JP5775817B2 - ハイブリッドソフトコンタクトレンズ、この製造方法及び水和処理方法 - Google Patents

ハイブリッドソフトコンタクトレンズ、この製造方法及び水和処理方法 Download PDF

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Description

本発明は、装用感が良好かつ連続装用が可能なハイブリッドソフトコンタクトレンズ、このようなハイブリッドソフトコンタクトレンズの製造方法、及びこのようなハイブリッドソフトコンタクトレンズの水和処理方法に関する。
軟質素材と硬質素材とを備えるハイブリッドコンタクトレンズは、装用感に優れ、かつ酸素透過性に優れたレンズとしていくつか提案されている(特許文献1、特許文献2、特許文献3)。しかし、これらはレンズを構成する複数の素材のヤング率が大きく異なるために、同一応力下における形状変形の差が大きい。このため、瞬目時に違和感が生じ装用感を低下させる。
また、シリコーン成分を含有した吸水率の低いハードレンズは濡れ性が著しく低下するため、乾燥感により、装用感を著しく損なう。特に従来のハイブリッドコンタクトレンズの場合、レンズがソフトコンタクトレンズと同じ大きさでありながら、水濡れ性の低いハードセグメントが、涙液が供給される周縁部から最も遠い部位に位置することとなる。このため、涙液による被膜が十分ではなく、乾燥による装用感低下が著しく生じる。特許文献4に記載の硬質部をソフト部によって包含した場合においても同様に、硬質部本来の硬度と周辺部の硬度の差異により装用感を低下させる。これらハイブリッドコンタクトレンズは滅菌処理が必須であるが、中央部に硬質な材料を用いると高圧蒸気による滅菌処理を施した場合、硬質部に塑性変形が生じるためレンズ機能が損なわれる。これらレンズには放射線滅菌を施すことが可能であるが、コストの問題等により一般的ではない。さらには、特許文献5のような方法も開示されているが、高酸素透過性能を担うシリコーン成分が含まれず、角膜に供給されるべき酸素量を十分に確保できない。
また、装用感が良く酸素透過性に優れたシリコーン含有の含水性レンズであり連続装用可能でありながら、従来のシリコーン含有ハードレンズよりも涙液保持性に優れかつ軟質な同一ポリマーで構成されたシリコーン含有含水性ソフトレンズも提案されている(特許文献6)。しかし、この手法を用いて光学性に優れた連続装用可能な含水性ソフトコンタクトレンズを製造した場合、レンズ全体のヤング率が上昇するために、本来装用感の向上を担う周辺部のヤング率までが上昇しかえって装用感が低下する。
特開昭49−120655号公報 特許第3309856号公報 WO2005/116728号パンフレット 特表2006−515689号公報 特表平8−507094号公報 特開平6−121826号公報
本発明は、装用感が良好かつ連続装用が可能で高圧蒸気滅菌可能な含水性のハイブリッドソフトコンタクトレンズ、このようなハイブリッドソフトコンタクトレンズの製造方法及びこのようなハイブリッドソフトコンタクトレンズの水和処理方法を提供する。
上記課題を解決するためになされた発明は、
第1の含水性軟質素材から形成される中央部と、第2の含水性軟質素材から形成される周辺部とを備え、上記第1の含水性軟質素材がシリコーン含有モノマーを含む第1の硬化性組成物を硬化して得られるハイブリッドソフトコンタクトレンズである。
当該ハイブリッドソフトコンタクトレンズによれば、中央部・周辺部共に含水性軟質素材から形成されているため、この境界部が目に接触することによる装用感の低下を抑えることができる。また、当該ハイブリッドソフトコンタクトレンズは、硬質素材を用いていないことから、高圧蒸気滅菌が可能となる。
また、当該ハイブリッドソフトコンタクトレンズによれば、第1の含水性軟質素材がシリコーン含有モノマーに由来する部分を含むことで、中央部においても十分な酸素透過性を付与することができる。
上記第1の含水性軟質素材のヤング率が3.0MPa以上100MPa以下であり、上記第2の含水性軟質素材のヤング率が0.20MPa以上3.0MPa未満であることが好ましい。当該ハイブリッドソフトコンタクトレンズによれば、第1及び第2の含水性軟質素材のヤング率を上記範囲とすることで、力が加わった際の形状変形の差が抑えられるため、装用感の低下をさらに防ぐことができる。
当該ハイブリッドソフトコンタクトレンズにおいて、
下記式(1)に従った上記第1の含水性軟質素材のサイズ変化率(A)と上記第2の含水性軟質素材のサイズ変化率(B)との差が0.05以下であるとよい。
サイズ変化率=水和処理後のプレートの20℃にて生理食塩水に浸漬した状態での直径(mm)/水和処理前のプレートの直径(mm) ・・・ (1)
当該ハイブリッドソフトコンタクトレンズによれば、第1含水性軟質素材と第2含水性軟質素材とのサイズ変化率の差を上記範囲としているため、水和処理や乾燥時など含水量の変化に対するレンズの変形を抑えることができる。
上記第1の含水性軟質素材のサイズ変化率(A)に対する上記第2の含水性軟質素材のサイズ変化率(B)の比(B/A)が0.94以上1.06以下であるとよい。当該ハイブリッドソフトコンタクトレンズは、このサイズ変化率の比を上記範囲とすることで、さらに上記変形を抑えることができる。
上記第1の硬化性組成物が下記式(I)で表されるシリコーン含有モノマーを含み、このシリコーン含有モノマーの含有率が30質量%以上70質量%以下であるとよい。
Figure 0005775817
(式(I)中、m及びnは、それぞれ独立して、1〜15の整数である。pは、0又は1である。)
当該ハイブリッドソフトコンタクトレンズは、第1の含水性軟質素材が特定構造を有するシリコーン含有モノマーに由来する部分を含むことで、レンズの中央部に酸素透過性に加え、適度なヤング率を有する軟性を付与させることができる。
本発明の第1の含水性軟質素材から形成される中央部と、第2の含水性軟質素材から形成される周辺部とを備え、上記第1の含水性軟質素材が、シリコーン含有モノマーを含む第1の硬化性組成物を硬化して得られるハイブリッドソフトコンタクトレンズの製造方法は、
第1の硬化性組成物を硬化させて、レンズ中央部用の上記第1の含水性軟質素材を形成する第1含水性軟質素材形成工程と、
第2の硬化性組成物を硬化させて、レンズ周辺部用の上記第2の含水性軟質素材を形成する第2含水性軟質素材形成工程と、
この第1の含水性軟質素材及び第2の含水性軟質素材を備える形成体をコンタクトレンズ形状に成形する成形工程と
を有する。
当該製造方法によれば、中央部・周辺部ともに軟質素材から形成されるハイブリッドコンタクトレンズを効率的に製造することができる。
上記第1含水性軟質素材形成工程及び第2含水性軟質素材形成工程において、一方の工程を先に行い、形成された一方の含水性軟質素材に他方の硬化性組成物を接触させた状態で他方の工程を行うことが好ましい。当該製造方法によれば、他方の硬化性組成物の一部が一方の含水性軟質素材に含浸した状態で硬化されるため、レンズ中央部と周辺部との接合部分の強度を高めることができる。また、この接合部分が、両含水性軟質素材の中間的な軟性及びサイズ変化率を備えることとなるため、水和処理時等におけるレンズの変形を抑えることができる。
また、上記製造方法において、
上記第1含水性軟質素材形成工程及び第2含水性軟質素材形成工程後に、形成された第1の含水性軟質素材及び第2の含水性軟質素材を、第3の硬化性組成物を介して接着させることにより両含水性軟質素材を一体化させる工程を有することも好ましい。このような製造方法によっても、第1の含水性軟質素材及び第2の含水性軟質素材を、第3の硬化性組成物を介して接着させているため、水和処理の際などのレンズの変形を抑えることができる。
また、上記製造方法において、
上記第1含水性軟質素材形成工程及び第2含水性軟質素材形成工程前に、第3の硬化性組成物を硬化させて、平均厚さ0.5mm以下の接合層を形成する工程を有し、
上記第1含水性軟質素材形成工程をこの接合層の一の面に第1の硬化性組成物を接触させた状態で行い、
上記第2含水性軟質素材形成工程をこの接合層の他の面に第2の硬化性組成物を接触させた状態で行うことも好ましい。
このような製造方法によっても、第1の含水性軟質素材及び第2の含水性軟質素材が、接合層を介して一体化されているため、製造工程における水和処理時の際などのレンズの変形を抑えることができる。
これらのハイブリッドソフトコンタクトレンズの製造方法において、
下記式(1)に従った上記第1の含水性軟質素材のサイズ変化率(A)と上記第2の含水性軟質素材のサイズ変化率(B)との差が0.05以下であるとよい。
サイズ変化率=水和処理後のプレートの20℃にて生理食塩水に浸漬した状態での直径(mm)/水和処理前のプレートの直径(mm) ・・・ (1)
また、これらのハイブリッドソフトコンタクトレンズの製造方法において、
上記第1の含水性軟質素材のサイズ変化率(A)に対する上記第2の含水性軟質素材のサイズ変化率(B)の比(B/A)が0.94以上1.06以下であるとよい。
当該製造方法によれば、このようにサイズ変化率が近い第1の含水性軟質素材及び第2の含水性軟質素材を用いることで、成形工程後の水和処理時の際などのレンズの変形をさらに抑えることができる。
これらの製造方法が、コンタクトレンズ形状に成形された上記形成体を水和処理液に浸漬することにより水和処理する工程
をさらに有し、この際、
下記式(1’)に従った上記第1の含水性軟質素材のサイズ変化率(A’)と上記第2の含水性軟質素材のサイズ変化率(B’)との差が0.05以下となる第1の含水性軟質素材、第2の含水性軟質素材及び水和処理液の組み合わせを用いるとよい。
サイズ変化率=水和処理液による水和処理後のプレートの水和処理液に浸漬した状態での直径(mm)/水和処理前のプレートの直径(mm) ・・・ (1’)
当該製造方法によれば、このように第1及び第2の含水性素材並びに水和処理液を第1及び第2の含水性軟質素材のサイズ変化率を考慮して選択することなどで、水和処理時のレンズの変形をさらに低減させることができる。
上記製造方法において、さらに第1の含水性軟質素材のサイズ変化率(A’)に対する第2の含水性軟質素材のサイズ変化率(B’)の比(B’/A’)が0.94以上1.06以下となる第1の含水性軟質素材、第2の含水性軟質素材及び水和処理液の組み合わせを用いるとよい。当該製造方法によれば、水和処理時のレンズの変形をより低減させることができる。
本発明の第1の含水性軟質素材から形成される中央部と、第2の含水性軟質素材から形成される周辺部とを備え、上記第1の含水性軟質素材がシリコーン含有モノマーを含む第1の硬化性組成物を硬化して得られるハイブリッドソフトコンタクトレンズを水和処理液に浸漬する水和処理方法は、
下記式(1’)に従った上記第1の含水性軟質素材のサイズ変化率(A’)と上記第2の含水性軟質素材のサイズ変化率(B’)との差が0.05以下となる水和処理液を用いる方法である。
サイズ変化率=水和処理液による水和処理後のプレートの水和処理液に浸漬した状態での直径(mm)/水和処理前のプレートの直径(mm) ・・・ (1’)
当該水和処理方法によれば、第1の含水性軟質素材のサイズ変化率(A’)と第2の含水性軟質素材のサイズ変化率(B’)との差を所定範囲に抑えているため、乾燥状態のハイブリッドソフトコンタクトレンズをこの水和処理液で水和させた際に、レンズがほぼ均一に膨潤するので、レンズの変形を防止することができる。
上記水和処理方法において、上記第1の含水性軟質素材のサイズ変化率(A’)に対する上記第2の含水性軟質素材のサイズ変化率(B’)の比(B’/A’)が0.94以上1.06以下となる水和処理液を用いるとよい。当該水和処理方法によれば、さらに、ハイブリッドソフトコンタクトレンズの変形を防止することができる。
本発明のハイブリッドソフトコンタクトレンズは、中央部・周辺部共に含水性軟質素材から形成されているため、境界部が目に接触することによる装用感の低下を抑えることができる。また、硬質素材を用いないことから、高圧蒸気滅菌が可能となる。
