JP2001022190A - 転写搬送ベルトおよびそれを用いた画像形成装置 - Google Patents

転写搬送ベルトおよびそれを用いた画像形成装置

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 繰り返し使用しても吸着不良による色ずれが
悪化せず、ジャムの発生もない転写搬送ベルトおよび転
写搬送ベルトを用いた画像形成装置を提供する。 【解決手段】 像担持体上のトナー像を記録用紙に転写
し、かつ該記録用紙を搬送する転写搬送ベルトにおい
て、表面に硝酸イオン吸着物質、あるいは層状構造を有
する化合物が存在することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真方式を用
いた画像形成装置において、特に像担持体上のトナー像
を記録用紙に転写し、搬送する転写搬送ベルト、および
この転写搬送ベルトを用いた電子写真画像形成装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】転写搬送ベルトを使用した画像形成装置
は、カラー画像情報や多色画像情報の複数の成分色画像
を順次積層転写して、カラー画像や多色画像を合成再現
した画像形成物を出力する、カラー画像形成装置や多色
画像形成装置、またはカラー画像形成機能や多色画像形
成機能を具備させた画像形成装置として有効である。
【0003】転写搬送ベルトと4つの感光体とを用いた
画像形成装置の一例の概略図を図1に示す。
【0004】図1は、電子写真プロセスを利用したカラ
ー画像形成装置(複写機、レーザービームプリンター、
LEDプリンターなど)である。
【0005】1−Y、1−M、1−C、1−BKは全て
担持体としてのドラム状の電子写真感光体(以下「感光
ドラム」と記す)であり、矢印の方向に所定の周速度
(プロセススピード)で回転駆動される。
【0006】以下に、第1の色成分像(例えばイエロー
色成分像)が形成される過程を説明する。
【0007】感光ドラム1−Yは回転過程で、一次帯電
器2により所定の極性・電位に一様に帯電処理され、次
いで不図示の像露光手段による像露光3を受ける。この
ようにして目的のカラー画像の第1の色成分像(例えば
イエロー色成分像)に対応した静電潜像が形成される。
【0008】次いで、その静電潜像が第1の現像器(イ
エロー色現像器41)により第1色であるイエロー成分
像に現像される。このようにして感光ドラム1−Y上に
第1色のトナー像が形成される。
【0009】そして、所定の時間間隔をおいて、感光ド
ラム1−M、1−C、1−BK上にも第2色〜第4色の
トナー像が形成される。
【0010】このようにして、4つの感光ドラム上に、
それぞれの色成分のトナー像が所定の時間間隔をおいて
形成される。
【0011】一方、転写搬送ベルト20は矢印の方向に
感光ドラムとほぼ同じ周速度で回転駆動されている。そ
して、所定のタイミングで、給紙ローラ11から転写搬
送ベルト20に記録用紙Pが給送され、バイアス電源2
8を通じて吸着ローラ63に印加された吸着バイアスの
作用により、記録用紙Pは転写搬送ベルト20に吸着さ
れ、搬送されていく。この時の吸着バイアスは、例えば
−3kV〜+3kV程度である。
【0012】感光ドラムと転写ローラ62が転写搬送ベ
ルト20を介して対峙する部分を、記録用紙Pが通過す
る際、バイアス電源29を通じて転写ローラ62に転写
バイアスが印加されることにより、感光体上のトナー像
は記録用紙Pに転写されてゆく。すなわち、記録用紙P
の上に、まず第1色成分であるイエロートナー像が、続
いて第2色成分であるマゼンタトナー像が、続いて第3
色成分であるシアントナー像が、そして最後に第4色成
分であるブラックトナー像が、記録用紙Pの搬送過程で
順次積層転写されてゆく。この時の転写バイアスは、例
えば−2kV〜+3kV程度である。
【0013】記録用紙Pへのトナー像の転写を終えた感
光ドラムの表面は、感光ドラムのクリーニング装置13
により清掃される。
【0014】感光体からのトナー像の転写を終えた記録
用紙Pは、コロナ除電器64直下に搬送されてゆく。コ
ロナ除電器64には、バイアス電源30から3kVpp
〜6kVpp程度の交流電圧が印加されており、これに
よって記録用紙Pが除電され、記録用紙Pが転写搬送ベ
ルト20から分離され、記録用紙Pは定着器15へ導入
され、加熱定着される。
【0015】また、転写搬送ベルト20には、該ベルト
に対して接離可能なベルト上トナーの帯電部材52が所
定のタイミングで当接され、感光ドラム1とは逆極性の
バイアスが印加されることにより、転写搬送ベルト20
上に付着したトナーを、感光ドラム1と逆極性に帯電さ
せる。このとき、転写残トナー帯電部材52に印加する
バイアスは、例えば+10V〜+2kV程度の直流電圧
である。
【0016】逆極性(+極性)に帯電されたトナーは、
感光ドラム1との当接部およびその近傍において感光ド
ラム1に静電的に転写されることにより、転写搬送ベル
ト20がクリーニングされ、次の画像形成に備える。
【0017】前述の転写搬送ベルトを用いた画像形成装
置を有するカラー電子写真装置は、従来の技術である転
写ドラム上に記録用紙を張り付けまたは吸着せしめ、そ
こへ第1の画像担持体上から画像を転写する画像形成装
置を有したカラー電子写真装置、例えば特開昭63−3
01960号公報中で述べられたごとくの転写装置と比
較すると、記録用紙を曲げる(曲率をもでたせる)必要
がないために、封筒、ハガキ、ラベル紙等、40g/m
2 程度の薄い紙から200g/m2 程度の厚い紙まで、
幅の広狭や、長さの長短によらず転写可能であるという
利点を有している。また、該転写装置のように記録用紙
を4回転させる必要がないために、高速プリントが可能
であるという利点も有する。
【0018】このような利点のため、すでに市場におい
ては転写搬送ベルトを用いたカラー複写機、カラープリ
ンター等が稼働し始めている。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】転写搬送ベルトを用い
た画像形成装置には上記のような利点があるが、従来の
転写搬送ベルトにおいて、繰り返し画像を出力(耐久)
すると、記録用紙の吸着力が低下して、色ずれが悪化し
たり、記録用紙が画像形成装置内部に詰る(ジャム)が
発生するという問題があった。
【0020】本発明の目的は、繰り返し使用しても吸着
不良による色ずれが悪化せず、ジャムの発生もない転写
搬送ベルトおよび転写搬送ベルトを用いた画像形成装置
を提供することである。
【0021】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、像担
持体上のトナー像を記録用紙に転写し、かつ該記録用紙
を搬送する転写搬送ベルトにおいて、該転写搬送ベルト
の表面に、硝酸イオン吸着物質、層状構造を有する化合
物または、下記の一般式(1)〜(5)で示される化合
物が存在することを特徴とする転写搬送ベルトである。
【0022】一般式(1): M2+ (1-X) 3+ X (OH)2 n- (X/n) ・mH2 O (ただし、0<X≦0.5、m≧0、M2+;2価の金属
イオン、M3+;3価の金属イオン、An-;n価のアニオ
ン。) 一般式(2): Mg(1-X) AlX (OH)2 (CO3 X/2 ・mH2
(0<X≦0.5) (ただし、m≧0) 一般式(3): Li(1-Y) 2+ Y 3+ 2 (OH)6 n- ((1+Y)/n) ・m
2 O (ただし、0≦Y≦0.5、m≧0、M2+;2価の金属
イオン、M3+;3価の金属イオン、An-;n価のアニオ
ン。nは1以上の整数) 一般式(4): M2+ (1-X) 3+ X (1+X/2) ・mH2 O (ただし、0<X≦0.5、m≧0、M2+;2価の金属
イオン、M3+;3価の金属イオン) 一般式(5): Mg(1-X) AlX (1+X/2) ・mH2 O (ただし、0<X≦0.5、m≧0) また、本発明は、像担持体上のトナー像を記録用紙に転
写し、かつ該記録用紙を搬送する転写搬送ベルトを用い
た画像形成装置において、該転写搬送ベルトの表面に、
硝酸イオン吸着物質、層状構造を有する化合物、または
一般式(1)〜(5)で示される化合物を塗布する塗布
部材を有することを特徴とする画像形成装置である。
【0023】これらの中で特に好ましい物質は、一般式
(1)で示される化合物である。
【0024】
【発明の実施の形態】転写搬送ベルトに求められる機能
の一つとして、記録用紙を静電的に吸着して搬送する機
能が挙げられる。そのためには、転写搬送ベルトの電気
抵抗値を、ある程度高くする必要がある。例えば、転写
搬送ベルトの表面抵抗値を106 Ω/□〜1016Ω/□
程度にする必要がある。このようにすると、転写搬送ベ
ルトに記録用紙がよく吸着し、色ずれ(2色のトナーを
記録用紙上に重ね合わせて転写する時に、各色のトナー
像がずれてしまう現象)の少ない良好な画像が得られ
る。また、記録用紙が良好に吸着されていれば、搬送中
に記録用紙が転写搬送ベルトから剥がれることもなく、
これに起因するジャムの発生もない。
【0025】しかし、従来の画像形成装置においては、
抵抗の高い転写搬送ベルトを用いても、耐久が進むと徐
々に色ずれが悪化して、ひどい場合には搬送不良による
ジャムが発生するという問題があった。
【0026】この問題に対して、本発明者らは、耐久後
の転写搬送ベルトについて調べることにした。その結
果、耐久後の転写搬送ベルトは、初期と比較して電気抵
抗値、特に表面抵抗率が著しく低下していることが分か
った。更に、転写搬送ベルトの表面を分析したところ、
耐久後の転写搬送ベルトの表面から、硝酸イオン(NO
3 -)が検出された。一方、耐久前の転写搬送ベルトの表
面からは、硝酸イオンは検出されなかった。このことか
ら、耐久による転写搬送ベルトの抵抗低下の原因は硝酸
イオンであると考えた。
【0027】すなわち、耐久時に発生する放電(放電は
吸着ローラによる吸着時、転写時、コロナ除電器による
除電時、ベルト上トナーの帯電部材によるトナー帯電時
などに起きる)によりオゾンが発生し、オゾンが空気中
の窒素と反応して窒素酸化物(NOX )となり、窒素酸
化物が空気中の水分と反応して硝酸となる。そして、周
知の通り、硝酸は水素イオン(H+ )と硝酸イオン(N
3 -)とに電離する。その結果、耐久が進むにつれて転
写搬送ベルトの表面に水素イオン(H+ )や硝酸イオン
(NO3 -)が付着してゆき、これらのイオンが転写搬送
ベルトの抵抗値を低下させるために、耐久が進むと、記
録用紙の吸着力が低下して、色ずれの悪化やジャムの発
生を引き起こすものと考えられる。
【0028】上記メカニズムによれば、耐久による色ず
れ悪化(吸着力の低下)を防止するためには、生成する
硝酸を除去することが有効な対策になると考えられる。
【0029】そこで本発明者らは、硝酸イオン(N
3 -)を吸着する作用をもつ硝酸イオン吸着物質に着目
した。すなわち、硝酸イオン吸着物質を下記のように定
義し、転写搬送ベルトの表面に該化合物を存在させるこ
