以下に添付図面を参照して、この発明にかかる印刷制御装置、印刷制御システムおよびプログラムの実施の形態を詳細に説明する。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る印刷制御システム1の構成例を示すブロック図である。図1に示すように、印刷制御システム1は、ホスト装置10と画像形成装置100とを備える。画像形成装置100は、制御装置(DFE:Digital Front End)20と、インタフェースコントローラ(MIC:Mechanism I/F Contoroller)30と、プリンタ機40とが接続されて構成される。
DFE20は、MIC30を介してプリンタ機40と通信を行い、プリンタ機40での画像の形成を制御する。また、DFE20には、PC(Personal Computer)等のホスト装置10が接続される。DFE20は、ホスト装置10から画像データを受信して、当該画像データを用いて、プリンタ機40がCMYKの各トナー及びクリアトナーに応じたトナー像を形成するための画像データを生成してこれをMIC30を介してプリンタ機40に送信する。プリンタ機40には、CMYKの各トナーとクリアトナーとが少なくとも搭載されており、各トナーに対して感光体、帯電器、現像器及び感光体クリーナを含む作像ユニット、露光器及び定着機が各々搭載されている。
ここで、クリアトナーとは、色材を含まない透明な(無色の)トナーである。なお、透明(無色)とは、例えば、透過率が70%以上であることを示す。
プリンタ機40は、MIC30を介してDFE20から送信された画像データに応じて、露光器から光ビームを照射して各トナーに応じたトナー像を感光体上に形成して、これを紙などの記録媒体に転写しこれを定着機によって所定の範囲内の温度(通常温度)での加熱及び加圧で定着させる。これによって記録媒体に画像が形成される。このようなプリンタ機40の構成については周知であるため、ここでその詳細な説明を省略する。記録媒体は、紙に限られるものではなく、例えば合成紙、ビニール等であってもよい。
ここで、ホスト装置10から入力される画像データ(原稿データ)について説明する。ホスト装置10では、予めインストールされた画像処理アプリケーション(後述する画像処理部120,版データ生成部122、印刷データ生成部123等)により画像データが生成されて、DFE20に送信される。このような画像処理アプリケーションでは、RGB版やCMYK版などの各色版における各色の濃度の値(濃度値という)を画素毎に規定した画像データに対して、特色版の画像データを取り扱うことが可能である。特色版とは、CMYKやRGBなどの基本的なカラーの他に、白、金、銀といった特殊なトナーやインクを付着させるための画像データであり、このような特殊なトナーやインクを搭載したプリンタ向けのデータである。特色版は色再現性を向上させるためにCMYKの基本カラーにRを追加することや、RGBの基本カラーにYを追加することもある。通常、クリアトナーも特色の1つとして取り扱われていた。
本実施の形態では、この特色としてのクリアトナーを、記録媒体に付与する視覚的または触覚的な効果である表面効果を形成するため、および、記録媒体に、上記表面効果以外のウォーターマークやテクスチャ等の透明画像を形成するために用いる。
このため、ホスト装置10の画像処理アプリケーションは、入力された画像データに対して、有色版の画像データの他、特色版の画像データとして、ユーザの指定により、光沢制御版の画像データおよび/またはクリア版の画像データとを生成する。
ここで、有色版の画像データ(以下では、「有色版データ」と呼ぶ場合がある)とは、画素毎にRGBやCMYK等の有色の濃度値を規定した画像データである。この有色版の画像データでは、ユーザによる色の指定により、1画素を8ビットで表現される。図2は、有色版データの一例を示す説明図である。図2において、「A」、「B」、「C」等の描画オブジェクトごとにユーザが画像処理アプリケーションで指定した色に対応する濃度値が付与される。
また、光沢制御版の画像データとは、記録媒体に付与する視覚的または触覚的な効果である表面効果に応じたクリアトナーを付着させる制御を行うため、当該表面効果の与えられる記録媒体における領域および当該表面効果の種類を特定した画像データである。
この光沢制御版は、RGBやCMYK等の有色版と同様に画素毎に8ビットで「0」〜「255」の範囲の濃度値で表され、この濃度値に、表面効果の種類が対応付けられる(濃度値は16ビットや32ビット、または0〜100%で表してもよい)。また、同一の表面効果を与えたい範囲には実際に付着するクリアトナーの濃度と関係なく同一の値が設定されるため、領域を示すデータがなくとも必要に応じて画像データから容易に領域が特定できる。即ち、光沢制御版によって、表面効果の種類と、表面効果を与える領域とが表される(領域を表すデータを別途付与してもよい)。
ここで、ホスト装置10は、ユーザが画像処理アプリケーションにより指定した描画オブジェクトに対する表面効果の種類を、描画オブジェクトごとに光沢制御値としての濃度値として設定してベクタ形式の光沢制御版の画像データ(以下では、「光沢制御版データ」と呼ぶ場合がある)を生成する。
この光沢制御版データを構成する各画素は、色版の画像データの画素に対応する。尚、各画像データにおいては各画素の表す濃度値が画素値となる。また、色版の画像データ及び光沢制御版は共にページ単位で構成される。
表面効果の種類としては、大別して、光沢の有無に関するものや、表面保護や、情報を埋め込んだ透かしや、テクスチャなどがある。光沢の有無に関する表面効果については、図3に例示されるように、大別して4種類あり、光沢の度合い(光沢度)の高い順に、鏡面光沢(PG:Premium Gloss)、ベタ光沢(G:Gloss)、網点マット(M:Matt)及びつや消し(PM:Premium Matt)等の各種類がある。これ以降、鏡面光沢を「PG」、ベタ光沢を「G」、網点マットを「M」、つや消しを「PM」と呼ぶ場合がある。
鏡面光沢やベタ光沢は、光沢を与える度合いが高く、逆に、網点マットやつや消しは、光沢を抑えるためのものであり、特に、つや消しは、通常の記録媒体が有する光沢度より低い光沢度を実現するものである。同図中において、鏡面光沢はその光沢度Gsが80以上、ベタ光沢は一次色あるいは二次色のなすベタ光沢度、網点マットは一次色、かつ網点30%の光沢度、つや消しは光沢度10以下を表している。また、光沢度の偏差をΔGsで表し、10以下とした。このような表面効果の各種類に対して、光沢を与える度合いが高い表面効果に高い濃度値が対応付けられ、光沢を抑える表面効果に低い濃度値が対応付けられる。その中間の濃度値には、透かしやテクスチャなどの表面効果が対応付けられる。透かしとしては、例えば、文字や地紋などが用いられる。テクスチャは、文字や模様を表すものであり、視覚的効果の他、触覚的効果を与えることが可能である。例えば、ステンドグラスのパターンをクリアトナーによって実現することができる。表面保護は、鏡面光沢やベタ光沢で代用される。尚、処理対象の画像データによって表される画像のどの領域に表面効果を与えるのかやその領域にどの種類の表面効果を与えるのかについては、画像処理アプリケーションを介してユーザにより指定される。画像処理アプリケーションを実行するホスト装置10では、ユーザにより指定された領域を構成する描画オブジェクトについて、ユーザが指定した表面効果に対応する濃度値がセットされることにより、光沢制御版の画像データが生成される。濃度値と表面効果の種類との対応関係については後述する。
図4は、光沢効果を説明するための図である。図4では、画像を任意の箇所で走査したときの濃度の変化を示している。画像データCMYKの各版8ビット(0〜255)について、1画素あたりのトナー濃度値の総和C+M+Y+Kを算出する。そして、この値の255x4=1220からの差分を算出し、それがインバースマスクとなり、クリアトナーを付着させる量となる。このインバースマスクを原画像に重ねることでトナー総付着量を均一にすることで光沢のある領域を得ることができる。なお、インバースマスクの詳細については後述する。
