JP2019119133A - 画像形成装置、画像形成方法、及びプログラム - Google Patents
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例えば特許文献1には、画像形成が中断された記録媒体を再度セットし、この記録媒体に画像形成を行う画像形成装置が開示されている。この画像形成装置は、中断操作が行われたタイミングで、印刷初行位置にセットされてから現在までの記録媒体の搬送量を記憶するとともに、記録ヘッドの位置を記憶する。記録媒体が再度セットされた場合、画像形成装置は、記録媒体の搬送量と記録ヘッドの位置とに基づいて画像の再印刷開始位置を定めて印刷を再開する。
本発明は、上述の事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、中断前に記録媒体に形成された画像と再開後に記録媒体に形成された画像とを精度よくつなぐことにある。
図1は、本発明の一実施形態に係る画像形成装置1の斜視図である。図2は、本発明の一実施形態に係る画像形成装置1において、装置本体2からトレイ3を取り外した状態の斜視図である。
画像形成装置1は、画像形成機構10(画像形成手段、図3)を内蔵した装置本体2と、布地M(記録媒体)を保持するとともに装置本体2に着脱可能に装着されるトレイ3とを備えている。本実施形態の画像形成装置1では、インクジェット方式の画像形成機構10を備えているが、他の画像形成方式の画像形成機構であってもよい。便宜上、以下の説明では「画像の形成」のことを「画像の印刷」と称する場合がある。
装置本体2には、前面(一側面)が開口しトレイ3を移動可能に収納する収納空間4が設けられている。収納空間4の下部には、トレイ3が着脱可能に取り付けられるとともに、布地Mの搬送方向(副走査方向)に沿って往復移動するステージ5が設けられている。なお、ステージ5との着脱位置はトレイ3の初期位置に相当する。装置本体2の前面上部には、各種のメッセージを表示したり、ユーザによる操作を受け付けたりする操作パネル6が設けられている。なお、操作パネル6については後述する。
トレイ3は、扁平な直方体形状のトレイ本体7と、トレイ本体7の上面に設けられたプラテン8とを備えている。プラテン8は、平面視長方形状の板状部材であり、上面が平坦な面となっている。プラテン8の上面に沿って布地Mを拡げると、布地Mを平坦な状態で保持できる。布地Mとしては、例えば、ハンカチ、タオルといった一枚で構成されるもの、Tシャツ、トレーナーなどの衣服として加工されているもの、トートバックなどの製品の一部となっているものが挙げられる。
図3は、本発明の一実施形態に係る画像形成機構10の斜視図である。図4は、本発明の一実施形態に係る画像形成機構10を図3とは異なる方向から見た斜視図である。
画像形成機構10は、インク滴を吐出する記録ヘッド11を備えたキャリッジ12と、キャリッジ12を副走査方向と直交する主走査方向に往復移動可能に保持する主走査ガイド部材13と、駆動プーリ及び従動プーリに掛け渡されるとともにキャリッジ12に接続されたタイミングベルト14と、駆動プーリを介してタイミングベルト14を走行させる主走査モータ15とを備えている。主走査モータ15によってタイミングベルト14を走行させると、キャリッジ12は主走査ガイド部材13に沿って主走査方向に移動する。
主走査ガイド部材13には、主走査リニアエンコーダ222(図7)が備えるスリット板が設けられており、キャリッジ12には、主走査リニアエンコーダ222が備えるエンコーダセンサが設けられている。エンコーダセンサは、スリット板に形成されたスリットを検出して検出信号を出力する。制御部200(図7)は、エンコーダセンサからの検出信号に基づいて、キャリッジ12(記録ヘッド11)の主走査方向における位置(主走査位置)を取得する。
構造体本体23aにおける主走査方向の両側には一対のスライダ部23cが設けられている。上方に凹陥した形状の各スライダ部23cは、円柱状の副走査ガイド部材24に載置され(上方から係合し)ており、副走査ガイド部材24の軸方向に沿って移動可能である。
図5は、記録ヘッド11が備えるノズル列32及びレジストセンサ33を説明する図である。記録ヘッド11は、液体を吐出する液体吐出ヘッドの一種である。記録ヘッド11は、ピエゾ素子(圧力発生素子)をノズル32aごとに備えており、駆動信号をピエゾ素子に印加することで対応するノズル32aからインク滴を吐出する。
