JP2013237101A - 耐水素誘起割れ性に優れた鋼材およびその製造方法 - Google Patents

耐水素誘起割れ性に優れた鋼材およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】硫化水素を多く含む原油や天然ガス等の輸送用ラインパイプ、圧力容器等の様に、厳しいサワー環境で使用される場合であっても、優れた耐水素誘起割れ性(耐HIC性)を示す鋼材を提供する。
【解決手段】素地鋼材が、C:0.01〜0.20%(質量%の意味、化学成分について以下同じ)、Si:0.10〜0.50%、Mn:0.70〜2.50%、P:0.03%以下(0%を含まない)、S:0.003%以下(0%を含まない)、Al:0.005〜0.10%、およびO:0.01%以下(0%を含まない)を満たし、かつ、素地鋼材の表面の90%以上が、平均厚さ1.0μm以上100μm以下でかつFe34を体積率で70%以上含む酸化物層で覆われていることを特徴とする耐水素誘起割れ性に優れた鋼材。
【選択図】なし

Description

本発明は、耐水素誘起割れ性に優れた鋼材およびその製造方法に関するものであり、硫化水素(HS)が多く含まれる湿潤硫化水素環境下において、良好な耐HIC(Hydrogen Induced Cracking、水素誘起割れ)性を発揮する鋼材とその製造方法に関するものである。
硫化水素(HS)が多く含まれる湿潤硫化水素環境下で使用される機器、例えば、原油や天然ガス等の輸送用ラインパイプ、石油精製装置(水素化精製装置、水素化脱硫装置、接触分解装置など)では、水素誘起割れ(HIC)の発生が懸念される。これは原油や天然ガスに含まれる硫化水素を含んだ水分と鋼材との電気化学的な反応によって発生した水素が鋼中に侵入し、鋼中に存在する介在物(例えばMnS等の硫化物、Al23等の酸化物、Ti(CN)やNb(CN)等の炭窒化物)周りや介在物と鋼界面に存在する欠陥等に集積してガス化し、発生した内圧が鋼材の降伏強度を超えた場合に塑性変形が生じて割れや膨れが発生する現象である。非特許文献1に紹介されているように、1950年代にHICの事例が顕在化し始め、1970年代に発生した海底ラインパイプの破損事故による大量の原油流出事故をきっかけに、材料面、使用環境面からの検討がなされてきた。
このような環境下で使用される鋼材の耐HIC性を向上させる方法が、鋼材の材料、表面処理のそれぞれの観点から提案されている。
まず、材料の観点からは次の様な提案がなされている。即ち、HICの発生起点として最も一般的に報告されているのは、圧延により大きく引き伸ばされたMnSである。よって、この延伸しやすいMnSの生成を抑制すべく、鋼中S量の低減を図ると共に、Caを添加し、MnSのMnをCaに置き換えて球状化することが提案されている。また、酸素量やAl量の制御により酸化物の生成を抑制する技術や、TiやNbなどの炭窒化物形成元素と、炭素および窒素の含有量を制御することにより、炭窒化物を制御する方法が提案されている(例えば、非特許文献2)。
更には、鋼材の耐食性を向上させる目的で、Cu等の元素を添加したり、割れの発生箇所となる中心偏析の硬化層の形成を抑制する等の技術が、上記非特許文献1で提案されている。
次に、表面処理の観点からは、鋼材に侵入する水素が、硫化水素を含む水分と鋼の鋼材表面での電気化学反応によって発生することに鑑みて、上記硫化水素を含む水分と鋼との接触防止を図る技術が提案されている。
その具体的な一例として、鋼材表面にFe34(マグネタイト)を含む層を形成する方法が提案されている。例えば特許文献1には、鋼材表面に体積率で50%以上のマグネタイトを含む酸化物層を形成する方法が示されている。本方法では、圧力容器や配管等の水張試験時に生じる水酸化鉄を、150℃程度の水蒸気で還元させることによって、マグネタイトを含む酸化物層を鋼材表面に形成させている。
しかし水張試験で生じるような水酸化鉄は、鋼材表面に均一に形成され難く(水滴の残った箇所に形成されるのが一般的である)、かつ、形成される水酸化鉄は粗な構造(すきまの多い構造)であるため、このような水酸化鉄を原料としてマグネタイトを形成させても、得られる酸化物層は、鋼材が一部露出するほど不均一であって粗な構造、即ち、環境遮断性の不十分なものになると思われる。そのためスイートやライトサワー環境(実験例のpH5程度の環境)では、無処理の鋼材よりかは耐HIC性向上効果を期待できるが、昨今要求されるような厳しいサワー環境(pH3以下)では十分な耐HIC性が発揮され難いと思われる。
また、鋼材表面にエポキシ系樹脂を塗布する方法が提案されている。例えば特許文献2には、エポキシ樹脂と変性ポリアミンの反応物からなる防食塗料を鋼材に塗布することによって、鋼材への水素侵入を抑制する技術が提案されている。
