JP2012174441A - 照明器具 - Google Patents
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Abstract
【課題】曲率が異なる複数の湾曲反射部を有する反射板を備えた照明器具において、反射板の内側にガス及び熱が滞留し難く、しかも、照明効率が低下し難くする。
【解決手段】照明器具1は、光源2と、光源2を覆うように配置される筒状の反射板3と、反射板3の外周にガス及び熱流出用の隙間をおいて配置された筒状の補助反射板4と、を備える。反射板3は、周方向に沿って複数の孔部8が設けられた環形状の接合部7を有する。補助反射板4は、補助反射板により反射された光を、複数の孔部8を通して反射板3の内側へ照射するように配置されている。この構成により、反射板3の内側に存在するガス及び熱は、複数の孔部8とガス及び熱流出用の隙間とを通って、照明器具1の外側に流出される。また、複数の孔部8を通って反射板3の外側に漏れた光源2からの光は、補助反射板4により再び反射板3の内側に戻される。
【選択図】図1
【解決手段】照明器具1は、光源2と、光源2を覆うように配置される筒状の反射板3と、反射板3の外周にガス及び熱流出用の隙間をおいて配置された筒状の補助反射板4と、を備える。反射板3は、周方向に沿って複数の孔部8が設けられた環形状の接合部7を有する。補助反射板4は、補助反射板により反射された光を、複数の孔部8を通して反射板3の内側へ照射するように配置されている。この構成により、反射板3の内側に存在するガス及び熱は、複数の孔部8とガス及び熱流出用の隙間とを通って、照明器具1の外側に流出される。また、複数の孔部8を通って反射板3の外側に漏れた光源2からの光は、補助反射板4により再び反射板3の内側に戻される。
【選択図】図1
Description
本発明は、曲率が異なる複数の湾曲反射部を有する反射板を備えた照明器具に関する。
従来より、筒状の反射板の内側に光源を配置して成る照明器具がある(例えば、特許文献1参照)。この照明器具において、反射板は光源の周囲を囲み、第1の湾曲反射部と、第1の湾曲反射部と異なる曲率を有する第2の湾曲反射部と、椀状反射部とが一体に形成されている。第1の湾曲反射部上に第2の湾曲反射部が配置され、第2の湾曲反射部上に椀状反射部が配置されている。この構成によれば、光源からの光は、第1の湾曲反射部、第2の湾曲反射部、及び椀状反射部のそれぞれの内面で反射されて、効率的に配光される。また、照明効率を向上させるために、反射板の内面に銀反射膜を含む光学薄膜が形成された照明器具が知られている(例えば、特許文献2参照)。
上記のような照明器具おいては、光源が発光することにより、大気中に浮遊するガス(例えばH2S(硫化水素)、SO2(二酸化硫黄)等)及び熱が反射板の内側に滞留し易い。その結果、反射板を構成する基材、又は反射板の内面に設けられた光学薄膜に負荷がかかり、照明効率が低下し易い。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、反射板の内側にガス及び熱が滞留し難く、しかも、照明効率が低下し難い照明器具を提供することを目的とする。
本発明の照明器具は、光源と、前記光源からの光を被照射方向に配光する筒状の反射板と、を備え、前記反射板は、第1の湾曲反射部と、第2の湾曲反射部と、これら第1の湾曲反射部と第2の湾曲反射部とを接合する接合部と、を有する照明器具において、前記接合部には孔部が設けられ、前記反射板の外側であって、少なくとも前記孔部に対向する位置に、前記反射板との間にガス及び熱流出用の隙間をおいて、前記孔部を通って前記反射板の外側に漏れる前記光源からの光を、前記反射板の内側に戻すように反射する補助反射板が設けられていることを特徴とする。
この照明器具において、前記第1の湾曲反射部及び第2の湾曲反射部のそれぞれの内面に、銀反射膜が形成されていることが好ましい。
本発明に係る照明器具によれば、反射板の内側に存在するガス及び熱が、複数の孔部とガス及び熱流出用の隙間とを通って照明器具の外側に放出されるので、反射板の内側にガス及び熱が滞留し難くなる。また、光源からの光が、複数の孔部を通って反射板の外側へ漏れても、補助反射板により再び反射板の内側に戻されるので、光源からの光が照明器具の外側へ漏れ難くなり、照明効率が低下し難くなる。
