JP6051564B2 - 定着装置および画像形成装置 - Google Patents
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Description
輻射方式では、電熱器の輻射熱によって加熱ローラー全体を加熱していることから、加熱ローラーの表面を定着温度以上に昇温させるために比較的多くの熱量を必要とし、昇温速度が比較的遅くなる。これに対して、自己発熱方式では、発熱層の発熱によって加熱ローラーを直接的に昇温させているために、輻射方式よりも少ない熱量で定着温度以上に昇温させることができる。
しかし、自己発熱方式では、発熱層の熱容量が小さいために、加熱ローラーの表面の昇温が容易である一方で、定着ニップを通過する記録シートによって加熱ローラーの熱が奪われると、加熱ローラーの表面温度が低下しやすい特性がある。
このような構成では、ウォームアップ中に、昇温速度が速い誘導加熱コイルに対する電力が制限され、ハロゲンランプヒーターに電力を供給することなく誘導加熱コイルに対してのみ電力を供給する場合よりも、ウォームアップに要する時間が長くなるおそれがある。また、定着動作が開始された場合には、誘導加熱コイルに対する電力の供給割合がハロゲンランプヒーターよりも大きいことによって、誘導加熱コイルのインピーダンス変化による発熱効率の低下を十分に抑制することができないおそれがある。
本発明の他の目的は、そのような定着装置を用いて定着不良を起こすことなく高速でのプリントが可能な画像形成装置を提供することにある。
また、本発明に係る定着装置は、未定着画像が形成された記録シートが、加熱回転体と加圧体との圧接によって形成された定着ニップを通過する際に、当該記録シートを所定の定着温度に加熱および加圧することによって前記未定着画像を定着する定着装置であって、電源から供給される電力を第1の電気−熱変換方式で熱に変換し、前記加熱回転体を昇温させる第1加熱手段と、前記電源から供給される電力を第2の電気−熱変換方式で熱に変換し、前記加熱回転体を昇温させる手段であって、前記加熱回転体の単位時間当たりの昇温率が、定着温度よりも高温域では前記第1加熱手段よりも低く、定着温度よりも低温域では第1加熱手段よりも高くなる特性を有する第2加熱手段と、前記電源から前記第1加熱手段および前記第2加熱手段へ供給される電力の配分割合を制御する制御手段と、を備え、前記制御手段は、前記加熱回転体が予め設定された目標温度に達した以降の所定のタイミングまでは、前記第2加熱手段に供給される電力の配分割合を前記第1加熱手段よりも大きくし、前記所定のタイミングで、前記第1加熱手段に供給される電力の配分割合を前記第2加熱手段よりも大きくし、前記第2加熱手段は、前記加熱回転体の周面に設けられた発熱層を電磁誘導加熱する磁束発生部であり、前記制御手段は、さらに、直流電流をスイッチングすることにより高周波電力に変換して前記磁束発生部に供給するスイッチング回路と、前記スイッチング回路を制御周波数でスイッチングさせる制御回路と、を備え、前記加熱回転体の温度が前記目標温度に達すると、前記制御周波数を増加させて前記磁束発生部へ供給される高周波電力の電力値を下げる制御を行い、前記所定のタイミングは、前記磁束発生部へ供給される高周波電力の周波数が所定の閾値周波数よりも増加した時点であることを特徴とする。
また、本発明に係る画像形成装置は、前記定着装置を有することを特徴とする。
好ましくは、前記制御手段は、前記所定のタイミングで、前記第2加熱手段に対する前記電力の配分割合を100%から0%に切り替えることを特徴とする。
<画像形成装置の構成>
図1は、本発明の実施の形態に係る画像形成装置の一例であるタンデム型カラープリンター(以下、単に「プリンター」とする)の概略構成を示す模式図である。このプリンターは、ネットワーク(例えばLAN)を介して外部の端末装置から入力される画像データ等に基づいて、周知の電子写真方式によりトナー画像を形成し、下部の給紙カセット22からシート搬送経路21に沿って搬送される記録シートPにトナー画像を転写する。トナー画像が転写された記録シートPは、定着装置30に搬送され、定着装置30において、トナー画像が記録シートPに定着される。
画像形成ユニット10Yは、感光体ドラム11Yの下部に対向して配置された帯電器12Yを有している。感光体ドラム11Yは、帯電器12Yによって表面が一様に帯電される。また、画像形成ユニット10Yの下方には露光装置13Yが設けられており、帯電された感光体ドラム11Yの表面に、露光装置13Yから照射されるレーザ光Lによって静電潜像が形成される。
