JP2013244421A - 有機溶剤の再生方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】印刷時に発生する有機溶剤を溶剤回収装置にて回収する際、有機溶剤含有ガス中に有機酸が含まれる場合であっても、溶剤回収装置内において、親水性吸着材を用いることで選択的且つ連続的に有機酸を除去することで、中和や蒸留操作等の別段の処理を実施することなく、有機酸含有量の少ない溶剤の再生を可能にした、回収溶剤の再生方法の提供。
【解決手段】印刷時に発生する有機溶剤を含むガスを回収する有機溶剤回収装置内において、有機溶剤含有ガスと吸着材とを接触させて、有機溶剤含有ガスに含まれる有機酸を除去し、有機酸含有量の少ない溶剤を回収することを特徴とする有機溶剤の再生方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、印刷時に発生する有機溶剤含有ガスから有機溶剤を回収して再利用する有機溶剤回収装置における有機溶剤の再生方法に関するものである。
近年、成層圏におけるオゾン層の破壊、低層圏における酸性雨による農作物被害、森林資源の枯渇、光化学オキシダントによる人体への影響などが深刻化し、地球温暖化防止、大気汚染防止等の観点から、PRTR法の施行、悪臭防止法の規制強化、京都議定書の二酸化炭素削減、大気汚染防止法の改定等大気環境保全に関する法律も年々厳しくなってきている。特に有機溶剤を大量に使用し放出しているグラビア印刷業界等では有機溶剤の排出量削減が急務となっており、発生する有機溶剤を含むガスを有機溶剤回収装置によって吸着回収し、回収された有機溶剤を再生し再利用することが望まれている。
グラビア印刷における有機溶剤排出の問題を解決する手段の一つに、印刷時に発生する有機溶剤を含むガスを燃焼させる方法が挙げられるが、有機溶剤を燃焼した際に発生する二酸化炭素や酸性ガスの排出が問題となる。
これらの問題を解決する方法として、溶剤回収装置の設置によって有機溶剤を回収し、再利用する方法が挙げられる。有機溶剤の排出量を大幅に削減することができるだけでなく、二酸化炭素排出量の削減、枯渇資源であり価格が高騰しつつある有機溶剤の有効利用という観点からも近年非常に注目されている。
例えば印刷時に発生した有機溶剤を活性炭等の吸着剤により吸着捕集し、捕集した有機溶剤を加熱水蒸気等によって加熱脱着し、冷却・凝縮して有機溶剤を回収する方法がある。
このような方法で有機溶剤を回収するには、印刷機から発生する有機溶剤、その他の有機溶剤を含むガスを活性炭の充填された充填槽に送り込み、有機溶剤を活性炭に吸着させた後、多量の水蒸気と接触させることで有機溶剤を脱離させて回収する方法が知られている。活性炭はゼオライトやアルミナと比較して細孔内表面の疎水性が優れているとともに吸着容量も高い。従って水分は吸着しにくく、相対的に疎水性の強い有機溶剤の吸着に向いているため幅広く用いられている。
しかしながら、印刷時に印刷インキ組成物に使用される有機溶剤としてエステル系溶剤が含まれる場合、吸脱着工程において熱が与えられることにより、また活性炭等の吸着材の触媒作用も加わり、エステル系溶剤が加水分解した酢酸等の有機酸や、あるいはインキ原料である樹脂や添加剤由来の有機酸が発生することが知られている。このような酸性分が回収された有機溶剤中に混入した場合、有機酸による溶剤使用ラインや金属缶などに錆が発生し腐食の原因となる。さらにその有機酸が混入した回収有機溶剤をそのまま印刷インキ組成物の原料として再利用した場合、印刷物や包装材料の臭気に悪影響を与えてしまうため、蒸留や中和等の処理によって回収有機溶剤中の酸を除去する必要があった。
