JP2013235170A - 画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】重畳転写バイアスと直流転写バイアスとの使用頻度比率の違いで寿命が変わってくる寿命管理対象部品について、より適切なタイミングでメンテナンス作業を行うことを課題とする。
【解決手段】二次転写バイアスを、直流成分のみからなる直流転写バイアス、又は、直流成分に交流成分が重畳した重畳転写バイアスへ切り替え可能な画像形成装置において、直流転写バイアスを用いた累積通紙枚数と重畳転写バイアスを用いた累積通紙枚数とを個別に各カウンタM1,M2で累積的に記憶し、両方の累積通紙枚数を用いて、二次転写ニップを形成するニップ形成ローラが寿命に達するか否かを判断して、寿命に達したら寿命到達アラームを通知する。
【選択図】図7

Description

本発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置に係り、詳しくは、転写手段が印加する転写バイアスにより潜像担持体や中間転写体上のトナー像を記録材へ転写する画像形成装置に関するものである。
電子写真方式の画像形成装置においては、あらかじめ一様に帯電された感光体等の潜像担持体上に光学的な画像情報を形成することによって得た静電潜像を、現像装置からのトナーによって可視化し、この可視像を転写紙等の記録材上に直接又は中間転写ベルト等の中間転写体を介して転写し、記録材上に定着することによって画像形成を行っている。このような画像形成装置の多くは、感光体や中間転写体などの像担持体から記録材上への転写に際して、転写手段により直流転写バイアスを印加する。
近年、画像形成装置において用いられる記録材として、高級感を備えた皮革模様をイメージした用紙や、和紙調の用紙など、多種多様なものが用いられるようになってきている。このような記録材の中には、高級感を出すため等の目的で、エンボス加工等により表面に凹凸が存在するものがある。そのような記録材に対してトナー像を転写する場合、記録材表面の凹部に対しては凸部に比べてトナーが転写しにくい。そのため、凹凸差の大きい記録材に対してトナー像を転写する場合には、トナーを凹部へ十分に転写することができず、凹部の画像濃度が凸部の画像濃度と比較して相対的に低くなりやすい。その結果、記録材の表面凹凸にならった濃淡パターンが画像中に発生しやすい。
記録材の表面凹部への転写不良を改善する方法としては、直流成分に交流成分が重畳していて極性が時間変化する転写バイアス(以下「重畳転写バイアス」という。)を用いる方法が知られており、例えば、特許文献1や特許文献2において提案されている。通紙する記録材の種類に応じて転写モードを直流転写モード又は直流交流重畳転写モード(以下「重畳転写モード」という。)に切り替えることで、表面凹凸差の大きな記録材を含む多種多様な記録材に対して、それぞれ良好な転写性を得ることが可能となる。
一方、従来の画像形成装置の中には、経時劣化により交換される転写部材やこれをクリーニングするクリーニング部材などの交換部品を含む寿命管理対象部品について、予め設定された寿命が到来するタイミングで、当該部品が寿命に達する旨の報知処理を行うものがある。この画像形成装置によれば、その報知処理が行われることを契機に、その部品を交換するなどのメンテナンス作業を行うことができる。
重畳転写バイアスを用いる場合も、直流成分のみからなる直流転写バイアスを用いる場合も、転写領域又はその近傍で放電が生じ、放電生成物が発生する。放電生成物としては、例えばオゾン、窒素酸化物等が挙げられる。画像形成装置内に高濃度のオゾンが滞留すると、主にゴム製の部品(転写部材等)にひび割れを引き起こして劣化を促進させ、部品寿命を低下させる等の不具合が生じる。また、画像形成装置内に窒素酸化物が存在すると、窒素酸化物と空気中の水分とが反応して硝酸が生成されたり、窒素酸化物と金属等とが反応して金属硝酸塩が生成されたりする。硝酸や金属硝酸塩等の生成物が転写部材の外周面に付着すると、その付着部分の表面摩擦係数が上昇し、クリーニング部材により転写部材の外周面からトナーを除去しにくくなる。そのため、転写体表面に付着したトナーが記録材の裏面に付着する裏汚れを早期に発生させることになり、クリーニング部材を早期に交換する必要を生じさせ、クリーニング部材の寿命を短くする等の不具合が生じる。
直流転写バイアスを用いる場合には、流れる電流が弱い微弱な放電が継続するのに対し、重畳転写バイアスを用いる場合には、大きな電流を流す強い放電が極性変化のたびに繰り返される。放電時に流れる電流が大きいほど、生成される放電生成物の量が多い傾向にあり、本発明者らの研究の結果、重畳転写バイアスを用いる場合には、直流転写バイアスを用いる場合と比較して、放電生成物を多く発生させることが判明した。そして、本発明者らは、このような放電生成物の発生量の違いによって、重畳転写バイアスを用いる場合と直流転写バイアスを用いる場合とで、転写部材やこれをクリーニングするクリーニング部材等の寿命管理対象部品の劣化速度に違いが出てくることを見出した。
重畳転写バイアスと直流転写バイアスの使用頻度は、ユーザーによる画像形成装置の使用状況によって大きく変わってくる。寿命管理対象部品について寿命に達する旨の報知処理を行う従来の画像形成装置では、放電生成物の影響を受ける転写部材やクリーニング部材について、画像形成装置の使用状況に関わりなく、一律に部品寿命を設定し、寿命に達するか否かの判断を行っていた。そのため、重畳転写バイアスと直流転写バイアスとを切り替える画像形成装置に、従来の寿命報知処理をそのまま適用したのでは、その寿命報知処理が、放電生成物の影響を受ける個々の部品の実際の寿命に応じた適切なタイミングで実行されず、その部品を交換するなどのメンテナンス作業を適切なタイミングで行うことができないという問題があった。
この問題は、放電生成物の影響を受ける寿命管理対象部品だけでなく、重畳転写バイアスと直流転写バイアスとの使用頻度比率に応じて寿命が変わってくる寿命管理対象部品であれば、同様に生じ得るものである。
本発明は、以上の問題に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、重畳転写バイアスと直流転写バイアスとの使用頻度比率の違いで寿命が変わってくる寿命管理対象部品について、より適切なタイミングでメンテナンス作業を行うことが可能となる画像形成装置を提供することである。
上記目的を達成するために、本発明は、像担持体上にトナー像を形成するトナー像形成手段と、上記像担持体と転写部材との間の転写領域に転写バイアスを印加して、該転写領域を通過する記録材へ該像担持体上のトナー像を転写する転写手段と、所定の転写バイアス切替条件に従って、上記転写バイアスを、直流成分のみからなる直流転写バイアス、又は、直流成分に交流成分が重畳した重畳転写バイアスへ切り替える転写バイアス切替手段とを有する画像形成装置において、上記直流転写バイアスを用いて行った画像形成動作の動作量を示す直流転写バイアス動作量に応じた直流転写バイアス寿命判断指標値と上記重畳転写バイアスを用いて行った画像形成動作の動作量を示す重畳転写バイアス動作量に応じた重畳転写バイアス寿命判断指標値の両方を用いて、当該画像形成装置を構成する所定の寿命管理対象部品が寿命に達するか否かを判断する寿命判断手段と、上記寿命判断手段が寿命に達すると判断したとき、当該寿命管理対象部品が寿命に達することを報知するための報知処理を実行する報知処理実行手段とを有することを特徴とする。
