JP2002129106A - 耐塩水噴霧性塗料組成物及びその塗装体 - Google Patents

耐塩水噴霧性塗料組成物及びその塗装体

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JP2002129106A
JP2002129106A JP2000330308A JP2000330308A JP2002129106A JP 2002129106 A JP2002129106 A JP 2002129106A JP 2000330308 A JP2000330308 A JP 2000330308A JP 2000330308 A JP2000330308 A JP 2000330308A JP 2002129106 A JP2002129106 A JP 2002129106A
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Toshio Ina
外之郎 井奈
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 基材の塗装に関して、耐塩水噴霧性効果を生
じ得るようにした塗料組成物の提供、及びその塗装体の
提供を図る。 【解決手段】 樹脂を含む塗膜形成分と、当該塗膜形成
分中の塗料樹脂固形分100重量部に対して、0.01
〜30.0重量部の金属不活性化剤を含有することを特
徴とする耐塩水噴霧性塗料組成物を提供する。さらに、
金属不活性化剤に加えて、フォスファイト系抗酸化剤と
脱塩素キャッチャー剤との少なくとも何れか一方を含有
させることが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本願発明は、耐塩水噴霧性塗料組
成物及びその塗装体に関するものであり、より詳しく
は、銀層又はアルミニウム層のイオン化を抑制すること
ができる耐塩水噴霧性塗料組成物及びその塗装体に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】ガラスや樹脂などの基材表面に鏡面光沢
を付与する場合、例えば、ガラスを基材として、この基
材表面に鏡面光沢を付与する場合、従来より、銀鏡反応
を利用した化学めっき層をガラス表面に形成することに
よって行われる。樹脂成形品を基材とするもの、特に、
ABS系樹脂を基材とするものについて、鏡面光沢を付
与する場合に、基材表面に対して、順に、プライマー層
と、鏡面反射層と、クリヤー層とが、塗装として形成さ
れる。この場合、鏡面反射層は、周知の銀鏡めっき或い
は真空蒸着といった製法により形成された、銀層又はア
ルミニウム層である。
【0003】このような塗装体に対して、外部から塩水
を噴霧されると、ナトリウムイオンや塩素イオンが、銀
(Ag)やアルミニウム(Al)をイオン化し、これら
を溶出させてしまう。これについては、ガラスの場合は
もとより、上記のABS系樹脂を基材とする場合であっ
ても、ナトリウムイオンや塩素イオンが、クリヤー層か
ら浸透し、鏡面反射層に達して、銀やアルミニウムをイ
オン化し溶出してしまうのであり、銀やアルミニウムの
溶出によって、塗装体は、鏡面光沢を失う。耐塩水噴霧
性、耐温水性、耐湿性等の試験においても、現行の銀面
反射層を備える積層品は、化学反応により、鏡面反射層
の銀やアルミニウムがイオン化し溶出して独特の鏡面光
沢を失う現象が確認されている。
【0004】従って、鏡面反射層を備えた塗装体は、経
時に、その鏡面光沢が失われてしまうものとなってい
た。現状では、プライマー層と、鏡面反射層と、クリヤ
ー層の、各層間の密着性の改善についての対策はなされ
ているものの、上記の鏡面光沢の低下の防止対策は充分
に行われていない。また、一旦、鏡面光沢が低下する
と、二度と復元しないという問題がある。
【0005】
【発明が解決しょうとする課題】上記の通り、塗膜外部
が噴霧された塩水に曝されることにより塩素イオンやナ
トリウムイオンが銀鏡めっき層やアルミニウム層へ侵入
