JP2009262349A - 制御装置、印刷装置、制御装置の制御方法、及び、制御装置の制御プログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】印刷データを迅速に生成する。
【解決手段】制御装置は、印刷媒体を第1方向に搬送する搬送部と、第2方向に関する印刷媒体の搬送位置を検出する検出部と、印刷データを用いて印刷媒体に画像を形成する形成部と、を含む印刷実行部を制御する。制御装置は、第2方向に関する印刷媒体の搬送位置を示す検出結果を取得する取得部と、検出結果に基づいて、形成部に付与される印刷データを準備する印刷データ準備部と、を備える。印刷データ準備部は、取得部が検出結果を取得する前に、画像データに基づいて複数種類の印刷データ候補の生成を開始し、取得部が前記検出結果を取得した後に、検出結果に基づいて、複数種類の印刷データ候補のうち、1種類の印刷データ候補を選択して、印刷データを準備する。
【選択図】図8
【解決手段】制御装置は、印刷媒体を第1方向に搬送する搬送部と、第2方向に関する印刷媒体の搬送位置を検出する検出部と、印刷データを用いて印刷媒体に画像を形成する形成部と、を含む印刷実行部を制御する。制御装置は、第2方向に関する印刷媒体の搬送位置を示す検出結果を取得する取得部と、検出結果に基づいて、形成部に付与される印刷データを準備する印刷データ準備部と、を備える。印刷データ準備部は、取得部が検出結果を取得する前に、画像データに基づいて複数種類の印刷データ候補の生成を開始し、取得部が前記検出結果を取得した後に、検出結果に基づいて、複数種類の印刷データ候補のうち、1種類の印刷データ候補を選択して、印刷データを準備する。
【選択図】図8
Description
本発明は、印刷装置に関し、特に、印刷データを生成する技術に関する。
特許文献1に記載の画像記録装置(印刷装置)は、記録媒体を搬送方向に沿って搬送させる搬送機構と、搬送方向と直交する幅方向に延在し、搬送方向に沿って配置された2つの記録ヘッド(形成部)とを有している。各記録ヘッドには、幅方向に沿って1列にノズルが形成されており、2つの記録ヘッドの各ノズルから搬送機構によって搬送される記録媒体にインクを吐出することで、記録媒体にフルライン画像を形成することができる。また、記録媒体が搬送される搬送経路の上流側には、幅方向における記録媒体の両側端のエッジ、すなわち、記録媒体の横ずれ量を検出するための記録媒体両側端検出部が設けられている。そして、画像記録装置は、搬送機構によって搬送方向に搬送される記録媒体の横ずれ量に基づいて、2つの記録ヘッドに与えられる印刷データを生成する。
ところで、記録媒体両側端検出部の位置と2つの記録ヘッドの位置とが搬送方向に関して近い場合や、記録媒体の搬送速度が大きい場合には、記録媒体が記録媒体両側端検出部の下方の位置を通過してから2つの記録ヘッドと対向する位置に達するまで時間が短い。このため、印刷データの生成が間に合わない場合が発生し得るという問題があった。
そこで、本発明の目的は、印刷データを迅速に生成することのできる技術を提供することにある。
本発明の制御装置は、印刷媒体を第1方向に搬送する搬送部と、前記第1方向と交差する第2方向に関する前記印刷媒体の搬送位置を検出する検出部と、印刷データを用いて前記印刷媒体に画像を形成する形成部と、を含む印刷実行部を制御する制御装置であって、前記検出部から前記第2方向に関する前記印刷媒体の搬送位置を示す検出結果を取得する取得部と、前記検出結果に基づいて、前記形成部に付与される前記印刷データを準備する印刷データ準備部と、を備えている。前記印刷データ準備部は、前記取得部が前記検出結果を取得する前に、前記画像を表す画像データに基づいて複数種類の印刷データ候補の生成を開始し、前記取得部が前記検出結果を取得した後に、前記検出結果に基づいて、前記複数種類の印刷データ候補のうち、1種類の印刷データ候補を選択して、前記印刷データを準備する。
本発明の制御装置によると、第2方向に関する印刷媒体の搬送位置を示す検出結果を取得する前に、複数種類の印刷データ候補の生成を予め開始しているため、複数種類の印刷データ候補の中から1種類の印刷データ候補を選択することによって、印刷媒体の搬送位置に応じた印刷データを迅速に生成することができる。
なお、選択された1種類の印刷データ候補は、生成途中のデータであってもよいし、すでに生成済みのデータであってもよい。すなわち、本明細書において、印刷データを準備するとは、選択された1種類の印刷データ候補が生成途中のデータである場合には、当該生成途中のデータを利用して、形成部に付与される印刷データを生成することを意味し、選択された1種類の印刷データ候補が生成済みのデータである場合には、当該生成済みのデータを、形成部に付与される印刷データとして利用することを意味する。
また、前記印刷データ準備部によって選択された前記1種類の印刷データ候補は、生成途中のデータであり、前記印刷データ準備部は、さらに、前記画像データに基づいて、選択された前記1種類の印刷データ候補の生成を継続して、前記印刷データを準備することが好ましい。これによると、複数種類の印刷データ候補の生成が完了していなくても、検出結果に基づいて1種類の印刷データ候補の選択が可能である。
なお、選択されていない他の種類の印刷データ候補の生成は、継続されてもよいし、中止されてもよい。
さらに、前記印刷データ準備部は、前記検出結果によって示される前記搬送位置が所定範囲内の位置である場合には、前記印刷データの準備を継続し、前記検出結果によって示される前記搬送位置が前記所定範囲外の位置である場合には、前記印刷データが前記形成部に与えられないように、所定の処理を実行することが好ましい。これによると、第2方向に関する印刷媒体の搬送位置が所定範囲内の位置である場合には、印刷データ候補の生成が継続され、印刷媒体に画像を形成することが可能となる。
なお、所定の処理とは、印刷データの準備を中止する、または、印刷データの準備を中止せずに準備された印刷データを形成部に付与しないなどの処理を含む。
