JP2013233732A - フィルタ成形用金型装置および成形機と、樹脂フィルタの製造方法 - Google Patents

フィルタ成形用金型装置および成形機と、樹脂フィルタの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】樹脂フィルタの製造時に、射出圧力を高くしなくても溶融樹脂の流動性が良好であり、キャビティ内のガスを容易に外部へ逃がすことで、細い溝の末端まで樹脂を容易に十分に充填でき、成形したフィルタを金型から容易に突き出すことができるようにする。
【解決手段】網目状部分を有する樹脂フィルタを製造するためのフィルタ成形用金型装置が、固定型101と、固定型101に接離可能な可動型102とを有し、可動型102は、凸部5bを有する本体部分6と、本体部分6に移動可能に取り付けられている可動キャビティブロック7とを含み、キャビティ形成面において本体部分6の凸部5bと可動キャビティブロック7とが交互に並んで配置されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、フィルタ成形用金型装置およびそれを含む成形機と、樹脂フィルタの製造方法に関する。
家電製品や、車載用エアコンなどの空調機器や、コンピュータなどの電気・電子機器等の通風口等に取り付けられるフィルタとして、例えば、不織布等の繊維や金網等からなる網目状のフィルタ本体を樹脂製の枠部材に固定したものが多く用いられている。フィルタ本体の枠部材への固定は、所定の形状に形成したフィルタ本体を成形機の金型キャビティ内に挿入した状態で溶融樹脂をキャビティに射出するインサート成形や、シート状のフィルタ本体を、別途製造した枠部材に溶着させるなどの技術を用いて行われている。
しかしながら、インサート成形では、フィルタ本体を別途製造する工程に加えて、このフィルタ本体をキャビティ内に配置して射出成形するという手間のかかる工程を行わなければならない。また、フィルタ本体と枠部材とを組み合わせて溶着する方法でも、予め両部材を別々に製造し、溶着装置に取り付けるなどの煩雑な工程を行う必要がある。
そこで、特許文献1に示すように、より容易にフィルタを製造するために、フィルタ本体と枠部材とを別々に形成するのではなく、樹脂の射出成形により一体的に形成する技術が提案されている。
特開2002−86510号公報
フィルタを樹脂の射出成形で一体的に形成する場合、射出圧力が低いと、溶融樹脂をキャビティ内に射出しても、網目状部分の末端まで十分に溶融樹脂が充填されず、網目の周辺や薄肉部に欠落(網切れ)が生じる。射出圧力を高くすると、網目の周辺や薄肉部の充填不足は改善されるものの、射出成形機を大型化しなければならず、また、網目状の部分にバリが生じて網目を少なくとも部分的に塞いでしまい、フィルタとしての機能を果たせなくなることがある。従って、射出工程の度にその都度射出圧力を適切に調整する必要があり、フィルタの量産化の妨げとなる。
また、キャビティは網目状部分を成形するための非常に狭く細い溝を含んでおり、この細い溝内において、溶融樹脂を高圧で流動させるため、せん断発熱により溶融樹脂が高温になりガスを発生しやすい。このようにして発生したガスや金型内のエアが溝内に滞留すると、網目の周囲や薄肉部に欠落が生じる。
さらに、樹脂フィルタの成形品を金型から突き出すには大きな力が必要である。フィルタを構成する桟や枠は幅が細いので、これらの部分に突き当たるように突き出しピンを設ける場合には、ピンを非常に細くする必要があり、その結果、ピンが折れたり曲がったりし易い。また、細いピンでフィルタを押圧して突き出そうとすると、フィルタの、ピンが突き当たる部分同士の間の網目状部分が金型から離れにくく、金型から離れたとしても網目状部分がたるみを生じるおそれがある。
そこで、本発明は、上記の問題点を解決し、射出圧力を高くしなくても溶融樹脂の流動性が良好であり、また、キャビティ内のガスを容易に外部へ逃がすことで、細い溝の末端まで樹脂を容易に十分に充填させることができ、さらに、成形したフィルタを金型から容易に突き出すことができるフィルタ成形用金型装置および成形機と樹脂フィルタの製造方法とを提供することを目的とする。
