JP6051564B2 - 定着装置および画像形成装置 - Google Patents

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本発明は、未定着画像が形成された記録シートが、加熱回転体と加圧体との圧接によって形成された定着ニップを通過する際に、記録シートに未定着画像を定着する定着装置、および、このような定着装置を有する画像形成装置に関する。
電子写真方式によってトナー画像を形成するプリンター等の画像形成装置では、通常、トナー画像を記録シートに転写し、定着装置において記録シート上のトナー画像を定着するようになっている。定着装置としては、加熱ローラーと加圧ローラーとの圧接によって定着ニップを形成することが知られており、定着ニップを通過する記録シート上のトナー画像が、加熱および加圧されることによって記録シートに定着される。
このような定着装置では、加熱ローラーの周面に設けられた発熱層を発熱させて加熱ローラーを加熱する方式(自己発熱方式)と、ハロゲンヒーター、ニクロム線ヒーターのような電熱器の輻射熱によって加熱ローラー全体を加熱する方式(輻射(間接)方式)とが知られている。また、自己発熱方式には、発熱層を電磁誘導によって発熱する方式(IH方式)と、ジュール熱を発生する抵抗発熱層に電力を供給して発熱する方式(抵抗発熱方式)とが知られている。
発熱方式および輻射方式のいずれの場合にも、加熱ローラーの表面が、室温(25℃程度)から定着温度(170℃程度)以上にまで加熱するウォームアップ動作の後に、定着動作が開始され、定着動作の間は、加熱ローラーの表面が定着温度に維持されるように制御される。
輻射方式では、電熱器の輻射熱によって加熱ローラー全体を加熱していることから、加熱ローラーの表面を定着温度以上に昇温させるために比較的多くの熱量を必要とし、昇温速度が比較的遅くなる。これに対して、自己発熱方式では、発熱層の発熱によって加熱ローラーを直接的に昇温させているために、輻射方式よりも少ない熱量で定着温度以上に昇温させることができる。
このことから、ウォームアップ動作に要する時間(加熱ローラーの加熱時間)を、自己発熱方式の方が輻射方式よりも短くすることができる。
しかし、自己発熱方式では、発熱層の熱容量が小さいために、加熱ローラーの表面の昇温が容易である一方で、定着ニップを通過する記録シートによって加熱ローラーの熱が奪われると、加熱ローラーの表面温度が低下しやすい特性がある。
また、自己発熱方式の一つであるIH方式では、電磁誘導コイルによって交番磁場を形成し、発熱層に渦電流を発生させて発熱層を発熱させているために、発熱層が定着温度以上の高温状態になると、加熱ローラーと電磁誘導コイルが磁気結合している状態におけるインピーダンスに変化が生じ、発熱層の発熱効率(電磁誘導コイルへの投入電力量の総和に対する、発熱層の誘導発熱に使用される電力の割合)が低下するおそれがある。この場合には、一定の電力によって加熱ローラーを加熱しても、加熱ローラー表面における単位時間当たりの温度上昇率(昇温率)が低下することになる。
このために、IH方式では、ウォームアップで加熱ローラーを昇温させた状態であっても、1枚の記録シートが定着ニップを通過することによって加熱ローラーの熱が奪われると、加熱ローラーの表面温度が急激に低下するおそれがある。特に、IH方式では、定着温度程度の高温状態では、昇温率が低くなるために、定着ニップへ記録シートを連続して高速で搬送させると、加熱ローラーの表面温度が定着温度よりも低下した状態になる可能性が高い。
これに対して、輻射方式では、ウォームアップ終了時における加熱ローラーの蓄熱量が発熱方式よりも多くなっているために、定着ニップを記録シートが通過した場合にも、加熱ローラーの表面温度が、IH方式の場合のように大きく低下するおそれがない。しかも、輻射方式では、IH方式に比較して、加熱ローラーが定着温度以上の高温状態になっても、発熱効率が低下し難いために、定着ニップを記録シートが連続して高速で通過する場合にも、加熱ローラーの表面温度は、定着温度以下に低下するおそれが少ない。
特許文献1には、加熱ローラー(ヒートローラ)を電磁誘導加熱方式によって加熱するとともに、加圧ローラー(プレスローラ)をハロゲンランプヒーターによって加熱する定着装置において、ウォーミングアップモード時と、コピーモード時(あるいはコピー待機モード時)とのそれぞれにおいて、商用電源から出力される一定の電力を、ハロゲンランプヒーターおよび誘導加熱コイルのそれぞれに適切な割合で分配する構成が開示されている。
特開2008−268957号公報
しかしながら、特許文献1に開示された定着装置では、ウォーミングアップモード時およびコピーモード時(あるいはコピー待機モード時)のいずれの場合にも、誘導加熱コイルに対する電力の供給割合を、ハロゲンランプヒーターよりも大きくして、誘導加熱コイルによる加熱ローラーの加熱を優先させている。
このような構成では、ウォームアップ中に、昇温速度が速い誘導加熱コイルに対する電力が制限され、ハロゲンランプヒーターに電力を供給することなく誘導加熱コイルに対してのみ電力を供給する場合よりも、ウォームアップに要する時間が長くなるおそれがある。また、定着動作が開始された場合には、誘導加熱コイルに対する電力の供給割合がハロゲンランプヒーターよりも大きいことによって、誘導加熱コイルのインピーダンス変化による発熱効率の低下を十分に抑制することができないおそれがある。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、ウォームアップ時間が長くなることなく、記録シートが定着ニップを通過する場合における加熱回転体の表面温度が低下することを抑制することができる定着装置を提供することにある。
本発明の他の目的は、そのような定着装置を用いて定着不良を起こすことなく高速でのプリントが可能な画像形成装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明に係る定着装置は未定着画像が形成された記録シートが、加熱回転体と加圧体との圧接によって形成された定着ニップを通過する際に、当該記録シートを所定の定着温度に加熱および加圧することによって前記未定着画像を定着する定着装置であって、電源から供給される電力を第1の電気−熱変換方式で熱に変換し、前記加熱回転体を昇温させる第1加熱手段と、前記電源から供給される電力を第2の電気−熱変換方式で熱に変換し、前記加熱回転体を昇温させる手段であって、前記加熱回転体の単位時間当たりの昇温率が、定着温度よりも高温域では前記第1加熱手段よりも低く、定着温度よりも低温域では第1加熱手段よりも高くなる特性を有する第2加熱手段と、前記電源から前記第1加熱手段および前記第2加熱手段へ供給される電力の配分割合を制御する制御手段と、を備え、前記制御手段は、前記加熱回転体が予め設定された目標温度に達した以降の所定のタイミングまでは、前記第2加熱手段に供給される電力の配分割合を前記第1加熱手段よりも大きくし、前記所定のタイミングで、前記第1加熱手段に供給される電力の配分割合を前記第2加熱手段よりも大きくし、前記所定のタイミングは、前記加熱回転体の温度が前記目標温度から低下した後に上昇状態に切り替わった時点であることを特徴とする。
また、本発明に係る定着装置は、未定着画像が形成された記録シートが、加熱回転体と加圧体との圧接によって形成された定着ニップを通過する際に、当該記録シートを所定の定着温度に加熱および加圧することによって前記未定着画像を定着する定着装置であって、電源から供給される電力を第1の電気−熱変換方式で熱に変換し、前記加熱回転体を昇温させる第1加熱手段と、前記電源から供給される電力を第2の電気−熱変換方式で熱に変換し、前記加熱回転体を昇温させる手段であって、前記加熱回転体の単位時間当たりの昇温率が、定着温度よりも高温域では前記第1加熱手段よりも低く、定着温度よりも低温域では第1加熱手段よりも高くなる特性を有する第2加熱手段と、前記電源から前記第1加熱手段および前記第2加熱手段へ供給される電力の配分割合を制御する制御手段と、を備え、前記制御手段は、前記加熱回転体が予め設定された目標温度に達した以降の所定のタイミングまでは、前記第2加熱手段に供給される電力の配分割合を前記第1加熱手段よりも大きくし、前記所定のタイミングで、前記第1加熱手段に供給される電力の配分割合を前記第2加熱手段よりも大きくし、さらに、前記制御手段は、前記加熱回転体の温度が前記目標温度になるまでの時間が基準ウォームアップ時間よりも長い場合には、前記加熱回転体の温度が前記目標温度になってから前記第1加熱手段に供給される電力の配分割合を前記第2加熱手段よりも大きくするまでの時間が長くなるように、前記所定のタイミングを変更することを特徴とする。
また、本発明に係る定着装置は、未定着画像が形成された記録シートが、加熱回転体と加圧体との圧接によって形成された定着ニップを通過する際に、当該記録シートを所定の定着温度に加熱および加圧することによって前記未定着画像を定着する定着装置であって、電源から供給される電力を第1の電気−熱変換方式で熱に変換し、前記加熱回転体を昇温させる第1加熱手段と、前記電源から供給される電力を第2の電気−熱変換方式で熱に変換し、前記加熱回転体を昇温させる手段であって、前記加熱回転体の単位時間当たりの昇温率が、定着温度よりも高温域では前記第1加熱手段よりも低く、定着温度よりも低温域では第1加熱手段よりも高くなる特性を有する第2加熱手段と、前記電源から前記第1加熱手段および前記第2加熱手段へ供給される電力の配分割合を制御する制御手段と、を備え、前記制御手段は、前記加熱回転体が予め設定された目標温度に達した以降の所定のタイミングまでは、前記第2加熱手段に供給される電力の配分割合を前記第1加熱手段よりも大きくし、前記所定のタイミングで、前記第1加熱手段に供給される電力の配分割合を前記第2加熱手段よりも大きくし、前記第2加熱手段は、前記加熱回転体の周面に設けられた発熱層を電磁誘導加熱する磁束発生部であり、前記制御手段は、さらに、直流電流をスイッチングすることにより高周波電力に変換して前記磁束発生部に供給するスイッチング回路と、前記スイッチング回路を制御周波数でスイッチングさせる制御回路と、を備え、前記加熱回転体の温度が前記目標温度に達すると、前記制御周波数を増加させて前記磁束発生部へ供給される高周波電力の電力値を下げる制御を行い、前記所定のタイミングは、前記磁束発生部へ供給される高周波電力の周波数が所定の閾値周波数よりも増加した時点であることを特徴とする
