JP5096701B2 - 銀被膜塗料組成物と、それを有する光反射体および照明器具 - Google Patents

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本発明は、光源から発せられた光を反射する光反射体を形成するための銀被膜塗料組成物と光反射体、およびこの光反射体を備えた照明器具に関し、例えば、ダウンライトやスポットライトなどの住宅や店舗用の照明器具、道路灯や投光器などの屋外照明器具に用いられる。
銀材料は、貴金属としてその優れた光学的性質、電気化学的性質を有しており、装飾品、貨幣、食器、電子用材料、歯科用材料として利用され、さらには、その高い可視光線反射率特性に着目して照明機器に利用されている。
ところが、これら用途に供する銀材料は、化学的に非常に不安定で、空気中の酸素、水分、亜硫酸ガスなどと容易に反応して、酸化銀や硫化銀を生成し、これにより銀表面が褐色又は黒色に変色、若しくは腐食するといった欠点を有している。
このような銀材料の変色や腐食を抑制するために、特許文献1、2に示されるような、銀材料を被覆、保護するための塗料組成物が知られている。
また、特許文献3に示されるように、ガスバリア性に優れ、かつ基材との密着性に優れた車両用灯具を提供するため、FRP製基材に変性シリコーン樹脂塗料を塗布して形成されるアンダーコート層と、このアンダーコート層上に銀蒸着膜から構成される反射膜と、この反射膜上に変性シリコーン樹脂塗料を塗布して形成されるトップコート層からなる反射膜構成が知られている。
また、特許文献4に示されるように、耐熱性や耐光性、耐食性に優れた光反射体を形成するため、基材表面に形成されたAg又はAg基合金からなる光反射層と、この光反射層上にストレートシリコーン系コーティング剤をコーティングすることが知られている。
特開平6−57198号公報 特開平10−158572号公報 特開2000−106017号公報 WO2005/081021号公報
しかしながら、特許文献1、2に示されているような、塗料組成物を銀の塗膜(銀膜)として光反射層を形成した光反射体においては、160℃程度の高温環境下におき、又は同環境下で水銀灯などの光源を点灯させて紫外線を照射し続けると、塗料組成物で形成した被膜、特に、トップコート層にクラックが発生して外観上に不具合が発生し、さらに長期間使用し続けると、トップコート層が剥離して銀膜を保護することが不可能となり、銀膜が褐色又は黒色に変色する。
また、特許文献3に示されている反射膜構成により形成した反射体においては、水銀灯を長時間(例えば10,000時間)、連続点灯させると、反射体が光源からの熱により高温(約160℃)となり、かつ紫外線が照射し続けられるため、トップコート層が黄色、又は褐色に変色し、外観上問題となる。さらに、前記状態を続けると、アンダーコート層の分解生成物により銀膜が黒色に変色して外観上問題になるとともに、銀の特徴である高い反射率も得られなくなる。
また、特許文献4に示されている反射膜構成により形成した反射体において、同様の試験を行っても、30日間(720時間)の短期間では外観変化や、反射率の低下が観察されなかったが、10,000時間もの長時間の連続点灯時には、前記と同様、銀膜が黒色に変色し、かつ高い反射率が得られなくなる。
このような状況を鑑み、本発明者らは、反射体の変色や反射率低下は、銀膜を保護するために形成しているアンダーコート層、およびトップコート層の熱と光、特に紫外線照射により発生した分解生成物が、銀と反応して発生したものであるとの知見を得た。本発明は、これらの知見に基づき成されたもので、熱と光による分解生成物がほとんど発生しない銀被膜塗料組成物と、それを有する光反射体および照明器具を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、銀に対する塗膜基体成分としてストレートシリコーン樹脂を含有した銀被膜塗料組成物において、前記ストレートシリコーン樹脂成分は、重量平均分子量が3,000以上であり、かつシロキサン結合における架橋度として、ケイ素原子1個に結合している有機基の平均数が1〜1.4であり、前記ストレートシリコーン樹脂に対してオクチル酸亜鉛硬化触媒を重量比で0.1〜0.5wt%含有するものである。
