JP2013235034A - 表面処理樹脂成形体の製造方法及び表面処理樹脂成形体 - Google Patents

表面処理樹脂成形体の製造方法及び表面処理樹脂成形体 Download PDF

Info

Publication number
JP2013235034A
JP2013235034A JP2012105468A JP2012105468A JP2013235034A JP 2013235034 A JP2013235034 A JP 2013235034A JP 2012105468 A JP2012105468 A JP 2012105468A JP 2012105468 A JP2012105468 A JP 2012105468A JP 2013235034 A JP2013235034 A JP 2013235034A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
mass
meth
base material
resin molded
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2012105468A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2013235034A5 (ja
Inventor
Yuya Motoyama
裕也 本山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Menicon Co Ltd
Original Assignee
Menicon Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Menicon Co Ltd filed Critical Menicon Co Ltd
Priority to JP2012105468A priority Critical patent/JP2013235034A/ja
Priority to PCT/JP2013/062489 priority patent/WO2013164989A1/ja
Publication of JP2013235034A publication Critical patent/JP2013235034A/ja
Publication of JP2013235034A5 publication Critical patent/JP2013235034A5/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08JWORKING-UP; GENERAL PROCESSES OF COMPOUNDING; AFTER-TREATMENT NOT COVERED BY SUBCLASSES C08B, C08C, C08F, C08G or C08H
    • C08J7/00Chemical treatment or coating of shaped articles made of macromolecular substances
    • C08J7/12Chemical modification
    • C08J7/16Chemical modification with polymerisable compounds
    • C08J7/18Chemical modification with polymerisable compounds using wave energy or particle radiation
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29DPRODUCING PARTICULAR ARTICLES FROM PLASTICS OR FROM SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE
    • B29D11/00Producing optical elements, e.g. lenses or prisms
    • B29D11/00009Production of simple or compound lenses
    • B29D11/00038Production of contact lenses
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08JWORKING-UP; GENERAL PROCESSES OF COMPOUNDING; AFTER-TREATMENT NOT COVERED BY SUBCLASSES C08B, C08C, C08F, C08G or C08H
    • C08J7/00Chemical treatment or coating of shaped articles made of macromolecular substances
    • C08J7/12Chemical modification
    • C08J7/16Chemical modification with polymerisable compounds
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08JWORKING-UP; GENERAL PROCESSES OF COMPOUNDING; AFTER-TREATMENT NOT COVERED BY SUBCLASSES C08B, C08C, C08F, C08G or C08H
    • C08J2383/00Characterised by the use of macromolecular compounds obtained by reactions forming in the main chain of the macromolecule a linkage containing silicon with or without sulfur, nitrogen, oxygen, or carbon only; Derivatives of such polymers
    • C08J2383/04Polysiloxanes

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Polymers & Plastics (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Toxicology (AREA)
  • Ophthalmology & Optometry (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Eyeglasses (AREA)
  • Coating Of Shaped Articles Made Of Macromolecular Substances (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)
  • Processing And Handling Of Plastics And Other Materials For Molding In General (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)

Abstract

【課題】コンタクトレンズ等の基材表面に十分な水濡れ性、潤滑性及び耐汚染性を付与することができ、有機溶媒を用いなくとも行うことができる表面処理樹脂成形体の製造方法、及び上記性能を有する表面処理樹脂成形体を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明は、樹脂製の基材と親水性モノマーを含有する溶液とを接触させる工程、及び上記親水性モノマーを重合する工程を有する表面処理樹脂成形体の製造方法である。上記接触が、溶液への基材の浸漬であることが望ましい。また、上記親水性モノマーが、(メタ)アクリルアミド類、重合性官能基を有するピロリドン類、カルボン酸、及び水酸基又はイオン性基を有する(メタ)アクリレート類からなる群より選ばれる少なくとも1種であるとよい。
【選択図】図1

