JP2007121461A - 耐熱性を有する反射部材とこれを有する照明器具 - Google Patents

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哲 山内
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Abstract

【課題】260℃付近の使用状況において紫外線による劣化や、基材や大気中からの亜硫酸ガスや臭素系ガスによる化学的な劣化を抑制することができる耐熱性を有する反射部材とこれを有する照明器具を提供する。
【解決手段】基材4の表面に金属層6が形成され、その金属層6の表面に無機系の保護層7が形成されてなる耐熱性を有する反射部材1であって、金属層6が、銀又は銀合金であり、保護層7が、窒化ケイ素及び二酸化ケイ素の少なくとも1種の無機物の層である。
【選択図】図1

Description

本発明は、基材の表面に金属層が形成され、その金属層の表面に無機系の保護層が形成されてなる耐熱性を有する反射部材及びこれを有する照明器具に関するものである。
従来から、基材の表面に金属層が形成され、その金属層の表面に無機系の保護層が形成されてなる耐熱性を有する反射部材及びこれを有する照明器具として特開2001−13309号公報(特許文献1)に記載されている技術が知られている。
これは、金属層が、銀又は銀合金であり、保護層が、酸化マグネシウム、窒化アルミニウム、アルミン酸マグネシウム、窒化酸化アルミニウム及びイットリウム・アルミニウム・ガーネットからなる群の中から選ばれた少なくとも1種の無機物の層であり、さらにその上にオーバーコート層として、二酸化ケイ素又はDLC(Diamond Like Carbon)が形成されてなることを特徴とするものであり、汎用の照明器具に用いた場合にも、金属層が変色しにくく、反射率が優れた反射鏡を提供するものである。
特開2001−13309号公報
しかしながら、保護層が、酸化マグネシウム、窒化アルミニウム、アルミン酸マグネシウム、窒化酸化アルミニウム及びイットリウム・アルミニウム・ガーネットからなる群の中から選ばれた少なくとも1種の無機物の層であり、さらにその上にオーバーコート層として、二酸化ケイ素又はDLCが形成されてなる場合には、最近のダウンライトの主流である深型化、小型化等に起因する暴露温度である260℃付近の使用状況において、紫外線による劣化や、基材や大気中からの亜硫酸ガスや臭素系ガスによる化学的な劣化が生じる可能性がある。
本願発明は、上記背景技術に鑑みてなされたものであり、その課題は、260℃付近の使用状況において紫外線による劣化や、基材や大気中からの亜硫酸ガスや臭素系ガスによる化学的な劣化を抑制することができる耐熱性を有する反射部材とこれを有する照明器具を提供することである。
上記課題を解決するために、請求項1に記載された発明は、基材の表面に金属層が形成され、その金属層の表面に無機系の保護層が形成されてなる耐熱性を有する反射部材であって、金属層が、銀又は銀合金であり、保護層が、窒化ケイ素及び二酸化ケイ素の少なくとも1種の無機物の層であることを特徴とする反射部材である。
また請求項2に記載された発明は、請求項1に記載された発明であって、保護層の表面に、さらにSi基を有するプラズマ重合膜が形成されてなることを特徴とする。
また請求項3に記載された発明は、基材の表面に金属層が形成され、その金属層の表面に無機系の保護層が形成され、その保護層の表面にSi基を有するプラズマ重合膜が形成されてなる耐熱性を有する反射部材であって、金属層が、銀又は銀合金であり、保護層が、アルミン酸マグネシウムであることを特徴とする反射部材である。
また請求項4に記載された発明は、請求項1から3のいずれかに記載された発明であって、基材と金属層との中間に熱硬化性樹脂組成物又は無機酸化物を含むアンダーコート層が形成されてなることを特徴とする。
さらに請求項5に記載された発明は、請求項1から4に記載の反射部材を有する照明器具である。
請求項1に記載された発明によれば、保護層として、窒化ケイ素及び二酸化ケイ素の少なくとも1種の無機物の層を設けたので、260℃付近の使用状況において紫外線による劣化や、基材や大気中からの亜硫酸ガスや臭素系ガスによる化学的な劣化を抑制することができる。
請求項2に記載された発明によれば、保護層の表面に、さらにSi基を有するプラズマ重合膜が形成されてなるので、特に大気中からの亜硫酸ガスや臭素系ガスによる化学的な劣化を抑制し、耐熱性及び耐食性を一層向上させることができる。