た、本発明に係る画像形成装置は、前記定着装置を有することを特徴とする。
本発明の定着装置では、ウォームアップ時に、第2加熱手段へ供給される電力の配分割合を第1加熱手段よりも多くしているために、加熱回転体を第1加熱手段だけで加熱する場合よりもウォームアップ時間を短縮することができる。また、加熱回転体が目標温度に達した以降に、電源部から第1加熱手段へ供給される電力の配分割合が、第2加熱手段よりも大きくしているために、定着ニップを記録シートが通過することによって加熱回転体の表面温度が低下しても、加熱回転体の表面温度を第1加熱手段によって迅速に上昇させることができる。これにより、定着ニップを記録シートが連続して高速で通過する場合にも、加熱回転体の表面温度が、未定着画像の定着不良を招来するような温度に低下することを抑制することができる。
好ましくは、前記第2加熱手段は、前記加熱回転体の周面に設けられた発熱層を電磁誘導加熱する磁束発生部であることを特徴とする。
好ましくは、前記制御手段は、前記所定のタイミングで、前記第2加熱手段に対する前記電力の配分割合を100%から0%に切り替えることを特徴とする
好ましくは、前記第1加熱手段は、ハロゲンヒーターであることを特徴とする。
本発明の実施の形態に係る画像形成装置の一例であるカラープリンターの概略構成を示す模式図である。 そのカラープリンターに設けられた定着装置の構成を示す断面図である。 定着装置の制御部である定着制御回路を示すブロック図である。 定着制御回路に設けられたスイッチング回路の制御周波数と、スイッチング回路から出力される高周波電力の電力値との関係(実線)、および、加熱ローラーの発熱層における発熱効率との関係(破線)をそれぞれ示すグラフである。 (a)は、ウォームアップモードおよび定着モードの両方を、IH方式(実線)およびヒーター方式(破線)とした場合の加熱ローラーの表面の温度変化をそれぞれ示すグラフ、(b)は、IH方式およびヒーター方式のそれぞれの昇温率を比較するために、(a)に示されたIH方式による加熱ローラーの表面温度の変化を、ウォームアップの開始がヒーター方式よりも遅れる方向にシフトさせた状態で示したグラフである。 電力制御部において実行される電力制御の一例を示すフローチャートである。 図6に示すフローチャートの電力制御が実行される場合におけるIH方式からヒーター方式への切り替えタイミングを説明するためのタイムチャートである。 電力制御部において実行される電力制御の他の例を示すフローチャートである。 図8に示すフローチャートの電力制御が実行される場合におけるIH方式からヒーター方式への切り替えタイミングを説明するためのタイムチャートである。 電力制御部において実行される電力制御のさらに他の例を示すフローチャートである。 図10に示すフローチャートの電力制御が実行される場合におけるIH方式からヒーター方式への切り替えタイミングを説明するためのタイムチャートである。 電力制御部において実行される電力制御のさらに他の例を示すフローチャートである。 図10に示すフローチャートの電力制御が実行される場合におけるIH方式からヒーター方式への切り替えタイミングを説明するためのタイムチャートである。 電力制御部において実行される電力制御のさらに他の例を示すフローチャートである。 電力制御部において実行される定着装置の電力制御のさらに他の例を示すフローチャートである。 図15に示すフローチャートの電力制御が実行される場合におけるIH方式からヒーター方式への切り替えタイミングの一例を説明するためのタイムチャートである。 図15に示すフローチャートの電力制御が実行される場合におけるIH方式からヒーター方式への切り替えタイミングの他の例を説明するためのタイムチャートである。
以下、本発明に係る画像形成装置の実施の形態について説明する。
<画像形成装置の構成>
図1は、本発明の実施の形態に係る画像形成装置の一例であるタンデム型カラープリンター(以下、単に「プリンター」とする)の概略構成を示す模式図である。このプリンターは、ネットワーク(例えばLAN)を介して外部の端末装置から入力される画像データ等に基づいて、周知の電子写真方式によりトナー画像を形成し、下部の給紙カセット22からシート搬送経路21に沿って搬送される記録シートPにトナー画像を転写する。トナー画像が転写された記録シートPは、定着装置30に搬送され、定着装置30において、トナー画像が記録シートPに定着される。
プリンターの上下方向の略中央部には、周回移動域が水平方向に沿って長くなった中間転写ベルト18が設けられている。中間転写ベルト18は、矢印Xで示す方向に周回移動する。中間転写ベルト18の下方には、画像形成ユニット10Y、10M、10C、10Kが設けられている。画像形成ユニット10Y、10M、10C、10Kは、中間転写ベルト18の下側のベルト移動部分の移動方向に沿って、その順番で配置されている。
各画像形成ユニット10Y、10M、10C、10Kには、中間転写ベルト18の下側のベルト移動部分の下方において、中間転写ベルト18に対向した状態で矢印Z方向に回転可能に配置された感光体ドラム11Y、11M、11C、11Kがそれぞれ設けられており、各感光体ドラム11Y、11M、11C、11Kを用いて、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)およびブラック(K)の各色のトナー画像が形成される。
画像形成ユニット10Y、10M、10C、10Kのそれぞれは、トナー画像を形成するために使用されるトナーの色のみがそれぞれ異なっていること以外は概略同様の構成になっていることから、画像形成ユニット10Yの構成のみを説明して、他の画像形成ユニット10M、10C、10Kの構成の詳細な説明は省略する。
画像形成ユニット10Yは、感光体ドラム11Yの下部に対向して配置された帯電器12Yを有している。感光体ドラム11Yは、帯電器12Yによって表面が一様に帯電される。また、画像形成ユニット10Yの下方には露光装置13Yが設けられており、帯電された感光体ドラム11Yの表面に、露光装置13Yから照射されるレーザ光Lによって静電潜像が形成される。
なお、他の画像形成ユニット10M、10C、10Kのそれぞれの下方にも、露光装置13M、13C、13Kが設けられており、感光体ドラム11M、11C、11Kの表面に、露光装置13M、13C、13Kから照射されるレーザ光Lによって静電潜像が形成される。
感光体ドラム11Yの表面に形成された静電潜像は、現像器14YによってY色のトナーにより現像される。これにより、感光体ドラム11Yの表面に、Y色のトナー画像が形成される。
中間転写ベルト18の周回移動域の内側の領域には、中間転写ベルト18を挟んで感光体ドラム11Yに対向する1次転写ローラー15Yが配置されている。感光体ドラム11Y上に形成されたトナー画像は、転写バイアス電圧が印加された1次転写ローラー15Yによる電界の作用により、中間転写ベルト18上に1次転写される。
他の画像形成ユニット10M、10C、10Kの上方にも、中間転写ベルト18を挟んでそれぞれの感光体ドラム11M、11C、11Kに対向する1次転写ローラー15M、15C、15Kがそれぞれ設けられており、各感光体ドラム11M、11C、11K上に形成されたトナー画像は、転写バイアス電圧が印加された1次転写ローラー15M、15C、15Kによる電界の作用により、中間転写ベルト18上に1次転写される。
なお、フルカラー画像を形成する場合には、各感光体ドラム11Y、11M、11C、11K上に形成されたそれぞれのトナー画像が中間転写ベルト18上の同一の領域に多重転写されるように、各画像形成ユニット10Y、10M、10C、10Kのそれぞれの画像形成動作のタイミングがずらされるようになっている。これに対して、モノクロ画像を形成する場合には、選択された1つの画像形成ユニット(例えばKトナー用の画像形成ユニット10K)のみが駆動されて、その画像形成ユニットの感光体ドラム上に形成されたトナー画像が、中間転写ベルト18における所定領域上に転写される。
トナー画像が形成された中間転写ベルト18の下側のベルト移動部分における移動方向の下流側の端部(図1において右側の端部)には、中間転写ベルト18を周回移動させる駆動ローラー17が配置されている。駆動ローラー17には、中間転写ベルト18が巻き掛けられており、駆動ローラー17に巻き掛けられた中間転写ベルト18に2次転写ローラー19が圧接されている。
中間転写ベルト18と2次転写ローラー19とは相互に圧接されることによって転写ニップTNが形成されており、シート搬送経路21を搬送される記録シートPが転写ニップTNへ搬送される。中間転写ベルト18上に転写されたトナー画像は、記録シートPが転写ニップTNを通過する間に、転写バイアス電圧が印加された2次転写ローラー19によって形成される電界の作用によりに記録シートP上に2次転写される。
転写ニップを通過した記録シートPは、2次転写ローラー19の上方に配置された定着装置30へ搬送される。定着装置30は、相互に圧接された加熱ローラー32と加圧ローラー33とを備えており、加熱ローラー32と加圧ローラー33との圧接により定着ニップFNが形成されている。
加熱ローラー32の軸心部には、加熱ローラー32を輻射熱によって加熱する第1の加熱手段としてのハロゲンヒーター35が配置されている。ハロゲンヒーター35は、輻射熱によって加熱ローラー32の全体を内部から加熱して加熱ローラー32を昇温させる。以下、ハロゲンヒーター35によって加熱ローラー32を加熱する方式をヒーター方式とする。
また、定着装置30には、加熱ローラー32の周面に設けられた後述の発熱層32c(図2参照)を発熱させて、加熱ローラー32の表面を直接的に加熱する磁束発生ユニット34(第2の加熱手段)も設けられている。磁束発生ユニット34は、電磁誘導加熱方式(以下、IH方式とする)によって、加熱ローラー32の発熱層32cを発熱させる。定着装置30の具体的な構成については後述する。
