JP2012014117A - 反射鏡、照明装置、および、反射鏡の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】製造効率が高く、耐湿性および耐アルカリ性に優れた反射膜を備える反射鏡および照明装置を提供する。
【解決手段】反射膜としてアルミニウムとガドリニウムの合金膜23を用い、この合金膜の表面には、該合金膜を酸化した酸化層24が配置されている構成とする。この反射鏡は、別途保護膜を備えなくとも、耐アルカリ性および耐湿性に優れている。合金膜のガドリニウム含有率は、4at%以下、1at%以上であることが好ましい。酸化層24は、合金膜23の表面を、酸素プラズマに曝す酸素プラズマ処理工程によって形成することができる。
【選択図】図2
【解決手段】反射膜としてアルミニウムとガドリニウムの合金膜23を用い、この合金膜の表面には、該合金膜を酸化した酸化層24が配置されている構成とする。この反射鏡は、別途保護膜を備えなくとも、耐アルカリ性および耐湿性に優れている。合金膜のガドリニウム含有率は、4at%以下、1at%以上であることが好ましい。酸化層24は、合金膜23の表面を、酸素プラズマに曝す酸素プラズマ処理工程によって形成することができる。
【選択図】図2
Description
本発明は、リフレクタを備えた照明装置に関し、特に車両用灯具に適した照明装置に関する。
車両用灯具の基本構成は、例えば特許文献1に記載されているように、レンズとハウジングによって形成された灯室内に、光源およびリフレクタを備え、光源からリフレクタ方向に向かって出射された光をリフレクタで反射し、レンズを通して灯具の前方に照射するものである。
リフレクタの構造は、合成樹脂基板の表面に、アンダーコート層を形成し、その上にアルミニウム等の反射膜を蒸着法やスパッタ法等により形成し、さらに、保護膜を形成した構造が特許文献2等に開示されている。アンダーコート層としては、有機溶剤を用いた湿式塗装法によりアクリル系樹脂層等を形成する方法や、プラズマCVD法で酸化シリコン膜を形成する方法が用いられる。保護膜としては、HMDS(ヘキサメチルジシロキサン)を導入し、プラズマCVD法で酸化シリコン膜(はっ水性重合体膜)を成膜する方法や、塗装法でアクリル系樹脂層を形成する方法が知られている。
アンダーコート層は、合成樹脂基板の平滑性や密着性を向上させ、金属膜の密着性を高めるために配置されている。保護膜は、アルミ膜等の金属膜がアルカリ水溶液に溶けやすいことから、これを保護し、リフレクタの耐アルカリ性を向上させるために配置されている。また、特許文献2の技術では、保護膜(はっ水性重合体膜)の上に親水性重合体膜をさらに形成している。
リフレクタの金属膜にアルミ蒸着膜を用いた場合、可視光全域で約85〜90%の反射率が得られることから、自動車や自動二輪車などの車両用灯具に広く利用されている。
従来の層構造のリフレクタは、塗装法やプラズマCVD法によりアンダーコート層や保護層を成膜する必要があり、工程が複雑になるという問題があった。また、アンダーコート層−アルミ反射膜層−保護膜−親水化性重合膜を順次形成していく際に、特許文献2では、各層の密着性を向上させるために各層間においてボンバード処理を行うため、成膜に付随する工程も多い。
保護膜をプラズマCVD法で成膜する場合、成膜装置の真空槽内壁に酸化シリコン膜が堆積する。堆積した酸化シリコン膜が成膜中に剥離し、反射膜面に付着しやすく、歩留まり低下の原因となる。これを防止するためには定期的に真空槽内壁を清掃する必要があるが、そのためには成膜装置を停止させなければならず、製造効率の低下につながる。
一方、保護膜を塗装法で成膜する場合、塗布面にゴミが付着しやすくなるため、歩留まりが低下する。また、有機溶剤を含む樹脂材料を塗布する工程となるため、環境負荷が大きい。作業者の健康面からも有機溶剤の使用を減らすことが望まれている。
本発明の目的は、製造効率が高く、耐湿性および耐アルカリ性に優れた反射膜を備える反射鏡および照明装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明によれば、反射膜としてアルミニウムとガドリニウムの合金膜を用い、この合金膜の表面には、該合金膜を酸化して形成した酸化層が配置されている反射鏡が提供される。