記録ヘッド11のノズル面31には、ノズル列32とレジストセンサ33とが設けられている。ノズル列32は、複数のノズル32aを副走査方向に一定ピッチで形成したものである。例えば、ブラックインクを吐出するノズル列32Kと、シアンインクを吐出するノズル列32Cと、マゼンタインクを吐出するノズル列32Mと、イエローインクを吐出するノズル列32Yとがノズル面31に設けられており、各ノズル列32K〜32Yは主走査方向に間隔を空けて設けられている。
図6は、操作パネル6の正面図である。操作パネル6には、画像形成装置1の状態、エラーメッセージ、及びユーザに対するメッセージ(例えば操作要求)などを表示するディスプレイ41(通知手段)と、ディスプレイ41の表示内容をスクロールさせたり、ディスプレイ41に表示されたアイコンを選択させたりする場合にユーザによって操作される4方向ボタン42(入力受付手段)と、実行中または受信中のジョブを取り消す場合にユーザによって操作されるジョブリセットボタン43と、エラー発生時に点灯するアラームランプ44とが設けられている。4方向ボタン42は、上下左右方向の各ボタン42U、42D、42L、42Rを備えている。
図7は、画像形成装置1が備える制御部200のハードウェア構成図である。図7に示すように、制御部200は、CPU(Central Processing Unit)201、ROM(Read Only Memory)202、RAM(Random Access Memory)203、NVRAM(Non-Volatile RAM)204、ASIC205、I/O206、印刷制御部207、主走査モータ駆動部208、ギャップ調整部209、副走査モータ駆動部210、及びホストI/F211を備えており、これらの各部がバスBを介して情報を送受信可能に接続されている。
ASIC205は、CPU201の制御下で動作し、ホスト装置100からの印刷データに対して画像処理を実行したり、各種信号の処理を実行したりするハードウェア回路である。例えば、ASIC205は、RAM203に記憶されたホスト装置100からの印刷データを1主走査単位で読み出し、ドットパターンデータを生成する。ドットパターンデータは、記録ヘッド11が備えるピエゾ素子を選択的に駆動するデータである。ドットパターンデータの生成は、例えばROM202に格納されたフォントデータに基づいて行うことができる。なお、ホスト装置100でドットパターンデータを生成し、画像形成装置1に送信してもよい。
主走査モータ駆動部208は、CPU201の制御下で主走査モータ15を駆動し、キャリッジ12(記録ヘッド11)を主走査方向に移動させる。ギャップ調整部209は、プラテン8の高さを調整する場合に、CPU201の制御下でプラテン昇降モータ223を駆動する。上述したように、プラテン8の高さはプラテン高さセンサ224によって検出され、検出結果がRAM203に記憶される。副走査モータ駆動部210は、CPU201の制御下で副走査モータ225を駆動し、搬送機構22(プラテン8、布地M)を副走査方向に沿って往復移動させる。
ホスト装置100について説明する。ホスト装置100は、プリンタドライバ101が格納されるとともに、ホストI/F211を介して画像形成装置1と通信可能に接続されており、画像形成装置1に対する印刷の指示が可能である。ホスト装置100は、画像形成装置1に印刷を行わせる場合、記録ヘッド11の1主走査単位で区切られたデータ形式の印刷データを画像形成装置1に送信する。なお、印刷データは、画像形成装置1が備える制御部200で生成することもできる。
ホスト装置100としては、例えば、PC(Personal Computer)などの情報処理装置、イメージスキャナなどの画像読み取り装置、及びデジタルスチルカメラなどの撮像装置が挙げられる。
画像形成装置1では、ジャムなどによって印刷が中断された場合、画像が途中まで印刷された布地Mをプラテン8に再セットして印刷を再開させることで、この布地Mを破棄することなく画像を最後まで印刷させることができる。印刷制御部207は、通常の印刷時と再印刷時のそれぞれで制御を行っている。
図8は、本発明の一実施形態に係る印刷制御部207の機能ブロック、NVRAM204に記憶される各種情報、及びRAM203に記憶される各種情報を説明する図である。
上述したように、印刷制御部207は、CPU201の制御下で動作し、駆動波形を生成したりドットパターンデータをヘッドドライバ221に送信したりする。また、印刷制御部207は、印刷時において印刷の開始位置を取得したり、再印刷時において布地Mの位置ずれ量を取得したり、位置ずれ量に基づいて再印刷時における画像位置の補正を行ったりする。なお、画像位置とは、布地Mに対する画像の形成(印刷)位置である。