することが、銀やアルミニウムのイオン化を生じること
の主な原因であることが、発明者によって確認された。
また、本願発明者は、基材中からの揮発性成分も、上記
銀等の鏡面光沢の低下に多少の影響があると考えた。
【0006】本願発明は上記の知見に基づき完成された
もので、その目的とするところは、銀鏡めっき層やアル
ミニウム層の鏡面光沢の低下防止効果を生じ得るように
した塗料組成物の提供、及びその塗装体の提供である。
【0007】
【課題を解決するための手段】そこで、本願発明は、樹
脂を含む塗膜形成分と、該塗膜形成分中の塗料樹脂固形
分100重量部に対して、0.01〜30.0重量部の
金属不活性化剤を含有することを特徴とする耐塩水噴霧
性塗料組成物を提供することにより、上記の課題を解決
する。
【0008】金属不活性化剤の配合量は、塗膜形成分中
の塗料樹脂固形分100重量部に対して、0.01〜3
0.0重量部になるように、金属不活性化剤を配合す
る。黄変性と外観性を考慮すれば、塗料樹脂固形分10
0重量部に対して、15重量部以下、最も好ましくは
0.01〜10.0重量部とする。金属不活性化剤の配
合量の配合量が多くなれば、外観性、透明性が悪くな
り、0.01重量部より少なくなれば、銀鏡めっき層の
イオン化防止の効果が悪くなる。
【0009】金属不活性化剤としては、トリアゾール系
の金属不活性化剤等、Ag、Alと反応し金属錯化合物
を形成する等して、金属を不活性化させるものを用いる
ことができ、例示すれば、ベンゾトリアゾール、3−
(N−サリチロイル)アミノ−1,2,4−トリアゾー
ル、デカメチレンジカルボン酸ジサリチロイルヒドラジ
ド、トリアジン系誘導体複合物、等が挙げられる。商品
名としては、旭電化工業株式会社製の「ADK−STA
B−CDA−1」「ADK−STAB−CDA−1M」
「ADK−STAB−CDA−6」「ADK−STAB
−ZS−27」、CIBA製の「Irgamet−BT
A−M」を例示し得る。
【0010】さらに、本願発明は、上記金属不活性化剤
に加えて、フォスファイト系抗酸化剤と脱塩素キャッチ
ャー剤との少なくとも何れか一方を含有することを特徴
とするものを提供する。前述のように、本願発明者ら
は、銀やアルミニウムの鏡面光沢の劣化の原因を鋭意研
究したところ、前述のABS樹脂やポリプロピレン等の
樹脂基材から発生する塩素系等の揮発性成分が鏡面光沢
の劣化の一因となり得ると知見した。そして、これら
の、鏡面光沢の劣化を抑制するために、前述の金属不活
性化剤と共に、フォスファイト系抗酸化剤と脱塩素キャ
ッチャー剤との何れか一方、最も望ましくは3者を共に
配合することによって、その相乗複合作用を得るものと
したのである。
【0011】即ち、基材中に含有するフェノール系抗酸
化剤とアミン系化学化合物等の基材の劣化遅延剤による
銀の酸化防止の抑制としては、フォスファイト系抗酸化
剤が適切である。フォスファイト系抗酸化剤の配合量
は、樹脂を含む塗膜形成分と、該塗膜形成分中の塗料樹
脂固形分100重量部に対して0.01〜30.0重量
部になるようにフォスファイト系抗酸化剤を配合する。
耐イオン化要因と貯蔵安定性を考慮すれば、塗料樹脂固
形分100重量部に対して、0.5〜4.0重量部が好
ましい。4.0重量部より多くなれば貯蔵安定性と外観
性が悪くなり、0.5重量部より少なくなれば、酸化防
止効果が悪くなる。
【0012】フォスファイト系抗酸化剤としては、アル
キフォスファイト系、アルキルアリールフォスファイト
系、トリアリールフォスファイト系のもの等が使用で
き、より具体的には、下記のものを例示できる。トリス
(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイト、
サイクリックネオペンタンテトライルビス(2,4−ジ
−t−ブチルフェニルフォスファイト、サイクリックネ
オペンタンテトライルビス(オクタデシルフォスファイ
ト)、サイクリックネオペンタンテトライルビス(ノニ
ルフェニルフォスファイト)、1,1,3−トリス(2