重防食塗装では、通常、数百〜数千μmの塗膜を鋼材表面に形成させるが、上記特許文献2の様な、スプレー塗布等に代表される通常の塗装方法では、塗膜欠陥を完全に抑制することは困難である。塗膜に欠陥が存在すると、この欠陥を通して硫化水素を含む水分が鋼材表面に到達し、該到達部分で腐食反応が生じ、そこで発生した水素に起因するHICが懸念される。また、長期間の使用により塗膜(樹脂)が劣化し、この劣化した塗膜中を、硫化水素を含む水分が浸透することによって、上述した様な腐食反応とこの反応で発生した水素に起因するHICが懸念される。
更には、鋼材表面にCuやNiのめっき層を形成させる方法が提案されている。しかしこの方法では、CuやNiのめっき層にクラックが生じたり剥離するといった問題がある。また特許文献3には、鋼材表面にCuめっき層を形成し、その上にNiめっき層を形成させた後、更に合成樹脂層を形成させる技術が提案されている。しかしながら多量に使用されるラインパイプ用鋼の全面に本技術を適用した場合、非常に高コストとなり現実性が低い。
上記の通り、種々の方法が提案されているが、近年では、原油や天然ガスの掘削環境が硫化水素を多く含む厳しい環境である場合が増加している。しかし、上述した材料面・表面処理の観点から提案されている鋼材が、この過酷なサワー環境においても耐HIC性に優れているとは限らない。
特開昭62−238378号公報 特開平1−172466号公報 特開昭63−161190号公報
松山晋作,「遅れ破壊」,日刊工業新聞社,1989年8月31日発刊 「パイプライン」材料編,溶接学会誌,2011年,Vol.80,No.2,p.180
本発明は上記の様な事情に着目してなされたものであって、その目的は、硫化水素を多く含む原油や天然ガス等の輸送用ラインパイプ、圧力容器等の様に、厳しいサワー環境で使用される場合であっても、優れた耐HIC性(耐水素誘起割れ性)を示す鋼材と、該鋼材を製造する方法を確立することにある。
上記課題を解決し得た本発明の耐水素誘起割れ性に優れた鋼材は、素地鋼材が、
C:0.01〜0.20%(質量%の意味、化学成分について以下同じ)、
Si:0.10〜0.50%、
Mn:0.70〜2.50%、
P:0.03%以下(0%を含まない)、
S:0.003%以下(0%を含まない)、
Al:0.005〜0.10%、および
O:0.01%以下(0%を含まない)
を満たし、かつ、素地鋼材の表面の90%以上が、平均厚さ1.0μm以上100μm以下でかつFe34を体積率で70%以上含む酸化物層で覆われているところに特徴を有する。
好ましい実施形態において、上記鋼材は、更に、Ca:0.0001〜0.01%を含有する。
好ましい実施形態において、上記鋼材は、更に、Cu:0.05〜1.0%、Ni:0.05〜1.0%、およびCr:0.05〜1.0%よりなる群から選択される1種以上の元素を含有する。
好ましい実施形態において、上記鋼材は、更に、Mo:0.05〜0.5%、Nb:0.001〜0.1%、およびTi:0.001〜0.1%よりなる群から選択される1種以上の元素を含有する。
好ましい実施形態において、上記鋼材は、更に、Zr、V、Co、REM、Y、MgおよびBよりなる群から選択される1種以上の元素を、それぞれ0.0001〜0.01%含有する。
上記鋼材として、ラインパイプ用鋼板やラインパイプ用鋼管が挙げられる。
本発明は、上記鋼材の製造方法(製造方法a)も含むものであって、該製造方法aは、熱間圧延中に、デスケーリングを少なくとも1回行うところに特徴を有する。
また本発明は、上記鋼材の別の製造方法(製造方法b)も含むものであり、該製造方法bは、熱間圧延後に、鋼材表面に形成されたスケール層にクラックを導入するところに特徴を有する。
上記製造方法bにおいてスケール層にクラックを導入する方法として、熱延圧延後にデスケーリングを少なくとも1回行ったり、熱延圧延後、10℃/秒以上の平均冷却速度で冷却すること等が挙げられる。
本発明によれば、素地鋼材の表面のほとんどが一定厚さ以上の酸化物層で覆われており、かつ該酸化物層はFe34(マグネタイト)を一定量以上含むものである。よって、素地鋼材の表面は、実質的にほとんどが緻密なFe34層で覆われており、さらに鋼材の成分組成も制御されているため、厳しいサワー環境(硫化水素濃度の高い環境)において、不可避的に発生する水素の侵入が十分抑制されて、耐HIC性が従来鋼よりも飛躍的に優れた鋼材を提供できる。本発明の鋼材は、この様に優れた耐HIC性を発揮するため、硫化水素濃度の高い原油や天然ガス等と接する、輸送用ラインパイプや石油精製装置(水素化精製装置、水素化脱硫装置、接触分解装置など)で使用される圧力容器等に適用できる。
本発明者らは、近年の原油や天然ガスの掘削環境が、硫化水素を多く含む厳しい環境であることに鑑みて、この様な環境においても優れた耐HIC性を発揮する鋼材を得ることを目的に、まず、硫化水素環境(サワー環境)中での水素誘起割れの発生メカニズムに基づいて、
・鋼材表面での水素発生挙動
・鋼材中への水素侵入挙動
の面から種々の検討を進めた。その結果、鋼材中への水素侵入量を低減することが、鋼材に発生する膨れを抑制して、優れた耐HIC性の確保に有効であることをまず見出し、鋼材中への水素侵入挙動に着目した。
硫化水素環境以外の通常の腐食環境の場合、鋼材表面に吸着した水素原子の大半は、