この反射鏡は、最表面層が酸化層であり、別途保護膜を備えない構成とすることができる。
合金膜のガドリニウム含有率は、4at%以下であることが好ましい。また、合金膜のガドリニウム含有率は、1at%以上であることが好ましい。
また、本発明の別の態様によれば、反射膜として、アルミニウムとガドリニウムの合金膜を成膜する工程と、合金膜の表面を、酸素プラズマに曝す酸素プラズマ処理工程と、を有する反射鏡の製造方法が提供される。
成膜工程は、スパッタリング法により行い、前記スパッタリング法を行う真空装置内で、成膜工程に連続して前記酸素プラズマ処理工程を行うことが可能である。
本発明の反射鏡および照明装置は、反射膜としてアルミニウムとガドリニウムの合金膜を用いることにより耐アルカリ性に優れた反射膜を得ることができ、かつ、この合金膜の表面に、合金膜を酸化して形成した酸化層が配置することにより、耐湿性を向上させることができる。よって、別途保護膜を形成する必要がなく、簡素な構成にすることができるため、製造効率が高く、しかも、耐湿性および耐アルカリ性に優れた反射膜を備える反射鏡および照明装置を提供することができる。
本発明の一実施の形態の照明装置について説明する。
本発明では、ガドリニウムを含むアルミニウム合金膜を反射膜として用い、かつ、その表面に酸素プラズマ処理を施すことにより、耐アルカリ性および耐湿性に優れた反射膜を得ることができる。これにより、反射膜上に保護膜を形成することなく、簡単な構成で耐アルカリ性および耐湿性に優れた反射鏡(リフレクタ)を提供することができる。
本実施形態では、ヘッドランプを例に説明する。図1に示すように、本実施形態のヘッドランプは、光出射方向側に配置されたレンズカバー40と、背面側に配置されたランプボディ50とを備え、レンズカバー40とランプボディ50により形成された灯室60内には、光源30とリフレクタ20とが配置されている。リフレクタ20の周囲には、リフレクタ20とランプボディ50との間の空間を装飾するためにエクステンションリフレクタ10が配置されている。
光源30から出射された光は、直接、または、リフレクタ20によって反射されて、レンズカバー40を通過し、前方に照射される。
リフレクタ20の膜構成について図2を用いて説明する。リフレクタ20は、図2に示すように樹脂製の基材21の上に、アンダーコート層22と反射膜23を積層した構成である。
基材21は、所望のリフレクタ20の形状に加工されている。基材21の材質としては、PPS(Polyphenylenesulfide)、BMC(Bulk Molding Compound)、PET/PBT(Polyethylene Terephthalate/Polybutylene Terephthalate)などを好適に用いることができる。
アンダーコート層22は、樹脂製の基材21の平滑性と密着性を向上させるための層であり、公知のアンダーコート層を用いることができる。具体的には例えば、アクリル系樹脂層や酸化シリコン層をアンダーコート層22として配置する。また、平滑性や密着性のある基材に関してはアンダーコート層22を省くことができる。
反射膜23は、アルミニウムとガドリニウムの合金(Al−Gd合金)によって形成された層である。反射膜23を構成するAl−Gd合金は、純アルミニウムにガドリニウムを含有する。ガドリニウムを含有することにより、反射膜23の耐アルカリ性を向上させることができる。ガドリニウムの含有割合は、反射膜23としての反射率を維持するために、4at%以下であることが好ましい。また、高い耐アルカリ性を発揮するために、ガドリニウムは、1at%以上含有されていることが好ましい。
反射膜23の膜厚は、50nm以上であることが好ましく、特に、150nm以上250nm以下であることが好ましい。
反射膜23の表面には、反射膜23を構成するAl−Gd合金層の表面を酸素プラズマで処理することにより形成した、酸素プラズマ処理層24が形成されている。このようにAl−Gd合金層の表面を酸素プラズマで処理して酸素プラズマ処理層24を形成することにより、耐湿性を向上させることができる。
本実施形態では、Al−Gd合金層の表面を酸素プラズマ処理するだけで、耐アルカリ性のみならず耐湿性にも優れた反射膜23を得ることができる。よって、信頼性の高い、照明装置を提供することができる。