Description

本発明は、表面処理樹脂成形体の製造方法及び表面処理樹脂成形体に関する。
コンタクトレンズの使用において、このレンズ表面の水濡れ性や潤滑性の低下とタンパク質や脂質等の汚れ付着とが種々の眼疾患の原因の一つとされている。そこで、コンタクトレンズ表面の水濡れ性等を改質する方法が検討されている。
この改質方法としては、(1)レンズ表面にプラズマ処理を施す方法(特開昭63−40293号公報参照)、(2)親水性ポリマーを溶解させた溶液にコンタクトレンズを浸漬させる方法、及び(3)モノマーの混合液に親水性ポリマーを溶解させ、この状態で重合を行ってレンズを得る方法(特表2007−526946号公報参照)が提案されている。
しかし、(1)プラズマ処理を行うと水濡れ性自体は向上するものの、十分な潤滑性を付与するには至らない。(2)親水性ポリマーを溶解させた溶液にコンタクトレンズを浸漬させる方法によれば、十分な水濡れ性向上効果が得られない。また、装用毎に洗浄してから使用する非使い捨てのコンタクトレンズにおいては、親水性ポリマーが洗浄により流れ出るため、日々の使用毎に水濡れ性が低下することとなる。(3)モノマー混合液に親水性ポリマーを溶解させ、この状態で重合を行ってレンズを得ると、このレンズ中に親水性ポリマーのネットワーク構造が形成され、上記洗浄の際の親水性ポリマーの流出が低減される。しかし、モノマー混合液に親水性ポリマーを溶解させる場合、大量の有機溶媒が必要となり、製造コストや環境への影響が懸念され、また、その際に使用した有機溶媒がレンズ中に残留する可能性も生じる。加えて、この方法によっても、十分な耐汚染性を有するレンズを得ることができない。
特開昭63−40293号公報 特表2007−526946号公報
本発明は、上述のような事情に基づいてなされたものであり、コンタクトレンズ等の基材表面に十分な水濡れ性、潤滑性及び耐汚染性を付与することができ、有機溶媒を用いなくとも行うことができる表面処理樹脂成形体の製造方法、及び上記性能を有する表面処理樹脂成形体を提供することを目的とする。
上記課題を解決するためになされた発明は、
樹脂製の基材と親水性モノマーを含有する溶液とを接触させる工程、及び
上記親水性モノマーを重合する工程
を有する表面処理樹脂成形体の製造方法である。
当該製造方法によれば、基材と親水性モノマーを含有する溶液とを接触させてこの親水性モノマーを重合させるため、この親水性モノマーは基材内部(少なくとも基材の表面領域)に入り込んだ状態で重合することとなる。従って、当該製造方法によれば、親水性モノマーの重合により得られる親水性重合体が基材の少なくとも表面領域中に網目状に侵入した状態で固定されるため、基材表面に十分な水濡れ性、潤滑性及び耐汚染性を付与することができる。さらに、当該製造方法は、上記溶液の溶媒として水を用いることができるため、製造コストや環境への付加等も低減される。また、当該製造方法は、成形された基材に対して処理を行うものなので、この基材の成形性に影響を与えることなく、所望する形状の表面処理樹脂成形体を得ることができる。また、当該製造方法によれば、基材の選択等により、潤滑性等と酸素透過性とを両立させ、これらの性能が共に高い成形体を得ることができる。
上記接触が、溶液への基材の浸漬であることが好ましい。このように基材を溶液へ浸漬させることで、基材中へ親水性モノマーを十分に侵入させることができ、重合によって得られる親水性重合体の基材に対する固定性等が向上する。
上記親水性モノマーが、(メタ)アクリルアミド類、重合性官能基を有するピロリドン類、カルボン酸、及び水酸基又はイオン性基を有する(メタ)アクリレート類からなる群より選ばれる少なくとも1種であるとよい。このような親水性モノマーを用いることで、基材に対してより良好な水濡れ性、潤滑性及び耐汚染性を付与することができる。
上記親水性モノマーが、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−ビニルピロリドン、1−メチル−3−メチレン−2−ピロリドン、1−メチル−5−メチレン−2−ピロリドン、5−メチル−3−メチレン−2−ピロリドン、(メタ)アクリル酸、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリルオキシエチルホスホリルコリン及びカルボキシベタイン構造含有(メタ)アクリレートからなる群より選ばれる少なくとも1種であるとよい。上記親水性モノマーとして、より具体的に上記モノマーを用いることで、上記性質がさらに効果的に発揮される。
上記溶液における溶媒100質量部に対する親水性モノマーの含有量が0.1質量部以上30質量部以下であるとよい。上記溶液における親水性モノマーの含有量を上記範囲とすることで、基材表面に効率的に好適な水濡れ性等を付与することができる。
上記溶液の溶媒が水を主成分として含有することが好ましい。主成分が水の溶媒を用いることで、親水性モノマーの溶解性及び基材への浸透性が高まると共に、製造コストや環境への負荷を低減させることができる。
上記溶媒が、炭素数4以下のアルコール、アセトン及びジメチルホルムアミドからなる群より選ばれる少なくとも1種の有機溶媒をさらに含有することが好ましい。このような有機溶媒をさらに加えることで、例えば、親水性モノマーや重合開始剤等の溶解性を高めることなどができる。
上記溶液が重合開始剤をさらに含有し、上記溶液における溶媒100質量部に対する重合開始剤の含有量が0.00001質量部以上0.1質量部以下であることが好ましい。上記溶液にこのような含有量の重合開始剤を含有させることで、重合性等を高めることができる。
上記重合開始剤が熱重合開始剤又は光重合開始剤であるとよい。熱重合開始剤又は光重合開始剤を用いることで、熱重合又は光重合を効果的に行うことができ、生産性等を高めることができる。
上記重合の時間が15秒以上180分以下であることが好ましい。このような重合時間とすることで、効率的に基材表面に濡れ性等を付与することができる。
上記重合が熱重合であるとよい。熱重合で重合させることで、十分かつ効率的に表面改質を行うことができるなど、生産性が高まる。
上記重合の際の溶液温度が40℃以上140℃以下であるとよい。このような溶液温度で熱重合させることで、十分かつ効率的に表面改質を行うことができる。
上記基材がシリコーンハイドロゲルであることが好ましい。当該製造方法においては、シリコーンハイドロゲルの表面性状の改善により効果的である。また、基材がシリコーンハイドロゲルの場合、親水性モノマーが基材中に浸透しやすく、得られる親水性重合体の固定性等がより向上する。
上記基材の表面の少なくとも一部がプラズマ処理されているとよい。このようにプラズマ処理がされている基材を用いることで、水濡れ性等を更に高めることができる。
上記基材の表面の少なくとも一部がプラズマ処理されていないことも好ましい。当該表面処理樹脂成形体の製造方法によれば、十分な水濡れ性等を基材表面に付与することができるため、プラズマ処理がされていない基材に対しても好適に用いることができる。
基材用モノマーを含有する組成物を用いて上記基材を形成する工程
をさらに有し、
上記組成物が親水性重合体及び/又は有機溶媒を実質的に含まないことが好ましい。
当該製造方法において、樹脂製の基材を形成する際、親水性重合体や有機溶媒を用いないことで、生産コストや環境への負荷のさらなる低減を図ることができる。
本発明の表面処理樹脂成形体は、当該表面処理樹脂成形体の製造方法により得られる表面処理樹脂成形体である。当該表面処理樹脂成形体は、水濡れ性、潤滑性及び耐汚染性並びにこれらの持続性に優れる。
従って、当該表面処理樹脂成形体は、コンタクトレンズとして好適に用いることができる。
本発明の表面処理樹脂成形体としては、樹脂製の基材と、この基材の少なくとも表面に疑似架橋状態で存在する親水性重合体とを備える表面処理樹脂成形体も含まれる。このような表面処理樹脂成形体が高い水濡れ性、潤滑性及び耐汚染性並びにこれらの持続性を発揮することができる。
ここで、「モノマー」とは、分子量によらず重合性を有する化合物をいう。また、「疑似架橋状態」とは、基材を形成する樹脂と親水性重合体とが、物理的に絡み合った状態で結合(架橋)している状態をいう。この疑似架橋状態は、化学結合による結合状態(いわゆる架橋)や、分子間力のみによる表面への接着状態とは異なる状態である。但し、疑似架橋状態中に化学結合や分子間力のみで結合されている部分があってもよい。
以上説明したように、本発明の表面処理樹脂成形体の製造方法は、基材表面に十分な水濡れ性、潤滑性及び耐汚染性を付与することができ、有機溶媒を用いなくとも行うことができる。従って、当該製造方法はコンタクトレンズ基材の表面改質等に好適に用いることができる。
実施例における潤滑性の評価に用いた装置を示す模式図
以下、本発明の表面処理樹脂成形体の製造方法及び表面処理樹脂成形体の実施の形態を詳説する。
<表面処理樹脂成形体の製造方法>
本発明の表面処理樹脂成形体の製造方法は、
樹脂製の基材と親水性モノマーを含有する溶液とを接触させる工程(1)、及び
上記親水性モノマーを重合する工程(2)
を有する。
当該表面処理樹脂成形体の製造方法は、上記工程(1)に先駆けて、
基材用モノマーを含有する組成物を用いて樹脂製の基材を形成する工程(0)
をさらに有することができる。
当該製造方法は上記工程(1)及び(2)を有し、基材と親水性モノマーを含有する溶液とを接触させてこの親水性モノマーを重合させるため、この親水性モノマーは基材内部(少なくとも基材の表面領域)に入り込んだ状態で重合することとなる。従って、当該製造方法によれば、親水性モノマーの重合により得られる親水性重合体が基材中に網目状に侵入した状態で固定(疑似架橋)されるため、基材表面に十分な水濡れ性、潤滑性及び耐汚染性を付与することができる。さらに、当該製造方法は、上記溶液の溶媒として水を用いることができるため、製造コストや環境への付加等も低減される。また、当該製造方法は、成形された基材に対して処理を行うものなので、この基材の成形性に影響を与えることなく、所望する形状の表面処理樹脂成形体を得ることができる。以下、各工程について詳説する。
工程(0)
本工程においては、基材用モノマーを含有する組成物を用い、この組成物を硬化させて樹脂製の基材を形成する。
(組成物)
上記組成物は、基材用モノマーを含有し、その他、他の成分を含有することができる。
(基材用モノマー)
上記基材用モノマーとしては、特に限定されず、公知のものを用いることができる。上記基材がコンタクトレンズ基材である場合、上記基材用モノマーとしては、親水性モノマー及びシリコーン系モノマーが好ましい。親水性モノマーとシリコーン系モノマーとを用いることによって、シリコーンハイドロゲルである基材を形成することができる。
(親水性モノマー)
上記親水性モノマーは、重合性官能基を有する親水性の化合物であれば特に限定されない。上記重合性官能基としては、ビニル基、アリル基、(メタ)アクリル基、α位置換アクリル基、エチレン基、スチリル基等を挙げることができる。
上記親水性モノマーとしては、
(メタ)アクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、ビニル安息香酸などのカルボン酸類;
ヒドロキシメチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2,3−ジヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールのモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールのモノ(メタ)アクリレートなどの水酸基を有する(メタ)アクリレート類;
2−メタクリルオキシエチルホスホリルコリン(MPC)、カルボキシベタイン構造含有メタクリレート(メタクリロイルオキシエチルカルボキシベタイン、N−メタクリロイルオキシエチル−N,N−ジメチルアンモニウム−α−N−メチルカルボキシベタインなど)等のイオン性基を有する(メタ)アクリレート類;
(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル−N−アミノエチル(メタ)アクリルアミドなどの(メタ)アクリルアミド類;
2−ジメチルアミノエチルアクリレート、2−ブチルアミノエチルアクリレートなどの(アルキル)アミノアルキルアクリレート;
N−ビニル−ピロリドン、N−ビニル−3−メチル−2−ピロリドン、N−ビニル−4−メチル−2−ピロリドン、N−ビニル−5−メチル−2−ピロリドン、N−ビニル−3−エチル−2−ピロリドン、N−ビニル−4,5−ジメチル−2−ピロリドン、N−ビニル−5,5−ジメチル−2−ピロリドン、N−ビニル−3,3,5−トリメチル−2−ピロリドン、N−(メタ)アクリロリルピロリドン、N−(メタ)アクリロリルオキシエチルピロリドン、1−メチル−3−メチレン−2−ピロリドン、1−エチル−3−メチレン−2−ピロリドン、1−メチル−5−メチレン−2−ピロリドン、1−エチル−5−メチレン−2−ピロリドン、5−メチル−3−メチレン−2−ピロリドン、5−エチル−3−メチレン−2−ピロリドン、1−n−プロピル−3−メチレン−2−ピロリドン、1−n−プロピル−5−メチレン−2−ピロリドン、1−i−プロピル−3−メチレン−2−ピロリドン、1−i−プロピル−5−メチレン−2−ピロリドン、1−n−ブチル−3−メチレン−2−ピロリドン、1−t−ブチル−3−メチレン−2−ピロリドンなどの重合性官能基を有するピロリドン類;
