JP2013246305A - 定着装置および画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】定着制御部52は、第1〜第3のヒーターランプ35〜37から選択される1つまたは2つの組み合わせにより得られる異なる電力容量の中から選択される1つの電力容量を基準モードに設定して、複数枚の記録シートに対する熱定着動作中に、定着ベルト33が目標温度を下回ると定着ベルト33を基準モードで加熱する。定着ベルト33が目標温度を上回ると定着ベルト33の加熱を停止する。定着ベルト33の加熱の停止時に、定着ベルト33がオーバーシュートにより上限温度を上回ると、基準モードを、前回設定された電力容量よりも小さい電力容量に更新する。
【選択図】図2
Description
定着装置では、加熱ローラー、定着ベルト等の加熱回転体と、加圧ローラー等の加圧体とを圧接させることによって定着ニップを形成して、定着ニップを通過する記録シート上のトナー画像を、加熱および加圧することによって記録シートに定着するようになっている。定着ニップを通過する記録シートは、例えば、ヒーターランプによって加熱される。
すなわち、ウォームアップの終了時点では、加熱回転体の表面温度が目標温度近辺まで昇温していても、ウォームアップの開始時に加圧体が低温状態であればウォームアップが終了しても、加圧体の内部は低温状態になっており、加圧体の内部に熱が行き渡るまで、加熱回転体から加圧体への熱の移動がウォームアップ終了後も継続していることが多い。このような状態でジョブが開始されると、加熱回転体の熱が、定着ニップを通過する記録シートと、定着ニップで圧接される加圧体との両方に奪われるために、ジョブ開始後も、発熱量の大きなヒーターランプによる加熱を継続しても、記録シートが定着ニップを通過する毎に加熱回転体の温度が大きく低下し、次の記録シートが定着ニップに到達するまでの間に、加熱回転体の温度が大きく上昇する。
このようにスイッチで電力の供給および停止を切り替える回路では、センサーの温度検出からスイッチの切り替えまでの応答遅れが少なからずあり、この応答遅れにより、加熱回転体の温度リップルがさらに大きくなるおそれがある。
また、ヒーターランプの抵抗値は温度に依存しており、ヒーターランプの抵抗値が低い状態で電力が供給されると、一時的に大きな電流(突入電流)がヒーターランプに供給されることが知られている。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、複数枚の記録シートが連続して定着ニップを通過する際における加熱回転体の温度変化を抑制することができ、しかも、消費電力を低減することができる定着装置を提供することを目的としている。
好ましくは、前記制御手段は、前記下限温度を下回った場合に、基準モードを、最大の電力容量に更新することを特徴とする。
好ましくは、前記制御手段は、前記加熱回転体を前記目標温度まで昇温させた後に、前記熱定着動作が指示されるまでの待機状態の間、前記加熱回転体を前記目標温度よりも低い所定温度を上回らないように加熱する省電力モードになり、前記省電力モードにおいて前記熱定着動作が指示されると、基準モードを、前記待機状態の経過時間に基づいて選択された電力容量に設定し、設定された基準モードで前記加熱回転体を加熱して昇温させることを特徴とする。
好ましくは、前記制御手段は、前記熱定着動作の開始時に、前記基準モードを、前記検出手段の検出温度に基づいて選択される電力容量に設定して、設定された電力容量で前記加熱回転体を加熱することを特徴とする。
また、本発明に係る他の定着装置において、好ましくは、前記制御手段は、前記検出手段の検出温度が、前記目標温度と、当該目標温度よりも低い所定の下限温度との間で下降状態になっている場合に、基準モードで前記加熱回転体を加熱し、前記目標温度と前記下限温度との間で下降状態から上昇状態になっている場合に、基準モードに設定された電力容量も小さな電力容量に切り替えて前記加熱回転体を加熱することを特徴とする。
<画像形成装置の構成>
図1は、本発明の実施の形態に係る画像形成装置の一例であるタンデム型カラープリンター(以下、単に「プリンター」とする)の概略構成を示す模式図である。このプリンターは、ネットワーク(例えばLAN)を介して外部の端末装置から入力される画像データ等に基づいて、周知の電子写真方式によりトナー画像を形成し、下部の給紙カセット22からシート搬送経路21に沿って搬送される記録シートPにトナー画像を転写する。トナー画像が転写された記録シートPは、定着装置30に搬送され、定着装置30において、トナー画像が記録シートPに定着される。
画像形成ユニット10Yは、感光体ドラム11Yの下部に対向して配置された帯電器12Yを有している。感光体ドラム11Yは、帯電器12Yによって表面が一様に帯電される。また、画像形成ユニット10Y、10M、10C、10Kの下方には露光装置13Yが配置されており、帯電された感光体ドラム11Yの表面に、露光装置13Yから照射されるレーザ光によって静電潜像が形成される。
感光体ドラム11Yの表面に形成された静電潜像は、現像器14YによってY色のトナーにより現像される。これにより、感光体ドラム11Yの表面に、Y色のトナー画像が形成される。
他の画像形成ユニット10M、10C、10Kの上方にも、中間転写ベルト18を挟んでそれぞれの感光体ドラム11M、11C、11Kに対向する1次転写ローラー15M、15C、15Kがそれぞれ設けられており、各感光体ドラム11M、11C、11Kの表面上に形成されたトナー画像は、それぞれ、転写バイアス電圧が印加された1次転写ローラー15M、15C、15Kによる電界の作用により、中間転写ベルト18上に1次転写される。