本発明においては、直流転写バイアス寿命判断指標値と重畳転写バイアス寿命判断指標値を用いて寿命管理対象部品が寿命に達するか否かを判断するので、重畳転写バイアスを用いる重畳転写モードと直流転写バイアスを用いる直流転写モードの使用頻度比率の違いで寿命が変わってくる寿命管理対象部品の寿命を、当該使用頻度比率を考慮せずに一律に部品寿命を設定していた従来構成よりも、適切に判断することができる。
本発明によれば、重畳転写バイアスと直流転写バイアスとの使用頻度比率の違いで寿命が変わってくる寿命管理対象部品について、より適切なタイミングでメンテナンス作業を行うことが可能となるという優れた効果が得られる。
実施形態に係るプリンタを示す概略構成図である。 同プリンタにおけるK用の画像形成ユニットを拡大して示す拡大構成図である。 同プリンタにおける二次転写部の構成を示す説明図である。 直流転写バイアスと重畳転写バイアスとを切り替えて二次転写部に印加する様子を示す模式図である。 同プリンタの二次転写バイアス電源から出力される重畳転写バイアスからなる二次転写バイアスの波形の一例を示す波形図である。 二次転写バイアス印加部の構成例を示すブロック図である。 寿命アラーム報知処理の流れを示すフローチャートである。 同プリンタを用いて直流転写モードと重畳転写モードのそれぞれについて耐久評価試験を行った結果を示す表である。 変形例1における二次転写バイアス印加部の構成例を示すブロック図である。 変形例1における寿命アラーム報知処理の流れを示すフローチャートである。 変形例2における寿命アラーム報知処理の流れを示すフローチャートである。
以下、本発明を適用した画像形成装置として、電子写真方式のカラープリンタ(以下、単に「プリンタ」という。)の一実施形態について説明する。
はじめに、本実施形態に係るプリンタの基本的な構成について説明する。
図1は本実施形態に係るプリンタを示す概略構成図である。
本実施形態に係るプリンタは、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)のトナー像を形成するための4つの画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kと、転写装置としての転写ユニット30と、光書込ユニット80と、定着装置90と、給紙カセット100と、レジストローラ対101とを備えている。
4つの画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kは、画像形成物質として、互いに異なる色のトナーを用いるが、それ以外は同様の構成になっており、寿命到達時に交換される。Kトナー像を形成するための画像形成ユニット1Kを例にすると、これは、図2に示すように、潜像担持体たるドラム状の感光体2K、ドラムクリーニング装置3K、除電装置(不図示)、帯電装置6K、現像装置8K等を備えている。これらの装置が共通の保持体に保持されてプリンタ本体に対して一体的に脱着することで、それらを同時に交換できるようになっている。
感光体2Kは、ドラム基体の表面上に有機感光層が形成された外径60[mm]程度のドラム形状のものであって、図示しない駆動手段によって図中時計回り方向に回転駆動される。帯電装置6Kは、帯電バイアスが印加される帯電ローラ7Kを感光体2Kに接触あるいは近接させながら、帯電ローラ7Kと感光体2Kとの間に放電を発生させることで、感光体2Kの表面を一様帯電せしめる。本実施形態では、トナーの正規帯電極性と同じマイナス極性に一様帯電せしめる。帯電バイアスとしては、直流電圧に交流電圧を重畳したものを採用している。帯電ローラ7Kは、金属製の芯金の表面に導電性弾性材料からなる導電性弾性層が被覆されたものである。帯電ローラ等の帯電部材を感光体2Kに接触あるいは近接させる方式に代えて、帯電チャージャによる方式を採用してもよい。
一様帯電せしめられた感光体2Kの表面は、光書込ユニット80から発せられるレーザ光によって光走査されてK用の静電潜像を担持する。このK用の静電潜像は、図示しないKトナーを用いる現像装置8Kによって現像されてKトナー像になる。そして、後述する中間転写体としての中間転写ベルト31上に一次転写される。
ドラムクリーニング装置3Kは、一次転写工程(後述する一次転写ニップ)を経た後の感光体2K表面に付着している転写残トナーを除去する。回転駆動されるクリーニングブラシローラ4K、片持ち支持された状態で自由端を感光体2Kに当接させるクリーニングブレード5Kなどを有している。回転するクリーニングブラシローラ4Kで転写残トナーを感光体2K表面から掻き取ったり、クリーニングブレードで転写残トナーを感光体2K表面から掻き落としたりする。クリーニングブレードについては、その片持ち支持端側を自由端側よりもドラム回転方向下流側に向けるカウンタ方向で感光体2Kに当接させている。
上記除電装置は、ドラムクリーニング装置3Kによってクリーニングされた後の感光体2Kの残留電荷を除電する。この除電により、感光体2Kの表面が初期化されて次の画像形成に備えられる。
現像装置8Kは、現像剤担持体としての現像ロール9Kを内包する現像部12Kと、図示しないK現像剤を撹拌搬送する現像剤搬送部13Kとを有している。そして、現像剤搬送部13Kは、第1スクリュー部材10Kを収容する第1搬送室と、第2スクリュー部材11Kを収容する第2搬送室とを有している。それらスクリュー部材は、それぞれ、軸線方向の両端部がそれぞれ軸受けによって回転自在に支持される回転軸部材と、これの周面に螺旋状に突設せしめられた螺旋羽根とを具備している。
第1スクリュー部材10Kを収容している第1搬送室と、第2スクリュー部材11Kを収容している第2搬送室とは、仕切り壁によって仕切られている。一方、仕切壁におけるスクリュー軸線方向の両端箇所には、それぞれ両搬送室を連通させる連通口が形成されている。第1スクリュー部材10Kは、螺旋羽根内に保持している図示しないK現像剤を、回転駆動に伴って回転方向に撹拌しながら、図中の紙面に直交する方向の奥側から手前側に向けて搬送する。第1スクリュー部材10Kと、後述する現像ロール9Kとは互いに向かい合う姿勢で平行配設されているため、このときのK現像剤の搬送方向は、現像ロール9Kの回転軸線方向に沿った方向でもある。そして、第1スクリュー部材10Kは、現像ロール9Kの表面に対してK現像剤をその軸線方向に沿って供給していく。
第1スクリュー部材10Kの図中手前側端部付近まで搬送されたK現像剤は、仕切壁の図中手前側端部付近に設けられた連通開口を通って、第2搬送室内に進入した後、第2スクリュー部材11Kの螺旋羽根内に保持される。そして、第2スクリュー部材11Kの回転駆動に伴って、回転方向に撹拌されながら、図中手前側から奥側に向けて搬送されていく。
第2搬送室内において、ケーシングの下壁には図示しないトナー濃度センサが設けられており、第2搬送室内のK現像剤のKトナー濃度を検知する。Kトナー濃度センサとしては、透磁率センサからなるものが用いられている。Kトナーと磁性キャリアとを含有するK現像剤の透磁率は、Kトナー濃度と相関関係があるため、透磁率センサは、Kトナー濃度を検知していることになる。
本プリンタには、Y、M、C、K用の現像装置の第2収容室内にY、M、C、Kトナーをそれぞれ個別に補給するための図示しないY、M、C、Kトナー補給手段が設けられている。そして、プリンタの制御部は、RAMに、Y、M、C、Kトナー濃度検知センサからの出力電圧値の目標値であるY、M、C、K用のVtrefを記憶している。Y、M、C、Kトナー濃度検知センサからの出力電圧値と、Y、M、C、K用のVtrefとの差が所定値を超えた場合には、その差に応じた時間だけY、M、C、Kトナー補給手段を駆動する。これにより、Y、M、C、K用の現像装置における第2搬送室内にY、M、C、Kトナーが補給される。