本発明は、網目状部分を有する樹脂フィルタを製造するためのフィルタ成形用金型装置において、固定型と、固定型に接離可能な可動型とを有し、可動型は、凸部を有する本体部分と、本体部分に移動可能に取り付けられている可動キャビティブロックとを含み、キャビティ形成面において本体部分の凸部と可動キャビティブロックとが交互に並んで配置されていることを特徴とする。
また、本発明は、網目状部分を有する樹脂フィルタの製造方法において、キャビティの一部をなす網溝が形成された可動キャビティブロックを含む金型装置を用い、金型装置のキャビティ形成面を熱可塑性樹脂の熱変形温度以上に保った状態で、溶融状態の熱可塑性樹脂をキャビティ内に射出するステップと、所定量の熱可塑性樹脂の射出が完了した後に、キャビティ形成面が熱可塑性樹脂の熱変形温度未満になるように金型装置を冷却するステップと、金型装置を開いてから、可動キャビティブロックを移動させ、キャビティに成形された成形品の一部を可動キャビティブロックで押圧して突き出すステップと、を含むことをもう1つの特徴とする。
本発明は、樹脂の流動長が向上することにより、成形温度や成形圧力を低く抑えることができるため、樹脂からのガス発生を抑えることができる。さらに、金型装置内のガスやエアを外部に容易に逃がすことができるので、成形品の破損が生じるおそれを低減できる。また、成形した樹脂フィルタを金型装置から容易に突き出すことができる。
本発明の第1の実施形態のフィルタ成形用金型装置の要部を示す一部切り欠き斜視図である。 図1に示すフィルタ成形用金型装置の固定型を示す平面図である。 図1に示すフィルタ成形用金型装置の可動型を示す平面図である。 図1に示すフィルタ成形用金型装置の固定型と可動型を接合した状態を模式的に示す平面図である。 図1に示すフィルタ成形用金型装置を用いて製造された樹脂フィルタの平面図である。 図5に示す樹脂フィルタの一部を拡大して示す斜視図である。 図1に示すフィルタ成形用金型装置を含む成形機を模式的に示す断面図である。 図3に示す可動型の要部を拡大して示す断面図である。 (a)は図3に示す可動型の可動キャビティブロックの一部切り欠き斜視図であり、(b)はその要部の拡大図である。 本発明の第2の実施形態のフィルタ成形用金型装置の可動型を示す平面図である。 図10に示す可動型の要部を拡大して示す断面図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態のフィルタ成形用金型装置の要部斜視図である。図2,3は金型装置を構成する固定型101と可動型102のそれぞれのキャビティ形成面を示す平面図であり、図4は固定型と可動型を接合した状態を示す平面図である。図5は本発明によって形成された樹脂フィルタ20を示す平面図であり、図6はその要部の拡大斜視図である。
図1,2に示すように、金型装置を構成する固定型101は入れ子3を有しており、入れ子3は、第1の方向(縦方向)に延びる複数のキャビティブロック2が、第1の方向に直交する第2の方向(横方向)に平面的に並べて組み合わされた構成である。各キャビティブロック2のキャビティ形成面には、樹脂フィルタ20の網目状部分の一部を構成する網目用横糸21を成形するための網目用横糸形成用キャビティ(網目用横溝)1がそれぞれ形成されており、全てのキャビティブロック2が組み合わされると、網目用横糸21を形成するための網目用横溝1が全て所望の位置に並ぶ。各キャビティブロック2の縦方向両端部には横方向に延びる枠部形成用キャビティ9がそれぞれ形成されており、横方向の両端に位置するキャビティブロック2には、縦方向に延びる枠部形成用キャビティ10が形成されている。