感光体ドラム11Yの表面に形成された静電潜像は、現像器14YによってY色のトナーにより現像される。これにより、感光体ドラム11Yの表面に、Y色のトナー画像が形成される。
他の画像形成ユニット10M、10C、10Kの上方にも、中間転写ベルト18を挟んでそれぞれの感光体ドラム11M、11C、11Kに対向する1次転写ローラー15M、15C、15Kがそれぞれ設けられており、各感光体ドラム11M、11C、11K上に形成されたトナー画像は、転写バイアス電圧が印加された1次転写ローラー15M、15C、15Kによる電界の作用により、中間転写ベルト18上に1次転写される。
加熱ローラー32の軸心部には、加熱ローラー32を輻射熱によって加熱する第1の加熱手段としてのハロゲンヒーター35が配置されている。ハロゲンヒーター35は、輻射熱によって加熱ローラー32の全体を内部から加熱して加熱ローラー32を昇温させる。以下、ハロゲンヒーター35によって加熱ローラー32を加熱する方式をヒーター方式とする。
<定着装置の構成>
図2は、定着装置30の構成を説明するための模式的な断面図である。図2に示すように、定着装置30は、加熱ローラー32と加圧ローラー33とが相互に平行に配置されており、加熱ローラー32は、ハロゲンヒーター35によるヒーター方式と、磁束発生ユニット34によるIH方式とによって加熱される。
加圧ローラー33は、定着モーター(図示せず)により、矢印Aで示す方向に所定の周速度で回転駆動される。加圧ローラー33に圧接された加熱ローラー32は、加圧ローラー33の回転に追従して、矢印Bで示す方向に周回移動する。
芯金32aは、例えば直径が20mmのアルミニウム、ステンレス等からなる金属によって構成されており、芯金32aの軸心部に、ハロゲンヒーター35が配置されている。ハロゲンヒーター35は、芯金32aの軸心に沿った状態で、芯金32aの軸方向のほぼ全域にわたって設けられている。
発熱層32c上に積層される弾性層32dは、シリコーンゴム、フッ素ゴム等の耐熱性を有する弾性体によって、厚さ200μm程度に構成されている。離型層32eは、例えばフッ素樹脂(PFA(テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)等)によって20μm程度の厚さに形成されている。
芯金33aは、例えばステンレスなどからなり、本実施形態では直径が20mmになっている。
図2に示すように、磁束発生ユニット34は、加熱ローラー32に対して加圧ローラー33とは反対側の側方に配置されており、加熱ローラー32の軸方向に沿って長く延びるコイルボビン34aと、コイルボビン34a内において加熱ローラー32の表面に対向するように保持された電磁誘導コイル34bとを有している。コイルボビン34aは、加熱ローラー32の表面に対向する面が、加熱ローラー32の周方向に沿って円弧状に湾曲しており、加熱ローラー32の外周面との間に、例えば3mm程度の所定の間隔が形成されている。コイルボビン34aの長手方向の両端部は、図示しないフレームなどに固定されている。
電磁誘導コイル34bは、後述するように、誘導加熱電源部37(図3参照)から高周波電力が供給される。電磁誘導コイル34bによって交番磁場が形成されると、加熱ローラー32の周面に設けられた発熱層32cに渦電流が発生する。これにより発熱層32cが発熱する。
<定着制御回路>
図3は、定着装置30の制御部である定着制御回路を示すブロック図である。この定着制御回路は、商用電源41から供給される交流電力を、所定電力値の高周波電力に変換して電磁誘導コイル34bに供給する誘導加熱電源部37と、商用電源41から供給される交流電力を所定の電力値でハロゲンヒーター35に供給するヒーター電源部39と、誘導加熱電源部37およびヒーター電源部39を制御する電力制御部38とを有している。
さらに、電力制御部38には、前述した温度センサー36の出力が与えられている。温度センサー36は、加熱ローラー32の表面温度に対応した信号を電力制御部38に出力する。
電力制御部38は、電力検出回路37cによって検出されるスイッチング回路37bから出力される高周波電力の電力値と、周波数検出回路37eから出力される高周波電力の周波数とに基づいて、スイッチング回路37bから出力される高周波電力が所定の電力値となるために必要とされる制御周波数を求めて、求められた制御周波数をスイッチング制御回路37dに指示する。これにより、スイッチング回路37bが所定の制御周波数でスイッチング制御されて、所定の高周波電力がスイッチング回路37bから出力される。