トナー画像が定着された記録シートPは、排紙ローラー24によって排紙トレイ23上に排出される。
図2は、定着装置30の構成を説明するための模式的な断面図である。図2に示すように、定着装置30は、加熱ローラー31および定着ローラー32に巻き掛けられて矢印F方向に周回移動(走行)する定着ベルト33と、定着ローラー32に巻き掛けられた定着ベルト33を押圧する加圧ローラー34とを有している。
加圧ローラー34は、バネなどを用いた図示しない加圧機構によって所定の圧力で定着ベルト33に圧接されており、両者の間に定着ニップNfが確保されている。定着ニップNfには、トナー画像が転写された記録シートPが、画像面を定着ベルト33に向けられた状態で搬送されて、定着ニップNfを通過する
本実施形態では、定着ニップNfのニップ荷重が50〜500Nになっており、ニップ幅(定着ベルト33の周回方向に沿った長さ)が8mm、ニップ長さ(定着ベルト33の走行方向とは直交する幅方向に沿った長さ)が320mmになっている。
第1ヒーターランプ35、第2ヒーターランプ36、第3ヒーターランプ37のそれぞれの定格電力(電力容量)は異なっており、第1ヒーターランプ35の定格電力が700W、第2ヒーターランプ36の定格電力が500W、第3ヒーターランプ37の定格電力が300Wになっている。
加熱ローラー31の近傍には、加熱ローラー31に巻き掛けられた定着ベルト33の表面温度を検出する温度センサー38が設けられている。温度センサー38は、加熱ローラー31に巻き掛けられた定着ベルト33における走行方向の上流側部分に対向して配置されている。温度センサー38としては、本実施形態では非接触サーミスターが使用されている。
定着ローラー32は、厚さ0.5mmの鉄によって外径が18mmの円筒状に構成された芯金32aと、芯金32aの外周面(表面)に積層された弾性層32bと、弾性層32bの外周面(表面)に積層された弾性層32cとを有している。定着ローラー32の外径は30mmになっている。弾性層32bは、厚さ4mmのシリコーンゴムによって構成されており、弾性層32cは、厚さ2mmのシリコーンスポンジによって構成されている。定着ローラー32の硬度は30°になっている。このような構成の定着ローラー32は、比較的大きな熱容量になっている。
加圧ローラー34は、外径30mmの円筒状に構成された鉄製(厚さ2.5mm)の芯金34aと、芯金34aの外周面(表面)上に積層された弾性層34bと、弾性層34bの外周面(表面)上に積層された離型層34cとを有している。弾性層34bは、例えば厚さが1.0mmのシリコーンゴムによって構成されている。離型層34cは、例えば厚さが30μmのPFAチューブによって構成されている。加圧ローラー34の硬度は、例えば80°になっている。このように、加圧ローラー34は、厚さ2.5mmの鉄製の芯金34aを有することによって高剛性に構成されており、しかも、定着ベルト33よりも大きな熱容量になっている。
図3は、定着装置30に設けられた制御系の構成を示すブロック図である。定着装置30には、CPU、RAM、ROM等を有する定着制御部52が設けられており、定着装置30には、前述した定着ベルト33の表面温度を測定する温度センサー38の出力が与えられている。
定着制御部52は、プリンターに対して連続プリントジョブが指示された場合に、温度センサー38によって検出される定着ベルト33の表面温度Tsが、予め設定された目標温度Tuになるように制御する定着温度制御を実行する。
定着制御部52は、定着温度制御において定着ベルト33を加熱する際に選択される1つの電力容量(以下、選択された1つの電力容量を基準モードとする)を、温度センサー38によって測定された定着ベルト33の表面温度Tsの変化に基づいて更新するようになっている。
本実施形態では、プリンター全体の最大許容電力が1500Wであり、定着装置30における最大許容容量(最大電力容量)が1200Wになっている。このために、電力容量が最大の第1電力モードM1は、定着装置30における最大電力容量である1200Wの電力容量になるように、定格電力が700Wの第1ヒーターランプ35と、定格電力が500Wの第2ヒーターランプ36とを使用して加熱ローラー31を介して定着ベルト33を加熱するようになっている。
第3電力モードM3は、定格電力が500Wの第2ヒーターランプ36と、定格電力が300Wの第3ヒーターランプ37とを使用して定着ベルト33を加熱するようになっており、電力容量は800Wになっている。
なお、第1〜第3のヒーターランプ35〜37の抵抗値は温度に依存しており、それぞれのヒーターランプ35〜37の温度が低くなるほど抵抗値が低くなる。このために、ヒーターランプ35〜37の抵抗値が低い状態で電力が供給されると、一時的に大きな電流(突入電流)がヒーターランプ35〜37に供給される。
次に、連続プリントジョブが指示された場合に定着制御部52において実行される定着温度制御の処理手順を、図5のフローチャートに基づいて説明する。
プリンターに対して連続プリントジョブが指示されると、定着制御部52は、定着ベルト33の表面温度Tsが目標温度Tmになるように加熱するウォームアップを実行する。本実施形態では、目標温度Tmは、記録シートPにトナー画像を定着させる際に必要とされる定着温度(160℃)程度に設定されている。
定着制御部52は、ウォームアップにおける定着ベルト33の加熱を、最大の電力容量になった第1電力モードM1で実行するために、モード基準値nを「1」とする(n=1、図5のステップS11)。これにより、基準モードMnとして第1電力モードM1が設定される。
