JP2013240324A - 乾燥フレンチフライドポテトスナック製品 - Google Patents

乾燥フレンチフライドポテトスナック製品 Download PDF

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Abstract

【課題】そのまま食用に供することが可能な、香味高いカリカリとしたポテトスナック製品を製造する方法を提供する。
【解決手段】ジャガイモ片を下ごしらえする工程、前記ジャガイモ片を第1の油ちょう工程において油ちょうする工程、前記油ちょうしたジャガイモ片を約100℃未満の温度に冷却する工程、前記冷却したジャガイモ片を第2の油ちょう工程において油ちょうする工程、前記油ちょうしたジャガイモ片を約−60℃〜約−150℃の範囲の温度で冷凍する工程、および、前記冷凍ジャガイモ片を凍結乾燥して残存含水量を低減させる工程を含む、乾燥フレンチフライドポテトスナック製品を製造する方法とする。
【選択図】図2

Description

本発明は、乾燥フレンチフライドポテトスナック製品の製造方法、および、そのまま食用に供することが可能である乾燥ポテトスナック製品に関する。
フレンチフライドポテトは、最も人気のある副菜の1種であり、度々、魚または肉と一緒に供される。このようなフレンチフライドポテトは、皮を剥いたジャガイモを薄片に切り、2段階で揚げることにより調理される。第1の油ちょう段階は、デンプンを糊化させて一定の構造を与え、薄片にしたジャガイモの含水量を低減させることを目的として、油槽中で約100℃〜約140℃の温度で、約10〜約20分間実施される。通常、この第1の油ちょう工程の後、薄片にしたジャガイモは低温冷凍され、その後にプラスチック製の袋にパッケージされて、半仕上げ製品として市場で販売される。薄片にしたジャガイモを食用に供するためには、第2の油ちょう工程を実施する必要があり、この工程は、最も一般的には、約170℃〜約220℃といったより高い温度で、典型的には約2分間〜約6分間といったより短い時間で油槽中において実施される。この第2の油ちょう工程でジャガイモ薄片の表面が乾燥されてカリカリとしたクラストが形成され、ジャガイモ薄片の色が薄い黄色から濃い黄金色に代わる。カリカリとしたクラスト、それ故、優れた食感および食味は、温度の低下に伴って損なわれてしまうために、フレンチフライドポテトは第2の油ちょう工程の後直ぐに食されなければならない。また、フレンチフライドポテトは低温冷凍された半仕上げ形態で販売されるが、これは冷凍に係る高いコストおよび他のロジスティックスの見地により不利である。高い品質基準を維持するために、さらに、油ちょうされるまで半仕上げポテトフライが解凍されないことが重要であり、これは温暖な気候における特に夏季における輸送の最中に特に重要である。このような半仕上げフレンチフライドポテトは、第2の油ちょう工程が特殊な厨房器具を必要とし、長い時間がかかるというさらなる不利益を有する。しかも、通常油槽中において実施される第2の油ちょう工程後におけるフレンチフライドポテトの含油量はきわめて高い。含油量に係る問題は、第2の油ちょう工程をオーブン中で実施し、フレンチフライドポテトを単に焼くことによって部分的に解決し得るが、この焼くプロセスは、通常は約12分間〜約30分間とさらに長時間かかり、今日においては許容されない。
あるいは、ポテトスナック製品は薄くスライスしたカリカリとしたポテトチップなど異なる形状および特性で入手可能である。このようなポテトチップはそのまま食用に供することが可能であり、異なる風味で入手可能であり、および、長期間にわたって室温で保存可能であり得る。しかしながら、このような長い保存寿命を達成するために、ポテトチップは含水量が約3%以下ときわめて低く、これは、薄片したジャガイモを油の中で油ちょうすることにより達成される。このような過剰な油ちょうによってもまたポテトチップの含油量が高まり、健康にもよくない。しかも、カリカリとしたすばらしい食味、および、所望される食感のために、ポテトチップの薄片はきわめて薄い必要があり、従って、厚さは例えば約1mm以下である。しかしながら、この厚さのために、ポテトチップの製造、パッケージングおよび輸送の最中に破損する恐れが高く、消費者によって受け入れられにくくなってしまう。しかしながら、ポテトチップの特定の製造プロセスのために、ジャガイモ薄片の厚さを厚くすることにより破損の恐れを低減させることは不可能である。厚さが約2mmを超える薄片は硬くて食用には適していない。
