JP2000106018A - 反射鏡 - Google Patents

反射鏡

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JP2000106018A
JP2000106018A JP10276017A JP27601798A JP2000106018A JP 2000106018 A JP2000106018 A JP 2000106018A JP 10276017 A JP10276017 A JP 10276017A JP 27601798 A JP27601798 A JP 27601798A JP 2000106018 A JP2000106018 A JP 2000106018A
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silver
reflecting mirror
metal
metal layer
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JP10276017A
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English (en)
Inventor
Shinichi Aoki
慎一 青木
Shinji Noguchi
晋治 野口
Wataru Tanaka
田中  渉
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Panasonic Electric Works Co Ltd
Original Assignee
Matsushita Electric Works Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 基体10の表面に、銀又は銀合金の金属層1
4が形成された照明器具用の反射鏡であって、金属層1
4が変色しにくく、反射率が優れた反射鏡を提供する。 【解決手段】 ガラス、金属、セラミック、ナイロン樹
脂、ポリエーテルイミド樹脂及びポリエーテルエーテル
ケトン樹脂からなる群の中から選ばれた少なくとも1種
により形成された基体10の表面に、銀又は銀合金の金
属層14が形成され、その金属層14の表面に、熱硬化
シリコン変性アクリル樹脂組成物により形成されたオー
バーコート層16が形成されてなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、照明器具に用いら
れる、高効率な反射鏡に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、ダウンライトやスポットライ
トや投光器等の各種照明器具に用いられる反射鏡とし
て、金属板を所定の形状に成形した反射鏡や、フェノー
ル樹脂、ポリエーテルイミド樹脂等の樹脂組成物の成形
品又は金属板等の基体の表面に、アルミニウム等の金属
を蒸着することにより光反射用の金属層を形成した反射
鏡等が使用されている。
【0003】なお、金属板を所定の形状に成形した反射
鏡の場合、反射率が低いという問題があり、また、基体
の表面にアルミニウム等の金属を蒸着して形成した反射
鏡の場合、基体と金属層の密着性が低く、金属層が剥が
れ落ちやすいという問題があった。そのため、図2に示
すように、基体10の表面に、エポキシ樹脂系、アクリ
ルウレタン樹脂系、ポリブタジエン樹脂系等の有機塗料
を塗布することによって、密着性が優れたアンダーコー
ト層12を形成した後、そのアンダーコート層12の表
面にアルミニウムを蒸着することにより金属層14を形
成することや、金属層14の表面に、アクリルメラミン
系、シリコンアクリル系等の有機系や、シリカ、アルミ
ナ等の無機系のオーバーコート層16を形成することが
行われている(例えば特開昭55−130006号、特
開昭59−79901号)。
【0004】近年、アルミニウムを蒸着することに代え
て、銀を蒸着することにより光反射性が優れた金属層を
形成することが検討されている(例えば実開平5−73
809号)。銀は、アルミニウムより反射特性が優れて
いるため、アルミニウムの金属層を形成した場合と比較
して、10〜50%程度効率アップを図ることができ、
高効率な照明器具を提供することが可能になったり、特
に繰り返し反射での減衰が少ないため、深型ダウンライ
トのような繰り返し反射が多い器具で顕著な効果を発揮
するという特徴がある。
【0005】しかし、銀は、化学的に不安定なため、空