図1,3に示すように、金型装置を構成し、固定型101に接離可能な可動型102は、入れ子8を有している。入れ子8は、横方向にそれぞれ延びる複数の凹部5aと複数の凸部5bとが、縦方向に平面的に並ぶように交互に形成されている入れ子本体(本体部分)6と、その各凹部5aに嵌め込まれている可動キャビティブロック7とからなる。可動キャビティブロック7は、入れ子本体6に対して移動可能である。入れ子本体6の凸部5bの表面(キャビティ形成面)と可動キャビティブロック7の表面(キャビティ形成面)とには、縦方向に延びる網目用縦糸形成用キャビティ(網目用縦溝)4がそれぞれ形成されている。可動キャビティブロック7が凹部5aに嵌め込まれると、凸部5bの表面の溝と可動キャビティブロック7の表面の溝が互いにつながる。従って、全ての凹部5aに可動キャビティブロック7が嵌め込まれると、樹脂フィルタ20の網目状部分を構成する網目用縦糸22を形成するための網目用縦溝4が全て所望の位置に並ぶ。入れ子本体6および可動キャビティブロック7の横方向両端部には縦方向に延びる枠部形成用キャビティ10がそれぞれ形成されており、入れ子本体6の縦方向の両端部分には、横方向に延びる枠部形成用キャビティ9が形成されている。
このような固定型101と可動型102とを接合すると、図1,4に示すように、固定型101の網目用横溝1と可動型の網目用縦溝4とが直交して配置され、網目用横溝1と網目用縦溝4の交点において網目用の両溝1,4が連通している。また、このように接合された状態で、両端を除く各キャビティブロック2の中央部に対向する位置の縦溝は、他の網目用縦糸よりも太い縦桟22aを形成するための桟用縦溝4a(図5,6参照)である。そして、両端を除く各凸部5bと各可動キャビティブロック7の中央部にそれぞれ対向する位置の横溝は、他の網目用横糸よりも太い横桟21aを形成するための桟用横溝1a(図5,6参照)である。固定型101に形成されている桟用横溝1aの一部に、ゲート11が設けられている。そして、多数の網目用横溝1と網目用縦溝4からなる網目状部分、それを囲む桟用横溝1aと桟用縦溝4aからなる格子状部分、外側の縦方向に延びる枠部形成用キャビティ9と、横方向に延びる枠部形成用キャビティ10が形成されている。なお、桟用横溝1aと桟用縦溝4aは、太い桟用溝と細い桟用溝からなる場合もある。
以上説明した構成の固定型101と可動型102からなる金型装置(図1〜4参照)を含む成形機が、図7に模式的に示されている。この成形機は、固定型101のゲート11に接続された射出装置16と、可動型101および固定型102を加熱および冷却させる温度調節装置18とを有している。温度調節装置18は、キャビティブロック2と入れ子本体6にそれぞれ形成された流路12に弁15a,15bを介してそれぞれ接続された加熱媒体供給源13および冷却媒体供給源14を有している。各流路12と加熱媒体供給源13および冷却媒体供給源14は循環経路を形成しており、一方の弁15aが開いたときには、加熱媒体供給源13から供給された加熱媒体(例えば蒸気)が各流路を循環する。また、他方の弁15bが開いたときには、冷却媒体供給源14から供給された冷却媒体(例えば水)が各流路を循環する。
このような成形機を用いて樹脂フィルタ20を製造する方法について説明する。まず、金型装置を閉じて可動型102を固定型101に接合させ、桟用横溝1aを含む網目用横溝1と桟用縦溝4aを含む網目用縦溝4と枠部形成用キャビティ9,10とを互いに連通させる。こうして網目状部分を含む樹脂フィルタ20を成形するためのキャビティが形成される。次に、弁15aを開いて加熱媒体供給源13から、入れ子3,8の内壁面の近傍にある複数の流路12に加熱媒体(例えば蒸気)を循環させて固定型101および可動型102を加熱する。そして、図示しない温度センサーによって、キャビティブロック2および入れ子本体6のキャビティ形成面が、射出すべき熱可塑性樹脂の熱変形温度以上かつ熱分解温度以下の温度(例えばポリプロピレンを射出する場合には100〜120℃程度)になったことが確認されたら、予め加熱して溶融状態にした熱可塑性樹脂を射出装置16からゲート11を介して桟用横溝1aに射出する。桟用横溝1aに射出された樹脂は、各交点を通って、桟用横溝1aを含む網目用横溝1と、桟用縦溝4aを含む網目用縦溝4と、枠部形成用キャビティ9,10とを流動する。