N−ビニル−2−ピペリドン、N−ビニル−3−メチル−2−ピペリドン、N−ビニル−4−メチル−2−ピペリドン、N−ビニル−5−メチル−2−ピペリドン、N−ビニル−6−メチル−2−ピペリドン、N−ビニル−6−エチル−2−ピペリドン、N−ビニル−3,5−ジメチル−2−ピペリドン、N−ビニル−4,4−ジメチル−2−ピペリドンなどのN−ビニルピペリドン類;
N−ビニル−2−カプロラクタム、N−ビニル−3−メチル−2−カプロラクタム、N−ビニル−4−メチル−2−カプロラクタム、N−ビニル−7−メチル−2−カプロラクタム、N−ビニル−7−エチル−2−カプロラクタム、N−ビニル−3,5−ジメチル−2−カプロラクタム、N−ビニル−4,6−ジメチル−2−カプロラクタム、N−ビニル−3,5,7−トリメチル−2−カプロラクタムなどのN−ビニルラクタム類;
N−ビニルホルムアミド、N−ビニル−N−メチルホルムアミド、N−ビニル−N−エチルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド、N−ビニル−N−メチルアセトアミド、N−ビニル−N−エチルアセトアミドなどのN−ビニルアミド類;
アミノスチレン、ヒドロキシスチレン、酢酸ビニル、グリシジルアクリレート、アリルグリシジルエーテル、プロピオン酸ビニル、N−ビニルイミダゾール、N−ビニルピペリジン、N−ビニルサクシンイミド、N−ビニルフタルイミド、N−(メタ)アクリロイルピペリジン、N−(メタ)アクリロイルモルホリンなどの重合性官能基を有するその他の親水性化合物等が挙げられる。
上記親水性モノマーの全基材用モノマーに対する含有量としては、特に限定されないが、20質量%以上90質量%以下が好ましく、30質量%以上70質量%以下がより好ましい。このような含有量とすることで、得られる基材の親水性(水濡れ性や潤滑性)と酸素透過性等とのバランスを図ることなどができる。
(シリコーン系モノマー)
上記シリコーン系モノマーは、シロキサニル基及び重合性官能基を有するものである限り特に限定されない。上記重合性官能基は、親水性モノマーが有するものとして例示したものを挙げることができる。
上記シリコーン系モノマーとしては、ウレタン結合を介してエチレン性不飽和基及びポリジメチルシロキサン構造を有する化合物が挙げられる。このようなシリコーン系モノマーは、ウレタン結合及びシロキサン部分を備えることにより、得られるレンズ等の基材に、柔軟性、弾力的反発性、酸素透過性を付与すると同時に、機械的強度を向上させる作用を有する。すなわち、かかるシリコーン系モノマーは、分子の両末端に重合性基であるエチレン性不飽和基を有し、この重合性基を介して他の共重合成分と共重合されるので、分子の架橋により得られる硬化物の機械的強度をさらに向上させることができる。
ウレタン結合を介してエチレン性不飽和基及びポリジメチルシロキサン構造を有する化合物の典型的な例としては、下記式(i)で表されるポリシロキサンマクロモノマーを挙げることができる。
−U−(−S−U−)−S−U−A (i)
式(i)中、Aは、一般式(ii):
21−Z21−R21− (ii)
(式(ii)中、Y21は(メタ)アクリロイル基、ビニル基又はアリル基、Z21は酸素原子又は直接結合、R21は単結合又は炭素数1〜12の直鎖状、分岐鎖若しくは芳香環を有するアルキレン基を示す。)で表わされる基である。
は、一般式(iii):
−R22−Z22−Y22(iii)
(式(iii)中、Y22は(メタ)アクリロイル基、ビニル基又はアリル基、Z22は酸素原子又は直接結合、R22は直接結合又は炭素数1〜12の直鎖状、分岐鎖若しくは芳香環を有するアルキレン基を示す。)で表わされる基(ただし、一般式(ii)中のY21及び一般式(iii)中のY22は同一であってもよく、異なっていてもよい。)である。
は、一般式(iv):
−X21−E21−X25−R23−(iv)
(式(iv)中、X21及びX25は、それぞれ独立して直接結合、酸素原子及びアルキレングリコール基からなる群より選ばれる1種であり、E21は−NHCO−基(ただし、この場合、X21は直接結合であり、X25は酸素原子又はアルキレングリコール基であり、E21はX25とウレタン結合を形成している。)、−CONH−基(ただし、この場合、X21は酸素原子又はアルキレングリコール基であり、X25は直接結合であり、E21はX21とウレタン結合を形成している。)又は飽和脂肪族系、不飽和脂肪族系、脂環式系及び芳香族系からなる群より選ばれるジイソシアネート由来の2価の基(ただし、この場合、X21及びX25はそれぞれ独立して酸素原子及びアルキレングリコール基から選ばれる1種であり、E21はX21及びX25の間で2つのウレタン結合を形成している。)であり、R23は炭素数1〜6の直鎖状又は分岐鎖を有するアルキレン基を示す。)で表わされる基である。
及びSは、それぞれ独立して一般式(v):
Figure 2013235034
(式(v)中、R、R、R、R10、R11及びR12は、それぞれ独立して炭素数1〜6のアルキル基、フッ素置換されたアルキル基、フェニル基又は水素原子であり、Kは10〜100の整数、Lは0又は1〜90の整数であり、K+Lは10〜100の整数である。)で表わされる基である。
は、一般式(vi):
−R24−X27−E24−X28−R25−(vi)
(式(vi)中、R24及びR25は、それぞれ独立して炭素数1〜6の直鎖状又は分岐鎖を有するアルキレン基であり、X27及びX28は、それぞれ独立して酸素原子又はアルキレングリコール基であり、E24は、飽和不飽和脂肪族系、不飽和脂肪族系、脂環式系及び芳香族系からなる群より選ばれたジイソシアネート由来の2価の基(ただし、この場合、E24はX27及びX28の間で2つのウレタン結合を形成している。)である。)で表わされる基である。
は、一般式(vii):
−R26−X26−E22−X22−(vii)
(式(vii)中、R26は、炭素数1〜6の直鎖状又は分岐鎖を有するアルキレン基であり、X22及びX26は、それぞれ独立して、直接結合、酸素原子及びアルキレングリコール基からなる群より選ばれる1種であり、E22は、−NHCO−基(ただし、この場合、X22は酸素原子又はアルキレングリコール基であり、X26は直接結合であり、E22はX22とウレタン結合を形成している。)、−CONH−基(ただし、この場合、X22は直接結合であり、X26は酸素原子又はアルキレングリコール基であり、E22はX26とウレタン結合を形成している。)又は飽和不飽和脂肪族系、不飽和脂肪族系、脂環式系及び芳香族系からなる群より選ばれるジイソシアネート由来の2価の基(ただし、この場合、X22及びX26はそれぞれ独立して酸素原子及びアルキレングリコール基から選ばれる1種であり、E22はX22及びX26の間で2つのウレタン結合を形成している。)である。)で表わされる基である。
nは、0〜10の整数を示す。
上記一般式(i)において、Y21及びY22は、いずれも重合性基であるが、親水性モノマーと容易に共重合しうるという点で、アクリロイル基がとくに好ましい。
上記一般式(i)において、Z21及びZ22は、いずれも酸素原子又は直接結合であり、好ましくは酸素原子である。R21及びR22は、いずれも直接結合又は炭素数1〜12の直鎖状、分岐鎖若しくは芳香環を有するアルキレン基であり、好ましくは炭素数2〜4のアルキレン基である。U、U及びUは、分子鎖中でウレタン結合を含む基を表わす。
上記一般式(i)中のU及びUにおいて、E21及びE22は、上述したように、それぞれ−CONH−基、−NHCO−基又は飽和脂肪族系、不飽和脂肪族系、脂環式系及び芳香族系からなる群より選ばれるジイソシアネート由来の2価の基を表わす。ここで、飽和脂肪族系、不飽和脂肪族系、脂環式系及び芳香族系からなる群より選ばれるジイソシアネート由来の2価の基の例としては、エチレンジイソシアネート、1,3−ジイソシアネートプロパン、ヘキサメチレンジイソシアネートなどの飽和脂肪族系ジイソシアネート由来の2価の基;1,2−ジイソシアネートシクロヘキサン、ビス(4−イソシアネートシクロヘキシル)メタン、イソホロンジイソシアネートなどの脂環式系ジイソシアネート由来の2価の基;トリレンジイソシアネート、1,5−ジイソシアネートナフタレンなどの芳香族系ジイソシアネート由来の2価の基;2,2’−ジイソシアネートジエチルフマレートなどの不飽和脂肪族系ジイソシアネート由来の2価の基が挙げられる。これらの例の中では、入手容易性及びレンズへの強度付与の観点から、ヘキサメチレンジイソシアネート由来の2価の基、トリレンジイソシアネート由来の2価の基及びイソホロンジイソシアネート由来の2価の基が好ましい。
上記一般式(1)中のUにおいて、E24は、上記したように、飽和脂肪族系、不飽和脂肪族系、脂環式系及び芳香族系からなる群より選ばれるジイソシアネート由来の2価の基を表わす。ここで、飽和脂肪族系、不飽和脂肪族系、脂環式系及び芳香族系からなる群より選ばれるジイソシアネート由来の2価の基の例としては、U及びUにおける場合と同様の2価の基が挙げられる。これらの例の中では、入手容易性及びレンズへの強度付与の観点から、ヘキサメチレンジイソシアネート由来の2価の基、トリレンジイソシアネート由来の2価の基及びイソホロンジイソシアネート由来の2価の基が好ましい。またE24はX27とX28との間で2つのウレタン結合を形成する。X27及びX28は、好ましくは、それぞれ独立して酸素原子又は炭素数1〜6のアルキレングリコール基であり、またR24及びR25は、それぞれ独立して炭素数1〜6の直鎖状又は分岐鎖を有するアルキレン基である。
上記X21、X25、X27、X28、X22及びX26としては、炭素数1〜20のアルキレングリコールが好ましい。このような炭素数1〜20のアルキレングリコールは、以下の一般式(viii)で表される。
−O−(C2x−O)−(viii)
(式(viii)中、xは1〜4の整数、yは1〜5の整数を示す。)
上記R、R、R、R10、R11及びR12がフッ素置換されたアルキル基である場合の例としては、−(CH−C2p+1(m=1〜10、p=1〜10)で表される基が挙げられる。このようなフッ素置換されたアルキル基の具体例としては、3,3,3−トリフルオロ−n−プロピル基、2−(パーフルオロブチル)エチル基、2−(パーフルオロオクチル)エチル基などの側鎖状のフッ素置換されたアルキル基、2−(パーフルオロ−5−メチルヘキシル)エチル基などの分枝鎖状のフッ素置換されたアルキル基などが挙げられる。かかるフッ素置換されたアルキル基を有する化合物の配合量を多くすると、得られる硬化物の抗脂質汚染性が向上する。
及びSを表す上記一般式(v)において、Kは10〜100の整数、Lは0又は1〜90の整数であり、K+Lは、10〜100の整数であり、好ましくは10〜80である。K+Lが100よりも大きい場合には、シリコーン化合物の分子量が大きくなるため、これと[B]成分の親水性モノマーとの相溶性が悪化し、重合時に相分離して白濁を呈し、均一で透明なレンズ等が得られないことがある。また、K+Lが10未満である場合には、得られるレンズ等の酸素透過性が低くなり、柔軟性も低下する傾向がある。
上記一般式(i)において、nは0〜10の整数であり、好ましくは0〜5の整数である。nが10よりも大きい場合には、シリコーン系モノマーの分子量が大きくなるため、上記と同様に、これと親水性モノマーとの相溶性が悪化し、重合時に相分離して白濁を呈し、均一で透明なレンズ等基材が得られないことがある。
上記一般式(i)で表されるシリコーン系モノマーの代表例としては、以下の一般式(C−1)及び(C−2)で表される化合物を挙げることができる。
Figure 2013235034
Figure 2013235034
シリコーン系モノマーは、分子中に親水性部分構造を有していてもよい。このようにシリコーン系モノマーが親水性部分構造を有することにより、シリコーン系モノマーと親水性モノマーとの相溶性が向上し、得られる基材の水濡れ性を向上させることができる。シリコーン系モノマーの親水性部分構造の例としては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリ(メタ)アクリル酸、ポリ(メタ)アクリル酸塩、ポリ(2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート)、ポリテトラヒドロフラン、ポリオキセタン、ポリオキサゾリン、ポリアクリルアミド、ポリジメチルアクリルアミド、ポリジエチルアクリルアミド、ポリ(2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン)及びこれらのブロックポリマーなどが挙げられる。この親水性部分構造はシリコーン系モノマーに対して、くし型状に結合していてもよいし、片末端又は両末端に結合していてもよい。この親水性部分構造を構成する原子の合計原子量は、好ましくは100〜1,000,000であり、さらに好ましくは1,000〜500,000である。分子量が100未満である場合、親水性モノマーと相溶させる程度の十分な親水性を付与できないことがある。一方、分子量が1,000,000を超える場合、親水性及び疎水性の各々のドメインが大きくなり、透明な基材が得られなくなる傾向がある。