−メチル−4−ジ−トリデシルフォスファイト−5−t
−ブチルフェニル)ブタン、4,4’−ブチリデンビス
(3−メチル−6−t−ブチル−ジ−トリデシルフォス
ファイト)、トリス(ミックスド,モノおよびジノニル
フェニル)フォスファイト、トリス(ノニルフェニル)
フォスファイト、4,4’−イソプロピリデン−ジフェ
ノールアルキル(C12〜C15)フォスファイト、ジフェ
ニルイソオクチルフォスファイト、ジフェニルイソデシ
ルフォスファイト、フェニルジイソデシルフォスファイ
ト、トリスイソデシルフォスファイト、ビス(2,6−
ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリ
トール−ジフォスファイト、2,2−メチレンビス
(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)オクチルフォスフ
ァイト、製品名としては、 CIBA製の「IRUGAFOX168」「IRUGA
FOX168FF」 旭電化工業株式会社製の「ADK−STAB−211
2」「ADK−STAB−PEP−24」「ADK−S
TAB−PEP−8」「ADK−STAB−PEP−4
C」「ADK−STAB−522A」「ADK−STA
B−260」「ADK−STAB−329K」「ADK
−STAB−1178」「ADK−STAB−150
0」「ADK−STAB−C」「ADK−STAB−1
35A」「ADK−STAB−517」「ADK−ST
AB−3010」「ADK−STAB−PEP−36」
「ADK−STAB−HP−10」 城北化学製の「JP351」 川口化学製の「アンテージTNP」 堺化学製の「チェレックス−T」「Chelex−P」
「Chelex−D」 等が例示し得る。
【0013】次にまた、塩素化合物の塩素による銀のイ
オン化の抑制としては、脱塩素キャッチャー剤が適切で
ある。配合量は、樹脂を含む塗膜形成分と、該塗膜形成
分中の塗料樹脂固形分100重量部に対して0.01〜
50.0重量部になるように、脱塩素キャッチャー剤を
配合する。耐イオン化要因と外観性を考慮すれば、塗料
樹脂固形分100重量部に対して、0.5〜6.0重量
部が好ましい。6.0重量部より多くなれば、外観性、
透明性が悪くなり、0.5重量部より少なくなれば、耐
イオン化の効果が悪くなるものである。脱塩素キャッチ
ャー剤としては、ステアリン酸カルシウム等種々のもの
が知られているが、ハイドロタルサイト類が特に好まし
い。製品名としては、DHT−4A(協和化学工業株式
会社製)が挙げられる。このハイドロタルサイト類とし
ては、天然鉱物のハイドロタルサイトでも良いが、安定
した供給を可能とする点から、工業的に合成されるハイ
ドロタルサイト類加工物が適当である。ハイドロタルサ
イト類加工物としては、式(1)にて示されるものが知
られている。
【0014】
【化1】 〔Mg4.5 Al2 (OH)13CO3 ・3.5H2 O〕 …式(1)
【0015】このハイドロタルサイト類加工物において
は、その化学構造中にあるCO32-がCl- によって置
換され、この塩素イオンは結晶構造中に組み込まれるこ
とによって、塩素が捕捉されるものであり、高温(約4
50°C)になるまで、塩素イオンは結晶構造から脱離
しないという特徴を有する。
【0016】本願発明において利用し得るハイドロタル
サイト類加工物は、上記のものに限らず、塩素イオンを
捕捉できるものであれば、他の構造のものであってもよ
い。より具体的には、一般式(2)にて示すものが適当
である。
【0017】
【化2】 〔M2+1-X M3+X (OH)2 〕X+〔An-X/n ・mH2 O〕X- …式(2)
【0018】式(2)において、M2+は、Mg2+、Zn
2+、Ni2+等の二価金属、M3+は、Al3+、Fe3+、C
r3+等の三価金属、An-は、Cl- 、NO3 - 、CO3
2-等のn価アニオンである。
【0019】本願発明の耐塩水噴霧性塗料組成物は、種