所定量の溶融樹脂が射出装置16から射出されたことが確認されたら、所定量の射出の完了を知らせる信号が射出装置16から送出される。この信号を検知すると、弁15aが閉じて、加熱媒体供給源13から流路12への加熱媒体の供給を停止し、弁15bが開いて、冷却媒体供給源14から流路12への冷却媒体の供給を開始する。これにより、キャビティブロック2および入れ子本体6のキャビティ形成面が、成形品が変形しない温度(例えばポリプロピレンの場合には30〜40℃未満)まで急激に冷却される。それによって樹脂が冷却固化すると、金型装置を開き、すなわち可動型102を固定型101から引き離して、成形品を取り出す。図5,6に、本実施形態で製造された成形品(樹脂フィルタ)20を示している。本実施形態では、樹脂フィルタ20の取り出し時に、可動キャビティブロック7を入れ子本体6から突き出すことによって行う。具体的には、図8に拡大して示すように、入れ子本体6の凹部5aを貫通して移動可能であるノックピン17が、可動キャビティブロック7に当接している。可動キャビティブロック7は入れ子本体6に対して、キャビティ面に対して垂直方向に移動可能である。図示しない駆動機構によってノックピン17が突き出されると、ノックピン17に押された可動キャビティブロック7が、入れ子本体6の凹部5aから前進する。それにより、型開き時に可動型102に付着している樹脂フィルタ20が、可動キャビティブロック7に押されて入れ子本体6から突き出されて脱落する。
本実施形態では、溶融状態の樹脂を射出する際に、キャビティブロック2および入れ子本体6のキャビティ形成面を熱可塑性樹脂の熱変形温度以上かつ熱分解温度以下の温度に保つことにより、樹脂の流動長が向上するとともに、樹脂の熱分解温度まで温度上昇させることや成形圧力を過剰に高めることが不要であるため、樹脂からのガス発生を抑えることができる。
また、本実施形態によると、樹脂フィルタ20の横桟21aまたは縦桟22aに細いノックピンを当接させて突き出すのではなく、大面積の可動キャビティブロック7が樹脂フィルタ20の比較的広い範囲を押圧して突き出すので、ピンの損傷等を生じることがない。また、樹脂フィルタ20を入れ子本体6から容易に離れさせることができるので、網目の部分的なたるみ等を生じることがない。なお、可動キャビティブロック7を複数のグループに分け、各グループの可動キャビティブロック7の作動開始のタイミングをずらして樹脂フィルタ20を突き出すことにより、樹脂フィルタ20の可動キャビティブロック7への付着をより抑えるようにしてもよい。
なお、本実施形態では、固定型101の入れ子3のキャビティブロック2同士の間の境目(分割線)は、可動型102の桟用縦溝4aと桟用縦溝4aとの間の中間であって多数の網目用縦溝4が並んでいる個所に位置している。同様に、可動型102の入れ子本体6と可動キャビティブロック7との間の境目(分割線)は、固定型101の桟用横溝1aと桟用横溝1aとの間の中間であって多数の網目用横溝1が並んでいる個所に位置している。キャビティブロック2同士の間の分割線や、入れ子本体6と可動キャビティブロック7との間の分割線は、網目用縦溝4や網目用横溝1の中に紛れるため、分割線の跡が成形品(樹脂フィルタ20)の表面で目立つことはない。また、各網目用横溝1や各網目用縦溝4の内部にガスやエアが溜まっても、これらの分割線から外部に逃がすことができ、ガスやエアによる成形不良を生じることはない。この点について以下に説明する。
樹脂フィルタを成形するための横溝と縦溝を有する金型装置においては、溶融樹脂は、網目用横溝1および網目用縦溝4のうちの細い溝に流入する前に、枠部形成用キャビティ9,10や桟用横溝1aおよび桟用縦溝4aに流入する。そして、枠部形成用キャビティ9,10や桟用横溝1aおよび桟用縦溝4aが溶融樹脂で充填された後に、細い網目用横溝1および網目用縦溝4が樹脂で充填される。従来は、樹脂から発生したガスや混入していたエアは、最後に充填される細い網目用横溝1および網目用縦溝4に取り残される可能性があった。このように取り残されたガスやエアは、溶融樹脂の充填を阻害し、成形した樹脂フィルタの一部の破損(網切れ)を起こす可能性があった。
これに対し、本実施形態では、桟用横溝1aと桟用横溝1aとの間の中間付近、および桟用縦溝4aと桟用縦溝4aとの間の中間付近に、分割線が位置しているため、細い網目用横溝1および網目用縦溝4に取り残されたガスやエアはこれらの分割線から金型装置の外部に排出される。その結果、溶融樹脂は阻害されることなく細い網目用横溝1および網目用縦溝4に十分に充填され、破損(網切れ)のない樹脂フィルタ20を成形することができる。