現像部12K内に収容されている現像ロール9Kは、第1スクリュー部材10Kに対向しているとともに、ケーシングに設けられた開口を通じて、感光体2Kにも対向している。また、現像ロール9Kは、回転駆動される非磁性パイプからなる筒状の現像スリーブと、これの内部にスリーブと連れ回らないように固定されたマグネットローラとを具備している。そして、第1スクリュー部材10Kから供給されるK現像剤をマグネットローラの発する磁力によってスリーブ表面に担持しながら、スリーブの回転に伴って、感光体2Kに対向する現像領域に搬送する。
現像スリーブには、トナーと同極性であって、感光体2Kの静電潜像よりも大きく、かつ感光体2Kの一様帯電電位よりも小さな現像バイアスが印加される。これにより、現像スリーブと感光体2Kの静電潜像との間には、現像スリーブ上のKトナーを静電潜像に向けて静電移動させる現像ポテンシャルが作用する。また、現像スリーブと感光体2Kの地肌部との間には、現像スリーブ上のKトナーをスリーブ表面に向けて移動させる非現像ポテンシャルが作用する。それら現像ポテンシャル及び非現像ポテンシャルの作用により、現像スリーブ上のKトナーが感光体2Kの静電潜像に選択的に転移して、静電潜像をKトナー像に現像する。
先に示した図1において、Y、M、C用の画像形成ユニット1Y,1M,1Cにおいても、K用の画像形成ユニット1Kと同様にして、感光体2Y,2M,2C上にY、M、Cトナー像が形成される。
画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kの上方には、潜像形成手段たる光書込ユニット80が配設されている。この光書込ユニット80は、パーソナルコンピュータ等の外部機器から送られてくる画像情報に基づいてレーザダイオードから発したレーザ光により、感光体2Y,2M,2C,2Kを光走査する。この光走査により、感光体2Y,2M,2C,2K上にY、M、C、K用の静電潜像が形成される。具体的には、感光体2Yの一様帯電した表面の全域のうち、レーザ光が照射された箇所の電位は、それ以外の箇所(地肌部)の電位よりも小さい静電潜像となる。光書込ユニット80は、光源から発したレーザ光Lを、図示しないポリゴンモータによって回転駆動したポリゴンミラーで主走査方向に偏光せしめながら、複数の光学レンズやミラーを介して感光体に照射するものである。LEDアレイの複数のLEDから発したLED光によって光書込を行うものを採用してもよい。
画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kの下方には、無端状の中間転写ベルト31を張架しながら図中反時計回り方向に無端移動せしめる転写装置としての転写ユニット30が配設されている。転写ユニット30は、中間転写ベルト31の他に、駆動ローラ32、二次転写裏面ローラ33、クリーニングバックアップローラ34、4つの一次転写ローラ35Y,35M,35C,35K、ニップ形成ローラ36、ベルトクリーニング装置37、電位センサ38などを有している。
中間転写ベルト31は、そのループ内側に配設された駆動ローラ32、二次転写裏面ローラ33、クリーニングバックアップローラ34、及び4つの一次転写ローラ35Y,35M,35C,35Kによって張架されている。そして、図示しない駆動手段によって図中反時計回り方向に回転駆動される駆動ローラ32の回転力により、同方向に無端移動せしめられる。
中間転写ベルト31としては、次のような特性を有するものを用いている。厚みは20[μm]〜200[μm]、好ましくは60[μm]程度である。また、体積抵抗率は、1×106[Ω・cm]〜1×1012[Ω・cm]、好ましくは約1×109[Ω・cm]程度である。この体積抵抗率は、三菱化学製ハイレスターUPMCP_HT45にて、印加電圧が100V、測定時間が10秒である条件で測定したときのものである。本実施形態の中間転写ベルト31の材料としては、例えばカーボン分散ポリイミド樹脂を用いることができる。
4つの一次転写ローラ35Y,35M,35C,35Kは、無端移動せしめられる中間転写ベルト31を感光体2Y,2M,2C,2Kとの間に挟み込んでいる。これにより、中間転写ベルト31のおもて面と感光体2Y,2M,2C,2Kとが当接するY、M、C、K用の一次転写ニップが形成されている。一次転写ローラ35Y,35M,35C,35Kには、図示しない転写バイアス電源によってそれぞれ一次転写バイアスが印加されている。これにより、感光体2Y,2M,2C,2K上のY、M、C、Kトナー像と、一次転写ローラ35Y,35M,35C,35Kとの間に転写電界が形成される。Y用の感光体2Y表面に形成されたYトナーは、感光体2Yの回転に伴ってY用の一次転写ニップに進入する。そして、転写電界やニップ圧の作用により、感光体2Y上から中間転写ベルト31上に一次転写される。このようにしてYトナー像が一次転写せしめられた中間転写ベルト31は、その後、M,C,K用の一次転写ニップを順次通過する。そして、感光体2M,2C,2K上のM,C,Kトナー像が、Yトナー像上に順次重ね合わせて一次転写される。この重ね合わせの一次転写により、中間転写ベルト31上には4色重ね合わせトナー像が形成される。
一次転写ローラ35Y,35M,35C,35Kは、金属製の芯金と、これの表面上に固定された導電性のスポンジ層とを具備している弾性ローラからなり、次のような特性を有している。外形は16[mm]である。また、芯金の径は10[mm]である。また、接地された外径30[mm]の金属ローラを10[N]の力でスポンジ層に押し当てた状態で、一次転写ローラ芯金に1000[V]の電圧を印加したときに流れる電流Iから、オームの法則(R=V/I)に基づいて算出したスポンジ層の抵抗Rは、約3×107Ωである。このような一次転写ローラ35Y,35M,35C,35Kに対して、一次転写バイアスを定電流制御で印加する。一次転写ローラ35Y,35M,35C,35Kに代えて、転写チャージャや転写ブラシなどを採用してもよい。
転写ユニット30のニップ形成ローラ36は、中間転写ベルト31のループ外側に配設されており、ループ内側の二次転写裏面ローラ33との間に中間転写ベルト31を挟み込んでいる。これにより、中間転写ベルト31のおもて面と、ニップ形成ローラ36とが当接する二次転写ニップが形成されている。ニップ形成ローラ36は接地されているのに対し、二次転写裏面ローラ33には、二次転写バイアス電源200によって二次転写バイアスが印加される。これにより、二次転写裏面ローラ33とニップ形成ローラ36との間に、マイナス極性のトナーを二次転写裏面ローラ33側からニップ形成ローラ36側に向けて静電移動させる二次転写電界が形成される。
転写ユニット30の下方には、記録材としての記録紙Pを複数枚重ねた紙束の状態で収容している給紙カセット100が配設されている。この給紙カセット100は、紙束の一番上の記録紙Pに給紙ローラ100aを当接させており、これを所定のタイミングで回転駆動させることで、その記録紙Pを給紙路に向けて送り出す。給紙路の末端付近には、レジストローラ対101が配設されている。このレジストローラ対101は、給紙カセット100から送り出された記録紙Pをローラ間に挟み込むとすぐに両ローラの回転を停止させる。そして、挟み込んだ記録紙Pを二次転写ニップ内で中間転写ベルト31上の4色重ね合わせトナー像に同期させ得るタイミングで回転駆動を再開して、記録紙Pを二次転写ニップに向けて送り出す。二次転写ニップで記録紙Pに密着せしめられた中間転写ベルト31上の4色重ね合わせトナー像は、二次転写電界やニップ圧の作用によって記録紙P上に一括二次転写され、記録紙Pの白色と相まってフルカラートナー像となる。このようにして表面にフルカラートナー像が形成された記録紙Pは、二次転写ニップを通過すると、ニップ形成ローラ36や中間転写ベルト31から曲率分離する。
