以下に添付図面を参照して、この発明にかかる印刷制御装置、印刷システム、印刷手段制御方法、記録媒体製造方法及び印刷手段制御プログラムの一実施の形態を詳細に説明する。
(第1の実施の形態)
まず、本実施の形態に係る印刷システムの構成について図1を用いて説明する。本実施の形態においては、印刷システム10は、プリンタコントローラ(DFE:Digital Front End)(以下、DFEと称する場合がある)50、インタフェースコントローラ(MIC:Mechanism I/F Contoroller)(以下、MICと称する場合がある)60と、印刷装置30と、を備えている。
印刷装置30は、プリンタ機70と、後処理機40と、が接続されて構成されている。
後処理機40としては、グロッサー80、定着機として通常定着機を搭載した後処理機90A、及び定着機として低温定着機を搭載した後処理機90Bが挙げられる。グロッサー80は、プリンタ機70で一度記録媒体に定着されたトナー像を、該記録媒体に再定着し、該記録媒体上の該トナー像の表面の平滑度をより向上させることで、該トナー像の表面の光沢度を高める装置である。装置の実現手段については特に限定しない。
後処理機90A、後処理機90Bは、各々定着器の他にクリアトナー用の感光体、帯電器、現像器及び感光体クリーナを含む作像ユニット、露光器が搭載されている。なお、後処理機40は、これらのグロッサー80、定着機として通常定着機を搭載した後処理機90A、及び定着機として低温定着機を搭載した後処理機90Bの内、少なくとも1つを搭載した構成であればよい。
DFE50は、MIC60を介してプリンタ機70と通信を行い、プリンタ機70での画像の形成を制御する。DFE50は、例えば、PC(Personal Computer)で構成される。また、DFE50には、他のPC等のホスト装置49が接続され、DFE50は、ホスト装置49から画像データを受信して、当該画像データを用いて、プリンタ機70がCMYKの各トナー及びクリアトナーに応じたトナー像を形成するための画像データを生成してこれを、MIC60を介してプリンタ機70や後処理機40に送信する。
なお、本実施の形態では、DFE50とホスト装置49とは、別々のPC、すなわち別体として構成される場合を説明するが、DFE50及びホスト装置49の双方の機能を有する1つのPC等を用いて一体的に構成してもよい。
プリンタ機70には、CMYKの各トナーとクリアトナーとが少なくとも搭載されており、各トナーに対して感光体、帯電器、現像器及び感光体クリーナを含む作像ユニット、及び露光器等が搭載されている。
ここで、クリアトナーとは、色材を含まない透明な(無色の)トナーである。なお、透明(無色)とは、例えば、透過率が70%以上であることを示す。
プリンタ機70は、MIC60を介してDFE50から送信された画像データに応じて、露光器から光ビームを照射して各トナーに応じたトナー像を感光体上に形成してこれを記録媒体に転写する。そして、図示を省略する定着機によって所定の範囲内の温度(通常温度)での加熱加圧でこれを定着させる。これによって記録媒体に画像が形成される。このようなプリンタ機70の構成については周知であるため、ここではその詳細な説明を省略する。
グロッサー80は、DFE50によりオン又はオフが制御され、オンにされた場合に、プリンタ機70により記録媒体に形成されたトナー像を高温及び高圧で加圧する。これにより記録媒体に形成されたトナー像全体において所定以上のトナーが付着した各画素のトナーの総付着量は均一に圧縮される。従って、グロッサー80は、プリンタ機70が形成した記録媒体上の該トナー像を該記録媒体に再定着し、該記録媒体上の該トナー像の表面の平滑度をより向上させることで該トナー像の光沢度を高めることができる。
後処理機90Aには、クリアトナー及び当該クリアトナーを定着させるための定着機が搭載されており、DFE50が生成した後述のクリアトナー版データが入力される。後処理機90Aは、入力されたクリアトナー版データを用いてクリアトナーによるトナー像を形成して、これを該定着機によって通常温度による加熱または加圧で記録媒体に定着させる。
なお、記録媒体は、画像形成される媒体であればよい。記録媒体は、例えば、用紙、合成紙、再生紙、OHPシート等のビニール紙等であるが、これらに限られない。
後処理機90Bには、クリアトナー及び当該クリアトナーを定着させるための定着機が搭載されており、DFE50が生成した後述のクリアトナー版データが入力される。後処理機90Bは、入力されたクリアトナー版データを用いてクリアトナーによるトナー像を形成して、グロッサー80が加圧した記録媒体上に当該トナー像を重ねて、定着機によって通常温度よりも低い加熱または加圧で記録媒体に定着させる。
ここで、ホスト装置49からDFE50に入力される画像データ(原稿データ)について概要を説明する。ホスト装置49では、予めインストールされた画像処理アプリケーションにより画像データが生成されて、DFE50に送信される。このような画像処理アプリケーションでは、RGB版やCMYK版などの各色版における各色の濃度の値(濃度値という)を画素毎に規定した画像データに対して、特色版データを取り扱うことが可能である。特色版データとは、CMYKやRGBなどの基本的なカラーの他に、白、金、銀といった特殊なトナーやインクを付着させるための画像データであり、このような特殊なトナーやインクを搭載したプリンタ向けのデータである。特色版データは色再現性を向上させるためにCMYKの基本カラーにRを追加することや、RGBの基本カラーにYを追加することもある。通常、クリアトナーも特色の1つとして取り扱われていた。
本実施の形態では、この特色としてのクリアトナーを、記録媒体に視覚的または触覚的な効果である表面効果を付与するため、および、記録媒体に上記表面効果以外のウォーターマーク等の透明画像を形成するために用いる。
このため、ホスト装置49の画像処理アプリケーションは、入力された画像データに対して、有色版データの他、特色版データとして、ユーザの指定により、光沢制御版データおよび/またはクリア版データを生成する。
ここで、有色版データとは、有色トナーを付与する有色領域を規定した画像データである。詳細には、有色版データは、画素毎にRGBやCMYK等の有色の濃度値を規定した画像データである。この有色版データでは、ユーザによる色の指定により、1画素を8ビットで表現する。なお、有色版データは、描画オブジェクトごとに濃度値を設定したベクター形式であってもよく、処理内容に応じて、適宜、ベクター形式、またはラスター形式に変換して用いる。
図2は、有色版データの一例を示す説明図である。図2において、「A」、「B」、「C」等の描画オブジェクトごとに、ユーザが画像処理アプリケーションで指定した色に対応する濃度値が付与される。画像処理アプリケーションは、例えば、ホスト装置49にインストールされている。なお、画像処理アプリケーションは、DFE50にインストールされていてもよい。
特色版データとは、クリアトナーを付与する特色領域を規定した画像データである。特色領域としては、上述のように、記録媒体に付与する視覚的または触覚的な効果である表面効果を種類毎に規定した領域や、表面効果以外のウォーターマーク等の透明画像の領域がある。特色版データとして、本実施の形態では、光沢制御版データと、クリア版データと、を用いる。
光沢制御版データとは、記録媒体に付与する視覚的または触覚的な効果である表面効果に応じてクリアトナーを付着させる制御を行うため、当該表面効果の与えられる領域および当該表面効果の種類を特定した画像データである。
この光沢制御版データは、有色版データと同様に画素毎に8ビットで「0」〜「255」の範囲の濃度値で表され、この濃度値に、表面効果の種類が対応付けられる(濃度値は16ビットや32ビット、または0〜100%で表してもよい)。また、同一の表面効果を与えたい範囲には実際に付着するクリアトナーの濃度と関係なく同一の値が設定されるため、領域を示すデータがなくとも必要に応じて画像データから容易に領域が特定できる。即ち、光沢制御版データによって、表面効果の種類と、表面効果を与える領域とが表される(領域を表すデータを別途付与してもよい)。なお、光沢制御版データは、詳細は後述するが、表面効果を与える領域(描画オブジェクト)ごとに濃度値を設定したベクター形式であってもよく、適宜、ベクター形式、またはラスター形式に変換して用いる。
ここで、ホスト装置49は、ユーザが画像処理アプリケーションにより指定した描画オブジェクトに対する表面効果の種類を、描画オブジェクトごとに濃度値として設定し、ベクター形式の光沢制御版データを生成する。
なお、有色版データ、光沢制御版データ、及びクリア版データは、共にページ単位で構成される。
表面効果の種類としては、大別して、光沢の有無に関するものや、表面保護や、情報を埋め込んだ透かしや、テクスチャなどがある。光沢の有無に関する表面効果については、図3に例示されるように、大別して4種類あり、光沢の度合い(光沢度)順に、鏡面光沢(PG:Premium Gloss)、ベタ光沢(G:Gloss)、網点マット(M:Matt)及びつや消し(PM:Premium Matt)等の各種類がある。これ以降、鏡面光沢を「PG」、ベタ光沢を「G」、網点マットを「M」、つや消しを「PM」と呼ぶ場合がある。
鏡面光沢やベタ光沢は、光沢を与える度合いが高く、逆に、網点マットやつや消しは、光沢を抑えるためのものである。特に、つや消しは、通常の記録媒体が有する光沢度より低い光沢度を実現するものである。同図中において、鏡面光沢はその光沢度Gsが80以上、ベタ光沢は一次色あるいは二次色のなすベタ光沢度、網点マットは一次色、かつ網点30%の光沢度、つや消しは光沢度10以下を表している。また、光沢度の偏差をΔGsで表し、10以下とした。
このような表面効果の各種類に対して、光沢を与える度合いが高い表面効果に高い濃度値が対応付けられ、光沢を抑える表面効果に低い濃度値が対応付けられる。その中間の濃度値には、透かしやテクスチャなどの表面効果が対応付けられる。透かしとしては、例えば、文字や地紋などが用いられる。テクスチャは、文字や模様を表すものであり、視覚的効果の他、触覚的効果を与えることが可能である。例えば、ステンドグラスのパターンをクリアトナーによって実現することができる。表面保護は、鏡面光沢やベタ光沢で代用される。なお、処理対象の画像データによって表される画像のどの領域に表面効果を与えるのかや、その領域にどの種類の表面効果を与えるのか、については、画像処理アプリケーションを介してユーザにより指定される。
画像処理アプリケーションを実行するホスト装置49では、ユーザにより指定された領域を構成する画素について、ユーザ指定の表面効果に対応する濃度値をセットすることにより、光沢制御版データを生成する。濃度値と表面効果の種類との対応関係については後述する。
図4は、光沢制御版データの一例を示す説明図である。図4の光沢制御版データの例では、ユーザにより、描画オブジェクト「ABC」に表面効果「PG(鏡面光沢)」が付与され、描画オブジェクト「(長方形の図形)」に表面効果「G(ベタ光沢)」が付与され、描画オブジェクト「(円形の図形)」に表面効果「M(網点マット)」が付与された例を示している。なお、ホスト装置49には、DFE50に格納されている表面効果選択テーブル(図12参照:詳細後述)を、濃度値選択テーブルとして記憶している。この濃度値選択テーブルは、各表面効果の種類に対応する濃度値を定めたテーブルである。
図5は、図4の光沢制御版データにおいて、描画オブジェクト、座標、濃度値との対応関係の一例を示す図である。図5に示すように、光沢制御版データによって、各描画オブジェクト毎に、各描画オブジェクトの位置及び濃度値が定められる。
クリア版データとは、上記表面効果以外のウォーターマークやテクスチャ等の透明画像を特定した画像データである。クリア版データについても、適宜、ベクター形式、またはラスター形式に変換して用いる。図6は、クリア版データの一例を示す説明図である。図6の例では、ユーザにより、ウォーターマーク「Sale」が指定されている。
このように、特色版データである、光沢制御版データおよびクリア版データは、ホスト装置49の画像処理アプリケーションにより、有色版データとは別のプレーンで生成される。また、有色版データ、光沢制御版データ、クリア版データの各画像データの形式には、PDF(Portable Document Format)形式が用いられ、各版のPDFの画像データを統合して原稿データとして生成される。なお、各版の画像データのデータ形式は、PDFに限定されるものではなく、任意の形式を用いることができる。
ホスト装置49では、上記有色版データと、光沢制御版データ及び/またはクリア版データと、を統合した原稿データに、更にジョブコマンドを含む印刷データを生成する。そして、生成した印刷データを、DFE50へ出力する。なお、光沢制御版データ及びクリア版データを総称する場合には、特色版データと称して説明する。
ジョブコマンドは、例えば、各種設定などをプリンタ70に対して指定するコマンドである。本実施の形態では、ジョブコマンドは、有色版データによって特定される有色画像を形成するときの印刷条件に関する情報を含む。有色画像を形成するときの印刷条件に関する情報は、印刷日時、ホスト装置49が有色版データを外部装置から受け付けたときの該有色版データを含む印刷ジョブのジョブ名、該印刷ジョブのホスト装置49への送信を指示したユーザ名、プリンタ機70の名称、プリンタ機70の機種名、プリンタ機70の最終調整日時、周辺機器構成、プリンタの設定、集約の設定、両面の設定などがあるが、これらに限られない。
図7は、印刷データの構成例を概念的に示す模式図である。図7の例では、ジョブコマンドとして、JDF(Job Definition Format)が用いられているが、これに限られない。例えば、JDFは、集約の設定として「片面印刷・ステープル有り」を指定するコマンドである。また、印刷データは、PostScriptのようなページ記述言語(PDL)に変換されてもよいし、DFE50が対応していれば、PDF形式のままでもよい。
図1に戻り説明を続ける。DFE50は、ホスト装置49から画像データとしての印刷データを受け付け、後述する各種処理を行った後に、印刷装置30へ出力する。DFE50の詳細については後述する。