前述の不利益の各々は、本発明の製品および方法によって克服される。また、他の利点がより詳細に考察されている。
本発明は、乾燥フレンチフライドポテトスナック製品およびその製造方法に関する。
本発明は、ジャガイモ片を下ごしらえする工程、ジャガイモ片を油ちょうする工程、油ちょうしたジャガイモ片を約−60℃〜約−150℃の範囲の温度で冷凍する工程、および、冷凍ジャガイモ片を凍結乾燥して残存含水量を低減させる工程を含む乾燥フレンチフライドポテトスナック製品の製造方法に関する。
この方法で形成した製品では、そのまま食用に供することが可能であり(すなわち、消費に先立って如何なる処理工程も必要とせず、または、消費者による下ごしらえのために如何なる特定の厨房器具も必要としない)、時間とお金が節約される香味高いカリカリとしたポテトスナック製品が得られる。従来においてはスナック片を油槽中で油ちょうすることにより達成されているスナック片の含水量の低減は、冷凍ジャガイモ片を凍結乾燥することによりなされている。しかも、凍結乾燥法を用いて最終製品に残存する含水量を低減させることにより、本発明の第2の油ちょう工程は、より短時間で実施され得、これにより、ポテトスナック製品の含油量が低く維持される。
凍結乾燥工程はまた、特に厚さといった、フレンチフライドポテトスナック製品の形状は自由であり得るという他の利点をも有する。ポテトスナック製品の厚さが数センチメートルであっても、ポテトスナック製品は全く硬くならずにカリカリとしている。しかも、含水量が低いために、ポテトスナック製品は室温で少なくとも約6ヶ月保存可能であり、防腐剤を用いる必要性がない。これらの有益性のために、本発明の製品は、高い市場での許容性を有する。さらに、本発明に係る乾燥フレンチフライドポテトスナック製品の製造は容易に実施され得、高価な器具または高度な技術を要する製造機械が不用である。しかも、最終製品を冷却し続ける必要性がないために、スナック製品のパッケージング、保存および輸送に係るロジスティックス上の要求はきわめて低い。
ジャガイモ片の下ごしらえは従来の様式で実施され得る。通常、ジャガイモは洗浄され、乾燥され、皮が剥かれ、および、次いで、所望の形状にカットされる。所望の形状の非限定的な例としては、薄片、くし形、リング形、サイコロ形等、または、これらの組み合わせが挙げられ得る。特にこれらに限定されないが、調味、加塩、ブランチング、加温、調理、または、所望の場合にはこれらの組み合わせを含むさらなる処理工程がその後に実施されてもよい。
その後、第1の油ちょう工程が加熱した油槽中で実施される。第1の油ちょう工程は、用いるジャガイモの種類、最終製品の形状、および、特に、ジャガイモ片の厚さに応じて、例えば約120℃〜約180℃の温度範囲内といった任意の好適な温度で、所定の時間実施されればよい。第1の油ちょう工程の時間および温度は、第1の油ちょう工程後にジャガイモ片が少なくともある程度調理されているように選択される。ジャガイモ片に含有されているデンプンを糊化して、ポテトスナック製品を可食性とするために、第1の油ちょう工程においてジャガイモ片が少なくともある程度調理されていることが重要である。
一旦ジャガイモ片が十分に調理されると、油ちょうしたジャガイモ片は、約100℃未満、好ましくは約室温、および、さらにより好ましくは少なくとも約−10℃の温度に冷却される。第1の油ちょう工程と第2の油ちょう工程との間で冷却して、均一に調理されたジャガイモ片を得ることが重要である。第1および第2の油ちょう工程が別々に実施されない場合(すなわち、油ちょう工程は1工程のみで実施され得る)、厚く濃い茶色の硬いクラストがジャガイモ片の表面に形成され、これにより、ジャガイモ片の内側のほとんどの部分が分離される。この場合、ジャガイモ片の内側のほとんどの部分は十分に調理されておらず、ジャガイモ片に含有されるデンプンも糊化されないままとなる。その結果、ポテトスナック製品は食用に適さなくなってしまう。
