JP2013229518A - 光電変換装置の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 高い光電変換効率を有する光電変換装置を提供すること。
【解決手段】 光電変換装置の製造方法は、基板1上に下部電極2を形成する工程と、下部電極2上に光電変換層を形成する工程とを有している。さらに、光電変換装置の製造方法は、前記光電変換層の一部を機械的に除去して、該光電変換層に溝部を形成する工程と、前記溝部にレーザ光を照射する工程とを備えている。
【選択図】 図3

Description

本発明は、光電変換装置の製造方法に関する。
太陽光発電等に使用される光電変換装置は、様々な種類のものがあるが、CIS系(銅インジウムセレナイド系)に代表されるカルコパイライト系の光電変換装置は比較的低コストで太陽電池モジュールの大面積化が容易なことから、研究開発が進められている。
このカルコパイライト系の光電変換装置は、例えば、ソーダライムガラス(以下、SLGと略する)などの基板上に下部電極としてモリブデン(Mo)などの金属薄膜が形成されている。また、基板上および下部電極上には、二セレン化銅インジウムガリウム(CIGS)等のカルコゲン化合物半導体層(カルコパイライト系の半導体層)よりなる光吸収層と、硫化カドミウム等の混晶化合物半導体よりなるバッファ層とを含む光電変換層が設けられている。さらに、光電変換層上には、錫を含んだ酸化インジウム(ITO)などの透明導電膜および集電電極を有する上部電極が設けられている。
このような光電変換装置では、それぞれの膜の一部を除去して所定の形状にパターニングすることにより、複数の光電変換セルに分割されている。そして、これら複数の光電変換セルを基板上で直列接続することによって、所定の出力電圧を得ている。上記パターニングのうち、光電変換層を除去するパターニングでは、金属針や金属刃などの加工ツールを用いて機械的に除去するメカニカルスクライブ法が用いられている。(例えば、特許文献1参照)
特開2002−373995号公報
メカニカルスクライブで法は、光電変換層の一部を除去することによって、底面で下部電極の上面が露出するような溝部を形成する。メカニカルスクライブ法では、加工ツールに所定の圧力をかけて移動させるため、当該圧力が強い場合、光電変換層が下部電極上に過度に押し付けられるようになる。これにより、溝部の底面に位置する下部電極上に光電変換層の一部が残存する場合あった。このような場合、上記溝部内に上部電極を配して隣り合う光電変換セル同士を電気的に接続すると、上部電極と下部電極との間に残存した光電変換層が抵抗として作用する。その結果、上部電極と下部電極との接続抵抗が大きくなり、光電変換効率が低下する可能性があった。
本発明の一つの目的は、下部電極上の光電変換層の残存量を低減することによって、高い光電変換効率を有する光電変換装置を提供することである。
本発明の一実施形態に係る光電変換装置の製造方法では、基板上に下部電極を形成する工程と、前記下部電極上に光電変換層を形成する工程と、前記光電変換層の一部を機械的に除去して、該光電変換層に溝部を形成する工程と、前記溝部にレーザ光を照射する工程とを備えたことを特徴とする。
本発明に係る光電変換装置の製造方法では、溝部の下に位置する下部電極上(溝部の底部)に光電変換層の一部が残存した場合でも、残存した光電変換層をレーザ光で除去することができる。これにより、溝部の底部に露出する下部電極と接続される他の電極(例えば、上部電極)との間に生じる接続抵抗の上昇が低減される。その結果、光電変換効率が高まる。
本発明の一実施形態に係る光電変換装置の製造方法で製造される光電変換装置の一例を示す斜視図である。 図1の光電変換装置の断面図である。 本発明の光電変換装置の製造方法の実施形態を示す断面図である。 スクライブ装置の一例を示す模式図である。 レーザ照射装置の一例を示す模式図である。 本発明の光電変換装置の製造方法の他の実施形態を示す断面図である。 本発明の光電変換装置の製造方法の他の実施形態で製造された光電変換装置における下部電極の拡大断面図である。
本発明の光電変換装置の製造方法の実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、図面には、光電変換装置20における光電変換セル10の配列方向(図1の図面視左右方向)をX軸とする右手系のXYZ座標が付しているものがある。まず、光電変換装置の一例について説明する。
