JP2013222162A - 印刷制御装置、画像形成システム、及びプログラム - Google Patents

印刷制御装置、画像形成システム、及びプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】印刷時に使用する後処理機側の構成に応じて適切な位置に画像を印刷することを可能にする。
【解決手段】有色トナーおよび特色トナーを用いて用紙上に画像を形成する印刷装置を制御する印刷制御装置は、印刷データに含まれる画像データをプレーン毎に展開する展開手段と、前記印刷装置の装置構成を取得する取得手段と、前記取得手段で取得された装置構成と前記プレーン毎に展開された画像データとに応じて該プレーン毎の画像データそれぞれの位置ずれ量を決定する決定手段と、前記決定手段で決定された前記プレーン毎の位置ずれ量を用いて前記プレーン毎の画像データを補正する補正手段と、を備えることを特徴とする。
【選択図】図9

Description

本発明は、印刷制御装置、画像形成システム、及びプログラムに関する。
従来、CMYKの4色のトナーの他に、色材が入っていない無色のトナーであるクリアトナーを搭載した画像形成装置が存在する。このようなクリアトナーにより形成されたトナー像は、CMYKのトナーにより画像が形成された転写紙等の記録媒体上に定着され、この結果記録媒体の面において視覚的な効果や触覚的な効果(表面効果という)が実現される。クリアトナーにどのようなトナー像を形成してどのような定着をさせるかによって、実現される表面効果が異なる。単純に光沢を与える表面効果もあれば、光沢を抑制する表面効果もある。また、全面に表面効果を与えるだけでなく、一部だけに表面効果を与えたり、クリアトナーによりテクスチャやウォータマークをつけたりする表面効果も求められている。また、表面保護を求める場合もある。また、定着制御のほか、グロッサや低温定着器などの専用の後処理機によって後処理を行うことで実現できる表面効果もある。
たとえば特許文献1には、クリアトナーの載せ方によって光沢度を変化させる方法が開示されている。また、特許文献2には、定着回数によって光沢度を変化させる方法が開示されている。これらのように、クリアトナーの載せ方や定着方法を工夫することによって表面効果を変化させる光沢制御方法が既に知られている。
ただし、例えば特許文献2に開示されているように、印刷物の表面光沢は、記録媒体である紙に形成された画像の表面粗度の影響を受ける。言い換えれば、CMYKのトナーによって生じる表面の凹凸の影響を受ける。そのため、クリアトナーの濃度に応じて単純に光沢の度合いが高くなるとは限らない。そこで、印刷物の表面に光沢を与えるために、画像の表面の平滑度をコントロールする必要がある。このためには、クリアトナーを付着させる画素についてのCMYKの各濃度値に合わせて、クリアトナーによるトナー像を形成するための画像データ(クリア画像データ)を作成する必要がある。
ところで、例えば特許文献3や特許文献4に開示されているように、用紙は後処理機の定着器によって加熱や加圧などの処理を受ける。印刷後の用紙は、この用紙に含まれる水分量が変化することで収縮あるいは伸張する。そのため、後処理機での印刷時や用紙裏面への印刷時に印刷位置のずれが生じてしまうという問題があった。
また、用紙の収縮あるいは伸張の度合いは、後処理機側の構成やその使用不使用によって変化する。たとえば後処理機側のグロッサを使用しない場合と使用する場合とでは、用紙の収縮または伸張の度合いが異なる。そのため、印刷時に使用する後処理機側の構成に応じて適切な位置に画像を印刷することができないという問題があった。
本発明は上記問題に鑑みてなされたものであって、印刷時に使用する後処理機側の構成に応じて適切な位置に画像を印刷することが可能な印刷制御装置、画像形成システム、及びプログラムを提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、有色トナーおよび特色トナーを用いて用紙上に画像を形成する印刷装置を制御する印刷制御装置であって、印刷データに含まれる画像データをプレーン毎に展開する展開手段と、前記印刷装置の装置構成を取得する取得手段と、前記取得手段で取得された装置構成と前記プレーン毎に展開された画像データとに応じて該プレーン毎の画像データそれぞれの位置ずれ量を決定する決定手段と、前記決定手段で決定された前記プレーン毎の位置ずれ量を用いて前記プレーン毎の画像データを補正する補正手段と、備えることを特徴とする。
また、本発明は、有色トナーおよび特色トナーを用いて用紙上に画像を形成する印刷装置を制御する画像形成システムであって、印刷データに含まれる画像データをプレーン毎に展開する展開手段と、前記印刷装置の装置構成を取得する取得手段と、前記取得手段で取得された装置構成と前記プレーン毎に展開された画像データとに応じて該プレーン毎の画像データそれぞれの位置ずれ量を決定する決定手段と、前記決定手段で決定された前記プレーン毎の位置ずれ量を用いて前記プレーン毎の画像データを補正する補正手段と、を備えることを特徴とする。
また、本発明は、有色トナーおよび特色トナーを用いて用紙上に画像を形成する印刷装置を制御するようにコンピュータを動作させるためのプログラムであって、印刷データに含まれる画像データをプレーン毎に展開する展開ステップと、前記印刷装置の装置構成を取得する取得ステップと、前記取得ステップで取得された装置構成と前記プレーン毎に展開された画像データとに応じて該プレーン毎の画像データそれぞれの位置ずれ量を決定する決定ステップと、前記決定ステップで決定された前記プレーン毎の位置ずれ量を用いて前記プレーン毎の画像データを補正する補正ステップと、を前記コンピュータに実行させる。
本発明によれば、印刷時に使用する後処理機側の構成に応じて適切な位置に画像を印刷することが可能になるという効果を奏する。
図1は、第1の実施の形態に係る画像形成システムの構成を例示する図である。 図2は、有色版の画像データの一例を示す図である。 図3は、光沢の有無に関する表面効果の種類を例示する図である。 図4は、この光沢制御版の画像データをイメージとして示した図である。 図5は、クリア版の画像データの一例を示す図である。 図6は、ホスト装置の概略構成例を示すブロック図である。 図7は、印刷データの構成例を概念的に示す模式図である。 図8は、印刷装置の概略構成例を示す図である。 図9は、DFEの概略構成例を示すブロック図である。 図10は、印刷装置の他の概略構成例を示す図である。 図11は、印刷装置のさらに他の概略構成例を示す図である。 図12は、表面効果選択テーブルの一例を示す図である。 図13は、MICの概略構成例を示すブロック図である。 図14は、図1に示す装置構成を備える印刷装置に対する設定テーブルの一例を示す図である。 図15は、図10に示す装置構成を備える印刷装置に対する設定テーブルの一例を示す図である。 図16は、第1の実施の形態に係る画像形成システムが行う光沢制御処理の手順の一例を示すフローチャートである。 図17は、図16のステップS1に示す装置構成情報取得処理の一例を示すフローチャートである。 図18は、印刷装置が図10に示す装置構成を備える場合に図17のステップS6で実行される置き換え処理の一例を示すフローチャートである。 図19は、設定テーブルの一例を示す図である。 図20は、第2の実施の形態にかかるDFEの概略構成例を示すブロック図である。 図21は、印刷装置が図1に示す装置構成を備える場合にUI部に表示される設定画面例を示す図である。 図22は、印刷装置が図10に示す装置構成を備える場合にUI部に表示される設定画面例を示す図である。 図23は、印刷装置が図11に示す装置構成を備える場合にUI部に表示される設定画面例を示す図である。 図24は、第2の実施の形態に係る画像形成システムが行う光沢制御処理の手順の一例を示すフローチャートである。 図25は、第3の実施の形態においてUI部に表示される設定画面例を示す図である。 図26は、第3の実施の形態における位置ずれ量設定にかかる手順の一例を示すフローチャートである。 図27は、第4の実施の形態において有色版の画像データにおけるCMYKのトナーが転写される領域と全体の印刷領域との一例を示す図である。 図28は、第4の実施の形態においてクリアトナー版の画像データにおけるクリアトナーが転写される領域と全体の印刷領域との一例を示す図である。 図29は、第5の実施の形態にかかるDFEの概略構成例を示すブロック図である。 図30は、第6の実施の形態に係る画像形成システムの構成を例示する図である。 図31は、第6の実施の形態にかかるホスト装置の機能的構成を示すブロック図である。 図32は、第6の実施の形態にかかるサーバ装置の機能的構成を示すブロック図である。 図33は、第6の実施の形態のDFEの機能的構成を示すブロック図である。 図34は、第6の実施の形態にかかるクリアトナー版の生成処理の全体の流れを示すシーケンス図である。 図35は、第6の実施の形態のホスト装置による処理の手順を示すフローチャートである。 図36は、第6の実施の形態にかかるサーバ装置による光沢制御版の画像データおよび印刷データの生成処理の手順を示すフローチャートである。 図37は、第6の実施の形態に係るDFEによる処理の手順を示すフローチャートである。 図38は、第6の実施の形態に係るサーバ装置によるクリアトナー版の生成処理の手順を示すフローチャートである。 図39は、クラウド上に2つのサーバを設けたネットワーク構成図である。 図40は、ホスト装置、DFE、サーバ装置のハードウェア構成図である。
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる印刷制御装置、画像形成システム、及びプログラムの一実施の形態を詳細に説明する。
〔第1の実施の形態〕
まず、本実施の形態に係る画像形成システムの構成について図1を用いて説明する。本実施の形態においては、画像形成システム10は、プリンタコントローラ(DFE:Digital Front End)(以下、DFEと称する場合がある)50と、インタフェースコントローラ(MIC:Mechanism I/F Contoroller)(以下、MICと称する場合がある)60と、印刷装置30と、を備えている。
印刷装置30は、プリンタ機70と、後処理機40と、が接続されて構成されている。後処理機40としては、グロッサ80、定着器として通常定着器を搭載した後処理機90A、及び定着器として低温定着器を搭載した後処理機90Bが挙げられる。グロッサ80は、プリンタ機70で一度定着された画像を、再度、加熱及び定着し、トナーが載っている箇所の平滑度をより向上させることで光沢度を高めることができる装置である。このグロッサ80の実現手段については特に限定されない。後処理機90A、90Bは、夫々定着器の他に、クリアトナー用の感光体、帯電器、現像器及び感光体クリーナを含む作像ユニット、及び露光器が搭載されている。なお、本実施の形態では、後処理機40として、グロッサ80、後処理機90A及び90Bの内、少なくとも1つが搭載され、且つ少なくとも1つが搭載されていないものとする。
DFE50は、MIC60を介してプリンタ機70と通信を行い、プリンタ機70での画像の形成を制御する。DFE50は、例えば、PC(Personal Computer)で構成される。また、DFE50には、他のPC等のホスト装置49が接続できる。DFE50は、ホスト装置49から画像データを受信して、当該画像データを用いて、プリンタ機70がCMYKの各トナー及びクリアトナーに応じたトナー像を形成するための画像データを生成し、生成した画像データをMIC60を介して印刷装置30へ送信する。
なお、本実施の形態では、DFE50とホスト装置49とは、別々のPC、すなわち別体として構成される場合を説明するが、DFE50及びホスト装置49の双方の機能を有する1つのPC等を用いて一体的に構成してもよい。
プリンタ機70には、CMYKの各トナーとクリアトナーとが少なくとも搭載されており、各トナーに対して感光体、帯電器、現像器及び感光体クリーナを含む作像ユニット、及び露光器等が搭載されている。
ここで、クリアトナーとは、色材を含まない透明な(無色の)トナーである。なお、透明(無色)とは、例えば、透過率が70%以上であることを示す。
プリンタ機70は、MIC60を介してDFE50から受信した画像データに応じて、露光器から光ビームを照射して各トナーに応じたトナー像を感光体上に形成し、これを用紙に転写する。転写されたトナー像は、図示を省略する定着器によって所定の範囲内の温度(通常温度)で加熱加圧されることで定着する。これによって、用紙に画像が形成される。
グロッサ80は、DFE50によりオン又はオフが制御され、オンにされた場合に、プリンタ機70により用紙に形成されたトナー像を再定着する。これにより、用紙に形成された画像全体において所定以上のトナーが付着した画素のトナーの総付着量が均一に圧縮され、結果、印刷された画像の光沢度を向上させることができる。グロッサ80は、図3の鏡面光沢を満足できる装置であれば、如何なるものであってもよい。
後処理機90Aには、クリアトナー及び当該クリアトナーを定着させるための定着器が搭載されており、DFE50が生成した後述のクリアトナー版の画像データが入力される。後処理機90Aは、入力されたクリアトナー版の画像データを用いてクリアトナーによるトナー像を形成し、このトナー像を該定着器による通常温度の加熱および/または加圧で用紙に定着させる。
後処理機90Bには、クリアトナー及び当該クリアトナーを定着させるための定着器が搭載されており、DFE50が生成した後述のクリアトナー版の画像データが入力される。後処理機90Bは、入力されたクリアトナー版の画像データを用いてクリアトナーによるトナー像を形成して、グロッサ80が加圧した用紙上に当該トナー像を重ね、このトナー像を定着器による通常温度よりも低い加熱および/または加圧で用紙に定着させる。
ここで、ホスト装置49からDFE50に入力される画像データ(原稿データ)について概要を説明する。ホスト装置49では、予めインストールされた画像処理アプリケーションにより画像データが生成されて、DFE50に送信される。このような画像処理アプリケーションでは、RGB版やCMYK版などの各色版における各色の濃度の値(濃度値という)を画素毎に規定した画像データに対して、特色版の画像データを取り扱うことが可能である。特色版とは、CMYKやRGBなどの基本的なカラーの他に、白、金、銀といった特殊なトナーやインクを用いた印刷を実現するための機能であり、このような特殊なトナーやインクを搭載したプリンタ向けの機能である。特色版は、色再現性を向上させるためにCMYKの基本カラーにRを追加することや、RGBの基本カラーにYを追加することにも使用できる。本実施の形態にかかるクリアトナーも、特色版で用いる特色トナーの1つとして扱うことができる。
本実施の形態では、この特色としてのクリアトナーを、用紙に付与する視覚的または触覚的な効果である表面効果を形成するため、および、用紙に上記表面効果以外のウォータマークやテクスチャ等の透明画像を形成するために用いる。本説明では、用紙に視覚的または触覚的な効果である表面効果を形成するためのクリアトナーによる画像データを光沢制御版の画像データという。また、用紙にウォータマークやテクスチャ等の透明画像を形成するためのクリアトナーによる画像データをクリア版の画像データという。有色版の画像データ、光沢制御版の画像データ、及びクリア版の画像データは、共にページ単位で構成され、それぞれ別々のプレーンに分かれている。
そこで、ホスト装置49の画像処理アプリケーションは、入力された画像データに対して、有色版の画像データの他、特色版の画像データとして、ユーザの指定により、光沢制御版の画像データおよび/またはクリア版の画像データを生成する。本説明では、光沢制御版の画像データとクリア版の画像データとをまとめてクリアトナー版の画像データという。
ここで、有色版の画像データとは、画素毎にRGBやCMYK等の有色の濃度値を規定した画像データである。この有色版の画像データでは、ユーザによる色の指定により、1画素を8ビットで表現される。図2は、有色版の画像データの一例を示す説明図である。図2において、「A」、「B」、「C」等の描画オブジェクトごとにユーザが画像処理アプリケーションで指定した色に対応する濃度値が付与される。
また、光沢制御版の画像データとは、用紙に付与する視覚的または触覚的な効果である表面効果に応じたクリアトナーを付着させる制御を行うために、当該表面効果の与えられる領域および当該表面効果の種類を特定した画像データである。この光沢制御版の画像データは、RGB版やCMYK版と同様に、画素毎に「0」〜「255」の範囲の8ビットの濃度値で表される。表面効果の種類は、この濃度値に対応付けられる。各画素の濃度値は、16ビットや32ビット、または0〜100%で表されてもよい。また、同一の表面効果を与えたい範囲には、実際に付着するクリアトナーの濃度と関係なく同一の値が設定される。そのため、領域を示すデータがなくとも必要に応じて画像データから容易に領域を特定できる。即ち、光沢制御版の画像データには、表面効果の種類と、表面効果を与える領域とを示す情報が含まれている。ただし、これに限らず、領域を表すデータを光沢制御版の画像データとは別に用意してもよい。
ホスト装置49は、ユーザが画像処理アプリケーションにより指定した描画オブジェクトに対する表面効果の種類を、描画オブジェクトごとに光沢制御値としての濃度値として設定し、これによりベクタ形式の光沢制御版の画像データ(光沢制御版データ)を生成する。
ここで、表面効果の種類としては、大別して、光沢の有無に関するものや、表面保護や、情報を埋め込んだ透かしや、テクスチャなどがある。光沢の有無に関する表面効果については、図3に例示されるように、大別して4種類あり、光沢の度合い(光沢度)順に、鏡面光沢(PG:Premium Gloss)、ベタ光沢(G:Gloss)、網点マット(M:Matt)及びつや消し(PM:Premium Matt)等の各種類がある。これ以降、鏡面光沢を「PG」、ベタ光沢を「G」、網点マットを「M」、つや消しを「PM」と呼ぶ場合がある。