電力制御部38は、ウォームアップモードでは、IH方式によってのみ加熱ローラー32を加熱するために、商用電源41から出力される交流電力の全て(100%)を誘導加熱電源部37に供給し、商用電源41から出力される交流電力がヒーター電源部39に供給されない状態(配分割合0%)に制御する。このために、ヒーター電源部39を出力停止状態(オフ状態)として、ヒーター電源部39に対しては、商用電源41から出力される交流電力の配分割合を0%(0W)として、誘導加熱電源部37に対しては、商用電源41から出力される交流電力の配分割合を100%(商用電源41からの出力電力値)とする。
電力制御部38は、スイッチング回路37bに入力される直流電力を初期設定電力値Wkの高周波電力とするために必要とされる制御周波数を、電力検出回路37cおよび周波数検出回路37eのそれぞれの検出結果に基づいて求めて、求められた制御周波数をスイッチング制御回路37dに指示する。スイッチング制御回路37dは、指示された制御周波数でスイッチング回路37bをスイッチングする。
本実施形態では、ウォームアップ完了温度Twに達するタイミングで、ウォームアップモードを終了し、加熱ローラー32の加熱をIH方式からヒーター方式に切り替える構成になっている。
IH方式では、スイッチング回路37bの制御周波数が変化することによって、スイッチング回路37bから電磁誘導コイル34bに出力される高周波電力の電力値が変化し、また、発熱層32cの発熱効率(電磁誘導コイル34bに供給される電力量の総和に対する、発熱層32cにおいて誘導発熱に使用される電力の割合)も変化する。
スイッチング回路37bは、制御周波数が20〜30kHz程度の低い周波数の範囲では、制御周波数が低いほどスイッチング回路37bにおける電力変換効率が低く、スイッチング回路37bからは高い電力値の高周波電力が出力されるが、制御周波数が増加した場合には電力値が急激に低下する。また、制御周波数が30kHz程度以上に増加すると、制御周波数が増加するほど、高周波電力の電力値は緩やかに低下する
スイッチング回路37bの制御周波数が増加するほど発熱層32cにおける発熱効率が上昇する。この理由は、次のように考えられる。すなわち、スイッチング回路37bの制御周波数が低下すると、発熱層32cの表皮効果も低下する。表皮効果とは高周波電流が導体を流れるとき、電流密度が導体表面で高く、表面から離れると低くなる現象のことである。スイッチング回路37bの制御周波数が高くなるほど電流が発熱層の表面に集中するので、発熱効率は高くなる。
ウォームアップ完了温度Twになるまでの時間を短くするために、電力制御部38に設定された初期設定電力値Wkは、発熱層32cの発熱効率は低くなるが、制御周波数が20〜30kHzの範囲でスイッチング回路37bから出力される電力値に設定されている。
次に、IH方式およびヒーター方式のそれぞれによって加熱ローラー32を加熱した場合における加熱ローラー32の表面の温度変化について説明する。
図5(a)の実線は、ウォームアップモードおよび定着モードの両方において、IH方式だけで加熱ローラー32を加熱する場合の加熱ローラー32の表面の温度変化を示している。また、図5(a)の破線は、ウォームアップモードおよび定着モードの両方において、ヒーター方式だけで加熱ローラー32を加熱する場合の加熱ローラー32の表面の温度変化を示している。
また、ヒーター方式では、商用電源41から出力される交流電力の全てをヒーター電源部39に供給した状態で、商用電源41から出力される交流電力の全てをハロゲンヒーター35に供給されるように、ヒーター電源部39を制御している。
ヒーター方式では、ハロゲンヒーター35の発熱(輻射熱)によって加熱ローラー32の全体が加熱されている。従って、ウォームアップが開始されてからウォームアップ完了温度Twになるまで、加熱ローラー32の表面温度は、ほぼ一定の昇温率(単位時間当たりの温度上昇率)で上昇している。
しかし、IH方式では、加熱ローラー32の表面温度Tfがウォームアップ完了温度Twに近くなるにつれて、徐々に加熱ローラー32の表面温度の昇温率が低下している。これは、加熱ローラー32と電磁誘導コイル34bが磁気結合している状態のインピーダンス変化によって発熱層32cの発熱効率が低下するためと考えられる。