図5は、つや消し効果を説明するための図である。図5では、画像を任意の箇所で走査したときの濃度の変化を示している。CMYKの有色トナーのそれぞれが均一であるため、光沢が得られている場合、図5に示すような濃度が不均一なつや消しの網点マットをクリアトナーで重ねるとトナー総付着量は元々均一であったところが不均一となる。このため、光沢は生じずつや消しの効果が得られる。このような網点マットはパターンデータとしてDFE50内部に記憶されており、かかるパターンデータ領域に画素単位で展開する。
図6は、光沢制御版の画像データの一例を示す説明図である。図6の光沢制御版の例では、ユーザにより、描画オブジェクト「ABC」に表面効果「PG(鏡面光沢)」が付与され、描画オブジェクト「(長方形の図形)」に表面効果「G(ベタ光沢)」が付与され、描画オブジェクト「(円形の図形)」に表面効果「M(網点マット)」が付与された例を示している。なお、各表面効果に設定された濃度値(光沢制御値)は、後述の表面効果選択テーブル(図13参照)で、表面効果の種類に対応して定められた濃度値である。
クリア版の画像データ(以下では、「クリア版データ」と呼ぶ場合がある)とは、上記表面効果以外のウォーターマークやテクスチャ等の透明画像を特定した画像データである。図7は、クリア版の画像データの一例を示す説明図である。図7の例では、ユーザにより、ウォーターマーク「Sale」が指定されている。
このように、特色版の画像データである、光沢制御版およびクリア版の画像データは、ホスト装置10の画像処理アプリケーションにより、有色版の画像データとは別のプレーンで生成される。また、有色版の画像データ、光沢制御版の画像データ、クリア版の画像データの各画像データの形式は、PDF(Portable Document Format)形式が用いられるが、各版のPDFの画像データを統合して原稿データとして生成される。なお、各版の画像データのデータ形式は、PDFに限定されるものではなく、任意の形式を用いることができる。
ホスト装置10は、画像処理アプリケーションで、有色版の画像データ、クリア版の画像データをユーザの指示により生成する。また、ホスト装置10は、画像処理アプリケーション、またはそのプラグインソフトウェアで、ユーザが指定した領域および表面効果を設定した光沢制御版の画像データを、生成する。
ホスト装置10は、記憶部(不図示)に、ユーザにより指定された表面効果の種類と、当該表面効果の種類に対応する光沢制御版の濃度値とを記憶する濃度値選択テーブルを格納している。画像処理アプリケーション、またはそのプラグインソフトウェアは、この濃度値選択テーブルを用いて、光沢制御版の画像データを生成する。
図8は、濃度値選択テーブルの一例を示す図である。図8の例では、ユーザにより「PG」(鏡面光沢)が指定された領域に対応する光沢制御版の濃度値は「98%」であり、「G」(ベタ光沢)が指定された領域に対応する光沢制御版の濃度値は「90%」であり、「M」(網点マット)が指定された領域に対応する光沢制御版の濃度値は「16%」であり、「PM」(つや消し)が指定された領域に対応する光沢制御版の濃度値は「6%」である。
この濃度値選択テーブルは、DFE20で記憶している表面効果選択テーブル(後述)の一部のデータであり、ホスト装置10の制御部が所定のタイミングで表面効果選択テーブルを取得して、取得した表面効果選択テーブルから生成して記憶部に保存する。なお、インターネット等のネットワーク上のストレージサーバ(クラウド)に表面効果選択テーブルを保存しておき、ホスト装置10の制御部が当該サーバから表面効果選択テーブルを取得して、取得した表面効果選択テーブルから生成するように構成してもよい。ただし、DFE20で記憶している表面効果選択テーブルとホスト装置10の記憶部に保存されている表面効果選択テーブルとは同じデータである必要がある。
ホスト装置10は、図8に示す濃度値選択テーブルを参照しながら、ユーザにより所定の表面効果が指定された描画オブジェクトの濃度値(光沢制御値)を、当該表面効果の種類に応じた値に設定することで、光沢制御版の画像データを生成する。例えばユーザにより、図2に示した有色版の画像データである対象画像のうち、「ABC」と表示される領域に「PG」、長方形の領域に「G」、円形の領域に「M」を与えることが指定された場合を想定する。この場合、ホスト装置10は、ユーザにより「PG」が指定された描画オブジェクト(「ABC」)の濃度値を「98%」に設定し、「G」が指定された描画オブジェクト(「長方形」)の濃度値を「90%」に設定し、「M」が指定された描画オブジェクト(「円形」)の濃度値を「16%」に設定することで、光沢制御版の画像データを生成する。生成された光沢制御版の画像データは、点の座標と、それを結ぶ線や面の方程式のパラメータ、および、塗り潰しや特殊効果などを示す描画オブジェクトの集合として表現されるベクタ形式のデータである。図9は、図6の光沢制御版の画像データにおいて、描画オブジェクト、座標、濃度値との対応関係を示す図である。図6は、この光沢制御版の画像データをイメージとして示した図である。そして、光沢制御版の画像データと、対象画像の画像データ(有色版の画像データ)と、クリア版の画像データとを統合した原稿データが生成される。
そして、ホスト装置10は、原稿データに基づいて印刷データを生成する。印刷データは、対象画像の画像データ(有色版の画像データ)と、光沢制御版の画像データと、クリア版の画像データと、例えばプリンタの設定、集約の設定、両面の設定などをプリンタに対して指定するジョブコマンドとを含んで構成される。図10は、印刷データの構成例を概念的に示す模式図である。図10の例では、ジョブコマンドとして、JDF(Job Definition Format)が用いられているが、これに限られるものではない。図10に示すJDFは、集約の設定として「片面印刷・ステープル有り」を指定するコマンドである。また、印刷データは、PostScriptのようなページ記述言語(PDL)に変換されてもよいし、DFE20が対応していれば、PDF形式のままでもよい。以下では、説明の便宜上、クリア版の画像データが印刷データに含まれていない場合を例に挙げて説明する。
次に、DFE20の機能的構成について説明する。DFE20は、図11に例示されるように、レンダリングエンジン201と、si1部202と、カラープロセッシング203と、si2部204と、ハーフトーンエンジン205と、クリアプロセッシング206と、si3部207と、を有する。
レンダリングエンジン201には、ホスト装置10から送信された印刷データが入力される。レンダリングエンジン201は、入力された印刷データを言語解釈して、ベクタ形式で表現される画像データをラスタ形式に変換すると共に、RGB形式等で表現された色空間をCMYK形式の色空間に変換して、CMYKの色版の各8ビットの画像データ及び8ビットの光沢制御版データを出力する。si1部202は、CMYKの各8ビットの画像データをカラープロセッシング203に出力し、8ビットの光沢制御版をクリアプロセッシング206に出力する。
ここで、DFE20は、ホスト装置10から出力されたベクタ形式の光沢制御版の画像データをラスタ形式に変換し、この結果、DFE50は、ユーザが画像処理アプリケーションにより指定した描画オブジェクトに対する表面効果の種類を、画素を単位として濃度値として設定して光沢制御版の画像データを出力する。