鏡面光沢やベタ光沢は、光沢を与える度合いが高く、逆に、網点マットやつや消しは、光沢を抑えるためのものであり、特に、つや消しは、通常の用紙が有する光沢度より低い光沢度を実現するものである。図3中において、鏡面光沢はその光沢度Gsが80以上、ベタ光沢は一次色あるいは二次色のなすベタ光沢度、網点マットは一次色、かつ網点30%の光沢度、つや消しは光沢度10以下を表している。また、光沢度の偏差をΔGsで表し、その値を10以下とした。このような表面効果の各種類に対して、光沢を与える度合いが高い表面効果に高い濃度値が対応付けられ、光沢を抑える表面効果に低い濃度値が対応付けられる。その中間の濃度値には、透かしやテクスチャなどの表面効果が対応付けられる。透かしとしては、例えば、文字や地紋などが用いられる。テクスチャは、文字や模様を表すものであり、視覚的効果の他、触覚的効果を与えることが可能である。例えば、ステンドグラスのパターンをクリアトナーによって実現することができる。表面保護は、鏡面光沢やベタ光沢で代用できる。なお、処理対象の画像データによって表される画像のどの領域に表面効果を与えるかや、その領域にどの種類の表面効果を与えるかについては、画像処理アプリケーションを介してユーザにより指定される。画像処理アプリケーションを実行するホスト装置49では、ユーザにより指定された領域を構成する画素について、ユーザ指定の表面効果に対応する濃度値がセットされることにより、光沢制御版の画像データが生成される。濃度値と表面効果の種類との対応関係については後述する。
図4は、光沢制御版の画像データの一例を示す説明図である。図4の光沢制御版の例では、ユーザにより、描画オブジェクト「ABC」に表面効果「PG(鏡面光沢)」が付与され、描画オブジェクト「(長方形の図形)」に表面効果「G(ベタ光沢)」が付与され、描画オブジェクト「(円形の図形)」に表面効果「M(網点マット)」が付与された例を示している。なお、各表面効果に設定された濃度値は、後述の表面効果選択テーブル(図12参照)で、表面効果の種類に対応して定められた濃度値である。
クリア版の画像データとは、上記表面効果以外のウォータマークやテクスチャ等の透明画像を特定した画像データである。図5は、クリア版の画像データの一例を示す説明図である。図5の例では、ユーザにより、ウォータマーク「Sale」が指定されている。
このように、特色版の画像データである、光沢制御版の画像データおよびクリア版の画像データは、ホスト装置49の画像処理アプリケーションにより、有色版の画像データとはそれぞれ別のプレーンで生成される。また、有色版の画像データ、光沢制御版の画像データ、クリア版の画像データの各画像データの形式には、PDF(Portable Document Format)形式が用いられるが、各版のPDFの画像データを統合したものが、ホスト装置49から出力される原稿データとして生成される。なお、各版の画像データのデータ形式は、PDFに限定されるものではなく、任意の形式を用いることができる。
ホスト装置49では、上記有色版の画像データと、光沢制御版の画像データおよびクリア版の画像データを適宜含むクリアトナー版の画像データとを統合した原稿データに、更にジョブコマンドを含めることで、印刷データを生成する。この印刷データは、DFE50へ出力される。ジョブコマンドは、例えば、プリンタの設定、集約の設定、両面の設定などをプリンタに対して指定するコマンドである。ジョブコマンドとして、JDF(Job Definition Format)が用いられているが、これに限られるものではない。例えば、JDFは、集約の設定として「片面印刷・ステープル有り」を指定するコマンドである。また、印刷データは、PostScriptのようなページ記述言語(PDL)に変換されてもよいし、DFE50が対応していれば、PDF形式のままでもよい。図6に、ホスト装置49の概略構成の一例を示し、図7に、ホスト装置49がDFE50へ送信する印刷データの一例を示す。
次に、各版の画像データを生成するホスト装置49の詳細について説明する。図6は、ホスト装置49の概略構成例を示すブロック図である。図6に示すように、ホスト装置49は、I/F部11と、記憶部12と、入力部13と、表示部14と、制御部15とを含んで構成される。I/F部11は、DFE50との間で通信を行うためのインタフェース装置である。記憶部12は各種のデータを記憶するハードディスクドライブ装置(HDD)やメモリ等の記憶媒体である。入力部13は、ユーザが各種の操作入力を行うための入力デバイスであり、例えばキーボードやマウスなどで構成され得る。表示部14は、各種画面を表示するための表示デバイスであり、例えば液晶パネルなどで構成され得る。
制御部15は、ホスト装置49全体を制御し、CPU、ROMおよびRAMなどを含んで構成されるコンピュータである。図6に示すように、制御部15は、入力制御部124と、画像処理部120と、表示制御部121と、版データ生成部122と、印刷データ生成部123とを主に備えている。これらの各部のうち入力制御部124と表示制御部121は、制御部15のCPUがROM等に格納されたオペレーティングシステムのプログラムを読み出してRAM上に展開して実行することにより実現される。画像処理部120、版データ生成部122、印刷データ生成部123は、制御部15のCPUがROM等に格納された上述の画像処理アプリケーションのプログラムを読み出してRAM上に展開して実行することにより実現される。ここで、版データ生成部122は、例えば、画像処理アプリケーションにインストールされたプラグインの機能として提供される。なお、これらの各部のうちの少なくとも一部を個別の回路(ハードウェア)で実現することも可能である。
入力制御部124は、入力部13からの各種入力を受け付けて入力を制御する。例えばユーザは、入力部13を操作することにより、記憶部12に記憶された各種画像(例えば写真、文字、図形、これらを合成した画像等)のうち表面効果を与えるべき画像、すなわち有色版の画像データ(以下、「対象画像」と呼ぶ場合もある)を指定する画像指定情報を入力することができる。なお、これに限らず、画像指定情報の入力方法は任意である。
表示制御部121は、表示部14に対する各種情報の表示を制御する。本実施の形態では、表示制御部121は、入力制御部124で画像指定情報を受け付けた場合、その画像指定情報で指定された画像を記憶部12から読み出し、その読み出した画像を画面上に表示するように表示部14を制御する。
ユーザは、表示部14に表示された対象画像を確認しながら、入力部13を操作することにより、表面効果を与える領域および当該表面効果の種類を指定する指定情報を入力することができる。なお、指定情報の入力方法は、これに限られるものではなく、任意である。
画像処理部120は、対象画像に対して、ユーザからの入力部13を介した指示に基づいて、各種画像処理を行う。
版データ生成部122は、有色版の画像データ、光沢制御版の画像データ、クリア版の画像データをそれぞれ生成する。すなわち、版データ生成部122は、入力制御部124で、対象画像の描画オブジェクトに対するユーザによる色指定を受け付けた場合、当該色指定に従って、有色版の画像データを生成する。
また、版データ生成部122は、入力制御部124で、表面効果以外のウォータマークやテクスチャ等の透明画像及び透明画像を付与する領域の指定を受け付けた場合、当該ユーザからの指定に従って、透明画像および透明画像を付与する紙における領域を特定するためのクリア版の画像データを生成する。
また、版データ生成部122は、入力制御部124で指定情報(表面効果を与える領域および当該表面効果の種類)を受け付けた場合、当該指定情報から各領域に与える表面効果を特定し、特定した領域ごとの表面効果に基づいて、紙において表面効果が与えられる領域および当該表面効果の種類を特定可能な光沢制御版の画像データを生成する。ここで、版データ生成部122は、光沢制御値で示す表面効果を付与する領域を、対象画像の画像データの描画オブジェクトの単位で指定した光沢制御版の画像データを生成する。
版データ生成部122は、ユーザにより所定の表面効果が指定された描画オブジェクトの濃度値(光沢制御値)を、当該表面効果の種類に応じた値に設定することで、光沢制御版の画像データを生成してもよい。その場合、例えばユーザにより、図2に示した有色版の画像データである対象画像のうち、「ABC」と表示される領域に「PG」、「長方形」の領域に「G」、「円形」の領域に「M」を与えることが指定された場合を想定すると、版データ生成部122は、ユーザにより「PG」が指定された描画オブジェクト(「ABC」)の濃度値を「98%」に設定し、「G」が指定された描画オブジェクト(「長方形」)の濃度値を「90%」に設定し、「M」が指定された描画オブジェクト(「円形」)の濃度値を「16%」に設定することで、光沢制御版の画像データを生成する。版データ生成部122で生成された光沢制御版の画像データは、点の座標と、それを結ぶ線や面の方程式のパラメータ、および、塗り潰しや特殊効果などを示す描画オブジェクトの集合として表現されるベクタ形式のデータである。図4は、この光沢制御版の画像データをイメージとして示した図である。
版データ生成部122は、以上のように生成した対象画像の画像データ(有色版の画像データ)と、光沢制御版の画像データと、クリア版の画像データとを統合した原稿データを生成して印刷データ生成部123へ渡す。
印刷データ生成部123は、原稿データに基づいて印刷データを生成する。印刷データは、対象画像の画像データ(有色版の画像データ)と、光沢制御版の画像データと、クリア版の画像データと、例えばプリンタの設定、集約の設定、両面の設定などをプリンタに対して指定するジョブコマンドとを含んで構成される。図7は、印刷データの構成例を概念的に示す模式図である。図7の例では、ジョブコマンドとして、JDF(Job Definition Format)が用いられているが、これに限られるものではない。図7に示すJDFは、集約の設定として「片面印刷・ステープル有り」を指定するコマンドである。また、印刷データは、PostScriptのようなページ記述言語(PDL)に変換されてもよいし、DFE50が対応していれば、PDF形式のままでもよい。
図1に戻り説明を続ける。DFE50は、ホスト装置49から画像データとしての印刷データを受け付け、後述する各種処理を行った後に、印刷装置30へ出力する。DFE50の詳細については後述する。
図8には、印刷装置30の構成を模式的に示した。印刷装置30は、上記構成(プリンタ機70、後処理機40)に加えて更に、用紙を搬送する搬送路20を備えている。なお、プリンタ機70は、詳細には、電子写真方式の複数の感光体71B、感光体71B上に形成されたトナー像を転写される転写ベルト71C、転写ベルト71C上のトナー像を用紙に転写する転写装置71D、及び用紙上のトナー像を用紙に定着させる定着器71A、定着器71Aから排紙された用紙をプリンタ機70で今度は裏面に画像を形成するための用紙反転搬送路70Eを備える。また、グロッサ80はグロッサ80で一度再定着された用紙を今度は裏面を再定着するための用紙反転搬送路80Aを備える。後処理機90Aは、電子写真方式の感光体91A及び感光体91Aから転写されたトナー像を用紙に定着させる定着器91B、定着器91Bから排紙された用紙を後処理機90Aで今度は裏面に画像を形成するための用紙反転搬送路91Cを備える。後処理機90Bは、電子写真方式の感光体92A及び感光体92Aから転写されたトナー像を用紙に定着させる定着器92B、定着器92Bから排紙された用紙を後処理機90Bで今度は裏面に画像を形成するための用紙反転搬送路92Cを備える。用紙は、図示を省略する搬送部材によって搬送路20を搬送されることで、用紙の反転を除きプリンタ機70、グロッサ80、後処理機90A、及び後処理機90Bの設けられている位置を、この順に搬送される。そして、これらの機器によって順次処理が行われて画像形成及び表面効果が付与された後に、図示を省略する搬送機構によって搬送路20を搬送されて、印刷装置30の外部へと排出される。
次に、DFE50の機能的構成について説明する。DFE50は、図9に例示されるように、DFE50は、レンダリングエンジン51と、si1部52と、TRC(Tone Reproduction Curve)53と、si2部54と、ハーフトーンエンジン55と、有色版位置ずれ補正部59、クリアプロセッシング56と、si3部57と、装置構成取得部58と、を有する。レンダリングエンジン51と、si1部52と、TRC(Tone Reproduction Curve)53と、si2部54と、ハーフトーンエンジン55と、有色版位置ずれ補正部59、クリアプロセッシング56と、si3部57と、装置構成取得部58とは、DFE50の制御部が主記憶部や補助記憶部に記憶されている各種プログラムを実行することにより実現される。si1部52、si2部54及びsi3部57はいずれも、画像データを分離する(separate)機能と、画像データを統合する(integrate)機能とを有する。
レンダリングエンジン51には、ホスト装置49から送信された画像データが入力される。レンダリングエンジン51は、入力された画像データを言語解釈して、ベクタ形式で表現される画像データをラスタ形式に変換すると共に、RGB形式で表現された色空間の場合はCMYK形式の色空間に変換して、各8ビットのCMYKの有色版の画像データと、各8ビットの光沢制御版およびクリア版の画像データとを出力する。
si1部52は、各8ビットのCMYKの有色版の画像データをTRC53に出力し、各8ビットの光沢制御版およびクリア版の画像データをクリアプロセッシング56に出力する。
TRC53には、si1部52を介して各8ビットのCMYKの有色版の画像データが入力される。TRC53は、入力された画像データに対してキャリブレーションにより生成された1D_LUTのガンマカーブでガンマ補正を行う。TRC53で実行される他の画像処理には総量規制などがある。総量規制とは、用紙上の1画素において、プリンタ機70で載せることが可能なトナー量に限界があるため、ガンマ補正後の各8ビットのCMYKの有色版の画像データを制限する処理である。ちなみに、総量規制を越えて印刷した場合、転写不良や定着不良により画質が劣化してしまう。本実施の形態ではTRCのみを取り上げて説明している。
si2部54は、TRC53でガンマ補正された各8ビットのCMYKの有色版の画像データを、後述するインバースマスクを生成するためのデータとして、かつ、位置ずれ量を決めるためのデータとしてクリアプロセッシング56へ出力する。有色版位置ずれ補正部59は、各8ビットのCMYKの有色版の画像データに対し、クリアプロセッシング56内の位置ずれ量決定部56Eで各版の位置ずれ補正が必要なとき、位置ずれ量決定部56Eで決定した位置ずれ量を基に、各8ビットのCMYKの有色版の画像データに対して位置ずれ補正を行う。これにより、位置ずれ補正後の有色版の画像データが生成される。ハーフトーンエンジン55には、有色版位置ずれ補正部59で補正された有色版の画像データが入力される。画像データに対する位置ずれ補正処理の具体的方法は如何なるものであってもよい。
ハーフトーンエンジン55は、入力された画像データをプリンタ機70に出力するための、例えば各8ビットのCMYKの有色版の画像データを各2ビット等の画像データのデータ形式に変換するハーフトーン処理を行い、ハーフトーン処理後の各2ビット等のCMYKの有色版の画像データを出力する。なお、2ビットは一例であり、これに限定されるものではない。
装置構成取得部58は、後処理機40の装置構成を示す装置構成情報を取得する。上述のように、本実施の形態では、印刷装置30には、後処理機40としての、グロッサ80、後処理機90Aおよび後処理機90Bのうちの、何れか1つ以上が搭載されておらず、且つ何れか1つ以上が搭載されている。この後処理機40として何が設けられているかを示す情報は、詳細を後述するMIC60によって取得され、プリンタ機70を介して装置構成取得部58に入力される。装置構成取得部58は、取得した装置構成情報を、クリアプロセッシング56へ出力する。
クリアプロセッシング56には、レンダリングエンジン51が変換した8ビットの光沢制御版とクリア版がsi1部52を介して入力されると共に、TRC53がガンマ補正を行ったCMYKの各8ビットの画像データがsi2部54を介して入力される。このクリアプロセッシング56は、置換部56Aと、記憶部56Bと、表面効果種類判別部56Dと、位置ずれ量決定部56Eと、クリアトナー版位置ずれ補正部56Fとを含む。記憶部56Bには、表面効果選択テーブル(後述)や設定テーブル(後述)等が記憶されている。
クリアプロセッシング56は、入力された光沢制御版の画像データを用いて後述の表面効果選択テーブルを参照して、光沢制御版の画像データを構成する各画素の表す濃度値(画素値)に対する表面効果を表面効果種類判別部56Dで判断する。また、クリアプロセッシング56は、当該判断結果及び後述する設定テーブルに基づいて、グロッサ80のオン又はオフを決定すると共に、入力された各8ビットのCMYKの有色版の画像データを用いてインバースマスクやベタマスクやハーフトーン等を適宜生成することにより、クリアトナーを付着させるための8ビットのクリアトナー版の画像データを適宜生成する。その際、クリアトナー版位置ずれ補正部56Fは、装置構成情報に応じて位置ずれ量決定部56Eで決定された位置ずれ量の情報を基に、クリアトナー版の画像データの位置ずれ補正を行う。位置ずれ補正後のクリアトナー版の画像データは、プリンタ機70へ出力するためにハーフトーン処理され、2ビットの画像データとして出力される。
そして、クリアプロセッシング56は、適宜生成した、プリンタ機70で用いるクリアトナー版の画像データと、後処理機90Aおよび90Bで用いるクリアトナー版の画像データとを印刷装置30へ出力すると共に、グロッサ80のオン又はオフを示すオンオフ情報を出力する。
ここで、インバースマスクとは、表面効果を与える対象の領域を構成する各画素上のCMYKのトナー及びクリアトナーを合わせた総付着量が均一になるようにするためのものである。具体的には、CMYKの有色版の画像データにおいて当該対象の領域を構成する画素の表す濃度値を全て加算し、この加算値を所定値から引いた画素値の画素で構成された画像データがインバースマスクとなる。例えば、上述のインバータマスクは、以下の式1で表される。