例えば、回収有機溶剤中の有機酸を処理する方法として、凝縮・液化した回収有機溶剤中に塩基性物質等の中和剤を添加することによって回収有機溶剤中に含まれている酸を中和し、必要に応じてその後に蒸留精製を行うことで回収有機溶剤中の酸を除去する方法が考えられる。しかし中和処理前後に回収有機溶剤のpHを測定し、中和処理に必要な塩基性物質の添加量を適正にして、回収溶剤のpHを調整する必要があるため、回収有機溶剤を連続的かつ安定的に再生し再利用することは困難である。また何れの場合も、蒸留塔等の設置にコストが掛かるだけでなく、保有空地を設けるなどの制限が生じる他、回収した有機溶剤を再利用するための工程が複雑になり、回収有機溶剤の損失も大幅に増え、回収有機溶剤を再利用するためのコストが増加してしまうという問題があった。
また、別の方法として酸性分の除去を目的として吸着材を用いる場合が考えられる。しかし例えば活性炭のような非極性吸着材には目的の物質のみを吸着させる選択性はほとんどない上、活性炭表面が非極性であるために、疎水性が強くまた濃度が高い物質ほど吸着しやすい性質がある。そのためエステル系溶剤やアルコール系溶剤等の主成分の中に相対的に低濃度含まれている親水性物質である有機酸を、活性炭を用いて効率的に吸着除去することは大変困難である。
さらに、例えば活性炭などの吸着材や多孔質基材を担体としてその表面に塩基性物質を添着させたものを用いて有機酸を直接中和除去するような処理方法も一般に知られている
(特許文献1)。
しかしこれを気相中で処理する場合、固体表面の塩基性物質と有機酸とを効率的に反応させることは難しく、さらに吸着材表面で生成した中和塩は脱離飛散することがありコンタミの要因となりうる。また液中での反応であったとしても、塩基性物質及びその中和塩が微分散し液中にコンタミすることが考えられる。さらに塩基性物質が消費されれば薬剤を交換しなければならず、交換費用やそれに伴う人件費等が嵩んでしまう。
このように、印刷時に発生する有機溶剤含有ガスを回収する有機溶剤回収装置内において、含有する有機酸を効率よく高いレベルで除去できる再生方法が求められていた。
特開2009−195828号公報
本発明は、かかる状況に鑑みなされたものであって、印刷時に発生する有機溶剤を回収する有機溶剤回収装置内で生成する有機酸を、有機酸を含む有機溶剤含有ガスと親水性吸着材とを通気・接触させることで容易に且つ連続的に除去することができ、蒸留等や中和処理といった別段の精製処理を行うことなくインキ組成物の原料として再利用できる有機溶剤の再生方法を提供するものである。
本発明者らは、前記課題を解決するために誠意研究を重ね、以下に示すような有機溶剤の再生方法によって本発明を完成するに至った。
即ち本発明は、有機溶剤回収装置を使用する有機溶剤の再生方法であって、
有機溶剤含有ガスと有機酸吸着材とを接触させ、有機溶剤含有ガスに含まれる有機酸を除去し、有機酸が除去された有機溶剤含有ガスを凝縮させ、有機酸含有量の少ない溶剤を回収することを特徴とする有機溶剤の再生方法であって、
有機酸吸着材が、細孔径0.8nm〜10nmの親水性吸着材であることを特徴とする有機溶剤の再生方法に関するものである。
また、本発明は、上記有機酸親水性吸着材が、ゼオライト、活性アルミナおよびシリカゲルから選ばれる1種類以上であることを特徴とする有機溶剤の再生方法に関するものである。
さらに、本発明は、上記のゼオライトが、X型であることを特徴とする有機溶剤の再生方法に関するものである。
本発明の有機溶剤の再生方法によれば、細孔径0.8nm〜10nmの親水性吸着材を用いることによって、有機溶剤含有ガス中の有機酸を選択的に吸着除去することができる。
例えば活性炭などの吸着材に塩基性物質を添着させる等して、有機酸を直接中和除去するような処理方法を用いる場合では、吸着材表面で生成した中和塩は飛散して回収した有機溶剤に混入する可能性があり、また塩基性物質が消費されれば吸着材を交換しなければならない。
