JP2013230757A - 自動二輪車 - Google Patents

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Abstract

【課題】メインフレームがパイプ材で構成され、車両にガード部材が備えられる場合でも、ガード部材がメインフレームの剛性に影響を及ぼすことを低減できる自動二輪車を提供する。
【解決手段】メインパイプ30Lに、ダウンパイプ52L及びサポートパイプ53Lが連結され、ダウンパイプ52L及びサポートパイプ53Lに、前部ガード部材60Lが支持される。前部ガード部材60Lがメインフレーム17に直接連結されることがないため、前部ガード部材60Lがメインフレーム17の剛性に影響を及ぼすことを低減できる。
【選択図】図2

Description

本発明は、エンジンの側方を覆うガード部材を備える自動二輪車に関する。
四輪車と二輪車の違いの一つに、四輪車は転倒し難く、二輪車は転倒し易いことが挙げられる。二輪車において、転倒対策として、エンジンや車体を保護するガード部材の設置が推奨される。(例えば、特許文献1(図2、図9)参照。)。
特許文献1の図2に示すように、自動二輪車のメインフレーム(7)(括弧付き番号は特許文献1に記載されている符号を示す。以下同じ)には、エンジン(12)の前部を支持するエンジンハンガー(7a)が備えられる。エンジンハンガー(7a)の外面に、エンジン(12)を保護するガード部材(20)が支持される。このガード部材(20)は、第1固定部(21)と第2固定部(22)と第3固定部(23)とを有する。
第1固定部(21)及び第2固定部(22)は、エンジンハンガー(7a)に取付けられる。
加えて、特許文献1の図9に示すように、ガード部材(20)が車体フレーム(5)の左右に配置され、左右の第3固定部(23)間にクロスパイプ(41)が渡される。各々の第3固定部(23)は、クロスパイプ(41)の端部に移動可能に結合される。
特許文献1の図2において、第1固定部(21)は、メインフレーム(7)のエンジンハンガー(7a)にボルト結合され、第2固定部(22)は、エンジンハンガー(7a)に移動可能に結合(フローティング結合)されている。第2固定部(22)をフローティング結合にすることで、メインフレーム(7)の前後中間部の剛性が大きくならないようにしている。メインフレーム(7)は、鋳造で製作される角筒状のフレームである。
ところで、鋳造製フレームより安価なパイプ材がコストダウンや軽量化を目的に車体フレームに用いられる。
そこで、メインフレーム(7)がパイプ材で構成され、車両にガード部材(20)が備えられる場合でも、簡易な構成で、ガード部材(20)がメインフレーム(7)の剛性に影響を及ぼすことを低減できることが求められる。
特開2011−143845号公報
本発明は、メインフレームがパイプ材で構成され、車両にガード部材が備えられる場合でも、ガード部材がメインフレームの剛性に影響を及ぼすことを低減できる自動二輪車を提供することを課題とする。
請求項1に係る発明は、ヘッドパイプから車体左後方及び右後方へ延びる左右のメインパイプからなり、これらメインパイプの後部間がクロスパイプで連結されるメインフレームを備え、このメインフレームの車体下方にエンジンが配置される自動二輪車において、前記メインパイプから車体側方へ延ばされて更に車体下方へ延ばされ前記エンジンを支持するダウンパイプと、このダウンパイプと前記メインパイプとを連結するサポートパイプと、このサポートパイプ及び前記ダウンパイプに各々形成した支持部に支持され前記エンジンを覆うように車体側方に位置する前部ガード部材とを有することを特徴とする。
請求項2に係る発明では、ダウンパイプは、車体側面視で、車体後下方へ傾斜するように延ばされ、上下に前記支持部を複数備え、前部ガード部材は、車体側面視で、上の支持部から下の支持部まで延ばされ車体後下方へ傾斜するガード本体部と、このガード本体部から車体後方へ延ばされサポートパイプに支持される倒れ防止部とからなることを特徴とする。
請求項3に係る発明では、ガード本体部の下端は、下の支持部よりも車体下方へ延ばされることを特徴とする。
請求項4に係る発明では、ダウンパイプに、エンジンを支えるエンジンハンガーが設けられ、車体側面視で、前記エンジンハンガーの一部に重ねるように、ガード本体部の下端が配置されることを特徴とする。
