JP2013219112A - リアクトル、リアクトルの製造方法、コンバータ、及び電力変換装置 - Google Patents

リアクトル、リアクトルの製造方法、コンバータ、及び電力変換装置 Download PDF

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Abstract

【課題】従来に比べて巻線の絶縁被覆を簡素化でき、かつ必要な巻線の絶縁性は確保できるリアクトルとその製造方法を提供する。
【解決手段】巻線を螺旋状に巻回してなるコイル2と、このコイル2の内外に配置されて閉磁路を形成する磁性コア3とを備えるリアクトル1Aである。リアクトル1Aは、コイル2のうち、リアクトル1Aを設置対象に設置した際、当該コイル2における設置側となる箇所に局所的に形成される部分絶縁被覆2Cを備える。部分絶縁被覆2Cを備える箇所以外の箇所の絶縁被覆を実質的になくすか、或いは薄い簡素化したものとすることができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、ハイブリッド自動車などの車両に搭載される車載用DC-DCコンバータといった電力変換装置の構成部品などに利用されるリアクトルとその製造方法、そのリアクトルを用いたコンバータ及び電力変換装置に関する。特に、従来に比べて巻線の絶縁被覆を簡素化でき、かつ必要な巻線の絶縁性は確保できるリアクトルに関する。
電圧の昇圧動作や降圧動作を行う回路の部品の一つに、リアクトルがある。例えば、特許文献1は、ハイブリッド自動車などの車載コンバータに利用されるリアクトルとして、一対のコイル素子を有するコイルと、コイルが配置され、閉磁路を構成する環状の磁性コアとを備えるものを開示している。
特開2011-9791号公報
上記コイルを構成する巻線には、導体の表面にエナメルからなる絶縁被覆が形成された被覆線が用いられている。絶縁被覆は、巻線の両端部を除く全周・全長にわたって形成されているが、巻線の全周・全長にわたって十分な絶縁性を確保しながら均一な厚みに形成することが難しい。絶縁被覆のピンホールを低減するには、絶縁被覆の厚みを大きくすれば良いが、その場合、絶縁被覆を多層に重ねて形成する必要があり、コイルの製造性に劣る。一方、均一な厚みに絶縁被覆を形成できたとしても、この巻線を螺旋状に巻回してコイルを形成する際、絶縁被覆を損傷させる虞がある。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたもので、その目的の一つは、従来に比べて巻線の絶縁被覆を簡素化でき、かつ必要な巻線の絶縁性は確保できるリアクトルを提供することにある。また、本発明の他の目的は、巻線の絶縁被覆を簡易な方法にてより確実に形成できるリアクトルの製造方法を提供することにある。さらに、本発明の別の目的は、このリアクトルを備えるコンバータ、このコンバータを備える電力変換装置を提供することにある。
本発明者は、一般にリアクトルは、金属製の放熱板や冷却ベースなどの設置対象上に設置されることに鑑み、コイルにおける設置対象と対向する面(設置面)と設置対象との絶縁特性が重要と考え、その設置面側の絶縁特性に焦点を絞って鋭意検討を行った。その結果、コイルの設置面側に絶縁被覆を形成できれば、他の箇所における絶縁被覆は簡素化或いは省略化できるとの知見を得て本発明を完成するに至った。
本発明のリアクトルは、巻線を螺旋状に巻回してなるコイルと、このコイルの内外に配置されて閉磁路を形成する磁性コアとを備える。そして、このリアクトルは、コイルのうち、リアクトルを設置対象に設置した際、当該コイルにおける設置側となる箇所(以下、コイル設置側ということがある。)に局所的に形成される部分絶縁被覆を備える。
この構成によれば、コイルの一部、即ちコイル設置側に局所的に絶縁被覆を形成することで、部分絶縁被覆を備える箇所以外の箇所(以下、コイル残部ということがある。)の絶縁被覆を実質的になくすか、或いは薄い簡素化したものとすることができる。また、部分絶縁被覆は、コイルの一部に形成すれば良いため、当該被覆の構成材料の使用量を削減でき、コイルの生産性を改善できる。その一方で、部分絶縁被覆により、コイルと設置対象との絶縁は確保できる。
本発明のリアクトルの一形態として、巻線を断面が矩形状の平角線とすることが挙げられる。この巻線により形成されるコイルは、平角線をエッジワイズ巻きした角筒状のエッジワイズコイルとする。
