JP2013243259A - 磁性体組成物とそれを用いた磁性体成形体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】樹脂と、Ga、ZnおよびSn元素から選択される少なくとも一種の金属酸化物とFeCo酸化物とを必須成分として含むナノ粒子からなる磁性体とを含有させた磁性体組成物を用いて磁性体成形体(シート体またはバルク体)を形成し、電磁波ノイズ防御用に用いる。例えば、磁性体組成物を溶媒に溶解・分散した塗工液をPETフィルム(3)に塗布し乾燥、硬化させて磁性体シート(1)とし電磁波吸収体として用いる。
【選択図】図1
Description
また、遷移金属から金属前駆体溶液を形成するステップ、金属前駆体溶液を界面活性剤溶液に加えるステップ、凝集剤を加えて永久凝集を起こすことなくナノ粒子を溶液から析出させるステップ、およびハイドロカーボン溶媒を加えて前記ナノ粒子の再結合または再コロイド化を行うステップにより強磁性ナノ粒子を形成する方法が提案されている(特許文献2参照)。
また、基板表面上に磁性ナノ粒子からなる層状の周期的配列を形成した磁気記憶媒体における前記配列を安定化する方法が提案されている(特許文献3参照)。前記磁性ナノ粒子は、元素Co、Fe、Ni、Mn、Sm、Nd、Pr、Pt、Gd、前記元素の金属間化合物、前記元素の二元合金、前記元素の三元合金、Fe以外の少なくとも1種の前記元素をさらに含むFe酸化物、バリウム・フェライトおよびストロンチウム・フェライトからなる群から選択された磁性材料から形成される。
また、磁気記録媒体の高出力特性向上のために必要とされる磁気記録層の薄層化要求に対応するため、ベースフィルムにヘマタイト粉末を含有する非磁性下地層を設け表面を平滑にすることが提案されている(特許文献4参照)。ヘマタイト粉末は、平均長軸径が0.005〜0.3μm、平均短軸径が0.0005〜0.10μmである針状ヘマタイト粒子が長軸方向に方向性をもって配列した構造を有する集合体とされている。
一方、従来の長軸と短軸を有する異方性形状のナノメータサイズの磁性材料では高周波における透磁率が低いという問題がある。例えば、特許文献4に記載の針状ヘマタイト粒子(長軸が100nm以上と大きく、短軸は20nm前後である)では、1GHz以上の高周波で透磁率が1(H/m)以下と低い値である。このため、1GHz以上の高周波領域において用いられる電子機器・装置(例えば、RF機器、UHF機器)の電磁波吸収材料として使用するのは難しい。
また、半導体部品を封止する材料として、エポキシ樹脂主剤、硬化剤、硬化促進剤を主成分とする樹脂に対して、平均粒子径20〜40nmのカーボンブラックを、封止樹脂組成物100重量%中に0.3〜1.0重量%含有する封止樹脂組成物が提案されている(特許文献6参照)。これにより絶縁性と遮光性を兼ね備えた封止樹脂組成物を得ることができるとしている。
異方性形状のナノメータサイズの磁性材料は高周波における透磁率が低いため、1GHz以上の高周波領域において用いられる電子機器・装置(例えば、デジタル・カメラや携帯電話機,ノート・パソコンのマイクロプロセサやLSI、液晶パネルなどのUHF機器やRF機器)の電磁波吸収材料として使用するのは難しい。また、ナノメータサイズの磁性材料(ナノ粒子)を含有した電磁波吸収能を有する磁性材料は種々検討されているが、ナノ粒子のサイズ、サイズ分散および形状の制御が難しく、このナノ粒子を含む成形材料を用いて、例えば、塗布等により成形した場合、磁性体が不均一となって機能性を十分に発揮することができないという課題がある。
本発明は、電磁波吸収能の優れたナノメータサイズの磁性材料(ナノ粒子)を含有する磁性体組成物および磁性体組成物を用いて形成して成る磁性体成形体を提供することを目的とする。
即ち、上記課題は、樹脂と、ナノ粒子からなる磁性体とを含有する磁性体組成物であって、前記磁性体は、Ga、ZnおよびSn元素から選択される少なくとも一種の金属酸化物とFeCo酸化物とを必須成分として含むナノ粒子であることを特徴とする磁性体組成物により解決される。
また、上記課題は、請求項1乃至6のいずれかに記載の磁性体組成物を用いて形成されて成ることを特徴とする磁性体成形体により解決される。
上記範囲であると、球状のナノ粒子からなる磁性体を得ることができ、しかも1GHz以上の高周波領域において透磁率の大きいものが形成できる。