請求項5に係る発明では、ダウンパイプは、メインパイプから延ばされ車体下方へ屈曲する屈曲部と、この屈曲部から車体下方へ直線状に延びる直線部とを備え、この直線部に、上の支持部が形成されることを特徴とする。
請求項6に係る発明では、車体側面視で、上の支持部と、下の支持部と、サポートパイプに設けられ倒れ防止部を支持する後の支持部とが、略正三角形の頂部に配置されることを特徴とする。
請求項7に係る発明では、倒れ防止部は、ガード本体部の高さ方向中央に連結されることを特徴とする。
請求項8に係る発明では、メインパイプの後端から車体後上方へシートレールが延ばされ、このシートレールの前後には、車両後部の側方を覆う後部ガード部材が連結され、この後部ガード部材は、車体側面視で、前記シートレールの前部から車体後下方へ延ばされる前側パイプと、前記シートレールの後部から車体後下方へ延ばされる後側パイプと、前記前側パイプと前記後側パイプとに渡され前記シートレールの延び方向に略平行に延ばされる連結パイプとからなり、前記後部ガード部材と前記シートレールとで囲まれた空間に、同乗者が足を載せるピリオンステップが配置されることを特徴とする。
請求項1に係る発明では、メインパイプに、ダウンパイプ及びサポートパイプが連結され、ダウンパイプ及びサポートパイプに、前部ガード部材が支持される。
前部ガード部材がメインフレームに直接連結されることがないため、前部ガード部材がメインフレームの剛性に影響を及ぼすことを低減できる。
また、メインパイプよりも車体側方に配置したダウンパイプ及びサポートパイプに、前部ガード部材を支持させると、メインパイプから直に前部ガード部材を延ばす場合に比べ、前部ガード部材の車幅方向寸法を小さくすることができる。すなわち、前部ガード部材を小型化しつつ車体側方への張り出し量を確保することができる。
加えて、左右のメインパイプを前部ガード部材で連結しないため、左右のメインパイプが一体化せず、メインフレームの剛性増加を抑えることができる。
請求項2に係る発明では、前部ガード部材のガード本体部は、車体側面視で、車体後下方へ傾斜するように延ばされる。
車両転倒時に、地面からガード本体部に作用する荷重として、車体側面視で車体後上方に向く荷重がある。一方、ガード本体部は、車体側面視で、車体後下方へ傾斜して延びる。ガード本体部が上記荷重に対して略直交して配置されるため、ガード本体部全体で荷重を受けることができる。
加えて、ガード本体部からサポートパイプまで倒れ防止部が延ばされることにより、車両転倒時に、ガード本体部を押し倒そうとする荷重が作用しても、この荷重を倒れ防止部で支持することができる。したがって、ガード本体部の倒れを防ぐことができる。
さらに、ダウンパイプとガード本体部は、車体後下方へ傾斜するように延ばされる。2つの部材の延び方向が揃うことにより、車両前部の外観性を高めることができる。
請求項3に係る発明では、ガード本体部の下端は、下の支持部よりも車体下方へ延ばされる。
つまり、下の支持部は、ガード本体部の下端よりも高い位置に配置される。下の支持部の位置をガード本体部の下端より高くすると、下の支持部がガード本体部の下端と同じ高さに配置される場合に比べ、ガード本体部の取付け間隔が小さくなり、ガード本体部によりダウンパイプが補強される長さが小さくなる。ダウンパイプの補強長さが小さくなることで、ダウンパイプの剛性増加を抑えることができる。
請求項4に係る発明では、車体側面視で、エンジンハンガーの一部に重ねるように、ガード本体部の下端が配置される。
ガード本体部の下端を、エンジンハンガーの一部に重ねるように配置すると、エンジンハンガーの一部がガード本体部により覆われるため、エンジンハンガーをガード本体部で保護することができる。
請求項5に係る発明では、ダウンパイプは、メインパイプから延びる屈曲部と、この屈曲部から延びる直線部とを備え、この直線部に、上の支持部が形成される。
ダウンパイプの屈曲部は、メインパイプから延ばされる。仮に屈曲部に上の支持部を形成し、上の支持部に前部ガード部材を支持させると、ダウンパイプの剛性が増加する。その点、本発明では、屈曲部から延びる直線部に、上の支持部を形成する。直線部は、屈曲部よりもメインパイプから離れている部位であるため、ダウンパイプの剛性増加を更に抑えることができる。
請求項6に係る発明では、車体側面視で、上の支持部と、下の支持部と、後の支持部とが、略正三角形の頂部に配置される。
