JP2013225051A - 反射膜積層体およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】基体上に形成されるものであって、基体側から順に、第1層として、Mgを10〜20原子%含有するAl−Mg合金膜を有すると共に、第2層として、80原子%以上のZrを含む金属の酸化物膜を有し、かつ、前記第2層の膜厚が1.0〜5nmであることを特徴とする反射膜積層体。
【選択図】なし
Description
本発明では、高反射率を担う層(第1層)として、基板上に、Mgを10〜20原子%含有するAl−Mg合金膜を設ける。
上述した通り、Al−Mg合金膜のMg量を高めても、強固な不動態被膜を反射膜全面にわたって形成することは難しく、実際にはMgの濃縮が(不動態被膜の形成が)不十分な部分から腐食が広がり、結果的に膜が透明化するなどして反射率が低下する。また、上述した通り、Mgは、耐アルカリ性の確保には有効な元素であるが、耐温水性を低下させる元素である。
本発明の反射膜積層体を形成する基体は、その材質が特に限定されず、照明器具や車両用灯具、光学ミラーなどの分野に通常用いられるものであればよい。基体の材質として、例えば樹脂やガラスなどが挙げられる。前記樹脂としては、例えば、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、PET(ポリエチレンテレフタレート)やPBT(ポリブチレンテレフタレート)などのポリエステル樹脂、ABS樹脂、エポキシ樹脂、アセタール樹脂、脂環式炭化水素樹脂などが挙げられ、これら樹脂の混合物であってもよい。
本発明の反射膜積層体は、基体の直上に上記第1層と第2層が順次積層されたものが代表的な例であるが、これに限定されない。
本発明の反射膜積層体は、上記構成を有しているため、高反射率を示し、かつ優れた耐久性(耐アルカリ性と耐温水性)を示す。特に、本発明の反射膜積層体は、反射率が非常に高いため、本発明の反射膜積層体を車両用灯具、照明器具、または光学ミラーなどの用途に用いれば、光源(ランプ)の消費電力を従来より下げても従来と同程度の明るさを確保することができる。また、複数のランプを使用する場合には、ランプの個数を減少させることができるため、光源に費やすコストを削減できる。
本発明の反射膜積層体の製造方法は、
基体上に、前記第1層を形成する工程と;
前記第1層上に、金属Zrを含むスパッタリングターゲットを用いてスパッタリング法でスパッタ金属薄膜を形成し、次いで、酸素を含む雰囲気中で前記スパッタ金属薄膜を酸化させて、前記第2層を形成する工程と;
を含むものである。
第1層の形成方法は、特に限定されず、例えばスパッタリング法で形成することが挙げられる。スパッタリング法で形成する場合、スパッタリングターゲットとして、例えばAl−Mg合金スパッタリングターゲットや、純Alスパッタリングターゲットの一部に金属Mgが埋め込まれたターゲット(いわゆるモザイクターゲット)を用いたり、純Alスパッタリングターゲットと金属Mgスパッタリングターゲットを同時に用いたり、または、純Alスパッタリングターゲット上に金属Mgチップを載せたものを用いて、スパッタリングすることが挙げられる。またスパッタリング法として、特に直流カソードを用いたDCスパッタリング法が好ましい。
第2層の形成は、まず金属Zrを含むスパッタリングターゲット(例えば、金属Zrスパッタリングターゲット、またはZr合金スパッタリングターゲット等の金属Zrを含むスパッタリングターゲット)を用い、スパッタリング法でスパッタ金属薄膜を形成する。スパッタリング法として、特に、直流カソードを用いたDCスパッタリング法が好ましい。
第2層の上に更にプラズマ重合膜を成膜する場合は、例えばヘキサメチルジシロキサンを原料として、プラズマCVD法で成膜する方法が挙げられる。また、第2層の上に更に樹脂膜を成膜する場合は、例えばディップやスプレー塗装により形成する方法が挙げられる。
