以下に添付図面を参照して、実施形態に係る画像形成装置、画像形成システム及び画像形成方法を詳細に説明する。
(第1の実施形態)
まず、第1の実施形態に係る画像形成システムの構成例について図1を用いて説明する。第1の実施形態においては、画像形成システムは、プリンタ制御装置(DFE:Digital Front End)50(以下、「DFE50」という。)と、インタフェースコントローラ(MIC:Mechanism I/F Controller)60(以下、「MIC60」という。)と、プリンタ機70と、後処理機としてグロッサ80及び低温定着機90とが接続されて構成される。DFE50は、MIC60を介してプリンタ機70と通信を行い、プリンタ機70での画像の形成を制御する。また、DFE50には、PC(Personal Computer)等のホスト装置10が接続され、DFE50は、ホスト装置10から画像データを受信し、当該画像データを用いて、プリンタ機70がCMYKの各トナー及びクリアトナーに応じたトナー像を形成するための画像データを生成してこれをMIC60を介してプリンタ機70に送信する。プリンタ機70には、CMYKの各トナーとクリアトナーとが少なくとも搭載されており、各トナーに対して感光体、帯電器、現像器及び感光体クリーナを含む作像ユニット、露光器及び定着機が各々搭載されている。
ここで、クリアトナーとは、色材を含まない透明な(無色の)トナーである。尚、透明(無色)とは、例えば、透過率が70%以上であることを示す。
プリンタ機70は、MIC60を介してDFE50から送信された画像データに応じて、露光器から光ビームを照射して各トナーに応じたトナー像を感光体上に形成する。そして、形成したトナー像を転写紙などの記録材に転写し、これを定着機によって所定の範囲内の温度(通常温度)での加熱及び加圧により定着させる。これによって記録材に画像が形成される。このようなプリンタ機70の構成については周知であるため、ここでその詳細な説明を省略する。
グロッサ80は、DFE50から指定されるオンオフ情報によりオン又はオフが制御され、オンにされた場合に、プリンタ機70により記録材に形成された画像を高温及び高圧で加圧し、その後、冷却して本体から画像が形成された記録材を剥離する。これにより記録材に形成された画像全体において所定以上のトナーが付着した各画素のトナーの総付着量は均一に圧縮される。低温定着機90には、クリアトナー用の感光体、帯電器、現像器および感光体クリーナを含む作像ユニット、露光器及び当該クリアトナーを定着させるための定着機が搭載されており、低温定着機90を用いるためにDFE50が生成した後述のクリアトナー版の画像データが入力される。低温定着機90は、当該低温定着機90が用いるためのクリアトナー版の画像データ(クリアトナー版データ)をDFE50が生成した場合にはこれを用いてクリアトナーによるトナー像を形成して、グロッサ80が加圧した記録材上に当該トナー像を重ねて、定着機によって通常よりも低い加熱または加圧で記録材に定着させる。
ここで、ホスト装置10から入力される画像データ(原稿データ)について説明する。ホスト装置10では、予めインストールされた画像処理アプリケーションにより画像データが生成されて、DFE50に送信される。このような画像処理アプリケーションでは、RGB版やCMYK版などの各色版における各色の濃度の値(濃度値という)を画素毎に規定した画像データに対して、特色版の画像データを取り扱うことが可能である。特色版とは、CMYKやRGBなどの基本的なカラーの他に、白、金、銀といった特殊なトナーやインクを付着させるための画像データであり、このような特殊なトナーやインクを搭載したプリンタ向けのデータである。特色版は色再現性を向上させるためにCMYKの基本カラーにRを追加することや、RGBの基本カラーにYを追加することもある。通常、クリアトナーも特色の1つとして取り扱われていた。
第1の実施形態では、この特色としてのクリアトナーを、記録材に付与する視覚的または触覚的な効果である表面効果を形成するため、および、記録材にウォーターマークやテクスチャ等の透明画像を形成するために用いる。
このため、ホスト装置10の画像処理アプリケーションは、入力された画像データに応じて、有色版の画像データの他、特色版の画像データとして、ユーザの指定により、光沢制御版の画像データおよび/またはクリア版の画像データを生成する。
ここで、有色版の画像データとは、画素毎にRGBやCMYK等の有色の濃度値を規定した画像データである。この有色版の画像データでは、ユーザによる色の指定により、1画素を8ビットで表現される。
また、光沢制御版の画像データとは、記録材に付与する視覚的または触覚的な効果である表面効果に応じたクリアトナーを付着させる制御を行うため、当該表面効果の与えられる領域および当該表面効果の種類を特定した画像データである。
尚、光沢制御版の画像データは、1つ又は複数のクリアトナー版の画像データを生成する基となる画像とする。ここで、クリアトナー版とは、クリアトナーを定着させる回数が同じである画像領域毎に生成されるクリアトナーを付着させるための画像データとする(図9等参照)。
また、クリア版の画像データとは、ウォーターマークやテクスチャ等の透明画像を特定した画像データである。また、クリアトナーを用いて記録材に定着される画像の総称(即ち光沢制御版及びクリア版により形成される画像)をクリア画像とする。
光沢制御版は、RGBやCMYK等の有色版と同様に画素毎に8ビットで「0」〜「255」の範囲の濃度値で表され、この濃度値に、表面効果の種類が対応付けられる(濃度値は16ビットや32ビット、または0〜100%で表してもよい)。光沢制御版は、表面効果の種類と、表面効果を与える領域とを表す。
ここで、ホスト装置10は、ユーザが画像処理アプリケーションにより指定した描画オブジェクトに対する表面効果の種類を、描画オブジェクトごとに光沢制御値としての濃度値として設定してベクタ形式の光沢制御版の画像データを生成する。
この光沢制御版の画像データを構成する各画素は、色版の画像データの画素に対応する。尚、各画像データにおいては各画素の表す濃度値が画素値となる。
クリア画像の種類としては、大別して、光沢の有無に関するものや、表面保護や、情報を埋め込んだ透かし(ウォーターマーク)や、テクスチャなどがある。光沢の有無に関する表面効果については、図2に例示されるように、大別して4種類あり、光沢の度合い(光沢度)の高い順に、鏡面光沢(PG:Premium Gloss)、ベタ光沢(G:Gloss)、網点マット(M:Matt)及びつや消し(PM:Premium Matt)等の各種類がある。これ以降、鏡面光沢を「PG」、ベタ光沢を「G」、網点マットを「M」、つや消しを「PM」と示す場合がある。
鏡面光沢やベタ光沢は、光沢を与える度合いが高く、逆に、網点マットやつや消しは、光沢を抑えるためのものであり、特に、つや消しは、通常の記録材が有する光沢度より低い光沢度を実現するものである。同図中において、鏡面光沢はその光沢度Gsが80以上、ベタ光沢は一次色あるいは二次色のなすベタ光沢度、網点マットは一次色、かつ網点30%の光沢度、つや消しは光沢度10以下を表している。また、光沢度の偏差をΔGsで表し、10以下とした。このような表面効果の各種類に対して、光沢を与える度合いが高い表面効果に高い濃度値が対応付けられ、光沢を抑える表面効果に低い濃度値が対応付けられる。その中間の濃度値には、透かしやテクスチャなどの表面効果が対応付けられる。透かしとしては、例えば、文字や地紋などが用いられる。テクスチャは、文字や模様を表すものであり、視覚的効果の他、触覚的効果を与えることが可能である。例えば、ステンドグラスのパターンをクリアトナーによって実現することができる。表面保護は、鏡面光沢やベタ光沢で代用される。尚、処理対象の画像データによって表される画像のどの領域に表面効果を与えるのかや、その領域にどの種類の表面効果を与えるのかについては、画像処理アプリケーションを介してユーザにより指定される。画像処理アプリケーションを実行するホスト装置10では、ユーザにより指定された領域を構成する描画オブジェクトについて、ユーザが指定した表面効果に対応する濃度値がセットされることにより、光沢制御版の画像データが生成される。濃度値と表面効果の種類との対応関係については後述する。