略正三角形の頂部に支持部を各々配置すると、支持部間の距離が等しくなることにより、前部ガード部材に荷重が作用したとき、各支持部には約1/3の荷重が掛かりやすくなる。荷重が3つの支持部に分散されるため、特定の支持部に荷重が集中することを防止できる。
請求項7に係る発明では、倒れ防止部は、ガード本体部の高さ方向中央に連結される。
倒れ防止部をガード本体部の中央に連結することで、倒れ防止部がガード本体部の上側又は下側に設けられる場合に比べ、荷重を倒れ防止部で確実に支持することができ、ガード本体部の倒れを更に効果的に防止できる。
請求項8に係る発明では、後部ガード部材は、車体側面視で、車体後下方へ延びる前側パイプと、車体後下方へ延びる後側パイプと、シートレールの延び方向に略平行に延びる連結パイプとからなる。
すなわち、前側パイプと後側パイプが略平行に配置され、且つシートレールと連結パイプが略平行に配置される。後部ガード部材を構成する部材の向きが揃うため、後部ガード部材の外観性を向上させることができる。
加えて、後部ガード部材がパイプ材のみで構成されるため、後部ガード部材の軽量化とコストダウンを容易に図ることができる。
本発明に係る自動二輪車の左側面図である。 車体フレームの左側面図である。 図2の3矢視図である。 図2の4−4線断面図である。 図2の5−5線断面図である。 前部ガード部材及び後部ガード部材の取外しを説明する分解斜視図である。 図1の7矢視図である。 自動二輪車の転倒状態を説明する図である。 別の前部ガード部材の構造を説明する図である。
本発明の実施の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、図面は符号の向きに見るものとする。以下の説明で用いる前後、左右、上下は運転者シートに座った運転者を基準に定める。
本発明に係る自動二輪車を図面に基づいて説明する。
図1に示すように、自動二輪車10は、ヘッドパイプ11に転舵可能に支持されヘッドパイプ11よりも上方及び下方に位置するトップブリッジ12及びボトムブリッジ13と、これらトップブリッジ12及びボトムブリッジ13に取付けられるフロントフォーク14L(Lは左を示す添え字。以下同様)と、このフロントフォーク14Lの下端に回転自在に支持される前輪15と、トップブリッジ12に連結されるステアリングハンドル16と、ヘッドパイプ11の下端部から車体後方へ延ばされるメインフレーム17と、このメインフレーム17の後部に連結され略上下方向に延びるピボットフレーム18L(詳細後述)と、このピボットフレーム18Lから車体後上方へ延ばされるシートレール19L(詳細後述)と、ピボットフレーム18Lにピボット軸21で止められピボット軸21を中心として上下に揺動するリアスイングアーム22と、このリアスイングアーム22の後端に回転可能に取付けられる後輪23と、メインフレーム17及びピボットフレーム18Lに支持されるエンジン24と、このエンジン24に連結される動力伝達装置25と、この動力伝達装置25の出力軸に備える駆動スプロケットと後輪23に備える従動スプロケット26とに掛け渡される駆動チェーン27と、エンジン24から車体後方へ延びる排気管28の後端に設けられるマフラー29とを備える。
メインフレーム17は、ヘッドパイプ11の下端部から車体左後方へ延びるメインパイプ30L(詳細後述)と、ヘッドパイプ11の下端部から車体右後方へ延びるメインパイプ30R(Rは右を示す添え字。以下同様)とからなる。車体右側の構造は後述する。
トップブリッジ12及びボトムブリッジ13には、フロントフォーク14L、Rが設けられ、これらフロントフォーク14L、Rの各々の上部には、フロントカウル31が支持される。このフロントカウル31の前部に、ヘッドライト32が配置される。フロントフォーク14L、Rの各々に、前輪15の上部を覆うフロントフェンダ33が支持される。
加えて、フロントフォーク14Lの中間部とフロントフォーク14Rの中間部とに、フロントランプ装置ステー34が渡されている。フロントランプ装置ステー34の左端部と右端部は、フロントフォーク14Lの中間部外周とフロントフォーク14Rの中間部外周とに巻付けられる。このようなフロントランプ装置ステー34に、複数のランプ35で構成されるフロントランプ装置36が支持される。
メインパイプ30Lには、ヘルメットや物品を収納する収納ボックス37が支持され、この収納ボックス37に開閉可能にリッド38が取付けられる。