々の塗料形態として実施でき、例えば、樹脂成形基材に
対して直接或いは間接的に塗装される塗料として用いら
れる塗料組成物として実施できる。具体的には、基材の
表面に対して、順に、第1層と、第2層と、第3層とが
設けられ、第1層と第3層の少なくともいずれか一方
が、上記第1又は第2の発明に係る耐塩水噴霧性塗料組
成物を含む塗膜にて形成された塗装体として実施でき
る。例えば、基材の表面に対して、順に、プライマー層
(第1層)と、鏡面反射層(第2層)と、クリヤー層
(第3層)とが設けられた塗装体について、プライマー
層とクリヤー層の少なくともいずれか一方が、上記第1
又は第2の発明に係る耐塩水噴霧性塗料組成物であるも
のとして実施可能である。塗装体の基材は、周知のプラ
スチックや金属である。上記のプライマー層は、アクリ
ル化アルキッドプライマーなどにて形成された樹脂組成
物にて実施し得る。より具体的には、プライマー層に適
した樹脂組成物として、アクリルウレタン樹脂、ポリエ
ステルウレタン樹脂、エポキシ樹脂、スチレン化アルキ
ッド樹脂(ウレタン)、アクリル化アルキッド樹脂(ウ
レタン)、アルファメチルスチレン化アルキッド樹脂
(ウレタン)などを例示し得る。但し、このような樹脂
組成物は単なる例示であり、周知の他の樹脂組成物にて
実施し得る。より具体的には、アクリル化アルキッドプ
ライマーが、塗膜形成分の塗料樹脂固形分100重量部
に対して0.01〜30.0重量部の金属不活性材とフ
ォスファイト系抗酸化剤と脱塩素キャッチャー剤とを含
有されたものを用いるのが好ましい。また、上記の鏡面
反射層は、銀鏡めっきによって形成した銀層或いは真空
蒸着によって形成したアルミニウム層などの、鏡面を形
成する周知の組成物にて形成されたものであり、銀鏡め
っきによって銀層を形成する場合は、硝酸銀を含む水溶
液を用いて実施するのが好ましい。上記のクリヤー層
は、シリコン変性アクリル樹脂などにて形成された樹脂
組成物にて実施し得る。即ち、ハイシリコンアクリル樹
脂(シリコン変性アクリル樹脂)や、この他アクリルウ
レタン樹脂などで実施し得る。但し、このような樹脂組
成物は単なる例示であり、周知の他の樹脂組成物にて実
施し得る。より具体的には、シリコン変性アクリル樹脂
の塗料樹脂固形分100重量部に対して0.01〜3
0.0重量部のフォスファイト系抗酸化剤と金属不活性
材とを含有させたものを用いるのが好ましい。
【0020】鏡面反射層を銀めっき層とした場合を例に
採って説明すると、上記のように形された塗装体を塩水
の噴霧された雰囲気に置くことによって、外部から塗装
体内へ進入して来た水分中のナトリウムイオンや塩素イ
オンが、クリヤー層(第3層)を通過して鏡面反射層に
達し、銀(Ag)をイオン化しても、同時にクリヤー層
(第3層)の金属不活性剤も上記水分に溶けて鏡面反射
層に達し、金属不活性剤と銀イオンとが反応して錯化合
物を形成し、銀の鏡面反射層からの流出が阻止される。
またプライマー層(第1層)も、金属不活性剤を備える
ことによって、イオン化してプライマー層(第1層)側
へ浸透してきた銀イオンと、金属不活性剤とが反応して
錯化合物を形成し、銀の移動が阻止される。このような
プライマー層(第1層)が金属不活性剤を備える効果に
ついて、例えば、第1層側から鏡面反射層に塩水が進入
した場合を想定し、第1層まで達する傷(クロスカッ
ト)を塗装体に付けて塩水を傷から進入させてその挙動
を観察しても、銀の流出が認められないことから確認さ
れている。従って、上記の構成を採ることによって、塗
装体に傷が付いたとしても、長期に渡って鏡面光沢を維
持することが可能である。また、傷の如何に拘らず、既
述の通り、基材からの揮発性成分の影響も、抑制するこ
とができるのである。
【0021】ここで、プライマー層(第1層)と鏡面反
射層(第2層)とが隣接し、鏡面反射層(第2層)とク
リヤー層(第3層)とが隣接するものとしたが、プライ
マー層(第1層)と鏡面反射層(第2層)との間や、鏡
面反射層(第2層)とクリヤー層(第3層)との間に、