二次転写裏面ローラ33は、ステンレスやアルミニウム等からなる芯金に抵抗層を積層したものである。抵抗層は、ポリカーボネート、フッ素系ゴム、シリコン系ゴム等にカーボンや金属錯体等の導電粒子を分散させたもの、あるいはNBRやEPDM等のゴム、NBR/ECO共重合のゴム、ポリウレタンの半導電性ゴム等よりなる。その体積抵抗率は10〜1012[Ω・cm]、望ましくは10〜10[Ω・cm]である。また、硬度20度〜50度の発泡タイプでも、ゴム硬度30度〜60度のゴムタイプでもよいが、中間転写ベルト31を介してニップ形成ローラ36と接触するので、小さな接触圧力でも非接触部分が生じないスポンジタイプが望ましい。中間転写ベルト31と二次転写裏面ローラ33の接触圧力が大きいほど、文字や細線の中抜けが生じ易いので、これを防止するためである。
二次転写裏面ローラ33の体積抵抗率は、二次転写裏面ローラ33の周面に5[N]の力で電極ローラを当接させ、二次転写裏面ローラ33の芯金に1000Vを印加した状態で二次転写裏面ローラ33を1分間回転させながら、ローラ1回転分の体積抵抗率を順次測定し、測定した各体積抵抗率の平均値を採用している。
また、ニップ形成ローラ36は、ステンレスやアルミニウム等からなる芯金上に導電性ゴム等からなる抵抗層と表層を積層して形成してある。本例では、ローラの外径は20[mm]、芯金は直径16[mm]のステンレスである。抵抗層はNBR/ECOの共重合体よりなる硬度40〜60度[JISA]のゴムである。表層は、含フッ素ウレタンエラストマーからなり、その厚みは8〜24[μm]が望ましい。その理由としては、ローラの表層は塗装工程により製造されることが多いので、表層の厚みが8[μm]以下では、塗布ムラによる抵抗ムラの影響が大きく、抵抗の低い箇所でリークが発生する可能性があり好ましくない。また、ローラ表面にシワが生じて、表層がひび割れるという問題も生じ易い。一方、表層の厚みが24[μm]以上に厚くなると抵抗が高くなり、体積抵抗率が高い場合には二次転写裏面ローラ33の芯金に定電流を印加したときの電圧が上昇することがある。そして、定電流電源の電圧可変範囲を超えるので目標の電流以下の電流になったり、電圧可変範囲が十分高い範囲の場合には定電流電源から二次転写裏面ローラ芯金までの高圧経路や二次転写裏面ローラ芯金が高電圧になったりすることによるリークが発生し易くなる。また、ニップ形成ローラ36の表層の厚みが24[μm]以上に厚いと硬度が高くなり、記録媒体(紙等)や中間転写ベルトとの密着性が悪くなるという問題もある。ニップ形成ローラ36の表面抵抗率は1×106.5[Ω/□]以上であり、ニップ形成ローラ36の表層の体積抵抗率は1×1010[Ω・cm]以上、より好ましくは、1×1012[Ω・cm]以上である。なお、本実施形態では表層を積層したニップ形成ローラを使用しているが、芯金に抵抗層のみを積層したタイプでもよい。
電位センサ38は、中間転写ベルト31のループ外側に配設されている。中間転写ベルト31の周方向における全域のうち、接地された駆動ローラ32に対する掛け回し箇所に対して、約4mmの間隙を介して対向配置されている。電位センサ38は、中間転写ベルト31上に一次転写されたトナー像が当該電位センサ38の対向領域に進入した際に、そのトナー像の表面電位を測定する。なお、本実施形態では、電位センサ38として、TDK(株)製EFS−22Dを使用している。
二次転写ニップの図中右側方には、定着装置90が配設されている。この定着装置90は、ハロゲンランプ等の発熱源を内包する定着ローラ91と、これに所定の圧力で当接しながら回転する加圧ローラ92とによって定着ニップを形成している。定着装置90内に送り込まれた記録紙Pは、その未定着トナー像担持面を定着ローラ91に密着させる姿勢で、定着ニップに挟まれる。そして、加熱や加圧の影響によってトナー像中のトナーが軟化さしめられて、フルカラー画像が定着せしめられる。定着装置90内から排出された記録紙Pは、定着後搬送路を経由した後、機外へと排出される。
モノクロ画像を形成する場合には、転写ユニット30におけるY,M,C用の一次転写ローラ35Y,35M,35Cを支持している図示しない支持板を移動せしめる。そして、一次転写ローラ35Y,35M,35C,35Kを、感光体2Y,2M,2Cから遠ざける。これにより、中間転写ベルト31のおもて面を感光体2Y,2M,2Cから引き離して、中間転写ベルト31をK用の感光体2Kだけに当接させる。この状態で、4つの画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kのうち、K用の画像形成ユニット1Kだけを駆動して、Kトナー像を感光体2K上に形成する。
二次転写バイアス電源200は、直流電源と交流電源とを有しており、二次転写バイアスとして、直流電圧に交流電圧を重畳せしめたものを出力することができる。二次転写バイアス電源200の出力端子は、二次転写裏面ローラ33の芯金に接続されている。二次転写裏面ローラ33の芯金の電位は、二次転写バイアス電源200からの出力電圧値とほぼ同じ値になる。また、ニップ形成ローラ36については、その芯金を接地(アース接続)している。
重畳転写バイアスを二次転写裏面ローラ33の芯金に印加しつつ、ニップ形成ローラ36の芯金を接地する代わりに、重畳転写バイアスをニップ形成ローラ36の芯金に印加しつつ、二次転写裏面ローラ33の芯金を接地してもよい。この場合、直流電圧の極性を異ならせる。具体的には、図示のように、マイナス極性のトナーを用い、かつニップ形成ローラ36を接地した条件で、二次転写裏面ローラ33に重畳転写バイアスを印加する場合には、直流電圧としてトナーと同じマイナス極性のものを用いて、重畳転写バイアスの時間平均の電位をトナーと同じマイナス極性にする。これに対し、二次転写裏面ローラ33を接地し、かつ重畳転写バイアスをニップ形成ローラ36に印加する場合には、直流電圧としてトナーとは逆のプラス極性のものを用いて、重畳転写バイアスの時間平均の電位をトナーとは逆のプラス極性にする。重畳転写バイアスを二次転写裏面ローラ33やニップ形成ローラ36に印加する代わりに、直流電圧を何れか一方のローラに印加するとともに、交流電圧を他方のローラに印加してもよい。
交流電圧としては、正弦波状の波形のものを採用しているが、矩形波状の波形のものを用いてもよい。記録紙Pとして、ザラ紙のような表面凹凸の大きなものを用いずに、普通紙のような表面凹凸の小さなものを用いる場合には、凹凸パターンにならった濃淡パターンが出現しない。このため、転写バイアスとして、直流電圧だけからなるものを印加してもよい。但し、ザラ紙のような表面凹凸の大きなものを用いるときには、転写バイアスを、直流電圧だけからなるものから、重畳転写バイアスに切り替える必要がある。
二次転写ニップを通過した後の中間転写ベルト31には、記録紙Pに転写されなかった転写残トナーが付着している。これは、中間転写ベルト31のおもて面に当接しているベルトクリーニング装置37によってベルト表面からクリーニングされる。中間転写ベルト31のループ内側に配設されたクリーニングバックアップローラ34は、ベルトクリーニング装置37によるベルトのクリーニングをループ内側からバックアップする。
図3は、二次転写部の構成を示す説明図である。
転写部材であるニップ形成ローラ36は、像担持体としての中間転写体である中間転写ベルト31に接触しているため、記録紙Pが載らない部分や紙間では中間転写ベルト31上の地肌汚れトナーやプロセスパターン(画像濃度調整用のトナーパターン)等が付着して汚損される。そのため、クリーニング部材であるクリーニングブレード60によってニップ形成ローラ36上のトナーを除去するクリーニング手段が設けられている。クリーニングブレード60は、ニップ形成ローラ36上に付着したトナーを掻き取ることで記録紙Pの裏面が汚損することを防止するだけでなく、特に重畳転写モード時に生成される放電生成物をニップ形成ローラ36から掻き落とし、ニップ形成ローラ36の外周面上に放電生成物が蓄積するのを抑制する。
