JP4427761B2 - 車載電子機器制御システム - Google Patents

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Description

この発明は、車載電子機器制御システムに関する。
特開2006−142994号公報
自動車(車両)に搭載される電子機器(デバイス)の数及び種類は年々増大する傾向にあり、機能ラインナップの多種類・多様化とともに、それら多数の機能をユーザーが使いこなすための、わかりやすいインターフェース構造が要求される。また、装備機能の低コスト化や高度化に伴い、複数車種間でのシステム共用や各システム間での機能連携が一般化している。こうした要望に答えるため、システムのハードウェア及びソフトウェアを、フロントエンドデバイスが配置されるハードウェア物理層から、そのハードウェア構造をマスキングするシステムインフラ層を経て、具体的な連携制御ロジック等を構築するアプリケーション層へと段階的に積み上げる階層型システムアーキテクチャが提案されている。
しかしながら、上記従来の階層型システムアーキテクチャでは、ハードウェア物理層からの入力情報は、下位層側から順次上位層へ受け渡されるとともに、ハードウェア物理層への制御出力情報へ還元するための処理がアプリケーション層で施され、そのアプリケーション層での処理結果が順次下位層へ受け渡され、最終的にハードウェア物理層から駆動制御情報として出力される構造になっている。このような階層構造では、ある層への入力情報は、その層での処理を経て上位層に受け渡され、該上位層での処理結果を経て当該層へ戻ってきて始めて、下位層への結果出力へと結びつくことになる。つまり、個々の層と、その下位層との間でやり取りされる入出力は、上位層側との入出力と一体不可分に結び合わされており、制御の入出力が層毎に閉じていない事情がある。その結果、順次高機能を実現するために階層的なシステムアーキテクチャを採用しているにも拘わらず、特定の機能連携部にかかる不具合原因がある層に入り込むと、上下の層を経由してその不具合が横方向に伝播しやすくなり、他の機能連携部の制御が共倒れになりやすい欠点がある。こうした不具合伝播の影響は、より高度な機能を担う上位層に該不具合が発生するほど大きくなる傾向にある。これを解決するには、不具合部位及びその発生層を特定し、当該不具合の影響が及ぶ機能の使用制限を行なったり、あるいは代行機能を斡旋したりするための、専用の監視装置の追加が必要となり、システムの更なる複雑化と価格高騰化を招く問題がある。
本発明の課題は、不具合を来たしている機能部分の悪影響の伝播が構造的に生じにくく、かつ、仮に不具合が発生しても、その不具合をきたしている機能層をハードウェア的に容易に分離ないし隔離でき、ひいては専用の監視装置を追加することなく不具合に打ち勝って自律的に基本機能を維持できる車載電子機器制御システムを提供することにある。
課題を解決するための手段及び発明の効果
上記の課題を解決するために、本発明の車載電子機器制御システムは、
最下位層が、車両ユーザーへのフロントエンド入力部を構成するとともに上位層側へ基底制御入力情報を出力する基底入力デバイスと、上位層側から入力される基底制御指令情報に基づいて受動的に駆動制御される基底被駆動デバイスとが配置される基底デバイス層とされ、また、該基底デバイス層上に構築される各制御層を構成する個々の制御ユニットの全てが、下位層からの上位制御指令情報が入力される上位制御指令情報入力部と、下位層へ下位制御指令情報を出力する下位制御指令情報出力部との双方を有し、
かつ、制御ユニットの少なくとも一部が、上位層からの下位制御指令情報が入力される下位制御指令情報入力部を有し、
また、制御ユニットの少なくとも一部が、上位層へ上位制御指令情報を出力する上位制御指令情報出力部を有し、
制御ユニットのうち下位制御指令情報入力部を有するものが、
下位制御指令情報入力部の入力内容と上位制御指令情報入力部の入力内容とに基づいて下位制御指令情報出力部の出力内容を決定する協調制御指令手段と、
下位制御指令情報入力部への入力が途絶した場合に、上位制御指令情報入力部への入力内容のみに基づいて下位制御指令情報出力部の出力内容を決定する自律制御指令手段とを有した協調・自律互換制御ユニットとして構成され
各制御層には、制御ユニットとして、下位制御指令情報入力部と上位制御指令情報出力部との双方を有したフル入出力制御ユニットが少なくとも1つ配置されてなることを特徴とする。
なお、本明細書において、各層間をやり取りされる制御指令情報の呼称は、情報の入力側となる層を基準に決めてある。すなわち、情報の入力側となる層が上位層である場合は「上位制御指令情報」、同じく出力側となる層が下位層である場合は「下位制御指令情報」と表記する。ただし、制御指令情報が上位層ないし下位層のいずれから入力されるものであるかを把握しやすくするために、「上位制御指令情報」を「下位層側からの制御指令情報」、「下位制御指令情報」を「上位層側からの制御指令情報」等と言い換えて表記することもある。
上記本発明の車載電子機器制御システムは、基底デバイス層に配置される基底被駆動デバイス群を、同じく基底入力デバイスからの基底制御入力情報を参照して、階層構造をなす制御層により駆動制御するものである。そして、各制御層に配置される制御ユニットは、基底デバイス層を含む下位層との関係では、該下位層からの上位制御指令情報が入力される上位制御指令情報入力部と、下位層へ下位制御指令情報を出力する下位制御指令情報出力部との双方を有する。また、上位層との関係では、着目している層内にて、上位層からの下位制御指令情報が入力される下位制御指令情報入力部を有した制御ユニットと、上位層へ上位制御指令情報を出力する上位制御指令情報出力部を有した制御ユニットとがいずれも存在するように構築される。そして、下位制御指令情報入力部を有する制御ユニットが、下位制御指令情報入力部と上位制御指令情報入力部との入力内容に基づいて下位制御指令情報出力部の出力内容を決定する協調制御指令手段と、上位制御指令情報入力部への入力内容のみに基づいて下位制御指令情報出力部の出力内容を決定する自律制御指令手段とを有した協調・自律互換制御ユニットとして構成される。
つまり、上記の制御ユニットは、協調制御指令手段により、下位層からの下位制御指令情報と上位層からの上位制御指令情報との双方を用いた、いわば上下の制御層間での高度な協調動作が可能とされる一方、不具合発生に伴う上位層の機能不全が生じた場合は、自律制御指令手段により、下位層から上がってくる上位制御指令情報のみに基づいて下位制御指令情報出力部の出力内容を決定できる。つまり、機能不全等により正常な動作が当てにできなくなった上位層からの制御指令情報を切り捨てて、下位層側からの制御指令情報のみにより、必要最小限の制御動作を自律的に行なうことができるようにした。その結果、不具合を来たしている機能部分の悪影響が層間ないし層内を経て他の機能部分に伝播しにくく、かつ、仮に不具合が発生しても、その不具合を来たしている制御層をハードウェア的に容易に分離ないし隔離でき、ひいては専用の監視装置を追加することなく不具合に打ち勝って自律的に基本機能を維持できる車載電子機器制御システムが実現する。