他の層が介在するものであっても実施可能である。即
ち、プライマー層(第1層)と鏡面反射層(第2層)と
クリヤー層(第3層)とは、基材に対し、プライマー層
(第1層)が鏡面反射層(第2層)とクリヤー層(第3
層)に比べて近接し、次いで鏡面反射層(第2層)がク
リヤー層(第3層)に比べて近接するものとなっていれ
ばよく、プライマー層(第1層)と鏡面反射層(第2
層)とクリヤー層(第3層)以外の層の存在や、そのよ
うな他の層との位置関係は、特に限定するものではな
い。
【0022】また、本願発明は、上記の耐塩水噴霧性塗
料組成物による塗膜が形成された塗装体を提供するもの
で、この塗装体の基材、即ち塗膜が直接又は間接的に形
成される基材として好ましい実施の形態については、水
系洗浄により充分な密着性を確保した、表面物性が安定
であるABS樹脂、アクリルブタジエンスチレン(AB
S)、ポリプロピレン、ポリカーボネートを例示でき
る。また、ガラスも基材とし得る。
【0023】特に、塗装する基材を自動車のバンパー
(Bumper)やフェーシア(Facer)とする場
合、特に鏡面反射層は、銀を含む組成物にて形成するの
が適当である。但し塗装体は、このような自動車部品に
限定するものではない。
【0024】
【実施例】以下、本願発明の理解を高めるために、実施
例及び比較例を説明する。例中で部は他に特記せぬ限り
重量部を表す。
【0025】表1へ、JIS K 5400に従って行
った耐塩水噴霧性試験の結果を示す。実施例1〜6は、
基材をアクリル板とし、鏡面反射層(第2層)を銀めっ
き層とし、プライマー層(第1層)として、アクリル化
アルキッドウレタン、NCO及び金属不活性剤を含み、
クリヤー層(第3層)として、ハイシリコンアクリルク
リアー、リン酸系金属錯化合物(触媒)及び金属不活性
剤を含む。金属不活性剤については、プライマー層(第
1層)とクリヤー層(第3層)の何れについても、旭電
化工業株式会社製のADK−STAB−CDA−1を用
いた。表1中の成分比は、夫々重量比である(表の数値
は、固形成分を示している)。実施例1〜6について
は、いずれも、プライマー層中のアクリル化アルキッド
ウレタンとNCOの重量比率が77:23であり、その
合計100に対し、プライマー層中の金属不活性剤の比
率が各実施例によって異なる。また、いずれも、クリヤ
ー層中のハイシリコンアクリルクリアーとリン酸系金属
錯化合物の重量比率が93:7であり、その合計100
に対し、クリヤー層中の金属不活性剤の比率が各実施例
によって異なる(各実施例について、夫々プライマー層
とクリヤー層中の金属不活性剤の比率を、夫々10,
5,2.5,1.5,0.7及び0.3としている)。
比較例1は、プライマー層(第1層)中のアクリル化ア
ルキッドウレタンとNCOの重量比率、及び、クリヤー
層(第3層)中のハイシリコンアクリルクリアーとリン
酸系金属錯化合物の重量比率について、上記実施例1〜
6と同様であるが、プライマー層(第1層)とクリヤー
層(第2層)のいずれについも、金属不活性剤を含まな
い。表中の各時間は、JIS K 5400の規定時間
である。表中の結果について、二重丸は極めて良好、丸
は概ね良好、バツは劣化を示している。
【0026】
【表1】
【0027】上記表1に示す通り、実施例2が全ての規
定時間について最も良好な耐塩水噴霧性を示した。これ
に次いで実施例3及び実施例4が良好であった。実施例
3及び実施例4について、夫々192時間、144時間
を越えると、少し耐塩水噴霧性が低下するが、全般に良
好な結果を示した。最も金属不活性剤の含有率が高い実
施例1と、実施例2〜4の次に金属不活性剤の含有率が
高い実施例5とは、実施例2〜4に次いで、各時間概ね
良好な結果が得られた。最も金属不活性剤の含有率が低
い実施例6では、192時間を越えると、劣化が認めら
れた。比較例1では、規定の全ての時間について劣化が
認められた。
【0028】基材をガラス板とし、鏡面反射層(第2
層)を真空蒸着によるアルミニウム層とした場合の実施