また、本発明のハイブリッドソフトコンタクトレンズの製造方法は、上記ハイブリッドソフトコンタクトレンズの製造方法に好適であり、特に、水和処理時におけるレンズの変形を低減させることができる。本発明のハイブリッドソフトコンタクトレンズの水和処理方法によれば、水和処理におけるレンズの変形を低減させることができる。
実施例における第1含水性軟質素材形成工程の方法を示す模式図である。 実施例におけるフタ加工した第1の含水性軟質素材を示す模式図である。 実施例における第2含水性軟質素材形成工程の方法を示す模式図である。 実施例における第1及び第2の含水性軟質素材を備える形成体を示す模式図である。
以下、本発明の実施の形態をハイブリッドソフトコンタクトレンズ及びこの製造方法の順に詳説する。なお、製造方法の説明において、あわせて、ハイブリッドソフトコンタクトの水和処理方法について詳説する。
<ハイブリッドソフトコンタクトレンズ>
本発明のハイブリッドソフトコンタクトレンズは、第1の含水性軟質素材から形成される中央部と、第2の含水性軟質素材から形成される周辺部とを備える。
当該ハイブリッドソフトコンタクトレンズによれば、中央部・周辺部共に含水性軟質素材から形成されているため、この境界部が目に接触することによる装用感の低下を抑えることができる。また、当該ハイブリッドソフトコンタクトレンズは、硬質素材を用いていないことから、高圧蒸気滅菌が可能となる。
当該ハイブリッドソフトコンタクトレンズにおいて、第1の含水性軟質素材のヤング率と第2の含水性軟質素材のヤング率とが異なっていることが好ましい。具体的には、中央部(第1の含水性軟質素材)のヤング率を周辺部(第2の含水性軟質素材)のヤング率よりも高くする(従来のソフトコンタクトレンズよりも硬めにする)ことで、矯正力が高まる。なお、この第1及び第2含水性軟質素材のヤング率とは、含水状態で測定した値をいう。
中央部(第1の含水性軟質素材)のヤング率の好ましい値は3.0MPa以上100MPa以下であり、より好ましい値は3.0MPa以上65MPa以下である。中央部(第1の含水性軟質素材)のヤング率が上記下限より低いと角膜矯正効果を得ることができないおそれがある。また、中央部(第1の含水性軟質素材)のヤング率が上記上限より高いと、瞬目時に眼瞼から生じる圧力によるレンズ変形が境界部に集中するため、装用感に違和感が生じる場合がある。また、周辺部(第2の含水性軟質素材)のヤング率の好ましい値は0.20MPa以上3.0MPa未満である。周辺部(第2の含水性軟質素材)のヤング率が上記下限より低いと、周辺部の形状保持ができずレンズの装着が困難となる場合がある。周辺部(第2の含水性軟質素材)のヤング率が上記上限より高いと装用感が低下する場合がある。また、当該ハイブリッドソフトコンタクトレンズによれば、第1及び第2の含水性軟質素材のヤング率を上記範囲とすることで、力が加わった際の形状変形の差が抑えられるため、装用感の低下をさらに防ぐことができる。
当該ハイブリッドソフトコンタクトレンズにおいて、
下記式(1)に従った上記第1の含水性軟質素材のサイズ変化率(A)と上記第2の含水性軟質素材のサイズ変化率(B)との差が0.05以下であるとよく、0.04以下がさらに好ましい。
サイズ変化率=水和処理後のプレートの20℃にて生理食塩水に浸漬した状態での直径(mm)/水和処理前のプレートの直径(mm) ・・・ (1)
当該ハイブリッドソフトコンタクトレンズによれば、第1含水性軟質素材と第2含水性軟質素材とのサイズ変化率の差を上記範囲とすることで、境界部分に加わるストレスが緩和され、水和処理時や乾燥時などにおける含水量の変化に対するレンズの変形を抑えることができる。
このサイズ変化率を測定する際のプレートは、水和処理前(乾燥状態)において、直径12mm、厚さ0.2mmである扁平円柱体を用いる。
上記第1の含水性軟質素材のサイズ変化率(A)に対する上記第2の含水性軟質素材のサイズ変化率(B)の比(B/A)が0.94以上1.06以下であるとよく、0.95以上1.05以下がさらに好ましい。当該ハイブリッドソフトコンタクトレンズは、このサイズ変化率の比を上記範囲とすることで、さらに上述の含水量の変化に対する変形を抑えることができる。
本発明のハイブリッドソフトコンタクトレンズの酸素透過係数(Dk)は、中央部(第1の含水性軟質素材)のDk×(中央部の面積/全体の面積)と周辺部(第2の含水性軟質素材)のDk×(周辺部の面積/全体の面積)の和が30×10−11(cm/sec)・(mLO/(mL×mmHg))以上であることが好ましい。
従来の硬質部(中央部)−軟質部(周辺部)ハイブリッドレンズの場合、軟質部は高酸素透過性能を担うシリコーン成分が含まれていないことから酸素透過性が極めて低いため、酸素透過係数(Dk)は硬質部のみの値を表現していたが、本発明では上記のとおり中央部と周辺部の和で表現することとしている。ここで、中央部のDkが高い値のレンズが得られても、角膜を覆うレンズの大部分は周辺部であることから、角膜への酸素供給量は結果として乏しい。また従来のハイブリッドレンズにおいても、周辺部へシリコーン成分を加えることは可能であったが、中央部(硬質部)のサイズ変化が無いことから、クラゲ状変形防止のために添加する周辺部の含水率相当の水溶性のサイズ変化率調整剤が必要であった。しかし、シリコーン成分が含まれる場合、対応する水溶性のサイズ変化率調整剤の溶解性は低くなるために、従来の手法においては含水率の設定に制限があった。これに対し、本発明のハイブリッドソフトコンタクトレンズでは中央部・周辺部共にシリコーン成分を添加することが可能となるため、レンズ全体に酸素透過性を付与することが可能となる。
中央部の形状としては、通常、円形又は楕円形である。この直径又は楕円の場合の長径としては、3〜14mmが好ましく、より好ましくは4〜12mmである。この長さが、3mm未満であると、散瞳した場合瞳孔径が光学部より大きくなり、良好な視力が得られない場合がある。また、この長さが、14mmを超える場合は取り外しが困難となる。この長さが4〜12mmの範囲では散瞳時にも良好な視力が得られ、かつ装用感が良い。一方、周辺部を含めた当該ハイブリッドソフトコンタクトレンズ全体の形状も、通常、円形又は楕円形である。この直径又は楕円の場合の長径としては、20mm以下が好ましい。この長さが、20mmを超えると装着が困難となる場合がある。
当該ハイブリッドソフトコンタクトレンズは、後に製造方法において詳述するように、例えば、中央部が第1の硬化性組成物を硬化して得られる第1の含水性軟質素材から形成され、周辺部が第2の硬化性組成物を硬化して得られる第2の含水性軟質素材から形成される。第1及び第2の硬化性組成物には、一般的な眼用レンズ用のモノマーを始め、通常コンタクトレンズ、特に、含水性ソフトコンタクトレンズの形成の際に用いられる成分と同様なものを用いることができる。
また、第1の含水性軟質素材と第2の含水性軟質素材の組合せとしては、例えば、以下のものが挙げられる。
第1の含水性軟質素材 / 第2の含水性軟質素材
シリコーン含有 非イオン性/シリコーン含有 非イオン性
シリコーン含有 イオン性/シリコーン含有 イオン性
シリコーン含有 非イオン性/シリコーン含有 イオン性
シリコーン含有 イオン性/シリコーン含有 非イオン性
シリコーン含有 イオン性/シリコーン非含有 イオン性
シリコーン含有 イオン性/シリコーン非含有 非イオン性
シリコーン含有 非イオン性/シリコーン非含有 イオン性
シリコーン含有 非イオン性/シリコーン非含有 非イオン性
第1の含水性軟質素材(中央部)を得るための第1の硬化性組成物は、少なくとも1種類のシリコーン含有モノマーを含む。なお、シリコーン含有モノマーは第2の硬化性組成物に含ませることもできる。
第1の硬化性組成物に少なくとも1種類のシリコーン含有モノマーを含むことにより、得られたハイブリッドソフトコンタクトレンズが高い酸素透過係数(Dk)を有することになり、連続装用を行った場合、角膜への酸素供給が良好に行われるようになる。
シリコーン含有モノマーとしては、たとえば、上記一般式(I)で表されるシランまたはシロキサン結合を有するスチレン誘導体、下記一般式(II)で表されるシランまたはシロキサン結合を有する(メタ)アクリレート、ポリシロキサンマクロモノマー、ウレタン結合含有ポリシロキサンマクロモノマーがあげられるが、これらに限定されない。なかでも、中央部を形成する重合体(第1の含水性軟質素材)について高い酸素透過係数が得られるため、上記一般式(I)で表されるシランまたはシロキサン結合を有するスチレン誘導体、または、下記一般式(II)で表されるシロキサン結合を有する(メタ)アクリレートが好ましい。
Figure 0005775817
(上記式(II)中、RはH又はCHである。mは1〜5、nは1〜15の整数である。)
ここで、本明細書にいう「(メタ)アクリレート」とは、「アクリレートおよび/またはメタクリレート」を意味し、他の(メタ)アクリレート誘導体についても同様である。
一般式(I)で表されるシランまたはシロキサン結合を有するスチレン誘導体の具体例としては、たとえば、トリメチルシリルスチレン、ペンタメチルジシロキサニルスチレン、ヘプタメチルトリシロキサニルスチレン、ノナメチルテトラシロキサニルスチレン、ペンタデカメチルヘプタシロキサニルスチレン、ヘンエイコサメチルデカシロキサニルスチレン、ヘプタコサメチルトリデカシロキサニルスチレン、ヘントリアコンタメチルペンタデカシロキサニルスチレン、ビス(トリメチルシロキシ)メチルシリルスチレン、トリス(トリメチルシロキシ)シリルスチレン、トリメチルシロキシ・ペンタメチルジシロキシ・メチルシリルスチレン、トリス(ペンタメチルジシロキシ)シリルスチレン、(トリス・トリメチルシロキシ)シロキサニル・ビス(トリメチルシロキシ)シリルスチレン、ビス(ヘプタメチルトリシロキシ)メチルシリルスチレン、トリス(メチルビス・トリメチルシロキシ・シロキシ)シリルスチレン、トリメチルシロキシ・ビス(トリス・トリメチルシロキシ・シロキシ)シリルスチレン、ヘプタキス(トリメチルシロキシ)トリシロキサニルスチレン、ノナメチルテトラシロキシ・ウンデシルメチルペンタシロキシ・メチルシリルスチレン、トリス(トリス・トリメチルシロキシ・シロキシ)シリルスチレン、(トリストリメチルシロキシ・ヘキサメチル)テトラシロキシ・(トリス・トリメチルシロキシ)シロキシ・トリメチルシロキシシリルスチレン、ノナキス(トリメチルシロキシ)テトラシロキサニルスチレン、ビス(トリデカメチルヘキサシロキシ)メチルシリスチレンなどがあげられる。これらは単独で、または2種以上を混合して用いることができる。なかでも、優れた酸素透過係数を有するため、トリス(トリメチルシロキシ)シリルスチレン(p=0、n=4)が好ましい。
第1の硬化性組成物における上記式(I)で表されるシリコーン含有モノマーの含有率としては、30%質量以上70%質量以下が好ましく、35質量%以上60質量%以下がさらに好ましい。第1の硬化性組成物において、上記式(I)で表され、ベンゼン環を有する上記シリコーン含有モノマーをこのような範囲で含有させることで、適度な酸素透過性に加え、所望する適度な硬度・ヤング率を第1の含水性軟質素材に効率的に付与することができる。
一般式(II)で表されるシランまたはシロキサン結合を有する(メタ)アクリレートの具体例としては、たとえば、トリメチルシリルメチル(メタ)アクリレート、トリメチルシリルエチル(メタ)アクリレート、トリメチルシリルプロピル(メタ)アクリレート、ペンタメチルジシロキサニルメチル(メタ)アクリレート、ペンタメチルジシロキサニルエチル(メタ)アクリレート、ペンタメチルジシロキサニルプロピル(メタ)アクリレート、メチルビス(トリメチルシロキシ)シリルメチル(メタ)アクリレート、メチルビス(トリメチルシロキシ)シリルエチル(メタ)アクリレート、メチルビス(トリメチルシロキシ)シリルプロピル(メタ)アクリレート、トリス(トリメチルシロキシ)シリルメチル(メタ)アクリレート、トリス(トリメチルシロキシ)シリルエチル(メタ)アクリレート、トリス(トリメチルシロキシ)シリルプロピル(メタ)アクリレート、モノ[メチルビス(トリメチルシロキシ)シロキシ]ビス(トリメチルシロキシ)シリルメチル(メタ)アクリレート、モノ[メチルビス(トリメチルシロキシ)シロキシ]ビス(トリメチルシロキシ)シリルエチル(メタ)アクリレート、モノ[メチルビス(トリメチルシロキシ)シロキシ]ビス(トリメチルシロキシ)シリルプロピル(メタ)アクリレート、トリス[メチルビス(トリメチルシロキシ)シロキシ]シリルメチル(メタ)アクリレート、トリス[メチルビス(トリメチルシロキシ)シロキシ]シリルエチル(メタ)アクリレート、トリス[メチルビス(トリメチルシロキシ)シロキシ]シリルプロピル(メタ)アクリレートなどがあげられる。なかでも、優れた酸素透過係数を有するため、トリス(トリメチルシロキシ)シリルプロピル(メタ)アクリレート(m=3、n=4)が好ましい。