上記のごとく、制御ユニットが、上位層で不具合が発生した場合に該上位層からの制御指令情報(下位制御指令情報)を当てにせず、下位層からの制御指令情報(上位制御指令情報)のみで自立的に動作できるように構成されていることで、当該制御ユニットは、下位層から順次上がってくる制御指令情報が、その制御ユニットをエンドノードとして、以降はさらに上位の制御層へ受け渡されなくなるように構成されていてもよいのである。この場合、その制御ユニットは上位制御指令情報出力部を欠く構成となる。他方、上位層からの制御指令情報(下位制御指令情報)が、その制御ユニットの存在する制御層をスキップして、さらに下位層の制御ユニットへ入力されるように構成することも可能であり、この場合は、該制御ユニットは下位制御指令情報入力部を欠く構成となる。しかし、この場合、当該制御ユニットは、上位層側へは制御指令情報を出力するのみとなり協調動作を行なわないので、上位層側での不具合発生の影響は元から及ばない。
次に、制御ユニットの上位制御指令情報出力部は、当該制御ユニットの上位制御指令情報入力部への入力情報を、上位層側の制御ユニットへの上位制御指令情報として分配出力するものとできる。また、制御ユニットの下位制御指令情報出力部は、当該制御ユニットの上位制御指令情報出力部の出力情報を、下位層側の制御ユニットへの下位制御指令情報として分配出力するものとできる。このような制御指令情報の出力分配を行なうことで、上下の層間で同じ制御指令情報を共有化でき、各層の制御ユニットの処理負荷を減ずることができる。
また、上記本発明の構成によると、各制御層には、制御ユニットとして、下位制御指令情報入力部と上位制御指令情報出力部との双方を有したフル入出力制御ユニット少なくとも1つ配置される。フル入出力制御ユニットを用いることで、その制御ユニットの直上位層ないし直下位層との間の逐次的な情報伝達を主体にでき、制御指令情報のやり取りが錯綜し難くなるので、制御伝達形態の単純化を図ることができ、ひいては不具合発生等の追跡も容易となる。
次に、協調制御指令手段は、下位制御指令情報出力部の出力内容を決定する際において下位制御指令情報の入力と上位制御指令情報の入力とが競合した場合に、予め定められた調停条件に従い、下位制御指令情報と上位制御指令情報とのいずれを参照するかを排他的に調停する制御指令入力調停手段を有するものとできる。このような制御指令入力調停手段を設けることにより、着目している制御ユニットに対し、上位層側及び下位層側からの制御指令情報の入力が競合しても、どちらか一方が有効となるように調停でき、スムーズな層間協調制御が可能となる。他方、上位層側からの制御指令情報の入力が途絶した場合は、制御指令入力調停手段は下位層側からの制御指令情報のみを調停採用する形になり、必然的に上位層から切り離された自律制御が行なわれる。
基底デバイス層に最も近い制御層にあっては、制御ユニットに入力される上位制御指令情報は、車両ユーザーに対するフロントエンド部をなす基底入力デバイスからの基底制御入力情報となる。該基底デバイス層上の制御ユニットを基底制御ユニットと称すれば、該基底制御ユニットにおいて制御指令入力調停手段は、基底制御入力情報の入力が発生した場合に、競合する上位制御指令情報よりも該基底制御入力情報が優先されるように調停を行なうものとできる。基底入力デバイスは、制御アーキテクチャにおいて車両ユーザーに最も近く、その入力情報である基底制御入力情報は車両ユーザーの操作意図も色濃く反映されたものとなる。そこで、該基底制御入力情報が存在する場合、上記のごとく、競合する上位制御指令情報よりも該基底制御入力情報が優先されるように調停を行なうことで、例えば、上位制御指令情報に基づく(より高度な)制御が不調となることが予想される場合に、基底制御入力情報による制御を優先させることで、該不調を改善しようとするユーザー意図を的確に制御に反映させることができる。基底デバイス層において基底入力デバイスは、例えば、車両ユーザーによる手動操作を受け付ける手動操作部を有するものであり、該手動操作内容に応じて基底制御入力情報を上位制御指令情報として出力することができる。つまり、上位制御指令情報に基づくシステム主導の高度な制御が不調となった場合、ユーザーがこれをおかしいと感じた場合は、手動操作で制御状態の適正化を図ることができる。
例えば、基底制御ユニットと、これに接続される基底入力デバイス及び基底被駆動デバイスとの組を基本機能系とした場合、基底制御ユニットの上位層側に接続される制御ユニットは、基底制御ユニットへ入力される基底制御入力情報の分配情報と、基底被駆動デバイスへ出力される基底制御指令情報の分配情報とが上位制御指令情報として入力されるとともに、それら基底制御入力情報の分配情報と基底制御指令情報の分配情報とに基づいて、基本機能系の動作状態を監視し、当該動作状態が予め定められた条件を充足した場合に基底制御ユニットに対し、基底被駆動デバイスを自動制御するための自動制御指令情報を下位制御指令情報として出力する自動制御ユニットとすることができる。上記本発明の概念に従えば、基本機能系と、当該基本機能部に接続される自動制御ユニットとの組を自動化拡張機能系として、上位自動制御ユニットの機能不全により基底制御ユニットへの自動制御指令情報の入力が途絶した場合に、該自動化拡張機能系は、基底制御ユニットが自律制御指令手段により基底制御指令情報の入力内容のみに基づいて基底制御指令情報の出力内容を決定することにより、基本機能系内にて閉じた自律制御系へ縮退させることができる。
また、自動化拡張機能系が複数設けられる場合は、それら自動化拡張機能系の上位層側に接続される制御ユニットは、各基本制御系の自動制御ユニットが出力する個々の基本制御系の制御状態を反映した拡張制御状態反映情報が、それぞれ上位制御指令情報として入力されるとともに、それら拡張制御状態反映情報の入力内容に基づき、各基本制御系の自動制御ユニットに対しそれら基本制御系間の連携動作を指令する連携動作指令情報を下位制御指令情報として出力する連携制御ユニットとされ、複数の自動化拡張機能系とともに連携制御系を構築するものとすることができる。そして、上記本発明の概念に従えば、該連携制御ユニットの機能不全により自動制御ユニットへの連携動作指令情報の入力が途絶した場合に、連携制御系は、個々の自動化拡張機能系に含まれる自動制御ユニットが、自律制御指令手段により基本機能系からの上位制御指令情報の入力内容のみに基づいて該基本機能系への下位制御指令情報の出力内容を決定することにより、個々の自動化拡張機能系内にて閉じた複数の自律制御系へ縮退させることができる。
上記の階層構造は、基本制御系を下位制御層とみれば、自動化拡張機能系が中位制御層、連携制御系が上位制御層となる3階層構造とみることができるが、下位制御層が基本機能層として独立しており、中位制御層及び連携制御系は、より高度な付加機能層として上記基本機能層上にアドオンされた構造になっている点が、前記した特許文献1の階層構造と大きく異なる点である。つまり、上位層は、その高度機能を実現するために、下位層側で独立した基本機能を必須とする形で(すなわち、下位層の機能をベースにして上位層の機能が付加されるようにシステムの階層化が行われているのである)。該構造の利点をまとめると以下のようになる。
(1)制御上の不調は、関係する制御因子が増大する上位側の制御層ほど生じやすくなるが、上記構造によると、不調により上位側の層の制御が停止しても、制御系はこの上位層を切り離して、下位側の層のみによる単純な制御形態へと随時段階的に縮退できる。すなわち、高度な機能が停止したからといって基本的な機能までがその動作を妨害されることがない(特許文献1のような階層構造では、下位側の層の動作制御が全て最上層のアプリケーション層に依存した構造になっているので、アプリケーション層が不調化するとシステム全体にその影響が及んでしまうことは自明である)。