約100℃未満の温度への冷却によって、茶色がかった色に焼けた硬いクラストを形成する傾向にあることが好ましい少なくともジャガイモ片の外側部分が、褐色化反応が停止する温度にまで十分冷却される。この場合、ジャガイモ片の内側のほとんどの部分は未だ熱いか、または、少なくとも温かく、ジャガイモ片の内側部分はまだ調理されており、そのままでは過度に柔らかくなる傾向にあることを示している可能性がある。従って、ジャガイモ片は約25℃である室温に冷却されることが好ましい。これにより、ジャガイモ片における濃い茶色の被覆の形成が効果的に防止される。さらに、ジャガイモ片を少なくとも約−10℃の温度に冷却することは、バッチプロセス間、すなわち、多量のジャガイモ片が最初に油ちょうされ、次いで、本発明のポテトスナック製品の製造プロセスが完了するまで保存される場合においてさらに有利である。
冷却工程は、任意の様式で実施され得る。非限定的な例は、油ちょうしたジャガイモ片の冷却チャンバ中での保存を含む。この文脈においては、プロセス工程のいくつかは、従来技術による半仕上げフレンチフライドポテトの下ごしらえの際に実施される工程と同様であることが概説されている。このような従来の半仕上げフレンチフライは、通常は、少なくとも約−10℃の温度で保存される。
本方法では、乾燥フレンチフライドポテトスナック製品が製造される。従って、市場で入手可能であるこのような低温冷凍半仕上げフレンチフライドポテトは、本発明の乾燥フレンチフライドポテトスナック製品の製造を完了するためにさらなる重要なプロセス工程に供され得る。
第2の油ちょう工程は、既に第1の油ちょう処理がなされ、冷却されたジャガイモ片で実施され得る。第2の油ちょう工程は、約120℃〜約200℃、好ましくは約150℃〜約180℃、および、より好ましくは約175℃であり得る任意の好適な温度に加熱された油槽中で実施され得る。第2の油ちょう工程は、数分間のみ、すなわち、黄金色のカリカリとしたクラストがジャガイモ片の表面部分に形成され、および、ジャガイモ片の内側のほとんどの部分が十分に調理されるまで実施され得る。それぞれのカリカリとしたクラストは、典型的には、少なくとも約120℃の温度で形成される。しかしながら、少なくとも約150℃、および、好ましくは約175℃の温度では、ジャガイモ片の表面部分の全体を覆う均質なクラストが形成される。より高温の第2の油ちょう工程では、カリカリとしたクラストがより短時間で、かつ、よりしっかりと形成される。特に約200℃と温度が約180℃を超えた場合、ジャガイモ片の表面部分は焦げてしまい、ポテトスナック製品に苦味がもたらされてしまい、さらに色が黄金色から濃い茶色に変わってポテトスナック製品はもろくなり、食用にも適さなくなってしまう傾向にある。第2の油ちょう工程はジャガイモ片の調理を完了するためのものでもあるため、第2の油ちょう工程の温度は、ジャガイモ片が十分に調理され、ジャガイモ片の表面部分に所望されるカリカリとしたクラストが形成されるよう適合されることが重要である。それ故、薄いジャガイモ片はより短時間で調理されるために、ジャガイモ片が薄いほど高い温度での第2の油ちょう工程が選択され得る。このようにすることで、ジャガイモ片は均質に調理され、また、これにより、ジャガイモ片に含有されるデンプンは完全に糊化し、および、ジャガイモ片の色は薄い黄色から黄金色に変わる。
また、第2の油ちょう工程においては、ジャガイモ片中に残留する含水量が低減される。しかしながら、所定の十分に低いレベルの含水量への低減は凍結乾燥工程によって成されるため、第2の油ちょう工程の時間は短縮されてもよい。この短い時間は、ジャガイモ片が第2の油ちょう工程であまり多量の油を吸収しないという利点を有する。従って、本発明のポテトスナック製品は最終含油量が低いものである。第1および第2の油ちょう温度、ならびに、第1および第2の油ちょう時間は、比較実験を通して当業者により容易に判定され得る。