Clr=100−(C+M+Y+K)
但し、Clr<0となる場合、Clr=0
・・・(式1)
式1において、Clr,C,M,Y,Kは、クリアトナー及びC,M,Y,Kの各トナーのそれぞれについて、各画素における濃度値から換算される濃度率を表すものである。即ち、式1によって、C,M,Y,Kの各トナーの総付着量にクリアトナーの付着量を加えた総付着量を、表面効果を与える対象の領域を構成する全ての画素について100%にする。なお、C,M,Y,Kの各トナーの総付着量が100%以上である場合には、クリアトナーは付着させずに、その濃度率は0%にする。これは、C,M,Y,Kの各トナーの総付着量が100%を超えている部分は定着処理により平滑化されるためである。このように、表面効果を与える対象の領域を構成する全ての画素上の総付着量を100%以上にすることで、当該対象の領域においてトナーの総付着量の差による表面の凸凹がなくなり、この結果、光の正反射による光沢が生じるのである。但し、インバースマスクには、式1以外により求められるものがあり、インバースマスクの種類は複数有り得る。
例えば、インバースマスクは、各画素にクリアトナーを均一に付着させるものであってもよい。この場合のインバースマスクは、ベタマスクともいい、以下の式2で表される。
Clr=100・・・(式2)
尚、表面効果を与える対象の画素の中でも、100%以外の濃度率が対応付けられるものがあるようにしても良く、ベタマスクのパターンは複数有り得る。
また、例えばインバースマスクは、各色の地肌露出率の乗算により求められるものであってもよい。この場合のインバースマスクは、例えば以下の式3で表される。
Clr=100×{(100−C)/100}×{(100−M)/100}×{(100−Y)/100}×{(100−K)/100}・・・(式3)
上記式3において、(100−C)/100は、Cの地肌露出率を示し、(100−M)/100は、Mの地肌露出率を示し、(100−Y)/100は、Yの地肌露出率を示し、(100−K)/100はKの地肌露出率を示す。
また、例えばインバースマスクは、最大面積率の網点が平滑性を律すると仮定した方法により求められるものであってもよい。この場合のインバースマスクは、例えば以下の式4で表される。
Clr=100−max(C,M,Y,K)・・・(式4)
上記式4において、max(C,M,Y,K)は、CMYKのうち最大の濃度値を示す色の濃度値が代表値となることを示す。
要するに、インバースマスクは、上記式1〜式4の何れかの式により表されるものであればよい。
表面効果選択テーブルは、表面効果を示す光沢制御値としての濃度値と当該表面効果の種類の対応関係を示すと共に、これらと、画像形成システムの構成に応じた後処理機に関する制御情報と、プリンタ機70で用いるクリアトナー版の画像データ及び後処理機で用いるクリアトナー版の画像データとの対応関係を示すテーブルである。
後処理機40に関する制御情報には、グロッサ80のオン又はオフを示すオンオフ情報が含まれる。後処理機40で用いるクリアトナー版の画像データには、後処理機90A及び後処理機90B等で用いるクリアトナー版の画像データが含まれる。
具体的には、表面効果選択テーブルは、装置構成に応じて、画像形成システムの構成毎に、後処理機40に関する制御情報(グロッサ80のオンオフ情報)、プリンタ機70で用いるクリアトナー版の画像データ(クリアトナー版1)、後処理機90Aで用いるクリアトナー版の画像データ(クリアトナー版2)、及び後処理機90Bで用いるクリアトナー版の画像データ(クリアトナー版3)の少なくとも1つと、濃度値及び表面効果の種類との対応関係を示すように構成され得る。
ここでは、上述のように、本実施の形態では、印刷装置30には、後処理機40としての、グロッサ80、後処理機90Aおよび後処理機90Bのうちの、何れか1つ以上が搭載されておらず、且つ何れか1つ以上が搭載されている場合を想定している。そのため、本説明では、印刷装置30におけるプリンタ機70以外の構成として、グロッサ80、後処理機90A、及び後処理機90Bの内の少なくとも1つ以上を備え且つ少なくとも1つ以上を備えていない複数種類の構成毎に、表面効果選択テーブルが作成され、対応づけられている。また、それぞれの装置構成に応じて作成された複数の表面効果選択テーブルは、各装置構成情報に対応づけて、予め記憶部56Bに記憶されている。
例えば、後処理機40の装置構成を示す装置構成情報がグロッサ80と後処理機90Bとを備えた構成を示す場合を想定する。この場合には、図10に示すように、印刷装置30は、後処理機40として、グロッサ80及び後処理機90Bのみを搭載した構成となっている。このような構成を示す装置構成情報に対応する表面効果選択テーブルは、後処理機40に関する制御情報(グロッサ80のオンオフ情報)と、プリンタ機70で用いるクリアトナー版の画像データ、及び後処理機90Bで用いるクリアトナー版の画像データと、濃度値及び表面効果の種類との対応関係を示すように構成される。
また、例えば、後処理機40の装置構成を示す装置構成情報がグロッサ80のみを備えた構成を示す場合を想定する。この場合には、図11に示すように、印刷装置30は、後処理機40としてグロッサ80のみを搭載した構成となっている。このような構成を示す装置構成情報に対応する表面効果選択テーブルは、後処理機40に関する制御情報(グロッサ80のオンオフ情報)と、プリンタ機70で用いるクリアトナー版の画像データと、濃度値及び表面効果の種類との対応関係を示すように構成される。
ここで、表面効果選択テーブルの例として、プリンタ機70とグロッサ80と後処理機90Aと後処理機90Bとの全ての後処理機40を備えたことを示す装置構成情報に対応するように作成された表面効果選択テーブルの一例を図12に示す。
図12に示す表面効果選択テーブルには、後処理機に関する制御情報(グロッサ80オンオフ)と、プリンタ機70で用いるクリアトナー版の画像データ(図12中、クリアトナー版1参照)と、後処理機90Aで用いるクリアトナー版の画像データ(図12中、クリアトナー版2参照)と、定着器として低温定着器を搭載した後処理機90Bで用いるクリアトナー版の画像データ(図12中、クリアトナー版3参照)と、濃度値及び表面効果の種類との対応関係が示されている。
なお、同図に示される表面効果の種類及び濃度値の対応関係においては、濃度値の範囲毎に表面効果の種類が対応付けられている。また、その濃度値の範囲の代表となる値(代表値)から換算される濃度の割合(濃度率)に対して2%単位で表面効果の各種類が対応付けられている。具体的には、濃度率が84%以上となる濃度値の範囲(「212」〜「255」)に対して光沢を与える表面効果(鏡面光沢及びベタ光沢)が対応付けられており、濃度率が16%以下となる濃度値の範囲(「1」〜「43」)に対して光沢を抑える表面効果(網点マット及びつや消し)が対応付けられている。また、濃度率が20%〜80%となる濃度値の範囲には、テクスチャや地紋透かしなどの表面効果が対応付けられている。
より具体的には、例えば、「238」〜「255」の画素値に対しては表面効果として鏡面光沢(PM)が対応付けられており、このうち、「238」〜「242」の画素値、「243」〜「247」の画素値及び「248」〜「255」の画素値の3つの範囲に対して各々異なるタイプの鏡面光沢が対応付けられている。また、「212」〜「232」の画素値に対しては、ベタ光沢(G)が対応付けられており、このうち、「212」〜「216」の画素値、「217」〜「221」の画素値、「222」〜「227」の画素値及び「228」〜「232」の画素値の4つの範囲に対して各々異なるタイプのベタ光沢が対応付けられている。また、「23」〜「43」の画素値に対しては、網点マット(M)が対応付けられており、このうち、「23」〜「28」の画素値、「29」〜「33」の画素値、「34」〜「38」の画素値及び「39」〜「43」の画素値の4つの範囲に対して各々異なるタイプの網点マットが対応付けられている。また、「1」〜「17」の画素値に対しては、つや消し(PM)が対応付けられており、このうち、「1」〜「7」の画素値、「8」〜「12」の画素値及び「13」〜「17」の画素値の3つの範囲に対して各々異なるタイプのつや消しが対応付けられている。これらの同一の表面効果の異なるタイプはプリンタ機70や後処理機90Aや後処理機90Bで使用するクリアトナー版の画像データを求める式に違いがあり、プリンタ本体や後処理機の動作は同じである。なお、「0」の濃度値には、表面効果を与えないことが対応付けられている。
また、同図には、画素値及び表面効果に対応して、グロッサ80のオン又はオフを示すオンオフ情報と、プリンタ機70で用いるクリアトナー版の画像データと、後処理機90Aで用いるクリアトナー版の画像データと、後処理機90Bで用いるクリアトナー版の画像データとが各々示されている。例えば、表面効果が鏡面光沢である場合、グロッサ80をオンにすることが示されると共に、プリンタ機70で用いるクリアトナー版の画像データ(クリアトナー版1)は、インバースマスクを表すものであり、後処理機90A、90Bで用いるクリアトナー版の画像データ(各々クリアトナー版2、クリアトナー版3)は、無いことが示されている。
なお、当該インバースマスクは、例えば上述した式1により求められるものである。同図に示される例は、表面効果として鏡面光沢が指定された領域が、画像データによって規定される領域全体に相当する場合の例である。表面効果として鏡面光沢が指定された領域が、画像データによって規定される領域の一部に相当する場合の例については後述する。
また、濃度値が「228」〜「232」であり表面効果がベタ光沢である場合、グロッサ80をオフにすることが示されていると共に、プリンタ機70で用いるクリアトナー版の画像データ(クリアトナー版1参照)は、インバースマスク1であり、後処理機90A、90Bで用いるクリアトナー版の画像データ(各々クリアトナー版2、クリアトナー版3)は、無いことが示されている。また、上述のように、後処理機90Aで用いるクリアトナー版の画像データは、対応する箇所に示される値となる。
なお、当該インバースマスク1は、上記式1〜式4の何れかの式により表されるものであればよい。グロッサ80がオフなので平滑化されるトナーの総付着量が異なるため、鏡面光沢により表面の凹凸が増え、その結果、鏡面光沢により光沢度が低いベタ光沢が得られる。また、表面効果が網点マットである場合、グロッサ80をオフにすることが示されていると共に、プリンタ機70で用いるクリアトナー版の画像データ(クリアトナー版1参照)は、無いことが示されている。後処理機90Aで用いるクリアトナー版の画像データ(クリアトナー版2参照)は、ハーフトーン(網点)を表すものであり、後処理機90Bで用いるクリア版(クリアトナー版3参照)の画像データは、無いことが示されている。
また、表面効果がつや消しである場合、グロッサ80をオン又はオフのいずれにしてもよいことが示されていると共に、プリンタ機70で用いるクリアトナー版の画像データ(クリアトナー版1参照)、及び後処理機90Aで用いるクリアトナー版の画像データ(クリアトナー版2参照)は無く、後処理機90Bで用いるクリアトナー版の画像データ(クリアトナー版3参照)は、ベタマスクを表すものであることが示されている。当該ベタマスクは、例えば上述の式2により求められるものである。
そして、この表面効果選択テーブルは、上述のように、後処理機40の装置構成を示す装置構成情報に対応して定められている。
図9に戻り(図1も参照)、クリアプロセッシング56は、MIC60から受け付けた装置構成情報に対応する表面効果選択テーブルを参照して、光沢制御版によって示される各画素値に対応付けられている表面効果を判断すると共に、グロッサ80のオン又はオフの設定や、プリンタ機70、後処理機90B、及び後処理機90Aで用いるクリアトナー版の画像データを生成する。なお、クリアプロセッシング56は、グロッサ80のオン又はオフの設定を1ページ毎に行う。そして、上述したように、クリアプロセッシング56は、クリアトナー版の画像データを適宜生成してこれを出力すると共に、グロッサ80に対するオンオフ情報を出力する。
si3部57は、ハーフトーン処理後のCMYKの各2ビットの画像データと、クリアプロセッシング56が生成した2ビットのクリアトナー版の画像データとを統合し、統合した画像データをMIC60に出力する。なお、クリアプロセッシング56は、プリンタ機70で用いるクリアトナー版の画像データ及び後処理機90A、90Bで用いるクリアトナー版の画像データのうち少なくとも一版を生成しない場合があるので、クリアプロセッシング56が生成した方のクリアトナー版の画像データがsi3部57で統合される。また、両方のクリアトナー版の画像データをクリアプロセッシング56が生成されていない場合には、si3部57からはCMYKの各2ビットの画像データが統合された画像データが出力される。この結果、DFE50からは、各々2ビットの最大7版の画像データがMIC60へ送り出されることになる。また、si3部57は、クリアプロセッシング56が出力したグロッサ80に対するオンオフ情報もMIC60に出力する。
MIC60は、図13に例示されるように、DFE50から出力された画像データのうちCMYKの有色版の画像データをプリンタ機70に出力し、プリンタ機70で用いるクリアトナー版の画像データ(Clr−1、図12のクリアトナー版1)がある場合にはこれもプリンタ機70に出力し、DFE50からグロッサ80のオンオフ情報が出力された場合には該オンオフ情報を用いて、グロッサ80をオン又はオフにする。また、MIC60は、後処理機90Aで用いるクリアトナー版の画像データ(Clr−2、図12のクリアトナー版2)がある場合にはこれを対応する後処理機90Aに出力する。さらに、MIC60は、後処理機90Bで用いるクリアトナー版の画像データ(Clr−3、図12のクリアトナー版3)がある場合にはこれを対応する後処理機90Bに出力する。グロッサ80は、オンオフ情報によって定着を行う経路と行わない経路とを切り替えてもよい。後処理機90A及び後処理機90Bは、各々、クリアトナー版の画像データの有無によって接離動作の切り替えやグロッサ80と同様の経路の切り替えをしてもよい。
ここで、接離動作について後処理機90Aの場合の例を用いて簡単に説明する。クリアトナー版の画像データ(Clr−2、図12のクリアトナー版2)があるとき、感光体91A及び定着器91Bは用紙に接触し、画像を形成する。クリアトナー版の画像データがあるとき、感光体91A及び定着器91Bは用紙から離れ、画像の形成は行なわない。これにより、感光体91A及び定着器91Bの消耗を低減することができる。
また、MIC60は、後処理機40として搭載されている装置構成を示す装置構成情報をDEF50に出力する。
次に、表面効果として鏡面光沢が指定された領域が、画像データによって規定される領域全体に相当する場合に、本実施の形態に係る画像形成システムが行う光沢制御処理の手順について説明する。DFE50は、ホスト装置49から画像データを受信すると、これを言語解釈して、ベクタ形式で表現される画像データをラスタ形式に変換すると共に、例えばRGB形式で表現された色空間をCMYK形式の色空間に変換して、各8ビットのCMYKの有色版の画像データと、各8ビットの光沢制御版およびクリア版の画像データとを得る。そして、DFE50は、各8ビットのCMYKの有色版の画像データに対してキャリブレーションにより生成された1D_LUTのガンマカーブでガンマ補正を行い、ガンマ補正後の画像データに対して、表裏の位置ずれ補正を行い、プリンタ機70に出力するための各2ビットのCMYKの有色版の画像データのデータ形式に変換するハーフトーン処理を行い、ハーフトーン処理後の各2ビットのCMYKの有色版の画像データを得る。また、DFE50は、8ビットの光沢制御版の画像データを用いて表面効果選択テーブルを参照して、光沢制御版の画像データによって示される各画素値に対して指定された表面効果を判断する。DFE50は、光沢制御版の画像データを構成する全ての画素について、このような判断を行う。なお、光沢制御版の画像データにおいては、各表面効果を与える領域を構成する全ての画素について基本的に同一の範囲の濃度値を表す。このため、同一の表面効果であると判断した近傍の画素については、DFE50は、同一の表面効果を与える領域に含まれるものとして判断する。このようにして、DFE50は、表面効果を与える領域と、当該領域に対して与える表面効果の種類とを判断する。そして、DFE50は、当該判断に応じて、グロッサ80のオン又はオフを決定すると共に、ガンマ補正後の各8ビットのCMYKの有色版の画像データを適宜用いて、クリアトナーを付着させるための位置ずれ補正済みの2ビットのクリアトナー版の画像データを適宜生成する。そして、DFE50は、ハーフトーン処理後の各2ビットのCMYKの有色版の画像データと、適宜生成した2ビットのクリアトナー版の画像データとを統合し、統合した画像データと、決定したグロッサ80のオン又はオフを示すオンオフ情報とをMIC60に対して出力する。
ここで、表面効果の種類に応じた具体例について説明する。ここでは、光沢を与えるための鏡面光沢及びベタ光沢と、光沢を抑えるための網点マット及びつや消しとの各種類について具体的に説明する。また、ここでは、1ページ内で同一種類の表面効果が指定された場合について説明する。DFE50のクリアプロセッシング56は、8ビットの光沢制御版の各画素の表す濃度値を用いて、装置構成情報に対応する表面効果選択テーブル(例えば、図12参照)を参照して、濃度値が「238」〜「255」である画素に対して指定された表面効果は、鏡面光沢であると判断する。この場合、更に、DFE50のクリアプロセッシング56は、表面効果として鏡面光沢が指定された領域が、画像データによって規定される領域全体に相当するか否かを判断する。当該判断結果が肯定的である場合、DFE50のクリアプロセッシング56は、ガンマ補正後のCMYKの各8ビットの画像データにおいて当該領域に対応する画像データを用いて、例えば式1によりインバースマスクを生成する。当該インバースマスクを表すものが、プリンタ機70で用いるクリアトナー版の画像データとなる。なお、当該領域に対して後処理機90A、90Bではクリアトナー版の画像データを用いないため、DFE50のクリアプロセッシング56は、後処理機90A、90Bで用いるクリアトナー版の画像データを生成しない。