請求項の発明は、基材と、この基材の表面に形成されたアンダーコート層と、このアンダーコート層上にAg又はAg基合金から形成された光反射層と、この光反射層を覆うように形成されたトップコート層と、を備えた光反射体において、前記トップコート層が請求項1に記載の銀被膜塗料組成物で構成されたものである。
請求項の発明は、請求項2に記載の光反射体において、銀に対する塗膜基体成分としてストレートシリコーン樹脂を含有し、前記ストレートシリコーン樹脂成分は、重量平均分子量が3,000以上であり、かつシロキサン結合における架橋度として、ケイ素原子1個に結合している有機基の平均数が1〜1.4であり、前記ストレートシリコーン樹脂に対してアミノシラン系硬化触媒を重量比で0.1〜1.6wt%含有する銀被膜塗料組成物で前記アンダーコート層が構成されたものである。
請求項の発明は、請求項又は請求項に記載の光反射体において、アンダーコート層、およびトップコート層の膜厚が、10μm以上であるものである。
請求項の発明は、請求項又は請求項に記載の光反射体において、光反射層の膜厚が、700Å以上であるものである。
請求項の発明は、請求項に記載の光反射体において、アンダーコート層が、平均粒子径10μm以下のシリカ系充填剤を含有するものである。
請求項の発明は、光源部と、この光源部からの光を反射する、請求項乃至請求項のいずれか一項に記載の光反射体と、を備えた照明器具である。
請求項1の発明によれば、可視光線透過性に優れた無色透明の塗料組成物となり、硬化した塗膜の状態で耐熱性や耐光性に優れ、変色や亀裂などを抑制することができる。また、長期間高温環境下、又は紫外線照射環境下においても変色や亀裂などが発生することを抑制することができる。
請求項の発明によれば、高い可視光線反射率を有するとともに、密着性や耐熱性、ガスバリア性に優れ、かつ長期間の熱履歴負荷による銀反射膜の変色やトップコート層の剥離、亀裂等を効果的に抑制し、高い反射率を有する光反射体として長期間使用することができる。
請求項の発明によれば、長期間高温環境下においても変色や亀裂などが発生することを抑制することができる。
請求項の発明によれば、耐食性やガスバリア性が飛躍的に向上し、銀反射膜の変色や剥離を抑制することができる。
請求項の発明によれば、耐食性が向上し、銀反射膜の剥離を抑制することができる。
請求項の発明によれば、光反射体の耐光性低下による変色や亀裂などを発生することなく、光を拡散反射させることができる。
請求項の発明によれば、ハロゲンランプや水銀灯などの光源と組み合わせて照明器具とした場合でも、40,000時間もの長期間、連続点灯、又は断続点灯しても、反射率の低下や変色などの外観変化が発生することなく、長期間安定した照明器具の光学特性を確保することができる。
以下、本発明に係る銀被膜塗料組成物と、それを有する光反射体および照明器具について詳細に説明する。銀被膜塗料組成物の塗膜基体成分となるストレートシリコーン樹脂は、基本骨格としてケイ素(Si)と酸素の結合(シロキサン結合−Si−O−)と、ケイ素(Si)の側鎖にメチル基(CH−)とフェニル基(C−)を有するポリマーである。
シリコーン樹脂には、前記のストレートシリコーン樹脂のほかに、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂又はウレタン樹脂等の有機樹脂と反応させた変性シリコーン樹脂がある。変性シリコーン樹脂は、密着性、硬化性、耐溶剤性に優れている反面、有機物を多く含むため耐熱変色性、耐光変色性に劣る傾向がある。すなわち、変性シリコーン樹脂を光反射体に使用する場合、160℃程度の高温環境下で長期間使用すると、樹脂自体が変色するという問題が発生する。その問題を解決するためには、無色透明で、耐熱性と耐光性に優れているストレート樹脂で形成された被膜を用いることが好ましい。