以下、本発明の一実施形態に係る照明器具について、図1乃至図4を参照しながら説明する。図1(a),(b)に示すように、照明器具1は、棒形状の光源2と、光源2を覆うように配置された筒状の反射板3と、反射板3の外周にガス及び熱流出用の隙間をおいて配置された筒状の補助反射板4と、を備える。反射板3は、第1の湾曲反射部5と、第1の湾曲反射部5とは異なる曲率を有する第2の湾曲反射部6と、第1の湾曲反射部5と第2の湾曲反射部6とを接合する環形状の接合部7と、を有する。接合部7には、ガス及び熱(以下、ガス等という)を反射板3の内側に滞留し難くさせるために、複数の孔部8が周方向に沿って設けられている。これにより、反射板3の内側に存在するガス等は、複数の孔部8とガス及び熱流出用の隙間とを通って、照明器具1の外側に流出可能とされている。
補助反射板4は、複数の孔部8を通って反射板3の外側に漏れる光源2からの光を、反射板3の内側に戻すように配置されている。これにより、光源2からの光が照明器具1の外側へ漏れ難くなる。また、補助反射板3は、少なくとも複数の孔部8に対向する位置に配置されればよい。また、反射板3における第1の湾曲反射部5の曲率と第2の湾曲反射部6の曲率とが異なることにより、光源2からの光を効率的に配光することができる。なお、図1(b)においては、図の簡略化のため、補助反射板4は図示されていない。
光源2は、棒形状の発光部9と、発光部9上に設けられる箱形状のランプボックス10と、ランプボックス10上に設けられる給電用口金11と、を有する。発光部9、ランプボックス10、及び給電用口金11は、鉛直方向に沿って、同一の直線L上に位置する。発光部9としては、電球型蛍光灯が用いられる。また、発光部9としては、電球型蛍光灯の代わりに、例えば蛍光灯、冷陰極管、EL(エレクトロルミネッセンス)、又はLED(発光ダイオード)等を用いてもよい。発光部9の発光時の色温度、形状、及びワット数は、特に限定されない。
ランプボックス10は、発光部9を保持する。ランプボックス10の内部には、発熱する電気部品が収納されている。そのため、ランプボックス10は、耐熱性を有する樹脂材料により形成されている。ランプボックス10の樹脂材料としては、例えばポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネイト、又はポリフェニレンスルフィド等が用いられる。ランプボックス10の耐熱性及び耐光性を向上させるために、酸化防止剤、難燃剤、及び紫外線吸収剤等が、ランプボックス10の樹脂材料に添加されてもよい。なお、ランプボックス10は、樹脂材料の代わりに、金属材料により構成されてもよい。
給電用口金11は、発光部9に給電する。また、給電用口金11は、給電用口金11上に設けられるソケット12に装着されている。ソケット12は、ソケット12上に設けられる天板13に保持される。天板13は、直線Lに対して垂直に位置し、安定器14を保持する。安定器14は、発光部9を発光させるための電力をソケット12に供給する。安定器14が外部電源(図示せず)に接続されると、ソケット12を介して、給電用口金11に給電され、発光部9が発光する。
反射板3は、直線Lに対して、回転対称性を有する。反射板3の内面は、光源2と対向している。そのため、反射板3は、光源2からの光を被照射方向に配光することができる。被照射方向は、光源2からの光が建物内に配置された被照射体を照射する方向を示している。
反射板3は、下方に第1の開口部を有し、上方に底部を有する。反射板3の底部には、第2の開口部が設けられている。第2の開口部には、ランプボックス10が挿入されている。また、反射板3は、第1の開口部の外縁に環形状の縁部15と、天井に照明器具1を保持するための保持具16と、を有する。照明器具1が例えば天井の開口部に挿入され、保持具16に天井の開口部の周縁を挟持させることにより、照明器具1を天井に固定することができる。反射板3の形状は、光源2からの光を効率よく、かつ確実に被照射方向に配光することができれば、特に限定されない。