一方、Ga、ZnおよびSn元素が上記範囲より少なくなると、磁性粒子の硬さにもろさがでる。また、上記範囲より多くなってももろく、上記範囲で硬く丈夫な磁性粒子が得られる。
なお、透磁率としては、限定されるものではないが1GHz以上の高周波で2(H/m)以上を目標値とする。
Fe原料としては、鉄(II,III)アセチルアセトナート〔C10H14FeO4, Fe(CH3COCHCH3)3〕、酢酸鉄(II)〔C4H6O4Fe〕、ヘキサアンミン錯塩(Fe(NH3)6Cl2)、乳酸鉄(II)三水和物〔Fe(CH3CH(OH)COO)2〕、しゅう酸鉄(II)二水和物〔FeC2O4・2H2O〕などが挙げられる。
Co原料としては、オレイン酸コバルトCo(C17H33COO)2、ヘキサアンミンコバルト錯塩(Co(NH3)6Cl2)、コバルト(II)アセチルアセトナート(CH3COCH:C(CH3)O)2Co、コバルト(III)アセチルアセトナート〔Co(CH3COCHCOCH3)3〕が望ましい。
Ga、Sn、Znの各原料としてはアルコキシド化合物、酸化物などが用いられるが、市販品のナノ粒子を用いることもできる。例えば、Ga原料として、トリエトシキガリウム[Ga(C2H5O)3]ナノ粒子(数平均値;80〜100nm)、Sn原料として、SnO2(酸化スズ)ナノ粒子(数平均値:20〜40nm)、Zn原料として、酸化物の[ZnO]ナノ粒子(数平均値:20〜40nm)を用いることができる。
上記原料粉末を混合する方法としては、ボールミルなどによる大気中での乾式混合でもよいが、均質な混合を行う場合にはボールミルにイソプロピルアルコールなどの溶媒を用いた湿式混合が望ましい。得られた混合粉末は、窒素雰囲気にして、雰囲気の酸素濃度を100ppm以下に制御可能な加熱炉において、温度500〜1100℃の範囲内で熱処理する。温度が500℃未満であると反応が不十分となり、金属錯体等の分解・還元が不完全となりやすい。
上記金属錯体等は熱処理の過程で分解し、H、C、N、Oなどを含有するガスが気散し、残された金属成分が磁性金属粒子を形成し、Ga、Sn、Znが含まれるFeCoが形成される。
数平均粒径が30nm未満であると、とりわけ酸化しやすく、一方、90nmを超えると、組成物の流動性が著しく低下し、インク化しづらいことや、特性がばらつきやすくなることから実用に適さなくなる。
ここで、本発明における磁性体の数平均粒径は、走査型電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope:SEM)法により測定されたものである。
以下、本発明において好ましく用いることができるエポキシ樹脂とフェノール樹脂硬化剤を組み合わせた樹脂系(略:「エポキシ樹脂−フェノール樹脂硬化剤系」)を例に挙げて説明する。
エポキシ樹脂−フェノール樹脂硬化剤系の必須成分であるエポキシ樹脂は、分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物であればよく、その種類等に限定されるものではない。このようなエポキシ樹脂としては、フェノールまたはアルキルフェノール類とヒドロキシベンズアルデヒドとの縮合物をエポキシ化することにより得られるエポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ナフトールのノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAのノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAのグリシジルエーテル、テトラ(ヒドロキシフェニル)アルカンのエポキシ化物、ビスヒドロキシビフェニル系エポキシ樹脂等が挙げられる。これらは1種または2種以上の混合物として使用される。
なお、磁性体組成物が、例えば、半導体素子等に用いられる場合には、半導体素子の信頼性を確保するために、エポキシ樹脂中に含まれる塩素量は1000ppm以下であることが好ましい。
フェノール樹脂硬化剤は、合成したものを使用してもよいし市販品を用いることもできる。このような市販品の具体例としては、明和化成株式会社製のMEH−7851シリーズ(ビフェノールノボラック型フェノール樹脂)、三井化学株式会社製のXL、XLCシリーズ(フェノールアラルキル樹脂)、鹿島工業株式会社製のFPIシリーズ(多官能芳香族フェノール樹脂)等が挙げられる。