加えて、前記複数種類の印刷データ候補は、第1種の印刷データ候補と、第2種の印刷データ候補と、を含んでおり、前記第1種の印刷データ候補は、前記印刷媒体の実際の前記搬送位置が基準位置である場合において、仮に当該第1種の印刷データ候補が選択されると、前記印刷媒体上の目標領域内に前記画像が形成されるようなデータであり、前記第2種の印刷データ候補は、前記印刷媒体の実際の前記搬送位置が前記基準位置から所定距離だけずれた位置である場合において、仮に当該第2種の印刷データ候補が選択されると、前記印刷媒体上の前記目標領域内に前記画像が形成されるようなデータであり、前記印刷データ準備部は、前記検出結果によって示される前記搬送位置が前記所定範囲内のうち、前記基準位置を含む第1の範囲内の位置である場合には、前記第1種の印刷データ候補を選択し、前記検出結果によって示される前記搬送位置が前記所定範囲内のうち、前記第1の範囲と異なる第2の範囲内の位置である場合には、前記第2種の印刷データ候補を選択することが好ましい。これによると、印刷媒体の内側に画像を形成可能となる。
また、前記所定範囲は、前記所定距離と、前記印刷媒体上の前記目標領域の外側の領域であるブランク領域の寸法と、に基づいて決定されていることが好ましい。これによると、印刷媒体の内側に確実に画像を形成することができる。
さらに、前記第1の範囲は、前記所定距離、または、前記印刷媒体上の前記目標領域の外側の領域であるブランク領域の寸法に基づいて決定されていることが好ましい。これによると、印刷データ準備部において第1種の印刷データ候補が選択された場合において、印刷媒体の内側に確実に画像を形成することできる。
加えて、前記形成部は、前記第2方向に沿って配列された第1ノズル群と、前記第2方向に沿って配列された第2ノズル群と、を含んでおり、前記第1ノズル群と前記第2ノズル群とは、前記第1方向に関して異なる位置に配置されており、前記第1ノズル群の各ノズルと前記第2ノズル群の各ノズルとは、前記第2方向に関して異なる位置に配置されており、前記印刷データ準備部は、前記形成部のノズル配列に整合するように、前記印刷データを準備することが好ましい。このような第1ノズル群の各ノズルと第2ノズル群の各ノズルとのノズル配列においては、本発明を用いた効果がより顕著となる。
本発明の印刷装置は、上述したいずれかの制御装置と、前記印刷実行部とを備えている。本発明の印刷装置によると、第2方向に関する印刷媒体の搬送位置を示す検出結果を取得する前に、印刷データとなりうる複数種類の印刷データ候補の生成を予め開始しているため、印刷データを迅速に生成することができる。したがって、印刷媒体に迅速に画像を形成することができる。
なお、この発明は、制御装置及び方法、当該制御装置を備える印刷装置及び方法、これらの方法または装置の機能を実現するためのコンピュータプログラム、そのコンピュータプログラムを記録した記録媒体などの種々の態様で実現可能である。
例えば、この発明は、別の印刷装置によって実現されてもよい。具体的には、別の印刷装置は、印刷媒体を第1方向に搬送する搬送部と、前記第1方向と交差する第2方向に関する前記印刷媒体の搬送位置を検出する検出部と、前記検出結果に基づいて、印刷データを準備する印刷データ準備部と、前記印刷データを用いて前記印刷媒体に画像を形成する形成部と、を備え、前記印刷データ準備部は、前記検出結果が得られる前に、前記画像を表す画像データに基づいて複数種類の印刷データ候補の生成を開始し、前記検出結果が得られた後に、前記検出結果に基づいて、前記複数種類の印刷データ候補のうち、1種類の印刷データ候補を選択して、前記印刷データを準備してもよい。
第2方向に関する印刷媒体の搬送位置を示す検出結果を取得する前に、複数種類の印刷データ候補の生成を予め開始しているため、複数種類の印刷データ候補の中から1種類の印刷データ候補を選択することによって、印刷媒体の搬送位置に応じた印刷データを迅速に生成することができる。
以下、本発明の好適な実施形態について、図面を参照しつつ説明する。本実施形態は、用紙にインクを吐出して文字や画像などを記録するインクジェットプリンタに本発明を適用した一例である。
図1は、本発明の一実施形態に係るインクジェットプリンタの概略構成図である。図1に示すように、印刷装置であるインクジェットプリンタ1は、直方体形状の筐体1aを有しており、上部に排紙部6が設けられている。筐体1a内は、後述する搬送ベルト43の下端側を境に上から順に2つの空間A、Bに区分されている。空間Aには、マゼンタ、シアン、イエロー、ブラックのインクをそれぞれ吐出する4つのインクジェットヘッド2(形成部)、及び、搬送方向C(図1の左から右方向:第1方向)に印刷媒体である用紙Pを搬送する搬送ユニット40(搬送部)が上から順に配置されている。空間Bには、給紙装置23が配置されている。
インクジェットプリンタ1の内部には、給紙装置23から排紙部6に向けて図1に示す太矢印に沿って用紙Pが搬送される用紙搬送経路が形成されている。給紙装置23は、積層された複数の用紙Pを収容可能な給紙カセット24と、給紙カセット24に積層して収容された複数の用紙Pのうち、最も上方にある用紙Pを用紙搬送経路に1枚ずつ送り出す給紙ローラ25と、制御部100により制御され給紙ローラ25を回転させる給紙モータ132(図7参照)とを有している。また、インクジェットプリンタ1の内部には、用紙Pをヘッドセンターに位置合わせする図示しない機構を有している。
搬送ユニット40の図1中左方には、給紙カセット24から搬送ユニット40に向かって湾曲しながら延在する搬送ガイド26a、26b及び搬送ガイド26a、26b間に配置された送りローラ対22が設けられている。なお、送りローラ対22の一方のローラは、送りモータ134(図7参照)の駆動によって回転し、他方のローラは一方のローラの回転に伴って回転する従動ローラである。また、送りモータ134は、制御部100によって制御される。
この構成において、制御部100の制御により、給紙ローラ25が回転することによって、給紙カセット24から送り出された用紙Pは、送りローラ対22に挟持されながら搬送ガイド26a、26bを通されて図1中上方の搬送ユニット40へ送り出される。