得られる基材の酸素透過性をさらに向上させ、かつ柔軟性を付与するために、上記一般式(i)で表される化合物以外にも、他のシリコーン系モノマーを上記組成物に含有させることができる。そのような他のシリコーン系モノマーの例としては、シリコーン含有アルキル(メタ)アクリレート、シリコーン含有スチレン誘導体及びシリコーン含有フマル酸ジエステルが挙げられる。
シリコーン含有アルキル(メタ)アクリレートの例としては、トリメチルシロキシジメチルシリルメチル(メタ)アクリレート、トリメチルシロキシジメチルシリルプロピル(メタ)アクリレート、メチルビス(トリメチルシロキシ)シリルプロピル(メタ)アクリレート、トリス(トリメチルシロキシ)シリルプロピル(メタ)アクリレート、モノ[メチルビス(トリメチルシロキシ)シロキシ]ビス(トリメチルシロキシ)シリルプロピル(メタ)アクリレート、トリス[メチルビス(トリメチルシロキシ)シロキシ]シリルプロピル(メタ)アクリレート、メチルビス(トリメチルシロキシ)シリルプロピルグリセリル(メタ)アクリレート、トリス(トリメチルシロキシ)シリルプロピルグリセリル(メタ)アクリレート、モノ[メチルビス(トリメチルシロキシ)シロキシ]ビス(トリメチルシロキシ)シリルプロピルグリセリル(メタ)アクリレート、トリメチルシリルエチルテトラメチルジシロキシプロピルグリセリル(メタ)アクリレート、トリメチルシリルメチル(メタ)アクリレート、トリメチルシリルプロピル(メタ)アクリレート、トリメチルシリルプロピルグリセリル(メタ)アクリレート、トリメチルシロキシジメチルシリルプロピルグリセリル(メタ)アクリレート、メチルビス(トリメチルシロキシ)シリルエチルテトラメチルジシロキシメチル(メタ)アクリレート、テトラメチルトリイソプロピルシクロテトラシロキサニルプロピル(メタ)アクリレート、テトラメチルトリイソプロピルシクロテトラシロキシビス(トリメチルシロキシ)シリルプロピル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
シリコーン含有スチレン誘導体の例としては、以下の一般式(10)で表わされる化合物などが挙げられる。
Figure 2013235034
(式(10)中、qは1〜15の整数、rは0又は1、sは1〜15の整数を示す。)
上記一般式(10)で表されるシリコーン含有スチレン誘導体の具体例としては、トリス(トリメチルシロキシ)シリルスチレン、ビス(トリメチルシロキシ)メチルシリルスチレン、(トリメチルシロキシ)ジメチルシリルスチレン、トリス(トリメチルシロキシ)シロキシジメチルシリルスチレン、[ビス(トリメチルシロキシ)メチルシロキシ]ジメチルシリルスチレン、(トリメチルシロキシ)ジメチルシリルスチレン、ヘプタメチルトリシロキサニルスチレン、ノナメチルテトラシロキサニルスチレン、ペンタデカメチルヘプタシロキサニルスチレン、ヘンエイコサメチルデカシロキサニルスチレン、ヘプタコサメチルトリデカシロキサニルスチレン、ヘントリアコンタメチルペンタデカシロキサニルスチレン、トリメチルシロキシペンタメチルジシロキシメチルシリルスチレン、トリス(ペンタメチルジシロキシ)シリルスチレン、トリス(トリメチルシロキシ)シロキシビス(トリメチルシロキシ)シリルスチレン、ビス(ヘプタメチルトリシロキシ)メチルシリルスチレン、トリス[メチルビス(トリメチルシロキシ)シロキシ]シリルスチレン、トリメチルシロキシビス[トリス(トリメチルシロキシ)シロキシ]シリルスチレン、ヘプタキス(トリメチルシロキシ)トリシリルスチレン、ノナメチルテトラシロキシウンデシルメチルペンタシロキシメチルシリルスチレン、トリス[トリス(トリメチルシロキシ)シロキシ]シリルスチレン、(トリストリメチルシロキシヘキサメチル)テトラシロキシ[トリス(トリメチルシロキシ)シロキシ]トリメチルシロキシシリルスチレン、ノナキス(トリメチルシロキシ)テトラシリルスチレン、ビス(トリデカメチルヘキサシロキシ)メチルシリルスチレン、ヘプタメチルシクロテトラシロキサニルスチレン、ヘプタメチルシクロテトラシロキシビス(トリメチルシロキシ)シリルスチレン、トリプロピルテトラメチルシクロテトラシロキサニルスチレン、トリメチルシリルスチレンなどが挙げられる。
シリコーン含有フマル酸ジエステルの例としては、以下の一般式(11)で表される化合物などが挙げられる。
Figure 2013235034
式(11)中、R41、R42、R43、R44、R46及びR47は、それぞれ独立してメチル基又はトリメチルシロキシ基を示す。
上記一般式(11)で表されるシリコーン含有フマル酸ジエステルの具体例としては、ビス[3−(トリメチルシリル)プロピル]フマレート、ビス[3−(ペンタメチルジシロキサニル)プロピル]フマレート、ビス[トリス(トリメチルシロキシ)シリルプロピル]フマレートなどが挙げられる。
上記シリコーン系モノマーの全基材用モノマーに対する含有量としては、特に限定されないが、20質量%以上90質量%以下が好ましく、30質量%以上70質量%以下がより好ましい。このような含有量とすることで、得られる基材にシリコーン系モノマーの特性を十分に付与することができる。具体的には、高い酸素透過性を維持しつつ、高い潤滑性をより効果的に発現させることができる。
また、上記式(i)で表されるポリシロキサンマクロモノマーの全基材用モノマーに対する含有量としては、特に限定されないが、5質量%以上60質量%以下が好ましく、10質量%以上50質量%以下がより好ましい。また、上記ポリシロキサンマクロモノマーと、他のシリコーン系モノマーとの質量比としては、1:0.5〜1:2が好ましく、1:1〜1:1.5がより好ましい。このような含有量とすることで、得られる基材の柔軟性や酸素透過性等を高めることができる。
(その他の基材用モノマー等)
上記基材に、さらに所望の特性を付与しようとする場合には、基材用モノマーとして、アルキル(メタ)アクリレート、フッ素含有アルキル(メタ)アクリレート、硬度調節モノマー等の他の基材用モノマーが含有されていてもよい。これらはいずれも公知のものを用いることができる。
上記組成物における全基材用モノマーの含有量としては、特に限定されないが、70質量%以上が好ましく、90質量%以上99質量%以下がより好ましい。このような含有量とすることで、基材の成形性等を高めることができる。
上記組成物に含有されてもよい基材用モノマー以外の成分としては、重合性又は非重合性の紫外線吸収剤、重合性又は非重合性の色素、重合性又は非重合性の紫外線吸収色素、架橋剤、重合開始剤、界面活性剤、ポリマー、溶媒等を挙げることができる。
但し、上記組成物は、親水性重合体を実質的に含有しないことが好ましい。上記組成物が親水性重合体を含有する場合、この親水性重合体を組成物中に均一に分散させることが困難となり、均一な材質の基材を得ることが困難となる。また、均一に分散(溶解)させるためには有機溶媒を大量に用いることなどが必要となり、生産性が低下するなどのおそれがある。
また、上記組成物は、有機溶媒を実質的に含有しないことが好ましい。上記組成物が有機溶媒を含有する場合、例えば鋳型法で硬化させる際などの成形性が低下したり、得られる基材が十分な硬度を有さないおそれがある。また、有機溶媒を大量に用いることで、生産コストや環境への付加が増大するおそれがあるうえに、レンズ中に有機溶媒が残留するおそれもある。
なお、上記組成物が親水性重合体や有機溶媒を実質的に含有しないとはこれらを意図的に含有させていないことを言う。なお、具体的には、上記組成物における親水性重合体及び有機溶媒の含有率は、それぞれの含有率として10質量%以下が好ましく、1質量%以下がより好ましく、0.5質量%以下がさらに好ましい。
(基材の形成)
上記組成物を硬化させることで、樹脂製の基材を形成することができる。上記組成物の硬化の方法としては、上記組成物を紫外線及び/又は可視光線の照射並びに加熱からなる群より選択される少なくとも一種の手段により、組成物中の各重合性成分を(共)重合させることで硬化させることによって得ることができる。また、紫外線照射に替えて電子線照射による共重合によっても得ることができる。
上記基材の形成においては、塊状重合法が好適に用いられる。なお、塊状重合法においては、重合の進行と共に系の粘度が極端に上昇し、高粘度の系中でモノマー成分が拡散できず、重合反応に関与できなくなったモノマーが未重合のまま残留することが多い。このような残留モノマー等を極力減量させるべく、水又は有機溶媒又はこれらの混合溶液に、硬化して得られた基材を浸漬し、好ましくはこれを繰り返すことによって、これら残留物を溶出させて基材から除く処理が施される。このような処理の溶媒としては、生理食塩液等無機化合物を溶解させた水溶液、又はこれらと有機溶媒との混合溶液を用いても良い。
本発明の表面処理樹脂成形体をコンタクトレンズとして用いる場合は、上記組成物を鋳型法にて硬化させることができる。鋳型法にて上記組成物を加熱し重合させる場合には、所望のコンタクトレンズの形状に対応した鋳型内に、上記熱重合開始剤を含む重合性組成物を充填し、この鋳型を徐々に加熱して重合を行ない、得られた硬化物に必要に応じて切削加工、研磨加工などの機械的加工を施すことによってコンタクトレンズ用の基材を製造することができる。この切削は硬化物の一方又は両方の面の全面にわたって行なってもよいし、硬化物の一方の面又は両方の面の一部に対して行なってもよい。
鋳型内の組成物を加熱する際の加熱温度は、好ましくは50℃以上150℃以下であり、より好ましくは60℃以上140℃以下である。また、鋳型内の組成物を加熱する際の加熱時間は、好ましくは10分間以上120分間以下、より好ましくは20分間以上60分間以下である。鋳型内での加熱温度を50℃以上とすることで重合時間を短縮でき、加熱時間を10分以上とすることによって、残留モノマー成分の低減を図ることが可能となる。一方、鋳型内での加熱温度を150℃以下あるいは加熱時間を120分以下とすることによって、各重合成分の揮発を抑制すると共に、鋳型の変形を防止することができる。
鋳型法において、組成物に光を照射して重合させる場合には、所望のコンタクトレンズの形状に対応した透光性の鋳型内に、上記光重合開始剤を含む組成物を充填した後、この鋳型に光を照射して重合を行ない、得られた硬化物に必要に応じて切削加工、研磨加工などの機械的加工を施すことによって眼用レンズ材料を製造することができる。このような光照射による重合においても、加熱による重合の場合と同様に、切削は硬化物の一方又は両方の面の全面にわたって行なってもよいし、硬化物の一方の面又は両方の面の一部に対して行なってもよい。
光照射による重合に用いられる鋳型の材質は、重合・硬化に必要な光を透過しうる材質である限り特に限定されるものではなく、ポリプロピレン、ポリスチレン、ナイロン、ポリエステルなどの汎用樹脂が好ましく、ガラスであってもよい。これらの材料を成形、加工することによって、所望の形状を有する鋳型とすることができる。
このような鋳型内に各重合成分を含む上記組成物を充填した後、光を照射することで重合を実施する。眼用レンズ材料の機能に応じて、照射される光の波長域を選択することができる。但し、照射する光の波長域によって使用する光重合開始剤の種類を選択する必要がある。光の照度は好ましくは0.1mW/cm以上100mW/cm以下である。異なる照度の光を段階的に照射してもよい。また、光の照射時間は1分以上が好ましい。このような所定の照度及び照射時間とすることによって鋳型材料の劣化を防ぎつつ、重合性組成物を十分に硬化させることができる。さらに、光の照射と同時に、重合性組成物に対して加熱を行ってもよく、これによって重合反応が促進され、容易に共重合体を形成することができる。
コンタクトレンズ等となる上記基材の表面特性を改良するために、基材表面の少なくとも一部に低温プラズマ処理や大気圧プラズマ等のプラズマ処理などを施すことができる。プラズマ処理を施すことにより、より水濡れ性及び/又は耐汚染性に優れた基材(表面処理樹脂成形体)を得ることができる。低温プラズマ処理は、炭素数1〜6のアルカン及びフッ素置換されたアルカン、窒素、酸素、二酸化炭素、アルゴン、水素、空気、水、シラン又はこれらの混合物などの希薄気体雰囲気下において行うことができる。特に、イオンエッチングによる物理的な表面改質効果とラジカルのインプランテーションによる化学的な表面改質効果が期待されるという理由から、酸素単独、二酸化炭素単独、あるいは酸素と、水、テトラフルオロメタン、有機シラン、メタン、チッ素などとの混合物による希薄気体雰囲気下で低温プラズマ処理を行うことが好ましい。低温プラズマ処理は、減圧下で行ってもよいし、大気圧下で行ってもよい。低温プラズマ処理においては、高周波RF(例えば13.56MHz)、低周波AF(例えば15.0〜40.0KHz)、マイクロ波(例えば2.45GHz)にて、出力、処理時間、ガス濃度を適宜調整することにより、表面改質効果を制御することができる。
一方、上記基材の表面の少なくとも一部がプラズマ処理されていないことも好ましい。当該表面処理樹脂成形体の製造方法によれば、十分な水濡れ性等を基材表面に付与することができるため、プラズマ処理がなされていない基材に対しても好適に用いることができる。
工程(1)
本工程においては、上記基材と親水性モノマーを含有する溶液とを接触させる。
(基材)
