JP2013237311A - 車両制御システム - Google Patents

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Abstract

【課題】車両制御システムの消費電力を抑制すること。
【解決手段】車両制御システム全体として、制御状態が少なくとも3段階に階層化され、上位の階層に紐付けられた機能の実行に基づき、制御状態が、それよりも下位の階層に遷移する。車両制御システムを構成する複数のECUは、制御状態が、自身に実装された機能が紐付けられた階層に遷移して、その機能を実行すべきとき起動され、制御状態が、それよりも上位の階層にあるとき、停止状態に維持される。複数の機能を複数のECUへ分散実装する際、隣接する階層の機能であれば、複数の階層にそれぞれ紐付けられた複数の機能を同じECUへ実装することは許容するが、1つ以上の階層を間に挟む離間した複数の階層にそれぞれ紐付けられた複数の機能を同じECUへ実装することは禁じている。従って、各階層の機能を実行する際に、起動されるECUの数を極力少なくすることができる。
【選択図】図3

Description

本発明は、例えば車両の挙動などを制御する車両制御システムに関する。
例えば、特許文献1には、第1及び第2の車載電子制御装置に対する給電用電源リレーを共用化し、第1の車載電子制御装置によって統括管理するようにした給電制御回路が示されている。また、特許文献2には、例えばフルブレーキング時、フルスロットル時、急減なハンドル操作時などに、ブレーキブースタなどの安全に関連する電気消費装置に、通常よりも大きな電気エネルギーを供給する必要が生じると、安全にあまり関連しない電気消費装置への電気エネルギーを一時的に遮断して、増大した電気エネルギーの要求に応えることができるようにしたエネルギー管理装置が記載されている。
特開2008−240684号公報 特表2006−511396号公報
ここで、例えば車両の挙動を制御するための車両制御システムは、エンジンシステム、ブレーキシステム、モータシステム、ステアリングシステムなどの複数のサブシステムから構成されることが多い。
このような車両制御システムにおいて、上述した特許文献1に記載されたように、複数のサブシステムの各々の電子制御装置に対する給電制御が常に同じタイミングで行われると、状況によっては給電する必要がないサブシステムにも給電が行われてしまい、車両制御システム全体での消費電力が大きくなってしまうという問題が生じる。
一方、上述した特許文献2では、特定の電気消費装置での電気エネルギーの需要が大きくなったとき、他の電気消費装置への電気ネルギーの供給を一時的に遮断することにより、消費電力の増大を抑制するようにしている。
しかしながら、上述したような車両制御システムでは、車両の挙動を制御する際には、複数のサブシステムを協調して制御する必要があるため、消費電力の増大を回避する目的のために、特許文献2に記載したような技術を採用することはできない。
本発明は、上述した点に鑑みてなされたものであり、消費電力を抑制することが可能な車両制御システムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1の車両制御システムは、車両を制御するためのものであって、複数のサブシステムを備えるとともに、それら複数のサブシステムを制御するために、複数の電子制御装置を有しており、
前記車両制御システム全体として、制御状態が少なくとも3段階に階層化されるとともに、上位階層においては、車両制御システムの起動及び停止を制御するための機能が紐付けられ、中位階層においては、各サブシステムを協調して制御するための、各サブシステムの目標制御量を算出するための機能が紐付けられ、下位階層においては、前記目標制御量に従って各サブシステムを制御するための機能が紐付けられており、相対的に上位の階層に紐付けられた機能の実行に基づき、前記制御状態が、それよりも下位の階層に遷移して、当該下位の階層に紐付けられた機能が実行可能となるものであって、
前記複数の電子制御装置には、前記各階層の機能が分散実装されるが、その機能の実装の際、隣接する階層の機能であれば、複数の階層にそれぞれ紐付けられた複数の機能を同じ電子制御装置へ実装することは許容するが、1つ以上の階層を間に挟む離間した複数の階層にそれぞれ紐付けられた複数の機能を同じ電子制御装置へ実装することは禁じられ、
前記複数の電子制御装置は、それぞれ、前記制御状態が、自身に実装された機能が紐付けられた階層に遷移して、その機能を実行すべきとき起動され、前記制御状態が、それよりも上位の階層にあるとき、停止状態に維持されることを特徴とする。
このように、請求項1の車両制御システムでは、制御状態が少なくとも3段階に階層化されており、上位の階層に紐付けられた機能の実行に基づき、制御状態が、それよりも下位の階層に遷移することで、当該下位の階層に紐付けられた機能が実行可能となる。そして、車両制御システムを構成する複数の電子制御装置は、それぞれ、制御状態が、自身に実装された機能が紐付けられた階層に遷移して、その機能を実行すべきとき起動され、制御状態が、それよりも上位の階層にあるとき、停止状態に維持される。その結果、制御状態が、相対的に上位の階層にある場合には、該当の階層及びそれよりも上位の階層に紐付けられた機能が実装された電子制御装置だけが起動され、該当の階層よりも下位の階層に紐付けられた機能が実装された電子制御装置は停止状態のままとなる。