搬送ユニット40は、一対のベルトローラ41、42と、両ローラ41、42間に架け渡されるように巻回されたエンドレスの搬送ベルト43と、押さえローラ4と、ベルトローラ42を回転させる搬送モータ133(図7参照)とを有している。搬送ベルト43の外周面、すなわち搬送面44にはシリコーン処理が施されており、この搬送面44は粘着性を有している。押さえローラ4は、ベルトローラ41の上方であってベルトローラ41との間において搬送ベルト43を挟む位置に配置されている。また、押さえローラ4は、図示しないバネなどの弾性部材によって搬送面44に向かって付勢されており、送りローラ対22によって搬送されてきた用紙Pを搬送面44に押さえつける。
この構成において、制御部100の制御により、ベルトローラ42を図1の時計周り方向に回転させることによって、搬送ベルト43が回転する。このとき、搬送ベルト43の回転に伴って従動ローラであるベルトローラ41及び押さえローラ4も回転する。そして、用紙Pは搬送ベルト43の搬送面44に保持されて搬送方向Cに搬送される。このとき、搬送面44に保持されて搬送されてきた用紙Pが4つのインクジェットヘッド2のすぐ下方を順に通過する際に、制御部100が各インクジェットヘッド2を制御することで、各インクジェットヘッド2から用紙Pに向けて各色のインクが吐出され、用紙Pに所望のカラー画像が形成される。
押さえローラ4とインクジェットヘッド2との間には、搬送経路(搬送方向)上流側から順に用紙ずれ検出センサ50及び用紙先端検出センサ51が設けられている。用紙ずれ検出センサ50は、幅方向(搬送方向に直交する方向であって、図1の紙面垂直方向:第2方向)に延在した撮像範囲を有する、例えばCCD、CMOSなどからなるライン型センサである。用紙ずれ検出センサ50の撮像範囲は、幅方向に関して搬送面44を搬送される用紙Pよりも若干長い範囲となっており、幅方向に位置ずれした用紙Pも撮像可能となっている。後述するように、用紙ずれ検出センサ50は、用紙Pを撮像して読み取ることによって、搬送面44を搬送される用紙Pの幅方向に関する搬送位置(後述する基準位置からのずれ量)を検出するものである。用紙ずれ検出センサ50が検出したずれ量は、用紙Pの幅方向に関する搬送位置を示す検出結果として制御部100に出力される。
用紙先端検出センサ51は、例えば光学式の反射型もしくは透過型センサである。後述するように、用紙先端検出センサ51は、搬送面44を搬送される用紙Pの先端が当該用紙先端検出センサ51の下方を通過したことを用紙先端検出信号として検出するものである。用紙先端検出センサ51からの用紙先端検出信号は、制御部100に出力される。
搬送ユニット40の搬送方向のすぐ下流側には、剥離部材5が設けられている。剥離部材5は、その先端が用紙Pと搬送ベルト43との間に入り込むことによって、用紙Pを搬送面44から剥離する。
インクジェットヘッド2の右方には、搬送ユニット40から排紙部6に向かって湾曲しながら延在する搬送ガイド29a、29bと、2組の送りローラ対27、28とが設けられている。なお、各送りローラ対27、28の一方のローラは、送りモータ134(図7参照)によって回転し、他方のローラは一方のローラの回転に伴って回転する従動ローラである。また、送りモータ134は、制御部100によって制御される。
この構成において、制御部100の制御により、各送りローラ対27、28が所定方向に回転することによって、搬送ユニット40から排出された用紙Pは、各ローラ対27、28に挟持されながら搬送ガイド29a、29bを通されて図1中上方に送られ、排紙部6に排紙される。
図2は、インクジェットヘッドを下方から見たときの平面図である。図2に示すように、4つのインクジェットヘッド2は、それぞれ幅方向(図2の左右方向)に延在し、搬送方向(幅方向に直交する方向であって、図2の上下方向)に近接して並設されている。つまり、インクジェットプリンタ1は、幅方向に延びた吐出領域が形成されたライン式プリンタである。
インクジェットヘッド2は、図1及び図2に示すように、その下端にヘッド本体3を有する。ヘッド本体3は、幅方向に細長な直方体形状となっている。ヘッド本体3の底面は、搬送面44に対向する吐出面3aとなっており、この吐出面3aにはノズル3bが多数並べて配置されている。
図2に示すように、各吐出面3aの複数のノズル3bは、幅方向に沿って等間隔に配列されてノズル群30を構成しており、このようなノズル群30が搬送方向に4本並べて配置されている。つまり、4本のノズル群30は、搬送方向に関して異なる位置に配置されていることとなる。1つのノズル群30に属する幅方向に関して隣接したノズル3b同士のノズル間隔は、ノズル3bの径の4倍となっている。
そして、1つのインクジェットヘッド2に属する4本のノズル群30は、図2の上方から順に幅方向に関してノズル3bの径だけ右方にずれながら配置されている。つまり、各ノズル群30に属する複数のノズル3bは、幅方向に関して異なる位置に配置されていることとなる。この構成において、1つのインクジェットヘッド2に属する4本のノズル群30から搬送面44を搬送される用紙Pの幅方向に沿った1ライン上に所望の吐出タイミングでインクを吐出すると、隙間なく連続した1本の印刷ラインが記録される。なお、本実施形態におけるインクジェットプリンタ1の幅方向に関する印字解像度は600dpiとなっている。この4つのインクジェットヘッド2に属するノズル3bの配列は、ノズル配列情報として後述するノズル配列記憶部111に記憶されている。
PCなどの図示しないホストコンピュータからインクジェットプリンタ1に対して印刷ジョブが入力される。すると、この印刷ジョブに含まれる用紙Pに形成すべき画像に関する画像データに基づいて、後述する印刷データ準備部108によって各ノズル3bの吐出量及び吐出タイミングを示すデータの集まりである印刷データが生成される。この印刷データに基づいた駆動信号がインクジェットヘッド2の各ノズル3bにそれぞれ付与されることで、搬送ユニット40による用紙Pの搬送に合わせて、各ノズル3bから所望の吐出タイミングで所望量のインクが吐出され、用紙Pに所望の画像が記録される。
ここで、例えば、給紙カセット24内に複数の用紙Pが幅方向に関してずれて積層されているなどの理由で、給紙カセット24から給紙されて搬送面44を搬送される用紙Pが幅方向に関して位置ずれしている場合がある。図3は、用紙の位置ずれを説明する図である。図4は、位置ずれしていない用紙に画像が記録されたときの平面図である。
