JP2013226895A - 車両 - Google Patents
車両 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2013226895A JP2013226895A JP2012099578A JP2012099578A JP2013226895A JP 2013226895 A JP2013226895 A JP 2013226895A JP 2012099578 A JP2012099578 A JP 2012099578A JP 2012099578 A JP2012099578 A JP 2012099578A JP 2013226895 A JP2013226895 A JP 2013226895A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- vehicle
- engine
- speed
- target
- state
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Classifications
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02T—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
- Y02T10/00—Road transport of goods or passengers
- Y02T10/60—Other road transportation technologies with climate change mitigation effect
- Y02T10/62—Hybrid vehicles
Landscapes
- Hybrid Electric Vehicles (AREA)
- Control Of Driving Devices And Active Controlling Of Vehicle (AREA)
- Control Of Vehicle Engines Or Engines For Specific Uses (AREA)
- Control Of Transmission Device (AREA)
Abstract
【課題】エンジン、第1MG、第2MG、変速機を備えた車両において、システム停止状態での走行中にシステム起動要求があった場合に、モータ回転速度の急変によるショックを抑制しつつエンジンを始動させる。
【解決手段】ECUは、システム停止状態での走行中にシステム起動要求がある場合(S10にてYES)、車両状態から目標変速段を算出し(S11)、第2MG回転速度Nm2が目標変速段を用いて算出された目標回転速度Nm2tagとなるように第2MGを制御し(S12、S13)、Nm2がNm2tagとなった後(S14にてYES)に電動式オイルポンプを作動させて目標変速段を形成する(S15〜S17)。その後、ECUは、エンジンをクランキングするための力を第1MGから発生させつつ、クランキング時に生じる反力を相殺するための力を第2MGから発生させる。
【選択図】図4
【解決手段】ECUは、システム停止状態での走行中にシステム起動要求がある場合(S10にてYES)、車両状態から目標変速段を算出し(S11)、第2MG回転速度Nm2が目標変速段を用いて算出された目標回転速度Nm2tagとなるように第2MGを制御し(S12、S13)、Nm2がNm2tagとなった後(S14にてYES)に電動式オイルポンプを作動させて目標変速段を形成する(S15〜S17)。その後、ECUは、エンジンをクランキングするための力を第1MGから発生させつつ、クランキング時に生じる反力を相殺するための力を第2MGから発生させる。
【選択図】図4
Description
本発明は、車両に関し、特に、エンジンおよびモータを含む駆動装置が発生する駆動力で走行する車両に関する。
車両の走行中に、ユーザが車両の制御システムの電源を誤ってオフ状態に操作してしまった場合、エンジンやモータを含む駆動装置からの駆動力の発生が停止されて惰性で走行する状態となってしまう。このような場合には、その後の走行を適切に行なうために、惰性走行中にエンジンの再始動(制御システムの再起動)を許容することが望まれる場合がある。
特開2004−92623号公報(特許文献1)は、エンジンおよび変速機を備えた車両の走行中にエンジンが停止した場合、変速機を一時的にニュートラル状態(動力を伝達しない状態)に自動的に切り換えたりアクセル開度を所定値以下に制限したりすることによって、エンジンの再始動を可能とする技術を開示する。
ところで、エンジンと、モータと、モータおよび駆動輪の間に設けられた変速機とを備えた車両においては、制御システムが停止されると、変速機に作動油圧を供給するオイルポンプが停止され、変速機がニュートラル状態となる場合がある。このような状態でエンジンを再始動するためにオイルポンプを作動させて変速機に作動油圧を供給すると、変速機が動力伝達状態となるが、この際、モータの回転速度が急変し変速ショックが発生する場合がある。