図8には、印刷装置30の構成を模式的に示した。印刷装置30は、上記構成(プリンタ機70、後処理機40)に加えて更に、記録媒体を搬送する搬送路20を備えている。なお、プリンタ機70は、詳細には、電子写真方式の複数の感光体71B、感光体71B上に形成されたトナー像を転写される転写ベルト71C、転写ベルト71C上のトナー像を記録媒体に転写する転写装置71D、及び記録媒体上のトナー像を該記録媒体に定着させる定着装置71Aを備える。また、後処理機90Aは、電子写真方式の感光体91A及び感光体91Aから転写されたトナー像を記録媒体に定着させる定着装置91Bを備える。後処理機90Bは、電子写真方式の感光体92A及び感光体92Aから転写されたトナー像を記録媒体に定着させる定着装置92Bを備える。記録媒体は、図示を省略する搬送部材によって搬送路20を搬送されることで、プリンタ機70、グロッサー80、後処理機90A、及び後処理機90Bの設けられている位置を、この順に搬送される。そして、これらの機器によって順次処理が行われて画像形成及び表面効果が付与された後に、図示を省略する搬送機構によって搬送路20を搬送されて、印刷装置30の外部へと排出される。
次に、DFE50の機能的構成について説明する。DFE50は、図9に例示されるように、レンダリングエンジン51と、si1部52と、TRC(Tone Reproduction Curve)53と、si2部54と、ハーフトーンエンジン55と、表面効果選択テーブル(後述)や設定テーブル(後述)等を記憶した記憶部56B等を備えたクリアプロセッシング56と、si3部57と、装置構成取得部58と、印刷条件版データ生成部560と、を有する。
レンダリングエンジン51と、si1部52と、TRC(Tone Reproduction Curve)53と、si2部54と、ハーフトーンエンジン55と、クリアプロセッシング56と、si3部57と、装置構成取得部58と、印刷条件版データ生成部560と、の各々は、DFE50の制御部が主記憶部や補助記憶部に記憶されている各種プログラムを実行することにより実現されるものである。
si1部52、si2部54及びsi3部57はいずれも、画像データを分離する(separate)機能と、画像データを統合する(integrate)機能とを有するものである。
レンダリングエンジン51には、ホスト装置49から送信された画像データが入力される。レンダリングエンジン51は、入力された画像データを言語解釈する。そして、レンダリングエンジン51は、該画像データに含まれる、ベクター形式で表現される画像データ(有色版データ、光沢制御版データ、及びクリア版データ)をラスター形式に変換する。なお、有色版データの色空間が、RGB形式で表現された色空間である場合には、レンダリングエンジン51は、CMYK形式の色空間に変換して、CMYKの各8ビットの有色版データ(各画素を8ビットで示した、CMYK各色の有色版データ)とする。
そして、レンダリングエンジン51は、CMYKの色空間に変換した、CMYKの各8ビットの有色版データと、8ビットのクリア版データ(各画素を8ビットで示したクリア版データ)と、8ビットの光沢制御版データ(各画素を8ビットで示した光沢制御版データ)と、をsi1部52へ出力する。
また、レンダリングエンジン51は、ホスト装置49から入力された画像データに含まれる、ベクター形式の有色版データと、ベクター形式の特色版データ(クリア版データ、光沢制御版データ)と、ジョブコマンドによって特定される、有色画像を形成するときの印刷条件に関する情報と、を、後述する印刷条件版データ生成部560へ出力する。
si1部52は、CMYKの各8ビットの有色版データをTRC53に出力し、8ビットの光沢制御版データとクリア版データをクリアプロセッシング56に出力する。
TRC53には、si1部52を介してCMYKの各8ビットの有色版データが入力される。TRC53には、入力された有色版データに対してキャリブレーションにより生成された1D_LUTのガンマカーブでガンマ補正を行う。TRC53では他の画像処理として総量規制などがある。総量規制とは、記録媒体上の1画素において、プリンタ機70でのせることが可能なトナー量に限界があるため、ガンマ補正後のCMYK各8ビットの有色版データを制限する処理である。ちなみに、総量規制を越えて印刷した場合、転写不良や定着不良により画質が劣化してしまう。当実施例では関連するガンマ補正のみを取り上げて説明している。
si2部54は、TRC53でガンマ補正されたCMYKの各8ビットの有色版データを、後述するインバースマスクを生成するためのデータとしてクリアプロセッシング56へ出力する。ハーフトーンエンジン55には、si2部54を介してガンマ補正後のCMYKの各8ビットの有色版データが入力される。ハーフトーンエンジン55は、入力された有色版データをプリンタ機70に出力するための、例えばCMYKの各2ビット等の有色版データのデータ形式に変換するハーフトーン処理を行い、ハーフトーン処理後のCMYK各2ビット等の有色版データを出力する。なお、2ビットは一例であり、これに限定されるものではない。
装置構成取得部58は、後処理機40の装置構成を示す装置構成情報を取得する。本実施の形態では、印刷装置30は、上述のように、後処理機40として、グロッサー80、後処理機90A、後処理機90Bのうち、いずれか1つ以上が搭載されている。この後処理機40として何が設けられているかを示す情報は、詳細を後述するMIC60によって取得され、プリンタ機70を介して装置構成取得部58に入力される。装置構成取得部58は、取得した装置構成情報を、クリアプロセッシング56へ出力する。すなわち、クリアプロセッシング56の装置構成取得部58は、DFE50にMIC60を介して接続されている印刷装置30における後処理機40の構成を示す情報を、MIC60から受け付ける。
クリアプロセッシング56には、レンダリングエンジン51が変換した8ビットの光沢制御版データと8ビットのクリア版データがsi1部52を介して入力される。また、クリアプロセッシング56には、レンダリングエンジン51から、レンダリングエンジン51で受け付けた印刷データが入力される。また、クリアプロセッシング56には、TRC53がガンマ補正を行ったCMYKの各8ビットの有色版データがsi2部54を介して入力される。また、クリアプロセッシング56は、後述するUI(User Interface)部59から、優先情報を受け付ける。
優先情報は、表面効果の種類の置換え条件を示す情報である。優先情報は、具体的には、光沢優先、または種類優先、を示す情報である。光沢優先とは、光沢制御版データによって指定されている表面効果の種類を、光沢度のより高い表面効果に置換えることを示す。種類優先とは、光沢制御版データによって指定されている表面効果の種類を、最も光沢度の高い種類の表面効果(本実施の形態では鏡面光沢(PG))を含まない表面効果に置換えることを示す。これらの優先情報は、後述するUI部59のユーザによる操作指示によって入力される。なお、光沢優先は、具体的には、グロッサー80をオンにすることを示し、種類優先は、具体的には、グロッサー80をオフにすることを示す。
クリアプロセッシング56は、入力された8ビットの光沢制御版データを用いて、後述の表面効果選択テーブルを参照して、光沢制御版データを構成する各画素の表す濃度値(画素値)に対する表面効果を判断して、当該判断及び後述する設定テーブルに基づいて、グロッサー80のオン又はオフを決定すると共に、入力されたCMYKの各8ビットの有色版データを用いてインバースマスクやベタマスクやハーフトーン等を適宜生成することにより、クリアトナーを付着させるための2ビットのクリアトナー版データを適宜生成する。
そして、クリアプロセッシング56は、適宜生成した、プリンタ機70で用いるクリアトナー版データと、後処理機90A、後処理機90Bで用いるクリアトナー版データとを印刷装置30へ出力すると共に、グロッサー80のオン又はオフを示すオンオフ情報を出力する。
ここで、上記インバースマスクとは、表面効果を与える対象の領域を構成する各画素上のCMYKのトナー及びクリアトナーを合わせた総付着量が均一になるようにするためのものである。具体的には、CMYKの有色版データにおいて当該対象の領域を構成する画素の表す濃度値を全て加算し、所定値から引いた画像データがインバースマスクとなる。具体的には、例えば、以下の式1で表される。
Clr=100−(C+M+Y+K) 但し、Clr<0となる場合、Clr=0
・・・(式1)
式1において、Clr,C,M,Y,Kは、クリアトナー及びC,M,Y,Kの各トナーのそれぞれについて、各画素における濃度値から換算される濃度率を表すものである。即ち、式1によって、C,M,Y,Kの各トナーの総付着量にクリアトナーの付着量を加えた総付着量を、表面効果を与える対象の領域を構成する全ての画素について100%にする。なお、C,M,Y,Kの各トナーの総付着量が100%以上である場合には、クリアトナーは付着させずに、その濃度率は0%にする。これは、C,M,Y、Kの各トナーの総付着量が100%を超えている部分は定着処理により平滑化されるためである。このように、表面効果を与える対象の領域を構成する全ての画素上の総付着量を100%以上にすることで、当該対象の領域においてトナーの総付着量の差による表面の凸凹がなくなり、この結果、光の正反射による光沢が生じるのである。但し、インバースマスクには、式1以外により求められるものがあり、インバースマスクの種類は複数有り得る。後述するINV−1、INV−mがこれに相当する。
ベタマスクとは、表面効果を与える対象の領域を構成する各画素上にクリアトナーを均一に付着させるためのものである。具体的には、例えば以下の式2で表される。
Clr=100・・・(式2)
なお、表面効果を与える対象の画素の中でも、100%以外の濃度率が対応付けられるものがあるようにしても良く、ベタマスクのパターンは複数有り得る。
また、例えばインバースマスクは、各色の地肌露出率の乗算により求められるものであってもよい。この場合のインバースマスクは、例えば以下の式3で表される。
Clr=100×{(100−C)/100}×{(100−M)/100}×{(100−Y)/100}×{(100−K)/100}・・・(式3)
上記式3において、(100−C)/100は、Cの地肌露出率を示し、(100−M)/100は、Mの地肌露出率を示し、(100−Y)/100は、Yの地肌露出率を示し、(100−K)/100はKの地肌露出率を示す。
また、例えばインバースマスクは、最大面積率の網点が平滑性を律すると仮定した方法により求められるものであってもよい。この場合のインバースマスクは、例えば以下の式4で表される。
Clr=100−max(C,M,Y,K)・・・(式4)
上記式4において、max(C,M,Y,K)は、CMYKのうち最大の濃度値を示す色の濃度値が代表値となることを示す。
要するに、インバースマスクは、上記式1〜式4の何れかの式により表されるものであればよい。
表面効果選択テーブルは、濃度値及び表面効果の種類の対応関係を示すと共に、これらと、印刷システムの構成に応じた優先情報と、プリンタ機70で用いるクリアトナー版データ及び後処理機で用いるクリアトナー版データとの対応関係を示すテーブルである。
なお、後処理機40に関する制御情報とは、グロッサー80のオン又はオフを示す情報である。
具体的には、表面効果選択テーブルは、装置構成に応じて、印刷システムの構成毎に、後処理機40に関する制御情報(グロッサー80のオンオフ)、プリンタ機70で用いるクリアトナー版(クリアトナー版1)、後処理機90Aで用いるクリアトナー版(クリアトナー版2)、及び後処理機90Bで用いるクリアトナー版(クリアトナー版3)の少なくとも1つと、濃度値及び表面効果の種類との対応関係を示すように構成され得る。
ここで、上述のように、本実施の形態では、印刷装置30は、後処理機40として設けられたグロッサー80、後処理機90A、後処理機90Bのうちのいずれか1つ以上が搭載された構成である。この後処理機40の構成によって、実現可能な表面効果の種類が異なる。
このため、本実施の形態では、表面効果選択テーブルとしては、印刷装置30におけるプリンタ機70以外の構成として、グロッサー80、後処理機90A、及び後処理機90Bの内の少なくとも1つ以上を備え且つ少なくとも1つ以上を備えていない複数種類の構成毎に、表面効果選択テーブルが対応づけられている。
すなわち、例えば、後処理機40の装置構成を示す装置構成情報が、グロッサー80と後処理機90Bを示す場合を想定する。この場合には、図10に示すように、印刷装置30は、後処理機40として、グロッサー80及び後処理機90Bのみを搭載した構成となっている。このような構成を示す装置構成情報に対応する表面効果選択テーブルは、後処理機40に関する制御情報(グロッサー80のオンオフ)と、プリンタ機70で用いるクリアトナー版データ、及び後処理機90Bで用いるクリアトナー版データと、濃度値及び表面効果の種類との対応関係を示すように構成される。
また、例えば、後処理機40の装置構成を示す装置構成情報が、グロッサー80のみ示す場合を想定する。この場合には、図11に示すように、印刷装置30は、後処理機40としてグロッサー80のみを搭載した構成となっている。このような構成を示す装置構成情報に対応する表面効果選択テーブルは、後処理機40に関する制御情報(グロッサー80のオンオフ)と、プリンタ機70で用いるクリアトナー版データと、濃度値及び表面効果の種類との対応関係を示すように構成される。
図12には、一例として、プリンタ機70と、グロッサー80、後処理機90A、及び後処理機90Bの全ての後処理機40を備えたことを示す装置構成情報に対応する、表面効果選択テーブルの一例を示した。
図12に示す表面効果選択テーブルには、優先情報(グロッサー80オン/オフ)と、プリンタ機70で用いるクリアトナー版データ(図12中、クリアトナー版1参照)と、後処理機90Aで用いるクリアトナー版データ(図12中、クリアトナー版2参照)のクリアトナー版データと、定着機として低温定着機を搭載した後処理機90Bで用いるクリアトナー版データ(図12中、クリアトナー版3参照)と、濃度値及び表面効果の種類との対応関係が示されている。
なお、同図に示される表面効果の種類及び濃度値の対応関係においては、濃度値の範囲毎に表面効果の各種類が対応付けられている。また、その濃度値の範囲の代表となる値(代表値)から換算される濃度の割合(濃度率)に対して2%単位で表面効果の各種類が対応付けられている。具体的には、濃度率が84%以上となる濃度値の範囲(「212」〜「255」)に対して光沢を与える表面効果(鏡面効果及びベタ効果)が対応付けられており、濃度率が16%以下となる濃度値の範囲(「1」〜「43」)に対して光沢を抑える表面効果(網点マット及びつや消し)が対応付けられている。また、濃度率が20%〜80%となる濃度値の範囲には、テクスチャや地紋透かしなどの表面効果が対応付けられている。