<光電変換装置>
光電変換装置20は、図1、図2に示すように、光電変換セル10が複数並べて形成されている。この光電変換セル10(光電変換セル10aおよび光電変換セル10b)は、基板1と、下部電極2と、光電変換層(光吸収層3およびバッファ層4)と、上部電極(第1上部電極層5および第2上部電極層6)とを備えている。
光電変換セル10aは、光吸収層3およびバッファ層4をZ方向に貫通する第2上部電極層6の一部(接続部6b)によって、第1上部電極層5と、隣接する光電変換セル10bの下部電極2が延出された部位とが電気的に接続されている。換言すれば、第2上部電極層6は、隣り合う光電変換層間で一方の光電変換セル10の第1上部電極層5と、他方の光電変換セル10の下部電極2とを電気的に接続している。これにより、隣接する光電変換セル10aおよび光電変換セル10bは、図1中のX方向に沿って直列接続され、集積化されている。
次に、光電変換装置20を構成する部材について説明する。
基板1は、光電変換層および上部電極等を支持するためのものである。このような基板1としては、例えば厚さ1〜3mm程度のソーダライムガラス(以下、SLGともいう)またはホウケイ酸ガラスなどを用いることができる。
下部電極2は、一方向(図1および図2中のX方向)に互いに間隔をあけて基板1の一主面上に配置されている。なお、本実施形態では、図2において、上記間隔に対応する分離溝P1によって互いに離間した3つの下部電極2が設けられている。このような下部電極2は、モリブデン(Mo)、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、タンタル(Ta)または金(Au)等の金属またはこれらの合金や金属積層構造体が用いられる。この下部電極2は、例えば、スパッタリング法または蒸着法等を用いて、基板1上に厚さ0.2
〜1μm程度に形成される。
光吸収層3は、下部電極2上に配置されている。また、本実施形態において、光吸収層3は、カルコゲン化合物半導体を含んでいる。カルコゲン化合物半導体とは、カルコゲン元素である硫黄(S)、セレン(Se)またはテルル(Te)を含む化合物半導体である。カルコゲン化合物半導体としては、例えば、I-III-VI化合物半導体がある。I-III-VI
化合物半導体とは、I-B族元素(11族元素ともいう)とIII-B族元素(13族元素と
もいう)とVI-B族元素(16族元素ともいう)との化合物半導体であり、カルコパイラ
イト構造を有していることから、カルコパイライト系化合物半導体と呼ばれる(CIS系化合物半導体ともいう)。I-III-VI化合物半導体としては、例えば、二セレン化銅インジウム(CuInSe)、二セレン化銅インジウム・ガリウム(Cu(In,Ga)Se)、二セレン・イオウ化銅インジウム・ガリウム(Cu(In,Ga)(Se,S))、二イオウ化銅インジウム・ガリウム(Cu(In,Ga)S)又は薄膜の二セレン・イオウ化銅インジウム・ガリウム層を表面層として有する二セレン化銅インジウム・ガリウム等の多元化合物半導体薄膜がある。
光吸収層3は、例えばp型の導電型を有する厚さ1〜3μm程度の薄膜である。光吸収層3は、例えばスパッタリング法、蒸着法等といった真空プロセスによって形成される。また、光吸収層3は、塗布法あるいは印刷法と称されるプロセスによっても形成される。塗布法あるいは印刷法では、例えば、光吸収層3に主として含まれる元素の錯体溶液が下部電極2の上に塗布され、その後、乾燥および熱処理が行われる。
バッファ層4は、光吸収層3の+Z側の主面の上に設けられており、光吸収層3の第1導電型とは異なる第2導電型(ここではn型の導電型)を有する半導体を主に含む。なお、導電型が異なる半導体とは、伝導担体(キャリア)が異なる半導体である。また、光吸収層3の導電型がn型であり、バッファ層4の導電型がp型であってもよい。ここでは、バッファ層4と光吸収層3との間にヘテロ接合領域が形成されている。このため、各光電変換セルでは、ヘテロ接合領域を形成する光吸収層3とバッファ層4とにおいて光電変換が生じ得る。