ヘッド制御部207bは、受信バッファ207dに記憶されたドットパターンデータを送信データに変換してヘッドドライバ221に送信する。ヘッドドライバ221に送信されたドットパターンデータは受信バッファ207dから破棄され、受信バッファ207dには新たなドットパターンデータが記憶される。
マスク制御部207cは、印刷の中断後における再印刷の制御を行う。例えば、マスク制御部207cは、再印刷時において、既に印刷された画像に対応するドットパターンデータをマスク(無効化)するマスク処理を行う。印刷位置制御部207eは、通常の印刷時や再印刷時において、CPU201に対して主走査モータ15や副走査モータ225の動作要求を出力する。CPU201は、動作要求に基づいて主走査モータ駆動部208や副走査モータ駆動部210に制御信号を出力し、キャリッジ12やトレイ3(布地M)を移動させる。
前述したように、画像形成装置1では、ジャムなどによって布地Mに対する印刷が中断された場合であっても、画像が途中まで印刷された布地Mに対して再印刷を行うことで、布地M上の画像を完成させることができる。図9は、再印刷シーケンスを説明する図である。以下、図9を参照して再印刷のシーケンスについて説明する。
画像形成装置1(制御部200)は、印刷要求の受信に伴って、この印刷要求が通常の印刷であるのか、中断された印刷の再印刷であるのかを判定する(S4)。この判定は、NVRAM204に記憶された再印刷実行フラグ204a(図8)に基づいて行われる。再印刷実行フラグ204aは、再印刷を実行するか否かを判定するための情報であり、例えば再印刷を実行する場合にON(「1」)が設定され、再印刷を実行しない場合にOFF(「0」)が設定される。印刷要求(S3)に基づく印刷は再印刷ではないので、再印刷実行フラグ204aはOFFとなっている。
その後、キャリッジ12(記録ヘッド11)の主走査方向への移動とトレイ3(布地M)の副走査方向への移動とが交互に繰り返し行われ、記録ヘッド11からインク滴が吐出されることで、布地Mに画像が順次印刷される。
ここで、印刷中断時に操作パネル6のディスプレイ41に表示されるメッセージについて説明する。図11(a)は、印刷中断時におけるメッセージの例を説明する図である。(b)は、再印刷の要求操作後におけるメッセージの例を説明する図である。(c)は、再印刷の要求操作を行わなかった場合におけるメッセージの例を説明する図である。
まず、図10(c)に示すように、再セットされた布地Mの印刷画像(途中まで印刷された印刷画像)がレジストセンサ33によってスキャンされ、レジストセンサ検出情報203cとしてRAM203に記憶される。図8に示すデータ解析部207aは、レジストセンサ検出情報203cを解析し、印刷画像において最初に印刷が行われた部分(開始画像)を検出する。データ解析部207aは、開始画像を検出した場合、開始画像に対応する主走査エンコーダ情報(主走査位置)203aおよび副走査エンコーダ情報(副走査位置)203bを取得する。CPU201は、データ解析部207aが読み出した主走査エンコーダ情報203aおよび副走査エンコーダ情報203bの組を、第2印刷開始位置情報204c(図8)としてNVRAM204に記憶させる。第2印刷開始位置情報204cは、印刷が中断された布地Mに再印刷を行う場合において、再セットされた布地Mにおける印刷の開始位置、言い換えれば、再セットされた布地Mにおける第1印刷開始位置情報204bに対応する位置を示す。
レジストセンサ33のスキャンは、第2印刷開始位置P1´の検出後も継続される。データ解析部207aは、レジストセンサ検出情報203cを解析して、印刷画像における印刷中断位置を検出する。データ解析部207aは、印刷画像が途切れた箇所を検出した場合、検出タイミングにおける主走査エンコーダ情報(主走査位置)203aおよび副走査エンコーダ情報(副走査位置)203bを取得する。CPU201は、データ解析部207aが読み出した主走査エンコーダ情報203aおよび副走査エンコーダ情報203bを、印刷中断位置情報204dとしてNVRAM204に記憶させる。印刷中断位置情報204dは、再セットされた布地Mにおける印刷が中断された位置を示す。
図10(c)に示す例で説明すると、データ解析部207aは、レジストセンサ検出情報203cを解析することで、印刷中断位置P2´(x2´,y2´)を特定する。印刷中断位置P2´は印刷中断位置情報204d(図8)として、NVRAM204に記憶される。