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであって、その目的は、エンジンとモータと変速機とを備えた車両において、駆動力の発生が許容されていない状態(システム停止状態)での車両走行中に駆動力の発生が許容された状態への切替要求(システム起動要求)がユーザによってなされた場合に、モータの回転速度の急変によるショックを抑制しつつエンジンを始動させることである。
この発明に係る車両は、駆動輪を回転させて走行する。この車両は、駆動輪に伝達される駆動力を発生する駆動装置と、駆動装置を制御する制御装置とを備える。駆動装置は、エンジンと、モータと、モータと駆動輪との間に設けられた変速機とを備える。変速機は、電動式オイルポンプおよびエンジンの動力を用いて作動する機械式オイルポンプの少なくともいずれかから供給される油圧で作動する。制御装置は、駆動力の発生が許容されていない第1状態での車両走行中に駆動力の発生が許容された第2状態への切替要求がユーザによってなされた場合、車両状態に基づいて変速機の目標変速比を算出し、モータの実回転速度を目標変速比から算出された目標回転速度に制御し、モータの実回転速度が目標回転速度に制御された後に電動式オイルポンプを作動させて変速機の実変速比を目標変速比に制御し、実変速比が目標変速比に制御された後にエンジンを始動させる。
好ましくは、駆動装置は、ジェネレータと、エンジンとジェネレータと駆動輪との間に設けられた動力分割装置とをさらに備える。
好ましくは、制御装置は、エンジンを始動させる際、エンジンのクランキングを行なうための動力をジェネレータから発生させつつ、クランキングによって駆動輪に発生する反力をキャンセル可能な動力をモータから発生させる。
好ましくは、動力分割装置は、ジェネレータに連結されるサンギヤと、駆動輪に連結されるリングギヤと、サンギヤおよびリングギヤと係合するピニオンギヤと、エンジンに連結されピニオンギヤを自転可能に支持するキャリアとを含む遊星歯車装置である。
好ましくは、駆動装置は、モータを駆動するための電力を蓄えるバッテリをさらに備える。車両状態は、バッテリの充放電可能電力、バッテリの残存容量、車速の少なくともいずれか1つを含む。
好ましくは、制御装置は、充放電可能電力がしきい値よりも小さい場合の目標変速比を、充放電可能電力がしきい値よりも大きい場合の目標変速比よりも小さい値に設定する。制御装置は、残存容量がしきい量よりも多い場合の目標変速比を、残存容量がしきい量よりも少ない場合の目標変速比よりも大きい値に設定する。制御装置は、車速がしきい速度よりも高い場合の目標変速比を、車速がしきい速度よりも低い場合の目標変速比よりも小さい値に設定する。
好ましくは、制御装置は、エンジンを始動させた後に第2状態への切替を行なう。
本発明によれば、エンジンとモータと変速機とを備えた車両において、駆動力の発生が許容されていない状態(システム停止状態)での車両走行中に駆動力の発生が許容された状態への切替要求(システム起動要求)がユーザによってなされた場合に、モータの回転速度の急変によるショックを抑制しつつエンジンを始動させることができる。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
図1は、本実施の形態に従う車両1の全体ブロック図である。車両1は、駆動輪82を回転させて走行する。車両1は、駆動輪82に伝達される駆動力を発生する駆動装置と、駆動装置を含む車両1の各機器を制御する電子制御装置(Electronic Control Unit、以下「ECU」という)1000とを備える。
車両1の駆動装置は、主に、エンジン100、第1MG(Motor Generator)200、動力分割機構300、第2MG400、変速機500、PCU(Power Control Unit)600、およびバッテリ700などで構成される。
エンジン100は、燃料を燃焼させて動力を出力する内燃機関である。エンジン100の動力は動力分割機構300に入力される。
動力分割機構300は、エンジン100から入力された動力を、プロペラ軸(出力軸)560への動力と第1MG200への動力とに分割する。
動力分割機構300は、サンギヤ(S)310と、リングギヤ(R)320と、サンギヤ(S)310とリングギヤ(R)320とに噛合するピニオンギヤ(P)340と、ピニオンギヤ(P)340を自転かつ公転自在に保持しているキャリア(C)330とを有する遊星歯車機構である。
キャリア(C)330はエンジン100のクランクシャフトに連結される。サンギヤ(S)310は第1MG200のロータに連結される。リングギヤ(R)320は出力軸560に連結される。
第1MG200および第2MG400は、交流の回転電機であって、電動機(モータ)としても発電機(ジェネレータ)としても機能する。第1MG200は主としてジェネレータとして機能するように制御され、第2MG400は主としてモータとして機能するように制御される。第2MG400の動力は変速機500に入力される。
