JP2011090206A - 反射鏡及びそれを用いた照明器具 - Google Patents

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Abstract

【課題】可視光域の反射率が高く、耐熱性、耐硫化性、耐塩水性等の耐久性に優れるとともに、長期間の使用においても保護層の樹脂自体の黒化や酸化による金属層の変色等を防止することができる反射鏡を提供する。
【解決手段】 基材上に、金属層及び保護層が基材側から順に積層された反射鏡において、アルコキシシラン硬化物層及びシリコーン樹脂層を基材側から順に積層されたものを保護層とした。
【選択図】図1

Description

本発明は、照明器具や、自動車ヘッドライト、複写機等に用いられる反射鏡及びそれを用いた照明器具に係り、特に、反射率の向上技術に関するものである。
反射鏡では、基材上に、反射層としての金属層、及び、金属層を保護する保護層が順に形成されている。金属層の材質として、高反射率材料である銀あるいはアルミニウムが用いられている。銀は、アルミニウムよりも可視光域の反射率が約6%以上高いことから、アルミニウムよりも小さな電気エネルギーで高い照明照度を得ることができる。これにより銀は、省エネルギーの観点から、反射鏡の反射材料に使用することが望まれている。また、保護層の材質として、無機材料や有機材料が用いられており、特に有機材料は、耐衝撃性や耐摩耗性等の耐久性に優れているから、保護層の材質として用いられている。
金属層の材質としての銀は、腐食性が高く、硫化性ガスにより変色し易く、しかも高い温度では酸化により変色するため、銀表面の保護が極めて重要である。しかしながら、保護層の材質としての有機材料や無機材料は、銀に対して密着性が劣り、水分や熱による剥離等の不具合が発生するため、保護層の耐久性が極めて重大な課題であった。
このような背景から反射鏡に各種保護層を設ける提案がなされている。例えば特許文献1の技術では、銀不活性化成分として4−メチル−γ−オキソ−ベンゼン−ブタン酸のジルコニウム錯体を、透明樹脂であるシリコンアクリル樹脂に配合した保護層が提案されている。この技術では、保護層を透明にするとともに、銀層と保護層の密着性の向上及び銀の変色(腐食)の防止を図っている。また、特許文献2の技術では、透明なシリコーンアクリル樹脂やシリコーンアルキッド樹脂、多官能シリコーン樹脂等の樹脂からなる保護層を銀層の上に被覆している。この技術では、保護層を透明するとともに、保護層の耐熱性を向上させることにより銀層の変色の防止を図っている。
特開平10−158572号公報 WO99/62646号公報
しかしながら、以上のような従来技術では、投光器の照射時にランプ周辺の温度が200℃以上になることから、銀層及び保護層も200℃以上に加熱され、この状況で長期間の使用を行うと、保護層の樹脂自体の黒化や、酸化による銀の変色等が生じるといった問題を有している。具体的には、上記特許文献1におけるシリコンアクリル樹脂の被覆に対して投光器による10,000時間の長期照射試験を行ったところ、この被覆が黒化し、反射率が大幅に低下することが明らかとなっている。また、上記特許文献2におけるシリコーン樹脂の被覆に対して10,000時間の長期照射試験を行ったところ、シリコーン樹脂がシリコーンアルキッド樹脂及びシリコーンアクリル樹脂の場合には、被覆が黒化し、また、シリコーン樹脂が多官能シリコーン樹脂の場合には、硫黄により変色が著しくそれによる反射率の低下が大きくなることが明らかとなっている。
そこで、本発明者らは、銀層をオルガノアルコキシシラン樹脂やテトラアルコキシシラン樹脂の硬化物層で被覆した反射鏡を開発した。この反射鏡によれば、硫化試験にも耐え、10,000時間の長期照射試験でも耐えられることが確認された。しかしながら、海岸付近における使用を想定して塩水に浸漬する耐塩水試験では、オルガノアルコキシシラン樹脂やテトラアルコキシシラン樹脂の硬化物層が容易に剥離してしまうことが判明した。
本発明は、以上のような問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、可視光域の反射率が高く、耐熱性、耐硫化性、耐塩水性等の耐久性に優れるとともに、長期間の使用においても保護層の樹脂自体の黒化や酸化による金属層の変色等を防止することができる反射鏡を提供することにある。
本発明者らは、長期間の使用においても優れた特性を維持し得る反射鏡について鋭意研究を重ねた結果、保護層としてアルコキシシラン硬化物層とシリコーン樹脂層とを順次金属層上に積層する構成とすることにより、上記目的を達成し得ることを見出した。