次に、DFE50の機能的構成について説明する。DFE50は、図3に例示されるように、レンダリングエンジン51と、si1部52と、TRC(Tone Reproduction Curve)53と、si2部54と、ハーフトーンエンジン55と、クリアプロセッシング56と、si3部57と、表面効果選択テーブル(不図示)とを有する。レンダリングエンジン51と、si1部52と、TRC(Tone Reproduction Curve)53と、si2部54と、ハーフトーンエンジン55と、クリアプロセッシング56と、si3部57とは、DFE50の制御部が主記憶部や補助記憶部に記憶されている各種プログラムを実行することにより実現されるものである。si1部52、si2部54及びsi3部57はいずれも、画像データを分離する(separate)機能と、画像データを統合する(integrate)機能とを有するものである。表面効果選択テーブルは例えば補助記憶部に記憶されるものである。
レンダリングエンジン51には、ホスト装置10から送信された画像データが入力される。レンダリングエンジン51は、入力された画像データを言語解釈して、ベクタ形式で表現される画像データをラスタ形式に変換すると共に、RGB形式等で表現された色空間をCMYK形式の色空間に変換して、CMYKの色版の各8ビットの画像データ及び8ビットの光沢制御版を出力する。si1部52は、CMYKの各8ビットの画像データをTRC53に出力し、例えば8ビットの光沢制御版をクリアプロセッシング56に出力する。ここで、DFE50は、ホスト装置10から出力されたベクタ形式の光沢制御版の画像データをラスタ形式に変換し、この結果、DFE50は、ユーザが画像処理アプリケーションにより指定した描画オブジェクトに対する表面効果の種類を、画素を単位として濃度値として設定して光沢制御版の画像データを出力する。
TRC53には、si1部52を介してCMYKの各8ビットの画像データが入力される。TRC53には、入力された画像データに対してキャリブレーションにより生成された1D_LUTのガンマカーブでガンマ補正を行う。画像処理としては、ガンマ補正の他にトナーの総量規制等があるが、この実施形態の例では省略している。si2部54は、TRC53でガンマ補正されたCMYKの各8ビットの画像データを、インバースマスク(後述する)を生成するためのデータとしてクリアプロセッシング56へ出力する。ハーフトーンエンジン55には、si2部54を介してガンマ補正後のCMYKの各8ビットの画像データが入力される。ハーフトーンエンジン55は、入力された画像データをプリンタ機70に出力するための、例えばCMYKの各2ビット等の画像データのデータ形式に変換するハーフトーン処理を行い、ハーフトーン処理後のCMYK各2ビット等の画像データを出力する。尚、2ビットは一例であり、これに限定されるものではない。
クリアプロセッシング56には、レンダリングエンジン51が変換した8ビットの光沢制御版がsi1部52を介して入力されると共に、TRC53がガンマ補正を行ったCMYKの各8ビットの画像データがsi2部54を介して入力される。クリアプロセッシング56は、入力された光沢制御版を用いて、後述の表面効果選択テーブルを参照して、光沢制御版を構成する各画素の表す濃度値(画素値)に対する表面効果を判断して、当該判断に応じて、グロッサ80のオン又はオフを決定すると共に、入力されたCMYKの各8ビットの画像データを用いてインバースマスクやベタマスクを適宜生成することにより、クリアトナーを付着させるための2ビットのクリアトナー版の画像データを適宜生成する。そして、表面効果の判断の結果に応じて、クリアプロセッシング56は、プリンタ機70で用いるクリアトナー版の画像データと、低温定着機90で用いるクリアトナー版の画像データとを適宜生成してこれらを出力すると共に、グロッサ80のオン又はオフを示すオンオフ情報を出力する。
ここで、インバースマスクとは、表面効果を与える対象の領域を構成する各画素上のCMYKのトナー及びクリアトナーを合わせた総付着量が均一になるようにするためのものである。具体的には、CMYK版の画像データにおいて当該対象の領域を構成する画素の表す濃度値を全て加算し、その加算値を所定値から差し引いた画像データがインバースマスクとなる。例えば、上述のインバースマスク1は以下の式1で表される。
Clr=100−(C+M+Y+K) 但し、Clr<0となる場合、Clr=0
・・・(式1)
式1において、Clr,C,M,Y,Kは、クリアトナー及びC,M,Y,Kの各トナーのそれぞれについて、各画素における濃度値から換算される濃度率を表すものである。即ち、式1によって、C,M,Y,Kの各トナーの総付着量にクリアトナーの付着量を加えた総付着量を、表面効果を与える対象の領域を構成する全ての画素について100%にする。尚、C,M,Y,Kの各トナーの総付着量が100%以上である場合には、クリアトナーは付着させずに、その濃度率は0%にする。これは、C,M,Y,Kの各トナーの総付着量が100%を超えている部分は定着処理により平滑化されるためである。このように、表面効果を与える対象の領域を構成する全ての画素上の総付着量を100%以上にすることで、当該対象の領域においてトナーの総付着量の差による表面の凸凹がなくなり、この結果、光の正反射による光沢が生じるのである。但し、インバースマスクには、式1以外により求められるものがあり、インバースマスクの種類は複数有り得る。
例えば、インバースマスクは、各画素にクリアトナーを均一に付着させるものであってもよい。この場合のインバースマスクは、ベタマスクともいい、以下の式2で表される。
Clr=100・・・(式2)
尚、表面効果を与える対象の画素の中でも、100%以外の濃度率が対応付けられるものがあるようにしても良く、ベタマスクのパターンは複数有り得る。
また、例えばインバースマスクは、各色の地肌露出率の乗算により求められるものであってもよい。この場合のインバースマスクは、例えば以下の式3で表される。
Clr=100×{(100−C)/100}×{(100−M)/100}×{(100−Y)/100}×{(100−K)/100}・・・(式3)
上記式3において、(100−C)/100は、Cの地肌露出率を示し、(100−M)/100は、Mの地肌露出率を示し、(100−Y)/100は、Yの地肌露出率を示し、(100−K)/100はKの地肌露出率を示す。
また、例えばインバースマスクは、最大面積率の網点が平滑性を律すると仮定した方法により求められるものであってもよい。この場合のインバースマスクは、例えば以下の式4で表される。
Clr=100−max(C,M,Y,K)・・・(式4)
上記式4において、max(C,M,Y,K)は、CMYKのうち最大の濃度値を示す色の濃度値が代表値となることを示す。
要するに、インバースマスクは、上記式1〜式4の何れかの式により表されるものであればよい。