図8に示すように、可動型102の入れ子本体6と可動キャビティブロック7との接合部分には、1°〜10°の勾配が設けられていることが好ましい。勾配が0°であると、長期間にわたって樹脂フィルタ20を突き出すための可動キャビティブロックの進退動作を繰り返すうちに、摩耗により大きな隙間が生じ、その隙間に樹脂が入っていわゆるバリが生じるおそれがある。また、勾配が10°を超える場合には、入れ子本体6と可動キャビティブロック7の間に必要以上の隙間が生じる。入れ子本体6と可動キャビティブロック7とが適度な大きさ(1°〜10°)の勾配をもって接触すると、入れ子本体6と可動キャビティブロック7との間の隙間が小さく、また、長期間の使用により摩耗して隙間が広がることもないため、バリの発生が抑えられる。
本実施形態では、入れ子本体6と可動キャビティブロック7との間の隙間が小さいので、網目用縦溝4内に溜まったガスまたはエアをより確実に外部に逃がすために、図9に示すように入れ子本体6と可動キャビティブロック7にガス抜き部19が設けられ、網目用縦溝4の一部に連通している。このガス抜き部19は排出溝23につながって、可動型102の外部に連通している。また、図示しないが、固定型101のキャビティブロック2にも同様のガス抜き部および排出溝を設けることが好ましい。このような構成にすることによって、バリを防ぐために隙間が生じないようにしつつ、網目用横溝1および網目用縦溝4内にガスやエアを溜めることなく外部に排出することができる。それにより、樹脂フィルタの網目の周囲や薄肉部に欠落が生じることを防げる。特に、ガス抜き部19が、可動型102の桟用縦溝4aと桟用縦溝4aとの間の中間であって多数の網目用縦溝4が並んでいる個所と、固定型101の桟用横溝1aと桟用横溝1aとの間の中間であって多数の網目用横溝1が並んでいる個所に設けられていると、キャビティブロック2同士の間や、入れ子本体6と可動キャビティブロック7の間の隙間が狭くても、ガスやエアを外部に逃がすことができる信頼性が高い。それにより成形不良を低減できる。
前記したように、固定型101の、キャビティブロック2同士の間の分割線と、ガス抜き部(図示せず)と、可動型102の、入れ子本体6と可動キャビティブロック7との間の分割線と、ガス抜き部19とによって、ガスやエアが網目用横溝1および網目用縦溝4に溜まることなく排出できるので、ガスやエアに起因する成形不良を防止できる。ただし、ガス抜き部を省略することも可能である。
固定型101のキャビティブロック2の個々の幅や、固定型102の入れ子本体6の凸部5bおよび可動キャビティブロック7の個々の幅は、5〜30mm、好ましくは6〜20mm、さらに好ましくは7〜15mmである。キャビティブロック2、凸部5b、および可動キャビティブロック7の各々の幅が5mm以下である場合には、多数の網目用横溝1、桟用横溝1a、または網目用縦溝4、桟用縦溝4aなどを彫り込む際に反りを生じ易いため好ましくない。一方、幅が30mm以上である場合には、前記した分割線やガス抜き部19によっても十分にガスやエアを排出できず、網目用横溝1および網目用縦溝4の内部にガスやエアが溜まって成形不良を生じる可能性がある。従って、固定型102の入れ子本体6の凸部5bおよび可動キャビティブロック7の個々の幅は5〜30mmにされている。
前記した実施形態では、固定型101に網目用横溝1のみが設けられ、可動型102に網目用縦溝4のみが設けられているが、固定型101と可動型102のいずれか一方または両方に網目用横溝1と網目用縦溝4とが設けられていてもよい。また、前記した実施形態では、各網目用横溝1および各網目用縦溝4は、図5に示すように桟用横溝1aと桟用縦溝4aからなる格子状部分あるいは枠部形成用キャビティ9,10に対して平行または直交するように配置されているが、桟用横溝1aおよび桟用縦溝4aからなる格子状部分あるいは枠部形成用キャビティ9,10に対して斜めに配置されていてもよい。固定型101のキャビティブロック2同士の分割線や、可動型102の入れ子本体6と可動キャビティブロック7の分割線は、互いに平行であっても、直交していても、斜めに交差していてもよい。また、桟用横溝1aおよび桟用縦溝4aや枠部形成用キャビティ9,10は、必ずしも正方形を形成する形態に限られず、例えば、短冊形(長方形)を形成する形態や、曲線部を有する形状を形成する形態であってもよく、成形すべき樹脂フィルタの形状に合わせて適宜に構成すればよい。また、桟用横溝1aおよび桟用縦溝4aの一部が枠部形成用キャビティ9,10につながっていなくてもよい。