IH方式の昇温率は、定着温度を越えた高温領域においては、ヒーター方式よりも小さくなっている。このことから、定着温度を越えた高温領域においては、IH方式の発熱効率は、ヒーター方式よりも低下していると考えられる。
<電力制御部による電力制御>
次に、電力制御部38において実行される本実施形態の電力制御を、図6のフローチャートに基づいて説明する。
このような状態でプリントジョブが指示されると(図6のステップS11参照)、電力制御部38は、IH方式によって加熱ローラー32を加熱するウォームアップモードとなり、スイッチング制御回路37dによるスイッチング回路37bの制御を開始させる。これにより、誘導加熱電源部37は高周波電力を出力する動作状態(オン状態)になる(ステップS12)。
加熱ローラー32の表面は、発熱層32cの発熱によって直接的に加熱されているために、加熱ローラー32の表面の昇温率はヒーター方式よりも大きくなっている。従って、加熱ローラー32の表面温度は、ヒーター方式と比べて短いウォームアップ時間tiでウォームアップ完了温度Twに達する。
その後、温度センサー36による検出温度Tsがウォームアップ完了温度Twに達すると(ステップS13おいて「YES」)、電力制御部38は、加熱ローラー32の加熱をIH方式からヒーター方式に切り替える。
この場合の立ち上げ時間taは、発熱していない状態のハロゲンヒーター35が、加熱ローラー32の蓄熱量(この時点では、IH方式により定着温度程度の高温状態になっている)にほぼ等しい発熱量になるまでに要する時間である。この立ち上げ時間taは、実験等に基づいて予め設定されている。
すなわち、IH方式による加熱ローラー32の加熱を継続した場合には、図5(a)に示すように、加熱ローラー32の表面温度が短時間で大きく低下するが、本実施形態では、IH方式からヒーター方式に切り替えることによって、ハロゲンヒーター35からの熱により、加熱ローラー32の表面温度が短時間で大きく低下することを抑制できる。
温度センサー36の検出温度Tsに基づくヒーター電源部39の電力制御は、指示されたプリントジョブが終了するまで継続する(ステップS18)。その後、指示されたプリントジョブが終了すると(ステップS18において「YES」)、電力制御部38は、ヒーター電源部39を動作停止状態(オフ状態)とする(ステップS19)。これにより、誘導加熱電源部37とともに、ヒーター電源部39もオフ状態になり、電力制御部38における電力制御は終了する。
プリントジョブの指示によって、IH方式による加熱ローラー32の加熱が開始されると、加熱ローラー32の表面温度は、ヒーター方式のウォームアップ時間thよりも短いウォームアップ時間tiでウォームアップ完了温度Twに到達する。
この場合、ハロゲンヒーター35は、ヒーター方式に切り替えられた当初は、定着温度以上に加熱された加熱ローラー32を加熱できる状態に立ち上がっていないために、加熱ローラー32は加熱されない状態になり、加熱ローラー32の表面温度はウォームアップ完了温度Twから低下し始める。また、記録シートPが定着ニップFNに搬送されて定着ニップFNの通過を開始すると、加熱ローラー32の熱が定着ニップFNを通過する記録シートPに奪われる状態になり、加熱ローラー32の表面温度はさらに低下する。
その後は、加熱ローラー32の表面温度が定着温度Tfに維持されるように、ハロゲンヒーター35に供給される電力値が制御される。これにより、加熱ローラー32の表面温度は定着温度Tfに維持される。
しかも、ウォームアップモードから定着モードに切り替わると同時に、加熱ローラー32の加熱を、IH方式からヒーター方式に切り替えているために、ハロゲンヒーター35によって迅速に加熱ローラー32を加熱できる状態とすることができる。これによって、記録シートPが定着ニップFNを通過する場合における加熱ローラー32の表面温度の低下を抑制することができる。従って、定着ニップFNを高速で記録シートPが連続して通過する場合に、加熱ローラー32の表面温度の低下を抑制することができ、記録シートP上のトナー画像が定着不良になるおそれがない。
次に、電力制御部38においてウォーミングアップの終了時にIH方式からヒーター方式に切り替えるための電力制御の他の実施形態について、図8のフローチャートに基づいて説明する。