特に、請求項1の車両制御システムでは、複数の機能を複数の電子制御装置へ分散実装する際に、隣接する階層の機能であれば、複数の階層にそれぞれ紐付けられた複数の機能を同じ電子制御装置へ実装することは許容するが、1つ以上の階層を間に挟む離間した複数の階層にそれぞれ紐付けられた複数の機能を同じ電子制御装置へ実装することは禁じている。従って、各階層に紐付けられた機能を実行する際に、起動される電子制御装置の数を極力少なくすることができ、システム全体として消費電力の抑制を図ることが可能になる。換言すれば、1つ以上の階層を間に挟む離間した複数の階層にそれぞれ紐付けられた複数の機能を同じ電子制御装置へ実装した場合、起動しなければならない電子制御装置の数が増加しやすくなるとともに、起動と停止とを切り換える機会も増えることになり、電力消費に無駄が生じやすくなる。
また、制御状態を階層化し、各階層に機能を紐付けたことにより、例えば車種に応じて上位の階層の機能が変更された場合であっても、下位の階層に紐付けられた機能が同じであれば、その下位の階層に紐付けられた機能をそのまま利用することが可能となる。従って、機能を実現するためのソフト的及びハード的な資源の再利用が可能になるとともに、他の階層に紐付けられた機能との連携についても、その品質を維持すること可能になる。
請求項2に記載したように、前記車両制御システムは、車両の挙動を制御するためのものであって、前記中位階層に紐付けられる機能は、車両として望ましい目標挙動を実現するために各サブシステムが分担すべき制御量を、前記目標制御量として算出するものであっても良い。車両の挙動を制御する場合、車両制御システムは、例えば、エンジンシステム、モータシステム、ブレーキシステム等の複数のサブシステムを有し、車両の挙動を制御する際には、それらの複数のサブシステムを協調して制御する必要があるためである。
請求項3に記載したように、前記中位階層には、前記サブシステムの各々が正常に動作しえるか否かを判断する機能と、正常に動作し得る場合には、全てのサブシステムを対象として、各サブシステムの目標制御量を算出し、正常に動作し得ない場合には、正常に動作しえないサブシステムへの電源を遮断して停止させるとともに、正常に動作し得るサブシステムのみを対象として、各サブシステムの目標制御量を算出する機能とが紐付けられていても良い。このようにすれば、いずれかのサブシステムに異常が生じた場合であっても、車両制御システムは、制御を継続して実行することが可能になる。
請求項4に記載したように、前記車両は、走行駆動源として電動モータを有する電動車両であって、前記電動モータに電力を供給する電池を充電する充電モードと、走行時の車両の挙動を制御する走行モードとの2つの制御モードを備え、各制御モードにおいて、それぞれ、制御状態が階層化されていても良い。電動車両の走行モードと充電モードとは、機能的に全く異なるものである。そのため、走行モードのための機能と充電モードのための機能とをまとめて階層化した場合、無駄に起動される電子制御装置が生じてしまう虞がある。それに対して、走行モードと充電モードとで、それぞれ、制御状態を階層化することにより、それぞれの制御モードにおいて、各階層に紐付けられた機能を実行する電子制御装置のみ起動することができ、電力消費の抑制を図ることが可能になる。
請求項5に記載したように、前記車両制御システムが、複数の制御モードを有し、それぞれの制御モードにおいて、制御状態が階層化されており、車両の動作状況に応じて、安全性が確保されるように、前記複数の制御モードの優先順位が予め定められており、いずれか1つのモードの上位階層において、その定められた優先順位に従って、制御モードが選択されても良い。これにより、複数の制御モードが定められている場合であっても、それら複数の制御モードが競合することを避けることができる。さらに、選択された制御モードに従う機能が実行される際に、選択された制御モード以外の機能を停止させることで、消費電力の低減を図ることも可能となる。
請求項6に記載したように、前記複数の制御モードにおいて、共通利用される機能が、中位階層もしくは下位階層に設定され、その共通利用される機能を含む中位階層もしくは下位階層には、複数の制御モードの上位階層からアクセス可能なインターフェースが設けられても良い。これにより、複数の制御モードにおいて、中位階層や下位階層の機能を共通利用することが可能となり、リソースの有効活用を図ることができる。
請求項7に記載したように、前記共通利用される機能が送信するデータ、及び/又は受信したデータに関する処理を、各制御モードにおいて必要となる最小限のデータ、及び/又は処理となるように切り換えることが好ましい。これにより、それぞれの制御モードを実行する際の処理負荷や通信負荷を低減し、消費電力を抑制することが可能となる。
ハイブリッド車両の前後方向の挙動を制御するための、本実施形態による車両制御システムが有する各種機能を表した機能ブロック図である。 車両制御システム全体として、少なくとも3段階に階層化された制御状態を示す図である。 各階層への機能の割り振りをより具体的に示した図である。 複数の階層に渡る複数の機能を、同じECUに実装することを許可する例を示す図である。 複数の階層に渡る複数の機能を、同じECUに実装することを禁止する例を示す図である。 各階層の機能をソフトウエアオブジェクトにより具現化した場合の、ソフトウエアオブジェクト同士の結合関係を概念的に示した図である。 各階層の機能を、複数のECUに分担実装する一例を示した図表である。 各ECUに実装される機能を、各ECUの接続構造とともに示した図である。 変形例による、各階層の機能をソフトウエアオブジェクトにより具現化した場合の、ソフトウエアオブジェクト同士の結合関係を概念的に示した図である。 変形例による、各階層の機能を、複数のECUに分担実装する一例を示した図表である。 変形例による、各ECUに実装される機能を、各ECUの接続構造とともに示した図である。