収納ボックス37の車体後方には、シート39が配置され、このシート39は、シートレール19Lに支持される。シート39の後部を囲むように、グラブレール41が設けられる。加えて、シート39の車体下方には、燃料タンク42が配置される。
ピボットフレーム18Lの下端に、ステップステー43Lが設けられ、このステップステー43Lに、シート39の運転者席に座る運転者が足を載せるステップ44Lが設けられる。加えて、ステップステー43Lの後端に、シート39の同乗者席に座る同乗者が足を載せるピリオンステップ45Lが設けられる。
シートレール19Lの後端に、後輪23の後部を覆うリアフェンダ46と、リアランプ装置ステー47とが、同一のボルトで取付けられる。リアランプ装置ステー47に、複数のランプ48で構成されるリアランプ装置49が支持される。リアランプ装置49の下方にテールライト51が配置される。
メインパイプ30Lから、ダウンパイプ52L(詳細後述)が車体下方へ延ばされ、このダウンパイプ52Lとメインパイプ30Lとに、サポートパイプ53L(詳細後述)が連結される。ダウンパイプ52L及びサポートパイプ53Lに、エンジン24及び車体前部を保護する前部ガード部材60L(詳細後述)が支持される。
ピボットフレーム18Lとシートレール19Lの間に、サブフレーム61L(詳細後述)が設けられ、このサブフレーム61Lに、車体後部を保護する後部ガード部材70L(詳細後述)が支持される。
車体左側の構造を図2に基づいて説明する。
図2に示すように、ダウンパイプ52Lは、車体側面視で、メインパイプ30Lとの連結部から略直線状に車体後下方へ延出される。ダウンパイプ52Lの下端には、エンジン(図1、符号24)の前部を支える前部エンジンハンガー71Lが設けられる。すなわち、ダウンパイプ52Lはエンジンを支持する部材である。
加えて、ダウンパイプ52Lの高さ方向中央部には、前部ガード部材60Lを支持する上の支持部72L(詳細後述)が設けられ、ダウンパイプ52Lの下部には、前部ガード部材60Lを支持する下の支持部73L(詳細後述)が設けられる。
サポートパイプ53Lには、前部ガード部材60Lを支持する後の支持部74L(詳細後述)が設けられる。
次に前部ガード部材60Lの構成を説明する。
前部ガード部材60Lは、車体側面視で、上の支持部72Lから下の支持部73Lまで延ばされ車体後下方へ傾斜するガード本体部75L(詳細後述)と、このガード本体部75Lから車体後方へ延ばされ後の支持部74Lに支持される倒れ防止部76L(詳細後述)とからなる。つまり、上の支持部72Lと、下の支持部73Lと、後の支持部74Lとに、エンジン(図1、符号24)を覆うように車体左側方に位置する前部ガード部材60Lが支持される。
車体側面視で、上の支持部72Lと、下の支持部73Lと、倒れ防止部76Lを支持する後の支持部74Lとが、三角形77の頂部に配置される。なお、3つの支持部72L、73L、76Lを略正三角形の頂部に配置すると更に好ましい。
車体側面視で、前部エンジンハンガー71Lの前部78に重ねるように、ガード本体部75Lの下端79Lが配置される。
次に後部ガード部材70Lの構成を説明する。
後部ガード部材70Lは、車体側面視で、サブフレーム61Lの前部81Lから車体後下方へ延ばされる前側パイプ82Lと、サブフレーム61Lの後部83Lから車体後下方へ延ばされる後側パイプ84Lと、前側パイプ82Lの下端から車体後方へ延ばされる延出パイプ85Lと、この延出パイプ85Lと後側パイプ84Lとに渡されサブフレーム61Lの延び方向に略平行に延ばされる連結パイプ86Lとからなる。
すなわち、前側パイプ82Lと後側パイプ84Lが略平行に配置され、且つサブフレーム61Lと連結パイプ86Lが略平行に配置される。
なお、実施例では、後部ガード部材70Lをサブフレーム61Lに連結したが、シートレール19Lに連結してもよい。加えて、後部ガード部材70Lは、前側パイプ82Lと後側パイプ84Lと延出パイプ85Lと連結パイプ86Lとで構成したが、延出パイプ85Lを無くして前側パイプ82Lと連結パイプ86Lを直結してもよい。
メインパイプ30Lの中間部に、中間部エンジンハンガー89Lが支持され、メインパイプ30Lの後部には、後部エンジンハンガー91Lが設けられる。これらエンジンハンガー89L、91Lと前部エンジンハンガー71Lにより、エンジン(図1、符号24)が支持される。
図1において、後部ガード部材70Lとサブフレーム61Lとで囲まれた空間92Lに、ピリオンステップ45Lが配置される。