定着ベルト33の表面温度Tsが目標温度Tm以上になったことが温度センサー38によって検出されると、プリンターによるプリント動作が開始される。これにより、定着装置30も熱定着動作を開始し、定着ニップNfを連続して通過する記録シートPを加熱する。
熱定着動作が開始されると、定着制御部52は、温度センサー38によって検出される定着ベルト33の表面温度Tsが、目標温度Tmよりも所定温度(本実施形態では3℃)だけ高く設定された上限温度Tu(Tm+3℃)を上回っているかを確認する(ステップS13)。
定着ベルト33の表面温度Tsが上限温度Tuを上回っていない場合には(ステップS13おいて「NO」)、ステップS14に進んで、指示された連続プリントジョブが終了したかを確認する。連続プリントジョブが終了した場合には(ステップS14において「YES」)、プリンターによるプリント動作が終了するために、定着制御部52による定着温度制御も終了する。これにより、全てのヒーターランプ35〜37に対する電力供給が停止される。
定着ベルト33に圧接されて定着ニップNfを形成する加圧ローラー34および定着ベルト33に巻き掛けられた定着ローラー32は、定着ベルト33よりも熱容量が大きくなっているために、熱定着動作が開始された当初は、加圧ローラー34および定着ローラー32における蓄熱量が少ない状態になっている。
定着ベルト33の表面温度Tsが目標温度Tm以下に低下すると、定着ベルト33は基準モードMnで加熱される。この場合、熱定着動作が開始された当初であり、電力容量が最大の第1電力モードM1に設定された基準モードMnで加熱される。従って、定着ベルト33は、定格電流が700Wの第1ヒーターランプ35および定格電流が500Wの第2ヒーターランプ36によって多くの熱量が付与され、定着ベルト33の表面温度Tsは、比較的短時間で目標温度Tmよりも高くなる。
これにより、定着ベルト33の表面温度Tsは、目標温度Tmよりも高い状態と低い状態とが比較的短い周期で繰り返されることになり、第1ヒーターランプ35および第2ヒーターランプ36に対する電力の供給と、電力供給の停止とが、比較的短い周期で繰り返される。従って、第1ヒーターランプ35および第2ヒーターランプ36に対する電力の供給開始時に、比較的頻繁に突入電流が発生し、定着ベルト33の表面温度Tsは、大きな温度変化の温度リップルが発生する。
定着ベルト33の表面温度Tsが上限温度Tuを上回っている場合には(ステップS13において「YES」)、ステップS21に進んで、モード基準値nを「n+1」に変更する(n+1→n)。これにより、定着ベルト33を加熱する際の基準モードMnは、定着ベルト33の加熱に使用されるヒーターランプの電力容量(消費電力に相当)が、1段階小さいレベルの電力モードに切り替えられる(更新される)。
前述したように、熱定着動作が開始された当初は、基準モードMnが第1電力モードM1になっているために、ステップS21において、基準モードMnは第2電力モードM2に変更される。第2電力モードM2で定着ベルト33を加熱する場合には、第1リレー55および第3リレー57がオン状態とされて、定格電力が700Wの第1ヒーターランプ35および定格電力が300Wの第3ヒーターランプ37の両方に対して電力が供給される。加熱ローラー31の加熱を停止する場合には、第1リレー55および第3リレー57はオフ状態とされる。
第3電力モードM3での定着温度制御の開始時には、加圧ローラー34および定着ローラー32の蓄熱量が、基準モードMnとして第2電力モードM2が設定された状態での定着温度制御の開始時よりも増加していることから、定着ベルト33の表面温度Tsが目標温度Tmを下回ることによる定着ベルト33の加熱の周期が、第2電力モードM2での定着温度制御の実行時よりも長くなる。これにより、第2ヒーターランプ36および第3ヒーターランプ37の定格電流の合計(800W)以上の一時的な突入電流によって消費電力が急激に上昇することが抑制される。
このような第3電力モードM3での定着温度制御においても、指示されたプリントジョブが終了する前に、定着ベルト33の表面温度Tsが上限温度Tuを上回った場合には(ステップS13において「YES」)、ステップS21に進んで、基準モードMnが第3電力モードM3から第4電力モードM4に切り替えられる。
基準モードMnが第4電力モードM4に設定された状態での定着温度制御では、定着ベルト33を加熱する場合に、第1リレー55をオン状態として、定格電力が700Wの第1ヒーターランプ35に対して電力を供給する。定着ベルト33の加熱を停止する場合には、第1リレー55をオフ状態とする。
その後、定着ベルト33の表面温度Tsが目標温度Tmを上回ると、第1ヒーターランプ35のみによる定着ベルト33の加熱が停止される。この場合は、定着ベルト33の表面温度Tsの上昇が緩やかであるために、表面温度Tsは目標温度Tmを上回っても、目標温度Tmに対する温度差は小さく、上限温度Tuに達するおそれがない。また、定着ベルト33の加熱が停止されると、比較的短時間で目標温度Tm以下に低下し、定着ベルト33の加熱が再開される。
このように、第4電力モードM4での定着温度制御では、定着ベルト33を目標温度Tmに制御するために要する消費電力を低減することができる。しかも、プリントジョブが終了までの間に突入電流が発生する回数を低減することができるために、突入電流による消費電力の増加を抑制することがき、また、定着ベルト33に大きな温度変化の温度リップルが発生することも抑制することができる。