以下、本発明の実施形態による車両制御システムに関して、図面を参照しつつ説明する。本実施形態では、車両の走行駆動源として、エンジンと電動モータとを有するハイブリッド車両に対して、車両の前後方向の挙動を制御するために車両制御システムを適用した例について説明する。しかしながら、その適用対象は、エンジンのみを有する車両や、モータのみを有する電動車両であっても良い。また、以下に示す実施形態では、車両制御システムにより、車両の前後方向の挙動を制御する場合について説明するが、併せてもしくは単独で、ステアリングシステムやサスペンションシステムを用いて、車両の横方向の挙動や、上下方向の挙動を制御するものであっても良い。
公知のように、ハイブリッド車両は、走行駆動源として、エンジンと、エンジンの出力軸上に配設された電動モータとしてのモータジェネレータ(MG)とを有する。モータジェネレータは、車両に搭載されたバッテリから電源供給を受けて動作し、エンジンの駆動力をアシストすることが可能なものである。また、モータジェネレータは、車両が減速するときには、車輪側からの回転駆動により発電を行い、バッテリを充電する(回生ブレーキ)。このような構成において、エンジンとモータジェネレータとの間にクラッチを設けて、エンジンとモータジェネレータを切り離すことができるようにすれば、モータジェネレータの駆動力のみにて車両を走行させるようにすることも可能となる。
なお、ハイブリッドシステムとして、いわゆるパラレル方式による構成を備える例について簡単に説明したが、その他の方式(スプリット方式、シリーズ・パラレル方式など)によるハイブリッドシステムを用いることも可能である。
図1は、上述したハイブリッド車両の前後方向の挙動を制御するための、本実施形態による車両制御システム10が有する各種機能を機能ブロック図として表したものである。ただし、図1に示す例は単なる一例であって、例えば、エンジン制御やモータ制御に加えて、ブレーキ制御やトランスミッション制御を実行するようにしても良い。ブレーキやトランスミッションの制御により、前後方向の車両の挙動が変化するためである。以下、図1を参照しつつ、車両制御システム10が有する各種の機能について説明する。
図1に示すように、車両制御システム10には、各種の情報が入力される。例えば、ヒューマン・マシン・インターフェース(HMI)1は、ハイブリッド車両の運転のため、運転者によって操作される操作部を意味し、アクセルペダル、ブレーキペダル、シフトレバー、ステアリングホイールなどが該当する。それら操作部における各々の操作量がセンサ等によって検出され、車両制御システム10に入力される。
ハイブリッド車両が、走行支援のための電子制御デバイスを備えている場合、それら電子制御デバイスからの情報も車両制御システム10に入力される。例えば、アダプティブクルーズコントロールシステム(ACC)2、パーキングコントロールシステム(PCS)3、レーンキープアシストシステム(LKA)4などが該当する。その他にも、ハイブリッド車両が、アンチロックブレーキシステム(ABS)、トラクションコントロールシステム(TRC)、ビークルスタビリティコントロールシステム(VSC)を備えている場合には、それらのシステムからの情報も車両制御システム10に入力される。それらの電子制御デバイスによって、車両の駆動トルクや、制動トルクが決定される場合があるためである。
上述した各種の情報は、車両制御システム10の前後挙動調整機能(VLC)12に入力される。前後挙動調整機能12は、原則として運転者の操作に対応するように車両の前後方向の挙動を制御すべく、前後方向の目標加速度(減速度)を算出するとともに、その目標加速度(減速度)を実現するための目標駆動トルク(車軸トルク目標値)を算出して、駆動力調整機能(PTC)14に出力する。
一方、バッテリ制御機能(Battery Control)22は、バッテリ容量検出機能(SOC)20によって検出される、バッテリの充電容量に対する充電残量の比率である充電レベルに基づいて最大許容放電力や要求充電力を算出して、モータジェネレータ調整機能(MGC)16に出力する。また、バッテリ制御機能22は、外部電源によってバッテリが充電されることがプラグイン検出機能(Plug In)18によって検出されると、充電電力がバッテリの最大許容充電力を超えないように充電器を制御する。なお、バッテリの充電容量は、当該バッテリの劣化状態(SOH)に応じて変化するので、バッテリ容量検出機能20が、バッテリの劣化状態も検出するように構成しても良い。