気中の酸素、水分、亜硫酸ガス、硫化水素、アンモニア
ガス等と容易に反応して、褐色や黒色の酸化銀や硫化銀
等に変化しやすく、変色しやすいという問題があった。
そしてこの変色した反射鏡は、反射率が低下するという
問題や、外観上支障が生じるという問題があった。
【0006】特に、高出力コンパクト蛍光灯や、白熱灯
や、メタルハライドランプ等に用いる反射鏡の場合、光
源から出る多量の紫外線によって、銀が酸化銀や硫化銀
等になりやすく、また、基体が樹脂組成物の成形品の場
合には、器具温度の上昇によって基体の内部からガス化
して流出する水分や未反応の樹脂等によって、銀が酸化
銀や硫化銀等になりやすく、これらは特に変色しやすい
という問題があった。
【0007】そのため、アンダーコート層やオーバーコ
ート層の厚みを厚くしたり、多層構造にすることによ
り、外部から侵入する酸素等や、基体から侵入する水分
等を防ぐことが検討されている。しかし、反射鏡は、そ
の形状的な理由でアンダーコート層やオーバーコート層
の厚みを厚くできないものがほとんどであり、また、厚
く形成した場合でも、端部やゴミが付着した部分からの
変色を防ぐことは困難であった。そのため、銀の金属層
が形成された反射鏡であって、金属層が変色しにくく、
反射率が優れた反射鏡が望まれている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題点
を改善するために成されたもので、その目的とするとこ
ろは、基体の表面に、銀又は銀合金の金属層が形成され
た照明器具用の反射鏡であって、金属層が変色しにくい
反射鏡を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に係る
反射鏡は、ガラス、金属、セラミック、ナイロン樹脂、
ポリエーテルイミド樹脂及びポリエーテルエーテルケト
ン樹脂からなる群の中から選ばれた少なくとも1種の材
料により形成された基体の表面に、銀又は銀合金の金属
層が形成され、その金属層の表面に接して、熱硬化シリ
コン変性アクリル樹脂組成物により形成されたオーバー
コート層が形成されてなることを特徴とする。
【0010】本発明の請求項2に係る反射鏡は、請求項
1記載の反射鏡において、オーバーコート層を形成する
樹脂組成物に、金属不活性化剤をも含有することを特徴
とする。
【0011】本発明の請求項3に係る反射鏡は、請求項
1又は請求項2記載の反射鏡において、金属不活性化剤
を含有する樹脂組成物により形成されたアンダーコート
層を介して、基体の表面に、銀又は銀合金の金属層が形
成されてなることを特徴とする。
【0012】本発明の請求項4に係る反射鏡は、請求項
1から請求項3のいずれかに記載の反射鏡において、金
属不活性化剤が、(2−ベンゾチアゾリルチオ)コハク
酸、トリルトリアゾールの誘導体、トルオイルプロピオ
ン酸−N−エチルモルホリン錯体及びトルオイルプロピ
オン酸−ジルコニウム錯体からなる群の中から選ばれた
少なくとも1種の化合物であることを特徴とする。
【0013】本発明の請求項5に係る反射鏡は、請求項
1から請求項4のいずれかに記載の反射鏡において、樹
脂組成物100重量部中に、金属不活性化剤を0.04
〜5重量部含有することを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明に係る反射鏡を図面に基づ
いて説明する。図1は本発明に係る反射鏡の一実施の形
態を説明する断面図であり、図2は本発明に係る反射鏡
の他の実施の形態を説明する断面図である。
【0015】本発明に係る反射鏡の一実施の形態は、図
1に示すように、基体10の一方の面(反射鏡の光源側
の面)に、金属層14が形成され、その金属層14の表
面にオーバーコート層16が形成された照明器具用反射
鏡である。
【0016】基体10は、ガラス、金属、セラミック、
ナイロン樹脂、ポリエーテルイミド樹脂及びポリエーテ
ルエーテルケトン樹脂からなる群の中から選ばれた少な
くとも1種の材料(以下、これらを特定A材料と記す)
を用いて、所定の配光が得られるような形状に形成され
たものであることが重要である。特定A材料は、比較的
耐熱性が優れた材料であるため、光源から発生する熱に
耐え、光軸の変化を起こしにくいと共に、反射鏡の温度
が上昇しても、基体10の内部から水分や未反応の樹脂
等が流出しにくい材料であるため、銀が酸化銀や硫化銀
等に変化しにくく、金属層14が変色しにくい反射鏡と
なる。
【0017】なお、特定A材料を所定の配光が得られる
ような形状に形成する方法としては、例えば、ガラスの