また、従来のように保護膜や、その上にさらに親水性膜を形成する必要がなく、簡単な層構成で耐アルカリ性および耐湿性に優れたリフレクタ20を得ることができる。
本実施形態のリフレクタ20の製造工程について図3(a)を用いて説明する。まず、所望のリフレクタ20の形状に加工された基材20を用意する。その上に、アンダーコート層22を湿式塗装法または気相成長法により成膜する(工程100)。例えば、アンダーコート層22としてアクリル系樹脂膜を形成する場合には、有機溶剤を用いた湿式塗装法により形成する。また、アンダーコート層22として酸化シリコン膜を形成する場合には、プラズマCVD法やスパッタ法で形成する。
次に、反射膜23としてAl−Gd合金膜を成膜する。例えば、純アルミニウムに4at%以下のガドリニウムを含むスパッタターゲットを用いてスパッタ法により反射膜23を成膜することができる。
最後に、DC(直流)、MF(中波)またはRF(高周波)励起法等を用いて、酸素プラズマを発生させ、反射膜23の表面を酸素プラズマに曝す。これにより、Al−Gd合金膜の表面を酸化した酸素プラズマ処理層24を形成する。以上によりリフレクタ20が製造される。
本実施形態のリフレクタ20の製造工程を、図3(b)に示すような従来(特許文献2に記載)のリフレクタの製造工程(工程400〜403)と比較すると、従来法は、工程401で成膜したアルミニウム反射膜の表面をボンバード処理し、耐アルカリ性を示す酸化シリコン膜(はっ水性膜)をプラズマCVDで形成する工程402と、酸化シリコン膜(はっ水性膜)の表面をボンバード処理し、プラズマCVDにより親水性膜を形成する工程403が必要である。これに対し、本実施形態の製造方法では、工程101で成膜したAl−Gd合金の反射膜23に、酸素プラズマ処理(工程102)を施すのみでよく、従来の工程402,403のボンバード処理およびプラズマCVDが不要である。
よって、本実施形態の製造方法は、保護膜成膜のためのプラズマCVD工程が不要となり、製造工程の簡素化が図れ、製造コストが低減できる。
また、本実施形態では、真空槽内の堆積物が剥がれてゴミの発生の原因となり得る保護膜成膜のためのプラズマCVD工程(工程402,403)が不要になる。よって、反射膜23を正常に保つことができ、製造歩留まりを向上させることができる。
さらに、本実施形態では、従来の工程402,403で真空槽内に付着する堆積物をクリーニングする必要もなく、メンテナンス時間を短縮でき、製造効率の向上および製造コストの低減が可能になる。
また、本実施形態では反射膜の上に保護膜が不要であるため、保護膜の成膜のために有機溶剤を用いる必要もない。
なお、本実施形態では、ガドリニウムを含むアルミニウム合金により反射膜23を形成したが、ガドリニウムに加えて他の元素、例えば銅、ビスマス、インジウム、マグネシウム、チタン、亜鉛および錫を含んでいてもよい。
本実施形態の照明装置は、自動車用のヘッドライト、各種照明器具の用途として用いることができる。また、本実施形態のリフレクタの膜構成は、各種ディスプレイの反射膜、各種電子部品の反射膜、太陽光発電装置の反射膜の用途に用いることができる。
本発明の照明装置のリフレクタ20を製造し、耐アルカリ性および耐湿性を確認した。
(実施例1)
PPS(Polyphenylenesulfide)樹脂製の基板21上にアクリル樹脂製のアンダーコート層22を塗布法により厚さ約20μm形成した。
(実施例1)
PPS(Polyphenylenesulfide)樹脂製の基板21上にアクリル樹脂製のアンダーコート層22を塗布法により厚さ約20μm形成した。
その基板21をスパッタリング装置に入れ、アンダーコート層22上に反射膜23と酸素プラズマ処理層24とを連続形成した。具体的には、Al−Gd合金(Gd2at%、残部Al)ターゲットを用い、DCスパッタリング法により、入力電力5000W、成膜時間2分、100%Ar雰囲気で厚さ約160nmのAl−Gd合金(Gd2at%残部Al)膜を反射膜23として成膜した。連続して、入力電力3.8kW、100%酸素雰囲気、MF励起法で酸素プラズマを生成し、Al−Gd合金膜の表面を曝すことにより、表面を酸化させ、酸素プラズマ処理層24を形成した。これにより、実施例1のリフレクタ20を製造した。