表面効果選択テーブルは、表面効果を示す光沢制御値としての濃度値と当該表面効果の種類の対応関係を示すと共に、これらと、画像形成システムの構成に応じた後処理機に関する制御情報と、プリンタ機70で用いるクリアトナー版の画像データ及び後処理機で用いるクリアトナー版の画像データとの対応関係を示すテーブルである。画像形成システムの構成は、様々に異なり得るが、第1の実施形態においては、プリンタ機70に後処理機としてグロッサ80及び低温定着機90が接続される構成である。このため、画像形成システムの構成に応じた後処理機に関する制御情報とは、グロッサ80のオン又はオフを示すオンオフ情報となる。また、後処理機で用いるクリアトナー版の画像データとしては、低温定着機90で用いるクリアトナー版の画像データがある。図4は、表面効果選択テーブルのデータ構成を例示する図である。尚、表面効果選択テーブルは、異なる画像形成システムの構成毎に、後処理機に関する制御情報と、プリンタ機70で用いるクリアトナー版1の画像データ及び後処理機で用いるクリアトナー版2の画像データと、濃度値及び表面効果の種類との対応関係を示すように構成され得るが、図4では、第1の実施形態に係る画像形成システムの構成に応じたデータ構成を例示している。同図に示される表面効果の種類及び濃度値の対応関係においては、濃度値の範囲毎に表面効果の各種類が対応付けられている。また、その濃度値の範囲の代表となる値(代表値)から換算される濃度の割合(濃度率)に対して2%単位で表面効果の各種類が対応付けられている。具体的には、濃度率が84%以上となる濃度値の範囲(「212」〜「255」)に対して光沢を与える表面効果(鏡面効果及びベタ効果)が対応付けられており、濃度率が16%以下となる濃度値の範囲(「1」〜「43」)に対して光沢を抑える表面効果(網点マット及びつや消し)が対応付けられている。また、濃度率が20%〜80%となる濃度値の範囲には、テクスチャや地紋透かしなどの表面効果が対応付けられている。
より具体的には、例えば、「238」〜「255」の画素値に対しては表面効果として鏡面光沢(PM:Premium Gross)が対応付けられており、このうち、「238」〜「242」の画素値、「243」〜「247」の画素値及び「248」〜「255」の画素値の3つの範囲に対して各々異なるタイプの鏡面光沢が対応付けられている。また、「212」〜「232」の画素値に対しては、ベタ光沢(G:Gross)が対応付けられており、このうち、「212」〜「216」の画素値、「217」〜「221」の画素値、「222」〜「227」の画素値及び「228」〜「232」の画素値の4つの範囲に対して各々異なるタイプのベタ光沢が対応付けられている。また、「23」〜「43」の画素値に対しては、網点マット(M:Matt)が対応付けられており、このうち、「23」〜「28」の画素値、「29」〜「33」の画素値、「34」〜「38」の画素値及び「39」〜「43」の画素値の4つの範囲に対して各々異なるタイプの網点マットが対応付けられている。また、「1」〜「17」の画素値に対しては、つや消し(PM:Premium Matt)が対応付けられており、このうち、「1」〜「7」の画素値、「8」〜「12」の画素値及び「13」〜「17」の画素値の3つの範囲に対して各々異なるタイプのつや消しが対応付けられている。これらの同一の表面効果の異なるタイプはプリンタ機70や低温定着機90で使用するクリアトナー版の画像データを求める式に違いがあり、プリンタ本体や後処理機の動作は同じである。尚、「0」の濃度値には、表面効果を与えないことが対応付けられている。
また、図4には、画素値及び表面効果に対応して、グロッサ80のオン又はオフを示すオンオフ情報と、プリンタ機70で用いるクリアトナー版1の画像データ(図1のClr−1)及び低温定着機90で用いるクリアトナー版2の画像データの内容とが各々示されている。例えば、表面効果が鏡面光沢である場合、グロッサ80をオンにすることが示されると共に、プリンタ機70で用いるクリアトナー版1の画像データは、インバースマスクを表すものであり、低温定着機90で用いるクリアトナー版2の画像データ(図1のClr−2)は、ないことが示されている。当該インバースマスクは、例えば上述した式1により求められるものである。尚、図4に示される例は、表面効果として鏡面効果が指定された領域が、画像データによって規定される領域全体に相当する場合の例である。表面効果として鏡面効果が指定された領域が、画像データによって規定される領域の一部に相当する場合の例については後述する。
また、濃度値が「228」〜「232」であり表面効果がベタ光沢である場合、グロッサ80をオフにすることが示されていると共に、プリンタ機70で用いるクリアトナー版1の画像データは、インバースマスク1であり、低温定着機90で用いるクリアトナー版2の画像データは、ないことが示されている。尚、当該インバースマスク1は、上記式1〜式4の何れかの式により表されるものであればよい。これはグロッサ80がオフなので平滑化されるトナーの総付着量が異なるため、鏡面光沢により表面の凹凸が増え、その結果、鏡面光沢により光沢度が低いベタ光沢が得られる。また、表面効果が網点マットである場合、グロッサ80をオフにすることが示されていると共に、プリンタ機70で用いるクリアトナー版1の画像データは、ハーフトーン(網点)を表すものであり、低温定着機90で用いるクリアトナー版2の画像データは、ないことが示されている。また、表面効果がつや消しである場合、グロッサ80をオン又はオフのいずれにしても良いことが示されていると共に、プリンタ機70で用いるクリアトナー版1の画像データはなく、低温定着機90で用いるクリアトナー版2の画像データは、ベタマスクを表すものであることが示されている。当該ベタマスクは、例えば上述の式2により求められるものである。
クリアプロセッシング56は、上述した表面効果選択テーブルを参照して、光沢制御版によって示される各画素値に対応付けられている表面効果を判断すると共に、グロッサ80のオン又はオフを判断して、プリンタ機70及び低温定着機90でどのようなクリアトナー版の画像データを用いるかを判断する。尚、クリアプロセッシング56は、グロッサ80のオン又はオフの判断を1ページ毎に行う。そして、上述したように、クリアプロセッシング56は、当該判断の結果に応じて、クリアトナー版の画像データを適宜生成してこれを出力すると共に、グロッサ80に対するオンオフ情報を出力する。
si3部57は、ハーフトーン処理後のCMYKの各2ビットの画像データと、クリアプロセッシング56が生成した2ビットのクリアトナー版の画像データとを統合し、統合した画像データをMIC60に出力する。尚、クリアプロセッシング56は、プリンタ機70で用いるクリアトナー版の画像データ及び低温定着機90で用いるクリアトナー版の画像データのうち少なくとも一方を生成しない場合があるので、クリアプロセッシング56が生成した方のクリアトナー版の画像データがsi3部57で統合され、両方のクリアトナー版の画像データをクリアプロセッシング56が生成していない場合には、si3部57からはCMYKの各2ビットの画像データが統合された画像データが出力される。この結果、DFE50からは各々2ビットの4つ〜6つの画像データがMIC60へ送り出されることになる。また、si3部57は、クリアプロセッシング56が出力したグロッサ80に対するオンオフ情報もMIC60に出力する。
MIC60は、DFE50とプリンタ機70とに接続され、色版の画像データ、クリアトナー版の画像データをDFE50から受信して各画像データを対応する装置に振り分けるとともに、後処理機の制御を行う。
次に、第1の実施形態に係る画像形成システムが行う光沢制御処理の手順について図5を用いて説明する。DFE50がホスト装置10から画像データを受信すると(ステップS1)、レンダリングエンジン51は、これを言語解釈して、ベクタ形式で表現される画像データをラスタ形式に変換すると共に、RGB形式で表現された色空間をCMYK形式の色空間に変換して、CMYKの色版の各8ビットの画像データ及び8ビットの光沢制御版を得る(ステップS2)。
8ビット光沢制御版の画像データが出力されたら、DFE50のTRC53は、CMYKの色版の各8ビットの画像データに対してキャリブレーションにより生成された1D_LUTのガンマカーブでガンマ補正を行い、ハーフトーンエンジン55はガンマ補正後の画像データに対して、プリンタ機70に出力するためのCMYK各2ビットの画像データのデータ形式に変換するハーフトーン処理を行い、ハーフトーン処理後のCMYKの各2ビットの画像データを得る(ステップS3)。