フェノール性水酸基数/エポキシ基数の比が0.5未満ではエポキシ樹脂の硬化反応を十分に生起できないおそれがある。一方、フェノール性水酸基数/エポキシ基数の比が1.5を超えると硬化物の特性、特に耐湿性が劣化しやすくなる。
このような他の添加剤としては、エポキシ樹脂−フェノール樹脂硬化剤系の樹脂組成物に一般的に配合される、硬化促進剤、シランカップリング剤等の表面処理剤、天然ワックスや合成ワックス等の離型剤、シリコーンゴム等の低応力化剤等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
このような硬化促進剤としては、例えば、トリメチルホスフィン、トリエチルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリ(p−メチルフェニル)ホスフィン、トリ(ノニルフェニル)ホスフィン、メチルジフェニルホスフィン、ジブチルフェニルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン、ビス(ジフェニルホスフィノ)メタン等の有機ホスフィン化合物、2−メチルイミダゾール、2,4−ジメチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール等のイミダゾール化合物またはその誘導体、DBU(1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7)またはそのフェノール塩等が挙げられる。これらは必要に応じて1種または2種以上の混合物として使用される。
硬化促進剤の配合量が全樹脂組成物量に対して0.1質量%未満であると、硬化促進機能を十分に得ることができないことが多い。一方、硬化促進剤の配合量が全樹脂組成物量に対して5質量%を超えると、エポキシ樹脂硬化物の耐湿信頼性等が低下するおそれがある。
このようにして得られる磁性体組成物は、紛体のまま用いて溶融法(例えば、加熱により溶融した組成物を金型等にチャージして成形)により磁性体成形体を形成することもできるし、溶剤に組成物を溶解・分散した溶液を用いて塗工法(例えば、基板上に塗布して成形)により磁性体成形体を形成することもできる。成形方法は、磁性体成形体がシート体であるかバルク体であるかに応じて適宜選択される。
前述のように、磁性体の好ましい含有量は、全組成物中20質量%以上50質量%以下である。また、エポキシ樹脂と、フェノール樹脂硬化剤との配合は、[フェノール性水酸基数]/[エポキシ基数]は、0.5〜1.5の範囲となるように選択される。
特にデジタル信号で動作する機器(例えば、RF機器、UHF機器:デジタル・カメラや携帯電話機、ノート・パソコンのマイクロプロセサやLSI、液晶パネル等)の発展に伴う電磁波波環境においては、電磁波ノイズによって器機装置間でさまざまな干渉問題が発生し誤動作する心配があるため、個々の装置が他の装置の動作に影響を与えるような不要な電磁波の放射を押え、外部からの進入電磁波に対しては故障しないような耐力を持つこと(電磁両立性:EMC:Electro Magnetic Compatibility)が必要となっている。そのために、これらの電磁波障害を防止する技術として電磁波吸収体や電磁シールド材が使用されており、本発明の磁性体組成物を用いて形成された磁性体成形体は電磁波吸収体として有用である。
上記反応性シリコーンオイルを添加することにより、樹脂成形時等に生じる静電気を低減することを可能にするものである。 また、静電気を低減することで磁性体組成物の混錬性が良くなり、磁性体の分散が均一な磁性体成形体(例えば、磁性体シート材料)が成形できる。このように、磁性体組成物に反応性シリコーンオイルを含有することで、混錬性を良くすると共に、エポキシ樹脂−フェノール樹脂硬化剤系と反応して一体化して高温、高湿に対する信頼性が高まるため、電磁波吸収機能を有する各種シート体やバルク体(例えば、半導体デバイス等の封止)として使用できる。
カーボンナノチューブもしくはフラーレンとしては、例えば、C60、C70、C82、C84、さらに高分子量のフラーレン等を使用できる。