得られるハイブリッドソフトコンタクトレンズの酸素透過性をさらに向上させようとする場合には、ポリシロキサンマクロモノマーを用いることができる。また、ウレタン結合含有ポリシロキサンマクロモノマーをハイブリッドソフトコンタクトレンズ材料として用いることで、ウレタン結合により弾力性のある結合を有し、シロキサン部分により材料の柔軟性や酸素透過性を損なうことなく補強し、かつ弾力的反発性を付与して脆さをなくし、機械的強度を向上させるという性質を付与することができる。
ウレタン結合含有ポリシロキサンマクロモノマーは、分子の両末端に重合性基であるエチレン型不飽和基を有し、かかる重合性基を介して他の重合性成分と共重合されるので、得られる眼用レンズに分子の絡み合いによる物理的な補強効果だけでなく、化学的結合(共有結合)による補強効果を付与するという優れた性質を有するものである。すなわち、ウレタン結合含有ポリシロキサンマクロモノマーは、高分子架橋性モノマーとして作用するものである。
ウレタン結合含有ポリシロキサンマクロモノマーとしては、例えば、一般式(1)で表わされる、重合性基が1個以上のウレタン結合を介してシロキサン主鎖に結合しているポリシロキサンマクロモノマーを挙げることができる。
−U−(−S−U−)−S−U−A (1)
式中、Aは一般式(2):
21−Z21−R31− (2)
(式中、Y21は(メタ)アクリロイル基、ビニル基またはアリル基、Z21は酸素原子または直接結合、R31は直接結合または炭素数1〜12の直鎖状、分岐鎖もしくは芳香環を有するアルキレン基を示す。)で表わされる基である。
は一般式(3):
−R34−Z22−Y22 (3)
(式中、Y22は(メタ)アクリロイル基、ビニル基またはアリル基、Z22は酸素原子または直接結合、R34は直接結合または炭素数1〜12の直鎖状、分岐鎖もしくは芳香環を有するアルキレン基を示す)で表わされる基(ただし、一般式(2)中のY21および一般式(3)中のY22は同一であってもよく、異なっていてもよい。)である。
は一般式(4):
−X21−E21−X25−R32− (4)
(式中、X21およびX25はそれぞれ独立して直接結合、酸素原子およびアルキレングリコール基から選ばれ、E21は−NHCO−基(ただし、この場合、X21は直接結合であり、X25は酸素原子またはアルキレングリコール基であり、E21はX25とウレタン結合を形成している。)、−CONH−基(ただし、この場合、X21は酸素原子またはアルキレングリコール基であり、X25は直接結合であり、E21はX21とウレタン結合を形成している。)または飽和もしくは不飽和脂肪族系、脂環式系および芳香族系の群から選ばれたジイソシアネート由来の2価の基(ただし、この場合、X21およびX25はそれぞれ独立して酸素原子およびアルキレングリコール基から選ばれ、E21はX21およびX25のあいだで2つのウレタン結合を形成している。)、R32は炭素数1〜6の直鎖状または分岐鎖を有するアルキレン基を示す。)で表わされる基である。
およびSはそれぞれ独立して一般式(5):
Figure 0005775817
(式中、R23、R24、R25、R26、R27およびR28はそれぞれ独立して炭素数1〜6のアルキル基、フッ素置換されたアルキル基またはフェニル基、Kは10〜100の整数、Lは0または1〜90の整数であり、K+Lは10〜100の整数である。)で表わされる基である。
は一般式(6):
−R37−X27−E24−X28−R38− (6)
(式中、R37およびR38はそれぞれ独立して炭素数1〜6の直鎖状または分岐鎖を有するアルキレン基;X27およびX28はそれぞれ独立して酸素原子またはアルキレングリコール基;E24は飽和もしくは不飽和脂肪族系、脂環式系および芳香族系の群から選ばれたジイソシアネート由来の2価の基(ただし、この場合、E24はX27およびX28のあいだで2つのウレタン結合を形成している。)で表わされる基である。
は一般式(7):
−R33−X26−E22−X22− (7)
(式中、R33は炭素数1〜6の直鎖状または分岐鎖を有するアルキレン基、X22およびX26はそれぞれ独立して直接結合、酸素原子およびアルキレングリコール基から選ばれ、E22は−NHCO−基(ただし、この場合、X22は酸素原子またはアルキレングリコール基であり、X26は直接結合であり、E22はX22とウレタン結合を形成している。)、−CONH−基(ただし、この場合、X22は直接結合であり、X26は酸素原子またはアルキレングリコール基であり、E22はX26とウレタン結合を形成している。)または飽和もしくは不飽和脂肪族系、脂環式系および芳香族系の群から選ばれたジイソシアネート由来の2価の基(ただし、この場合、X22およびX26はそれぞれ独立して酸素原子およびアルキレングリコール基から選ばれ、E22はX22およびX26のあいだで2つのウレタン結合を形成している。)で表わされる基である。
nは0または1〜10の整数を示す。
一般式(1)において、Aは、上記したように、一般式(2):
21−Z21−R31− (2)
(式中、Y21、Z21およびR31は上記と同じである。)で表わされる基であり、またAは一般式(3):
−R34−Z22−Y22 (3)
(式中、Y22、Z22およびR34は上記と同じである。)で表わされる基である。
21およびY22は、いずれも重合性基であるが、親水性モノマーと容易に共重合しうるという点で、アクリロイル基がとくに好ましい。
21およびZ22は、いずれも酸素原子または直接結合であり、好ましくは酸素原子である。
31およびR34は、いずれも直接結合または炭素数1〜12の直鎖状、分岐鎖もしくは芳香環を有するアルキレン基であり、好ましくはエチレン基、プロピレン基、ブチレン基である。
、UおよびUは、上記マクロモノマーの分子鎖中でウレタン結合を含む基を表わす。
およびUにおいて、E21およびE22は、上記したように、それぞれ−CONH−基、−NHCO−基または飽和もしくは不飽和脂肪族系、脂環式系および芳香族系の群から選ばれたジイソシアネート由来の2価の基を表わす。ここで、飽和もしくは不飽和脂肪族系、脂環式系および芳香族系の群から選ばれたジイソシアネート由来の2価の基としては、たとえばエチレンジイソシアネート、1,3−ジイソシアネートプロパン、ヘキサメチレンジイソシアネートなどの飽和脂肪族系ジイソシアネート由来の2価の基;1,2−ジイソシアネートシクロヘキサン、ビス(4−イソシアネートシクロヘキシル)メタン、イソホロンジイソシアネートなどの脂環式系ジイソシアネート由来の2価の基;トリレンジイソシアネート、1,5−ジイソシアネートナフタレンなどの芳香族系ジイソシアネート由来の2価の基;2,2’−ジイソシアネートジエチルフマレートなどの不飽和脂肪族系ジイソシアネート由来の2価の基があげられる。これらのなかでは、比較的入手しやすく、かつ強度を付与しやすいので、ヘキサメチレンジイソシアネート由来の2価の基、トリレンジイソシアネート由来の2価の基およびイソホロンジイソシアネート由来の2価の基が好ましい。
において、E21が−NHCO−基である場合には、X21は直接結合であり、X25は酸素原子またはアルキレングリコール基であり、E21はX25と式:−NHCOO−で表わされるウレタン結合を形成する。また、E21が−CONH−基である場合には、X21は酸素原子またはアルキレングリコール基であり、X25は直接結合であり、E21はX21と式:−OCONH−で表わされるウレタン結合を形成する。さらにE21が上記ジイソシアネート由来の2価の基である場合には、X21およびX25はそれぞれ独立して酸素原子および好ましくは炭素数1〜6のアルキレングリコール基から選ばれ、E21はX21とX25とのあいだで2つのウレタン結合を形成している。R32は炭素数1〜6の直鎖状または分岐鎖を有するアルキレン基である。
において、E24は、上記したように、飽和もしくは不飽和脂肪族系、脂環式系および芳香族系の群から選ばれたジイソシアネート由来の2価の基を表わす。ここで、飽和もしくは不飽和脂肪族系、脂環式系および芳香族系の群から選ばれたジイソシアネート由来の2価の基としては、たとえば上記UおよびUにおける場合と同様の2価の基があげられる。これらのなかでは、比較的入手しやすく、かつ強度を付与しやすいので、ヘキサメチレンジイソシアネート由来の2価の基、トリレンジイソシアネート由来の2価の基およびイソホロンジイソシアネート由来の2価の基が好ましい。また、E24はX27とX28とのあいだで2つのウレタン結合を形成している。X27およびX28はそれぞれ独立して酸素原子または好ましくは炭素数1〜6のアルキレングリコール基であり、またR37およびR38はそれぞれ独立して炭素数1〜6の直鎖状または分岐鎖を有するアルキレン基である。
において、R33は炭素数1〜6の直鎖状または分岐鎖を有するアルキレン基である。E22が−NHCO−基である場合には、X22は酸素原子またはアルキレングリコール基であり、X26は直接結合であり、E22はX22と式:−NHCOO−で表わされるウレタン結合を形成する。また、E22が−CONH−基である場合には、X22は直接結合であり、X26は酸素原子またはアルキレングリコール基であり、E22はX26と式:−OCONH−で表わされるウレタン結合を形成する。さらにE22が上記ジイソシアネート由来の2価の基である場合には、X22およびX26はそれぞれ独立して酸素原子および好ましくは炭素数1〜6のアルキレングリコール基から選ばれ、E22はX22とX26とのあいだで2つのウレタン結合を形成している。
ここで、上記X21、X25、X27、X28、X22およびX26における好ましくは炭素数1〜20のアルキレングリコールとしては、たとえば一般式(8):
−O−(C2x−O)− (8)
(式中、xは1〜4の整数、yは1〜5の整数を示す。)で表わされる基などがあげられる。
およびSはいずれも、上記したように、一般式(5)で表わされる基である。
一般式(5)において、R23、R24、R25、R26、R27およびR28は、上記したように、それぞれ独立して炭素数1〜6のアルキル基、フッ素置換されたアルキル基またはフェニル基である。
上記フッ素置換されたアルキル基としては、たとえば3,3,3−トリフルオロ−n−プロピル基、1,1,1−トリフルオロイソプロピル基、4,4,4−トリフルオロ−n−ブチル基、3,3,3−トリフルオロイソブチル基、3,3,3−トリフルオロ−sec−ブチル基、3,3,3−トリフルオロ−t−ブチル基、5,5,5−トリフルオロ−n−ペンチル基、4,4,4−トリフルオロイソペンチル基、3,3,3−トリフルオロチオペンチル基、6,6,6−トリフルオロ−n−ヘキシル基などの末端炭素原子がトリフルオロメチル化されたアルキル基などがあげられる。なお、本発明においては、かかるフッ素置換されたアルキル基を有する化合物を用い、その配合量を多くすると、得られる含水性軟質素材の抗脂質汚染性が向上する傾向がある。
また、好ましくは、Kは10〜100の整数、Lは0または1〜90の整数であり、K+Lは、好ましくは10〜100の整数であり、より好ましくは10〜80である。K+Lが、100よりも大きい場合には、ウレタン基含有ポリシロキサンマクロモノマーの分子量が大きくなり、これと親水性モノマーとの相溶性がわるくなり、配合時に均一に溶解しなかったり、重合時に相分離して白濁を呈し、均一で透明な眼用レンズ材料が得られない傾向がある。また、K+Lが10未満である場合には、得られるコンタクトレンズの酸素透過性が低くなり、柔軟性も低下する傾向がある。