上記基材は、上記工程(0)により得られるものである。但し、上記工程(0)以外の方法で得られたものであってもよい。
上記基材は、シリコーンハイドロゲルであることが好ましい。当該製造方法においては、シリコーンハイドロゲルの表面性状の改善により効果的である。また、基材がシリコーンハイドロゲルの場合、親水性モノマーが基材中に浸透しやすく、得られる親水性重合体の固定性(疑似架橋性)等がより向上する。シリコーンハイドロゲルである基材は、上述したように、例えば基材用モノマーとして親水性モノマーとシリコーン系モノマーとを共重合させ、これを水で膨潤させることによって得ることができる。膨潤させる水としては、蒸留水や、生理食塩水などの無機物を溶解させた水溶液を用いることができる。なお、膨潤させてゲル状態とする前の乾燥状態の基材を用いることも可能である。
(溶液)
上記溶液は、親水性モノマー及び溶媒を含有し、その他、重合開始剤等を含有することができる。
(親水性モノマー)
上記親水性モノマーとしては、上記基材用モノマーの親水性モノマーと同様のものを挙げることができる。この親水性モノマーは、単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
これらの親水性モノマーの中でも、(メタ)アクリルアミド類、重合性官能基を有するピロリドン類、カルボン酸、及び水酸基又はイオン性基を有する(メタ)アクリレート類からなる群より選ばれる少なくとも1種であるとよい。さらには、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−ビニルピロリドン、1−メチル−3−メチレン−2−ピロリドン、1−メチル−5−メチレン−2−ピロリドン、5−メチル−3−メチレン−2−ピロリドン、(メタ)アクリル酸、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリルオキシエチルホスホリルコリン及びカルボキシベタイン含有(メタ)アクリレートからなる群より選ばれる少なくとも1種が好ましく、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−ビニルピロリドン、1−メチル−3−メチレン−2−ピロリドン、1−メチル−5−メチレン−2−ピロリドン、メタクリル酸、2−メタクリルオキシエチルホスホリルコリン及びカルボキシベタイン含有メタクリレートがより好ましく、N,N−ジメチルアクリルアミドが特に好ましい。このような親水性モノマーを用いることで、基材に対してより良好な水濡れ性、潤滑性及び耐汚染性を付与することができる。
また、上記親水性モノマーとしては、基材の形成の際に用いられる基材形成用モノマーの少なくとも一種であることも好ましい。このように同じモノマーを用いることで、基材中への親水性モノマーの浸透性を高め、得られる親水性重合体の基材への固定性等をより高めることができる。
上記親水性モノマーの溶媒100質量部に対する含有量の下限としては、0.1質量部が好ましく、0.5質量部がより好ましく、1質量部がさらに好ましい。一方、この上限としては、30質量部が好ましく、20質量部がより好ましく、15質量部がさらに好ましい。上記溶液における親水性モノマーの含有量を上記範囲とすることで、基材表面に効率的に好適な水濡れ性等を付与することができる。この含有量が上記下限未満の場合は、十分な水濡れ性等を付与できない場合や、処理時間が長くなる場合がある。逆に、この含有量が上記上限を超える場合は、表面処理の制御が難しくなったり、基材の酸素透過性が低下したりする場合がある。
(溶媒)
上記溶媒としては、特に限定されず、水、有機溶媒又はこれらの混合物を用いることができる。上記溶媒としては、水を主成分として含有することが好ましい。主成分が水の溶媒を用いることで、親水性モノマーの溶解性及び基材への浸透性が高まると共に、製造コストや環境への負荷を低減させることができる。なお、上記主成分とは、溶媒中の最も多い成分を言い、具体的には50質量%以上が好ましく、70質量%以上がより好ましく、90質量%以上がさらに好ましく、100質量%が特に好ましい。
上記溶媒が、炭素数4以下のアルコール、アセトン及びジメチルホルムアミドからなる群より選ばれる少なくとも1種の有機溶媒をさらに含有することが好ましい。上記炭素数4以下のアルコールとしては、メタノール、エタノール、プロパノール等を挙げることができる。このような有機溶媒をさらに加えることで、例えば、親水性モノマーや重合開始剤の溶解性等を高めることなどができる。上記有機溶媒の中でも、取扱性等の点から、炭素数4以下のアルコールがより好ましく、エタノール(EtOH)がさらに好ましい。これらの有機溶媒の含有量としては、全溶媒に対して5質量%以上40質量%以下が好ましい。
(重合開始剤)
上記溶液が重合開始剤を含有することで、熱重合や光重合等によって、上記親水性モノマーの重合を効率的に行うことができる。
上記重合開始剤としては、公知のものを用いることができるが、熱重合開始剤又は光重合開始剤が好ましい。熱重合開始剤又は光重合開始剤を用いることで、熱重合又は光重合を効果的に行うことができ、生産性等を高めることができる。
熱重合開始剤としては、例えば2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]ジヒドロクロライド、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]ジサルフェイトジハイドレート、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)ジヒドロクロライド、2,2’−アゾビス[N−(2−カルボキシエチル)−2−メチルプロピオンアミジン]ジハイドレート、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]、2,2’−アゾビス(1−イミノ−1−ピロリジノ−2−メチルプロパン)ジヒドロクロライド、2,2’−アゾビス{2−メチル−N−[1,1−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチル]プロピオンアミド}、2,2’−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド]、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)ジヒドロクロライド、2,2’−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド]、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシヘキサノエート、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイドなどが挙げられる。これらの熱重合開始剤は単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
これらの熱重合開始剤の中でも、アゾ系の重合開始剤が好ましい。アゾ系の重合開始剤の中でも、反応性や取扱性等の点から、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]ジヒドロクロライド、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)が好ましく、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]ジヒドロクロライドがより好ましい。
また、溶媒に水のみ又は水を主成分として用いる場合、水溶性のアゾ系重合開始剤が好ましい。このような重合開始剤としては、上記例示中の2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]ジヒドロクロライド、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)ジヒドロクロライド、2,2’−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド]等を挙げることができる。
光重合開始剤としては、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニルホスフィンオキサイド(TPO)、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイドなどのホスフィンオキサイド系光重合開始剤;メチルオルソベンゾイルベンゾエート、メチルベンゾイルフォルメート、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾイン−n−ブチルエーテルなどのベンゾイン系光重合開始剤;2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン(HMPPO)、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、p−イソプロピル−α−ヒドロキシイソブチルフェノン、p−t−ブチルトリクロロアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、α,α−ジクロロ−4−フェノキシアセトフェノン、N,N−テトラエチル−4,4−ジアミノベンゾフェノンなどのフェノン系光重合開始剤;1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン;1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム;2−クロロチオキサンソン、2−メチルチオキサンソンなどのチオキサンソン系光重合開始剤;ジベンゾスバロン;2−エチルアンスラキノン;ベンゾフェノンアクリレート;ベンゾフェノン;ベンジルなどが挙げられる。これらの光重合開始剤は、単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
これらの光重合開始剤の中でも、ホスフィンオキサイド系光重合開始剤及びフェノン系光重合開始剤が好ましく、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニルホスフィンオキサイド、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン(HMPPO)、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オンがより好ましい。さらには、水溶性のホスフィンオキサイド系光重合開始剤及びフェノン系光重合開始剤が好ましく、この点から、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オンがより好ましい。
上記重合開始剤の溶媒100質量部に対する含有量の下限としては、0.00001質量部が好ましく、0.00005質量部がより好ましく、0.0001質量部がさらに好ましい。一方、この上限としては、0.1質量部が好ましく、0.05質量部がより好ましく、0.01質量部がさらに好ましい。上記溶液にこのような含有量の重合開始剤を含有させることで、重合性等を高めることができる。
(接触方法)
上記基材と溶液との接触方法は、特に限定されず、基材への溶液の塗布や、溶液への基材の浸漬等を挙げることができるが、浸漬により行うことが好ましい。このように基材を溶液へ浸漬させることで、基材中へ親水性モノマーを十分に侵入させることができ、重合によって得られる親水性重合体の固定性等が向上する。なお、シリコーンハイドロゲルとなりうる乾燥状態の基材を上記溶液に浸漬させると、この工程において基材の膨潤(ゲル化)も同時に行われる。
工程(2)
本工程においては、上記工程(1)に続いて上記親水性モノマーを重合する。好ましくは、上記溶液に基材を浸漬した状態のまま、溶液中の親水性モノマーを重合させる。なお、溶液(親水性モノマー)が基材中に含浸していれば、浸漬させたままで重合させなくてもよい。
上記重合は、熱重合又は光重合が好ましく、熱重合がより好ましい。このような重合方法を用いることで、効率的に重合を行うことができ十分な表面改質を行うことができるなど、生産性が高まる。
上記熱重合における加熱手段としては特に限定されず、公知の方法を用いることができる。具体的には、例えば、ヒーター、電子レンジ、電磁波、超音波等を用いることができる。
上記光重合における光としては、可視光や紫外線を用いることができるが、重合性等の点から紫外線が好ましい。
上記重合の際の時間(重合時間)の上限としては、180分が好ましく、120分がより好ましく、60分がさらに好ましく、40分が特に好ましい。一方、この下限としては、15秒が好ましく、1分がより好ましく、5分がさらに好ましい。このような重合時間とすることで、効率的に基材表面に濡れ性等を付与することができる。重合時間が上記上限を超えると、例えば酸素透過性等が低下する場合などがある。逆に、重合時間が上記下限未満の場合は、十分な表面改質が行われない場合がある。