より具体的には、例えば、「238」〜「255」の画素値に対しては表面効果として鏡面光沢(PM)が対応付けられており、このうち、「238」〜「242」の画素値、「243」〜「247」の画素値及び「248」〜「255」の画素値の3つの範囲に対して各々異なるタイプの鏡面光沢が対応付けられている。また、「212」〜「232」の画素値に対しては、ベタ光沢(G)が対応付けられており、このうち、「212」〜「216」の画素値、「217」〜「221」の画素値、「222」〜「227」の画素値及び「228」〜「232」の画素値の4つの範囲に対して各々異なるタイプのベタ光沢が対応付けられている。また、「23」〜「43」の画素値に対しては、網点マット(M)が対応付けられており、このうち、「23」〜「28」の画素値、「29」〜「33」の画素値、「34」〜「38」の画素値及び「39」〜「43」の画素値の4つの範囲に対して各々異なるタイプの網点マットが対応付けられている。また、「1」〜「17」の画素値に対しては、つや消し(PM)が対応付けられており、このうち、「1」〜「7」の画素値、「8」〜「12」の画素値及び「13」〜「17」の画素値の3つの範囲に対して各々異なるタイプのつや消しが対応付けられている。これらの同一の表面効果の異なるタイプはプリンタ機70や後処理機90Aや後処理機90Bで使用するクリアトナー版データを求める式に違いがあり、プリンタ本体や後処理機の動作は同じである。なお、「0」の濃度値には、表面効果を与えないことが対応付けられている。
また、同図には、画素値及び表面効果に対応して、グロッサー80のオン又はオフを示すオンオフ情報と、プリンタ機70で用いるクリアトナー版データ、後処理機90Aで用いるクリアトナー版データ、及び後処理機90Bで用いるクリアトナー版データとが各々示されている。例えば、表面効果が鏡面光沢である場合、グロッサー80をオンにすることが示されると共に、プリンタ機70で用いるクリアトナー版データ(クリアトナー版1)は、インバースマスクを表すものであり、後処理機90A、90Bで用いるクリアトナー版データ(各々クリアトナー版2、クリアトナー版3)は、ないことが示されている。
なお、当該インバースマスクは、例えば上述した式1により求められるものである。なお、同図に示される例は、表面効果として鏡面効果が指定された領域が、画像データによって規定される領域全体に相当する場合の例である。表面効果として鏡面効果が指定された領域が、画像データによって規定される領域の一部に相当する場合の例については後述する。
また、濃度値が「228」〜「232」であり表面効果がベタ光沢である場合、グロッサー80をオフにすることが示されていると共に、プリンタ機70で用いるクリアトナー版データ(クリアトナー版1参照)の画像データは、インバースマスク1であり、後処理機90A、90Bで用いるクリアトナー版データ(各々クリアトナー版2、クリアトナー版3)は、ないことが示されている。
なお、当該インバースマスク1は、上記式1〜式4の何れかの式により表されるものであればよい。これはグロッサー80がオフなので平滑化されるトナーの総付着量が異なるため、鏡面光沢により表面の凹凸が増え、その結果、鏡面光沢により光沢度が低いベタ光沢が得られる。また、表面効果が網点マットである場合、グロッサー80をオフにすることが示されていると共に、プリンタ機70で用いるクリアトナー版データ(クリアトナー版1参照)は、ないことが示されている。後処理機90Aで用いるクリアトナー版データ(クリアトナー版2参照)は、ハーフトーン(網点)を表すものであり、後処理機90Bで用いるクリアトナー版データ(クリアトナー版3参照)は、ないことが示されている。
また、表面効果がつや消しである場合、グロッサー80をオン又はオフのいずれにしてもよいことが示されていると共に、プリンタ機70で用いるクリアトナー版データ(クリアトナー版1参照)、及び後処理機90Aで用いるクリアトナー版データ(クリアトナー版2参照)は、なく、後処理機90Bで用いるクリアトナー版データ(クリアトナー版3参照)は、ベタマスクを表すものであることが示されている。当該ベタマスクは、例えば上述の式2により求められるものである。
そして、この表面効果選択テーブルは、上述のように、後処理機40の装置構成を示す装置構成情報に対応して定められている。
図13には、一例として、プリンタ機70と、グロッサー80、及び後処理機90Bを備えたことを示す装置構成情報に対応する、表面効果選択テーブルの一例を示した。
図13に示す表面効果選択テーブルには、優先情報(グロッサー80オン/オフ)と、プリンタ機70で用いるクリアトナー版データ(図13中、クリアトナー版1参照)と、後処理機90Bで用いるクリアトナー版データ(図13中、クリアトナー版2参照)のクリアトナー版データと、濃度値及び表面効果の種類との対応関係が示されている。
このように、後処理機40の装置構成に対応する表面効果選択テーブルは、装置構成によって互いに異なるものとなる。
図9に戻り、クリアプロセッシング56は、MIC60から受け付けた装置構成情報に対応する表面効果選択テーブルを参照して、光沢制御版データによって示される各画素値に対応付けられている表面効果を判断すると共に、グロッサー80のオン又はオフの設定や、プリンタ機70、後処理機90B、及び後処理機90Aで用いるクリアトナー版データを生成する。なお、クリアプロセッシング56は、グロッサー80のオン又はオフの設定を1ページ毎に行う。そして、クリアプロセッシング56は、クリアトナー版データを適宜生成してこれを出力すると共に、グロッサー80に対するオンオフ情報を出力する。
si3部57は、ハーフトーン処理後のCMYKの各2ビットの有色版データと、クリアプロセッシング56が生成した2ビットのクリアトナー版データとを統合し、統合した画像データをMIC60に出力する。
なお、クリアプロセッシング56は、プリンタ機70で用いるクリアトナー版データ及び後処理機90A、後処理機90Bで用いるクリアトナー版データのうち少なくとも一版を生成しない場合があるので、クリアプロセッシング56が生成した方のクリアトナー版データがsi3部57で統合される。また、両方のクリアトナー版データをクリアプロセッシング56が生成していない場合には、si3部57からはCMYKの各2ビットの有色版データが統合された画像データが出力される。この結果、DFE50からは各々2ビットの最大7版の画像データがMIC60へ送り出されることになる。また、si3部57は、クリアプロセッシング56が出力したグロッサー80に対するオンオフ情報もMIC60に出力する。
なお、詳細は後述するが、si3部57は、後述する印刷条件版データ生成部560からの要求に応じて、CMYKの各2ビットの有色版データを印刷条件版データ生成部560へ出力する。そして、si3部57は、印刷条件版データ生成部560から2ビットの合成有色版データを受け付けた場合には、ハーフトーンエンジンから受け付けたCMYKの有色版データの内、印刷条件版データ生成部560から受け付けた合成有色版データと同じ色(CMYKの内の少なくとも1つ)の有色版データを、印刷条件版データ生成部560から受け付けた合成有色版データに置換える。そして、置換えた合成有色版データを有色版データとして含む、CMYKの有色版データと、クリアプロセッシング56から受け付けたクリアトナー版データと、を統合した画像データを、MIC60に出力する(詳細後述)。
MIC60は、図14に例示されるように、DFE50から出力された画像データのうちCMYKの有色版データをプリンタ機70に出力し、プリンタ機70で用いるクリアトナー版データ(Clr−1、クリアトナー版1)がある場合にはこれもプリンタ機70に出力し、DFE50からグロッサー80のオンオフが出力された場合には該オンオフ情報を用いて、グロッサー80をオン又はオフにして、後処理機90Aで用いるクリアトナー版データ(Clr−2、クリアトナー版2)がある場合にはこれを対応する後処理機90Aに出力する。後処理機90Bで用いるクリアトナー版データ(Clr−3、クリアトナー版3)がある場合にはこれを対応する後処理機90Bに出力する。
グロッサー80は、オンオフ情報によって定着を行う経路と行わない経路とを切り替えてもよい。後処理機90A及び後処理機90Bは、各々、クリアトナー版データの有無によって接離動作の切り替えやグロッサー80と同様の経路の切り替えをしてもよい。ここで、接離動作について後処理機90Aの場合の例を簡単に説明する。クリアトナー版データ(Clr−2、クリアトナー版2)があるとき、感光体91A及び定着機91Bは記録媒体に接触し、画像を形成する。クリアトナー版データがあるとき、感光体91A及び定着機91Bは記録媒体から離れ、画像の形成は行なわない。これにより、感光体91A及び定着機91Bの消耗を低減することができる。
また、MIC60は、後処理機40として搭載されている装置構成を示す装置構成情報をDEF50に出力する。
次に、表面効果として鏡面効果が指定された領域が、画像データによって規定される領域全体に相当する場合について、本実施の形態に係る印刷システムが行う光沢制御処理の手順を説明する。DFE50は、ホスト装置49から画像データを受信すると、これを言語解釈して、ベクター形式で表現される画像データをラスター形式に変換すると共に、例えば、RGB形式で表現された色空間をCMYK形式の色空間に変換して、CMYKの各8ビットの有色版データ及び8ビットの光沢制御版データを得る。そして、DFE50は、CMYKの各8ビットの有色版データに対してキャリブレーションにより生成された1D_LUTのガンマカーブでガンマ補正を行い、ガンマ補正後の有色版データに対して、プリンタ機70に出力するためのCMYK各2ビットの有色版データのデータ形式に変換するハーフトーン処理を行い、ハーフトーン処理後のCMYKの各2ビットの有色版データを得る。また、DFE50は、8ビットの光沢制御版データを用いて、表面効果選択テーブルを参照して、光沢制御版データによって示される各画素値に対して指定された表面効果を判断する。DFE50は、光沢制御版データを構成する全ての画素について、このような判断を行う。なお、光沢制御版データにおいては、各表面効果を与える領域を構成する全ての画素について基本的に同一の範囲の濃度値を表す。このため、同一の表面効果であると判断した近傍の画素については、DFE50は、同一の表面効果を与える領域に含まれるものとして判断する。
このようにして、DFE50は、表面効果を与える領域と、当該領域に対して与える表面効果の種類とを判断する。そして、DFE50は、当該判断に応じて、グロッサー80のオン又はオフを決定すると共に、ガンマ補正後のCMYKの各8ビットの有色版データを適宜用いて、クリアトナーを付着させるための2ビットのクリアトナー版データを適宜生成する。そして、DFE50は、ハーフトーン処理後のCMYKの各2ビットの有色版データと、適宜生成した2ビットのクリアトナー版データとを統合し、統合した画像データと、決定したグロッサー80のオン又はオフを示すオンオフ情報とをMIC60に対して出力する。
ここで、表面効果の種類に応じて具体例について説明する。ここでは、光沢を与えるための鏡面光沢及びベタ光沢と、光沢を抑えるための網点マット及びつや消しとの各種類について具体的に説明する。また、ここでは、1ページ内で同一種類の表面効果が指定された場合について説明する。
DFE50のクリアプロセッシング56は、8ビットの光沢制御版データの各画素の表す濃度値を用いて、装置構成情報に対応する表面効果選択テーブル(例えば、図12参照)を参照して、濃度値が「238」〜「255」である画素に対して指定された表面効果は、鏡面光沢であると判断する。この場合、更に、DFE50のクリアプロセッシング56は、表面効果として鏡面光沢が指定された領域が、画像データによって規定される領域全体に相当するか否かを判断する。
当該判断結果が肯定的である場合、DFE50のクリアプロセッシング56は、ガンマ補正後のCMYKの各8ビットの有色版データにおいて当該領域に対応する画像データを用いて、例えば式1によりインバースマスクを生成する。当該インバースマスクを表すものが、プリンタ機70で用いるクリアトナー版データ(図12のクリアトナー版1)となる。なお、当該領域に対して後処理機90A、後処理機90Bでは、クリアトナー版データを用いないため、DFE50のクリアプロセッシング56は、後処理機90A、後処理機90Bで用いるクリアトナー版データを生成しない。
そして、DFE50のsi3部57は、プリンタ機70で用いるクリアトナー版データと、ハーフトーン処理後のCMYKの各2ビットの有色版データと統合し、統合した画像データと、グロッサー80のオンを示すオンオフ情報とをMIC60に出力する。
MIC60は、DFE50から出力された画像データであるCMYKの有色版データ及びプリンタ機70で用いるクリアトナー版データをプリンタ機70に出力し、DFE50から出力されたオンオフ情報を用いて、グロッサー80をオンにする。プリンタ機70は、MIC60から出力されたCMYKの有色版データ及びクリアトナー版データを用いて、露光器から光ビームを照射して各トナーに応じたトナー像を感光体上に形成してこれを記録媒体に転写しこれを通常温度での加熱及び加圧により定着させる。これによって記録媒体に、CMYKのトナーの他クリアトナーが付着されて、画像が形成される。その後、グロッサー80が当該記録媒体を再定着する。後処理機90A及び後処理機90Bに対しては、クリアトナー版データは出力されていないため、後処理機90A及び後処理機90Bでは、クリアトナーが付着及び定着されずに、当該記録媒体が排紙される。この結果、画像データによって規定された領域全体でCMYKの各トナー及びクリアトナーの総付着量が均一に圧縮されているため、当該領域の表面から強い光沢が得られる。
一方、表面効果として鏡面光沢が指定された領域が、画像データによって規定される領域の一部に相当する場合は次のような事態がおこりうる。まず、鏡面光沢が指定された領域には、上述したインバースマスクを表すクリアトナー版データが用いられる。しかし、それ以外の全ての画素に対してCMYKトナーの総付着値が所定以上セットされていた場合には、グロッサー80で加圧されると、結果的に、鏡面光沢が指定された領域とCMYKトナーの総付着値が所定以上セットされている領域のCMYKの各トナー及びクリアトナーの総付着量が均一になってしまう。
このため、表面効果として鏡面光沢が指定された領域が、画像データによって規定される領域の一部に相当する場合、DFE50は、画像データによって規定される領域全体に対して鏡面光沢が指定されたのと同じクリアトナー版データを生成し、プリンタ機70によって記録媒体にクリアトナーが付着、定着された後、グロッサー80で再定着する。次に、グロッサー80で再定着された記録媒体に対して表面効果として鏡面効果が指定された領域以外の領域に対してつや消しの表面効果を与えるべく、後処理機90Bで用いるクリアトナー版データを生成する。
