JP2013538279A - 高分子系の表面処理材料から成る自動車部品 - Google Patents

高分子系の表面処理材料から成る自動車部品 Download PDF

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Abstract

本発明は、1つ以上の高分子系材料を備える自動車部品に関し、該高分子系材料は、材料の表面外観を改善するために、イオン衝撃によって表面が処理される。また、本発明は、該部品の製造方法および該部品の使用方法、特に照明および/または信号機能の製造方法に関する。

Description

本発明は、材料の表面外観を改善できるようにする表面処理がなされる高分子系材料を備える自動車部品に関する。また、本発明は、この部品を得るためのプロセス、および、特に照明装置および/または信号装置の製造のためのこの部品の使用に関する。
高分子系材料の技術分野では、しばしば、これらの材料から形成される部品の機械的特性および/または表面外観の改善の方へ研究が向けられる。
自動車照明および/または信号装置の場合には、ベゼルあるいはトリムなどの特定の部品が本質的に審美的役割を果たす。他の部品、特に装着プレートやリフレクタは、機械的役割だけ、または、機械的役割および審美的役割の両方を果たし得る。
一例として、リフレクタの役割は、照明および/または信号装置により発せられる光ビームが正確な測光を満たすように1つ以上の光源により発せられる光を反射することである。ベゼルは、特にそれらがランプまたはライトの外側から見えるときには、ちょうどベースプレートおよび装着プレートのように、非常に一様で且つ経時的耐久性がある審美的外観、例えば光沢のあるあるいはサテン仕上げされた審美的外観を与えることができなければならない。
これらの部品は、それらの機能に関係なく、特定の特性、特に表面特性を、これが審美的理由のためであろうと、および/または良好な耐温度性もしくはライトおよび/またはランプにより発せられる光の反射を妨げないようにすることができる表面外観などの技術的理由のためであろうと、有する必要がある。
自動車照明および/または信号装置において重要な要素であるこれらの部品は、金属から形成されてもよく、または、高分子系材料、特に、熱硬化性高分子または熱可塑性高分子から形成されてもよく、該高分子系材料は、明るいという利点と、それらが射出成形技術により製造されるために得られる形状が自由であるという利点とを有する。
しかしながら、これらの高分子系材料から形成される部品の表面は、以下を含む多くのファクタにより変更されてもよい。
1.変形、ブリスタリング、亀裂、または、他の欠陥などの熱を原因とする表面欠陥。部品は、一般的に熱を解放する光源の存在に起因して比較的高い温度に直面し得る環境で使用される。良好な耐温度性は、高分子系材料から形成される部品の任意の変形(フロー)を防止できるようにする。また、これらの部品が、例えばアルミニウムタイプの反射金属層の堆積によって金属化されると、温度の上昇が、金属層の表面でブリスタリングを引き起こす材料の変形現象を生じさせる。
2.耐摩耗性。部品は、その輸送中およびその取り扱い中にその表面上に引っ掻き傷を形成するに至る僅かな摩擦または摩耗に晒されやすい。
3.脱ガス。高分子系材料のポイント2で言及された温度の上昇は、高い蒸気圧の分子(オリゴマー、添加剤など)の引き抜き現象を生じさせる場合もあり、これにより、材料の着色またはくすみなどの審美的欠陥が生じ、時として、望ましくない化学反応が引き起こされ、および/または、材料が気密媒体中にあるときには、揮発性化合物の目に見える凝縮物の形成が誘発される。
4.化学物質に対する耐性。高分子系材料は、水、酸素、亜酸化窒素、二酸化炭素、または、任意の他の酸化剤などの様々な化合物の存在下で、および、高分子中に存在して脱ガス中に高分子との反応に入ることができる特定の化合物の存在下でも、劣化し得る。
5.光沢。特定の用途においては、光沢のある表面を持つ材料を有することが有益である。しかしながら、時として、部品の表面の幾何学的形状または性状を変えることなく材料のこの特性を改善することを目的とする堆積物を生み出すのが難しいことが分かる。
したがって、本発明は、増大した架橋結合を有する表在厚さ、すなわち、表面厚さを備える本発明に係る高分子系材料に関する。本発明に係る高分子系材料は、特に、改善された表面外観を有する。