これに対して本発明の処理方法は、物理吸着が主体となる処理のため、中和塩を生じることが無く、また吸着材の再生も容易であり繰り返し使用することができるため吸着材または薬剤の交換に掛かる手間や費用が掛からないという利点がある。加えて反応場が気相中であるため、例えば有機溶剤溶液中で用いる場合に比して取扱いが容易で手間がかからず、再生処理も容易である。
また、細孔径が0.8nm未満の親水性吸着材を用いた場合、有機酸の分子サイズに対し細孔径が小さくなり、有機酸は細孔内部の吸着サイトへと到達し難くなるため吸着し難くなる。一方、細孔径が0.8nm近傍であっても疎水性の吸着材では有機酸よりも共存するより疎水性が強い溶剤を吸着するため、有機酸の選択的吸着除去には適さない。
本発明の有機溶剤の再生方法に使用する実施例に用いた処理装置の正面及び右 面図である。 本発明の有機溶剤の再生方法に使用する実施例に用いた極性吸着材部の 模式図である。
本発明は、印刷時に発生する有機溶剤含有ガスから、その工程で生成する有機酸を除去する有機溶剤の再生方法である。印刷時に使用される溶剤としては、グラビア印刷及びフレキソ印刷で一般的に使用される有機溶剤を対象としている。即ち有機溶剤としては、ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタンなどの脂肪族炭化水素系溶剤、クロヘキサン、メチ
ルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタンなどの脂環
族炭化水素系溶剤、トルエンなどの芳香族炭化水素系溶剤、さらにアセトン,メチルエチ
ルケトン、メチルイソブチルケトン、炭酸ジメチルなどのケトン系溶剤、さらに酢酸メチ
ル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、プロピレングリコールモノエチルエーテル
アセテートなどのエステル系溶剤、さらにメタノール、エタノール、n−プロパノール、
iso−プロパノール、ブタノールなどのアルコール系溶剤、さらにプロピレングリコー
ルモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテルなどのグリコールエー
テル系溶剤等が挙げられる。
これらの溶剤は、印刷インキの印刷適性や印刷効果などを考慮して適宜組み合わせて使用されることもある。
本発明による有機溶剤の再生方法では、有機酸を含む有機溶剤含有ガスと接触させるための親水性吸着材の形態は特に限定されるものではなく、粒状、ペレット状、シート状でも良く、また好ましくは圧力損失が小さく、表面積が大きく、ハンドリングに優れるようにプリーツ加工、コルゲート加工、ハニカム加工等を施されていても良く、必要に応じて選択することができる。
本発明による有機溶剤の再生方法は、吸着材と有機溶剤含有ガスの接触の方法について特に限定するものではなく、ロータータイプに代表されるような連続処理装置を用いても良く、また複数の槽に吸着材を充填した回分処理装置を用いても良い。
本発明による有機溶剤の再生方法に用いられる吸着材は細孔径0.8nm〜10nmの親水性吸着材であるが、中でも粘土系鉱物吸着剤であるゼオライトが、さらに好ましくはX型ゼオライトが良い。
印刷時に発生する有機溶剤含有ガスを回収する有機溶剤回収装置内において、有機酸を含む有機溶剤含有ガスを親水性吸着材へと導入すると、有機溶剤含有ガスに含まれる有機酸は、一般に親水性で極性が高いため、親水性吸着材の極性効果により選択的に吸着除去される。親水性吸着材を通過した有機溶剤含有ガスは有機酸が除去・低減された状態となる。