具体的には、DFE50は、上述と同様にして式1によるインバースマスクを、プリンタ機70で用いるクリアトナー版データとして生成する。更に、DFE50は、表面効果として鏡面効果が指定された領域以外の領域に対して式2によってベタマスクを、後処理機90Bで用いるクリアトナー版データとして生成する。そして、DFE50のsi3部57は、プリンタ機70で用いるクリアトナー版データ及び後処理機90Bで用いるクリアトナー版データと、ハーフトーン処理後のCMYKの各2ビットの有色版データと統合し、統合した画像データと、グロッサー80のオンを示すオンオフ情報とをMIC60に出力する。
MIC60は、DFE50から出力された画像データのうちCMYKの有色版データ及びプリンタ機70で用いるクリアトナー版データをプリンタ機70に出力し、DFE50から出力されたオンオフ情報を用いて、グロッサー80をオンにし、DFE50から出力された画像データのうち後処理機90Bで用いるクリアトナー版データを後処理機90Bに出力する。プリンタ機70は、MIC60から出力されたCMYKの有色版データ及びクリアトナー版データを用いて、記録媒体に、CMYKのトナー及びクリアトナーを付着させた画像を形成する。その後、グロッサー80が当該記録媒体を再定着する。後処理機90Bは、MIC60から出力されたクリアトナー版データを用いてクリアトナーによるトナー像を形成して、グロッサー80を通過した記録媒体上に当該トナー像を重ねて、低温での加熱及び加圧により記録媒体に定着させる。この結果、鏡面光沢が指定された領域では、CMYKの各トナー及びクリアトナーの総付着量が均一に圧縮されているため、当該領域の表面から強い光沢が得られる。一方、鏡面光沢が指定された領域以外では、グロッサー80での再定着後にベタマスクによるクリアトナーの付着によって表面の凹凸が生じて、当該領域の表面の光沢が抑えられる。
また、DFE50のクリアプロセッシング56は、8ビットの光沢制御版データの各画素の表す濃度値を用いて、装置構成情報に対応する表面効果選択テーブルを参照して、濃度値が「212」〜「232」である画素に対して指定された表面効果は、ベタ光沢であると判断し、特に、濃度値が「228」〜「232」である画素に対しては、ベタ光沢タイプ1であると判断する。この場合、DFE50のクリアプロセッシング56は、ガンマ補正後のCMYKの各8ビットの有色版データにおいて当該領域に対応する画像データを用いて、インバースマスク1を生成する。当該インバースマスク1を表すものが、プリンタ機70で用いるクリアトナー版データとなる。なお、当該領域に対して後処理機90Bではクリアトナー版データを用いないため、DFE50は、後処理機90Bで用いるクリアトナー版データを生成しない。そして、DFE50のsi3部57は、プリンタ機70で用いるクリアトナー版データと、ハーフトーン処理後のCMYKの各2ビットの有色版データと統合し、統合した画像データと、グロッサー80のオフを示すオンオフ情報とをMIC60に出力する。MIC60は、DFE50から出力された画像データであるCMYKの有色版データ及びプリンタ機70で用いるクリアトナー版データをプリンタ機70に出力し、DFE50から出力されたオンオフ情報を用いて、グロッサー80をオフにする。
プリンタ機70は、MIC60から出力されたCMYKの有色版データ及びプリンタ機70で用いるクリアトナー版データを用いて、記録媒体に、CMYKのトナー及びクリアトナーを付着させた画像を形成する。グロッサー80はオフにされているため、その後、記録媒体は、再定着されることはない。また、後処理機90Bに対しては、クリアトナー版データは出力されていないため、後処理機90Bでは、クリアトナーが付着、定着されずに、当該記録媒体が排紙される。この結果、表面効果としてベタ光沢が指定された領域には、CMYKの各トナー及びクリアトナーの総付着量が比較的均一になり、当該領域の表面からやや強い光沢が得られる。
また、DFE50のクリアプロセッシング56は、8ビットの光沢制御版データの各画素の表す濃度値を用いて、装置構成情報に対応する表面効果選択テーブルを参照して、濃度値が「23」〜「43」である画素に対して指定された表面効果は、網点マットであると判断する。この場合、DFE50のクリアプロセッシング56は、ハーフトーンを表す画像データを、後処理機90Aで用いるクリアトナー版データとして生成する。なお、当該領域に対して、プリンタ機70と後処理機90Bではクリアトナー版データを用いないため、DFE50は、プリンタ機70と後処理機90Bで用いるクリアトナー版データを生成しない。そして、DFE50のsi3部57は、後処理機90Aで用いるクリアトナー版データと、ハーフトーン処理後のCMYKの各2ビットの有色版データと統合し、統合した画像データと、グロッサー80のオンを示すオンオフ情報とをMIC60に出力する。MIC60は、DFE50から出力された画像データであるCMYKの有色版データ及び後処理機90Aで用いるクリアトナー版データを後処理機90Aに出力し、DFE50から出力されたオンオフ情報を用いて、グロッサー80をオフにする。
プリンタ機70は、MIC60から出力されたCMYKの有色版データ及びクリアトナー版データを用いて、記録媒体に、CMYKのトナーを付着させた画像を形成する。グロッサー80はオフにされているため、その後、記録媒体は、再定着されることない。また、後処理機90Bに対してはク、リアトナー版データは出力されていないため、後処理機90Bでは、クリアトナーが付着されずに、当該記録媒体が排紙される。この結果、表面効果として網点マットが指定された領域にはクリアトナーにより網点が付加されることにより、表面の凹凸が生じて、当該領域の表面の光沢がやや抑えられる。
また、DFE50のクリアプロセッシング56は、8ビットの光沢制御版データの各画素の表す濃度値を用いて、装置構成情報に対応する表面効果選択テーブルを参照して、濃度値が「1」〜「17」である画素に対して指定された表面効果は、つや消しであると判断する。この場合、DFE50のクリアプロセッシング56は、グロッサー80のオンまたはオフは1ページ内に他の表面効果が指定されている場合(後述)はその設定に従い、オン又はオフのいずれにしても、プリンタ機70、後処理機90Aで用いるクリアトナー版データを生成せず、ベタマスクを、後処理機90Bで用いるクリアトナー版データとして生成する。そして、DFE50のsi3部57は、後処理機90Bで用いるクリアトナー版データと、ハーフトーン処理後のCMYKの各2ビットの有色版データを統合し、統合した画像データと、グロッサー80のオン又はオフを示すオンオフ情報とをMIC60に出力する。MIC60は、DFE50から出力された画像データのうちCMYKの有色版データをプリンタ機70に出力し、DFE50から出力された画像データのうち後処理機90Bで用いるクリアトナー版データを後処理機90Bに出力する。
プリンタ機70は、MIC60から出力されたCMYKの有色版データを用いて、記録媒体に、CMYKのトナーを付着させた画像を形成する。グロッサー80がオンにされた場合には、記録媒体は、グロッサー80で再定着され、グロッサー80がオフにされた場合には、記録媒体は、再定着されない。後処理機90Bは、MIC60から出力されたクリアトナー版データを用いてクリアトナーによるトナー像を形成して、グロッサー80を通過した記録媒体上に当該トナー像を重ねて、低温での加熱及び加圧により記録媒体に定着させる。この結果、表面効果としてつや消しが指定された領域には、ベタマスクによるクリアトナーの付着によって表面の凹凸が生じて、当該領域の表面の光沢が抑えられる。
上記では、1ページ内に同一の表面効果が指定された場合について説明したが、1ページ内で異なる種類の表面効果が指定された場合についても、上述した処理で同様に実現可能である。すなわち、1ページ内で複数の表面効果が指定されている場合、光沢制御版データでは、例えば、図12に示す表面効果の種類に対応する各濃度値が、各種類の表面効果を付与する領域内の画素に設定されている。すなわち、光沢制御版データでは、表面効果の種類ごとに、当該表面効果を付与する領域を指定しているため、DFE50では、この光沢制御版データにおいて、同一の濃度値が設定された画素の範囲を、同一の表面効果を付与する領域として判断すればよく、各表面効果を1ページ内で容易に実現することが可能となっている。
ここで、上述のように、印刷装置30には、後処理機40としての、グロッサー80、後処理機90A、後処理機90Bのうちの、いずれか1つ以上が搭載されている。
このため、後処理機40のうちの何れか1つ以上が搭載されていない装置構成である場合には、1ページ内で異なる種類の表面効果が指定された場合、後処理機40の全てが搭載されている場合には実現することの出来た表面効果を、実現することができない場合がある。
例えば、グロッサー80、後処理機90A、及び後処理機90Bのうちの後処理機90Aを備えない構成である場合には(図10に示す装置構成参照)、グロッサー80をオンにし、プリンタ機70でCMYKトナーと、プリンタ機70用のクリアトナー版データに応じたクリアトナーと、を記録媒体に転写した後、グロッサー80で高温高圧でプレスすることによって、鏡面光沢(PG)を実現することができる。また、グロッサー80より記録媒体の搬送方向下流側に設けられた後処理機90Bで用いるクリアトナー版データによって、つや消し(PM)を実現することができる。しかし、グロッサー80がオンの場合、図10に示す構成では、グロッサー80の後に通常定着としての後処理機90Aが搭載されていないので、該設定によって鏡面光沢(PG)及びつや消し(PM)を実現した同じ記録媒体に、ベタ光沢(G)と網点マット(M)の表面効果を実現することが出来ない。
また、後処理機40のうちの後処理機90A及び後処理機90Bの双方を備えない構成である場合には(図11に示す装置構成参照)、プリンタ機70の後段にグロッサー80のみが搭載された構成であるため、グロッサー80がオンの場合、鏡面光沢(PG)は実現できるが、同一記録媒体上にベタ光沢(G)、網点マット(M)、つや消し(PM)の表面効果は実現出来ない。
このように、後処理機40としての、グロッサー80、後処理機90A、および後処理機90Bのうち、何れか1つ以上が搭載されていない装置構成では、1ページ内で異なる種類の表面効果が指定された場合、後処理機40の装置構成によって、実現できない表面効果が発生する場合がある。
そこで、本実施の形態では、DEF50は、1ページ内で異なる種類の表面効果が指定され、且つ後処理機40の一部が搭載されていない場合には、該一部の後処理機40が搭載されていないことによって実現することの困難な表面効果を、該装置構成の印刷装置30で実現可能な表面効果に置き換える。
上記図9に戻り、このため、本実施の形態のクリアプロセッシング56は、表面効果種類判別部56D、置換部56A、及び記憶部56Bを備えている。なお、クリアプロセッシング56には、後処理機40の装置構成を示す装置構成情報が装置構成取得部58から入力される。
表面効果種類判別部56Dは、si1部52から入力された光沢制御版データを用いて、表面効果選択テーブルを参照して、光沢制御版データを構成する各画素の表す濃度値(画素値)に対する表面効果を判別する。すなわち、表面効果種類判別部56Dは、光沢制御版データ及び表面効果選択テーブルを用いて、ユーザ指定の表面効果(ユーザにより指定された領域(画素)毎の表面効果)の種類を判別する。そして、判別結果を置換部56Aへ出力する。
記憶部56Bは、表面効果選択テーブルや、設定テーブル(詳細後述)等を記憶する。なお、記憶部56Bは、後処理機40の装置構成を示す装置構成情報に対応づけて、表面効果選択テーブルを記憶する。また、記憶部56Bは、装置構成情報、及び優先情報に対応する、設定テーブルを記憶する。また、記憶部56Bは、表面効果選択テーブルを一意に識別する識別情報(表面効果選択テーブル名)を、該表面効果選択テーブルに対応付けて記憶する。また、記憶部56Bは、設定テーブルを一意に識別する識別情報(設定テーブル名)を、該設定テーブルに対応づけて記憶する。
装置構成情報とは、印刷装置30に後処理機40として搭載されている装置の種類を示す情報である。例えば、印刷装置30に後処理機40として搭載されている装置がグロッサー80のみである場合には、該装置構成情報は、グロッサー80を示す情報となる。
設定テーブルは、詳細は後述するが、1ページ内で異なる種類の表面効果が指定された場合において、装置構成に応じて(具体的には、搭載されている後処理機40の種類及び組み合わせに応じて)、ユーザ指定の表面効果のうちの、装置構成によって実現困難な種類の表面効果を実現可能な種類の表面効果に置き換えるための設定内容を格納したものである。また、設定テーブルに格納されている設定内容は、さらに、優先情報に応じて、ユーザ指定の表面効果を優先情報によって定められる表面効果に置換えるための設定内容も示す。この設定内容は、具体的には、グロッサー80のオンオフの設定や、後処理機90Aや後処理機90Bで用いるクリアトナー版データの種類を示している。
より具体的には、設定テーブルは、ユーザ指定の表面効果の種類と、実際に得られる表面効果の種類と、上記設定内容と、を対応づけて格納している。
例えば、記憶部56Bは、装置構成情報(後処理機40(グロッサー80、後処理機90A、後処理機90B)が全て搭載されている装置構成を示す装置構成情報、後処理機40としてグロッサー80及び後処理機90Bが搭載されている装置構成を示す装置構成情報、及び後処理機40としてグロッサー80が搭載されている装置構成を示す装置構成情報の各々)と、優先情報(光沢優先または種類優先)と、に対応する設定テーブルを記憶する。
具体的には、記憶部56Bは、後処理機40の全て(グロッサー80、後処理機90A、後処理機90B)が搭載されている装置構成を示す装置構成情報、及び優先情報「光沢優先」に対応する設定テーブルとして、図15に示す設定テーブルを記憶する。
図15には、一例として後処理機40(グロッサー80、後処理機90A、後処理機90B)が全て搭載されている装置構成情報、及び優先情報「光沢優先」に対応する、設定テーブルを示した。
図15に示す設定テーブルには、優先情報「光沢優先」を実現するための設定内容として、グロッサー80をオンとすることが示されている。