また、ストレートシリコーン樹脂の種類も数多く存在するが、銀被膜塗料組成物として、銀膜を保護できるストレートシリコーン樹脂の重量平均分子量は、3,000以上、架橋度1.0〜1.4の範囲であることが好ましい。分子量が、3,000未満のストレートシリコーン樹脂では、耐熱性と耐光性で銀膜の変色と塗膜表面に微細なクラックを生じる。架橋度が1.5以上になると、塗膜強度が劣り、密着不良の問題が生じる。
銀被膜塗料組成物を塗料組成物として成り立たせるためには、溶剤としてトルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコールなどのアルコール類、酢酸エチル、エチセロ、メチセロ、セルソルブアセテートなどのエステル類、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサンなどのケトン類などが挙げられる。これら溶剤は1種を単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
また、この銀被膜塗料組成物には、必要に応じて更に、レベリング剤、カップリング剤、消泡剤、艶消し剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤などの公知の添加剤を添加することもできる。
また、銀被膜塗料組成物に添加するアミノシラン系硬化触媒とは、官能基にアミノ基を有するシランカップリング剤を示す。通常のストレートシリコーン樹脂を、硬化触媒を使用せずに完全硬化させるためには、高温で長時間の焼付乾燥が必要となる。しかし、銀被膜塗料組成物であるストレートシリコーン樹脂に本硬化触媒を添加し、焼付乾燥することにより、シリコーン樹脂の硬化機構である脱水縮合反応、および硬化を促進させ、基材とAg、又はAg基合金との密着性を向上させることが可能となる。
本発明に開示する分子量3,000以上、架橋度1.0〜1.4の範囲に限定されたストレートシリコーン樹脂にアミノシラン系硬化触媒を添加すると、ストレートシリコーン樹脂単体よりも硬化速度を早め、かつ、耐熱性、耐光性が向上し、長期間高温環境下において使用しても、変色や亀裂などを抑制することが可能となる。アミノシラン系硬化触媒の添加量は、ストレートシリコーン樹脂に対して重量比で0.1〜1.6wt%が好ましく、1.6wt%以上では、初期の外観で銀膜に変色が生じ、耐熱性と耐光性が劣る傾向にある。また、アミノシラン系硬化触媒の添加量が0.1wt%以下では、ストレートシリコーン樹脂の硬化が不完全で、長期間高温環境下において使用した際の変色や亀裂を抑制することができない。
また、銀被膜塗料組成物に添加するオクチル酸亜鉛硬化触媒とは、オクチル酸金属石鹸と総称され、オクチル酸と亜鉛とを結合させた硬化触媒である。本硬化触媒を添加し、焼付乾燥することにより、シリコーン樹脂の硬化を促進し、Ag又はAg基合金を保護することとなる。
本発明に開示する分子量3,000以上、架橋度1.0〜1.4の範囲に限定されたストレートシリコーン樹脂に、オクチル酸亜鉛硬化触媒を添加することにより、塗膜の硬化性が向上するため、銀膜に対する密着性や耐熱性、特にガスバリア性が向上し、かつ長期間高温環境下においても変色や亀裂などを抑制することが可能となる。オクチル酸亜鉛の添加量が、ストレートシリコーン樹脂に対して0.1〜0.5wt%が好ましく、0.5wt%以下では、初期の外観で銀幕に変色が生じる。0.1wt%以下では、ストレートシリコーン樹脂の硬化が不完全で、長期間高温環境下において使用した際の変色や亀裂を抑制することができない。
また、アンダーコート層を形成する銀被膜塗料組成物に、光拡散剤としてシリカ系充填剤を添加することが有効である。このシリカ系充填剤とは、平均粒子径が10μm以下の白色微粉末状であり、表面をシリコーンオイルなどで処理してもよい。