クリーニングブレード60よりもニップ形成ローラ36の回転方向上流側には、紙粉除去ブラシローラ63が設けられている。紙粉除去ブラシローラ63は、紙粉がクリーニングブレード60に進入して挟み込まれることを抑制し、かつ、特に重畳転写モード時に生成される放電生成物をニップ形成ローラ36の外周面から掻き落とす役割を果たしている。
クリーニングブレード60よりもニップ形成ローラ36の回転方向下流側には、ニップ形成ローラ36の外周面に保護剤を塗布する塗布装置が設けられている。この塗布装置は、固形状表面保護剤62と、固形状表面保護剤62に接触してこれを削り取りニップ形成ローラ36の外周面に供給するブラシ状ローラ61と、固形状表面保護剤62をブラシ状ローラ61に所定の圧力で押圧する加圧スプリング66等を有している。ブラシ状ローラ61はその周面をニップ形成ローラ36の周面に接触させており、不図示のモータによって、所定の速度でニップ形成ローラ36と同じ方向に回転させる。
固形状表面保護剤62としては、例えば乾燥した固体疎水性潤滑剤が用いられ、その代表例としてはステアリン酸亜鉛、ステアリン酸バリウム、ステアリン亜鉛、ステアリン酸鉄、ステアリン酸ニッケル、オレイン酸亜鉛、オレイン酸マンガン、オレイン酸鉛、パルチミン酸銅、カプロン酸鉛、リノレン酸亜鉛等の比較的高次の脂肪酸等を挙げることができる。また、カルナウバワックスのような天然ワックスを用いることもできる。
本実施形態において、固形状表面保護剤62は、ニップ形成ローラ36の表面を傷付けないようにするために研磨性が低いことが好ましく、また、ニップ形成ローラ36の表面に薄膜化した状態で全体的に均一な塗布が可能であることが好ましく、さらには摩擦力を低減させる潤滑剤としても一般に用いられるステアリン酸亜鉛をブロック状に成形加工したものを用いている。固形状表面保護剤62は、ケース65内にスライド可能に装着されており、加圧スプリング66によってそのほぼ全てが使い切れるようにブラシ状ローラ61に対して付勢されている。固形状表面保護剤62は、消耗品であるため、経時的にその厚みが減少するが、加圧スプリング66で加圧されていることからブラシ状ローラ61に所定の圧力で常時圧接して所定量ずつ掻き取られる。
ブラシ状ローラ61は、ポリエステル繊維によって構成されており、これにより30万枚の耐久試験を行っても毛倒れが発生せずに外径が小さくならず、長時間安定して固形状表面保護剤62をニップ形成ローラ36に塗布することができる。ブラシ状ローラ61の回転軸方向長さは、固形状表面保護剤62の長さよりも長くなるように構成されており、固形状表面保護剤62の長さは、クリーニングブレード60の長さよりも長くなるように構成されている。このような長さ関係とすることにより、クリーニングブレード60の全域にブラシ状ローラ61によって削り取った固形状表面保護剤62が均一に入力され、放電生成物の付着を抑制できるとともに、低摩擦を維持できることから、クリーニング性向上及びブレードの巻き込み防止を図ることができる。
固形状表面保護剤62の別の塗布方法としては、例えば、クリーニングブレード60よりもニップ形成ローラ36の回転方向上流側に配置されている紙粉除去ブラシローラ63を用いて塗布する方法が挙げられる。ただし、紙粉除去ブラシローラ63には掻き取ったトナーが不均一に存在している。紙粉除去ブラシローラ63上のトナーは、固形状表面保護剤62を削り取る際に研磨材として機能するので、トナー量が多い箇所と少ない箇所とでは固形状表面保護剤62の削れる量が異なり、安定して均一な保護剤の塗布を実現することが難しい。
また、固形状表面保護剤62の更に別の塗布方法としては、例えば、固形状表面保護剤62をニップ形成ローラ36の表面に直接当接させて塗布させる方法が挙げられる。ただし、この方法では、ニップ形成ローラ36と固形状表面保護剤62との間に異物が混入した場合、その異物が固形状表面保護剤62上に埋没して、ニップ形成ローラ36を傷付け、その傷からクリーニング不良が発生し、短時間でのニップ形成ローラ36の交換が必要となるといった不具合をもたらす。また、ニップ形成ローラ36の表面状態は経時使用によって徐々に粗くなっていくため、固形状表面保護剤62の塗布量が経時的に変化しやすく、長期に渡って適切な塗布量を維持することが難しい。
図4は、直流転写バイアスと重畳転写バイアスとを切り替えて二次転写部に印加する様子を示す模式図である。
本実施形態の二次転写バイアス電源200は、直流電源201と交流直流重畳電源202とから構成されている。同図の(a)ではスイッチ203を切り替えて直流電源201から直流転写バイアスを印加し、同図の(b)ではスイッチ203を切り替えて交流直流重畳電源202から重畳転写バイアスを印加している。直流電源201と交流直流重畳電源202の切り替えを概念的に示すためにスイッチ203で切り替えるように示しているが、図6で後述するように、本実施形態では2つのリレーを用いて切り替えるように構成してもよい。
図5は、二次転写バイアス電源から出力される重畳転写バイアスからなる二次転写バイアスの波形の一例を示す波形図である。
本実施形態の二次転写バイアスは、上述したように、二次転写裏面ローラの芯金に印加される。二次転写裏面ローラの芯金に二次転写バイアスが印加されると、二次転写裏面ローラ33の芯金と、ニップ形成ローラ36の芯金との間に、電位差(転写バイアス)が発生する。本実施形態において、この電位差(転写バイアス)は、二次転写裏面ローラ33の芯金の電位から、ニップ形成ローラ36の芯金の電位を差し引いた値を用いる。かかる電位差の時間平均値は、本実施形態のようにトナーとしてマイナス極性のものを用いる構成では、その極性がマイナスになった場合に、ニップ形成ローラ36の電位を二次転写裏面ローラ33の電位よりもトナーの帯電極性とは逆極性側(本実施形態ではプラス側)に大きくすることになる。よって、トナーを二次転写裏面ローラ側からニップ形成ローラ側に静電移動させることになる。
図5において、重畳転写バイアスのオフセット電圧Voffは、本実施形態のように正弦波の重畳転写バイアスにおいては、重畳転写バイアスの直流成分の値に等しい。また、重畳転写バイアスのピークツウピーク電圧Vppは、重畳転写バイアスの交流成分におけるピークツウピーク電圧に等しい。また、本実施形態に係るプリンタにおいては、既に述べたように、二次転写バイアスを二次転写裏面ローラ33の芯金に印加し、かつニップ形成ローラ36の芯金を接地しているので、両芯金の電位差は二次転写裏面ローラ33の芯金に印加される二次転写バイアスに相当する。
二次転写バイアスの極性がトナーと同じマイナス極性になっているときには、二次転写ニップ内において、マイナス極性のトナーを二次転写裏面ローラ33側からニップ形成ローラ36側に静電的に押し出す。これにより、中間転写ベルト31上のトナーを記録紙P上に転移させる。一方、二次転写バイアスの極性がトナーとは逆のプラス極性になっているときには、二次転写ニップ内において、マイナス極性のトナーをニップ形成ローラ36側から二次転写裏面ローラ33側に向けて静電的に引き寄せる。これにより、記録紙Pに転移させたトナーを中間転写ベルト31側に再び引き寄せる。但し、二次転写バイアスの時間平均値(本例ではオフセット電圧Voffと同じ値)がマイナス極性であるので、二次転写ニップ内において、マイナス極性のトナーを二次転写裏面ローラ33側からニップ形成ローラ36側に押し出す作用の方が相対的に大きくなる。図5において、戻り電位ピーク値Vrは、トナーとは逆極性であるプラス側のピーク値を示している。