また、DFE50のクリアプロセッシング56は、8ビットの光沢制御版を用いて、表面効果選択テーブルを参照して、光沢制御版によって示される各画素値に対して指定された表面効果を判断する。そして、クリアプロセッシング56は、光沢制御版を構成する全ての画素について、このような判断を行う。尚、光沢制御版においては、各表面効果を与える画像領域を構成する全ての画素について、画像領域毎に同一の範囲の濃度値を表す。このため、同一の表面効果であると判断した近傍の画素については、クリアプロセッシング56は、同一の表面効果を与える領域に含まれるものとして判断する。具体的には、クリアトナーを定着させる回数が同じである画像領域毎に同一の範囲の濃度値とする。このようにして、クリアプロセッシング56は、表面効果を与える領域と、当該領域に対して与える表面効果の種類とを判断する。そして、クリアプロセッシング56は、当該判断に応じて、グロッサ80のオン又はオフを決定する(ステップS4)。
次に、DFE50のクリアプロセッシング56は、ガンマ補正後のCMYKの各8ビットの画像データを適宜用いて、クリアトナーを付着させるための8ビットのクリアトナー版の画像データを適宜生成する(ステップS5)。そして、ハーフトーンエンジン55は、ハーフトーン処理により、8bitの画像データを用いた8ビットのクリアトナー版の画像データを2ビットのクリアトナー版の画像データに変換する(ステップS6)。
次に、DFE50のSi3部57は、ステップS3で得たハーフトーン処理後のCMYKの各2ビットの画像データと、ステップS6で生成した2ビットのクリアトナー版の画像データとを統合し、統合した画像データと、ステップS4で決定したグロッサ80のオン又はオフを示すオンオフ情報とをMIC60に対して出力する(ステップS7)。
尚、ステップS5で、クリアプロセッシング56は、クリアトナー版の画像データを生成していない場合には、ステップS7では、ステップS3で得たハーフトーン処理後のCMYKの各2ビットの画像データのみが統合されてMIC60に出力される。
ここで、表面効果の種類に応じて具体例について説明する。ここでは、光沢を与えるための鏡面光沢及びベタ光沢と、光沢を抑えるための網点マット及びつや消しとの各種類について具体的に説明する。また、ここでは、1ページ内で同一種類の表面効果が指定された場合について説明する。ステップS4では、DFE50のクリアプロセッシング56は、8ビットの光沢制御版の各画素の表す濃度値を用いて、図4に例示される表面効果選択テーブルを参照して、濃度値が「238」〜「255」である画素に対して指定された表面効果は、鏡面光沢であると判断する。この場合、更に、DFE50のクリアプロセッシング56は、表面効果として鏡面光沢が指定された領域が、画像データによって規定される領域全体に相当するか否かを判断する。当該判断結果が肯定的である場合、DFE50のクリアプロセッシング56は、ガンマ補正後のCMYKの各8ビットの画像データにおいて当該領域に対応する画像データを用いて、例えば式1によりインバースマスクを生成する。当該インバースマスクを表すものが、プリンタ機70で用いるクリアトナー版の画像データとなる。尚、当該領域に対して低温定着機90ではクリアトナー版の画像データを用いないため、DFE50は、低温定着機90で用いるクリアトナー版の画像データを生成しない。そして、ステップS7では、DFE50のsi3部57は、プリンタ機70で用いるクリアトナー版の画像データと、ステップS3で得たハーフトーン処理後のCMYKの各2ビットの画像データと統合し、統合した画像データと、グロッサ80のオンを示すオンオフ情報とをMIC60に出力する。MIC60は、DFE50から出力された画像データであるCMYKの色版の画像データ及びプリンタ機70で用いるクリアトナー版の画像データをプリンタ機70に出力し、DFE50から出力されたオンオフ情報を用いて、グロッサ80をオンにする。プリンタ機70は、MIC60から出力されたCMYKの色版の画像データ及びクリアトナー版の画像データを用いて、露光器から光ビームを照射して各トナーに応じたトナー像を感光体上に形成してこれを記録材に転写しこれを通常温度での加熱及び加圧により定着させる。これによって記録材に、CMYKのトナーの他クリアトナーが付着されて、画像が形成される。その後、グロッサ80が当該記録材を高温及び高圧で加圧する。低温定着機90に対してはクリアトナー版の画像データは出力されていないため、低温定着機90では、クリアトナーが付着されずに、当該記録材が排紙される。この結果、画像データによって規定された領域全体でCMYKの各トナー及びクリアトナーの総付着量が均一に圧縮されているため、当該領域の表面から強い光沢が得られる。
一方、表面効果として鏡面光沢が指定された領域が、画像データによって規定される領域の一部に相当する場合は次のような事態がおこりうる。まず、鏡面光沢が指定された領域には、上述したインバースマスクを表すクリアトナー版の画像データが用いられる。しかし、それ以外の全ての画素に対してCMYKトナーの総付着値が所定以上セットされていた場合には、グロッサ80で加圧されると、結果的に、鏡面光沢が指定された領域とCMYKトナーの総付着値が所定以上セットされている領域のCMYKの各トナー及びクリアトナーの総付着量が均一になってしまう。
例えば、当該画像データによって規定される領域を構成する全ての画素に対してCMYKトナーの総付着値が所定以上セットされていた場合には、画像データによって規定される領域全体に、鏡面光沢が指定されたのと同じ結果となる。
このため、表面効果として鏡面光沢が指定された領域が、画像データによって規定される領域の一部に相当する場合、DFE50は、画像データによって規定される領域全体に対して鏡面光沢が指定されたのと同じクリアトナー版の画像データを生成し、記録材にクリアトナーが付着された後、グロッサ80で加圧する。次に、グロッサ80で加圧された記録材に対して表面効果として鏡面効果が指定された領域以外の領域に対してつや消しの表面効果を与えるべく、低温定着機90で用いるクリアトナー版の画像データを生成する。
具体的には、DFE50は、上述と同様にして式1によるインバースマスクを、プリンタ機70で用いるクリアトナー版の画像データとして生成する。更に、DFE50は、表面効果として鏡面効果が指定された領域以外の領域に対して式2によってベタマスクを、低温定着機90で用いるクリアトナー版の画像データとして生成する。そして、ステップS7では、DFE50のsi3部57は、プリンタ機70で用いるクリアトナー版の画像データ及び低温定着機90で用いるクリアトナー版の画像データと、ステップS3で得たハーフトーン処理後のCMYKの各2ビットの画像データとを統合し、統合した画像データと、グロッサ80のオンを示すオンオフ情報とをMIC60に出力する。
MIC60は、DFE50から出力された画像データのうちCMYKの色版の画像データ及びプリンタ機70で用いるクリアトナー版の画像データをプリンタ機70に出力し、DFE50から出力されたオンオフ情報を用いて、グロッサ80をオンにし、DFE50から出力された画像データのうち低温定着機90で用いるクリアトナー版の画像データを低温定着機90に出力する。プリンタ機70は、MIC60から出力されたCMYKの色版の画像データ及びクリアトナー版の画像データを用いて、記録材に、CMYKのトナー及びクリアトナーを付着させた画像を形成する。その後、グロッサ80が当該記録材を高温及び高圧で加圧する。低温定着機90は、MIC60から出力されたクリアトナー版の画像データを用いてクリアトナーによるトナー像を形成して、グロッサ80を通過した記録材上に当該トナー像を重ねて、低温での加熱及び加圧により記録材に定着させる。この結果、鏡面光沢が指定された領域では、CMYKの各トナー及びクリアトナーの総付着量が均一に圧縮されているため、当該領域の表面から強い光沢が得られる。一方、鏡面光沢が指定された領域以外では、グロッサ80での加圧後にベタマスクによるクリアトナーの付着によって表面の凹凸が生じて、当該領域の表面の光沢が抑えられる。