モータジェネレータ調整機能(MGC)16は、バッテリ制御機能22から出力された要求充電力に応じて、回生ブレーキ時にモータジェネレータが発生した電力にてバッテリを充電したり、最大許容放電力に基づいて、モータジェネレータが発生可能な最大トルクを算出し、駆動力調整機能14に出力したりする。駆動力調整機能14は、前後挙動調整機能12から取得した目標駆動トルクを発生させるべく、モータジェネレータの発生可能最大トルクを考慮して、エンジン制御機能24に出力すべき目標エンジントルク、及びモータ制御機能26に出力すべき目標MGトルクをそれぞれ決定する。エンジン制御機能24は、与えられた目標エンジントルクを発生させるべく、エンジンの点火時期や燃料噴射量を制御する。また、モータ制御機能26は、与えられた目標MGトルクを発生させるべく、モータジェネレータの回転を検知しつつ、ベクトル制御を実行する。
本実施形態による車両制御システム10は、上述したような各種の機能を備えるが、それらの機能は、エンジンシステム、モータジェネレータシステム、充電システムなどの車両制御システム10を構成する各サブシステムを制御するための複数の電子制御装置(ECU)に分散して実装される。この場合、車両制御システム10を構成する全てのECUの起動及び停止が同時に行われたとすると、必ずしも起動が必要ではないECUも起動されることになり、消費電力の増大を招いてしまう。
そこで、本実施形態による車両制御システム10では、まず、図2に示すように、制御状態を少なくとも3段階に階層化するとともに、車両制御システム10における制御シーケンスに沿って、図1の機能ブロック図に表された各種の機能を各階層に紐付けることとした。一例として、図2に示すように、上位階層(Top Layer)には、所定の起動条件が満たされたときに車両制御システム10を起動し、所定の停止条件が満たされたときに車両制御システム10を停止させる起動停止制御機能などが紐付けられる。なお、所定の起動条件として、例えば、シフト位置がパーキングであり、ブレーキペダルが踏み込まれつつ、スタートスイッチが操作されたとの条件を用いることができる。そして、起動条件が満たされた場合、制御状態は、中位階層(2nd Layer)に遷移して、中位階層に紐づけられた機能が実行可能となる。
図2に示す例では、中位階層には、全てのサブシステムが正常に動作しており、ハイブリッド車両をノーマルモードにて走行させることが可能か、それとも一部のサブシステムに異常が生じており、ハイブリッド車両をリンプホームモードにて走行させる必要があるかを判断する機能が紐付けられている、さらに、ノーマルモードにて走行させることが可能と判断した場合に、各サブシステムを協調して制御するための各サブシステムの目標制御量を算出するための機能、あるいは、リンプホームモードにて走行させる必要があると判断した場合に、正常に作動するサブシステムを選択し、その選択したサブシステムへの目標制御量を算出するための機能などが紐付けられている。
全てのサブシステムが正常に動作しているか否かの判断は、例えば、各サブシステムの目標制御量(目標エンジントルク、目標MGトルクなど)をセンサにより検出可能な物理量に変換した上で、センサによる検出値と対比することにより行うことが可能である。
目標制御量をセンサにより検出可能な物理量に変換するためには、例えば、予め用意された各車載機器(制御対象機器)のモデルを用いることができる。具体例として、目標エンジントルクをセンサにより検出可能な物理量に変換するには、目標とするエンジントルクを発生するようにエンジンが動作したときにおけるエンジン回転数が出力されるように、エンジンモデルを構築すれば良い。そして、実際のエンジン回転数を回転数センサによって検出し、変換したエンジン回転数と対比する。これにより、エンジンの制御が正常に行われているかどうかを判定することができる。なお、対比するための物理量として、エンジンの筒内圧、吸入空気量などを用いても良い。
また、モータジェネレータについては、エンジンと同様に、目標MGトルクを発生するようにモータジェネレータが動作したときにおけるモータ回転数が出力されるように、MGモデルを構築すれば良い。もしくは、モータジェネレータに関しては、制御目標量をモータ電流に変換しても良い。このようにして制御目標量がセンサによって検出可能な物理量に変換されると、回転数センサや電流センサなどにより検出したモータ回転数やモータ電流の実際の検出値と対比することが可能となり、モータジェネレータを正常に制御できているかいなかを判定することができる。なお、モータ電流を用いる場合、そのモータ電流を磁束電流とトルク電流とに分解し、各々に関して、検出値との比較を行なうようにしても良い。
以上、制御目標量をセンサによって測定可能な物理量に変換することにより、各サブシステムが正常に動作しているか否かを判定する例について説明したが、制御目標量が与えられないバッテリに関しても、バッテリの充放電状態に基づき、バッテリが正常に動作しているか否かを判定することができる。具体的には、バッテリに関しては、動作状態を判定するためのパラメータとして、SOC(State of Charge)やSOH(State of Health)を用いることができる。バッテリになんらかの異常が生じた場合、予期されないSOCやSOHの変化として現れるためである。
ノーマルモードもしくはリンプホームモードにより、サブシステムの目標制御量が算出されると、制御状態は、下位階層(3rd Layer)に遷移して、下位階層に紐づけられた機能が実行可能となる。なお、制御状態が3rd Layerに遷移したとき、それよりも上位のTop Layer及び2nd Layerの階層に紐付けられた機能も実行可能な状態に維持されている。従って、ノーマルモードもしくはリンプホームモードによる各サブシステムの制御は、継続して実行可能である。