マスクされたドットパターンデータにより、印刷中断位置P2´から印刷が再開され、中断前に記録媒体に形成された画像に連続する画像を印刷することができる。したがって、中断前に布地Mに印刷された画像と再開後に布地Mに印刷された画像とを精度よくつなぐことができる。
図12は、制御部200のCPU201による印刷時の制御を説明する説明するフローチャートである。CPU201は、ROM202に記憶されたプログラムをRAM203に展開して実行することにより、以下の制御を実現する。
ホスト装置100から画像の印刷要求を受信した後、CPU201は、ホスト装置100からの印刷データをホストI/F211に受信させる(S21)。すなわち、CPU201は、ホストI/F211に印刷データを受信させるとともに、受信させた印刷データをRAM203に記憶させる。前述したように、印刷データは、記録ヘッド11の1主走査単位で区切られたデータ形式とされている。
CPU201は、開始制御信号を印刷制御部207に出力する(S25)。印刷制御部207では、開始制御信号の受信に伴い、印刷位置制御部207eが印刷開始位置を設定し、CPU201に対して主走査モータ15や副走査モータ225の動作要求を出力する。CPU201は、動作要求に応じて主走査モータ駆動部208及び副走査モータ駆動部210を制御し、キャリッジ12及びトレイ3を印刷開始位置に移動させる。
CPU201は、印刷制御信号を印刷制御部207に出力する(S26)。印刷制御部207では、印刷制御信号に応じて、データ解析部207aがドットパターンデータをRAM203から読み出して受信バッファ207dに記憶させ、ヘッド制御部207bが受信バッファ207dに記憶されたドットパターンデータをヘッドドライバ221に送信する。ヘッドドライバ221はドットパターンデータから送信データを生成して記録ヘッド11に送信し、記録ヘッド11は送信データに基づいてインク滴を吐出する。
以上の1主走査分の画像印刷とノズル列32の長さ分の布地Mの搬送とを、受信した全ての印刷データに対して行うことで、画像の印刷が終了する(S28でNo、S29)。印刷の終了に伴って、CPU201は再印刷実行フラグ204aをOFF(S30)にする。
再印刷実行フラグ204aがONと判定された場合(S23でNo)、CPU201は、スキャン制御信号を印刷制御部207に出力する(S31)。印刷制御部207では、スキャン制御信号に応じて、印刷位置制御部207eが、CPU201に主走査モータ15の動作要求を出力する。これにより、キャリッジ12が主走査方向に移動される。キャリッジ12の1回の主走査が終了した後、印刷位置制御部207eは、CPU201に副走査モータ225の動作要求を出力する。これにより、トレイ3がノズル列32の長さ分だけ搬送方向に搬送される。
CPU201は、レジストセンサ33からの信号をレジストセンサ検出情報203cとしてRAM203に記憶させる。また、CPU201は、データ解析部207aにレジストセンサ検出情報203cを解析させる(開始画像を検出させる)。
データ解析部207aから中断画像の検出が報知された場合(S36でYes)、CPU201は、データ解析部207a(再開位置情報取得手段)に主走査エンコーダ情報(主走査位置)203aおよび副走査エンコーダ情報(副走査位置)203bを取得させ、印刷中断位置情報204dとしてNVRAM204に記憶させる(S37)。
キャリッジ12及びトレイ3を再印刷開始位置に移動させた後、CPU201は、再印刷制御信号を印刷制御部207に出力して印刷を再開させる(S39)。印刷制御部207では、再印刷制御信号の受信に伴い、データ解析部207aがドットパターンデータをRAM203から読み出して受信バッファ207dに記憶させる。前述したように、ドットパターンデータは、印刷位置制御部207eによって印刷位置が補正されている。また、マスク制御部207cは、ドットパターンデータをマスクする。マスクにより、既に印刷された画像が再度印刷される不都合を抑制できる。受信バッファ207dに記憶されたドットパターンデータはヘッドドライバ221を介して記録ヘッド11に送信される。これにより、記録ヘッド11はインク滴を吐出する。
前述した第1実施形態では、中断時における布地Mの第1印刷開始位置と再開時における布地Mの第2印刷開始位置との間に位置ずれがあった場合、位置ずれの大きさにかかわらず印刷再開時の画像位置を補正していたが、第1印刷開始位置と第2印刷開始位置とのずれ量が予め定められた範囲内(許容値以内)にある場合に印刷を再開させるように構成してもよい。以下、このように構成した第2実施形態について説明する。