また、ステップS4では、DFE50のクリアプロセッシング56は、8ビットの光沢制御版の各画素の表す濃度値を用いて表面効果選択テーブルを参照して、濃度値が「212」〜「232」である画素に対して指定された表面効果は、ベタ光沢であると判断し、特に、濃度値が「228」〜「232」である画素に対しては、ベタ光沢タイプ1であると判断する。この場合、DFE50のクリアプロセッシング56は、ガンマ補正後のCMYKの各8ビットの画像データにおいて当該領域に対応する画像データを用いて、インバースマスク1を生成する。当該インバースマスク1を表すものが、プリンタ機70で用いるクリアトナー版の画像データとなる。尚、当該領域に対して低温定着機90ではクリアトナー版の画像データを用いないため、DFE50は、低温定着機90で用いるクリアトナー版の画像データを生成しない。そして、ステップS7では、DFE50のsi3部57は、プリンタ機70で用いるクリアトナー版の画像データと、ステップS3で得たハーフトーン処理後のCMYKの各2ビットの画像データとを統合し、統合した画像データと、グロッサ80のオフを示すオンオフ情報とをMIC60に出力する。MIC60は、DFE50から出力された画像データであるCMYKの色版の画像データ及びプリンタ機70で用いるクリアトナー版の画像データをプリンタ機70に出力し、DFE50から出力されたオンオフ情報を用いて、グロッサ80をオフにする。プリンタ機70は、MIC60から出力されたCMYKの色版の画像データ及びプリンタ機70で用いるクリアトナー版の画像データを用いて、記録材に、CMYKのトナー及びクリアトナーを付着させた画像を形成する。グロッサ80はオフにされているため、その後、記録材は、高温及び高圧で加圧されることはない。また、低温定着機90に対してはクリアトナー版の画像データは出力されていないため、低温定着機90では、クリアトナーが付着されずに、当該記録材が排紙される。この結果、表面効果としてベタ光沢が指定された領域には、CMYKの各トナー及びクリアトナーの総付着量が比較的均一になり、当該領域の表面からやや強い光沢が得られる。
また、ステップS4では、DFE50のクリアプロセッシング56は、8ビットの光沢制御版の各画素の表す濃度値を用いて表面効果選択テーブルを参照して、濃度値が「23」〜「43」である画素に対して指定された表面効果は、網点マットであると判断する。この場合、DFE50のクリアプロセッシング56は、ハーフトーンを表す画像データを、プリンタ機70で用いるクリアトナー版の画像データとして生成する。尚、当該領域に対して低温定着機90ではクリアトナー版の画像データを用いないため、DFE50は、低温定着機90で用いるクリアトナー版の画像データを生成しない。そして、ステップS7では、DFE50のsi3部57は、プリンタ機70で用いるクリアトナー版の画像データと、ステップS3で得たハーフトーン処理後のCMYKの各2ビットの画像データとを統合し、統合した画像データと、グロッサ80のオンを示すオンオフ情報とをMIC60に出力する。MIC60は、DFE50から出力された画像データであるCMYKの色版の画像データ及びプリンタ機70で用いるクリアトナー版の画像データをプリンタ機70に出力し、DFE50から出力されたオンオフ情報を用いて、グロッサ80をオフにする。プリンタ機70は、MIC60から出力されたCMYKの色版の画像データ及びクリアトナー版の画像データを用いて、記録材に、CMYKのトナー及びクリアトナーを付着させた画像を形成する。グロッサ80はオフにされているため、その後、記録材は、高温及び高圧で加圧されることはない。また、低温定着機90に対してはクリアトナー版の画像データは出力されていないため、低温定着機90では、クリアトナーが付着されずに、当該記録材が排紙される。この結果、表面効果として網点マットが指定された領域にはクリアトナーにより網点が付加されることにより、表面の凹凸が生じて、当該領域の表面の光沢がやや抑えられる。
また、ステップS4では、DFE50のクリアプロセッシング56は、8ビットの光沢制御版の各画素の表す濃度値を用いて表面効果選択テーブルを参照して、濃度値が「1」〜「17」である画素に対して指定された表面効果は、つや消しであると判断する。この場合、DFE50のクリアプロセッシング56は、グロッサ80のオンまたはオフは1ページ内に他の表面効果が指定されている場合(後述)はその設定に従い、オン又はオフのいずれにしても、プリンタ機70で用いるクリアトナー版の画像データを生成せず、ベタマスクを、低温定着機90で用いるクリアトナー版の画像データとして生成する。そして、ステップS7では、DFE50のsi3部57は、低温定着機90で用いるクリアトナー版の画像データと、ステップS3で得たハーフトーン処理後のCMYKの各2ビットの画像データとを統合し、統合した画像データと、グロッサ80のオン又はオフを示すオンオフ情報とをMIC60に出力する。MIC60は、DFE50から出力された画像データのうちCMYKの色版の画像データをプリンタ機70に出力し、DFE50から出力された画像データのうち低温定着機90で用いるクリアトナー版の画像データを低温定着機90に出力する。プリンタ機70は、MIC60から出力されたCMYKの色版の画像データを用いて、記録材に、CMYKのトナーを付着させた画像を形成する。グロッサ80がオンにされた場合には、記録材は、グロッサ80で高温及び高圧で加圧され、グロッサ80がオフにされた場合には、記録材は、高温及び高圧で加圧されない。低温定着機90は、MIC60から出力されたクリアトナー版の画像データを用いてクリアトナーによるトナー像を形成して、グロッサ80を通過した記録材上に当該トナー像を重ねて、低温での加熱及び加圧により記録材に定着させる。この結果、表面効果としてつや消しが指定された領域には、ベタマスクによるクリアトナーの付着によって表面の凹凸が生じて、当該領域の表面の光沢が抑えられる。
1ページ内で異なる種類の表面効果が指定された場合についても、上述した処理で同様に実現可能である。すなわち、1ページ内で複数の表面効果が指定されている場合、光沢制御版の画像データでは、図4に示す表面効果の種類に対応する各濃度値が、各種類の表面効果を付与する領域内の画素に設定されている。すなわち、光沢制御版では、表面効果の種類ごとに、当該表面効果を付与する領域を指定しているため、DFE50では、この光沢制御版の画像データにおいて、同一の濃度値が設定された画素の範囲を、同一の表面効果を付与する領域として判断すればよく、各表面効果を1ページ内で容易に実現することが可能となっている。
次に、画像形成システムが複数回の定着処理を行う場合の動作について説明する。図6は、画像形成システムが複数回の定着処理を行う(=Nパス)場合の光沢制御処理を示すフローチャートである。
ステップ600(S600)において、DFE50は、定着処理を1回のみ行う場合(=1パス)と同様の光沢制御処理を行う(図5参照)。
ステップ601(S601)において、DFE50は、各画素のCMYK総量と定着回数判定テーブル(図7参照)から、入力された画像データの中で定着回数が最大となる領域を検出する。
ステップ602(S602)において、DFE50は、定着回数の最大値Nmaxが1より大きいか否かを判定する。DFE50は、定着回数の最大値Nmaxが1以下の場合(S602:No)には、1パスで十分な結果が得られるということになり、かつその1パス目はS600の処理において既に実施済であるため、光沢制御処理を終了する。また、DFE50は、定着回数の最大値Nmaxが1より大きい場合(S602:Yes)には、Nパスでの処理が必要であるとして、S603の処理に進む。
