JP2013234267A - 重合体の分散液の製造方法 - Google Patents

重合体の分散液の製造方法 Download PDF

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Abstract


【課題】膜厚が厚い場合にも割れが発生しない塗膜となる重合体の分散液を提供する。
【解決手段】ラジカル重合性単量体を含む単量体混合物(A)を乳化重合させる工程1および、工程1で得られた重合体の分散液中で、ラジカル重合性単量体を含む単量体混合物(B)を乳化重合させる工程2を含む方法で、重合体の分散液を製造する。
さらに前記単量体混合物(A)を重合して得られる共重合体のFoxの計算式から求められるガラス転移温度が0℃未満であり、前記単量体混合物(B)を重合して得られる共重合体のFoxの計算式から求められるガラス転移温度が0℃以上34℃以下であり、
前記単量体混合物(A)と前記単量体混合物(B)の質量比が、5/95〜45/55である。
【選択図】なし

Description

本発明は、水性塗料に好適な重合体の分散液の製造方法およびこれを用いた水性塗料用組成物に関する。
近年、塗料分野においては、地球環境や塗装作業環境等への配慮から、有機溶剤を媒体とする溶剤系塗料から、水を分散媒とする水性塗料への変換が図られている。特に樹脂成分(重合体)を水に分散させた分散液を含む水性塗料は、乾燥性に優れ、不揮発成分の濃度を高くしても低粘度化できるため幅広く使用されている。
また、重合体の分散液をビヒクルとして、天然石の破砕物、マイカ、セラミック粒を混合し、石目調の塗膜とすることが知られている。その場合、一度に100μm以上の厚膜で塗装しても割れが発生しない塗膜となる水性塗料が求められている。
水性塗料用の重合体の分散液としては、例えば特許文献1には、耐水性に優れた塗膜が得られる、コア/シェル構造の重合体の分散液の製造方法が記載されている。特許文献2には、外観、耐水性に優れた塗膜を得るために、特定の粒径を有する乳化物を重合した重合体の分散液の製造方法が記載されている。また、特許文献3には、密着性、保存安定性に優れた重合体の分散液の製造方法が記載されている。
特開2001−106741号公報 特開2005−343966号公報 特開2000−86935号公報
しかし、特許文献1記載の重合体の分散液を用いた水性塗料では、ガラス転移温度(Tg)の低いコアの比率が大きいため、膜厚が厚い場合に割れが発生しやすい。特許文献2記載の重合体の分散液を用いた水性塗料では、コアのTgが高いため、膜厚が厚い場合に割れが発生しやすい。特許文献3記載の重合体の分散液を用いた水性塗料では、シェルのTgが高いため、成膜性が低位であり膜厚が厚い場合に割れが発生しやすい。
本発明の目的は、この問題点を解決し、膜厚が厚い場合にも割れが発生しない塗膜となる重合体の分散液を提供することにある。
本発明の要旨は、ラジカル重合性単量体を含む単量体混合物(A)を乳化重合させる工程1および、工程1で得られた重合体の分散液中で、ラジカル重合性単量体を含む単量体混合物(B)を乳化重合させる工程2を含む、重合体を製造する方法であって、前記単量体混合物(A)を重合して得られる共重合体のFoxの計算式から求められるガラス転移温度が0℃未満であり、前記単量体混合物(B)を重合して得られる共重合体のFoxの計算式から求められるガラス転移温度が0℃以上34℃以下であり、前記単量体混合物(A)と前記単量体混合物(B)の質量比が、5/95〜45/55である重合体の分散液を製造する方法にある。
本発明の製造方法によって得られた重合体の分散液は、膜厚が200μm以上の塗膜でも割れが発生しない水性塗料を提供することができる。
[工程1]
本発明の工程1は、ラジカル重合性単量体を含む単量体混合物(A)を乳化重合させる工程である。
本発明では、前記単量体混合物(A)を重合して得られる共重合体のFoxの計算式から求められるガラス転移温度(TgA)が0℃未満であることが必要である。前記TgAが0℃以上の場合、塗膜の柔軟性が不十分となり、厚膜とした時に割れが発生する。
塗膜の柔軟性維持の点から−5℃以下が好ましく、塗膜強度の点から−17℃以上が好ましい。
なお、本発明におけるFoxの計算式から求められるガラス転移温度(Tg)とは、下記式(1)により算出したものである。i成分の単独重合体のガラス転移温度は高分子学会編「高分子データハンドブック」(POLYMER HANDBOOK FOURTH EDITION Volume1,J.Brandrup,Interscience,1989)に記載されている値を用いた。
1/(273+Tg)=Σ(Wi/(273+Tgi))・・・(1)
Tg:共重合体のガラス転移温度(℃)
Tgi:i成分の単独重合体のガラス転移温度(℃)
Wi:i成分の質量比率、ΣWi=1
前記単量体混合物(A)に含まれるラジカル重合性単量体は、以下のものが挙げられる。
メチル(メタ)アクリレート、エチルメタクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート等の炭素原子数1〜18のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート類;ヒドロキシルアルキル(メタ)アクリレート類;シクロヘキシルメタクリレート等のシクロアルキル(メタ)アクリレート類;γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン等の加水分解性シリル基含有ラジカル重合性単量体;ヒドロキシポリエチレンオキシドモノ(メタ)アクリレート、ヒドロキシポリプロピレンオキシドモノ(メタ)アクリレート等の末端ヒドロキシ型ポリアルキレンオキシド基含有ラジカル重合性単量体;メトキシポリエチレンオキシドモノ(メタ)アクリレート等のアルキル基末端型ポリアルキレンオキシド基含有ラジカル重合性単量体