シリカ系充填剤の添加量は特に限定されるものではないが、塗料組成物に対して2〜10重量部であることが望ましい。本範囲を超えると光反射体の反射率が極端に低下し、Ag又はAg基合金を光反射層として用いる効果が得られない。また、本範囲を下回ると十分な光拡散性が得られない。
光反射体は、基材と、この基材上に形成されるアンダーコート層と、光反射層、光反射層上に形成されるトップコート層を備えている。なお、アンダーコート層は、基材が実用上支障のない程度に平滑であり、かつ、基材と光反射層の密着性が十分確保される場合には省略することができる。
光反射層を構成する材料はAg又はAg基合金材料であれば、特に限定されるものではないが、Agを主成分とし、Agを90at%以上含むことが可視光域の反射率の点で好ましい。AgはCuなどの不純物を含んでいてもよいが、その含有量は10at%以下であることが好ましい。
また、Ag基合金としては、具体的に、Au、Nd、Bi、Si、Mgなどが挙げられ、これらの材料とAgの合金とすることにより、Ag膜の耐久性が向上し、好ましい。
光反射層の形成方法としては、真空蒸着法、マグネトロンスパッタリング法、イオンプレーティング法、イオンアシスト法、プラズマアシスト法、物理的蒸着法(PVD)が挙げられる。
基材は、光反射体が要求される耐熱温度において使用可能であれば問題ないが、樹脂を基材として用いる場合には、熱可塑性樹脂として代表的な、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリフェニレンオキサイド(PPO)、熱可塑性ポリイミド(PI)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリカーボネイト(PC)、液晶ポリマー(LCP)、シンジオタクチックポリスチレン(SPS)、などが挙げられる。
また、熱硬化性樹脂としては、バルクモールディングコンパウンド(BMC)用材料として一般的に用いられている不飽和ポリエステル(UP)などが挙げられる。
いずれも耐熱性、強度、耐光性などの目的で、無機充填剤などの各種添加剤を添加することも可能である。また、同様の目的で、複数の熱可塑性樹脂をポリマーブレンド、又は相溶化剤を用いてブロック共重合させることも可能である。
また、基材を所定の形状に賦形する成形方法としては、一般的に樹脂成形で用いられる成形方法であれば何ら限定されるものではなく、射出成形、圧縮成形、真空成形、圧空成形などがある。
金属を基材として用いる場合には、一般的にはAl基合金、Mg基合金、Fe基合金などが挙げられ、成形方法としてはスピニング加工、プレス加工、ダイキャスト、チクソモールディングなど、材料と要求される光反射体の形状などを考慮して選択される。
ガラスを基材として用いる場合には、プレス加工やブロー加工などが代表的である。当然ながら、基材を成形後、表面に加工油、離型剤、成形時のガスの付着などがある場合は、物理的、又は化学的な方法により除去してもよい。
アンダーコート層、およびトップコート層はスプレー法などにより被対象物にコーティングした後、赤外線や熱風、紫外線や電子線などの照射により硬化させて形成することができる。
<実施例1>
図1は、実施例1による光反射体1を示す。Al(1050)材をスピニング成形により光反射体形状に加工した基材2を、アルカリ洗浄剤にて脱脂洗浄した後、重量平均分子量10,000、架橋度1.2のストレートシリコーン樹脂(商品名:SH−804、東レダウコーニング製)をスプレー塗布し、220℃で30分、焼付乾燥して膜厚15μmのアンダーコート層3を形成した。このアンダーコート層3を形成後、Ag(純度99.99%)をArガス雰囲気中でDCマグネトロンスパッタリングし、平均膜厚800Åの光反射層4を形成した。その後、重量平均分子量10,000、架橋度1.2のストレートシリコーン樹脂をスプレー塗布し、200℃で30分、焼付乾燥して膜厚15μmのトップコート層5を形成して光反射体1を得た。光反射体1の構成の詳細は、後述の表4に記載のとおりである。