ステップ603(S603)において、DFE50は、着目する画素の定着回数がNmax以上であるか否かを判定する。DFE50は、着目する画素の定着回数がNmax未満である場合(S603:No)には、着目する画素はそれほど高い光沢度は要求されておらず、S604の処理に進む。また、DFE50は、着目する画素の定着回数がNmax以上である場合(S603:Yes)には、S605の処理に進む。この処理は、定着回数が最も大きい領域(=高い光沢度が求められる領域)のみを先に定着させるために必要な処理である。これにより、光沢度の低い効果を狙う領域について、光沢度の高い効果を狙う領域を実現するためのNパスの影響を受けないようにすることができる(図9、図10参照)。
ステップ604(S604)において、DFE50は、クリア版の値を0とする(濃度に0を代入)。すなわち、この画素においてはクリアトナーを載せない。
ステップ605(S605)において、DFE50は、着目する画素の光沢効果がグロス(Gloss)であるか否かを判定する。DFE50は、着目する画素の光沢効果がグロスでない場合(S605:No)には、S607の処理に進む。また、DFE50は、着目する画素の光沢効果がグロスである(S605:Yes)には、S606の処理に進む。
ステップ606(S606)において、DFE50は、グロスの光沢効果に対し、1パス目とは異なり、インバースマスクではなくベタデータを生成する。この処理は、記録材上に定着されるトナーの表面を平滑化することにより光沢度を高めるためである(図8参照)。
ステップ607(S607)において、DFE50は、着目する画素の光沢効果がマット(Matt)であるか否かを判定する。DFE50は、着目する画素の光沢効果がマットでない場合(S607:No)には、S609の処理に進む。また、DFE50は、着目する画素の光沢効果がマットである(S607:Yes)には、S608の処理に進む。
ステップ608(S608)において、DFE50は、マットの光沢効果に対し、平滑性を保つために、一つ前のパスで作成したハーフトーンをわずか数画素分だけずらしたハーフトーンを生成するようにする。具体的には、DFE50は、前パス目から(x、y)画素分だけずらしたハーフトーンを生成する。ここで、x、yは、主走査方向及び副走査方向のハーフトーンの周期未満の画素数である。つまり、DFE50は、記録材に形成されたトナー像に対し、クリアトナー版を生成する毎に、主走査方向及び副走査方向それぞれにハーフトーンの周期未満のずれを生じさせたクリアトナー版を生成する。
ステップ609(S609)において、DFE50は、ベタ画像である1パス目と同じデータを生成する。S609の処理は、S605の処理及びS607の処理においていずれもNoと判定された場合の処理であり、WaterMarkやTextureを実現する場合に相当する。ここでは、単純に1パス目と同一のデータを使用するだけでも(ベタ画像であるために)平滑性を保つことができる。
尚、DFE50は、S603〜S609の処理を繰り返し、全画素に対して実施する。
ステップ610(S610)において、DFE50は、Nパス目のクリアトナー版を用いることにより、Nパス目の光沢制御処理を行う。
ステップ611(S611)において、DFE50は、Nmaxの値を1だけ減算する。
ステップ612(S612)において、DFE50は、Nmaxが1であるか否かを判定する。DFE50は、Nmaxが1でない場合(S612:No)には、次のパスで使用するクリアトナー版を作成するために、S603の処理に戻る。また、DFE50は、Nmaxが1である場合(S612:Yes)には、処理を終了する。
このように、DFE50がS600〜S612の全処理を完了することにより、画像データが示す画像領域毎に表面光沢効果を適切に与えて画像を形成することができる。
図7は、各光沢効果について十分な光沢度が得られる定着回数を予め定めた定着回数判定テーブルである。この定着回数判定テーブルは、例えばDFE50内に記憶されている。
有色トナーの上にクリアトナーを重ねる場合、基本的には有色トナーの総使用量が大きいほど光沢度も高くなるという傾向がある。そこで、定着回数判定テーブルは、CMYK総量(%)に応じて定着回数が変化するようなテーブル構成となっている。上述したように、DFE50は、Nパス実施時にはこの定着回数判定テーブルに基づいて光沢効果毎の定着処理回数を決定し、定着処理回数の大きいものから先に定着処理を行っていく(定着処理の順序については図10参照)。尚、定着回数判定テーブルは、例えば図3に示したクリアプロセッシング56内に記憶されるものとする。
図8は、Nパス実施時のグロス領域のクリアトナーの定着結果を例示する図である。1パス目のクリアトナー版を生成する場合は、図4の表面効果選択テーブルを用いる。つまり、グロスに対してはインバースマスク、マットに対してはハーフトーン、WaterMarkやTextureに対してはベタのデータを生成して定着させる。
ここで、図8(a)に示すような記録材上の有色トナーが存在する領域に対してグロスの効果を付与する場合、1パス目では図8(b)に示したようなインバースマスクを生成して重ねることになる。この場合、記録材上のクリアトナーの表面は均一となり高い光沢感が得られるが、これに単純に1パス目と同じクリアトナー版をNパス目で重ねてしまうと図8(c)に示すように均一性が失われてしまう。そこで、DFE50は、図8(d)に示すように2パス目以降(図中の点線より上の部分)はインバースマスクではなくベタ画像を重ねることによって表面を均一にし、高い光沢度を保つ(図6におけるS605〜S606の処理に相当)。
図9は、Nパス実施時の最終印刷結果を例示する図である。図9(a)に示した比較例のように、単純に1パス目と同じクリアトナー版を複数回重ねてしまうと、光沢度の高いグロスの領域に引きずられて、光沢度の低い効果を狙うはずのマットの領域まで光沢度が高くなっていってしまう。そこで、DFE50は、図9(b)に示すように、領域を分けてNパスを実施する。例えば、DFE50は、光沢度の低い効果を狙うマットの領域については、定着処理を最低限の回数にする。具体的には、図6に示したS603、S611及びS612の処理などによって実現される。
図10は、Nパス実施時の定着処理の順序を例示する図である。図10に示すように、例えばCMYKのトナーの総量が1色の最高濃度時のトナー総量の120%となっている場合、図7に示した定着回数判定テーブルに従って、各光沢効果の定着処理回数はそれぞれグロスが3回、マットが2回、WaterMarkやTextureが1回となる。ここで、図6におけるS603の処理で説明したように、定着処理回数が最も大きい領域(=高い光沢度が求められる領域)のみに対して先に定着処理を行うようにすることにより、光沢度の低い効果を狙う領域における冗長なクリアトナーの定着処理を回避することができる。
(第2の実施形態)
第1の実施形態では、DFE50にクリアプロセッシング56を設け、DFE50で、表面効果選択テーブルの決定処理、クリアトナー版データの生成処理を行うように構成したが、これに限定されるものではない。
すなわち、一の装置で行っていた複数の処理のいずれかを、一の装置とネットワークを介して接続する1以上の他の装置で行う構成にしてもよい。
その一例として、第2の実施形態の画像形成システムでは、DFEの機能の一部を、ネットワーク上のサーバ装置上に実装している。
図11は、第2の実施形態に係る画像形成システムの構成を例示する図である。図11に示すように、第2の実施形態の画像形成システムは、ホスト装置3010と、DFE3050と、MIC60と、プリンタ機70と、グロッサ80と、低温定着機90と、クラウド上のサーバ装置3060とを備えている。グロッサ80や低温定着機90等の後処理装置は、これらに限定されるものではない。
第2の実施形態では、ホスト装置3010とDFE3050とがインターネット等のネットワークを介して、サーバ装置3060と接続された構成となっている。また、第2の実施形態では、第1の実施形態のホスト装置10の各版データの生成処理を行うモジュールと、第1の実施形態のDFE50のクリアプロセッシング56を、サーバ装置3060に設けた構成となっている。