本出願において、用語「高分子」は、好ましくは23℃で100MPa(100メガパスカル)よりも大きいヤング率を有する高分子を意味するべく理解される。これらの高分子は特に有利な剛性を有する。また、これらの高分子は標準的なプロセスによって形成可能である。これらの高分子は、23℃で1000〜15000MPa、特に2000〜5000MPaのヤング率を有することが好ましい。
好ましくは、これらの高分子は、単独または混合物としての、熱可塑性高分子または熱硬化性高分子であり、特に、ポリカーボネート(PC)、高温ポリカーボネート(PC−HT)、ポリアミド(PA)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS)共重合体、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリプロピレン(PP)、不飽和ポリエステル(UP)、ポリエポキシド(EP)、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、ポリサルフォン(PSU)、ポリエーテルサルフォン(PES)、および、ポリフェニレンサルファイド(PPS)から成るグループから選択される高分子である。
好ましくは、高分子は、ポリカーボネート(PC)、高温ポリカーボネート(PC−HT)、ポリアミド(PA)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS)共重合体、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリプロピレン(PP)、不飽和ポリエステル(UP−BMC)、および、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)から成るグループから選択される。
より好ましくは、高分子は、ポリカーボネート(PC)、高温ポリカーボネート(PC−HT)、ポリアミド(PA)、ポリプロピレン(PP)、および、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)から成るグループから選択される。
「系」なる表現は、体積で少なくとも5%の高分子、好ましくは少なくとも15%、より好ましくは少なくとも20%の高分子を備える材料を意味する、と理解されたい。
「増大した架橋結合」なる表現は、材料の残りの部分に存在する高分子の架橋結合の度合いよりも大きい度合の架橋結合を意味するべく理解される。一般に、材料の残りの部分に存在する高分子の架橋結合の度合いは、高分子の標準的な重合状態下で得られる、すなわち、高分子の更なる特定の処理を伴わないで得られる架橋結合の度合いに対応する。
所定の組の高分子において、架橋結合の度合いDは、溶媒中の高分子の溶解度によって測定される。高分子は溶媒中に溶解できるため、架橋結合された部分は自体は溶けない。
高分子の表在厚さの質量だけを考慮することにより、
D=溶媒中に溶解できない処理済み高分子の重量/高分子の総重量
例えば、オイリアミド6,6(PA−6,6)の架橋結合の度合いは、以下のように測定されてもよい。
D=メタクレゾール中またはギ酸中に溶解できないPA−6,6の重量/PA−6,6の総重量
PMMAに関しては、架橋結合の度合いは、以下のように計算される。
D=酢酸エチル中に溶解できないPMMAの重量/PMMAの総重量
好適には、架橋結合の度合いは、材料の残りの部分に存在する高分子の架橋結合の度合いよりも10%、好ましくは50%、より好ましくは95%大きい。
材料の架橋結合は、DSC(示差走査熱量測定法)によって明示されてもよい。処理済み材料と未処理材料との比較は、材料の架橋結合の度合いの増大がガラス転移温度「Tg」(熱容量の吸熱変化)を消失させるという効果を有する、ことを明らかにする。そのような比較が、以下の実施例6に示される。
本発明に係る自動車部品は、高分子系材料の外面上における、材料の自由体積の割合が減少する厚さの存在によって特徴付けられてもよい。
自由体積は、高分子によって占められない材料の体積である。自由体積は、例えばSAXS(小角X線散乱)によって測定することができる。高分子の自由体積割合は、一般に0.6〜0.4である。他方では、本発明に係る材料において、本発明に係る部品の材料の表在厚さは、0.4未満、好ましくは0.2〜0.01の自由体積割合を有する。