この構成によれば、角筒状のエッジワイズ巻コイルとすることで、コイルにおけるリアクトルの設置側の面に平面を形成でき、平面状の設置面に載置し易い上、設置側となる箇所に厚みが均一的な部分絶縁被覆を容易に形成し易い。
本発明のリアクトルの一形態として、巻線が裸線であることが挙げられる。
この構成によれば、コイル残部は基本的に絶縁被覆を形成する必要がなく、コイル全体としての絶縁被覆の構成を簡素化することができる。
本発明のリアクトルの一形態として、巻線が、導体上に厚さ20μm未満の薄膜絶縁被覆を備える被覆線であることが挙げられる。
この構成によれば、コイル設置側は部分絶縁被覆で、コイル残部は薄膜絶縁被覆で覆われており、十分な絶縁特性を備えるが、コイル残部は従来に比べて薄い薄膜絶縁被覆でよい。そのため、コイル設置側のみ十分な絶縁被覆を施せばよく、コイル全体としてみれば、絶縁被覆を簡素化できる。
本発明のリアクトルの一形態として、コイルの設置側と反対側におけるコイルの各ターン間を絶縁する介在絶縁部を備えることが挙げられる。
この構成によれば、コイル設置側のみならず、その設置側と反対側のコイルの各ターン間も確実に絶縁することができる。コイル設置側は部分絶縁被覆により、コイルと設置対象との間或いはコイルの各ターンの間における絶縁が確保される。一方、コイル設置側と反対側の各ターン間は、コイルの振動などにより隣接するターン同士が接触することを考慮すれば、介在絶縁部の形成により確実にターン間の絶縁を確保することができる。介在絶縁部は、巻線を裸線とした場合に設けることが有効であるが、巻線を薄膜絶縁被覆が施された被覆線とした場合に設けても良い。
本発明のリアクトルの製造方法は、以下のコイル準備工程、被覆剤塗布工程、被覆剤硬化工程、及びコイル-コア組み合せ工程を備える。
コイル準備工程:巻線を螺旋状に巻回したコイルを用意する。
被覆剤塗布工程:コイルのうち、リアクトルの設置側となる箇所に部分絶縁被覆となる被覆剤を局所的に塗布する。
被覆剤硬化工程:被覆剤を塗布した箇所が上方となるようにコイルを反転させた状態で前記被覆剤を硬化させ、部分絶縁被覆を形成する。
コイル-コア組み合せ工程:部分絶縁被覆を備えるコイルをコアと組み合わせる。
この方法によれば、コイル設置側に局所的に部分絶縁被覆を形成するため、コイルの絶縁被覆の形成作業を簡素化し、かつ部分絶縁被覆の構成材料を節約することができる。そのため、リアクトルの生産性向上に資することができる。また、巻線を螺旋状に巻回してコイルを形成した後、そのコイルの所定箇所に局所的に部分絶縁被覆を形成することができ、当該絶縁被覆の形成後に巻線を屈曲する必要がなく、部分絶縁被覆の剥離や損傷が生じ難い。よって、コイルと設置対象との十分な絶縁特性を確保することができる。さらに、被覆剤をコイルの所定位置に塗布後、コイルの上下を反転させて被覆剤を硬化させることで、コイル設置側を他の部材に接触させることなく、コイルの設置面に所定の厚みの部分絶縁被覆を形成することができる。その上、硬化前の被覆剤が垂れても、その垂れた被覆剤がコイル残部に達するだけであり、部分絶縁被覆の厚みを均一的に形成し易い。これに対し、コイル設置側を下側としてコイルを適宜な載置面に載せて被覆剤の硬化を行った場合、垂れた被覆剤は載置面上に広がって、後に硬化した際、バリのようになったり、コイル側方における載置面近傍の部分絶縁被覆がそれ以外の箇所の部分絶縁被覆に比べて厚くなったり、コイル底面の部分絶縁被覆が極端に薄くなったりし易い。
上記本発明リアクトルは、コンバータの構成部品に好適に利用することができる。本発明のコンバータとして、スイッチング素子と、上記スイッチング素子の動作を制御する駆動回路と、スイッチング動作を平滑にするリアクトルとを備え、上記スイッチング素子の動作により、入力電圧を変換するものであり、上記リアクトルが本発明リアクトルである形態が挙げられる。
この本発明コンバータは、電力変換装置の構成部品に好適に利用することができる。本発明の電力変換装置として、入力電圧を変換するコンバータと、上記コンバータに接続されて、直流と交流とを相互に変換するインバータとを備え、このインバータで変換された電力により負荷を駆動するための電力変換装置であって、上記コンバータが本発明コンバータである形態が挙げられる。
生産性に優れ、かつ設置対象との絶縁特性に優れる本発明リアクトルを用いた本発明コンバータ、及び本発明電力変換装置は、これらを備える機器(例えば、ハイブリット自動車などの車両)の生産性並びに絶縁特性の向上に寄与する。
本発明のリアクトルによれば、コイルの絶縁性が特に求められるコイル設置側に部分絶縁被覆を設けることで、コイル全体としての絶縁被覆の簡素化とコイルの絶縁性との両立を実現することができる。
