに位置して、第1のフォトインタラプタ9がONとなっているときは、モータ7の逆転によってキャリッジ2を矢印B2方向に移動させて、反射センサ4による用紙1の側端部1Aの検知を待つ(ステップS15)。
反射センサ4が用紙1の側端部1Aを検知したときは、図7のステップS1において第1のパルスカウント値を記憶する。その第1のパルスカウント値は、図3(a)の状態において、キャリッジ2が移動基準位置PAから移動を開始したときから、反射センサ4が側端部1Aを検知したときまでのエンコーダセンタの出力パルスのカウントした値である。
その後、キャリッジ2を移動基準位置PAに戻すための図8(b)の戻し処理を実行する(ステップS20)。その戻し処理においては、モータ7の正転によってキャリッジ2を矢印B1方向に移動させる(ステップS21)。そして、第1のフォトインタラプタ9がONとなったとき、つまりキャリッジ2が移動基準位置PAに戻ったときに、キャリッジ2の移動を停止させる(ステップS22,S23)。
次に、図7のステップS2において、図3(b)のように用紙1を矢印A2方向に所定量搬送させる。その後、図8(a)の検知処理を実行し(ステップS10)、反射センサ4が用紙1の側端部1Aを検知したときは、図7のステップS3において第2のパルスカウント値を記憶する。その第2のパルスカウント値は、図3(b)の状態において、キャリッジ2が移動基準位置PAから移動を開始したときから、反射センサ4が側端部1Aを検知したときまでのエンコーダセンタの出力パルスのカウントした値である。その後、図8(b)の戻し処理を実行して(ステップS20)、キャリッジ2を移動基準位置PAまで戻す。
次に、図7のステップS4において、図3(c)のように用紙1を矢印A1方向に所定量搬送させる。その後、図8(a)の検知処理を実行し(ステップS10)、反射センサ4が用紙1の側端部1Aを検知したときは、図7のステップS5において第3のパルスカウント値を記憶する。その第3のパルスカウント値は、図3(c)の状態において、キャリッジ2が移動基準位置PAから移動を開始したときから、反射センサ4が側端部1Aを検知したときまでのエンコーダセンタの出力パルスのカウントした値である。その後、図8(b)の戻し処理を実行して(ステップS20)、キャリッジ2を移動基準位置PAまで戻す。
次に、図7のステップS6においてエッジセンサユニット24をOFFにしてから、ステップS1,S3,S5にて記憶した第1、第2、第3のパルスカウント値、およびステップA2,S4における用紙の搬送量に基づいて、ずれ量Sを算出する。第1、第2、第3のパルスカウント値は、図4における位置P1,P2,P3に関しての矢印B1,B2方向の位置情報に対応するため、前述したようにずれ量Sを算出することができる。
その後、前述したように、ずれ量Sに応じて記録ヘッド12におけるノズルNの使用範囲を設定してから(ステップS8)、用紙1を矢印A1方向に搬送して記録動作を再開させる(ステップS9)。その際には、前述したようにノズルNの使用範囲を段階的にずらす。図1のように、複数の記録ヘッドを用いる場合には、記録ヘッド毎にノズルの使用範囲が設定される。
(他の実施形態)
用紙1の側端部1Aの位置を検知するためのセンサは、反射センサ4のみに限定されず、透過センサ等を用いてもよい。要は、用紙1の側端部1Aの位置が検知できればよい。
用紙1の側端部1Aの位置を検知するためのセンサは、反射センサ4のみに限定されず、透過センサ等を用いてもよい。要は、用紙1の側端部1Aの位置が検知できればよい。
1 用紙(記録媒体)
12 記録ヘッド
20 搬送ベルト
24 エッジセンサユニット
25 TOFセンサ(マーク検知手段)
100 CPU
A1 搬送方向
A2 戻り方向
N ノズル
12 記録ヘッド
20 搬送ベルト
24 エッジセンサユニット
25 TOFセンサ(マーク検知手段)
100 CPU
A1 搬送方向
A2 戻り方向
N ノズル
Claims (8)
- 記録媒体を搬送方向に搬送する搬送動作と、前記搬送方向と交差する方向に延在するノズル列を形成する記録ヘッドの複数のノズルからインクを吐出する吐出動作と、によって前記記録媒体に画像を記録するインクジェット記録装置であって、
前記吐出動作および前記搬送動作が中断された後に、前記記録媒体を前記搬送方向と逆の戻し方向に所定量搬送させてから、前記搬送動作を再開させる搬送制御手段と、