図2及び図3に示すように、第1の湾曲反射部5、第2の湾曲反射部6、及び接合部7は一体形成され、反射板3を構成している。つまり、第1の湾曲反射部5、第2の湾曲反射部6、及び接合部7は、反射板3の所定の領域を示している。具体的には、第1の湾曲反射部5は、反射板3の下方領域であって、筒形状に形成された領域を示している。また、第2の湾曲反射部6は、反射板3の上方領域であって、椀形状に形成された領域を示している。また、接合部7は、第1の湾曲反射部5と第2の湾曲反射部6との間の反射板3の領域であって、曲率が変化する部分を含む所定の幅の領域を示している。
本実施形態においては、接合部7の内面に銀反射膜を含む光学薄膜が形成されなくてもよい。接合部7の内面に銀反射膜を含む光学薄膜が形成された場合、第1の湾曲反射部5及び第2の湾曲反射部6のそれぞれの曲率を有する接合部7の形状は屈曲しているので、光学薄膜及びこれに含まれる銀反射膜の膜厚が非常に薄くなる。この場合、光源2からの光に含まれる紫外線が銀反射膜を透過し、銀反射膜に含まれる銀粒子のマイグレーションが発生することがある。その結果、銀反射膜が局所的に変色することがある。したがって、接合部7の内面には、銀反射膜を含む光学薄膜が形成されていない方が銀反射膜の変色が発生しないので、むしろ外観がよくなる。
反射板3を構成する筒形状の第1の湾曲反射部5、椀形状の第2の湾曲反射部6、及び環形状の接合部7はそれぞれ別部材として構成されてもよい。この場合、第1の湾曲反射部5の上方の開口部周縁と接合部7の下方の開口部周縁とが、例えば締結部品により連結される。また、接合部7の上方の開口部周縁と第2の湾曲反射部6の下方の開口部周縁とが、例えば締結部品により連結される。こうして、第1の湾曲反射部5と第2の湾曲反射部6と接合部7とが組み合わされ、反射板3が構成される。このように、第1の湾曲反射部5、第2の湾曲反射部6、及び接合部7がそれぞれ別部材として構成されているので、孔部8を接合部7に形成することが容易になる。また、接合部7を構成する基材として高反射プラスチック部材(後述)が用いられた場合、接合部7の反射特性が向上して、反射板3全体の反射特性が向上する。
接合部7の内面に銀反射膜を形成しない方法として、例えばマスキングが用いられる。具体的には、銀反射膜が、スパッタリング法又は真空蒸着法等により反射板3を構成する基材上に形成されるとき、例えばシール材等の専用治具が、接合部7の内面を覆うように基材上に設置される。これにより、専用治具が設置された基材上には、銀反射膜が形成されず、専用治具が設置されない基材上には、銀反射膜が形成される。こうして、銀反射膜が、第1の湾曲反射部5及び第2の湾曲反射部6のそれぞれの内面に形成され、接合部7の内面には形成されない。
複数の孔部8は、接合部7の外面から内面に達する矩形状の貫通孔であり、互いに離間して設けられている。孔部8の形状としては、矩形状の代わりに、円形状等の種々の形状に形成することができる。複数の孔部8が接合部7に設けられることにより、反射板3の内側に存在するガス等が、複数の孔部8を通って、反射板3の外側へ流出する。反射板3の外側に流出したガス等は、反射板3と補助反射板4との間に設けられたガス及び熱流出用の隙間を通って、照明器具1の外側に流出する。こうして、反射板3の内側に存在するガス等が、効率的に照明器具1の外側に放出されるので、反射板3の内側にガス等が滞留し難くなる。したがって、反射板3の基材又は光学薄膜の材料への負荷を低減させることができると共に、反射板3の温度を低下させることができる。その結果、照明器具1が長期間使用されても、照明効率が低下し難くなる。
補助反射板4は、下方に開口部を有し、上方に底部を有する。補助反射板4の底部には、開口部が設けられている。底部の開口部には、第2の湾曲反射部5と同様に、ランプボックス10が挿入されている。この場合、補助反射板4の底部が反射板3の底部よりも上方に位置するように、補助反射板4は反射板3の外側に固定されている。反射板3と補助反射板4との固定方法としては、予め反射板3と補助反射板4とに嵌合部をそれぞれ形成し、それらの嵌合部を互いに嵌合させることにより、反射板3と補助反射板4とを固定する方法がある。また、反射板3と補助反射板4とを、例えば締結部品により、連結してもよい。