図3に示すように、給紙カセット24から給紙されて搬送面44を搬送される用紙Pが幅方向に関して位置ずれしていない、すなわちインクジェットヘッド2の幅方向中央と、搬送された用紙P(図3の実線で示す用紙P1)の幅方向中央とが搬送方向に関して重なっている場合には、各インクジェットヘッド2の斜線で示す吐出領域3c内のノズル3bからインクが吐出されることで、用紙P1の中央領域である斜線領域Paに画像が記録される(図4参照)。つまり、図4に示すように、用紙P1の斜線領域Paが画像記録領域(目標領域)となっており、用紙P1上の斜線領域Paの外側領域(斜線領域Paの周囲の領域)が余白領域Pb(ブランク領域)となっている。
用紙の位置ずれがない場合には、この搬送方向に沿った幅方向両側の余白領域Pbの幅X(以下、余白量と称す)は均等となっている。なお、この場合に、用紙Pは幅方向に関する基準位置に位置しているとみなす。この余白量は、本実施例では、一定の値であり、プリンタに予め設定された値である。
また、図3に示すように、給紙カセット24から給紙されて搬送面44を搬送される用紙P(図3の2点鎖線で示す用紙P2)が、幅方向に関して基準位置から図3の左方に位置ずれしている場合には、この印刷データを用いると、用紙P2の右方に画像がずれて記録される。また、用紙P2の位置ずれがさらに大きい場合には、用紙P2から画像がはみ出して用紙P2上に画像の一部が記録されなくなってしまう。
また、給紙カセット24から給紙されて搬送面44を搬送される用紙P(図3の2点鎖線で示す用紙P3)が、基準位置から図3の右方に位置ずれしている場合にも、左方位置ずれ時のように用紙P3の左方に画像がずれて記録されるか、もしくは画像の一部が記録されなくなってしまう。
そこで、画像データに基づいて、用紙Pの位置ずれに対応した印刷データを生成する必要がある。図5は、用紙位置ずれ時のノズルからの吐出動作を説明する図である。具体的には、図5に示すように、用紙Pの位置ずれに対応して、インクを吐出する領域を斜線で示す吐出領域3dにずらすように、画像データに基づいて印刷データを生成する。
例えば、用紙Pが基準位置から図5の左方に2mmずれている場合には、基準位置から左方に2mmずれた画像が用紙Pに記録されるように、画像データに基づいて印刷データを生成する。仮に、1つのインクジェットヘッド2に属するノズル3bの配置が搬送方向にずれておらず、幅方向に沿った1列のみであれば、ある1つのノズル3bに着目したときに、当該ノズル3bに付与される駆動信号を当該ノズル3bよりも2mm左方に位置するノズル3bに付与するようにする。このような処理を全てのノズル3bに対して行う、すなわち基準位置から2mm左方にずらした印刷データを生成して、この印刷データに基づいた駆動信号を各ノズル3bに付与することで、用紙Pの中央領域Paに画像が記録されることとなる。
ところで、本実施形態においては、1つのインクジェットヘッド2に属する複数のノズル3bは、幅方向に沿った複数のノズル列が搬送方向に配列されて構成されている。つまり、用紙Pが基準位置から図5の左方に2mmずれている場合に、左方に2mmずれた画像が用紙Pに記録されるように、画像データに基づいて印刷データを生成するときには、本実施形態においては、吐出するノズル3bの位置を変え、さらに、吐出タイミングも変える必要がある。
例えば、ある1つのノズル3bに着目したときに、当該ノズル3bに付与される駆動信号は当該ノズル3bよりも2mm左方に位置するノズル3bに付与されるようにする。このとき、2mm左方に位置するノズル3bは、搬送方向にずれているため、吐出タイミングも併せて変更する。このような処理を全てのノズル3bに対して行う、すなわち基準位置から2mm左方にずらすとともに、吐出タイミングも変更した印刷データを生成して、この印刷データに基づいた駆動信号が各ノズル3bに付与されることで、用紙Pの中央領域Paに画像が記録されることとなる。
しかしながら、用紙先端検出センサ51は搬送方向に関してインクジェットヘッド2に近接して配置されている。そのため、印刷データを位置ずれ量だけ幅方向にシフトするのに加えて、吐出タイミングも変更しようとすると、印刷データの生成が間に合わず、印刷データの生成が完了するまで用紙Pの搬送を停止したり、搬送速度を遅くしたりする必要がある。
そこで、本実施形態においては、詳しくは後述するが、用紙ずれ検出センサ50で用紙Pの幅方向に関するずれ量を検出する前に、後述する印刷データ生成部109によりあらかじめ用紙Pの幅方向に関する位置に対応した3種類の印刷データ候補の生成を開始しておく。この3種類の印刷データ候補とは、用紙Pが基準位置、左方もしくは右方に位置ずれしているときにできるだけ用紙Pの中央に画像を記録可能な印刷データである。そして、これらの3種類の印刷データ候補のうち、1種類の印刷データ候補を選択して、この印刷データに基づいた駆動信号を各インクジェットヘッド2に付与する。これにより、迅速に印刷データが生成されることとなる。
ここで、生成可能な3種類の印刷データ候補について説明する。図6(a)は、余白量が1mm、2mmの場合における用紙の平面図である。図6(b)は、余白量が3mm、4mmの場合における用紙の平面図である。まず、本実施形態においては、基準位置に位置する用紙Pに対応した第1種の印刷データ候補と、基準位置から左方に位置ずれした用紙Pに対応した第2種の印刷データ候補と、基準位置から右方に位置ずれした用紙Pに対応した第2種の印刷データ候補と、を生成可能となっている。第2種の印刷データ候補は、第1種の印刷データ候補が左方もしくは右方に2mmだけずれた、データずらし量が2mmの印刷データ候補となっている。このデータずらし量は、1つのインクジェットヘッド2に属する全てのノズル3bからインクを吐出したときに記録される印字ラインの幅方向長さと、用紙Pの幅方向に関する長さに依存する。具体的には、印字ラインの幅方向長さと用紙Pの幅方向に関する長さとの差の半分が、データずらし量の最大値となる。