また、該設定テーブルには、光沢制御版データによって判別されたユーザ指定の表面効果がPG(鏡面光沢)であると判別された領域についてはPG(鏡面光沢)を実現するための設定内容として、プリンタ機70で用いるクリアトナー版データを“INV−1”(図12のインバースマスクA、B、Cのいずれかが該当する)とし、後処理機90A及び後処理機90Bで用いるクリアトナー版データを“no data”(データ無し)とすることが示されている。そして、この設定とすることによって、ユーザ指定の表面効果であるPG(鏡面光沢)に対して、該構成の印刷装置30において、PG(鏡面光沢)が得られることが示されている。
また、図15に示す設定テーブルには、光沢制御版データによって判別されたユーザ指定の表面効果がG(ベタ光沢)であると判別された領域についてはG(ベタ光沢)を実現するための設定内容が示されている。該設定内容としては、図15に示すように、ユーザ指定の表面効果がG(ベタ光沢)である領域については、プリンタ機70で用いるクリアトナー版データを“INV−m” (図12のインバースマスク1から4のいずれかが該当する)とし、後処理機90Aで用いるクリアトナー版データを“ベタ”とし、後処理機90Bで用いるクリアトナー版データを“no data”(データ無し)とすることが示されている。そして、この設定とすることによって、ユーザ指定の表面効果であるG(ベタ光沢)に対して、該構成の印刷装置30において、G(ベタ光沢)が得られることが示されている。
また、図15に示す設定テーブルには、光沢制御版データによって判別されたユーザ指定の表面効果がM(網点マット)であると判別された領域についてはM(網点マット)を実現するための設定内容が示されている。該設定内容としては、図15に示すように、ユーザ指定の表面効果がM(網点マット)である領域については、プリンタ機70で用いるクリアトナー版データを“no data”(データ無し)とし、後処理機90Aで用いるクリアトナー版データを“halftone−n”とし、後処理機90Bで用いるクリアトナー版データを“no data”(データ無し)とすることが示されている。そして、この設定とすることによって、ユーザ指定の表面効果であるM(網点マット)に対して、該構成の印刷装置30において、M(網点マット)が得られることが示されている。
また、図15に示す設定テーブルには、光沢制御版データによって判別されたユーザ指定の表面効果がPM(つや消し)であると判別された領域についてはPM(つや消し)を実現するための設定内容が示されている。該設定内容としては、図15に示すように、ユーザ指定の表面効果がPM(つや消し)である領域については、プリンタ機70で用いるクリアトナー版データを“no data”(データ無し)とし、後処理機90Aで用いるクリアトナー版データを“no data”(データ無し)とし、後処理機90Bで用いるクリアトナー版データを“ベタ”とすることが示されている。そして、この設定とすることによって、ユーザ指定の表面効果であるPM(つや消し)に対して、該構成の印刷装置30において、PM(つや消し)が得られることが示されている。
図16には、一例として、グロッサー80、後処理機90Bが後処理機40として搭載されている装置構成情報、及び優先情報「光沢優先」に対応する、設定テーブルを示した。
図16に示す設定テーブルには、光沢制御版データによって判別されたユーザ指定の表面効果がG(ベタ光沢)であると判別された領域についてはPG(鏡面光沢)に置き換え、ユーザ指定の表面効果がM(網点マット)であると判別された領域についてはPM(つや消し)に表面効果の種類を置き換えることが示されている。そして、その他の表面効果(PG及びPM)については、ユーザ指定の表面効果のままとすることが示されている。
また、図16に示すクリアトナー版データの設定テーブルには、上記優先情報(光沢優先)を実現するための設定内容として、グロッサー80をオンにすることを示す情報、及び各ユーザ指定の表面効果に対応する、プリンタ機70及び後処理機90Bの各々で用いるクリアトナー版データが示されている。
具体的には、図16に示す設定テーブルには、優先情報「光沢優先」を実現するための設定内容として、グロッサー80をオンとすることが示されている。また、ユーザ指定の表面効果がPG(鏡面光沢)である領域については、PG(鏡面光沢)を実現するための設定内容が示されている。該設定内容としては、図16に示すように、ユーザ指定の表面効果がPG(鏡面光沢)である領域については、プリンタ機70で用いるクリアトナー版データを“INV−1”(図13のインバースマスクA、B、Cのいずれかが該当する)とし、後処理機90Bで用いるクリアトナー版データを“no data”(データ無し)とすることが示されている。そして、この設定とすることによって、ユーザ指定の表面効果であるPG(鏡面光沢)に対して、該構成(後処理機90Aを備えない構成)の印刷装置30において、PG(鏡面光沢)が得られることが示されている。
また、図16に示す設定テーブルは、ユーザ指定の表面効果がG(ベタ光沢)である領域については、該設定テーブルに対応する装置構成では実現できないG(ベタ光沢)に替えて、該装置構成で実現可能なPG(鏡面光沢)を実現するための設定内容が示されている。該設定内容としては、図16に示すように、ユーザ指定の表面効果がG(ベタ光沢)である領域については、プリンタ機70で用いるクリアトナー版データを“INV−m”(図13のインバースマスク1から4のいずれかが該当する)とし、グロッサー80をオンにし、後処理機90Bで用いるクリアトナー版データを“no data”(データ無し)とすることが示されている。そして、この設定とすることによって、ユーザ指定の表面効果であるG(ベタ光沢)に対して、該表面効果Gを、実現可能なPG(鏡面光沢)に置き換えることが示されている。
同様に、図16に示す設定テーブルは、ユーザ指定の表面効果がM(網点マット)である領域については、該設定テーブルに対応する装置構成では実現できないM(網点マット)に替えて、該装置構成で実現可能なPM(つや消し)を実現するための設定内容が示されている。該設定内容としては、図16に示すように、ユーザ指定の表面効果がM(網点マット)である領域については、プリンタ機70で用いるクリアトナー版データを“no data”(データ無し)とし、グロッサー80をオンにし、後処理機90Bで用いるクリアトナー版データを“ベタ”とすることが示されている。そして、このように設定することによって、ユーザ指定の表面効果であるM(網点マット)に対して、該表面効果Mを、該装置構成で実現可能なPM(つや消し)に置き換えることが示されている。
そして、さらに、図16に示す設定テーブルは、ユーザ指定の表面効果がPM(つや消し)である領域については、プリンタ機70で用いるクリアトナー版データを“no data”(データ無し)とし、グロッサー80をオンにし、後処理機90Bで用いるクリアトナー版データを“ベタ”とすることが示されている。そして、このように設定することによって、ユーザ指定の表面効果であるPM(つや消し)に対して、該構成(後処理機90Aを備えない構成)の印刷装置30において、表面効果PMが得られることが示されている。
図17には、一例として、後処理機40(グロッサー80、後処理機90A、後処理機90B)のうちの、後処理機90A及び後処理機90Bが搭載されていない装置構成を示す装置構成情報、及び優先情報「光沢優先」に対応する設定テーブルを示した。
図17に示す設定テーブルには、優先情報「光沢優先」を実現するための設定内容として、グロッサー80をオンとすることが示されている。また、該設定テーブルには、光沢制御版データによって判別されたユーザ指定の表面効果がPG(鏡面光沢)と判別された領域については、そのままPGとすることが示されている。そして、ユーザ指定の表面効果がG(ベタ光沢)であると判別された領域についてはPG(鏡面光沢)に置き換え、ユーザ指定の表面効果がM(網点マット)及びPM(つや消し)であると判別された領域についてはG(ベタ光沢)に置き換えることが示されている。
また、図17に示す設定テーブルには、上記表面効果を実現するための設定内容として、各ユーザ指定の表面効果に対応する、プリンタ機70で用いるクリアトナー版データが示されている。
具体的には、図17に示す設定テーブルには、ユーザ指定の表面効果がPG(鏡面光沢)である領域については、該設定テーブルに対応する装置構成で実現可能なPG(鏡面光沢)を実現するための設定内容が示されている。該設定内容としては、図17に示すように、ユーザ指定の表面効果がPG(鏡面光沢)である領域については、プリンタ機70で用いるクリアトナー版データを“INV−1”(インバースマスクAからCのいずれかが該当)とすることが示されている。そして、この設定とすることによって、ユーザ指定の表面効果であるPG(鏡面光沢)に対して、該構成(後処理機90A及び後処理機90Bを備えない構成)の印刷装置30において、PG(鏡面光沢)が得られることが示されている。
また、図17に示す設定テーブルは、ユーザ指定の表面効果がG(ベタ光沢)である領域については、該設定テーブルに対応する装置構成では実現できないG(ベタ光沢)に替えて、該装置構成で実現可能なPG(鏡面光沢)を実現するための設定内容が示されている。該設定内容としては、図17に示すように、ユーザ指定の表面効果がG(ベタ光沢)である領域については、プリンタ機70で用いるクリアトナー版データを“INV−m”(インバースマスク1から4のいずれかが該当)とすることが示されている。そして、この設定とすることによって、ユーザ指定の表面効果であるG(ベタ光沢)に対して、該表面効果GをPG(鏡面光沢)に置き換えることが示されている。
同様に、図17に示す設定テーブルは、ユーザ指定の表面効果がM(網点マット)である領域については、該設定テーブルに対応する装置構成では実現できないM(網点マット)に替えて、該装置構成で実現可能なG(ベタ光沢)を実現するための設定内容が示されている。該設定内容としては、図17に示すように、ユーザ指定の表面効果がM(網点マット)である領域については、プリンタ機70で用いるクリアトナー版データを“no data”(データ無し)とすることが示されている。そして、このように設定することによって、ユーザ指定の表面効果であるM(網点マット)に対して、該表面効果Mを該装置構成で実現可能なG(ベタ光沢)に置き換えることが示されている。
そして、さらに、図17に示す設定テーブルは、ユーザ指定の表面効果がPM(つや消し)である領域については、該設定テーブルに対応する装置構成では実現できないPM(つや消し)に替えて、該装置構成で実現可能なG(ベタ光沢)を実現するための設定内容が示されている。該設定内容としては、図17に示すように、ユーザ指定の表面効果がPM(つや消し)である領域については、プリンタ機70で用いるクリアトナー版データを“no data”(データ無し)とすることが示されている。そして、このように設定することによって、ユーザ指定の表面効果であるPM(つや消し)に対して、該構成の印刷装置30において実現可能な表面効果G(ベタ光沢)が得られることが示されている。
また、記憶部56Bは、後処理機40としてグロッサー80と後処理機90Bの搭載されている装置構成を示す装置構成情報、及び優先情報「種類優先」に対応する設定テーブルとして、図18に示す設定テーブルを記憶する。
図18に示す設定テーブルには、優先情報「種類優先」を実現するための設定内容として、グロッサー80をオフにすることが示されている。また、該設定テーブルには、プリンタ機70及び後処理機90Bの各々で用いるクリアトナー版データが示されている。
具体的には、図18に示す設定テーブルには、ユーザ指定の表面効果がPG(鏡面光沢)である領域については、プリンタ機70で用いるクリアトナー版データを“INV−1”とし、後処理機90Bで用いるクリアトナー版データを“no data”(データ無し)にすることが示されている。そして、この設定とすることによって、ユーザ指定の表面効果であるPG(鏡面光沢)に対して、印刷装置30においてG(ベタ光沢)が得られることが示されている。
また、図18に示す設定テーブルは、ユーザ指定の表面効果がG(ベタ光沢)である領域については、プリンタ機70で用いるクリアトナー版データを“INV−m”とし、後処理機90Bで用いるクリアトナー版データを“no data”(データ無し)とすることが示されている。そして、この設定とすることによって、ユーザ指定の表面効果であるG(ベタ光沢)に対して、該表面効果Gが得られることが示されている。
同様に、図18に示す設定テーブルは、ユーザ指定の表面効果がM(網点マット)である領域については、プリンタ機70で用いるクリアトナー版データを“halftone−n”とし、後処理機90Bで用いるクリアトナー版データを“no data”(データ無し)とすることが示されている。そして、このように設定することによって、ユーザ指定の表面効果であるM(網点マット)に対して、該表面効果Mが得られることが示されている。
そして、さらに、図18に示す設定テーブルは、ユーザ指定の表面効果がPM(つや消し)である領域については、プリンタ機70で用いるクリアトナー版データを“no data”(データ無し)とし、後処理機90Bで用いるクリアトナー版データを“ベタ”(図10のベタA、B、Cのいずれかが該当する)とすることが示されている。そして、このように設定することによって、ユーザ指定の表面効果であるPM(つや消し)に対して、該表面効果PMが得られることが示されている。
また、記憶部56Bは、後処理機40としてグロッサー80のみの搭載されている装置構成を示す装置構成情報、及び光沢効果「種類優先」に対応する設定テーブルとして、図19に示す設定テーブルを記憶する。
図19に示す設定テーブルには、優先情報「種類優先」を実現するための設定内容として、グロッサー80をオフとすることが示されている。また、該設定テーブルには、光沢制御版データによって判別されたユーザ指定の表面効果がPG(鏡面光沢)である領域についてはG(ベタ光沢)に置き換え、ユーザ指定の表面効果がPM(つや消し)であると判別された領域についてはM(網点マット)に置き換えることが示されている。
そして、図19に示す設定テーブルには、上記表面効果を実現するための設定内容として、プリンタ機70で用いるクリアトナー版データが示されている。
具体的には、図19に示す設定テーブルには、優先情報「種類優先」を実現するための設定内容として、グロッサー80をオフとすることが示されている。また、該設定テーブルには、ユーザ指定の表面効果がPG(鏡面光沢)である領域については、プリンタ機70で用いるクリアトナー版データを“INV−1”とすることが示されている。そして、この設定とすることによって、ユーザ指定の表面効果であるPG(鏡面光沢)に対して、印刷装置30においてG(ベタ光沢)が得られることが示されている。