カラープロセッシング203には、si1部202を介してCMYKの各8ビットの画像データが入力される。カラープロセッシング203には、入力された画像データに対してキャリブレーションにより生成された1D_LUTのガンマカーブでガンマ補正を行う。画像処理としては、ガンマ補正の他にトナーの総量規制等があるが、この実施の形態の例では省略している。総量規制とは記録媒体上の1画素において、プリンタ機40で載せることが可能なトナー量に限界があるため、ガンマ補正後のCMYK各8ビットの画像データを制限する処理である。ちなみに、総量規制を越えて印刷した場合、転写不良や定着不良により画質が劣化してしまう。当実施例では関連するガンマ補正のみを取り上げて説明している。
si2部204は、カラープロセッシング203でガンマ補正されたCMYKの各8ビットの画像データを、インバースマスク(後述する)を生成するためのデータとしてクリアプロセッシング206へ出力する。ハーフトーンエンジン205には、si2部204を介してガンマ補正後のCMYKの各8ビットの画像データが入力される。ハーフトーンエンジン205は、入力された画像データをプリンタ機40に出力するための、例えばCMYKの各2ビット等の画像データのデータ形式に変換するハーフトーン処理を行い、ハーフトーン処理後のCMYK各2ビット等の画像データを出力する。なお、2ビットは一例であり、これに限定されるものではない。
クリアプロセッシング206には、レンダリングエンジン201が変換した8ビットの光沢制御版がsi1部202を介して入力されると共に、カラープロセッシング203がガンマ補正を行ったCMYKの各8ビットの画像データがsi2部204を介して入力される。クリアプロセッシング206は、入力された光沢制御版を用いて、後述の表面効果選択テーブルを参照して、光沢制御版を構成する各画素の表す濃度値(画素値)に対する表面効果を判断し、当該判断に応じて、クリアトナーを付着させるための2ビットのクリアトナー版の画像データ(以下では、「クリアトナー版データ」と呼ぶ場合がある)を適宜生成する。si3部207は、ハーフトーン処理後のCMYKの各2ビットの画像データと、クリアプロセッシング206が生成した2ビットのクリアトナー版の画像データとを統合し、統合した画像データをMIC30に出力する。
ここで、クリアプロセッシング206の具体的な内容を説明する。図11に示すように、クリアプロセッシング206は、光沢制御版記憶部301と、表面効果選択テーブル記憶部302と、クリアトナー版生成部304とを備える。
光沢制御版記憶部301には、si1部202から入力された光沢制御版の画像データが保存される。表面効果選択テーブル記憶部302には、後述の表面効果選択テーブルが保存される。
クリアトナー版生成部304は、入力された光沢制御版の画像データを用いて、表面効果選択テーブル記憶部302に保存された表面効果選択テーブルを参照して、光沢制御版の画像データを構成する各画素の表す濃度値(画素値)に対する表面効果を判断して、当該判断に応じて、入力されたCMYKの各8ビットの画像データを用いてインバースマスクやベタマスクを適宜生成することにより、クリアトナーを付着させるための2ビットのクリアトナー版の画像データを適宜生成して出力する。
ここで、インバースマスクとは、表面効果を与える対象の領域を構成する各画素上のCMYKのトナー及びクリアトナーを合わせた総付着量が均一になるようにするためのものである。具体的には、CMYK版の画像データにおいて当該対象の領域を構成する画素の表す濃度値を全て加算し、その加算値を所定値から差し引いた画像データがインバースマスクとなる。例えば、上述のインバースマスク1は以下の式1で表される。
Clr=100−(C+M+Y+K) 但し、Clr<0となる場合、Clr=0
・・・(式1)
式1において、Clr,C,M,Y,Kは、クリアトナー及びC,M,Y,Kの各トナーのそれぞれについて、各画素における濃度値から換算される濃度率を表すものである。即ち、式1によって、C,M,Y,Kの各トナーの総付着量にクリアトナーの付着量を加えた総付着量を、表面効果を与える対象の領域を構成する全ての画素について100%にする。なお、C,M,Y,Kの各トナーの総付着量が100%以上である場合には、クリアトナーは付着させずに、その濃度率は0%にする。これは、C,M,Y,Kの各トナーの総付着量が100%を超えている部分は定着処理により平滑化されるためである。このように、表面効果を与える対象の領域を構成する全ての画素上の総付着量を100%以上にすることで、当該対象の領域においてトナーの総付着量の差による表面の凸凹がなくなり、この結果、光の正反射による光沢が生じるのである。但し、インバースマスクには、式1以外により求められるものがあり、インバースマスクの種類は複数有り得る。
例えば、インバースマスクは、各画素にクリアトナーを均一に付着させるものであってもよい。この場合のインバースマスクは、ベタマスクともいい、以下の式2で表される。
Clr=100・・・(式2)
尚、表面効果を与える対象の画素の中でも、100%以外の濃度率が対応付けられるものがあるようにしても良く、ベタマスクのパターンは複数有り得る。
また、例えばインバースマスクは、各色の地肌露出率の乗算により求められるものであってもよい。この場合のインバースマスクは、例えば以下の式3で表される。
Clr=100×{(100−C)/100}×{(100−M)/100}×{(100−Y)/100}×{(100−K)/100}・・・(式3)
上記式3において、(100−C)/100は、Cの地肌露出率を示し、(100−M)/100は、Mの地肌露出率を示し、(100−Y)/100は、Yの地肌露出率を示し、(100−K)/100はKの地肌露出率を示す。
また、例えばインバースマスクは、最大面積率の網点が平滑性を律すると仮定した方法により求められるものであってもよい。この場合のインバースマスクは、例えば以下の式4で表される。
Clr=100−max(C,M,Y,K)・・・(式4)
上記式4において、max(C,M,Y,K)は、CMYKのうち最大の濃度値を示す色の濃度値が代表値となることを示す。
要するに、インバースマスクは、上記式1〜式4の何れかの式により表されるものであればよい。
表面効果選択テーブルは、表面効果を示す光沢制御値としての濃度値と当該表面効果の種類の対応関係を示すと共に、これらと、プリンタ機40で用いるクリアトナー版の画像データ(クリアトナー版1)との対応関係を示すテーブルである。印刷制御システムの構成は、様々に異なり得るが、本実施形態においては、プリンタ機40に後処理機が接続されない構成である。図12は、表面効果選択テーブルのデータ構成を例示する図である。尚、表面効果選択テーブルは、異なる印刷制御システムの構成毎に、後処理機に関する制御情報と、プリンタ機40で用いるクリアトナー版の画像データ及び後処理機で用いるクリアトナー版の画像データと、濃度値及び表面効果の種類との対応関係を示すように構成され得るが、図12では、本実施形態に係る印刷制御システム1の構成に応じたデータ構成を例示している。
図12に示される表面効果の種類及び濃度値の対応関係においては、濃度値の範囲毎に表面効果の各種類が対応付けられている。また、その濃度値の範囲の代表となる値(代表値)から換算される濃度の割合(濃度率)に対して2%単位で表面効果の各種類が対応付けられている。具体的には、濃度率が84%以上となる濃度値の範囲(「212」〜「255」)に対して光沢を与える表面効果(鏡面効果及びベタ効果)が対応付けられており、濃度率が16%以下となる濃度値の範囲(「1」〜「43」)に対して光沢を抑える表面効果(網点マット及びつや消し)が対応付けられている。また、濃度率が20%〜80%となる濃度値の範囲には、テクスチャや地紋透かしなどの表面効果やユーザ定義が対応付けられている。なお、光沢制御版においては、表面効果などの効果を与える領域を構成する全ての画素について基本的に同一の範囲の濃度値を表す。