そして、DFE50のsi3部57は、プリンタ機70で用いるクリアトナー版の画像データと、ハーフトーン処理後の各2ビットのCMYKの有色版の画像データと統合し、統合した画像データと、グロッサ80のオンを示すオンオフ情報とをMIC60に出力する。MIC60は、DFE50から出力された画像データであるCMYKの有色版の画像データ及びプリンタ機70で用いるクリアトナー版の画像データをプリンタ機70に出力し、DFE50から出力されたオンオフ情報を用いて、グロッサ80をオンにする。プリンタ機70は、MIC60から出力されたCMYKの有色版の画像データ及びクリアトナー版の画像データを用いて、露光器から光ビームを照射して各トナーに応じたトナー像を感光体上に形成してこれを用紙に転写しこれを通常温度での加熱及び加圧により定着させる。これによって、用紙にCMYKのトナーの他、クリアトナーが付着されて、画像が形成される。その後、グロッサ80が当該用紙を再定着する。後処理機90A及び後処理機90Bに対してはクリアトナー版の画像データは出力されていないため、後処理機90A及び後処理機90Bでは、クリアトナーが新たに付着及び定着されずに、当該用紙が排紙される。この結果、画像データによって規定された領域全体でCMYKの各トナー及びクリアトナーの総付着量が均一に圧縮されているため、当該領域の表面から強い光沢が得られる。
一方、表面効果として鏡面光沢が指定された領域が、画像データによって規定される領域の一部に相当する場合は次のような事態が起こり得る。まず、鏡面光沢が指定された領域には、上述したインバースマスクを表すクリアトナー版の画像データが用いられる。しかし、それ以外の全ての画素に対してCMYKのトナーの総付着値が所定以上セットされていた場合には、グロッサ80で加圧されると、結果的に、鏡面光沢が指定された領域とCMYKのトナーの総付着値が所定以上セットされている領域とのCMYKの各トナー及びクリアトナーの総付着量が均一になってしまう。
このため、表面効果として鏡面光沢が指定された領域が、画像データによって規定される領域の一部に相当する場合、DFE50は、画像データによって規定される領域全体に対して鏡面光沢が指定されたのと同じクリアトナー版の画像データ生成し、プリンタ機70によって用紙にクリアトナーが付着、定着された後、グロッサ80で再定着する。次に、グロッサ80で再定着された用紙に対して表面効果として鏡面光沢が指定された領域以外の領域に対してつや消しの表面効果を与えるべく、後処理機90Bで用いるクリアトナー版の画像データを生成する。
具体的には、DFE50は、上述と同様にして式1によるインバースマスクを、プリンタ機70で用いるクリアトナー版の画像データとして生成する。更に、DFE50は、表面効果として鏡面光沢が指定された領域以外の領域に対し、上記式2によってベタマスクを生成する。このベタマスクは、後処理機90Bで用いるクリアトナー版の画像データとして生成される。そして、DFE50のsi3部57は、プリンタ機70で用いるクリアトナー版の画像データ及び後処理機90Bで用いるクリアトナー版の画像データと、ハーフトーン処理後の各2ビットのCMYKの有色版の画像データと統合し、統合した画像データと、グロッサ80のオンを示すオンオフ情報とをMIC60に出力する。
MIC60は、DFE50から出力された画像データのうちCMYKの有色版の画像データ及びプリンタ機70で用いるクリアトナー版の画像データをプリンタ機70に出力し、DFE50から出力されたオンオフ情報を用いて、グロッサ80をオンにし、DFE50から出力された画像データのうち後処理機90Bで用いるクリアトナー版の画像データを後処理機90Bに出力する。プリンタ機70は、MIC60から出力されたCMYKの有色版の画像データ及びクリアトナー版の画像データを用いて、用紙にCMYKのトナー及びクリアトナーを付着させた画像を形成する。その後、グロッサ80が当該用紙を再定着する。後処理機90Bは、MIC60から出力されたクリアトナー版の画像データを用いてクリアトナーによるトナー像を形成して、グロッサ80を通過した用紙上に当該トナー像を重ねて、低温での加熱及び加圧により用紙に定着させる。この結果、鏡面光沢が指定された領域では、CMYKの各トナー及びクリアトナーの総付着量が均一に圧縮されているため、当該領域の表面から強い光沢が得られる。一方、鏡面光沢が指定された領域以外では、グロッサ80での再定着後にベタマスクによるクリアトナーの付着によって表面の凹凸が生じて、当該領域の表面の光沢が抑えられる。
また、DFE50のクリアプロセッシング56は、8ビットの光沢制御版の画像データの各画素の表す濃度値を用いて表面効果選択テーブルを参照して、濃度値が「212」〜「232」である画素に対して指定された表面効果は、ベタ光沢であると判断し、特に、濃度値が「228」〜「232」である画素に対しては、ベタ光沢タイプ1であると判断する。この場合、DFE50のクリアプロセッシング56は、ガンマ補正後の各8ビットのCMYKの有色版の画像データにおいて当該領域に対応する画像データを用いて、インバースマスク1を生成する。当該インバースマスク1を表すものが、プリンタ機70で用いるクリアトナー版の画像データとなる。なお、当該領域に対して後処理機90Bではクリアトナー版の画像データを用いないため、DFE50は、後処理機90Bで用いるクリアトナー版の画像データを生成しない。そして、DFE50のsi3部57は、プリンタ機70で用いるクリアトナー版の画像データと、ハーフトーン処理後の各2ビットのCMYKの有色版の画像データと統合し、統合した画像データと、グロッサ80のオフを示すオンオフ情報とをMIC60に出力する。MIC60は、DFE50から出力された画像データであるCMYKの有色版の画像データ及びプリンタ機70で用いるクリアトナー版の画像データをプリンタ機70に出力し、DFE50から出力されたオンオフ情報を用いて、グロッサ80をオフにする。プリンタ機70は、MIC60から出力されたCMYKの有色版の画像データ及びプリンタ機70で用いるクリアトナー版の画像データを用いて、用紙にCMYKのトナー及びクリアトナーを付着させた画像を形成する。グロッサ80はオフにされている。そのため、用紙は、その後に再定着されることはない。また、後処理機90Bに対してはクリアトナー版の画像データは出力されていないため、後処理機90Bでは、クリアトナーが新たに付着および定着されずに、当該用紙が排紙される。この結果、表面効果としてベタ光沢が指定された領域には、CMYKの各トナー及びクリアトナーの総付着量が比較的均一になり、当該領域の表面からやや強い光沢が得られる。
また、DFE50のクリアプロセッシング56は、8ビットの光沢制御版の画像データの各画素の表す濃度値を用いて表面効果選択テーブルを参照して、濃度値が「23」〜「43」である画素に対して指定された表面効果は、網点マットであると判断する。この場合、DFE50のクリアプロセッシング56は、ハーフトーンを表す画像データを、後処理機90Aで用いるクリアトナー版の画像データとして生成する。なお、当該領域に対して、プリンタ機70と後処理機90Bとではクリアトナー版の画像データを用いないため、DFE50は、プリンタ機70と後処理機90Bとで用いるクリアトナー版の画像データを生成しない。そして、DFE50のsi3部57は、後処理機90Aで用いるクリアトナー版の画像データと、ハーフトーン処理後の各2ビットのCMYKの有色版の画像データと統合し、統合した画像データと、グロッサ80のオンを示すオンオフ情報とをMIC60に出力する。MIC60は、DFE50から出力された画像データであるCMYKの有色版の画像データ及び後処理機90Aで用いるクリアトナー版の画像データを後処理機90Aに出力し、DFE50から出力されたオンオフ情報を用いて、グロッサ80をオフにする。プリンタ機70は、MIC60から出力されたCMYKの有色版の画像データ及びクリアトナー版の画像データを用いて、用紙にCMYKのトナーを付着させた画像を形成する。グロッサ80はオフにされている。そのため、用紙は、その後に再定着されることない。また、後処理機90Bに対してはクリアトナー版の画像データは出力されていないため、後処理機90Bでは、クリアトナーが付着されずに、当該用紙が排紙される。この結果、表面効果として網点マットが指定された領域にはクリアトナーにより網点が付加されることにより、表面の凹凸が生じて、当該領域の表面の光沢がやや抑えられる。
また、DFE50のクリアプロセッシング56は、8ビットの光沢制御版の画像データの各画素の表す濃度値を用いて表面効果選択テーブルを参照して、濃度値が「1」〜「17」である画素に対して指定された表面効果は、つや消しであると判断する。この場合、DFE50のクリアプロセッシング56は、グロッサ80のオンまたはオフは1ページ内に他の表面効果が指定されている場合(後述)はその設定に従い、オン又はオフのいずれにしても、プリンタ機70、後処理機90Aで用いるクリアトナー版の画像データを生成せずに、ベタマスクを後処理機90Bで用いるクリアトナー版の画像データとして生成する。そして、DFE50のsi3部57は、後処理機90Bで用いるクリアトナー版の画像データと、ハーフトーン処理後の各2ビットのCMYKの有色版の画像データとを統合し、統合した画像データと、グロッサ80のオン又はオフを示すオンオフ情報とをMIC60に出力する。MIC60は、DFE50から出力された画像データのうちCMYKの有色版の画像データをプリンタ機70に出力し、DFE50から出力された画像データのうち後処理機90Bで用いるクリアトナー版の画像データを後処理機90Bに出力する。プリンタ機70は、MIC60から出力されたCMYKの有色版の画像データを用いて、用紙にCMYKのトナーを付着させた画像を形成する。グロッサ80がオンにされた場合には、用紙はグロッサ80で再定着され、グロッサ80がオフにされた場合には、用紙は再定着されない。後処理機90Bは、MIC60から出力されたクリアトナー版の画像データを用いてクリアトナーによるトナー像を形成して、グロッサ80を通過した用紙上に当該トナー像を重ねて、低温での加熱及び加圧により用紙に定着させる。この結果、表面効果としてつや消しが指定された領域には、ベタマスクによるクリアトナーの付着によって表面の凹凸が生じて、当該領域の表面の光沢が抑えられる。
上記では、1ページ内に同一の表面効果が指定された場合について説明したが、1ページ内で異なる種類の表面効果が指定された場合についても、上述した処理で同様に実現可能である。すなわち、1ページ内で複数の表面効果が指定されている場合、光沢制御版の画像データでは、図12に示す表面効果の種類に対応する各濃度値が、各種類の表面効果を付与する領域内の画素に設定されている。すなわち、光沢制御版では、表面効果の種類ごとに、当該表面効果を付与する領域を指定しているため、DFE50では、この光沢制御版の画像データにおいて、同一の濃度値が設定された画素の範囲を、同一の表面効果を付与する領域として判断すればよく、各表面効果を1ページ内で容易に実現することが可能となっている。
ここで、上述のように、本実施の形態では、印刷装置30には、後処理機40としての、グロッサ80、後処理機90Aおよび後処理機90Bのうちの、何れか1つ以上が搭載されておらず、且つ何れか1つ以上が搭載されている。このように、後処理機40のうちの何れか1つ以上が搭載されていない装置構成では、1ページ内で異なる種類の表面効果が指定された場合、後処理機40の全てが搭載されている場合には実現することの出来た表面効果を実現することができない場合がある。
例えば、グロッサ80、後処理機90A及び後処理機90Bのうちの後処理機90Aを備えない構成である場合には(図10に示す装置構成参照)、グロッサ80をオンにし、プリンタ機70でCMYKの有色版の画像データと、プリンタ機70用のクリアトナー版の画像データとを用紙に転写した後、グロッサ80で高温高圧でプレスすることによって、鏡面光沢(PG)を実現することができる。また、グロッサ80より用紙の搬送方向下流側に設けられた後処理機90Bで用いるクリアトナー版の画像データによって、つや消し(PM)を実現することができる。しかし、グロッサ80がオンの場合、図10に示す構成では、グロッサ80の後に通常定着としての後処理機90Aが搭載されていないので、該設定によって鏡面光沢(PG)及びつや消し(PM)を実現した同じ用紙に、ベタ光沢(G)と網点マット(M)の表面効果を実現することが出来ない。
また、後処理機40のうちの後処理機90A及び後処理機90Bの双方を備えない構成である場合には(図11に示す装置構成参照)、プリンタ機70の後段にグロッサ80のみが搭載された構成であるため、グロッサ80がオンの場合、鏡面光沢(PG)は実現できるが、同一用紙上にベタ光沢(G)、網点マット(M)、つや消し(PM)の表面効果は実現出来ない。
このように、後処理機40としてのグロッサ80、後処理機90A及び後処理機90Bのうち何れか1つ以上が搭載されていない装置構成では、1ページ内で異なる種類の表面効果が指定された場合、実現できない表面効果が発生する場合があった。
そこで、本実施の形態では、DEF50は、1ページ内で異なる種類の表面効果が指定され、且つ後処理機40の一部が搭載されていない場合には、該一部の後処理機40が搭載されていないことによって実現することの困難な表面効果を、該装置構成の印刷装置30で実現可能な表面効果に置き換える。
そこで、本実施の形態のクリアプロセッシング56は、表面効果種類判別部56D、置換部56A及び記憶部56Bを備えている(図9参照)。なお、クリアプロセッシング56には、後処理機40の装置構成を示す装置構成情報が装置構成取得部58から入力される。
図9に示されたように、表面効果種類判別部56Dは、si1部52から入力された光沢制御版を用いて、表面効果選択テーブルを参照して、光沢制御版を構成する各画素の表す濃度値(画素値)に対する表面効果を判別する。すなわち、表面効果種類判別部56Dは、光沢制御版及び表面効果選択テーブルを用いて、ユーザ指定の表面効果(ユーザにより指定された各領域(画素)の表面効果)の種類を判別する。そして、判別結果を置換部56Aへ出力する。
記憶部56Bは、表面効果選択テーブルや、設定テーブル(詳細後述)等を記憶する。なお、これらの表面効果選択テーブルや設定テーブルは、後処理機40の装置構成毎に対応して(すなわち、装置構成情報に対応づけて)記憶されている。なお、装置構成情報とは、印刷装置30に後処理機40として搭載されている装置の種類を示す情報である。例えば、印刷装置30に後処理機40として搭載されている装置がグロッサ80のみである場合には、該装置構成情報は、グロッサ80を示す情報となる。
設定テーブルは、詳細は後述するが、1ページ内で異なる種類の表面効果が指定された場合において、装置構成に応じて(具体的には、搭載されている後処理機40の種類及び組み合わせに応じて)、ユーザ指定の表面効果のうちの、装置構成によって実現困難な種類の表面効果を実現可能な種類の表面効果に置き換えるための設定内容を格納したものである。この設定内容とは、グロッサ80のオンオフの設定や、後処理機90Aや後処理機90Bで用いるクリアトナー版の画像データを示している。
置換部56Aは、表面効果種類判別部56Dから受け付けた、ユーザ指定の表面効果の種類を、装置構成取得部58から取得した装置構成情報に対応する設定テーブルに基づいて、印刷装置30で実現可能な表面効果の種類に置き換える。具体的には、この装置構成情報に対応する設定テーブルに基づいた光沢制御処理(後述)を行うことによって、置換部56Aは、印刷装置30で実現可能な種類の表面効果が得られるように、グロッサ80のオンオフを設定する。また、置換部56Aは、この装置構成情報に対応する設定テーブルに基づいてクリアトナー版の画像データを生成することによって、印刷装置30で実現可能な種類の表面効果が得られるように、プリンタ機70及び搭載された後処理機90A及び後処理機90Bの少なくとも一方で用いるクリアトナー版の画像データを生成する。
このように、置換部56Aは、装置構成情報に対応する設定テーブルに基づいて、グロッサ80のオンオフの設定やクリアトナー版の画像データの生成を行うことによって、ユーザ指定の表面効果の種類を、印刷装置30で実現可能な表面効果の種類に置き換える。このため、本実施の形態では、この置換部56Aによる処理を、置き換え処理またはクリア版生成処理と称する場合がある。
そして、置換部56Aは、プリンタ機70で用いるクリアトナー版の画像データと、後処理機40として搭載されている装置(後処理機90A、及び後処理機90Bの少なくとも1つ)で用いるクリアトナー版の画像データや、グロッサ80のオンオフを示す情報等を、印刷装置30へ出力する。
なお、表面効果種類判別部56Dによる判別処理、及び置換部56Aによる置き換え処理は、1ページごとに行う。このため、クリアプロセッシング56は、1ページごとに、クリアトナー版の画像データを適宜生成してこれを印刷装置30へ出力すると共に、グロッサ80が搭載されている場合には、必要に応じてグロッサ80に対するオンオフ情報を印刷装置30へ出力する。
次に、設定テーブルについて説明する。設定テーブルは、1ページ内で異なる種類の表面効果が指定された場合において、装置構成に応じて(具体的には、搭載されている後処理機40の種類及び組み合わせに応じて)、ユーザ指定の表面効果のうちの、装置構成によって実現困難な種類の表面効果を実現可能な種類の表面効果に置き換えるための設定内容を格納している。この設定テーブルは、上述のように、後処理機40の装置構成を示す装置構成情報に対応づけて、記憶部56Bに記憶されている。
より具体的には、設定テーブルは、ユーザ指定の表面効果の種類と、実際に得られる表面効果の種類と、上記設定内容と、を対応づけて格納している。この設定内容とは、具体的には、プリンタ機70で用いるクリアトナー版の画像データ、後処理機90Aで用いるクリアトナー版の画像データ、後処理機90Bで用いるクリアトナー版の画像データ、及びグロッサ80のオンオフを示すオンオフ情報である。