;1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル(メタ)アクリレート、2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル(メタ)アクリレート等の光安定化作用を有する(メタ)アクリレート;2−[2´−ヒドロキシ−5´−(メタ)アクリロイルオキシエチルフェニル]−2H−ベンゾトリアゾール等の紫外線吸収性成分を有する(メタ)アクリレート;2−アミノエチル(メタ)アクリレート等のアミノアルキル(メタ)アクリレート類;(メタ)アクリルアミド等のアミド基含有ラジカル重合性単量体;ジ(メタ)アクリル酸亜鉛等の金属含有ラジカル重合性単量体;(メタ)アクリロニトリル、ベンジル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート等のその他の(メタ)アクリル系単量体;スチレン、メチルスチレン等の芳香族ビニル系単量体;1,3−ブタジエン、イソプレン等の共役ジエン系単量体;酢酸ビニル、塩化ビニル、エチレン等のラジカル重合性単量体。
エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−1,3−ジ(メタ)アクリロキシプロパン、2,2−ビス[4−(アクリロキシエトキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(メタクリロキシエトキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(アクリロキシ・ポリエトキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(メタクリロキシ・ポリエトキシ)フェニル]プロパン、2−ヒドロキシ−1−アクリロキシ−3−メタクリロキシプロパン、エチレンオキサイド変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性水添ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド変性水添ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのジグリシジルエーテルにヒドロキシ(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートを付加させたエポキシ(メタ)アクリレート、ポリオキシアルキレン化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート等のジオールと(メタ)アクリル酸のジエステル化合物;トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の1分子当たり3個以上の水酸基を有する化合物と(メタ)アクリル酸のポリエステル化合物;アリル(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼン、トリアリル(イソ)シアヌレート、イソ(テレ)フタル酸ジアリル、イソシアヌル酸ジアリル、マレイン酸ジアリルトリス(2−アクリロイルオキシエチレン)イソシアヌレート、ε−カプロラクトン変性トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート。中でも、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、イソ(テレ)フタル酸ジアリル、イソシアヌル酸ジアリル、マレイン酸ジアリル等。
グリシジル(メタ)アクリレート等のオキシラン基含有ラジカル重合性単量体、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド等のラジカル重合性アミドのアルキロール又はアルコキシアルキル化合物が挙げられる。
これらは必要に応じて2種以上を選択して使用してもよい。
前記単量体混合物(A)の乳化重合は、公知の乳化重合で行うことができる。乳化重合は、例えば、界面活性剤の存在下、単量体混合物(A)を重合系内に供給し、重合開始剤により重合する公知の方法を使用することができる。また、ソープフリー重合法、シード重合法を用いても良く、2段以上の多段で行っても良い。
界面活性剤としては、各種のアニオン性、カチオン性、ノニオン性の界面活性剤、高分子乳化剤等が挙げられる。また、界面活性剤成分中にエチレン性不飽和結合を持つ、反応性界面活性剤も使用できる。
界面活性剤はラジカル重合性単量体100質量部に対して、0.1〜10質量部含むことが好ましい。より好ましい含有量は0.5〜8質量部である。
ラジカル重合開始剤は、ラジカル重合に使用される公知のものが使用可能である。具体例としては、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩類;アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2−フェニルアゾ−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル等の油溶性アゾ化合物類や2,2’−アゾビス{2−メチル−N−[1,1−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチル]プロピオンアミド}、2,2’−アゾビス{2−メチル−N−[2−(1−ヒドロキシエチル)]プロピオンアミド}、2,2’−アゾビス{2−メチル−N−[2−(1−ヒドロキシブチル)]プロピオンアミド}、2,2’−アゾビス[2−(5−メチル−2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]およびその塩類、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