また、本発明のリアクトルの製造方法によれば、均一的な厚みの部分絶縁被覆を形成し易い。
実施形態1に係る本発明リアクトルの斜視図である。 図1のリアクトルを構成する組合体の分解斜視図である。 図1のリアクトルの分解斜視図である。 (A)は図1のリアクトルを構成するコイルに部分絶縁被覆を形成する方法の説明図、(B)は同コイルの介在絶縁部近傍の拡大断面図である。 (A)は実施形態1に係る本発明リアクトルを構成するコイルに部分絶縁被覆を形成する方法の説明図、(B)は同コイルの薄膜絶縁被覆と部分絶縁被覆との境界付近の拡大断面図である。 ハイブリッド自動車の電源系統を模式的に示す概略構成図である。 本発明コンバータを備える本発明電力変換装置の一例を示す概略回路である。
以下、図を参照して本発明の実施の形態を説明する。図中の同一符号は同一名称物を示す。なお、各実施形態において、リアクトルを設置対象に設置した際、リアクトルの設置対象側を下方といい、その反対側を上方といい、コイルの設置対象側の面を下面、その反対面を上面ということがある。
[実施形態1:裸線]
≪全体構成≫
図1、図3に示すリアクトル1Aは、コイル2と磁性コア3の組合体10、および組合体10が載置される放熱板6を備える。このリアクトル1Aの最も特徴とするところは、コイル2における絶縁被覆の構成にある。以下、リアクトル1Aの各構成を説明する。
≪組合体≫
〔コイル〕
図2に示すように、組合体10を構成するコイル2は、一対のコイル素子2A,2Bと、両コイル素子2A,2Bを連結するコイル素子連結部2rとを備える。各コイル素子2A,2Bは、互いに同一の巻数、同一の巻回方向で中空筒状に形成され、各軸方向が平行するように横並びに並列されている。本実施形態では、これらコイル素子2A,2Bは接続部の無い一本の巻線を、断面が矩形の螺旋状に巻回することで形成されており、その巻線をU字状に屈曲させることでコイル素子連結部2rが形成されている。もちろん、両コイル素子2A,2Bは、別個の巻線を螺旋状に巻回することで形成しても良く、その場合、例えば、コイル素子2A,2Bの端部(図2において紙面右側)同士を圧接や溶接などで接合する。また、各コイル素子2A,2Bの各ターン間には僅かな間隔が設けられ、この間隔によりターン間の絶縁をとることができる。
(導体)
コイル2は、銅やアルミニウム、その合金といった導電性材料からなる平角線や丸線などの導体を好適に利用できる。本実施形態のコイル2は、導体として銅製の裸平角線を用い、この裸平角線を角筒状にエッジワイズ巻きにしたエッジワイズコイルである。このコイル2を軸方向から見た場合、各コイル素子2A,2Bの4箇所の角部は巻線が屈曲されて円弧状に形成され、これら角部の間は直線部でつながれている。コイル2を構成する巻線が裸平角線であるため、巻線端部2a,2bも勿論導体が露出されており、そこに端子金具(図示略)を接続できるようになっている。
(部分絶縁被覆)
このコイル2の表面の一部に、絶縁材料からなる部分絶縁被覆2Cを備える。部分絶縁被覆2Cとしては、樹脂成分と添加剤とを溶剤に溶解した被覆剤を硬化(乾燥も含む)させたものが好適に利用できる。樹脂成分には、アルキド樹脂、ポリウレタン、エポキシ樹脂などが利用できる。各種添加剤には、乾燥剤、乾燥剤、硬化剤、増粘剤、防食剤、垂れ防止剤等が挙げられる。溶剤には、脂環式酸無水物、アセテート系などの有機溶剤、イソプロピルアルコールなどが利用できる。本実施形態では、ワニスを部分絶縁被覆2Cに用いている。
この部分絶縁被覆2Cは、リアクトル1Aを設置した際、コイル2の下面を含むリアクトル1Aの設置側にのみ形成されている。より具体的には、巻線を円弧状に屈曲した各コイル素子2A,2Bの角部よりも若干上方で、コイル2の高さ方向の中央よりも下方程度、つまり直線部の途中までの範囲にわたって部分絶縁被覆2Cが形成されている。部分絶縁被覆2Cは、コイル2の下方における巻線の全周に設けられ、コイル下方における各ターン間の絶縁の他、コイル2が設置される放熱板6(後述)との間の絶縁をも確保できるように形成されている。より特定的には、各コイル素子2A,2Bにおける円弧状の角部のうち、設置対象側の角部の少なくともコイル2の設置面から設置対象(ここでは放熱板6)に対して十分な絶縁距離が確保できる範囲にわたって部分絶縁被覆2Cが形成されていれば良い。部分絶縁被覆2Cの厚みは、コイル2と設置対象との間の絶縁が十分に確保できる程度の厚みとする。具体的には、20μm以上100μm以下程度、特に30μm以上80μm以下程度が好ましい。このような範囲の厚みとすることで、十分な絶縁特性を確保しながら、不必要に部分絶縁被覆2Cを厚くしないことで、部分絶縁被覆2Cの構成材料を削減できると共に、コイル2の放熱性を阻害することがない。この部分絶縁被覆2Cの形成方法については後述する。