さらに、nは0または1〜10の整数であることが好ましい。nが10よりも大きい場合には、ウレタン基含有ポリシロキサンマクロモノマーの分子量が大きくなり、これと親水性モノマーとの相溶性がわるくなり、配合時に均一に溶解しなかったり、重合時に相分離して白濁を呈し、均一で透明なコンタクトレンズが得られない傾向がある。nはより好ましくは0または1〜5の整数である。
また、ウレタン結合含有ポリシロキサンマクロモノマーとしては、一般式(9)で表わされる、重合性基が1個以上のウレタン結合を介してシロキサン主鎖に結合しているポリシロキサンマクロモノマーも挙げることができる。
−U−T−U−(S−U−S−U−T−U−A (9)
式中、A、A、U、U、U、S、S、nの定義は、一般式(1)と同じであり、U、Uの定義、それぞれU、Uと同じである。ただし、A、A中のY21、Y22については、(メタ)アクリロイル基、ビニル基またはアリル基である。
およびTは、一般式(10):
−Q−(CHCHD−Q)− (10)
(式中、Dは水素原子、メチル基または水酸基であり、Qは直接結合または酸素原子、nは5〜10,000である。)
あるいは、一般式(11):
―(M)− (11)
(式中、Mは、1−メチル−3−メチレン−2−ピロリジノン(N−MMP)、N−ビニル−2−ピロリドン(N−VP)、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸塩、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフラン、オキセタン、オキサゾリン、2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンなどから選択される親水性モノマーに由来する構造単位を示し、それらから構成されるポリマーの重合連鎖については、直鎖状でも分岐状でもよく、またランダム状、ブロック状に結合していてもよい。Xは5〜10,000である)で表される親水性ポリマー含有セグメントまたは親水性オリゴマー含有セグメントである。
ウレタン結合含有ポリシロキサンマクロモノマーは、さらに親水性ポリマー構造を有していてもよい。この構造により、ウレタン結合含有ポリシロキサンマクロモノマーと親水性モノマーとの相溶性が向上し、これらからなる材料の水濡れ性を向上させることができる。上記親水性ポリマー構造としては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリ(メタ)アクリル酸、ポリ(メタ)アクリル酸塩、ポリ(2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート)、ポリテトラヒドロフラン、ポリオキセタン、ポリオキサゾリン、ポリジメチルアクリルアミド、ポリジエチルアクリルアミドなどの親水性モノマーを重合して得られるポリマー構造、ポリ(2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン)などの双性イオン性基含有モノマーを重合して得られるポリマー構造などがあげられる。この親水性ポリマー構造部分の分子量は、100〜1,000,000が好ましく、より好ましくは1,000〜500,000である。分子量が100未満である場合、ウレタン基含有ポリシロキサンマクロモノマーを親水性モノマーに溶解させるのに十分な親水性を付与できなくなる傾向がある。一方、分子量が1,000,000を超える場合、親水性・疎水性のドメインが大きくなり、透明なコンタクトレンズが得られなくなる傾向がある。
ウレタン結合含有ポリシロキサンマクロモノマーの代表例としては、たとえば式:
Figure 0005775817
で表わされる化合物(式中、nは0または1〜1500)、式:
Figure 0005775817
で表わされる化合物(式中、nは0〜10である。)などがあげられる。これらは、単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
第1の硬化性組成物におけるシリコーン含有モノマーの量は、第1の硬化性組成物における全重合性成分中の20〜90質量%であることが好ましく、より好ましくは25〜70質量%である。この量が多すぎるとレンズへの脂質の付着によりレンズが汚れる傾向にあり、少なすぎると酸素透過係数が小さくなり、酸素供給量が少なくなる傾向にある。
第2の硬化性組成物におけるシリコーン含有モノマーの量は、第2の硬化性組成物における全重合性成分中の0〜80質量%であることが好ましく、より好ましくは10〜60質量%である。この量が多すぎるとごわつきが発生し、装用感が低下する。
本発明のハイブリッドソフトコンタクトレンズにおいては、第1の硬化性組成物及び第2の硬化性組成物に少なくとも1種類の共通した親水性モノマーを含むことが好ましい。ここで、親水性モノマーとは、単独重合体の含水率が5%以上の含水性を有するモノマーをいう。
第1の硬化性組成物及び第2の硬化性組成物に少なくとも1種類の共通した親水性モノマーが含まれていると、例えば後述する製造方法(1)において、中央部(第1の硬化性組成物)と周辺部(第2の硬化性組成物)のいずれかを先に重合した際に、すでに重合体となっている部分に他のモノマー混合物が含浸しやすくなり、中央部および周辺部の接合強度が向上したハイブリッドソフトコンタクトレンズを得ることができる。
親水性モノマーとしては、たとえば、
(1)水酸基含有アルキル(メタ)アクリレート類(たとえば、ヒドロキシメチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシペンチル(メタ)アクリレートなどのヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、ジヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ジヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ジヒドロキシペンチル(メタ)アクリレートなどのジヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート)、
(2)(メタ)アクリルアミドモノマー類(たとえば、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジプロピル(メタ)アクリルアミドなどのN,N−ジアルキル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミドなどのN,N−ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミド)、
(3)N−ビニルラクタム類(たとえば、N−ビニルピロリドン、N−ビニルピペリドン、N−ビニルカプロラクタムなど)、
(4)上記以外の親水性モノマー(たとえば、ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸、メトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、無水マレイン酸、マレイン酸、マレイン酸誘導体、フマル酸、フマル酸誘導体、アミノスチレン、ヒドロキシスチレン)、
などがあげられ、単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。なかでも従来コンタクトレンズの原料として使用されていること、適度な含水率を有し含水率の調整が容易であること、接合部の含浸が進みやすいことから水酸基含有アルキル(メタ)アクリレートが好ましく、それらの中でも、アルキル基の炭素数が1〜4程度の水酸基含有アルキル(メタ)アクリレートであるヒドロキメチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートがさらに好ましい。
第1の硬化性組成物における親水性モノマーの量は、第1の硬化性組成物における全重合性成分中の10〜80質量%であることが好ましい。この量が少なすぎると、親水性が十分に得られずにレンズの水濡れ性が低下し、含水による軟質化効果が得られないため装用感が低下する。また、多すぎるとポリマーが柔らかくなるために角膜矯正能力が低下したり、酸素透過性の低下を招く。
本発明のハイブリッドコンタクトレンズは、中央部及び周辺部のいずれもが含水性である。中央部及び周辺部のいずれもが含水性で軟質であるために、これら部分は10%以上の含水率を有する素材から構成されることが好ましい。ここで、含水率は、
含水率(%)=[(含水後の重合体(含水性軟質素材)の質量−含水前の重合体(含水性軟質素材)の質量)/含水後の重合体(含水性軟質素材)の質量]×100
で示される式により算出される。なお、含水性とは、含水することができる性質をいい、この含水性軟質素材は含水していても、含水していなくてもよい。
第2の硬化性組成物を重合して得られる重合体(第2の含水性軟質素材)の含水率に対する、第1の硬化性組成物及び第2の硬化性組成物に共通して含まれる親水性モノマーの単独重合体の含水率の割合が2以下であることが好ましく、1.5以下であることがより好ましい。この割合が2を超えると、コンタクトレンズを含水させた場合に、中央部と周辺部の接合部が局所的な膨潤により盛り上がり好ましいコンタクトレンズ形状とならず、また、この膨潤部が角膜を圧迫することで装用感が悪化する傾向がある。また、上記割合としては、0.1以上であることが好ましい。この割合が0.1未満では、周辺部および中央部の接合部において充分な接合強度が得られなくなる傾向がある。
具体的には、第2の硬化性組成物を重合して得られる重合体(第2の含水性軟質素材)の含水率は、視力補正能力を有し、装用感を良好とする観点から、5%〜80%が好ましく、5%〜50%がより好ましい。
得られるコンタクトレンズの耐汚染性をさらに向上させようとする場合には、炭化水素基の水素原子の一部がフッ素原子で置換された重合性化合物であるフッ素含有モノマーなどを用いることができる。上記フッ素含有モノマーとしては、たとえば一般式(III):
CH=CRCOOC(2s−t−u+1)(OH) (III)
(式中、Rは水素原子またはCH、sは1〜15の整数、tは1〜(2s+1)の整数、uは0〜2の整数を示す)で表わされるモノマーなどがあげられる。