水素原子どうしの再結合(Had+Had→H2↑);または
水素イオンと水素原子と電子の結合(H+Had+e-→H2↑);
により水素ガスとなる「水素ガス化反応」によって鋼材表面から逃散する。
これに対し硫化水素環境では、硫化水素の分解により水素イオンが発生(H2S→H++HS-)し、上記発生した水素イオンが、鋼材表面で電子を受け取り、原子化して吸着(H++e-→Had)し、鋼中に侵入すると考えられている。
また、硫化水素環境の場合は、上記水素ガス化反応が著しく抑制されると言われている。特に、高強度鋼等の水素脆化の評価試験において、酸溶液中で陰極チャージにより鋼中へ水素を導入する際に、水素導入量を増加させる目的で添加される触媒毒(P、As、Sb等の15族元素、SやSe等の16族元素)は、水素原子どうしの再結合(Had+Had→H2↑)を抑制すると言われている。よって、サワー環境におけるHSのSも、上記
触媒毒と同じ作用を示すと考えられることから、サワー環境では、水素原子どうしの再結合反応が抑制されて水素を逃散させることが困難である。そこで、上記水素ガス化反応のうち、水素イオンと水素原子と電子の結合反応(H+Had+e-→H2↑)を促進させることに着目した。更に本発明者らは、酸化物上では「水素イオンと水素原子と電子との結合反応」が律速反応となること、および、酸化物の水素拡散係数は低いことに着目し、鋼板表面に酸化物を形成することにより水素侵入を抑制する方法について、鋭意研究を行った。
その結果、素地鋼材の表面の大部分を一定以上の厚さの酸化物層で覆い、かつ該酸化物層の構成をFe34(マグネタイト)主体とすることで、水素発生サイトとなる鋼材表面を腐食環境から隔離できるだけでなく、酸化物層中、特に鋼材表面に存在するFe34上で、水素原子と水素イオンと電子との結合反応(陰極反応)を生じさせることにより水素ガス化を促進でき、結果として、鋼中への水素侵入量の低減が可能であることを見出した。
上述の通り、酸化物層中のFe34上で、水素イオンと水素原子と電子の結合反応が律速過程となるため、水素原子の滞留がFe34上で生じる。また酸化物の水素拡散係数は鋼材よりも著しく低い。よって、酸化物層の厚さや該酸化物層中のFe34の体積率が一定以上でない場合、水素発生サイトとなる鋼材表面を腐食環境から隔離できないだけでなく、鋼材表面に存在するFe34上に滞留した水素原子が、かえって鋼中へ侵入してしまい、水素侵入量の増加を招く。
そのため、上述の酸化物層中に存在するFe34を活用した鋼中水素量低減効果を得るには、素地鋼材の表面の大部分が一定以上の厚さの酸化物層で覆われた状態とする必要がある。よって本発明では、酸化物層の平均厚さを1.0μm以上とする。好ましくは2μm以上、より好ましくは5μm以上とする。しかし上記酸化物層が厚すぎると剥離しやすくなるため、酸化物層の平均厚さは100μm以下とする。好ましくは90μm以下、より好ましくは80μm以下とする。
また上記Fe34を活用した鋼中水素量低減効果を得るには、前記酸化物層がFe34を体積率で70%以上含むものであることが必要である。該Fe34の体積率は、好ましくは80%以上、より好ましくは90%以上である。この様に酸化物層中に高い割合でFe34が含まれることによって、素地鋼材表面の実質的にほとんどが、緻密なFe34層で覆われることになる。その結果、鋼材表面にて水素原子と水素イオンと電子との結合反応による水素ガス化を促進でき、結果として、鋼中への水素侵入量の低減が可能となる。尚、前記酸化物層には、不純物としてFeO(ウスタイト)やFe23(ヘマタイト)等も含まれうる。
更に、鋼材表面に上記酸化物層の形成されていない部分が存在すると、該部分で腐食反応が集中して生じ、かえって水素侵入量の増加を招く恐れがある。よって、素地鋼材の表面の90(面積)%以上が、上記酸化物層で覆われている必要がある。好ましくは素地鋼材の表面の95%以上であり、最も好ましくは100%である。
上記酸化物層の厚さは、鋼材を切断し、断面から光学顕微鏡やSEM(走査型電子顕微鏡)を用いて測定することができる。また該酸化物層中の上記Fe34の体積率の測定は、X線回折などの手法を用いて行うことができる。
鋼材が鋼板である場合、素地鋼材の表面とは、圧延された表面・裏面だけでなく側面(板厚面)も含まれる。
次に、本発明で成分組成を規定した理由について以下に述べる。本発明では特に、水素誘起割れの原因となる粗大なMnS形成に関与するS量の低減や、同じく水素誘起割れの原因となるクラスタ化したAl23等の酸化物形成に関与するAl量やO量を制御することによって、硫化水素濃度の高い環境下においても優れた耐HIC性を確保することができる。
[成分組成]
〔C:0.01〜0.20%〕
Cは、鋼の強度向上に必要な元素であり、本発明では、C量を0.01%以上とする。好ましくは0.03%以上である。一方、C量が過剰であると、炭化物の生成が促進されて耐HIC性が低下したり、溶接性の劣化が生じるため、C量の上限を0.20%とする。好ましくは0.15%以下である。
〔Si:0.10〜0.50%〕