本発明に係る自動車部品は、イオン衝撃によって高分子系材料の外面を処理するステップを備えるプロセスによって得られる。このイオン衝撃処理は、少なくとも1つのイオンビームを使用する処理であってもよい。
イオン衝撃による物体の処理を可能にする設備は、従来技術、特に仏国特許出願公開第2899242号明細書から既に知られている。
本発明の場合、イオン衝撃による高分子系材料の処理は、高分子鎖間に架橋を形成することにより高分子の三次元網目構造を材料の表面に形成できるようにし、また、他方で、材料中に存在する特定の低分子量の分子(オリゴマーまたは添加剤)をグラフト(graft)可能にする。好ましくは、イオン衝撃処理は、高分子の分子間の直接結合によって架橋結合を発生させられるようにする。したがって、表在厚さは、高分子の分子間の直接結合によって生じる増大した架橋結合を有する部品を構成する材料で得られる。
また、イオン衝撃処理は、本発明に係る自動車部品の表面を処理するために、該自動車部品の材料中にイオンを組み込めるようにしてもよい。この場合、イオン衝撃処理は、材料中に存在する特定の低分子量の分子(オリゴマーまたは添加剤)をグラフト可能にする。
イオン衝撃処理は、例えば仏国特許出願公開第2899242号明細書に記載されるようなイオン衝撃の手段、すなわち、イオン発生器を形成する手段と、イオンアプリケータを形成する手段とを備える装置を使用して行なわれる。
イオンアプリケータは、通常、例えば、イオンのビームを形成するための静電レンズ、ダイアフラム、シャッタ、コリメータ、イオンビーム分析器、および、イオンビームコントローラから選択される手段を備える。
イオン発生器は、通常、電離箱、電子サイクロトロン共鳴イオン源、イオン加速器、および、特定の場合には、イオンセパレータから選択される手段を備える。
イオン衝撃は、一般に真空下で行なわれる。例えば、仏国特許出願公開第2899242号明細書は、イオン衝撃手段(イオン発生器およびイオンアプリケータ)の全てと、さらに処理されるべき物体も真空チャンバ内に収容することを提案する。真空排気手段が、該チャンバに接続される。該真空排気手段は、例えば10−2mbar〜10−6mbar程度の比較的高い真空度をチャンバ内で得られるようにしなければならない。
好適には、イオン衝撃は、単独または混合物としての、ヘリウム、ネオン、クリプトン、アルゴン、キセノン、酸素、または、窒素などのガスから生じるイオンビームによって行なわれる。好ましくは、酸素および/または窒素、より好ましくは、ヘリウムおよび/または窒素が使用される。
イオン衝撃は、0.1〜100keV、好ましくは0.3〜30keV程度のエネルギーを材料へと伝える1mbar〜10−5mbar、好ましくは10−2mbar〜5×10−4mbarの圧力で行なわれるのが好ましい。
本発明に係る部品が向上された特性を有することが明らかになった。確かに、本発明に係る部品に関して、所定温度でのより良好な流れ抵抗と、より良好な化学物質耐性(酸化および湿気に対する耐性を含む)とが実証された。また、部品は、処理済みの表面上でより大きな光沢も有し(実施例1参照)、かつ、脱ガス現象に晒される可能性が少ない(実施例2参照)。また、材料の色を変えることもでき、あるいは、この処理により、アルミメッキまたは塗料層の堆積物などのコーティングの堆積を行なう必要なく、材料を反射性にすることもできる(以下の実施例1参照)。
これらの特性は、以下の2つの現象の組み合わせに起因して生じる。
− 存在する揮発性要素(離型剤、オリゴマー、抗酸化物質、UV安定剤、外部潤滑剤および内部潤滑剤、および、他の添加剤)のグラフト、ならびに、
− 材料から外部へのあるいは外部から材料への揮発性化合物の拡散を抑えるような高分子鎖の架橋結合による材料の表面での「バリア」の形成。
最後に、高分子系材料上に金属層などの反射層を堆積させることによって部品が金属化されると、イオン衝撃処理は、前述したブリスタリング現象を防止できるようにするとともに、反射表面上での虹色の形成を防止できるようにする。確かに、リフレクタ(またはベゼル)などの部品は、収色的に、すなわち、虹色効果または着色効果を伴うことなく、光を反射できなければならないが、これは、照明装置により発せられる光ビームの色が測光制限であるからであり、これは、調整力もあり、かつ、審美的でもある。
好適には、材料の残りの部分よりも高い度合の架橋結合または低い自由体積割合を有する厚さは、材料の外面を起点として、5μm未満、好ましくは2μm未満である。