図12の例では、例えば、「238」〜「255」の画素値に対しては表面効果として鏡面光沢(PM:Premium Gross)が対応付けられており、このうち、「238」〜「242」の画素値、「243」〜「247」の画素値及び「248」〜「255」の画素値の3つの範囲に対して各々異なるタイプの鏡面光沢が対応付けられている。また、「212」〜「232」の画素値に対しては、ベタ光沢(G:Gross)が対応付けられており、このうち、「212」〜「216」の画素値、「217」〜「221」の画素値、「222」〜「227」の画素値及び「228」〜「232」の画素値の4つの範囲に対して各々異なるタイプのベタ光沢が対応付けられている。また、「23」〜「43」の画素値に対しては、網点マット(M:Matt)が対応付けられており、このうち、「23」〜「28」の画素値、「29」〜「33」の画素値、「34」〜「38」の画素値及び「39」〜「43」の画素値の4つの範囲に対して各々異なるタイプの網点マットが対応付けられている。また、「1」〜「17」の画素値に対しては、つや消し(PM:Premium Matt)が対応付けられており、このうち、「1」〜「7」の画素値、「8」〜「12」の画素値及び「13」〜「17」の画素値の3つの範囲に対して各々異なるタイプのつや消しが対応付けられている。これらの同一の表面効果の異なるタイプはプリンタ機40で使用するクリアトナー版の画像データを求める式に違いがあり、プリンタ本体や後処理機の動作は同じである。尚、「0」の濃度値には、何の効果(表面効果や後述のユーザ定義により指定される効果)も与えないことが対応付けられている。
また、図12には、プリンタ機40で用いるクリアトナー版の画像データ(クリアトナー版1)の内容が示されている。例えば、表面効果が鏡面光沢である場合、クリアトナー版1は、インバースマスクを表すものであることが示されている。当該インバースマスクは、例えば上述した式1により求められるものである。但し、本実施形態の構成においては、表面効果として鏡面効果を実現することができないため、表面効果として鏡面効果が指定された領域に対して、表面効果選択テーブルに示されるインバースマスクが用いられてクリアトナーが付着されても、結果的に得られる表面効果は、ベタ光沢となる。また、表面効果としてつや消しを実現することができないため、つや消しについては、DFE20がクリアトナー版の画像データが生成することなく、結果的に、代替の表面効果として網点マットが得られる可能性がある。図13は、本実施形態において指定された表面効果の種類と、プリンタ機40で用いられるクリアトナー版の画像データ(Clr−1)と、実際に得られる表面効果との対比を示す図である。図13のINVは図12のインバースマスクA、B、Cの何れか、INV−mは図12のインバースマスクm、halftone−nは図12のハーフトーン1、2、3、4の何れかをそれぞれ表している。
また、図12の例では、濃度値が「228」〜「232」であり表面効果がベタ光沢タイプ1である場合、プリンタ機40で用いるクリアトナー版1の画像データは、インバースマスクmであることが示されている。尚、当該インバースマスクmは、上記式1〜式4の何れかの式により表されるものであればよい。また、表面効果が網点マットである場合、プリンタ機40で用いるクリアトナーの画像データは、ハーフトーン(網点)を表すものであることが示されている。また、表面効果がつや消しである場合、プリンタ機40で用いるクリアトナー版1の画像データは、ないことが示されている。
クリアトナー版生成部304は、上述した表面効果選択テーブルを参照して、光沢制御版の画像データによって示される各画素値に対応付けられている表面効果を判断する。尚、クリアトナー版生成部304は、この判断を1ページ毎に行う。そして、クリアトナー版生成部304は、当該判断の結果に応じて、クリアトナー版の画像データを適宜生成してこれを出力する。
図14は、クリアトナー版生成部304の詳細な構成例を示す図である。図14に示すように、クリアトナー版生成部304は、置換部310と生成部311とを備える。
置換部310は、光沢制御版データに設定された濃度値に基づいて、光沢制御版データのうち、第1閾値以上の光沢度を実現する第1表面効果に対応する濃度値に設定された第1領域の外側の第2領域の濃度値を、第1閾値よりも小さい第2閾値以下の光沢度を実現する第2表面効果に対応する濃度値に置換する。本実施形態では、置換部310は、表面効果選択テーブルを参照して、8ビットの光沢制御版の画像データのうち、鏡面光沢に対応する濃度値に設定された第1領域を囲む所定の領域である第2領域内の画素の濃度値を、網点マットタイプ1に対応する濃度値に置換する。
より具体的には以下のとおりである。まず、置換部310は、予め決められた画素数を含むサイズのセルで、光沢制御版の画像データを分割する。この例では、セルは、矩形状の領域であるが、これに限らず、セルの形状は任意に設定可能である。図15は、セルで分割された画像データの一部の例を示す図であり、斜線部分は、鏡面光沢が指定された領域を示す。置換部310は、セルごとに(見方を変えれば、セルで分割された領域ごとに)、後述の処理を行うことで、光沢制御版の画像データのうち、鏡面光沢が指定された領域を囲む所定の領域内の画素値を、網点マットタイプ1に対応する濃度値に置換する。図16は、図15の注目セルに対して後述の処理が行われた結果の一例を示す図である。この例では、網点マットタイプ1に対応する濃度値が指定された領域は、ドットの集合で表されている。
図17は、置換部310により行われる置換処理の一例を示すフローチャートである。図17に示すように、まず、置換部310は、si1部202から入力された光沢制御版の画像データ(元の光沢制御版データ)を複製した生成用光沢制御版データを作成する(ステップS11)。次に、置換部310は、生成用光沢制御版データをセルで分割する(ステップS12)。次に、置換部310は、後述のステップS14以降の処理が行われていないセルのうちの何れか1つのセルを注目セルとして指定する(ステップS13)。
次に、置換部310は、注目セル内の画素のうち、鏡面光沢に対応する濃度値に設定された画素数が、予め定められた基準値より多いか否かを判定する(ステップS14)。注目セル内の画素のうち、鏡面光沢に対応する濃度値に設定された画素数が基準値よりも多いと判断した場合(ステップS14の結果:YESの場合)、置換部310は、注目セル、および、注目セルを囲む8つのセルの各々に含まれる画素のうち、何も表面効果が指定されていない画素の濃度値を、網点マットタイプ1に対応する濃度値に置き換える(ステップS15)。そして、処理はステップS16に移行する。一方、前述のステップS14において、注目セル内の画素のうち、鏡面光沢に対応する濃度値に設定された画素数が基準値以下であると判断された場合(ステップS14の結果:NOの場合)、処理はステップS16に移行する。
ステップS16において、置換部310は、全てのセルについて処理が終了したか否かを判断する。全てのセルについて処理が終了したと判断された場合(ステップS16の結果:YESの場合)、置換処理は終了する。一方、処理が行われていないセルが存在すると判断された場合(ステップS16の結果:NOの場合)、処理は、再び上述のステップS13に戻り、ステップS13以降の処理が繰り返される。