また、図19に示す設定テーブルは、ユーザ指定の表面効果がG(ベタ光沢)である領域については、プリンタ機70で用いるクリアトナー版データを“INV−m”とすることが示されている。そして、この設定とすることによって、ユーザ指定の表面効果であるG(ベタ光沢)に対して、該表面効果Gが得られることが示されている。
同様に、図19に示す設定テーブルは、ユーザ指定の表面効果がM(網点マット)である領域については、プリンタ機70で用いるクリアトナー版データを“halftone−n”とすることが示されている。そして、このように設定することによって、ユーザ指定の表面効果であるM(網点マット)に対して、該表面効果Mが得られることが示されている。
そして、さらに、図19に示す設定テーブルは、ユーザ指定の表面効果がPM(つや消し)である領域については、プリンタ機70で用いるクリアトナー版データを“no data”(データ無し)とすることが示されている。そして、このように設定することによって、ユーザ指定の表面効果であるPM(つや消し)に対して、該表面効果PMを表面効果M(網点マット)に置き換えることが示されている。
図15〜図19に示すように、記憶部56Bは、後処理機40の装置構成を示す装置構成情報及び優先情報に対応する、設定テーブルを記憶する。
図9に戻り、置換部56Aは、表面効果種類判別部56Dから受け付けた、ユーザ指定の表面効果の種類と、UI部59からから受け付けた「光沢優先」または「種類優先」を示す優先情報と、に対応する設定テーブルを、記憶部56Bから読み取る。そして、置換部56Aは、読み取った設定テーブルに基づいて、si1部52から受け付けた光沢制御版データによって示される表面効果を与える領域の表面効果の種類を、印刷装置30で実現可能であり且つ優先情報に応じた表面効果の種類に置き換える。具体的には、装置構成取得部58から受け付けた装置構成情報、及びUI部59から受け付けた優先情報に対応する設定テーブルに基づいた光沢制御処理(後述)を行うことによって、置換部56Aは、印刷装置30で実現可能であり且つ優先情報に応じた種類の表面効果が得られるように、グロッサー80のオンオフを設定する。また、置換部56Aは、この装置構成情報及び優先情報に対応する設定テーブル、及び装置構成情報に対応する表面効果選択テーブルに基づいてクリアトナー版データを生成する。これによって、置換部56Aは、印刷装置30で実現可能な種類で、且つ優先情報に応じた表面効果が得られるように、装置構成情報によって特定される、プリンタ機70、後処理機90A、及び後処理機90Bの少なくとも一つで用いるクリアトナー版データを生成する。
これによって、置換部56Aは、読み取った設定テーブルに基づいて、表面効果種類判別部56Dから受け付けたユーザ指定の表面効果の種類を、印刷装置30で実現可能で且つ優先情報に応じた表面効果の種類に置き換える。すなわち、置換部56Aは、装置構成、及び優先情報に応じて、印刷装置30で実現可能な種類の表面効果が得られるようにクリアトナー版データを生成する。
DFE50には、UI部59が設けられている。UI部59は、各種情報の表示や各種指示の受け付けを行う。本実施の形態では、UI部59には、図20に示す優先情報の選択として、光沢効果の選択を、ユーザに対して促すための選択画面22Aが表示される。本実施の形態では、「光沢優先」及び「種類優先」の何れかをユーザが選択するための選択画面22AがUI部59に表示される。
そして、ユーザがUI部59における選択ボタン(図示省略)の表示箇所を指示することによって、「光沢優先」及び「種類優先」の何れかが選択された後に、UI部59に表示されている決定ボタン(図示省略)の表示箇所が指示される。これによって、UI部59からクリアプロセッシング56の置換部56Aに、ユーザによって指示された「光沢優先」または「種類優先」を示す優先情報が出力される。
なお本実施の形態では、UI部59がDEF50に設けられている場合を説明するが、UI部59は、DEF50に画像データを入力するパソコンに設けられていてもよい。すなわち、DEF50は、「光沢優先」または「種類優先」を示す優先情報を、該パソコンから受け付けてもよい。
図9に戻り、本実施の形態では、DFE50は、印刷条件版データ生成部560を備えている。
印刷条件版データ生成部560は、クリアトナーを記録媒体に付着させるときの印刷条件を示す有色の画像を特定した画像データである、印刷条件版データを生成する。また、本実施の形態では、さらに、印刷条件版データ生成部560は、合成有色版データを生成する。印刷条件版データは、詳細には、印刷条件を示す有色の画像を構成する画素毎に、CMYK等の有色の濃度値を規定した画像データである。合成有色版データは、印刷条件版データと、ホスト装置49から受け付けた印刷データに含まれる有色版データと、を合成した合成データである(詳細後述)。
印刷条件版データ生成部560は、取得部560X、読取部560E、判別部560F、第1生成部560G、及び第2生成部560Hを備える。
取得部560Xは、有色版データと、特色版データと、を含む第1データを取得する。本実施の形態では、第1データは、クリアトナーを記録媒体に付与するときの印刷条件に関する情報を導出するための情報を更に含む。
本実施の形態では、クリアトナーを記録媒体に付与するときの印刷条件に関する情報は、後処理機40の装置構成情報、「光沢優先」または「種類優先」を示す優先情報、装置構成情報及び優先情報に対応する設定テーブルの識別情報、装置構成情報に対応する表面効果選択テーブルの識別情報、特色版データによって特定される特色領域を示す情報(形成位置や種類)等を含む。
さらに、第1データは、有色トナーを記録媒体に付与するときの印刷条件に関する情報を導出するための情報を更に含んでいてもよい。この有色トナーを記録媒体に付与するときの印刷条件に関する情報としては、上述したように印刷日時、ホスト装置49が有色版データを外部装置から受け付けたときの該有色版データを含む印刷ジョブのジョブ名、該印刷ジョブをホスト装置49へ送信したユーザ名、プリンタ機70の名称、プリンタ機70の機種名、プリンタ機70の最終調整日時、周辺機器構成、プリンタの設定、集約の設定、両面の設定などがあるが、これらに限られない。
本実施の形態では、取得部560Xは、第1取得部560A、第2取得部560B、第3取得部560C、第4取得部560Dを含む。
第1取得部560Aは、装置構成取得部58から、後処理機40の装置構成情報を取得する。第2取得部560Bは、レンダリングエンジン51から、レンダリングエンジン51で取得した画像データに含まれる、ベクター形式の有色版データ、ベクター形式の特色版データ(クリア版データ、光沢制御版データ)、及びジョブコマンドを取得する。
第3取得部560Cは、置換部56Aから、置換部56Aで該光沢制御版データの表面効果の種類の置換えに用いた設定テーブルを一意に識別する識別情報と、該設定テーブルによって示される置換規則を取得する。なお、560Cは、該設定テーブルを更に取得してもよい。置換規則とは、該設定テーブルによって示される、表面効果の置換えの規則を示す情報である。すなわち、置換規則とは、該設定テーブルに示される、光沢制御版データに示されるユーザ指定の表面効果の種類に対応する、置換後の、印刷装置30で実現可能で且つ優先情報に応じた表面効果の種類を示す。
第4取得部560Dは、UI部59から、「光沢優先」または「種類優先」を示す優先情報を受け付ける。なお、第4取得部560Dは、クリアプロセッシング56から、設定テーブルの選択に用いた優先情報を受け付けてもよい。
読取部560Eは、第1取得部560Aで受け付けた装置構成情報に対応する、表面効果選択テーブルを記憶部56Bから読み取る。このとき、読取部560Eは、該表面効果選択テーブルを一意に識別する識別情報を読取ってもよい。
判別部560Fは、レンダリングエンジン51から受け付けた特色版データによって特定される、クリアトナーを付与する領域の種類と、各領域の位置と、を判別する。詳細には、判別部560Fは、光沢制御版データによって示される、表面効果を与える各領域(描画オブジェクト)を示す情報と、各領域の濃度値によって示される表面効果の種類を、第3取得部560Cで取得した置換規則に基づいて、印刷装置30で実現可能で且つ優先情報に応じた表面効果の種類に置換える。これによって、判別部560Fは、該光沢制御版データによって特定される表面効果を与える領域について、記録媒体上で実現される表面効果の種類を、表面効果を付与する領域(描画オブジェクト)毎に判別する。
また、判別部560Fは、レンダリングエンジン51から受け付けたクリア版データによって示される、透明画像を形成する各領域を示す情報を、透明画像を形成する領域(描画オブジェクト)毎に抽出する。これによって、判別部560Fは、クリア版データによって特定される透明画像の形成領域を、透明画像の領域(描画オブジェクト)毎に判別する。
以上によって、判別部560Fは、レンダリングエンジン51から受け付けた特色版データ(クリア版データ、光沢制御版データ)によって示される、特色領域の形成位置及び種類を描画オブジェクト毎に判別する。
第1生成部560Gは、印刷条件データを生成する。具体的には、第1生成部560Gは、取得部560Xで取得した、第1データに基づいて、クリアトナーを記録媒体に付与するときの印刷条件に関する情報を示す画像データ(例えば、テキストデータ)を生成する。
例えば、第1生成部560Gは、クリアトナーを記録媒体に付与するときの印刷条件に関する情報として、後処理機40の装置構成情報、「光沢優先」または「種類優先」を示す優先情報、装置構成情報及び優先情報に対応する設定テーブルの識別情報、装置構成情報に対応する表面効果選択テーブルの識別情報、特色版データによって特定される特色領域を示す情報(形成位置や種類)等の内の少なくとも1つを文字画像等で示す画像データを生成する。
さらに、第1生成部560Gは、有色トナーを記録媒体に付与するときの印刷条件に関する情報を併せて生成してもよい。この場合には、第1生成部560Gは、有色トナーを記録媒体に付与するときの印刷条件に関する情報として、第2取得部560Bで取得したジョブコマンドに含まれる、印刷日時、ホスト装置49が有色版データを外部装置から受け付けたときの該有色版データを含む印刷ジョブのジョブ名、該印刷ジョブをホスト装置49へ送信したユーザ名、プリンタ機70の名称、プリンタ機70の機種名、プリンタ機70の最終調整日時、周辺機器構成、プリンタの設定、集約の設定、及び両面の設定等の情報の少なくとも1つを、文字画像等で示す画像データを生成する。
また、第1生成部560Gは、レンダリングエンジン51から受け付けたベクター形式の有色版データを解析し、該有色版データによって示される描画オブジェクト毎に、位置座標を取得する。次に、第1生成部560Gは、有色版データによって示される描画オブジェクトとしての各有色領域の、記録媒体上での位置を対応する位置座標に基づいて把握し、形成対象の記録媒体上に生じる余白領域を、印刷条件の形成位置として算出する。
図21は、有色版データによって示される各描画オブジェクトと、位置座標と、を示すデータである。第1生成部560Gが、有色版データによって示される各描画オブジェクトに対応する位置座標として、図21に示す位置座標を取得したとする。図22は、有色版データによって示される、余白領域の一例を示す模式図である。図21に示すように、第1生成部560Gは、有色版データによって示される、取得した各描画オブジェクトに対応する位置座標と、形成対象の記録媒体の大きさと、から、記録媒体上に生じる余白領域(図22中、左余白P1、右余白P2、上余白P3、下余白P4)を、印刷条件の形成位置として算出する。
なお、第1生成部560Gは、ホスト装置49から受け付けた印刷データに含まれる有色版データによって特定される有色領域の形成される記録媒体上の領域に、少なくとも一部が重なる領域を、印刷条件の形成位置として算出してもよい。
図9に戻り、なお、ジョブコマンドは、形成対象の記録媒体の大きさや印刷向きを示す情報も含むものとし、第1生成部560Gは、レンダリングエンジン51から受け付けたジョブコマンドを解析することで、形成対象の記録媒体の大きさ等を取得すればよい。
そして、第1生成部560Gは、生成した、クリアトナーを記録媒体に付与するときの印刷条件に関する情報、及び有色版データによって特定される有色画像を有色トナーで記録媒体に付与するときの印刷条件に関する情報を、有色トナーで記録媒体に形成するための印刷条件版データを生成する。なお、記録媒体に形成する印刷条件に関する情報は、少なくとも、クリアトナーを記録媒体に付与するときの印刷条件に関する情報を含めばよい。
第1生成部560Gでは、例えば、印刷条件に関する情報を記録媒体に形成したときの位置が上記余白領域内となるように、印刷条件に関する情報を示す画像の形成領域を定め、該形成領域に上記印刷条件を示す有色の画像の濃度値を設定することで、印刷条件版データを生成する。なお、印刷条件版データは、CMYKの少なくとも1つの有色トナーを付与するための画像データとして形成する。例えば、印刷条件に関する情報を、CMYKの内の、1種類の有色トナーを用いて記録媒体に形成する場合には、第1生成部560Gでは、印刷条件を示す有色の画像をCMYKの何れかの色及び濃度値を示した印刷条件版データを生成すればよい。また、CMYKの内の、2種類以上の有色トナーを用いて印刷条件に関する情報を記録媒体に形成する場合には、第1生成部560Gでは、印刷条件に関する情報を、CMYKの何れか2種類以上の色及び濃度値で示す印刷条件版データを、各種類の色毎に生成すればよい。何れの色を用いて印刷条件に関する情報を記録媒体に形成するかは、予め第1生成部560Gで設定すればよい。
なお、本実施の形態では、一例として、第1生成部560Gは、各画素の濃度値を8ビットで示した、8ビットの印刷条件データを生成する。
第2生成部560Hは、第1生成部560Gで生成した8ビットの印刷条件版データから、2ビットの印刷条件版データを生成する。また、第2生成部560Hは、si3部57がハーフトーンエンジン55から受け付けたCMYKの2ビットの有色版データを、si3部57から受信する。そして、第2生成部560Hは、2ビットの印刷条件版データと、CMYKの2ビットの有色版データの内、該2ビットの印刷条件版データと同じ色(有色トナーの色)を規定した有色版データと、を合成した合成有色版データを生成する。
そして、第2生成部560Hは、生成した合成有色版データを、si3部57へ出力する。