変速機500は、第2MG400の回転速度を変速して出力軸560に伝達する。
変速機500は、一組のラビニョ型遊星歯車機構によって構成されている。すなわち、変速機500は、第1サンギヤ(S1)510と、第2サンギヤ(S2)520と、第1サンギヤ(S1)510に噛合する第1ピニオン(P1)531と、第1ピニオン(P1)531および第2サンギヤ(S2)520に噛合する第2ピニオン(P2)532と、第2ピニオン(P2)532に噛合するリングギヤ(R1)540と、各ピニオン531,532を自転かつ公転自在に保持しているキャリア(C1)550とを有する。したがって、第1サンギヤ(S1)510とリングギヤ(R1)540とは、各ピニオン531,532と共にダブルピニオン型遊星歯車機構に相当する機構を構成し、また第2サンギヤ(S2)520とリングギヤ(R1)540とは、第2ピニオン(P2)532と共にシングルピニオン型遊星歯車機構に相当する機構を構成している。
変速機500は、一組のラビニョ型遊星歯車機構によって構成されている。すなわち、変速機500は、第1サンギヤ(S1)510と、第2サンギヤ(S2)520と、第1サンギヤ(S1)510に噛合する第1ピニオン(P1)531と、第1ピニオン(P1)531および第2サンギヤ(S2)520に噛合する第2ピニオン(P2)532と、第2ピニオン(P2)532に噛合するリングギヤ(R1)540と、各ピニオン531,532を自転かつ公転自在に保持しているキャリア(C1)550とを有する。したがって、第1サンギヤ(S1)510とリングギヤ(R1)540とは、各ピニオン531,532と共にダブルピニオン型遊星歯車機構に相当する機構を構成し、また第2サンギヤ(S2)520とリングギヤ(R1)540とは、第2ピニオン(P2)532と共にシングルピニオン型遊星歯車機構に相当する機構を構成している。
キャリア(C1)550は、出力軸560に連結される。第2サンギヤ(S)520は、第2MG400のロータに連結される。
さらに、変速機500には、第1サンギヤ(S1)510を選択的に固定するB1ブレーキ561と、リングギヤ(R1)540を選択的に固定するB2ブレーキ562とが設けられている。
B1ブレーキ561は、変速機500のケース側に固定された摩擦材と第1サンギヤ(S1)510側に固定された摩擦材との摩擦力によって係合力を生じる。B2ブレーキ562は、変速機500のケース側に固定された摩擦材とリングギヤ(R1)540側に固定された摩擦材との摩擦力によって係合力を生じる。これらのブレーキ561,562は、ECU1000からの制御信号に応じた油圧を出力する変速用油圧回路(図示せず)に接続されており、この変速用油圧回路から出力される油圧によって係合されたり解放されたりする。
B1ブレーキ561を係合して第1サンギヤ(S1)510を固定するとともに、B2ブレーキ562を解放してリングギヤ(R1)540を固定しない場合には、変速機500の変速段が高速段Hiとなる。一方、B2ブレーキ562を係合してリングギヤ(R1)540を固定するとともに、B1ブレーキ561を解放して第1サンギヤ(S1)510を固定しない場合には、変速機500の変速段が高速段Hiより変速比の大きい低速段Loとなる。なお、変速比は、変速機500の出力軸回転速度(=出力軸560の回転速度Np)に対する入力軸回転速度(=第2MG回転速度Nm2)の比である。
車両1には、第1MG200、動力分割機構300、第2MG400、および変速機500の各部に潤滑油および冷却油として作用するオイルを供給する機械式オイルポンプ(M−O/P)800および電動式オイルポンプ(E−O/P)900が並列に設けられる。
機械式オイルポンプ800は、エンジン100の駆動力によってオイルパン(図示せず)に貯留されたオイルを吸い込み、吸い込んだオイルを各部に供給する。したがって、エンジン100が停止されると、機械式オイルポンプ800も停止される。一方、電動式オイルポンプ900は、ECU1000からの制御信号によって制御されるモータ(図示せず)の駆動力によってオイルパンに貯留されたオイルを吸い込み、吸い込んだオイルを各部に供給する。したがって、エンジン100が停止されても、電動式オイルポンプ900は駆動可能である。
機械式オイルポンプ800および電動式オイルポンプ900からのオイルは、上述した変速用油圧回路にも供給され、変速機500の作動油圧(B1ブレーキ561およびB2ブレーキ562を係合させるための油圧)の元圧としても利用される。
出力軸560は、動力分割機構300を介して伝達されるエンジン100の動力および変速機500を介して伝達される第2MG400の動力の少なくともいずれかの動力によって回転する。出力軸560の回転力は減速機を介して駆動輪82に伝達される。これにより、車両1が走行される。
図2は、動力分割機構300および変速機500の共線図を示す。