再び図14に戻って説明を続ける。生成部311は、表面効果選択テーブルを参照して、置換部310による置換処理が行われた8ビットの光沢制御版の画像データ(以下、「置換後の光沢制御版データ」と呼ぶ場合がある)の各画素の濃度値に対応する表面効果を判断し、当該判断に応じて、2ビットのクリアトナー版の画像データを生成する。より具体的には以下のとおりである。生成部311は、濃度値が「248」〜「255」である画素に対して指定された表面効果は、「鏡面光沢タイプA」であると判断する。説明の便宜上、置換後の光沢制御版データのうち鏡面光沢タイプAが指定された領域をタイプA領域と呼ぶ。この場合、生成部311は、ガンマ補正後のCMYKの各8ビットの画像データのうちタイプA領域に対応する画像データを用いて、置換後の光沢制御版データのタイプA領域内の各画素の濃度値を、インバースマスクAで表される濃度値に変換する処理(インバースマスク処理)を行う。これにより、置換後の光沢制御版データのタイプA領域に対応する画像データは、8ビットのクリアトナー版の画像データに変換される。生成部311は、ハーフトーン処理を行うことで、置換後の光沢制御版データのタイプA領域に対応する画像データを、2ビットのクリアトナー版の画像データに変換する。
また、生成部311は、濃度値が「212」〜「232」である画素に対して指定された表面効果はベタ光沢であると判断する。例えば濃度値が「228」〜「232」である画素に対して指定された表面効果は、「ベタ光沢タイプ1」であると判断する。説明の便宜上、置換後の光沢制御版データのうちベタ光沢タイプ1が指定された領域をタイプ1領域と呼ぶ。この場合、生成部311は、ガンマ補正後のCMYKの各8ビットの画像データのうちタイプ1領域に対応する画像データを用いて、置換後の光沢制御版データのタイプ1領域内の各画素の濃度値を、インバースマスクmで表される濃度値に変換する処理を行う。これにより、置換後の光沢制御版データのタイプ1領域に対応する画像データは、8ビットのクリアトナー版の画像データに変換される。生成部311は、ハーフトーン処理を行うことで、置換後の光沢制御版データのタイプ1領域に対応する画像データを、2ビットのクリアトナー版の画像データに変換する。
また、生成部311は、濃度値が「23」〜「43」である画素に対して指定された表面効果は網点マットであると判断する。例えば濃度値が「23」〜「28」である画素に対して指定された表面効果は、「網点マットタイプ1」であると判断する。説明の便宜上、置換後の光沢制御版データのうち網点マットタイプ1が指定された領域をマット1領域と呼ぶ。この場合、生成部311は、置換後の光沢制御版データのマット1領域に対応する画像データを、網点マットタイプ1に対応するハーフトーン1を表す画像データに変換する。これにより、置換後の光沢制御版のマット1領域に対応する画像データは、2ビットのクリアトナー版の画像データに変換される。
また、生成部311は、濃度値が「1」〜「17」である画素に対して指定された表面効果はつや消しであると判断する。前述したように、表面効果がつや消しである場合、プリンタ機40で用いるクリアトナー版1の画像データは無い。
再び図11に戻って説明を続ける。si3部207は、ハーフトーン処理後のCMYKの各2ビットの画像データと、クリアプロセッシング206が生成した2ビットのクリアトナー版の画像データとを統合し、統合した画像データをMIC30に出力する。
MIC30は、DFE20とプリンタ機40とに接続され、DFE20から出力された画像データ(ハーフトーン処理後のCMYKの各2ビットの画像データと、クリアプロセッシング206が生成した2ビットのクリアトナー版の画像データとを統合した画像データ)をプリンタ機40へ出力する。プリンタ機40は、MIC30から出力された画像データを用いて、露光器から光ビームを照射して各トナーに応じたトナー像を感光体上に形成してこれを記録媒体に転写しこれを通常温度での加熱および加圧により定着させる。これにより、記録媒体に、CMYKのトナーの他クリアトナーが付着されて画像が形成される。
次に、本実施形態に係る印刷制御システム1が行う光沢制御処理の手順について図18を用いて説明する。DFE20がホスト装置10から画像データを受信すると(ステップS1)、レンダリングエンジン201は、これを言語解釈して、ベクタ形式で表現される画像データをラスタ形式に変換すると共に、RGB形式で表現された色空間をCMYK形式の色空間に変換して、CMYKの色版の各8ビットの画像データ及び8ビットの光沢制御版を得る(ステップS2)。
ここで、ステップS2における、光沢制御版の画像データの変換処理の詳細について説明する。図19は、光沢制御版の画像データの変換処理の手順を示すフローチャートである。この変換処理では、描画オブジェクトごとに表面効果を特定する濃度値が指定された光沢制御版の画像データを、描画オブジェクトを構成する画素ごとに濃度値が指定された光沢制御版の画像データに変換する。
レンダリングエンジン201は、図9で示される光沢制御版の描画オブジェクトに対応する座標の範囲の画素に対して、描画オブジェクトに対して設定された濃度値を付与することにより(ステップS41)、光沢制御版の画像データを変換する。そして、かかる処理を光沢制御版の画像データに存在する全ての描画オブジェクトに対して完了したか否かを判断する(ステップS42)。
そして、レンダリングエンジン201は、まだ完了していない場合には(ステップS42:No)、光沢制御版の画像データの中でまだ未処理の次の描画オブジェクトを選択し(ステップS44)、ステップS41の処理を繰り返す。
一方、ステップS42において、光沢制御版の画像データ中の全ての描画オブジェクトに対してステップS41の処理を完了している場合には(ステップS42:Yes)、変換された光沢制御版の画像データを出力する(ステップS43)。以上の処理により、光沢制御版の画像データは、画素ごとに表面効果が設定されたデータに変換されることになる。
図18に戻り、8ビット光沢制御版の画像データが出力されたら、DFE20のカラープロセッシング203は、CMYKの色版の各8ビットの画像データに対してキャリブレーションにより生成された1D_LUTのガンマカーブでガンマ補正を行い、ハーフトーンエンジン205はガンマ補正後の画像データに対して、プリンタ機40に出力するためのCMYK各2ビットの画像データのデータ形式に変換するハーフトーン処理を行い、ハーフトーン処理後のCMYKの各2ビットの画像データを得る(ステップS3)。
また、DFE20のクリアプロセッシング206は、8ビットの光沢制御版の画像データを用いて、表面効果選択テーブルを参照して、8ビットの光沢制御版の画像データに対して上述の置換処理を行う(ステップS4)。これにより、8ビットの置換後の光沢制御版データが得られる。次に、クリアプロセッシング206は、表面効果選択テーブルを参照して、8ビットの置換後の光沢制御版データの各画素の濃度値に対応する表面効果を判断し、当該判断に応じて、2ビットのクリアトナー版の画像データを生成する(ステップS5)。
次に、DFE20のSi3部207は、ステップS3で得たハーフトーン処理後のCMYKの各2ビットの画像データと、ステップS5で生成した2ビットのクリアトナー版の画像データとを統合し、統合した画像データをMIC30に対して出力する(ステップS6)。
尚、ステップS5で、クリアプロセッシング206は、クリアトナー版の画像データを生成していない場合には、ステップS6では、ステップS3で得たハーフトーン処理後のCMYKの各2ビットの画像データのみがMIC30に出力される。
以上に説明したように、本実施形態では、置換部310は、表面効果選択テーブルを参照して、8ビットの光沢制御版の画像データのうち、鏡面光沢に対応する濃度値が設定された第1領域を囲む所定の領域である第2領域内の画素の濃度値を、網点マットタイプ1に対応する濃度値に置換する置換処理を行う。そして、上記置換処理が行われた光沢制御版の画像データに基づいてクリアトナー版の画像データが生成され、クリアトナー版の画像データと有色版データとが統合された画像データの印刷が行われる。
例えば図20に示される画像のうち、斜線が付された円状の領域70に鏡面光沢が与えられる場合を想定する。この場合、上記置換処理が行われることにより、図21に示すように、円状の領域70を囲む環状の領域80にマット効果(光沢度を抑制する表面効果)が与えられる。