また、本発明は、イオン衝撃によって高分子系材料の表面、特に外面を処理するためのプロセスにも及ぶ。イオン衝撃処理プロセスは、特に、耐温度性の特性、化学物質に対する耐性の特性、および、反射特性(反射率の変更)を向上させるのに効果的であり、および/または、高分子系材料と前記材料の外面上に堆積される反射層、好ましくは金属層とを備える自動車部品の虹色現象を減らすために、かつ、高分子系材料を備える自動車部品で起こり得る脱ガス現象を減らすために、高分子系材料を備える自動車部品の色を修正するのに効果的である。これらの特性の一部は、以下の実施例で明らかにされる。
脱ガス現象は、特に、イオン衝撃によって処理される高分子がポリアミド(以下の実施例2参照)またはポリプロピレン(以下の実施例5参照)であるときに減少するのが分かる。
反射特性は、特に、イオン衝撃によって処理される高分子がポリプロピレンまたはポリアミドであるときに向上するのが分かる(以下の実施例1参照)。
耐温度性に関して特に有利な結果は、イオン衝撃によって処理される高温ポリカーボネートを用いて得られる。また、これらの高温ポリカーボネートが金属層の堆積を利用して金属化されると、虹色およびブリスタリング現象の低減に関して大きな成果が得られる(以下の実施例4参照)。
金属化部品、すなわち、薄い金属層(例えば、200nm未満の厚さを有する)を高分子系部品上に堆積させることにより得られる部品を得るために、虹色およびブリスタリング現象の低減に関して得られる結果は、使用されるプロセスとは無関係に、イオン衝撃によって金属化層が材料上に、部品の処理前に堆積したかあるいは部品の処理後に堆積したかどうかにかかわらず、同一である(以下の実施例4参照)。金属化部品は例えばリフレクタであり、その場合、高分子には、アルミメッキ処理によって反射層がコーティングされる。
また、本発明は、高分子系材料を備える自動車部品を製造するためのプロセスにも及び、該プロセスは、
(1)高分子系材料を成形するステップと、
(2)材料の外面を反射層で少なくとも部分的に覆うステップと、
(3)イオン衝撃によって外面を処理するステップと、
を備えるか、
あるいは、ステップ(3)をステップ(2)の前に行ってもよい。
該プロセスのステップ(1)に係る高分子系材料の成形は、例えば射出成形、押出成形、または、熱成形などのプラスチック加工産業で知られる任意の手段によって行なわれてもよい。材料の外面は、随意的に、反射層による被覆前に、1つ以上の中間コーティングによって覆われてもよい。反射層は、アルミニウムの層などの金属層であることが好ましい。
また、本発明は、
− 高分子系材料を備える自動車部品を処理するためのプロセスであって、材料の外面のイオン衝撃のステップが行なわれるプロセス、
− 高分子系材料を備える自動車部品の耐温度性の特性および/または化学物質に対する耐性の特性を向上させるためのプロセスであって、材料の外面がイオン衝撃によって処理されるプロセス、
− 高分子系材料を備える自動車部品の反射特性を変えるためのプロセスであって、材料の外面がイオン衝撃によって処理されるプロセス、
− 高分子系材料を備える自動車部品で起こり得る脱ガス現象を減らすためのプロセスであって、材料の外面がイオン衝撃によって処理されるプロセス、
− 高分子系材料と前記材料の外面上の反射層とを備える自動車部品の虹色およびブリスタリング現象を減らすためのプロセスであって、材料の外面がイオン衝撃によって処理されるプロセス、
− 本発明に係る自動車部品を処理するプロセスであって、以下のステップ、すなわち、
i)高分子系材料、好ましくはPMMA、PC、または、高温PCの表面上に、特にPVDによって、層、特に金属層を堆積させるステップと、
ii)イオン衝撃によって材料を処理するステップであって、該イオン衝撃処理ステップが堆積ステップ後に行なわれる、ステップと、
を備えるプロセス、
にも及ぶ。
堆積ステップとイオン衝撃によって材料を処理するステップとを有するこのプロセスは、材料と堆積層との間の密着性が低下しないようにすることができ、イオンビーム処理は、材料と堆積層との間の架橋が形成される間に行なわれる。高分子系材料の特性変更および前述した利点が保たれる。これは、PMMA、PC、および、高温PCなどの高分子において特に有益である。なお、イオン衝撃処理のこのステップは、層、特に金属層を堆積させるステップの直後に行なう必要は無く、また、他の処理ステップによって、例えばワニスなどの保護層を堆積させるステップが先に行われてもよい。