動力分割機構300が上述のように構成されることによって、サンギヤ(S)310の回転速度(=第1MG回転速度Nm1)、キャリア(C)330の回転速度(=エンジン回転速度Ne)、リングギヤ(R)320の回転速度は、動力分割機構300の共線図上で直線で結ばれる関係(いずれか2つの回転速度が決まれば残りの回転速度も決まる関係)になる。
動力分割機構300が上述のように構成されることによって、サンギヤ(S)310の回転速度(=第1MG回転速度Nm1)、キャリア(C)330の回転速度(=エンジン回転速度Ne)、リングギヤ(R)320の回転速度は、動力分割機構300の共線図上で直線で結ばれる関係(いずれか2つの回転速度が決まれば残りの回転速度も決まる関係)になる。
また、変速機500が上述のように構成されることによって、第1サンギヤ(S1)510の回転速度、リングギヤ(R1)540の回転速度、キャリア(C1)550の回転速度、第2サンギヤ(S2)520の回転速度(=第2MG回転速度Nm2)は、変速機500の共線図上で直線で結ばれる関係(いずれか2つの回転速度が決まれば残りの2つの回転速度も決まる関係)になる。
変速機500のキャリア(C1)550は出力軸560に接続されているため、キャリア(C1)550の回転速度は出力軸560の回転速度(すなわち車速V)と一致する。したがって、第2MG回転速度Nm2は、車速Vと実変速段(実際に変速機500で形成される変速段)とで決まる回転速度(以下「同期回転速度」という)に一致する。
また、動力分割機構300のリングギヤ(R)320も出力軸560に接続されているため、リングギヤ(R)320の回転速度も出力軸560の回転速度(すなわち車速V)と一致する。
低速段Loでは、B2ブレーキ562が係合されてリングギヤ(R1)540が固定されるので、リングギヤ(R1)540の回転速度が0となる。また、高速段Hiでは、B1ブレーキ561が係合されて第1サンギヤ(S1)510が固定されるので、第1サンギヤ(S1)510の回転速度が0となる。したがって、第2MG回転速度Nm2が同じである場合には、図2に示すように、高速段Hiの共線(一点鎖線)と低速段Loの共線(実線)との関係により、高速段Hi形成時の車速Vは低速段Lo形成時の車速Vよりも高くなる。
図1に戻って、PCU600は、バッテリ700から供給される高電圧の直流電力を交流電力に変換して第1MG200および/または第2MG400に出力する。これにより、第1MG200および/または第2MG400が駆動される。また、PCU600は、第1MG200および/または第2MG400によって発電される交流電力を直流電力に変換してバッテリ700へ出力する。これにより、バッテリ700が充電される。
バッテリ700は、第1MG200および/または第2MG400を駆動するための高
電圧(たとえば200V程度)の直流電力を蓄える二次電池である。バッテリ700は、代表的にはニッケル水素やリチウムイオンを含んで構成される。なお、バッテリ700に代えて、大容量のキャパシタも採用可能である。
電圧(たとえば200V程度)の直流電力を蓄える二次電池である。バッテリ700は、代表的にはニッケル水素やリチウムイオンを含んで構成される。なお、バッテリ700に代えて、大容量のキャパシタも採用可能である。
SMR(System Main Relay)710は、バッテリ700とPCU600を含む高電圧システムとの電気的な接続状態を切り替えるためのリレーである。
さらに、車両1には、エンジン回転速度センサ10、出力軸回転速度センサ15、レゾルバ21,22、アクセルポジションセンサ31、ブレーキストロークセンサ32が備えられる。エンジン回転速度センサ10は、エンジン回転速度Ne(エンジン100のの回転速度)を検出する。出力軸回転速度センサ15は、出力軸560の回転速度Npを車速Vとして検出する。レゾルバ21,22は、それぞれ第1MG回転速度Nm1(第1MG200の回転速度)、第2MG回転速度Nm2(第2MG400の回転速度)を検出する。アクセルポジションセンサ31は、アクセルペダル操作量A(ユーザによるアクセルペダルの操作量)を検出する。ブレーキストロークセンサ32は、ブレーキペダル操作量B(ユーザによるブレーキペダルの操作量)を検出する。これらの各センサは検出結果をECU1000に出力する。
さらに、車両1には、スタートスイッチ35が備えられる。スタートスイッチ35は、システム起動要求およびシステム停止要求をユーザが入力するための操作を行なうスイッチである。システム起動要求とは、駆動装置などを含む車両1の制御システム(以下、単に「車両システム」という)の制御状態を起動状態(以下「Ready−ON状態」という)にさせるための要求である。システム停止要求とは、車両システムの制御状態を停止状態(以下「Ready−OFF状態」という)にさせるための要求である。スタートスイッチ35は、システム起動要求が入力された場合は、システム起動要求信号RonをECU1000に出力し、システム停止要求が入力された場合はシステム停止要求信号RoffをECU1000に出力する。