孔部8と孔部8に対向する補助反射板7の部分とは、互いに平行に位置することが好ましい。この場合、孔部8を通って反射板3の外側に漏れた光源2からの光が、補助反射板4により再び孔部8を通るように反射され易くなる。したがって、孔部8を通って反射板3の外側に漏れた光を、効率よく反射板3の内側に戻すことができる。
反射板3及び補助反射板4を構成する基材としては、光源2から発生する熱に耐えることができる材料であれば、特に限定されることはないが、熱可塑性樹脂材料、熱硬化性樹脂材料、金属材料、又はガラス材料が用いられる。
熱可塑性樹脂材料としては、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリフェニレンスルフィド、ポリフェニレンオキサイド、熱可塑性ポリイミド、ポリエーテルイミド、又はポリカーボネイト等が用いられる。また、液晶ポリマー、又はシンジオタクチックポリスチレン等も用いられる。熱硬化性樹脂材料としては、バルクモールディングコンパウンド(BMC)用材料として一般的に使用される不飽和ポリエステル(UP)等が用いられる。
熱可塑性樹脂材料又は熱硬化性樹脂材料の光反射性能、耐熱性、強度、及び耐光性等を向上させるために、無機充填剤等の各種添加剤がこの熱可塑性樹脂材料又は熱硬化性樹脂材料に添加されてもよい。また、熱可塑性樹脂材料又は熱硬化性樹脂材料の成形方法としては、公知の成形方法であれば特に限定されることなく、射出成形、圧縮成形、真空成形、又は圧空成形等が用いられる。
金属材料としては、Al基合金、Mg基合金、又はFe基合金等が用いられる。金属材料の成形方法としては、反射板3の形状と材料特性とが考慮されることにより、スピニング加工、プレス加工、ダイキャスト、又はチクソモールディング等が用いられる。
ガラス材料としては、例えば石英ガラス等が用いられる。ガラス材料の成形方法としては、プレス加工又はブロー加工等が用いられる。なお、成形後の反射板3の表面に加工油、離型剤、又は成形時のガス等の付着物がある場合、物理的又は化学的な方法によってこれらの付着物が除去されることが好ましい。
次に、図4を参照して、第1の湾曲反射部5及び第2の湾曲反射部6のそれぞれの内面に形成されている光学薄膜について説明する。光学薄膜18は、反射板3の基材17上に形成され、基材17上に順次形成されるアンダーコート膜19と、銀反射膜20と、保護膜21と、トップコート膜22と、を含む。
アンダーコート膜19は、基材17と銀反射膜20との密着性を向上させると共に、基材17の表面を平滑化させるために形成される。アンダーコート膜19の材料としては、公知のアクリル樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、エポキシ樹脂、又はメラミン樹脂等の公知の塗膜が用いられる。アンダーコート膜19の塗装方法としては、スプレーコート、スピンコート、又はディップコート等の公知の塗装方法が用いられる。アンダーコート膜19の硬化方法としては、熱、紫外線、又は電子線等による公知の手段が用いられる。
銀反射膜20は、反射板3の反射特性を向上させるために形成される。銀反射膜20の材料としては、Ag(銀)、又はAgを主成分とするAg基合金が用いられる。銀反射膜20の代わりに、Al(アルミニウム)を含む反射膜がアンダーコート膜19上に形成されてもよい。銀反射膜20の材料としてAgが用いられる場合、銀反射膜20はCu(銅)等の不純物を含んでもよいが、可視光域の反射率を向上させるために、銀反射膜20のAgの含有量は90at%(原子数濃度:atomic concentration)以上であることが好ましい。すなわち、銀反射膜20のCu等の不純物の含有量は10at%以下であることが好ましい。また、銀反射膜20の材料としてAg基合金が用いられる場合、銀反射膜20の耐久性を向上させるため、銀反射膜20は、Au(金)、Nd(ネオジム)、Bi(ビスマス)、Si(シリコン)、又はMg(マグネシウム)等の金属材料を含むことが好ましい。銀反射膜20の形成方法としては、例えば、真空蒸着法、マグネトロンスパッタリング法、イオンプレーティング法、イオンアシスト法、プラズマアシスト法、又は物理的蒸着法(PVD)等が用いられる。