つまり、第1種の印刷データ候補は、搬送面44を搬送される用紙Pの実際の搬送位置が、基準位置である場合に、当該第1種の印刷データ候補に基づく駆動信号をインクジェットヘッド2に付与すると、用紙P上の中央領域Paに画像が記録されるようなデータである。また、第2種の印刷データ候補は、搬送面44を搬送される用紙Pの実際の搬送位置が、基準位置から左方もしくは右方へ2mmだけずれた位置である場合に、当該第2種の印刷データ候補に基づく駆動信号をインクジェットヘッド2に付与すると、用紙P上の中央領域Paに画像が記録されるようなデータである。
ここでは、用紙Pが基準位置から右方にずれている場合のみを説明し、用紙Pが基準位置から左方にずれている場合においては同様であるため、その説明を省略する。図6(a)に示すように、用紙Pの余白量が1mmで、用紙ずれ量が0mmまたは1mmの場合には、第1種の印刷データ候補を用いることで用紙P内に画像を記録することができる。また、用紙Pの余白量が1mmで、用紙ずれ量が2mmまたは3mmの場合には、第1種の印刷データ候補を用いると画像が左方からはみ出してしまうため、左方へのデータずらし量が2mmの第2種の印刷データ候補を用いることで用紙P内に画像を記録することができ、搬送面44に画像が記録されるのを防止することができる。
また、用紙Pの余白量が2mmで、用紙ずれ量が0mmまたは1mmの場合には、第1種の印刷データ候補を用いることで用紙P内に画像を記録することができる。また、用紙Pの余白量が2mmで、用紙ずれ量が2mmの場合には、第1種印刷データ候補を用いても、用紙P内に画像を記録することができるが、左方の余白領域がなくなってしまうため、左方へのデータずらし量が2mmの第2種の印刷データ候補を用いることで、用紙P内の中央に画像を形成することができる。さらに、用紙Pの余白量が2mmで、用紙ずれ量が3mmまたは4mmである場合には、左方へのデータずらし量が2mmの第2種の印刷データ候補を用いることで用紙P内に画像を記録することができ、搬送面44に画像が記録されるのを防止することができる。
また、図6(b)に示すように、用紙Pの余白量が3mmで、用紙ずれ量が0mmまたは1mmの場合には、第1種の印刷データ候補を用いることで用紙P内に画像を記録することができる。また、用紙Pの余白量が3mmで、用紙ずれ量が2mmの場合には、第1種印刷データ候補を用いても、用紙P内に画像を記録することができるが用紙Pのより中央に画像を形成するため、左方へのデータずらし量が2mmの第2種の印刷データ候補を用いることで、用紙P内の中央に画像を形成することができる。さらに、用紙Pの余白量が3mmで、用紙ずれ量が3mm、4mmまたは5mmである場合には、左方へのデータずらし量が2mmの第2種の印刷データ候補を用いることで用紙P内に画像を記録することができ、搬送面44に画像が記録されるのを防止することができる。
また、用紙Pの余白量が4mmで、用紙ずれ量が0mmまたは1mmの場合には、第1種の印刷データ候補を用いることで用紙P内に画像を記録することができる。また、用紙Pの余白量が4mmで、用紙ずれ量が2mmの場合には、第1種印刷データ候補を用いても、用紙P内に画像を記録することができるが用紙Pのより中央に画像を形成するため、左方へのデータずらし量が2mmの第2種の印刷データ候補を用いることで、用紙P内の中央に画像を形成することができる。さらに、用紙Pの余白量が4mmで、用紙ずれ量が3mm、4mm、5mmまたは6mmである場合には、左方へのデータずらし量が2mmの第2種の印刷データ候補を用いることで用紙P内に画像を記録することができ、搬送面44に画像が記録されるのを防止することができる。
次に、インクジェットプリンタ1の制御系について、図7を参照しつつ説明する。図7は、図1に示すインクジェットプリンタのブロック図である。図7に示すように、プリンタ1は、各種動作を制御する制御部100を有する。具体的には、制御部100は、インクジェットヘッド2、搬送ユニット40、用紙ずれ検出センサ50及び用紙先端検出センサ51などから構成された印刷実行部を制御するものである。
制御部100は、演算処理装置であるCPU(Central Processing Unit)と、CPUが実行する制御プログラム及び制御プログラムに使用されるデータが記憶されているROM(Read Only Memory)と、プログラム実行時にデータを一時記憶するためのRAM(Random Access Memory)とを有している。これらは、印刷ジョブ記憶部101、ヘッド制御部102、搬送制御部103、用紙先端取得部104、用紙ずれ取得部105、印刷可能範囲決定部106、通常印刷範囲決定部107、印刷データ準備部108などとして機能する。
印刷ジョブ記憶部101は、PCなどの図示しないホストコンピュータから入力された印刷ジョブを記憶するものである。印刷ジョブには、用紙Pに形成すべき画像に関する画像データが含まれている。
ヘッド制御部102は、印刷データ準備部108によって準備された印刷データを用いて、各インクジェットヘッド2からインクが吐出されるように、ヘッド駆動回路121を制御する。
搬送制御部103は、給紙モータ132の駆動により給紙ローラ25が回転して給紙カセット24内の最も上にある用紙Pが搬送ガイド26aに沿って送り出されるようにモータドライバ122を制御するとともに、送りモータ134の駆動により送りローラ対22が回転して用紙Pを搬送ベルト43上に送り出されるようにモータドライバ124を制御する。また、搬送制御部103は、搬送モータ133の駆動によりベルトローラ41が回転して用紙Pが搬送ベルト43の搬送面44上に保持されつつ搬送されるようにモータドライバ123を制御する。さらに、搬送制御部103は、送りモータ134の駆動により、送りローラ対27、28が回転して用紙Pが排紙部6に排紙されるようにモータドライバ124を制御する。
用紙先端取得部104は、用紙先端検出センサ51から出力された、搬送面44を搬送される用紙Pの先端が用紙先端検出センサ51の下方を通過したことを示す用紙先端検出信号を取得する。
用紙ずれ取得部105は、用紙ずれ検出センサ50から出力された、搬送面44を搬送される用紙Pの幅方向に関する基準位置からのずれ量を取得する。