なお、第2実施形態の説明において、第1実施形態と同じ構成については説明を省略し、相違点を中心に説明する。最初に、第2実施形態のハードウェア構成は、第1実施形態のハードウェア構成と同じであるので、説明は省略する。
図13(a)は、印刷中断時におけるメッセージの例を説明する図である。図13(b)は、再印刷の要求操作後におけるメッセージの例を説明する図である。図13(c)は、再セットを促すメッセージの例を説明する図である。図13(d)は、再印刷の要求操作を行わなかった場合におけるメッセージの例を説明する図である。第1実施形態の図11(a)〜(c)との比較で明らかなように、第2実施形態では図13(c)のメッセージが第1実施形態と相違している。
図13(c)は、第1印刷開始位置と第2印刷開始位置とのずれ量が許容値を超えた場合に、操作パネル6のディスプレイ41に表示されるメッセージの例である。図13(c)では、「セット位置がずれています 布地Mを再セットしてください」というメッセージがディスプレイ41に表示される。ユーザは、このメッセージを視認することで、再印刷時における布地Mのセット位置が過度にずれていることを認識する。この場合、ユーザは、装置本体2からトレイ3を取り外した後、布地Mをプラテン8上で保持し直し、布地Mを保持し直した後のトレイ3を装置本体2のステージ5に再度取り付ける。
図14は、制御部200のCPU201による印刷時の制御を説明する説明するフローチャートである。CPU201は、ROM202に記憶されたプログラムをRAM203に展開して実行することにより、以下の制御を実現する。
図12で説明した第1実施形態のフローチャートと比較すると、第2実施形態のフローチャートにおけるステップS41〜ステップS54は、第1実施形態のフローチャートにおけるステップS21〜ステップS24に相当する。同様に、第2実施形態のフローチャートにおけるステップS57〜ステップS61は、第1実施形態のフローチャートにおけるステップS35〜ステップS39に相当する。このため、これらの各ステップについては説明を省略し、ステップS55〜ステップS56を中心に説明する。
CPU201は、印刷位置制御部207eによってずれ量が許容値以内と判定された場合、ステップS57の処理を行う。この場合、第1実施形態におけるステップS35以降で説明したように、CPU201は、ずれ量に応じて画像の印刷位置を補正させ、印刷再開位置(印刷中断位置)から画像の印刷を再開させる。一方、CPU201は、印刷位置制御部207eによってずれ量が許容値を超えていると判定された場合、再印刷は行わせずに一連の処理を終了する。この場合において、CPU201は、図13(c)に示すように、布地Mの再セットを促すメッセージをディスプレイ41に表示させる。
上述の各実施形態では、印刷が中断された場合に、再印刷を実行するか否かを、再印刷実行フラグ204aを用いて判定する方法について説明したが、この方法に限定されるものではない。例えば、印刷の中断が生じた場合に、CPU201が、中断が生じたことを示すエラー履歴情報をNVRAM204に記憶させるように構成し、新たな印刷が開始されるごとにCPU201がエラー履歴情報を参照する構成としてもよい。
また、印刷の中断が生じたか否かを、ホスト装置100から受信した印刷データを解析することで認識してもよい。例えば、カバー体の開放やケーブルの抜けなどによる画像形成装置1の一時停止状態を除き、記録ヘッド11に送信するドットパターンデータが受信バッファ207dに格納されているにもかかわらず、規定時間以上に亘って受信バッファ207dから記録ヘッド11に送信されなかった場合には、印刷制御部207(データ解析部207a)がCPU201に対して中断が生じている旨を通知し、CPU201がNVRAM204の再印刷実行フラグ204aをONにしてもよい。
また、印刷開始位置や印刷中断位置に関し、上述した各実施形態ではレジストセンサ33によって画像をスキャンすることで検出したが、この方法に限られない。例えば、印刷制御部207は、画像印刷の進捗を示す進捗情報に基づいて大まかな印刷中断位置を取得し、大まかな印刷中断位置の範囲内をレジストセンサ33にスキャンさせることで、正確な印刷中断位置を取得するように構成してもよい。
上述の各実施形態では、中断が生じる要因としてジャムを例示したが、ジャムに限られない。例えば、装置本体2における外表面の一部が開閉自在なカバー体によって構成され、カバー体が開いた状態で画像形成機構10にアクセス可能な画像形成装置1では、カバー体が開いた場合に印刷を中断させるようにしてもよい。
<第一の実施態様>