とにより、転写搬送ベルト表面の硝酸イオンを除去(不
活性化)することを試みた。
【0030】本発明において、硝酸イオン吸着物質と
は、硝酸イオン(NO3 -)を吸着する性質を有する物質
を指し、具体的には下記測定方法にて全窒素量(以後、
窒素量)を測定した時に、窒素量が13(mg/l)以
下であるものを言う。
【0031】<測定機器>多項目水質計LASA−1
(東亜電波工業社製) <使用試薬>2,6−ジメチルフェノール(品名:LC
K339、東亜電波工業社製) <フィルタ>LPZ−284(330nm、東亜電波工
業社製) <測定の手順> 1.1×10-3(N)の硝酸水溶液10(ml)に、被
試験物質0.5(g)を加え、40分間撹拌または振と
うする。 2.上記液体が濁っている場合には、適当な手段でろ過
し、ろ液を採取する。 3.上記ろ液0.5mlをキュベット(LCK238、
東亜電波工業社製)に加え、続いてC液(2,6−ジメ
チルフェノール:LCK339)0.2mlを加え、キ
ュベットの栓をしてキュベットを振る。
【0032】その後、室温(20〜25℃)にて15分
間キュベットを静置し、LASA−1の取扱説明書に従
って、全窒素量(mg/l)を測定する(プログラム項
目=NO3−N)。
【0033】本発明者らは、上記定義に従う硝酸イオン
吸着物質を転写搬送ベルトの表面に存在させることによ
り、転写搬送ベルトの低抵抗化を防ぎ、耐久による色ず
れ悪化を防止できることを見出し、本発明を完成するに
至った。
【0034】言うまでもなく、色ずれ悪化に対してより
大きな防止効果を得るためには、上記測定による窒素量
が少ない物質ほど好ましい。具体的には、窒素量が10
(mg/l)以下であれば好ましく、より好ましくは7
(mg/l)以下、最も好ましくは5(mg/l)以下
である。
【0035】硝酸イオン吸着物質に疎水化処理などの表
面処理を施すと、硝酸イオン吸着物質の電気抵抗値が湿
度に影響されにくくなり、高湿度環境における転写搬送
ベルトの電気抵抗値の低下を防止することができるた
め、湿度によらず色ずれの少ない画像を得ることができ
る。従って、表面処理を施した硝酸イオン吸着物質は、
本発明における好ましい物質であると言える。表面処理
剤の例としては、高級脂肪酸(例えばステアリン酸、オ
レイン酸、ラウリル酸など)、界面活性剤(例えばステ
アリン酸ソーダ、ラウリルベンゼンスルホン酸ソーダな
ど)、カップリング剤(例えばビニルトリエトキシシラ
ン、ヘキサメチレンジシラザン、イソプロピルトリデシ
ルベンゼンスルホニルチタネートなど)、グリセリン脂
肪酸エステル(グリセリンモノステアレート、グリセリ
ンモノオレエートなど)が挙げられる。これらの中で
も、特に高級脂肪酸が好ましい。もちろん、表面処理剤
は上記の物質に限定されるわけではない。
【0036】表面処理を行うと、硝酸水溶液との親和性
が低く(疎水度が高く)なり、前記測定手順に従って窒
素量を測定すると、測定結果が13(mg/l)より大
きな値を示すことがある。これは、疎水化処理等によっ
て硝酸イオンの吸着速度が低下しているだけであり、硝
酸イオン吸着容量が低下しているわけではない。従っ
て、このような場合には、表面処理をしていない場合の
窒素量を測定し、その測定結果に基づいて、表面処理し
た物質が硝酸イオン吸着物質であるか否かを判断する。
すなわち、表面処理をしていない硝酸イオン吸着物質
(上記測定による窒素量が13(mg/l)以下である
物質)に、表面処理をすることによって、窒素量が13
(mg/l)より大きくなったとしても、該物質(硝酸
イオン吸着物質を表面処理した物質)は、本発明におけ
る硝酸イオン吸着物質であるとみなす。
【0037】本発明における硝酸イオン吸着物質の例と
しては、珪酸マグネシウム、珪酸アルミニウム、酸化マ
グネシウム、水酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、
水酸化アルミナ・マグネシウム、水酸化アルミニウム・
炭酸水素ナトリウム共沈物(ドーソナイト)、ジヒドロ
キシアルミニウムアミノアセテート、水酸化アルミニウ
ム・炭酸マグネシウム・炭酸カルシウム共沈物、アニオ
ン交換体(アニオン交換能力を備えているイオン交換体
で、例えばジアルキル・アミノエチル基、トリメチルヒ
ドロキシ・プロピルアミン基、トリエタノールアミン基
などの1〜4級アミン基を有するアニオン交換体など。
もちろんこれに限定されるわけではない)が挙げられ
る。
【0038】更に、本発明者らは、耐久による色ずれ悪
化の防止効果を有する物質を探索した結果、層状構造を
有する化合物も有効であることが分かった。
【0039】これは、層状構造を有する化合物(層状化
合物)が、層間に硝酸イオンを取り込むことによって転
写搬送ベルトの抵抗低下を防いでいるためと予想され
る。このような層状化合物の例として、例えばカオリ
ン、雲母等が挙げられる。なお、化合物ではなく、単体
の中にも層状構造を有する物質がある。例えば、黒鉛が
これに当てはまるが、黒鉛はそれ自身の電気抵抗値が低
いために色ずれ悪化の防止効果はない。層状構造を有す
る化合物のより好ましい例として、ハイドロタルサイト
類化合物、中でも下記一般式(1)で示されるハイドロ
タルサイト類化合物が挙げられる。
【0040】一般式(1): M2+ (1-X) 3+ X (OH)2 (n-1)-・mH2 O (ただし、0<X≦0.5、m≧0、M2+;2価の金属
イオン、M3+;3価の金属イオン、An-;n価のアニオ
ン。) 一般式(1)で示されるハイドロタルサイト類化合物
は、正に荷電した基本層[M2+ (1-X) 3+ X (O
H)2 X+と、負に荷電した中間層[An- (X/n) ・mH
2 O]X-とからなる層状化合物であり、基本層に中間層
が挿入された層間化合物と考えることができる。一般に
層間化合物は特異な化学的性質(反応性)を発揮するこ
とが知られているが、一般式(1)で示されるハイドロ
タルサイト類化合物の場合には、中間層に存在するアニ
オン(An-)と硝酸イオンとが容易に置換(アニオン交
換)することが知られている。アニオン交換のメカニズ
ムは定かでないが、基本層と硝酸イオンとの電気的な相
互作用(吸引力)、中間層の空隙の大きさ(中間層の厚
さ)、物理的な吸着作用等が複合的に作用しているもの
と推定される。
【0041】すなわち、一般式(1)で示されるハイド
ロタルサイト類化合物は、反応式(1)のように反応し
て、硝酸イオンを不活性化する。
【0042】反応式(1): M2+ (1-X) 3+ X (OH)2 n- (X/n) ・mH2 O+X
HNO3 →M2+ (1 -X) 3+ X (OH)2 (NO3 X
mH2 O+HX n- (X/n) このため、一般式(1)で示される化合物を転写搬送ベ
ルトの表面に存在させることで、耐久による色ずれ悪化
の防止効果を得ることができると考えられる。
【0043】また、ハイドロタルサイト類化合物は水に
不溶であり、硝酸イオン吸着後も水に不溶であるという
性質を有する。つまり、ハイドロタルサイト類化合物が
電離して、転写搬送ベルトの電気抵抗を低下させること
はない。
【0044】ハイドロタルサイト類化合物は、NOX
ス(窒素酸化物)の吸着作用を有しているとも言われて
いる。ハイドロタルサイト類化合物が、色ずれ悪化の防
止に極めて効果的であるのは、アニオン交換による硝酸
イオンの不活性化に加えて、NOX ガスを吸着すること
で、硝酸イオンの発生量そのものを抑えているという相
乗効果を有しているためと考えられる。
【0045】一般式(1)において、Alのモル分率:
Xは、0<X≦0.5であるが、硝酸イオンの吸着能力
(アニオン交換容量)は、Xが大きくなるほど向上する
ことが知られている。このため、色ずれ悪化の防止効果
の観点からは0.2≦Xが好ましく、特に0.25≦X
が好ましい。Xは0.5以下であればよいが、結晶構造
としては0<X≦1/3(0.33)の範囲がより安定
である。これは、M3+がM2+を置換した格子点相互のプ
ラス電荷による反発が強くなるためと推定されている。
【0046】次に本発明者らは、一般式(1)におい
て、An-として、その共役酸HA(n-1 )-の酸解離指数;
pKaが3以上となるアニオンを有する場合、色ずれ悪
化の防止効果が一層向上して好ましいことを見出した。
【0047】その理由は以下のように考えられる。すな
わち、一般式(1)で示されるハイドロタルサイト類化
合物は、アニオン交換の結果、酸を生成する。この時、
生成した酸の酸解離指数;pKaが3以上であると、A
n-の共役酸であるHA(n-1)-が解離する割合は非常に小
さい。従って、反応式(1)における右辺(アニオン交
換後)の遊離アニオン量は、左辺(アニオン交換前)の
遊離アニオン量よりも減少することになる。つまり、一
般式(1)において、An-としてその共役酸HA(n-1)-
の酸解離指数;pKaが3以上となるアニオンを含有す
るハイドロタルサイト類化合物は、転写搬送ベルト表面
の硝酸イオンを吸着するのみならず、アニオン交換の結
果放出される遊離アニオンAn-の絶対量が非常に少ない
ために、耐久による転写搬送ベルトの電気抵抗値の低下
をより効果的に防止でき、色ずれ悪化を防止することが
できると考えられる。
【0048】更に、厳密には、反応式(1)は平衡関係
にある。従って硝酸の吸着が進んでAn-の量が増加して
くると、反応式(1)が右へ進みにくくなって、硝酸イ
オンの吸着能力が低下することが予想される。しかし、
pKaが3以上であれば、生成するAn-の量がごく僅か
であるために、反応式(1)が右へ進みにくくなること
はない。従って、このような化合物は、転写搬送ベルト
の表面における存在量がより少量であっても、色ずれ悪
化の防止効果を発揮できるという利点を有する。
【0049】なお、An-はその共役酸HA(n-1)-のpK
aが3以上となるものであればどのようなアニオンでも
よい。An-の具体的な例としては、OH- (H2 Oのp
Ka=7.0)、CO3 2-(HCO3 -のpKa(H2
3 のpK2)=10.33)、HCO3 -(H2 CO3
のpKa(pK1)=6.35)、CH3 COO- (C
3 COOHのpKa=4.76)、ClO- (HCl
OのpKa=7.53)、F- (HFのpKa=3.4
6)、PO4 3-(HPO4 2-のpKa(H3 PO 4 のpK
3)=12.36)、HPO4 2-(H2 PO4 -のpKa
(H3 PO4 のpK2)=7.20)、H2 BO3 -(H
3 BO3 のpKa(pK1)=9.24)、C2 4 2-
(HC2 4 -のpKa(H2 2 4 のpK2)=4.
29)、HCOO- (HCOOHのpKa=3.7
5)、C2 5 COO- (C2 5 COOHのpKa=
4.9)、SO3 2-(HSO3 -のpKa(H2 SO3
pK2)=7.18)、PHO3 2-(HPHO3 -のpK
a(H2 PHO3 のpK2)=6.79)、HS- (H
2 SのpKa(pK1)=7.02)、S2-(HS-
pKa(H2 SのpK2)=13.9)、酒石酸イオン
2-(酒石酸イオン- のpKa(酒石酸のpK2)=4.