なお、設定テーブルは、上述のように、装置構成情報に対応づけて記憶されており、設定テーブルには、装置構成情報に対応する上記設定内容が格納されている。すなわち、設定テーブルに格納される設定内容は、装置構成情報に応じて、後処理機90Aで用いるクリアトナー版の画像データ、後処理機90Bで用いるクリアトナー版の画像データ、及びグロッサ80のオンオフを示すオンオフ情報のうちの、少なくとも1つを含み且つ少なくとも1つを含まない。
図14には、一例として、後処理機40(グロッサ80、後処理機90A、後処理機90B)が全て搭載されている装置構成に対する設定テーブルを示した。また、同図は同一用紙上にPG(鏡面光沢)、G(ベタ光沢)、M(網点マット)、PM(つや消し)を実現するためのクリアトナー版の画像データである。同一紙面上では、グロッサ80はオンまたはオフの何れか一方しか設定できない。同図はグロッサ80がオンの図例である。
図15には、一例として、後処理機40(グロッサ80、後処理機90A、後処理機90B)のうちの、後処理機90Aが搭載されていない装置構成を示す装置構成情報に対応する設定テーブルを示した。図15に示す設定テーブルには、光沢制御版の画像データによって判別されたユーザ指定の表面効果がG(ベタ光沢)であると判別された領域についてはPG(鏡面光沢)に置き換え、ユーザ指定の表面効果がM(網点マット)であると判別された領域についてはPM(つや消し)に表面効果の種類を置き換えることが示されている。そして、その他の表面効果(PG及びPM)については、ユーザ指定の表面効果のままとすることが示されている。
また、図15に示すクリアトナー版の画像データの設定テーブルには、上記表面効果を実現するための設定内容として、グロッサ80をオンにすることを示す情報、及び各ユーザ指定の表面効果に対応する、プリンタ機70及び後処理機90Bの各々で用いるクリアトナー版の画像データが示されている。
具体的には、図15に示す設定テーブルには、ユーザ指定の表面効果がPG(鏡面光沢)である領域については、プリンタ機70で用いるクリアトナー版の画像データを“INV−1”(図12のインバースマスクA、B、Cの何れかが該当する)とし、グロッサ80をオンにし、後処理機90Bで用いるクリアトナー版の画像データを“no data”(データ無し)とすることが示されている。そして、この設定とすることによって、ユーザ指定の表面効果であるPG(鏡面光沢)に対して、該構成(後処理機90Aを備えない構成)の印刷装置30において、PG(鏡面光沢)が得られることが示されている。
また、図15に示す設定テーブルには、ユーザ指定の表面効果がG(ベタ光沢)である領域については、プリンタ機70で用いるクリアトナー版の画像データを“INV−m”(図12のインバースマスク1から4の何れかが該当する)とし、グロッサ80をオンにし、後処理機90Bで用いるクリアトナー版の画像データを“no data”(データ無し)とすることが示されている。そして、この設定とすることによって、ユーザ指定の表面効果であるG(ベタ光沢)に対して、該表面効果GをPG(鏡面光沢)に置き換えることが示されている。
同様に、図15に示す設定テーブルには、ユーザ指定の表面効果がM(網点マット)である領域については、プリンタ機70で用いるクリアトナー版の画像データを“no data”(データ無し)とし、グロッサ80をオンにし、後処理機90Bで用いるクリアトナー版の画像データを“ベタ”とすることが示されている。そして、このように設定することによって、ユーザ指定の表面効果であるM(網点マット)に対して、該表面効果MをPM(つや消し)に置き換えることが示されている。
そして、さらに、図15に示す設定テーブルには、ユーザ指定の表面効果がPM(つや消し)である領域については、プリンタ機70で用いるクリアトナー版の画像データを“no data”(データ無し)とし、グロッサ80をオンにし、後処理機90Bで用いるクリアトナー版の画像データを“ベタ”とすることが示されている。そして、このように設定することによって、ユーザ指定の表面効果であるPM(つや消し)に対して、該構成(後処理機90Aを備えない構成)の印刷装置30において、表面効果PMが得られることが示されている。
図14及び図15に示すように、後処理機40の内の何れかが搭載されていない装置構成の場合には、後処理機40の全てが搭載されている場合とは、異なる設定のなされた設定テーブルが用意される。このような、装置構成情報毎に作成された設定テーブルは、記憶部56Bに記憶されている。
次に、本実施の形態に係る画像形成システムが行う光沢制御処理の手順について図16を用いて説明する。
図16に示すように、DFE50は、装置構成取得部58から装置構成情報を取得する装置構成情報取得処理を実行する(ステップS1)。装置構成取得部58は取得した装置構成情報をクリアプロセッシング56へ出力する。図17には、ステップS1における装置構成情報取得処理を示した。
図17に示すように、初期設定では、グロッサフラグ、後処理機90Aフラグ、後処理機90Bフラグの全てがオフである(ステップS100)。装置構成取得部58は、MIC60に、印刷装置30にグロッサ80が搭載されているか否かの問い合わせ信号を出力する。そして、MIC60から問い合わせ結果を示す信号を受け付けると、グロッサ80が搭載されているか否かを判別する(ステップS101)。そして、グロッサ80が搭載されていると判別した場合には(ステップS101;Yes)、装置構成取得部58は、グロッサ80搭載有りを示す内部フラグをオンにする(ステップS102)。一方、グロッサ80が搭載されていないと判別した場合には(ステップS101;No)、装置構成取得部58は、ステップS103へ進む。また、上記ステップS102の処理後もステップS103へ進む。
次に、装置構成取得部58は、MIC60に、印刷装置30に、通常定着処理機としての後処理機90Aが搭載されているか否かの問い合わせ信号を出力する。そして、MIC60から問い合わせ結果を示す信号を受け付けると、後処理機90Aが搭載されているか否かを判別する(ステップS103)。そして、後処理機90Aが搭載されていると判別した場合には(ステップS103;Yes)、装置構成取得部58は、後処理機90Aの搭載有りを示す内部フラグをオンにする(ステップS104)。一方、後処理機90Aが搭載されていないと判別した場合には(ステップS103;No)、装置構成取得部58は、ステップS105へ進む。また、上記ステップS104の処理後もステップS105へ進む。
次に、装置構成取得部58は、MIC60に、印刷装置30に、低温定着処理機としての後処理機90Bが搭載されているか否かの問い合わせ信号を出力する。そして、MIC60から問い合わせ結果を示す信号を受け付けると、後処理機90Bが搭載されているか否かを判別する(ステップS105)。そして、後処理機90Bが搭載されていると判別した場合には(ステップS105;Yes)、装置構成取得部58は、後処理機90Bの搭載有りを示す内部フラグをオンにする(ステップS106)。一方、後処理機90Bが搭載されていないと判別した場合には(ステップS105;No)、本ルーチンを終了する。また、上記ステップS106の処理後も本ルーチンを終了する。
図16に戻り、DFE50は、ホスト装置49から画像データを受信し(ステップS2)、受信した画像データを言語解釈して、ベクタ形式の画像データをラスタ形式の画像データに変換すると共に、RGB形式等で表現された色空間をCMYK形式等の色空間に変換して、各8ビットのCMYKの有色版の画像データと、各8ビットの光沢制御版およびクリア版の画像データを得る(ステップS3)。そして、DFE50は、各8ビットのCMYKの有色版の画像データに対してキャリブレーションにより生成された1D_LUTのガンマカーブでガンマ補正を行う(ステップS4)。
次に、表面効果種類判別部56Dが、上記ステップS3で得た8ビットの光沢制御版の画像データを用いて、この光沢制御版の画像データによって示される各画素値に対して指定された表面効果の種類を判別する(ステップS5)。詳細には、表面効果種類判別部56Dは、装置構成取得部58から取得した装置構成情報に対応する表面効果選択テーブルを記憶部56Bから読み取り、読み取った表面効果選択テーブルを参照して、該8ビットの光沢制御版の画像データを用いて、この光沢制御版の画像データによって示される各画素値に対して指定された表面効果の種類を判別する。そして、表面効果種類判別部56Dは、光沢制御板の画像データを構成する全ての画素について、このような判断を行う。
また、表面効果種類判別部56Dは、ステップS3において、1ページ内で異なる種類の表面効果が指定されているか否かを判断し、処理対象の画像データによって表される画像の領域毎の、ユーザ指定の表面効果の種類を取得する。なお、図16に示す処理ルーチンでは、1ページ内で異なる種類の表面効果が指定されている場合が示されている。
次に、置換部56Aが、置き換え処理、すなわち装置構成によって実現困難な種類の表面効果を実現可能な種類の表面効果に置き換えたクリア版の画像データの生成及びグロッサ80のオンオフの設定を行う(ステップS6)。具体的には、置換部56Aは、上記ステップS1で取得した装置構成情報に対応する設定テーブルを記憶部56Bから読み取る。そして、置換部56Aは、読み取った設定テーブルにおける、印刷装置30に搭載されている各装置(プリンタ機70と、グロッサ80、後処理機90A、及び後処理機90Bの少なくとも1つ)の各々に対応する設定情報(グロッサ80のオンオフ情報、各クリアトナー版の画像データ)を、上記ステップS5で取得したユーザ指定の表面効果の種類毎に読み取る。そして、置換部56Aは、搭載されている後処理機40ごとのクリアトナー版の画像データの作成や、グロッサ80のオンオフの設定を行う。
図18には、装置構成情報として、グロッサ80及び後処理機90Bの搭載を示す装置構成情報(すなわち、図10の構成を示す装置構成情報)を上記ステップS1で取得した場合の置き換え処理を示した。この場合、置換部56Aは、グロッサ80及び後処理機90Bのみが後処理機40として設けられていることを示す装置構成情報に対応する設定テーブルを読み取る。例えば、置換部56Aは、該装置構成情報に対応する設定テーブルとして、図15に示す設定テーブルを読み取る。その後、置換部56Aは、置き換え処理として、図18に示す処理を実行する。図18には、図15に示す設定テーブルを読み取った場合の置き換え処理を示した。
図15に示すように、置換部56Aは、該読み取った設定テーブルに示されるグロッサ80のオンオフを示すオンオフ情報が「オン」であることから、グロッサ80をオンに設定する(図示省略)。そして、置換部56Aは、プリンタ機70で用いるクリアトナー版の画像データとして、ユーザ指定の表面効果が鏡面光沢(PG)である領域についてはINV−1、ユーザ指定の表面効果がベタ光沢(G)である領域についてはINV−mのクリアトナー版の画像データを生成する。また、置換部56Aは、ユーザ指定の表面効果が網点マット(M)及びつや消し(PM)である領域についてはno data(データ無し)とする。すなわち、置換部56Aは、ユーザ指定の表面効果が網点マット(M)及びつや消し(PM)である領域については、プリンタ機70で用いるクリアトナー版の画像データを作成しない。図18に戻り、このようにして、置換部56Aは、プリンタ機70で用いるクリアトナー版の画像データ(8ビットのクリアトナー版の画像データ)を作成する(ステップS110)。
次に、置換部56Aは、後処理機90Bで用いるクリアトナー版の画像データとして、ユーザ指定の表面効果が鏡面光沢(PG)及びベタ光沢(G)である領域についてはno data(データ無し)とする。すなわち、置換部56Aは、ユーザ指定の表面効果が鏡面光沢(PG)及びベタ光沢(G)である領域については、後処理機90Bで用いるクリアトナー版の画像データを作成しない。また、置換部56Aは、ユーザ指定の表面効果が網点マット(M)及びつや消し(PM)である領域については、後処理機90Bで用いるクリアトナー版の画像データとして、ベタマスクのクリアトナー版の画像データを作成する。これによって、置換部56Aは、後処理機90Bで用いるクリアトナー版の画像データ(8ビットのクリアトナー版の画像データ)を作成する(ステップS112)。そして、本ルーチンを終了する。
図16に戻り、次に、位置ずれ量決定部56Eが、ステップS4で求めたガンマ補正後の各8ビットのCMYKの有色版の画像データと、ステップS6の置き換え処理で生成した8ビットのクリアトナー版の画像データから、それぞれのプレーンに対する位置ずれ量を決定する(ステップS7)。
ステップS7における位置ずれ量決定について以下、図8を用いて詳細に説明する。まず、搬送路20で搬送される用紙上は、プリンタ機70で表側が印刷される(定着器71Aを利用:1回目)。ここで、定着器71Aの1回目の利用で用紙は定着器の熱により収縮・膨張する。次に裏側を印刷するために用紙反転搬送路70Eで用紙は戻され、プリンタ機70で裏側が印刷(定着器71Aを利用:2回目)されると、定着器71Aの1回目に生じた用紙の収縮・膨張によって、表裏に位置ずれが生じる。表側において何も印刷しない場合は定着器71Aが用紙から離れており、用紙の収縮・膨張はないので、裏側については表裏の位置ずれを補正する必要なく印刷できる。しかし、裏面の印刷時に定着器71Aを利用するので、用紙は収縮・膨張し、グロッサ80に搬送される。光沢制御版に濃度94%、96%および98%のうち何れかがある場合、グロッサ80がオンとなり、定着器が使われる。グロッサ80は搬送路80Aで表側を定着後、裏側の定着ができる。グロッサ80の表裏の定着器利用により、用紙はまたも収縮・膨張し、後段の後処理機90Aに搬送される。
このように、プリンタ機70、グロッサ80、後処理機90Aおよび90Bの定着器は、以下の3つの条件により、複雑に組み合わされて使用される。
1)有色版、光沢制御版およびクリア版の画像データ
2)後処理機の装置構成と置き換え処理
3)表・裏の印刷
したがって、一度、定着を利用した場合の後段の画像を形成する際は、これら複雑な用紙の収縮・膨張に対応して、プレーン毎に位置ずれ補正を行う必要がある。もし、画像形成システム10が図1に示す構成の場合、最も定着器を利用することになるのは、図19におけるNo.1のときである。この設定は、ホスト装置49から送られてくる画像データが表裏印刷で、かつ、表裏共、同一用紙上に鏡面光沢、網点マット、つや消しが設定されている場合である(これは一例である)。つまり、図19のNo.1の例では、プリンタ機70で表側を印刷すると用紙が収縮・膨張(位置ずれ量1)するので、この位置ずれ量1でプリンタ機70の裏面に印刷する画像データを補正する。後処理機90Aの表側を印刷する場合、プリンタ機70とグロッサ80の用紙が収縮・膨張(位置ずれ量2)で補正する。なお、位置ずれ量1、2、…は、その値が大きくなるほど、位置ずれ量が大きくなる。たとえば位置ずれ量1の値は‘1’であるのに対し、位置ずれ量3の値は‘5’である。そのため、位置ずれ量3の場合には、位置ずれ量1の補正量をたとえば5倍した補正量を用いて、画像データが位置ずれ補正される。
なお、図19は、画像形成システム10が図1の場合の定着器の利用例に基づいた設定テーブルの一例を示す。後処理機40の構成が異なる場合(たとえば図10、図11)は、その装置構成に応じた設定テーブルが別途用意される。
図16のステップS7の位置ずれ量決定とは、図19に示す設定テーブルから位置ずれ量1〜5を求めることである。前述のとおり、表裏毎に該当する各装置(プリンタ機70、後処理機90A、90B)で形成すべき画像の有無及びグロッサのオン/オフから容易に求めることができる。具体的な位置ずれ量算出方法を以下に示す。なお、以下の式において、各位置ずれ量Δ1、Δ2、Δ3、Δ4には、予め適切な値を設定しておく。
プリンタ機70で裏面を印刷する場合の位置ずれ量1
=プリンタ機70の表側印刷の有無×プリンタ機70での位置ずれ量
・・・(式5)
ただし、プリンタ機70の表側印刷:印刷画像あり=1、なし=0
プリンタ機70での位置ずれ量=Δ1(mm)
後処理機90Aで表面を印刷する場合の位置ずれ量2
=プリンタ機70で裏面を印刷する場合の位置ずれ量1(式5)
+プリンタ機70の裏側印刷の有無×プリンタ機70での位置ずれ量
+グロッサ通紙回数×グロッサ80での位置ずれ量
・・・(式6)
ただし、プリンタ機70の裏側印刷:印刷画像あり=1、なし=0
プリンタ機70での位置ずれ量=Δ1(mm)
グロッサ80での位置ずれ量=Δ2(mm)
後処理機90Aで裏面を印刷する場合の位置ずれ量3
=後処理機90Aで表面を印刷する場合の位置ずれ量2(式6)
+後処理機90Aの表側印刷の有無×後処理機90Aでの位置ずれ量
・・・(式7)
ただし、後処理機90Aの表側印刷:印刷画像あり=1、なし=0
後処理機90Aでの位置ずれ量=Δ3(mm)
後処理機90Bで表面を印刷する場合の位置ずれ量4
=後処理機90Aで裏面を印刷する場合の位置ずれ量3(式7)
+後処理機90Aの裏側印刷の有無×後処理機90Aでの位置ずれ量
・・・(式8)
ただし、後処理機90Aの裏側印刷:印刷画像あり=1、なし=0
後処理機90Aでの位置ずれ量=Δ3(mm)
後処理機90Bで裏面を印刷する場合の位置ずれ量5
=後処理機90Bで表面を印刷する場合の位置ずれ量4(式8)
+後処理機90Bの表側印刷の有無×後処理機90Bでの位置ずれ量
・・・(式9)
ただし、後処理機90Bの表側印刷:印刷画像あり=1、なし=0
後処理機90Bでの位置ずれ量=Δ4(mm)
図16に戻り、式5の位置ずれ量からプリンタ機70での位置ずれ補正画像データを生成し、ハーフトーン処理により各2ビットのCMYKの有色版の画像データを生成する(ステップS8)。後処理機の構成に応じ、式6〜9を用いて、位置ずれ補正後のクリアトナー版の画像データを生成し、ハーフトーン処理により2ビットのクリアトナー版の画像データを生成する(ステップS9)。ステップS8、S9の画像データを統合した画像データ及びグロッサ80に対するオンオフ情報をMIC60に出力する(ステップS10)。これによって、本ルーチンを終了する。
プリンタ機70は、MIC60から出力されたCMYKの有色版の画像データ及びクリアトナー版の画像データを用いて、露光器から光ビームを照射して各トナーに応じたトナー像を感光体上に形成し、これを用紙に転写した後に定着させる。これによって、用紙にCMYKのトナーの他、クリアトナーが付着されて、画像が形成される。