前部エンジンハンガー71L及びエンジン24の下部が、エンジン24に取付けたアンダーカウル93Lで覆われるため、自動二輪車10の下部の外観性が向上する。
自動二輪車10の車体フレームの構成を纏めて図3で説明する。
図3に示すように、車体フレーム94は、ヘッドパイプ11と、このヘッドパイプ11の下端部から車体左後方へ延びるメインパイプ30Lと、このメインパイプ30Lの後端に連結されるピボットフレーム18Lと、このピボットフレーム18Lに連結されるシートレール19Lと、ヘッドパイプ11の下端部から車体右後方へ延びるメインパイプ30Rと、このメインパイプ30Rの後端に連結されるピボットフレーム18Rと、このピボットフレーム18Rに連結されるシートレール19Rと、ピボットフレーム18Lとピボットフレーム18Rとに渡される主クロスパイプ95とからなる。なお、実施例では、主クロスパイプ95をピボットフレーム18L、R間に渡したが、主クロスパイプ95をメインパイプ30L、Rの後部間に渡してもよい。
メインパイプ30Lの中間部とメインパイプ30Rの中間部に、副クロスパイプ96が渡され、この副クロスパイプ96に、中間部エンジンハンガー89L、Rが取付けられる。
車体フレーム94において、メインパイプ30L、R、ダウンパイプ52L、R、サポートパイプ53L、R、シートレール19L、R、サブフレーム61L、Rにパイプ材を適用した。車体フレーム94をパイプ材で構成することにより、車体の軽量化とコストダウンを容易に図ることができる。
次にダウンパイプ52Lの形状を改めて説明する。
ダウンパイプ52Lは、メインパイプ30Lの前部から車体左側方且つ僅かに後方へ延ばされて車体下方へ屈曲する屈曲部106Lと、この屈曲部106Lから車体後下方へ直線状に延びる直線部107Lとを備える。
直線部107Lに、上の支持部72Lが設けられる。
前部ガード部材60Lのガード本体部75Lと倒れ防止部76Lの取付構造を図4に基づいて説明する。
図4に示すように、ガード本体部75Lの下端79Lは、下の支持部73Lよりも車体下方へ延ばされる。ガード本体部75Lの車幅中心側上端には、板状ブラケットからなる上の連結部97Lが設けられ、ガード本体部75Lの車幅中心側下端には、筒状ブラケットからなる下の連結部98Lが設けられる。
上の連結部97Lは、ボルト101、101で上の支持部72Lに取付けられる。
加えて、下の連結部98Lは、ボルト102で下の支持部73Lに取付けられる。
次に倒れ防止部76Lの取付構造を説明する。
倒れ防止部76Lの車幅方向左端部は、ガード本体部75Lの高さ方向の略中央103に連結される。一方、倒れ防止部76Lの車幅中心側端部には、板状ブラケットからなる後の連結部104Lが設けられ、この後の連結部104Lは、ボルト105で後の支持部74Lに取付けられる。
上の連結部97Lと後の連結部104Lを板状ブラケットとすることで、コストダウンを図りつつ、ボルト101、105の頭を車幅中心側に近づけて配置することができ、ボルト101、105の頭を保護できる。
なお、実施例では、上の支持部72L及び下の支持部73Lは、ナットを備えた板材としたが、この板材の代わりに、支持部72L、73Lに雌ねじ部を有する部材を適用してもよい。後の支持部74Lにも、雌ねじ部を有する部材を適用してもよい。
後部ガード部材70Lの取付構造を図5に基づいて説明する。
図5に示すように、後部ガード部材70Lの車幅中心側前端には、板状ブラケットからなる前部連結部112Lが設けられ、後部ガード部材70Lの車幅中心側後端には、板状ブラケットからなる後部連結部113Lが設けられる。
前部連結部112Lは、ボルト114でサブフレーム61Lの前部81Lに取付けられる。加えて、後部連結部113Lは、ボルト115でサブフレーム61Lの後部83Lに取付けられる。なお、実施例では、サブフレーム61Lの前部81L及び後部83Lは、ナットを備えた板材としたが、この板材の代わりに、前部81L及び後部83Lに雌ねじ部を有する部材を適用してもよい。
前部ガード部材60L、Rと後部ガード部材70L、Rの取外し方を図6に基づいて説明する。
図6に示すように、支持部72L、73L、74Lからボルト101、101、102、105を取外すことにより、車体フレーム94から前部ガード部材60Lを取外す。加えて、支持部72R、73R、74Rからボルト101、101、102、105を取外すことにより、車体フレーム94から前部ガード部材60Rを取外す。