44)などを挙げることがてきる。もちろん、これに限
定されるわけではない。
【0050】なお、本発明者らの検討によれば、An-
共役酸HA(n-1)-のpKaの好ましい範囲は4以上、よ
り好ましい範囲は6以上であった。また、pKaが3以
上であるアニオンが、全アニオン量対して20mol%
以上、より好ましくは50mol%以上含有されていれ
ば、pKaが3未満のアニオン、例えばSO4 2-(HS
4 -のpKa(H2 SO4 のpK2)=1.99)、サ
リチル酸イオン- (サリチル酸のpKa(pK1)=
2.81)、クエン酸イオン- (クエン酸のpKa(p
K1)=2.87)、酒石酸イオン- (酒石酸のpKa
(pK1)=2.99)などが含有されていてもよい。
【0051】ここで、An-として炭酸イオン(C
3 2-)を有するハイドロタルサイト類化合物について
述べる。該化合物は、反応式(2)によって水と二酸化
炭素(炭酸ガス)を生成する。
【0052】反応式(2): M2+ (1-X) 3+ X(OH)2 CO3 2- (X/2)・mH2 O+X
HNO3→M2+ (1-X) 3+ X(OH)2 (NO3 -X ・m
2 O+(X/2) 2 O+(X/2) CO2 生成した二酸化炭素は気体であるために、転写搬送ベル
トの電気抵抗値を低下させることはない。厳密には、生
成した二酸化炭素のごく一部が水に溶けて炭酸(H2
3 )となるが、炭酸のpK2は10.33と大きいた
めに、炭酸イオン(CO3 2-)はほとんど生成しない
し、ハイドロタルサイト類化合物は炭酸イオンに対する
選択性が低いという特徴をもっているので、ごく微量の
炭酸イオンが、反応式(2)を右へ進みにくくすること
はない。また、An-がCO3 2-であるハイドロタルサイ
ト類化合物は、工業的に大量生産されているために安価
に入手できることもあり、CO3 2-はAn-として最も好
ましい例であると言える。
【0053】なお、一般式(1)においてAn-は1種類
のアニオンである必要はない。例えばCO3 2-およびC
3 COO- の2種類であってもよい。
【0054】一般式(1)において、M2+は任意の2価
の金属イオン(例えばMg2+,Ca 2+,Sr2+,B
2+,Zn2+,Ni2+,Cd2+,Sn2+,Pb2+,Fe
2+,Cu 2+など。もちろんこれに限定されるわけではな
い。)であり、M3+は任意の3価の金属イオン(例えば
Al3+,Fe3+,Co3+,Bi3+,In3+,Sb3+,B
3+,Ti3+など。もちろんこれに限定されるわけではな
い。)である。M2+およびM3+は、それぞれ2種類以上
であってもよく、それ以外に1価や4価以上のカチオン
を含有してもよい。
【0055】これらのカチオンの中で、工業的に安価に
入手できること、毒性などの問題がないことから、M2+
としてMg2+が、M3+としては、Al3+が最も好まし
い。
【0056】以上を総合すると、ハイドロタルサイト類
化合物の最も好ましい例は、一般式(2)で示されるハ
イドロタルサイト類化合物と言える。
【0057】一般式(2): Mg(1-X) AlX (OH)2 (CO3 X/2 ・mH2
(0<X≦0.5) (ただしm≧0) 一般式(2)で示される具体例としては、以下のような
化合物が挙げられる。 1.Mg0.68Al0.32(OH)2 (CO3 0.16・0.
57H2 O 2.Mg0.8 Al0.2 (OH)2 (CO3 0.1 ・0.
61H2 O 3.Mg0.75Al0.25(OH)2 (CO3 0.125
0.5H2 O 4.Mg0.83Al0.17(OH)2 (CO3 0.085
0.47H2 O なお、厳密には一般式(2)の化合物(および上記具体
例の化合物)において、Mg2+、Al3+以外のカチオン
(例えばH+ ,Li+ ,Na+ ,K+ ,Ag+,C
+ ,Ca2+,Sr2+,Ba2+,Zn2+,Ni2+,Cd
2+,Sn2+,Pb2+,Fe2+,Cu2+,Fe3+,C
3+,Bi3+,In3+,Sb3+,B3+,Ti3+など。も
ちろんこれに限定されるわけではない。)や、CO3 2-
以外のアニオンが少量混入している場合があるが、これ
によって色ずれ悪化の防止効果が損なわれることはな
い。従って、本発明においては少量の不純物(具体的に
は不純物のモル分率の合計が0.1以下)が含まれてい
ても、一般式(2)(および上記具体例の化合物)の定
義に含まれるものとする。もちろん、不純物のモル分率
の合計が0.1より多くても、色ずれ悪化の防止効果が
大きく損なわれるわけではなく、一般式(1)の定義に
従う化合物として、十分使用可能である。
【0058】層状構造を有する化合物の中で、好ましい
化合物の別の具体例としては、一般式(3)で示される
リチウムアルミネート類化合物が挙げられる。
【0059】一般式(3): Li(1-X) 2+ X 3+ 2 (OH)6 n- ((1+X)/n) ・m
2 O (ただし、0<X≦0.5、m≧0、M2+;2価の金属
イオン、M3+;3価の金属イオン、An-;n価のアニオ
ン。nは1以上の整数) リチウムアルミネート類化合物も、ハイドロタルサイト
類化合物と同様、アニオン交換能力を有しており、硝酸
と反応式(3)のように反応して、硝酸イオンを不活性
化する。
【0060】反応式(3): Li(1-X) 2+ X 3+ 2(OH)6 n- ((1+X)/n) ・m
2 O+(1+X) HNO3 →Li(1-X) 2+ X3+ 2(O
H)6 (NO3 (1+X) ・mH2 O+H(1+X ) n-
((1+X)/n) そして、本発明者らの検討によれば一般式(3)で示さ
れるリチウムアルミネート類化合物も、色ずれ悪化の防
止効果に優れていることが確認された。
【0061】また、リチウムアルミネート類化合物につ
いて更に検討した結果、ハイドロタルサイト類化合物と
同様に、An-として、その共役酸HA(n-1)-の酸解離指
数;pKaが3以上となるアニオンを含有する場合、色
ずれ悪化の防止効果がより大きくなることが確認され
た。もちろん、リチウムアルミネート類化合物において
も、少量の不純物(モル分率で0.2以下)が混入して
いても、色ずれ悪化の防止効果に影響はなく、十分使用
可能である。
【0062】そして更に、耐久による色ずれ悪化の防止
効果を有する物質を探索した結果、一般式(4)で示さ
れる化合物も好ましい物質であることを見出した。
【0063】一般式(4): M2+ (1-X)3+ X(1+X/2) ・mH2 O (ただし、0<X≦0.5、m≧0、M2+;2価の金属
イオン、M3+;3価の金属イオン) 一般式(1)で示されるハイドロタルサイト類化合物を
高温(300〜800℃)で加熱すると、ハイドロタル
サイト類化合物からOH、An-、H2 Oが脱離して、M
2+ (1-X)3+ X(1+X/2) という組成式の化合物が得られ
る。その後、該化合物は層間水を取り込む場合もあり、
最終的に一般式(4)で示される化合物が得られる。上
記の脱離反応は可逆反応であり、一般式(4)で示され
る化合物は、硝酸および水と反応式(4)のように反応
して、硝酸イオンを不活性化する。
【0064】反応式(4): M2+ (1-X)3+ X(1+X/2) ・mH2 O+XHNO3z
2 O→M2+ (1-X)3+ X(OH)2 (NO3 X (m+n)
2 O (ただし、z=1+n−x/2) 一般式(4)で示される化合物は、一般式(1)で示さ
れるハイドロタルサイト類化合物と比較して、より大き
なアニオン交換容量を有することが知られている。ま
た、OH、An-、H2 Oの脱離が可逆であるために、一
般式(4)で示される化合物の性質は、一般式(1)で
示されるハイドロタルサイト類化合物と似ている。
【0065】一般式(4)において、Alのモル分率:
Xは、0<X≦0.5であるが、硝酸イオンの吸着能力
(アニオン交換容量)は、Xが大きくなるほど向上する
ことが知られている。このため、色ずれ悪化の防止効果
の観点からは0.2≦Xが好ましく、特に0.25≦X
が好ましい。Xは0.5以下であればよいが、結晶構造
としては0<X≦1/3(0.33)の範囲がより安定
である。これは、M3+がM2+を置換した格子点相互のプ
ラス電荷による反発が強くなるためと推定されている。
【0066】一般式(4)で示される化合物は、NOX
ガス(窒素酸化物)の吸着作用を有しているとも言われ
ている。一般式(4)で示される化合物が色ずれ悪化の
防止に極めて効果的であるのは、アニオン交換による硝
酸イオンの不活性化に加えて、NOX ガスを吸着するこ
とで、硝酸イオンの発生量そのものを抑えているという
相乗効果を有しているためと考えられる。
【0067】一般式(4)において、M2+は任意の2価
の金属イオン(例えばMg2+,Ca 2+,Sr2+,B
2+,Zn2+,Ni2+,Cd2+,Sn2+,Pb2+,Fe
2+,Cu 2+など。もちろんこれに限定されるわけではな
い。)であり、M3+は任意の3価の金属イオン(例えば
Al3+,Fe3+,Co3+,Bi3+,In3+,Sb3+,B
3+,Ti3+など。もちろんこれに限定されるわけではな
い。)である。M2+およびM3+は、それぞれ2種類以上
であってもよく、それ以外に1価や4価以上のカチオン
を含有してもよい。
【0068】これらのカチオンの中で、工業的に安価に
入手できること、毒性などの問題がないことから、M2+
としてはMg2+が、M3+としてはAl3+が最も好まし
い。
【0069】すなわち、一般式(4)で示される化合物
の中で、最も好ましい例は下記一般式(5)で示される
化合物である。
【0070】一般式(5): Mg(1-X) AlX (1+X/2) ・mH2 O (ただし、0<X≦0.5、m≧0) 一般式(5)で示される化合物の具体例としては、以下
のような化合物が挙げられる。 1.Mg0.68Al0.321.16 2.Mg0.8 Al0.2 1.1 3.Mg0.75Al0.251.125 4.Mg0.83Al0.171.085 なお、厳密には一般式(5)の化合物(および上記具体
例の化合物)において、Mg2+、Al3+以外のカチオン
(例えばLi+ ,Na+ ,K+ ,Ag+ ,Cu + ,Ca
2+,Sr2+,Ba2+,Zn2+,Ni2+,Cd2+,S
2+,Pb2+,Fe 2+,Cu2+,Fe3+,Co3+,Bi
3+,In3+,Sb3+,B3+,Ti3+など。もちろんこれ
に限定されるわけではない。)や、CO3 2-以外のアニ
オンが少量混入している場合があるが、これによって色
ずれ悪化の防止効果が損なわれることはない。従って、
本発明においては少量の不純物(具体的には不純物のモ
ル分率の合計が0.1以下)が含まれていても、一般式
(5)(および上記具体例の化合物)の定義に含まれる
ものとする。もちろん、不純物のモル分率の合計が0.