有機溶剤回収装置内において、親水性吸着材を設置する場所は特に限定されるものではないが、有機酸とともにある程度以上の水分が共存すると有機酸の吸着が阻害されるため、有機溶剤含有ガスに水分が含まれており、有機溶剤回収装置に何らかの除湿装置が設置されている場合にあっては、有機酸が発生する工程の後で、かつ除湿装置の後段に設置するのが好ましい。また処理温度は0〜150℃の範囲にあることが好ましい。0℃以下では有機溶剤含有ガス中に含まれる水分が凝縮する可能性が高くなり、150℃より大きい温度においてはエネルギー的に吸着より脱着有利となり吸着能が低下する可能性があるためである。
また、酢酸等の有機酸が混入した回収有機溶剤をそのまま印刷インキ組成物の原料として再利用した場合、印刷物や包装材料に酸臭気が残留するために好ましくない。本発明では印刷物や包装材料の臭気に悪影響を与えないように回収した有機溶剤中の酸価が0.5(mgKOH/g)以下とすることが好ましく、より好ましくは酸価0.05(mgKOH/g)以下がよい。
本発明における酸価とは、試料1g中に含有する遊離脂肪酸、樹脂酸などを中和するのに必要となる水酸化カリウムのmg数であり、酸価の測定はJIS K0070「化学製品の酸価、けん化価、エステル価、よう素価、水酸基価および不けん化物試験方法」により行った。
本発明における親水性吸着材とは、絶対湿度0.01kg/m以下の範囲で、その吸着材の水分平衡吸着量q(g/g−吸着剤)が、絶対湿度C(kg/m)と水分平衡吸着量qとの関係式
q=k×C^(1/n): k=0.2、n=3
より算出される曲線(qの値)より、常に大となる吸着剤のことである。
ここで、水分平衡吸着量は以下の実験により求めた。すなわち、あらかじめ秤量しておいた吸着材を充填したカラムを作成し、そのカラムにバブリング等により一定露点温度に調湿した空気を流入、吸着材と接触せしめ、吸着材の上流側と下流側の露点温度が同一になった時点で、空気の流入を停止し、吸着材を取り出した後素早く秤量し、空気流入前後の重量増加分(g)を計量した。露点温度より絶対湿度(kg/m)を算出し、重量増加分(g)を吸着材重量(kg)で除した値を、その絶対湿度での水分平衡吸着量として、各吸着材の絶対湿度と水分平衡吸着量の関係を求めた。
親水性吸着材への有機酸の吸着が続くと、次第に吸着率が低下し、出口における有機酸濃度が上昇する。何れはその温度における最大の吸着量を上回り破過状態となるため、出口における有機酸濃度が目標とする濃度を上回らないように運転条件を決める必要がある。
またこのように一度有機酸に対して破過した吸着材は吸着質を脱着させて吸着能を再生させる必要があるが、再生の方法は特に限定されない。脱着プロセスでは一般に、加熱した水蒸気や不活性ガス、空気、飽和炭化水素等を吸着材に送り込んで、直接若しくは間接的に吸着材に熱エネルギーを与えて吸着質を脱着させる熱再生方式(TSA)や、吸脱着の過程で加圧-常圧、常圧-減圧若しくは真空状態にして吸着質を脱着させる圧力変動再生方式(PSA)、また吸着材に吸着しにくいパージガスを使用し、被吸着物質の分圧を低下させることにより脱着を行うパージガス脱着方式、さらに、より吸着され易い物質を用いて被吸着物質と置換させる置換再生方式、その他プラズマやオゾン等で処理することにより吸着質を分解する再生方法など種々の方法が知られており、コスト等の諸条件を考慮して再生方法を選択することができる。
以下、実施例に基づき本発明について具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に何ら限定されるものではない。文中のppmは容積基準、%は重量基準である。
[実施例1]