例について説明する(表として示さない。)、この場
合、第1層及び第3層の何れも、クリヤー層とした。具
体的には、第1層及び第3層の何れも、表1の実施例2
の成分(ハイシリコンアクリルクリアー93.00 重量部、
リン酸系金属錯化合物(触媒)7.00重量部、金属不活性
化剤 5.00 重量部)のクリヤー層としたものである。こ
の場合も、鏡面反射層(第2層)を銀めっき層とした表
1の実施例2と同様、全ての規定時間について極めて良
好な耐塩水噴霧性を示した。
【0029】次に、表2を用いて、鏡面反射層(第2
層)を銀めっき層とした場合の、他の実施例について説
明する。
【0030】この表2へ示すものは、表1のプライマー
層(第1層)に脱塩素キャッチヤー剤 0.30 重量部を加
え、クリヤー層(第3層)にフォスファイト系抗酸化剤
0.30 重量部を加えたものである。実施例7〜12及び
比較例2について、脱塩素キャッチヤー剤とフォスファ
イト系抗酸化剤以外の成分及びその重量比は、表1(実
施例1〜6及び比較例1と)同様である。この脱塩素キ
ャッチヤー剤には、ハイドロタルサイト類加工物として
協和化学工業株式会社製のKDHT−4Aを用いた。ま
た、このフォスファイト系抗酸化剤として旭電化工業株
式会社製のADK−STAB−3010を用いた。
【0031】
【表2】
【0032】表2へ示す通り、実施例8及び9が全ての
規定時間について最も良好な耐塩水噴霧性を示した。こ
れに次いで実施例10が良好であった。この実施例10
では192時間、144時間を越えると、少し耐塩水噴
霧性が低下するが、全般に良好な結果を示した。表2中
最も金属不活性剤の含有率が高い実施例7と、実施例8
〜10の次に金属不活性剤の含有率が高い実施例11と
は、実施例8〜10に次いで、各時間概ね良好な結果が
得られた。最も金属不活性剤の含有率が低い実施例12
でも、ほぼ全般に良好な結果が得られたが、240時間
を越えると、劣化が認められた。そして、比較例2で
は、規定の全ての時間について劣化が認められた。
【0033】
【発明の効果】本願発明によって、銀鏡めっき層やアル
ミニウム層の鏡面光沢の低下防止効果を生じ得るように
した塗料組成物の提供、及びその塗装体の提供が可能と
なった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4D075 AE03 CA44 CB04 DA06 DA23 DB01 DB07 DB13 DB35 DB36 DB37 DB42 DB48 DC13 DC38 EA41 EA43 EB14 EB22 EB33 EB35 EB36 EB38 EB42 EC01 EC07 EC49 EC54 4J038 CG141 CJ281 CJ291 DB001 DD001 DD121 DG001 HA556 JA46 JB35 JC26 KA02 NA03 NA04 PA07 PC02

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 樹脂を含む塗膜形成分と、当該塗膜形成
    分中の塗料樹脂固形分100重量部に対して、0.01
    〜30.0重量部の金属不活性化剤を含有することによ
    り、近接する銀層又はアルミニウム層のイオン化を防止
    することを特徴とする耐塩水噴霧性塗料組成物。
  2. 【請求項2】 上記金属不活性化剤に加えて、フォスフ
    ァイト系抗酸化剤と脱塩素キャッチャー剤との少なくと
    も何れか一方を含有することを特徴とする請求項1記載
    の耐塩水噴霧性塗料組成物。
  3. 【請求項3】 基材の表面に対して、順に、第1層と、
    第2層と、第3層とが設けられ、第1層と第3層の少な
    くともいずれか一方が、請求項1又は2記載の耐塩水噴
    霧性塗料組成物を含む塗膜にて形成されたものである耐
    塩水噴霧性塗料組成物による塗装体。
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