なお、加熱ローラー31は、第1ヒーターランプ35によって直接加熱されるために、加熱ローラー31の表面温度は、定着ベルト33の表面温度よりも2〜3℃程度高くなっており、従って、加熱ローラー31が163℃程度になると、定着ベルト33の表面温度が160℃程度になる。
第1ヒーターランプ35に対する電力供給の開始時には突入電流が発生するが、第1ヒーターランプ35に供給される電力が700Wと比較的小さいために、突入電流の電流値が比較的小さく、加熱ローラー31におけるオーバーシュートが抑制され、加熱ローラー31には大きな温度変化の温度リップルは発生しない。その後は、比較的長い時間にわたって、第1ヒーターランプ35に対する電力供給が継続する。
図7(a)に示すように、定着ベルトの表面温度が目標温度Tmよりも低くなったことが温度センサーによって検出されると、図7(b)に示すように、リレーをオンする制御信号(オン信号)が制御部から出力される。この場合には、リレー、制御部等の応答遅れにより、定着ベルト33の加熱が時間tだけ遅れ、定着ベルト33の表面温度Tsは、目標温度Tmに対して比較的大きく低下する。
また、ヒーターランプに供給される電力が1000Wと大きくなっているために、ヒーターランプに対する電力供給時に発生する突入電流が大きくなる。これにより、加熱ローラーには、大きな温度変化の温度リップルが発生している。また、大きな突入電流が生じることによって、本実施形態の場合よりも消費電力量が増加する。
定格電力が700Wの第1ヒーターランプ35を使用する本実施形態では、平均電力が619.1Wであるのに対して、定格電力が1000Wのヒーターランプを使用する比較例の場合には、平均電力が681.4Wであった。従って、本実施形態では、比較例に対して、平均電力が62.3Wだけ低下していた。また、本実施形態においては、TEC値が825.5Whであるのに対して、比較例では、TEC値が908.6Whであり、本実施形態のTEC値は、比較例に対して、83.1Whだけ低下していた。
また、第1〜第3のヒーターランプ35〜37のいずれかに対する電力供給の回数が低減されることから、突入電流の発生回数も低減されるために、定着ベルト33の表面温度Tsが大きく変化することをさらに抑制することができる。しかも、突入電流の発生回数が低減されることにより、突入電流による消費電力の増加も抑制することができる。
また、ウォームアップ時には、電力容量が大きく設定された第1電力モードM1によって加熱ローラー31を加熱しているために、定着ベルト33の表面温度Tsを迅速に目標温度Tmにまで昇温させることができる。
本実施形態では、目標温度Tmよりも所定温度(本実施形態では3℃)だけ低い下限温度Tdが予め設定されている。
この下限温度Tdは、定着ベルト33の表面温度Tsが目標温度Tmを下回ったことが検出されて、定着ベルト33を加熱させるべく、定着制御部52から、所定のリレーをオンさせる制御信号を出力した場合に、リレーの応答遅れ等によって、定着ベルト33の加熱停止が継続されることによるアンダーシュートの許容範囲の下限の温度である。定着ベルト33がこのような下限温度Tdに達すると、以後、基準モードとして設定された電力モードを、電力容量の小さな電力モードに切り替えることなく定着ベルト33を加熱しても、定着ベルト33の表面温度Tsが目標温度Tmを上回るまでに長時間を要し、定着不良等を招来するおそれがある。
なお、図9に示すフローチャートにおけるステップS11〜S14は、図5に示された実施形態1のフローチャートのステップS11〜S14と同様であり、基準モードMnとして第1モードM1〜第4モードM4のいずれかが設定された状態で定着温度制御を実行する。このような定着温度制御の実行の間に、定着ベルト33の表面温度Tsが目標温度を下回って加熱された状態で、定着ベルト33の表面温度Tsが下限温度Tdよりも下回っているかを確認する(図9のフローチャートにおけるステップS18)。
従って、例えば、低温の記録シートP、大きなサイズの記録シートP等に対する熱定着動作の実行中に、基準モードMnとして第4電力モードM4が設定されて、定着ベルト33が第4電力モードM4で加熱された状態であっても、定着ベルト33の表面温度Tsが下限温度Tdを下回ると、第1電力モードM1で定着ベルト33が加熱されることになる。これにより、定着ベルト33の表面温度Tsを短時間で目標温度Tm以上に上昇させることができる。
また、本実施形態において、目標温度Tmに対して所定温度(例えば3℃)だけ低い第1下限温度Td1(=157℃)と、さらに、第1下限温度Td1よりも所定温度(例えば2℃)だけ低い第2下限温度Td2(例えば目標温度Tmに対して5℃だけ低い155℃)とを予め設定して、基準モードMnとして第3電力モードM3または第4電力モードM4が設定されている場合に、定着ベルト33の表面温度Tsが第1下限温度Td1を下回ると、基準モードMnを第2電力モードM2に切り替え、定着ベルト33の表面温度Tsが第2下限温度Td2を下回ると、基準モードMnを第1電力モードM1に切り替える構成としてもよい。
本実施形態では、プリンターが起動されると、定着制御部52は、温度センサー38によって検出される定着ベルト33の表面温度Tsが、目標温度Tmにまで加熱する立ち上げ制御を実行した後に、プリントジョブが指示されるまでの待機状態の間、目標温度Tmよりも低い所定温度(例えば100℃)を上回らないように、例えば、第3のヒーターランプ37のみに電力を供給して定着ベルト33を加熱する省電力モードになる。なお、立ち上げ制御は、例えば、前述したウォームアップと同様に、第1電力モードで定着ベルト33が加熱される。
[実施形態4]