(介在絶縁部)
一方、各コイル素子2A,2Bの上面側には、介在絶縁部2Iが形成されている(図1、図2、図4(B)参照)。この介在絶縁部2Iは、コイル2の各ターン間の間に介在されることで、各ターン間の絶縁を確保するためのものである。各ターン間には隙間が設けられているため、介在絶縁部2Iがなくても、一応の絶縁は確保されている。しかし、コイル2の振動などに伴い隣接するターン同士が接触する虞があることを考慮して、介在絶縁部2Iを形成することでターン間の絶縁を確保している。つまり、コイル2の下方は部分絶縁被覆2Cで設置対象に対する絶縁とターン間の絶縁を確保し、コイル2の上方は介在絶縁部2Iでターン間の絶縁を確保している。
介在絶縁部2Iの材料には、部分絶縁被覆2Cと同様の被覆剤を用いることができる。介在絶縁部2Iの形成個所は、部分絶縁被覆2Cが形成されるコイル下方の反対側である上方に設けることが好ましい。特に、コイル上面の一部に、コイル軸方向に沿った線状に介在絶縁部2Iを設けることが好適である。このように介在絶縁部2Iを設ければ、その構成材料が節約でき、かつ各コイル2のターン間の絶縁も十分に確保し易い。勿論、介在絶縁部2Iは、コイル2の側面におけるターン間の絶縁に利用しても良い。また、介在絶縁部2Iの数は、各コイル素子2A,2Bごとに少なくとも一箇所とする。この数は、コイル軸方向に沿った一連の介在絶縁部2Iで一箇所とする。コイル2の上面に複数本の介在絶縁部2Iを並列して設けても良い。介在絶縁部2Iの形成方法としては、上記被覆剤をコイル2の所定位置に刷毛やスプレーなどで塗布することが好適に利用できる。
〔コア〕
磁性コア3は、図2に示すように、コイル素子2A,2Bの内部に挿通される環状の部材であって、その内部に閉磁路が形成される。本実施形態の磁性コア3は、コイル素子2A,2Bの内部に配置される一対の内側コア部31と、コイル素子2A,2Bから露出する一対の外側コア部32とからなる構成とした。内側コア部31は、略直方体状のコア片であり、外側コア部32は、例えば、略ドーム形状の上面と下面を有する柱状のコア片である。これらコア片には、鉄などの鉄属金属やその合金に代表される軟磁性粉末を用いた圧粉成形体や、軟磁性粉末を含む樹脂からなる成形硬化体、絶縁被膜を有する磁性薄板(例えば、電磁鋼板)を複数積層した積層体などが利用できる。本実施形態では、内側コア部31に成形硬化体を、外側コア部32に圧粉成形体を用いている。
内側コア部31は、複数のコア片とギャップ31gとから構成しても良い。複数のコア片の間にギャップを介在又は内側コア部31の端面にギャップ31gを貼り付けることで、リアクトル1Aのインダクタンスを調整することができる。本実施形態では、内側コア部31の端部にギャップ31gを貼り付けている。ギャップ31gの材質としては、アルミナなどの非磁性材料が好適に利用できるが、ギャップ31gと組み合わせるコア片が圧粉成形体や成形硬化体の場合、そのコア片よりも透磁率の低い磁性材料であっても構わない。より具体的には、樹脂と軟磁性粉末とを混合した複合材料であって、コア片を構成する成形硬化体よりも軟磁性粉末の含有量が少ない材料が挙げられる。ギャップ31gは、複数のコア片を圧粉成形体とした場合に、特に利用する場合が多い。
磁性コア3の全体の比透磁率は10以上50以下とすることが好ましい。ここで、磁性コア全体の比透磁率とは、内側コア部31と外側コア部32とを合わせた比透磁率である。また、内側コア部31の比透磁率は5以上50以下とすることが好ましい。外側コア部32の比透磁率は50以上500以下とすることが好ましい。
ここでいう各コア部31,32の比透磁率とは、次のようにして求めたものをいう。各コア部31,32と同じ材料で、外径34mm、内径20mm、厚さ5mmのリング状試験片を作製する。この試験片に、一次側300巻き、二次側20巻きの巻線を施して、試験片のB-H初磁化曲線をH=0〜100エルステッド(Oe)の範囲で測定する。この測定には、例えば、理研電子株式会社製BHカーブトレーサ「BHS-40S10K」を使用することができる。そして、得られたB-H初磁化曲線の勾配(B/H)の最大値を求め、それをコア部の比透磁率とする。ここでの磁化曲線とは、いわゆる直流磁化曲線である。
≪放熱板≫