前記搬送動作が再開された後に、前記吐出動作の中断前に前記記録媒体に記録した画像と連続する画像を記録するように、前記吐出動作を再開させる吐出制御手段と、
前記搬送動作時に、前記記録媒体の幅方向の位置を規制する規制手段と、
前記吐出動作の再開時および再開後における前記記録媒体の前記幅方向の位置を検知する検知手段と、
前記検知手段によって検知された前記記録媒体の位置に応じて、前記吐出動作の再開時および再開後に使用可能なノズルが位置する前記ノズル列内の使用範囲を変更する変更手段と、
を備えることを特徴とするインクジェット記録装置。 - 前記規制手段は、前記記録媒体の前記幅方向における一方の側端部を定位置の基準壁に押し付けるように、前記記録媒体を斜走させることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
- 前記検知手段は、前記記録媒体の前記幅方向における一方の側端部の位置を検知するためのセンサを含むことを特徴とする請求項1または2に記載のインクジェット記録装置。
- 前記検知手段は、前記搬送動作の再開後かつ前記吐出動作の再開前の少なくとも2つの時点における前記記録媒体の前記幅方向の位置の変化から、前記吐出動作の再開時および再開後における前記記録媒体の前記幅方向の位置を予測することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
- 前記変更手段は、前記吐出動作の再開後における前記記録媒体の前記幅方向の位置の変化に応じて、前記ノズル列内の前記使用範囲を段階的に変更させることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
- 前記変更手段は、前記記録媒体に対して前記搬送方向における所定の記録領域の単位で画像が記録されるときに、前記所定の記録領域内の画像の記録中に、前記ノズル列内の前記使用範囲を、前記吐出動作の中断時に使用可能なノズルが位置していた前記ノズル列内の使用範囲まで段階的に戻すことを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
- 前記記録媒体には、前記所定の記録領域毎にマークが付されており、
前記インクジェット記録装置は、前記マークを検知するためのマーク検知手段を備える
ことを特徴とする請求項6に記載のインクジェット記録装置。 - 記録媒体を搬送方向に搬送する搬送動作と、前記搬送方向と交差する方向に延在するノズル列を形成する記録ヘッドの複数のノズルからインクを吐出する吐出動作と、によって前記記録媒体に画像を記録するインクジェット記録方法であって、
前記吐出動作および前記搬送動作が中断された後に、前記記録媒体を前記搬送方向と逆の戻し方向に所定量搬送させてから、前記搬送動作を再開させる搬送制御工程と、
前記搬送動作が再開された後に、前記吐出動作の中断前に前記記録媒体に記録した画像と連続する画像を記録するように、前記吐出動作を再開させる吐出制御工程と、
前記搬送動作時に、前記記録媒体の幅方向の位置を規制する規制工程と、
前記吐出動作の再開時および再開後における前記記録媒体の前記幅方向の位置を検知する検知工程と、
前記検知工程により検知された前記記録媒体の位置に応じて、前記吐出動作の再開時および再開後に使用可能なノズルが位置する前記ノズル列内の使用範囲を変更する変更工程と、
を含むことを特徴とするインクジェット記録方法。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2012123028A JP2013248745A (ja) | 2012-05-30 | 2012-05-30 | インクジェット記録装置およびインクジェット記録方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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2012
- 2012-05-30 JP JP2012123028A patent/JP2013248745A/ja active Pending
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