図2に示す例では、下位階層には、ノーマルモードにてハイブリッド車両を走行させる場合に、与えられた目標制御量に従ってエンジン、モータジェネレータ、及びバッテリの充電等を制御する機能が紐付けられている。このとき、モータジェネレータに対して目標MGトルクが与えられ、エンジンに対しては目標エンジントルクが与えられない(目標エンジントルク=0)場合、ハイブリッド車両はいわゆるEV走行を行うことになる。その一方、モータジェネレータ及びエンジンに対してそれぞれ目標トルクが与えられた場合には、いわゆるHV走行を行うことになる。このEV走行と、HV走行との切換は、例えば、バッテリの残存容量や車両の走行速度などに応じて実施される。
また、下位階層には、リンプホームモードにてハイブリッド車両を走行させる場合に、与えられた目標制御量に従ってエンジン、モータジェネレータ、及びバッテリの充電等を制御する機能が紐付けられている。ただし、この場合には、エンジンとモータジェネレータとのいずれかの動作に異常が生じているので、エンジンとモータジェネレータとの内、正常に動作する方に対してのみ目標トルクが与えられる。その結果、ハイブリッド車両は、モータジェネレータのみを走行駆動源とするMG走行、もしくはエンジンのみを走行駆動源とするEMS走行のいずれかを実施することになる。
このように、相対的に上位の階層の状態遷移と、下位階層に紐付けられた各サブシステムの制御機能とは分離されている。このため、各サブシステムの機械的構成や制御機能に影響されず、相対的に上位の制御状態及び遷移条件等の設計が可能になる。また、相対的に上位の制御状態や遷移条件が、例えば車種に応じて異なる設計がなされた場合であっても、その差異に影響されず、各サブシステムの制御機能の独立性、及び再利用性が確保される。なお、図2には、制御状態を3段階の階層に分ける例を示したが、階層は3段階に限られるものではなく、4段階以上の階層を設定しても良い。
次に、図3を参照して、各階層への機能の割り振りについて、より具体的に説明する。図3に示すように、上位階層(Top Layer)には、所定の起動条件が満たされたときに車両制御システムを起動させる起動機能、及び所定の停止条件が満たされた時に車両制御システムを停止させる停止機能が紐付けられている。そして、上位階層に隣接した中位階層(2nd Layer)には、システムメインリレーの制御機能(SMR)が紐づけられている。
起動機能により車両制御システムを起動させる場合には、起動機能が、システムメインリレー制御機能に対して、システムメインリレーをオンするよう指示する。すると、制御状態が中位階層(2nd Layer)に遷移して、起動機能からの指示に基づき、システムメインリレー制御機能がシステムメインリレーをオンすることにより、各サブシステムへの電源供給が可能な状態となる。一方、停止機能は、システムメインリレーがオンしている状態で、所定の停止条件が成立したとき(例えば、ユーザにより停止スイッチが操作されたとき)、システムメインリレー制御機能に対して、システムメインリレーをオフするよう指示する。このように、起動機能及び停止機能と、システムメインリレー制御機能とは、安全制約条から直接駆動することが可能なように、隣接した階層に配置されている。
また、上位階層には、イニシャルチェックなどのために、サブシステムを制御するためのECUの内、一部(又は全部)のECUに対して、ウエイクアップ指令を送信する通信初期ウエイクアップ機能が紐付けられている。なお、ウエイクアップ指令を受信したECUは、所定のイニシャルチェックを行った後、スリープする。この通信初期ウエイクアップ機能により、該当ECUとの通信が正常に行われ得ることが確認されると、制御状態が中位階層(2nd Layer)に遷移したとき、その中位階層に紐付けられた定常通信機能、中間ウエイクアップ機能、フェイルスリープ機能などが実行される。
定常通信機能は、複数のECU間で定期的に相互通信を行うための機能であり、中間ウエイクアップ機能は、スリープしているECUをウエイクアップさせるための機能であり、フェイルスリープ機能は、自己診断、もしくは他のECUからの通知によりなんらかの異常の発生が検知された場合に、該当するECUをスリープさせるための機能である。このように、通信初期ウエイクアップ機能と、定常通信機能、中間ウエイクアップ機能、フェイルスリープ機能は、機能的に主従の関係にあるので、隣接した階層において、通信初期ウエイクアップ機能が上位の階層に紐付けられ、定常通信機能、中間ウエイクアップ機能、及びフェイルスリープ機能が下位の階層に紐付けられている。
なお、上述したように、各階層に配置される機能には、車両の前後方向の挙動を制御するための制御機能の他、通信機能や電源管理機能なども含まれる。
また、中位階層には、図1において説明した、前後挙動調整機能(VLC)、駆動力調整機能(PTC)、モータジェネレータ調整機能(MGC)が紐付けられている。駆動力調整機能(PTC)は、エンジンが正常に動作しているか否かを判定する機能も備え、また、モータジェネレータ調整機能(MGC)は、モータジェネレータが正常に動作し得るか否かを判定する機能も備えている。これらの判定結果として、エンジン及びモータジェネレータとも正常に作動しえると判定された場合には、ノーマルモードにて車両を走行させるべく、駆動力調整機能(PTC)が、目標エンジントルク及び目標MGトルクを算出する。一方、エンジンとモータジェネレータのいずれかが正常に作動し得ないと判定された場合には、リンプホームモードにて車両を走行させるべく、駆動力調整機能(PTC)は、正常に動作しえるエンジンもしくはモータジェネレータに対する目標トルクを算出する。