放熱板6は、コイル2や磁性コア3から冷却ベース(図示せず)などのリアクトル1Aの設置対象への放熱経路として機能する板状の部材である(図1、図3参照)。具体的には、放熱板6の一面側(紙面上方側)がコイル2を搭載する搭載面であり、放熱板6の他面側(紙面下方側)がリアクトル1Aを冷却する冷却ベースへの取付面である。この放熱板6の四隅にはリアクトル1Aを冷却ベースに固定するためのボルトを挿通させる挿通孔60Hを有する取付部60が形成されている。
放熱板6は、コイル2に近接して配置されるため、非磁性材料から構成する。また、放熱板6は、リアクトル1A の放熱経路に利用されるため、熱伝導性に優れる金属材料から構成する。例えば、放熱板6は、アルミニウムやその合金、あるいはマグネシウムやその合金などの非磁性金属から構成する。上記列挙した非磁性金属は軽量であるため、軽量化が望まれている車載部品の構成材料に適する。この放熱板6の厚さは、強度、磁束の遮蔽性を考慮して、2〜5mm程度とすることが好ましい。
この放熱板のコイル2と対向する面(搭載面)は、粗面化処理しておくことが好ましい。放熱板6の搭載面には接着剤(接着シート)を介してコイル2とコア3との組合体10が設置される。そのため、放熱板6の上面を粗面化しておけば、組合体10の放熱板6に対する密着性を高めることができる。粗面化の具体的手法としては、ショットブラストやエッチングが挙げられる。
放熱板6と組合体10との接合には、接着剤が利用できる。接着剤をシート状に形成した接着シート7(図3参照)を用いることが好ましい。接着剤(接着シート7)の熱伝導率は、0.1W/m・K以上とすることが好ましく、より好ましくは0.15W/m・K以上、さらに好ましくは0.5W/m・K以上、特に好ましくは1W/m・K以上、最も好ましくは2.0W/m・K以上である。これら接着剤若しくは接着シート7には、窒化珪素、アルミナ、窒化アルミニウム、窒化ほう素、及び炭化珪素から選択される少なくとも1種のセラミックスフィラーが含有されていることが好ましい。それにより、コイル2と放熱板6との絶縁性及び放熱性を向上させることができる。
≪その他≫
その他のリアクトル1Aの構成要素として、インシュレータ(図示略)と外側樹脂部(図示略)が挙げられる。なお、インシュレータや外側樹脂部は必須ではなく、なくても構わない。
インシュレータは、コイル2と磁性コア3との間に介在されることで両者の絶縁性を高める。ここでは、内側コア部31の外周に配置される周壁部と、各コイル素子2A,2Bの端面と外側コア部32の内端面32eとの間に介在される一対の枠板部とを備える。周壁部は、コイル素子2A,2Bと内側コア部31との間を絶縁する部材であり、内側コア部31の軸方向と直交方向(図2では上下方向)に分割された一対の断面]状の分割片から構成されており、内側コア部31の外周に容易に配置できる。周壁部の形状は適宜選択することができる。例えば、この例の周壁部は、内側コア部31に配置したとき、内側コア部31の外周面が全て覆われず、周方向の一部、及び軸方向の一部が露出される形状であるが、分割片を組み合せたときに内側コア部31の全周を覆う筒状体となるように分割片を構成することができる。また、各分割片は、表裏に貫通する複数の貫通孔を備え、この貫通孔からも内側コア部31の一部が露出される構成とできる。このように内側コア部31の一部をインシュレータから露出することで、外側樹脂部を形成するときに脱気し易く充填性に優れる上に、外側樹脂部と磁性コア3との密着性を高められる。一方、各枠板部はそれぞれ、各内側コア部31がそれぞれ挿通可能な一対の開口部(貫通孔)を有するB字状の平板部材が好適に利用できる。
インシュレータの構成材料には、ポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)樹脂、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂、液晶ポリマー(LCP)などの絶縁性材料が利用できる。インシュレータの形成には、射出成形などの成形方法が好適に利用できる。
一方、外側樹脂部は、コイル2の巻線端部と組合体10の底面を除き、組合体10の外周を覆う樹脂被覆である。この外側樹脂部により、組合体を電気的、機械的に保護する。従って、コイル残部における各ターン間にも外側樹脂部の構成樹脂が充填されることで、各ターン間の絶縁を確保することもできる。外側樹脂部には、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂などが利用できる。
≪用途≫