油ちょう工程の後、油ちょうされたジャガイモ片は、約−60℃〜約−150℃、および、好ましくは約−90℃〜約−120℃の範囲の温度での冷凍処理に供される。冷凍処理は、可能な限り短時間で実施されるべきである。超低温での冷凍処理が、本発明のポテトスナック製品において均質な食味をもたらすために、および、本発明のポテトスナック製品における均質な安定したカリカリとした構造のために重要である。さらに、ジャガイモ片の表面部分のカリカリとしたクラストの強度は油ちょう工程の直後が最も強いために、その時点で冷凍プロセスを直ぐに開始することにより、油ちょうしたジャガイモ片の変形または破損が防止され得る。
本発明のポテトスナック製品の均質なカリカリとした食味を改善するために、冷凍工程は約−60℃〜約−150℃、および、好ましくは約−90℃〜約−120℃の温度で実施されることが重要である。冷凍工程は、ジャガイモ片の内側のほとんどの部分で計測されたジャガイモ片の各々の温度が同一の範囲内となるまで行われる。従って、冷凍工程は、通常、ジャガイモ片のサイズ、形状および厚さに応じて約10秒間〜約20秒間実施される。普通、油ちょうしたジャガイモ片を約−60℃〜約−150℃の範囲の温度の冷凍工程に約20秒間に供した後では、このようなジャガイモ片の最も内側の部分の温度は、少なくとも約−60℃、かつ、約−150℃以上である。約−60℃を上回った温度で冷凍すると、冷凍時間が長くなり、形成されるクラストのカリカリさが損なわれて、ジャガイモ片のその後の凍結乾燥の後においても、最終的なポテトスナック製品の望ましい食感が損なわれてしまう。このような場合には、ポテトスナック製品の表面は弾性であると共に固く、従って食用に適さない。
冷凍工程中の温度が−150℃を超えた場合、すなわち、−150℃未満である場合には、冷凍焼けがジャガイモ片の表面に生じて、裸眼で視認可能となる傾向がある。典型的には、冷凍焼けしたジャガイモ片の表面部分に白色の点が生じ、これはジャガイモ中のデンプンによって生じる。これらの冷凍ジャガイモ片は割れを生じ易いか、または、単にその後のプロセス工程の最中に割れてしまう。冷凍工程中の温度が特定されている範囲内である場合には、ジャガイモ片は均一に冷凍され、均質な構造として残されて、優れたカリカリとしたクラストがジャガイモ片の表面部分に存在している。ジャガイモ片の例外的な形状、および、いくつかの特定の種類のジャガイモに関して、約−120℃〜約−150℃より低い冷凍温度、または、約−90℃〜約−60℃より高い冷凍温度がより好ましい場合もある。好適な冷凍温度は、比較実験を通して当業者によって容易に判定され得る。ジャガイモ片の冷凍工程は、任意の好適な器具を用いて任意の一般的な様式で実施され得る。
本発明の方法のその後の工程において、冷凍ジャガイモ片の凍結乾燥工程は、残存する含水量を低減させるために実施され得る。凍結乾燥工程は、従来の様式で実施されればよい。非限定的な例は、凍結乾燥ユニット、凍結乾燥プラント、または、これらの組み合わせにおける凍結乾燥工程を含む。
フレンチフライドポテトを製造するための従来の製造方法においては、含水量が低く、そのまま食用に供することが可能である製品とするために薄片したジャガイモを長い時間油ちょうする必要があり、これにより、フレンチフライは特徴的な食味とされる。凍結乾燥では、特徴的なカリカリとした食味を保持しつつも乾燥フレンチフライドポテトスナック製品の含油量が有利に低減される。凍結乾燥ではまた、最終的なポテトスナック製品の保存安定性、カリカリさ、および風味安定性もまた高められる。凍結乾燥処理の時間は、用いられるジャガイモの種類、そのサイズ、形状および厚さに応じる。しかも、凍結乾燥は、残存含水量が所定の値に達するまで実施され得る。凍結乾燥工程の好適なパラメータは、約−25℃〜約80℃、好ましくは最大で約40℃の温度;約10-2hPa(mbar)の圧力、および、約480分〜約1080分間、好ましくは約700分間〜800分間の時間である。このようなパラメータは、凍結乾燥されたジャガイモ製品の残存含水量を所定の値に低減させるのに好適である。
従属請求項は本発明の有利な実施形態に関する。