Al−Mg合金膜中のMg量は、ICP(Inductively Coupled Plasma:誘導結合プラズマ)発光分析法またはICP質量分析法により測定して求めた。具体的には、AlとMgをともに溶解できる酸を用いてAl−Mg合金膜を全量溶解し、得られた溶液中のAlとMgの各含有量をICP発光分析法またはICP質量分析法で測定した。そして、AlとMgの合計で100原子%とした場合のMg量(原子%)を算出した。
JIS R 3106に示される方法で、反射膜積層体の表面(第2層の形成されている面)に対し、D65光源の波長範囲380〜780nmの光を入射させて、可視光反射率(初期反射率)を測定した。そして上記反射率が85.0%以上のものを高反射率であると評価した。
常温(25℃)の1質量%水酸化カリウム水溶液中に反射膜積層体を10分間浸漬させた。そして、浸漬後の反射膜積層体の表面(第2層の形成されている面、観察面積は、約10cm2)を、反射膜積層体の裏面(基体側の面)から光を照射した状態で、目視で観察し、腐食(ピンホール状の腐食)や透明化の程度を確認した。
◎…ピンホール状の腐食が全く存在しない場合
〇…ピンホール状の腐食が存在するが、該ピンホール状の腐食の密度が1個/cm2以下であり、かつ全てのピンホール状の腐食の直径が1mm以下である場合
△…ピンホール状の腐食の密度が1個/cm2超である;ピンホール状の腐食の直径が1mmを超えている;または、膜が半透明である;の少なくともいずれかに該当する場合
×…膜が完全に透明である場合
40℃のイオン交換水(中性)中に反射膜積層体を30時間浸漬させた。そして、浸漬後の反射膜積層体の表面(第2層の形成されている面、観察面積は、約10cm2)を、反射膜積層体の裏面(基体側の面)から光を照射した状態で、目視で観察し、腐食(ピンホール状の腐食)や透明化の程度を確認した。
◎…ピンホール状の腐食が全く存在しない場合
〇…ピンホール状の腐食が存在するが、該ピンホール状の腐食の密度が1個/cm2以下であり、かつ全てのピンホール状の腐食の直径が1mm以下である場合
△…ピンホール状の腐食の密度が1個/cm2超である;ピンホール状の腐食の直径が1mmを超えている;または、膜が半透明である;の少なくともいずれかに該当する場合
×…膜が完全に透明である場合
Claims (7)
- 基体上に形成されるものであって、
基体側から順に、第1層として、Mgを10〜20原子%含有するAl−Mg合金膜を有すると共に、第2層として、80原子%以上のZrを含む金属の酸化物膜を有し、
かつ、前記第2層の膜厚が1.0〜5nmであることを特徴とする反射膜積層体。 - 前記第2層は、Zr酸化物膜である請求項1に記載の反射膜積層体。
- 初期反射率が85.0%以上であり、かつ、
25℃の1質量%水酸化カリウム水溶液中に10分間浸漬させた後、および
40℃のイオン交換水中に30時間浸漬させた後のいずれにおいても、
反射膜積層体の前記第2層の形成されている面に存在するピンホールの密度が1個/cm2以下であり、かつ全てのピンホールの直径が1mm以下である請求項1または2に記載の反射膜積層体。 - 請求項1〜3のいずれかに記載の反射膜積層体の製造方法であって、
基体上に、前記第1層を形成する工程と、
前記第1層上に、金属Zrを含むスパッタリングターゲットを用いてスパッタリング法でスパッタ金属薄膜を形成し、次いで、酸素を含む雰囲気中で前記スパッタ金属薄膜を酸化させて、前記第2層を形成する工程と
を含むことを特徴とする反射膜積層体の製造方法。 - 請求項1〜3のいずれかに記載の反射膜積層体を備えることを特徴とする車両用灯具。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の反射膜積層体を備えることを特徴とする照明器具。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の反射膜積層体を備えることを特徴とする光学ミラー。
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