(2)独立した複数の基本制御系(あるいは、その自動化拡張機能系)が、上位層である連携制御系により統合されている場合、1つの基本制御系が不調になっても、上位層がその不調化した基本制御系の状態把握さえできれば、正常な他の基本制御系をベースにした代替制御へ容易に移行できる。また、最悪連携制御が不能となった場合は、不調化した基本制御系を上位層もろとも切り離すことで、残った正常な基本制御系の機能は問題なく使用できる。つまり、下位側の層が独立した複数の機能で形成されている場合、その一部が不調になっても、その影響が層内にて横方向に伝播することも起こりにくい。
(3)上位側の層として追加される機能を実現するために、下位側の層に本来備わっている機能が過不足なく限り利用されるように階層が分割されているので、設計上の要望に応じて不足する部分だけをアドオンすることにより、より利便性の高いシステムへと簡単にグレードアップできる。
例えば、車両のフロントガラスあるいはリヤガラスの曇り止めに係る機能制御に適用した具体例を以下のように構成することができる。まず、連携制御系を、第一の自動化拡張機能系と第二の自動化拡張機能系とを含むものとする。そして、第一の自動化拡張機能系において、基本制御系の基底入力デバイスを、手動操作部をなすリヤデフスイッチとでき、基底被駆動デバイスを、リヤガラス内に埋設された通電発熱部により当該リヤガラスの曇り止めを行なうリヤデフォッガーとできる。自動制御ユニットは、リヤデフォッガーの動作状態とリヤデフスイッチの操作状態とを監視することにより、該リヤデフォッガーの継続動作時間が規定値に到達した場合に該リヤデフォッガーの動作をオートオフする制御を行なうものとできる。また、第二の自動化拡張機能系において、基本制御系の基底入力デバイスを、手動操作部をなすフロントデフスイッチとでき、基底被駆動デバイスを、フロントガラスの内面に向けて温風を噴き出すことにより該フロントガラスの曇り止めを行なうデフロスターとできる。自動制御ユニットは、該自動制御ユニットが取得する外気温情報に基づいて、該デフロスターによる温風噴き出しをオートオンする制御を行なうものとできる。
上記の構成によると、デフロスターとリヤデフォッガーとは、基底制御ユニットにより、いずれも手動操作により独立に作動させることができる。また、拡張機能として、リヤデフォッガーをオートオフする機能、あるいは外気温に応じてデフロスターをオートオンする機能が、各基底制御ユニット上にアドオンされた自動制御ユニットにより実現する。手動制御とオート制御が1階層の制御ユニットに集約されていると、その制御ユニットがアプリケーションの暴走等により不調化すると、デフロスター及びリヤデフォッガーを手動制御することも不能となってしまう可能性があるが、上記構成であると、仮に自動制御ユニットが不調になっても、基底制御ユニットが正常であれば、手動操作によるデフロスター及びリヤデフォッガーの動作を問題なく継続できる。
そして、連携制御ユニットは、例えば、第二の自動化拡張機能系からの拡張制御状態反映情報が、デフロスターが動作中であることを示している場合に、第一の自動化拡張機能系に対し、リヤデフォッガーの連動動作を指令する内容の連携動作指令情報を出力するものとできる。これにより、デフロスターをオンすると、リヤデフォッガーも自動的にオンにする連動制御を簡単に行なうことができる。
一方、連携制御ユニットは、第一の自動化拡張機能系からの拡張制御状態反映情報が、リヤデフスイッチがオンであるにも拘わらずリヤデフォッガーが非動作であることを示している場合に、第二の自動化拡張機能系に対し、デフロスターを代替デフォッガとして動作させる内容の連携動作指令情報を出力することができる。つまり、リヤデフォッガーを含む第一の自動化拡張機能系にて、例えばその基底制御ユニットの不調化によりリヤデフォッガーの手動動作が不能となった場合も、連携制御ユニット側での監視によりその不調が把握されて、デフロスタを代替動作させることができる。また、リヤデフスイッチあるいはフロントデフスイッチの手動操作情報と、リヤデフォッガー及びデフロスターの情報は、いずれも連携制御ユニットにも分配されているから、何らかの要因により自動制御ユニットが不調になっても、連携制御ユニットは、下位層で継続される手動動作状況を随時把握でき、連携制御を問題なく継続することができる。
そして、いずれの構成においても、連携制御ユニットが不調化した場合は、リヤデフォッガーとリアデフロスターとは、2つの独立した自動化拡張機能系(あるいは、基本制御系)へと個別に縮退でき、上記のオート制御あるいは手動制御のみを行なう形態で動作継続することができる。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。
(実施形態1)
図1は、本発明を自動車のデフロスター及びリヤデフォッガーの動作制御に適用した例を示す全体ブロック図である。該車載電子機器制御システム1は、最下位層が、車両ユーザーへのフロントエンド入力部を構成するとともに上位層側へ基底制御入力情報を出力する基底入力デバイスE01,E03と、上位層側L〜Lから入力される基底制御指令情報に基づいて受動的に駆動制御される基底被駆動デバイスE02,E04とが配置される基底デバイス層Lとされている。該基底デバイス層L上に構築される各制御層L〜Lを構成する個々の制御ユニットECU11,ECU12,ECU21,ECU22,ECU31の全てが、下位層からの上位制御指令情報が入力される上位制御指令情報入力部(ECU11については入力コネクタCI1211、ECU12については入力コネクタCI0121、ECU21については入力コネクタCI1211、ECU22については入力コネクタCI1221、ECU31については入力コネクタCI2311)と、下位層へ下位制御指令情報を出力する下位制御指令情報出力部(ECU11については出力コネクタCO0111、ECU12については出力コネクタCO0121、ECU21については出力コネクタCO1211、ECU22については出力コネクタCO1221、ECU31については出力コネクタCO3211)との双方を有する。なお、各制御ユニットは、全て周知のマイコンハードウェアにて構成される。
なお、基底入力デバイスE01は手動操作部をなすリヤデフスイッチであり、基底被駆動デバイスE02は、リヤガラス内に埋設された通電発熱部により当該リヤガラスの曇り止めを行なうリヤデフォッガーである。また、基底入力デバイスE03がは手動操作部をなすフロントデフスイッチであり、基底被駆動デバイスE04は、フロントガラスの内面に向けて温風を噴き出すことにより該フロントガラスの曇り止めを行なうデフロスターである。
制御層Lの制御ユニットECU11,ECU12は、上位層Lからの下位制御指令情報が入力される下位制御指令情報入力部を有する(ECU11については入力コネクタCI2111、ECU12については入力コネクタCI2121)。同じく、制御層Lの制御ユニットECU21,ECU22は、上位層Lからの下位制御指令情報が入力される下位制御指令情報入力部を有する(ECU21については入力コネクタCI3211、ECU22については入力コネクタCI3221)。
また、制御層Lの制御ユニットECU11,ECU12は、上位層Lへ上位制御指令情報を出力する上位制御指令情報出力部を有する(ECU11については出力コネクタCO1211及びCO1212,ECU12については出力コネクタCO1221及びCO1222)。同じく、制御層Lの制御ユニットECU21,ECU22は、上位層Lへ上位制御指令情報を出力する上位制御指令情報出力部を有する(ECU21については出力コネクタCO2311、ECU22については出力コネクタCO2321)。
なお、各入力コネクタと出力コネクタは着脱可能に構成されている。各要素の符号及び添え字は以下の規則に従い振られている。