この例においても、プリントジョブが指示されると(図8のステップS21参照)、電力制御部38は、図6のフローチャートと同様に、IH方式だけによって加熱ローラー32を加熱するために、スイッチング制御回路37dによるスイッチング回路37bの制御を開始させる(ステップS22)。これにより、誘導加熱電源部37はオン状態になる。
その後、温度センサー36による検出温度Tsがウォームアップ完了温度Twに達すると(ステップS23おいて「YES」)、IH方式による加熱ローラー32の加熱を継続しつつ、加熱ローラー32の表面温度を定着温度Tfとする制御(定着モード)を開始する(ステップS24)。定着モードが開始されると、加熱ローラー32の表面温度を定着温度Tfにまで低下させるべく、スイッチング回路37bから出力される高周波電力の電力値が低下するように、スイッチング回路37bの制御周波数が制御される。
このようにして、IH方式による加熱ローラー32の加熱を継続すると、加熱ローラー32の表面温度の低下する割合が徐々に小さくなり、その後、加熱ローラー32の表面温度は上昇状態に切り替わる。
所定の立ち上げ時間taが経過すると(ステップS28において「YES」)、電力制御部38は、温度センサー36による検出温度Tsが定着温度Tfに維持されるようにハロゲンヒーター35を制御する定着モードになる(ステップS29)。
このような電力制御が実行される場合におけるIH方式からヒーター方式への切り替えタイミングを、図9のタイムチャートに基づいて説明する。本実施形態でも、ウォームアップモードでは、IH方式によって加熱ローラー32が加熱されるために、ヒーター方式の場合よりも短いウォームアップ時間tiで、ウォームアップ完了温度Twに到達する。
このこと以外は、実施形態1と同様の構成になっており、本実施形態でも、実施形態1と同様の効果を奏する。
上記実施形態2においては、IH方式からヒーター方式に切り替えるタイミングを、ウォームアップ完了温度Twになった後に、加熱ローラー32の表面温度が低下状態から上昇状態に切り替わったタイミングとしたが(図8のステップS25参照)、本実施形態では、このステップS25に替えて、図10のフローチャートにおけるステップS25’に示すように、温度センサー36の検出温度Tsが、低下状態における単位時間当たりの温度変化の割合が緩和した時点で(ステップS25’において「YES」)、IH方式からヒーター方式に切り替える構成(ステップS26)としている。
図11は、本実施形態の電力制御が実行される場合におけるIH方式からヒーター方式への切り替えタイミングを説明するためのタイムチャートであり、図9に示す実施形態2のタイムチャートとは、IH方式からヒーター方式に切り替えるタイミングが、若干速くなっている。
[実施形態4]
前記各実施形態では、温度センサー36によって検出される加熱ローラー32の表面温度に基づいて、IH方式からヒーター方式に切り替える構成であったが、本実施形態では、スイッチング回路37bから電磁誘導コイル34bへ出力される高周波電力の電力値に基づいて、IH方式による加熱ローラー32の加熱のために商用電源41から供給される電力の配分割合を段階的に減少させると同時に、ヒーター方式による加熱ローラー32の加熱のために商用電源41から供給される電力の配分割合を段階的に増加させる構成としている。
この場合、電力制御部38は、商用電源41からの出力電力値の60%の電力値の交流電力が、誘導加熱電源部37に対して供給されるように、ヒーター電源部39に対して、商用電源41からの出力電力値の40%の電力値の交流電力をハロゲンヒーター35に供給することを指示する。これにより、誘導加熱電源部37はオフ状態にならず、電磁誘導コイル34bに対する電力供給を継続する。
このような状態を、予め設定された所定時間tbが経過するまで継続する(ステップS47)。そして、所定時間tbが経過すると(ステップS47おいて「YES」)、電力制御部38は、商用電源41からの出力電力値の60%の電力値の交流電力をハロゲンヒーター35に供給することを指示する(ステップS48)。
これに対して、商用電源41からの出力電力値の60%の電力値の交流電力が、ハロゲンヒーター35に供給されることにより、ハロゲンヒーター35の発熱量が増加する。
さらにその後に、所定時間tcが経過すると、誘導加熱電源部37はオフ状態(商用電源41からの供給電力の電力値は0W)とされる。これにより、商用電源41から供給される電力の全てがヒーター電源部39へ供給される。
また、本実施形態においても、前記各実施形態と同様に、ウォームアップ時間をヒーター方式で加熱する場合よりも短くすることができる。