本実施形態では、例えば、連続プリントジョブが指示された時点、あるいは、連続プリントジョブの途中における紙詰まり処理が終了した後の熱定着動作の再開時に、温度センサー38によって検出された定着ベルト33の表面温度に基づいて、基準モードMnを適切な電力モードに設定する構成としている。
ステップS44において、温度センサー38によって検出された定着ベルト33の表面温度Tsが100℃以上の場合には(ステップS44において「NO」)、モード基準値nを「3」とし(ステップS46)、基準モードMnを、第2電力モードM2よりも電力容量が小さくなった第3電力モードM3に設定する。そして、第3電力モードM3に設定された基準モードMnで定着ベルト33を加熱するために、700Wの第1ヒーターランプ35に対して電力を供給する(ステップS43)。
このような構成により、連続プリントジョブが指示された場合、あるいは、連続プリントジョブ実行時における紙詰まりの処理が終了した場合に、加圧ローラー34および定着ローラー32の蓄熱状態に応じた適切な基準モードMnによって定着ベルト33を加熱することができ、しかも、定着温度制御においても、定着ベルト33を、基準モードMnとして適切に設定された電力モードで加熱することができる。従って、定着ベルト33の加熱時に電力が無駄に消費されることを防止することができ、適切な消費電力とすることができる。
本実施形態では、定着制御部52は、温度センサー38によって検出される定着ベルト33の表面温度Tsを、1秒以下の所定の間隔でサンプリングして、定着ベルト33の表面温度Tsが、定着温度Tfよりも2℃だけ低く設定された下限温度Tdと、定着温度Tfよりも3℃だけ高く設定された上限温度(目標温度に相当)Tuとの範囲になるように定着温度制御を実行する。
このために、本実施形態では、定着ベルト33を加熱する際の電力モードとして、第1〜第6の電力モードM1〜M6が設定されている。
図12に示された第1〜第4の電力モードM1〜M4は、図4に示された実施形態1の第1〜第4の電力モードM1〜M4と同じである。図12の第5電力モードM5は、定格電力が500Wの第2ヒーターランプ36のみを使用する設定になっている。従って、第5電力モードM5の電力容量は500Wである。第6電力モードM6は、定格電力が300Wの第3ヒーターランプ37のみを使用する設定になっている。従って、第6電力モードM6の電力容量は300Wである。
さらに、基準モードMnとして、第1電力モードM1〜第5電力モードM5のそれぞれが設定されている場合には、定着ベルト33の表面温度Tsが下限温度Td〜上限温度Tuの適正温度範囲において上昇状態になった場合には、基準モードMnとして設定された電力モードよりも小さい電力容量になった電力モードで定着ベルト33を加熱する。
図13(a)〜(e)のそれぞれに示されるように、基準モードMnとして第1電力モードM1〜第5電力モードM5のいずれが設定されていても、定着ベルト33の表面温度Tsが上限温度Tuを上回ると、定着ベルト33の加熱を停止し(OFF、電力供給0W)、定着ベルト33の加熱から1秒以上経過しても、定着ベルト33の表面温度Tsが上限温度Tuを上回っていると、基準モードMnを、電力容量が1段階小さいレベルに設定された電力モードに切り替えるようになっている。
さらに、図13(a)〜(d)のそれぞれに示すように、基準モードMnとして、第1電力モードM1〜第4電力モードM4のそれぞれが設定されている場合に、定着ベルト33の表面温度Tsが、下限温度Td〜上限温度Tuの適正温度範囲において下降状態になると、基準モードMnとして設定された電力モードで定着ベルト33をそれぞれ加熱する。この場合も、基準モードMnとして設定された電力モードは変更されない。
定着制御部52は、連続プリントジョブが指示されると、基準モードMnを第1電力モードM1に設定するために、モード基準値nを「1」とする(図14のステップS61)。これにより、基準モードMnは第1電力モードM1(n=1)に設定される。
このような第1電力モードM1での定着ベルト33の加熱(ウォームアップ)によって、定着ベルト33の表面温度Tsが定着温度Tf以上になると、プリンターによるプリント動作が開始され、定着ニップNfを連続して記録シートPが通過する。これにより、加熱状態になった定着ベルト33の表面温度Tsが低下する。
このために、定着制御部52は、まず、ステップS63において、指示された連続プリントジョブが終了したかを確認する。指示された連続プリントジョブが終了した場合には(ステップS63において「YES」)、プリンターによるプリント動作が終了するために、定着制御部52による定着温度制御も終了する。これにより、第1〜第3のリレー55〜57の全てをオフして、ヒーターランプに対する供給電力を停止する。
ステップS64おいて、定着ベルト33の表面温度Tsが上限温度Tuよりも高くなっている場合には(ステップS64おいて「YES」)、ステップS65に進み、全てのリレー55〜57をオフにして、全てのヒーターランプ35〜37に対する電力供給を停止し、定着ベルト33の加熱を停止する。
プリント動作が開始された当初は、加圧ローラー34および定着ローラー32の蓄熱量が比較的少ないために、定着ニップNfを記録シートPが通過することによって定着ベルト33の表面温度Tsが比較的急激に低下するが、電力容量が最大に設定された第1電力モードM1で定着ベルト33が加熱されることにより、加圧ローラー34および定着ローラー32の蓄熱量が徐々に増加し、また、表面温度Tsにおける温度の下降も徐々に抑制される。