場合プレス成形等により形成し、アルミニウム、アルミ
ニウム合金、鉄、鉄合金、ステンレス等の金属板の場
合、プレス成形、ヘラ絞り成形等により形成し、セラミ
ックの場合焼成等により形成し、ナイロン樹脂、ポリエ
ーテルイミド樹脂及びポリエーテルエーテルケトン樹脂
の場合、射出成形等により成形する。
【0018】金属層14は、銀又は銀合金を用いて、所
定の光学特性が得られるように形成したものであれば特
に限定するものではなく、その形成する方法としては、
真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング
法、ビーム法等が挙げられる。また、金属層14の厚み
としても、所定の光学特性が得られる厚みであれば特に
限定するものではないが、100〜300nm、より好
ましくは150〜250nm程度が好ましい。100n
m未満の場合、充分な反射特性が得られない場合があ
り、300nmを越える場合、金属層14の表面が白濁
し、反射率が低下する場合がある。なお、銀合金として
は、銀マグネシウム、銀パラジウム、銀白金、銀ロジウ
ム等の合金が挙げられる。
【0019】オーバーコート層16は、金属層14の表
面に、熱硬化シリコン変性アクリル樹脂組成物を塗布す
ることによって形成したものである。この熱硬化シリコ
ン変性アクリル樹脂は、空気中の酸素、水分、亜硫酸ガ
ス、硫化水素、アンモニアガス等の銀を変色させる物質
のバリアー性に優れた材料であるため、金属層14中の
銀が酸化銀や硫化銀等に変化しにくく、金属層14が変
色しにくい反射鏡となる。またこの熱硬化シリコン変性
アクリル樹脂は、比較的密着性が優れた材料であるた
め、オーバーコート層16が剥がれ落ちにくく、長期間
に渡って金属層14が変色しにくくなると共に、比較的
耐熱性が優れた材料であるため、反射鏡の温度が上昇し
てもオーバーコート層16が熱劣化して変色することが
起きにくく、金属層14が変色しにくくなる。
【0020】なお、オーバーコート層16を形成する樹
脂組成物に、金属不活性化剤を含有していると、金属層
14が特に変色しにくくなり好ましい。
【0021】金属不活性化剤は、銀の変色を防ぐことが
可能なほぼ無色の化合物であり、メルカプトベンゾチア
ゾールのジカルボン酸付加誘導体、トリルトリアゾール
の誘導体、トルオイルプロピオン酸−N−エチルモルホ
リン錯体、トルオイルプロピオン酸−ジルコニウム錯体
等が挙げられ、併用しても良い。なお、下記式(a)で
表される(2−ベンゾチアゾリルチオ)コハク酸、下記
式(b)で表されるトリルトリアゾールの誘導体、下記
式(c)で表されるトルオイルプロピオン酸−N−エチ
ルモルホリン錯体(N-Ethylmorpholine complex with 4
-Methyl-γ-oxo-benzene-butanoic acid)及び下記式
(d)で表されるトルオイルプロピオン酸−ジルコニウ
ム錯体(Zirconium complex with 4-Methyl-γ-oxo-ben
zene-butanoic acid)からなる群の中から選ばれた少な
くとも1種の化合物であると、特に金属層14の変色が
生じにくくなり好ましい。
【0022】
【化1】
【0023】金属不活性化剤の含有量としては、溶剤を
除く樹脂組成物100重量部中に0.04〜5重量部、
より好ましくは0.5〜2重量部含有すると好ましい。
0.04重量部未満の場合、金属層14が変色する場合
があり、5重量部を越える場合、金属層14との密着性
が低下したり、オーバーコート層16に金属不活性化剤
の色が着色して色調に問題が生じる場合がある。
【0024】このオーバーコート層16の厚みとして
は、所定の光学特性や硬度が得られる厚みであれば特に
限定するものではないが、8〜20μmとすると、外部
からの水分等の侵入を防ぐ効果が特に優れ好ましい。こ
の形成方法としても、所定の光学特性が得られる方法で
あれば特に限定するものではなく、スプレー法、浸漬
法、静電塗装法等が挙げられる。
【0025】なお、上記の実施の形態は、基体10の表
面に、直接金属層14が形成された実施の形態である
が、図2に示すように、基体10の表面に、アンダーコ
ート層12を介して金属層14が形成されていても良
い。アンダーコート層12を形成した場合、基体10の
表面に凹凸を有する場合であっても、アンダーコート層
12の表面は平滑性の良好な面となるため、基体10の
表面形状に影響されずに反射率が優れた反射鏡を形成す
ることが可能となると共に、金属層14との密着性が高