1より多くても、色ずれ悪化の防止効果が大きく損なわ
れるわけではなく、一般式(4)の定義に従う化合物と
して、十分使用可能である。
【0071】本明細書においては、硝酸イオン吸着物
質、層状構造を有する化合物および一般式(1)〜
(5)で示される化合物を総称して、吸着剤と呼ぶこと
にする。
【0072】本発明の転写搬送ベルトは、その表面に吸
着剤が存在していればよく、存在状態や存在させるため
の手段は問わない。存在状態としては、例えば図2に示
すように転写搬送ベルトの表面に吸着剤が付着していて
もよいし、図3のように吸着剤の一部が、転写搬送ベル
トの表面に埋設されていてもよい。ただし、図3のよう
に埋設する場合には、表面に露出している(空気と触れ
ている)吸着剤の量が少なくならないようにすべきであ
る。具体的には、全吸着剤量の20%以上を表面に露出
させることが望ましい。
【0073】転写搬送ベルトの表面に吸着剤を存在させ
る手段の一つとして、転写搬送ベルトの製造時に吸着剤
を塗布することが考えられる。
【0074】転写搬送ベルトの表面における吸着剤の好
ましい存在量は、ベルト1本あたり0.1mg〜2g、
より好ましい存在量は1mg〜500mgである。
【0075】吸着剤は、粉体または粉体を固めたもので
あることが好ましい。なぜならば、吸着剤が粉体(特に
多孔質)であると、吸着剤と硝酸イオンとの接触面積が
増加するため、硝酸イオンを吸着する速度が向上し、よ
り少量の吸着剤で色ずれ悪化の防止効果が得られるとい
う利点を有するからである。
【0076】本発明者らの検討によれば、吸着剤の平均
粒径および比表面積は、下記の範囲にあることが望まし
いことが分かった。
【0077】まず、吸着剤の平均粒径(重量平均)は
0.005〜500μmが好ましい。0.005μm未
満であると、色ずれ悪化の防止効果に変化はないが、超
微粒子のため、空気中に舞いやすく、吸着剤の取り扱い
が困難になる。一方、500μmより大きいと転写搬送
ベルトの表面が凹凸になり、記録用紙と転写搬送ベルト
との間に大きな空隙がてきてしまうために、記録用紙の
吸着力が低下して色ずれが悪化しやすい。平均粒径のよ
り好ましい範囲は0.05〜100μm、更に好ましい
範囲は0.1〜10μmである。
【0078】次に、吸着剤の比表面積は1(m2 /g)
以上であることが好ましい。比表面積が1(m2 /g)
未満であると、色ずれ悪化の防止効果が小さかった。こ
れは、比表面積が小さいために、硝酸イオンの吸着能力
が小さくなり、その結果色ずれ悪化の防止効果が小さく
なったものと考えられる。より好ましい比表面積の範囲
は2(m2 /g)以上、更に好ましい範囲は8〜500
(m2 /g)である。
【0079】なお、本発明における比表面積とは、20
0(mg)のサンプルを105℃で15分間加熱および
脱気処理し、全自動表面積測定装置マルチソーブ12
(湯浅アイオニクス社製)を用い、窒素ガスを使用して
BET法により求めた比表面積の値を言う。
【0080】本発明の転写搬送ベルトは、耐久による色
ずれの悪化がないので、どのような画像形成装置に使用
しても良好な結果が得られるが、特に記録用紙を水平方
向でない方向に搬送する画像形成装置において使用する
と、耐久による色ずれ悪化の防止効果が顕著に得られ
る。一般に、記録用紙を水平方向でない方向に搬送する
画像形成装置は、記録用紙を水平方向に搬送する画像形
成装置と比較して、装置の設置面積を小さくできる利点
がある。しかし、記録用紙の搬送過程で、記録用紙に重
力が作用する(記録用紙が重力によって引っ張られる)
ため、従来技術による画像形成装置においては、特に記
録用紙の吸着力が低下する耐久後半において、色ずれが
悪化しやすいという問題があった。しかしながら、本発
明の転写搬送ベルトを用いた画像形成装置においては、
耐久によって記録用紙の吸着力が低下しないので、記録
用紙を水平方向でない方向に搬送する画像形成装置に組
み込んで使用しても、長期間に渡って色ずれのない画像
を得ることができる。なお、記録用紙の搬送方向は、記
録用紙と転写搬送ベルトとの吸着開始点(A点)と、記
録用紙と転写搬送ベルトとの分離開始点(吸着終了点、
B点)とを結ぶ線分ABの方向を指すものとする。そし
て、記録用紙を水平方向でない方向に搬送するとは、線
分ABと水平線(重力に垂直な線)とのなす角が5°以
上、好ましくは45°以上である状態を指す。
【0081】本発明の画像形成装置において、像担持体
とは、感光体および中間転写体を指す。従って、図4に
示すごとく、像担持体(正確には第2の像担持体)とし
て中間転写体を用いた画像形成装置に、本発明の転写搬
送ベルトを適用すると、中間転写体からの記録用紙の分
離不良(転写搬送ベルトへの記録用紙の吸着力不足によ
って起こる)に基づくジャムの発生を抑制できる。
【0082】ところで、転写搬送ベルト上に付着したト
ナーをクリーニングする方法の一つとしては、先に述べ
たように、転写搬送ベルト上のトナーを感光体と逆極性
に帯電させることで、ベルト上のトナーを感光体に転写
してクリーニングする、いわゆる静電クリーニング方式
がある。
【0083】静電クリーニング方式は、クリーニングさ
れたトナーを回収するための専用ボックスを必要とせ
ず、感光体のクリーニング装置13内に回収できるの
で、装置の小型化やコストダウンに向いている。しかし
ながら、静電クリーニング方式は、ベルト上トナーの帯
電部材あるいは転写ローラに直流電圧、あるいは直流電
圧に交流電圧を重畳した電圧を印加するために、ベルト
上トナーの帯電部材と転写搬送ベルトとの間で放電が発
生する。放電が発生すれば、オゾンが発生して、硝酸が
生成する。特に、クリーニング性能の向上を目的とし
て、ベルト上トナーの帯電部材あるいは転写ローラに直
流電圧に交流電圧を重畳した電圧を印加した場合には、
より多量の放電が発生して、より多量の硝酸が生成する
ことになる。そのため、転送搬送ベルトのクリーニング
方式として静電クリーニング方式を用いた場合には、ブ
レードクリーニング方式など他のクリーニング方式を用
いた場合と比較して、耐久による色ずれの悪化が加速さ
れるという問題があった。
【0084】しかしながら、本発明の転写搬送ベルト
は、表面に吸着剤が付着しているので、静電クリーニン
グ方式を用いた画像形成装置に組み込んで使用しても、
耐久によって転写搬送ベルトの抵抗値が低下することを
防ぐことができて、耐久による色ずれ悪化を防止するこ
とができる。従って、本発明の転写搬送ベルトを、転写
搬送ベルトに併設されたベルト上トナーの帯電部材を用
いてベルト上のトナーを帯電させることにより、該トナ
ーを感光体に転写する画像形成装置、いわゆる静電クリ
ーニング方式の画像形成装置に用いると、本発明の転写
搬送ベルトの利点を最大限に生かすことができる画像形
成装置とすることができる。
【0085】本発明の転写搬送ベルトを製造する場合、
1層あるいは2層以上の樹脂からなる転写搬送ベルトと
することができる。また、ゴム層の上に樹脂層を設けた
構造とすることもできる。
【0086】コストの観点からは、転写搬送ベルトを樹
脂で作ることが好ましい。具体的には、熱可塑性樹脂と
任意の添加剤(導電剤、酸化防止剤、光安定剤、加水分
解防止剤、難燃剤など)とを溶融混練したものを環状ダ
イスから押出すことによって、継ぎ目のない樹脂チュー
ブを連続的に生産し、これを任意の長さに切断して転写
搬送ベルトを製造するとよい。もちろん、遠心成形やデ
ィッピングによって熱硬化性樹脂でベルトを製造しても
よい。
【0087】転写搬送ベルトをゴムで製造する場合、ゴ
ム層は、耐久性を向上させるために繊維で補強すること
が好ましく、図5のように縦横の糸からなる織布でゴム
層を補強したり、図6のように、螺旋状に糸を設けるこ
とでゴム層を補強することができる。より製造が容易で
あるのは図6のように螺旋状に糸を設けてゴム層を補強
した転写搬送ベルトである。繊維の材質は、強度、コス
トの観点から、綿、ポリエステル繊維が好ましい。ただ
し、もちろんこれに限定されるものではない。糸は1本
のフィラメントであっても、複数のフィラメントを撚っ
たものであってもよく、混紡してもよい。同じく織布
は、例えばメリヤス織り等どのような織り方の織布でも
使用可能であり、もちろん交織した織布も使用可能であ
る。
【0088】ゴムの厚さは0.5mm〜2mmが好まし
く、より好ましくは0.5〜1mmである。ゴムベルト
を0.5mm未満に薄く作ることは困難であり、2mm
より厚くすると、転写搬送ベルトの円滑な駆動が困難に
なる。更に、ゴム層の硬度を85°以下とすると、中抜
け画像が発生しにくくなって、より好ましい。ただし、
硬度はJIS−K6301に記載のA型硬度に従うもの
とする。
【0089】本発明の転写搬送ベルトは、その材質に関
係なく、転写搬送ベルトの周方向の引っ張り弾性率が5
0(MPa)以上、好ましくは200(MPa)以上、
より好ましくは1(GPa)以上であると、転写搬送ベ
ルトの回転中に生ずる伸び(引っ張り側で伸びる)が減
少するので、色ずれがより低減されて好ましい。
【0090】本発明の転写搬送ベルトを製造するにあた
って、ゴム、エラストマー、樹脂などを用いることがで
きる。
【0091】例えばゴム、エラストマーとしては、イソ
プレンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ブタジエンゴ
ム、ブチルゴム、エチレン−プロピレンゴム、エチレン
−プロピレンターポリマー、クロロプレンゴム、クロロ
スルホン化ポリエチレン、塩素化ポリエチレン、アクリ
ロニトリルブタジエンゴム、ウレタンゴム、シンジオク
タチック1,2−ポリブタジエン、エピクロロヒドリン
ゴム、アクリルゴム、シリコーンゴム、水素化ニトリル
ゴム、熱可塑性エラストマー(例えばポリスチレン系、
ポリオレフィン系、ポリ塩化ビニル系、ポリウレタン
系、ポリアミド系、ポリエステル系)等が使用できる。
ただし、上記材料に限定されるものではない。
【0092】また、樹脂としては、酢酸ビニル、ポリエ
ステル、ポリアリレート、ポリサルホン、ポリエーテル
サルホン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレン
テレフタレート、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポ
リプロピレン、ポリブタジエン、ポリ塩化ビニリデン、
アイオノマー樹脂、ポリウレタン、シリコーン樹脂、フ
ッ素樹脂、ポリアミド、芳香族ポリアミド、変性ポリフ
ェニレンオキサイド、ポリスチレン等を用いることがで
きる。ただし、上記材料に限定されるものではない。
【0093】ただし、本発明の転写搬送ベルトにおいて
は、少なくとも表面層の主成分が樹脂であることが好ま
しい。なぜならば、表面層の主成分がゴムやエラストマ
ーであると、転写搬送ベルト表面の粘着性が大きくなっ
て、ベルト上に一旦トナーが付着すると、これを除去す
ることが容易でないからである。ベルト上に付着したト
ナーは記録用紙の裏側に付着して裏汚れを起きしたり、
ひどい場合には転写搬送ベルトの厚み方向の抵抗値が大
きくなりすぎて、転写電流が流れにくくなり、転写効率
の低下、すなわち画像品位の低下を招きやすい。
【0094】本発明の転写搬送ベルトには、導電剤を添
加することができる。導電剤はどのようなものを用いて
もよいが、例えば、カーボン、アルミニウムやニッケル
等の金属粉末、酸化チタンなどの金属酸化物、4級アン
モニウム塩含有ポリメタクリル酸メチル、ポリビニルア
ニリン、ポリビニルピロール、ポリジアセチレン、ポリ
エチレンイミン、含硼素高分子化合物およびポリピロー
ル等の導電性高分子化合物等が挙げられる。ただし、上
記導電剤に限定されるものではない。
【0095】本発明の転写搬送ベルトは、単一の層であ
っても複数の層からなっていてもよい。また、転写搬送
ベルトの抵抗値に限定はないが、例えば体積抵抗率で1
5〜1014Ωcm、表面抵抗率で106 〜1016Ω/
□程度である。