定着装置30では、記録シートP上の未定着のトナー画像が、加熱ローラー32および加圧ローラー33の圧接によって形成された定着ニップFNを通過する間に、加熱および加圧されることによって記録シートP上に定着される。トナー画像が定着された記録シートPは、排紙ローラー24によって排紙トレイ23上に排出される。
<定着装置の構成>
図2は、定着装置30の構成を説明するための模式的な断面図である。図2に示すように、定着装置30は、加熱ローラー32と加圧ローラー33とが相互に平行に配置されており、加熱ローラー32は、ハロゲンヒーター35によるヒーター方式と、磁束発生ユニット34によるIH方式とによって加熱される。
加圧ローラー33は、バネなどを用いた図示しない加圧機構によって所定の圧力で加熱ローラー32に圧接されており、これにより、両者の圧接部分に、トナー画像が転写された記録シートPが通過する定着ニップFNが形成されている。
加圧ローラー33は、定着モーター(図示せず)により、矢印Aで示す方向に所定の周速度で回転駆動される。加圧ローラー33に圧接された加熱ローラー32は、加圧ローラー33の回転に追従して、矢印Bで示す方向に周回移動する。
加熱ローラー32は、円筒状の芯金32aの外周面(表面)に積層された磁性樹脂層32bと、磁性樹脂層32bの外周面(表面)上に密着状態で積層された発熱層32cと、発熱層32cの外周面(表面)上に積層された弾性層32dと、弾性層32dの外周面(表面)上に積層された離型層32eとを有している。
芯金32aは、例えば直径が20mmのアルミニウム、ステンレス等からなる金属によって構成されており、芯金32aの軸心部に、ハロゲンヒーター35が配置されている。ハロゲンヒーター35は、芯金32aの軸心に沿った状態で、芯金32aの軸方向のほぼ全域にわたって設けられている。
磁性樹脂層32bは、例えば、透磁率が1000以上の高い透磁率のMn−Ni−Zn系のフェライトからなる磁性体粒子を樹脂材料内に均一に分散させた磁性樹脂によって、10〜100μm程度の厚さに形成されている。磁性体粒子は、所定のキュリー温度になると強磁性から常磁性になる。このキュリー温度は、トナーを溶融させるために必要な温度以上であって、加熱ローラー32の耐熱温度以下の温度(具体的には、130℃以上、260℃以下の範囲内の温度)に設定される。本実施形態では、キュリー温度は200℃に設定されている。なお、高透磁率の磁性体の粒子としては、酸化鉄を主成分とするフェライト粒子であってもよい。
磁性樹脂層32b上に積層される発熱層32cは、抵抗率が小さな導電性金属、好ましくは非磁性の金属(強磁性でない金属)によって構成される。発熱層32cとしては、Ag、Al、Cu、SuS等が好適に使用され、磁性樹脂層32bに対して密着するように、例えば、メッキ処理によって、磁性樹脂層32b上に積層されている。
発熱層32c上に積層される弾性層32dは、シリコーンゴム、フッ素ゴム等の耐熱性を有する弾性体によって、厚さ200μm程度に構成されている。離型層32eは、例えばフッ素樹脂(PFA(テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)等)によって20μm程度の厚さに形成されている。
加圧ローラー33は、図2に示すように、円筒状に構成された芯金33aと、芯金33aの外周面(表面)上に積層された弾性層33bと、弾性層33bの外周面(表面)上に積層された離型層33cとを有している。
芯金33aは、例えばステンレスなどからなり、本実施形態では直径が20mmになっている。
弾性層33bは、例えば外径が35mmのシリコーンゴムによって構成されている。離型層33cは、例えば厚さが20μmのPFAチューブによって構成されている。
図2に示すように、磁束発生ユニット34は、加熱ローラー32に対して加圧ローラー33とは反対側の側方に配置されており、加熱ローラー32の軸方向に沿って長く延びるコイルボビン34aと、コイルボビン34a内において加熱ローラー32の表面に対向するように保持された電磁誘導コイル34bとを有している。コイルボビン34aは、加熱ローラー32の表面に対向する面が、加熱ローラー32の周方向に沿って円弧状に湾曲しており、加熱ローラー32の外周面との間に、例えば3mm程度の所定の間隔が形成されている。コイルボビン34aの長手方向の両端部は、図示しないフレームなどに固定されている。
電磁誘導コイル34bは、導線を、加熱ローラー32の軸方向に沿って延びる長円形状に複数回にわたって巻回することによって構成されている。電磁誘導コイル34bは、導線に高周波電力が供給されることによって、交番磁場を形成する磁束を発生する。
電磁誘導コイル34bは、後述するように、誘導加熱電源部37(図3参照)から高周波電力が供給される。電磁誘導コイル34bによって交番磁場が形成されると、加熱ローラー32の周面に設けられた発熱層32cに渦電流が発生する。これにより発熱層32cが発熱する。
定着装置30には、加熱ローラー32における表面(外周面)の温度を検出する温度センサー36が設けられている。温度センサー36は、定着ニップFNに対して加熱ローラー32の回転方向上流側であって、磁束発生ユニット34よりも回転方向下流側の位置において、加熱ローラー32の表面に対向して配置されている。
<定着制御回路>
図3は、定着装置30の制御部である定着制御回路を示すブロック図である。この定着制御回路は、商用電源41から供給される交流電力を、所定電力値の高周波電力に変換して電磁誘導コイル34bに供給する誘導加熱電源部37と、商用電源41から供給される交流電力を所定の電力値でハロゲンヒーター35に供給するヒーター電源部39と、誘導加熱電源部37およびヒーター電源部39を制御する電力制御部38とを有している。
電力制御部38は、誘導加熱電源部37およびヒーター電源部39のそれぞれを、出力停止状態(オフ状態)と、それぞれから所定の電力が出力される状態(オン状態)に制御する。ヒーター電源部39がオフ状態に制御されると、商用電源41から供給される交流電力の全て(100%)が誘導加熱電源部37に供給される。また、誘導加熱電源部37がオフ状態に制御されると、商用電源41から供給される交流電力の全て(100%)がヒーター電源部39に供給される。ヒーター電源部39は、商用電源41から供給される交流電力を所定の電力値としてハロゲンヒーター35に供給する。
誘導加熱電源部37は、商用電源41から供給される交流電力を直流電力に整流する整流回路37aと、整流回路37aにて整流された直流電力をスイッチングすることによって高周波電力に変換して電磁誘導コイル34bに出力するスイッチング回路37bと、スイッチング回路37bを所定の制御周波数でスイッチングさせるスイッチング制御回路37dとを有している。
電力制御部38には、整流回路37aからスイッチング回路37bへ出力される電力を検出する電力検出回路37cが設けられている。整流回路37aからスイッチング回路37bへ出力される電力は、スイッチング回路37bから電磁誘導コイル34bに出力される高周波電力(電力値)の変動に対応して変化するために、電力検出回路37cの検出結果に基づいて、スイッチング回路37bから電磁誘導コイル34bへ出力される電力を取得することができる。スイッチング回路37bから電磁誘導コイル34bへ出力される電力は、電磁誘導コイル34bのインピーダンス変化等による消費電力の変動によって変動する。電力検出回路37cの検出結果は、電力制御部38に与えられている。
また、誘導加熱電源部37には、スイッチング回路37bから出力される高周波電力の周波数を測定する周波数検出回路37eが設けられる。周波数検出回路37eの検出結果は、電力制御部38に与えられている。
さらに、電力制御部38には、前述した温度センサー36の出力が与えられている。温度センサー36は、加熱ローラー32の表面温度に対応した信号を電力制御部38に出力する。
電力制御部38は、商用電源41から誘導加熱電源部37およびヒーター電源部39のそれぞれに供給される交流電力の配分割合を制御する。これにより、誘導加熱電源部37およびヒーター電源部39には、商用電源41から所定の配分割合(0〜100%)になるように制御された電力値の交流電力が供給される。
電力制御部38は、電力検出回路37cによって検出されるスイッチング回路37bから出力される高周波電力の電力値と、周波数検出回路37eから出力される高周波電力の周波数とに基づいて、スイッチング回路37bから出力される高周波電力が所定の電力値となるために必要とされる制御周波数を求めて、求められた制御周波数をスイッチング制御回路37dに指示する。これにより、スイッチング回路37bが所定の制御周波数でスイッチング制御されて、所定の高周波電力がスイッチング回路37bから出力される。
また、電力制御部38は、温度センサー36によって検出される加熱ローラー32の表面温度に基づいて、加熱ローラー32の表面温度が定着温度Tf(170℃)を中心とした下限閾値温度と上限閾値温度との範囲内になるように、ヒーター電源部39を制御する。電力制御部38は、加熱ローラー32の表面温度が所定の下限閾値温度よりも低くなったことが温度センサー36によって検出されると、ハロゲンヒーター35に供給される電力値が増加するように、ヒーター電源部39を制御し、加熱ローラー32の表面温度が所定の上限閾値温度よりも高くなったことが温度センサー36によって検出されると、ハロゲンヒーター35に供給される電力値が減少するように、ヒーター電源部39を制御する。
電力制御部38は、プリンターがプリント動作を実行していない待機状態においてプリントジョブが指示されると、加熱ローラー32の表面を定着温度以上の所定のウォームアップ完了温度Tw(目標温度、190℃程度)に昇温させるウォームアップモードとなる。
電力制御部38は、ウォームアップモードでは、IH方式によってのみ加熱ローラー32を加熱するために、商用電源41から出力される交流電力の全て(100%)を誘導加熱電源部37に供給し、商用電源41から出力される交流電力がヒーター電源部39に供給されない状態(配分割合0%)に制御する。このために、ヒーター電源部39を出力停止状態(オフ状態)として、ヒーター電源部39に対しては、商用電源41から出力される交流電力の配分割合を0%(0W)として、誘導加熱電源部37に対しては、商用電源41から出力される交流電力の配分割合を100%(商用電源41からの出力電力値)とする。