和紙調の用紙やエンボス加工が施された用紙など、表面の凹凸の大きい記録紙Pに画像を形成する場合には、二次転写バイアスとして重畳転写バイアスを用いることにより、上述のようにトナーを往復移動させながら中間転写ベルト31側から記録紙P側へ移動させて記録紙上に転移させる。これにより、用紙凹部へのトナーの転写率を向上させ、表面凹凸に応じた濃淡パターンの発生を抑制できる。一方、通常の転写紙など、凹凸の小さい記録紙Pを用いる場合には、直流成分のみの直流転写バイアスを二次転写バイアスとして用いることで、十分な転写性が得られる。
このように、本実施形態では、二次転写バイアスとして、直流転写バイアスを印加して記録紙Pへの画像転写を行う直流転写モードと、直流に交流を重畳せしめた重畳転写バイアスを印加して記録紙Pへの画像転写を行う重畳転写モードとを有し、両者を切り替え可能に構成している。そして、通紙する記録紙Pの種類に応じて、転写モードを直流転写モード又は重畳転写モードに切り替えることで、凹凸の小さい用紙及び凹凸の大きい用紙のどちらにも良好な画像転写を行うことができる。転写モードの切り替えは、記録紙Pの種類の設定により自動的にモードが切り替わるようにしても良い。あるいは、ユーザーが転写モードを指定できるようにしても良い。これらの設定は、画像形成装置の操作パネル上から設定可能に設ける。
図6は、二次転写バイアス印加部の構成例を示すブロック図である。
同図に示す例では、2つのリレーを用いてバイアスを印加する電源を切り替える構成となっている。同図に示すように、直流電源201はリレー301を介して直流転写バイアスを二次転写裏面ローラ33に印加する。また、交流直流重畳電源202はリレー302を介して重畳転写バイアスを二次転写裏面ローラ33に印加する。2つのリレー301,302は、リレー駆動手段204を介して制御手段300によって接続と遮断が制御され、二次転写バイアスとしての直流転写バイアス又は重畳転写バイアスが切り替えられる。
また、直流電源201及び交流直流重畳電源202からは、フィードバック電圧が制御手段300に向けて出力されている。本実施形態では、二次転写バイアスとして直流バイアスを印加する直流転写モードでは、直流電源201からのフィードバック電圧に基づいて二次転写部での抵抗値(中間転写ベルト31や記録紙Pを含む抵抗値)を算出して転写電流値を決定し、バイアス値を定電流制御している。
また、本実施形態においては、直流転写バイアスを用いた累積通紙枚数(直流転写バイアス動作量)をカウントして保持する直流転写モード用カウンタ311と、重畳転写バイアスを用いた累積通紙枚数(重畳転写バイアス動作量)をカウントして保持する重畳転写モード用カウンタ312とを備えた動作量記憶手段としてのカウンタ部310が、制御手段300に接続されている。
次に、本発明の特徴部分である寿命アラーム報知処理について説明する。
図7は、寿命アラーム報知処理の流れを示すフローチャートである。
本実施形態では、印刷ジョブが入力されたら、まず、当該印刷ジョブの転写モードとして、重畳転写モードが選択されるか直流転写モードが選択されるかを判断する(S1)。直流転写モードが選択されるという転写バイアス切替条件が満たされた場合(S1のNo)、制御手段300は、直流電源201によりリレー301を介して直流転写バイアスが二次転写裏面ローラ33へ印加されるように、リレー駆動手段204を制御する(S2)。そして、制御手段300は、当該印刷ジョブに従って直流転写バイアスを用いた画像形成動作を実行して(S3)、記録紙Pに画像を形成し、直流転写モード用カウンタ311のカウント値M1を1つカウントアップする(S4)。その後、当該印刷ジョブが終了するまで、画像形成動作(S3)及び直流転写モード用カウンタ311のカウントアップの処理を繰り返す(S5)。
一方、重畳転写モードが選択されるという転写バイアス切替条件が満たされた場合(S1のYes)、制御手段300は、交流直流重畳電源202によりリレー302を介して重畳転写バイアスが二次転写裏面ローラ33へ印加されるように、リレー駆動手段204を制御する(S6)。そして、制御手段300は、当該印刷ジョブに従って重畳転写バイアスを用いた画像形成動作を実行して(S7)、記録紙Pに画像を形成し、重畳転写モード用カウンタ312のカウント値M2を1つカウントアップする(S8)。その後、当該印刷ジョブが終了するまで、画像形成動作(S3)及び重畳転写モード用カウンタ312のカウントアップの処理を繰り返す(S9)。
以上のようにして、印刷ジョブが終了したら(S5のYes,S9のYes)、制御手段300は、下記の式(1)より、寿命判断指標値である重み付け累積通紙枚数Mを算出する(S10)。すなわち、直流転写モード用カウンタ311からカウント値M1を読み出し、このカウント値M1に予め決められた重み付け係数αを乗じる演算を行う。また、重畳転写モード用カウンタ312からカウント値M2を読み出し、このカウント値M2に予め決められた重み付け係数βを乗じる演算を行う。そして、これらの演算結果を足し合わせることで、重み付け累積通紙枚数Mを算出する。
M = α × M1 + β × M2 ・・・(1)
ここで、重み付け係数α,βの決定方法について説明する。
図8は、本実施形態のプリンタを用いて、直流転写モードと重畳転写モードのそれぞれについて耐久評価試験を行った結果を示すものである。
本耐久評価試験では、ニップ形成ローラ36の表面にクラックが発生するまでの累積通紙枚数と、ニップ形成ローラ36のクリーニング不良によって裏汚れが発生するまでの累積通紙枚数を測定した。ニップ形成ローラ36の表面にクラックが発生するまでの累積通紙枚数は、ニップ形成ローラ36の寿命到達を表す指標となる。また、裏汚れは、ニップ形成ローラ36のクリーニングブレード60をすり抜けるトナーによって発生するものであり、クリーニングブレード60を新品に交換することで改善される。したがって、ニップ形成ローラ36の表面にクラックが発生するまでの累積通紙枚数は、クリーニングブレード60の寿命到達を示す指標となる。
図8に示すように、本耐久評価試験の結果、ニップ形成ローラ36の表面クラック発生までの累積通紙枚数、及び、ニップ形成ローラ36のクリーニング不良による裏汚れ発生までの累積通紙枚数には、直流転写モードと重畳転写モードとの間で大きな差が生じた。具体的には、ニップ形成ローラ36の表面クラック発生までの累積通紙枚数については、重畳転写モードの場合、直流転写モードの場合の約1/4となった。
そこで、本実施形態では、重畳転写モード用カウンタ312のカウント値M2に対する重み付け係数βを、直流転写モード用カウンタ311のカウント値M1に対する重み付け係数αの4倍に設定している。具体的には、本実施形態では、α=1とし、β=4としている。ユーザーがどのような使用頻度比率で直流転写モード及び重畳転写モードを使用する場合でも、直流転写モードのみを用いた場合に換算して、ニップ形成ローラ36の寿命到達の判断を行うことができる。
本実施形態では、このようにして決められる重み付け係数α,βを用いて、重み付け累積通紙枚数M(直流転写モードのみを用いた場合の換算値)を算出する(S10)。そして、この重み付け累積通紙枚数Mが寿命判断閾値Cを超えているか否かを判断して(S11)、ニップ形成ローラ36の寿命到達の判断を行う。上述したように、重み付け累積通紙枚数Mは、直流転写モードのみを用いた場合の換算値に相当することから、寿命判断閾値Cは、直流転写モードのみを用いて画像形成動作を行った場合の表面クラック発生までの累積通紙枚数を基準に決定する。本実施形態では、図8に示すように、直流転写モード時の表面クラック発生までの累積通紙枚数は812000枚であることから、環境変化等による変動を考慮して、例えば、寿命判断閾値Cを700000枚に設定する。