なお、溶融樹脂の射出時に金型を加熱しない従来の通常の射出成形法や、射出時の金型温度を樹脂の熱変形温度以下までしか加熱しない射出成形法では、射出された溶融樹脂が金型のキャビティ形成面に接した時点で直ちに固化し、樹脂の流動を阻害してしまう。これに対し本実施形態では、キャビティブロック2および入れ子本体6のキャビティ形成面を樹脂の熱変形温度以上かつ熱分解温度以下の温度に保ちつつ樹脂を射出するため、溶融樹脂は固定型101および可動型102のキャビティ形成面(網目用横溝1および網目用縦溝4の内壁面等)に接したときに高温に保たれ、表層に位置する樹脂の固化速度が遅くなり、樹脂の流動長が向上する。例えば、ポリプロピレンの場合には、通常の射出成形法に比べて、樹脂の流動長が1.5倍に向上する。これにより、成形時のキャビティの温度を樹脂の熱分解温度まで上げる必要がなく、かつ成形圧力を高圧にすることがなく射出成形できるため、樹脂からのガス発生を抑えることができる。
(第2の実施形態)
本実施形態のフィルタ成形用金型装置の可動型102は、図10に示すように、入れ子本体6に平面形状が円形の凹部5aが設けられており、この凹部5aに円柱状の可動キャビティブロック7がはめ込まれている。すなわち、この入れ子本体6と可動キャビティブロック7の分割線は円形であり、凹部5aおよび可動キャビティブロック7は等間隔でマトリクス状に並べて配置されている。この円柱状の可動キャビティブロック7の表面に設けられた網目用縦溝4と、入れ子本体6の表面に設けられた網目用縦溝4とがつながっている。さらに、網目用縦溝4は、可動型102が固定型101に接合されたときに、固定型101に設けられた網目用横溝1と組み合わされて網目状部分を形成する。なお、本実施形態の固定型101は、可動型102と同様に入れ子本体に平面形状が円形の凹部が設けられ、凹部に円柱状のキャビティブロックがはめ込まれて等間隔でマトリクス状に並んでいる構成であってもよく、第1の実施形態と同様に複数のキャビティブロックが並べられた構成であってもよい。いずれの構成であっても、表面に網目用横溝1が形成されている。
可動キャビティブロック7は、入れ子本体6に対しては進退可能であり、製品の突き出しピンとして機能する。図11に示すように、第1の実施形態と同様に入れ子本体6と可動キャビティブロック7との接合部に1〜10°の勾配が設けられている。また、可動キャビティブロック7には、桟用縦溝4aと桟用縦溝4aとの間で多数の網目用縦溝4が並んでいる個所であって、固定型101と接合された際に桟用縦溝4aと桟用横溝1aとによって囲まれる四角形の中央付近にあたる個所に、ガス抜き部19が設けられている。
接合部に1〜10°の勾配が設けられているので、入れ子6と可動キャビティブロック7の間の隙間が小さく、成形された樹脂フィルタ20においてその隙間(分割線)の跡は目立たない。また、バリの発生が抑えられる。そして、ガス抜き部19が設けられているので、網目用縦溝4内に溜まったガスやエアが抜け難くなることはなく、成形不良が防げる。
そして、可動キャビティブロック7が樹脂フィルタ20の比較的広い範囲を押圧して突き出すので、ピンの損傷等を生じることがなく、樹脂フィルタ20を入れ子本体6から容易に突き出すことができ、部分的なたるみ等を生じることがない。なお、可動キャビティブロック7を複数のグループに分け、各グループの可動キャビティブロック7の作動開始のタイミングをずらして樹脂フィルタ20を突き出すことにより、樹脂フィルタ20の可動キャビティブロック7への付着を抑えるようにしてもよい。
本実施形態の可動キャビティブロック7は、円柱状ではなく、平面形状が多角形の角柱状であってもよい。
1 網目用横糸形成用キャビティ(網目用横溝)