印刷可能範囲決定部106は、用紙Pが幅方向に関して位置ずれしていても用紙P上にはみ出すことなく画像を記録可能な印刷可能範囲を、印刷データのずらし量及び余白量に基づいて決定する。本実施形態においては、印刷データのずらし量及び余白量の和を印刷可能範囲の境界値とする。例えば、図6(a)の右方列に示すように、データずらし量が2mmで余白量が2mmの場合には、印刷可能範囲の境界値は基準位置から左方及び右方へ4mmとなる。つまり、用紙Pの幅方向に関するずれ量が左方もしくは右方へ4mm以内の場合には、用紙P上に画像を確実に記録することができ、搬送面44に画像が記録されるのを防止することができる。
通常印刷範囲決定部107は、印刷データ準備部108において第1種の印刷データ候補が選択された場合に、用紙P上にはみ出すことなく画像を記録可能な通常印刷範囲を、印刷データのずらし量に基づいて決定する。例えば、図6(b)の左方列に示すように、データずらし量が2mmの場合には、通常印刷範囲の境界値は基準位置から左方及び右方へ2mmとなる。
印刷データ準備部108は、用紙ずれ取得部105によって取得されたずれ量に基づいて、インクジェットヘッド2に付与される印刷データを準備する。この印刷データ準備部108は、印刷データ生成部109、印刷データ候補選択部110及びノズル配列記憶部111を有している。
印刷データ生成部109は、用紙ずれ取得部105がずれ量を取得する前に、ホストコンピュータから入力された画像データに基づいて、用紙Pが基準位置、左方または右方に位置ずれしているときに対応して、用紙P上にはみ出すことなく画像を記録可能となる3種類の印刷データ候補(第1種の印刷データ候補及び2つの第2種の印刷データ候補)の生成を開始する。このとき、印刷データ生成部109は、ノズル配列記憶部111に記憶されたノズル配列に整合するように、吐出タイミングなどを変えながら3種類の印刷データ候補を生成する。
印刷データ候補選択部110は、用紙ずれ取得部105がずれ量を取得した後に、この検出結果に基づいて、印刷データ生成部109によって生成されている3種類の印刷データ候補のうち、1種類の印刷データ候補を選択して、印刷データを準備する。このとき、印刷データ候補選択部110で選択される1種類の印刷データ候補は、生成途中のデータであって、選択後に印刷データ生成部109によって継続して印刷データ候補を生成してもよいし、印刷データ生成部109での生成が完了した印刷データ候補であってもよい。
ノズル配列記憶部111は、4つのインクジェットヘッド2に属するノズル3bの配列をノズル配列情報として記憶している。
次に、本実施形態におけるインクジェットプリンタによる一連の印刷動作について説明する。図8は、図1に示すインクジェットプリンタによる一連の印刷動作を示すフローチャートである。本フローチャートにおいては、用紙Pの余白量は2mmで、データずらし量は2mmであるとする。
まず、ホストコンピュータからインクジェットプリンタ1に対して印刷ジョブが入力されると、印刷ジョブ記憶部101にこの印刷ジョブが記憶される。そして、この印刷ジョブに含まれる画像データに基づいて、印刷データ生成部109により用紙Pが基準位置、左方または右方に位置ずれしているときに対応して、用紙P上にはみ出すことなく画像を記録可能となる3種類の印刷データ候補の生成を開始する(S1:印刷データ生成開始ステップ)。具体的には、画像データに基づいて、第1種の印刷データ候補、並びに、左方及び右方に2mmずらした2つの第2種の印刷データ候補の生成を開始する。
そして、搬送制御部103の制御により、給紙モータ132を駆動して給紙ローラ25を回転させて、給紙カセット24から用紙Pを送り出し、送りモータ134を駆動して送りローラ対22を回転させて搬送ガイド26a、26bを通して用紙Pを図1中上方の搬送ユニット40へ送り出す(S2)。
次に、用紙先端取得部104により用紙先端検出センサ51から出力された用紙先端検出信号が取得されたか否かを判断する(S3)。用紙先端検出信号が取得されていない場合(S3:No)、用紙Pの先端が用紙先端検出センサ51の下方を通過するまで待機する。用紙先端検出信号が取得された場合(S3:Yes)、用紙ずれ取得部105により用紙ずれ検出センサ50から出力された用紙Pの幅方向に関する基準位置からのずれ量を示す検出信号を取得し、用紙Pの搬送位置を確認する(S4)。
そして、印刷可能範囲決定部106により用紙P上にはみ出すことなく確実に画像を記録可能な印刷可能範囲の境界値を、印刷データのずらし量2mm及び余白量2mmに基づいて4mmと決定し(S5)、通常印刷範囲決定部107により第1種の印刷データ候補が選択された場合に、用紙P上にはみ出すことなく確実に画像を記録可能な通常印刷範囲の境界値を、印刷データのずらし量2mmに基づいて2mmと決定する(S6)。
次に、印刷データ候補選択部110により用紙Pが中央位置、すなわち用紙Pのずれ量が通常印刷範囲の境界値として決定された2mm未満であるか否かを判断する(S7)。用紙Pが中央位置である場合(S7:Yes)、印刷データ候補選択部110により第1種の印刷データ候補を選択し、印刷データ生成部109による第1種の印刷データ候補の以外の2つの第2種の印刷データ候補の生成を中止する(S8)。このとき、第1種の印刷データ候補及び2つの第2種の印刷データ候補は、生成途中のデータであってもよいし、生成完了したデータであってもよい。
そして、S3の検出タイミングとベルトローラ41の回転量とから用紙Pがインクジェットヘッド2と対向する位置まで搬送されたか否かを判断する(S9)。用紙Pがインクジェットヘッド2と対向する位置まで搬送されていない場合(S9:No)、待機する。この間に、第1種の印刷データ候補の生成が完了していない場合には、印刷データ生成部109によりデータの生成を継続し、第1種の印刷データ候補を印刷データとして準備する。用紙Pがインクジェットヘッド2と対向する位置まで搬送された場合(S9:Yes)この印刷データに基づく駆動信号をインクジェットヘッド2に付与することで、ヘッド制御部102により各インクジェットヘッド2からインクが吐出されて用紙Pへの印刷が開始される(S10)。