重み付け累積通紙枚数Mが寿命判断閾値Cを超えていると判断した場合(S11のYes)、制御手段300は、ニップ形成ローラ36が寿命に到達する旨の寿命到達アラームを通知(報知)する処理を行う。この処理は、例えば、本プリンタに設けられる図示しない操作パネルに、ニップ形成ローラ36の交換時期が来たことを知らせるメッセージを表示させたり、通信ネットワークを介して本プリンタの保守業者の管理コンピュータへニップ形成ローラ36の交換時期到来を示す情報を送信したりする処理である。
本実施形態では、ニップ形成ローラ36の寿命判断を例に挙げて説明したが、重畳転写バイアスと直流転写バイアスとの使用頻度比率の違いで寿命が変わってくる寿命管理対象部品であれば、ニップ形成ローラ36に限られない。例えば、ニップ形成ローラ36のクリーニングブレード60の寿命判断を行う場合には、次のように処理することができる。
すなわち、上述した耐久評価試験の結果より、ニップ形成ローラ36のクリーニング不良による裏汚れ発生までの累積通紙枚数は、重畳転写モードの場合、直流転写モードの場合の約1/2となった。よって、重み付け係数βを重み付け係数αの2倍に設定するとともに(α=1、β=2)、寿命判断閾値Cを、直流転写モードのみを用いて画像形成動作を行った場合の裏汚れ発生までの累積通紙枚数を基準に、例えば、寿命判断閾値Cを300000枚に設定する。
また、本実施形態では、直流転写バイアス及び重畳転写バイアスを用いて行った画像形成動作の各動作量を、累積通紙枚数を単位にして測定したが、別の単位を用いてもよい。例えば、画像形成動作の累積動作時間を単位としてもよい。
また、本実施形態では、感光体2Y,2M,2C上のトナー像を中間転写ベルト31を介して記録紙Pへ転写する中間転写方式の画像形成装置を例に挙げて説明したが、感光体2Y,2M,2C上のトナー像を記録紙Pへ直接転写する直接転写方式の画像形成装置であってもよいし、カラー画像形成装置でなくてモノクロ画像形成装置でもよく、広く公知の画像形成装置に適用することが可能である。
〔変形例1〕
次に、上記実施形態の寿命アラーム報知処理の一変形例(以下、本変形例を「変形例1」という。)について説明する。
図9は、本変形例1における二次転写バイアス印加部の構成例を示すブロック図である。
上記実施形態では、直流転写バイアスを用いた累積通紙枚数(直流転写バイアス動作量)と重畳転写バイアスを用いた累積通紙枚数(重畳転写バイアス動作量)とを、それぞれ個別のカウンタ311,312に保持し、印刷ジョブの終了後に、各重み付け係数α,βを用いて重み付け累積通紙枚数Mを算出した。これに対し、本変形例1では、単一の共通カウンタ320を設け、これに当該重み付け累積通紙枚数Mを累積的にカウントしていく点で、上記実施形態と異なっている。
図10は、本変形例1における寿命アラーム報知処理の流れを示すフローチャートである。
本変形例1では、印刷ジョブが入力されたら、まず、当該印刷ジョブの転写モードとして、重畳転写モードが選択されるか直流転写モードが選択されるかを判断する(S1)。直流転写モードが選択されるという転写バイアス切替条件が満たされた場合(S1のNo)、制御手段300は、直流電源201によりリレー301を介して直流転写バイアスが二次転写裏面ローラ33へ印加されるように、リレー駆動手段204を制御する(S2)。また、制御手段300は、1枚の画像形成動作ごとに共通カウンタ320をカウントアップさせるカウントアップ量としてαを選択する(S21)。
一方、重畳転写モードが選択されるという転写バイアス切替条件が満たされた場合(S1のYes)、制御手段300は、交流直流重畳電源202によりリレー302を介して重畳転写バイアスが二次転写裏面ローラ33へ印加されるように、リレー駆動手段204を制御する(S6)。また、制御手段300は、1枚の画像形成動作ごとに共通カウンタ320をカウントアップさせるカウントアップ量としてβを選択する(S22)。
その後、制御手段300は、当該印刷ジョブに従って直流転写バイアス又は重畳転写バイアスを用いた画像形成動作を実行して(S23)、記録紙Pに画像を形成する。そして、共通カウンタ320のカウント値Mを、選択されたカウントアップ量α,βずつ、カウントアップする(S24)。その後、当該印刷ジョブが終了するまで、画像形成動作(S23)及び共通カウンタ320のカウントアップ(S24)の処理を繰り返す(S25)。
本変形例1において、上記カウントアップ量α,βは、上記実施形態における重み付け係数α,βと同じものを用いている。したがって、印刷ジョブが終了したときに共通カウンタ320に記憶されているカウント値Mは、上記実施形態の重み付け累積通紙枚数Mと同じものとなる。したがって、本変形例1においても、上記実施形態と同様、共通カウンタ320のカウント値Mが寿命判断閾値Cを超えているか否かを判断し(S11)、超えていると判断したら、制御手段300は、ニップ形成ローラ36が寿命に到達する旨の寿命到達アラームを通知(報知)する処理を行う。
〔変形例2〕
次に、上記実施形態の寿命アラーム報知処理の他の変形例(以下、本変形例を「変形例2」という。)について説明する。
上記実施形態及び上記変形例1では、印刷ジョブが終了するタイミングで、重み付け累積通紙枚数M又はカウント値Mが寿命判断閾値Cを超えているか否かを判断し、必要に応じて寿命到達アラームを通知する処理を行っていた。これに対し、本変形例2では、印刷ジョブ中のタイミングであっても、重み付け累積通紙枚数M又はカウント値Mが寿命判断閾値Cを超えた時点で寿命到達アラームを通知する処理を行う点で、上述した実施形態及び変形例1とは異なっている。
以下、本変形例2の説明では、上記変形例1で説明した共通カウンタ320を用いる構成例に合わせて説明するが、上記実施形態の構成例でも同様である。
図11は、本変形例2における寿命アラーム報知処理の流れを示すフローチャートである。
本変形例2において、制御手段300は、印刷ジョブに従って直流転写バイアス又は重畳転写バイアスを用いた画像形成動作を実行して(S23)、記録紙Pに画像を形成し、共通カウンタ320のカウント値Mを、選択されたカウントアップ量α,βずつ、カウントアップする(S24)。これに続いて、本変形例2では、そのカウント値Mが寿命判断閾値Cを超えているか否かを判断し(S31)、超えていると判断したら、ニップ形成ローラ36が寿命に到達する旨の寿命到達アラームを通知(報知)する処理を行う(S32)。
本変形例2においては、当該印刷ジョブが終了するまで、画像形成動作(S23)、共通カウンタ320のカウントアップ(S24)、カウント値Mが寿命判断閾値Cを超えたか否かの判断(S31)、必要に応じて寿命到達アラームの通知の処理を繰り返す(S33)。
以上に説明したものは一例であり、本発明は、次の態様毎に特有の効果を奏する。
(態様A)
中間転写ベルト31等の像担持体上にトナー像を形成する画像形成ユニット1Y,1M,1C,1K等のトナー像形成手段と、上記像担持体とニップ形成ローラ36等の転写部材との間の転写領域に転写バイアスを印加して、該転写領域を通過する記録紙P等の記録材へ該像担持体上のトナー像を転写する転写ユニット30等の転写手段と、所定の転写バイアス切替条件に従って、上記転写バイアスを、直流成分のみからなる直流転写バイアス、又は、直流成分に交流成分が重畳した重畳転写バイアスへ切り替える制御手段300やリレー駆動手段204等の転写バイアス切替手段とを有する画像形成装置において、上記直流転写バイアスを用いて行った画像形成動作の動作量を示す累積通紙枚数等の直流転写バイアス動作量に応じた直流転写バイアス寿命判断指標値と上記重畳転写バイアスを用いて行った画像形成動作の動作量を示す重畳転写バイアス動作量に応じた重畳転写バイアス寿命判断指標値の両方を用いて、当該画像形成装置を構成するニップ形成ローラ36等の寿命管理対象部品が寿命に達するか否かを判断する制御手段300等の寿命判断手段と、上記寿命判断手段が寿命に達すると判断したとき、当該寿命管理対象部品が寿命に達することを報知するための寿命アラーム報知処理等の報知処理を実行する制御手段300等の報知処理実行手段とを有することを特徴とする。