図22は、図20の画像のうち、円状の領域70を含む部分領域と、当該部分領域を横切る任意の直線上におけるトナー量とを模式的に示す図である。図22は、クリアトナーによる効果を一切施さない状態を示す図であり、有色トナーが載せられた記録媒体の上面は起伏(凹凸)を有する面となる。これに対して、鏡面光沢が与えられる領域70に、図4に示すようなインバースマスクを施すことで、図23に示すように、記録媒体のうち円状の領域70が形成される面上のトナー総付着量が一定となる。これにより、光沢効果が表れる。さらに、上記置換処理が行われることにより、図24に示すように、円状の領域70を囲む領域80にはマットが施されて表面の凹凸が生じるので、当該領域80の表面の光沢が抑えられる。
前述したように、本実施形態の構成においては、鏡面効果を実現することができないため、表面効果として鏡面効果が指定された第1領域に対して、表面効果選択テーブルに示されるインバースマスクが用いられてクリアトナーが付着されても、結果的に得られる表面効果はベタ光沢となるが、第1領域を囲む第2領域にマットが適用されて第2領域の光沢が抑えられることにより、ユーザによって視認される第1領域の光沢感を相対的に高めることができる。つまり、本実施形態によれば、光沢感を向上させるための特殊な装置を用いることなく、クリアトナーによる光沢感を向上させることができるという有利な効果を奏する。
なお、本実施形態では、置換部310は、光沢制御版の画像データのうち、鏡面光沢に対応する濃度値が設定された第1領域を囲む所定の領域である第2領域内の画素の濃度値を、網点マットタイプ1に対応する濃度値に置換しているが、これに限らず、例えば置換部310は、光沢制御版の画像データのうち、ベタ光沢に対応する濃度値に設定された領域(第1領域に対応)の周辺を囲む領域(第2領域に対応)内の画素の濃度値を、網点マットタイプ1とは別のタイプの網点マットに対応する濃度値に置換することもできる。要するに、置換部310は、光沢制御版データのうち、第1閾値以上の光沢度を実現する第1表面効果に対応する濃度値に設定された第1領域の外側の第2領域の濃度値を、第1閾値よりも小さい第2閾値以下の光沢度を実現する第2表面効果に対応する濃度値に置換する機能を有するものであればよい。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態を説明する。第2実施形態では、置換部310は、光沢制御版データのうち、上述の第2領域の外側の領域である第3領域の濃度値を、網点マットタイプ1よりもマット効果が弱いタイプの表面効果(請求項の「第3表面効果」)に対応する濃度値に置換する機能を有する点で上述の第1実施形態と相違する。つまり、第2実施形態では、置換部310は、上述の第1領域から離れるに従って、第1領域の周辺領域に設定されるマット効果(光沢度を抑制する表面効果、具体的には上述の第1閾値よりも小さい値に光沢度を抑制する表面効果)が段階的に弱まるように、光沢制御版データの置換を行う機能を有する。以下、具体的な内容を説明する。なお、上述の第1実施形態と共通する部分については、同一の符号を付して適宜に説明を省略する。
置換部310は、上述の図17に示す置換処理を行った後、置換後の光沢制御版データのうち、第2領域を囲む所定の領域である第3領域内の画素の濃度値を、網点マットタイプ2に対応する濃度値に置換する。以下、図25を参照しながら、図17に示す置換処理の後に置換部310が行う置換処理の具体的な内容を説明する。
図25は、置換部310により行われる置換処理の一例を示すフローチャートである。図25に示すように、まず、置換部310は、置換後の光沢制御版データの分割単位であるセルのうち、後述のステップS21以降の処理が行われていないセルのうちの何れか1つのセルを注目セルとして指定する(ステップS20)。
次に、置換部310は、注目セルの中に、元の光沢制御版データと異なる濃度値に設定(置換)された画素が存在するか否かを判定する(ステップS21)。元の光沢制御版データと異なる濃度値に設定された画素が存在すると判断した場合(ステップS21の結果:YESの場合)、置換部310は、注目セル、および、注目セルを囲む8つのセルの各々に含まれる画素のうち、何も表面効果が指定されていない画素の濃度値を、網点マットタイプ2に対応する濃度値に置き換える(ステップS22)。そして、処理はステップS23に移行する。一方、前述のステップS21において、元の光沢制御版データと異なる濃度値に置換された画素が存在しないと判断した場合(ステップS21の結果:NOの場合)、処理はステップS23に移行する。
ステップS23において、置換部310は、全てのセルについて処理が終了したか否かを判断する。全てのセルについて処理が終了したと判断された場合(ステップS23の結果:YESの場合)、置換処理は終了する。一方、処理が行われていないセルが存在すると判断された場合(ステップS23の結果:NOの場合)、再び上述のステップS20に戻り、上述した処理が繰り返される。図26は、図25に示す置換処理が行われた後の光沢制御版データの一部を模式的に示す図である。図26の例では、鏡面光沢が指定された領域は斜線部で表され、網点マットが指定された領域はドットの集合で表されている。図26の例では、網点マットタイプ1が指定された領域を示すドットの密度は、網点マットタイプ2が指定された領域を示すドットの密度よりも高い。
以上に説明したように、本実施形態では、置換部310は、第1実施形態で説明した置換処理を行った後、置換後の光沢制御版データのうち、網点マットタイプ1に対応する濃度値が設定された第2領域を囲む所定の領域である第3領域内の画素の濃度値を、網点マットタイプ2に対応する濃度値に置換する。そして、当該置換が行われた光沢制御版の画像データに基づいてクリアトナー版の画像データが生成され、クリアトナー版の画像データと有色版データとが統合された画像データの印刷が行われる。
例えば図20に示される画像のうち、斜線が付された円状の領域70に鏡面光沢が与えられる場合を想定する。この場合、以上に説明した置換処理が行われることにより、図27に示すように、円状の領域70を囲む環状の領域80(第2領域に対応)に「網点マットタイプ1」のマット効果が与えられ、領域80を囲む環状の領域90(第3領域に対応)に、「網点マットタイプ1」よりもマット効果が弱い「網点マットタイプ2」のマット効果が与えられる。
図28は、図27の画像のうち、上述の領域70、領域80および領域90を横切る任意の直線上におけるトナー量を模式的に示す図である。図28に示すように、記録媒体のうち円状の領域70が形成される面上のトナー総付着量は一定となるので、光沢効果が表れる。また、円状の領域70の外側の領域にはマットが施されて表面の凹凸が生じるので、領域70の外側の領域の表面の光沢が抑えられる。なお、表面の凹凸が密であるほど(つまり、網点が密であるほど)、乱反射が発生することで表面の光沢が抑制される。図28の例では、記録媒体のうち、円状の領域70が形成される領域の外側における表面の凹凸の密度は、円状の領域70が形成される領域から離れるに従って、疎になる。つまり、鏡面光沢が与えられる領域から離れるに従い、その領域の周辺に付与されるマット効果が段階的に弱まるので、マット効果が付与された領域の外縁と、何ら表面効果が付与されていない領域との境界を目立たなくすることができるという有利な効果を奏する。
なお、本実施形態では、置換部310は、置換後の光沢制御版データのうち、第2領域の外側の領域である第3領域内の画素の濃度値を、網点マットタイプ2に対応する濃度値に置換しているが、これに限らず、第3領域の置換に用いる表面効果の種類は任意である。例えば置換部310は、第3領域内の画素の濃度値を、網点マットタイプ2よりもマット効果が弱い網点マットタイプ3に対応する濃度値に置換することもできる。要するに、置換部310は、光沢制御版データのうち、第2領域の外側の第3領域内の画素の濃度値を、第2領域に設定された表面効果よりもマット効果が弱い表面効果に対応する濃度値に置換する機能を有していればよい。