上記重合が熱重合である場合、溶液温度の下限としては、40℃が好ましく、50℃がさらに好ましい。一方、この溶液温度の上限としては、140℃が好ましく、90℃がより好ましく、80℃がさらに好ましい。このような溶液温度で熱重合させることで、十分かつ効率的に表面改質を行うことができる。溶液温度が上記下限未満の場合は、重合に時間を要したり、十分な表面改質が行われない場合がある。一方、溶液温度が上記上限を超える場合は、酸素透過性が低下したり、基材の変形等が生じるおそれがある。
<表面処理樹脂成形体>
本発明の表面処理樹脂成形体は、当該表面処理樹脂成形体の製造方法により得られるものである。当該表面処理樹脂成形体は、基材と親水性モノマーを含有する溶液とを接触させてこの親水性モノマーを重合させる処理が施されているため、この親水性モノマーは基材内部の少なくとも表面領域に入り込んだ状態で重合している。すなわち、本発明の表面処理樹脂成形体は、樹脂製の基材と、この基材の少なくとも表面に疑似架橋状態で存在する親水性重合体(上記親水性モノマーの重合体)とを備える。従って、当該表面処理樹脂成形体によれば、親水性モノマーの重合により得られる親水性重合体が基材の少なくとも表面領域に網目状に侵入した状態で固定(疑似架橋)されているため、表面の水濡れ性、潤滑性及び耐汚染性が高く、この性質の持続性にも優れる。
従って、当該表面処理樹脂成形体は、コンタクトレンズや、透析膜、カテーテル、チューブ、ステント、血液バッグ、湿布、絆創膏等の医療器具材料、その他、フィルム等として用いることができる。
これらの中でも、コンタクトレンズとして好適に用いることができる。当該表面処理樹脂成形体をコンタクトレンズに用いると、水濡れ性、潤滑性及び耐汚染性並びにこれらの持続性の高さを有効に活用することができる。また、当該表面処理樹脂成形体は、酸素透過性の低下を抑えることができる点においても、コンタクトレンズに好適である。
以下、実施例によって本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
以下に、実施例で用いられている化合物の略称の意味を示す。
(親水性モノマー)
DMAA:N,N−ジメチルアクリルアミド
N−VP:N−ビニルピロリドン
N−MMP:1−メチル−3−メチレン−2−ピロリドン
MAA:メタクリル酸
GLBT:N−メタクリロイルオキシエチル−N,N−ジメチルアンモニウム−α−N−メチルカルボキシベタイン(大阪有機化学工業(株))
(重合開始剤)
VA−044:2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]ジヒドロクロライド
V−65:2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)
IR(イルガキュア:登録商標)2959:1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン
TPO:2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニルホスフィンオキサイド
HMPPO:2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン
[製造例1(基材Aの製造)]
基材用モノマーとして、ウレタン含有シロキサンマクロマー:上記式(C−1)で表される化合物(35質量部)、トリス(トリメチルシロシキ)シリルプロピルメタクリレート(20質量部)、N−MMP(35質量部)及びDMAA(10質量部)、架橋剤としてエチレングリコールジメタクリレート(0.4質量部)、重合開始剤としてHMPPO(0.4質量部)、並びに非重合性着色剤(0.01質量部)含有する組成物を調製した。この組成物を鋳型法による光重合によりコンタクトレンズ形状の基材Aを得た。
[製造例2(基材Bの製造)]
基材用モノマーとして、ウレタン含有シロキサンマクロマー:上記式(C−1)で表される化合物(10質量部)、トリス(トリメチルシロシキ)シリルプロピルメタクリレート(25質量部)、N−VP(40質量部)及び2−メトキシエチルアクリレート(25質量部)、架橋剤としてアリルメタクリレート(0.3質量部)、紫外線吸収剤としてRUVA−93(1質量部)、重合開始剤としてTPO(0.5質量部)、並びに非重合性着色剤(0.02質量部)含有する組成物を調製した。この組成物を鋳型法による光重合によりコンタクトレンズ形状の基材Bを得た。
[製造例3(基材Cの製造)]
基材用モノマーとして、ウレタン含有シロキサンマクロマー:上記式(C−1)で表される化合物(24質量部)、トリス(トリメチルシロシキ)シリルプロピルメタクリレート(26質量部)、N−MMP(28質量部)及びDMAA(22質量部)、架橋剤としてエチレングリコールジメタクリレート(0.4質量部)、紫外線吸収剤としてRUVA−93(1.7質量部、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メタクリロイロキシエチルフェニル)−2−H−ベンゾトリアゾール(大塚化学製))、重合開始剤としてTPO(0.5質量部)、溶媒としてn−プロパノール(2.0質量部)並びに重合性着色剤(0.01質量部)含有する組成物を調製した。この組成物を鋳型法による光重合によりコンタクトレンズ形状の基材Cを得た。
[実施例1]
溶媒としての水100質量部に対し、親水性モノマーとしてDMAA(3.2質量部)及び熱重合開始剤としてVA−044(0.0032質量部)を添加し、表面処理用の溶液(処理液)を調製した。
上記溶液に得られた上記基材Aを浸漬し、溶媒が蒸発しないようにフタをした状態で溶液を70℃で120分加熱することで、熱重合を行った。次いで、基材Aを水ですすぎ、生理食塩液中で高圧蒸気滅菌(121℃、20分)を施し、実施例1の表面処理樹脂成形体を得た。なお、この浸漬により、乾燥状態の基材が膨潤し、シリコーンハイドロゲルとなった。
[実施例2〜23]
基材の種類、親水性モノマー、重合開始剤及び溶媒の種類及び量、並びに重合方法及びその条件(温度及び時間)を表1〜3に記載のとおりとしたこと以外は、実施例1と同様の処理を行い、実施例2〜23の表面処理樹脂成形体を得た。
[比較例1〜3]
表1の基材を用い、処理液への浸漬及び70℃で120分の加熱(親水性モノマー処理)の代わりにプラズマ処理を行い比較例1〜3の表面処理樹脂成形体を得た。なお、上記プラズマ処理は以下の条件で行った。
ガス種:CO
出力:50W
圧力:0.8Torr
時間:2分
[評価]
得られた各表面処理樹脂成形体に対して以下の評価を行った。評価結果を表1〜表3に示す。なお、空欄部分は評価を行っていないことを示す。
(水濡れ性)
同一の基材(A、B又はC)に対してプラズマ処理を行ったもの(比較例1〜3)と比較して優れるものを○、同程度であるものを△とした。
(潤滑性)
指で触ってぬるぬるした感触があるものを○、無いものを×とした。
(耐脂質付着性(耐汚染性))
以下の手順にて耐脂質付着性(耐汚染性)を評価した。
(1)ガラス瓶に脂肪酸エステル(日油(株)製ファーマゾールB−112)を入れ、加熱融解させた。
(2)水分を拭き取ったレンズを浸漬した。
(3)室温で約14時間放置した。
(4)再度、脂肪酸エステルを加熱融解し、レンズを取り出し、熱水でレンズを濯いだ。
(5)レンズをエピカコールド((株)メニコン製)でこすり洗いし、エピカコールド中で約4時間放置したのち、レンズを観察した。なお、「こすり洗い」とは、レンズを手のひらと指の間に挟み、両面をそれぞれ20回こすることを意味する。
同一の基材(A、B又はC)に対してプラズマ処理を行ったもの(比較例1〜3)と比較して明らかに優れるものを○、わずかに優れる程度であるものを△とした。
(接触角)
液適法と気泡法とで接触角(°)を測定した。
Figure 2013235034
Figure 2013235034
Figure 2013235034
上記表1〜3に示されるように、本発明の表面処理樹脂成形体の製造方法によれば、水濡れ性、潤滑性及び耐脂質付着性(耐汚染性)に優れる表面処理樹脂成形体を得ることができる。
[製造例4(基材Dの製造)]
基材用モノマーとして、ウレタン含有シロキサンマクロマー:上記式(C−1)で表される化合物(20質量部)及びDMAA(80質量部)、架橋剤としてエチレングリコールジメタクリレート(0.5質量部)、重合開始剤としてV−65(0.1質量部)を含有する組成物を調製した。この組成物を試験管に入れ、30℃で24時間加熱した後、50℃で24時間加熱し、棒状の重合体を得た。これを切削加工し、プレート形状の基材Dを得た。
[製造例5(基材Eの製造)]
基材用モノマーとして、ウレタン含有シロキサンマクロマー:上記式(C−1)で表される化合物(50質量部)及びDMAA(50質量部)、架橋剤としてエチレングリコールジメタクリレート(0.5質量部)、重合開始剤としてV−65(0.1質量部)を含有する組成物を調製した。この組成物を試験管に入れ、30℃で24時間加熱した後、50℃で24時間加熱し、棒状の重合体を得た。これを切削加工し、プレート形状の基材Eを得た。
[実施例24]
溶媒としての水100質量部に対し、親水性モノマーとしてDMAA(5質量部)及び熱重合開始剤としてVA−044(0.005質量部)を添加し、表面処理用の溶液(処理液)を調製した。上記溶液に基材Eを浸漬し、溶媒が蒸発しないようにフタをした状態で溶液を70℃で120分加熱することで、熱重合を行った。次いで、基材を水ですすぎ、生理食塩液中で高圧蒸気滅菌(121℃、20分)を施し、本発明の表面処理(親水性モノマー処理)を施した実施例24の表面処理樹脂成形体を得た。
[比較例4〜5]
基材D又はEに対してプラズマ処理を行い、生理食塩液中で高圧蒸気滅菌(121℃、20分)を施し、比較例4〜5の表面処理樹脂成形体を得た。なお、上記プラズマ処理は上記比較例1〜3と同様とした。
[評価(酸素透過性と潤滑性)]
得られた各表面処理樹脂成形体における酸素透過係数(Dk)を測定した。また、各表面処理樹脂成形体の潤滑性を上記と同様の基準で評価した。測定及び評価結果を表4に示す。
Figure 2013235034
表4に示されるように、実施例24の表面処理樹脂成形体は高い酸素透過性と潤滑性とを兼ね備えていることがわかる。一方、比較例4のように、基材におけるシリコーン系モノマーの使用量を減らし、親水性モノマーの使用量を増やすことで単に潤滑性は付与できるが、この場合、酸素透過性が下がる。また、比較例5のように、実施例24と同様の基材に対してプラズマ処理しても高い潤滑性が付与されないことがわかる。
[実施例25]
溶媒としての水100質量部に対し、親水性モノマーとしてDMAA(3.2質量部)及び熱重合開始剤としてVA−044(0.0032質量部)を添加し、表面処理用の溶液(処理液)を調製した。上記溶液に上記基材Aを浸漬し、溶媒が蒸発しないようにフタをした状態で溶液を70℃で120分加熱することで、熱重合を行った。次いで、基材を水ですすぎ、生理食塩液中で高圧蒸気滅菌(121℃、20分)を施し、実施例25の表面処理樹脂成形体を得た。
[実施例26]
溶媒としての水100質量部に対し、親水性モノマーとしてDMAA(10質量部)及び熱重合開始剤としてVA−044(0.01質量部)を添加し、表面処理用の溶液(処理液)を調製した。上記溶液に上記基材Aを浸漬し、溶媒が蒸発しないようにフタをした状態で溶液を70℃で120分加熱することで、熱重合を行った。次いで、基材を水ですすぎ、生理食塩液中で高圧蒸気滅菌(121℃、20分)を施し、実施例26の表面処理樹脂成形体を得た。
[比較例6]
上記基材Aに対してプラズマ処理を行い、生理食塩液中で高圧蒸気滅菌(121℃、20分)を施し、比較例6の表面処理樹脂成形体を得た。なお、上記プラズマ処理は上記比較例1〜3と同様とした。
[評価(接触角の測定)]
得られた各表面処理樹脂成形体における接触角を気泡法にて測定した。具体的には、水中に表面処理樹脂成形体を固定し、この成形体の下方に気泡を接触させ、成形体に接触した気泡と成形体とがなす角の角度を測定した。測定結果を表5に示す。
Figure 2013235034
表5に示されるように本発明の表面処理を行った場合、プラズマ処理に比べて接触角が低下することがわかる。なお、実施例26は、気泡が付かず、特に水濡れ性が高いことがわかる。
[評価(潤滑性の数値評価)]
実施例25、26及び比較例6で得られた各表面処理樹脂成形体における潤滑性(最大静止摩擦力)について、図1に示す装置1を用いた以下の方法にて測定した。測定結果を表6に示す。
1.レンズ装着部本体2にレンズ形状の表面処理樹脂成形体10を貼り合わせた(図1(a)参照)。
2.成形体10の周囲をキャップ3で押さえて固定した(図1(a)〜(b)参照)。
3.台5上の測定面6に測定液20(生理食塩水)を滴下した。
4.固定した上記表面処理樹脂成形体10と測定面6とを接触させた(図1(c)参照)。
5.台5を引く力を加え、動き始めたときの力(最大静止摩擦力)を計測した。
Figure 2013235034
上記表6に示されるように本発明の表面処理を行った場合、プラズマ処理を行った場合と比して摩擦力が低い(潤滑性が高い)ことがわかる。
以上説明したように、本発明の表面処理樹脂成形体の製造方法は、基材表面に十分な水濡れ性、潤滑性及び耐汚染性を付与することができ、コンタクトレンズ基材の表面改質等に好適に用いることができる。
1 装置
2 レンズ装着部本体
3 キャップ
5 台
6 測定面
10 表面処理樹脂成形体
20 測定液