従って、ウォームアップモードでは、交流電源41から出力される全ての交流電力が誘導加熱電源部37の整流回路37aに供給されており、整流回路37aは、交流電源41から出力される交流電力の全てを直流電力に変換する。
電力制御部38は、スイッチング回路37bに入力される直流電力を初期設定電力値Wkの高周波電力とするために必要とされる制御周波数を、電力検出回路37cおよび周波数検出回路37eのそれぞれの検出結果に基づいて求めて、求められた制御周波数をスイッチング制御回路37dに指示する。スイッチング制御回路37dは、指示された制御周波数でスイッチング回路37bをスイッチングする。
なお、この場合の初期設定電力値Wkは、後述するように、スイッチング回路37bをスイッチングする際の制御周波数と、スイッチング回路37bから出力される高周波電力(W)との関係、および、制御周波数と発熱層32cの発熱効率との関係の両方に基づいて設定される。
本実施形態では、ウォームアップ完了温度Twに達するタイミングで、ウォームアップモードを終了し、加熱ローラー32の加熱をIH方式からヒーター方式に切り替える構成になっている。
このために、電力制御部38は、加熱ローラー32の表面温度がウォームアップ完了温度Twになると、スイッチング制御回路37dに対してスイッチング回路37bのスイッチングを終了することを指示する。これにより、誘導加熱電源部37は、電力を出力しないオフ状態になり、商用電源41から出力される全ての交流電力(配分割合100%)がヒーター電源部39に供給される。
従って、以後の定着モードでは、商用電源41から出力される全ての交流電力が、商用電源41の出力電力値(W)でヒーター電源部39に供給される。このような状態で、ヒーター電源部39は、電力制御部38からの指示によって、ハロゲンヒーター35に供給される電力値を制御する。これにより、加熱ローラー32の表面温度を、所定の定着温度Tfに維持することができる。
次に、IH方式によって加熱ローラー32を加熱する場合に、誘導加熱電源部37のスイッチング回路37bから電磁誘導コイル34bに出力される高周波電力と、加熱ローラー32の発熱層32cにおける発熱温度との関係について説明する。
IH方式では、スイッチング回路37bの制御周波数が変化することによって、スイッチング回路37bから電磁誘導コイル34bに出力される高周波電力の電力値が変化し、また、発熱層32cの発熱効率(電磁誘導コイル34bに供給される電力量の総和に対する、発熱層32cにおいて誘導発熱に使用される電力の割合)も変化する。
図4は、スイッチング回路37bの制御周波数と、スイッチング回路37bから出力される高周波電力の電力値との関係(実線)、および、スイッチング回路37bの制御周波数と加熱ローラー32の発熱層32cにおける発熱効率との関係(破線)を、それぞれ示している。
スイッチング回路37bは、制御周波数が20〜30kHz程度の低い周波数の範囲では、制御周波数が低いほどスイッチング回路37bにおける電力変換効率が低く、スイッチング回路37bからは高い電力値の高周波電力が出力されるが、制御周波数が増加した場合には電力値が急激に低下する。また、制御周波数が30kHz程度以上に増加すると、制御周波数が増加するほど、高周波電力の電力値は緩やかに低下する
スイッチング回路37bの制御周波数が増加するほど発熱層32cにおける発熱効率が上昇する。この理由は、次のように考えられる。すなわち、スイッチング回路37bの制御周波数が低下すると、発熱層32cの表皮効果も低下する。表皮効果とは高周波電流が導体を流れるとき、電流密度が導体表面で高く、表面から離れると低くなる現象のことである。スイッチング回路37bの制御周波数が高くなるほど電流が発熱層の表面に集中するので、発熱効率は高くなる。
以上のことから、加熱ローラー32の表面温度がウォームアップ完了温度Twになるまで加熱するウォームアップモードでは、スイッチング回路37bの制御周波数を20〜30kHz程度とすれば、出力される高周波電力の電力値が比較的高いが、発熱層32cにおける発熱効率も比較的低い状態になる。
ウォームアップ完了温度Twになるまでの時間を短くするために、電力制御部38に設定された初期設定電力値Wkは、発熱層32cの発熱効率は低くなるが、制御周波数が20〜30kHzの範囲でスイッチング回路37bから出力される電力値に設定されている。
なお、ハロゲンヒーター35は、供給される交流電力の電力値が大きくなるほど、発熱量(輻射熱量)は比例的に増加する。
次に、IH方式およびヒーター方式のそれぞれによって加熱ローラー32を加熱した場合における加熱ローラー32の表面の温度変化について説明する。
図5(a)の実線は、ウォームアップモードおよび定着モードの両方において、IH方式だけで加熱ローラー32を加熱する場合の加熱ローラー32の表面の温度変化を示している。また、図5(a)の破線は、ウォームアップモードおよび定着モードの両方において、ヒーター方式だけで加熱ローラー32を加熱する場合の加熱ローラー32の表面の温度変化を示している。
この場合、IH方式では、商用電源41から出力される交流電力の全てを誘導加熱電源部37へ供給した状態で、前述した初期設定電力値Wkがスイッチング回路37bから出力されるようにスイッチング回路37bの制御周波数を制御している。
また、ヒーター方式では、商用電源41から出力される交流電力の全てをヒーター電源部39に供給した状態で、商用電源41から出力される交流電力の全てをハロゲンヒーター35に供給されるように、ヒーター電源部39を制御している。
さらに、IH方式およびヒーター方式のいずれにおいても、加熱ローラー32の表面温度がウォームアップ完了温度(目標温度)Twに達した時点で、加熱ローラー32の表面温度を定着温度に維持する制御を開始している。また、この時点で、プリント動作を開始しており、記録シートPが定着ニップFNへ搬送される。
ヒーター方式では、ハロゲンヒーター35の発熱(輻射熱)によって加熱ローラー32の全体が加熱されている。従って、ウォームアップが開始されてからウォームアップ完了温度Twになるまで、加熱ローラー32の表面温度は、ほぼ一定の昇温率(単位時間当たりの温度上昇率)で上昇している。
これに対して、IH方式では、加熱ローラー32の周面に設けられた発熱層32cの発熱によって加熱ローラー32の表面が直接的に加熱されるために、ウォームアップの開始から定着温度Tfに達するまでは、加熱ローラー32の表面温度は、ヒーター方式よりも高いほぼ一定の昇温率で上昇している。
しかし、IH方式では、加熱ローラー32の表面温度Tfがウォームアップ完了温度Twに近くなるにつれて、徐々に加熱ローラー32の表面温度の昇温率が低下している。これは、加熱ローラー32と電磁誘導コイル34bが磁気結合している状態のインピーダンス変化によって発熱層32cの発熱効率が低下するためと考えられる。
このように、IH方式では、高温領域において温率は低下するものの、定着温度以下の低温領域では、昇温率がヒーター方式のよりも高くなっているために、ウォームアップの開始から、加熱ローラー32の表面温度がウォームアップ完了温度Twに達するまでに要する時間(ウォームアップ時間)tiは、ヒーター方式のウォームアップ時間thよりも短くなっている。
図5(b)は、IH方式およびヒーター方式のそれぞれの昇温率を比較するために、(a)に示されたIH方式による加熱ローラーの表面温度の変化を、ウォームアップの開始がヒーター方式よりも遅れる方向にシフトさせた状態で示している。
IH方式の昇温率は、定着温度を越えた高温領域においては、ヒーター方式よりも小さくなっている。このことから、定着温度を越えた高温領域においては、IH方式の発熱効率は、ヒーター方式よりも低下していると考えられる。
以上のことから、本実施形態では、ウォームアップモードでは、加熱ローラー32の表面温度が比較的短時間でウォームアップ完了温度Twに達するように、IH方式によって加熱ローラー32を加熱し、加熱ローラー32の表面温度がウォームアップ完了温度Twになった時点でヒーター方式に切り替える電力制御を実行する。
<電力制御部による電力制御>
次に、電力制御部38において実行される本実施形態の電力制御を、図6のフローチャートに基づいて説明する。
電力制御部38は、プリントジョブが指示されない待機状態では、磁束発生ユニット34に電力を供給する誘導加熱電源部37、ハロゲンヒーター35に電力を供給するヒーター電源部39を、それぞれ電力が出力されない動作停止状態(オフ状態:出力電力値0W)にしている。
このような状態でプリントジョブが指示されると(図6のステップS11参照)、電力制御部38は、IH方式によって加熱ローラー32を加熱するウォームアップモードとなり、スイッチング制御回路37dによるスイッチング回路37bの制御を開始させる。これにより、誘導加熱電源部37は高周波電力を出力する動作状態(オン状態)になる(ステップS12)。
この場合、ヒーター電源部39は、電力が出力されないオフ状態を維持しているために、ヒーター電源部39には、商用電源41から出力される交流電力は供給されず(供給電力の配分割合は0%)になり、誘導加熱電源部37には、商用電源41から出力される交流電力の電力値(W)に等しい電力値(供給電力の配分割合は100%)の交流電力が供給される。
電力制御部38には、ウォームアップモードにおける初期設定電力値Wkが予め設定されており、電力制御部38は、設定された初期設定電力値Wkに対応した制御周波数(20〜30kHz程度)をスイッチング制御回路37dに指示する。スイッチング制御回路37dは、電力制御部38によって指示された制御周波数で、スイッチング回路37bをスイッチングする。これにより、スイッチング回路37bは、商用電源41が出力する電力の全てが整流回路37aによって整流された電力を、初期設定電力値Wkの高周波電力に変換して出力する。