<実施例2、3>
図2は、実施例2、3による光反射体1を示す。実施例2の光反射体1の構成は、アンダーコート層3にアミノシラン系硬化触媒(商品名:KBM−603、信越化学工業製)をストレートシリコーン樹脂に対する重量比で1.5wt%含み、かつトップコート層5にオクチル酸亜鉛系硬化触媒(商品名:オクチル酸亜鉛、大日本インキ化学工業製)をストレートシリコーン樹脂に対する重量比で0.5wt%含む点が実施例1と相違する。また、実施例3の光反射体1の構成は、アンダーコート層3にシリカ系充填剤(10.0μm)31をストレートシリコーン樹脂に対する重量比で3.0wt%含む点が実施例2と相違する。これら実施例2および3による光反射体1の構成の詳細は、後述の表4に記載のとおりである。
<比較例1〜3>
(1)比較例1は、上記の特許文献4に示される光反射体の構成である。(2)比較例2の光反射体1の構成は、アンダーコート層3およびトップコート層5に重量平均分子量1,500、架橋度1.2のストレートシリコーン樹脂(商品名:TSR−160、GE東芝シリコーン製)を塗布した点が、(3)比較例3の光反射体1の構成は、アンダーコート層3およびトップコート層5に重量平均分子量10,000、架橋度1.5のストレートシリコーン樹脂(商品名:TSR−108、GE東芝シリコーン製)を塗布した点が、それぞれ実施例1と相違する。
<比較例4〜10>
(4)比較例4の光反射体1の構成は、アンダーコート層3にアミノシラン系硬化触媒を含まない点が、(5)比較例5の光反射体1の構成は、アンダーコート層3にアミノシラン系硬化触媒をストレートシリコーン樹脂に対する重量比で2.0wt%含む点が、(6)比較例6の光反射体1の構成は、トップコート層5にオクチル酸亜鉛系硬化触媒を含まない点が、(7)比較例7の光反射体1の構成は、トップコート層5にオクチル酸亜鉛系硬化触媒をストレートシリコーン樹脂に対する重量比で0.7wt%含む点が、(8)比較例8の光反射体1は、アンダーコート層3の膜厚が8μmである点が、(9)比較例9の光反射体1は、トップコート層5の膜厚が8μmである点が、(10)比較例9の光反射体1は、光反射層の平均膜厚が600Åである点が、それぞれ実施例2と相違する。
<比較例11〜12>
(11)比較例11の光反射体1の構成は、トップコート層5にシリカ系充填剤(5.0μm)をストレートシリコーン樹脂に対する重量比で3.0wt%含む点が、(12)比較例11の光反射体1の構成は、アンダーコート層3にシリカ系充填剤(11.0μm)をストレートシリコーン樹脂に対する重量比で3.0wt%含む点が、それぞれ実施例3と相違する。上記の比較例1〜12による光反射体1の構成の詳細は、後述の表1〜3に記載のとおりである。
各実施例および比較例における塗料組成物について、重量平均分子量および架橋度の測定を行った。測定方法を以下に示す。
重量平均分子量(Mw/Mn)の測定は、GPC(Gel Permeation Chromatography)法により実施した。Mw/Mnを規定するため、移動相流量:1.2ml/min、カラム温度:常温Rt、試薬注入量:100μl、試料濃度:1wt%、溶媒:THFにて測定を行った。
架橋度の測定は、NMR分光計にて実施した。測定方法は重水素化溶媒で溶解させた試料をNMRサンプルチューブに入れ、NMR分光計で測定した。
各実施例および比較例について、初期外観、全光線反射率、耐熱性、耐光性、耐食性、耐ガスバリア性の試験を実施した。以下に試験方法を示す。
全光線反射率は、日立ハイテクノロジー製自記分光光度計U−4000を用いて555nmの全光線反射率を測定した。
耐熱試験は、160℃に保持した熱風循環槽中にサンプルを放置し、30日後、および450日後の外観変化を観察した。
耐光試験は、140℃雰囲気中で水銀灯を点灯させた状態でサンプルを放置し、30日後、および450日後の外観変化を観察した。
耐食性試験は、JIS規格Z2371塩水噴霧試験方法に準拠して、塩水噴霧試験(塩水濃度5%、8時間噴霧、16時間休止)を7サイクル実施した後、取り出して外観変化を観察した。