本発明の実施形態によれば、油ちょうしたジャガイモ片の冷凍工程は、約−90℃〜約−120℃の範囲の温度で実施される。約−90℃〜約−120℃の温度範囲では乾燥フレンチフライドポテトスナック製品の本発明の製造がさらに容易となるが、これは、この狭い温度範囲では、ジャガイモの種類(すなわち、ジャガイモ品種の各々)に関わらず、最も一般的に用いられる形状およびサイズに関して、均質な構造およびきわめてカリカリとしたクラストが維持され得るよう、それぞれのジャガイモ片が十分に冷凍されるためである。
好ましい実施形態によれば、ジャガイモ片の第2の油ちょう工程は、約120℃〜約200℃、好ましくは約150℃〜約180℃、および、さらにより好ましくは約175℃の温度で実施される。少なくとも約120℃、好ましくは少なくとも約150℃、および、さらにより好ましくは約175℃の温度では、ジャガイモ片が異なるサイズまたは形状を有している場合でも、ジャガイモ片を容易に調理または加温することが可能である。これは、ジャガイモ片の均質な内側構造の形成、および、最終的なポテトスナック製品の均質な強度および食味の増大に寄与する。特に、少なくとも約150℃、さらには約175℃の温度では、表面部分における黄金色のカリカリとしたクラストの形成が強制されて、本発明のポテトスナック製品の食味および食感をさらに増大させることが可能である。しかしながら、温度が180℃、特に200℃を超えると、ジャガイモ片の表面部分は焦げてしまい、ポテトスナック製品に苦味が生じてしまい、さらに、その色が黄金色から濃い茶色に変色してしまう傾向にある。このポテトスナック製品はもろく、食用にも適さない。
本発明のさらに好ましい実施形態によれば、ヒマワリ油がジャガイモ片の油ちょうに用いられる。ヒマワリ油は比較的安価であり、市場において容易に入手可能である。良好な温度安定性および粘度を含む油の特徴により、ジャガイモ片がより均一に油ちょうされやすいこともさらに見出された。しかも、ヒマワリ油はきわめて健康によいと考えられており、また、トランス脂肪酸を含有しておらず、これにより、消費者による本発明の高い許容性がもたらされ得る。
第2の油ちょう工程を約1.5分間〜約5分間、および、好ましくは約2分間〜約4分間実施することがさらに有利である。第2の油ちょう工程の油ちょう時間は、ジャガイモ片の調理を完了し、および、カリカリとしたクラストをジャガイモ片の表面に形成するために重要である。第2の油ちょう工程は、ジャガイモ片の十分な調理または加温の度合いと、ジャガイモ片の表面に形成される好ましい黄金色のカリカリとしたクラストとのバランスをとるため、約1.5分間〜約5分間、および、好ましくは約2分間〜約4分間実施され得る。好ましい油ちょう時間は、当業者によって容易に判定され得る。
さらに好ましい実施形態によれば、油ちょうしたジャガイモ片の冷凍に液体窒素が用いられてもよい。驚くべきことに、油ちょうしたジャガイモ片の均質な冷凍が、液体窒素を用いることで容易に、かつ、迅速に達成され得ることが見出された。既に形成されたクラストのカリカリさを維持するために、第2の油ちょう工程の直後に冷凍工程が実施されることが重要である。液体窒素はきわめて低い沸点を有しており、油ちょうしたジャガイモ片の温度を急速に低下させる。また、液体窒素の高い揮発度および速い蒸発速度のために、液体窒素がジャガイモ片の表面に付着することはなく、冷凍焼けも防止され得る。必要とされる温度は、液体窒素を対応する量の空気と混合することにより、および/または、まだ熱い油ちょうしたジャガイモ片と液体窒素との混合された温度が油ちょうしたジャガイモ片の表面で約−60℃〜約−150℃の温度となるよう窒素流を制御することにより達成され得る。窒素流中に適切な時間の間置くことで、ジャガイモ片の最終的な温度は約−60℃〜約−150℃に低下する。約−60℃〜約−150℃の温度に油ちょうしたジャガイモ片を完全に冷凍するために必要とされる時間は、比較テストを通して当業者によって容易に判定され得る。