]およびその塩類、2,2’−アゾビス[2−(3,4,5,6−テトラヒドロピリミジン−2−イル)プロパン]およびその塩類、2,2’−アゾビス{2−[1−(2−ヒドロキシエチル)−2−イミダゾリン−2−イル]プロパン}およびその塩類、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)およびその塩類、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピンアミジン)およびその塩類、2,2’−アゾビス[N−(2−カルボキシエチル)−2−メチルプロピオンアミジン]およびその塩類等の水溶性アゾ化合物;過酸化ベンゾイル、クメンハイドロパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシイソブチレート等の有機過酸化物類が挙げられる。これらは単独で又は2種類以上の混合物として使用できる。
ラジカル重合開始剤の添加量は、通常、ラジカル重合性単量体100質量部に対して0.01〜10質量部であるが、重合の進行や反応の制御を考慮に入れると、0.05〜5質量部が好ましい
ラジカル開始剤に対し、レドックス反応を行うための還元剤も使用可能である。還元剤はラジカル重合性単量体100質量部に対して、0.01〜1質量部含むことが好ましい。
重合温度は、特に限定されないが、40℃〜90℃程度の反応温度で製造することが好ましい。
[工程2]
工程2では、工程1で得られた重合体の分散液中で単量体混合物(B)を乳化重合させる工程である。
前記単量体混合物(B)を重合して得られる共重合体のFoxの計算式から求められるガラス転移温度(TgB)は0℃以上34℃以下であることが必要である。前記TgBが0℃未満の場合、塗膜強度が不十分となり厚膜で割れが発生する。34℃を超えると塗膜の成膜性が不良となり、厚膜で割れが発生する。耐割れ性の点から前記TgBは15℃以上25℃以下が好ましい。
前記単量体混合物(B)に含まれるラジカル重合性単量体としては、前記単量体混合物(A)と同様の単量体が使用できる。
なお、重合体の分散安定性の点で酸基含有単量体を含むことが好ましい。酸基含有単量体としては、メタクリル酸、アクリル酸、イタコン酸等が挙げられ、他のモノマーとの共重合性の点で、メタクリル酸、アクリル酸が好ましい。酸基含有単量体の量は、前記単量体混合物(B)の全量を100質量%とした場合、0.5質量%以上、5質量%以下が好ましい。5質量%を超えると、重合安定性が低下し、0.5質量%未満になると、重合体の分散安定性が不十分となり、さらには厚膜で割れが発生する。
さらに、重合体の分散安定性の点でn−ブチルアクリレートを含むことが好ましい。n−ブチルアクリレートの量は、前記単量体混合物(B)の全量を100質量%とした場合、25質量%以上、60質量%以下が好ましい。25質量%以上であれば重合体の分散安定性が向上し、60質量%以下であれば、重合安定性が維持できる。
前記単量体混合物(B)の乳化重合は、前記単量体混合物(A)と同様に公知の乳化重合で行うことができる。
さらに本発明では、耐割れ性の点から、前記単量体混合物(B)のTgBと前記単量体混合物(A)のTgAの差(TgB−TgA)が、20℃以上40℃以下であることが好ましい。より好ましくは30℃以上38℃以下である。
また本発明では、前記単量体混合物(A)と前記単量体混合物(B)の質量比が5/95〜45/55であることが必要である。
前記単量体混合物(A)の比率が5%未満の場合、塗膜柔軟性に寄与する成分が不足し、耐割れ性が不十分となる。45%を超えると、塗膜強度に寄与する成分が不足し、耐割れ性が不十分となる。
本発明の重合体を含む分散液は、セメントモルタル、スレート板、石膏ボード、押し出し成形板、発泡性コンクリート、金属、ガラス、磁器タイル、アスファルト、木材、防水ゴム材、プラスチックおよび珪酸カルシウム基材等の各種素材の表面仕上げ被覆材として有用であり、特に建築物、土木構造物等の躯体保護用水性被覆材として有用である。
以下、本発明を実施例により詳細に説明する。以下の記載において「部」は「質量部」および「%」は「質量%」を表す。評価は以下の方法に従って実施した。
<評価方法>
(1)重合安定性
サーモレコーダーRT−11(ESPEC社製)を用いて、重合温度の推移を1分間隔で測定し、ラジカル重合性単量体混合物(B)を滴下する際に、その温度の振れ幅を重合温度安定性の指標とし、下記の基準に従って評価した。振れ幅が小さいほど重合発熱が安定しており、重合安定性に優れていることを示す。
○:0.5℃未満。
△:0.5℃以上、2℃未満。
×:2℃以上。
(2)耐割れ性
エマルションの固形分に対し10wt%のキョーワノールM(協和発酵ケミカル社製)を加え、24時間静置した後、硝子板に500μmのアプリケーターにて塗装した。その後30℃で24時間乾燥し、乾燥後の塗膜の膜厚が200μm以上のものを評価用塗板とした。
この評価用塗板を光学顕微鏡(5倍)にて観測し、確認された割れの程度によって耐割れ性を評価した。
○:割れの発生無し
△:長さ800μ未満の割れが観測される。
×:長さ800μ以上の割れが観測される。
[実施例1]
攪拌機、還流冷却管、温度制御装置、および滴下ポンプを備えたフラスコに下記単量体混合物(A)を仕込み、フラスコの内温を52℃に昇温した後に、下記開始剤水溶液および還元剤水溶液を添加した。重合発熱によるピークトップ温度を確認後、フラスコの内温を75℃に保持した。
続いて、開始剤水溶液および還元剤水溶液を添加してから0.5時間後に、下記単量体混合物(B)を、ホモジナーザー等を用いて乳化分散させたプレエマルション液を3時間かけて滴下した。
滴下中はフラスコの内温を75℃に保持し、滴下終了後は75℃で1.5時間保持した。
その後、室温まで冷却し、28質量%アンモニア水(0.78部)を添加して重合体の分散液を得た。