この場合、電力制御部38は、電力検出回路37cの検出結果に基づいて、スイッチング回路37bの出力電力の変動を検出しており、スイッチング回路37bの出力電力が変動した場合には、スイッチング回路37bの制御周波数を変更して、スイッチング回路37bから初期設定電力値Wkの高周波電力が出力されるように、スイッチング制御回路37dを制御する。
スイッチング回路37bから出力される高周波電力は、電磁誘導コイル34bに供給される。電磁誘導コイル34bは、供給される高周波電力によって磁束を発生して交番磁場を形成する。この交番磁場によって、加熱ローラー32の発熱層32cには渦電流が発生する。これにより発熱層32cは発熱する。
加熱ローラー32の表面は、発熱層32cの発熱によって直接的に加熱されているために、加熱ローラー32の表面の昇温率はヒーター方式よりも大きくなっている。従って、加熱ローラー32の表面温度は、ヒーター方式と比べて短いウォームアップ時間tiでウォームアップ完了温度Twに達する。
電力制御部38は、スイッチング制御回路37dの制御を開始すると、温度センサー36による検出温度Tsを監視し(ステップS13)、温度センサー36による検出温度Tsが、ウォームアップ完了温度Twに達するまで(Ts≧Tw)、スイッチング制御回路37dの制御を継続して、IH方式による加熱ローラー32の加熱を継続する。
その後、温度センサー36による検出温度Tsがウォームアップ完了温度Twに達すると(ステップS13おいて「YES」)、電力制御部38は、加熱ローラー32の加熱をIH方式からヒーター方式に切り替える。
このために、電力制御部38は、スイッチング制御回路37dによる制御を停止することによって、誘導加熱電源部37の出力を停止(オフ状態)にするとともに(ステップS14)、ヒーター電源部39に対して、商用電源41から出力される電力の全てをハロゲンヒーター35に供給することを指示する(ステップS15)。これにより、商用電源41からの供給電力の配分割合は、電力制御部38が0%(0W)になり、ヒーター電源部39が100%(商用電源41から出力される電力値に等しい)になる。これにより、ヒーター電源部39は、ハロゲンヒーター35に対して電力を供給する状態(オン状態)になる。
ハロゲンヒーター35への電力供給が開始されてから、予め設定された所定の立ち上げ時間taが経過するまで、ハロゲンヒーター35には、商用電源41から出力される電力の全てを供給する(ステップS16)。従って、ヒーター電源部39は、商用電源41から出力される電力値の電力がハロゲンヒーター35へ供給される。
この場合の立ち上げ時間taは、発熱していない状態のハロゲンヒーター35が、加熱ローラー32の蓄熱量(この時点では、IH方式により定着温度程度の高温状態になっている)にほぼ等しい発熱量になるまでに要する時間である。この立ち上げ時間taは、実験等に基づいて予め設定されている。
この場合、加熱ローラー32が高温状態にあるので、ハロゲンヒーター35によるウォームアップ時間thのような長時間を必要とせずに、ハロゲンヒーター35は、短い立ち上げ時間taの間に、加熱ローラー32の表面温度を上昇させることができる状態になる。
すなわち、IH方式による加熱ローラー32の加熱を継続した場合には、図5(a)に示すように、加熱ローラー32の表面温度が短時間で大きく低下するが、本実施形態では、IH方式からヒーター方式に切り替えることによって、ハロゲンヒーター35からの熱により、加熱ローラー32の表面温度が短時間で大きく低下することを抑制できる。
このような立ち上げ時間taが経過すると(ステップS16において「YES」)、電力制御部38は、温度センサー36による検出温度Tsが定着温度Tfになるように、ヒーター電源部39からハロゲンヒーター35に供給される電力値を制御する定着モードになる(ステップS17)。
温度センサー36の検出温度Tsに基づくヒーター電源部39の電力制御は、指示されたプリントジョブが終了するまで継続する(ステップS18)。その後、指示されたプリントジョブが終了すると(ステップS18において「YES」)、電力制御部38は、ヒーター電源部39を動作停止状態(オフ状態)とする(ステップS19)。これにより、誘導加熱電源部37とともに、ヒーター電源部39もオフ状態になり、電力制御部38における電力制御は終了する。
図7は、このような電力制御が実行される場合におけるIH方式からヒーター方式への切り替えタイミングを説明するためのタイムチャートである。
プリントジョブの指示によって、IH方式による加熱ローラー32の加熱が開始されると、加熱ローラー32の表面温度は、ヒーター方式のウォームアップ時間thよりも短いウォームアップ時間tiでウォームアップ完了温度Twに到達する。
加熱ローラー32の表面温度がウォームアップ完了温度Twになると、電力制御部38は、加熱ローラー32の加熱をIH方式からヒーター方式に切り替えて、ハロゲンヒーター35による加熱ローラー32の加熱を開始する。また、加熱ローラー32の表面温度がウォームアップ完了温度Twになった時点でプリント動作が開始される。
この場合、ハロゲンヒーター35は、ヒーター方式に切り替えられた当初は、定着温度以上に加熱された加熱ローラー32を加熱できる状態に立ち上がっていないために、加熱ローラー32は加熱されない状態になり、加熱ローラー32の表面温度はウォームアップ完了温度Twから低下し始める。また、記録シートPが定着ニップFNに搬送されて定着ニップFNの通過を開始すると、加熱ローラー32の熱が定着ニップFNを通過する記録シートPに奪われる状態になり、加熱ローラー32の表面温度はさらに低下する。
その後、所定の立ち上げ時間taが経過して、ハロゲンヒーター35が加熱ローラー32を加熱することができる状態に立ち上がると、加熱ローラー32はハロゲンヒーター35の発熱によって加熱状態になる。これにより、加熱ローラー32の表面温度は、低下割合が徐々に小さくなった後に上昇状態に切り替わる。
その後は、加熱ローラー32の表面温度が定着温度Tfに維持されるように、ハロゲンヒーター35に供給される電力値が制御される。これにより、加熱ローラー32の表面温度は定着温度Tfに維持される。
この場合、ハロゲンヒーター35は、加熱ローラー32を加熱する状態に立ち上がっているために、ハロゲンヒーター35の発熱量(輻射熱量)の変化によって、加熱ローラー32の表面温度が直接的に変化することになる。ハロゲンヒーター35の発熱量は、供給される電力値に比例的に増減することから、加熱ローラー32の表面温度がハロゲンヒーター35に供給される電力値の変化に対応して迅速に変化する。これにより、加熱ローラー32の表面温度を、安定的かつ迅速に定着温度Tfに維持することができる。
以上のように、本実施形態によれば、ウォームアップ時にはIH方式によって加熱ローラー32を加熱しているために、加熱ローラー32の表面温度をウォームアップ完了温度Twに達するまでのウォームアップ時間tiを、ヒーター方式のウォームアップ時間thよりも短縮することができる。
しかも、ウォームアップモードから定着モードに切り替わると同時に、加熱ローラー32の加熱を、IH方式からヒーター方式に切り替えているために、ハロゲンヒーター35によって迅速に加熱ローラー32を加熱できる状態とすることができる。これによって、記録シートPが定着ニップFNを通過する場合における加熱ローラー32の表面温度の低下を抑制することができる。従って、定着ニップFNを高速で記録シートPが連続して通過する場合に、加熱ローラー32の表面温度の低下を抑制することができ、記録シートP上のトナー画像が定着不良になるおそれがない。
なお、本実施形態では、ウォームアップ時に、商用電源41から出力される交流電力をヒーター電源部39へ供給せず(交流電力の配分割合が0%)、商用電源41から出力される交流電力の全て(交流電力の配分割合が100%)を誘導加熱電源部37に供給し、加熱ローラー32の表面温度がウォームアップ完了温度Twになった時点で、商用電源41から出力される交流電力の全て(交流電力の配分割合が100%)をヒーター電源部39へ供給する構成としたが、このような構成に限らず、ウォームアップモードでは、商用電源41から誘導加熱電源部37に供給される交流電力値が、ヒーター電源部39に供給される交流電力値よりも大きく(交流電力の配分割合が50%よりも大きく)なっていればよい。また、IH方式からヒーター方式に切り替えられた後においても、商用電源41からヒーター電源部39に供給される交流電力値が、誘導加熱電源部37に供給される電力値よりも大きく(交流電力値の配分割合が50%よりも大きく)なっていればよい。
[実施形態2]
次に、電力制御部38においてウォーミングアップの終了時にIH方式からヒーター方式に切り替えるための電力制御の他の実施形態について、図8のフローチャートに基づいて説明する。
この例においても、プリントジョブが指示されると(図8のステップS21参照)、電力制御部38は、図6のフローチャートと同様に、IH方式だけによって加熱ローラー32を加熱するために、スイッチング制御回路37dによるスイッチング回路37bの制御を開始させる(ステップS22)。これにより、誘導加熱電源部37はオン状態になる。
この場合も、ヒーター電源部39がオフ状態になっているために、商用電源41からの電力の全て(交流電力の配分割合が100%)が誘導加熱電源部37に供給される。電力制御部38は、スイッチング回路37bから設定された初期設定電力値Wkが出力されるように、制御周波数を制御する。これにより、前記実施形態1と同様に、加熱ローラー32の表面温度が上昇する。
本実施形態においても、加熱ローラー32の表面温度が所定のウォームアップ完了温度Twになるまで、加熱ローラー32をIH方式によって加熱しているために、ウォームアップ時間tiを、ヒーター方式で加熱する場合のウォームアップ時間thよりも短くすることができる。
その後、温度センサー36による検出温度Tsがウォームアップ完了温度Twに達すると(ステップS23おいて「YES」)、IH方式による加熱ローラー32の加熱を継続しつつ、加熱ローラー32の表面温度を定着温度Tfとする制御(定着モード)を開始する(ステップS24)。定着モードが開始されると、加熱ローラー32の表面温度を定着温度Tfにまで低下させるべく、スイッチング回路37bから出力される高周波電力の電力値が低下するように、スイッチング回路37bの制御周波数が制御される。