【0096】なお、体積抵抗率および表面抵抗率は以下
のようにして測定するものとする。
【0097】<測定機> 抵抗計;超高抵抗計R8340A(アドバンテスト社
製) 試料箱;超高抵抗測定用資料箱TR42(アドバンテス
ト社製)ただし、主電極は直径22mm、ガード・リン
グ電極は内径41mm、外径49mmとする。
【0098】<サンプル>転写搬送ベルトを直径56m
mの円形に切断する。切断後、片面はその全面をPt−
Pd蒸着膜により電極を設け、もう一方の面はPt−P
d蒸着膜により直径25mmの主電極と内径38mm、
外径50mmのガード・リング電極を設ける。Pt−P
d蒸着膜は、マイルドスパッタE1030(日立製作所
製)で蒸着操作を2分間行うことにより得られる。蒸着
操作を終了したものを測定サンプルとする。
【0099】<測定条件> 測定雰囲気;23℃/50〜60%。なお、測定サンプ
ルは予め23℃/50〜60%の雰囲気に12時間以上
放置しておく。
【0100】測定モード;プログラムモード5(ディス
チャージ10秒、チャージおよびメジャー30秒。) 印加電圧;100(V) 次に、転写搬送ベルトの表面に、硝酸イオン吸着物質を
塗布する塗布部材を有する本発明の画像形成装置につい
て述べる。本発明者らは、前記の一般式(1)〜(5)
で表される化合物を用いることにより、耐久による色ず
れの悪化のない転写搬送ベルトおよびこれを用いた画像
形成装置を得ることに成功したが、転写搬送ベルトの近
傍に吸着剤の塗布部材を設け、画像形成動作中の適当な
タイミングで吸着剤を転写搬送ベルトの表面に塗布す
る、つまり塗布部材によって転写搬送ベルトの表面に吸
着剤を連続的あるいは断続的に供給(塗布)すると、色
ずれ悪化の防止効果がより長期間に渡って得られること
を見出した。
【0101】転写搬送ベルトに吸着剤を塗布する際、少
なくとも記録用紙の幅以上に渡って均一に塗布すること
が好ましい。塗布量が不均一であると、転写搬送ベルト
の抵抗低下防止効果が部分的にしか得られなくなり、記
録用紙全体に渡って色ずれ悪化を防止することができな
くなる場合がある。また、転写効率のムラが生じて画像
濃度ムラとなったり、吸着剤の塊が転写搬送ベルトと記
録用紙との間に隙間を作って、記録用紙の吸着力が弱ま
って色ずれが悪化する場合がある。本発明者らの検討に
よれば、均一に塗布するためには、吸着剤の塗布部材は
ブラシ、ローラ、ブレード、ウエッブのいずれかを有し
ていることが好ましい。ブラシを有する塗布部材の例を
図7に示す。図7では、塗布ブラシ71はローラ形状で
描かれているが、バー形状やベルト形状にしてもよい。
塗布ブラシに用いる毛の長さは0.5〜20mm、特に
2〜5mmが好ましい。毛の長さが0.5mm未満であ
るとブラシの製造が困難になり、20mmより長いと塗
布装置70が大型化してしまう。ブラシに用いる毛の太
さは1〜200デニール、特に3〜50デニールが好ま
しい。1デニール未満であるとブラシの腰が弱くなって
均一な塗布が難しくなり、200デニールより太いと毛
が剛直になって吸着剤塗布時に転写搬送ベルトの表面を
傷つけやすくなる。毛の密度は500本/cm2 〜10
万本/cm2、特に1000本/cm2 〜5万本/cm
2 が好ましい。500本/cm2 未満であると、毛と毛
の間隔が広くなって吸着剤が毛の間を擦り抜けやすくな
って均一な塗布が難しくなり、10万本/cm2 より高
密度のブラシを安価に製造することは困難である。毛の
材質は、レーヨン、アクリル、ナイロン、ポリエステ
ル、ポリエチレン、ポリプロピレン等が好ましいが、上
記以外の材質でも使用可能である。また、任意の導電剤
(例えばカーボンブラック、グラファイト、金属粉な
ど)を用いることで、毛の電気抵抗値を任意の値にする
こともできる。
【0102】図8にローラを有する塗布部材の例を示
す。塗布ローラ81の表面は平滑であってもよいが、吸
着剤の搬送能力(塗布能力)を向上させるためには、表
面にある程度の凹凸が存在する方が好ましい。上記凹凸
を簡便に実現するには、塗布ローラ81をフェルトやス
ポンジで構成することが好ましい。スポンジの材質に限
定はないが、製造のしやすさ、圧縮永久ひずみの小ささ
からウレタンが好ましい。なお、長手方向(転写搬送ベ
ルトの幅方向)における塗布の均一性を向上させるため
に、塗布ローラ81の太さを長手方向(軸方向)で変化
させる(いわゆるクラウン形状や逆クラウン形状にす
る)ことも可能である。更に、図14に示すように、芯
金91に幅1〜20mm、厚さ1〜10mm程度のスポ
ンジ92を螺旋状に巻き付けて(10°≦θ≦80°)
螺旋状塗布ローラ90を構成してもよい。この場合、芯
金91を適当な速度で回転させることで、転写搬送ベル
トの表面移動方向に対して直角方向成分の摺擦力を、ス
ポンジ92と転写搬送ベルトの表面との間に発生させる
ことができる。このため、吸着剤の塗布がより均一にな
るとともに、転写搬送ベルトの表面に吸着剤を確実に付
着させることができる。もちろん、スポンジ92は必ず
しもスポンジである必要はなく、例えばフェルトやブラ
シでもよい。
【0103】図10にブレードを有する塗布部材の例を
示す。もちろん、吸着剤25を撹拌して塗布をより均一
にするために、不図示の撹拌機構を内蔵させることも可
能である。塗布ブレード101の材質に限定はないが、
耐摩耗性の観点からウレタンが好ましい。
【0104】図11にウエッブを有する塗布部材の例を
示す。ウエッブ111は織布であっても不織布であって
もよく、材質は特に限定されない。ウエッブ111の送
り速度は画像出力1枚あたり1μm〜1mm程度が好ま
しい。1μm未満であると吸着剤の供給能力が低下して
色ずれ悪化の防止効果が小さくなり、1mm以上である
とウエッブ111の長さが非常に長くなって塗布部材が
大型化してしまう。なお、ウエッブ111は揺動させて
もよい。また、図11ではウエッブ111の供給ローラ
112の横に吸着剤25を配置したが、予め吸着剤25
をまぶした(あるいは含浸させた)ウエッブ111を巻
き取って、供給ローラ112にセットしておいてもよ
い。
【0105】吸着剤25が粉体である場合、粉体のまま
使用してもよいが、圧力をかけて固め、これを少しずつ
削り取りながら使用すると、粉体に起因する取り扱いに
くさ(輸送中や画像形成装置の中でのこぼれやすさ)を
解消することができて好ましい。なお、粉体の固めかた
は圧力に限られるものではなく、例えば吸着剤をステア
リン酸亜鉛やオレイン酸亜鉛等の任意のバインダー成分
と溶融混合した後に冷却して、吸着剤を固めることもで
きる。
【0106】また、塗布部材を着脱可能なユニットとす
ることで、塗布部材が劣化あるいは消耗した場合や、塗
布すべき吸着剤がなくなった場合に、塗布部材(ユニッ
ト)を容易に交換することができる。
【0107】更に、塗布部材による転写搬送ベルトへの
吸着剤の塗布は必ずしも機械的に行われる必要はなく、
塗布部材および/または転写搬送ベルトに適当な電圧を
印加し、静電気力によって吸着剤を転写搬送ベルトへ塗
布(転写)させることもできる。
【0108】塗布部材と転写搬送ベルトは接離可能な構
成とするとよい。接離可能とする場合、少なくとも記録
用紙へのトナー像の現像工程あるいは転写工程中には塗
布部材と転写搬送ベルトとの当接あるいは離間動作を行
わない方が、当接ショックによる色ずれを防止すること
ができて好ましい。また、転写搬送ベルトの駆動の負荷
変動が減るので、駆動トルクの低減にも寄与して好まし
い。吸着剤の塗布のタイミングは任意でよい。例えば画
像形成層装置の本体電源(主電源)をOFFにした状態
では塗布部材と転写搬送ベルトとを離しておき、本体電
源がONされて初期動作(例えば転写搬送ベルトに直接
トナーを転写してその濃度を読み取り、その値をフィー
ドバックすることにより画像濃度を制御するための、濃
度検知動作を含む立ち上げ動作)終了後に塗布部材を当
接させ、その後は次の濃度検知動作が入るまで離間しな
いようにする方法が挙げられる。また、例えば画像を1
〜1000枚出力する毎に塗布部材を転写搬送ベルトに
当接し、吸着剤を塗布し、再び離間させることで断続的
に吸着剤を転写搬送ベルトに塗布することもできる。そ
の他、任意のタイミングで塗布することができる。
【0109】また、塗布部材から転写搬送ベルトへの吸
着剤の塗布は、1段階である必要はない。つまり、まず
塗布部材から転写搬送ベルト以外の部材に吸着剤を塗布
し(第1段目の塗布)、その部材から転写搬送ベルトに
吸着剤を塗布してもよい(第2段目の塗布)。
【0110】また、硝酸イオン吸着物質を塗布した塗布
部材を有する本発明の画像形成装置において、予め(例
えば製造時に)吸着剤を塗布した転写搬送ベルトを用い
ると、色ずれ悪化の防止効果が一層大きくなって好まし
い。
【0111】本発明において、吸着剤の塗布量は、画像
出力1000枚あたり0.1mg〜100gが好ましい
範囲である。より好ましい範囲は1mg〜10gであ
る。塗布量が0.1mgよりも少ないと、色ずれ悪化の
防止効果が小さくなり、100gより多くの吸着剤を均
一に塗布することは困難である。なお、画像出力100
0枚あたりの吸着剤の塗布量とは、画像出力1000枚
あたりに消費(減少)する吸着剤の重量を指す。従っ
て、転写搬送ベルトに対して吸着剤を間接的に塗布する
場合でも、画像出力1000枚あたりに消費(減少)す
る吸着剤の重量を、転写搬送ベルトへの吸着剤の塗布量
とみなす。
【0112】本発明の転写搬送ベルトおよび画像形成装
置において、吸着剤と共にその他の物質を併用すること
もできる。例えば、酸化防止剤(フェノール系、燐系、
アミン系、硫黄系)を吸着剤と併用すると、色ずれ悪化
の防止効果が一層向上して好ましい。これは、酸化防止
剤がオゾンと反応することで、NOX や硝酸の生成量が
低減され、吸着剤との相乗効果を発揮しているものと考
えられる。
【0113】以上説明してきたように、本発明は、像担
持体上のトナー像を記録用紙に転写し、かつ該記録用紙
を搬送する転写搬送ベルトにおいて、該転写搬送ベルト
の表面に吸着剤が存在することを特徴とする転写搬送ベ
ルトである。
【0114】また、本発明は、像担持体上のトナー像を
記録用紙に転写し、かつ該記録用紙を搬送する転写搬送
ベルトを用いた画像形成装置において、該転写搬送ベル
トの表面に、吸着剤を塗布する塗布部材を有することを
特徴とする画像形成装置である。
【0115】つまり本発明は、耐久によって生成し、転
写搬送ベルトの表面に付着する硝酸イオンを、吸着剤に
よって不活性化する(イオンの吸着あるいはイオン交換
によって、硝酸イオンの動きを抑え、硝酸イオンによる
電気伝導の増大、つまり電気抵抗の低下を抑える)こと
を本発明の基本思想としている。従って、繰り返し使用
しても色ずれが悪化しないという特徴をもつ。
【0116】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳細に説明
する。
【0117】(実施例1)ポリアリレート樹脂とカーボ
ンブラックとを溶融混練し、インフレーション成形によ
り、厚さ150(μm)、表面抵抗率1×1013(Ω/
□)の継ぎ目のない樹脂チューブを得、これを所定の幅
に切断した後に端部補強テープとリブを取り付けて樹脂
ベルトを得た。次に、下記組成式を有するハイドロタル
サイト類化合物を前記樹脂ベルトの表面に静電塗装によ
り付着させ、本実施例の転写搬送ベルトとした。なお、
得られたベルトの周方向のヤング率は1.9(GP
a)、吸着剤の存在状態は図2のようであった。
【0118】ハイドロタルサイトの組成: Mg0.68Al0.32(OH)2 (CO3 0.16・0.5H
2 O ステアリン酸で表面処理したハイドロタルサイトの窒素
量を前記手順に従って測定したところ、13.1(mg
/l)であった。これは、ステアリン酸処理(疎水化処
理)によって、硝酸との濡れ性が低下したために、硝酸
イオンの吸着速度が低下して、測定値が大きくなったも
のと考えられる。そこで、ステアリン酸処理前のハイド
ロタルサイトについて、窒素量を測定したところ、3.