サブフレーム61Lの前部81L及び後部83Lからボルト114、115を取外すことにより、車体フレーム94から後部ガード部材70Lを取外す。加えて、サブフレーム61Rの前部81R及び後部83Rからボルト114、115を取外すことにより、車体フレーム94から後部ガード部材70Rを取外す。
自動二輪車10の正面視での外観を図7に基づいて説明する。
図7に示すように、自動二輪車10の車体左側部には、前部ガード部材60Lが備えられ、自動二輪車10の車体右側部には、前部ガード部材60Rが備えられる。
加えて、自動二輪車10の車体左側部には、前部ガード部材60Lの後方に位置する後部ガード部材70Lが備えられ、自動二輪車10の車体右側部には、前部ガード部材60Rの後方に位置する後部ガード部材70Rが備えられる。
以上に述べた自動二輪車10の作用を次に述べる。
図8に示すように、自動二輪車10が左側方へ転倒すると、前部ガード部材60Lと後部ガード部材70Lが地面124に接触する。前部ガード部材60Lと後部ガード部材70Lにより、エンジンや車体が保護される。
なお、当然ながら、自動二輪車10が右側方へ転倒すると、前部ガード部材60Rと後部ガード部材70Rにより、エンジンや車体が保護される。
これまでに説明した前部ガード部材60L、Rでは、上の連結部97L、Rと後の連結部104L、Rの両方を板状ブラケットで構成したが、これら連結部97L、R、104L、Rを筒状ブラケットで構成してもよいことは既に述べた。次に後の連結部を筒状ブラケットで構成した例を説明する。
図9において、図4と共通の構造は符号を流用して詳細な説明を省略する。主たる変更点は、後の連結部を筒状ブラケットで構成したことである。
前部ガード部材130Lは、ガード本体部75Lと、倒れ防止部76Lとからなる。
ガード本体部75Lの車幅中心側上端には、板状ブラケットからなる上の連結部131Lが設けられる。この上の連結部131Lは、ボルト132で上の支持部133Lに取付けられる。
倒れ防止部76Lの車幅中心側端部には、筒状ブラケットからなる後の連結部134Lが設けられ、この後の連結部134Lは、ボルト135で後の支持部74Lに取付けられる。
なお、実施例では、上の支持部133L及び下の支持部73L及び後の支持部74Lを、ナットを備えた板材としたが、この板材の代わりに、支持部133L、73L、74Lに雌ねじ部を有する部材を適用してもよい。
前部ガード部材130Lでは、上の連結部131Lの高さ寸法H1を小さくし、且つ後の連結部134Lの外径D1を小さくした。
上の連結部131L及び後の連結部134Lが小型になるから、前部ガード部材130Lをダウンパイプ52L及びサポートパイプ53Lに取付けるときの作業性、又は前部ガード部材130Lをダウンパイプ52L及びサポートパイプ53Lから取外すときの作業性を向上させることができる。
以上に述べた自動二輪車10の作用効果を以下に記載する。
図2に示す構成により、メインパイプ30Lに、ダウンパイプ52L及びサポートパイプ53Lが連結され、ダウンパイプ52L及びサポートパイプ53Lに、前部ガード部材60Lが支持される。
前部ガード部材60Lがメインフレーム17に直接連結されることがないため、前部ガード部材60Lがメインフレーム17の剛性に影響を及ぼすことを低減できる。
また、図3に示す構成により、メインパイプ30Lよりも車体側方に配置したダウンパイプ52L及びサポートパイプ53Lに、前部ガード部材60Lを支持させると、メインパイプ30Lから直に前部ガード部材を延ばす場合に比べ、前部ガード部材60Lの車幅方向寸法を小さくすることができる。すなわち、前部ガード部材60Lを小型化しつつ車体側方への張り出し量を確保することができる。
加えて、図3に示す構成により、左右のメインパイプ30L、Rを前部ガード部材60L、Rで連結しないため、左右のメインパイプ30L、Rが一体化せず、メインフレーム17の剛性増加を抑えることができる。
図2に示す構成により、前部ガード部材60Lのガード本体部75Lは、車体側面視で、車体後下方へ傾斜するように延ばされる。
車両転倒時に、地面からガード本体部75Lに作用する荷重として、車体側面視で車体後上方に向く荷重がある。一方、ガード本体部75Lは、車体側面視で、車体後下方へ傾斜して延びる。ガード本体部75Lが上記荷重に対して略直交して配置されるため、ガード本体部75L全体で荷重を受けることができる。