上記構成を備えるリアクトル1A は、通電条件が、例えば、最大電流(直流):100A〜1000A程度、平均電圧:100V〜1000V程度、使用周波数:5kHz〜100kHz程度である用途、代表的には電気自動車やハイブリッド自動車などの車載用電力変換装置の構成部品に好適に利用することができる。この用途では、直流通電が0Aのときのインダクタンスが、10μmH以上2mH以下、最大電流通電時のインダクタンスが、0Aのときのインダクタンスの10%以上を満たすものが好適に利用できると期待される。
≪リアクトルの製造方法≫
次に、上記リアクトル1Aの製造方法を説明する。リアクトル1Aの製造方法は、以下のコイル準備工程、被覆剤塗布工程、被覆剤硬化工程、介在絶縁部形成工程、コイル-コア組み合せ工程、及び放熱板取付工程を備える。
〔コイル準備工程〕
コイル準備工程では、巻線を螺旋状に成形したコイル2を準備する。本実施形態の場合、裸平角線を螺旋状に巻回して一対のコイル素子2A,2Bからなるコイル2を形成しておく。この段階では、部分絶縁被覆2Cは形成されていないため、裸平角線を屈曲しても、絶縁被覆が損傷を受ける虞がない。
〔被覆剤塗布工程〕
得られたコイル2に被覆剤2Lを塗布する。被覆剤2Lは、部分絶縁被覆2Cとなる材料である。本実施形態の場合、図4(B)に示すように、被覆剤2Lを貯留するバット50を用意し、そのバット50内にコイル2を部分的に浸漬することで被覆剤2Lの塗布を行う。
〔被覆剤硬化工程〕
被覆剤2Lを塗布したコイル2をバット50から引き上げ、このコイル2の上下を反転させた状態で被覆剤2Lの乾燥・硬化を行う。つまり、コイル2の設置面側を上方に向け、その反対側を下方に向けて被覆剤2Lの乾燥・硬化を行う。通常、被覆剤2Lの乾燥・硬化は、コイル2ごと加熱する焼付けによりなされる。この焼付温度は、例えば130〜170℃程度である。
〔介在絶縁部形成工程〕
被覆剤2Lの乾燥・硬化により部分絶縁被覆2Cを形成したら、そのコイル2の上面に同じ被覆剤を刷毛で塗布する。この介在絶縁部2Iは、コイル2の軸方向に沿った線状に被覆剤をコイル2に塗布することで形成する。このように塗布された被覆剤は、コイル2の各ターンの間に入り込み、そのまま乾燥・硬化されることで、介在絶縁部2Iを構成する。
〔コイル-コア組み合せ工程〕
介在絶縁部2Iも形成できたら、このコイル2をコア3と組み合わせる。各コイル素子2A,2B内に内側コア部31を挿入する。その際、必要に応じて、インシュレータの周壁部を内側コア部31に装着しておく。本実施形態の場合、コイル2の端面から内側コア部の端面31eが僅かに突出するため、この端面31eに外側コア部の端面32eを接合して環状のコア3を構成する。外側コア部32を接合する際、外側コア部32と内側コア部31との間に、必要に応じてインシュレータの枠板部を介在させる。内側コア部31と外側コア部32との接合には、適宜な接着剤を用いればよい。さらに、必要に応じて、コイル2とコア3との組合体10の外周に外側樹脂部を成形する。その際、組合体10の底面は外側樹脂部で覆わず、組合体10が露出するようにしておく。
〔放熱板取付工程〕
その後、組合体10と放熱板3との間に接着シート7を介在させて、組合体10と放熱板6とを接合する。
≪作用効果≫
上記のリアクトル1A及びリアクトルの製造方法によれば、次の効果を奏することができる。
コイル2の設置対象側にのみ部分絶縁被覆2Cを備えることで、巻線の全周・全長に絶縁被覆を形成しなくても、コイル2とその設置対象との絶縁を十分に確保することができる。
コイル2の上面側に介在絶縁部2Iを設けることで、上面側におけるコイル2のターン間の絶縁を確保することができる。
巻線を巻回してコイル2とした後に部分絶縁被覆2Cを形成することで、被覆を形成した巻線を屈曲してコイルに成形する必要がないため、コイル成形に伴う部分絶縁被覆2Cの損傷を抑制できる。
部分絶縁被覆2Cを形成する際、被覆剤2Lを塗布したコイル2の設置側を上方に向けて被覆剤2Lの乾燥・硬化を行うことで、被覆剤2Lが硬化するまでに垂れたりしても、部分絶縁被覆2Cの絶縁特性に特に影響がない。
この乾燥・硬化方法によれば、コイル設置側を他の部材に接触させることなく、コイル2の設置面に所定の厚みの部分絶縁被覆2Cを形成することができる。その上、硬化前の被覆剤2Lが垂れても、その垂れた被覆剤2Lがコイル残部に達するだけであり、部分絶縁被覆2Cの厚みを均一的に形成し易い。
[実施形態2:薄膜被覆線]