該プロセスは、本発明に係る自動車部品が得られるようにするのが好ましい。
本発明に係る部品は、ランプベゼル、トリム、ベースプレート、装着プレート、および、リフレクタなどの自動車照明および/または信号装置の製造に特に適している。
本発明に係る部品は、自動車照明および/または信号装置、例えばリフレクタの部品であることが好ましい。例えば、自動車ランプまたは信号ライトのリフレクタである。このリフレクタは、LEDまたは白熱電球などの光源と関連付けられるようになっている。これは、例えばLED、ハロゲン電球、または、放電ランプと関連付けられるようになっているランプのリフレクタであってもよい。
本発明に係る部品は、自動車照明および/または信号装置、例えばベゼルのスタイル部品であってもよい。「スタイル部品」という表現は、少なくとも審美的機能を有する部品を対象としている。ベゼルは、配線、作動機構、および、取り付け手段などの照明および/または信号装置の一部分を隠すようになっている部品である。部品は、トリム、ベースプレート、および、装着プレートから選択されてもよい。
また、本発明は自動車部品にも及び、該部品は、審美的機能、光学的機能、化学的機能、電気的機能、熱的機能および/または機械的機能を有し、該部品は、高い熱応力に晒され、かつ、本発明に係る材料を備える。一例として、この部品は、ベゼル(審美的機能)、リフレクタ(光学的機能)、検出器(化学的機能)、電気絶縁体(電気的機能)、ラジエータ(熱的機能)、および/または、支持部品(機械的機能)であってもよい。
本発明の他の対象は、本発明に係る部品を備える、照明および/または信号機能をもたらすように構成された光モジュールである。
これは、例えば、1つの焦点から第2の焦点へと発せられる光線を集光するリフレクタを備えるモジュールなどの、光源の像を投影するためのモジュールであってもよく、前記リフレクタは、集光レンズなどの集光素子と関連付けられる。前記集光素子は、光線をより接近させるために、第2の焦点の前方に配置されるのが好ましい。例えば、これは、「楕円形」モジュールであってもよい(そのリフレクタは、楕円の表面にほぼ対応する表面を有する)。
本発明の他の対象は、本発明に係る自動車部品、または、本発明に係る光モジュール、特に「ヘッドライト」とも称されるランプまたは信号ライトを備える照明および/または信号装置である。
以下の実施例では、以下に与えられる図を参照して、本発明の他の特徴および利点について説明する。
色を表わせるようにするL表色系を示す図。 本発明にしたがって処理されるあるいは未処理のPMMAのサンプルの示差走査熱量測定解析から生じるサーモグラム。 本発明にしたがって処理されるあるいは未処理のPMMAの様々なサンプルのFTIRスペクトロスコピーにより得られる赤外線スペクトル。
実施例1:ポリアミド6,6の処理−色および反射率に対する影響
部品は、射出成形によって、または、任意の他の変換手段によって処理される。この部品は、イオン衝撃装置を備えるチャンバ内に挿入され、該チャンバ内には1〜10−4mbar、好ましくは10−3mbarの真空が形成される。
イオン衝撃パラメータは以下の通りである。
− ガス:ヘリウムまたは窒素(N
− 部品により受ける処理エネルギー:0.1〜30keV
− 作動圧力(P):5×10−4mbar<P<1×10−2mbar
処理後、部品に関して行なわれた測定は以下の通りである。
− 色:L表色系(CIE Lab表色系とも称される、International Commission on Illuminationにより1976年に開発された色の代表的なモデル)を使用して測定が行なわれる。該表色系は、色を表わす2つのクロミナンスパラメータと輝度パラメータとに対応する強度パラメータを用いて色を特徴付ける(図1参照)。
− 光沢:ISO2813にしたがった角度反射率計を用いて光沢測定が行なわれる。
結果:
Figure 2013538279
結論:
したがって、処理により、ポリアミド6,6の色(aおよびbの変化)、透明度(Lの変化)、および、光沢が変えられることが観察される。特に、光沢は、材料により受けるエネルギーの大きさに伴って増大するのが分かる。
実施例2:ポリアミド6,6の処理−脱ガスに対する影響
自動車ランプのベゼルが、以下の条件下で、実施例1で説明されたチャンバ内においてイオン衝撃により処理される。