バッファ層4は、化合物半導体を主に含む。バッファ層4に含まれる化合物半導体としては、例えば、硫化カドミウム(CdS)、硫化インジウム(In)、硫化亜鉛(ZnS)、酸化亜鉛(ZnO)、セレン化インジウム(InSe)、In(OH,S)、(Zn,In)(Se,OH)および(Zn,Mg)O等が挙げられる。また、バッファ層4が1Ω・cm以上の抵抗率を有していれば、リ−ク電流の発生が低減され得る。なお、バッファ層4は、例えば、ケミカルバスデポジション法(CBD)法等によって形成され得る。
また、バッファ層4は、光吸収層3の一主面の法線方向(+Z方向)に厚さを有する。この厚さは、例えば、10〜200nmに設定される。バッファ層4の厚さが100〜200nmであれば、バッファ層4の上に第1上部電極層5がスパッタリング法等で形成される際に、バッファ層4においてダメージが生じ難くなる。
第1上部電極層5は、バッファ層4の+Z側の主面の上に設けられており、例えば、n型の導電型を有する透明の導電層(透明導電層とも言う)である。この第1上部電極層5は、光吸収層3において生じた電荷を取り出す電極(取出電極とも言う)として働く。第1上部電極層5は、バッファ層4よりも低い抵抗率を有する材料を主に含む。第1上部電極層5には、いわゆる窓層と呼ばれるものが含まれてもよいし、窓層と透明導電層とが含まれてもよい。
第1上部電極層5は、禁制帯幅が広く且つ透明で低抵抗の材料を主に含んでいる。このような材料としては、例えば酸化亜鉛(ZnO)、酸化亜鉛の化合物、錫が含まれた酸化インジウム(ITO)および酸化錫(SnO)等の金属酸化物半導体等が挙げられる。酸化亜鉛の化合物は、アルミニウム、ボロン、ガリウム、インジウムおよびフッ素のうちの何れか1つの元素等が含まれたものである。
第1上部電極層5は、スパッタリング法、蒸着法または化学的気相成長(CVD)法等によって形成され得る。第1上部電極層5の厚さは、例えば、0.05〜3μmである。ここで、第1上部電極層5が、1Ω・cm未満の抵抗率と、50Ω/□以下のシート抵抗とを有していれば、第1上部電極層5を介して光吸収層3から電荷が良好に取り出され得る。
バッファ層4および第1上部電極層5は、光吸収層3が吸収し得る光の波長帯域に対して、光を透過させ易い性質(光透過性とも言う)を有していてもよい。これにより、光吸収層3における光の吸収効率の低下が低減され得る。また、第1上部電極層5の厚さが0.05〜0.5μmであれば、第1上部電極層5における光透過性が高められると同時に、光電変換によって生じた電流が良好に伝送され得る。さらに、第1上部電極層5の絶対屈折率とバッファ層4の絶対屈折率とが略同一であれば、第1上部電極層5とバッファ層4との界面で光が反射することで生じる入射光のロスが低減され得る。
第2上部電極層6は、第1上部電極層5の+Z側の主面(一主面とも言う)の上に設けられている線状部6aと、接続部6bを有している。そして、例えば、光電変換セル10aの第1上部電極層5によって集められた電荷は、線状部6aによってさらに集められ、接続部6bを介して隣接する光電変換セル10bに伝達され得る。
この線状部6aが設けられることで、第1上部電極層5における導電性が補われるため、第1上部電極層5の薄層化が可能となる。これにより、電荷の取り出し効率の確保と、第1上部電極層5における光透過性の向上とが両立し得る。なお、線状部6aが、導電性の優れた金属を主に含んでいれば、光電変換装置における変換効率が向上し得る。
また、線状部6aの幅は、50〜400μmであれば、隣接する光電変換セル10aおよび光電変換セル10b間における良好な導電が確保されつつ、光吸収層3への光の入射量の低下が低減され得る。1つの光電変換セル10に複数の線状部6aが設けられる場合、該複数の線状部6aの間隔は、例えば、2.5mm程度であればよい。
なお、線状部6aの表面が、光吸収層3が吸収し得る波長領域の光を反射する性質を有していれば、光電変換装置20がモジュ−ル化された際に、線状部6aの表面で反射した光が、モジュール内で再び反射して光吸収層3に入射し得る。これにより、光電変換層の変換効率が向上し得る。このような線状部6aは、例えば、透光性の樹脂に光反射率の高い銀等の金属粒子が添加されたペーストを用いて形成すればよい。また、アルミニウム等の光反射率の高い金属が線状部6aの表面に蒸着されることによっても実現できる。