1a 桟用横溝
2 キャビティブロック
3 入れ子
4 網目用縦糸形成用キャビティ(網目用縦溝)
4a 桟用縦溝
5a 凹部
5b 凸部
6 入れ子本体(本体部分)
7 可動キャビティブロック
8 入れ子
9,10 枠部形成用キャビティ
11 ゲート
12 流路
13 加熱媒体供給源
14 冷却媒体供給源
15a,15b 弁
16 射出装置
17 ノックピン
18 温度調節装置
19 ガス抜き部
20 樹脂フィルタ
21 網目用横糸
21a 横桟
22 網目用縦糸
22a 縦桟
23 排出溝
101 固定型
102 可動型

Claims (10)

  1. 網目状部分を有する樹脂フィルタを製造するためのフィルタ成形用金型装置において、
    固定型と、前記固定型に接離可能な可動型とを有し、
    前記可動型は、凸部を有する本体部分と、前記本体部分に移動可能に取り付けられている可動キャビティブロックとを含み、キャビティ形成面において前記本体部分の前記凸部と前記可動キャビティブロックとが交互に並んで配置されている
    ことを特徴とするフィルタ成形用金型装置。
  2. 前記可動キャビティブロックと前記凸部にはそれぞれ溝が形成されており、前記可動キャビティブロックの前記溝と前記凸部の溝とが互いにつながって、前記網目状部分を形成するためのキャビティの少なくとも一部を構成している、請求項1に記載のフィルタ成形用金型装置。
  3. 前記可動型の前記凸部と前記可動キャビティブロックのいずか一方または両方に、前記溝に連通する孔状のガス抜き部が設けられている、請求項2に記載のフィルタ成形用金型装置。
  4. 前記固定型と前記可動型のいずれか一方には縦溝が形成され、他方には、前記縦溝と直交する横溝が形成されている、請求項2または3に記載のフィルタ成形用金型装置。
  5. 請求項1から4のいずれか1項に記載のフィルタ成形用金型装置と、前記金型装置のキャビティ内に溶融状態の樹脂を射出する射出装置と、前記可動型および前記固定型を加熱および冷却させる温度調節装置と、を有する成形機。
  6. 網目状部分を有する樹脂フィルタの製造方法において、
    キャビティの一部をなす溝が形成された可動キャビティブロックを含む金型装置を用い、
    前記金型装置のキャビティ形成面を熱可塑性樹脂の熱変形温度以上に保った状態で、溶融状態の前記熱可塑性樹脂を前記キャビティ内に射出するステップと、
    所定量の前記熱可塑性樹脂の射出が完了した後に、前記キャビティ形成面が前記熱可塑性樹脂の熱変形温度未満になるように前記金型装置を冷却するステップと、
    前記金型装置を開いてから、前記可動キャビティブロックを移動させ、前記キャビティに成形された成形品の一部を前記可動キャビティブロックで押圧して突き出すステップと、
    を含むことを特徴とする樹脂フィルタの製造方法。
  7. 前記金型装置を構成する一方の金型には縦溝が形成され、他方の金型には、前記縦溝と直交する横溝が形成されており、前記可動キャビティブロックは前記一方の金型と前記他方の金型のいずれかに組み込まれており、両方の前記金型を接合させることにより前記縦溝と前記横溝とを組み合わせて前記キャビティを形成する、請求項6に記載の樹脂フィルタの製造方法。
  8. 前記可動キャビティブロックが、凸部を有する本体部分に移動可能に取り付けられており、前記キャビティ表面において前記本体部分の前記凸部と前記可動キャビティブロックとが交互に並んで配置されている、請求項6または7に記載の樹脂フィルタの製造方法。
  9. 複数の前記可動キャビティブロックを複数のグループに分け、前記成形品を押圧して突き出すステップでは、各グループの前記可動キャビティブロックをタイミングをずらして移動させて前記成形品を押圧する、請求項6から8のいずれか1項に記載の樹脂フィルタの製造方法。
  10. 前記溝内に存在する気体を、前記金型装置に設けられて前記溝に連通する孔状のガス抜き部を通して前記金型装置の外部へ排出する、請求項6から9のいずれか1項に記載の樹脂フィルタの製造方法。
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