その後、搬送路20に沿って用紙が搬送されてグロッサ80の位置に至ると、グロッサ80がオンとなっている場合には、グロッサ80が当該用紙(のプリンタ機70による画像形成領域を含む領域)を再定着する。
また、MIC60は、DFE50から出力されたクリアトナー版の画像データが後処理機90Aで用いるクリアトナー版の画像データである場合には、該クリアトナー版の画像データを後処理機90Aへ出力する。後処理機40に後処理機90Aが搭載されている場合には、後処理機90AはMIC60から該クリアトナー版の画像データを受け付ける。そして、後処理機90Aは、MIC60から出力されたクリアトナー版の画像データを用いてクリアトナーによるトナー像を形成して、グロッサ80を通過した用紙上に当該トナー像を重ねて、このクリアトナーのトナー像を通常温度での加熱及び加圧により用紙に定着させる。
また、MIC60は、DFE50から出力されたクリアトナー版の画像データが後処理機90Bで用いるクリア版用である場合には、該クリアトナー版の画像データを後処理機90Bへ出力する。後処理機40に後処理機90Bが搭載されている場合には、後処理機90BはMIC60から該クリアトナー版の画像データを受け付ける。そして、後処理機90Bは、MIC60から出力されたクリアトナー版の画像データを用いてクリアトナーによるトナー像を形成して、後処理機90Aを通過した用紙上に当該トナー像を重ねて、このクリアトナーのトナー像を低温での加熱及び加圧により用紙に定着させる。
また、例えば、上述のように、後処理機40として後処理機90Aを搭載せず、グロッサ80及び後処理機90Bを備えた装置構成の印刷装置30(図10参照)であり、該装置構成を示す装置構成情報に対応する設定データとして図15に示す設定データが記憶部56Bに記憶されていたとする。そして、1ページ内で異なる種類の表面効果が指定されたとする。
この場合には、上記図16に示す光沢制御処理が実行されることによって、搬送路20を搬送され、プリンタ機70、グロッサ80、及び後処理機90Bを通過した用紙においては、図15に示すように、鏡面光沢(PG)及びベタ光沢(G)がユーザによって指定された領域には、鏡面光沢(PG)としての表面効果が与えられ、網点マット(M)及びつや消し(PM)がユーザによって指定された領域には、つや消し(PM)としての表面効果が与えられる。なお、表面効果を与える領域として指定されていない領域には、いずれの表面効果も与えられない。
以上説明したように、本実施の形態の画像形成システム10では、DEF50のクリアプロセッシング56が、表面効果種類判別部56D、置換部56A、位置ずれ量決定部56E、及び表面効果選択テーブルや設定テーブル等を記憶した記憶部56Bを備えている。設定テーブルは、ユーザ指定の表面効果のうちの、装置構成によって実現困難な種類の表面効果を実現可能な種類の表面効果に置き換えるための設定内容を格納したものである。また、DEF50は、後処理機40の装置構成を示す装置構成情報を取得する装置構成取得部58を備えている。そして、記憶部56Bは、表面効果選択テーブルや設定テーブルを、後処理機40の装置構成を示す装置構成情報に対応づけて記憶している。そして、置換部56Aは、後処理機40の装置構成に応じて、ユーザ指定の表面効果のうちの装置構成によって実現困難な種類の表面効果を実現可能な種類の表面効果に置き換えるための設定内容を格納した設定テーブルを用いて、置換部56Aがグロッサ80のオンオフ設定や、プリンタ機70、後処理機90A、または後処理機90B等で用いるクリアトナー版の画像データを位置ずれ量に基づいて位置ずれ補正されたクリアトナー版の画像データを生成する。そして、印刷装置30は、この設定されたオンオフ設定や生成されたクリアトナー版の画像データに加えて、CMYK画像データも位置ずれ量に基づいて位置ずれ補正されたCMYKの有色版の画像データが生成され印刷する。
従って、本実施の形態によれば、後処理機の装置構成に依らずに、画像が形成される用紙に対して、後処理機による画像の位置ずれが少なく、かつ、クリアトナーによる表面効果を与えることが可能な印刷制御装置、画像形成システム、及びプログラムを実現することが可能である。
〔第2の実施の形態〕
次に、印刷制御装置、画像形成システム、及びプログラムの第2の実施の形態について説明する。なお、上述の第1の実施の形態と共通する部分については、同一の符号を使用し、その重複する説明を適宜省略する。
本実施の形態では、第1の実施の形態にかかる画像形成システム10におけるDFE50が、図20に示すようなDFE500に置き換えられる。図20に示すように、DFE500は、図9に示すDFE50と同様の構成に加え、UI(User Interface)部600を備えている。UI部600は、各種情報の表示や各種指示の受け付けを行う。UI部600は、各種情報を表示するための表示部と、ユーザが各種指示を入力するための入力部とを含む。入力部には、キーボードやマウスなどが含まれる。ユーザは、UI部600の表示部に表示された各種情報に基づいて、画像データに対する位置ずれ補正を行うための各種指示を入力部に入力する。UI部600から入力された各種指示は、クリアプロセッシング56に入力される。クリアプロセッシング56は、入力された各種指示に基づいて、各プレーンの画像データに対する位置ずれ補正を行う。
図21〜図23は、UI部600の表示部に表示される設定画面の一例を示す図である。図21は、図1に示す画像形成システム10のように、印刷装置30がプリンタ機70とグロッサ80と後処理機90Aおよび90Bとを備えている場合の設定画面例を示し、図22は、図10に示す画像形成システム10のように、印刷装置30がプリンタ機70とグロッサ80と後処理機90Bとを備えている場合の設定画面例を示し、図23は、図11に示す画像形成システム10のように、印刷装置30がプリンタ機70とグロッサ80とを備えている場合の設定画面例を示す。
図21に示すように、画像形成システム10の印刷装置30がプリンタ機70とグロッサ80と後処理機90Aおよび90Bとを備えている場合、UI部600の表示部に表示される設定画面には、プリンタ機70で生じる位置ずれ量と、グロッサ80で生じる位置ずれ量と、後処理機90Aで生じる位置ずれ量と、後処理機90Bで生じる位置ずれ量とをそれぞれユーザが入力するための入力欄が設けられる。
また、図22に示すように、画像形成システム10の印刷装置30がプリンタ機70とグロッサ80と後処理機90Bとを備えている場合、UI部600の表示部に表示される設定画面には、プリンタ機70で生じる位置ずれ量と、グロッサ80で生じる位置ずれ量と、後処理機90Bで生じる位置ずれ量とをそれぞれユーザが入力するための入力欄が設けられ、図23に示すように、印刷装置30がプリンタ機70とグロッサ80とを備えている場合、UI部600の表示部に表示される設定画面には、プリンタ機70で生じる位置ずれ量と、グロッサ80で生じる位置ずれ量とをそれぞれユーザが入力するための入力欄が設けられる。
以上のような設定画面に入力された各構成に対する位置ずれ量は、クリアプロセッシング56に入力される。クリアプロセッシング56の位置ずれ量決定部56Eは、入力された各構成に対する位置ずれ量に基づいて、各構成で発生する位置ずれ量を決定する。有色版位置ずれ補正部59およびクリアトナー版位置ずれ補正部56Fは、この決定された位置ずれ量に基づいて、画像データの各プレーンを位置ずれ補正し、位置ずれ補正後の画像データをそれぞれ生成する。
図24は、本実施の形態に係る画像形成システムが行う光沢制御処理の手順を示すフローチャートである。図24に示すように、DFE500は、図16に示した光沢制御処理いと同様の手順を実行する過程で、ステップS1とS2との間に、図24のステップS100に示す処理を実行する。ステップS100では、DFE500は、UI部600の表示部に、図21〜図23に示すような設定画面を表示し、この設定画面にユーザが入力した各構成の位置ずれ量を入力する(ステップS100)。入力された位置ずれ量の値は、クリアプロセッシング56に入力される。その後、DFE500は、図16に示す手順と同様に、入力された各位置ずれ量と図19に示す表面効果選択テーブルと式5〜式9とを用いてCMYK及びクリアの各画像データの位置ずれ補正を実行することで位置ずれ補正後の画像データを生成し、この位置ずれ補正後の画像データをハーフトーン処理後、MIC60へ送出する(ステップS3〜S10)。
このように、プリンタ機70、グロッサ80、後処理機90Aおよび90Bそれぞれで発生する位置ずれ量は、ユーザによって設定されてもよい。この場合でも、第1の実施の形態と同様に、後処理機の装置構成に依らずに、画像が形成される用紙に対して、後処理機による画像の位置ずれが少なく、かつ、クリアトナーによる表面効果を与えることが可能な印刷制御装置、画像形成システム、及びプログラムを実現することが可能である。なお、その他の構成および動作は、第1の実施の形態と同様であってよいため、ここでは詳細な説明を省略する。
〔第3の実施の形態〕
また、印刷の過程で生じる位置ずれ量は、用紙の種類(例えば用紙厚や表面光沢処理の有無等)によって変化する。そこで、一度設定した位置ずれ量を保存しておき、必要に応じて適宜読み出せるように構成してもよい。その場合、ユーザは、ホスト装置49から印刷装置30に印刷を命令する際、保存された位置ずれ量を読み出し、これを用いて位置ずれ補正を行うように、印刷装置30へ命令することが可能となる。
図25は、本実施の形態においてUI部600の表示部に表示される設定画面の一例を示す図である。なお、図25では、図1に示す画像形成システム10のように、印刷装置30がプリンタ機70とグロッサ80と後処理機90Aおよび90Bとを備えている場合の設定画面例を示す。
図25に示すように、画像形成システム10の印刷装置30がプリンタ機70とグロッサ80と後処理機90Aおよび90Bとを備えている場合、UI部600の表示部に表示される設定画面には、プリンタ機70で生じる位置ずれ量と、グロッサ80で生じる位置ずれ量と、後処理機90Aで生じる位置ずれ量と、後処理機90Bで生じる位置ずれ量とをそれぞれユーザが入力するための入力欄の他に、入力した位置ずれ量を新規の単一の設定ファイルとして保存するための新規保存ボタンと、この際に設定ファイルに付けるファイル名を入力するための保存ファイル名入力欄とが設けられる。また、図25に示す設定画面例には、保存しておいた設定ファイルを読み込むための読込ファイル名選択欄も設けられる。
図25に示す設定画面において、ユーザがUI部600の入力部を用いて各入力欄に位置ずれ量を入力するとともに、保存ファイル名入力欄にファイル名を入力し、新規保存ボタンを選択すると、入力された位置ずれ量が単一の設定ファイルとしてたとえば記憶部56Bに新規に保存される。また、ユーザが読込ファイル名選択欄を選択すると、この読込ファイル名選択欄に、保存しておいた設定ファイルの一覧が表示される。ユーザが一覧表示された設定ファイルのうち何れかを選択すると、各構成に対する位置ずれ量の入力欄に設定ファイルに格納されていた位置ずれ量が表示される。ユーザは、表示された位置ずれ量をそのまま用いる場合は、設定画面に設けられた適用ボタンをそのまま選択する。一方、表示された位置ずれ量を変更する場合は、新たな位置ずれ量を入力し、適用ボタンを選択する。これにより、各入力欄に表示されていた位置ずれ量がクリアプロセッシング56に入力される。なお、ユーザが設定画面に表示されたキャンセルボタンを選択した場合、読込ファイル名選択欄で選択することで読み出された設定ファイルの位置ずれ量がキャンセルされ、各入力欄がリセットされる。
また、図26に、位置ずれ量設定にかかる手順を示す。図26に示すように、DFE500は、まず、各構成の位置ずれ量にデフォルト値である‘0’を設定し、UI部600の表示部に設定画面を表示する(ステップS201)。つぎに、DFE500は、設定画面を用いて読み込む設定ファイルのファイル名が選択されると(ステップS202)、記憶部56Bから該当したファイル名の設定ファイルを読み出し、この設定ファイルに格納されている位置ずれ量(数値)をUI部600の設定画面に表示する(ステップS203)。
つぎに、DFE500は、設定画面に表示された位置ずれ量(数値)をユーザに編集させ(ステップS204)、その後、適用ボタンが選択されたか否かを判定する(ステップS205)。なお、ステップS204は適宜省略されてよい。
ユーザが適用ボタンを選択していない場合(ステップS205;No)、DFE500は、つぎにキャンセルボタンがユーザにより選択されたか否かを判定する(ステップS210)。キャンセルボタンが選択されていない場合(ステップS210;No)、DFE500は、ステップS201へリターンし、以降の処理を再度実行する。一方、キャンセルボタンが選択されていた場合(ステップS210;Yes)、DFE500は、そのまま本動作を終了する。
また、ステップS205において、ユーザが適用ボタンを選択していた場合(ステップS205;Yes)、DFE500は、編集後の位置ずれ量を記憶部56Bに一時保存する(ステップS206)。また、DFE500は、ユーザが新規保存ボタンを選択したか否かを判定する(ステップS207)。新規保存ボタンが選択されていなかった場合(ステップS207;No)、DFE500は、そのまま本動作を終了する。一方、新規保存ボタンが選択されていた場合(ステップS207;Yes)、DFE500は、ファイル名入力欄にファイル名を入力させ(ステップS208)、編集後の位置ずれ量を入力されたファイル名の設定ファイルとして、新たに記憶部56Bに保存し(ステップS209)、本動作を終了する。
以上のように動作することで、UI部600の設定画面に入力された位置ずれ量が適宜保存され、必要に応じて読み込まれる。この場合でも、第1または第2の実施の形態と同様に、後処理機の装置構成に依らずに、画像が形成される用紙に対して、後処理機による画像の位置ずれが少なく、かつ、クリアトナーによる表面効果を与えることが可能な印刷制御装置、画像形成システム、及びプログラムを実現することが可能である。なお、その他の構成および動作は、第1または第2の実施の形態と同様であってよいため、ここでは詳細な説明を省略する。
〔第4の実施の形態〕
また、上述の第1〜第3の実施の形態では、DFE500は、プリンタ機70、グロッサ80、後処理機90Aおよび90Bそれぞれの使用の有無を用いて、画像データにおける各プレーンの位置ずれ補正を実行するか否かを判断していたが、これに限定されるものではない。たとえば、各プレーンの画像データにおいて、全体の印刷領域に対するオブジェクトが存在する領域の割合、すなわちCMYKまたはクリアトナーが転写される領域の割合に基づいて、位置ずれ補正時の補正量を変更してもよい。
たとえば図27に示すように、有色版の画像データにおけるCMYKのトナーが転写される領域が全体の印刷領域の25%である場合、プリンタ機70でCMYKの有色版の画像データを印刷することで生じる位置ずれ量を、第1〜第3の実施の形態で用いた位置ずれ量に対して25%(=0.25)を乗算した値としてもよい。同様に、たとえば図28に示すように、後処理機90Aで印刷されるクリアトナー版の画像データにおけるクリアトナーが転写される領域が全体の印刷領域の15%である場合、後処理機90Aでクリアトナー版の画像データを印刷することで生じる位置ずれ量を、第1〜第3の実施の形態で用いた位置ずれ量に対して15%(=0.15)を乗算した値としてもよい。
このように、CMYKのトナーまたはクリアトナーが転写される領域の全体印刷領域に対する割合に基づいて、位置ずれ量が補正されてもよい。その他の構成、動作および作用は、上述した第1〜第3の実施の形態と同様であってよいため、ここでは詳細な説明を省略する。
〔第5の実施の形態〕
また、たとえばDFE50は、印刷装置30の用紙トレイにセットされた用紙の情報を、印刷装置30から取得し、取得された用紙情報に基づいて、保存しておいた設定ファイルのうち使用する位置ずれ量を格納する設定ファイルを自動的に読み出して適用してもよい。設定ファイルは、たとえば第2の実施の形態と同様であってよい。
図29は、第5の実施の形態にかかるDFE700の構成例を示すブロック図である。図29に示すように、第5の実施の形態にかかるDFE700は、図9に示すDFE50と同様の構成において、用紙情報取得部759をさらに備える。用紙情報取得部759は、印刷装置30からその用紙トレイにセットされている用紙の用紙情報を取得し、これをクリアプロセッシング56に入力する。クリアプロセッシング56の位置ずれ量決定部56Eは、入力された用紙情報に基づいて、記憶部56Bに該当する用紙と対応づけて記憶された設定ファイルを読み出し、この設定ファイルに格納されている位置ずれ量を特定する。
なお、本実施の形態において、印刷装置30は、用紙トレイにセットされた用紙の種類を管理し、この管理している用紙の種類を用紙情報として適宜、DFE700へ送信する構成を備えているものとする。なお、用紙トレイにセットされている用紙の種類は、ユーザが印刷装置30に設定してもよいし、印刷装置30が用紙トレイにセットされている用紙を自動的に判別してもよい。
〔第6の実施の形態〕
第1〜5の実施の形態では、ホスト装置49に版データ生成部122と印刷データ生成部123を設け、DFE50にクリアプロセッシング56を設け、ホスト装置49で、有色版データ、クリア版データおよび光沢制御版データの生成を行う版データ生成処理、印刷データの生成処理、DFE50で、クリアトナー版データの生成処理を行うように構成したが、これに限定されるものではない。
すなわち、一の装置で行っていた複数の処理のいずれかを、一の装置とネットワークを介して接続する1以上の他の装置で行う構成にしてもよい。
その一例として、第6の実施の形態の画像形成システムでは、ホスト装置およびDFEの機能の一部を、ネットワーク上のサーバ装置上に実装している。
図30は、第6の実施の形態に係る画像形成システムの構成を例示する図である。図30に示すように、本実施の形態の画像形成システムは、ホスト装置3010と、DFE3050と、MIC60と、プリンタ機70と、グロッサ80と、低温定着器90と、クラウド上のサーバ装置3060とを備えている。グロッサ80や低温定着器90等の後処理装置は、これらに限定されるものではない。