フラーレンまたはカーボンナノチューブの合成法としては、希ガス中でグラファイト棒を直接通電加熱する抵抗加熱法、希ガス中で2本のグラファイト棒の間にアーク放電を起させて合成するアーク放電法等がある。フラーレン、カーボンナノチューブとしては、内部空間にLa、Y、Sc等の金属等を内包したものも使用できる。金属内包フラーレンの合成には、金属酸化物(La2O3等) を含む炭素棒を用いてアーク放電を起させて合成したり、金属酸化物を含む炭素チップをるつぼ状陽極に投入してアーク放電を起させて合成したりする方法がある。
また、カーボンナノチューブの形状は、直径が0.01〜0.1μmで、長さが0.05〜0.5μmが好ましく、より好ましくは直径が0.01〜0.05μmで、長さが0.05〜0.1μmである。カーボンナノチューブの直径が0.01μm 、長さが0.05μmより小さい場合には凝集が生じやすく適しておらず、カーボンナノチューブの直径が0.1μm、長さが0.5μmより大きくなると分散の均一性が低下するため適していない。
カーボンとしては、カーボンブラック等がある。粒径としては、平均粒径が0.01〜0.2μmが好ましい。これより小さいと粉塵の問題があり、この範囲より大きいと分散が悪くなり、均一な膜形成が難しくなる。
樹脂被覆カーボンブラックの粉体抵抗値は10Ω・mm以上であることが好ましく、さらに好ましくは1.1×105Ω・mm以上であることが好ましい。
なお、フラーレン、カーボンナノチューブ、カーボンを含有すれば静電気の発生抑制に対しても効果があり、有効に機能する。
多官能型エポキシ樹脂・EPPN−502(商品名、日本化薬株式会社製)24.0質量%と、臭素化エポキシ樹脂・AER−8028(商品名、旭化成工業株式会社製)7.2質量%と、多官能型フェノール樹脂・MEH−7500(商品名、明和化成株式会社製)8.8質量%と、硬化促進剤として2−メチルイミダゾール0.5質量%と、エステル系ワックス(カルナバ1号)0.2質量%と、エポキシシランカップリング剤0.3質量%と、磁性体としてGa酸化物およびFeCo酸化物を必須成分として含む球状のナノ粒子(数平均粒径:65nm)40.0質量%と、樹脂被覆カーボンブラック(樹脂量:10質量%、粒径:約1μm、粉体抵抗値:1.0×102Ω・mm)0.2質量%と、溶剤(エチルセロソルブ)18.8質量%とを常温にて混合した後、樹脂温度を80℃に加熱しながら混練し、これを冷却して磁性体組成物を得た。
なお、上記磁性体中のGa酸化物の組成比は、磁性体40.0質量%のうち1.0質量%である。
また、上記樹脂被覆カーボンブラックは、カーボンブラック(灰分:1.0質量%以下、比表面積:170m2/g)をエポキシ樹脂・エピコート630(商品名、ジャパンエポキシレジン株式会社製)で被覆したものである。
得られた磁性体組成物を溶媒(エチルセロソルブ)に溶解・分散し、塗工液を調製した。調製した塗工液を厚さ100μmのPETフィルム(ルミラー:登録商標、東レ製)上にスクリーン印刷にて(印刷機:ネオテクノジャパン製の手動スクリーン印刷機)塗布し、硬化させて膜厚30μmのシート体から成る磁性体成形体を積層形成して柔軟性のある磁性体シート[基板PET(100μm)+磁性体成形体(30μm)]を作製した。磁性体シートの概略構成図を図1に示す。図1において符号1は磁性体シート、符号2は磁性体成形体、符号3はPETフィルムを示す。
これを後述する特性評価に供した。
多官能型エポキシ樹脂・EPPN−502(商品名、日本化薬株式会社製)28.4質量%と、臭素化エポキシ樹脂・AER−8028(商品名、旭化成工業株式会社製)3.0質量%と、多官能型フェノール樹脂・MEH−7500(商品名、明和化成株式会社製)8.2質量%と、硬化促進剤として2−メチルイミダゾール0.4質量%と、エステル系ワックス(カルナバ1号)1.0質量%と、エポキシシランカップリング剤1.0質量%と、溶剤(エチルセロソルブ)19.0質量%と、磁性体としてZn酸化物およびFeCo酸化物を必須成分として含む球状のナノ粒子(数平均粒径:65nm)38.6質量%と、樹脂被覆フラーレン(樹脂量:10質量%、粒径:約1μm、粉体抵抗値:1.0×102Ω・mm)0.2質量%と、反応性シリコーンオイル・KF8008(商品名、信越化学工業株式会社製、アミン当量:5700)0.2質量%とを、常温にて混合した後、樹脂温度を80℃に加熱しながら混練し、これを冷却して磁性体組成物を得た。