上記一般式(III)で表わされるモノマーの代表例としては、たとえば2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロ−t−ペンチル(メタ)アクリレート、2,2,3,4,4,4−ヘキサフルオロブチル(メタ)アクリレート、2,2,3,4,4,4−ヘキサフルオロ−t−ヘキシル(メタ)アクリレート、2,3,4,5,5,5−ヘキサフルオロ−2,4−ビス(トリフルオロメチル)ペンチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3,4,4−ヘキサフルオロブチル(メタ)アクリレート、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロイソプロピル(メタ)アクリレート、2,2,3,3,4,4,4−ヘプタフルオロブチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロペンチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3,4,4,5,5,5−ノナフルオロペンチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7−ドデカフルオロヘプチル(メタ)アクリレート、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8−ドデカフルオロオクチル(メタ)アクリレート、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−トリデカフルオロオクチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,7−トリデカフルオロヘプチル(メタ)アクリレート、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10−ヘキサデカフルオロデシル(メタ)アクリレート、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,10−ヘプタデカフルオロデシル(メタ)アクリレート、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,11,11−オクタデカフルオロウンデシル(メタ)アクリレート、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,11,11,11−ノナデカフルオロウンデシル(メタ)アクリレート、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,11,11,12,12−エイコサフルオロドデシル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−4,4,5,5,6,7,7,7−オクタフルオロ−6−トリフルオロメチルヘプチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−4,4,5,5,6,6,7,7,8,9,9,9−ドデカフルオロ−8−トリフルオロメチルノニル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,11,11,11−ヘキサデカフルオロ−10−トリフルオロメチルウンデシル(メタ)アクリレートなどがあげられる。
上記フッ素含有モノマーのなかでは、得られる光学材料の耐汚染性をさらに向上させる効果が大きいという点から、2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレートおよび1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロイソプロピル(メタ)アクリレートがとくに好ましい。
上記フッ素含有モノマーは、単独でまたは2種以上を混合して用いることができ、その量は、目的とするコンタクトレンズの性質に応じて適宜調整すればよい。
本発明においては、必要に応じて、従来からコンタクトレンズに一般的に用いられている各種の添加剤、たとえば、コンタクトレンズに紫外線吸収能を付与したり、コンタクトレンズを着色するために、重合性または非重合性の紫外線吸収剤、色素、紫外線吸収性色素などを、周辺部および/または中央部を形成する重合性成分(硬化性組成物)に存在させて共重合させたり、あるいは重合後に添加したりすることも可能である。とくに考えられる配合としては、以下のものがあげられる。
(1)周辺部(第2の硬化性組成物):紫外線吸収剤
中央部(第1の硬化性組成物):色素+紫外線吸収剤
(2)周辺部(第2の硬化性組成物):色素+紫外線吸収剤
中央部(第1の硬化性組成物):紫外線吸収剤
上記紫外線吸収剤や色素の含有量は、第1及び第2の硬化性組成物で同一でも、異なってもよいが、材料の厚さに大きく影響されることなどを考慮して、通常、全重合性成分100質量部に対して、紫外線吸収剤、色素共に、0.001〜1質量部であることが望ましい。しかし、目的とするコンタクトレンズの用途に応じて適宜調整すればよく、とくに限定されるものではない。
紫外線吸収剤および色素の含有量が過大となると、コンタクトレンズの機械的強度などが低下する恐れがあり、また、透明性が低下する問題も生じる。さらに、コンタクトレンズを、生体組織に接触せしめて使用する場合にあっては、紫外線吸収剤、色素および紫外線吸収性色素の毒性も考慮して、その含有量を調整する。
また、得られるコンタクトレンズの機械的強度や耐久性(形状安定性)を向上させ、コンタクトレンズに耐水性、耐溶媒性を付与させようとする場合には、共重合可能な不飽和二重結合を2以上有する多官能性重合性化合物である架橋性モノマーを用いることが好ましい。
架橋性モノマーとしては、たとえばエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、ビニル(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、メタクリロイルオキシエチルアクリレート、ジビニルベンゼン、ジアリルフタレート、アジピン酸ジアリル、トリアリルイソシアヌレート、α−メチレン−N−ビニルピロリドン、4−ビニルベンジル(メタ)アクリレート、3−ビニルベンジル(メタ)アクリレート、2,2−ビス(p−(メタ)アクリロイルオキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(m−(メタ)アクリロイルオキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(o−(メタ)アクリロイルオキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(p−(メタ)アクリロイルオキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(m−(メタ)アクリロイルオキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(o−(メタ)アクリロイルオキシフェニル)プロパン、1,4−ビス(2−(メタ)アクリロイルオキシヘキサフルオロイソプロピル)ベンゼン、1,3−ビス(2−(メタ)アクリロイルオキシヘキサフルオロイソプロピル)ベンゼン、1,2−ビス(2−(メタ)アクリロイルオキシヘキサフルオロイソプロピル)ベンゼン、1,4−ビス(2−(メタ)アクリロイルオキシイソプロピル)ベンゼン、1,3−ビス(2−(メタ)アクリロイルオキシイソプロピル)ベンゼン、1,2−ビス(2−(メタ)アクリロイルオキシイソプロピル)ベンゼンなどがあげられる。
上記架橋性モノマーのなかでは、他の重合性成分との相溶性にすぐれ、得られるコンタクトレンズの機械的強度や耐久性(形状安定性)を向上させる効果が大きいという点から、エチレングリコールジ(メタ)アクリレートおよび4−ビニルベンジル(メタ)アクリレートがとくに好ましい。
上記架橋性モノマーは、単独でまたは2種以上を混合して用いることができ、その量は、目的とするコンタクトレンズの性質に応じて適宜調整すればよいが、かかる架橋性モノマーを用いる場合には、とくに耐久性(形状安定性)を向上させる効果を充分に発現させるために、全重合性成分の0.01質量%以上、なかんづく0.5質量%以上とすることが好ましく、またコンタクトレンズが脆くなるおそれをなくすために、全重合性成分の15質量%以下、なかんづく12質量%以下とすることが好ましい。
本発明のハイブリッドソフトコンタクトレンズにおいては、例えば上記第1及び第2の硬化性組成物を、所望量それぞれ調整し、これにラジカル重合開始剤を添加して通常の方法で重合させることにより、重合体(含水性軟質材料)を得ることができる。
上記通常の方法とは、たとえば、ラジカル重合開始剤を添加したのち、室温〜約130℃の温度範囲で徐々に加熱するか、マイクロ波、紫外線、放射線(γ線)などの電磁波を照射して重合を行う方法である。加熱重合させる場合には、段階的に昇温させてもよい。重合は、塊状重合法によってなされても良いし,溶媒などを用いた溶液重合法によってもなされてもよく、またその他の方法によってなされてもよい。
上記ラジカル重合開始剤の代表例としては、たとえば、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスジメチルバレロニトリル、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイドなどがあげられ、これらは単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。なお、光線などを利用して重合させる場合には、光重合開始剤や増感剤をさらに添加することが好ましい。上記重合開始剤や増感剤の量は、重合性成分全量100質量部に対して約0.01〜2質量部、なかんづく約0.01〜1質量部であることが好ましい。
第2の硬化性組成物には、中央部と周辺部の膨張差による変形を抑制するために、すなわち、上記第1の含水性軟質素材のサイズ変化率(A)に対する上記第2の含水性軟質素材のサイズ変化率(B)の比(B/A)が0.94以上1.06以下を満たさない組合せの場合においては、上記第2の含水性軟質素材のサイズ変化を調整する目的で水溶性固体不活性物質または水を添加し重合しても良い。
水溶性固体不活性物質としては、
(1)平均分子量1,000〜100,000のポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール、
(2)安息香酸、ドルイック酸、ナフトエ酸、
(3)平均分子量100〜100,000のポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシブチレングリコールのエステルまたはエーテル、
(4)石けん、表面活性剤、
(5)ポリビニルピロリドン、ポリビニルカプロラクタム、ポリビニルピペリドン、
(6)N−アセチルポリエチレンイミン、
(7)ポリ−N−ビニルイミダゾール、ポリ−N−ビニルサクシンイミド、ポリ−N−ビニルグルタルイミド、
などがあげられる。
コンタクトレンズ形状への成形後のコンタクトレンズからの水溶性固体不活性物質の除去容易性、コンタクトレンズ形状への切削加工性(成形性)の点から、平均分子量が1,000〜10,000、より好ましくは2,000〜6,000である水溶性固体不活性物質が好ましい。水溶性固体不活性物質の平均分子量が1,000未満であると、切削加工性(成形性)が低下する傾向がある。平均分子量が10,000を超えると、コンタクトレンズ形状への成形後のコンタクトレンズからの水溶性固体不活性物質の除去容易性が低下する傾向がある。
また、水溶性固体不活性物質としては、容易にモノマー混合物に溶解し、かつ重合後除去が容易である点から、上記平均分子量を有するポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールまたはポリブチレングリコールが好ましく、その中でもポリエチレングリコールがさらに好ましい。
<製造方法>
本発明のハイブリッドソフトコンタクトレンズの製造方法としては、特に限定されず、例えば、
第1の硬化性組成物を硬化させて、レンズ中央部用の上記第1の含水性軟質素材を形成する第1含水性軟質素材形成工程と、
第2の硬化性組成物を硬化させて、レンズ周辺部用の上記第2の含水性軟質素材を形成する第2含水性軟質素材形成工程と、
この第1の含水性軟質素材及び第2の含水性軟質素材を備える形成体をコンタクトレンズ形状に成形する成形工程と
を有する方法を挙げることができる。
当該製造方法によれば、中央部・周辺部ともに軟質素材から形成されるハイブリッドコンタクトレンズを効率的に製造することができる。この第1含水性軟質素材形成工程及び第2含水性軟質素材形成工程における各硬化性組成物の硬化方法などは上述したような一般的な方法を用いることができる。
第1の含水性軟質素材及び第2の含水性軟質素材を備える形成体を得る方法(2つの素材を一体化させる方法)としては、例えば、以下の製造方法(1)〜(3)の方法を挙げることができる。
製造方法(1)
上記第1含水性軟質素材形成工程及び第2含水性軟質素材形成工程において、一方の工程を先に行い、形成された一方の含水性軟質素材に他方の硬化性組成物を接触させた状態で他方の工程を行う方法。