くなり好ましい。なお、基体10が、ガラス板のよう
に、表面の凹凸が小さい基体10の場合には、アンダー
コート層12は形成しなくても良い。
【0026】アンダーコート層12の厚みとしては、基
体10の表面の凹凸を吸収し、かつ、金属層14との密
着性を高めることが可能な厚みであれば特に限定するも
のではないが、5〜30μm程度が好ましい。アンダー
コート層12の形成方法しても、特に限定するものでは
なく、スプレー法、浸漬法、静電塗装法等が挙げられ
る。
【0027】このアンダーコート層12を形成する樹脂
組成物中の樹脂成分としては、光源から発生する熱に耐
える樹脂であれば、特に限定するものではないが、熱硬
化シリコン変性アクリル樹脂系、エポキシ樹脂系、エポ
キシメラミンアクリル樹脂系、シリコン変性アクリル樹
脂系、シリコンアルキッド樹脂系の樹脂組成物を用いる
と、基体10との密着性や濡れ性が優れると共に、耐熱
性が優れ好ましい。
【0028】なお、このアンダーコート層12を形成す
る樹脂組成物中に、金属不活性化剤を含有する場合、更
に金属層14の変色が生じにくくなり好ましい。この金
属不活性化剤としては、上記オーバーコート層16に含
有することができる金属不活性化剤と同じものが挙げら
れるが、オーバーコート層16に含有する金属不活性化
剤とは異なった化合物でも良い。
【0029】
【実施例】(実施例1)アルミニウム板を、φ160×
100hのパラボラ状に絞り加工して形成した基体の表
面に、エポキシメラミンアクリル系樹脂組成物[久保考
ペイント社製、品番KMクリアー596−003]をス
プレー塗装した後、160℃で30分加熱して、厚み8
〜15μmのアンダーコート層を形成した。次いで、そ
のアンダーコート層の表面に、スパッタリング法により
銀の金属層を150nm形成した。
【0030】次いで、熱硬化シリコン変性アクリル樹脂
組成物[大日本インキ化学工業社製、品番HC6225
/HC6202]を、金属層の表面にスプレー塗装した
後、140℃で30分加熱して、厚み8〜13μmのオ
ーバーコート層を形成して反射鏡を得た。
【0031】(実施例2)基体として、変性6ナイロン
樹脂[電気化学工業社製、商品名マレッカN1000
S]を、φ160×100hのパラボラ状に射出成形し
て形成したものを用いたこと、及び、アンダーコート層
を形成する樹脂組成物として、エポキシ系樹脂組成物
[大日本インキ化学工業社製、品番EXA123/L1
05C]を用いてスプレー塗装した後、140℃で60
分加熱して、厚み5〜10μmのアンダーコート層を形
成したこと以外は実施例1と同様にして、反射鏡を得
た。
【0032】(実施例3)基体として、ポリエーテルイ
ミド樹脂[日本GEプラスチック社製、商品名ウルテム
1000−1000]を、φ160×100hのパラボ
ラ状に射出成形して形成したものを用いたこと、及び、
アンダーコート層を形成する樹脂組成物として、熱硬化
シリコン変性アクリル樹脂組成物[大日本インキ化学工
業社製、品番HC6208K]を用いてスプレー塗装し
た後、150℃で45分加熱して、厚み5〜8μmのア
ンダーコート層を形成したこと以外は実施例1と同様に
して、反射鏡を得た。
【0033】(実施例4)基体として、ポリエーテルエ
ーテルケトン樹脂[住友化学工業社製、商品名VICT
REX450G]を、φ160×100hのパラボラ状
に射出成形して形成したものを用いたこと、及び、アン
ダーコート層を形成する樹脂組成物として、熱硬化シリ
コンアルキッド樹脂組成物[大日本インキ化学工業社
製、品番HC6203]を用いてスプレー塗装した後、
160℃で60分加熱して、厚み5〜8μmのアンダー
コート層を形成したこと以外は実施例1と同様にして、
反射鏡を得た。
【0034】(実施例5)アンダーコート層を形成する
樹脂組成物に、金属不活性化剤として上記式(b)で表
されるトリルトリアゾールの誘導体[Ciba Specialty c
hemicals社製、商品名 Irgamet39]をも含有する樹脂
組成物を用いたこと以外は実施例2と同様にして、反射
鏡を得た。なお、この金属不活性化剤は、樹脂組成物1
00重量部中に5重量部含有するようにした。
【0035】(実施例6)オーバーコート層の形成に用
いた樹脂組成物に、金属不活性化剤として上記式(b)
で表されるトリルトリアゾールの誘導体[Ciba Special
ty chemicals社製、商品名 Irgamet39]をも含有する
樹脂組成物を用いたこと以外は実施例1と同様にして、