接続部6bは、光吸収層3およびバッファ層4を分離する分離溝P2内に配置されている。この接続部6bは、線状部6aと電気的に接続している。そして、例えば、光電変換セル10a内に位置する接続部6bは、分離溝P2を通って隣の光電変換セル10bから延伸されている下部電極2に接続している。これにより、接続部6bは、図1および図2において、光電変換セル10aの上部電極(第1上部電極層5および線状部6a)と、光電変換セル10bの下部電極2とを電気的に接続している。なお、図1および図2では、第1上部電極層5に電気的に接続された光電変換セル10aの線状部6aと光電変換セル10bの下部電極2とを直に接続しているが、この形態に限られない。接続部6bは、例
えば、分離溝P2に配置される第1上部電極層5を介して光電変換セル10aの上部電極と光電変換セル10bの下部電極2とを電気的に接続する形態であってもよい。また、第2上部電極層6を設けることなく、第1上部電極層5を分離溝P2に配することによって、光電変換セル10aの第1上部電極層5と光電変換セル10bの下部電極2とを電気的に接続してもよい。
第2上部電極層6は、例えば、第1上部電極層5より電気抵抗値の低い材質で構成されていてもよい。これにより、電荷の取り出し効率がより高まるため、光電変換効率が向上する。第2上部電極層6は、例えば、銀、銅、アルミニウムおよびニッケルなどの金属で形成される。また、第2上部電極層6を銀で構成する場合、例えば、銀よりなる金属粉を樹脂バインダー等に分散させた金属ペーストをスクリーン印刷等で所望のパターン形状とした後、乾燥させることによって形成することができる。
<光電変換装置の製造方法>
(実施形態1)
次に、光電変換装置の製造方法の一実施形態について図3を用いて説明する。
まず、SLGなどの基板1を用意する。基板1の大きさは、例えば50cm×100cm程度、厚さ5mm程度である。
次に、図3(a)に示すように、基板1を洗浄した後、その一主面の略全面に下部電極2となるモリブデン層をスパッタリング法で成膜する。次いで、この下部電極2にYAG(イットリウム、アルミニウム、ガーネット)レーザ光などを照射して、X方向におけるが幅10〜100μm程度の分離溝P1を形成する。これにより、モリブデン層をパターニングして複数の短冊状の下部電極2を形成する。このパターニング後のモリブデン層のX方向における幅は5〜30mm程度である。
次に、図3(b)に示すように、下部電極2上に光吸収層3となるI−III−VI族化合
物を含む膜をスパッタリング法、蒸着法または印刷法などを用いて成膜する。スパッタリング法で光吸収層3を形成する場合、例えば、Cu−Gaの合金ターゲットを用いて基板1および下部電極2上に第1金属薄膜を成膜後、該金属薄膜上に、Inターゲットを用いて第2金属薄膜を積層することで、光吸収層3を成膜する。
また、印刷法で光吸収層3を形成する場合、Cu、InおよびGaを含有したペーストを基板1上にスクリーン印刷法を用いて塗布し、100〜150℃程度の温度で乾燥を行うことにより、皮膜を作製する。その後、この皮膜を焼成し、カルコゲン元素との結晶化を行うことにより、光吸収層3を形成する。この焼成は、上述の皮膜を形成した基板1を焼成炉内に載置して、炉内を減圧するとともに基板1を400〜600℃程度まで昇温し、昇温後この温度を維持しながら炉内にHSeガスを導入するなどして、セレンを含む雰囲気下で、60〜90分程度処理することで行う。このようにして、例えばI−III−VI族化合物としてCu、InおよびGaを含有した皮膜をセレン化することにより、光吸
収層3が形成できる。なお、カルコゲン元素としては、セレン(Se)のほか、イオウ(S)またはテルル(Te)を用いてもよい。
次いで、図3(c)に示すように、光吸収層3上にバッファ層4として、例えばCdSをケミカルバスデポジション法(CBD法)などで、10〜200nm程度成膜する。さらに、バッファ層4上に第1上部電極層5として、例えば、ITOを、スパッタリング法または蒸着法などで、0.05〜0.5μm程度成膜する。
次に、下部電極2に形成した分離溝P1から20〜100μm程度離間した位置に、図
3(d)に示すように、光電変換層(光吸収層3とバッファ層4)および第1上部電極層5を直線状に除去した分離溝P2を形成する。