これによれば、動作量記憶手段に個別に記憶される直流転写バイアス動作量と重畳転写バイアス動作量から、重畳転写バイアスを用いる重畳転写モードと直流転写バイアスを用いる直流転写モードの使用頻度比率を把握することができる。そして、両動作量を用いて寿命管理対象部品が寿命に達するか否かを判断するので、使用頻度比率の違いで寿命が変わってくるニップ形成ローラ36等の寿命管理対象部品の寿命を、当該使用頻度比率を考慮せずに一律に部品寿命を設定していた従来構成よりも、適切に判断することができる。
(態様B)
上記態様Aにおいて、上記寿命判断手段は、上記直流転写バイアス動作量と上記重畳転写バイアス動作量に対してそれぞれ異なる重み付け(重み付け係数α,β)を行って上記直流転写バイアス寿命判断指標値(α×M1)及び上記重畳転写バイアス寿命判断指標値(β×M2)を求め、該直流転写バイアス寿命判断指標値及び該重畳転写バイアス寿命判断指標値の合計値(重み付け累積通紙枚数M等)が、上記寿命管理対象部品に対応する寿命判断閾値Cを超えたときに、該寿命管理対象部品が寿命に達したと判断することを特徴とする。
これによれば、適切な重み付けを行うことで、簡易な処理で、寿命管理対象部品が寿命に達したか否かを判断することができる。
(態様C)
上記態様Bにおいて、上記寿命判断手段は、上記直流転写バイアス動作量よりも上記重畳転写バイアス動作量に対する重みを大きくする重み付けを行うことを特徴とする。
上述したように、直流転写バイアスを用いる場合よりも重畳転写バイアスを用いる場合の方が放電生成物の発生量が多い。よって、このような重み付けを行うことで、放電生成物の影響を受ける寿命管理対象部品について、寿命に達したか否かを適切に判断することができる。
(態様D)
上記態様A〜Cのいずれかの態様において、上記直流転写バイアス動作量と上記重畳転写バイアス動作量とを個別に累積記憶するカウンタ部310等の動作量記憶手段を有することを特徴とする。
これによれば、直流転写バイアス寿命判断指標値と重畳転写バイアス寿命判断指標値を個別に把握できる。
(態様E)
上記態様A〜Dのいずれかの態様において、上記寿命管理対象部品は、上記転写部材を含むことを特徴とする。
これによれば、転写部材の寿命を適切に判断することができ、転写部材を適切なタイミングでメンテナンスすることができる。
(態様F)
上記態様A〜Eのいずれかの態様において、上記転写部材の表面をクリーニング部材でクリーニングするクリーニング手段を有し、上記寿命管理対象部品は、上記クリーニング部材を含むことを特徴とする。
これによれば、転写部材のクリーニング部材の寿命を適切に判断することができ、当該クリーニング部材を適切なタイミングでメンテナンスすることができる。
(態様G)
上記態様A〜Fのいずれかの態様において、上記直流転写バイアス動作量及び上記重畳転写バイアス動作量の少なくとも一方は、当該転写バイアスを用いて行った画像形成動作により画像形成された累積画像形成枚数、又は、当該転写バイアスを用いて行った画像形成動作の累積動作時間であることを特徴とする。
これによれば、直流転写バイアス動作量や重畳転写バイアス動作量を簡易に把握することができる。
1Y,1M,1C,1K 画像形成ユニット
2Y,2M,2C,2K 感光体
30 転写ユニット
31 中間転写ベルト
33 二次転写裏面ローラ
35Y,35M,35C,35K 一次転写ローラ
36 ニップ形成ローラ
60 クリーニングブレード
61 ブラシ状ローラ
62 固形状表面保護剤
63 紙粉除去ブラシローラ
65 ケース
66 加圧スプリング
80 光書込ユニット
90 定着装置
200 二次転写バイアス電源
201 直流電源
202 交流直流重畳電源
204 リレー駆動手段
300 制御手段
301,302 リレー
310 カウンタ部
311 直流転写モード用カウンタ
312 重畳転写モード用カウンタ
320 共通カウンタ
特開2006−267486号公報 特開2008−058585号公報

Claims (7)

  1. 像担持体上にトナー像を形成するトナー像形成手段と、
    上記像担持体と転写部材との間の転写領域に転写バイアスを印加して、該転写領域を通過する記録材へ該像担持体上のトナー像を転写する転写手段と、
    所定の転写バイアス切替条件に従って、上記転写バイアスを、直流成分のみからなる直流転写バイアス、又は、直流成分に交流成分が重畳した重畳転写バイアスへ切り替える転写バイアス切替手段とを有する画像形成装置において、
    上記直流転写バイアスを用いて行った画像形成動作の動作量を示す直流転写バイアス動作量に応じた直流転写バイアス寿命判断指標値と上記重畳転写バイアスを用いて行った画像形成動作の動作量を示す重畳転写バイアス動作量に応じた重畳転写バイアス寿命判断指標値の両方を用いて、当該画像形成装置を構成する所定の寿命管理対象部品が寿命に達するか否かを判断する寿命判断手段と、
    上記寿命判断手段が寿命に達すると判断したとき、当該寿命管理対象部品が寿命に達することを報知するための報知処理を実行する報知処理実行手段とを有することを特徴とする画像形成装置。
  2. 請求項1の画像形成装置において、
    上記寿命判断手段は、上記直流転写バイアス動作量と上記重畳転写バイアス動作量に対してそれぞれ異なる重み付けを行って上記直流転写バイアス寿命判断指標値及び上記重畳転写バイアス寿命判断指標値を求め、該直流転写バイアス寿命判断指標値及び該重畳転写バイアス寿命判断指標値の合計値が、上記寿命管理対象部品に対応する寿命判断閾値を超えたときに、該寿命管理対象部品が寿命に達したと判断することを特徴とする画像形成装置。
  3. 請求項2の画像形成装置において、
    上記寿命判断手段は、上記直流転写バイアス動作量よりも上記重畳転写バイアス動作量に対する重みを大きくする重み付けを行うことを特徴とする画像形成装置。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像形成装置において、
    上記直流転写バイアス動作量と上記重畳転写バイアス動作量とを個別に累積記憶する動作量記憶手段を有することを特徴とする画像形成装置。
  5. 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の画像形成装置において、
    上記寿命管理対象部品は、上記転写部材を含むことを特徴とする画像形成装置。
  6. 請求項1乃至5のいずれか1項に記載の画像形成装置において、
    上記転写部材の表面をクリーニング部材でクリーニングするクリーニング手段を有し、
    上記寿命管理対象部品は、上記クリーニング部材を含むことを特徴とする画像形成装置。
  7. 請求項1乃至6のいずれか1項に記載の画像形成装置において、
    上記直流転写バイアス動作量及び上記重畳転写バイアス動作量の少なくとも一方は、当該転写バイアスを用いて行った画像形成動作により画像形成された累積画像形成枚数、又は、当該転写バイアスを用いて行った画像形成動作の累積動作時間であることを特徴とする画像形成装置。
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