反射鏡を得た。なお、この金属不活性化剤は、樹脂組成
物100重量部中に2重量部含有するようにした。
【0036】(実施例7)アンダーコート層を形成する
樹脂組成物に、金属不活性化剤として上記式(b)で表
されるトリルトリアゾールの誘導体[Ciba Specialty c
hemicals社製、商品名 Irgamet39]をも含有する樹脂
組成物を用いたこと、及び、オーバーコート層の形成に
用いた樹脂組成物に、金属不活性化剤として同様のトリ
ルトリアゾールの誘導体をも含有する樹脂組成物を用い
たこと以外は実施例3と同様にして、反射鏡を得た。な
お、金属不活性化剤は、アンダーコート層を形成する樹
脂組成物100重量部中に1重量部含有するようにし、
オーバーコート層を形成する樹脂組成物100重量部中
に0.04重量部含有するようにした。
【0037】(比較例1)基体として、ポリフェニレン
オキサイド樹脂[日本GEプラスチック社製、商品名ノ
リル]を、φ160×100hのパラボラ状に射出成形
して形成したものを用いたこと、及び、アンダーコート
層を形成する樹脂組成物として、熱硬化ウレタン系樹脂
組成物[藤倉化成社製、品番EXP1440A/B/
C]を用いてスプレー塗装した後、140℃で60分加
熱して、厚み10〜15μmのアンダーコート層を形成
したこと、及び、オーバーコート層を形成する樹脂組成
物として、常温硬化シリコン変性アクリル樹脂組成物
[大日本インキ化学工業社製、品番HC5800/HC
5800C]を用いてスプレー塗装した後、90℃で3
0分加熱して、厚み8〜13μmのオーバーコート層を
形成したこと以外は実施例1と同様にして、反射鏡を得
た。
【0038】(比較例2)アンダーコート層を形成する
樹脂組成物として、ポリブタジエン系樹脂組成物[藤倉
化成社製、品番VB9453L]を用いてスプレー塗装
した後、120℃で60分加熱して、厚み10〜15μ
mのアンダーコート層を形成したこと、及び、オーバー
コート層を形成する樹脂組成物として、常温硬化アクリ
ル樹脂組成物[藤倉化成社製、品番VT8052L]を
用いてスプレー塗装した後、80℃で60分加熱して、
厚み10〜20μmのオーバーコート層を形成したこと
以外は比較例1と同様にして、反射鏡を得た。
【0039】(比較例3)ポリブチレンテレフタレート
樹脂[東レ社製、品番1401−X06]を、φ160
×100hのパラボラ状に射出成形して形成したものを
用いたこと、及び、アンダーコート層を形成する樹脂組
成物として、ウレタン系樹脂組成物[東洋工業塗料社
製、品番UPH]を用いてスプレー塗装した後、120
℃で90分加熱して、厚み10〜15μmのアンダーコ
ート層を形成したこと、及び、オーバーコート層を形成
する樹脂組成物として、常温硬化シリコン変性アクリル
樹脂組成物[東洋工業塗料社製、品番RT−130]を
用いてスプレー塗装した後、70℃で60分加熱して、
厚み8〜13μmのオーバーコート層を形成したこと以
外は実施例1と同様にして、反射鏡を得た。
【0040】(評価)各実施例及び各比較例で得られた
反射鏡の、金属層の変色状況の評価として、耐食試験と
耐硫化水素試験と実用点灯試験を行うと共に、密着試験
を行った。
【0041】耐食試験は、JIS規格Z2371塩水噴
霧試験方法に準拠して、8時間噴霧及び16時間休噴を
1サイクルとして、3サイクル行った後、腐食状態をレ
イティングNo.で判定した。
【0042】耐硫化水素試験は、波長555nmの反射
率を自記分光光度計(日立製作所社製、商品名U−40
00)を用いて測定した後、硫化水素ガス濃度が20p
pm、温度が25℃に調整されたデシケーター中に反射
鏡を24時間放置し、次いで取り出した後、波長555
nmの反射率を同様に測定した。そして、反射率の低下
が3%未満であり、変色が認められなかった場合を◎、
反射率の低下が3%を越え10%未満であり、変色が若
干認められた場合を○、反射率の低下が10%を越え2
0%未満であり、変色が認められた場合を△、反射率の
低下が20%を越え、変色が著しい場合を×とした。
【0043】実用点灯試験は、波長555nmの反射率
を自記分光光度計(日立製作所社製、商品名U−400
0)を用いて測定した後、32Wコンパクト蛍光灯(松
下電子工業社製、商品名FHT32EXN)を反射鏡に
取り付けて、3ヶ月間24時間連続点灯(反射鏡最高温
度130℃)を実施し、次いで、波長555nmの反射
率を同様に測定して、耐硫化水素試験の場合と同様に◎
○△×の判定を行った。
【0044】密着試験は、JIS規格K5400の8.