本実施形態において、分離溝P2は、光電変換層(光吸収層3およびバッファ層4)の一部を機械的に除去して、光電変換層に溝部を形成する工程の後に、該溝部にレーザ光を照射する工程を経て形成される。なお、本実施形態では、上述したように、光電変換層および第1上部電極層5を除去して分離溝P2を形成する方法について説明する。
図4は、分離溝P2を形成において、光電変換層の一部を機械的に除去するためのスクライブ装置11の概略を示す模式図である。スクライブ装置11は、図4に示すように、テーブル12と、駆動シャフト13と、サーボモーター14と、加工ツール15と、ホルダー16と、固定アーム17とを備えている。
テーブル12は、基板1を支持するものである。テーブル12は、例えば、厚さ10〜30mm程度のステンレスで構成されている。また、テーブル12の大きさは、基板1よりも10〜50mm程度大きければよい。テーブル12の基板1を載置する部分には、テーブル12を厚さ方向に貫通する、直径3〜10mm程度の貫通孔が複数設けてあってもよい。これにより、真空ポンプを利用して貫通孔内部を減圧することによって基板1をテーブル12上に精度よく固定できる。
また、テーブル12は、シーケンサーなどで制御されたサーボモーター14および駆動シャフト13によって、XY方向に移動可能である。
加工ツール15は、ホルダー16にネジなどで固定されている。また、ホルダー16は、固定アーム17にネジなどで固定されている。加工ツール15は、例えば、超硬合金などで作製される。加工ツール15は、先端が所定の幅を有する針状を成している。光電変換層の一部を機械的に除去して形成される溝部の幅は、加工ツール15の先端部の幅を変更することによって調整可能である。
固定アーム17は、エアーシリンダーおよびスプリングなどでZ方向に移動可能になっている。そして、スクライブ時において、固定アーム17は、加工ツール15が所定の圧力で下部電極2の上面を押圧するように動作する。固定アーム17は、シーケンサーなどにより制御されたサーボモーター(不図示)によってX方向にも移動できるようにしてもよい。
図5は、光電変換層の一部を機械的に除去して形成した溝部にレーザ光を照射するためのレーザ照射装置21の概略を示す模式図である。レーザ照射装置21は、情報処理部22と、レーザビーム制御部23と、レーザビーム発振部24と、サーボモーター25と、テーブル26とを備えている。
情報処理部22は、例えば、シーケンサーなどから成り、レーザ照射装置21の各構成部材を制御する機能を有する。このような機能としては、例えば、基板1を所定の位置にくるようにサーボモーターに指示を出すことによって、テーブル26を駆動させる。次いで、基板1が所定の位置に配置された際、その位置情報を信号で受け取り、レーザビーム制御部23に信号を送ることによって、レーザ光の照射を開始する。次に、レーザ光を照射しながらテーブル26を移動させることによって基板1を所定距離移動させる。また、情報処理部22は、レーザ光の照射を停止する信号をレーザビーム制御部23に送るなどの機能も有する。
レーザビーム制御部23は、レーザ光の出力等を制御する機能を有する。このようなレ
ーザビーム制御部23は、例えば、レーザビーム発振部24に電力を供給する電源回路、レーザビーム発振部24の温度を検出・制御する温度調節回路およびレーザ光の出力を所定の時間間隔でモニタする焦電センサ等から構成される。
レーザビーム発振部24は、基板1に向かってレーザ光を発振する機能を有する。このようなレーザ光としては、例えば、エキシマレーザ、YAG(イットリウム・アルミニウム・ガーネット)レーザ、YAGレーザの第2高調波またはYVO(イットリウム・バナデート)レーザ等を使用することができる。また、CIGSなどのカルコパイライト系の材料で光吸収層3を構成する場合、侵入長が比較的長いYAGレーザを用いるとよい。これにより、下部電極2上に残存する光吸収層3をより除去しやすくなる。
次に、レーザ光を照射する工程について説明する。
