JP2013237145A - 部品の解体方法 - Google Patents

Abstract

【課題】部品を水研磨材懸濁液噴射法（WASS）により空気中で解体する方法において、切断噴射流の運動エネルギを減衰する。
【解決手段】切断噴射８が被切断部品４に対して斜め下方に角度αで指向され、被切断部品４を貫通した後、被切断部品）の後方にある水表面２１に斜めに衝突する。
【選択図】図１

Description

本発明は、部品を水研磨材懸濁液噴射法（Wasser-Abrasivmittel-Suspension-Strahlverfahren）（WASS）により空気中で解体する方法に関する。

部品を或る切断法で解体するために、特に原子力設備の放射能汚染部品または放射能活性部品を解体するために、水と研磨材との懸濁液を高速で部品に向けて噴射する、いわゆる水研磨材懸濁液噴射法（WASS）を使用することは公知である。この噴射法は、完全に水中で実施することもできるし、空気中で実施することもできる。空気中で実施する場合には、周囲や作業者への危険を避けるために、被切断部品を貫通し切断面から出てくる高い運動エネルギを有する切断噴射流を受け止め、この噴射流に含まれている運動エネルギを減衰、あるいは消滅させることが必要である。このために、例えば原子炉格納容器の解体に際しては、格納容器の切断噴射器とは反対側の内側に受容容器が設置され、この受容容器の縁が格納容器の内側に密接して設置されているので、その内部空間は外部に対して密封されている。受容容器の中には複数のセラミック板がカスケード状に配置されており、これによって切断噴射流の運動エネルギが減衰される。この受容容器は切断作業中、その中に沈殿する切断スラッジを排出するために、水で洗浄される。しかし、このような方法は、受容容器の大きさが切断時に生じる切断面あるいは分離面を完全にカバーするだけ大きくなければならないか、あるいは受容容器を何度も取り替えねばならないので、コスト高となる。これによって、切断工程の中断が生じ、受容容器の交換と改めて密封することによるコストが発生する。さらに、セラミック板は磨耗するので検査を要し、維持コストが必要となる。

そこで本発明の課題は、被切断部品を貫通した切断噴射流の運動エネルギ減衰のための技術的費用を低減できる、水研磨材混濁噴射法による空気中での部品解体方法を提供することにある。

この課題は、本発明による請求項１の特徴を有する方法により解決される。この方法によれば、切断噴射流は被切断部品に対して斜め下向きの角度で指向され、その部品を貫通した後でこの部品の後方の水面に斜めに衝突する。

切断噴射流が、平坦で何も無い水面に斜めに衝突すると、その運動エネルギは、水研磨材懸濁噴射切断法が水中で行なわれる場合と同様に、水中での渦生成と摩擦とにより、減衰あるいは消滅する。

切断噴射流の水面への衝突角度が水面を基準にして２０°よりも小さい場合には、特に効果的なエネルギ消滅が達成される。

この水面は、本発明の一実施形態によれば、被切断部品の後方に、水を充満され少なくとも部分的に上部が開放された容器を、被切断部品から出てくる切断噴射流が水面に斜めに衝突するように配置することにより用意することができる。

被切断部品自身が容器であり、この容器が、切断面から容器の内側に出てくる切断噴射流の切断時に生じる射出箇所の下まで水で満たされている場合には、上記のような別個の容器は不要となる。

本発明による方法は、特に原子力発電所の原子炉格納容器の解体に適している。

図１、図２に示された実施例を参照して本発明を説明する。

被切断部品の後方に水で満たされた容器が配置されている、本発明による一実施形態。 被切断部品自身が水で満たされた容器である代替案。

図１では被切断部品４の壁面２に切断ノズル６が取付けられ、この切断ノズル６から高い運動エネルギを有する切断噴射流８が被切断部品４に向けて角度αで噴射される。この切断噴射流８は被切断部品４を貫通し、被切断部品４の切断ノズル６とは反対側の面から空気中に射出される。被切断部品４の後方に、すなわち、被切断部品４の切断ノズル６あるいは切断噴射流８とは反対側に、水位１２まで水１４が満たされた容器１０が配置されている。ここで、容器１０の上部縁ならびに水位１２は、切断噴射流８が箇所Aにおいて何も無い水面２１に何の妨げも無く衝突し、且つ、そこで摩擦と渦生成によりその運動エネルギを失うような距離だけ、切断時に生じる切断面１８あるいは被切断部品からの切断噴射流８の射出箇所２０の下方にある。予定されている切断面１８の膨張あるいは長さ、および容器１０の大きさによっては、切断工程を中断し容器１０を交換する必要があるかもしれない。

図２の実施例では、被切断部品４は容器、例えば原子力発電所の原子炉格納容器であり、その外壁２２の内面には被覆２４が施されている。この原子炉格納容器を解体するために、この格納容器から例えば複数の環状断片が分離される。このために切断ノズル６は原子炉格納容器の外壁２２の周囲面に沿って環状に、紙面に垂直な切断平面２６に対して水平に案内される。

原子炉格納容器は部分的に水１４で満たされているので、水位１２は切断平面２６よりも下方にあり、且つ、切断噴射流８の射出開口２０よりも下方にある。この場合にも、切断噴射流８の運動エネルギは切断噴射流８が水面２１に斜めに衝突するので消滅する。原子炉格納容器の１つの環状断片が分離されると、水位１２が下げられ、原子炉格納容器のその次の環状断片を分離するための次の環状の分離工程が実施される。

４ 部品（被切断部品）
６ 切断ノズル
８ 切断噴射流
１０ 容器
１２ 水位
１４ 水
１６ 上部縁
１８ 切断面
２０ 射出箇所
２２ 容器の外壁
２６ 切断平面
A 切断噴射流の衝突箇所

Claims (5)

1. 部品（４）を水研磨材懸濁液噴射法（WASS）により空気中で解体する方法であって、
   切断噴射流（８）が、前記部品（４）に対して斜め下向きに角度（α）で指向され、前記部品（４）を貫通した後で、前記部品（４）の後方の水面（２１）に斜めに衝突することを特徴とする方法。
2. 前記角度（α）が、２０°よりも小さいことを特徴とする請求項１に記載の方法。
3. 水（１４）で満たされ、少なくとも部分的に上部が開放された容器（１０）が、前記部品（４）から出てくる前記切断噴射流（８）がその水面（２１）に斜めに衝突するように、前記部品（４）の後方に配置されていることを特徴とする請求項１または２に記載の方法。
4. 前記部品（４）が容器であり、
   前記容器が、切断時に生じる切断噴射流（８）の、前記容器（１０）内側での射出箇所（２０）の下方まで、水で満たされていることを特徴とする請求項３に記載の方法。
5. 前記容器が、原子力発電所の原子炉格納容器であることを特徴とする請求項４に記載の方法。

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