Siは、鋼の脱酸に必要な元素であり、さらに強度向上元素としても作用する。これらの効果を得るため、本発明ではSi量を0.10%以上とする。好ましくは0.15%以上である。一方、Si量が過剰であると、溶接熱影響部(HAZ)の靭性を低下させるため、Si量の上限を0.50%とする。好ましくは0.40%以下である。
〔Mn:0.70〜2.50%〕
Mnは、強度及び靭性を向上させる元素である。該効果を発揮させるため、Mn量は0.70%以上、好ましくは0.8%以上とする。一方、Mn量が過剰であると、HAZ靭性が低下したり、鋼中のSと結合して耐HIC性を低下させるMnSが増加するため、Mn量の上限を2.50%とする。好ましくは2.0%以下である。
〔P:0.03%以下(0%を含まない)〕
P(リン)は、不可避不純物であり、耐HIC性やHAZ靭性の低下を招く元素であるため、0.03%以下に抑える。好ましくは0.020%以下である。尚、Pは少ないほど良いためP量の下限は特に定めないが、製造コストの観点からその下限は0.001%程度となる。
〔S:0.003%以下(0%を含まない)〕
S(硫黄)は、Mnと結合することによって熱間圧延時に圧延方向に延伸するMnSを生成する元素であり、このMnSがHICの原因となって、耐HIC性を低下させる。よって、S量は、極力低減するのがよく、0.003%以下に抑える。好ましくは0.0020%以下、より好ましくは0.0010%以下である。尚、Sは少ないほど良いため下限は特に定めないが、0.0001%未満にすることは製造コストの観点を含めて困難であることから、S量の下限は0.0001%程度となる。
〔Al:0.005〜0.10%〕
Alは、脱酸元素であり、溶鋼中の酸素量を低減させるため、Al量は0.005%以上とする。好ましくは0.01%以上である。しかし、Alが多量に含まれると、鋼中の酸素と結合してHICの起点となるクラスタ状のAlを形成する。よって、その上限を0.10%とする。好ましくは0.05%以下である。
〔O:0.01%以下(0%を含まない)〕
O(酸素)が鋼中に多量に存在すると、HICの起点となるAl等の酸化物が多量に形成するため、その上限を0.01%とする。好ましくは0.005%以下であり、より好ましくは0.0020%以下である。下限は特に定めないが、実操業上0.0005%程度である。
本発明鋼材の成分組成は上記の通りであり、残部が鉄および不可避不純物からなるものが挙げられる。不可避不純物として、上述したP、S、Oの他にN(窒素)やH(水素)が鋼材の諸特性を害さない程度に含まれていてもよい。上記Hは、造塊時の鋼塊の割れを抑制する観点から少ない方が好ましく、その上限を0.0005%とすることが好ましい。また下限は特に定めないが、実操業上0.0001%程度である。またNが過剰である場合、割れの起点となり耐HIC性を低下させるクラスタ状の窒化物が生成する原因となる。よって、その上限を0.0050%とすることが好ましい。
本発明の鋼材は、前記本発明の効果に悪影響を与えない範囲で、下記に示す他の元素を更に含有させて、更なる特性の向上を図ることもできる。
〔Ca:0.0001〜0.01%〕
Caは、Mnに代わってSと結合し、圧延方向に延伸するMnSの形成を抑制することにより耐HIC性の改善に寄与する元素である。また、鋼材表面に存在するCa酸化物が水に溶解し、OH-を生成することで鋼材表面の酸性度が緩和され、水素発生量の低減に
寄与する元素でもある。これらの効果を得るには、Caを0.0001%以上含有させることが好ましく、より好ましくは0.0010%以上である。一方、Ca量が過剰であると、鋼中の酸素と結合して酸化物を形成し、該酸化物の集積により耐HIC性が低下する。よって、Ca量の上限は0.01%とすることが好ましい。より好ましくは0.005%以下である。
〔Cu:0.05〜1.0%、Ni:0.05〜1.0%、およびCr:0.05〜1.0%よりなる群から選択される1種以上の元素〕
Cu、NiおよびCrは、更なる強度の向上に寄与する元素である。このうちCuは、更に靭性向上にも有効であり、またpH5程度の中性に近い環境下では、硫化水素と反応して安定なCuS皮膜を形成することにより、鋼中への水素侵入量低減に寄与する元素でもある。これらの効果を得るには、Cu量を0.05%以上とすることが好ましい。より好ましくは0.10%以上である。一方、Cu量が過剰であると熱間加工性が低下するため、Cu量の上限は1.0%とすることが好ましい。より好ましくは0.8%以下である。
またNiは、強度と共に靭性の向上にも有効な元素である。これらの効果を得るには、Ni量を0.05%以上とすることが好ましく、より好ましくは0.10%以上である。一方、Ni量が過剰であるとコストが上昇して経済性が低下するため、Ni量の上限は1.0%であることが好ましい。より好ましくは0.8%以下である。
Crは、低Cでも十分な強度を得るのに有効な元素である。この効果を得るにはCr量を0.05%以上とすることが好ましく、より好ましくは0.10%以上である。一方、Cr量が過剰であると溶接性が低下するため、その上限を1.0%とすることが好ましく、より好ましくは0.8%以下である。