すなわち、本発明の反射鏡は、基材上に、金属層及び保護層が基材側から順に積層された反射鏡において、前記保護層が、アルコキシシラン硬化物層及びシリコーン樹脂層が基材側から順に積層されたものであることを特徴としている。本発明の反射鏡においては、アルコキシシラン硬化物層とシリコーン樹脂層が金属層の上にこの順番で積層されていることが必須であり、この順番が逆、つまりシリコーン樹脂層の上にアルコキシシラン硬化物層を塗工しても弾いてしまい塗膜にならない。また、本発明の反射鏡においては、金属層が銀材料からなることが好ましい。
このような上記構成によれば、最表面のシリコーン樹脂層の優れた撥水性により、海岸付近における使用にも耐え得る耐塩水性が発揮され、また、アルコキシシラン硬化物層の耐硫化性により硫化ガス等の透過を防ぎ、銀層の変色等が防止される。さらに、アルコキシシラン硬化物層及びシリコーン樹脂層は耐熱性に優れ、アルコキシシラン硬化物層は金属層との密着性に優れることから、長期間の使用においても樹脂自体の黒化による金属層の反射率の低下や保護層の剥離等を防ぐことができる。
さらに、本発明の照明器具は、これらの本発明の反射鏡を備えていることを特徴としている。本発明の照明器具では、本発明の反射鏡による上記効果を得ることができる。
本発明の反射鏡あるいはそれを用いた照明器具によれば、可視光域の反射率が高く、耐熱性、耐硫化性、耐塩水性等の耐久性に優れるとともに、長期間の使用においても保護層の樹脂自体の黒化や酸化による金属層の変色等を防止することができる。
本発明の反射鏡の一実施形態の概略構成を表す側断面図である。 本発明の反射鏡を適用した照明器具の一実施形態を表す斜視図である。 本発明の反射鏡を適用した照明器具の他の一実施形態を表す側断面図である。
(1)反射鏡
以下、本発明の反射鏡の一実施形態について図面を参照して説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る反射鏡100の概略構成を表す側断面図である。反射鏡100は、基材101を備えている。基材101上には、アンダーコート層102、金属層103、アルコキシシラン硬化物層104及びシリコーン樹脂層105が順に積層されている。本発明の反射鏡においては、基材101の表面と金属層103との間に、アンダコート層102として他の樹脂被覆層を形成することができ、これにより、基材表面の凹凸が埋められて、金属層の反射率及び金属層との密着性を向上することができる。
基材101の材質は、反射鏡に要求される耐熱温度で使用可能なものであればよい。基材101の材質として熱可塑性樹脂を用いる場合、熱可塑性のポリブチレンテレフタレートや、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリフェニレンオキサイド、ポリイミド、ポリスチレン等がある。基材101の材質として熱硬化性樹脂を用いる場合、不飽和ポリエステルや、フェノール樹脂、熱硬化性ポリイミド等がある。このような樹脂を用いる場合、基材101は、射出成形や、真空成形、圧縮成形等で所定形状に成形する。基材101の材質として金属を用いる場合、アルミ合金や、マグネシウム合金、銀系合金等がある。このような金属を用いる場合、基材101は、スピニング加工や、プレス加工、ダイキャスト、チクソモールディング等の成形技術で所定形状に成形する。基材101の材質として、ガラスやセラミック等も用いることができる。
アンダコート層102は、基材101表面の凹凸を埋めることにより金属層103の反射率を高める機能、及び、金属層103との密着性を高める機能を有している。アンダコート層102は、透明である必要はないが、金属層103との高密着性、耐熱性、耐水性、所望の硬度等の特性が必要である。これら特性を満足する材質としては、アクリルウレタン樹脂、メラミン樹脂、ポリアミドイミド樹脂、アクリル樹脂、湿気硬化型のアクリルシリコン樹脂、アクリルシリコーン樹脂、シリコーン樹脂等の熱硬化性樹脂がある。それら材質のなかでも特に、アクリル樹脂、湿気硬化型のアクリルシリコン樹脂、アクリルシリコーン樹脂、シリコーン樹脂は、耐熱性や、耐水性、金属層103との密着性が優れるから、好適である。また、アンダーコート層102の形成には、スプレー塗装や、ディッピング塗装、フローコーター塗装等を用いることができ、その層厚は5〜20μmが好適である。
反射層103の材質としては、純銀や銀合金等の銀材料がある。金属層103の形成には、真空蒸着法や、マグネトロンスパッタリング法、イオンプレーティング法、イオンアシスト法、プラズマアシスト法、スパッタリング法等の物理的気相成長法(PVD:physical vaper deposition)を用いる。反射層103の材質として、銀材料の代わりに、アルミニウムを用いてもよい。