プロセス1:各部品が約1kVを受けるように、平均エネルギーを有するヘリウムイオンを伴うビームによる単一処理。
プロセス2:第1のステップ中、各部品が約5kVを受けるように平均エネルギーを有するヘリウムイオンを伴うビームにより部品が処理される。第2のステップでは、40kHz(平均周波数、「MF」)で15〜50nmの厚さを有するポリシロキサンの第2の堆積物がDCまたはAC PECVD(プラズマ化学蒸着)によって加えられる前に、50〜100nmの厚さを有するアルミニウムの堆積物がPVD(物理蒸着)真空スパッタリングにより各部品に加えられる。
順次プロセス(金属化):40kHz(平均周波数、「MF」)で15〜50nmの厚さを有するポリシロキサンの第2の堆積物がDCまたはAC PECVD(プラズマ化学蒸着)によって加えられる前に、50〜100nmの厚さを有するアルミニウムの堆積物がPVD(物理蒸着)真空スパッタリングによって各部品に加えられる。イオン衝撃による処理はない。
脱ガス(「フォギング」とも称される)に関する測定が以下の方法にしたがって行なわれる。
検査されるべき材料の2mm厚シートを用い、該シートが、200℃の温度まで上昇できる熱源と対流によって接触する。このサンプル内に形成され得るガスを受けるために、スライドガラスがサンプルシートの上部に配置される。サンプル内に形成されるガスを凝縮するために、スライドガラスは、それ自体、70℃の温度でサーモスタッドにより制御される。
サンプルは、20時間にわたって、その抵抗とサンプルの構成材料が晒されやすい環境状態とに応じて決定される温度に晒される。これらの温度が以下の表に示されている。
その後、スライドガラスが回収され、このスライドガラスの透過率(%T)が550nmのUV可視分光法により測定されるが、基準値は、清浄な未使用のスライドガラスにより与えられる。透過率の値は、凝縮物の存在が低いとき、したがって、脱ガスが低いときに、より高い。
結果:
Figure 2013538279
結論:
したがって、イオン衝撃処理は脱ガスを減少させられるようにする。確かに、処理済み部品(1および2)は、未処理部品が処理済み部品よりも低い温度に晒された場合であっても、未処理部品(3および4)よりも良好な透過率、したがって、未処理部品よりも低い脱ガスを有する。
実施例3:ポリアミド6の処理
ポリアミド6(PA−6)から形成される部品が、実施例1で説明されたチャンバ内に挿入される。イオン衝撃パラメータは、以下の通りである。
− ガス:ヘリウム
− 部品により受けられる処理エネルギー:90keV
− 作動圧力:1×10−3mbar
− 処理時間:120秒
結果:
60℃での95%RH(相対湿度)における7日間にわたる吸湿後、吸収値は、処理済みPA−6においては重量で0.5%であるのに対し、未処理PA−6においては重量で6%である。ヤング率および線膨張の降下は、それぞれ、処理済みPA−6においては20%および0.5%であるのに対し、未処理PA−6においては80%および2%である。
脱ガスの出現に関する温度限界は、処理済みPA−6においては160℃であるのに対し、未処理PA−6においては110℃である。
線膨張係数(CLTE、「線熱膨張係数」)は、4×10−5/℃に対して、7×10−5/℃である。
最後に、処理済みPA−6は、引張強度が未処理PA−6に対して+10%向上する。
結論:
これらの結果は、イオン衝撃により処理されるポリアミド6が、特に耐湿性、応力耐性、および、耐温度性に関して、改善された機械特性および化学特性を有することを実証する。
実施例4:高温ポリカーボネートの処理
部品は、以下でBP−TMC−180として示される、ビスフェノールA(BPA)とビスフェノールトリメチルシクロヘキサノン(BPTMC)との混合物のコポリカーボネートから射出成形することにより生成される。
これらの部品に関して以下の2つのプロセスが行なわれる。
プロセスA:
ステップ1:部品により受けられる5keVのエネルギーを伴うヘリウムイオンのイオン衝撃による処理。
ステップ2:120秒にわたる5×10−2〜10−1mbarの空気圧を伴うグロー放電。
ステップ3:70〜100nmの厚さを有するアルミニウム層のPVDによる堆積。
ステップ4:ヘキサメチルジシロキサン(HMDSO)などの前駆物質からの35nmの平均厚さを有するポリシロキサン層のDCまたはAC PECVDによる堆積。
行なわれなかったステップ1を除いて、プロセスAと同一のプロセスAを用いて制御部品T1も生成される。