〔Mo:0.05〜0.5%、Nb:0.001〜0.1%、およびTi:0.001〜0.1%よりなる群から選択される1種以上の元素〕
Mo、NbおよびTiは、更なる強度の向上に寄与する元素である。このうちMoは、焼入性を向上させると同時に、炭窒化物を形成して強度を向上させる元素である。また、靭性向上にも寄与する。これらの効果を得るには、Moを0.05%以上含有させることが好ましく、より好ましくは0.10%以上である。一方、Mo含有量が過剰であると、鋼の強度が向上し過ぎて耐HIC性が低下し、またコストの上昇も招くため、その上限を0.5%とすることが好ましい。より好ましくは0.3%以下である。
Nbは、炭窒化物の形成による強度向上に有効な元素である。この効果を得るにはNb量を0.001%以上とすることが好ましく、より好ましくは0.005%以上である。一方、Nb含有量が過剰であると溶接性が劣化するため、その上限は0.1%とすることが好ましく、より好ましくは0.08%以下である。
Tiは、鋼中のNと結合して窒化物を形成し結晶粒の微細化により、強度向上に寄与する元素である。この効果を得るにはTi量を0.001%以上とすることが好ましく、より好ましくは0.005%以上である。一方、Ti含有量が過剰であると、粗大なTiNが生成して耐HIC性が低下するため、その上限を0.1%とすることが好ましく、より好ましくは0.05%以下である。
〔Zr、V、Co、REM(希土類元素)、Y、MgおよびBよりなる群から選択される1種以上の元素:それぞれ0.0001〜0.01%〕
本発明では、更なる特性の向上のために、Zr、V、Co、REM、Y、MgおよびBよりなる群から選択される1種以上の元素を含有させてもよい。
このうちZrは、窒化物を形成して強度の向上に寄与する元素であり、この効果を得るには、Zr量を0.0001%以上とすることが好ましい。一方、Zr量が過剰であると、靭性の低下が生じたり粗大な窒化物が生成して耐HIC性が低下するため、その上限を0.01%とすることが好ましい。
Vは、炭化物や窒化物を形成して強度の向上に寄与する元素である。この効果を得るには、V量を0.0001%以上とすることが好ましい。一方、V量が過剰であると靭性が低下するため、その上限を0.01%とすることが好ましい。
Coは、鋼材の耐食性を向上させる元素であり、その効果を得るには、Co量を0.0001%以上とすることが好ましい。一方、Co量が過剰であるとコスト的に不利となるため、その上限を0.01%とすることが好ましい。
REMは、脱酸剤及び脱硫剤として添加される元素であり、その効果を得るには、REM量を0.0001%以上とすることが好ましい。一方、REM量が過剰であると、REMと鋼中の酸素が結合して粗大な酸化物が生成し、耐HIC性が低下したり母材靭性およびHAZ靭性の低下を招く。よって、その上限を0.01%とすることが好ましい。
尚、本発明において上記REMとは、ランタノイド元素(LaからLuまでの15元素)とSc(スカンジウム)を意味する。
Yは、脱酸剤及び脱硫剤として添加される元素であり、また、Ca等と同様にMnに代わりSと結合してYSを形成し、圧延方向に延伸するMnSの形成を抑制することにより耐HIC性の改善に寄与する元素でもある。この効果を得るにはY量を0.0001%以上とすることが好ましい。一方、Y量が過剰であると、Yと鋼中の酸素が結合して粗大な酸化物が生成し、耐HIC性が低下したり母材靭性およびHAZ靭性の低下を招く。よって、その上限を0.01%とすることが好ましい。
Mgは、脱酸剤及び脱硫剤として添加される元素であり、特に微細な酸化物を形成してHAZ靭性の向上に寄与する元素でもある。さらにMgは、鋼材表面に存在するMg酸化物が水に溶解し、OH-を生成することによって鋼材表面の酸性度が緩和され、水素発生量を低減することができる元素でもある。これらの効果を得るには、Mg量を0.0001%以上とすることが好ましい。一方、Mg量が過剰であると、凝集、粗大化した酸化物が生成しやすくなり、耐HIC性の劣化や母材靭性およびHAZ靭性の低下をもたらす。よってMg量の上限を0.01%とすることが好ましい。
Bは、強度向上、および粒界強化に有効な元素であり、これらの効果を得るにはB量を0.0001%以上とすることが好ましい。一方、B量が過剰であると靭性が劣化するため、その上限を0.01%とすることが好ましい。
[組織・特性について]
本発明において組織は特に問わない。例えば鋼材のミクロ組織が、フェライト主体であって、該フェライトにパーライトなどが混ざった組織であっても良いし、ベイナイト主体であってフェライト等が混ざった組織であっても良い。ただし割れ感受性の高い硬質なマルテンサイトはできるだけ含まない方が良い。