(1)各層Lの添え字「i」は、基底デバイス層L側から上位層側へ向け、0,1,2,‥の順で連番付与されている。
(2)各層の制御ユニットをECUijで表わす。ただし、iは層の番号であり、jは層に含まれる制御ユニットに連番付与されたユニット順位番号である。
(3)CIは制御ユニットにおける制御指令情報の入力コネクタを、COは同じく出力コネクタを表わす。
各コネクタの4桁の添え字mnjkは以下の規則に従い振られている;
mn:制御指令情報の伝送方向を示し、層Lから層Lに情報が伝送されることを示す。m>nの場合、出力コネクタは下位制御指令情報出力部を、入力コネクタは上位制御指令情報入力部をそれぞれ構成する。m<nの場合、出力コネクタは上位制御指令情報出力部を、入力コネクタは下位制御指令情報入力部をそれぞれ構成する。
j:制御指令情報の入力先となる制御ユニットの順位番号を示す。
k:その制御ユニットの、同じ伝送方向となるコネクタに対し連番付与されたコネクタ順位番号である。
なお、制御指令情報は、層Lから所定数Y個の層をスキップして層Lx±Yに伝送することも可能である。この場合、制御ユニットを経由せずに層内をスルーする伝送経路の、当該層の入り口及び出口にも入出力のコネクタが設けられる。層をスルーする伝送経路にかかるコネクタについては、当該層内に対応する制御ユニットが存在しないので、順位番号jは、「0」が付与される(例えば、図1では、L1層のコネクタCI0101及びCO1201がこれに該当)。
図1の車載電子機器制御システム1では、中間の制御層L,Lに配置された制御ユニットECU11,ECU12,ECU21,ECU22が全て、下位制御指令情報入力部/出力部と上位制御指令情報出力部/入力部との双方を有したフル入出力制御ユニットとなっている。すなわち、これら制御ユニットECU11,ECU12,ECU21,ECU22は全て下位制御指令情報入力部CI2111,CI2121,CI3211,CI3221を備え、下位制御指令情報入力部CI2111,CI2121,CI3211,CI3221の入力内容と上位制御指令情報入力部CI0111,CI0121,CI1211/CI1212,CI1221/CI1222の入力内容とに基づいて、下位制御指令情報出力部CO1011,CO1021,CO2111,CO2121の出力内容を決定する協調制御指令手段と、下位制御指令情報入力部CI2111,CI2121,CI3211,CI3221への入力が途絶した場合に、上位制御指令情報入力部CI0111,CI0121,CI1211/CI1212,CI1221/CI1222への入力内容のみに基づいて下位制御指令情報出力部CI2111,CI2121,CI3211,CI3221の出力内容を決定する自律制御指令手段とを有した協調・自律互換制御ユニットとして構成されている。
また、制御層Lの制御ユニットECU11,ECU12の上位制御指令情報出力部CO1211,CO1221は、当該制御ユニットECU11,ECU12の上位制御指令情報入力部CI0111,CI0121への入力情報を、上位層側(制御層L)の制御ユニットECU21,ECU22への上位制御指令情報として分配出力するものとされている。また、制御層Lの制御ユニットECU11,ECU12の下位御指令情報出力部CO1011,CO1021は、当該制御ユニットECU11,ECU12の上位制御指令情報出力部CO1212,CO1222の出力情報を、下位層側(基底デバイス層L)への下位制御指令情報として分配出力するものである。
制御層Lの制御ユニットECU11,ECU12は、協調制御指令手段として、下位制御指令情報出力部CO1011,CO1021の出力内容を決定する際において、下位制御指令情報の入力(CI0111,CI0121)と上位制御指令情報の入力(CI2111,CI2121)とが競合した場合に、予め定められた調停条件に従い、下位制御指令情報と上位制御指令情報とのいずれを参照するかを排他的に調停する制御指令入力調停手段ARB11,ARB12(いずれも、対応する制御ユニット上でソフト的に実現される機能エンジンであるが、ハードウェア論理回路として構成することも可能である)を有する。
上記制御層Lの制御ユニットECU11,ECU12は、基底入力デバイスE01,E03からの基底制御入力情報が入力される基底制御ユニットであり、制御指令入力調停手段ARB11,ARB12は、基底制御入力情報の入力が発生した場合に、競合する上位制御指令情報よりも該基底制御入力情報が優先されるように調停を行なう。前述のごとく、基底入力デバイスE01,E03は、車両ユーザーによる手動操作を受け付ける手動操作部(リヤデフスイッチ及びフロントデフスイッチ)であり、ユーザーによる手動操作内容に応じて基底制御入力情報(スイッチ状態を示す信号)を上位制御指令情報として出力するものである。
基底制御ユニットECU11,ECU12は、これに接続される基底入力デバイスE01,E03及び基底被駆動デバイスE02,E04とともに、それぞれ基本機能系(図5:リヤデフォッガー、図6:デフロスター)を構成する。基底制御ユニットECU11,ECU12の上位層側(制御層L)に接続される制御ユニットECU21,ECU22は、基底制御ユニットECU11,ECU12へ入力される基底制御入力情報(CI0111,CI0121)の分配情報(CI1211,CI1221)と、基底被駆動デバイスE02,E04へ出力される基底制御指令情報(CO1011,CO1021)の分配情報(CI1212,CI1222)とが上位制御指令情報として入力される。そして、制御ユニットECU21,ECU22は、それら基底制御入力情報の分配情報(CI1211,CI1221)と基底制御指令情報の分配情報(CI1212,CI1222)とに基づいて、状態監視エンジンSPV21,SPV22により基本機能系の動作状態を監視し、当該動作状態が予め定められた条件を充足した場合に基底制御ユニットECU11,ECU12に対し、基底被駆動デバイスE02,E04を自動制御するための自動制御指令情報を下位制御指令情報(CO2111,CO2121)として出力する自動制御ユニットとされている。そして、基本機能系と、当該基本機能部に接続される自動制御ユニットECU21,ECU22とが結合して自動化拡張機能系を構成する(図3:リヤデフォッガー、図4:デフロスター)。
そして、リヤデフォッガー及びデフロスターについて、それぞれ独立した自動化拡張機能系が形成されており、それら自動化拡張機能系の上位層側に接続される制御ユニットECU31は、各基本制御系の自動制御ユニットECU21,ECU22が出力する個々の基本制御系の制御状態を反映した拡張制御状態反映情報が、それぞれ上位制御指令情報として入力される(CI2311,CI2312)。そして、制御ユニットECU31は、それら拡張制御状態反映情報の入力内容に基づき、各基本制御系の自動制御ユニットECU21,ECU22に対しそれら基本制御系間の連携動作を指令する連携動作指令情報を下位制御指令情報(CO3211,CO3212)として出力する連携制御ユニットとされ、上記複数の自動化拡張機能系とともに連携制御系を構築している。
図1の連携制御系において、第一の自動化拡張機能系により制御されるのはリヤデフォッガーであり、第二の自動化拡張機能系により制御されるのはデフロスターである。第一の自動化拡張機能系では、自動制御ユニットECU21は、リヤデフォッガーE02の動作状態とリヤデフスイッチE01の操作状態とを、各々基底制御ユニットECU11からの上位制御指令情報入力(CI1211,CI1212)に基づいて監視することにより、所定の条件を充足した場合(例えば、リヤデフスイッチE01が手動操作されず、かつリヤデフォッガーE02の継続動作時間が規定値に到達した場合)にリヤデフォッガーE02の動作をオートオフする制御を行なう。