請求項3に記載された発明によれば、保護層としてアルミン酸マグネシウムの層を設け、その保護層の表面にSi基を有するプラズマ重合膜が形成されてなるので、コストを抑制しつつ、260℃付近の使用状況において紫外線による劣化や、基材や大気中からの亜硫酸ガスや臭素系ガスによる化学的な劣化を抑制することができる。
請求項4に記載された発明によれば、基材と金属層との中間に熱硬化性樹脂組成物又は無機酸化物を含むアンダーコート層が形成されてなるので、特に基材が樹脂である場合に、樹脂自体や添加成分が熱分解することによる亜硫酸ガスや臭素系ガスによる化学的な劣化を抑制することができる。
請求項5に記載された発明によれば、反射部材が請求項1から4に記載のものであるので、対紫外線性や対ガス性が高く、反射率の大きい照明器具を得ることができる。
本願発明の第一実施形態として、本願の請求項1、2、4及び5に対応した反射部材1及びこれを有する照明器具2について、図1に基づいて、説明する。
本第一実施形態の反射部材1及びこれを有する照明器具2は、図1に示す如く、基材4の表面に金属層6が形成され、その金属層6の表面に無機系の保護層7が形成されてなる耐熱性を有する反射部材1であって、金属層6が、銀又は銀合金であり、保護層7が、窒化ケイ素及び二酸化ケイ素の少なくとも1種の無機物の層である。
また、保護層7の表面に、さらにSi基を有するプラズマ重合膜8が形成されてなる。
また、基材4と金属層6との中間に熱硬化性樹脂組成物又は無機酸化物を含むアンダーコート層5が形成されてなる。
さらにかかる反射部材1を有する照明器具2である。
以下、本第一実施形態による反射部材1及びこれを有する照明器具2を、より具体的詳細に説明する。
最初に、基材4であるが、光源3から発生する熱に耐え、光軸の変化を起こしにくい材料を用いて、所定の配光が得られるような形状に形成されたものであり、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、鉄、鉄合金、ステンレス等の金属板を用いて、プレス成形、ヘラ絞り成形等により形成したものや、アルミ合金やマグネシウム合金のダイカスト品やチクソモールディング品、ガラスをプレス成形したものや、ポリエーテルイミド樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリエーテルサルフォン樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ナイロン樹脂等の熱可塑性樹脂組成物、エポキシ樹脂、ポリイミド、不飽和ポリエステル樹脂、メラミン樹脂等の熱硬化性樹脂組成物を、射出成形や圧縮成形、真空成形などの熱成形等により成形したものや、セラミックを焼成したもの等が挙げられる。
アンダーコート層5は、光源3から発生する熱に耐える無機物等を用いて、基材4の表面に形成した層である。すなわち、基材4と金属層6との間にアンダーコート層5が介在するようにして形成されているものである。
なお、このアンダーコート層5は、必ず形成することに限定するものではないが、アンダーコート層5を形成すると、基材4の表面に凹凸を有する場合であっても、アンダーコート層5の表面は平滑性の良好な面となるため、基材4の表面形状に影響されずに反射率が優れた反射部材1を形成することが可能となると共に、金属層6との密着性が高くなり好ましい。
アンダーコート層5の厚みとしては、基材4の表面の凹凸を吸収し、かつ、金属層6との密着性を高めることが可能な厚みであれば特に限定するものではないが、0.5〜20μm程度が好ましい。なお、基材4が、ガラス板のように、表面の凹凸が小さく、かつ、内部から水分や未反応の樹脂、樹脂組成物に含まれる添加剤等が流出、または揮発しないものである場合には、アンダーコート層5は形成しなくても良い。
なお、アンダーコート層5を、二酸化ケイ素、DLC、フッ化マグネシウム、二酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、窒化チタン、酸化イットリウム、アルミン酸マグネシウム、窒化酸化アルミニウム及びイットリウム・アルミニウム・ガーネットからなる群の中から選ばれた少なくとも1種の無機物で形成した場合、これらは特に基材4との密着性及び濡れ性が優れた無機物であるため、鏡面性と密着性に優れた金属層6を、アンダーコート層5の表面に形成することができ好ましい。
また、アンダーコート層5が、マグネシウム元素、アルミニウム元素を含む酸化物または窒化物の一方もしくは両者を含有するものであると、鏡面性と密着性に優れた金属層6を、アンダーコート層5の表面により一層確実に形成することができる点で好ましいものとなる。