本発明におけるアルコキシシラン硬化物層は、アルコキシシラン類である一般式オルガノトリアルコキシシラン:RSi(OR’)、ジオルガノジアルコキシシラン:R(OR’)及びテトラアルコキシシラン:Si(OR’)のいずれか単独又はこれらのブレンド物からなる。式中、Rは炭素数1〜8の有機機、R’は炭素数1〜5のアルキル基を示す。オルガノアルコキシシラン類は水分により加水分解をしてSi−O−Si結合を形成し硬化する。オルガノトリアルコキシシラン及びジオルガノジアルコキシシランのRは具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソ−プロピル基、γ−クロロプロピル基、ビニル基、フェニル基等が例示できる。R’は具体的にはメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソ−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基等である。
オルガノトリアルコキシシランの具体例としては、メトキシトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリブトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン等が挙げられ、また、ジオルガノジアルコキシシランの例としては、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン等が挙げられる。テトラアルコキシシランの例としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシシラン等が例示できる。
本発明におけるアルコキシシラン硬化物層の厚みは1〜10μmであることが好ましい。厚みが10μmを超えると剥離を起こし易くなり、1μm未満になるとピンホールの発生や、耐硫化性が低下する。上記のアルコキシシラン類は、アルコール系溶媒に溶解されることで塗膜の厚みを制御することが好ましい。アルコール系溶媒の例としては、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、エチレングリコール、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノエチルエーテル等である。これらのオルガノアルコキシシラン類の硬化触媒としては、チタン系やアルミニウム系の有機金属触媒を用いることが好ましい。
また、上記のオルガノアルコキシシランは水分の添加により分子量を約500程度まで上げたオリゴマーとしても用いることができる。オリゴマーにすることにより密着性や膜強度の向上がはかれる。
さらに、厚膜化のために、オルガノアルコキシシランに更に、酸性コロイド状シリカを混合することもできる。このようなオルガノアルコキシシラン類やそれらを配合したコーティング剤は信越化学工業や東レダウコーニング社、多摩化学工業社、更に日板研究所などで市販されている。
本発明におけるシリコーン樹脂層は、所謂ストレートシリコーンレジンと呼ばれる樹脂からなる。このストレートシリコーンレジンは、基本骨格が珪素(Si)と酸素の結合であるシロキサン結合(−Si−O−)であり、側鎖にメチル基又はフェニル基及びその混合体を有するポリマーである。中でも、分子中にシラノール基を有する数平均分子量は500〜5000程度のポリマーが好ましい。具体的には、信越化学工業社製のKR282、KR300及びKR311、東レダウコーニング・シリコーン社製のSH804、SH806A及びSR2400等が挙げられる。本発明におけるシリコーン樹脂層の厚みは1〜20μmであることが好ましく、この厚みが20μmを超えると反射率が低下し、1μm未満であるとピンホールの発生や耐熱性が低下する。
(2)反射鏡の適用例
反射鏡100は、例えば照明器具に適用することができる。図2及び3は、反射鏡100が適用される照明器具の具体例を表している。
図2に示す照明器具210は、天井に取り付けられる高天井用照明器具である。照明器具210は、器具本体211を備え、器具本体211は、本体部212と、本体部212の下端部に設けられたランプホルダ213とを有している。本体部212の上端部には取付部214が設けられ、照明器具200は、取付部214により天井に取り付けられる。
ランプホルダ213の下端中央部にはランプLが装着され、ランプホルダ213の先端部には、ランプLを内包する反射笠Rが取り付けられている。反射笠Rの反射面である内表面に、本実施形態の反射鏡100の構成が適用される。