72(mg/l)であった。よって、ステアリン酸処理
後のハイドロタルサイトは、本発明の硝酸イオン吸着物
質でもある。なお、本発明に用いたハイドロタルサイト
の比表面積は10(m2 /g)であった。
【0119】得られた転写搬送ベルトを、図1に示され
るフルカラー電子写真装置(転写搬送ベルトのクリーニ
ングは静電クリーニング方式、記録用紙の搬送方向は水
平方向)に装着して、耐久による色ずれの変化を見た。
【0120】なお、色ずれはマゼンタ色とシアン色の横
線を一直線上に並べて出力した時の、横線のずれ量(2
本の線の縦方向の距離)で判断した。
【0121】結果を表1に示す。
【0122】なお、作像条件を以下に示す。
【0123】試験環境;30℃/80% 感光体;OPC感光ドラム(4本共に) 吸着ローラへのバイアス;+1.5kV(DC) コロナ除電器へのバイアス;1kHz、5kVpp(A
C) ベルト上トナーの帯電部材へのバイアス=+100
(V)のDC電圧に、2(kHz)、3(kVpp)の
AC電圧(sin波)を重畳 記録用紙;200(g/m2 )紙(A4サイズ) (実施例2)実施例1におけるハイドロタルサイトにお
いて、ステアリン酸による表面処理をしていないものを
吸着剤として用いた以外は、実施例1と同様にして転写
搬送ベルトを製造し、実施例1と同様に評価を行った。
吸着剤の付着量および付着状態は実施例1と同様であっ
た。結果を表1に示す。
【0124】(実施例3)吸着剤として以下の組成式を
有するハイドロタルサイトを用いた以外は、実施例1と
同様にして転写搬送ベルトを製造し、実施例1と同様に
評価を行った。結果を表1に示す。
【0125】ハイドロタルサイトの組成: Mg0.8 Al0.2 (OH)2 (CO3 0.1 ・0.61
2 O なお、吸着剤(ハイドロタルサイト)の吸着量は10m
g、窒素量は7.00(mg/l)、比表面積は14
(m2 /g)であった。
【0126】(実施例4)静電塗装工程の前までは実施
例1と同様にして転写搬送ベルトを製造し、実施例1で
用いたハイドロタルサイト(ステアリン酸処理品)の粉
末をまぶしたスポンジローラを回転させ、回転する前記
転写搬送ベルトに押し当てながら摺動させることによ
り、該ハイドロタルサイトの粉末を転写搬送ベルトの表
面に付着させて、本実施例の転写搬送ベルトを製造し
た。付着工程前後の重量変化から求められた吸着剤(ハ
イドロタルサイト)の付着量は40mg、転写搬送ベル
トに対するハイドロタルサイトの付着状態は、図3のよ
うであった。
【0127】得られた転写搬送ベルトを、実施例1と同
様に評価した。結果を表1に示す。
【0128】(実施例5)NBRの生ゴムとカーボンブ
ラックとを混練し、加硫および研磨することにより、厚
さ0.5mmのゴムベルトを得た。なお、該ゴムベルト
は図6のように螺旋状の糸で補強した。その上に、ポリ
ウレタンの塗料をスプレー塗布して130℃で1時間乾
燥させることにより、厚さ10μmの被覆層(コーティ
ング層)を有する転写搬送ベルトを得た。この転写搬送
ベルトの上に下記組成式を有する粉末(平均粒径=0.
7μm)を静電塗装により吹き付け、表面に吸着剤が存
在する転写搬送ベルトを製造した。得られた転写搬送ベ
ルトの周方向のヤング率は200(MPa)であった。
【0129】組成式:Mg0.68Al0.321.16 上記化合物の窒素量は3.12(mg/l)、比表面積
は155(m2 /g)であった。転写搬送ベルトに対す
る上記化合物の付着状態は図2のようであり、付着量
(転写搬送ベルトの表面における吸着剤の存在量)は、
10mgであった。
【0130】次に、上記転写搬送ベルトを図4に示す画
像形成装置に組み込んで耐久試験を行い、色ずれの変化
を見た。
【0131】なお、図4において、中間転写体20は、
アルミニウムシリンダー上に、厚さ5mmのヒドリンゴ
ム層と20μmの被覆層(コーティング層)を有する中
間転写ドラムであり、記録用紙の搬送方向は水平方向に
対して5°の角度を有する。
【0132】図4に示す装置の作像条件を以下に示す。
【0133】試験環境;30℃/80% 感光体;OPC感光ドラム 1色目一次転写バイアス=+100V 2色目一次転写バイアス=+200V 3色目一次転写バイアス=+300V 4色目一次転写バイアス=+500V 2次転写電流=20μA(定電流制御) コロナ除電器へのバイアス;1kHz、5kVpp(A
C) 記録用紙;40(g/m2 )紙(Aサイズ) (実施例6〜9)吸着剤の種類を表2のように変えた以
外は、実施例1と同様にして転写搬送ベルトを試作し、
評価を行った。実施例6〜9において、吸着剤の付着量
および付着状態は、実施例1と同様であった。評価結果
を表1に示す。
【0134】
【表1】 ※実施例8で用いたアニオン交換樹脂は、基体がジビニ
ルベンゼンで架橋したポリエチレンであり、末端にトリ
エタノールアミン基を有するアニオン交換樹脂である。
【0135】(実施例10〜15)吸着剤の付着量を表
3のように変えた以外は、実施例1と同様にして転写搬
送ベルトを試作し、評価を行った。実施例10〜15に
おいて、吸着剤の付着量および付着状態は、実施例1と
同様であった。実施例10では存在量(付着量)が少な
かったため、色ずれ防止効果が小さかった。また、実施
例15では存在量が多すぎて、吸着剤を転写搬送ベルト
の表面に均一に存在させることが難しく、転写搬送ベル
トの表面上で吸着剤の塊ができてしまった。このため、
転写搬送ベルトと記録用紙との間に隙間ができて、記録
用紙の吸着力が弱くなって初期の色ずれが若干悪かっ
た。この現象は、実施例14では全く発生しなかった。
結果を表1に示す。
【0136】
【表2】 (実施例16)ポリアリレート樹脂に対するカーボンブ
ラックの添加量を減らした以外は、実施例1と同様にし
て厚さ120μm、表面抵抗率5×1014(Ω/□)の
転写搬送ベルトを得た。なお、得られたベルトの周方向
のヤング率は2.0(GPa)であった。使用した吸着
剤の種類および付着量は実施例1と同様である。
【0137】得られた転写搬送ベルトを図12に示され
る画像形成装置に組み込んで耐久試験を行った。なお、
図12において、記録用紙の搬送方向は水平方向に対し
て45°の角度を有し、作像条件は実施例1と同様であ
る。評価結果を表1に示す。
【0138】(実施例17)実施例16で得られた転写
搬送ベルトを、図13に示される画像形成装置に組み込
んで耐久試験を行った。なお、図13において、記録用
紙の搬送方向は水平方向に対して90°の角度を有し、
作像条件は実施例1と同様である。評価結果を表1に示
す。
【0139】(比較例1)ハイドロタルサイトの付着工
程を省略した(つまり表面に吸着剤が存在しない)以外
は、実施例1と同様にして本比較例の転写搬送ベルトを
製造した。得られた転写搬送ベルトを、実施例1と同様
に評価した。結果を表1に示す。
【0140】(比較例2)吸着剤の付着工程を省略した
以外は、実施例5と同様にして本比較例の転写搬送ベル
トを製造した。
【0141】得られた転写搬送ベルトを、実施例5と同
様に評価した。結果を表1に示す。
【0142】(比較例3)吸着剤の付着工程を省略した
以外は実施例16と同様にして、本比較例の転写搬送ベ
ルトを製造し、図12の装置に組み込んで実施例16と
同様に評価を行った。結果を表1に示す。
【0143】(比較例4)吸着剤の付着工程を省略した
以外は実施例17と同様にして、本比較例の転写搬送ベ
ルトを製造し、図13の装置に組み込んで実施例17と
同様に評価を行った。結果を表1に示す。
【0144】
【表3】 (実施例18)ハイドロタルサイトの付着工程を省略し
た(つまり表面に吸着剤が存在しない)以外は実施例1
と同様にして得られた転写搬送ベルトを、図14に示さ
れるフルカラー電子写真装置に装着した。図14におい
て、吸着剤の塗布部材70は、ブラシを有する塗布部材
であり、塗布ブラシ71の毛の長さは2mm、毛の太さ
は6デニール、毛の密度は1.5万本/cm2 、毛の材
質はレーヨンである。
【0145】吸着剤25は、実施例1で用いたハイドロ
タルサイト類化合物(ステアリン酸による表面処理品、
平均粒径=0.55μm)とステアリン酸亜鉛とを重量
比で10:1になるように溶融混合した後に冷却してロ
ーラ形状に固めたものであり、塗布ブラシ71と当接し
ている。
【0146】吸着剤25は塗布ブラシ71の回転に伴っ
て徐々に削り取られ、削り取られた吸着剤25は塗布ブ
ラシ71によってベルト上トナーの帯電部材52に塗布
される。ベルト上トナーの帯電部材52は106 Ωのゴ
ムローラであり、通常は転写搬送ベルト20と離間して
いる。そして、本体電源を入れた後の立ち上げ動作時、
およびその後の画像出力100枚毎に転写搬送ベルト2
0に当接され、バイアス電源26から、+100(V)
の直流電圧に周波数2(kHz)、ピーク間電圧3(k
V)の正弦波交流電圧を重畳した電圧が印加される。こ
れによって、転写搬送ベルト20上のトナーはプラスに
帯電され、感光ドラム1に転写されてクリーニングされ
る(静電クリーニング)。
【0147】ベルト上トナーの帯電部材52が転写搬送
ベルト20に当接された時、ベルト上トナーの帯電部材
52の表面に付着していた吸着剤25の一部が転写搬送
ベルト20の表面に転写されることによって、吸着剤2
5は塗布ブラシ71からベルト上トナーの帯電部材52
を介して転写搬送ベルト20に塗布されることになる。
もちろん、ベルト上トナーの帯電部材52から転写搬送
ベルト20に塗布されなかった(すなわちベルト上トナ
ーの帯電部材52の表面に留まっている)吸着剤25
も、転写搬送ベルト20と接触している間に硝酸イオン
を吸着することで、飛散り悪化の防止に寄与していると
考えられる。なお、1万枚の耐久によって吸着剤25の
重量は10g減少した。つまり、画像出力1000枚あ
たりの吸着剤の塗布量は、1gであった。
【0148】その他の作像条件は実施例1と同様であ
る。
【0149】図14の装置を耐久して、実施例1と同様
にして色ずれの変化を見た。結果を表4に示す。本実施
例では転写搬送ベルトに吸着剤が断続的に供給(塗布)
されるので、色ずれ悪化の防止効果が実施例1より持続
した。
【0150】(実施例19)実施例18におけるハイド
ロタルサイトにおいて、ステアリン酸による表面処理を
していないものを吸着剤として用いた以外は、実施例1
8と同様にして転写搬送ベルトを製造し、評価を行っ
た。画像出力1000枚あたりの吸着剤の塗布量は実施
例18と同様であった。結果を表4に示す。