さらに、車両1には、監視ユニット37が備えられる。監視ユニット37は、バッテリ700の電圧、電流、温度などを監視し、監視結果をECU1000に出力する。さらに、監視ユニット37は、自らの故障が生じた場合およびバッテリ700の異常を検出した場合には、故障を示す故障信号FLTをECU1000に出力する。
ECU1000は、図示しないCPU(Central Processing Unit)およびメモリを内蔵し、当該メモリに記憶された情報や各センサからの情報に基づいて所定の演算処理を実行する。ECU1000は、演算処理の結果に基づいて車両1に搭載される各機器を制御する。
ECU1000は、車両システムの制御状態を、上述のReady−ON状態およびReady−OFF状態のいずれかに切り替える。
Ready−ON状態では、ECU1000は、ユーザのアクセルペダル操作に応じて駆動装置から駆動力を発生させることを許容する。具体的には、Ready−ON状態では、エンジン100が始動状態(燃料の燃焼エネルギで回転している状態)に維持されるとともに、SMR710が閉じられ、かつPCU600の動作(第1MG200および第2MG400の制御)が可能な状態にされる。また、Ready−ON状態では、電動式オイルポンプ900などの他の機器も作動可能な状態にされる。
一方、Ready−OFF状態では、ECU1000は、ユーザのアクセルペダル操作に応じて駆動装置から駆動力を発生させることを許容しない。具体的には、Ready−OFF状態では、エンジン100が停止状態(燃料の燃焼が停止された状態)にされるとともに、PCU600の動作も停止される。したがって、Ready−OFF状態では、ユーザがアクセルペダルを操作しても駆動力は発生しない。また、Ready−OFF状態では、電動式オイルポンプ900などの他の機器も停止される。
ECU1000は、Ready−ON状態でReady−OFF条件が成立すると、車両システムの制御状態をReady−ON状態からReady−OFF状態に切り替える。ここで、「Ready−OFF条件」とは、たとえば、スタートスイッチ35からシステム停止要求信号Roffを受信した(ユーザが誤ってスタートスイッチ35を操作した)という条件などを含む。
以上のような構成を有する車両1において、車両走行中にReady−OFF状態に切り替えられた場合は、しばらくの間は、駆動力の発生が停止された状態で惰性(慣性)での走行が継続されることになる。
図3は、Ready−OFF状態で車両1が前進方向に惰性走行する場合の共線図を示す。Ready−OFF状態では、エンジン100が停止されてエンジン回転速度Neが0となる。一方、車両1は惰性で走行しており、出力軸560に接続されたキャリア(C1)550およびリングギヤ(R)320の回転速度はしばらくの間は0には低下しない。そのため、動力分割機構300の共線図の関係から、第1MG200は負回転状態(Nm1<0)となる。
また、Ready−OFF状態では、機械式オイルポンプ800および電動式オイルポンプ900の双方が停止されているために変速機500に十分な作動油圧が供給されない。そのため、変速機500のB1ブレーキ561およびB2ブレーキ562の双方が解放され、変速機500はニュートラル状態(動力を伝達しない状態)となる。変速機500がニュートラル状態であると、第2MG回転速度Nm2は車速Vとは無関係に任意の回転速度となる。
このようなReady−OFF状態での車両走行中にシステム起動要求があった場合には、再びエンジン100を始動させてReady−ON状態とすることが望ましい。そのためには、第1MG200を負回転回生状態(負回転でジェネレータとして機能する状態)に制御することで第1MG200から正方向のクランキング力Fを発生させてエンジン100をクランキングする必要がある。この際、リングギヤ(R)320には、クランキングにより発生する反力FCが負方向に作用する。リングギヤ(R)320は出力軸560に連結されているため、反力FCは車両1の制動力として作用することになる。したがって、クランキングによって制動力が発生することになる。
このような制動力の発生を防止するためには、第2MG400を制御することによって、反力FCを相殺するための力(以下「キャンセル力FCcancel」という)を出力軸560に正方向に作用させることが望ましい。
ところが、上述のようにReady−OFF状態では変速機500はニュートラル状態であるため、第2MG400の動力を出力軸560に伝達することができない。そこで、電動式オイルポンプ900を作動させて変速機500を動力伝達状態(高速段Hiまたは低速段Loが形成された状態)にすることが考えられる。しかしながら、変速機500がニュートラル状態から動力伝達状態に変化する際には、第2MG回転速度Nm2が任意の回転速度から上述の同期回転速度に急変するため、ショックが発生する可能性がある。
そこで、本実施の形態によるECU1000は、Ready−OFF状態での車両走行中にシステム起動要求があった場合、車両状態に基づいて変速機500の目標変速段を算出し、目標変速段と車速Vとから決まる第2MG400の同期回転速度を目標回転速度Nm2tagとして算出し、第2MG回転速度Nm2が目標回転速度Nm2tagとなるように第2MG400を制御する(以下、この制御を「Nm2同期制御」ともいう)。