図3に示す照明器具220は、天井に埋め込まれる埋込ダウンライトである。埋込ダウンライト220は、埋込ダウンライト本体部221および高圧放電ランプHPLから構成されている。埋込ダウンライト本体221は、支持枠222、ランプソケット223、反射鏡224、反射鏡支持金具225、および、化粧枠226を備えている。
支持枠222は、天井ボードの取付穴BBに嵌合して配設されている。この場合、支持枠222の下端部外周に設けられた係止フランジ227は、支持枠222の取付穴BBへの嵌合時に天井ボードに当接する。反射鏡224は、回転放物面形状をなし、反射鏡支持金具225により、支持枠22の上部下面に固定されている。反射鏡224の反射面である内表面に、本実施形態の反射鏡100の構成が適用される。
以上のような本実施形態の反射鏡100あるいはそれを用いた照明器具210及び220では、保護層としてアルコキシシラン硬化物層104とシリコーン樹脂層105とを順次金属層103上に積層する構成とすることにより、可視光域の反射率が高く、耐熱性、耐硫化性、耐塩水性等の耐久性に優れるとともに、長期間の使用においても保護層の樹脂自体の黒化や酸化による銀の変色等を防止することができる。
以下、具体的な実施例を参照して本発明の反射鏡をさらに詳細に説明する。
(A)試料の作製
<実施例1>
基材として板厚が1.5mmアルミ板を用意した。次いで、熱硬化性アクリル樹脂(商品名:NHPR102、日産化学工業社製、固形分:30%)を、乾燥層厚が5μmとなるようにアルミ板にスプレー塗布した。続いて、110℃、10分間の乾燥後、230℃、30分間の加熱でその樹脂を硬化させることにより、アンダーコート層を形成した。
次に、真空蒸着法を用いて、アンダーコート層上に層厚100nmの銀反射層を形成した。具体的には、真空蒸着法による蒸着装置において、基材温度を150℃、真空度を0.002Paに設定した後、基材温度を50℃まで下げた。続いて、蒸着装置にアルゴンガスを導入してイオン銃でイオンクリーニングを5分間行った後、蒸着材である銀を電子銃で加熱することにより、アンダーコート層上に、層厚が約100nmの銀層を反射層として形成した。蒸着速度は、10Å/sとした。
次いで、アルコキシシラン硬化物層としてメチルトリブトキシシランをイソプロピルアルコールに100:300で溶解し、アルコキシシラン硬化物層用塗料を調製した。この塗料を、蒸着装置から取り出したアルミ板の銀層上に、乾燥層厚が5μmとなるようにスプレー塗布し、200℃、30分間の加熱でその樹脂を硬化させることにより、アルコキシシラン硬化物層を形成した。
その後、ストレートシリコーンレジン(商品名:KR282、信越化学社製)をキシレンで100:100に希釈し、シリコーン樹脂層用塗料を調製した。この塗料を、アルコキシシラン硬化物層上に、乾燥層厚が15μmとなるようにスプレー塗布し、200℃、1時間の加熱でその樹脂を硬化させることにより、シリコーン樹脂層を形成した。これにより、本発明の実施例1の反射鏡として銀反射鏡を製造した。
<実施例2>
実施例1の反射鏡の製造工程において、アンダーコート層及びシリコーン樹脂層を以下のように変更した以外は実施例1と同様な方法で本発明の実施例2の反射鏡として銀反射鏡を製造した。
アンダーコート層については、ストレートシリコーンレジン(商品名:KR282、信越化学社製)をキシレンで100:100に希釈し、アンダーコート層用塗料を調製し、この塗料を、実施例と同様のアルミ板上に、乾燥層厚が10μmとなるようにスプレー塗布し、200℃、1時間の加熱でその樹脂を硬化させて形成した。また、シリコーン樹脂層については、ストレートシリコーンレジン(商品名:KR311、信越化学社製)をキシレンで100:100に希釈し、シリコーン樹脂層用塗料を調製し、この塗料を、アルコキシシラン硬化物層上に、乾燥層厚が10μmとなるようにスプレー塗布し、200℃、1時間の加熱でその樹脂を硬化させて形成した。
<比較例1>
実施例1の反射鏡の製造工程において、アルコキシシラン硬化物層を形成しない以外は実施例1と同様な方法で比較例1の銀反射鏡を製造した。
<比較例2>
実施例1の反射鏡の製造工程において、シリコーン樹脂層を形成しない以外は実施例1と同様な方法で比較例2の銀反射鏡を製造した。
<比較例3>
実施例1の反射鏡の製造工程において、シリコーン樹脂層を以下のように変更した以外は実施例1と同様な方法で本発明の比較例3の銀反射鏡を製造した。シリコーン樹脂層に代えて、主剤(BZ1161):硬化剤(A9585):キシレンの配合比が100:25:100の湿気硬化型シリコンアクリル樹脂(DIC株式会社製)を、アルコキシシラン硬化物層上に、乾燥層厚が10μmとなるようにスプレー塗布し、室温で乾燥した後、150℃、30分間の加熱でその樹脂を硬化させてシリコンアクリル樹脂層を形成した。