そして、印刷が完了すると、印刷ジョブ記憶部101を参照して、次の印刷があるか否かを判断する(S11)。次の印刷がない場合(S11:No)、印刷動作を終了する。次の印刷がある場合(S11:Yes)、S1に戻る。
また、S7において用紙Pが中央位置でない場合(S7:No)、用紙Pが左方ずれ許容範囲内、すなわち用紙Pのずれ量が左方側へ2mm以上4mm以下(第2の範囲)であるか否かを判断する(S12)。用紙Pが左方ずれ許容範囲内である場合(S12:Yes)、印刷データ候補選択部110により左方ずれに対応した第2種の印刷データ候補を選択し、印刷データ生成部109によるこの印刷データ候補の以外の第1種の印刷データ候補及び右方ずれに対応した第2種の印刷データ候補の生成を中止する(S13)。そして、用紙Pが中央位置である場合と同様に、S9〜S11の印刷動作を行う。
また、用紙Pが左方ずれ許容範囲内でない場合(S12:No)、用紙Pが右方ずれ許容範囲内、すなわち用紙Pのずれ量が右方側へ2mm以上4mm以下(第2の範囲)であるか否かを判断する(S14)。用紙Pが右方ずれ許容範囲内である場合(S14:Yes)、印刷データ候補選択部110により右方ずれに対応した第2種の印刷データ候補を選択し、印刷データ生成部109によるこの印刷データ候補の以外の第1種の印刷データ候補及び左方ずれに対応した第2種の印刷データ候補の生成を中止する(S15)。そして、用紙Pが中央位置である場合と同様に、S9〜S11の印刷動作を行う。
また、用紙Pが右方ずれ許容範囲内でない場合(S14:No)、用紙Pの位置ずれ量は、印刷可能範囲の境界値(ここでは、左方または右方へ4mm)を越えており、用紙Pからはみ出して画像が印刷されるため、印刷データ候補がインクジェットヘッド2に付与されないように、印刷データ生成部109により印刷完了もしくは印刷途中の3種類の印刷データ候補を全て破棄する(S16)。そして、3種類の印刷データ候補が全て破棄され、印刷動作が中止されたことを図示しないブザーや画像などからユーザへ通知する(S17)。
以上のように、本実施形態のインクジェットプリンタ1では、幅方向に関する用紙Pの搬送位置を取得する前に、複数種類の印刷データ候補の生成を予め開始しているため、複数種類の印刷データ候補の中から1種類の印刷データ候補を選択することによって、用紙Pの搬送位置に応じた印刷データを迅速に生成することができる。したがって、例えば、搬送速度を低下させたり、搬送を一旦停止するなどの処理を行う必要がなくなり、用紙Pに迅速に画像を記録することができる。
また、本実施形態においては、印刷データ候補選択部110によって選択された1種類の印刷データ候補は、生成途中のデータであり、印刷データ生成部109は、さらに、画像データに基づいて、選択された1種類の印刷データ候補の生成を継続して、印刷データを準備している。これによると、複数種類の印刷データ候補の生成が完了していなくても、検出結果に基づいて1種類の印刷データ候補の選択が可能である。
さらに、本実施形態のような1つのインクジェットヘッド2に属する複数のノズル3bが幅方向だけでなく、搬送方向にもずれて配列されている場合には、印刷データの生成に時間を要することから、本発明の効果がより顕著となる。
次に、上述した本実施形態に種々の変更を加えた変形例について説明する。用紙ずれ検出センサ50により検出する検出結果は、実際の用紙Pの幅方向に関する搬送位置であってもよいし、用紙Pの幅方向に関する基準位置からのずれ量であってもよい。
また、上述した実施形態では、余白量は、プリンタに予め設定された値(設定値)を用いて設定されているが、ホストコンピュータから入力される印刷ジョブに含まれた値(マージン値)を用いて設定されていてもよいし、設定値とマージン値とを足し合わせた値であってもよい。すなわち、余白量は、可変の値であってもよい。
さらに、通常印刷範囲決定部107は、通常印刷範囲を印刷データのずらし量に代えて、余白量に基づいて決定してもよい。具体的には、通常印刷範囲の境界値は、0よりも大きく余白量以下の値であればよい。例えば、図6(b)の左方列に示すように、データずらし量が2mmで余白量が3mmの場合には、通常印刷範囲の境界値は基準位置から左方及び右方へ0〜3mmの間の値に設定可能である。但し、ずらし量が余白量よりも小さい場合には、印刷データをずらした方が用紙Pのより中央に画像を記録することができるため、本実施形態のように通常印刷範囲をずらし量と同じ値にすることが望ましい。
また、印刷データ候補は3つに限らず、2つでもよいし、4つ以上であってもよい。印刷データ候補を増やすことで、用紙Pのより中央に画像を記録することが可能となる。
さらに、インクジェットヘッド2を有するインクジェットプリンタ1に限らず、用紙Pにインクを熱転写するサーマルヘッドを有するプリンタなど、他の種類の印刷装置に対しても本発明は適用可能である。
また、上述した実施形態では、インクジェットプリンタ1は、印刷可能範囲決定部106と通常印刷範囲決定部107とを備えているが、印刷可能範囲と通常印刷範囲とが一定である場合には、これらの決定部106、107は省略可能である。
さらに、上述した実施形態では、制御部100が用紙ずれ取得部105と印刷可能範囲決定部106と通常印刷範囲決定部107と印刷データ準備部108とを備えている。すなわち、上述した実施形態の制御部100が本発明における制御装置に相当すると共に、プリンタ1が本発明における印刷装置に相当する。しかしながら、これに代えて、制御部100の一部105、106、107、108は、PCなどのホストコンピュータに備えられていてもよい。この場合には、ホストコンピュータが本発明における制御装置に相当し、ホストコンピュータ及びプリンタが本発明における印刷装置に相当する。
1 インクジェットプリンタ
2 インクジェットヘッド
3b ノズル
30 ノズル群
40 搬送ユニット
50 用紙ずれ検出センサ
51 用紙先端検出センサ
100 制御部
104 用紙先端取得部
105 用紙ずれ取得部
106 印刷可能範囲決定部
107 通常印刷範囲決定部
108 印刷データ準備部
2 インクジェットヘッド
3b ノズル
30 ノズル群
40 搬送ユニット