プロセスB:
ステップ1:120秒にわたる8×10−2mbarの空気圧を伴うグロー放電。
ステップ2:70〜100nmの厚さを有するアルミニウム層のPVDによる堆積。
ステップ3:HMDSOなどの前駆物質からの45nmの平均厚さを有するポリシロキサン層のDCまたはAC PECVDによる堆積。
ステップ4:部品により受けられる10keVのエネルギーを伴う窒素イオンのイオン衝撃による処理。
行なわれなかったステップ4を除いてプロセスBと同一のプロセスBを用いて制御部品T2も生成される。
結果:
Figure 2013538279
結論:
結果は、部品が金属化されると、高温ポリカーボネート材料に関して行なわれるイオン衝撃が、ブリスタリング現象および虹色の出現を制限できるようにすることを実証する。また、プロセスの様々なステップが行なわれる順序に関わらず、処理済みポリカーボネートに関しても結果が同様であることも分かる。
実施例5:ポリプロピレン共重合体の処理
ポリプロピレン共重合体から成る部品が、以下の条件下で、実施例1で説明されたチャンバ内においてイオン衝撃により処理される。
− 5keVのエネルギーを伴う窒素イオンのビームによる処理。
実施例2の場合と同様に脱ガスに関する測定が行なわれる。
結果:
− 未処理部品:%T=110℃の温度において90%
− 処理済み部品:%T=130℃の温度において90%
結論:
これらの結果は、ポリプロピレン部品が処理されると、それが脱ガス現象に殆ど影響しないことを実証する。
実施例6:イオン衝撃により処理される層の特徴付け−PMMAに関する例
イオン衝撃により処理される層を特徴付けるために、示差走査熱量測定(DSC)およびフーリエ変換赤外分光(FTIR)による解析が行なわれる。
幾つかの部品が、比較目的で調査され、そしてサンプルが取得される。
基準サンプルが未処理PMMAから形成される。
サンプルが以下のように基準付けられる。
Figure 2013538279
DSCによる解析:
サンプルNo.2〜4は、アクリル酸エチル(熱可塑性PMMAの真の溶媒)中で抽出により生成される。不溶性部分(堆積物)の存在がサンプル2〜4で認められる。この不溶性部分は、乾燥させられた後、乾燥させられて同様に解析された基準サンプルの可溶性部分とDSCにより比較解析される。DSC解析から生じるサーモグラムが図2に示される。
ガラス転移温度(T)がサンプル2〜4で消失したことが分かる。また、不溶性部分のいずれも、DSC解析の終わりに溶融しないことが観察された(カプセルの内容物の観察)。
FTIR分光法による解析
サンプル2,3,5をFTIR(フーリエ変換赤外分光)により解析した。この解析から生じる赤外線スペクトルが図3に与えられる。イオン衝撃処理は、材料の化学的性質の根本的変化を生じさせないことに気付く。検査された3つのサンプルに関して、PMMAであることが明確である。一方、CHの特定のピークの消失(図中に点線円で囲まれる)およびOH結合の特徴的なピークの出現(図中に矢印により示される)が観察されるが、これは、高分子の鎖間の(C−O−C)架橋の形成を示している。
実施例7:イオン衝撃により処理される層の密着性に対する影響の実証−PMMAに関する例
イオンビームにより処理されるPMMAの層の表面の密着性に対する影響を決定するために検査を行った。検査された各サンプルは、ヘリウム(He)から生じるイオンのビームに晒された。受けられたイオンの線量はサンプルごとに異なった。
これらのサンプルの処理された層の密着性は、対応するサンプルの処理された層の表面エネルギーの極性成分を測定することによって評価された。表面エネルギーは、具体的には、分散成分と極性成分とを含み、また、この極性成分こそが、前記表面の密着性に関連付けられる。この極性成分が高ければ高いほど、密着性が良好である。
表面エネルギーの極性成分は、ジスマンタイプ法によって計算された。処理された表面上に堆積される一定の溶媒がこの表面と成す角度が測定される。既知の表面エネルギーの3つの異なる溶媒に関して測定を行なうことにより、処理された層の表面エネルギー、ならびにその極性成分および分散成分もうまく測定される。
以下の表は、様々なサンプルに関して得られる結果を与える。
Figure 2013538279