<単量体混合物(A)>
メチルメタクリレート:10.8部
n−ブチルアクリレート:19.2部
界面活性剤 アデカリアソープSR−1025(商品名、ADEKA(株)製、
固形分30質量%):8部
脱イオン水:66.3部
<開始剤水溶液>
過硫酸アンモニウム:0.15部
脱イオン水:1部
<還元剤水溶液>
亜硫酸水素ナトリウム:0.033部
脱イオン水:1部

<単量体混合物(B)>
メチルメタクリレート:40.9部
n−ブチルアクリレート:27.6部
アクリル酸:1.5部
界面活性剤 アデカリアソープSR−1025(商品名、ADEKA(株)製、
固形分30質量%):3部
脱イオン水:20部
28%アンモニア水:0.1部
(上記アンモニア水は、エマルション粘度を調整するために添加)
[実施例2〜12および比較例1〜6]
1段目、および2段目重合体成分を表1に示す通りに変更した以外は、実施例1と同様にしてエマルションを得た。
各評価結果を表1に示す。
Figure 2013234267
表1中の略号は、以下の化合物を示す。また、表1の単位はFoxの計算式によるガラス転移温度を除いて全て質量部である。
MMA :メチルメタクリレート(Tg:106℃)
nBA :n−ブチルアクリレート (Tg:−54℃)
2−EHA :2―エチルヘキシルアクリレート(Tg:−50℃)
AA :アクリル酸(Tg:106℃)
MAA :メタクリル酸(Tg:228℃)
実施例1〜9はいずれも重合安定性に優れ、塗膜とした時の耐割れ性も良好であった。
比較例1は単量体混合物(A)から計算されるガラス転移温度(Tg)が高すぎるため、厚膜とした時の耐割れ性が不十分であった。
比較例2および3は単量体混合物(B)から計算されるガラス転移温度(Tg)が高すぎる、もしくは低すぎるため厚膜とした時の耐割れ性が不十分であった。
比較例4および比較例5は、単量体混合物(A)の割合が少なすぎるもしくは多すぎるため、厚膜とした時の耐割れ性が不十分であった。

Claims (4)

  1. ラジカル重合性単量体を含む単量体混合物(A)を乳化重合させる工程1および、工程1で得られた重合体の分散液中で、ラジカル重合性単量体を含む単量体混合物(B)を乳化重合させる工程2を含む、重合体の分散液を製造する方法であって、
    前記単量体混合物(A)を重合して得られる共重合体のFoxの計算式から求められるガラス転移温度が0℃未満であり、
    前記単量体混合物(B)を重合して得られる共重合体のFoxの計算式から求められるガラス転移温度が0℃以上34℃以下であり、
    前記単量体混合物(A)と前記単量体混合物(B)の質量比が、5/95〜45/55である重合体の分散液を製造する方法。
  2. 単量体混合物(B)中に、酸基含有単量体を0.5質量%〜5質量%含む請求項1記載の重合体の分散液を製造する方法。
  3. 請求項1記載の方法で得られた重合体の分散液。
  4. 請求項3記載の重合体の分散液を含む水性被覆組成物。
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