ここで、ホスト装置3010、DFE3050、MIC60、プリンタ機70、グロッサ80、低温定着機90の接続構成は、第1の実施形態と同様である。
すなわち、具体的には、第2の実施形態では、ホスト装置3010とDFE3050とがインターネット等のネットワーク(クラウド)を介して、単一のサーバ装置3060に接続し、サーバ装置3060は版データ生成部3062、印刷データ生成部3063、クリアプロセッシング3066を設け、サーバ装置3060で、有色版データ、クリア版データおよび光沢制御版データの生成を行う版データ生成処理、印刷データの生成処理、表面効果選択テーブルの決定処理、クリアトナー版データの生成処理を行うように構成している。
まず、サーバ装置3060について説明する。図12は、第2の実施形態にかかるサーバ装置3060の機能的構成を示すブロック図である。サーバ装置3060は、図12に示すように、記憶部3070と、版データ生成部3062と、印刷データ生成部3063と、クリアプロセッシング3066と、通信部3065とを主に備えている。
記憶部3070は、HDDやメモリ等の記憶媒体であり、濃度値選択テーブル3069とを記憶している。濃度値選択テーブル3069は、図4を用いて説明した第1の実施形態の表面効果選択テーブルと同様である。
通信部3065は、ホスト装置3010、DFE3050との間で各種データや要求の送受信を行う。より具体的には、通信部3065は、ホスト装置3010から、画像指定情報および指定情報と、印刷データの生成要求とを受信し、生成された印刷データをホスト装置3010に送信する。また、通信部3065は、DFE3050から、8ビットの光沢制御版の画像データと、8ビットの有色版の画像データと、クリアトナー版の生成要求とを受信し、生成されたクリアトナー版の画像データとオンオフ情報とをDFE3050に送信する。
版データ生成部3062は、第1の実施形態のホスト装置10と同様に、有色版データ、光沢制御版データ、クリア版データを生成する。
第2の実施形態の印刷データ生成部3063は、第1の実施形態のホスト装置10と同様に、印刷データを生成する。
クリアプロセッシング3066は、第1の実施形態のDFE50におけるクリアプロセッシング56と同様の機能を有している。
次に、DFE3050について説明する。図13は、第2の実施形態のDFE3050の機能的構成を示すブロック図である。第2の実施形態のDFE3050は、レンダリングエンジン51と、si1部52と、TRC53と、si2部3054と、ハーフトーンエンジン55と、si3部57とを主に備えている。ここで、レンダリングエンジン51、si1部52、TRC53、ハーフトーンエンジン55、si3部57の機能および構成については第1の実施形態のDFE50と同様である。
第2の実施形態のsi2部3054は、TRC53によるガンマ補正後の8ビットの光沢制御版データと、CMYKの8ビットの有色版データと、クリアトナー版の生成要求とを、サーバ装置3060に送信し、サーバ装置3060から、クリアトナー版データとオンオフ情報とを受信する。
次に、以上のように構成された第2の実施形態に係る画像形成システムによる印刷処理に必要なクリアトナー版の生成処理ついて説明する。図14は、第2の実施形態にかかるクリアトナー版の生成処理の全体の流れを示すシーケンス図である。
まず、ホスト装置3010がユーザから画像指定情報および指定情報を入力し(ステップS3201)、画像指定情報および指定情報とともに印刷データ生成要求をサーバ装置3060に送信する(ステップS3202)。
サーバ装置3060では、画像指定情報および指定情報とともに印刷データ生成要求を受信し、有色版の画像データ、光沢制御版の画像データ、クリア版の画像データをそれぞれ生成する(ステップS3203)。そして、サーバ装置3060は、これらの画像データから印刷データを生成し(ステップS3204)、生成した印刷データをホスト装置3010に送信する(ステップS3205)。
ホスト装置3010では、印刷データを受信すると、この印刷データをDFE3050に送信する(ステップS3206)。
DFE3050では、印刷データをホスト装置3010から受信すると、印刷データを解析して、有色版の画像データ、光沢制御版の画像データ、クリア版の画像データを得て、これらの画像データに変換や補正等を行う(ステップS3207)。そして、DFE3050は、有色版の画像データ、光沢制御版の画像データ、クリア版の画像データと、クリアトナー版生成要求とを、サーバ装置3060に送信する(ステップS3208)。
次に、サーバ装置3060は、有色版データ、光沢制御版データ、クリア版データと、クリアトナー版生成要求とを受信すると、クリアプロセッシング3066が、印刷対象の用紙情報を取得して、用紙情報に基づいて、表面効果選択テーブルを選択する(ステップS3209)。この表面効果選択テーブルの決定処理は、上述した第1の実施形態のDFE50のクリアプロセッシング56による処理と同様に行われる。
次に、サーバ装置3060は、オンオフ情報を決定し(ステップS3210)、クリアトナー版の画像データを生成する(ステップS3211)。そして、サーバ装置3060は、生成したクリアトナー版の画像データをDFE3050に送信する(ステップS3212)。
これ以降のMIC60、プリンタ機70,グロッサ80、低温定着機90における処理については、第1の実施形態と同様に行われる。
このように第2の実施形態では、有色版データ、光沢制御版データ、クリア版データ、印刷データおよびクリアトナー版データの生成、表面効果選択テーブルの決定処理を、クラウド上のサーバ装置3060で行っているので、第1の実施形態の効果の他、複数のホスト装置3010やDFE3050が存在する場合でも、濃度値選択テーブルや表面効果選択テーブルの変更等も一括して行うことができ、管理者の便宜となる。
尚、第2の実施形態では、クラウド上の単一のサーバ装置3060に、版データ生成部3062、印刷データ生成部3063、クリアプロセッシング3066を設け、サーバ装置3060で、有色版データ、クリア版データおよび光沢制御版データの生成を行う版データ生成処理、印刷データの生成処理、表面効果選択テーブルの決定処理、クリアトナー版データの生成処理を行うように構成したが、これに限定されるものではない。
例えば、クラウド上に2以上のサーバ装置を設け、上記各処理を、2以上のサーバ装置で分散させて実行するように構成してもよい。図15は、クラウド上に2つのサーバ(第1サーバ装置3860と第2サーバ装置3861)を設けたネットワーク構成図である。図15の例では、第1サーバ装置3860と第2サーバ装置3861とで、有色版データ、クリア版データおよび光沢制御版データの生成を行う版データ生成処理、印刷データの生成処理、表面効果選択テーブルの決定処理、クリアトナー版データの生成処理を分散して行うように構成する。
例えば、第1サーバ装置3860に版データ生成部3062、印刷データ生成部3063を設け、第1サーバ装置3860で版データ生成処理、印刷データ生成処理を行うように構成し、第2サーバ装置3861にクリアプロセッシング3066を設け、第2サーバ装置3861で、表面効果選択テーブルの決定処理およびクリアトナー版データ生成処理を実行するように構成することができる。尚、各処理の各サーバ装置への分散の形態はこれに限定されるものではなく、任意に行うことができる。
すなわち、ホスト装置3010やDFE3050に最低限の構成を設ければ、版データ生成部3062、印刷データ生成部3063、クリアプロセッシング3066の一部または全部をクラウド上の一つのサーバ装置に集中して設けたり、複数のサーバ装置に分散させて設けたりすることは任意に行うことができる。