当該製造方法(1)によれば、他方の硬化性組成物の一部が一方の含水性軟質素材に含浸した状態で硬化されるため、レンズ中央部と周辺部との接合部分の強度を高めることができる。また、この接合部分が、両含水性軟質素材の中間的な軟性及びサイズ変化率を備えることとなるため、水和処理時等におけるレンズの変形を抑えることができる。
製造方法(1)を用いる具体的方法としては、例えば、
(a)周辺部として、第2の硬化性組成物を硬化させて円柱状の重合体(第2の含水性軟質素材)を得て(第2含水性軟質素材形成工程)、
(b)得られた重合体に、外径と同心の孔を貫通させ、
(c)該貫通孔に第1の硬化性組成物、特に、少なくとも1種類のシリコーン含有モノマーを含む第1の硬化性組成物を充填させて硬化させ、第1の含水性軟質素材を得て(第1含水性軟質素材形成工程)、
(d)得られた重合体(第1の含水性素材及び第2の含水性軟質素材を備える形成体)をコンタクトレンズ形状に切削加工(成形)する(成形工程)、
方法により製造することができる。
上記(a)、(b)および(c)について、外径と同心の貫通孔を有する円柱状の周辺部を予め得ておいて、第1の硬化性組成物を、その貫通孔に充填して貫通孔の中で重合させる。この操作によって、周辺部を構成する重合体(第2の含水性軟質素材)に第1の硬化性組成物が含浸し、含浸した状態で共重合することができるので、周辺部と中央部との接合部の強度を向上させることができ、また、周辺部の外径を基準にしてすべての加工が可能なため、中央部の中心出しが容易となる。
また、逆に、予め得た中央部(第1の含水性軟質素材)に第2の硬化性組成物を接触させて、第2の含水性軟質素材を形成してもよい。この場合も、中央部を構成する重合体(第1の含水性軟質素材)に第2の硬化性組成物が含浸し、含浸した状態で共重合することができるので、周辺部と中央部との接合部の強度を向上させることができる。
製造方法(2)
上記第1含水性軟質素材形成工程及び第2含水性軟質素材形成工程後に、形成された第1の含水性軟質素材及び第2の含水性軟質素材を、第3の硬化性組成物を介して接着させることにより両含水性軟質素材を一体化させる工程をさらに有する製造方法。
このような製造方法(2)によっても、第1の含水性軟質素材及び第2の含水性軟質素材を、第3の硬化性組成物を介して接着させていることで、水和処理の際などのレンズの変形を抑えることができる。
第1の含水性軟質素材及び第2の含水性軟質素材を、第3の硬化性組成物を介して接着させる方法としては、例えば、板状に形成した第1の含水性軟質素材及び第2の含水性軟質素材の表面に第3の硬化性組成物を塗布し、この塗布面同士を重ね合わせた後、第3の硬化性組成物を硬化して接着させる方法が挙げられる。なお、第1の含水性軟質素材及び第2の含水性軟質素材の表面に第3の硬化性組成物を塗布した後、第1及び第2の含水性軟質素材の表面に第3の硬化性組成物が含浸するように、ある程度の時間(例えば30秒〜10分)をとって、塗布面同士を重ね合わせることが好ましい。
また、円柱状に形成した第1の含水性軟質素材の外周面と、円筒状に形成した第2の含水性素材の内周面とを第3の硬化性組成物を介して接着してもよい。
製造方法(3)
上記第1含水性軟質素材形成工程及び第2含水性軟質素材形成工程前に、第3の硬化性組成物を硬化させて、平均厚さ1mm以下の接合層を形成する工程を有し、
上記第1含水性軟質素材形成工程をこの接合層の一の面に第1の硬化性組成物を接触させた状態で行い、
上記第2含水性軟質素材形成工程をこの接合層の他の面に第2の硬化性組成物を接触させた状態で行う製造方法。
このような製造方法(3)によっても、第1の含水性軟質素材及び第2の含水性軟質素材が、接合層を介して一体化されているため、製造工程における水和処理時の際などのレンズの変形を抑えることができる。
製造方法(3)の具体的方法としては、第3の硬化性組成物を硬化させてフィルム状(板状)に形成した接合層の両面に、それぞれ第1の硬化性組成物を接触させて硬化させ、レンズ中央部の第1の含水性軟質素材を形成し、この接合層の他の面に第2の硬化性組成物を接触させて硬化させ、レンズ周辺部の第2の含水性軟質素材を形成するとよい。第1及び第2の含水性軟質素材の形成はどちらを先に行ってもよく、また、同時に行ってもよい。さらには、接合層の形状としてはフィルム状以外に、例えば筒状等であってもよい。
なお、製造方法(2)及び製造方法(3)によって形成される接合層(製造方法(2)においては第3の硬化性組成物から得られる硬化物)の平均厚さとしては、0.5mm以下が好ましく、さらに0.002mm以上0.3mm以下が好ましく、0.005mm以上0.1mm以下がさらに好ましい。第3の硬化性組成物の硬化物のサイズ変化率と第1又は第2の含水性軟質素材のサイズ変化率との差が0.05を超える場合は、中央部・周辺部・接合層の膨潤の差異に由来するレンズの変形が生じる場合がある。しかし、この接合層の平均厚さを0.5mm以下とすることで、このレンズの変形を防止することができる。一方、接合層の平均厚さが0.002mmより小さいと、十分な接着性が発揮されない場合がある。
なお、この接合層の平均厚さとは、接合層と第1の含水性軟質素材との接合面と、接合層と第2の含水性軟質素材との接合面との距離、すなわち、第1及び第2の含水性軟質素材の間隔をいう。
製造方法(2)及び製造方法(3)に用いられる第3の硬化性組成物の組成としては、特に限定されず、上述した第1及び第2の硬化性組成物において例示したような、一般的なコンタクトレンズに用いられる各種モノマー、架橋性モノマー、重合開始剤等を含むものが挙げられる。
第3の硬化性組成物に好適に用いられるモノマーとしては、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、グリセロールメタクリレート、グリセロールジメタクリレート、ヒドロキシブチルメタクリレート、メチルメタクリレート、PEG(ポリエチレングリコール)400ジアクリレート等を挙げることができる。これらは、1種又は2種以上を混合して用いることができる。
第3の硬化性組成物に好適に用いられる架橋性モノマーとしては、エチレングリコールジ(メタ)クリレートを挙げることができる。架橋性モノマーの含有量としては、特に限定されず、例えば全重合性成分に対して0.01質量%以上5質量%以下である。
第3の硬化性組成物に好適に用いられる重合開始剤としては、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オンを挙げることができる。重合開始剤の含有量としては、特に限定されないが、例えばモノマーに対して0.01質量%以上5質量%以下である。
また、本発明のハイブリッドソフトコンタクトレンズは、特開2000−343539号に記載の多種材コンタクトレンズブランクスの成形型および製造方法を用いて製造することもできる。
この成形型を用いることで、複数の重合体にてレンズの所定部位がそれぞれ構成されて一体的なコンタクトレンズ形状を呈する多種材コンタクトレンズを与える材料であって、それら複数の重合体が一体的に積層されてなる多種材コンタクトレンズブランクを成形することができる。
この成形型は、(a)該コンタクトレンズブランクの一方の側の面を成形する成形キャビティ面を有する下型と、(b)該下型との間で、または該下型の上記成形キャビティ面上に成形した上記複数の重合体のうちの少なくとも1つとの間で、該複数の重合体の残りのもののうちの1つを成形する中間成形キャビティを形成する型であって、該中間成形キャビティ内での重合にて成形される重合体に対して、該成形される重合体とは異なる重合体を与える原料モノマー配合液が収容される凹所を形成する凸部を有し、且つ該中間成形キャビティ内での該重合体の成形の後に除去せしめられ得るように構成された、少なくとも1つの中間型と、(c)該少なくとも1つの中間型を用いて成形された重合体を成形キャビティ面上に有する上記下型に対して組み合わされ、該重合体に形成された上記凹所を覆蓋して、該凹所内での上記原料モノマー配合液の重合によって上記コンタクトレンズブランクの他方の側の面の少なくとも一部を成形する上型とを含むことを特徴としている。
中央部を形成する素材と周辺部を形成する素材のサイズ変化率調整剤として、不活性物質を添加してもよい。所望の物性が得られた周辺部と中央部それぞれの組成において、各組成の平衡膨潤時の寸法に差異が生じる場合、サイズ変化率が大きい方の組成物に非重合性の液体または固体の不活性物質を添加し、重合段階で擬似的な膨潤状態を形成、水和処理によって不活性物質を水と置換することで平衡膨潤時の寸法の差異を調整することができる。また、平衡膨潤に達するまでの時間が大きく異なる場合、その過程において双方の素材に著しいストレスが加わり、そのストレスにより塑性変形(不可逆な変形)が生じ、レンズ形状とならない場合がある。その場合は水和処理浴の浸透圧を段階的に下げ、平衡膨潤までの時間をコントロールすることで中央部材、周辺部材の塑性変形が生じることなく平衡膨潤状態に達することができる。不活性物質の添加は、LSR(線膨張率)の差が30%以下の場合に用いることが好ましく、それ以上であると不活性物質が組成物の重合性を低下させる。
上記の製造方法(1)〜(3)等においては、
下記式(1)に従った上記第1の含水性軟質素材のサイズ変化率(A)と上記第2の含水性軟質素材のサイズ変化率(B)との差が0.05以下であるとよい。
サイズ変化率=水和処理後のプレートの20℃にて生理食塩水に浸漬した状態での直径(mm)/水和処理前のプレートの直径(mm) ・・・ (1)
また、これらのハイブリッドソフトコンタクトレンズの製造方法において、
上記第1の含水性軟質素材のサイズ変化率(A)に対する上記第2の含水性軟質素材のサイズ変化率(B)の比(B/A)が0.94以上1.06以下であるとよい。
当該製造方法によれば、このようにサイズ変化率が近い第1の含水性軟質素材及び第2の含水性軟質素材を用いることで、成形工程後の水和処理時の際などのレンズの変形を抑えることができる。
本発明のハイブリッドコンタクトレンズの製造方法においては、上述のような各方法で一体的に第1の含水性素材及び第2の含水性軟質素材を備える形成体をコンタクトレンズの形状に成形(切削加工等)する。
このコンタクトレンズ形状に成形(切削加工等)された乾燥状態のハイブリッドソフトコンタクトレンズを水和処理液に浸漬することにより水和処理する工程を経て、ハイブリッドソフトコンタクトレンズを得ることができる。
この水和処理する工程においては、
下記式(1’)に従った上記第1の含水性軟質素材のサイズ変化率(A’)と上記第2の含水性軟質素材のサイズ変化率(B’)との差が0.05以下となる第1の含水性軟質素材、第2の含水性軟質素材及び水和処理液の組み合わせ、特に水和処理液を選択して用いるとよい。
サイズ変化率=水和処理液による水和処理後のプレートの水和処理液に浸漬した状態での直径(mm)/水和処理前のプレートの直径(mm) ・・・ (1’)
当該製造方法によれば、このように第1及び第2の含水性素材並びに水和処理液を第1及び第2の含水性軟質素材のサイズ変化率を考慮して選択することなどで、水和処理時のレンズの変形をさらに低減させることができる。
この水和処理する工程においては、さらに、上記第1の含水性軟質素材のサイズ変化率(A’)に対する上記第2の含水性軟質素材のサイズ変化率(B’)の比(B’/A’)が0.94以上1.06以下となる第1の含水性軟質素材、第2の含水性軟質素材及び水和処理液の組み合わせ、特に水和処理液を選択して用いるとよい。当該製造方法によれば、水和処理時のレンズの変形をより低減させることができる。
水和処理の際、材料(第1及び第2含水性軟質素材)の組み合わせによっては、中央部が完全膨潤に至るまでに要する時間が周辺部の完全膨潤に至るまでの時間に比べて遅いために水和処理の段階で一時的に第1の含水性軟質素材のサイズ変化率と第2の含水性軟質素材のサイズ変化率の差が0.05を超える場合が生じる。この差が0.05を超える場合、周辺部のストレスによって中央部が膨潤過程で塑性変形をきたし平衡膨潤状態においても形状が回復しないことがある。この場合、平衡膨潤過程に至る水和処理段階で上記の差が0.05を越えないような水和処理液を選択することで、中央部に塑性変形が生じずにレンズを製造することができる。第1の含水性軟質素材のサイズ変化率と第2の含水性軟質素材のサイズ変化率の差の調整には浸透圧と温度による含水ポリマー収縮作用が利用可能であり、イオン性ポリマーの場合においてはpHを利用することも可能である。更にこれらは、組み合わせで用いることが可能であり、平衡膨潤に至る過程において段階的に水和処理液を変更することも可能である。