鋼材中に存在する析出物として、一般的に含まれている硫化物(例えばMnS等)や酸化物(例えばAl等)、炭化物(例えばNbC等)、窒化物(例えばTiN等)などが挙げられる。微細な炭化物(例えばサブミクロンオーダー)が鋼中に分散して存在する場合は、耐HIC性の低下は少ないが、粗大なMnSや凝集クラスタ化したAl、NbC、TiNなどは割れの起点となり耐HIC性を低下させるため、できるだけ少ない方が良い。そのために本発明では、鋼中のC量を規定範囲内とし、かつ鋼中のS量、O量、N量を上述の通り極力低減するのがよい。
本発明の鋼材は、引張強度が約460〜850MPa、降伏強度が360〜700MPa(API規格のX52〜X80)程度、または、それ以上の強度クラスであってもよい。
[製造方法について]
本発明の鋼材は、例えば以下の様にして製造することができる。規定の成分組成に調整した鋼を用い、連続鋳造により製造したスラブを、例えば1000〜1200℃程度に加熱保持した後、約750〜950℃の温度(仕上圧延温度)で熱間圧延を行い、その後、任意の冷却速度で300〜650℃の温度域まで冷却する。熱間圧延後、後述の通り10℃/秒以上の平均冷却速度で300〜650℃の温度域まで冷却(空冷)してもよい。また300〜650℃の温度域まで冷却後は、続けて室温まで冷却する他、後述の通り、300〜650℃の温度域で一定時間保持してもよい。
鋼材表面に形成させた酸化物層中のFe34の体積率を高めるには、鋼材表面に、雰囲気中の酸素を積極的に供給することが最も重要である。
その方法として、例えば下記の方法が挙げられる。
(a)熱間圧延中に、デスケーリング(例えば、高圧水デスケーリング、メカニカルデスケーリング、ブラスト等)を少なくとも1回行い(例えば熱間圧延5パスに対して1パス以上の割合でデスケーリングを行い)、熱間圧延中に形成するスケール(FeO)を薄くすることによって、鋼材表面への酸素到達を容易にする方法
(b)熱間圧延後に、熱間圧延中に形成したスケール(FeO)に、クラックを導入することによって、鋼材表面に酸素を供給する方法
上記(b)の具体的方法として、下記の(b−1)〜(b−3)が挙げられる。
(b−1)熱間圧延後(熱間圧延の最終パス後)に軽圧下パスを追加する方法
(b−2)熱間圧延後(熱間圧延の最終パス後)にデスケーリングを少なくとも1回行う方法
(b−3)熱間圧延後(熱間圧延の最終パス後)に(好ましくは熱間圧延の最終パス後5秒以内に)10℃/秒以上の平均冷却速度で上記300〜650℃の温度域まで冷却することによって、スケール層と鋼材との線膨張係数差からスケール層にクラックを導入する方法
これらの方法を適宜選択したり、組み合わせて適用すればよい。
また熱間圧延後、任意の冷却速度で300〜650℃の温度域まで冷却してから、酸化雰囲気(例えば大気雰囲気等)下にて該温度域(保持温度、300〜650℃)で1分以上保持することも挙げられる。尚、前記保持温度を約570℃よりも低く(より好ましくは500℃以下)保つことにより、鋼材表面に形成させたスケール層中のFeOをFe34にする(4FeO=Fe34+Fe)ことができるため好ましい。また、この方法によって、冷却雰囲気中の酸素を鋼材表面に十分拡散させることができるため、鋼材表面に本発明で規定の酸化物層を形成することができる。この場合、上記保持温度での保持時間が長いほど酸化物層の厚さが増すが、長すぎると生産性を低下させるため、おおむね300分程度までとするのがよい。
[用途]
本技術を適用することによって、耐HIC性が問題となるような鋼材、特には厚鋼板であって、例えば石油精製装置に使用される、例えば圧力容器用鋼板(JIS G3103:ボイラ及び圧力容器用炭素鋼及びモリブデン鋼鋼板、JIS G3115:圧力容器用鋼板、JIS G3119:ボイラ及び圧力容器用マンガンモリブデン及びマンガンモリブデンニッケル鋼鋼板、JIS G4109:ボイラ及び圧力容器用クロムモリブデン鋼鋼板、JIS G4110:高温圧力容器用クロムモリブデン鋼板)等の耐HIC性を向上させることができる。
また本発明では、上記鋼材表面に規定の酸化物層を一定の面積以上形成することに加えて、鋼材の成分(特に割れの原因となる粗大なMnS形成に関与するS量の低減や、クラスタ化したAl等の酸化物に関与するAl量やO量)も制御しているため、特に、硫化水素濃度のより高い原油や天然ガス等を輸送するために厳しい耐HIC性が要求される、ラインパイプ用鋼板やラインパイプ用鋼管に適用することができる。
以下、本発明を実施例によって更に詳細に説明するが、下記実施例は本発明を限定する性質のものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更して実施することも可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に含まれる。
(試験材の作製)