そして、アンダーコート層5の組成を基材4側付近と金属層6側付近とで変えていると、鏡面性と密着性に優れた金属層6を、アンダーコート層5の表面により一層確実に形成することができる点で好ましいものとなる。
このアンダーコート層5の形成方法しては、特に限定するものではなく、蒸着法やスパッタリング法、CVD法(化学的蒸着法)等が挙げられる。上記DLCの層を形成する具体的方法としては、例えば、基材4を真空槽中に配置した後、その真空槽中にメタン、エタン、アセチレン、メタノール等の炭化水素基を有する原料ガスと、水素、酸素等のキャリアガスとを供給し、プラズマCVD法等により、DLCの層を形成する。
なお、光源3から発生する熱に耐えるものであれば、エポキシ樹脂系、エポキシメラミンアクリル樹脂系、シリコン変性アクリル樹脂系、シリコンアルキッド樹脂系等の熱硬化性樹脂を用いて、スプレー法、浸漬法、静電塗装法等により、アンダーコート層5を形成しても良い。
また、金属板を用いて製造された基材4の表面にアンダーコート層5を形成する場合には、基材4の表面を羽布研磨し、次いで化学研磨や電解研磨等を行った後、アンダーコート層5を形成すると、基材4とアンダーコート層5との密着性が高まり好ましい。
金属層6は、銀又は銀合金を用いて、所定の光学特性が得られるように形成したものである。この銀合金としては、銀マグネシウム、銀パラジウム、銀白金、銀ロジウム、銀ネオジウム、銀ネオジウム金、銀ビスマス、銀インジウム、銀インジウムガリウム等の合金が挙げられる。これらは変色しにくく、反射率が優れる効果が大きいことから好ましい。
また、この金属層6の形成方法としては、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等が挙げられる。
この金属層6の厚みとしては、所定の光学特性が得られる厚みであれば特に限定するものではないが、100〜300nm、より好ましくは150〜250nm程度が好ましい。100nm未満の場合、充分な反射特性が得られない場合があり、300nmを越える場合、金属層6の表面が白濁し、反射率が低下する場合がある。
保護層7は、窒化ケイ素及び二酸化ケイ素の少なくとも1種の無機物である。Si基を有するプラズマ重合膜8は、この保護層7を介して、金属層6の表面に形成されている。
窒化ケイ素及び二酸化ケイ素の少なくとも1種の無機物は、プラズマによる金属層6の変色を防止することが可能な無機物であると共に、透明性を有する無機物であるため、金属層6の表面に保護層7を形成して覆った場合、Si基を有するプラズマ重合膜8を形成する際に行うプラズマによる金属層6の変色を防いで高い反射率を維持することができ、金属層6が変色しにくく、反射率が優れた反射鏡となる。
これは後述する実験結果からも分かるように、保護層として窒化ケイ素及び二酸化ケイ素の少なくとも1種の無機物を採用すると、特許文献1に記載されている酸化マグネシウム、窒化アルミニウム、アルミン酸マグネシウム、窒化酸化アルミニウム及びイットリウム・アルミニウム・ガーネットからなる群の中から選ばれた少なくとも1種の無機物を採用した場合よりも高い安定性を示すことが確認されている。
この保護層7の厚みとしては、Si基を有するプラズマ重合膜8や金属層6との密着性及び層の透明性等により、1〜300nm程度が好ましく、また、この保護層7の形成方法としては、真空蒸着法、電子銃蒸着法(ED蒸着法)等が挙げられる。
Si基を有するプラズマ重合膜8は、光源2から発生する熱に耐える無機物を用いて、保護層7の表面に形成した層であり、その厚みとしては、0.5〜3μm程度が好ましい。
Si基を有するプラズマ重合膜8をCVD法で形成する際のソースガスは、HMDS(ヘキサメチルジシラザン、HexaMethylDiSilazan)、TEOS(テトラエトキシシラン、Tetra Ethyl OrthoSilicate)、TMS(トリメトキシシラン、Trimethoxysilane)など、プラズマ重合によりSi基を有する薄膜が形成できるもの挙げられる。これらは特に耐熱性や透明性が優れているため、特に反射率が優れた反射鏡となり好ましい。
このSi基を有するプラズマ重合膜8の形成方法しては、高密度プラズマCVD法が挙げられる。
続いて、本願発明の第二実施形態として、本願の請求項3、4及び5に対応した反射部材1及びこれを有する照明器具2について、図1に基づいて、説明する。
本第二実施形態の反射部材及びこれを有する照明器具は、図1に示す如く、基材4の表面に金属層6が形成され、その金属層6の表面に無機系の保護層7が形成され、その保護層7の表面にSi基を有するプラズマ重合膜8が形成されてなる耐熱性を有する反射部材であって、金属層6が、銀又は銀合金であり、保護層7が、アルミン酸マグネシウムである。