<比較例4>
実施例1の反射鏡の製造工程において、アルコキシシラン硬化物層を以下のように変更した以外は実施例1と同様な方法で本発明の比較例4の銀反射鏡を製造した。アルコキシシラン硬化物層に代えて、主剤(BZ1161):硬化剤(A9585):キシレンの配合比が100:25:100の湿気硬化型シリコンアクリル樹脂(DIC株式会社製)を、アルコキシシラン硬化物層上に、乾燥層厚が10μmとなるようにスプレー塗布し、室温で乾燥した後、150℃、30分間の加熱でその樹脂を硬化させてシリコンアクリル樹脂層を形成した。
(B)評価試験
上記のようにして作製した実施例1〜2及び比較例1〜4の銀反射鏡に対して、耐熱性試験、耐硫化性試験、耐塩水性試験及び10,000時間連続照射試験(実機試験)を下記の方法により行い、その前後の反射率及び密着性を測定し、耐熱性、耐硫化性、耐塩水性及び長時間耐久性を評価した。
反射率については、分光光度計(商品名:V−570、ジャストシステム社製)を用いて波長550nmで測定し、標準白色板の反射率を100%とした場合の相対値で表した。また、密着性については、クロスカットガイドを用いて、シリコーン樹脂層から銀層に達する切り傷として、1mm間隔で100個の升目を形成し、シリコーン樹脂層にセロハンテープを十分に密着させた後、セロハンテープを勢い良く剥がし、シリコーン樹脂層に残っている升目の数を調べた。
耐熱性試験としては、実施例及び比較例の銀反射鏡をドライ雰囲気下、240℃で24時間加熱を行った。耐硫化試験としては、1gの硫黄及び0.04gの水を入れ、90℃雰囲気とした1リットル容器中に、実施例及び比較例の銀反射鏡を配置し、容器を密封後96時間暴露した。耐塩水試験としては、実施例及び比較例の銀反射鏡を4.5%塩水に24時間浸漬した。10,000時間連続照射試験としては、1.5KWメタルハライドランプを備えた投光器を用いて、実施例及び比較例の銀反射鏡に10,000時間の連続照射を行った。これらの評価結果は表1に示した。
Figure 2011090206
(C)実験結果
表1に示すように、金属層上にアルコキシシラン硬化物層及びシリコーン樹脂層を設けた実施例1及び2の反射鏡では、耐熱性試験、耐硫化性試験、耐塩水性試験及び10,000時間連続照射試験の前後において、反射率及び密着性ともに優れていることが示された。これに対し、アルコキシシラン硬化物層を設けていない比較例1の反射鏡では、耐塩水性に問題はないものの、耐硫化試験において銀の黄変がはなはだしく、反射率が大きく低下し、シリコーン樹脂層が剥離し、密着性に問題が生じることが示された。また、シリコーン樹脂層を設けていない比較例2の反射鏡では、耐熱性及び耐硫化性に問題はないものの、耐塩水性試験においてアルコキシシラン硬化物層が剥離してしまい、反射率及び密着性ともに性能低下が示された。さらに、シリコーン樹脂層に代えてシリコンアクリル樹脂層を設けた比較例3の反射鏡及びアルコキシシラン硬化物層に代えてシリコンアクリル樹脂層を設けた比較例4では、耐硫化性及び耐塩水性に問題はないものの、耐熱性試験後には反射率及び密着性ともに性能低下が示され、特に比較例3の反射鏡における耐熱性が著しく劣ることが示された。さらに、10,000時間の連続照射試験では、全ての比較例は反射率が大幅に低下し、剥離が生じていて実用に耐えられないことが明らかとなった。
以上のことから、保護層としてアルコキシシラン硬化物層とシリコーン樹脂層とを順次金属層上に積層する構成とすることにより、可視光域の反射率が高く、耐熱性、耐硫化性、耐塩水性等の耐久性に優れるとともに、長期間の使用においても保護層の樹脂自体の黒化や酸化による銀の変色等を防止することができることを確認した。
100…反射鏡、101…基材、102…アンダーコート層、103…金属層、
104…アルコキシシラン硬化物層、105…シリコーン樹脂層

Claims (3)

  1. 基材上に、金属層及び保護層が基材側から順に積層された反射鏡において、
    前記保護層が、アルコキシシラン硬化物層及びシリコーン樹脂層が基材側から順に積層されたものであることを特徴とする反射鏡。
  2. 前記金属層は銀材料からなることを特徴とする請求項1に記載の反射鏡。
  3. 請求項1または2に記載の反射鏡を備えていることを特徴とする照明器具。
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