上記水和処理液の浸透圧としては、250〜5000mOsm/kgの範囲内であることが好ましい。また、水和処理における温度としては、浸透圧による寸法変化の作用が大きい溶液を使用した時は常温(20℃付近)でよいが、濃度によっては10〜70℃の範囲の温度で処理することが好ましい。上記水和処理液には上記浸透圧が達成できる金属塩などの電解性物質、非電解性物質の溶液等が使用できるが、好ましくはNaCl、重曹(NaHCO)、炭酸ナトリウム、KCl、リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素カリウム、PBS(−)、糖類、グリセロール、尿素、エチレングリコール、クエン酸、アスコルビン酸などの溶液が挙げられる。
第1の含水性軟質素材と第2の含水性軟質素材の組み合わせによっては、レンズの装用環境下である200〜400mOsm/kg、pH6〜8の領域における第1の含水性軟質素材のサイズ変化率と第2の含水性軟質素材のサイズ変化率の差が0.05を越える場合がある。この場合は、単独での変化率が大きい方の含水性軟質素材の配合液に上記の差が0.05以下となるような量の非重合性の水溶性物質を添加することで、重合後の水和処理時において、添加した非重合性の水溶性物質が水と置換することにより、変化率が大きい方の含水性軟質素材の変化率を小さくし、同一浸透圧及び同一温度下における平衡膨潤時の上記の差を0.05以下にすることができる。上記非重合性の水溶性物質には、配合液に溶解し水溶性の固体物質及び水溶性の溶媒が使用できる。
水和処理時に浸透圧の調整をする場合、上記物質に加えて、下記サイズ変化率調整剤を添加することができる。例えば、炭化水素系物質、ハロゲン系炭化水素、アルコール、フェノール、エーテル、アセタール、ケトン、脂肪酸、酸無水物、エステル、窒素化合物、硫黄化合物、無機系溶媒、またはこれらに溶媒に溶解する不活性固体物質がサイズ変化率調整剤として使用できるが、好ましくは、水により抽出ができる上述した水溶性固体物質あるいは、エタノール、メタノール、1−プロパノール、2−プロパノール等の炭素数1〜4のアルコールまたはアセトン、メチルエチルケトン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル及びN−メチルピロリドンから選択される水溶性溶媒が好ましい。
<<試験試料作製>>
試験試料を製造方法(1)に対応した以下の手順で作製した(図1〜図4参照)。
1.表1の組成に従って第1の硬化性組成物を調製した。なお、表中の配合比は全て質量部である(以下、本実施例において同様)。ポリプロピレン(PP)カップ1に、調製した第1の硬化性組成物2を充填後、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム3で密閉し、60℃で1時間、その後80℃で1時間熱重合した(第1含水性軟質素材形成工程:図1参照)。
2.表1の組成に従って第2の硬化性組成物を調製した。
3.重合させた中心材(第1の含水性軟質素材2’)をPPカップ1から取り出し、図2のように3つの径を持った同軸円柱体(a、b、c)からなる積層構造に加工(フタ加工)した。同軸円柱体a、b、cのサイズは以下の通りである。
a:径・厚みは任意。
b:径は周辺部重合時に使用するPPカップ4の内径に等しい。厚みは0.3mm。
c:径は7mm。厚みは3mm。
4.新しいポリプロピレン(PP)カップ4に第2の硬化性組成物5を充填し、上記3.で作製したフタ加工した中心材(第1の含水性軟質素材2’)で密閉し60℃で1時間、その後80℃で1時間熱重合した(第2含水性軟質素材形成工程:図3参照)。
5.上記4.で作製した2種材ブランクス(一体化した第1の含水性素材2’及び第2の含水性軟質素材5’を備える形成体)を切削してプレート6を作製した(φ12mm、厚み0.2mm)(図4参照)。
6.上記5.で作製したプレート6を、表2に記載の水和処理液に浸漬して40℃にて静置した。
7.1日後、プレート6を取り出して蒸留水ですすいだ後、20℃の生理食塩水に浸漬して静置して、製造例1〜6のプレートを得た。
<<変化率測定>>
上記<<試験試料作製>>の工程1、4の熱重合条件に従って表1の組成に基づいて中央部を形成する素材(第1の含水性軟質素材)C1〜C2及び周辺部を形成する素材P1〜P4(第2の含水性軟質素材)の単一素材のプレート(乾燥状態で直径12mm、厚み0.2mm)を作製した。そのプレートの水和処理後での直径を、20℃にて生理食塩水に浸漬した状態で、投影機((株)ニコン製、PROFILE PROJECTOR V−12B)にて測定した。得られた値を用い、以下の式に従ってサイズ変化率及びサイズ変化率比B/Aを算出した。
サイズ変化率=水和処理後のプレートの20℃にて生理食塩水に浸漬した状態での直径(mm)/水和処理前のプレートの直径(=12)(mm)
サイズ変化率比=B/A
ここで、A:中央部素材(第1の含水性軟質素材)のサイズ変化率
B:周辺部素材(第2の含水性軟質素材)のサイズ変化率
<<含水性軟質素材の評価基準>>
いずれも目視判断による。結果を表1に示す。
(1)配合液溶解性
○:溶解後の配合液が透明である。
×:溶解後の配合液に白濁が認められる。
(2)透明性
透明性(dry)は水和処理前、透明性(wet)は水和処理後の透明性を目視判断した。
○:得られたレンズ(プレート)が透明である。
×:得られたレンズ(プレート)に白濁が認められる。
(3)切削性
○:切削が容易であり、切削面の光沢が大きい。
×:切削が困難であり、切削面の光沢がやや小さいかそれ以下である。
<<形状確認>>
水和処理後のプレートを目視にて観察した。結果を表2に示す。
Figure 0005775817
なお、表中の略称は下記の化合物を示す。
SiSt:トリス(トリメチルシロキシ)シリルスチレン
SiMA:トリス(トリメチルシロキシ)シリルプロピルメタクリレート
シロキサンマクロモノマー:下記式で表されるウレタン結合含有ポリジメチルシロキサンマクロモノマー
Figure 0005775817
DMAA:ジメチルアクリルアミド
N−VP:N−ビニルピロリドン
MAA:メタクリル酸
EDMA:エチレングリコールジメタクリレート
VBMA:下記式で表される4−ビニルベンジルメタクリレート
Figure 0005775817
V−65:2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)
<<結果>>
Figure 0005775817
脚注)各例において、水和処理液は表中に○が記載されている方を使用した。
[実施例1〜4及び比較例1]
下記表3の組成から選択した中心部素材(第1の含水性軟質素材)と周辺部素材(第2の含水性軟質素材)とを組み合わせて、前述した試験試料作成方法に準じて実施例1〜4及び比較例1のハイブリッドソフトコンタクトレンズを作成した。各ハイブリッドソフトコンタクトレンズにおける中心部素材(第1の含水性軟質素材)と周辺部素材(第2の含水性軟質素材)との組合せを表4に記載した。なお、今回は、試験試料作成方法の5.において、形成体をプレート状ではなく、レンズ状に切削して成形した。
<<耐オートクレーブ(高圧蒸気滅菌)性試験>>
試料:
1)下記表3記載の組成で製作した単一素材からなるレンズ
2)上記実施例1〜4及び比較例1のハイブリッドソフトコンタクトレンズ
オートクレーブ処理条件:
生理食塩水(約3mL)の入ったガラスバイアル瓶にレンズ1枚を入れ、高圧蒸気滅菌装置(平山製作所製 model SM−18)を用いて、オートクレーブ処理(121℃、20min.)を行った。
評価方法:
室温まで徐冷した後レンズを取り出して外観を確認し、以下の判定基準にて評価した。結果を表3及び表4に示す。
判定基準:
○:透明で、かつ変形が生じなかった、或いは、透明で、かつコンタクトレンズとして許容できる変形であった。
×:白濁またはコンタクトレンズとして許容できない変形を生じた。
Figure 0005775817
3FEMA:2,2,2,―トリフルオロエチルメタクリレート
HEMA:2−ヒドロキシエチルメタクリレート
HOB:ヒドロキシブチルメタクリレート
これら以外の成分の化合物名又は化学構造は前述したとおりである。
Figure 0005775817
中央部素材(第1の含水性軟質素材)C2、周辺部素材(第2の含水性軟質素材)P1のプレートについて、種々の水和処理液中、種々の温度で素材の寸法変化を求めた。また、実施例4のハイブリッドソフトコンタクトレンズ(C2/P1)を各水和処理液にそれぞれの温度で水和処理した。その結果を表5及び表6に示す。
表5の水和処理液の浸透圧の違いによるサイズ変化率測定、及び表6の水和処理液のpHの違いによるサイズ変化率測定は、以下の測定条件にて行った。
装置:(株)ニコン製 投影機V−12B
浸透圧計 東亜電波工業(株)製 HSM−1
方法:乾燥状態で直径12mm、厚さ0.2mmのポリマープレートを各浸透液(水和処理液)に浸漬したときの直径を測定した。
Figure 0005775817
Figure 0005775817
サイズ変化率の差|B−A|及び比(B/A)が、前述した式の条件(差が0.05以下、比が0.94以上1.06以下)を満たす場合に、得られる実施例4のハイブリッドソフトレンズにクラゲ状の変形が生じないことがわかった。
すなわち、水和処理液の浸透圧に関しては(表5)、実施例4のハイブリッドソフトコンタクトレンズの水和処理を、10%NaCl水溶液により60℃で行った場合、23%NaCl水溶液により60℃で行った場合、2%重曹水溶液により60℃、40℃及び20℃で行った場合、2%重曹−10%NaCl混合水溶液により60℃、40℃及び20℃で行った場合、並びに2%重曹23%−NaCl混合水溶液により60℃、40℃及び20度で行った場合は、形状変化が生じず、23%NaCl水溶液により40℃で行った場合は若干の形状変化が生じたが、その他の場合は形状変化が生じた。
また、水和処理液の浸透圧とpHに関しては(表6)、実施例4のハイブリッドソフトコンタクトレンズの水和処理を、5.5%D(+)−グルコース水溶液により20℃で行った場合、PBS(−)水溶液により20℃で行った場合、1.8%エチレングリコール水溶液により20℃で行った場合、1.8%尿素水溶液により20℃で行った場合、2.7%グリセロール水溶液により20℃で行った場合、1.15%KCl水溶液により20℃で行った場合、ISO生食により20℃で行った場合、5.0%クエン酸水溶液により40℃で行った場合及び5.0アスコルピン酸水溶液により20℃で行った場合は形状変化が生じなかったが、5.0%クエン酸水溶液により20℃で行った場合は形状変化が生じた。
なお、中央部素材(第1の含水性軟質素材)C1〜C2と周辺部素材(第2の含水性軟質素材)P1〜P4についてヤング率(引張弾性率)の測定結果は表7のとおりである。また、この測定条件は以下の通りである。
装置:(株)島津理化製 万能試験機 オートグラフAG−IS MS型
:アズワン(株)製 低温恒温水槽 CB−302
ロードセル:100N
引張り速さ:20mm/min(C1は1mm/min)
温度:20℃
治具:厚さ0.3mm
試料形状:ダンベル(幅約2mm 治具間距離約4mm)
方法:20℃の生理食塩水中で測定
Figure 0005775817
(大塚生食注 Lot No.8J78N)
[実施例5〜12]
次に、製造方法(2)として、以下の手順にて、ハイブリッドソフトコンタクトレンズを製造した。
1.表8の組成に従って、第1の硬化性組成物を調製した。この第1の硬化性組成物をガラス製試験管に注入し、30℃で24時間、50℃で24時間加熱して重合を行い、棒状の重合体(レンズ中央部用の第1の含水性軟質素材)を得た(第1含水性軟質素材形成工程)。