また、第二の自動化拡張機能系では、自動制御ユニットECU22は、該自動制御ユニットECU22が取得する外気温センサE05からの外気温情報に基づいて、フロントデフスイッチデフロスターによる温風噴き出しをオートオンする制御を行なう。オートオン制御に際しては、例えばフロントデフスイッチE03が手動操作されず、かつデフロスターE04が動作していないことが条件となる。
そして、連携制御ユニットECU31は、第二の自動化拡張機能系からの拡張制御状態反映情報入力(CI2312)が、デフロスターE04が動作中であることを示している場合に、第一の自動化拡張機能系に対し、リヤデフォッガーの連動動作を指令する内容の連携動作指令情報を出力する(CO3211)。この際、例えばリヤデフスイッチE01が手動操作されず、かつリヤデフォッガーE02が動作していないことが条件となる。該出力制御は連携制御エンジンCCL3が司る。
一方、連携制御ユニットECU31は、第一の自動化拡張機能系からの拡張制御状態反映情報入力(CI2311)が、リヤデフスイッチE01がオンであるにも拘わらずリヤデフォッガーE02が非動作であることを示している場合に、第二の自動化拡張機能系に対し、デフロスターE04を代替デフォッガとして動作させる内容の連携動作指令情報を出力する(CO3212)。
上記車載電子機器システム1の動作を、図2を用いて説明する。
正常時の動作は以下の通りである。まず、デフロスターE04は、通常、車両用エアコンに組み込まれた機能であり、フロントデフスイッチE03をオン操作することによりエアコンの吹き出しモードの一つとして選択できる。この動作は、基本制御系の制御ユニットECU21が司る(C2)。一方、外気温センサE05が検出する外気温と、ユーザーによるフロントデフスイッチE03の操作履歴は第二の自動化拡張機能系において制御ユニットECU21が記録し、窓曇り条件を累積学習する。そして、次回、検出された外気温がその窓曇り条件を充足した場合は、制御ユニットECU21は、フロントデフスイッチE03が操作されずともデフロスターE04をオートオンする自動制御を行なう(B2)。
一方、リヤデフォッガーE02は、基本的にはリヤデフスイッチE01をオン操作することにより、基本制御系の制御ユニットECU11が通電駆動を開始する(C1)。一方、第一の自動化拡張機能系において制御ユニットECU21は、リヤデフォッガーE02の動作継続時間をタイマー計測し、タイムアップすればリヤデフォッガーE02をオートオフする自動制御を行なう(B1)。ただし、リヤデフォッガーE02の動作継続中に再度リヤデフスイッチE01のオン操作が繰り返された場合は、出力調停手段ARB11により該オン操作が優先され、タイムアップしてもリヤデフォッガーE02は動作継続する(あるいはタイマーをリセットする)。
そして、連携制御系の制御ユニットECU31は、デフロスターE04とリヤデフォッガーE02との動作履歴を記録し、連携動作学習を行なう。そして、デフロスターE04との動作時に、手動操作等によりリヤデフォッガーE02が一定頻度以上で同時に動作する学習結果になっていれば、次回からは、デフロスターE04が動作開始した場合に、制御ユニットECU31は、第一の自動化拡張機能系の制御ユニットECU21にリヤデフォッガーE02をオートオンする指令を出力する。その結果、リヤデフォッガーE02は、これを受けた制御ユニットECU11により駆動開始される(A)。
なお、リヤデフォッガーE02については、連携制御系によるデフロスタ連動のオートオン機能、拡張自動制御系による内部タイマ連動のオートオフ機能とが競合した場合、オートオフ(省電力)機能がオートオン(気の利いた利便)機能よりも優先するように調停することも可能である。
次に、連携制御ユニットECU31の機能不全により自動制御ユニットECU21,ECU22への連携動作指令情報の入力(CI3211,CI3221)が途絶した場合は、図3及び図4に示すように、個々の自動化拡張機能系に含まれる自動制御ユニットECU21,ECU22が、基底制御ユニットECU11,ECU12(基本機能系)からの上位制御指令情報の入力内容(CI1211/CI1212,CI1221/CI1222)のみに基づいて該基本機能系への下位制御指令情報の出力内容(CI2111,CI2121)を決定することにより、個々の自動化拡張機能系内にて閉じた複数の自律制御系へ縮退する。すなわち、図2において、連携制御ユニットECU31を含む制御層L3が切り離され、制御層L2までで完結するB1あるいはB2の制御形態にて動作継続が可能である。
さらに、自動制御ユニットECU21,ECU22の機能不全により基底制御ユニットトECU11,ECU12への自動制御指令情報の入力(CI2111,CI2121)が途絶した場合は、図5及び図6に示すように、基底制御ユニットECU11,ECU12が基底制御指令情報の入力内容のみに基づいて基底制御指令情報の出力内容(CI1021,CI1041)を決定することにより、基本機能系内にて閉じた自律制御系へ縮退する。すなわち、図2において、自動制御ユニットECU21,ECU22を含む制御層L2が切り離され、制御層L1までで完結するC1あるいはC2の制御形態にて動作継続が可能である。
(実施形態2)
図7は、本発明を自動車のスマートエントリシステムの動作制御に適用した例を示す全体ブロック図である。該車載電子機器制御システム2も、最下位層が、基底入力デバイスE01,E02,E03,E05と、基底被駆動デバイスE02,E06,E04とが配置される基底デバイス層Lとされている。また、各制御層L〜Lを構成する個々の制御ユニットECU11,ECU12,ECU13,ECU21,ECU22,ECU31の全てが上位制御指令情報入力部(ECU11については入力コネクタCI1211、ECU12については入力コネクタCI0121、ECU13については入力コネクタCI0131,CI0132、ECU21については入力コネクタCI1211、ECU22については入力コネクタCI1221,CI1222,CI1223、ECU31については入力コネクタCI2311,CI2312,CI2313)と、下位制御指令情報出力部(ECU11については出力コネクタCO0111、ECU12については出力コネクタCO0121、ECU13については出力コネクタCO0131,CO0132、ECU21については出力コネクタCO1211、ECU22については出力コネクタCO2121、ECU31については出力コネクタCO3211,CO3211,CO3211,CO3211)との双方を有する。
この実施形態において、基底入力デバイスE01は車外から操作可能なドアノブスイッチ(手動操作部)である。また、基底入力デバイスE02は自動車側と無線通信するための携帯キーであり、車両側からの携帯キー探索用電波を受信する受信部が基底被駆動デバイスとしても機能する。そして、変復調部MODEM112にて、その探索用電波に含まれるベースバンド信号を復調し、これに対応する車両による問合せ情報が含まれていれば応答電波を送信する。また、ドアロック操作用のワイヤレススイッチを有し、スイッチ操作に基づいてドアロック制御要求電波を送信する。