そして、ECU1000は、Nm2同期制御が完了した後に、電動式オイルポンプ900を作動させて油圧を発生させ、その油圧を用いて実変速段が目標変速段となるように変速機500を制御する。
そして、ECU1000は、実変速段が目標変速段となった後に、第1MG200からクランキング力Fを発生させつつ第2MG400からキャンセル力FCcancelを発生させて、エンジン100を始動させる。
図3には、上述の目標変速段が「低速段Lo」と算出された場合の制御が例示されている。目標変速段が低速段Loである場合、ECU1000は、まず、Nm2同期制御によって、車速Vと低速段Loとから決まる同期回転速度を目標回転速度Nm2tagとして算出し、第2MG回転速度Nm2を目標回転速度Nm2tagまで上昇させる(二点鎖線参照)。なお、Nm2同期制御を行なう時点では変速機500はニュートラル状態であるため、車速Vに関わらず第2MG回転速度Nm2を任意の回転速度に制御することができる。
そして、ECU1000は、Nm2同期制御の完了後に、電動式オイルポンプ900を作動させて油圧を発生させ、その油圧を用いてB2ブレーキ562を係合させる。これにより、低速段Loが形成される。この際、既に第2MG回転速度Nm2が低速段Loと車速Vとから決まる同期回転速度(=目標回転速度Nm2tag)となっているため、第2MG回転速度Nm2が急変することはなく、ショックは発生しない。
そして、ECU1000は、低速段Loが形成された後に、第1MG200からクランキング力Fを発生させてエンジン100をクランキングさせる(一点鎖線参照)とともに、キャンセル力FCcancelを発生させるためのトルクTm2を第2MG400から発生させる。これにより、第2MG回転速度Nm2の急変によるショックと制動力とを抑制しつつ、エンジンを始動させることができる。
図4は、Ready−OFF状態での車両走行中にECU1000が行なう処理手順を示すフローチャートである。このフローチャートは、Ready−OFF状態での車両走行中に所定周期で繰り返し実行される。なお、Ready−OFF状態での車両走行中は、エンジン100が停止され(機械式オイルポンプ800が停止され)、かつ電動式オイルポンプ900も停止されている。
S10にて、ECU1000は、システム起動要求の有無を判定する。システム起動要求がない場合(S10にてNO)、処理は終了される。
システム起動要求がある場合(S10にてYES)、ECU1000は、S11にて、車両状態を示す情報に基づいて目標変速段を算出する。ここで、車両状態を示す情報には、バッテリ700の充電可能電力Winおよび放電可能電力Wout(単位はいずれもワット)、バッテリ700の残存容量SOC、車速Vなどの少なくともいずれか1つが含まれる。
ECU1000は、充電可能電力Winがしきい値よりも小さい場合または放電可能電力Woutがしきい値よりも小さい場合、第2MG回転速度Nm2を低くする(第2MG400の回生電力および消費電力を抑える)ために目標変速段を高速段Hiとする。そうでない場合は、ECU1000は目標変速段を低速段Loとする。
また、ECU1000は、残存容量SOCがしきい量よりも多い場合、第2MG回転速度Nm2を高くする(第2MG400の消費電力を多くする)ために目標変速段を低速段Loとする。そうでない場合、ECU1000は目標変速段を高速段Hiとする。
また、ECU1000は、車速Vがしきい速度よりも高い場合、第2MG回転速度Nm2が許容速度未満に抑えるために目標変速段を高速段Hiとする。そうでない場合、ECU1000は目標変速段を低速段Loとする。
なお、上記の目標変速段の算出手法はあくまで一例であって、これらに限定されるものではない。
S12にて、ECU1000は、上述した変速機500の共線図の特性を利用して、目標変速段と車速Vとから決まる第2MG400の同期回転速度を目標回転速度Nm2tagとして算出する。
S13にて、ECU1000は、Nm2同期制御を行なう。すなわち、ECU1000は、第2MG回転速度Nm2が目標回転速度Nm2tagとなるように、第2MG400を制御する。
S14にて、ECU1000は、Nm2同期制御が完了したか否か、すなわち、第2MG回転速度Nm2が目標回転速度Nm2tagとなったか否かを判定する。第2MG回転速度Nm2が目標回転速度Nm2tagとなっていない場合(S14にてNO)、処理はS14に戻される。
第2MG回転速度Nm2が目標回転速度Nm2tagとなった場合(S14にてYES)、ECU1000は、S15にて、電動式オイルポンプ900を作動させて油圧を発生させる。