保護膜21は、反射板3の内側に存在するガス等から銀反射膜20を保護するために形成される。保護膜21の材料としては、SnO2(二酸化ケイ素)、TiO2(酸化チタン)、Al2O3(酸化アルミニウム)、ZnO(酸化亜鉛)、又はITO(酸化インジウム錫)等の無機膜、若しくはIn(インジウム)、Ti(チタン)、又はAu等の金属材料が用いられる。保護膜21の形成方法としては、例えば、真空蒸着法、マグネトロンスパッタリング法、イオンプレーティング法、イオンアシスト法、プラズマアシスト法、又は物理的蒸着法(PVD)等が用いられる。なお、保護膜21は、アンダーコート膜19と銀反射膜20との間に形成されてもよい。
トップコート膜22も、保護膜21と同様に、銀反射膜20を保護するために形成される。トップコート膜22の材料としては、公知のアクリル樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、エポキシ樹脂、又はメラミン樹脂等を含む公知の塗膜が用いられる。トップコート膜20の塗装方法としては、スプレーコート、スピンコート、又はディップコート等の公知の塗装方法を用いることができる。トップコート膜22の硬化方法としては、熱、紫外線、又は電子線等による公知の手段を用いることができる。
基材17の材料として、特に、高反射プラスチック部材又は繊維強化プラスチック部材を用いることが好ましい。これにより、発光部9の点灯及び消灯が繰り返されることによる反射板3の膨張量及び収縮量が減少するので、光学薄膜18への負荷が低減する。したがって、照明器具1が長期間使用されても、照明効率がさらに低下し難くなる。
ここで、高反射プラスチック部材とは、熱可塑性樹脂材料に所定の量の酸化チタン(TiO2)等の白色顔料が添加されることにより、反射特性が向上したプラスチック組成物又はこの組成物により形成された成形体をいう。このプラスチック組成物又はこの組成物により形成された成形体は、可視光線(特に、波長が550nmである可視光線)に対して90%以上の反射特性を有する。高反射プラスチック部材の熱可塑性樹脂材料としては、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネイト、又はシンジオタクチックポリスチレン等が用いられる。
上記の酸化チタンとしては、公知の酸化チタン又は表面処理等が施された酸化チタンが用いられる。酸化チタンは、結晶形態の違いから、ルチル型の結晶形態を有する酸化チタン(以下、ルチル型酸化チタンという)とアナターゼ型の結晶形態を有する酸化チタン(以下、アナターゼ型酸化チタンという)とに分類される。ルチル型酸化チタンは、優れた隠蔽作用を有し、アナターゼ型酸化チタンよりも高反射プラスチック部材の反射特性を向上させることができるので、ルチル型酸化チタンを用いることが好ましい。また、ルチル型酸化チタンの製造方法には、硫酸法と塩素法とがある。塩素法により製造された酸化チタンは、純度が高く白色性に優れ、硫酸法により製造された酸化チタンよりも高反射プラスチック部材の反射特性を向上させることができるので、塩素法を用いることが好ましい。さらに、高反射プラスチック部材の耐光性を向上させるために、紫外線吸収剤、光安定剤(HALS:Himdered Amine Light Stabilizer)、酸化防止剤、又は難燃剤等が、上記の熱可塑性樹脂材料に添加されてもよい。
また、繊維強化プラスチック部材とは、熱可塑性樹脂材料又は熱硬化性樹脂材料に、所定の量のガラス繊維又は炭素繊維等のチョップドストランド状の繊維が添加されたプラスチック組成物又はこの組成物により形成された成形体をいう。繊維強化プラスチック部材の熱可塑性樹脂材料としては、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンスルフィド、ポリフェニレンオキサイド、熱可塑性ポリイミド、ポリエーテルイミド、又はポリカーボネイト等が用いられる。また、液晶ポリマー又はシンジオタクチックポリスチレン等も用いられる。繊維強化プラスチック部材の熱硬化性樹脂材料としては、バルクモールディングパウンド(BMC)用材料として一般的に用いられている不飽和ポリエステル(UP)等が用いられる。