これらの様々な処理済みサンプル(サンプルNo.1〜4)および未処理サンプル(No.5)の表面エネルギーの極性成分を考慮することにより、処理済みサンプルNo.3によって最良の密着性が得られるのが分かる。しかしながら、この密着性は、サンプルNo.5、すなわち、処理を何ら伴わない制御サンプルの密着性に非常に近い。他の全てのサンプルに関しては、極性成分、したがって密着性が大きく減少する。サンプル3により受けられる線量からの偏りが大きければ大きいほど、この密着性が悪化する。
これらの結果は、イオンビーム処理が、せいぜい、正確なパラメータに関して、処理済み層の密着性に影響を及ぼさないことを示す。大部分の線量に関しては、イオンビーム処理が密着性を低下させる。
したがって、PMMA、PC、および、高温PCなどの密着性が既に低い高分子に関しては、処理済み高分子系材料の表面を金属化することが困難であるということになる。そのため、そのような材料に関しては、材料を金属化して該材料をイオンビームで処理することが望ましい場合、イオンビーム処理を行なう前に高分子系材料上に金属層を堆積させることが有益である。
例えば、実施例4を考慮すると、プロセスA,Bの両方がブリスタリング現象および虹色の出現を制限できるようにする場合であっても、部品の金属化のステップを容易にするために、プロセスBを選択することが好ましい場合がある。

Claims (19)

  1. 高分子系材料を備え、該高分子系材料は、増大した架橋結合を有する表在厚さを有する、自動車部品。
  2. 材料の自由体積の割合が減少する表在厚さを有する、請求項1に記載の自動車部品。
  3. a.イオン衝撃によって前記部品の材料の表面を処理する、
    ステップを備えるプロセスによって得られる、請求項1に記載の自動車部品。
  4. 前記厚さは、材料の1つの表面を起点として5μm未満である、請求項1から3のいずれかに記載の自動車部品。
  5. 前記高分子は、ポリカーボネート(PC)、高温ポリカーボネート(PC−HT)、ポリアミド(PA)、ポリプロピレン(PP)、および、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)を含むグループから選択される、請求項1から4のいずれかに記載の自動車部品。
  6. 前記材料の外面上に反射層も備える、請求項1から5のいずれかに記載の自動車部品。
  7. 前記部品が照明および/または信号装置の部品である、請求項1から6のいずれかに記載の自動車部品。
  8. 前記部品がリフレクタである、請求項7に記載の自動車部品。
  9. 前記部品がベゼルなどのスタイル部品である、請求項7に記載の自動車部品。
  10. 前記高分子は、23℃で、100MPa(100メガパスカル)よりも大きいヤング率を有する、請求項1から9のいずれかに記載の自動車部品。
  11. 高分子系材料を備える自動車部品を処理するプロセスであって、前記材料の外面へのイオン衝撃のステップが行なわれるプロセス。
  12. 高分子系材料を備える自動車部品の耐温度性の特性および/または化学物質に対する耐性の特性を向上させる、請求項11に記載のプロセス。
  13. 高分子系材料を備える自動車部品の反射特性を変える、請求項11に記載のプロセス。
  14. 高分子系材料を備える自動車部品で起こり得る脱ガス現象を減らす、請求項11に記載のプロセス。
  15. 高分子系材料と前記材料の外面上の反射層とを備える自動車部品の虹色およびブリスタリング現象を減らす、請求項11に記載のプロセス。
  16. 前記プロセスは、以下のステップ、すなわち、
    − 高分子系材料の表面上に、特にPVDによって、層、特に金属層を堆積させるステップと、
    − イオン衝撃によって材料を処理するステップであって、該イオン衝撃処理ステップが前記堆積ステップ後に行なわれる、ステップと、
    を備える、請求項11から15のいずれかに記載のプロセス。
  17. 請求項11から16のいずれかに記載のプロセスによって得られることを特徴とする、請求項1から10のいずれかに記載の自動車部品。
  18. 請求項1から10のいずれかまたは請求項17に記載の部品を備える、照明および/または信号機能をもたらすように構成される光モジュール。
  19. 請求項1から10、17のいずれかに記載の自動車部品および/または請求項18に記載の光モジュールを備える、照明および/または信号装置。
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