S16にて、ECU1000は、変速機500において目標変速段を形成可能な十分な油圧が確保されたか否かを判定する。たとえば、ECU1000は、電動式オイルポンプ900を作動し始めてからの経過時間が予め定められた基準時間を超えた場合、あるいは、油圧センサ(図示せず)によって検出した変速機500の作動油圧が予め定められた基準圧を超えた場合に、十分な油圧が確保されたと判定する。十分な油圧が確保されていない場合(S16にてNO)、処理はS16に戻される。
十分な油圧が確保された場合(S16にてYES)、ECU1000は、S17にて、目標変速段を形成するように変速機500を制御する。すなわち、ECU1000は、目標変速段が高速段Hiである場合には電動式オイルポンプ900からの油圧がB1ブレーキ561に供給されるように変速用油圧回路を制御し、目標変速段が低速段Loである場合には電動式オイルポンプ900からの油圧がB2ブレーキ562に供給されるように変速用油圧回路を制御する。なお、この処理を電動式オイルポンプ900の作動前(たとえばS14にてYESと判定された直後)に行なうようにしてもよい。
S18にて、ECU1000は、第1MG200からクランキング力Fを発生させつつ、第2MG400からキャンセル力FCcancelを発生させて、エンジン100をクランキングする。
S19にて、ECU1000は、クランキングによってエンジン100が始動したか否かを判定する。より具体的には、ECU1000は、クランキング中の燃料噴射および点火によってエンジン100が始動状態となったか否か(いわゆる完爆したか否か)を判定する。エンジン100が始動していない場合(S19にてNO)、処理はS19に戻される。
エンジン100が始動した場合(S19にてYES)、ECU1000は、S20にて、車両システムの制御状態をReady−ON状態に切り替える。
以上のように、本実施の形態に係るECU1000は、Ready−OFF状態での車両走行中にシステム起動要求があった場合、車両状態に基づいて変速機500の目標変速段を算出し、第2MG回転速度Nm2を目標変速段と車速Vとから決まる同期回転速度に同期させた後に電動式オイルポンプ900を作動させて目標変速段を形成させる。そのため、電動式オイルポンプ900の作動によって目標変速段が形成されても第2MG回転速度Nm2が急変することはなく、ショックは発生しない。そして、ECU1000は、目標変速段が形成された後に、第1MG200からクランキング力Fを発生させつつ第2MG400からキャンセル力FCcancelを発生させて、エンジン100を始動させる。これにより、第2MG回転速度Nm2の急変によるショックと制動力とを抑制しつつ、エンジンを始動させることができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 車両、10 エンジン回転速度センサ、15 出力軸回転速度センサ、21,22 レゾルバ、31 アクセルポジションセンサ、32 ブレーキストロークセンサ、35 スタートスイッチ、37 監視ユニット、82 駆動輪、100 エンジン、200 第1MG、300 動力分割機構、400 第2MG、500 変速機、531,532 ピニオン、560 出力軸、561 B1ブレーキ、562 B2ブレーキ、580 ECB、700 バッテリ、800 機械式オイルポンプ、900 電動式オイルポンプ。
Claims (7)
- 駆動輪を回転させて走行する車両であって、
前記駆動輪に伝達される駆動力を発生する駆動装置と、
前記駆動装置を制御する制御装置とを備え、
前記駆動装置は、
エンジンと、
モータと、
前記モータと前記駆動輪との間に設けられた変速機とを備え、
前記変速機は、電動式オイルポンプおよび前記エンジンの動力を用いて作動する機械式オイルポンプの少なくともいずれかから供給される油圧で作動し、
前記制御装置は、前記駆動力の発生が許容されていない第1状態での車両走行中に前記駆動力の発生が許容された第2状態への切替要求がユーザによってなされた場合、車両状態に基づいて前記変速機の目標変速比を算出し、前記モータの実回転速度を前記目標変速比から算出された目標回転速度に制御し、前記モータの実回転速度が前記目標回転速度に制御された後に前記電動式オイルポンプを作動させて前記変速機の実変速比を前記目標変速比に制御し、前記実変速比が前記目標変速比に制御された後に前記エンジンを始動させる、車両。 - 前記駆動装置は、
ジェネレータと、
前記エンジンと前記ジェネレータと前記駆動輪との間に設けられた動力分割装置とをさらに備える、請求項1に記載の車両。 - 前記制御装置は、前記エンジンを始動させる際、前記エンジンのクランキングを行なうための動力を前記ジェネレータから発生させつつ、前記クランキングによって前記駆動輪に発生する反力をキャンセル可能な動力を前記モータから発生させる、請求項2に記載の車両。
- 前記動力分割装置は、前記ジェネレータに連結されるサンギヤと、前記駆動輪に連結されるリングギヤと、前記サンギヤおよび前記リングギヤと係合するピニオンギヤと、前記エンジンに連結され前記ピニオンギヤを自転可能に支持するキャリアとを含む遊星歯車装置である、請求項2に記載の車両。
- 前記駆動装置は、前記モータを駆動するための電力を蓄えるバッテリをさらに備え、