[実施形態5]
本実施形態では、スイッチング回路37bから電磁誘導コイル34bへ出力される高周波電力の周波数に基づいて、加熱ローラー32の加熱を、IH方式からヒーター方式に切り替えるようになっている。
[実施形態6]
前記実施形態1では、加熱ローラー32の表面温度がウォームアップ完了温度Twに達した時点でIH方式からヒーター方式に切り替える構成であったが、本実施形態では、IH方式によるウォームアップ時間に基づいて、IH方式からヒーター方式に切り替えるタイミングを変更する構成としている。その他の構成は、実施形態1と同様である。
その後、温度センサー36による検出温度Tsがウォームアップ完了温度Twに達すると(ステップS63おいて「YES」)、電力制御部38は、IH方式による加熱ローラー32の加熱を継続するが、温度センサー36の検出結果に基づいて、加熱ローラー32の表面温度が定着温度Tfに維持する制御を実行する(ステップS64)。
この場合の基準ウォームアップ時間tzは、例えば、加熱ローラー32の表面温度が室温(25℃程度)になった状態からウォームアップ完了温度Twになるまで、IH方式によって加熱するために必要とされる時間(4〜5秒程度)に設定されている。
すなわち、タイマーによって計測されたウォームアップ時間t1が、基準ウォームアップ時間tzよりも長くなっている場合には、ウォームアップの開始前に、プリンターの設置環境の温度(室温)が比較的低い状態にあり、加熱ローラー32の表面温度が通常の室温(25℃程度)よりも低下した状態になっていると考えられる。
また、タイマーによって計測されたウォームアップ時間t1が長くなればなるほど、ウォームアップの開始前における加熱ローラー32の表面温度は、より低い温度になっているために、ウォームアップ完了時における加熱ローラー32の蓄熱量も少なくなると考えられる。このことから、ウォームアップ時間t1が長い場合には、IH方式の延長時間t2を長く設定している。これにより、ハロゲンヒーター35が加熱ローラー32の表面温度を上昇できる発熱状態に立ち上がるまでの間に、加熱ローラー32の表面温度が低下することを確実に抑制することができる。
これに対して、図17の場合、加熱ローラー32の表面温度がウォームアップ完了温度Twに達するまでのウォームアップ時間は、基準ウォームアップ時間tzよりも長くなっているが、図16の場合よりも短く、10秒になっている。このために、IH方式の延長時間t2を、図16の場合よりも短い2秒にしている。
上記の実施形態では、加熱ローラー32を加熱する手段として、ハロゲンヒーター35(第1加熱手段)と、電磁誘導加熱手段(第2加熱手段)とを用いる構成としたが、このように構成に限らない。
例えば、第1加熱手段は、輻射熱によって加熱ローラー32を加熱する構成であれば、ハロゲンヒーター35に限らず、ニクロム線ヒーター等の電熱器を用いる構成としてもよい。なお、ハロゲンヒーター35、ニクロム線ヒーター等の電熱器は、加熱ローラー32の内部に配置する構成に限らず、加熱ローラー32の外側に配置する構成としてもよい。
30 定着装置
32 、加熱ローラー
32c 発熱層
33 加圧ローラー
34 磁束発生ユニット
34b 電磁誘導コイル
35 ハロゲンヒーター
36 温度センサー
37 誘導加熱電源部
37a 整流回路
37b スイッチング回路
37c 出力検出回路
37d スイッチング制御回路
37e 周波数検出回路
38 電力制御部
39 ヒーター電源部
41 商用電源
Claims (7)
- 未定着画像が形成された記録シートが、加熱回転体と加圧体との圧接によって形成された定着ニップを通過する際に、当該記録シートを所定の定着温度に加熱および加圧することによって前記未定着画像を定着する定着装置であって、
電源から供給される電力を第1の電気−熱変換方式で熱に変換し、前記加熱回転体を昇温させる第1加熱手段と、
前記電源から供給される電力を第2の電気−熱変換方式で熱に変換し、前記加熱回転体を昇温させる手段であって、前記加熱回転体の単位時間当たりの昇温率が、定着温度よりも高温域では前記第1加熱手段よりも低く、定着温度よりも低温域では第1加熱手段よりも高くなる特性を有する第2加熱手段と、
前記電源から前記第1加熱手段および前記第2加熱手段へ供給される電力の配分割合を制御する制御手段と、を備え、