図1に示すような吸着材を取り付けた回転ローター2と回転ローターを内蔵したカセット3から成る連続処理装置を例に説明する。吸着材としてハニカム成型を施した13X型ゼオライト(細孔径 1.0nm)を用い、吸着材を取り付けた回転ローターを内蔵したカセットは図2に示すように吸着エリアD、脱着エリアE及び乾燥エリアFに分割してあり、吸着材はローターの回転とともに吸着エリア、脱着エリア、乾燥エリアの順に移動する。
吸着エリアDにて有機酸を吸着した吸着材部は、ローターの回転により引き続き脱着エリアEへと移行する。脱着エリアEには、大気を取り込んでバブリングにより露点15℃に調湿された湿り空気Bが導入され、吸着されている有機酸は湿り空気に含まれる水分と置換され脱着される。脱着処理された吸着材部は続いて次の乾燥エリアFへと移動し、露点マイナス30℃の低湿度空気Cと接触させることで乾燥、即ち吸着した水を脱着させる。乾燥処理された吸着材部は再び吸着エリアDへと移動し、繰り返し処理が行われる。
本実験に用いた吸着材は、絶対湿度0.01(kg/m)以下の範囲で、絶対湿度C(kg/m)に対する水分平衡吸着量q(g/g−吸着剤)が、絶対湿度C(kg/m)と水分平衡吸着量qとの関係式
q=k×C^(1/n): k=0.2,n=3
より算出される曲線(qの値)より、常に大であり、k=0.28、n=3.6であった。
印刷インキを想定し以下の組成で有機溶剤を調整しモデル液とした。有機酸として酢酸を用いた。
酢酸プロピル 50%
酢酸エチル 25%
イソプロピルアルコール 25%
酢酸 (モデル液の酸価が1.24(mgKOH/g)となるように調整)
このモデル液を加熱気化させ、キャリアガス(窒素)にて有機溶剤含有ガス濃度が酢酸プロピル、酢酸エチル、イソプロピルアルコール、酢酸がそれぞれ2500ppm、1250ppm、1250ppm、10ppmとなるようにし、有機溶剤含有ガスA とした。有機溶剤含有ガスは送風用ブロワ1にて風量60m3/minで処理装置の吸着エリアDに導入し、内部に設けた吸着材と接触させ処理した。処理前後のガス中に含まれる酢酸濃度はガスクロマトグラフ(高速小型ガス分析計 VARIAN NEWマイクロGC 490−GC)及び検知管(GASTEC社製)にて測定した。また一部ガスを液体窒素にて凝縮回収し酸価を測定した。
ローター回転速度は0.2RPHとした。また各エリアともにSVは33000[1/h]となるように風量を調節した。
実施例では、吸着材の再生手段に、露点を15℃程度に調湿した空気を通気することにより吸着している酢酸及び有機溶剤成分を追い出し脱離させた。これは親水性である極性吸着材と水とのより強い吸着力により、既に吸着していた酢酸及び有機溶剤が水と置換されるものである。
処理した時間は32時間で、処理液量は通算で凡そ30kgであった。酢酸の平均除去率は96.4%、また32時間経過時点での酢酸の除去率は96.0%、さらに有機酸と共に吸着材に吸着され損失した有機溶剤は供給量に対して2%であった。また処理後の凝縮液の酸価は、処理前1.24mgKOH/gから0.045mgKOH/gにまで低減した。
[実施例2]
実施例1と同様の成分を用い、以下に示す濃度組成で有機溶剤を調整しモデル液とした。
酢酸プロピル 50%
酢酸エチル 25%
イソプロピルアルコール 25%
酢酸 (モデル液の酸価が0.64mgKOH/gとなるように調整)
上記酢酸プロピル、酢酸エチル、イソプロピルアルコール、酢酸の濃度がそれぞれ5000ppm、2500ppm、2500ppm、10ppmとなるように調整し、他は実施例1と同様に処理を行った。
処理した時間は30時間で、処理液量は凡そ60kgであった。酢酸の平均除去率は95.1%、また15時間経過時点での酢酸の除去率は95.5%、さらに吸着材に吸着されて損失した有機溶剤は供給量に対して1%であった。また処理後の凝縮液の酸価は、処理前0.64mgKOH/gから0.030mgKOH/gにまで低減した。