まず、基板1をテーブル26に固定する。次に、情報処理部22により制御されたサーボモーター25を用いて、XY方向にテーブル26を所定の位置まで移動させる。所定の位置とは、例えば、レーザビーム発振部24の直下である。次いで、光電変換層の一部を機械的に除去して形成された溝部にレーザ光を照射する。このとき、レーザ光の各種条件としては、例えば、YAGレーザを用いた場合、レーザ周波数が25〜300kHz、パルス幅が5〜200nS、パワー密度が10〜10W/mm程度であればよい。そして、レーザ光を照射しながら、テーブル26を上記溝部の形成方向に沿って所定の速度で移動させることによって、レーザ光の走査速度を調整しつつ、上記溝部にレーザ光が照射される。なお、本実施形態において、溝部近傍に位置する光電変換層にもレーザ光が照射されることによって光電変換層の一部が溶融した溶融部が形成されるが、光電変換層の特性に大きく影響を与えるものではない。
また、本実施形態において、レーザ光は、トップハット型のエネルギー分布を有していていてもよい。トップハット型のエネルギー分布を有するレーザ光であれば、基板1および下部電極2に与える熱エネルギーを略均一にすることができる。これにより、熱エネルギーの不均一に伴って生じる基板1または下部電極2の変質を低減できる。また、レーザ光の断面形状は、角部が曲面形状の四角形状または円形状などである。レーザ光の断面形状を角部が曲面形状の四角形状とすれば、レーザスポットの一部が互いに重なるラップ率を小さくできる。
次に、図3(e)に示すように、第1上部電極層5上および分離溝P2内に銀ペーストなどを印刷することにより、第2上部電極層6(線状部6aおよび接続部6b)を形成する。これにより、分離溝P2において、接続部6bを介して一方の光電変換セルにおける第1上部電極層5(上部電極)と、隣接する他方の光電変換セルにおける下部電極2とを電気的に接続できる。
次いで、図3(f)に示すように、分離溝P2の端部から10〜100μ程度離間した位置に、光吸収層3、バッファ層4および第1上部電極層5をメカニカルスクライビングでパターニングして分離溝P3を形成することによって、直列接続された複数の光電変換セル10を有する光電変換装置20を形成できる。この分離溝P3の幅は、例えば、20〜100μm程度であればよい。
以上のように、本実施形態では、第1上部電極層5、溝部P2および第2上部電極層6の順で形成しているため、接続部6b(第2上部電極層6)を直に下部電極2と接続できる。これにより、第1上部電極層5よりも電気抵抗値の小さい材料で接続部6bを形成した場合、隣り合う光電変換セル間に生じる直列抵抗を小さくすることができる。その結果、光電変換装置の光電変換効率が向上する。
(実施形態2)
次に、光電変換装置の製造方法の他の実施形態について図6を参照しつつ説明する。
まず、SLGなどの基板1を用意し、図6(a)に示すように、基板1を洗浄した後、その一主面の略全面に下部電極2となるモリブデン層等を、スパッタリング法などで成膜する。次いで、この下部電極2にYAGレーザなどを照射して分離溝P1を形成することにより、複数の短冊状の下部電極2を形成する。
次いで、図6(b)に示すように、下部電極2上に光吸収層3となるI−III−VI族化
合物を含む膜をスパッタリング法、蒸着法または印刷法などを用いて成膜する。
次に、図6(c)に示すように、光吸収層3上にバッファ層4として、例えばCdSをケミカルバスデポジション法(CBD法)などで、10〜200nm程度成膜する。
そして、本実施形態においては、図6(d)に示すように、上部電極を形成する前に分離溝P2を形成する点で上述した実施形態1と相違する。なお、分離溝P2の形成方法は、実施形態1と同様に、光電変換層の一部を機械的に除去して、該光電変換層に溝部を形成する工程と、この溝部にレーザ光を照射する工程とを順次行えばよい。
次いで、図6(e)に示すように、バッファ層4上および分離溝P2内に上部電極としての第1上部電極層5を形成する。このとき、第1上部電極層5をITOで形成するのであれば、スパッタリング法または蒸着法などで、0.05〜0.5μm程度に成膜すればよい。これにより、分離溝P2内に配置された第1上部電極層5を介して、一方の光電変換セルにおける第1上部電極層5と、隣接する他方の光電変換セルにおける下部電極2とを電気的に接続できる。
次に、図6(f)に示すように、分離溝P2の端部から10〜100μ程度離間した位置に、光吸収層3、バッファ層4および第1上部電極層5をメカニカルスクライビングでパターニングして分離溝P3を形成することによって、直列接続された複数の光電変換セル(光電変換セル10aおよび光電変換セル10b)を有する光電変換装置20を形成できる。この分離溝P3の幅は、例えば、20〜100μm程度である。