繊維強化プラスチックに添加される繊維材料としては、価格等を考慮した入手のし易さから、ガラス繊維が最も用いられている。また、ガラス繊維は、樹脂材料により形成される組成物から得られる成形品の機械強度をより向上させることができると共に、成形品の熱膨張係数を低下させ、昇温及び冷却が繰り返されることによる成形品の膨張量及び収縮量を減少させることができる。
ガラス繊維としては、公知のガラス繊維を用いることができる。また、樹脂材料との親和性及び接着性を向上させるために、適当な表面処理剤による処理が、ガラス繊維に施されてもよい。この表面処理剤としては、例えばシランカップリング剤、ジルコアルミネート系カップリング剤、又はチタネート系カップリング剤等が用いられる。機械的特性を向上させるために、例えばアミノシラン又はエポキシシラン等のシランカップリング剤を用いることが好ましい。
このように、本実施形態の照明器具1によれば、反射板3の内側に存在するガス等が、複数の孔部8とガス及び熱流出用の隙間とを通って照明器具1の外側に放出されるので、反射板3の内側にガス等が滞留し難くなる。また、光源2からの光が、複数の孔部8を通って反射板3の外側へ漏れても、補助反射板4により反射されて、再び反射板3の内側に戻されるので、光源2からの光が照明器具1の外側へ漏れ難くなり、照明効率が低下し難くなる。
次に、実施例1、実施例2、比較例1、及び比較例2について説明する。
(実施例1)
反射率が95%の高反射プラスチック部材(東レ株式会社製ポリブチレンテレフタレート:1401X38−SW226)から成る基材を用意した。次に、この基材を、パナソニック電工株式会社製ダウンライト反射板金型(HB228)を用いて、射出成形した。この場合、基材に形成される下方の開口部(大径開口部)の内径の大きさを130mmとし、基材に形成される上方の開口部(小径開口部)の内径の大きさを80mmとし、基材の高さを153mmとした。これにより、反射板を形成した。
反射率が95%の高反射プラスチック部材(東レ株式会社製ポリブチレンテレフタレート:1401X38−SW226)から成る基材を用意した。次に、この基材を、パナソニック電工株式会社製ダウンライト反射板金型(HB228)を用いて、射出成形した。この場合、基材に形成される下方の開口部(大径開口部)の内径の大きさを130mmとし、基材に形成される上方の開口部(小径開口部)の内径の大きさを80mmとし、基材の高さを153mmとした。これにより、反射板を形成した。
次に、反射板の接合部に孔部を形成した。この場合、孔部の上下方向の幅を10mmとし、孔部の周方向の幅を50mmとした。
次に、厚さが1.5mmの板状の光輝反射材(Alanod社製:MIRO−SILVER)を用意した。そして、この光輝反射材に曲げ加工を施すことにより、反射板の外側から孔部を覆うことができる椀形状の補助反射板を形成した。
次に、基材の上方から、この補助反射板を配置して、反射板と補助反射板とをビス止めすることにより互いに一体化させた。この場合、反射板と補助反射板との間にガス及び熱流出用の隙間を設けた。こうして、実施例1のサンプルを作製した。
(実施例2)
上記実施例1のサンプルの反射板の内面に、アクリルメラミン塗料をスプレー塗布した。そして、この反射板の内面を、130℃で40分間、焼付乾燥した。これにより、反射板の内面にアンダーコート膜を形成した。
上記実施例1のサンプルの反射板の内面に、アクリルメラミン塗料をスプレー塗布した。そして、この反射板の内面を、130℃で40分間、焼付乾燥した。これにより、反射板の内面にアンダーコート膜を形成した。
次に、反射板の接合部を除く内面上のアンダーコート膜に、純度99.9%のAgを用いて、Arガス雰囲気中でDCマグネトロンスパッタリングを行った。これにより、反射板の接合部を除く内面上のアンダーコート膜に膜厚が約150nmの銀反射膜を形成した。