言い換えると、上述の例のように、一の装置で行っていた複数の処理のいずれかを、一の装置とネットワークを介して接続する1以上の他の装置で行う構成にすることができる。
また、上記の「一の装置とネットワークを介して接続する1以上の他の装置で行う構成」の場合、一の装置で行われた処理で発生したデータ(情報)を一の装置から他の装置に出力する処理、そのデータを他の装置が入力する処理等、一の装置と他の装置間、さらには、他の装置間同士で行われるデータの入出力処理を含むような構成となる。
つまり、他の装置が1つの場合では、一の装置と他の装置間で行われるデータの入出力処理を含むような構成となり、他の装置が2以上の場合では、一の装置と他の装置間、及び、第一の他の装置・第二の他の装置間のように他の装置間同士でデータの入出力処理を含むような構成となる。
また、第2の実施形態では、サーバ装置3060、あるいは第1サーバ装置3860および第2サーバ装置3861などの複数のサーバ装置を、クラウド上に設けているが、これに限定されるものではない。例えば、サーバ装置3060、あるいは第1サーバ装置3860および第2サーバ装置3861などの複数のサーバ装置を、イントラネット上に設ける等、あらゆるネットワーク上に設けた構成としてもよい。
上述した実施形態のホスト装置10、3010、DFE50、3050、サーバ装置3060、第1サーバ装置3860、第2サーバ装置3861のハードウェア構成について説明する。図16は、ホスト装置10、3010、DFE50、3050、サーバ装置3060、3860、3861のハードウェア構成図である。ホスト装置10、3010、DFE50、3050、サーバ装置3060、第1サーバ装置3860、第2サーバ装置3861は、ハードウェア構成として、装置全体を制御するCPUなどの制御装置2901と、各種データや各種プログラムを記憶するROMやRAMなどの主記憶装置2902と、各種データや各種プログラムを記憶するHDDなどの補助記憶装置2903と、キーボードやマウス等の入力装置2905と、ディスプレイ装置等の表示装置2904とを主に備えており、通常のコンピュータを利用したハードウェア構成となっている。
上記実施形態のホスト装置10、3010で実行される画像処理プログラム(画像処理アプリケーションを含む。以下同。)は、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されてコンピュータプログラムプロダクトとして提供される。
また、上記実施形態のホスト装置10、3010で実行される画像処理プログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、上記実施形態のホスト装置10、3010で実行される画像処理プログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。
また、上記実施形態のホスト装置10、3010で実行される画像処理プログラムを、ROM等に予め組み込んで提供するように構成してもよい。
上記実施形態のホスト装置10、3010で実行される画像処理プログラムは、上述した各部(版データ生成部、印刷データ生成部、入力制御部、表示制御部)を含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしてはCPU(プロセッサ)が上記記憶媒体から画像処理プログラムを読み出して実行することにより上記各部が主記憶装置上にロードされ、版データ生成部、印刷データ生成部、入力制御部、表示制御部が主記憶装置上に生成されるようになっている。
また、上記実施形態のDFE50、3050で実行される印刷制御処理は、ハードウェアで実現する他、ソフトウェアとしての印刷制御プログラムで実現してもよい。この場合において、上記実施形態のDFE50、3050で実行される印刷制御プログラムは、ROM等に予め組み込まれて提供される。
上記実施形態のDFE50、3050で実行される印刷制御プログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録してコンピュータプログラムプロダクトとして提供するように構成してもよい。
さらに、上記実施形態のDFE50、3050で実行される印刷制御プログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、上記実施形態のDFE50、3050で実行される印刷制御プログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。
上記実施形態のDFE50、3050で実行される印刷制御プログラムは、上述した各部(レンダリングエンジン、ハーフトーンエンジン、TRC、si1部、si2部、si3部、クリアプロセッシング)を含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしてはCPU(プロセッサ)が上記ROMから印刷制御プログラムを読み出して実行することにより上記各部が主記憶装置上にロードされ、レンダリングエンジン、ハーフトーンエンジン、TRC、si1部、si2部、si3部、クリアプロセッシングとして主記憶装置上に生成されるようになっている。
また、上記実施形態のサーバ装置3060で実行される各データの生成処理は、ハードウェアで実現する他、ソフトウェアとしての生成プログラムで実現してもよい。この場合において、上記実施形態のサーバ装置3060で実行される生成プログラムは、ROM等に予め組み込まれて提供される。
上記実施形態のサーバ装置3060で実行される各データの生成処理プログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録してコンピュータプログラムプロダクトとして提供するように構成してもよい。
さらに、上記実施形態のサーバ装置3060で実行される各データの生成処理プログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、上記実施形態のサーバ装置3060で実行される各データの生成処理プログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。
上記サーバ装置3060で実行される各データの生成処理プログラムは、上述した各部(版データ生成部、印刷データ生成部、クリアプロセッシング)を含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしてはCPU(プロセッサ)が上記ROMから生成プログラムを読み出して実行することにより上記各部が主記憶装置上にロードされ、版データ生成部、印刷データ生成部、クリアプロセッシングとして主記憶装置上に生成されるようになっている。
尚、本発明は前記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、前記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。また、以下に例示するような種々の変形が可能である。
上述した実施形態において、画像形成システムは、ホスト装置10,3010、DFE50,3050,MIC60、プリンタ機70、グロッサ80及び低温定着機90を備えるように構成したが、これに限らない。例えば、DFE50、3050、MIC60及びプリンタ機70を一体的に形成して1つの画像形成装置として構成するようにしても良いし、更に、グロッサ80及び低温定着機90を備えた画像形成装置として形成するようにしても良い。
上述した実施形態の画像形成システムにおいては、CMYKの複数の色のトナーを用いて画像を形成するようにしたが、1色のトナーを用いて画像を形成するようにしても良い。
尚、上述した実施形態のプリンタシステムは、MIC60を備えた構成としているが、これに限定されるものではない。上述したMIC60が行う処理、機能をDFE50等の他の装置にもたせて、MIC60を設けない構成としてもよい。