前記制御手段は、前記加熱回転体が予め設定された目標温度に達した以降の所定のタイミングまでは、前記第2加熱手段に供給される電力の配分割合を前記第1加熱手段よりも大きくし、前記所定のタイミングで、前記第1加熱手段に供給される電力の配分割合を前記第2加熱手段よりも大きくし、
前記所定のタイミングは、前記加熱回転体の温度が前記目標温度から低下した後に上昇状態に切り替わった時点であることを特徴とする定着装置。 - 未定着画像が形成された記録シートが、加熱回転体と加圧体との圧接によって形成された定着ニップを通過する際に、当該記録シートを所定の定着温度に加熱および加圧することによって前記未定着画像を定着する定着装置であって、
電源から供給される電力を第1の電気−熱変換方式で熱に変換し、前記加熱回転体を昇温させる第1加熱手段と、
前記電源から供給される電力を第2の電気−熱変換方式で熱に変換し、前記加熱回転体を昇温させる手段であって、前記加熱回転体の単位時間当たりの昇温率が、定着温度よりも高温域では前記第1加熱手段よりも低く、定着温度よりも低温域では第1加熱手段よりも高くなる特性を有する第2加熱手段と、
前記電源から前記第1加熱手段および前記第2加熱手段へ供給される電力の配分割合を制御する制御手段と、を備え、
前記制御手段は、前記加熱回転体が予め設定された目標温度に達した以降の所定のタイミングまでは、前記第2加熱手段に供給される電力の配分割合を前記第1加熱手段よりも大きくし、前記所定のタイミングで、前記第1加熱手段に供給される電力の配分割合を前記第2加熱手段よりも大きくし、
さらに、前記制御手段は、前記加熱回転体の温度が前記目標温度になるまでの時間が基準ウォームアップ時間よりも長い場合には、前記加熱回転体の温度が前記目標温度になってから前記第1加熱手段に供給される電力の配分割合を前記第2加熱手段よりも大きくするまでの時間が長くなるように、前記所定のタイミングを変更することを特徴とする定着装置。 - 未定着画像が形成された記録シートが、加熱回転体と加圧体との圧接によって形成された定着ニップを通過する際に、当該記録シートを所定の定着温度に加熱および加圧することによって前記未定着画像を定着する定着装置であって、
電源から供給される電力を第1の電気−熱変換方式で熱に変換し、前記加熱回転体を昇温させる第1加熱手段と、
前記電源から供給される電力を第2の電気−熱変換方式で熱に変換し、前記加熱回転体を昇温させる手段であって、前記加熱回転体の単位時間当たりの昇温率が、定着温度よりも高温域では前記第1加熱手段よりも低く、定着温度よりも低温域では第1加熱手段よりも高くなる特性を有する第2加熱手段と、
前記電源から前記第1加熱手段および前記第2加熱手段へ供給される電力の配分割合を制御する制御手段と、を備え、
前記制御手段は、前記加熱回転体が予め設定された目標温度に達した以降の所定のタイミングまでは、前記第2加熱手段に供給される電力の配分割合を前記第1加熱手段よりも大きくし、前記所定のタイミングで、前記第1加熱手段に供給される電力の配分割合を前記第2加熱手段よりも大きくし、
前記第2加熱手段は、前記加熱回転体の周面に設けられた発熱層を電磁誘導加熱する磁束発生部であり、
前記制御手段は、さらに、
直流電流をスイッチングすることにより高周波電力に変換して前記磁束発生部に供給するスイッチング回路と、
前記スイッチング回路を制御周波数でスイッチングさせる制御回路と、を備え、
前記加熱回転体の温度が前記目標温度に達すると、前記制御周波数を増加させて前記磁束発生部へ供給される高周波電力の電力値を下げる制御を行い、
前記所定のタイミングは、前記磁束発生部へ供給される高周波電力の周波数が所定の閾値周波数よりも増加した時点であることを特徴とする定着装置。 - 前記制御手段は、前記所定のタイミングで、前記第2加熱手段に対する前記電力の配分割合を100%から0%に切り替えることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の定着装置。
- 前記第2加熱手段は、前記加熱回転体の周面に設けられた発熱層を電磁誘導加熱する磁束発生部であることを特徴とする請求項1または2に記載の定着装置。
- 前記第1加熱手段は、ハロゲンヒーターであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の定着装置。
- 請求項1〜6のいずれか一項に記載の定着装置を有することを特徴とする画像形成装置。
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