次に、導体上に薄膜絶縁被覆を備える被覆線を巻線に用いた実施形態2を図5に基づいて説明する。リアクトルの基本的構成は実施形態1と共通であり、コイル2が備える絶縁被覆の構成のみが実施形態1と異なるため、主にこの相違点について以下に説明する。
この実施形態では、コイル2を構成する巻線として、薄膜絶縁被覆2Ctを有する被覆線を用いている。薄膜絶縁被覆2Ctは、従来のリアクトルのコイルを構成する巻線に比べて薄い絶縁被覆を備える。一般的なコイルの巻線に設けられた絶縁被覆の厚さは20μm以上100μm以下程度だが、この薄膜絶縁被覆2Ctの厚みは20μm未満である。例えば5μm以上15μm以下の厚みに薄膜絶縁被覆2Ctは形成される。つまり、図5(B)に示すように、部分絶縁被覆2Cの形成される箇所は、薄膜絶縁被覆2Ctと部分絶縁被覆2Cの合計の厚みの絶縁被覆(厚膜部)が形成され、それ以外のコイル残部には薄膜接縁被覆2Ct(薄膜部)が形成されていることになる。薄膜絶縁被覆2Ctの構成材料は、従来の絶縁被覆と同様にエナメルなどが利用できる。コイル2を構成する巻線の端部は、端子(図示略)が接続されるため、薄膜絶縁被覆2Ctが剥離されて導体が露出されている。
部分絶縁被覆2Cは、実施形態1と同様の方法により形成することができる。例えば、図5(A)に示すように、薄膜絶縁被覆2Ctが形成されたコイル2を被覆剤2Lが貯留されたバット50に部分的に浸漬して部分絶縁被覆2Cを形成すればよい。
さらに、本実施形態のリアクトルに用いられるコイル2は、介在絶縁部2I(図1)を設けていない。コイル2の各ターン間の絶縁は、薄膜絶縁被覆2Ctにより確保することができるからである。
このような被覆線を用いたコイル2でリアクトルを構成すると、薄膜絶縁被覆2Ctを従来の絶縁被覆に比べて薄く形成することができる。薄膜絶縁被覆2Ctが薄く、その被覆にピンホールなどがあったとしても、ターン間の絶縁程度であれば十分に利用可能である。その一方で、コイル2における設置側には部分絶縁被覆2Cを備えているため、コイル2と設置対象(ここでは放熱板6:図1参照)との絶縁も十分に確保することができる。また、薄膜絶縁被覆2Ctを備えることで、実施形態1で設けた介在絶縁部2Iを形成する必要もない。
[実施形態3:コンバータと電力変換装置]
実施形態1、2のリアクトルは、例えば、車両などに載置されるコンバータの構成部品や、このコンバータを備える電力変換装置の構成部品に利用することができる。
例えば、ハイブリッド自動車や電気自動車といった車両1200は、図6に示すようにメインバッテリ1210と、メインバッテリ1210に接続される電力変換装置1100と、メインバッテリ1210からの供給電力により駆動して走行に利用されるモータ(負荷)1220とを備える。モータ1220は、代表的には、3相交流モータであり、走行時、車輪1250を駆動し、回生時、発電機として機能する。ハイブリッド自動車の場合、車両1200は、モータ1220に加えてエンジンを備える。なお、図6では、車両1200の充電箇所としてインレットを示すが、プラグを備える形態としても良い。
電力変換装置1100は、メインバッテリ1210に接続されるコンバータ1110と、コンバータ1110に接続されて、直流と交流との相互変換を行うインバータ1120とを有する。この例に示すコンバータ1110は、車両1200の走行時、200V〜300V程度のメインバッテリ1210の直流電圧(入力電圧)を400V〜700V程度にまで昇圧して、インバータ1120に給電する。また、コンバータ1110は、回生時、モータ1220からインバータ1120を介して出力される直流電圧(入力電圧)をメインバッテリ1210に適合した直流電圧に降圧して、メインバッテリ1210に充電させている。インバータ1120は、車両1200の走行時、コンバータ1110で昇圧された直流を所定の交流に変換してモータ1220に給電し、回生時、モータ1220からの交流出力を直流に変換してコンバータ1110に出力している。
コンバータ1110は、図7に示すように複数のスイッチング素子1111と、スイッチング素子1111の動作を制御する駆動回路1112と、リアクトルLとを備え、ON/OFFの繰り返し(スイッチング動作)により入力電圧の変換(ここでは昇降圧)を行う。スイッチング素子1111には、FET,IGBTなどのパワーデバイスが利用される。リアクトルLは、回路に流れようとする電流の変化を妨げようとするコイルの性質を利用し、スイッチング動作によって電流が増減しようとしたとき、その変化を滑らかにする機能を有する。このリアクトルLとして、上記各実施形態に記載のリアクトルを用いる。簡易な絶縁被覆構成で、生産性に優れるこれらリアクトルを用いることで、電力変換装置1100(コンバータ1110を含む)の生産性の向上を図ることができる。