駆動力調整機能(PTC)により目標トルクが算出されると、制御状態は、下位階層(3rd Layer)に遷移し、当該下位階層に紐付けられた機能が実行される。下位階層には、ノーマルモード及びリンプホームモードのそれぞれのモードにて車両を走行させるためのエンジン制御機能(噴射量制御機能、点火時期制御機能)、モータジェネレータ制御機能(回転検知機能、ベクトル制御機能)、及びバッテリ制御機能(SOC検知機能、SOH検知機能)が紐付けられている。
以上、各階層への各種の機能の配置例について説明したが、次に、各階層に配置された機能を、各ECUに実装するための手法について説明する。
車両制御システム10は、エンジンシステム、モータジェネレータシステム等の複数のサブシステムから構成され、それら複数のサブシステムを制御するため、複数のECUを有する。そして、各階層に配置される機能は、それら複数のECUに分散して実装される。この機能の実装において、本実施形態では、単一の階層に配置された機能、もしくは、複数の階層に配置された機能であっても、隣接する階層に配置された複数の機能であれば、その複数の機能を同じECUへ実装することは許容する。例えば、図4に示すように、中位階層(2nd Layer)に配置された定常通信機能、中間ウエイクアップ機能、及びフェイルスリープ機能と、下位階層(3rd Layer)に配置されたSOH検知機能、SOC検知機能は同じECUに実装することを許可する。
一方、1つ以上の階層を間に挟む離間した複数の階層にそれぞれ紐付けられた複数の機能を同じECUへ実装することは禁止する。例えば、図5に示すように、上位階層(Top Layer)に配置された通信初期ウエイクアップ機能と、下位階層(3rd Layer)に配置されたベクトル制御機能、回転検知機能、SOC検知機能、SOH検知機能は、同じECUに実装されることは禁止される。
ここで、各階層に配置されたそれぞれの機能が、各ECUに実装された場合、各ECUは、制御状態が、自身に実装された機能が紐付けられた階層に遷移して、その機能を実行すべきときに起動され(例えば電源が投入)され、制御状態が、それよりも上位の階層にあるとき、停止状態(例えば、電源が遮断された状態)に維持される。その結果、制御状態が、相対的に上位の階層にある場合には、該当の階層及びそれよりも上位の階層に紐付けられた機能が実装されたECUだけが起動され、該当の階層よりも下位の階層に紐付けられた機能が実装されたECUは停止状態のままとなる。
そして、本実施形態では、上述したように、単一の階層に紐付けられた機能、あるいは隣接する階層に紐付けられた機能しか、同じECUに実装することを許可しないので、各階層に紐付けられた機能を実行する際に、起動されるECUの数を極力少なくすることができ、システム全体として消費電力の抑制を図ることが可能になる。換言すれば、1つ以上の階層を間に挟む離間した複数の階層にそれぞれ紐付けられた複数の機能を同じECUへ実装した場合、起動しなければならないECUの数が増加するとともに、起動と停止を切り換える機会も増えることになり、電力消費に無駄が生じやすくなるのである。
図6は、各階層の機能をソフトウエアオブジェクトにより具現化した場合の、ソフトウエアオブジェクト同士の結合関係を概念的に示したものである。図6において、矢印が結合可能なパスを示す。図6に示すように、本実施形態では、全てのソフトウエアオブジェクト同士が結合可能とはなっておらず、結合が必要な階層間、もしくは階層内でのみ結合可能となっている。これにより、オブジェクト単位での再利用性が向上する。なお、上記のソフトウエアオブジェクトは、単一のECUに対応するだけでなく、複数のECU間で実装される機能の分担が変更される場合も対応可能である。
図7及び図8は、各階層の機能を、複数のECUに分担実装した一例を示すものである。図8に示される構成では、ECUが階層配置されている。具体的には、HVECUが、上位階層に置かれ、エンジンマネジメントシステム(EMS)ECU、モータジェネレータECU、及びバッテリECUが下位階層に置かれている。このような物理的なECU同士の接続構造に従い、各階層の機能が各ECUに実装されている。具体的には、上位階層(Top Layer)に紐付けられた起動及び停止機能、中位階層に紐付けられた前後挙動調整機能(VLC)、駆動力調整機能(PTC)、及びモータジェネレータ調整機能(MGC)がHVECUに実装されている。また、HVECUには、上位階層の通信初期ウエイクアップ機能、及び中位階層の定常通信機能、中間ウエイクアップ機能も実装されている。
一方、エンジン制御機能(噴射量制御機能、点火時期制御機能)、モータジェネレータ制御機能(回転検知機能、ベクトル制御機能)、及びバッテリ制御機能(SOC検知機能、SOH検知機能)は、それぞれEMSECU、MGECU、及びバッテリECUに実装されている。なお、図8には示していないが、車両のバッテリが外部電源により充電される際のプラグイン検知機能は、図示しない充電器ECUに実装される。