前記車両状態は、前記バッテリの充放電可能電力、前記バッテリの残存容量、車速の少なくともいずれか1つを含む、請求項1に記載の車両。 - 前記制御装置は、前記充放電可能電力がしきい値よりも小さい場合の前記目標変速比を、前記充放電可能電力が前記しきい値よりも大きい場合の前記目標変速比よりも小さい値に設定し、
前記制御装置は、前記残存容量がしきい量よりも多い場合の前記目標変速比を、前記残存容量が前記しきい量よりも少ない場合の前記目標変速比よりも大きい値に設定し、
前記制御装置は、前記車速がしきい速度よりも高い場合の前記目標変速比を、前記車速が前記しきい速度よりも低い場合の前記目標変速比よりも小さい値に設定する、請求項5に記載の車両。 - 前記制御装置は、前記エンジンを始動させた後に前記第2状態への切替を行なう、請求項1に記載の車両。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012099578A JP2013226895A (ja) | 2012-04-25 | 2012-04-25 | 車両 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012099578A JP2013226895A (ja) | 2012-04-25 | 2012-04-25 | 車両 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2013226895A true JP2013226895A (ja) | 2013-11-07 |
Family
ID=49675046
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2012099578A Pending JP2013226895A (ja) | 2012-04-25 | 2012-04-25 | 車両 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2013226895A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN112389416A (zh) * | 2019-08-14 | 2021-02-23 | 本田技研工业株式会社 | 车辆控制装置和车辆 |
-
2012
- 2012-04-25 JP JP2012099578A patent/JP2013226895A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN112389416A (zh) * | 2019-08-14 | 2021-02-23 | 本田技研工业株式会社 | 车辆控制装置和车辆 |
CN112389416B (zh) * | 2019-08-14 | 2023-08-01 | 本田技研工业株式会社 | 车辆控制装置和车辆 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
WO2013128587A1 (ja) | ハイブリッド車両の制御装置 | |
JP5949731B2 (ja) | ハイブリッド車両 | |
JP4483989B2 (ja) | ハイブリッド車両 | |
JP5812183B2 (ja) | ハイブリッド車両の駆動装置 | |
JP2012071699A (ja) | ハイブリッド車両の駆動制御装置 | |
JP5880732B2 (ja) | ハイブリッド車両の動力伝達装置及びハイブリッドシステム | |
JP2013049384A (ja) | 自動車用駆動システム | |
JP5783105B2 (ja) | ハイブリッド車両 | |
JP2012037359A (ja) | 電源装置の制御装置 | |
WO2012127677A1 (ja) | 車両および車両用制御方法 | |
JP2015101238A (ja) | 車両 | |
KR102022783B1 (ko) | 하이브리드 차량 | |
JP5825132B2 (ja) | ハイブリッド車両の制御装置 | |
JP2017052350A (ja) | ハイブリッド車両の制御装置 | |
JP2017043306A (ja) | ハイブリッド車両 | |
JP6603168B2 (ja) | 車両の駆動装置 | |
JP6137135B2 (ja) | 車両の駆動制御装置 | |
JP2014019328A (ja) | ハイブリッド車両の制御装置 | |
JP5983344B2 (ja) | 車両の制御装置およびそれを備えた車両 | |
JP2013226895A (ja) | 車両 | |
JPWO2012105005A1 (ja) | 車両の制御装置 | |
JP2007252024A (ja) | 車両の制御装置 | |
JP7024889B2 (ja) | 車両の制御装置 | |
JP5917997B2 (ja) | 車両 | |
JP2015074334A (ja) | 車両 |