Claims (19)

  1. 樹脂製の基材と親水性モノマーを含有する溶液とを接触させる工程、及び
    上記親水性モノマーを重合する工程
    を有する表面処理樹脂成形体の製造方法。
  2. 上記接触が、溶液への基材の浸漬である請求項1に記載の表面処理樹脂成形体の製造方法。
  3. 上記親水性モノマーが、(メタ)アクリルアミド類、重合性官能基を有するピロリドン類、カルボン酸、及び水酸基又はイオン性基を有する(メタ)アクリレート類からなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項1又は請求項2に記載の表面処理樹脂成形体の製造方法。
  4. 上記親水性モノマーが、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−ビニルピロリドン、1−メチル−3−メチレン−2−ピロリドン、1−メチル−5−メチレン−2−ピロリドン、5−メチル−3−メチレン−2−ピロリドン、(メタ)アクリル酸、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリルオキシエチルホスホリルコリン及びカルボキシベタイン構造含有(メタ)アクリレートからなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項3に記載の表面処理樹脂成形体の製造方法。
  5. 上記溶液における溶媒100質量部に対する親水性モノマーの含有量が0.1質量部以上30質量部以下である請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の表面処理樹脂成形体の製造方法。
  6. 上記溶液の溶媒が水を主成分として含有する請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の表面処理樹脂成形体の製造方法。
  7. 上記溶媒が、炭素数4以下のアルコール、アセトン及びジメチルホルムアミドからなる群より選ばれる少なくとも1種の有機溶媒をさらに含有する請求項6に記載の表面処理樹脂成形体の製造方法。
  8. 上記溶液が重合開始剤をさらに含有し、
    上記溶液における溶媒100質量部に対する重合開始剤の含有量が0.00001質量部以上0.1質量部以下である請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の表面処理樹脂成形体の製造方法。
  9. 上記重合開始剤が熱重合開始剤又は光重合開始剤である請求項8に記載の表面処理樹脂成形体の製造方法。
  10. 上記重合の時間が15秒以上180分以下である請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の表面処理樹脂成形体の製造方法。
  11. 上記重合が熱重合である請求項1から請求項10のいずれか1項に記載の表面処理樹脂成形体の製造方法。
  12. 上記重合の際の溶液温度が40℃以上140℃以下である請求項11に記載の表面処理樹脂成形体の製造方法。
  13. 上記基材がシリコーンハイドロゲルである請求項1から請求項12のいずれか1項に記載の表面処理樹脂成形体の製造方法。
  14. 上記基材の表面の少なくとも一部がプラズマ処理されている請求項1から請求項13のいずれか1項に記載の表面処理樹脂成形体の製造方法。
  15. 上記基材の表面の少なくとも一部がプラズマ処理されていない請求項1から請求項13のいずれか1項に記載の表面処理樹脂成形体の製造方法。
  16. 基材用モノマーを含有する組成物を用いて上記基材を形成する工程
    をさらに有し、
    上記組成物が親水性重合体及び/又は有機溶媒を実質的に含まない請求項1から請求項15に記載の表面処理樹脂成形体の製造方法。
  17. 請求項1から請求項16のいずれか1項に記載の表面処理樹脂成形体の製造方法により得られる表面処理樹脂成形体。
  18. コンタクトレンズとして用いられる請求項17に記載の表面処理樹脂成形体。
  19. 樹脂製の基材と、この基材の少なくとも表面に疑似架橋状態で存在する親水性重合体とを備える表面処理樹脂成形体。