また、置換部310は、図25に示す置換処理の後の光沢制御版データのうち、上述の第3領域の外側の領域内の画素の濃度値を、第3領域に対して設定された表面効果よりもマット効果が弱い表面効果に対応する濃度値に置換することもできる。要するに、置換部310は、上述の第1領域から離れるに従って、当該第1領域の周辺に設定されるマット効果が段階的に弱まるように、光沢制御版データの置換を行うことができる。
また、上述の第1領域の周辺の領域であって、所定のマット効果に対応する濃度値に置換される領域(例えば上述の第2領域および第3領域)のサイズは任意に設定可能である。例えば分割単位であるセルに含まれる画素の数を可変に設定することで、上述の第2領域および第3領域のサイズを可変に設定することもできる。また、例えば置換処理に用いるマット効果を変えずに、予め定められた回数(「繰り返し回数」と呼ぶ)だけ置換処理を繰り返すことで、光沢制御版データのうち当該マット効果に対応する濃度値に置換される領域(例えば第2領域や第3領域等)のサイズを可変に設定することもできる。
さらに、置換部310は、ユーザによる入力に応じて、第1領域の周辺に設定される表面効果の種類、セルのサイズ、繰り返し回数などを可変に設定することもできる。つまり、置換部310は、ユーザによる入力に応じて、置換に用いる表面効果の種類(第1領域の周辺に設定するマット効果の種類)と、光沢制御版データのうち当該表面効果に対応する濃度値に置換される領域のサイズ(見方を変えれば、セルのサイズ、または、繰り返し回数)とを決定することができる。そして、置換部310は、決定した内容に従って、上述の置換処理を実行することができる。なお、ユーザによる入力方法は任意であり、例えば不図示のUI(ユーザインタフェース)を介した入力を行う構成であってもよい。
例えば上述の第1領域の周辺に設定される表面効果の種類が「網点マットタイプ1」であり、繰り返し回数が「2」に設定された場合を想定する。この場合、置換部310は、図17に示す置換処理を行った後、置換に用いる表面効果の種類を変えずに(「網点マットタイプ1」のまま)、図25に示す置換処理を行う。より具体的には、置換部310は、セルごとに、当該セル(注目セル)の中に、元の光沢制御版データと異なる濃度値に置換された画素が存在するか否かを判断する。注目セルの中に、元の光沢制御版データと異なる濃度値に置換された画素が存在すると判断した場合、置換部310は、注目セル、および、注目セルを囲む8つのセルの各々に含まれる画素のうち、何も表面効果が指定されていない画素の濃度値を、網点マットタイプ1に対応する濃度値に置き換える。以上の置換処理が行われた結果、図29に示すように、光沢制御版データのうち、網点マットタイプ1に対応する濃度値に置換される領域(第2領域)のサイズは、繰り返し回数が1回の場合(図26参照)に比べて大きくなることが分かる。
(第3実施形態)
上述の各実施形態では、ホスト装置10で印刷データを生成し、DFE20にクリアプロセッシング206を設けてDFE20で、クリアトナー版データの生成処理を行うように構成したが、これに限定されるものではない。
すなわち、一の装置で行っていた複数の処理のいずれかを、一の装置とネットワークを介して接続する1以上の他の装置で行う構成にしてもよい。
その一例として、第3実施形態の印刷制御システムでは、DEFの機能の一部を、ネットワーク上のサーバ装置上に実装している。
図30は、本実施形態の印刷制御システムの構成を例示する図である。図30に示すように、本実施形態の印刷制御システムは、ホスト装置49と、DFE3050と、MIC30と、プリンタ機40と、を備えている。
本実施の形態では、DFE3050がインターネット等のネットワークを介して、サーバ装置3060と接続された構成となっている。また、本実施形態では、第1実施形態のDFE20のクリアプロセッシング206の機能を、サーバ装置3060に設けた構成となっている。
ここで、ホスト装置49、DFE3050、MIC30、及びプリンタ機40の接続構成は、第1実施形態と同様である。
すなわち、具体的には、第3実施形態では、DFE3050がインターネット等のネットワーク(クラウド)を介して、単一のサーバ装置3060に接続し、サーバ装置3060は、第1実施形態のDFE20のクリアプロセッシング206の機能を設け、サーバ装置3060で、クリアトナー版データの生成処理を行うように構成している。
まず、サーバ装置3060について説明する。図31は、第3実施形態にかかるサーバ装置3060の機能的構成を示すブロック図である。サーバ装置3060は、記憶部3070と、クリアトナー版生成部304と、を主に備えている。
記憶部3070は、HDDやメモリ等の記憶媒体であり、前述の光沢制御版記憶部301、表面効果選択テーブル記憶部302などが含まれている。通信部3065は、DFE3050との間で各種データや要求の送受信を行う。より具体的には、通信部3065は、DFE3050から、光沢制御版データ等を受信する。なお、光沢制御版データは、上記実施形態と同様である。また、通信部3065は、生成したクリアトナー版データをDFE3050へ送信する。
次に、DFE3050について説明する。図32は、第3実施形態のDFE3050の機能的構成を示すブロック図である。DFE3050は、レンダリングエンジン201と、si1部3052と、カラープロセッシング203と、si2部3054と、ハーフトーンエンジン205と、si3部3057と、を主に備えている。ここで、レンダリングエンジン201、カラープロセッシング203、ハーフトーンエンジン205、の機能は第1実施形態のDFE20と同様である。
si1部3052は、CMYKの各8ビットの有色版データをカラープロセッシング203に出力し、8ビットの光沢制御版データを、図示を省略するインターフェースを介してサーバ装置3060へ出力する。
si2部3054は、カラープロセッシング203でガンマ補正されたCMYKの各8ビットの有色版データを、インバースマスクを生成するためのデータとしてサーバ装置3060へ出力する。また、si2部3054は、ガンマ補正後のCMYKの各8ビットの有色版データをハーフトーンエンジン205に出力する。
また、si3部3057は、ハーフトーン処理後のCMYKの各2ビットの有色版データと、図示を省略するインターフェースを介してサーバ装置3060から受信した2ビットのクリアトナー版データとを統合し、統合した画像データをMIC30に出力する。
次に、本実施の形態に係る画像形成システムが行う光沢制御処理の手順について図33を用いて説明する。
DFE20がホスト装置49から印刷データを受信すると(ステップS3601)、レンダリングエンジン201は、これを言語解釈して、ベクタ形式で表現される光沢制御版の画像データをラスタ形式に変換すると共に、RGB形式で表現された色空間をCMYK形式の色空間に変換して、CMYKの色版の各8ビットの有色版データ及び8ビットの光沢制御版データを得る(ステップS3602)。
次に、8ビットの光沢制御版データが出力されたら、DFE3050のカラープロセッシング203は、CMYKの有色版の各8ビットの画像データに対してキャリブレーションにより生成された1D_LUTのガンマカーブでガンマ補正を行い、ハーフトーンエンジン205はガンマ補正後の画像データに対して、プリンタ機40に出力するためのCMYK各2ビットの画像データのデータ形式に変換するハーフトーン処理を行い、ハーフトーン処理後のCMYKの各2ビットの画像データを得る(ステップS3603)。
そして、si2部3054は、8ビットの光沢制御版データ、および、ガンマ補正後のCMYKの各8ビットの有色版データとともに、クリアトナー版データの生成要求を、サーバ装置3060に送信する(ステップS3604)。