なお、上記磁性体中のZn酸化物の組成比は、磁性体38.6質量%のうち1.0質量%である。
また、上記樹脂被覆フラーレンは、フラーレンをエポキシ樹脂・エピコート630(商品名、ジャパンエポキシレジン株式会社製)で被覆したものである。
得られた磁性体組成物を溶媒(エチルセロソルブ)に溶解・分散し、塗工液を調製した。調製した塗工液を厚さ100μmのPETフィルム(ルミラー:登録商標、東レ製)上にスクリーン印刷にて(印刷機:ネオテクノジャパン製の手動スクリーン印刷機)塗布し、乾燥、硬化させて膜厚30μmのシート体から成る磁性体成形体を積層形成して柔軟性のある磁性体シート[基板PET(100μm)+磁性体成形体(30μm)]を作製した。磁性体シートの概略構成図を図1に示す。
これを後述する特性評価に供した。
多官能型エポキシ樹脂・EPPN−502(商品名、日本化薬株式会社製)28.4質量%と、臭素化エポキシ樹脂・AER−8028(商品名、旭化成工業株式会社製)3.0質量%と、多官能型フェノール樹脂・MEH−7500(商品名、明和化成株式会社製)8.2質量%と、硬化促進剤として2−メチルイミダゾール0.4質量%と、エステル系ワックス(カルナバ1号)1.0質量%と、エポキシシランカップリング剤1.0質量%と、溶剤(エチルセロソルブ)19.0質量%と、磁性体としてZn酸化物およびFeCo酸化物を必須成分として含む球状のナノ粒子(数平均粒径:65nm)38.6質量%と、樹脂被覆フラーレン(樹脂量:10質量%、粒径:約1μm、粉体抵抗値:1.0×102Ω・mm)0.2質量%と、反応性シリコーンオイル・KF8008(商品名、信越化学工業株式会社製、アミン当量:5700)0.2質量%とを、常温にて混合した後、樹脂温度を80℃に加熱しながら混練し、これを冷却して磁性体組成物を得た。
なお、上記磁性体中のSn酸化物の組成比は、磁性体38.6質量%のうち1.0質量%である。
また、上記樹脂被覆フラーレンは、フラーレンをエポキシ樹脂・エピコート630(商品名、ジャパンエポキシレジン株式会社製)で被覆したものである。
得られた磁性体組成物を溶媒(エチルセロソルブ )に溶解・分散し、塗工液を調製した。調製した塗工液を厚さ100μmのPETフィルム(ルミラー:登録商標、東レ製)上にスクリーン印刷にて(印刷機:ネオテクノジャパン製の手動スクリーン印刷機)塗布し、乾燥、硬化させて膜厚30μmのシート体から成る磁性体成形体を積層形成して柔軟性のある磁性体シート[基板PET(100μm)+磁性体成形体(30μm)]を作製した。磁性体シートの概略構成図を図1に示す。
これを後述する特性評価に供した。
多官能型エポキシ樹脂・EPPN−502(商品名、日本化薬株式会社製)28.4質量%と、臭素化エポキシ樹脂・AER−8028(商品名、旭化成工業株式会社製)3.0質量%と、多官能型フェノール樹脂・MEH−7500(商品名、明和化成株式会社製)8.2質量%と、硬化促進剤として2−メチルイミダゾール0.4質量%と、エステル系ワックス(カルナバ1号)1.0質量%と、エポキシシランカップリング剤1.0質量%と、溶剤(エチルセロソルブ)19.0質量%と、磁性体としてZn酸化物およびFeCo酸化物を必須成分として含む球状のナノ粒子(数平均粒径:65nm)38.6質量%と、樹脂被覆フラーレン(樹脂量:10質量%、粒径:約1μm、粉体抵抗値:1.0×102Ω・mm)0.2質量%と、反応性シリコーンオイル・KF8008(商品名、信越化学工業株式会社製、アミン当量:5700)0.2質量%とを、常温にて混合した後、樹脂温度を80℃に加熱しながら混練し、これを冷却して磁性体組成物を得た。
なお、上記磁性体中のGa酸化物の組成比は、磁性体38.6質量%のうち1.0質量%である。
また、上記樹脂被覆フラーレンは、フラーレンをエポキシ樹脂・エピコート630(商品名、ジャパンエポキシレジン株式会社製)で被覆したものである。
得られた磁性体組成物を溶媒(エチルセロソルブ)に溶解・分散し、塗工液を調製した。調製した塗工液を厚さ100μmのPETフィルム(ルミラー:登録商標、東レ製)上にスクリーン印刷にて(印刷機:ネオテクノジャパン製の手動スクリーン印刷機)塗布し、乾燥、硬化させて膜厚30μmのシート体から成る磁性体成形体を積層形成して柔軟性のある磁性体シート[基板PET(100μm)+磁性体成形体(30μm)]を作製した。磁性体シートの概略構成図を図1に示す。