さらに好ましい実施形態によれば、冷凍ジャガイモ片の凍結乾燥工程は、ジャガイモ片の残存含水量が約8%未満、および、好ましくは約2%〜約5%となるまで実施される。残存含水量が約8%未満、および、好ましくは約2%および約5%である場合、細菌の増殖に必須である「活性水」の量は十分に低く、防腐剤の添加が回避され得る。しかも、残存含水量が特許請求された範囲内、および、好ましくは約2%〜約5%である場合、最終的なポテトスナック製品は均質なカリカリとした構造、優れた保存安定性、および、風味安定性を有する。ポテトスナック製品は過度にもろくもなく過度に硬くもないために食感は優れている。残存含水量は、カールフィッシャー滴定を介して容易に判定され得る。
上記に記載の方法によれば、高品質のポテトスナック製品が容易に製造され得る。このポテトスナック製品は、従来のポテトチップのパリパリおよびカリカリとした食味と、従来のフレンチフライドポテトの健常な、食味豊かで、所望の形状およびサイズ、ならびに、最終的なポテトスナック製品における最低限の含油量とを併せ持つ。
本発明はさらに、少なくとも約0.8mmの破断伸びを有するそのまま食用に供することが可能である乾燥ポテトスナック製品に関する。そのまま食用に供することが可能である乾燥ポテトスナック製品の最大力損失は約60%未満、および、好ましくは約55%未満であり得る。完全を期するために、上記に記載の方法を採用することにより、少なくとも約0.8mmの破断伸びを有する、そのまま食用に供することが可能である乾燥ポテトスナック製品を得ることが可能であり、ここで、最大力損失は約60%未満、および、好ましくは約55%未満であることが概説されている。「そのまま食用に供することが可能である」という用語は、消費者が、消費する前に処理工程を実施する必要性がないことを意味する。本発明のそのまま食用に供することが可能である乾燥ポテトスナック製品は室温で食され得る。
破断伸びは少なくとも約0.8mmであることが重要である。「破断伸び」という用語は、降下プロップを介してフレンチフライドポテトスナック製品の試験片の表面に加えられた力(例えばニュートン[N])に対して破断時に伸びた長さ(例えばミリメートル[mm])がプロットされた図において示されている最大ピークに対応する。降下プロップは、先ずポテトスナック製品のカリカリとした外表面を、そして、スナック製品の内側構造を非可逆的に変形させる。本発明による破断伸びが測定される最大ピークは、試験片のカリカリとした外表面の破断点に関連している。最大ピークを過ぎた後の最大力損失が約60%未満、および、好ましくは約55%未満である場合、ポテトスナック製品の内側構造は均質である。換言すると、外表面クラストと内側構造とのカリカリさの差異が小さい。最大力損失が約55%、および、さらには約60%を超えている場合、降下プロップは、外側のカリカリとしたクラストを破壊した後比較的干渉を受けずに試験片を貫通するため、試験片は各々内側構造を有さない。破断伸びが約0.8mm未満であれば、ポテトスナック製品は過度にもろく、その製造、パッケージングまたは輸送の最中に容易に割れが生じるか、または、破損してしまう。破断伸びが例えば約4mmと過度に高い場合には、ポテトスナック製品は過度に弾性であり、少なくともポテトスナック製品の表面部分でカリカリさがないか、または、カリカリとしたクラストが形成されておらず、食感および食味が望ましくないものとなる。
乾燥フレンチフライドポテトスナック製品を製造する本発明の方法に関して上記に記載した利点、効果、および、実施形態は、本発明のそのまま食用に供することが可能である乾燥ポテトスナック製品にも適用可能である。
しかも、さらに好ましい実施形態によれば、本発明のそのまま食用に供することが可能である乾燥ポテトスナック製品の残存含水量は約8%未満、および、好ましくは約2%〜約5%である。従って、如何なる防腐剤の添加も省略され得、消費者による本発明の製品の許容性が高められる。
図1は、試験片の破断伸びを測定するための実験用テストアセンブリを示す。 図2は、2つの異なる試験片について破断伸びを計測することにより得られた図を示す。