加えて、図2に示す構成により、ガード本体部75Lからサポートパイプ53Lまで倒れ防止部76Lが延ばされることにより、車両転倒時に、ガード本体部75Lを押し倒そうとする荷重が作用しても、この荷重を倒れ防止部76Lで支持することができる。したがって、ガード本体部75Lの倒れを防ぐことができる。
さらに、図2に示す構成により、ダウンパイプ52Lとガード本体部75Lは、車体後下方へ傾斜するように延ばされる。2つの部材52L、75Lの延び方向が揃うことにより、車両前部の外観性を高めることができる。
図4に示す構成により、ガード本体部75Lの下端79Lは、下の支持部73Lよりも車体下方へ延ばされる。
つまり、下の支持部73Lは、ガード本体部75Lの下端79Lよりも高い位置に配置される。下の支持部73Lの位置をガード本体部75Lの下端79Lより高くすると、下の支持部73Lがガード本体部75Lの下端79Lと同じ高さに配置される場合に比べ、ガード本体部75Lの取付け間隔が小さくなり、ガード本体部75Lによりダウンパイプ52Lが補強される長さが小さくなる。ダウンパイプ52Lの補強長さが小さくなることで、ダウンパイプ52Lの剛性増加を抑えることができる。
図2に示す構成により、車体側面視で、エンジンハンガー71Lの一部78に重ねるように、ガード本体部75Lの下端79Lが配置される。
ガード本体部75Lの下端79Lを、エンジンハンガー71Lの一部78に重ねるように配置すると、エンジンハンガー71Lの一部78がガード本体部75Lにより覆われるため、エンジンハンガー71Lをガード本体部75Lで保護することができる。
図4に示す構成により、ダウンパイプ52Lは、メインパイプから延びる屈曲部106Lと、この屈曲部106Lから延びる直線部107Lとを備え、この直線部107Lに、上の支持部72Lが形成される。
ダウンパイプ52Lの屈曲部106Lは、メインパイプから延ばされる。仮に屈曲部106Lに上の支持部72Lを形成し、上の支持部72Lに前部ガード部材60Lを支持させると、ダウンパイプ52Lの剛性が増加する。その点、本発明では、屈曲部106Lから延びる直線部107Lに、上の支持部72Lを形成する。直線部107Lは、屈曲部106Lよりもメインパイプから離れている部位であるため、ダウンパイプ52Lの剛性増加を更に抑えることができる。
図2に示す構成により、車体側面視で、上の支持部72Lと、下の支持部73Lと、後の支持部74Lとが、三角形77の頂部に配置される。なお、三角形77は略正三角形であると更に好ましい。
略正三角形の頂部に支持部72L、73L、74Lを各々配置すると、支持部間の距離が等しくなることにより、前部ガード部材60Lに荷重が作用したとき、各支持部には約1/3の荷重が掛かりやすくなる。荷重が3つの支持部72L、73L、74Lに分散されるため、特定の支持部に荷重が集中することを防止できる。
図4に示す構成により、倒れ防止部76Lは、ガード本体部75Lの高さ方向中央103に連結される。
倒れ防止部76Lをガード本体部75Lの中央103に連結することで、倒れ防止部76Lがガード本体部75Lの上側又は下側に設けられる場合に比べ、荷重を倒れ防止部76Lで確実に支持することができ、ガード本体部75Lの倒れを更に効果的に防止できる。
図2に示す構成により、後部ガード部材70Lは、車体側面視で、車体後下方へ延びる前側パイプ82Lと、車体後下方へ延びる後側パイプ84Lと、シートレール19Lの延び方向に略平行に延びる連結パイプ86Lとからなる。
すなわち、前側パイプ82Lと後側パイプ84Lが略平行に配置され、且つシートレール19Lと連結パイプ86Lが略平行に配置される。後部ガード部材70Lを構成する部材の向きが揃うため、後部ガード部材70Lの外観性を向上させることができる。
加えて、図2に示す構成により、後部ガード部材70Lがパイプ材のみで構成されるため、後部ガード部材70Lの軽量化とコストダウンを容易に図ることができる。
本発明の前部ガード部材及び後部ガード部材は、自動二輪車に好適である。
10…自動二輪車、11…ヘッドパイプ、17…メインフレーム、19L、R…シートレール、24…エンジン、30L、R…メインパイプ、45L、R…ピリオンステップ、52L、R…ダウンパイプ、53L、R…サポートパイプ、60L、R…前部ガード部材、70L、R…後部ガード部材、71L、R…エンジンハンガー、72L、R…上の支持部、73L、R…下の支持部、74L、R…後の支持部、75L、R…ガード本体部、76L、R…倒れ防止部、77…三角形、78…一部、79L、R…下端、82L、R…前側パイプ、84L、R…後側パイプ、86L、R…連結パイプ、92L、R…空間、95…クロスパイプ、103…高さ方向中央、106L、R…屈曲部、107L、R…直線部。