【0151】(実施例20)ハイドロタルサイトの付着
工程を省略した以外は実施例1と同様にして得られた転
写搬送ベルトを、図15に示されるフルカラー電子写真
装置に装着した。図15において、吸着剤の塗布部材は
ユニット化されており、塗布ローラ81は転写搬送ベル
ト20に対して離間可能である。また、該ユニットは画
像形成装置に容易に着脱できる。塗布ローラ81はJI
S−B0601によるRaが0.1〜1μm程度の表面
粗さを有する金属製スリーブであり、該ローラの両端部
には厚さ100〜800(μm)程度の樹脂製円筒状キ
ャップ(コロ)が被せてあり、該キャップが転写搬送ベ
ルト20と当接することで塗布ローラ81と転写搬送ベ
ルト20との間に所定のギャップが保たれる。なお、ロ
ーラ83は吸着剤25を塗布ローラ81に供給するため
のローラで、ウレタンスポンジからなっている。本実施
例で用いた吸着剤25はポジ性を有しているので、適当
なタイミングで塗布ローラ81に不図示のバイアス電源
から交流電圧に直流電圧(プラス極性)を重畳した電圧
を印加すると、吸着剤25がローラ81から転写搬送ベ
ルト20の表面に電気的に塗布(転写)される。なお、
塗布部材80は、濃度制御のために転写搬送ベルト上に
直接トナーを乗せている間以外は、転写搬送ベルト20
と当接しており、濃度制御動作時は離間している。
【0152】本実施例では、吸着剤25として実施例1
で用いたハイドロタルサイトを粉体のまま用いた。
【0153】実施例18と同様に耐久評価した結果を表
4に示す。なお、画像出力1000枚あたりの吸着剤の
塗布量は0.9gであった。その他の作像条件は実施例
18と同様である。
【0154】(実施例21)吸着剤の付着工程を省略し
た以外は実施例1と同様にして得られた転写搬送ベルト
を図16に示す画像形成装置に組み込んだ。
【0155】図16において、転写搬送ベルト20のク
リーニング装置16は、感光ドラムのクリーニング装置
13と類似の構造で、ウレタンブレードを有しており、
該ブレードが転写搬送ベルト上のトナーを掻き取ること
により転写搬送ベルトのクリーニングが行われる。吸着
剤の塗布部材は、塗布ブラシ71および塗布ブレード1
01を有する塗布部材であり、塗布ブラシ71は実施例
18で用いたものと同じである。塗布ブレード101の
材質はウレタンである。クリーニング装置16、塗布ブ
ラシ71および塗布ブレード101は、濃度制御のため
に転写搬送ベルト上に直接トナーを乗せている間以外
は、転写搬送ベルトと当接している。そして、クリーニ
ング装置16によりクリーニングされた転写搬送ベルト
20の表面に、塗布ブラシ71および塗布ブレード10
1によって吸着剤25が転写搬送ベルト20に塗布され
る。
【0156】なお、本実施例で用いた吸着剤25は実施
例3で用いたのと同一のハイドロタルサイト類化合物で
ある。なお、吸着剤は粉体のまま用いた。
【0157】実施例18と同様に耐久試験して、色ずれ
の程度を評価した。なお、画像出力1000枚あたりの
吸着剤の塗布量は1.2gであった。その他の作像条件
は実施例18と同様である。結果を表4に示す。
【0158】(実施例22)吸着剤の付着工程を省略し
た以外は実施例1と同様にして得られた転写搬送ベルト
を図17に示す画像形成装置に組み込んだ。
【0159】図17において、転写搬送ベルトのクリー
ニング装置16は、感光ドラムのクリーニング装置13
と類似の構造で、ウレタンブレードを有しており、該ブ
レードが転写搬送ベルト上のトナーを掻き取ることによ
り転写搬送ベルトのクリーニングが行われる。吸着剤の
塗布部材は、ウエッブ111を有する塗布部材であり、
ウエッブ111には予め吸着剤25をまぶしたものを供
給ローラ112に巻き取ってある。巻き取りローラ11
3の回転によって、ウエッブ111は少しずつ巻き取ら
れていく。ウエッブ111の巻き取り速度は画像出力1
枚あたり10μmとした。ウエッブ111はポリエステ
ルの不織布である。吸着剤25がまぶされたウエッブ1
11は、実施例21と同様、濃度制御動作時以外は当接
している。
【0160】なお、本実施例で用いた吸着剤25は実施
例18で用いたのと同一のハイドロタルサイト類化合物
である。なお、吸着剤は粉体のまま用いた。
【0161】実施例18と同様に耐久試験して、色ずれ
の程度を評価した。なお、ウエッブの巻き取り前後での
重量変化から求めた画像出力1000枚あたりの吸着剤
の塗布量は、1.2gであった。その他の作像条件は実
施例18と同様である。結果を表4に示す。
【0162】(実施例23)実施例1で得られた転写搬
送ベルト(つまり、予め表面に吸着剤が存在している中
間転写ベルト)を図14に示される画像形成装置に組み
込み、実施例18と同様にして評価を行った。画像出力
1000枚あたりの吸着剤の塗布量は1gであった。結
果を表4に示す。
【0163】本実施例では実施例18よりも長期間に渡
って飛散り悪化の防止効果が得られたが、これは予め塗
布されていた吸着剤25が存在する分だけ、より多量の
硝酸イオンを不活性化することができたためと考えられ
る。
【0164】(実施例24)吸着剤の付着工程を省略し
た以外は実施例5と同様にして得られた転写搬送ベルト
を、図18に示されるフルカラー電子写真装置(一次転
写同時クリーニング方式)に装着した。
【0165】図18において、吸着剤の塗布部材80
は、螺旋状塗布ローラ90を有する塗布部材であり、図
9に示すような構造である。スポンジ92は幅3mm、
高さ4mmで平均発泡径が150μm程度のウレタンス
ポンジであり、直径12mmの芯金91に対して螺旋状
(θ=45°)に接着されている。螺旋状塗布ローラ9
0の外径は16mmである。
【0166】本実施例では、吸着剤25として実施例5
と同一の化合物を用いた。
【0167】螺旋状塗布ローラ90は転写搬送ベルト2
0と常時当接している。なお、螺旋状塗布ローラ90の
回転数は200rpmとした。従って、螺旋状塗布ロー
ラ90の表面移動速度の周方向成分は、約168mm/
秒(=(4+12)×π×200/60)である。転写
搬送ベルトの表面移動速度は117mm/秒としたの
で、吸着剤25を塗布する際、スポンジ92と転写搬送
ベルト20の表面との間には、転写搬送ベルトの周方向
成分および軸方向成分の両方向に摺擦力が発生し、吸着
剤25をより均一に塗布することができた。その他の作
像条件は実施例5と同一である。なお、画像出力100
0枚あたりの吸着剤の塗布量は0.5gであった。
【0168】実施例5と同様に耐久試験を行い、色ずれ
の変化を見た。結果を表4に示す。
【0169】(実施例25)吸着剤を実施例6で用いた
化合物に変えた以外は、実施例18と同様にして評価を
行った。結果を表4に示す。
【0170】なお、画像出力1000枚あたりの吸着剤
の塗布量は1gであった。
【0171】(実施例26)吸着剤を実施例7で用いた
リチウムアルミネート類化合物に変更した以外は、実施
例18と同様にして評価を行った。結果を表4に示す。
【0172】なお、画像出力1000枚あたりの吸着剤
の塗布量は1gであった。
【0173】(実施例27)吸着剤を実施例8で用いた
アニオン交換樹脂に変更した以外は、実施例18と同様
にして評価を行った。結果を表4に示す。
【0174】なお、画像出力1000枚あたりの吸着剤
の塗布量は1gであった。
【0175】(実施例28)吸着剤を実施例9で用いた
アニオン交換樹脂に変更した以外は、実施例18と同様
にして評価を行った。結果を表4に示す。
【0176】なお、画像出力1000枚あたりの吸着剤
の塗布量は1gであった。
【0177】(実施例29)吸着剤(ハイドロタルサイ
ト)を塗布しなかった以外は実施例16と同様にして得
られた転写搬送ベルトを図19に示される画像形成装置
に組み込んだ。図19の装置は、図12の装置に吸着剤
の塗布部材を設けたものである。なお、図19において
吸着剤の塗布部材は実施例21で用いたものと同一のも
のを用いた。ただし、吸着剤25は実施例21と同一で
はなく、実施例9で用いたハイドロタルサイト類化合物
とした。
【0178】実施例16と同様に耐久して色ずれの評価
を行った。なお、画像出力1000枚あたりの吸着剤の
塗布量は1gであった。結果を表4に示す。
【0179】(実施例30)吸着剤(ハイドロタルサイ
ト)を塗布しなかった以外は実施例16と同様にして得
られた転写搬送ベルトを図20に示される画像形成装置
に組み込んだ。図20の装置は、図13の装置に吸着剤
の塗布部材を設けたものである。なお、図20において
吸着剤の塗布部材は実施例21で用いたものと同一のも
のを用いた。ただし、吸着剤25は実施例21と同一で
はなく、実施例9で用いたハイドロタルサイト類化合物
とした。
【0180】実施例17と同様に耐久して色ずれの評価
を行った。なお、画像出力1000枚あたりの吸着剤の
塗布量は1gであった。結果を表4に示す。
【0181】(実施例31〜36)画像出力1000枚
あたりの吸着剤の塗布量を表5のように変えた以外は、
実施例18と同様にして評価を行った。実施例31では
塗布量が少ないために色ずれ防止効果が小さかった。ま
た、実施例36では、転写搬送ベルトへの吸着剤の塗布
が不均一になってしまったため、吸着剤の塊が転写搬送
ベルト上にできてしまい、この塊が記録用紙と転写搬送
ベルトとの間に隙間を作ってしまったために、記録用紙
の吸着力が低下して、色ずれが若干悪くなった。なお、
この現象は実施例35でもごく僅かに発生したが、実施
例34では全く発生しなかった。評価結果を表4に示
す。
【0182】
【表4】
【0183】
【表5】
【0184】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明は、像
担持体上のトナー像を記録用紙に転写し、かつ該記録用
紙を搬送する転写搬送ベルトにおいて、該転写搬送ベル
トの表面に吸着剤が存在することを特徴とする転写搬送
ベルトである。
【0185】また、本発明は、像担持体上のトナー像を
記録用紙に転写し、かつ該記録用紙を搬送する転写搬送
ベルトを用いた画像形成装置において、該転写搬送ベル
トの表面に、吸着剤を塗布する塗布部材を有することを
特徴とする画像形成装置である。
【0186】吸着剤は、画像形成層装置の耐久中に生成
して転写搬送ベルトの表面に付着する硝酸を吸着する作
用を有するので、本発明においては耐久中に転写搬送ベ
ルトの抵抗が低下することを防止でき、その結果繰り返
し使用しても色ずれが悪化せず、記録用紙の吸着力低下