本発明を、図面を参照してさらに詳細に記載する。図1は、試験片1、すなわちポテトスナック製品の破断伸びを測定するための実験用テストアセンブリを示す。破断伸びは、試験片1について、室温、すなわち約25℃で測定される。試験片1は、スチールプレート2上に載置される。テスト体3は、約2mm/minの速度で試験片1の中心部分に降下する約5mmの直径を有する半球形の油圧式プロップである。プロップ3の侵入深度は、最大力損失が約60%以上である場合に最大となる。換言すると、プロップ3は試験片1の表面部分に達するまで降下させられる。プロップ3が試験片1の表面に達した場合、未だ降下しているプロップ3によって試験片1の表面に加えられている力が過大で、試験片1の内側構造に達するまで、試験片1のカリカリとしたクラストは試験片1の内側構造により耐性である。試験片1の表面にさらに大きい力が加えられると、試験片1の表面部分および内側構造が破壊され、プロップ3がさらなる干渉を受けずに降下し、および、力が直ちに低減するよう、ポテトスナック製品1は破壊される。乾燥ポテトスナック製品の外側のカリカリとしたクラストの破断点に対応する最大ピークを過ぎた後の最大力損失は約60%未満、および、好ましくは約55%未満であることが重要であり、これは、この場合には、乾燥ポテトスナック製品全体にわたるカリカリさは優れており、乾燥ポテトスナック製品1の内側構造は十分に均質であって、製品の安定性を高めて優れたパリパリさがもたらされており、従って、製品はきわめて食用に供されることが可能であり、これが特別な食感に寄与しているためである。最大力損失が約60%を超えると、試験片1の外側の表面部分は硬いカリカリとしたクラストのみだけではなく、過度に軟らかく安定性ではない内側のコアを有しており、これにより、可食性が低減されてしまう。このような試験片1のカリカリとしたクラストに割れ目を入れた後、降下プロップ3は各々の内側構造が存在していないことにより干渉を受けずに降下して、最大力損失が約60%を超えてしまう。
図2は、2つの異なる試験片について破断伸びを計測することにより得られた図を示す。中実線は本発明の方法に従って準備した乾燥ポテトスナック製品のテスト結果を示し、点線は従来のフレンチフライドポテトのテスト結果を示す。乾燥ポテトスナック製品および従来のフレンチフライドポテトは同一のサイズを有する。
2つの試験片は以下のようにして準備した。
a)乾燥ポテトスナック製品(中実線):
約15.5%のデンプン含有量を有する「ベラロッサ(Bellarosa)」種のジャガイモを、洗浄し、皮を剥き、乾燥させ、約6cm長、約1.5cm幅および約1.5cm厚に角切りした。角切りしたジャガイモを最初に約175℃のヒマワリ油の中で約11分間油ちょうし、次いで、冷凍庫中で約−12℃に冷却した。角切りしたジャガイモを、再度、約175℃のヒマワリ油の中で約2.5分間油ちょうした。その後、得られたジャガイモ片は、明るい黄金色のカリカリとしたクラストを外側の表面に有しており、中も完全に調理されていた。次いで、油ちょうしたジャガイモ片を液体窒素と空気との混合ガス中で、約−90℃の温度で15秒間冷凍したところ、ジャガイモ片の温度は約−90℃に低下した。次いで、低温冷凍されたジャガイモ片を凍結乾燥ユニットに移し、約−25℃〜約80℃の温度、約10-2hPa(mbar)の圧力で、約740分間凍結乾燥に供した。凍結乾燥した後、ジャガイモ片を、破断伸びを測定するまで室温(およそ25℃)で保存した。ジャガイモ片は、カールフィッシャー滴定による計測で約4.5%の含水量を有していた。
b)従来の方法で準備した試験片(点線):
約15.5%のデンプン含有量を有する「ベラロッサ(Bellarosa)」種のジャガイモを、洗浄し、皮を剥き、乾燥させ、約6cm長、約1.5cm幅および約1.5cm厚に角切りした。角切りしたジャガイモを最初に約175℃のヒマワリ油の中で約11分間油ちょうし、次いで、冷凍庫中で約−12℃に冷却した。ジャガイモ片を、再度、約175℃のヒマワリ油の中で約5.5分間油ちょうした。ジャガイモ片は、濃い黄金色のカリカリとしたクラストを外側の表面に有しており、中も完全に調理されていた。ジャガイモ片は、カールフィッシャー滴定による計測で約4.5%の含水量を有していた。フレンチフライドポテト片を室温(およそ25℃)に冷却し、次いで、破断伸びを測定した。