次に、反射板の内面に形成された銀反射膜及びアンダーコート膜の表面に、アクリル塗料をスプレー塗布した。そして、この銀反射膜及びアンダーコート膜の表面を、130℃で30分間、焼付乾燥した。これにより、銀反射膜及びアンダーコート膜の表面に膜厚が15μmのトップコート膜を形成した。こうして、接合部を除く反射板の内面に、アンダーコート膜、銀反射膜、及びトップコート膜を含む光学薄膜を形成した。上記の点を除いて、上記実施例1と同様にして、実施例2のサンプルを作製した。
(比較例1)
接合部に、孔部を形成しない点を除いて、上記実施例1と同様にして、比較例1のサンプルを作製した。
接合部に、孔部を形成しない点を除いて、上記実施例1と同様にして、比較例1のサンプルを作製した。
(比較例2)
接合部に、孔部を形成しない点を除いて、上記実施例2と同様にして、比較例2のサンプルを作製した。
接合部に、孔部を形成しない点を除いて、上記実施例2と同様にして、比較例2のサンプルを作製した。
以上のようにして作製した実施例1、実施例2、比較例1、及び比較例2のサンプルについて、反射率、耐熱性、耐光性、及び耐ガス性の試験を実施した。以下、これらの試験方法について説明する。
<反射率>
株式会社日立ハイテクノロジーズ製自記分光光度計(U−4100)により各サンプルの反射率を測定した。この場合、波長が555nmの光を用いて、各サンプルの反射率を測定した。
<耐熱性試験>
120℃に保たれた熱風循環槽中に各サンプルを放置して、100日後及び150日後の各サンプルの外観変化を観察した。
<耐光性試験>
140℃雰囲気中において、400ワットの水銀灯を点灯させた状態で、各サンプルを放置して、100日後及び150日後の各サンプルの外観変化を観察した。
<耐ガス性試験>
硫化水素(H2S)ガスが10ppm混入され、温度が40℃で湿度が85%に保たれたデシケータ中に各サンプルを100時間放置した。その後、各サンプルをデシケータから取り出し、各サンプルの外観変化を観察した。
<反射率>
株式会社日立ハイテクノロジーズ製自記分光光度計(U−4100)により各サンプルの反射率を測定した。この場合、波長が555nmの光を用いて、各サンプルの反射率を測定した。
<耐熱性試験>
120℃に保たれた熱風循環槽中に各サンプルを放置して、100日後及び150日後の各サンプルの外観変化を観察した。
<耐光性試験>
140℃雰囲気中において、400ワットの水銀灯を点灯させた状態で、各サンプルを放置して、100日後及び150日後の各サンプルの外観変化を観察した。
<耐ガス性試験>
硫化水素(H2S)ガスが10ppm混入され、温度が40℃で湿度が85%に保たれたデシケータ中に各サンプルを100時間放置した。その後、各サンプルをデシケータから取り出し、各サンプルの外観変化を観察した。
表1に示すように、耐熱性試験において、150日後の実施例1及び実施例2のサンプルの外観に劣化はないが、150日後の比較例1及び比較例2のサンプルの外観に劣化がある。これにより、反射板の内側に存在する熱が、孔部を通って、反射板の外側へ効率的に放出されていることが分る。
また、耐光性試験において、100日後の実施例1及び実施例2のサンプルの外観に劣化はないが、100日後の比較例1及び比較例2のサンプルの外観に劣化がある。これにより、孔部が反射板に形成されることにより、反射板の耐光性が向上することが分る。
また、耐ガス性試験において、実施例1及び実施例2のサンプルの外観に劣化はないが、比較例2のサンプルの外観に劣化がある。実施例2のサンプルにおいては、反射板の内側に存在するガスが、孔部とガス及び熱流出用の隙間とを通って、照明器具の外側へ効率的に放出されるので、銀反射膜が変色して反射板の反射率が低下することが抑制されている。したがって、反射板の内面に銀反射膜が形成される場合は、孔部とガス及び熱流出用の隙間とを形成することが特に効果的であることが分る。
本発明は上記実施形態の構成に限られず、発明の趣旨を変更しない範囲で種々の変更が
可能である。例えば、上記では、複数の孔部8が反射板3に形成されていたが、1つの孔部が反射板3に形成されてもよい。また、補助反射板4の形状は、複数の孔部8を通る光源2からの光を反射板3の内側へ戻すように反射することができるのであれば、特に限定されない。また、上記では、銀反射膜20を含む光学薄膜18が接合部7を除く反射板3の内面に形成される構成を示したが、銀反射膜20が、接合部7を除く反射板3の内面に直接、形成されてもよい。