これにより、スイッチング回路37bから出力される高周波電力は低下し、加熱ローラー32の表面温度が低下し始める。その後、定着ニップFNを通過する記録シートPによって加熱ローラー32の熱が奪われると、加熱ローラー32の表面温度はさらに低下する。
このようにして、IH方式による加熱ローラー32の加熱を継続すると、加熱ローラー32の表面温度の低下する割合が徐々に小さくなり、その後、加熱ローラー32の表面温度は上昇状態に切り替わる。
電力制御部38は、温度センサー36による検出温度Tsが低下状態から上昇状態に切り替わったことを検出すると(ステップS25おいて「YES」)、IH方式に替えてヒーター方式によって加熱ローラー32を加熱するために、スイッチング制御回路37dによる制御を停止させて誘導加熱電源部37をオフ状態にする(ステップS26)。これにより、商用電源41からの交流電力の配分割合は0%(0W)になる。また、ヒーター電源部39をオン状態として、商用電源41から出力される全ての電力をハロゲンヒーター35に供給することを指示する(ステップS27)。
これにより、ヒーター電源部39に対する商用電源41からの供給電力の配分割合が100%となり、ヒーター電源部39は、商用電源41から出力される電力の全て(商用電源41からの出力電力値の電力)をハロゲンヒーター35に供給する。ハロゲンヒーター35は、商用電源41から出力される電力の全てが供給されることによって発熱状態になる。
その後、ハロゲンヒーター35が、所定の立ち上げ時間taが経過するまで、商用電源41から出力される電力の全てをハロゲンヒーター35に供給する(ステップS28)。
所定の立ち上げ時間taが経過すると(ステップS28において「YES」)、電力制御部38は、温度センサー36による検出温度Tsが定着温度Tfに維持されるようにハロゲンヒーター35を制御する定着モードになる(ステップS29)。
その後は、実施形態1と同様に、温度センサー36の検出温度Tsに基づくヒーター電源部39の電力制御は、指示されたプリントジョブが終了するまで継続し、指示されたプリントジョブが終了すると電力制御部38の電力制御は終了する(ステップS29〜S31)。
このような電力制御が実行される場合におけるIH方式からヒーター方式への切り替えタイミングを、図9のタイムチャートに基づいて説明する。本実施形態でも、ウォームアップモードでは、IH方式によって加熱ローラー32が加熱されるために、ヒーター方式の場合よりも短いウォームアップ時間tiで、ウォームアップ完了温度Twに到達する。
本実施形態では、ウォームアップ完了温度Twに到達しても、IH方式による加熱ローラー32の加熱を継続し、加熱ローラー32の表面温度が低下状態から上昇状態に切り替わった時点で、加熱ローラー32の加熱は、IH方式からヒーター方式に切り替えられて、所定の立ち上げ時間taにわたって、商用電源41から出力される電力の全てがハロゲンヒーター35に供給される。
このように、本実施形態では、ウォームアップ完了温度Twになった後に、IH方式による加熱ローラーの加熱を継続した後にヒーター方式に切り替えているために、ハロゲンヒーター35が加熱ローラー32の表面温度を上昇できる状態に立ち上がるまでの間に、加熱ローラー32の表面温度が低下することを抑制することができる。
このこと以外は、実施形態1と同様の構成になっており、本実施形態でも、実施形態1と同様の効果を奏する。
なお、本実施形態でも、ウォームアップ時に、商用電源41から誘導加熱電源部37に供給される交流電力値が、ヒーター電源部39に供給される交流電力値よりも大きく(交流電力値の50%よりも大きな値)なっていればよく、また、IH方式からヒーター方式に切り替えられた後においても、商用電源41からヒーター電源部39に供給される交流電力値が、誘導加熱電源部37に供給される交流電力値よりも大きく(交流電力値の50%よりも大きな値)なっていればよい。
[実施形態3]
上記実施形態2においては、IH方式からヒーター方式に切り替えるタイミングを、ウォームアップ完了温度Twになった後に、加熱ローラー32の表面温度が低下状態から上昇状態に切り替わったタイミングとしたが(図8のステップS25参照)、本実施形態では、このステップS25に替えて、図10のフローチャートにおけるステップS25’に示すように、温度センサー36の検出温度Tsが、低下状態における単位時間当たりの温度変化の割合が緩和した時点で(ステップS25’において「YES」)、IH方式からヒーター方式に切り替える構成(ステップS26)としている。
なお、図10のフローチャートは、図8に示す実施形態2のフローチャートとは、ステップS25’が異なるだけであり、ステップS25’以外は、図8のフローチャートと同様になっている。
図11は、本実施形態の電力制御が実行される場合におけるIH方式からヒーター方式への切り替えタイミングを説明するためのタイムチャートであり、図9に示す実施形態2のタイムチャートとは、IH方式からヒーター方式に切り替えるタイミングが、若干速くなっている。
本実施形態では、このように、IH方式からヒーター方式に切り替えられるタイミングが、実施形態2よりもさらに早くなること以外は、実施形態2と同様の構成であるために、本実施形態においても、実施形態2と同様の効果を奏する。
[実施形態4]
前記各実施形態では、温度センサー36によって検出される加熱ローラー32の表面温度に基づいて、IH方式からヒーター方式に切り替える構成であったが、本実施形態では、スイッチング回路37bから電磁誘導コイル34bへ出力される高周波電力の電力値に基づいて、IH方式による加熱ローラー32の加熱のために商用電源41から供給される電力の配分割合を段階的に減少させると同時に、ヒーター方式による加熱ローラー32の加熱のために商用電源41から供給される電力の配分割合を段階的に増加させる構成としている。
図12は、電力制御部38において実行される本実施形態の電力制御の処理手順を示すフローチャートである。図12に示すように、プリントジョブが指示されると(図12のステップS41参照)、電力制御部38は、IH方式によって加熱ローラー32を加熱するウォームアップモードとなる。従って、IH方式だけによって加熱ローラー32における発熱層32cの温度を上昇させるために、スイッチング制御回路37dによる制御を開始して、誘導加熱電源部37を動作状態(オン状態)にする(ステップS42)。
この場合も、ヒーター電源部39がオフ状態になっているために、商用電源41からの電力の全て(配分割合が100%)が電磁誘導電源部37に供給される。しかも、電力制御部38は、スイッチング回路37bが設定された初期設定電力値Wkを出力するように、スイッチング回路37bの制御周波数を制御する。これにより、スイッチング回路37bは初期設定電力値Wkの高周波電力を電磁誘導コイル34bに出力し、電磁誘導コイル34bによって形成される交番磁場によって加熱ローラー32の発熱層32cが発熱し、加熱ローラー32の表面温度が上昇する。
その後、電力制御部38は、電力検出回路37cによって検出されるスイッチング回路37bの出力電力を監視する(ステップS43)。そして、電力検出回路37cによって検出される高周波電力の電力値Wsが、所定の閾値電力Wtよりも低くなったことが検出されると(ステップS43おいて「YES」)、ヒーター方式による加熱ローラー32の加熱を開始するために、ヒーター電源部39をオン状態とし(ステップS46)、ヒーター電源部39に対して、商用電源41からの出力電力値の40%の電力値の交流電力をハロゲンヒーター35に供給することを指示する。
ステップS43の閾値電力Wtは、初期設定電力値Wkよりも低い電力値であり、例えば、図5(b)に示すように、IH方式による加熱ローラー32の表面温度の昇温率が、ヒーター方式よりも小さくなる場合における電力値に設定されている。このような閾値電力Wtは、実験によって予め設定されている。
この場合、電力制御部38は、商用電源41からの出力電力値の60%の電力値の交流電力が、誘導加熱電源部37に対して供給されるように、ヒーター電源部39に対して、商用電源41からの出力電力値の40%の電力値の交流電力をハロゲンヒーター35に供給することを指示する。これにより、誘導加熱電源部37はオフ状態にならず、電磁誘導コイル34bに対する電力供給を継続する。
なお、この場合のスイッチング回路37bの制御周波数は、ウォームアップモードにおけるスイッチング回路37bの制御周波数(20〜30kHzの範囲)と同様とされる。このように、スイッチング回路37bの制御周波数はウォームアップモードと同様になっているが、商用電源41から供給される電力値(配分割合)が100%から60%に減少しているために、スイッチング回路37bから出力される高周波電力の電力値は低下することになる。
この場合、ヒーター電源部39には、商用電源41から出力される電力値の40%の電力値の交流電力が供給されており、ヒーター電源部39は供給される全ての電力をハロゲンヒーター35に供給する。これにより、ハロゲンヒーター35は発熱を開始する。
このような状態を、予め設定された所定時間tbが経過するまで継続する(ステップS47)。そして、所定時間tbが経過すると(ステップS47おいて「YES」)、電力制御部38は、商用電源41からの出力電力値の60%の電力値の交流電力をハロゲンヒーター35に供給することを指示する(ステップS48)。
これにより、誘導加熱電源部37には、商用電源41からの出力電力値の40%の電力値の交流電力が供給される。従って、この場合も、スイッチング回路37bから出力される高周波電力の電力値はさらに低下することになる。
これに対して、商用電源41からの出力電力値の60%の電力値の交流電力が、ハロゲンヒーター35に供給されることにより、ハロゲンヒーター35の発熱量が増加する。
このような状態を、さらに予め設定された所定時間tcが経過するまで継続し(ステップS49)、所定時間tcが経過すると(ステップS49おいて「YES」)、電力制御部38は、誘導加熱電源部37をオフ状態とする(ステップS50)。これにより、商用電源41から出力される電力の全て(100%)が、ハロゲンヒーター35に供給される。その結果、ハロゲンヒーター35の発熱量がさらに増加する。