また、基材4と金属層6との中間に熱硬化性樹脂組成物又は無機酸化物を含むアンダーコート層5が形成されてなる。
さらにかかる反射部材1を有する照明器具2である。
本第二実施形態による反射部材1及びこれを有する照明器具2が、第一実施形態と相違するのは保護層7がアルミン酸マグネシウムであり、その表面にSi基を有するプラズマ重合膜8が形成されていることであるが、これも後述する実験結果からも分かるように、この層構成を採用すると、特許文献1に記載されている酸化マグネシウム、窒化アルミニウム、アルミン酸マグネシウム、窒化酸化アルミニウム及びイットリウム・アルミニウム・ガーネットからなる群の中から選ばれた少なくとも1種の無機物を採用した場合よりも高い安定性を示すことが確認されている。
以下、本発明の実施例および比較例を詳しく説明する。
(実施例1、2)
アルミニウム合金(JIS-1050)板をパラボラ状に絞り加工して形成した基材4の表面に、スパッタリング法により純度99.99%の銀の金属層6を150nm形成した。
次いで、その金属層6の表面に、真空蒸着法により、保護層7として窒化ケイ素又は二酸化ケイ素の層を100nm形成した。
(実施例3、4)
実施例1、2の手続に次いで、さらにその表面に高密度プラズマCVD法によりSi基を有するプラズマ重合膜8としてHMDSのプラズマ重合膜を100nm形成して反射部材1を得た。
(実施例5)
アルミニウム合金(JIS-1050)板をパラボラ状に絞り加工して形成した基材4の表面に、スパッタリング法により純度99.99%の銀の金属層6を150nm形成した。次いで、その金属層6の表面に、保護層7として、真空蒸着法によりアルミン酸マグネシウムの層を100nm形成し、さらにその表面に高密度プラズマCVD法によりSi基を有するプラズマ重合膜8としてHMDSのプラズマ重合膜を100nm形成して反射部材1を得た。
(実施例6、7、10)
アルミニウム合金(JIS-1050)板をパラボラ状に絞り加工して形成した基材4の表面に、アンダーコート層5として、シリコン変性アクリル樹脂組成物[久保孝ペイント製]を用いてスプレー塗装した後、260℃で45分加熱して、厚み7μmの層
を形成した。その後、実施例1、2、5と同様の手続により反射部材1を得た。
(実施例8、9、11)
アルミニウム合金(JIS-1050)板をパラボラ状に絞り加工して形成した基材4の表面に、アンダーコート層5として、真空蒸着法により窒化ケイ素又は二酸化ケイ素の層を100nm形成した。その後、実施例1、2、5と同様の手続により反射部材1を得た。
(比較例1、2、3)
アルミニウム合金(JIS-1050)板をパラボラ状に絞り加工して形成した基材4の表面に、スパッタリング法により純度99.99%の銀の金属層6を150nm形成した。次いで、その金属層6の表面に、保護層7として、真空蒸着法によりフッ化マグネシウム、酸化アルミニウム又は酸化マグネシウムの層を100nm形成した。
(比較例4、6)
アルミニウム合金(JIS-1050)板をパラボラ状に絞り加工して形成した基材4の表面に、シリコン変性アクリル樹脂組成物[久保孝ペイント製]を用いてスプレー塗装した後、260℃で45分加熱して、厚み7μmのアンダーコート層5を形成した。その後、比較例1、3と同様の手続を経て、さらにSi基を有するプラズマ重合膜8として、プラズマCVD法により、二酸化ケイ素の層を1.3μm形成した。
(比較例5)
アルミニウム合金(JIS-1050)板をパラボラ状に絞り加工して形成した基材4の表面に、DLCの層を高密度プラズマCVD法により1μmのアンダーコート層5を形成した。その後、比較例2と同様の手続を経て、さらにSi基を有するプラズマ重合膜8として、DLCの層を高密度プラズマCVD法により1μm形成した。
(評価、結果)
各実施例及び各比較例で得られた反射鏡の、金属層の変色性及び反射率の評価として、耐硫化水素性試験と耐湿性試験と耐熱性試験、耐光性試験、耐食性試験を行った。
耐硫化水素性試験は、波長555nmの反射率を自記分光光度計(日立製作所社製、商品名U−4000)を用いて測定して、初期状態の反射率を求めた後、硫化水素ガス濃度が20ppm、温度が25℃に調整されたデシケーター中に反射鏡を24時間放置し、次いで取り出した後、波長555nmの反射率を同様に測定した。そして、初期状態の反射率に対する処理後の反射率の低下比率を求め、その低下が3%未満であり、変色が認められなかった場合を◎、反射率の低下が3%を越え10%未満であり、変色が若干認められた場合を○、反射率の低下が10%を越え20%未満であり、変色が認められた場合を△、反射率の低下が20%を越え、変色が著しい場合を×とした。