定着ベルト33の加熱が停止されると、ステップS66に進み、定着ベルト33の加熱が停止されてから1秒が経過するまでの間に、定着ベルト33の表面温度Tsが上限温度Tuを下回ったかを確認する。1秒が経過するまでの間に、定着ベルト33の表面温度Tsが上限温度Tu以下になっている場合には(ステップS66において「NO」、かつ、ステップS64おいて「YES」)、ステップS71に進む。
この場合、まず、モード基準値nが「4」以下であるかを確認する(ステップS67)。モード基準値nが「4」以下である場合には(ステップS67おいて「YES」)、ステップS68に進み、モード基準値nを「n+1」に変更する。その後は、ステップS63に戻る。
なお、本実施形態では、基準モードMnを、第5電力モードM5よりも電力容量が小さくなった第6電力モードM6に設定しないようにしている。これは、定着ベルト33の表面温度Tsが上限温度Tuを下回って下降が継続される場合に、第5電力モードM5よりも電力容量が小さくなった第6電力モードM6で定着ベルト33を加熱すると、定着ベルト33に付与される熱量が少ないために、定着ニップNfを通過する記録シートPによって、定着ベルト33の表面温度Tsが急激に低下するおそれがあるからである。
その後、定着ベルト33の表面温度Tsが下限温度Td以上になると(ステップS71において「NO」)、図15のステップS81に進む。
昇温フラグFuがセット状態でない場合には(ステップS82において「NO」)、所定の電力モードでの定着ベルト33の加熱が実行されていないために、モード基準値nが「3」以下になっているかを確認する(ステップS83)。
すなわち、基準モードMnが第1電力モードM1の場合には第4電力モードM4、基準モードが第2電力モードM2の場合には第5電力モードM5、基準モードが第3電力モードM3の場合には第6電力モードM6で、それぞれ定着ベルト33を加熱する。この場合、モード基準値nは変更されず、従って、基準モードMnとして設定された電力モードは変更されない。
ステップS83において、モード基準値nが「3」以下でない場合には(ステップS83において「NO」)、ステップS86に進み、モード基準値nが「4」であるかを確認する。モード基準値nが「4」の場合には(ステップS86において「YES」)、最も小さい電力容量に設定された第6電力モードM6によって定着ベルト33を加熱する(ステップS87)。
第6電力モードM6で定着ベルト33が加熱されると、昇温フラグFuをセット状態(Fu=1)として(ステップS84)、ステップS63に戻る。この場合も、モード基準値nは変更されず(n=4)、基準モードMnは、第4電力モードM4に維持される。
なお、このように、所定の電力モードでの定着ベルト33の加熱または加熱停止によっても、定着ベルト33の昇温状態が継続する場合には(ステップS81において「YES」)、昇温フラグFuがセット状態(Fu=1)になっていることにより(ステップS82において「YES」)、定着ベルト33の所定電力モードでの定着ベルト33の加熱または加熱停止が維持されて、ステップS63に戻ることになる。
最新検出表面温度Ts2が前回検出表面温度Ts1を下回っている場合には(ステップS91において「YES」)、定着ベルト33の表面温度Tsが下降状態になっているものとして、定着ベルト33を所定の電力モードで加熱することを示す降温フラグFdがセット状態(Fd=1)であるかを確認する(ステップS92)。
ステップS93において、モード基準値nが「4」でない場合には(ステップS93において「NO」)、モード基準値nが「5」であり、基準モードMnは、第5電力モードM5に設定されている。この場合には、第4電力モードM4によって定着ベルト33を加熱する(ステップS96)。
なお、定着ベルト33の表面温度Tsが適正温度範囲において昇温状態の場合に(ステップS81において「YES」)、定着ベルト33の加熱または加熱停止によって、昇温状態および降温状態のいずれでもない状態になると(ステップS81において「NO」、かつ、ステップS91において「NO」)、定着ベルト33の加熱状態または加熱停止状態が維持されることになる。
以上のような定着温度制御が実行されている間に、指示された連続プリントジョブが終了すると(ステップS63において「YES」)、定着制御部52による定着温度制御は終了する。
この場合、定着ニップNfを記録シートPが連続して通過することによって、定着ベルト33の表面温度Tsが上限温度Tuを下回っても下降し続けている。これにより、定着制御部52は、基準モードMnとして設定された第1電力モードM1(700Wの第1ヒーターランプ35と500Wの第2ヒーターランプ36)での定着ベルト33の加熱を継続する。
第1電力モードM1での定着ベルト33の加熱により、定着ベルト33の表面温度Tsは、下限温度Tdを上回り、その後も上昇し続ける。従って、定着ベルト33の表面温度Tsは適正温度範囲において上昇状態になり、定着制御部52は、基準モードMnとして設定された第1電力モードM1よりも、電力容量が3段階小さく設定された第4電力モードM4(700Wの第1ヒーターランプ35のみを使用)で定着ベルト33を加熱する。なお、この場合は、基準モードMnの設定は変更されず、第1電力モードM1の設定が維持される。
その後、定着ベルト33の表面温度Tsが上限温度Tuに達すると、定着制御部52は、定着ベルト33の加熱を停止するために、第1リレー55をオフする信号を出力する。この場合、第1リレー55の応答遅れ等により第1ヒーターランプ35に対する電力の供給停止が遅れて、定着ベルト33の表面温度Tsが上限温度Tuに対してオーバーシュートする。しかし、定着ベルト33は、電力容量が基準モードMnとして設定された第1モードよりも電力容量が小さくなった第4電力モードM4で加熱されていることによって、表面温度Tsの上昇が緩やかになり、従って、定着ベルト33の表面温度Tsが上限温度Tuを上回って大きく温度上昇することが抑制される。