2.表8の組成に従って、第2の硬化性組成物を調製した。この第2の硬化性組成物をガラス製試験管に注入し、30℃で24時間、50℃で24時間加熱して重合を行い、棒状の重合体(レンズ周辺部用の第2の含水性軟質素材)を得た(第2含水性軟質素材形成工程)。
3.1.及び2.で得られた各棒状の重合体を厚み4mmになるように切断し、プレート状のレンズ中央部用の第1の含水性軟質素材及びレンズ周辺部用の第2の含水性軟質素材を得た。
4.表9の組成に従って、第3の硬化性組成物を調製した。この第3の硬化性組成物を上述のプレート状のレンズ中央部用の第1の含水性軟質素材及びレンズ周辺部用の第2の含水性軟質素材の片面にそれぞれ塗布した。
5.第3の硬化性組成物を含浸させるため塗布後2分経過後、塗布面同士を接触させて両素材を重ね合わせて、3分間静置した。
6.5で作成した一体となったブロックを、アイグラフィックス(株)製の紫外線硬化装置を用いて20分間UV照射を行い、接合層を介して一体化された第1の含水性素材及び第2の含水性軟質素材を備える形成体を得た。
7.6で得た形成体を切削によってレンズ形状に加工しハイブリッドソフトコンタクトレンズを得た(成形工程)。この乾燥状態のハイブリッドソフトコンタクトレンズを2%NaHCOaqに浸漬して60℃にて静置した。
Figure 0005775817
Figure 0005775817
GMA:グリセロールメタクリレート
GDMA:グリセロールジメタクリレート
PEG:ポリエチレングリコール
MMA:メチルメタクリレート
HMPPO:2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン
これら以外の成分の化合物名又は化学構造は前述したとおりである。
上記手順に従って、また、第1〜第3の硬化性組成物の組み合わせを表10に示すとおりとして、実施例5〜12のハイブリッドソフトコンタクトレンズを得た。2%NaHCOaqに浸漬して60℃にて静置した後のレンズ形状について、以下の評価方法に従って評価した。結果を表10に示す。なお、接合層の厚みは、いずれも0.02mm以下であった。
評価方法:
○:変形が生じなかった、または、コンタクトレンズとして許容できる変形であった。
×:コンタクトレンズとして許容できない変形を生じた。
Figure 0005775817
[実施例13、14及び参考例1〜3]
次に、製造方法(3)として、以下の手順にて、ハイブリッドソフトコンタクトレンズを製造した。
1.上記表9の組成に従って第3の硬化性組成物を調製した。この第3の硬化性組成物に対して、アイグラフィックス(株)製の紫外線硬化装置を用いて20分間UV照射を行い、表11の各厚みのプレート状の接合層を得た。
2.上記表8の組成に従って第1の硬化性組成物を調製した。この第1の硬化性組成物をポリプロピレン(PP)カップに充填し、1.で得た接合層でカップを覆って密閉した。この密閉したカップを40℃で1時間、50℃で2時間、60℃で2時間、90℃で30分加熱して重合させ、第1の含水性軟質素材と接合層とが一体となったブロックを得た(第1含水性軟質素材形成工程)。
3.上記表8の組成に従って第2の硬化性組成物を調製した。この第2の硬化性組成物を新たなポリプロピレン(PP)カップに充填し、2.で得たブロックで、接合層が第2の硬化性組成物と接触するようにカップを覆って密閉した。この密閉したカップを40℃で1時間、50℃で2時間、60℃で2時間、90℃で30分加熱して重合させ、第1の含水性軟質素材と接合層と第2の含水性軟質素材とが一体となった形成体を得た(第2含水性軟質素材形成工程)。
4.3.で得た形成体を切削によってレンズ形状に加工しハイブリッドソフトコンタクトレンズを得た(成形工程)。このハイブリッドソフトコンタクトレンズを2%NaHCOaqに浸漬して60℃にて静置した。
上記手順に従って、また、第1〜第3の硬化性組成物の組み合わせを表11に示すとおりとして、実施例13、14及び参考例1〜3のハイブリッドソフトコンタクトレンズを得た。2%NaHCOaqに浸漬して60℃にて静置した後の、レンズ形状について、結果として表11に示す。なお、評価方法は、表10の基準と同様である。
Figure 0005775817
このように、製造方法(1)〜(3)のいずれの方法によっても、水和処理の際に変形の生じないハイブリッドソフトコンタクトレンズを製造することができた。また、このように製造されたいずれのハイブリッドソフトコンタクトレンズも、指で触ることで、中央部及び中央部と周辺部との境界部分が滑らかであり、装着時に違和感が低減されることを確認した。
以上のように、本発明のハイブリッドソフトコンタクトレンズは、装用感に優れ、高温蒸気滅菌が可能な2種類の軟質素材を備えるソフトコンタクトレンズとして使用されることができる。
1 ポリプロピレンカップ
2 第1の硬化性組成物
2’ 第1の含水性軟質素材
3 ポリエチレンテレフタレートフィルム
4 ポリプロピレンカップ
5 第2の硬化性組成物
5’ 第2の含水性軟質素材
6 プレート

Claims (14)

  1. 10%以上の含水率及び3.0MPa以上100MPa以下のヤング率を有する第1の含水性軟質素材から形成される中央部と、10%以上の含水率及び0.20MPa以上3.0MPa未満のヤング率を有する第2の含水性軟質素材から形成される周辺部とを備え、上記第1の含水性軟質素材がシリコーン含有モノマーを含む第1の硬化性組成物を硬化して得られ、酸素透過係数が30×10 −11 (cm /sec)・(mLO /(mL×mmHg))以上であるハイブリッドソフトコンタクトレンズ。
  2. 下記式(1)に従った上記第1の含水性軟質素材のサイズ変化率(A)と上記第2の含水性軟質素材のサイズ変化率(B)との差が0.05以下である請求項1に記載のハイブリッドソフトコンタクトレンズ。
    サイズ変化率=水和処理後のプレートの20℃にて生理食塩水に浸漬した状態での直径(mm)/水和処理前のプレートの直径(mm) ・・・ (1)
  3. 上記第1の含水性軟質素材のサイズ変化率(A)に対する上記第2の含水性軟質素材のサイズ変化率(B)の比(B/A)が0.94以上1.06以下である請求項2に記載のハイブリッドソフトコンタクトレンズ。
  4. 上記第1の硬化性組成物が下記式(I)で表されるシリコーン含有モノマーを含み、
    このシリコーン含有モノマーの含有率が30質量%以上70質量%以下である請求項1、請求項2又は請求項3に記載のハイブリッドソフトコンタクトレンズ。
    Figure 0005775817
    (式(I)中、m及びnは、それぞれ1〜15の整数である(但し、m及びnが共に1である場合を除く)。pは、0又は1である。)
  5. 10%以上の含水率及び3.0MPa以上100MPa以下のヤング率を有する第1の含水性軟質素材から形成される中央部と、10%以上の含水率及び0.20MPa以上3.0MPa未満のヤング率を有する第2の含水性軟質素材から形成される周辺部とを備え、上記第1の含水性軟質素材がシリコーン含有モノマーを含む第1の硬化性組成物を硬化して得られ、酸素透過係数が30×10 −11 (cm /sec)・(mLO /(mL×mmHg))以上であるハイブリッドソフトコンタクトレンズの製造方法において、
    第1の硬化性組成物を硬化させて、レンズ中央部用の上記第1の含水性軟質素材を形成する第1含水性軟質素材形成工程と、
    第2の硬化性組成物を硬化させて、レンズ周辺部用の上記第2の含水性軟質素材を形成する第2含水性軟質素材形成工程と、
    この第1の含水性軟質素材及び第2の含水性軟質素材を備える形成体をコンタクトレンズ形状に成形する成形工程と
    を有するハイブリッドソフトコンタクトレンズの製造方法。
  6. 上記第1含水性軟質素材形成工程及び第2含水性軟質素材形成工程において、一方の工程を先に行い、形成された一方の含水性軟質素材に他方の含水性軟質素材を形成する硬化性組成物を接触させた状態で他方の工程を行う請求項5に記載のハイブリッドソフトコンタクトレンズの製造方法。
  7. 上記第1含水性軟質素材形成工程及び第2含水性軟質素材形成工程後に、形成された第1の含水性軟質素材及び第2の含水性軟質素材を、第3の硬化性組成物を介して接着させることにより両含水性軟質素材を一体化させる工程
    を有する請求項5に記載のハイブリッドソフトコンタクトレンズの製造方法。
  8. 上記第1含水性軟質素材形成工程及び第2含水性軟質素材形成工程前に、第3の硬化性組成物を硬化させて、平均厚さ0.5mm以下の接合層を形成する工程を有し、
    上記第1含水性軟質素材形成工程をこの接合層の一の面に第1の硬化性組成物を接触させた状態で行い、
    上記第2含水性軟質素材形成工程をこの接合層の他の面に第2の硬化性組成物を接触させた状態で行う請求項5に記載のハイブリッドソフトコンタクトレンズの製造方法。
  9. 下記式(1)に従った上記第1の含水性軟質素材のサイズ変化率(A)と上記第2の含水性軟質素材のサイズ変化率(B)との差が0.05以下である請求項5から請求項8のいずれか1項に記載のハイブリッドソフトコンタクトレンズの製造方法。
    サイズ変化率=水和処理後のプレートの20℃にて生理食塩水に浸漬した状態での直径(mm)/水和処理前のプレートの直径(mm) ・・・ (1)
  10. 上記第1の含水性軟質素材のサイズ変化率(A)に対する上記第2の含水性軟質素材のサイズ変化率(B)の比(B/A)が0.94以上1.06以下である請求項5から請求項9のいずれか1項に記載のハイブリッドソフトコンタクトレンズの製造方法。
  11. コンタクトレンズ形状に成形された上記形成体を水和処理液に浸漬することにより水和処理する工程
    をさらに有し、
    下記式(1’)に従った上記第1の含水性軟質素材のサイズ変化率(A’)と上記第2の含水性軟質素材のサイズ変化率(B’)との差が0.05以下となる第1の含水性軟質素材、第2の含水性軟質素材及び水和処理液の組み合わせを用いる請求項5から請求項10のいずれか1項に記載のハイブリッドソフトコンタクトレンズの製造方法。
    サイズ変化率=水和処理液による水和処理後のプレートの水和処理液に浸漬した状態での直径(mm)/水和処理前のプレートの直径(mm) ・・・ (1’)
  12. 上記第1の含水性軟質素材のサイズ変化率(A’)に対する上記第2の含水性軟質素材のサイズ変化率(B’)の比(B’/A’)が0.94以上1.06以下となる第1の含水性軟質素材、第2の含水性軟質素材及び水和処理液の組み合わせを用いる請求項11に記載のハイブリッドソフトコンタクトレンズの製造方法。
  13. 10%以上の含水率及び3.0MPa以上100MPa以下のヤング率を有する第1の含水性軟質素材から形成される中央部と、10%以上の含水率及び0.20MPa以上3.0MPa未満のヤング率を有する第2の含水性軟質素材から形成される周辺部とを備え、上記第1の含水性軟質素材がシリコーン含有モノマーを含む第1の硬化性組成物を硬化して得られ、酸素透過係数が30×10 −11 (cm /sec)・(mLO /(mL×mmHg))以上であるハイブリッドソフトコンタクトレンズを水和処理液に浸漬する水和処理方法において、
    下記式(1’)に従った上記第1の含水性軟質素材のサイズ変化率(A’)と上記第2の含水性軟質素材のサイズ変化率(B’)との差が0.05以下となる水和処理液を用いるハイブリッドソフトコンタクトレンズの水和処理方法。
    サイズ変化率=水和処理液による水和処理後のプレートの水和処理液に浸漬した状態での直径(mm)/水和処理前のプレートの直径(mm) ・・・ (1’)
  14. 上記第1の含水性軟質素材のサイズ変化率(A’)に対する上記第2の含水性軟質素材のサイズ変化率(B’)の比(B’/A’)が0.94以上1.06以下となる水和処理液を用いる請求項13に記載のハイブリッドソフトコンタクトレンズの水和処理方法。
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