ここで、上記車両1200は、コンバータ1110の他、メインバッテリ1210に接続された給電装置用コンバータ1150や、補機類1240の電力源となるサブバッテリ1230とメインバッテリ1210とに接続され、メインバッテリ1210の高圧を低圧に変換する補機電源用コンバータ1160を備える。コンバータ1110は、代表的には、DC−DC変換を行うが、給電装置用コンバータ1150や補機電源用コンバータ1160は、AC−DC変換を行う。給電装置用コンバータ1150のなかには、DC−DC変換を行うものもある。給電装置用コンバータ1150や補機電源用コンバータ1160のリアクトルに、上記実施形態のリアクトルなどと同様の構成を備え、適宜、大きさや形状などを変更したリアクトルを利用することができる。また、入力電力の変換を行うコンバータであって、昇圧のみを行うコンバータや降圧のみを行うコンバータに、上記実施形態のリアクトルなどを利用することもできる。
なお、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
本発明リアクトル及びその製造方法は、ハイブリッド自動車などの車両に搭載される双方向DC-DCコンバータといった電力変換装置の構成部品であるリアクトル及びその作製に利用することができる。
1A リアクトル
10 組合体
2 コイル
2A,2B コイル素子 2r コイル素子連結部 2C 部分絶縁被覆
2I 介在絶縁部 2a,2b 端部 2L 被覆剤 2Ct 薄膜絶縁被覆
3 磁性コア
31 内側コア部 31e 端面 31g ギャップ
32 外側コア部 32e 端面
6 放熱板 60 取付部 60H 挿通孔
7 接着シート
50 バット
1100 電力変換装置
1110 コンバータ 1111 スイッチング素子 1112 駆動回路
L リアクトル
1120 インバータ
1150 給電装置用コンバータ 1160 補機電源用コンバータ
1200 車両
1210 メインバッテリ
1220 モータ
1230 サブバッテリ
1240 補機類
1250 車輪

Claims (8)

  1. 巻線を螺旋状に巻回してなるコイルと、このコイルの内外に配置されて閉磁路を形成する磁性コアとを備えるリアクトルであって、
    前記コイルのうち、前記リアクトルを設置対象に設置した際、当該コイルにおける設置側となる箇所に局所的に形成される部分絶縁被覆を備えることを特徴とするリアクトル。
  2. 前記巻線は、断面が矩形状の平角線であり、
    前記コイルは、前記平角線をエッジワイズ巻きした角筒状のエッジワイズコイルであることを特徴とする請求項1に記載のリアクトル。
  3. 前記巻線が裸線であることを特徴とする請求項1又は2に記載のリアクトル。
  4. 前記巻線が、導体上に厚さ20μm未満の薄膜絶縁被覆を備える被覆線であることを特徴とする請求項1又は2に記載のリアクトル。
  5. 前記コイルの設置側と反対側におけるコイルの各ターン間を絶縁する介在絶縁部を備えることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のリアクトル。
  6. スイッチング素子と、前記スイッチング素子の動作を制御する駆動回路と、スイッチング動作を平滑にするリアクトルとを備え、前記スイッチング素子の動作により、入力電圧を変換するコンバータであって、
    前記リアクトルは、請求項1〜5のいずれか一項に記載のリアクトルであることを特徴とするコンバータ。
  7. 入力電圧を変換するコンバータと、前記コンバータに接続されて、直流と交流とを相互に変換するインバータとを備え、このインバータで変換された電力により負荷を駆動するための電力変換装置であって、
    前記コンバータは、請求項6に記載のコンバータであることを特徴とする電力変換装置。
  8. 巻線を螺旋状に巻回したコイルを用意する工程と、
    前記コイルのうち、リアクトルの設置側となる箇所に部分絶縁被覆となる被覆剤を局所的に塗布する工程と、
    前記被覆剤を塗布した箇所が上方となるようにコイルを反転させた状態で前記被覆剤を硬化させ、部分絶縁被覆を形成する工程と、
    前記部分絶縁被覆を備えるコイルをコアと組み合わせる工程とを備えることを特徴とするリアクトルの製造方法。
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