この場合、定着ベルト33の表面温度Tsは、定着制御部52が第1リレー55をオフする信号を出力してから1秒が経過しても上限温度Tuを上回っており、定着制御部52は、基準モードMnの設定を、第1電力モードM1から第2電力モードM2に切り替える。
この場合、加圧ローラー34および定着ローラー32における蓄熱量が、熱定着動作開始当初よりも増加しているために、第1電力モードM1よりも電力容量が小さいレベルに設定された第2電力モードM2で定着ベルト33を加熱することにより、定着ベルト33の表面温度Tsの下降が抑制され、表面温度Tsは比較的緩やかに下降する。
このように、定着ベルト33の表面温度Tsが下限温度Td〜上限温度Tuの適正温度範囲で下降している状態で、第2電力モードM2で定着ベルト33を加熱することによって表面温度Tsが上昇に転じた場合に、第2電力モードM2での定着ベルト33の加熱を継続すると、表面温度Tsが急激に上昇するおそれがある。
この場合、定着ベルト33の表面温度Tsは、定着制御部52が第1リレー55をオフする信号を出力してから1秒が経過しても上限温度Tuよりも高くなっていると、定着制御部52は、基準モードMnの設定を、第2電力モードM2から第3電力モードM3に切り替える。
この場合、加圧ローラー34および定着ローラー32における蓄熱量がさらに増加しており、第2電力モードM2よりも電力容量が小さいレベルの第3電力モードM3に設定された基準モードで定着ベルト33を加熱することにより、定着ベルト33の表面温度Tsは、比較的緩やかに下降する。
このような状態になると、定着制御部52は、基準モードMnを、第3電力モードM3から第1電力モードM1に切り替える。そして、切り替えられた第1電力モードM1で定着ベルト33を加熱するために、第1リレー55および第2リレー56をそれぞれオンする信号を出力する。
以上のように、本実施形態では、定着ベルト33の表面温度Tsが上限温度Tuよりも大きく上昇した状態、および、下限温度Tdよりも大きく低下した状態になることが抑制されることにより、上限はり付きおよび下限はり付きが防止される。従って、定着ベルト33の表面温度Tsは、下限温度Td〜上限温度Tuの適正温度範囲において、上昇および下降を繰り返すことになり、定着温度Tfに対して小さな温度差の範囲の温度に制御される。
図17(a)に示すように、定着ベルト33の表面温度Tsが、下限温度Td〜上限温度Tuの適正温度範囲において下降状態になると、基準モードMnとして設定された第3電力モードM3(定格電力500Wの第2ヒーターランプ36と定格電力300Wの第3ヒーターランプ37とを使用)で定着ベルト33が加熱される。これにより、定着ベルト33の表面温度Tsは、比較的緩やかに低下する。
これにより、定着ベルト33は、比較的緩やかに上昇し、定着ベルト33の表面温度Tsは、上限温度Tuに達する前に下降状態になり、定着ベルト33は第3電力モードM3で加熱される。
以上のように、本実施形態では、定着ベルト33の表面温度Tsが、下限温度Tdを下回ることが抑制され、第1電力モードM1で定着ベルト33が加熱される回数が低減される。その結果、電力容量が最大に設定された第1電力モードM1で定着ベルト33を加熱することによる消費電力の増加を抑制することができる。
比較のために、定格電力が1200Wの1つのヒーターランプを用いて定着ベルト33を加熱する構成としたこと以外は、前記実施形態の定着装置30と同様の構成の定着装置により連続熱定着動作を実行した場合において、図18の表に示された条件で定着温度制御を実行した。図19(a)は、このような定着温度制御において、定着ベルト33の表面温度Tsの温度変化を示すグラフ、図19(b)は、その定着温度制御における定着ベルトを加熱する際の供給電力の変化を示すグラフである。
さらに、定着ベルト33の表面温度Tsが、下限温度Td〜上限温度Tuの適正温度範囲において上昇状態になると、ヒーターランプに対する電力供給を停止(OFF)して定着ベルト33の加熱を停止するが、適正温度範囲において下降状態になると、ヒーターランプに対して電力を供給(ON)して定着ベルト33を加熱する。
定着ベルト33の加熱が停止された状態では、定着ニップNfを記録シートPが連続して通過することによって、定着ベルト33の表面温度Tsの上昇は徐々に抑制され、定着ベルト33の表面温度Tsは、オーバーシュートによって上限温度Tuを上回った後に下降する。
このような上限はり付きになると、定着ベルト33の表面温度Tsが頻繁に上限温度Tu以上になる。これにより、定着ニップNfを通過する記録シートPに対して熱定着動作を安定的に行うことができないおそれがある。また、上限温度Tu以上の高温が頻繁に発生すると、無駄なエネルギー消費が発生することになる。
なお、本実施形態では、定着ベルト33の表面温度Tsが、下限温度Tdと上限温度Tuとの間で、下降状態になっている場合と上昇状態になっている場合とで、定着ベルト33を加熱する電力モードを変更する構成としたが、このような構成に限らない。
上記の実施形態では、加熱ローラー31を加熱する手段として、定格電力が700Wの第1ヒーターランプ35と、定格電力が500Wの第2ヒーターランプ36と、定格電力が300Wの第3ヒーターランプ37をと用いる構成としたが、ヒーターランプの本数、定格電力等については、定着装置の構成等によって適宜変更することができる。
30 定着装置
31 加熱ローラー