また、基底入力デバイスE01は、メカキーによりドアキーシリンダを介して操作可能なドアロック操作スイッチ(手動操作部:モメンタリスイッチで構成される)である。また、基底入力デバイスE05は、ドアロック機構に組み込まれ、現在のロック位置を検出するロック位置検出スイッチである。そして、基底被駆動デバイスE06は、ドアロック機構に組み込まれ、携帯機E02からの応答電波に基づくドアロック制御要求電波を車両側の制御ユニットECU12から受信して、これに含まれるロック操作情報を復調し、その復調出力を受け取って、ドアロック操作スイッチによるロック操作情報と並列に入力するロック機構側情報転送部である。また、基底被駆動デバイスE05は、ドアロック機構を駆動するためのドアロックモータである。
制御層Lの制御ユニットECU11,ECU12は、上位層Lからの下位制御指令情報が入力される下位制御指令情報入力部を有する(ECU11については入力コネクタCI2111、ECU12については入力コネクタCI2121、ECU13については入力コネクタCI2131)。同じく、制御層Lの制御ユニットECU21は、上位層Lからの下位制御指令情報が入力される下位制御指令情報入力部を有する(入力コネクタCI3211)。他方、制御ユニットECU22は下位制御指令情報入力部を有さない。
また、制御層Lの制御ユニットECU11,ECU12は、上位層Lへ上位制御指令情報を出力する上位制御指令情報出力部を有する(ECU11については出力コネクタCO1211、ECU12については出力コネクタCO1221及びCO1222、ECU13については出力コネクタCO1231,CO1232,CO1233)。同じく、制御層Lの制御ユニットECU21,ECU22は、上位層Lへ上位制御指令情報を出力する上位制御指令情報出力部を有する(ECU21については出力コネクタCO2311、ECU22については出力コネクタCO2321)。
図7の車載電子機器制御システム1では、制御層Lに配置された制御ユニットECU11,ECU12,ECU13と、制御層Lに配置された制御ユニットECU21がフル入出力制御ユニットとなっている。これら4つの制御ユニットECU11,ECU12,ECU13,ECU21は下位制御指令情報入力部CI2111,CI2121,CI2131,CI3211を備え、下位制御指令情報入力部CI2111,CI2121,CI2131,CI3211の入力内容と上位制御指令情報入力部CI0111,CI0121,CI0131,CI1211の入力内容とに基づいて、下位制御指令情報出力部CO1011,CO1021,CO1031,CO2111の出力内容を決定する協調制御指令手段と、下位制御指令情報入力部CI2111,CI2121,CI2131,CI3211への入力が途絶した場合に、上位制御指令情報入力部CI0111,CI0121,CI0131,CI1211への入力内容のみに基づいて下位制御指令情報出力部CO1011,CO1021,CO1031,CO2111の出力内容を決定する自律制御指令手段とを有した協調・自律互換制御ユニットとして構成されている。
また、制御層Lの制御ユニットECU11,ECU12の上位制御指令情報出力部CO1211,CO1221は、当該制御ユニットECU11,ECU12の上位制御指令情報入力部CI0111,CI0121への入力情報を、上位層側(制御層L)の制御ユニットECU21,ECU22への上位制御指令情報として分配出力するものとされている。また、制御層Lの制御ユニットECU12,ECU13の下位御指令情報出力部CO1021,CO1031は、当該制御ユニットECU12,ECU13の上位制御指令情報出力部CO1222,CO1232の出力情報を、下位層側(基底デバイス層L)への下位制御指令情報として分配出力するものである。
制御層Lの制御ユニットECU13は、協調制御指令手段として、下位制御指令情報出力部CO1041の出力内容を決定する際において、下位制御指令情報の入力(CI0131)と上位制御指令情報の入力(CI2131)とが競合した場合に、予め定められた調停条件に従い、下位制御指令情報と上位制御指令情報とのいずれを参照するかを排他的に調停する制御指令入力調停手段ARB13を有する。
上記制御層Lの制御ユニットECU11,ECU12,ECU13は、基底入力デバイスE01,E03,E03からの基底制御入力情報が入力される基底制御ユニットである。また、制御指令入力調停手段ARB13は、基底制御入力情報の入力が発生した場合に、競合する上位制御指令情報よりも該基底制御入力情報が優先されるように調停を行なう。前述のごとく、基底入力デバイスE01,E03,E03は、車両ユーザーによる手動操作を受け付ける手動操作部(ドアノブスイッチ、携帯機(ワイヤレススイッチ操作の他、携帯機を持って車両に近付くことも手動操作の一つと考える)、ドアロック操作スイッチ)であり、ユーザーによる手動操作内容に応じて基底制御入力情報(スイッチ状態を示す信号)を上位制御指令情報として出力するものである。
基底制御ユニットECU11,ECU12,ECU13は、これに接続される基底入力デバイスE01,E02,E03及び基底被駆動デバイスE02,E04とともに、それぞれ基本機能系(図9)を構成する。該基本機能系は、それ自身、上位層L2,L3からは独立して、以下のような完結した機能動作が可能である。基底制御ユニットECU11は、ドアノブスイッチE01の操作信号がトリガとして入力され、これを受けて携帯キーの問合せ情報を含む探索電波を出力する。携帯キーE02はこれを受信し、変復調部MODEM112にて問合せ情報を復調するとともに、ロック操作情報を含む応答電波を出力する。
基底制御ユニットECU12は、上記問合せ情報の受信か、ワイヤレススイッチの操作のいずれかに基づくロック操作情報を、携帯キーE02からの応答電波の形で受信し、携帯機E02からの応答電波に基づくドアロック制御要求電波を車両側の制御ユニットECU12から受信して、これに含まれるロック操作情報を復調し、その復調出力をロック機構側情報転送部E06に出力する。
基底制御ユニットECU13は、ロック機構側情報転送部E06から転送されてくる、もしくはドアロック操作スイッチE03の操作に基づくロック操作情報が入力され、ドアロック状態のときはアンロック指令、ドアアンロック状態のときはロック指令となるように、ドアロックモータE04に駆動信号を出力する。
次に、基底制御ユニットECU12,ECU13の上位層側(制御層L)に接続される制御ユニットECU21,ECU22は、基底制御ユニットECU12,ECU13へ入力される基底制御入力情報(CI0121,CI0131)の分配情報(CI1211,CI1221)と、基底被駆動デバイスE06,E04へ出力される基底制御指令情報(CO1061,CO1041)の分配情報(CI1212,CI1222)とが上位制御指令情報として入力される。そして、制御ユニットECU21,ECU22は、それら基底制御入力情報の分配情報(CI1211,CI1221)と基底制御指令情報の分配情報(CI1222)とに基づいて、状態監視エンジンSPV21,SPV22により基本機能系の動作状態を監視し、当該動作状態が予め定められた条件を充足した場合に基底制御ユニットECU12,ECU13に対し、基底被駆動デバイスE06,E04を自動制御するための自動制御指令情報を下位制御指令情報(CO2111,CO2121)として出力する自動制御ユニットとされている。そして、各基本機能系と、当該基本機能部に接続される自動制御ユニットECU21,ECU22とが結合して自動化拡張機能系を構成する。