5.2碁盤目テープ法に準拠して2mm角升目を25個
作成し、セロハン粘着テープ(JIS規格Z1522)
を用いて垂直剥離試験を行い、評価点数を求めた。
【0045】(結果)その結果は、表1に示したよう
に、各実施例で得られた反射鏡は、上記特定A材料によ
り基体を形成しておらず、かつ、熱硬化シリコン変性ア
クリル樹脂組成物によりオーバーコート層を形成してい
ない各比較例で得られた反射鏡と比べて、金属層が変色
しにくいことが確認された。
【0046】また、アンダーコート層及び/又はオーバ
ーコート層を形成する樹脂組成物に、金属不活性化剤を
も含有する実施例5〜7は、実施例1〜4と比べて、特
に金属層が変色しにくいことが確認された。
【0047】
【表1】
【0048】
【発明の効果】本発明に係る反射鏡は、上記特定A材料
により形成された基体の表面に、銀又は銀合金の金属層
が形成され、その金属層の表面に接して、熱硬化シリコ
ン変性アクリル樹脂組成物により形成されたオーバーコ
ート層が形成されてなるため、金属層が変色しにくい反
射鏡となる。
【0049】本発明の請求項2に係る反射鏡は、特に金
属層が変色しにくい反射鏡となる。
【0050】本発明の請求項3に係る反射鏡は、上記の
効果に加え、基体の表面形状に影響されずに反射率が優
れた反射鏡を形成することが可能になると共に、金属層
と基体の密着性が高い反射鏡となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る反射鏡の一実施の形態を説明する
断面図である。
【図2】本発明に係る反射鏡の他の実施の形態を説明す
る断面図である。
【符号の説明】
10 基体 12 アンダーコート層 14 金属層 16 オーバーコート層

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガラス、金属、セラミック、ナイロン樹
    脂、ポリエーテルイミド樹脂及びポリエーテルエーテル
    ケトン樹脂からなる群の中から選ばれた少なくとも1種
    の材料により形成された基体の表面に、銀又は銀合金の
    金属層が形成され、その金属層の表面に接して、熱硬化
    シリコン変性アクリル樹脂組成物により形成されたオー
    バーコート層が形成されてなることを特徴とする反射
    鏡。
  2. 【請求項2】 オーバーコート層を形成する樹脂組成物
    に、金属不活性化剤をも含有することを特徴とする請求
    項1記載の反射鏡。
  3. 【請求項3】 金属不活性化剤を含有する樹脂組成物に
    より形成されたアンダーコート層を介して、基体の表面
    に、銀又は銀合金の金属層が形成されてなることを特徴
    とする請求項1又は請求項2記載の反射鏡。
  4. 【請求項4】 金属不活性化剤が、(2−ベンゾチアゾ
    リルチオ)コハク酸、トリルトリアゾールの誘導体、ト
    ルオイルプロピオン酸−N−エチルモルホリン錯体及び
    トルオイルプロピオン酸−ジルコニウム錯体からなる群
    の中から選ばれた少なくとも1種の化合物であることを
    特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の反
    射鏡。
  5. 【請求項5】 樹脂組成物100重量部中に、金属不活
    性化剤を0.04〜5重量部含有することを特徴とする
    請求項1から請求項4のいずれかに記載の反射鏡。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2002129106A (ja) * 2000-10-30 2002-05-09 T B L:Kk 耐塩水噴霧性塗料組成物及びその塗装体
JP2011248021A (ja) * 2010-05-25 2011-12-08 Panasonic Electric Works Co Ltd 反射部材及びこの反射部材を用いた照明器具

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