50 用紙ずれ検出センサ
51 用紙先端検出センサ
100 制御部
104 用紙先端取得部
105 用紙ずれ取得部
106 印刷可能範囲決定部
107 通常印刷範囲決定部
108 印刷データ準備部
Claims (10)
- 印刷媒体を第1方向に搬送する搬送部と、前記第1方向と交差する第2方向に関する前記印刷媒体の搬送位置を検出する検出部と、印刷データを用いて前記印刷媒体に画像を形成する形成部と、を含む印刷実行部を制御する制御装置であって、
前記検出部から前記第2方向に関する前記印刷媒体の搬送位置を示す検出結果を取得する取得部と、
前記検出結果に基づいて、前記形成部に付与される前記印刷データを準備する印刷データ準備部と、を備え、
前記印刷データ準備部は、
前記取得部が前記検出結果を取得する前に、前記画像を表す画像データに基づいて複数種類の印刷データ候補の生成を開始し、
前記取得部が前記検出結果を取得した後に、前記検出結果に基づいて、前記複数種類の印刷データ候補のうち、1種類の印刷データ候補を選択して、前記印刷データを準備することを特徴とする制御装置。 - 前記印刷データ準備部によって選択された前記1種類の印刷データ候補は、生成途中のデータであり、
前記印刷データ準備部は、さらに、前記画像データに基づいて、選択された前記1種類の印刷データ候補の生成を継続して、前記印刷データを準備することを特徴とする請求項1に記載の制御装置。 - 前記印刷データ準備部は、
前記検出結果によって示される前記搬送位置が所定範囲内の位置である場合には、前記印刷データの準備を継続し、
前記検出結果によって示される前記搬送位置が前記所定範囲外の位置である場合には、前記印刷データが前記形成部に与えられないように、所定の処理を実行することを特徴とする請求項1または2に記載の制御装置。 - 前記複数種類の印刷データ候補は、第1種の印刷データ候補と、第2種の印刷データ候補と、を含んでおり、
前記第1種の印刷データ候補は、前記印刷媒体の実際の前記搬送位置が基準位置である場合において、仮に当該第1種の印刷データ候補が選択されると、前記印刷媒体上の目標領域内に前記画像が形成されるようなデータであり、
前記第2種の印刷データ候補は、前記印刷媒体の実際の前記搬送位置が前記基準位置から所定距離だけずれた位置である場合において、仮に当該第2種の印刷データ候補が選択されると、前記印刷媒体上の前記目標領域内に前記画像が形成されるようなデータであり、
前記印刷データ準備部は、
前記検出結果によって示される前記搬送位置が前記所定範囲内のうち、前記基準位置を含む第1の範囲内の位置である場合には、前記第1種の印刷データ候補を選択し、
前記検出結果によって示される前記搬送位置が前記所定範囲内のうち、前記第1の範囲と異なる第2の範囲内の位置である場合には、前記第2種の印刷データ候補を選択することを特徴とする請求項3に記載の制御装置。 - 前記所定範囲は、前記所定距離と、前記印刷媒体上の前記目標領域の外側の領域であるブランク領域の寸法と、に基づいて決定されていることを特徴とする請求項4に記載の制御装置。
- 前記第1の範囲は、前記所定距離、または、前記印刷媒体上の前記目標領域の外側の領域であるブランク領域の寸法に基づいて決定されていることを特徴とする請求項4または5に記載の制御装置。
- 前記形成部は、前記第2方向に沿って配列された第1ノズル群と、前記第2方向に沿って配列された第2ノズル群と、を含んでおり、
前記第1ノズル群と前記第2ノズル群とは、前記第1方向に関して異なる位置に配置されており、
前記第1ノズル群の各ノズルと前記第2ノズル群の各ノズルとは、前記第2方向に関して異なる位置に配置されており、
前記印刷データ準備部は、前記形成部のノズル配列に整合するように、前記印刷データを準備することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の制御装置。 - 請求項1〜7のいずれか1項に記載の制御装置と、
前記印刷実行部と、を備えていることを特徴とする印刷装置。 - 印刷媒体を第1方向に搬送する搬送部と、前記第1方向と交差する第2方向に関する前記印刷媒体の搬送位置を検出する検出部と、印刷データを用いて前記印刷媒体に画像を形成する形成部と、を含む印刷実行部を制御する制御装置の制御方法であって、
前記検出部から前記第2方向に関する前記印刷媒体の搬送位置を示す検出結果を取得する取得ステップと、
前記検出結果に基づいて、前記形成部に付与される前記印刷データを準備する印刷データ準備ステップと、を備え、
前記印刷データ準備ステップは、
前記取得ステップによって前記検出結果が取得される前に、前記画像を表す画像データに基づいて複数種類の印刷データ候補の生成を開始する印刷データ生成開始ステップと、
前記取得ステップによって前記検出結果が取得された後に、前記検出結果に基づいて、前記複数種類の印刷データ候補のうち、1種類の印刷データ候補を選択して、前記印刷データを準備する印刷データ候補選択ステップと、を備えていることを特徴とする制御装置の制御方法。 - 印刷媒体を第1方向に搬送する搬送部と、前記第1方向と交差する第2方向に関する前記印刷媒体の搬送位置を検出する検出部と、印刷データを用いて前記印刷媒体に画像を形成する形成部と、を含む印刷実行部を制御する制御装置に実行させる制御プログラムであって、
前記制御装置を、
前記検出部から前記第2方向に関する前記印刷媒体の搬送位置を示す検出結果を取得する取得手段、及び、
前記検出結果に基づいて、前記形成部に付与する前記印刷データを準備する印刷データ準備手段、として機能させ、
前記印刷データ準備手段は、
前記取得手段によって前記検出結果が取得される前に、前記画像を表す画像データに基づいて複数種類の印刷データ候補の生成を開始する印刷データ生成開始手段と、
前記取得手段によって前記検出結果が取得された後に、前記検出結果に基づいて、前記複数種類の印刷データ候補のうち、1種類の印刷データ候補を選択して、前記印刷データを準備する印刷データ候補選択手段と、を備えていることを特徴とする制御装置の制御プログラム。
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