32 定着ローラー
33 定着ベルト
34 加圧ローラー
35 第1ヒーターランプ
36 第2ヒーターランプ
37 第3ヒーターランプ
38 温度センサー
52 定着制御部
55 第1リレー
56 第2リレー
57 第3リレー
Claims (12)
- 加熱回転体とこれに圧接される加圧体との間に確保される定着ニップを記録シートが通過する際に、当該記録シート上の未定着画像を熱定着する定着装置であって、
前記加熱回転体を加熱する複数の加熱手段と、
前記加熱回転体の温度を検出する検出手段と、
前記複数の加熱手段のうちの1つまたは複数の組み合わせにより得られる異なる電力容量の中から選択された1つの電力容量を基準モードとして設定し、前記定着ニップを連続して通過する複数枚の記録シートに対する熱定着動作中に、前記検出手段の検出温度が目標温度を下回ると、基準モードで前記加熱回転体を加熱し、前記目標温度を上回ると前記加熱回転体の加熱を停止する制御手段と、を備え、
前記制御手段は、前記基準モードで前記加熱回転体が加熱された後における前記加熱回転体の加熱の停止により前記加熱回転体の温度が前記目標温度に対しオーバーシュートして、目標温度よりも高い所定の上限温度まで上昇した場合には、基準モードを、前回設定された電力容量よりも小さ電力容量に更新することを特徴とする定着装置。 - 前記制御手段は、前記加熱回転体の加熱時に、前記検出手段の検出温度が前記目標温度よりも低い所定の下限温度を下回ると、基準モードを、前回設定された電力容量よりも大きい電力容量に更新した後に、更新後の基準モードで前記加熱回転体を加熱することを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
- 前記制御手段は、前記下限温度を下回った場合に、基準モードを、最大の電力容量に更新することを特徴とする請求項2に記載の定着装置。
- 前記制御手段は、前記熱定着動作の開始時に、基準モードを、最大の電力容量に設定して、設定された基準モードで前記加熱回転体を加熱することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の定着装置。
- 前記制御手段は、前記加熱回転体を前記目標温度まで昇温させた後に、前記熱定着動作が指示されるまでの待機状態の間、前記加熱回転体を前記目標温度よりも低い所定温度を上回らないように加熱する省電力モードになり、
前記省電力モードにおいて前記熱定着動作が指示されると、基準モードを、前記待機状態の経過時間に基づいて選択された電力容量に設定し、設定された基準モードで前記加熱回転体を加熱して昇温させることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の定着装置。 - 前記制御手段は、前記待機状態の経過時間が閾値に達するまでは、基準モードを、最大の電力容量に設定し、前記閾値以上の場合に、基準モードを、最大の電力容量よりも小さい電力容量に設定することを特徴とする請求項5に記載の定着装置。
- 前記制御手段は、前記熱定着動作の開始時に、前記基準モードを、前記検出手段の検出温度に基づいて選択される電力容量に設定して、設定された電力容量で前記加熱回転体を加熱することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の定着装置。
- 前記制御手段は、前記熱定着動作の開始時における前記検出手段の検出温度が、目標温度よりも低く設定された閾値温度よりも低い場合に、基準モードを、最大の電力容量に設定し、前記閾値温度以上の場合に、基準モードを、最大の電力容量よりも小さい電力容量に設定することを特徴とする請求項7に記載の定着装置。
- 加熱回転体とこれに圧接される加圧体との間に確保される定着ニップを記録シートが通過する際に、加熱により当該記録シート上の未定着画像を定着する定着装置であって、
前記加熱回転体を加熱する複数の加熱手段と、
前記加熱回転体の温度を検出する検出手段と、
前記複数の加熱手段のうちの1つまたは複数の組み合わせにより得られる電力容量の中から選択された1つの電力容量を基準モードとして設定し、前記定着ニップを連続して通過する複数枚の記録シートに対する熱定着動作中に、前記検出手段の検出温度が目標温度を下回ると、基準モードで前記加熱回転体を加熱し、前記目標温度を上回ると前記加熱回転体の加熱を停止する制御手段と、を備え、
前記制御手段は、基準モードで前記加熱回転体が加熱された後における前記加熱回転体の加熱の停止により前記加熱回転体の温度が前記目標温度に対しオーバーシュートした場合に、当該目標温度を下回るまでに要する時間が所定時間以上になると、基準モードを、前回設定された電力容量よりも小さい電力容量に更新することを特徴とする定着装置。 - 前記制御手段は、前記検出手段の検出温度が、前記目標温度と、当該目標温度よりも低い所定の下限温度との間で下降状態になっている場合に、基準モードで前記加熱回転体を加熱し、前記目標温度と前記下限温度との間で下降状態から上昇状態になっている場合に、基準モードに設定された電力容量も小さな電力容量に切り替えて前記加熱回転体を加熱することを特徴とする請求項9に記載の定着装置。
- 前記制御手段は、前記検出手段の検出温度が前記下限温度を下回ると、基準モードを、最大の電力容量に更新して、更新後の電力容量で前記加熱回転体を加熱することを特徴とする請求項10に記載の定着装置。
- 請求項1〜11のいずれか一項に記載の定着装置を有することを特徴とする画像形成装置。
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