(比較例1)
酸素プラズマ処理を行わず、他の工程は実施例1と同様にして、比較例1のリフレクタを製造した。
酸素プラズマ処理を行わず、他の工程は実施例1と同様にして、比較例1のリフレクタを製造した。
(比較例2)
PPS(Polyphenylenesulfide)樹脂製の基板21上にアクリル樹脂のアンダーコート層22を塗布法により厚さ約20μm形成した。
PPS(Polyphenylenesulfide)樹脂製の基板21上にアクリル樹脂のアンダーコート層22を塗布法により厚さ約20μm形成した。
その基板21をスパッタリング装置に入れ、アンダーコート層22上に反射膜としてAl膜を形成し、さらにその表面に酸素プラズマ処理層を形成した。具体的には、Alターゲットを用い、DCスパッタリング法により、入力電力5000W、成膜時間2分、100%Ar雰囲気で厚さ120nmのAl膜を反射膜として成膜した。連続して、入力電力3.8kW、100%酸素雰囲気、MF励起法で酸素プラズマを生成し、Al膜の表面を曝すことにより、表面を酸化させ、酸素プラズマ処理層を形成した。これにより、比較例2のリフレクタを製造した。
(比較例3)
酸素プラズマ処理を行わず、他の工程は比較例2と同様にして、比較例3のリフレクタを製造した。
酸素プラズマ処理を行わず、他の工程は比較例2と同様にして、比較例3のリフレクタを製造した。
(耐アルカリ性評価)
実施例1および比較例1〜3の試料に耐アルカリ性試験を行った。具体的には、1%KOH溶液に、各試料を10分間浸漬した後、目視で試料を観察し、透け、剥離および白点等の欠陥がないものを○、透け、剥離および白点の少なくとも一つがあるものを×として評価した。
実施例1および比較例1〜3の試料に耐アルカリ性試験を行った。具体的には、1%KOH溶液に、各試料を10分間浸漬した後、目視で試料を観察し、透け、剥離および白点等の欠陥がないものを○、透け、剥離および白点の少なくとも一つがあるものを×として評価した。
(耐湿性評価)
実施例1および比較例1〜3の試料に耐湿性試験を行った。具体的には、湿度98%、温度50℃の恒温恒湿雰囲気に240時間曝した後、室温に1時間放置した。その後、目視で試料を観察し、透け、剥離および白点等の欠陥がないものを○、透け、剥離および白点の少なくとも一つがあるものを×として評価した。
実施例1および比較例1〜3の試料に耐湿性試験を行った。具体的には、湿度98%、温度50℃の恒温恒湿雰囲気に240時間曝した後、室温に1時間放置した。その後、目視で試料を観察し、透け、剥離および白点等の欠陥がないものを○、透け、剥離および白点の少なくとも一つがあるものを×として評価した。
以上の結果を表1に示す。また、試験後の試料の写真を図4(a)〜(h)に示す。
表1および図4(a),(b)のように、実施例1の試料は、耐アルカリ性試験および耐湿性試験のいずれにも欠陥を生じなかった。比較例2,3のアルミ膜の試料は、表1および図4(e),(g)のように酸素プラズマ処理の有無にかかわらず、耐アルカリ性試験において約3分で溶解した。また、比較例2,3の試料は、表1および図4(f),(g)のように耐湿性試験において反射膜が溶解した。一方、比較例1のAl−Gd膜は、表1および図4(c)のように耐アルカリ性試験では欠陥は生じなかったが、図4(d)のように耐湿性試験において、反射膜が溶解した。
以上のことから、本実施例1の試料は、Al−Gd膜に酸素プラズマ処理を施すことにより、耐アルカリ性および耐湿性の両方に優れた反射膜が得られることが確認された。
また、実施例1の試料と、比較例1の試料をXPS(X線光電子分光法)により深さ方向の組成を調べたところ、図5(a),(b)に示すように、実施例の試料は、比較例1の試料と比較して、Al−Gd膜(反射膜23)の表面に酸素リッチな表面層(酸素プラズマ処理層24)が形成されていることが確認された。
また、実施例の試料の反射率を調べたところ、図6のように少なくとも350nm〜800nmの可視光域において85%以上の反射率を示し、リフレクタとして十分な反射率であることが確認された。
(実施例2)
実施例2では、基板21として、BMC(Bulk Molding Compound)樹脂製の基板を用いる。他の構成および製造方法は、実施例1と同様にして、実施例2のリフレクタ20を製造した。