本実施の形態では、ホスト装置3010とDFE3050とがインターネット等のネットワークを介して、サーバ装置3060と接続された構成となっている。また、本実施の形態では、第1の実施の形態のホスト装置49の版データ生成部122と印刷データ生成部123、および第1の実施の形態のDFE50のクリアプロセッシング56を、サーバ装置3060に設けた構成となっている。
ここで、ホスト装置3010、DFE3050、MIC60、プリンタ機70、グロッサ80、低温定着器90の接続構成は、第1の実施の形態と同様である。
すなわち、具体的には、第6の実施の形態では、ホスト装置3010とDFE3050とがインターネット等のネットワーク(クラウド)を介して、単一のサーバ装置3060に接続し、サーバ装置3060は版データ生成部3062、印刷データ生成部3063、クリアプロセッシング3066を設け、サーバ装置3060で、有色版データ、クリア版データおよび光沢制御版データの生成を行う版データ生成処理、印刷データの生成処理、クリアトナー版データの生成処理を行うように構成している。
まず、本実施の形態のホスト装置3010について説明する。図31は、第6の実施の形態にかかるホスト装置3010の機能的構成を示すブロック図である。本実施の形態のホスト装置3010は、図31に示すように、I/F部3011と、記憶部12と、入力部13と、表示部14と、制御部3015とを含んで構成される。I/F部3011は、サーバ装置3060およびDFE50との間で通信を行うためのインタフェース装置である。記憶部12、入力部13、表示部14は、第1の実施の形態のホスト装置49と同様の機能および構成である。
制御部3015は、ホスト装置3010全体を制御し、CPU、ROMおよびRAMなどを含んで構成されるコンピュータである。図31に示すように、制御部3015は、入力制御部124と、画像処理部120と、表示制御部121とを主に備えている。これらの各部のうち入力制御部124と表示制御部121は、制御部3015のCPUがROM等に格納されたオペレーティングシステムのプログラムを読み出してRAM上に展開して実行することにより実現される。画像処理部120は、制御部3015のCPUがROM等に格納された上述の画像処理アプリケーションのプログラムを読み出してRAM上に展開して実行することにより実現される。なお、これらの各部のうちの少なくとも一部を個別の回路(ハードウェア)で実現することも可能である。入力制御部124、表示制御部121、画像処理部120の機能および構成は第1の実施の形態と同様である。
本実施の形態のホスト装置3010では、第1の実施の形態と同様に、記憶部12に記憶された各種画像(例えば写真、文字、図形、これらを合成した画像等)のうち表面効果を与えるべき画像、すなわち有色版の画像データ(対象画像)を指定する画像指定情報、表示部14に表示された対象画像をユーザが確認しながら、入力部13を操作することにより、表面効果を与える領域および当該表面効果の種類の指定と、ウォータマークやテクスチャ等の透明画像及び透明画像を付与する領域の指定とを含む指定情報を入力制御部124で受け付ける。この指定情報のうち、表面効果を与える領域および当該表面効果の種類の指定に基づき、サーバ装置3060によって光沢制御版の画像データが生成される。また、指定情報のうち、ウォータマークやテクスチャ等の透明画像及び透明画像を付与する領域の指定に基づき、サーバ装置3060によってクリア版の画像データが生成される。なお、各版の画像データの生成については後述する。
また、これ以降、指定情報のうち、表面効果を与える領域および当該表面効果の種類の指定を、単に「表面効果の指定」と呼ぶ場合がある。また、指定情報のうち、ウォータマークやテクスチャ等の透明画像及び透明画像を付与する領域の指定を、単に「透明画像の指定」と呼ぶ場合がある。
I/F部3011は、画像指定情報および指定情報とともに、印刷データの生成要求を、サーバ装置3060に送信する。また、I/F部3011は、かかる生成要求によりサーバ装置3060で生成された印刷データを、サーバ装置3060から受信する。ここで、光沢制御版の画像データ、有色版の画像データ、クリア版の画像データは、第1の実施の形態の各画像データと同様である。また、印刷データは、有色版の画像データ、光沢制御版の画像データ、クリア版の画像データおよびジョブコマンドを統合したものであり、図14に示した第1の実施の形態の印刷データと同様である。
次に、サーバ装置3060について説明する。図32は、第6の実施の形態にかかるサーバ装置3060の機能的構成を示すブロック図である。サーバ装置3060は、図32に示すように、記憶部3070と、版データ生成部3062と、印刷データ生成部3063と、クリアプロセッシング3066と、通信部3065とを主に備えている。
記憶部3070は、HDDやメモリ等の記憶媒体であり、濃度値選択テーブル3069と、表面効果選択テーブル3068とを記憶している。表面効果選択テーブル3068は、図12を用いて説明した第1の実施の形態の表面効果選択テーブルと同様である。
通信部3065は、ホスト装置3010、DFE3050との間で各種データや要求の送受信を行う。より具体的には、通信部3065は、ホスト装置3010から、画像指定情報および指定情報と、印刷データの生成要求とを受信し、生成された印刷データをホスト装置3010に送信する。また、通信部3065は、DFE3050から、8ビットの光沢制御版の画像データと、8ビットの有色版の画像データと、クリアトナー版の生成要求とを受信し、生成されたクリアトナー版の画像データとオンオフ情報とをDFE3050に送信する。
版データ生成部3062は、第1の実施の形態のホスト装置49における版データ生成部122と同様の機能を有し、有色版の画像データ、光沢制御版の画像データ、クリア版の画像データを生成する。
具体的には、版データ生成部3062は、画像指定情報に基づいて有色版の画像データを生成する。すなわち、版データ生成部3062は、画像指定情報に、対象画像の描画オブジェクトに対するユーザによる色指定が含まれる場合、当該色指定に従って、有色版の画像データを生成する。
また、版データ生成部3062は、指定情報に、表面効果以外のウォータマークやテクスチャ等の透明画像及び透明画像を付与する領域の指定が含まれる場合、ユーザによる指定情報の指定に従って、透明画像および透明画像を付与する紙における領域とを特定するためのクリア版の画像データを生成する。
また、版データ生成部3062は、濃度値選択テーブル3069を参照して、指定情報の中の表面効果を与える領域および当該表面効果の種類の指定に基づいて、紙において表面効果が与えられる領域および当該表面効果の種類を特定可能な光沢制御版の画像データを生成する。ここで、版データ生成部3062は、光沢制御値で示す表面効果を付与する領域を、対象画像の画像データの描画オブジェクトの単位で指定した光沢制御版の画像データ(図4参照)を生成する。
本実施の形態の印刷データ生成部3063は、第1の実施の形態のホスト装置49の印刷データ生成部123と同様に、図7に示す印刷データを生成する。
クリアプロセッシング3066は、第1の実施の形態のDFE50におけるクリアプロセッシング56と同様の機能を有している。具体的には、クリアプロセッシング3066は、通信部3065でDFE3050から受信した光沢制御版の画像データを用い、表面効果選択テーブル3068を参照して、光沢制御版を構成する各画素の表す濃度値(画素値)に対する表面効果を判断して、当該判断に応じて、グロッサ80のオン又はオフを決定すると共に、入力されたCMYKの各8ビットの画像データを用いてインバースマスクやベタマスクを適宜生成することにより、クリアトナーを付着させるための2ビットのクリアトナー版の画像データを適宜生成する。そして、表面効果の判断の結果に応じて、クリアプロセッシング3066は、プリンタ機70で用いるクリアトナー版の画像データと、低温定着器90で用いるクリアトナー版の画像データとを適宜生成してこれらを出力すると共に、グロッサ80のオン又はオフを示すオンオフ情報を生成する。
次に、DFE3050について説明する。図33は、第6の実施の形態のDFE3050の機能的構成を示すブロック図である。本実施の形態のDFE3050は、レンダリングエンジン51と、si1部52と、TRC53と、si2部3054と、ハーフトーンエンジン55と、si3部57とを主に備えている。ここで、レンダリングエンジン51、si1部52、TRC53、ハーフトーンエンジン55、si3部57の機能および構成については第1の実施の形態のDFE50と同様である。
本実施の形態のsi2部3054は、TRC53によるガンマ補正後の8ビットの光沢制御版の画像データと、CMYKの8ビットの有色版の画像データと、クリアトナー版の生成要求とを、サーバ装置3060に送信し、サーバ装置3060から、クリアトナー版の画像データとオンオフ情報とを受信する。
次に、以上のように構成された本実施の形態に係る画像形成システムによる印刷処理に必要なクリアトナー版の生成処理ついて説明する。まず、クリアトナー版の生成処理の全体の流れについて説明する。図34は、第6の実施の形態にかかるクリアトナー版の生成処理の全体の流れを示すシーケンス図である。
まず、ホスト装置3010がユーザから画像指定情報および指定情報を入力し(ステップS3201)、画像指定情報および指定情報とともに印刷データ生成要求をサーバ装置3060に送信する(ステップS3202)。
サーバ装置3060では、画像指定情報および指定情報とともに印刷データ生成要求を受信し、有色版の画像データ、光沢制御版の画像データ、クリア版の画像データをそれぞれ生成する(ステップS3203)。そして、サーバ装置3060は、これらの画像データから印刷データを生成し(ステップS3204)、生成した印刷データをホスト装置3010に送信する(ステップS3205)。
ホスト装置3010では、印刷データを受信すると、この印刷データをDFE3050に送信する(ステップS3206)。
DFE3050では、印刷データをホスト装置3010から受信すると、印刷データを解析して、有色版の画像データ、光沢制御版の画像データ、クリア版の画像データを得て、これらの画像データに変換や補正等を行う(ステップS3207)。そして、DFE3050は、有色版の画像データ、光沢制御版の画像データ、クリア版の画像データと、クリアトナー版生成要求とを、サーバ装置3060に送信する(ステップS3208)。
サーバ装置3060は、有色版の画像データ、光沢制御版の画像データ、クリア版の画像データと、クリアトナー版生成要求とを受信すると、オンオフ情報を決定し(ステップS3209)、クリアトナー版の画像データを生成する(ステップS3210)。そして、サーバ装置3060は、決定したオンオフ情報と、生成したクリアトナー版の画像データとをDFE3050に送信する(ステップS3211)。
以下、上記の全体の流れにおけるホスト装置3010、サーバ装置3060、DFE3050の連携による各処理の詳細について説明する。まず、ホスト装置3010とサーバ装置3060による光沢制御版および印刷データの生成処理について説明する。図35は、第6の実施の形態のホスト装置3010による処理の手順を示すフローチャートである。
まず、入力制御部124が画像指定情報の入力を受け付けた場合(ステップS3301;Yes)、表示制御部121は、受け付けた画像指定情報で指定された画像を表示するように表示部14を制御する(ステップS3302)。次に、入力制御部124が表面効果や透明画像の指定情報の入力を受け付けた場合(ステップS3303;Yes)、I/F部3011は、サーバ装置3060に対して、印刷データの生成要求を、入力された画像指定情報および指定情報とともに送信する(ステップS3304)。
そして、サーバ装置3060で、印刷データが生成されたら、I/F部3011がこれらのデータを受信する(ステップS3305)。そして、I/F部3011は、印刷データをDFE3050に送信する(ステップS3306)。
図36は、第6の実施の形態にかかるサーバ装置3060による光沢制御版の画像データおよび印刷データの生成処理の手順を示すフローチャートである。通信部3065が、ホスト装置3010から印刷データの生成要求と画像指定情報と指定情報とを受信したら(ステップS3401)、版データ生成部3062は、まず、画像指定情報に基づいて、有色版の画像データを生成する(ステップS3402)。
次に、版データ生成部3062は、オペレーティングシステム等で提供される描画コマンドおよび描画コマンドで設定された座標値等を用いて、指定情報により対象画像に対して表面効果が付与された描画オブジェクトとその座標を特定する(ステップS3403)。
次に、版データ生成部3062は、記憶部3070に保存されている濃度値選択テーブル3069を参照して、指定情報でユーザが付与した表面効果に対応する光沢制御値としての濃度値を決定する(ステップS3404)。
そして、版データ生成部3062は、光沢制御版の画像データ(当初は空データ)に、描画オブジェクトと、表面効果に対応して決定された濃度値とを対応付けて登録する(ステップS3405)。
次に、版データ生成部3062は、対象画像に存在する全ての描画オブジェクトに対して上記ステップS3402からS3404までの処理を完了したか否かを判断する(ステップS3406)。そして、まだ完了していない場合には(ステップS3406;No)、版データ生成部3062は、対象画像中でまだ未処理の次の描画オブジェクトを選択して(ステップS3407)、ステップS3403からS3405までの処理を繰り返し実行する。
そして、ステップS3406において、対象画像中の全ての描画オブジェクトに対してステップS3403からS3405までの処理を完了したと判断された場合には(ステップS3406;Yes)、光沢制御版の画像データの生成を完了し、図4に示す光沢制御版の画像データが得られる。
次に、版データ生成部3062は、指定情報の中の透明画像の指定に基づいて、クリア版の画像データを生成する(ステップS3408)。
そして、印刷データ生成部3063は、有色版の画像データ、光沢制御版の画像データ、クリア版の画像データとを統合した原稿データを生成し、この統合された原稿データにジョブコマンドを追加して、図7に示したPDF形式の印刷データを生成する(ステップS3409)。そして、通信部3065は、生成された印刷データを、ホスト装置3010に送信する(ステップS3410)。
次に、DFE3050とサーバ装置3060によるクリアトナー版の画像データの生成処理について説明する。図37は、DFE3050による処理の手順を示すフローチャートである。
DFE3050がホスト装置3010から印刷データを受信すると(ステップS3601)、レンダリングエンジン51は、これを言語解釈して、ベクタ形式で表現される光沢制御版の画像データをラスタ形式に変換すると共に、RGB形式で表現された色空間をCMYK形式の色空間に変換して、CMYKの有色版の各8ビットの画像データ、8ビットの光沢制御版の画像データおよび8ビットのクリア版の画像データを得る(ステップS3602)。
このステップS3602における、光沢制御版の画像データの変換処理の詳細については、図13または図14を用いて説明した第1の実施の形態の光沢制御版の画像データの変換処理と同様である。かかる変換処理により、光沢制御版の画像データは、画素ごとに表面効果が設定されたデータに変換される。
8ビット光沢制御版の画像データが出力されたら、DFE3050のTRC53は、CMYKの有色版の各8ビットの画像データに対してキャリブレーションにより生成された1D_LUTのガンマカーブでガンマ補正を行い、ハーフトーンエンジン55はガンマ補正後の画像データに対して、プリンタ機70に出力するためのCMYK各2ビットの画像データのデータ形式に変換するハーフトーン処理を行い、ハーフトーン処理後のCMYKの各2ビットの画像データを得る(ステップS3603)。
そして、si2部3054は、8ビット光沢制御版の画像データ、ガンマ補正後のCMYKの有色版の各8ビットの画像データおよび8ビットのクリア版の画像データとともに、クリアトナー版の生成要求を、サーバ装置3060に送信する(ステップS3604)。
ここで、サーバ装置3060によるクリアトナー版の生成処理について説明する。図38は、サーバ装置3060によるクリアトナー版の生成処理の手順を示すフローチャートである。
サーバ装置3060では、通信部3065が、DFE3050から8ビット光沢制御版の画像データ、ガンマ補正後のCMYKの有色版の各8ビットの画像データおよび8ビットのクリア版の画像データと、クリアトナー版の生成要求とを受信する(ステップS3701)。
そして、クリアプロセッシング3066は、8ビットの光沢制御版の画像データを用いて、記憶部3070の表面効果選択テーブル3068を参照して、光沢制御版の画像データによって示される各画素値に対して指定された表面効果を判断する。そして、クリアプロセッシング3066は、光沢制御版の画像データを構成する全ての画素について、このような判断を行う。尚、光沢制御版の画像データにおいては、各表面効果を与える領域を構成する全ての画素について基本的に同一の範囲の濃度値を表す。このため、同一の表面効果であると判断した近傍の画素については、クリアプロセッシング3066は、同一の表面効果を与える領域に含まれるものとして判断する。このようにして、クリアプロセッシング3066は、表面効果を与える領域と、当該領域に対して与える表面効果の種類とを判断し、当該判断に応じて、グロッサ80のオン又はオフを決定する(ステップS3702)。
次に、クリアプロセッシング3066は、ガンマ補正後のCMYKの各8ビットの画像データ、8ビットの光沢制御版の画像データおよび8ビットのクリア版の画像データを適宜用いて、クリアトナーを付着させるための8ビットのクリアトナー版の画像データを適宜生成する(ステップS3703)。これにより、サーバ装置3060側で8ビットのクリアトナー版の画像データとオンオフ情報が生成されることになる。
そして、通信部3065は、クリアプロセッシング3066で生成された8ビットのクリアトナー版の画像データおよびオンオフ情報を、DFE3050に送信する(ステップS3704)。