Claims (8)

  1. ヘッドパイプ(11)から車体左後方及び右後方へ延びる左右のメインパイプ(30L、R)からなり、これらメインパイプ(30L、R)の後部間がクロスパイプ(95)で連結されるメインフレーム(17)を備え、このメインフレーム(17)の車体下方にエンジン(24)が配置される自動二輪車において、
    前記メインパイプ(30L、R)から車体側方へ延ばされて更に車体下方へ延ばされ前記エンジン(24)を支持するダウンパイプ(52L、R)と、このダウンパイプ(52L、R)と前記メインパイプ(30L、R)とを連結するサポートパイプ(53L、R)と、このサポートパイプ(53L、R)及び前記ダウンパイプ(52L、R)に各々形成した支持部(72〜74L、R)に支持され前記エンジン(24)を覆うように車体側方に位置する前部ガード部材(60L、R)とを有することを特徴とする自動二輪車。
  2. 前記ダウンパイプ(52L、R)は、車体側面視で、車体後下方へ傾斜するように延ばされ、上下に前記支持部(72L、R、73L、R)を複数備え、
    前記前部ガード部材(60L、R)は、車体側面視で、前記上の支持部(72L、R)から前記下の支持部(73L、R)まで延ばされ車体後下方へ傾斜するガード本体部(75L、R)と、このガード本体部(75L、R)から車体後方へ延ばされ前記サポートパイプ(53L、R)に支持される倒れ防止部(76L、R)とからなることを特徴とする請求項1記載の自動二輪車。
  3. 前記ガード本体部(75L、R)の下端(79L、R)は、前記下の支持部(73L、R)よりも車体下方へ延ばされることを特徴とする請求項2記載の自動二輪車。
  4. 前記ダウンパイプ(52L、R)に、前記エンジン(24)を支えるエンジンハンガー(71L、R)が設けられ、車体側面視で、前記エンジンハンガー(71L、R)の一部(78)に重ねるように、前記ガード本体部(75L、R)の下端(79L、R)が配置されることを特徴とする請求項2又は請求項3記載の自動二輪車。
  5. 前記ダウンパイプ(52L、R)は、前記メインパイプ(30L、R)から延ばされ車体下方へ屈曲する屈曲部(106L、R)と、この屈曲部(106L、R)から車体下方へ直線状に延びる直線部(107L、R)とを備え、
    この直線部(107L、R)に、前記上の支持部(72L、R)が形成されることを特徴とする請求項2〜4のいずれか1項記載の自動二輪車。
  6. 車体側面視で、前記上の支持部(72L、R)と、前記下の支持部(73L、R)と、前記サポートパイプ(53L、R)に設けられ前記倒れ防止部(76L、R)を支持する後の支持部(74L、R)とが、略正三角形の頂部に配置されることを特徴とする請求項2〜5のいずれか1項記載の自動二輪車。
  7. 前記倒れ防止部(76L、R)は、前記ガード本体部(75L、R)の高さ方向中央(103)に連結されることを特徴とする請求項2〜6のいずれか1項記載の自動二輪車。
  8. 前記メインパイプ(30L、R)の後端から車体後上方へシートレール(19L、R)が延ばされ、このシートレール(19L、R)の前後には、車両後部の側方を覆う後部ガード部材(70L、R)が連結され、
    この後部ガード部材(70L、R)は、車体側面視で、前記シートレール(19L、R)の前部から車体後下方へ延ばされる前側パイプ(82L、R)と、前記シートレール(19L、R)の後部から車体後下方へ延ばされる後側パイプ(84L、R)と、前記前側パイプ(82L、R)と前記後側パイプ(84L、R)とに渡され前記シートレール(19L、R)の延び方向に略平行に延ばされる連結パイプ(86L、R)とからなり、
    前記後部ガード部材(70L、R)と前記シートレール(19L、R)とで囲まれた空間(92L、R)に、同乗者が足を載せるピリオンステップ(45L、R)が配置されることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項記載の自動二輪車。
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