これを後述する特性評価に供した。
多官能型エポキシ樹脂・EPPN−502(商品名、日本化薬株式会社製)24.0質量%と、臭素化エポキシ樹脂・AER−8028(商品名、旭化成工業株式会社製)7.2質量%と、多官能型フェノール樹脂・MEH−7500(商品名、明和化成株式会社製)8.8質量%と、硬化促進剤として2−メチルイミダゾール0.5質量%と、エステル系ワックス(カルナバ1号)0.2質量%と、エポキシシランカップリング剤0.3質量%と、磁性体として針状のFe2O3粒子(長軸が135nm、短軸が22nm)40.0質量%と、樹脂被覆カーボンブラック(樹脂量:10質量%、粒径:約1μm、粉体抵抗値:1.0×102Ω・mm)0.2質量%と、溶剤(エチルセロソルブ)18.8質量%とを常温にて混合した後、樹脂温度を80℃に加熱しながら混練し、これを冷却して磁性体組成物を得た。
なお、上記磁性体中のGa酸化物の組成比は、磁性体40.0質量%のうち1.0質量%である。
また、上記樹脂被覆カーボンブラックは、カーボンブラック(灰分:1.0質量%以下、比表面積:170m2/g)をエポキシ樹脂・エピコート630(商品名、ジャパンエポキシレジン株式会社製)で被覆したものである。
得られた磁性体組成物を溶媒(エチルセロソルブ)に溶解・分散し、塗工液を調製した。調製した塗工液を厚さ100μmのPETフィルム(ルミラー:登録商標、東レ製)上にスクリーン印刷にて(印刷機:ネオテクノジャパン製の手動スクリーン印刷機)塗布し、硬化させて膜厚30μmのシート体から成る磁性体成形体を積層形成して柔軟性のある磁性体シート[基板PET(100μm)+磁性体成形体(30μm)]を作製した。磁性体シートの概略構成図は図1と同様である。これを後述する特性評価に供した。
即ち、本発明におけるGa、ZnおよびSn元素から選択される少なくとも一種の金属酸化物とFeCo酸化物とを必須成分として含むナノ粒子を磁性体に含む磁性体組成物を用いて形成した磁性体成形体は高周波領域(例えば、1GHz)において良好な透磁率を発揮することができる。これにより、例えば、デジタル・カメラや携帯電話機,ノート・パソコンのマイクロプロセサやLSI、液晶パネルなどのUHF機器やRF機器等の各種電子器機や装置の電磁波ノイズ防御用として有用であり、広く応用可能である。
2 磁性体成形体
3 PETフィルム
Claims (9)
- 樹脂と、ナノ粒子からなる磁性体とを含有する磁性体組成物であって、
前記磁性体は、Ga、ZnおよびSn元素から選択される少なくとも一種の金属酸化物とFeCo酸化物とを必須成分として含むナノ粒子であることを特徴とする磁性体組成物。 - 前記磁性体が、数平均粒径30nm以上90nm以下の球状粒子であることを特徴とする請求項1に記載の磁性体組成物。
- 前記磁性体の含有量が、全組成物中20質量%以上50質量%以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の磁性体組成物。
- 前記樹脂が、エポキシ樹脂とフェノール樹脂硬化剤とを含むことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の磁性体組成物。
- 前記エポキシ樹脂とフェノール樹脂硬化剤とを含む樹脂中に、アミノ基を有するシリコーンオイルを含有することを特徴とする請求項4に記載の磁性体組成物。
- 前記組成物中にカーボンナノチューブ、フラーレンおよびカーボンから選択される少なくとも一種の材料を含有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の磁性体組成物。
- 請求項1乃至6のいずれかに記載の磁性体組成物を用いて形成されて成ることを特徴とする磁性体成形体。
- 前記磁性体成形体が、電磁波ノイズ防御用のシート体またはバルク体であることを特徴とする請求項7に記載の磁性体成形体。
- 前記磁性体成形体の透磁率が1GHzで2(H/m)以上であることを特徴とする請求項7または8に記載の磁性体成形体。
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