JP2012105468A 2012-05-02 2012-05-02 表面処理樹脂成形体の製造方法及び表面処理樹脂成形体 Pending JP2013235034A (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012105468A JP2013235034A (ja) 2012-05-02 2012-05-02 表面処理樹脂成形体の製造方法及び表面処理樹脂成形体
PCT/JP2013/062489 WO2013164989A1 (ja) 2012-05-02 2013-04-26 表面処理樹脂成形体の製造方法及び表面処理樹脂成形体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012105468A JP2013235034A (ja) 2012-05-02 2012-05-02 表面処理樹脂成形体の製造方法及び表面処理樹脂成形体

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2013235034A true JP2013235034A (ja) 2013-11-21
JP2013235034A5 JP2013235034A5 (ja) 2015-06-11

Family

ID=49514388

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012105468A Pending JP2013235034A (ja) 2012-05-02 2012-05-02 表面処理樹脂成形体の製造方法及び表面処理樹脂成形体

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP2013235034A (ja)
WO (1) WO2013164989A1 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101775358B1 (ko) * 2014-05-09 2017-09-07 주식회사 인터로조 습윤성 표면을 가지는 하이드로겔 콘택트렌즈 및 그 제조방법
JPWO2022044679A1 (ja) * 2020-08-27 2022-03-03

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN113698653B (zh) * 2021-09-18 2022-08-23 江南大学 一种基于丙烯酸类聚合和光固化的亲水涂层及其制备方法
US20240168200A1 (en) * 2021-11-12 2024-05-23 Pegavision Corporation Contact lens and manufacturing method thereof

Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09506665A (ja) * 1987-04-10 1997-06-30 ザ ユニヴァーシティ オブ フロリダ 表面改質した医療器具
JP2001337298A (ja) * 2000-03-21 2001-12-07 Menicon Co Ltd 親水性表面を有する眼用レンズ材料およびその製法
JP2002511112A (ja) * 1997-06-02 2002-04-09 フアーマシア・アンド・アツプジヨン・アー・ベー ポリマー基体の表面修飾プロセス及び、そのプロセスから形成されるポリマー
JP2003215509A (ja) * 2002-01-24 2003-07-30 Hoya Healthcare Corp 親水化表面を有するシリコーンハイドロゲルからなるソフトコンタクトレンズの製造方法及びソフトコンタクトレンズ
JP2003534860A (ja) * 2000-05-30 2003-11-25 ノバルティス アクチエンゲゼルシャフト 被覆品
JP2004501381A (ja) * 2000-04-18 2004-01-15 オキュラー サイエンシス インコーポレイテッド 眼科用レンズおよび組成物、並びにそれらの製造方法
JP2004511343A (ja) * 2000-10-16 2004-04-15 ノバルティス アクチエンゲゼルシャフト 材料表面をコーティングする方法
JP2004536633A (ja) * 2001-05-21 2004-12-09 ノバルティス アクチエンゲゼルシャフト 絡み合った親水性ポリマーを有するボトル−ブラシ型コーティング
JP2005290361A (ja) * 2004-03-08 2005-10-20 Toray Ind Inc プラスチック成形品の表面処理方法および表面処理されたプラスチック成形品

Patent Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09506665A (ja) * 1987-04-10 1997-06-30 ザ ユニヴァーシティ オブ フロリダ 表面改質した医療器具
JP2002511112A (ja) * 1997-06-02 2002-04-09 フアーマシア・アンド・アツプジヨン・アー・ベー ポリマー基体の表面修飾プロセス及び、そのプロセスから形成されるポリマー
JP2001337298A (ja) * 2000-03-21 2001-12-07 Menicon Co Ltd 親水性表面を有する眼用レンズ材料およびその製法
JP2004501381A (ja) * 2000-04-18 2004-01-15 オキュラー サイエンシス インコーポレイテッド 眼科用レンズおよび組成物、並びにそれらの製造方法
JP2003534860A (ja) * 2000-05-30 2003-11-25 ノバルティス アクチエンゲゼルシャフト 被覆品
JP2004511343A (ja) * 2000-10-16 2004-04-15 ノバルティス アクチエンゲゼルシャフト 材料表面をコーティングする方法
JP2004536633A (ja) * 2001-05-21 2004-12-09 ノバルティス アクチエンゲゼルシャフト 絡み合った親水性ポリマーを有するボトル−ブラシ型コーティング
JP2003215509A (ja) * 2002-01-24 2003-07-30 Hoya Healthcare Corp 親水化表面を有するシリコーンハイドロゲルからなるソフトコンタクトレンズの製造方法及びソフトコンタクトレンズ
JP2005290361A (ja) * 2004-03-08 2005-10-20 Toray Ind Inc プラスチック成形品の表面処理方法および表面処理されたプラスチック成形品

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101775358B1 (ko) * 2014-05-09 2017-09-07 주식회사 인터로조 습윤성 표면을 가지는 하이드로겔 콘택트렌즈 및 그 제조방법
JPWO2022044679A1 (ja) * 2020-08-27 2022-03-03
WO2022044679A1 (ja) * 2020-08-27 2022-03-03 東京応化工業株式会社 表面処理液、及び親水化処理方法

Also Published As

Publication number Publication date
WO2013164989A1 (ja) 2013-11-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5775817B2 (ja) ハイブリッドソフトコンタクトレンズ、この製造方法及び水和処理方法
JP4235204B2 (ja) 安全性の高いシリコーン含有眼用レンズ材料およびその製造方法
JP3850729B2 (ja) 眼用レンズ材料
JP5766603B2 (ja) 眼用レンズ
JP2010510550A (ja) コンタクトレンズ
EP1750157A1 (en) Contact lens
WO2009055189A1 (en) Method for making biomedical devices
WO2013164989A1 (ja) 表面処理樹脂成形体の製造方法及び表面処理樹脂成形体
KR20160140702A (ko) 실리콘 아크릴아미드 공중합체
WO2016199755A1 (ja) ゲル、ゲルの製造方法、レンズ、コンタクトレンズ表面改質剤、重合性組成物及び重合体
JP6317170B2 (ja) シリコーンハイドロゲルの製造方法
JP5668062B2 (ja) イオン性化合物、組成物、硬化物、ハイドロゲル及び眼用レンズ
KR20160140701A (ko) 실리콘 아크릴아미드 공중합체
JP4566536B2 (ja) 眼用レンズ材料
JP6023899B2 (ja) 眼用レンズ
JP5302981B2 (ja) 親水性表面を有する眼用レンズおよび眼用レンズの製造方法
WO2001023945A1 (fr) Materiau pour lentilles oculaires
JP3063877B2 (ja) 含水性ソフトコンタクトレンズ
WO2023209855A1 (ja) 添加型ポリマー及びシリコーンハイドロゲルレンズ材料
JPH0675193A (ja) 複合レンズの製造方法
JP2021172691A (ja) 含水材料用重合体
JPH0968680A (ja) 眼用レンズ材料およびその製法
JP2017171756A (ja) シリコーンモノマー、シリコーンポリマーおよびそれを用いたメディカルデバイス並びにシリコーンモノマーおよびシリコーンポリマーの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150421

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150421

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160510

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160627

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20161122