以降は、電力制御部38は、温度センサー36による検出温度Tsが定着温度Tfになるように、ヒーター電源部39からハロゲンヒーター35に供給される交流電力を制御する定着モードになる(ステップS51)。その後、プリントジョブが終了するまで定着モードが継続されることは(ステップS51〜S53)、前記各実施形態1〜3と同様である。
このように、本実施形態では、加熱ローラー32の表面温度がウォームアップ完了温度Twに達した後に、スイッチング回路37bの出力電力の低下が検出されると、商用電源41から誘導加熱電源部37に供給される電力値を、60%から40%に段階的に低下させるとともに、商用電源41からヒーター電源部39に供給される電力値を、40%から60%へと段階的に増加させている。
スイッチング回路37bは、図4に示すように、制御周波数を上昇させることにより、入力電力は低下するが、昇温率は上昇する。このために、誘導加熱電源部37に供給される電力の割合を段階的に減少させることにより、発熱層32cにおける発熱量が急激に低下しないようにすることができる。従って、定着ニップFNを記録シートPが通過する場合に加熱ローラー32の表面温度が急激に低下することを抑制することができる。さらに、制御周波数を上昇させたことにより、昇温率が低下することを防止できる。
図13は、実施形態におけるIH方式からヒーター方式への切り替えタイミングを説明するためのタイムチャートである。図13に示すように、ウォームアップの開始当初は、商用電源41から出力される交流電流の全て(100%)が誘導加熱電源部37に供給されるが、スイッチング回路37bから出力される高周波電力の電力値Wsが閾値電力値Wtを下回ると、商用電源41からの出力電力値の40%の電力値の交流電力がヒーター電源部39へ供給される。これにより、誘導加熱電源部37には、商用電源41からの出力電流値の60%の電力値の交流電力が供給される。
その後、所定時間tbが経過すると、商用電源41からの出力電流値の60%の電力値の交流電力がヒーター電源部39へ供給される。これにより、誘導加熱電源部37には、商用電源41からの出力電力値の40%の電力値の交流電流が供給される。
さらにその後に、所定時間tcが経過すると、誘導加熱電源部37はオフ状態(商用電源41からの供給電力の電力値は0W)とされる。これにより、商用電源41から供給される電力の全てがヒーター電源部39へ供給される。
このように、加熱ローラー32の表面温度がウォームアップ完了温度Twになった後に、IH方式によって加熱ローラー32の加熱に使用される電力の割合を段階的に減少し、また、ヒーター方式による加熱ローラー32の加熱に使用される電力の割合を段階的に増加することによって、加熱ローラー32の表面温度が大きく低下することを抑制できる。
また、本実施形態においても、前記各実施形態と同様に、ウォームアップ時間をヒーター方式で加熱する場合よりも短くすることができる。
なお、商用電源41から誘導加熱電源部37およびヒーター電源部39のそれぞれへ供給される交流電力の割合、所定時間tbおよびtc等は、加熱ローラー32の特性等に基づいて適切に設定される。
[実施形態5]
本実施形態では、スイッチング回路37bから電磁誘導コイル34bへ出力される高周波電力の周波数に基づいて、加熱ローラー32の加熱を、IH方式からヒーター方式に切り替えるようになっている。
図14は、電力制御部38において実行される本実施形態の電力制御の処理手順を示すフローチャートである。本実施形態では、図6に示す実施形態1のフローチャートのステップS13(温度センサー36による検出温度Tsと、ウォームアップ完了温度Twとの比較)に替えて、周波数検出回路37eによって検出されスイッチング回路37bの出力高周波電力の周波数fsと、予め設定された閾値周波数ftとを比較するステップS13’に変更している。この場合の閾値周波数ftは、初期設定電力値Wkに対応した周波数よりも高い周波数(35kHz程度)に設定されている。その他の構成は、図6に示す実施形態1のフローチャートと同様になっている。
本実施形態では、電力制御部38は、ステップS13’において、周波数検出回路37eによって検出される周波数fsが、閾値周波数ft以上に増加していること(fs≧ft)を検出すると(ステップS13’において「YES」)、スイッチング制御回路37dによる制御を停止することによって、誘導加熱電源部37を、出力停止状態(オフ状態)にするとともに(ステップS14)、ヒーター電源部39に対して、商用電源41から供給される電力の全てをハロゲンヒーター35に供給することを指示する(ステップS15)。これにより、ヒーター電源部39は、ハロゲンヒーター35に対する電力供給状態(オン状態)になる。以後の制御は、図6に示すフローチャートと同様である。
このように、本実施形態は、ウォームアップモードにおいて、加熱ローラー32の表面温度がウォームアップ完了温度Twに達したことを、スイッチング回路37bから出力される高周波電力の周波数fsに基づいて判定すること以外は、実施形態1と同様の構成になっている。従って、本実施形態においても、実施形態1と同様の効果を奏する。
[実施形態6]
前記実施形態1では、加熱ローラー32の表面温度がウォームアップ完了温度Twに達した時点でIH方式からヒーター方式に切り替える構成であったが、本実施形態では、IH方式によるウォームアップ時間に基づいて、IH方式からヒーター方式に切り替えるタイミングを変更する構成としている。その他の構成は、実施形態1と同様である。
図15は、電力制御部38において実行される本実施形態の電力制御の処理手順を示すフローチャートである。図15に示すように、本実施形態においても、プリントジョブが指示されると(図15のステップS51参照)、電力制御部38は、IH方式によって加熱ローラー32を加熱するウォームアップを開始し、誘導加熱電源部37をオン状態にする(ステップS62)。
この場合、ウォームアップ完了温度Twに達するまでの時間を計測するためのタイマーによる計時を開始する(タイマーオン)。
その後、温度センサー36による検出温度Tsがウォームアップ完了温度Twに達すると(ステップS63おいて「YES」)、電力制御部38は、IH方式による加熱ローラー32の加熱を継続するが、温度センサー36の検出結果に基づいて、加熱ローラー32の表面温度が定着温度Tfに維持する制御を実行する(ステップS64)。
このとき、電力制御部38は、タイマーによって計測された時間t1を読み込んで(ステップS65)、タイマー計測時間t1が、予め設定された基準ウォームアップ時間tzよりも長くなっているかを判定する(ステップS66)。
この場合の基準ウォームアップ時間tzは、例えば、加熱ローラー32の表面温度が室温(25℃程度)になった状態からウォームアップ完了温度Twになるまで、IH方式によって加熱するために必要とされる時間(4〜5秒程度)に設定されている。
タイマー計測時間t1が、基準となるウォームアップ時間(基準ウォームアップ時間)tz以下の場合には(t1≦tz、ステップS66において「NO」)、ステップS69に進んで、前述した実施形態1における図6のフローチャートのステップS14〜S19と同様に、誘導加熱電源部37をオフ状態として(ステップS69)、ヒーター電源部39に対して、供給される電力の全て(配分割合100%)をハロゲンヒーター35に供給することを指示する(ステップS70)。そして、所定の立ち上がり時間taが経過すると、その後は、前記実施形態1と同様に、プリントジョブが終了するまで、温度センサー36による検出温度Tsが定着温度Tfになるように、ヒーター電源部39を制御する(ステップS71〜S74)。
ステップS66において、タイマー計測時間t1が、基準ウォームアップ時間tzよりも長くなっている場合には(t1>tz、ステップS66において「YES」)、ステップS67に進んで、ヒーター方式に切り替えることなく、継続してIH方式によって加熱ローラー32を加熱するために、IH方式による延長時間t2を、タイマー計測時間t1に基づいて設定する(ステップS67)。延長時間t2は、タイマー計測時間t1と基準ウォームアップ時間tzとの差分が大きくなるほど、長くなるように設定される。
その後、設定された延長時間t2が経過するまで、IH方式による加熱ローラー32の加熱を継続し(ステップS68)、延長時間t2が経過すると(ステップS68において「YES」)、ステップS69に進む。ステップS69では、誘導加熱電源部37をオフ状態とする。次いで、ヒーター電源部39に対して、供給される電力の全て(配分割合100%)をハロゲンヒーター35に供給することを指示する(ステップS70)。その後のステップS71〜S74は前述した通りである。
このように、タイマーによって計測されたウォームアップ時間t1が、基準ウォームアップ時間tzよりも長くなっている場合に、IH方式による加熱ローラー32の加熱を延長するのは、以下の理由による。
すなわち、タイマーによって計測されたウォームアップ時間t1が、基準ウォームアップ時間tzよりも長くなっている場合には、ウォームアップの開始前に、プリンターの設置環境の温度(室温)が比較的低い状態にあり、加熱ローラー32の表面温度が通常の室温(25℃程度)よりも低下した状態になっていると考えられる。
このような状態で、加熱ローラー32の表面温度がウォームアップ完了温度TwになるようにIH方式での発熱層32cの発熱だけで加熱して、ウォームアップ完了温度TwになったタイミングでIH方式からヒーター方式に切り替えた場合には、プリンターの設置環境の温度が低いことによって、加熱ローラー32における蓄熱量が十分でないために、ハロゲンヒーター35は、所定の立ち上げ時間taが経過しても、加熱ローラー32を定着温度Tfに加熱することができる状態に立ち上がらないおそれがある。この場合には、加熱ローラー32の表面温度が、定着ニップFNを通過する記録シートPに奪われることによって、定着温度Tfよりも低下するおそれがある。