ここで、サーバ装置3060によるクリアトナー版の生成処理について説明する。図34は、サーバ装置3060によるクリアトナー版の生成処理の手順を示すフローチャートである。
サーバ装置3060では、通信部3065が、DFE3050から8ビットの光沢制御版の画像データ、および、CMYKの有色版の各8ビットの画像データと、クリアトナー版の生成要求とを受信する(ステップS3701)。
そして、クリアトナー版生成部304は、8ビットの光沢制御版の画像データを用いて、表面効果選択テーブルを参照して、8ビットの光沢制御版の画像データに対して上述の置換処理を行う(ステップS3702)。この置換処理は、上述の第1実施形態または第2実施形態の置換処理と同様である。これにより、8ビットの置換後の光沢制御版データが得られる。次に、クリアトナー版生成部304は、表面効果選択テーブルを参照して、8ビットの置換後の光沢制御版データの各画素の濃度値に対応する表面効果を判断し、当該判断に応じて、2ビットのクリアトナー版の画像データを生成する(ステップS3703)。クリアトナー版の画像データの生成処理は、上述の第1実施形態と同様である。
通信部3065は、クリアプロセッシング206で生成された2ビットのクリアトナー版の画像データを、DFE3050に送信する(ステップS3704)。
図33に戻り、DFE3050は、クリアトナー版の生成要求をサーバ装置3060に送信した後、si3部3057がサーバ装置3060から、2ビットのクリアトナー版の画像データを受信する(ステップS3605)。
そして、Si3部3057は、ステップS3603で得たハーフトーン処理後のCMYKの各2ビットの画像データと、ステップS3605で受信した2ビットのクリアトナー版の画像データとを統合し、統合した画像データをMIC30に対して出力する(ステップS3606)。
尚、サーバ装置3060でクリアトナー版の画像データを生成していない場合には、ステップS3606では、ステップS3603で得たハーフトーン処理後のCMYKの各2ビットの画像データのみが統合されてMIC60に出力される。
このように本実施形態では、クリアプロセッシングの機能を、サーバ装置3060に設けた構成とし、クリアトナー版データの生成を、クラウド上のサーバ装置3060で行っている。このため、複数のDFE3050が存在する場合でも、クリアトナー版データの生成を一括して行うことができ、管理者の便宜となる。
なお、本実施の形態では、クラウド上の単一のサーバ装置3060に、クリアプロセッシングの機能を設け、サーバ装置3060で、クリアトナー版データの生成を行うように構成したが、これに限定されるものではない。
例えば、クラウド上に2以上のサーバ装置を設け、上記処理を、2以上のサーバ装置で分散させて実行するように構成してもよい。図35は、クラウド上に2つのサーバ(第1サーバ装置3860と第2サーバ装置3861)を設けたネットワーク構成図である。図35の例では、第1サーバ装置3860と第2サーバ装置3861とで、クリアトナー版データの生成処理やカウント処理を分散して行うように構成する。
なお、各処理の各サーバ装置への分散の形態はこれに限定されるものではなく、任意に行うことができる。
また、ホスト装置49で行う印刷データ生成処理や、DFE3050で行うその他の処理の一部または全部をクラウド上の一つのサーバ装置に集中して設けたり、複数のサーバ装置に分散させて設けたりすることは任意に行うことができる。
言い換えると、上述の例のように、一の装置で行っていた複数の処理のいずれかを、一の装置とネットワークを介して接続する1以上の他の装置で行う構成にすることができる。
また、上記の「一の装置とネットワークを介して接続する1以上の他の装置で行う構成」の場合、一の装置で行われた処理で発生したデータ(情報)を一の装置から他の装置に出力する処理、そのデータを他の装置が入力する処理等、一の装置と他の装置間、さらには、他の装置間同士で行われるデータの入出力処理を含むような構成となる。
つまり、他の装置が1つの場合では、一の装置と他の装置間で行われるデータの入出力処理を含むような構成となり、他の装置が2以上の場合では、一の装置と他の装置間、及び、第一の他の装置・第二の他の装置間のように他の装置間同士でデータの入出力処理を含むような構成となる。
また、第3実施形態では、サーバ装置3060、あるいは第1サーバ装置3860および第2サーバ装置3861などの複数のサーバ装置を、クラウド上に設けているが、これに限定されるものではない。例えば、サーバ装置3060、あるいは第1サーバ装置3860および第2サーバ装置3861などの複数のサーバ装置を、イントラネット上に設ける等、あらゆるネットワーク上に設けた構成としてもよい。
なお、本発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、前記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。また、以下に例示するような種々の変形が可能である。
図36は、本実施形態のDFE20、3050や、サーバ装置3060、第1サーバ装置3860、第2サーバ装置3861のハードウェア構成例を示すブロック図である。本実施形態のDFE20、3050や、サーバ装置3060、第1サーバ装置3860、第2サーバ装置3861は、CPUなどの制御装置1010と、ROM(Read Only Memory)やRAMなどの主記憶装置1020と、HDD、CDドライブ装置などの補助記憶装置1030と、ディスプレイ装置などの表示装置1040と、キーボードやマウスなどの入力装置1050と、を備えており、通常のコンピュータを利用したハードウェア構成となっている。
本実施形態のDFE20、3050や、サーバ装置3060、第1サーバ装置3860、第2サーバ装置3861で実行されるプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されて提供される。
また、本実施形態のDFE20、3050や、サーバ装置3060、第1サーバ装置3860、第2サーバ装置3861で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成してもよい。また、本実施形態のDFE20、3050や、サーバ装置3060、第1サーバ装置3860、第2サーバ装置3861で実行されるプログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。また、本実施形態のDFE20、3050や、サーバ装置3060、第1サーバ装置3860、第2サーバ装置3861で実行される制御プログラムを、ROM等に予め組み込んで提供するように構成してもよい。
本実施形態のDFE20、3050や、サーバ装置3060、第1サーバ装置3860、第2サーバ装置3861で実行されるプログラムは、上述した各部を含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしてはCPU(プロセッサ)が上記記憶媒体から制御プログラムを読み出して実行することにより上記各部が主記憶装置上にロードされ、上記各部が主記憶装置上に生成されるようになっている。
上述した各実施形態の印刷制御システムにおいては、後処理機が設けられない構成であるが、これに限らず、例えばグロッサーなどの後処理機が設けられる構成であってもよい。また、上述した各実施形態の印刷制御システムにおいては、CMYKの複数の色のトナーを用いて画像を形成するようにしたが、1色のトナーを用いて画像を形成するようにしても良い。
なお、上述した各実施形態の印刷制御システムは、MIC30を備えた構成としているが、これに限定されるものではない。上述したMIC30が行う処理、機能をDFE20等の他の装置にもたせて、MIC30を設けない構成としてもよい。