なお、本実施形態では、第1上部電極層5の形成後に、実施形態1と同様に第2上部電極層6を形成してもよい。
以上のように、本実施形態では、分離溝P2を形成後に第1上部電極層5を設けているため、分離溝P2内の全体にわたって第1上部電極層5を配置することができる。これにより、分離溝P2内の隣接する光電変換セル10同士の接続部位(例えば、光電変換セル10aの第1上部電極層5と光電変換セル10bの下部電極2との接触部)への水分の浸入が低減される。その結果、光電変換装置20の信頼性が向上する。
以上、本発明に係るいくつかの実施形態について例示したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない限り任意のものとすることができることは言うまでもない。
例えば、図7に示すように、分離溝P2の下に位置する下部電極2に、分離溝P2に開口する開口部2aおよび分離溝P2から基板1にわたる貫通孔2bのうち少なくとも一方が設けられていてもよい。これにより、分離溝P2の下に位置する下部電極2上に配される第1上部電極層5または第2上部電極層6の一部が、開口部2aおよび貫通孔2bに入
り込みやすくなる。その結果、第1上部電極層5または第2上部電極層6と、下部電極2との接着強度が向上する。このような開口部2aおよび貫通孔2bは、例えば、レーザビームのパワー密度を上述した10〜10W/mmよりも5〜20%程度上げてレーザ光を走査することによって形成される。
また、開口部2aおよび貫通孔2bの形状は特に限定されるものでなく、例えば、図7に示すように、断面が四角形状等であればよい。また、他の形状としては、例えば、図7に示すように、溝部P2側から基板1側に向かって、X方向の幅が小さくなるテーパ形状であってもよい。なお、開口部2aの大きさは、特に限定されるものではないが、下部電極2のZ方向における厚みが1000nm程度であれば、XY方向における開口幅が60〜70nm、Z方向における深さが400〜500nmであればよい。また、貫通孔2bの大きさは、下部電極2のZ方向における厚みが1000nm程度であれば、XY方向における開口幅が60〜130nm程度であればよい。
1;基板
2;下部電極
2a;開口部
2b;貫通孔
3;光吸収層
4;バッファ層
5;第1上部電極層
6;第2上部電極層
6a;線状部
6b;接続部
10、10a、10b;光電変換セル
11:スクライブ装置
12、26;テーブル、
13;駆動シャフト
14、25;サーボモーター
15;加工ツール
16;ホルダー
17;固定アーム
20;光電変換装置
21;レーザ照射装置
22;情報処理部
23;レーザビーム制御部
24;レーザビーム発振部
P1、P2、P3;分離溝

Claims (5)

  1. 基板上に下部電極を形成する工程と、
    前記下部電極上に光電変換層を形成する工程と、
    前記光電変換層の一部を機械的に除去して、該光電変換層に溝部を形成する工程と、
    前記溝部にレーザ光を照射する工程と
    を備えた光電変換装置の製造方法。
  2. 前記レーザ光を照射する工程の後に、前記光電変換層上および前記溝部内に上部電極を形成する工程をさらに備えた請求項1に記載の光電変換装置の製造方法。
  3. 前記溝部を形成する工程の前に、前記光電変換層上に透光性を有する第1上部電極層を形成する工程をさらに備え、
    前記レーザ光を照射する工程の後に、前記第1上部電極層上および前記溝部内に、前記第1上部電極層よりも電気抵抗値の低い第2上部電極層を形成する工程をさらに備えた、請求項1に記載の光電変換装置の製造方法。
  4. 前記溝部の下に位置する前記下部電極に、前記溝部に開口する開口部および前記溝部から前記基板にわたる貫通孔のうち少なくとも一方が設けられている、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の光電変換装置の製造方法。
  5. 前記レーザ光を照射する工程において、トップハット型のエネルギー分布を有するレーザ光を照射する、請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の光電変換装置の製造方法。
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