表1に示す化学成分(REMとしてCe、Laを使用)を有する鋼を溶製し、スラブとしてから1100〜1200℃に加熱後、750〜900℃(仕上圧延温度)で熱間圧延と、下記表4の実験No.1、4および6〜31では(熱間圧延中の)デスケーリングを少なくとも1回行い、板厚40mmとした。熱間圧延後、引き続き3℃/秒(s)の冷却速度で300〜650℃の温度域まで冷却後、この温度域(300〜650℃)で雰囲気を酸化雰囲気(大気雰囲気)として10〜300分保持して供試材を作製した。尚、下記表4の実験No.2、4および6〜31では、熱間圧延の最終パス後にデスケーリングを少なくとも1回行った。また表3の実験No.2−0〜2−3では、熱間圧延後に冷却速度3℃/秒にて650℃まで冷却後、表3に示す通り保持温度を650〜500℃の間で変化させた。表4の実験No.3では、熱間圧延終了後、上記300〜650℃の温度域までを水冷(急冷)、即ち、10℃/秒以上の平均冷却速度で冷却した。表4の実験No.6では、上記熱間圧延後、引き続き3℃/秒の冷却速度で680℃まで冷却後、この温度で雰囲気を酸化雰囲気(大気雰囲気)として600分保持した。
従来技術を検証する実験として、後述する表2の実験No.0−1、0−2では、鋼記号Aおよび鋼記号イのそれぞれに対して、鋼材表面に水を塗布した後乾燥させることで水酸化鉄を生成し、その後150℃の水蒸気で還元することでFe34を含む酸化物層を形成させた。後述する表2の実験No.0−3では、鋼記号Aに対して、鋼材表面への水の塗布と乾燥を2回繰り返して水酸化鉄を生成し、また表2の実験No.0−4では、鋼記号Aに対して、鋼材表面への水の塗布と乾燥を5回繰り返して水酸化鉄を生成し、いずれもその後に150℃の水蒸気で還元することでFe34を含む酸化物層を形成させた。
Figure 2013237101
得られた鋼板から引張試験片を採取し、引張試験を行って、降伏強度(YS)と引張強度(TS)を求めた。また、得られた鋼板から別途、酸化物層の観察・同定用の試験片(マクロ試験片)、HIC試験片をそれぞれ採取し、下記の測定・評価に供した。
〔酸化物層の平均厚さ・被覆率の測定、および酸化物層中のFe34量の測定〕
酸化物層の平均厚さは、試験材の断面をSEMで5視野観察し(倍率:500倍)、各視野で5箇所の厚さを測定して、合計25箇所の厚さの平均値を算出して求めた。また、本発明で規定の平均厚さの酸化物層の被覆率(素地鋼材の表面を覆う酸化物層の面積率)は、Cuめっき法によりCu非付着部の面積率から評価した。尚、表2において、上記酸化物層の被覆率が規定を満たさない例(実験No.0−1〜0−3)については、酸化物層中のFe34の体積率の測定を行わなかった。尚、上記実験No.0−1〜0−3では、酸化物層中にFe34が存在していることは確認した。
また、本発明で規定の平均厚さの酸化物層中のFe34の体積率はX線回折で確認した。
〔耐HIC性の評価〕
鋼材の耐HIC性の評価は、NACE(National Association of Corrosion and Engineer)TM0177で規格されている方法を適用した。即ち、5%−NaCl溶液+0.5%−酢酸溶液中に硫化水素ガスを飽和させた溶液(pH3程度)に、HIC試験片(30mm×20mm×100mm)を96時間浸漬させた。
そして、試験終了後に、割れ面積率(CSR)の測定、膨れ個数、および鋼中水素量の測定を行った。
尚、表2の実験No.0−1〜0−3では、従来技術の検証として、上記NACE TM0177で規格されている方法よりも条件のマイルドな環境;NACE TM0284で規格されている方法(人工海水中に硫化水素ガスを飽和させた溶液(pH5程度)に試験片を浸漬させて、96時間後に割れが生成するかどうかを調査する方法)でも試験を行い、試験終了後に、割れ面積率(CSR)の測定、膨れ個数、および鋼中水素量の測定を行った。
上記割れ面積率(CSR)は、超音波探傷(Cスキャン)により割れ部分の面積を求め、試験片全体に対する割れ部分の面積率を求めた。そして、割れ面積率が2.0%以下の場合を○と評価した。
上記膨れ個数は、試験片の任意の位置の10cmをルーペで拡大して観察し、この10cmに存在する円相当直径が0.1mm以上の膨れの数が20個以下の場合を○と評価した。また、上記鋼中水素量は不活性ガス融解法で測定し、この鋼中水素量が2.0ppm以下の場合を○と評価した。これらの結果を表2〜表4に示す。尚、表2〜表4において、酸化物層の平均厚さ・被覆率、および酸化物層中のFe34量の要件、ならびに上記試験結果が○でない数値には下線をつけている。
総合評価として、表2では、NACE TM0284での測定項目3つとNACE TM0177での測定項目3つの合計6項目の全てが○の場合を「◎」、5つの項目が○の場合を「○」、それ以外の場合を「×」とした。また表3および表4では、CSR、膨れ個数および(鋼中)水素量の3項目の全てが○の場合を「◎」、2つの項目が○の場合を「○」、それ以外の場合を「×」とした。そして総合評価が「◎」および「○」の場合を耐HIC性に優れていると評価した。
Figure 2013237101
Figure 2013237101
Figure 2013237101