耐湿性試験は、耐硫化水素性試験と同様にして初期状態の反射率を求めた後、MIL規格STD 202Dに準拠して、106℃で24時間サイクル試験を7サイクル行い、次いで、耐硫化水素性試験の場合と同様に波長555nmの反射率を測定して、◎、○、△、×の判定を行った。
耐熱性試験は、耐硫化水素性試験と同様にして初期状態の反射率を求めた後、温度が270℃に調整された恒温槽に反射鏡を30日放置し、次いで、耐硫化水素性試験の場合と同様に波長555nmの反射率を測定して、◎、○、△、×の判定を行った。
耐光性は、耐硫化水素性試験と同様にして初期状態の反射率を求めた後、270℃に調整され、かつ恒温槽内に設置された水銀灯を用いて反射鏡に光が照射される耐光試験機内に反射鏡を30日間放置し、次いで、耐硫化水素性試験の場合と同様に波長555nmの反射率を測定して、◎、○、△、×の判定を行った。
耐食性は、反射鏡をJIS Z 2371に準拠して暴露時間168時間にて実施した。試験が終了した後、反射鏡を水洗浄/乾燥して目視にて観察し、反射鏡処理面が初期と全く変化していないものを◎、φ2mm以下のピンホールが1個観察されるものを○、φ2mm以下のピンホールが複数個観察されるものを△、オーバーコート層や保護層、金属層などの剥離が観察されるものを×とした。
その結果を表1に示す。
Figure 2007121461
以上に示すごとく、実施例1、2と比較例1〜6の結果から明らかなように、本実施形態によれば、保護層として、窒化ケイ素及び二酸化ケイ素の少なくとも1種の無機物の層を設けたので、260℃付近の使用状況において紫外線による劣化や、基材や大気中からの亜硫酸ガスや臭素系ガスによる化学的な劣化を抑制することができる。
また、実施例3、4と比較例1〜6の結果から明らかなように、本実施形態によれば、保護層の表面に、さらにSi基を有するプラズマ重合膜が形成されてなるので、特に大気中からの亜硫酸ガスや臭素系ガスによる化学的な劣化を抑制し、耐熱性及び耐食性を一層向上させることができる。
また、実施例5と比較例1〜6の結果から明らかなように、本実施形態によれば、保護層としてアルミン酸マグネシウムの層を設け、その保護層の表面にSi基を有するプラズマ重合膜が形成されてなるので、コストを抑制しつつ、260℃付近の使用状況において紫外線による劣化や、基材や大気中からの亜硫酸ガスや臭素系ガスによる化学的な劣化を抑制することができる。
また、実施例6〜11と比較例1〜6の結果から明らかなように、本実施形態によれば、基材と金属層との中間に熱硬化性樹脂組成物又は無機酸化物を含むアンダーコート層が形成されてなるので、特に基材が樹脂である場合に、樹脂自体や添加成分が熱分解することによる亜硫酸ガスや臭素系ガスによる化学的な劣化を抑制することができる。
そして、実施例1〜11と比較例1〜6の結果から明らかなように、本実施形態によれば、反射部材が請求項1から4に記載のものであるので、対紫外線性や対ガス性が高く、反射率の大きい照明器具を得ることができる。
本願発明の第一実施形態における照明器具の断面図
符号の説明
1 反射部材
2 照明器具
4 基材
5 アンダーコート層
6 金属層
7 保護層
8 Si基を有するプラズマ重合膜

Claims (5)

  1. 基材の表面に金属層が形成され、その金属層の表面に無機系の保護層が形成されてなる耐熱性を有する反射部材であって、金属層が、銀又は銀合金であり、保護層が、窒化ケイ素及び二酸化ケイ素の少なくとも1種の無機物の層であることを特徴とする反射部材。
  2. 保護層の表面に、さらにSi基を有するプラズマ重合膜が形成されてなることを特徴とする請求項1に記載の反射部材
  3. 基材の表面に金属層が形成され、その金属層の表面に無機系の保護層が形成され、その保護層の表面にSi基を有するプラズマ重合膜が形成されてなる耐熱性を有する反射部材であって、金属層が、銀又は銀合金であり、保護層が、アルミン酸マグネシウムであることを特徴とする反射部材。
  4. 基材と金属層との中間に熱硬化性樹脂組成物又は無機酸化物を含むアンダーコート層が形成されてなることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の反射部材。
  5. 請求項1から4のいずれかに記載の反射部材を有する照明器具。
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