ガスバリア性試験は、硫化水素(HS)ガスを10ppm混入したデシケータ中にサンプルを24時間放置した後取り出し、外観変化を観察した。
上記による試験結果を表1乃至表4に示す。
Figure 0005096701
Figure 0005096701
Figure 0005096701
Figure 0005096701
上記各表において、初期外観の「○」は目視評価によりサンプル表面にクラックや剥離などが認められないことを示し、「×」は目視評価によりクラックや剥離などが明らかに認められることを示している。
耐熱性、耐光性、ガスバリア性の試験結果において、「○」は目視評価により変色、クラックなどが認められず、かつ555nmにおける全光線反射率の低下が5%未満であることを示し、「△」は目視評価により変色、クラックなどがわずかに認められる、又は555nmにおける全光線反射率の低下が5%以上10%未満であることを示し、「×」は目視評価により変色、クラックなどが明らかに認められる、又は555nmにおける全光線反射率の低下が10%以上であることを示している。
耐食性の試験結果において、「○」は剥離や腐食などが認められないことを示し、「△」は端面部に一部、剥離や腐食が認められることを示し、「×」は明らかに剥離や腐食が認められることを示している。
上記の各種試験結果から、本実施例1乃至3は、比較例1乃至12に比べて、耐熱性や耐光性に優れ、変色や亀裂を抑制する効果が得られることが分かる。
本発明の一実施形態による光反射体の断面図。 本発明の更に他の一実施形態による光反射体の断面図。
符号の説明
1 光反射体
2 基材
3 アンダーコート層
4 光反射層
5 トップコート層

Claims (7)

  1. 銀に対する塗膜基体成分としてストレートシリコーン樹脂を含有した銀被膜塗料組成物において、
    前記ストレートシリコーン樹脂成分は、重量平均分子量が3,000以上であり、かつシロキサン結合における架橋度として、ケイ素原子1個に結合している有機基の平均数が1〜1.4であり、前記ストレートシリコーン樹脂に対してオクチル酸亜鉛硬化触媒を重量比で0.1〜0.5wt%含有することを特徴とする銀被膜塗料組成物。
  2. 基材と、この基材の表面に形成されたアンダーコート層と、このアンダーコート層上にAg又はAg基合金から形成された光反射層と、この光反射層を覆うように形成されたトップコート層と、を備えた光反射体において、
    前記トップコート層が請求項1に記載の銀被膜塗料組成物で構成されたことを特徴とする光反射体
  3. 銀に対する塗膜基体成分としてストレートシリコーン樹脂を含有し、前記ストレートシリコーン樹脂成分は、重量平均分子量が3,000以上であり、かつシロキサン結合における架橋度として、ケイ素原子1個に結合している有機基の平均数が1〜1.4であり、前記ストレートシリコーン樹脂に対してアミノシラン系硬化触媒を重量比で0.1〜1.6wt%含有する銀被膜塗料組成物で前記アンダーコート層が構成されたことを特徴とする請求項2に記載の光反射体。
  4. 前記アンダーコート層、およびトップコート層の膜厚が、10μm以上であることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の光反射体。
  5. 前記光反射層の膜厚が、700Å以上であることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の光反射体。
  6. 前記アンダーコート層が、平均粒子径10μm以下のシリカ系充填剤を含有することを特徴とする請求項3に記載の光反射体。
  7. 光源部と、
    この光源部からの光を反射する、請求項2乃至請求項6のいずれか一項に記載の光反射体と、を備えたことを特徴とする照明器具
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