まず、表2の結果から考察する。表2の実験No.0−1〜0−3の結果から、従来技術を用いた場合、酸化物層中にFe34の形成は確認されたが、該酸化物層の厚さが不足したり、鋼材表面において該酸化物層の形成されていない箇所が認められた。酸化物層が鋼材表面に形成されていない箇所は鋼板が露出していた。また実験No.0−4では、酸化物層中にFe34の形成が確認されたが、酸化物層に占める該Fe34量が不十分であった。よって、これらの鋼材の耐HIC性は、マイルドな環境(NACE TM0284)では割れや膨れ、侵入水素量が抑えられているが、厳しい環境(NACE TM0177)では割れ面積率(CSR)が高く、膨れ個数や水素量も多い結果となった。このことから、従来技術の方法では酸化物層の形成が不十分であり、厳しい環境での耐HIC性確保は難しいことがわかる。
また、表2の実験No.0−1および0−3(鋼記号Aを使用)と、実験No.0−2(鋼記号イを使用)の対比から、鋼材の成分を本発明で規定の通り制御することによって、厳しい環境(NACE TM0177)においても、ある程度の耐HIC性の向上効果が認められることがわかる。
表3の実験No.2−0〜2−3およびNo.2(この実験No.2は表4の実験No.2と同一である)の結果から、熱間圧延終了後の酸化雰囲気(大気雰囲気)の保持温度を低くする方が、酸化物層中のFe34分率が高まり、優れた耐HIC性を確保できることがわかる。
次に表4の結果について考察する。表4より、本発明の要件である化学成分組成と、酸化物層の平均厚さ・被覆率、および酸化物層中のFe34量を満たす実験No.1〜4および7〜26は、いずれも耐HIC性に優れていることがわかる。
それに対し、実験No.5、6および27〜31は以下の不具合を有している。
即ち、実験No.5は、鋼材表面への酸素供給を増やす工程を採用しなかったため、Fe34の代わりにFe23やFeOが形成されて所望量のFe34を確保できず、その結果、水素発生を抑制することができず、耐HIC性に劣る結果となった。実験No.6は酸化雰囲気(大気雰囲気)での保持条件が不適切(高温かつ長時間)であるため、素地鋼材との密着性が低い厚い酸化物層が形成した。その結果、水素発生を抑制することができず、耐HIC性に劣る結果となった。実験No.27はC量が過剰であり、鋼中に炭化物が過剰に生成してしまったために耐HIC性が劣った。実験No.28はMn量が過剰であり、鋼中に粗大なMnSが生成してしまったために耐HIC性が劣った。実験No.29はSが過剰であり、鋼中に粗大なMnSが生成してしまったために耐HIC性が劣った。実験No.30はAl量が過剰であり、鋼中にクラスタ化したAl23が生成してしまったため耐HIC性に劣る結果となった。実験No.31はO量が過剰であり、鋼中に多数の酸化物(Al23やCaO)が生成してしまったために耐HIC性が劣った。

Claims (11)

  1. 素地鋼材が、
    C:0.01〜0.20%(質量%の意味、化学成分について以下同じ)、
    Si:0.10〜0.50%、
    Mn:0.70〜2.50%、
    P:0.03%以下(0%を含まない)、
    S:0.003%以下(0%を含まない)、
    Al:0.005〜0.10%、および
    O:0.01%以下(0%を含まない)
    を満たし、かつ、
    素地鋼材の表面の90%以上が、平均厚さ1.0μm以上100μm以下でかつFe34を体積率で70%以上含む酸化物層で覆われていることを特徴とする耐水素誘起割れ性に優れた鋼材。
  2. 更に、Ca:0.0001〜0.01%を含有する請求項1に記載の鋼材。
  3. 更に、Cu:0.05〜1.0%、Ni:0.05〜1.0%、およびCr:0.05〜1.0%よりなる群から選択される1種以上の元素を含有する請求項1または2に記載の鋼材。
  4. 更に、Mo:0.05〜0.5%、Nb:0.001〜0.1%、およびTi:0.001〜0.1%よりなる群から選択される1種以上の元素を含有する請求項1〜3のいずれかに記載の鋼材。
  5. 更に、Zr、V、Co、REM、Y、MgおよびBよりなる群から選択される1種以上の元素を、それぞれ0.0001〜0.01%含有する請求項1〜4のいずれかに記載の鋼材。
  6. ラインパイプ用鋼板である請求項1〜5のいずれかに記載の鋼材。
  7. ラインパイプ用鋼管である請求項1〜5のいずれかに記載の鋼材。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載の鋼材の製造方法であって、
    熱間圧延中に、デスケーリングを少なくとも1回行うことを特徴とする鋼材の製造方法。
  9. 請求項1〜7のいずれかに記載の鋼材の製造方法であって、
    熱間圧延後に、鋼材表面に形成されたスケール層にクラックを導入することを特徴とする鋼材の製造方法。
  10. 熱延圧延後にデスケーリングを少なくとも1回行うことによって、スケール層にクラックを導入する請求項9に記載の製造方法。
  11. 熱延圧延後、10℃/秒以上の平均冷却速度で冷却することによって、スケール層にクラックを導入する請求項9に記載の製造方法。
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