上記の自動化拡張機能系は、上位層L3から独立して、以下のような完結した機能動作が可能である。図9の基本機能系に付加される拡張機能部分に絞って説明する。制御ユニットECU21は、携帯キーE02からの応答電波の受信情報を、基底制御入力情報の分配情報(CI1211)として受け取り、状態監視エンジンSPV21により、応答電波の受信状態を監視する。そして、規定時間以上応答電波の受信が途切れた場合は、制御ユニットECU12に対し給電停止の指令情報を下位制御指令情報(CO2111)として出力する。これを受けた制御ユニットECU21は、復調部DEM12への給電が遮断される(節電モード)。一方、この節電モードにて応答電波が入力されたとき、その受信情報が制御ユニットECU21へ分配入力される。状態監視エンジンSPV21はこれを受け、制御ユニットECU12に対し給電再開の指令情報を下位制御指令情報(CO2111)として出力する。これを受けた制御ユニットECU21では、復調部DEM12への給電が再開される。
一方、制御ユニットECU22は、ロック操作情報の入力状態(CI1221)と、ドアロックモータE04の動作情報の入力状態(CI1222)と、ロック位置検出スイッチE05による現在のロック位置(ロック又はアンロック)の検出情報に係る入力状態(CI1223)とを参照し、状態監視エンジンSPV22により、ロック操作情報の内容がロック指令になっているか、アンロック指令になっているかを確認するとともに、ドアロックモータE04が実際に動作したか否かを確認し、動作したのであれば、その動作結果としての現在ロック位置を確認して、これが、ロック操作情報による指令内容を整合しているか否かを判定する。整合していなければ、制御ユニットECU13に対し、リトライ要求情報を下位制御指令情報(CO2121)として出力する。これを受けた制御ユニットECU21は、現在のロック位置がロックであればアンロック動作となり、アンロックであればロック動作となるように、ドアロックモータE04を駆動制御する。
図7に戻り、上記の自動化拡張機能系の上位層側に接続される制御ユニットECU31は、各基本制御系の自動制御ユニットECU21,ECU22が出力する個々の基本制御系の制御状態を反映した拡張制御状態反映情報が、それぞれ上位制御指令情報として入力される(CI2311,CI2312,CI2313,CI2314)。そして、制御ユニットECU31は、それら拡張制御状態反映情報の入力内容に基づき、各基本制御系の自動制御ユニットECU21,ECU22及び基底制御ユニットECU11に対し、各基本制御系間の連携動作を指令する連携動作指令情報を下位制御指令情報(CO3211,CO3212,CO3215)として出力する連携制御ユニットとされ、上記複数の自動化拡張機能系とともに連携制御系を構築する。
制御層Lの追加により、新に拡張追加される連携制御機能は以下の通りである。連携制御ユニットECU31は、連携制御エンジンCCLにより、車両周辺に携帯キーE02が存在するか否かを探知するためのポーリング指示情報を、予め定められた時間間隔で基底制御ユニットECU11へ入力する(CO2101)。基底制御ユニットECU11はこれを受け、ドアノブスイッチE01の操作がなくとも前述の探索電波を出力する(ポーリング)。探索電波の到達範囲内に携帯キーE02が存在していると、その携帯キーE02からの応答電波を直ちに受信する必要があるので、このポーリング指示情報を出力する際には、その受信を司る制御ユニットECU12が節電モードとならないよう、その上位の制御ユニットECU21に対し、給電停止をリセットさせるための連携動作指令情報を出力する(CO3212)。制御ユニットECU21はこれを受け、基底制御ユニットECU11が給電停止状態であれば、これを再開させる出力を行なう(CO2111)。
上記のようなポーリングに対し携帯キーE02が応答する状況が発生したか否かは、ポーリング指示期間内に、制御ユニットECU21の状態監視エンジンSPV21による「応答有り」の情報を上位制御指令情報入力(CI2312)として把握することができる。携帯キーE02が応答しているようであれば、ユーザーは既に車両に接近しているから、ドアがアンロック状態であればこれをオートロックし、ロック状態であればこれをオートアンロック(パッシブアンロック)する制御を実施することが可能である。本実施形態では、携帯キーE02がポーリング応答中であって、かつ、ドアノブスイッチE01への操作があった場合に、これをトリガとしてオートロックないしパッシブアンロック制御を行なうようにしている。
具体的には、現在のロック位置を取得して(CI2314)、オートロックないしパッシブアンロックのうち妥当となる側の制御指令信号を、基底制御ユニットECU13に出力する。基底制御ユニットECU13は、これを受けて、現在のロック位置がロックであればアンロック動作となり、アンロックであればロック動作となるように、ドアロックモータE04を駆動制御する。ただし、メカキーによるキーシリンダ操作を上記連携機能に優先させるため、出力調停手段ARB11は、ドアロックスイッチE03の操作入力(CI0131)と、オートロックないしパッシブアンロックにかかる制御指令入力(CO3215→CI2131)とが競合した場合、前者が優先されるように調停を行なう。
ここでも、連携制御ユニットECU31の機能不全により自動制御ユニットECU21,ECU22への連携動作指令情報の入力(CI3211,CI3221)が途絶した場合は、図8に示すように、個々の自動化拡張機能系内にて閉じた複数の自律制御系へ縮退する。また、自動制御ユニットECU21,ECU22の機能不全により基底制御ユニットトECU12,ECU13への自動制御指令情報の入力(CI2111,CI2121)が途絶した場合は、各基本機能系内にて閉じた自律制御系へ縮退する。なお、基底制御ユニットECU11,ECU12及びECU13は、制御層L1内にてカスケード接続(ここでは、無線通信によるカスケード接続)されており、かつ、連携制御ユニットECU31が基底制御ユニットECU11,ECU13と直結されている。従って、連携制御ユニットECU31が正常であり、自動制御ユニットECU21,ECU22が不調となった場合も、それらが司る拡張自動制御機能(節電ないしリトライ)が休止するのみで、連携機能であるオートロックないしパッシブアンロック制御は問題なく実施できるようになっている。
本発明の車載電子機器制御システムの第一実施形態に係る全体ブロック図。 図1の動作流れを示すシーケンス図。 図1のシステムが第一の自動化拡張機能系に縮退した状態を示すブロック図。 同じく第二の自動化拡張機能系に縮退した状態を示すブロック図。 図1のシステムが第一の基本機能系に縮退した状態を示すブロック図。 同じく第二の基本機能系に縮退した状態を示すブロック図。 本発明の車載電子機器制御システムの第二実施形態に係る全体ブロック図。 図7のシステムが自動化拡張機能系に縮退した状態を示すブロック図。 図7のシステムが基本機能系に縮退した状態を示すブロック図。
符号の説明
1,2 車載電子機器制御システム
基底デバイス層
〜L 制御層
01,E03 基底入力デバイス
02,E04 基底被駆動デバイス
ECU11,ECU12,ECU21,ECU22,ECU31 制御ユニット
CI1211,CI0121,CI1211,CI1221,CI2311 入力コネクタ(上位制御指令情報入力部)
CO0111,CO0121,CO1211,CO1221,CO3211 出力コネクタ(下位制御指令情報出力部)
CI2111,CI2121,CI3211,CI3221 入力コネクタ(下位制御指令情報入力部)
入力コネクタ(下位制御指令情報入力部)
CO1211,CO1212,CO1221,CO1222,CO2311,CO2321 出力コネクタ(上位制御指令情報出力部)
ARB11,ARB12 制御指令入力調停手段

Claims (11)