si3部57では、上述したように、印刷条件版データ生成部560からの要求に応じて、CMYKの各2ビットの有色版データを印刷条件版データ生成部560へ出力する。そして、si3部57は、印刷条件版データ生成部560から2ビットの合成有色版データを受け付けた場合には、ハーフトーンエンジン55から受け付けたCMYKの有色版データの内、印刷条件版データ生成部560から受け付けた合成有色版データと同じ色(CMYKの内の少なくとも1つ)の有色版データを、印刷条件版データ生成部560から受け付けた合成有色版データに置換える。そして、置換えた合成有色版データを有色版データとして含む、CMYKの有色版データと、クリアプロセッシング56から受け付けたクリアトナー版データと、を統合した画像データを、MIC60に出力する(詳細後述)。
次に、本実施の形態に係る印刷システムが行う光沢制御処理の手順について図23を用いて説明する。
DFE50は、ホスト装置49から画像データを受信すると(ステップS1)、これを言語解釈して、ベクター形式で表現される画像データをラスター形式に変換すると共に、RGB形式等で表現された色空間をCMYK形式等の色空間に変換して、CMYKの各8ビットの有色版データ、8ビットの光沢制御版データ、及び8ビットのクリア版データを得る(ステップS2)。
そして、DFE50は、CMYKの各8ビットの有色版データに対してキャリブレーションにより生成された1D_LUTのガンマカーブでガンマ補正を行い、ガンマ補正後の画像データに対して、プリンタ機70に出力するための、例えば、CMYK各2ビットの有色版データのデータ形式に変換するハーフトーン処理を行い、ハーフトーン処理後のCMYKの各2ビットの有色版データを得る(ステップS3)。
次に、クリアプロセッシング56の装置構成取得部58が、装置構成取得部58から装置構成情報を取得する装置構成情報取得処理を実行する(ステップS4)。装置構成取得部58は取得した装置構成情報をクリアプロセッシング56へ出力する。
図24には、ステップS4における装置構成情報取得処理を示した。
まず、装置構成取得部58は、初期設定として、グロッサーフラグ、後処理機90Aフラグ、後処理機90Bフラグを全てオフにする(ステップS100)。装置構成取得部58は、MIC60に、印刷装置30にグロッサー80が搭載されているか否かの問い合わせ信号を出力する。そして、MIC60から問い合わせ結果を示す信号を受け付けると、グロッサー80が搭載されているか否かを判別する(ステップS101)。そして、グロッサー80が搭載されていると判別した場合には(ステップS101:Yes)、装置構成取得部58は、グロッサー80搭載有りを示す内部フラグをオンにする(ステップS102)。
グロッサー80が搭載されていないと判別した場合には(ステップS101:No)、ステップS103へ進む。また上記ステップS102の処理後もステップS103へ進む。次に、装置構成取得部58は、MIC60に、印刷装置30に、通常定着処理機としての後処理機90Aが搭載されているか否かの問い合わせ信号を出力する。そして、MIC60から問い合わせ結果を示す信号を受け付けると、後処理機90Aが搭載されているか否かを判別する(ステップS103)。そして、後処理機90Aが搭載されていると判別した場合には(ステップS103:Yes)、装置構成取得部58は、後処理機90Aの搭載有りを示す内部フラグをオンにする(ステップS104)。
後処理機90Aが搭載されていないと判別した場合には(ステップS103:No)、ステップS105へ進む。また上記ステップS104の処理後もステップS105へ進む。次に、装置構成取得部58は、MIC60に、印刷装置30に、低温定着処理機としての後処理機90Bが搭載されているか否かの問い合わせ信号を出力する。そして、MIC60から問い合わせ結果を示す信号を受け付けると、後処理機90Bが搭載されているか否かを判別する(ステップS105)。そして、後処理機90Bが搭載されていると判別した場合には(ステップS105:Yes)、装置構成取得部58は、後処理機90Bの搭載有りを示す内部フラグをオンにする(ステップS106)。
そして、後処理機90Bが搭載されていないと判別した場合には(ステップS105:No)、本ルーチンを終了する。また上記ステップS106の処理後も、本ルーチンを終了する。
図23へ戻り、次に、表面効果種類判別部56Dが、上記ステップS2で得た8ビットの光沢制御版データを用いて、光沢制御版データによって示される各画素値に対して指定された表面効果の種類を判別する(ステップS5)。詳細には、表面効果種類判別部56Dは、装置構成取得部58から取得した装置構成情報に対応する表面効果選択テーブルを記憶部56Bから読み取り、読み取った表面効果選択テーブルを参照して、該8ビットの光沢制御版データを用いて、光沢制御版データによって示される各画素値に対して指定された表面効果の種類を判別する。そして、表面効果種類判別部56Dは、光沢制御板を構成する全ての画素について、このような判断を行う。
次に、置換部56Aは、優先情報を記憶部56Bから読み取る(ステップS6)。ステップS6の処理によって、置換部56Aは、種類優先、または光沢優先、の何れかの優先情報を読み取る。
なお、上述のように、上記UI部59がユーザによって操作指示されて、選択画面22Aを介して光沢優先または種類優先を示す信号がクリアプロセッシング56の置換部56Aに出力される。この光沢優先または種類優先を示す信号を受け付けた置換部56Aは、該信号を受け付けたときに、該信号を記憶部56Bに記憶するものとする。そして、置換部56Aは、新しくUI部59から該信号を受け付ける度に、該信号を記憶部56Bに上書きして記憶するものとする。
そして、ステップS6の処理時には、置換部56Aは、該信号を記憶部56Bから読み取ることによって、優先情報としての、光沢優先または種類優先を示す信号を読み取る。
次に、置換部56Aは、ステップS4で取得した装置構成情報、及びステップS6で読み取った優先情報に対応する設定テーブルを、記憶部56Bから読み取る(ステップS7)。
次に、置換部56Aは、ステップS7で読み取った設定テーブルに基づいて、置換処理、すなわち装置構成によって実現困難な種類の表面効果を、優先情報に応じた実現可能な種類の表面効果に置き換えたクリアトナー版データの生成及びグロッサー80のオンオフの設定を行う(ステップS8)。
そして、このステップS8において、置換部56Aは、上記ステップS6で読み取った優先情報が光沢優先を示す信号である場合には、グロッサー80のオンを示す情報と、上記ステップS4で取得した装置構成情報と、の双方に対応する設定テーブルを用いて、置換処理を行う。一方、このステップS8において、置換部56Aは、上記ステップS6で読み取った優先情報が種類優先を示す信号である場合には、グロッサー80のオフを示す情報と、上記ステップS4で取得した装置構成情報と、の双方に対応する設定テーブルを用いて、置換処理を行う。
図25には、装置構成情報として、グロッサー80及び後処理機90Bの搭載を示す装置構成情報(すなわち、図10の構成を示す装置構成情報)を上記ステップS4で取得し、優先情報として「光沢優先」をステップS6で取得した場合の置換処理を示した。
この場合、置換部56Aは、グロッサー80及び後処理機90Bのみが後処理機40として設けられている事を示す装置構成情報及び「光沢優先」の優先情報に対応する設定テーブルを読み取る。例えば、置換部56Aは、該装置構成情報に対応する設定テーブルとして、図16に示す設定テーブルを読み取る。その後、置換部56Aは、置換処理として、図25に示す処理を実行する。図25には、図16に示す設定テーブルを読み取った場合の置換処理を示した。
図16に示すように、置換部56Aは、該読み取った設定テーブルに示されるグロッサー80のオンオフを示す情報が「オン」であることから、グロッサー80をオンに設定する(図示省略)。そして、置換部56Aは、プリンタ機70で用いるクリアトナー版データ(クリアトナー版1)として、ユーザ指定の表面効果が鏡面光沢(PG)である領域についてはINV−1、ユーザ指定の表面効果がベタ光沢(G)である領域についてはINV−mのクリアトナー版データを生成する。また、置換部56Aは、ユーザ指定の表面効果が網点マット(M)及びつや消し(PM)である領域についてはno data(データ無し)とする。すなわち、置換部56Aは、ユーザ指定の表面効果が網点マット(M)及びつや消し(PM)である領域については、プリンタ機70で用いるクリアトナー版データを作成しない。図17に戻り、このようにして、置換部56Aは、プリンタ機70で用いるクリアトナー版データ(2ビットのクリアトナー版データ)を作成する(ステップS110)。
次に、置換部56Aは、後処理機90Bで用いるクリアトナー版データ(クリアトナー版2)として、ユーザ指定の表面効果が鏡面光沢(PG)及びベタ光沢(G)である領域についてはno data(データ無し)とする。すなわち、置換部56Aは、ユーザ指定の表面効果が鏡面光沢(PG)及びベタ光沢(G)である領域については、後処理機90Bで用いるクリアトナー版データを作成しない。また、置換部56Aは、ユーザ指定の表面効果が網点マット(M)及びつや消し(PM)である領域については、後処理機90Bで用いるクリアトナー版データとして、ベタマスクのクリアトナー版データを作成する。これによって、置換部56Aは、後処理機90Bで用いるクリアトナー版データ(2ビットのクリアトナー版データ)を作成する(ステップS112)。そして、本ルーチンを終了する。
図23に戻り、次に、印刷条件版データ生成部560が、印刷条件版データ生成処理を実行する(ステップS9)。
図26は、印刷条件版データ生成処理の手順を示すフローチャートである。
まず、第2取得部560Bが、レンダリングエンジン51から、レンダリングエンジン51で取得した画像データに含まれる、ベクター形式の有色版データ、ベクター形式の特色版データ(クリア版データ、光沢制御版データ)、及びジョブコマンドを取得する(ステップS200)。
次に、第1取得部560Aが、装置構成取得部58から、後処理機40の装置構成情報を取得する(ステップS202)。
次に、読取部560Eが、第1取得部560Aで受け付けた装置構成情報に対応する、表面効果選択テーブルを一意に識別する識別情報(表面効果選択テーブル名)を記憶部56Bから読取る(ステップS204)。
次に、第3取得部560Cが、置換部56Aから、置換部56Aで該光沢制御版データの表面効果の種類の置換えに用いた設定テーブルを一意に識別する識別情報(設定テーブル名)を取得する(ステップS205)。
次に、第3取得部560Cが、置換部56Aから、置換部56Aで該光沢制御版データの表面効果の種類の置換えに用いた設定テーブルによって示される置換規則を取得する(ステップS206)。
次に、判別部560Fが、記録媒体に付与する特色領域の形成位置及び種類を判別する(ステップS208)。次に、第4取得部560Dが、UI部59から、「光沢優先」または「種類優先」を示す優先情報を取得する(ステップS210)。
次に、第1生成部560Gは、ステップS200〜ステップS210で取得した各情報に基づいて、印刷条件データを生成する(ステップS212)。すなわち、ステップS200〜ステップS210で取得した各情報を、クリアトナーを記録媒体に付与するときの印刷条件に関する情報とし、例えば、これらをテキスト(文字画像)で示した印刷条件データを生成する。
次に、第1生成部560Gは、ステップS212で生成した、クリアトナーを記録媒体に付与するときの印刷条件に関する情報と、上記ステップ200で取得したジョブコマンドに含まれる、有色版データによって特定される有色画像を形成するときの印刷条件に関する情報と、から、印刷条件版データを生成する(ステップS214)。以上の処理によって、印刷条件版データが生成される。
図23へ戻り、第2生成部560Hが、第1生成部560Gで生成された8ビットの印刷条件版データから、2ビットの印刷条件版データを生成する。また、第2生成部560Hは、si3部57がハーフトーンエンジン55から受け付けたCMYKの2ビットの有色版データを、si3部57から受信する。そして、第2生成部560Hは、2ビットの印刷条件版データと、CMYKの2ビットの有色版データの内の、該2ビットの印刷条件版データと同じ色(有色トナーの色)を規定した有色版データと、を合成した合成有色版データを生成し、si3部57へ出力する(ステップS10)。
次に、DFE50のsi3部57が、ハーフトーンエンジン55から受け付けたCMYKの有色版データの内、印刷条件版データ生成部560から受け付けた合成有色版データと同じ色(CMYKの内の少なくとも1つ)の有色版データを、印刷条件版データ生成部560から受け付けた合成有色版データに置換える。そして、置換えた合成有色版データを有色版データとして含む、CMYKの有色版データと、クリアプロセッシング56から受け付けたクリアトナー版データと、を統合した画像データ、及びグロッサー80オンまたはオフを示す情報を、MIC60に出力する(ステップS11)。
これによって、本ルーチンを終了する。
MIC60は、DFE50から出力されたグロッサー80のオン又はオフを示すオンオフ情報に基づいて、グロッサー80をオンまたはオフにする。また、MIC60は、DFE50から出力された画像データであるCMYKの各2ビットの有色版データと、ステップS6で生成したプリンタ機70で用いるクリアトナー版データとを統合し、プリンタ機70へ出力する。プリンタ機70は、MIC60から出力されたCMYKの有色版データ及びクリアトナー版データを用いて、露光器から光ビームを照射して各トナーに応じたトナー像を感光体上に形成してこれを記録媒体に転写した後に定着させる。これによって記録媒体に、CMYKのトナーの他クリアトナーが付着されて、画像が形成される。
その後、搬送路20に沿って記録媒体が搬送されてグロッサー80の位置に到ると、グロッサー80をオンとなっている場合には、グロッサー80が、当該記録媒体(のプリンタ機70による画像形成領域を含む領域)を再定着する。
また、MIC60は、DFE50から出力されたクリアトナー版データが後処理機90Aで用いるクリアトナー版データである場合には、該クリアトナー版データを後処理機90Aへ出力する。後処理機40に後処理機90Aが搭載されている場合には、後処理機90AはMIC60から該クリアトナー版データを受け付ける。そして、後処理機90Aは、MIC60から出力されたクリアトナー版データを用いてクリアトナーによるトナー像を形成して、グロッサー80を通過した記録媒体上に当該トナー像を重ねて、通常温度での加熱及び加圧により記録媒体に定着させる。