によるジャムの発生もないという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】転写搬送ベルトを用いたカラー画像出力装置の
概略図である。
【図2】吸着剤の付着の様子を例示する、本発明の転写
搬送ベルトの断面図である。
【図3】吸着剤の付着の別の様子を例示する、本発明の
転写搬送ベルトの断面図である。
【図4】中間転写ドラムおよび転写搬送ベルトを用いた
カラー画像出力装置の概略図である。
【図5】織布状の繊維で補強した転写搬送ベルトの一部
展開斜視図である。
【図6】糸状の繊維で補強した転写搬送ベルトの一部展
開斜視図である。
【図7】本発明のブラシを有する塗布部材の一例を示す
断面概略図である。
【図8】本発明のローラを有する塗布部材の一例を示す
断面概略図である。
【図9】本発明の螺旋状塗布部材の一部分の概略図であ
る。
【図10】本発明のブレードを有する塗布部材の一例を
示す断面概略図である。
【図11】本発明のウエッブを有する塗布部材の一例を
示す断面概略図である。
【図12】記録用紙の搬送方向が水平方向に対して45
°の角度を有する画像形成装置の概略図である。
【図13】記録用紙の搬送方向が水平方向に対して90
°の角度を有する画像形成装置の概略図である。
【図14】ベルト上トナーの帯電部材を介して転写搬送
ベルトに吸着剤を塗布する本発明の画像形成装置を示す
概略図である。
【図15】塗布部材および吸着剤がユニットに内蔵さ
れ、かつ該ユニットが画像形成装置本体に対して着脱可
能である、本発明の画像形成装置を示す概略図である。
【図16】吸着剤の塗布ブラシおよび塗布ブレードを有
する本発明の画像形成装置を示す概略図である。
【図17】塗布ウエッブを有する本発明の画像形成装置
を示す概略図である。
【図18】螺旋状塗布部材および中間転写体を有する本
発明の画像形成装置を示す概略図である。
【図19】記録用紙の搬送方向が水平方向に対して45
°の角度を有する本発明の画像形成装置の概略図であ
る。
【図20】記録用紙の搬送方向が水平方向に対して90
°の角度を有する本発明の画像形成装置の概略図であ
る。
【符号の説明】
1−Y 感光ドラム 1−M 感光ドラム 1−C 感光ドラム 1−BK 感光ドラム 2 一次帯電器 3 像露光 10 転写材ガイド 11 給紙ローラ 13 感光ドラムのクリーニング装置 15 定着器 16 転写搬送ベルトのクリーニング装置 20 転写搬送ベルト 21 中間転写体 22 繊維 25 吸着剤 26 バイアス電源 28 バイアス電源 29 バイアス電源 30 バイアス電源 41 イエロー色現像装置 42 マゼンタ色現像装置 43 シアン色現像装置 44 ブラック色現像装置 52 ベルト上トナーの帯電部材 62 転写ローラ 63 吸着ローラ 64 コロナ帯電器 65 2次転写ローラ 70 ブラシを有する塗布部材 71 塗布ブラシ 72 規制ブレード 80 ローラを有する塗布部材 81 塗布ローラ 82 ドクターブレード 83 ローラ 90 螺旋状塗布ローラ 91 芯金 92 スポンジ 100 ブレードを有する塗布部材 101 塗布ブレード 110 ウエッブを有する塗布部材 111 ウエッブ 112 供給ローラ 113 巻き取りローラ 114 バックアップローラ P 記録用紙

Claims (29)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 像担持体上のトナー像を記録用紙に転写
    し、かつ該記録用紙を搬送する転写搬送ベルトにおい
    て、表面に硝酸イオン吸着物質が存在することを特徴と
    する転写搬送ベルト。
  2. 【請求項2】 像担持体上のトナー像を記録用紙に転写
    し、かつ該記録用紙を搬送する転写搬送ベルトにおい
    て、表面に層状構造を有する化合物が存在することを特
    徴とする転写搬送ベルト。
  3. 【請求項3】 前記層状構造を有する化合物が、下記一
    般式(1)で示されるハイドロタルサイト類化合物であ
    る請求項2に記載の転写搬送ベルト。 一般式(1): M2+ (1-X) 3+ X (OH)2 n- (X/n) ・mH2 O (ただし、0<X≦0.5、m≧0、M2+;2価の金属
    イオン、M3+;3価の金属イオン、An-;n価のアニオ
    ン。)
  4. 【請求項4】 一般式(1)におけるAn-として、An-
    の共役酸HA(n-1)-の酸解離指数pKaが3以上である
    n価のアニオンを含有する請求項3に記載の転写搬送ベ
    ルト。
  5. 【請求項5】 ハイドロタルサイト類化合物が、下記一
    般式(2)で示される化合物である請求項3に記載の転
    写搬送ベルト。 一般式(2): Mg(1-X) AlX (OH)2 (CO3 X/2 ・mH2
    (0<X≦0.5) (ただし、m≧0)
  6. 【請求項6】 前記層状構造を有する化合物が、下記一
    般式(3)で示されるリチウムアルミネート類化合物で
    ある請求項2に記載の転写搬送ベルト。 一般式(3): Li(1-Y) 2+ Y 3+ 2 (OH)6 n- ((1+Y)/n) ・m
    2 O (ただし、0≦Y≦0.5、m≧0、M2+;2価の金属
    イオン、M3+;3価の金属イオン、An-;n価のアニオ
    ン。nは1以上の整数)
  7. 【請求項7】 像担持体上のトナー像を記録用紙に転写
    し、かつ該記録用紙を搬送する転写搬送ベルトにおい
    て、表面に、下記一般式(4)で示される化合物が存在
    することを特徴とする転写搬送ベルト。 一般式(4): M2+ (1-X) 3+ X (1+X/2) ・mH2 O (ただし、0<X≦0.5、m≧0、M2+;2価の金属
    イオン、M3+;3価の金属イオン)
  8. 【請求項8】 一般式(4)において、M2+がMgであ
    り、かつM3+がAlである請求項7に記載の転写搬送ベ
    ルト。
  9. 【請求項9】 前記硝酸イオン吸着物質が、アニオン交
    換能力を有するイオン交換樹脂である請求項1に記載の
    転写搬送ベルト。
  10. 【請求項10】 少なくとも表面層の主成分が熱可塑性
    樹脂である請求項1〜9のいずれか1項に記載の転写搬
    送ベルト。
  11. 【請求項11】 請求項1〜10のいずれか1項に記載
    した転写搬送ベルトを用いた画像形成装置。
  12. 【請求項12】 前記転写搬送ベルト上のトナーを、帯
    電部材を用いて該トナーを帯電させることにより、該ト
    ナーを感光体に転写して転写搬送ベルトをクリーニング
    するように構成した請求項11に記載の画像形成装置。
  13. 【請求項13】 記録用紙の搬送方向が水平でない請求
    項11または請求項12に記載の画像形成装置。
  14. 【請求項14】 像担持体上のトナー像を記録用紙に転
    写し、かつ該記録用紙を搬送する転写搬送ベルトを用い
    た画像形成装置において、該転写搬送ベルトの表面に、
    硝酸イオン吸着物質を塗布する塗布部材を有することを
    特徴とする画像形成装置。
  15. 【請求項15】 像担持体上のトナー像を記録用紙に転
    写し、かつ該記録用紙を搬送する転写搬送ベルトを用い
    た画像形成装置において、該転写搬送ベルトの表面に、
    層状構造を有する化合物を塗布する塗布部材を有するこ
    とを特徴とする画像形成装置。
  16. 【請求項16】 前記層状構造を有する化合物が、一般
    式(1)で示されるハイドロタルサイト類化合物である
    請求項15に記載の画像形成装置。
  17. 【請求項17】 一般式(1)におけるAn-として、A
    n-の共役酸HA(n-1 )-の酸解離指数pKaが3以上であ
    るn価のアニオンを含有する請求項16に記載の画像形
    成装置。
  18. 【請求項18】 前記ハイドロタルサイト類化合物が、
    一般式(2)で示される化合物である請求項16に記載
    の画像形成装置。
  19. 【請求項19】 前記層状構造を有する化合物が、一般
    式(3)で示されるリチウムアルミネート類化合物であ
    る請求項15に記載の画像形成装置。
  20. 【請求項20】 像担持体上のトナー像を記録用紙に転
    写し、かつ該記録用紙を搬送する転写搬送ベルトを用い
    た画像形成装置において、該転写搬送ベルトの表面に、
    一般式(4)で示される化合物を塗布する塗布部材を有
    することを特徴とする画像形成装置。
  21. 【請求項21】 一般式(4)において、M2+がMgで
    あり、かつM3+がAlである請求項20に記載の画像形
    成装置。
  22. 【請求項22】 前記硝酸イオン吸着物質が、アニオン
    交換能力を有するイオン交換樹脂である請求項14に記
    載の画像形成装置。
  23. 【請求項23】 前記塗布部材がブラシ、ローラ、ブレ
    ード、ウエッブのいずれかを有する請求項14〜22に
    記載の画像形成装置。
  24. 【請求項24】 転写搬送ベルト上のトナーを感光体に
    転写することにより前記転写搬送ベルトをクリーニング
    するように構成された請求項14〜23のいずれか一項
    に記載の画像形成装置。
  25. 【請求項25】 前記吸着剤が前記塗布部材から前記転
    写搬送ベルトをクリーニングするためのクリーニング部
    材に一旦塗布され、その後、該クリーニング部材によっ
    て前記吸着剤が前記転写搬送ベルトの表面に塗布される
    ように構成された請求項14〜24に記載の画像形成装
    置。
  26. 【請求項26】 前記塗布部材が前記転写搬送ベルトに
    対して接離可能である請求項14〜25に記載の画像形
    成装置。
  27. 【請求項27】 前記転写搬送ベルトに、予め吸着剤が
    塗布されている請求項14〜26に記載の画像形成装
    置。
  28. 【請求項28】 前記塗布部材および前記吸着剤がユニ
    ットに内蔵されており、該ユニットが画像形成装置に着
    脱可能である請求項14〜27に記載の画像形成装置。
  29. 【請求項29】 前記記録用紙の搬送方向が水平でない
    請求項14〜28に記載の画像形成装置。
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