このように、個々の機能がどのECUに配置されるかで、ECU間の主従関係が設定される。つまり、この主従関係は、各階層を遷移する制御状態に基づき設定されるので、各階層の機能が実行されるときに、不要なECUが起動されることを回避することが可能である。
さらに、各ECUが各階層に紐付けられた機能を実行する場合であっても、その機能の実行に必要な範囲において、演算処理を行ったり、データの送受信を行ったりするだけである。このため、ECUが起動している場合であっても、その処理負荷や通信負荷は、各階層に紐付けられた機能に応じた最小限の負荷で済む。従って、この観点からも、各ECUの消費電力の低減を図ることが可能となる。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は、上述した実施形態になんら制限されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々変形して実施することが可能である。
例えば、上述した実施形態では、ハイブリッド車両を走行させるための制御機能と、バッテリを充電するための機能とをまとめて階層化する例について説明した。しかしながら、プラグインハイブリッド車両や電気自動車のように、例えば、制御モードとして、バッテリを充電する充電モードと、走行時の車両の挙動を制御する走行モードとの2つの制御モードを備える場合、各制御モードにおいて、それぞれ、制御状態が階層化されていても良い。走行モードと充電モードとは、機能的に全く異なるものである。そのため、走行モードのための機能と充電モードのための機能とをまとめて階層化した場合、無駄に起動されるECUが生じてしまう虞がある。それに対して、走行モードと充電モードとで、それぞれ、制御状態を階層化することにより、それぞれの制御モードにおいて、各階層に紐付けられた機能を実行するECUのみを起動することができ、電力消費の抑制を図ることが可能になるためである。
なお、上述のように、走行モードと充電モードとを分けて、それぞれの機能を階層化した場合、制御モードとしては、充電モードと走行モードとのいずれか一方が選択される。換言すれば、充電モードに従う制御と、走行モードに従う制御とが同時に実行されることはなく、必ず1つの制御モードが選択され、その制御モードに従う制御が実行される。そのようにするために、例えば、充電中に車両を走行させようとした場合や、走行許可中に充電スタンドに接続した場合など、様々な車両の動作状況を判断して、安全状態を実現する様に、走行モードか充電モードを選択する。具体的には、車両の動作状況に応じて、安全性が確保されるように、予め優先順位が定められており、いずれか1つのモードの上位階層において、その定められた優先順位に従って、制御モードを選択する。そして、選択された制御モードに従う機能が実行される際に、選択された制御モード以外の機能を停止させることで、消費電力の低減を図ることができる。
また、非接触充電技術を利用することで、走行中に充電が可能となった場合には、新たに中間的な制御モードである走行中充電モードを設け、その走行中充電モードのための機能を、別個に階層化すれば良い。これにより、従来とは異なる手法で、車両の充電を行うことが可能となった場合にも、それに適した制御を実行することが可能となる。この場合においても、複数のモードが存在することになるので、様々な車両の動作状況に応じて、モード間の優先順位を設けつつ、何れか一つの上位の階層が全体を管理する。これにより、複数の制御モードが競合することを避けることができる。
図9及び図10は、制御モードを走行モードと充電モードとに分けた場合の、ソフトウエアオブジェクトの結合関係を含む全体構造と、各ECUへの機能の割り振りの一例を示している。
図9に示すように、制御モードを走行モードと充電モードとに分けた場合には、走行モード及び充電モードに対応して、上位階層のソフトウエアオブジェクトを別々に設けつつ、下位階層のソフトウエアオブジェクトと結合させる。これにより、上位階層が単一の場合と同様の品質を維持しつつ、複数の制御モードに対応可能とすることができる。
この際、リソースの有効活用の観点から、走行モードと充電モードとにおいて、中位階層もしくは下位階層の機能が共通利用されるようにしても良い。つまり、中位階層もしくは下位階層の機能を、複数の制御モードで共通利用可能な範囲で区分けしたり、集約したりして、各階層の機能を設定する。そして、共通利用される中位階層もしくは下位階層には、複数の制御モードの上位階層からアクセス可能なインターフェースを設ける。このようにすれば、図9に示すように、複数の制御モードにおいて、中位階層や下位階層の機能を共通利用することが可能となる。
このように、ある機能を複数の制御モードで共通利用する場合に、その機能が送信するデータや、受信したデータに関する処理を、各制御モードにおいて必要となる最小限のデータや処理となるように切り換えるようにしても良い。これにより、それぞれの制御モードを実行する際の処理負荷や通信負荷を低減し、消費電力を抑制することが可能となる。
ただし、設定されるインターフェースが多くなるほど、該当する機能およびそれが実装される電子制御装置は、電源遮断がされなくなる。このため、電源遮断を優先する場合は、同じ機能を複数の電子制御装置に配置して、電源遮断可能な電子制御装置の数を増やすようにしても良い。
また、図10に示すように、走行モードのための機能と、充電モードのための機能とをそれぞれ各ECUに分担実装することにより、走行モードと充電モードとで異なるECU間の主従関係が設定される。この結果、走行モード及び充電モードで、それぞれ必要最小限のECUのみが起動されるようになり、電力消費の抑制を図ることが可能になる。