また、MIC60は、DFE50から出力されたクリアトナー版データが後処理機90Bで用いるクリアトナー版データである場合には、該クリアトナー版データを後処理機90Bへ出力する。後処理機40に後処理機90Bが搭載されている場合には、後処理機90BはMIC60から該クリアトナー版データを受け付ける。そして、後処理機90Bは、MIC60から出力されたクリアトナー版データを用いてクリアトナーによるトナー像を形成して、後処理機90Aを通過した記録媒体上に当該トナー像を重ねて、低温での加熱及び加圧により記録媒体に定着させる。
ここで、上述のように、プリンタ機70が受け付ける有色版データには、上述した合成有色版データが含まれる。このため、合成有色版データによって規定される有色画像が記録媒体に形成されることで、記録媒体には、ホスト装置49からDFE50が受け付けた有色版データによって特定される有色画像や、特色版データによって特定されクリアトナーによって形成される特色領域と共に、少なくともクリアトナーの印刷条件に関する情報を示す画像が有色で記録媒体に記録されることとなる。
図27は、記録媒体に形成された画像の一例を示す模式図である。
図27に示すように、記録媒体300には、ホスト装置49からDFE50が受け付けた有色版データによって特定される有色画像300Aが有色トナーにより形成され、特色版データによって特定される特色領域300Bがクリアトナーにより形成されると共に、少なくともクリアトナーの印刷条件に関する情報300Cが、例えば、記録媒体300の余白領域Qに有色トナーで形成される。
このため、本実施の形態の印刷システム10では、クリアトナーを記録媒体に付着させるときの印刷条件を容易に提示することができる。
また、記録媒体に有色で形成される、印刷条件に関する情報は、クリアトナーを記録媒体に付与するときの印刷条件に関する情報として、後処理機40の装置構成情報、「光沢優先」または「種類優先」を示す優先情報、置換規則、装置構成情報及び優先情報に対応する設定テーブルの識別情報、装置構成情報に対応する表面効果選択テーブルの識別情報、及び特色版データによって特定される特色領域を示す情報(形成位置や種類)の内の少なくとも1つを含む。
このため、クリアトナーの印刷条件を詳細に提示することができる。
また、記録媒体に有色で形成される、クリアトナーを記録媒体に付与するときの印刷条件に関する情報が、置換規則や、設定テーブルの識別情報等を含むことで、ユーザに対して、装置構成や優先情報に応じて置換えた表面効果を容易に提供することができる。
(第2の実施の形態)
第1の実施の形態では、ホスト装置49で印刷データを生成し、DFE50に印刷条件版データ生成部560を設けて、DFE50で印刷条件版データの生成処理を行うように構成したが、これに限定されるものではない。
すなわち、一の装置で行っていた複数の処理のいずれかを、一の装置とネットワークを介して接続する1以上の他の装置で行う構成にしてもよい。
その一例として、本実施の形態に係る印刷システムでは、DEFの機能の一部を、ネットワーク上のサーバ装置上に実装している。
図28は、本実施の形態に係る印刷システムの構成を例示する図である。図28に示すように、本実施の形態の印刷システムは、ホスト装置49と、DFE3050と、MIC60と、印刷装置30と、を備えている。
本実施の形態では、DFE3050がインターネット等のネットワークを介して、サーバ装置3060と接続された構成となっている。また、本実施の形態では、第1の実施の形態のDFE50のクリアプロセッシング56の機能を、サーバ装置3060に設けた構成となっている。
ここで、ホスト装置49、DFE3050、MIC60、及び印刷装置30の接続構成は、第1の実施の形態と同様である。
すなわち、具体的には、第2の実施の形態では、DFE3050がインターネット等のネットワーク(クラウド)を介して、単一のサーバ装置3060に接続し、サーバ装置3060は、第1の実施の形態のDFE50の印刷条件版データ生成部560の機能を設け、サーバ装置3060で、印刷条件版データの生成処理を行うように構成している。
まず、サーバ装置3060について説明する。図29は、第2の実施の形態にかかるサーバ装置3060の機能的構成を示すブロック図である。サーバ装置3060は、記憶部3070と、印刷条件版データ生成部3062と、通信部3065と、を主に備えている。
記憶部3070は、HDDやメモリ等の記憶媒体である。通信部3065は、DFE3050との間で各種データや要求の送受信を行う。より具体的には、通信部3065は、DFE3050から、第1データを受信する。また、通信部3065は、印刷条件版データ生成部3062で生成された印刷条件版データを、DFE3050へ送信する。
次に、DFE3050について説明する。図30は、第1の実施の形態のDFE3050の機能的構成を示すブロック図である。本実施の形態のDFE3050は、レンダリングエンジン51と、si1部52と、TRC53と、si2部54と、ハーフトーンエンジン55と、si3部57と、装置構成取得部58と、UI部59と、通信部3051と、を主に備えている。ここで、レンダリングエンジン51と、si1部52と、TRC53と、si2部54と、ハーフトーンエンジン55と、si3部57と、装置構成取得部58と、UI部59の機能および構成については第1の実施の形態のDFE50と同様である。
通信部3051は、図示を省略するインターフェースを介して、各種データをサーバ装置3060との間で送受信する。
次に、本実施の形態に係る印刷システムが行う光沢制御処理の手順について図39を用いて説明する。
本実施の形態の印刷システムのDFE3050では、第1の実施の形態のDFE50と同様にして、ステップS1〜ステップS8の処理を実行する(図23参照)。
次に、通信部3051が、印刷条件データの生成に用いる第1データを、サーバ装置3060へ送信する(ステップS800)。第1データは、第1の実施の形態と同じである。次に、通信部3051は、サーバ装置3060から、印刷条件版データを受信する(ステップ810)。
次に、si3部57が、ハーフトーンエンジン55から受け付けたCMYKの2ビットの有色版データの内、サーバ装置3060から受信した2ビットの印刷条件版データと同じ色(有色トナーの色)を規定した有色版データと、該印刷条件版データと、を合成した合成有色版データを生成する。そして、si3部57は、ハーフトーンエンジン55から受け付けたCMYKの有色版データの内、生成した合成有色版データと同じ色(CMYKの内の少なくとも1つ)の有色版データを、該生成した合成有色版データに置換える。そして、置換えた合成有色版データを含む、CMYKの有色版データと、クリアプロセッシング56から受け付けたクリアトナー版データと、を統合した画像データ、及びグロッサー80オンまたはオフを示す情報を、MIC60に出力する(ステップS11)。
これによって、本ルーチンを終了する。
次に、サーバ装置3060で実行する印刷条件版データ生成処理を説明する。
サーバ装置3060では、まず、通信部3065が、DFE3050から、第1データを受信する(ステップS900)。
次に、印刷条件版データ生成部3062が、第1データから、ベクター形式の有色版データ、ベクター形式の特色版データ(クリア版データ、光沢制御版データ)、及びジョブコマンドを取得する(ステップS910)。なお、印刷条件版データ生成部3062が実行するステップ910〜ステップS924の処理は、各情報を第1データから取得または読み取る以外は、実施の形態1の印刷条件版データ生成部560の各機能部で実行する処理と同様である。
次に、印刷条件版データ生成部3062が、第1データから、後処理機40の装置構成情報を取得する(ステップS912)。次に、印刷条件版データ生成部3062が、第1データから、装置構成情報に対応する、表面効果選択テーブルを一意に識別する識別情報(表面効果選択テーブル名)を読取る(ステップS914)。
次に、印刷条件版データ生成部3062が、第1データから、設定テーブルを一意に識別する識別情報(設定テーブル名)を取得する(ステップS915)。次に、印刷条件版データ生成部3062が、第1データから、設定テーブルによって示される置換規則を取得する(ステップS916)。
次に、印刷条件版データ生成部3062、第1データから、記録媒体に付与する特色領域の形成位置及び種類を判別する(ステップS918)。次に、印刷条件版データ生成部3062は、第1データから、「光沢優先」または「種類優先」を示す優先情報を取得する(ステップS920)。
次に、印刷条件版データ生成部3062は、取得した各情報に基づいて、印刷条件データを生成する(ステップS922)。次に、印刷条件版データ生成部3062は、印刷条件版データを生成する(ステップS914)。以上の処理によって、印刷条件版データが生成される。そして、印刷条件版データ生成部3062は、印刷条件版データを、DFE3050へ送信する(ステップS926)。
このように本実施の形態では、印刷条件版データ生成部の機能を、サーバ装置3060に設けた構成とし、印刷条件版データの生成を、クラウド上のサーバ装置3060で行っている。このため、第1の実施の形態の効果の他、複数のDFE3050が存在する場合でも、印刷条件版データの生成を一括して行うことができ、管理者の便宜となる。
なお、本実施の形態では、クラウド上の単一のサーバ装置3060に、印刷条件版データ生成部の機能を設け、サーバ装置3060で、印刷条件版データの生成を行うように構成したが、これに限定されるものではない。
例えば、クラウド上に2以上のサーバ装置を設け、上記処理を、2以上のサーバ装置で分散させて実行するように構成してもよい。図33は、クラウド上に2つのサーバ(第1サーバ装置3860と第2サーバ装置3861)を設けたネットワーク構成図である。図33の例では、第1サーバ装置3860と第2サーバ装置3861とで、印刷条件版データの生成処理を分散して行うように構成する。
なお、各処理の各サーバ装置への分散の形態はこれに限定されるものではなく、任意に行うことができる。
また、ホスト装置49で行う印刷データ生成処理や、DFE3050で行うその他の処理の一部または全部をクラウド上の一つのサーバ装置に集中して設けたり、複数のサーバ装置に分散させて設けたりすることは任意に行うことができる。
言い換えると、上述の例のように、一の装置で行っていた複数の処理のいずれかを、一の装置とネットワークを介して接続する1以上の他の装置で行う構成にすることができる。
また、上記の「一の装置とネットワークを介して接続する1以上の他の装置で行う構成」の場合、一の装置で行われた処理で発生したデータ(情報)を一の装置から他の装置に出力する処理、そのデータを他の装置が入力する処理等、一の装置と他の装置間、さらには、他の装置間同士で行われるデータの入出力処理を含むような構成となる。
つまり、他の装置が1つの場合では、一の装置と他の装置間で行われるデータの入出力処理を含むような構成となり、他の装置が2以上の場合では、一の装置と他の装置間、及び、第一の他の装置・第二の他の装置間のように他の装置間同士でデータの入出力処理を含むような構成となる。
また、第2の実施の形態では、サーバ装置3060、あるいは第1サーバ装置3860および第2サーバ装置3861などの複数のサーバ装置を、クラウド上に設けているが、これに限定されるものではない。例えば、サーバ装置3060、あるいは第1サーバ装置3860および第2サーバ装置3861などの複数のサーバ装置を、イントラネット上に設ける等、あらゆるネットワーク上に設けた構成としてもよい。
なお、本発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、前記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。また、以下に例示するような種々の変形が可能である。
図34は、本実施形態のDFE50、3050や、サーバ装置3060、第1サーバ装置3860、第2サーバ装置3861のハードウェア構成例を示すブロック図である。本実施形態のDFE50、3050や、サーバ装置3060、第1サーバ装置3860、第2サーバ装置3861は、CPUなどの制御装置1010と、ROM(Read Only Memory)やRAMなどの主記憶装置1020と、HDD、CDドライブ装置などの補助記憶装置1030と、ディスプレイ装置などの表示装置1040と、キーボードやマウスなどの入力装置1050と、を備えており、通常のコンピュータを利用したハードウェア構成となっている。
本実施形態のDFE50、3050や、サーバ装置3060、第1サーバ装置3860、第2サーバ装置3861で実行されるプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されて提供される。
また、本実施形態のDFE50、3050や、サーバ装置3060、第1サーバ装置3860、第2サーバ装置3861で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成してもよい。また、本実施形態のDFE50、3050や、サーバ装置3060、第1サーバ装置3860、第2サーバ装置3861で実行されるプログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。また、本実施形態のDFE50、3050や、サーバ装置3060、第1サーバ装置3860、第2サーバ装置3861で実行される制御プログラムを、ROM等に予め組み込んで提供するように構成してもよい。
本実施形態のDFE50、3050や、サーバ装置3060、第1サーバ装置3860、第2サーバ装置3861で実行されるプログラムは、上述した各部を含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしてはCPU(プロセッサ)が上記記憶媒体から制御プログラムを読み出して実行することにより上記各部が主記憶装置上にロードされ、上記各部が主記憶装置上に生成されるようになっている。なお、上述の実施形態では、DFE50、3050や、サーバ装置3060、第1サーバ装置3860、第2サーバ装置3861が本発明に係る処理を実行しているが、これに限らず、本発明に係る処理を実行する装置の種類は任意であり、例えばPCで処理を実行することもできる。
上述した実施の形態において、印刷システムは、DFE50、MIC60、プリンタ機70、及び後処理機40を備えるように構成したが、これに限らない。例えば、DFE50、MIC60及びプリンタ機70を一体的に形成して1つの画像形成装置として構成するようにしてもよいし、更に、グロッサー80及び後処理機90を備えた画像形成装置として形成するようにしてもよい。
上述した実施の形態の印刷システムにおいては、CMYKの複数の色のトナーを用いて画像を形成するようにしたが、1色のトナーを用いて画像を形成するようにしてもよい。