可能である。例えば、上記では、複数の孔部8が反射板3に形成されていたが、1つの孔部が反射板3に形成されてもよい。また、補助反射板4の形状は、複数の孔部8を通る光源2からの光を反射板3の内側へ戻すように反射することができるのであれば、特に限定されない。また、上記では、銀反射膜20を含む光学薄膜18が接合部7を除く反射板3の内面に形成される構成を示したが、銀反射膜20が、接合部7を除く反射板3の内面に直接、形成されてもよい。
1 照明器具
2 光源
3 反射板
4 補助反射板
5 第1の湾曲反射部
6 第2の湾曲反射部
7 接合部
8 孔部
20 銀反射膜
2 光源
3 反射板
4 補助反射板
5 第1の湾曲反射部
6 第2の湾曲反射部
7 接合部
8 孔部
20 銀反射膜
Claims (2)
- 光源と、前記光源からの光を被照射方向に配光する筒状の反射板と、を備え、前記反射板は、第1の湾曲反射部と、第2の湾曲反射部と、これら第1の湾曲反射部と第2の湾曲反射部とを接合する接合部と、を有する照明器具において、
前記接合部には孔部が設けられ、
前記反射板の外側であって、少なくとも前記孔部に対向する位置に、前記反射板との間にガス及び熱流出用の隙間をおいて、前記孔部を通って前記反射板の外側に漏れる前記光源からの光を、前記反射板の内側に戻すように反射する補助反射板が設けられていることを特徴とする照明器具。 - 前記第1の湾曲反射部及び第2の湾曲反射部のそれぞれの内面に、銀反射膜が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の照明器具。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011034186A JP2012174441A (ja) | 2011-02-21 | 2011-02-21 | 照明器具 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2011034186A JP2012174441A (ja) | 2011-02-21 | 2011-02-21 | 照明器具 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2012174441A true JP2012174441A (ja) | 2012-09-10 |
Family
ID=46977191
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2011034186A Withdrawn JP2012174441A (ja) | 2011-02-21 | 2011-02-21 | 照明器具 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2012174441A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2018014269A (ja) * | 2016-07-21 | 2018-01-25 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | 照明器具 |
CN110332485A (zh) * | 2019-07-17 | 2019-10-15 | 江苏舒适照明有限公司 | 一种模组射灯的散热结构 |
-
2011
- 2011-02-21 JP JP2011034186A patent/JP2012174441A/ja not_active Withdrawn
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
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A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20140513 |