  1. 最下位層が、車両ユーザーへのフロントエンド入力部を構成するとともに上位層側へ基底制御入力情報を出力する基底入力デバイスと、上位層側から入力される基底制御指令情報に基づいて受動的に駆動制御される基底被駆動デバイスとが配置される基底デバイス層とされ、また、該基底デバイス層上に構築される各制御層を構成する個々の制御ユニットの全てが、下位層からの上位制御指令情報が入力される上位制御指令情報入力部と、下位層へ下位制御指令情報を出力する下位制御指令情報出力部との双方を有し、
    かつ、前記制御ユニットの少なくとも一部が、上位層からの下位制御指令情報が入力される下位制御指令情報入力部を有し、
    また、前記制御ユニットの少なくとも一部が、上位層へ上位制御指令情報を出力する上位制御指令情報出力部を有し、
    前記制御ユニットのうち前記下位制御指令情報入力部を有するものが、
    前記下位制御指令情報入力部の入力内容と前記上位制御指令情報入力部の入力内容とに基づいて前記下位制御指令情報出力部の出力内容を決定する協調制御指令手段と、
    前記下位制御指令情報入力部への入力が途絶した場合に、前記上位制御指令情報入力部への入力内容のみに基づいて前記下位制御指令情報出力部の出力内容を決定する自律制御指令手段とを有した協調・自律互換制御ユニットとして構成され
    各前記制御層には、前記制御ユニットとして、前記下位制御指令情報入力部と前記上位制御指令情報出力部との双方を有したフル入出力制御ユニットが少なくとも1つ配置されてなることを特徴とする車載電子機器制御システム。
  2. 前記制御ユニットの前記上位制御指令情報出力部は、当該制御ユニットの前記上位制御指令情報入力部への入力情報を、上位層側の制御ユニットへの前記上位制御指令情報として分配出力するものである請求項1記載の車載電子機器制御システム。
  3. 前記制御ユニットの前記下位制御指令情報出力部は、当該制御ユニットの前記上位制御指令情報出力部の出力情報を、下位層側への前記下位制御指令情報として分配出力するものである請求項1又は請求項2に記載の車載電子機器制御システム。
  4. 前記協調制御指令手段は、前記下位制御指令情報出力部の出力内容を決定する際において前記下位制御指令情報の入力と前記上位制御指令情報の入力とが競合した場合に、予め定められた調停条件に従い、前記下位制御指令情報と前記上位制御指令情報とのいずれを参照するかを排他的に調停する制御指令入力調停手段を有する請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の車載電子機器制御システム。
  5. 前記基底制御入力情報が入力される前記制御ユニットである基底制御ユニットにおいて前記制御指令入力調停手段は、前記基底制御入力情報の入力が発生した場合に、競合する前記上位制御指令情報よりも該基底制御入力情報が優先されるように前記調停を行なうものである請求項4記載の車載電子機器制御システム。
  6. 前記基底デバイス層において前記基底入力デバイスは、前記車両ユーザーによる手動操作を受け付ける手動操作部を有し、該手動操作内容に応じて前記基底制御入力情報を前記上位制御指令情報として出力するものである請求項5記載の車載電子機器制御システム。
  7. 前記基底制御ユニットと、これに接続される前記基底入力デバイス及び前記基底被駆動デバイスとの組を基本機能系として、
    前記基底制御ユニットの上位層側に接続される制御ユニットは、前記基底制御ユニットへ入力される前記基底制御入力情報の分配情報と、前記基底被駆動デバイスへ出力される基底制御指令情報の分配情報とが前記上位制御指令情報として入力されるとともに、それら基底制御入力情報の分配情報と基底制御指令情報の分配情報とに基づいて、前記基本機能系の動作状態を監視し、当該動作状態が予め定められた条件を充足した場合に前記基底制御ユニットに対し、前記基底被駆動デバイスを自動制御するための自動制御指令情報を前記下位制御指令情報として出力する自動制御ユニットとされてなり、
    前記基本機能系と、当該基本機能部に接続される前記自動制御ユニットとの組を自動化拡張機能系として、前記上位自動制御ユニットの機能不全により前記基底制御ユニットへの前記自動制御指令情報の入力が途絶した場合に、該自動化拡張機能系は、前記基底制御ユニットが前記自律制御指令手段により前記基底制御指令情報の入力内容のみに基づいて前記基底制御指令情報の出力内容を決定することにより、前記基本機能系内にて閉じた自律制御系へ縮退する請求項4又は請求項5に記載の車載電子機器制御システム。
  8. 前記自動化拡張機能系が複数設けられるとともに、それら自動化拡張機能系の上位層側に接続される制御ユニットは、各基本制御系の前記自動制御ユニットが出力する個々の基本制御系の制御状態を反映した拡張制御状態反映情報が、それぞれ前記上位制御指令情報として入力されるとともに、それら拡張制御状態反映情報の入力内容に基づき、各基本制御系の自動制御ユニットに対しそれら基本制御系間の連携動作を指令する連携動作指令情報を下位制御指令情報として出力する連携制御ユニットとされ、複数の前記自動化拡張機能系とともに連携制御系を構築するとともに、
    該連携制御ユニットの機能不全により前記自動制御ユニットへの前記連携動作指令情報の入力が途絶した場合に、前記連携制御系は、個々の自動化拡張機能系に含まれる前記自動制御ユニットが、前記自律制御指令手段により前記基本機能系からの上位制御指令情報の入力内容のみに基づいて該基本機能系への下位制御指令情報の出力内容を決定することにより、個々の自動化拡張機能系内にて閉じた複数の自律制御系へ縮退する請求項7記載の車載電子機器制御システム。
  9. 前記連携制御系は、第一の自動化拡張機能系と第二の自動化拡張機能系とを含み、
    前記第一の自動化拡張機能系において、前記基本制御系の前記基底入力デバイスが前記手動操作部をなすリヤデフスイッチであり、前記基底被駆動デバイスが、リヤガラス内に埋設された通電発熱部により当該リヤガラスの曇り止めを行なうリヤデフォッガーであり、前記自動制御ユニットは、前記リヤデフォッガーの動作状態と前記リヤデフスイッチの操作状態とを監視することにより、該リヤデフォッガーの継続動作時間が規定値に到達した場合に該リヤデフォッガーの動作をオートオフする制御を行なうものであり、
    前記第二の自動化拡張機能系において、前記基本制御系の前記基底入力デバイスが前記手動操作部をなすフロントデフスイッチであり、前記基底被駆動デバイスが、フロントガラスの内面に向けて温風を噴き出すことにより該フロントガラスの曇り止めを行なうデフロスターであり、前記自動制御ユニットは、該自動制御ユニットが取得する外気温情報に基づいて、該デフロスターによる温風噴き出しをオートオンする制御を行なうものである請求項8記載の車載電子機器制御システム。
  10. 前記連携制御ユニットは、前記第二の自動化拡張機能系からの前記拡張制御状態反映情報が、前記デフロスターが動作中であることを示している場合に、前記第一の自動化拡張機能系に対し、前記リヤデフォッガーの連動動作を指令する内容の前記連携動作指令情報を出力する請求項9記載の車載電子機器制御システム。
  11. 前記連携制御ユニットは、前記第一の自動化拡張機能系からの前記拡張制御状態反映情報が、前記リヤデフスイッチがオンであるにも拘わらず前記リヤデフォッガーが非動作であることを示している場合に、前記第二の自動化拡張機能系に対し、前記デフロスターを代替デフォッガとして動作させる内容の前記連携動作指令情報を出力する請求項9又は請求項10に記載の車載電子機器制御システム。
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