サンプルを破断伸びについてテストし、結果が図2に図示されている。本発明の方法に従って準備した乾燥ポテトスナック製品(中実線)は、最大ピークを約0.9mmで示し、それ故、少なくとも約0.8mmの破断伸びを有している。数々のより小さなピークが存在しており、比較的均質な構造体であることを表している。しかも、最大力損失は約50%未満であって、これは最大約60%未満である(すなわち、約30Nであった最大ピークの頂点と、約14〜15Nであった線の最低との差異の割合)。それ故、本発明の乾燥ポテトスナック製品はカリカリとしているが十分に弾性を有するクラストにより特徴付けられており(これは、もろくも硬くもないがクラスト感がある食感および均質な内側構造に重要である)、容易に、かつ、楽しみながら食用に供される。
従来の方法(b)に従って準備したフレンチフライドポテト片は、単独のピークを約0.5mm(すなわち、0.8mm未満の破断伸び)で1つだけ示す。約40Nを加えた後、降下プロップは急激に試験片を貫通して降下した。最大力損失は約70%であって、これは約60%を超えていた(すなわち、約40Nであった最大ピークの頂点と、約12〜13Nであった線の最低との差異の割合)。それ故、試験片はカリカリとしたクラストを有していたが内側構造は有しておらず、従って、プロップは完全に干渉を受けずに試験片を貫通して降下し、完全な構造を一瞬にして破壊してしまい、この従来のジャガイモ製品は食用に適さないものである。
1 試験片
2 スチールプレート
3 テスト体

Claims (10)

  1. ジャガイモ片を下ごしらえする工程、
    前記ジャガイモ片を第1の油ちょう工程において油ちょうする工程、
    前記油ちょうしたジャガイモ片を約100℃未満の温度に冷却する工程、
    前記冷却したジャガイモ片を第2の油ちょう工程において油ちょうする工程、
    前記油ちょうしたジャガイモ片を約−60℃〜約−150℃の範囲の温度で冷凍する工程、および
    前記冷凍ジャガイモ片を凍結乾燥して残存含水量を低減させる工程、
    を含む、乾燥フレンチフライドポテトスナック製品を製造する方法。
  2. 前記油ちょうしたジャガイモ片の前記冷凍する工程が、約−90℃〜約−120℃の範囲の温度で実施される、請求項1に記載の方法。
  3. 前記ジャガイモ片の前記第2の油ちょう工程が、約120℃〜約200℃、好ましくは約150℃〜約180℃、さらにより好ましくは約175℃の温度で実施される、請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記ジャガイモ片の前記第1および第2の油ちょう工程が、ヒマワリ油の中で実施される、請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
  5. 前記第2の油ちょう工程が、約1.5〜約5分間、好ましくは約2〜約4分間実施される、請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
  6. 前記冷凍する工程に液体窒素が用いられる、請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
  7. 前記冷凍ジャガイモ片の前記凍結乾燥工程が、前記ジャガイモ片の前記残存含水量が約8%未満、好ましくは約2%〜約5%となるまで実施される、請求項1〜6のいずれかに記載の方法。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載の方法に従って製造されるポテトスナック製品。
  9. 少なくとも約0.8mmの破断伸びを有し、最大力損失が約60%未満、好ましくは約55%未満である、そのまま食用に供することが可能である乾燥ポテトスナック製品。
  10. 前記ポテトスナック製品の前記残存含水量が約8%未満、および、好ましくは約2%〜約5%である、請求項9に記載のそのまま食用に供することが可能である乾燥ポテトスナック製品。
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