図37に戻り、DFE3050は、クリアトナー版の生成要求をサーバ装置3060に送信した後、si2部3054がサーバ装置3060から、8ビットのクリアトナー版の画像データおよびオンオフ情報を受信する(ステップS3605)。
そして、ハーフトーンエンジン56は、ハーフトーン処理により、8ビットの画像データを用いた8ビットのクリアトナー版の画像データを2ビットのクリアトナー版の画像データに変換する(ステップS3606)。
次に、DFE3050のsi3部57は、ステップS3603で得たハーフトーン処理後のCMYKの各2ビットの画像データと、ステップS3606で生成した2ビットのクリアトナー版の画像データとを統合し、統合した画像データと、ステップS3605で受信したグロッサ80のオン又はオフを示すオンオフ情報とをMIC60に対して出力する(ステップS3607)。
尚、サーバ装置3060でクリアトナー版の画像データを生成していない場合には、ステップS3607では、ステップS3603で得たハーフトーン処理後のCMYKの各2ビットの画像データのみが統合されてMIC60に出力される。
これ以降のMIC60、プリンタ機70、グロッサ80、低温定着器90における処理については、第1の実施の形態と同様に行われる。
このように本実施の形態では、有色版の画像データ、光沢制御版の画像データ、クリア版の画像データ、印刷データ、クリアトナー版の画像データの生成を、クラウド上のサーバ装置3060で行っているので、第1の実施の形態の効果の他、複数のホスト装置3010やDFE3050が存在する場合でも、濃度値選択テーブルや表面効果選択テーブルの変更等も一括して行うことができ、管理者の便宜となる。
なお、本実施の形態では、クラウド上の単一のサーバ装置3060に、版データ生成部3062、印刷データ生成部3063、クリアプロセッシング3066を設け、サーバ装置3060で、有色版データ、クリア版データおよび光沢制御版データの生成を行う版データ生成処理、印刷データの生成処理、クリアトナー版データの生成処理を行うように構成したが、これに限定されるものではない。
例えば、クラウド上に2以上のサーバ装置を設け、上記各処理を、2以上のサーバ装置で分散させて実行するように構成してもよい。図39は、クラウド上に2つのサーバ(第1サーバ装置3860と第2サーバ装置3861)を設けたネットワーク構成図である。図39の例では、第1サーバ装置3860と第2サーバ装置3861とで、有色版データ、クリア版データおよび光沢制御版データの生成を行う版データ生成処理、印刷データの生成処理、クリアトナー版データの生成処理を分散して行うように構成する。
例えば、第1サーバ装置3860に版データ生成部3062、印刷データ生成部3063を設け、第1サーバ装置3860で版データ生成処理、印刷データ生成処理を行うように構成し、第2サーバ装置3861にクリアプロセッシング3066を設け、第2サーバ装置3861でクリアトナー版データ生成処理を実行するように構成することができる。なお、各処理の各サーバ装置への分散の形態はこれに限定されるものではなく、任意に行うことができる。
すなわち、ホスト装置3010に入力部13、入力制御部124、画像処理部120、表示制御部121、表示部14等の最低限の構成を設ければ、版データ生成部3062、印刷データ生成部3063、クリアプロセッシング3066の一部または全部をクラウド上の一つのサーバ装置に集中して設けたり、複数のサーバ装置に分散させて設けたりすることは任意に行うことができる。
言い換えると、上述の例のように、一の装置で行っていた複数の処理のいずれかを、一の装置とネットワークを介して接続する1以上の他の装置で行う構成にすることができる。
また、上記の「一の装置とネットワークを介して接続する1以上の他の装置で行う構成」の場合、一の装置で行われた処理で発生したデータ(情報)を一の装置から他の装置に出力する処理、そのデータを他の装置が入力する処理等、一の装置と他の装置間、さらには、他の装置間同士で行われるデータの入出力処理を含むような構成となる。
つまり、他の装置が1つの場合では、一の装置と他の装置間で行われるデータの入出力処理を含むような構成となり、他の装置が2以上の場合では、一の装置と他の装置間、及び、第一の他の装置・第二の他の装置間のように他の装置間同士でデータの入出力処理を含むような構成となる。
また、第6の実施の形態では、サーバ装置3060、あるいは第1サーバ装置3860および第2サーバ装置3861などの複数のサーバ装置を、クラウド上に設けているが、これい限定されるものではない。例えば、サーバ装置3060、あるいは第1サーバ装置3860および第2サーバ装置3861などの複数のサーバ装置を、イントラネット上に設ける等、あらゆるネットワーク上に設けた構成としてもよい。
上述した実施の形態のホスト装置49、3010、DFE50、3050、サーバ装置3060、第1サーバ装置3860、第2サーバ装置3861のハードウェア構成について説明する。図40は、ホスト装置49、3010、DFE50、3050、サーバ装置3060のハードウェア構成図である。ホスト装置49、3010、DFE50、3050、サーバ装置3060、第1サーバ装置3860、第2サーバ装置3861は、ハードウェア構成として、装置全体を制御するCPUなどの制御装置2901と、各種データや各種プログラムを記憶するROMやRAMなどの主記憶装置2902と、各種データや各種プログラムを記憶するHDDなどの補助記憶装置2903と、キーボードやマウス等の入力装置2905と、ディスプレイ装置等の表示装置2904とを主に備えており、通常のコンピュータを利用したハードウェア構成となっている。
上記実施の形態のホスト装置49、3010で実行される画像処理プログラム(画像処理アプリケーションを含む。以下同)は、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記憶媒体に記録されてコンピュータプログラムプロダクトとして提供される。
また、上記実施の形態のホスト装置49、3010で実行される画像処理プログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、上記実施の形態のホスト装置49または3010で実行される画像処理プログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。
また、上記実施の形態のホスト装置49、3010で実行される画像処理プログラムを、ROM等に予め組み込んで提供するように構成してもよい。
上記実施の形態のホスト装置49、3010で実行される画像処理プログラムは、上述した各部(画像処理部、版データ生成部、印刷データ生成部、入力制御部、表示制御部)を含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしてはCPU(プロセッサ)が上記記憶媒体から画像処理プログラムを読み出して実行することにより上記各部が主記憶装置上にロードされ、画像処理部、版データ生成部、印刷データ生成部、入力制御部、表示制御部が主記憶装置上に生成されるようになっている。
また、上記実施の形態のDFE50、3050で実行される印刷制御処理は、ハードウェアで実現する他、ソフトウェアとしての印刷制御プログラムで実現してもよい。この場合において、上記実施の形態のDFE50、3050で実行される印刷制御プログラムは、ROM等に予め組み込まれて提供される。
上記実施の形態のDFE50、3050で実行される印刷制御プログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記憶媒体に記録してコンピュータプログラムプロダクトとして提供するように構成してもよい。
さらに、上記実施の形態のDFE50、3050で実行される印刷制御プログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、上記実施の形態のDFE50で実行される印刷制御プログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。
上記実施の形態のDFE50、3050で実行される印刷制御プログラムは、上述した各部(レンダリングエンジン、ハーフトーンエンジン、TRC、si1部、si2部、si3部、クリアプロセッシング)を含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしてはCPU(プロセッサ)が上記ROMから印刷制御プログラムを読み出して実行することにより上記各部が主記憶装置上にロードされ、レンダリングエンジン、ハーフトーンエンジン、TRC、si1部、si2部、si3部、クリアプロセッシングとして主記憶装置上に生成されるようになっている。
また、上記実施の形態のサーバ装置3060で実行される各データの生成処理は、ハードウェアで実現する他、ソフトウェアとしての生成プログラムで実現してもよい。この場合において、上記実施の形態のサーバ装置3060で実行される生成プログラムは、ROM等に予め組み込まれて提供される。
上記実施の形態のサーバ装置3060で実行される各データの生成処理プログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記憶媒体に記録してコンピュータプログラムプロダクトとして提供するように構成してもよい。
さらに、上記実施の形態のサーバ装置3060で実行される各データの生成処理プログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、上記実施の形態のサーバ装置3060で実行される各データの生成処理プログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。
上記サーバ装置3060で実行される各データの生成処理プログラムは、上述した各部(版データ生成部、印刷データ生成部、クリアプロセッシング)を含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしてはCPU(プロセッサ)が上記ROMから生成プログラムを読み出して実行することにより上記各部が主記憶装置上にロードされ、版データ生成部、印刷データ生成部、クリアプロセッシングとして主記憶装置上に生成されるようになっている。
なお、本発明は前記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、前記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。また、以下に例示するような種々の変形が可能である。
上述した実施の形態において、画像形成システムは、ホスト装置49、3010、DFE50、3050、MIC60、プリンタ機70、グロッサ80及び低温定着器90を備えるように構成したが、これに限らない。例えば、DFE50、3050、MIC60及びプリンタ機70を一体的に形成して1つの画像形成装置として構成するようにしても良いし、更に、グロッサ80及び低温定着器90を備えた画像形成装置として形成するようにしても良い。
上述した実施の形態の画像形成システムにおいては、CMYKの複数の色のトナーを用いて画像を形成するようにしたが、1色のトナーを用いて画像を形成するようにしても良い。
なお、上述した実施の形態のプリンタシステムは、MIC60を備えた構成としているが、これに限定されるものではない。上述したMIC60が行う処理、機能をDFE50等の他の装置にもたせて、MIC60を設けない構成としてもよい。
また、上記実施の形態およびその変形例は本発明を実施するための例にすぎず、本発明はこれらに限定されるものではなく、仕様等に応じて種々変形することは本発明の範囲内であり、更に本発明の範囲内において、他の様々な実施の形態が可能であることは上記記載から自明である。例えば各実施の形態に対して適宜例示した変形例は、他の実施の形態に対して適用することも可能であることは言うまでもない。
49 ホスト装置
40 後処理機
50,500,700 DFE
51 レンダリングエンジン
52 si1部
53 TRC
54 si2部
55 ハーフトーンエンジン
56 クリアプロセッシング
56A 置換部
56B 記憶部
56D 表面効果種類判別部
56E 位置すれ量決定部
56F クリアトナー版位置ずれ補正部
57 si3部
58 装置構成取得部
59 有色版位置ずれ補正部
60 MIC
70 プリンタ機
80 グロッサ
90A,90B 後処理機
101 コントロールツールボックス
102 ラジオボックス
111,111a,112,113 領域
120 画像処理部
121 表示制御部
122 版データ生成部
123 印刷データ生成部
124 入力制御部
600 UI部
759 用紙情報取得部
3010 ホスト装置
3011 I/F部
3015 制御部
3050 DFE
3054 si2部
3060 サーバ装置
3066 クリアプロセッシング
3062 版データ生成部
3063 印刷データ生成部
3860 第1サーバ装置
3861 第2サーバ装置
特開2009−58941号公報 特開2010−152129号公報 特開2004−64288号公報 特開2003−173109号公報

Claims (11)

  1. 有色トナーおよび特色トナーを用いて用紙上に画像を形成する印刷装置を制御する印刷制御装置であって、
    印刷データに含まれる画像データをプレーン毎に展開する展開手段と、
    前記印刷装置の装置構成を取得する取得手段と、
    前記取得手段で取得された装置構成と前記プレーン毎に展開された画像データとに応じて該プレーン毎の画像データそれぞれの位置ずれ量を決定する決定手段と、
    前記決定手段で決定された前記プレーン毎の位置ずれ量を用いて前記プレーン毎の画像データを補正する補正手段と、
    を備えることを特徴とする印刷制御装置。
  2. 前記特色トナーは、クリアトナーであり、
    前記印刷データは、有色版の画像データと、クリアトナー版の画像データとを含む
    ことを特徴とする請求項1に記載の印刷制御装置。
  3. 前記クリアトナー版の画像データは、印刷物の表面効果を制御する光沢制御版の画像データと、前記クリアトナーを用いてオブジェクトを描画するクリア版の画像データとを含むことを特徴とする請求項2に記載の印刷制御装置。
  4. 前記印刷装置の装置構成は、プリンタ機とグロッサと後処理機とのうち少なくとも1つを1つ以上含み、
    前記決定手段は、前記印刷装置における前記プリンタ機と前記グロッサと前記1つ以上の後処理機とのそれぞれを使用するか否かに応じて前記プレーン毎の位置ずれ量を決定する
    ことを特徴とする請求項1に記載の印刷制御装置。
  5. 前記補正手段は、前記決定手段で決定された前記プレーン毎の位置ずれ量に応じて、前記プレーン毎の画像データを縮小または伸張することを特徴とする請求項1に記載の印刷制御装置。
  6. 前記取得手段で取得された装置構成と前記プレーン毎に展開された画像データとに基づいて、前記プレーン毎の画像データを前記装置構成で印刷可能な画像データに置き換える置換手段をさらに備え、
    前記決定手段は、前記置換手段で置き換えられた前記プレーン毎の画像データに応じて該プレーン毎の画像データそれぞれの位置ずれ量を決定する
    ことを特徴とする請求項1に記載の印刷制御装置。
  7. 前記印刷データの印刷時に使用される前記印刷装置の装置構成と前記プレーン毎の位置ずれ量との対応付けを予め記憶する記憶手段をさらに備え、
    前記決定手段は、前記取得手段で取得された装置構成と前記プレーン毎に展開された画像データとに基づいて前記記憶手段を参照することで、前記プレーン毎の画像データそれぞれの位置ずれ量を決定する
    ことを特徴とする請求項1に記載の印刷制御装置。
  8. 前記印刷装置の装置構成それぞれで生じる位置ずれ量をユーザに設定させる設定手段をさらに備え、
    前記決定手段は、前記取得手段で取得された装置構成と前記プレーン毎に展開された画像データとに基づいて、前記設定手段で設定された前記装置構成毎の位置ずれ量から前記プレーン毎の画像データそれぞれの位置ずれ量を決定する
    ことを特徴とする請求項1に記載の印刷制御装置。
  9. 前記設定手段で設定された前記装置構成毎の位置ずれ量を前記印刷装置の装置構成に対応づけて保存する保存手段をされに備え、
    前記決定手段は、前記取得手段で取得された装置構成と前記プレーン毎に展開された画像データとに基づいて前記保存手段を参照することで、前記プレーン毎の画像データそれぞれの位置ずれ量を決定する
    ことを特徴とする請求項8に記載の印刷制御装置。
  10. 有色トナーおよび特色トナーを用いて用紙上に画像を形成する印刷装置を制御する画像形成システムであって、
    印刷データに含まれる画像データをプレーン毎に展開する展開手段と、
    前記印刷装置の装置構成を取得する取得手段と、
    前記取得手段で取得された装置構成と前記プレーン毎に展開された画像データとに応じて該プレーン毎の画像データそれぞれの位置ずれ量を決定する決定手段と、
    前記決定手段で決定された前記プレーン毎の位置ずれ量を用いて前記プレーン毎の画像データを補正する補正手段と、
    を備えることを特徴とする画像形成システム。
  11. 有色トナーおよび特色トナーを用いて用紙上に画像を形成する印刷装置を制御するようにコンピュータを動作させるためのプログラムであって、
    印刷データに含まれる画像データをプレーン毎に展開する展開ステップと、
    前記印刷装置の装置構成を取得する取得ステップと、
    前記取得ステップで取得された装置構成と前記プレーン毎に展開された画像データとに応じて該プレーン毎の画像データそれぞれの位置ずれ量を決定する決定ステップと、
    前記決定ステップで決定された前記プレーン毎の位置ずれ量を用いて前記プレーン毎の画像データを補正する補正ステップと、
    を前記コンピュータに実行させるためのプログラム。
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