本態様に係る情報処理装置(画像形成装置1)は、記録媒体(布地M)に画像を形成する画像形成手段(画像形成機構10)と、画像の形成が中断された場合に、中断された時点の記録媒体上の中断位置(印刷中断位置)に基づいて画像形成再開時の開始位置(再印刷開始位置)を取得する再開位置情報取得手段(印刷制御部207、S37)と、中断された時点の記録媒体の第1位置(第1印刷開始位置)と再開時における記録媒体の第2位置(第2印刷開始位置)との間の位置ずれ情報を取得する位置ずれ情報取得手段(印刷制御部207、S34)と、位置ずれ情報に基づいて画像形成再開時の画像位置を補正する位置補正手段(印刷制御部207、S35)と、を備えることを特徴とする。
本態様においては、中断された時点の記録媒体の第1位置と再開時における記録媒体の第2位置との間に位置ずれがある場合には位置ずれ情報が取得され、位置ずれ情報に基づいて印刷再開時の画像位置が補正されているので、中断前に布地Mに印刷された画像と再開後に布地Mに印刷された画像とを精度よくつなぐことができる。
本態様に係る情報処理装置(画像形成装置1)は、第1位置と第2位置とのずれ量が予め定められた範囲内にある場合に画像の形成を再開する再開制御手段(印刷制御部207、S54〜S56)を備えることを特徴とする。
本態様においては、再印刷を行う場合における第1位置と第2位置とのずれ量が予め定められた範囲内に収まるので、中断前に布地Mに印刷された画像と再開後に布地Mに印刷された画像とを精度よくつなぐことができる。
本態様に係る情報処理装置(画像形成装置1)では、位置ずれ情報取得手段が、第1位置における画像の形成開始位置(P1、図10(a))と第2位置における画像の形成開始位置(P1´、図10(c))との差に基づいて前記位置ずれ情報を取得することを特徴とする。
本態様においては、画像の形成開始位置に基づいて位置ずれ情報を取得しているので、画像のエッジに基づいて位置ずれ情報が取得される。このため、画像の途中などの他の位置に基づいて位置ずれ情報を取得するよりも、位置ずれ情報を容易に取得できる。
本態様に係る情報処理装置(画像形成装置1)では、画像の形成が中断された場合に、再開の要否に関する通知を行う通知手段(ディスプレイ41)と、通知に対する入力を受け付ける入力受付手段(4方向ボタン42)と、を備えるので、画像形成装置1のユーザに通知を確実に伝えることができ、ユーザの操作を確実に受け付けることができる。
Claims (6)
- 記録媒体に画像を形成する画像形成手段と、
前記画像の形成が中断された場合に、中断された時点の記録媒体上の中断位置に基づいて画像形成再開時の開始位置を取得する再開位置情報取得手段と、
中断された時点の前記記録媒体の第1位置と再開時における前記記録媒体の第2位置との間の位置ずれ情報を取得する位置ずれ情報取得手段と、
前記位置ずれ情報に基づいて前記画像形成再開時の画像位置を補正する位置補正手段と、
を備えることを特徴とする画像形成装置。 - 前記第1位置と前記第2位置とのずれ量が予め定められた範囲内にある場合に前記画像の形成を再開する再開制御手段を備える
ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。 - 前記位置ずれ情報取得手段は、前記第1位置における前記画像の形成開始位置と前記第2位置における前記画像の形成開始位置との差に基づいて前記位置ずれ情報を取得する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。 - 前記画像の形成が中断された場合に、再開の要否に関する通知を行う通知手段と、
前記通知に対する入力を受け付ける入力受付手段と、を備える
ことを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の画像形成装置。 - 記録媒体に画像を形成する画像形成方法であって、
前記画像の形成が中断された場合に、中断された時点の記録媒体上の中断位置に基づいて画像形成再開時の開始位置を取得する再開位置情報の取得ステップと、
中断された時点の前記記録媒体の第1位置と再開時における前記記録媒体の第2位置との間の位置ずれ情報を取得する位置ずれ情報の取得ステップと、
前記位置ずれ情報に基づいて前記画像形成再開時の画像位置を補正する位置補正ステップと、を備える
を備えることを特徴とする画像形成方法。 - 請求項5に記載の画像形成方法における各ステップをコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
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