また、上述した実施形態では、すべてのECUに対して、各階層に紐付けられた機能を実装する例を説明した。この場合、すべての各ECU内において、図8に示されるように、それぞれ実装された機能が階層化されることになる。しかしながら、図11に示すように、全てのECUではなく、少なくとも一部のECUに関して、機能が階層化されたECUを採用するようにしても良い。このような場合でも、少なくとも従来構成に比較すれば、電力消費の抑制を図ることが可能であるためである。
なお、図11に示す構成を採用した場合、機能が階層化されていないECUにおいては、各階層における信号を授受して、内部処理するための調整層(Modification Layer)を設ける必要がある。このような調整層を設けることにより、従来構成のECUをそのまま利用可能となる。
10 車両制御システム
12 前後挙動調整機能(VLC)
14 駆動力調整機能(PTC)
16 モータジェネレータ調整機能(MGC)
18 プラグイン検出機能(Plug In)
20 バッテリ容量検出機能(SOC)
22 バッテリ制御機能(Battery Control)
24 エンジン制御機能
26 モータ制御機能

Claims (7)

  1. 車両を制御するための車両制御システムであって、当該車両制御システムは、複数のサブシステムを備えるとともに、それら複数のサブシステムを制御するために、複数の電子制御装置を有しており、
    前記車両制御システム全体として、制御状態が少なくとも3段階に階層化されるとともに、上位階層においては、車両制御システムの起動及び停止を制御するための機能が紐付けられ、中位階層においては、各サブシステムを協調して制御するための、各サブシステムの目標制御量を算出するための機能が紐付けられ、下位階層においては、前記目標制御量に従って各サブシステムを制御するための機能が紐付けられており、相対的に上位の階層に紐付けられた機能の実行に基づき、前記制御状態が、それよりも下位の階層に遷移して、当該下位の階層に紐付けられた機能が実行可能となるものであって、
    前記複数の電子制御装置には、前記各階層の機能が分散実装されるが、その機能の実装の際、隣接する階層の機能であれば、複数の階層にそれぞれ紐付けられた複数の機能を同じ電子制御装置へ実装することは許容するが、1つ以上の階層を間に挟む離間した複数の階層にそれぞれ紐付けられた複数の機能を同じ電子制御装置へ実装することは禁じられ、
    前記複数の電子制御装置は、それぞれ、前記制御状態が、自身に実装された機能が紐付けられた階層に遷移して、その機能を実行すべきとき電源が投入され、前記制御状態が、それよりも上位の階層にあるとき、電源が遮断されることを特徴とする車両制御システム。
  2. 前記車両制御システムは、車両の挙動を制御するためのものであって、前記中位階層に紐付けられる機能は、車両として望ましい目標挙動を実現するために各サブシステムが分担すべき制御量を、前記目標制御量として算出するものであることを特徴とする請求項1に記載の車両制御システム。
  3. 前記中位階層には、前記サブシステムの各々が正常に動作しえるか否かを判断する機能と、正常に動作し得る場合には、全てのサブシステムを対象として、各サブシステムの目標制御量を算出し、正常に動作し得ない場合には、正常に動作しえないサブシステムへの電源を遮断して停止させるとともに、正常に動作し得るサブシステムのみを対象として、各サブシステムの目標制御量を算出する機能とが紐付けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の車両制御システム。
  4. 前記車両は、走行駆動源として電動モータを有する電動車両であって、前記電動モータに電力を供給する電池を充電する充電モードと、走行時の車両の挙動を制御する走行モードとの2つの制御モードを備え、各制御モードにおいて、それぞれ、制御状態が階層化されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の車両制御システム。
  5. 前記車両制御システムが、複数の制御モードを有し、それぞれの制御モードにおいて、制御状態が階層化されており、
    車両の動作状況に応じて、安全性が確保されるように、前記複数の制御モードの優先順位が予め定められており、いずれか1つのモードの上位階層において、その定められた優先順位に従って、制御モードが選択されることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の車両制御システム。
  6. 前記複数の制御モードにおいて、共通利用される機能が、中位階層もしくは下位階層に設定され、その共通利用される機能を含む中位階層もしくは下位階層には、複数の制御モードの上位階層からアクセス可能なインターフェースが設けられることを特徴とする請求項5に記載の車両制御システム。
  7. 前記共通利用される機能が送信するデータ、及び/又は受信したデータに関する処理を、各制御モードにおいて必要となる最小限のデータ、及び/又は処理となるように切り換えることを特徴とする請求項6に記載の車両制御システム。
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