このような定着不良を防止するために、本実施形態では、IH方式によるウォームアップ時間をタイマーによって計測して、計測されたウォームアップ時間t1が基準ウォームアップ時間tzよりも長くなっている場合には、IH方式による加熱ローラー32のウォーム時間を延長して、加熱ローラー32における蓄熱量を増加させている。
また、タイマーによって計測されたウォームアップ時間t1が長くなればなるほど、ウォームアップの開始前における加熱ローラー32の表面温度は、より低い温度になっているために、ウォームアップ完了時における加熱ローラー32の蓄熱量も少なくなると考えられる。このことから、ウォームアップ時間t1が長い場合には、IH方式の延長時間t2を長く設定している。これにより、ハロゲンヒーター35が加熱ローラー32の表面温度を上昇できる発熱状態に立ち上がるまでの間に、加熱ローラー32の表面温度が低下することを確実に抑制することができる。
図16および図17は、それぞれ、本実施形態におけるIH方式からヒーター方式への切り替えタイミングの一例を説明するためのタイムチャートである。図16では、プリンターの待機状態における加熱ローラー32の表面温度が、室温よりも比較的低い温度になった状態でウォームアップを開始しており、図17では、加熱ローラー32の表面温度が、室温(25℃)よりも低くなっているが、図16の場合よりも高くなった状態でウォームアップを開始している。
図16の場合、加熱ローラー32の表面温度がウォームアップ完了温度Twに達するまでのウォームアップ時間が20秒と長くなっているために、IH方式の延長時間t2を5秒に設定している。
これに対して、図17の場合、加熱ローラー32の表面温度がウォームアップ完了温度Twに達するまでのウォームアップ時間は、基準ウォームアップ時間tzよりも長くなっているが、図16の場合よりも短く、10秒になっている。このために、IH方式の延長時間t2を、図16の場合よりも短い2秒にしている。
このように、本実施形態では、ウォームアップ時間t1に基づいて、IH方式による加熱ローラー32の加熱時間を延長しているために、ハロゲンヒーター35が加熱ローラー32を加熱することができる状態に立ち上がるまでの間に、加熱ローラー32の表面温度が低下することを抑制することができる。その結果、定着不良が生じることを確実に抑制することができる。このこと以外は、本実施形態においても、実施形態1と同様の効果を奏する。
<変形例>
上記の実施形態では、加熱ローラー32を加熱する手段として、ハロゲンヒーター35(第1加熱手段)と、電磁誘導加熱手段(第2加熱手段)とを用いる構成としたが、このように構成に限らない。
例えば、第1加熱手段は、輻射熱によって加熱ローラー32を加熱する構成であれば、ハロゲンヒーター35に限らず、ニクロム線ヒーター等の電熱器を用いる構成としてもよい。なお、ハロゲンヒーター35、ニクロム線ヒーター等の電熱器は、加熱ローラー32の内部に配置する構成に限らず、加熱ローラー32の外側に配置する構成としてもよい。
また、第2加熱手段も、IH方式に限るものではない。例えば、加熱ローラー32の周面に設けられた発熱層を、商用電源41から供給される電力によりジュール熱を発生する抵抗発熱層としてもよい。このような抵抗発熱層も、加熱ローラー32が加熱されていない低温状態では、加熱ローラー32を温度上昇させる際の発熱効率が、ハロゲンヒーター35等の第1加熱手段よりも高く、高温状態になると、第1加熱手段よりも低くなる特性を有している。
また、上記の実施形態では、加熱ローラー32と加圧ローラー33との圧接によって定着ニップを形成する構成であったが、このような構成に限らない。例えば、加熱ローラー32に替えて加熱ベルトを用いてもよい。さらに、加圧ローラー33に替えて、加圧ベルトを用いる構成、あるいは、回転しないように固定的に配置された加圧体を用いる構成としてもよい。
本発明は、未定着画像が形成された記録シートが、加熱回転体と加圧体との圧接によって形成された定着ニップを通過する際に、当該記録シートを加熱および加圧することによって未定着画像を定着する定着装置において、ウォームアップ時間を短縮するとともに、記録シートが定着ニップを通過する際における加熱回転体の温度の低下を抑制する技術として有用である。
10Y、10M、10C、10K プロセスユニット
30 定着装置
32 、加熱ローラー
32c 発熱層
33 加圧ローラー
34 磁束発生ユニット
34b 電磁誘導コイル
35 ハロゲンヒーター
36 温度センサー
37 誘導加熱電源部
37a 整流回路
37b スイッチング回路
37c 出力検出回路
37d スイッチング制御回路
37e 周波数検出回路
38 電力制御部
39 ヒーター電源部
41 商用電源

Claims (7)

  1. 未定着画像が形成された記録シートが、加熱回転体と加圧体との圧接によって形成された定着ニップを通過する際に、当該記録シートを所定の定着温度に加熱および加圧することによって前記未定着画像を定着する定着装置であって、
    電源から供給される電力を第1の電気−熱変換方式で熱に変換し、前記加熱回転体を昇温させる第1加熱手段と、
    前記電源から供給される電力を第2の電気−熱変換方式で熱に変換し、前記加熱回転体を昇温させる手段であって、前記加熱回転体の単位時間当たりの昇温率が、定着温度よりも高温域では前記第1加熱手段よりも低く、定着温度よりも低温域では第1加熱手段よりも高くなる特性を有する第2加熱手段と、
    前記電源から前記第1加熱手段および前記第2加熱手段へ供給される電力の配分割合を制御する制御手段と、を備え、
    前記制御手段は、前記加熱回転体が予め設定された目標温度に達した以降の所定のタイミングまでは、前記第2加熱手段に供給される電力の配分割合を前記第1加熱手段よりも大きくし、前記所定のタイミングで、前記第1加熱手段に供給される電力の配分割合を前記第2加熱手段よりも大きくし、
    前記所定のタイミングは、前記加熱回転体の温度が前記目標温度から低下した後に上昇状態に切り替わった時点であることを特徴とする定着装置。
  2. 未定着画像が形成された記録シートが、加熱回転体と加圧体との圧接によって形成された定着ニップを通過する際に、当該記録シートを所定の定着温度に加熱および加圧することによって前記未定着画像を定着する定着装置であって、
    電源から供給される電力を第1の電気−熱変換方式で熱に変換し、前記加熱回転体を昇温させる第1加熱手段と、
    前記電源から供給される電力を第2の電気−熱変換方式で熱に変換し、前記加熱回転体を昇温させる手段であって、前記加熱回転体の単位時間当たりの昇温率が、定着温度よりも高温域では前記第1加熱手段よりも低く、定着温度よりも低温域では第1加熱手段よりも高くなる特性を有する第2加熱手段と、
    前記電源から前記第1加熱手段および前記第2加熱手段へ供給される電力の配分割合を制御する制御手段と、を備え、
    前記制御手段は、前記加熱回転体が予め設定された目標温度に達した以降の所定のタイミングまでは、前記第2加熱手段に供給される電力の配分割合を前記第1加熱手段よりも大きくし、前記所定のタイミングで、前記第1加熱手段に供給される電力の配分割合を前記第2加熱手段よりも大きくし、
    さらに、前記制御手段は、前記加熱回転体の温度が前記目標温度になるまでの時間が基準ウォームアップ時間よりも長い場合には、前記加熱回転体の温度が前記目標温度になってから前記第1加熱手段に供給される電力の配分割合を前記第2加熱手段よりも大きくするまでの時間が長くなるように、前記所定のタイミングを変更することを特徴とする定着装置。
  3. 未定着画像が形成された記録シートが、加熱回転体と加圧体との圧接によって形成された定着ニップを通過する際に、当該記録シートを所定の定着温度に加熱および加圧することによって前記未定着画像を定着する定着装置であって、
    電源から供給される電力を第1の電気−熱変換方式で熱に変換し、前記加熱回転体を昇温させる第1加熱手段と、
    前記電源から供給される電力を第2の電気−熱変換方式で熱に変換し、前記加熱回転体を昇温させる手段であって、前記加熱回転体の単位時間当たりの昇温率が、定着温度よりも高温域では前記第1加熱手段よりも低く、定着温度よりも低温域では第1加熱手段よりも高くなる特性を有する第2加熱手段と、
    前記電源から前記第1加熱手段および前記第2加熱手段へ供給される電力の配分割合を制御する制御手段と、を備え、
    前記制御手段は、前記加熱回転体が予め設定された目標温度に達した以降の所定のタイミングまでは、前記第2加熱手段に供給される電力の配分割合を前記第1加熱手段よりも大きくし、前記所定のタイミングで、前記第1加熱手段に供給される電力の配分割合を前記第2加熱手段よりも大きくし、
    前記第2加熱手段は、前記加熱回転体の周面に設けられた発熱層を電磁誘導加熱する磁束発生部であり、
    前記制御手段は、さらに、
    直流電流をスイッチングすることにより高周波電力に変換して前記磁束発生部に供給するスイッチング回路と、
    前記スイッチング回路を制御周波数でスイッチングさせる制御回路と、を備え、
    前記加熱回転体の温度が前記目標温度に達すると、前記制御周波数を増加させて前記磁束発生部へ供給される高周波電力の電力値を下げる制御を行い、
    前記所定のタイミングは、前記磁束発生部へ供給される高周波電力の周波数が所定の閾値周波数よりも増加した時点であることを特徴とする定着装置。
  4. 前記制御手段は、前記所定のタイミングで、前記第2加熱手段に対する前記電力の配分割合を100%から0%に切り替えることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の定着装置。
  5. 前記第2加熱手段は、前記加熱回転体の周面に設けられた発熱層を電磁誘導加熱する磁束発生部であることを特徴とする請求項1または2に記載の定着装置。
  6. 前記第1加熱手段は、ハロゲンヒーターであることを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の定着装置。
  7. 請求項1〜のいずれか一項に記載の定着装置を有することを特徴とする画像形成装置。
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