[比較例1]
実施例1と同様の成分を用い、吸着材には細孔径が0.8nm未満である5A型ゼオライト(細孔径0.5nm)を用い、以下に示す濃度組成で有機溶剤を調整しモデル液とした。
酢酸プロピル 50%
酢酸エチル 25%
イソプロピルアルコール 25%
酢酸 (モデル液の酸価が0.64mgKOH/gとなるように調整)
上記酢酸プロピル、酢酸エチル、イソプロピルアルコール、酢酸の濃度がそれぞれ5000ppm、2500ppm、2500ppm、10ppmとなるように調整し、他は実施例1と同様に処理を行った。
処理した時間は5時間で、酢酸の平均除去率は20%で、処理後の凝縮液の酸価は、処理前0.64mgKOH/gから0.55mgKOH/gにまでしか低減しなかった。
[比較例2]
実施例1と同様の成分を用い、吸着材には、絶対湿度0.01(kg/m)以下の範囲で、絶対湿度C(kg/m)に対する水分平衡吸着量q(g/g−吸着剤)が、絶対湿度C(kg/m)と水分平衡吸着量qとの関係式
q=k×C^(1/n): k=0.2,n=3
より算出される曲線(qの値)より、常に小であり、k≦0.1、n≦1となるhisiv1000型ゼオライト(細孔径 1.0nm)を用い、以下に示す濃度組成で有機溶剤を調整しモデル液とした。
酢酸プロピル 50%
酢酸エチル 25%
イソプロピルアルコール 25%
酢酸 (モデル液の酸価が0.64mgKOH/gとなるように調整)
上記酢酸プロピル、酢酸エチル、イソプロピルアルコール、酢酸の濃度がそれぞれ5000ppm、2500ppm、2500ppm、10ppmとなるように調整し、他は実施例1と同様に処理を行った
処理した時間は5時間で、酢酸の平均除去率は40%で、処理後の凝縮液の酸価は、処理前0.64mgKOH/gから0.40mgKOH/gにまでしか低減しなかった。
SV(Space Velocity)は空間速度の意味で、単位時間あたりに処理ガスが吸着材に接触する時間の逆数で表される。言い換えると単位時間あたりに吸着材体積の何倍相当分のガスを処理しているかを表し、ガス風量を吸着材体積で除することで求められる
以上のように、本発明によれば、印刷時に発生する有機溶剤含有ガスに生成した有機酸が含まれている場合であっても、極性吸着材と接触させることにより、有機溶剤の損失を最小限に抑え、効果的にしかも吸着材を再生し継続的に有機溶剤含有ガスに含まれる有機酸を除去し、極めて高い効率で有機溶剤の回収を可能にした再生方法を提供できるものである。
1.送風用ブロワ
2.吸着材を取り付けた回転ローター
3.吸着材充填カセット
A.有機酸を含む有機溶剤含有ガス
B.脱着用加湿空気
C.乾燥用低露点空気
D.吸着エリア
E.脱着エリア
F.乾燥エリア

Claims (3)

  1. 有機溶剤回収装置を使用する有機溶剤の再生方法であって、
    有機溶剤含有ガスと有機酸吸着材とを接触させ、有機溶剤含有ガスに含まれる有機酸を除去し、有機酸が除去された有機溶剤含有ガスを凝縮させ、有機酸含有量の少ない溶剤を回収することを特徴とする有機溶剤の再生方法であって、
    有機酸吸着材が、細孔径0.8nm〜10nmの親水性吸着材であることを特徴とする有機溶剤の再生方法。
  2. 有機酸吸着材が、ゼオライト、活性アルミナおよびシリカゲルから選ばれる1種類以上であることを特徴とする請求項1記載の有機溶剤の再生方法。
  3. 有機酸吸着材が、X型のゼオライトであることを特徴とする請求項1または2記載の有機溶剤の再生方法。
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