実施例2では、基板21として、BMC(Bulk Molding Compound)樹脂製の基板を用いる。他の構成および製造方法は、実施例1と同様にして、実施例2のリフレクタ20を製造した。
(比較例4)
酸素プラズマ処理を行わず、他の工程は実施例2と同様にして、比較例4のリフレクタを製造した。
酸素プラズマ処理を行わず、他の工程は実施例2と同様にして、比較例4のリフレクタを製造した。
(比較例5)
BMC(Bulk Molding Compound)樹脂製の基板21を用いる他は、比較例2と同様にして比較例5のリフレクタを製造した。
BMC(Bulk Molding Compound)樹脂製の基板21を用いる他は、比較例2と同様にして比較例5のリフレクタを製造した。
(比較例6)
酸素プラズマ処理を行わず、他の工程は比較例5と同様にして、比較例6のリフレクタを製造した。
酸素プラズマ処理を行わず、他の工程は比較例5と同様にして、比較例6のリフレクタを製造した。
(耐アルカリ性評価)
実施例2および比較例4〜6の試料に耐アルカリ性試験を行った。試験方法および評価方法は、実施例1と同様である。
実施例2および比較例4〜6の試料に耐アルカリ性試験を行った。試験方法および評価方法は、実施例1と同様である。
(耐湿性評価)
実施例2および比較例4〜6の試料に耐湿性試験を行った。試験方法および評価方法は、実施例1と同様である。
実施例2および比較例4〜6の試料に耐湿性試験を行った。試験方法および評価方法は、実施例1と同様である。
以上の結果を表2に示す。また、試験後の試料の写真を図7(a)〜(h)に示す。
表2および図7(a),(b)のように、実施例の試料は、耐アルカリ性試験および耐湿性試験のいずれにも欠陥を生じなかった。比較例5,6のアルミ膜の試料は、表2および図7(e),(g)のように酸素プラズマ処理の有無にかかわらず、耐アルカリ性試験において溶解した。また、比較例5,6の試料は、表2および図7(f),(g)のように耐湿性試験において反射膜が溶解した。一方、比較例4のAl−Gd膜は、表2および図7(c)のように耐アルカリ性試験では欠陥は生じなかったが、図7(d)のように耐湿性試験において、反射膜が溶解した。
以上のことから、本実施例2の試料は、Al−Gd膜に酸素プラズマ処理を施すことにより、耐アルカリ性および耐湿性の両方に優れた反射膜が得られることが確認された。
10…エクステンションリフレクタ、20…リフレクタ、21…基材、22…アンダーコート、23…反射膜、24…酸素プラズマ処理層、30…光源、40…レンズカバー、50…ランプボディ、60…灯室
Claims (7)
- 反射膜としてアルミニウムとガドリニウムの合金膜を備え、前記合金膜の表面には、該合金膜を酸化して形成した酸化層が配置されていることを特徴とする反射鏡。
- 請求項1に記載の反射鏡において、最表面層が前記酸化層であることを特徴とする反射鏡。
- 請求項1または2に記載の反射鏡において、前記合金膜のガドリニウム含有率は、4at%以下であることを特徴とする反射鏡。
- 請求項1ないし3のいずれか1項に記載の反射鏡において、前記合金膜のガドリニウム含有率は、1at%以上であることを特徴とする反射鏡。
- 請求項1ないし4のいずれか1項に記載の反射鏡を備えた照明装置。
- 反射膜として、アルミニウムとガドリニウムの合金膜を成膜する工程と、
前記合金膜の表面を、酸素プラズマに曝す酸素プラズマ処理工程と、を有する反射鏡の製造方法。 - 請求項6に記載の反射鏡の製造方法において、前記成膜工程は、スパッタリング法により行い、前記スパッタリング法を行う真空装置内で、成膜工程に連続して前記酸素プラズマ処理工程を行うことを特徴とする反射鏡の製造方法。
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CN110556444A (zh) * | 2019-09-26 | 2019-12-10 | 常州斯威克新材料科技有限公司 | 一种耐酸碱功能光伏反光膜及其制备方法 |
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2010
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