JP2013219147A - リアクトル、リアクトルの製造方法、コンバータ、および電力変換装置 - Google Patents

リアクトル、リアクトルの製造方法、コンバータ、および電力変換装置 Download PDF

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Abstract

【課題】従来よりも生産性に優れるリアクトルの製造方法を提供する。
【解決手段】コイル2に磁性コア3を挿通した組合体10の外周面を被覆するリアクトルの製造方法である。この製造方法は、組合体10を組み立てる組立工程と、組み立てた組合体10の外周面にリアクトルコーティング剤をスプレーし、当該外周面に付着したリアクトルコーティング剤を硬化させることで、組合体10の外周面にリアクトル防錆層5を被覆する防錆工程と、を備える。こられの工程を備えるリアクトルの製造方法によれば、リアクトルコーティング剤をスプレーするだけで、リアクトル1の防錆処理、特にリアクトル1における磁性コア3の防錆処理を行なうことができ、リアクトル1の生産性を向上させることができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、ハイブリッド自動車などの車両に搭載される車載用DC−DCコンバータといった電力変換装置の構成部品などに利用されるリアクトルと、その製造方法、並びにこのリアクトルを用いたコンバータ、およびこのコンバータを用いた電力変換装置に関する。特に、本発明は、構造が簡素で、生産性に優れるリアクトルに関する。
電圧の昇圧動作や降圧動作を行う回路の部品の一つに、リアクトルがある。リアクトルは、ハイブリッド自動車などの車両に搭載されるコンバータに利用される。そのリアクトルとして、例えば、特許文献1に示すものがある。
特許文献1のリアクトルは、一対のコイル素子を有するコイルおよびこのコイルに挿通される磁性コアの組合体と、この組合体を載置する放熱板と、を備える。さらに、特許文献1のリアクトルは、放熱板と組合体とを一体化する樹脂被覆部を備える。この樹脂被覆部は、放熱板に組合体を固定した状態で金型内に配置し、注型成形することによって得られ、組合体を構成するコイルおよびコアを腐食や粉塵などの外部環境から保護する。
特開2011−9791号公報
近年、ハイブリッド自動車などの需要の拡大に伴い、車載用のリアクトルの需要も拡大している。そのため、リアクトルの更なる生産性の向上が望まれている。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的の一つは、従来よりも生産性に優れるリアクトルの製造方法と、その製造方法により得られたリアクトルを提供することにある。また、本発明の別の目的は、本発明リアクトルを用いたコンバータ、およびそのコンバータを用いた電力変換装置を提供することにある。
本発明者は、リアクトルの生産性を向上させる観点から特許文献1のリアクトルを再検討した結果、注型成形による樹脂被覆部の形成が煩雑であることに着目した。この樹脂被覆部の形成が煩雑であるからといって、この樹脂被覆部を省略すると、外部環境からコイルやコアを十分に保護できない恐れがある。そこで、本発明者は、コイルやコアを外部環境から保護しつつリアクトルの生産性を向上させることができる構成を検討し、本発明を完成させるに至った。
本発明リアクトルの製造方法は、コイルに磁性コアを挿通した組合体の外周面を被覆するリアクトルの製造方法であって、次の工程を備えることを特徴とする。
[組立工程]…コイルと磁性コアを組み合わせて組合体を作製する。
[防錆工程]…組合体の外周面にリアクトルコーティング剤をスプレーし、当該外周面に付着したリアクトルコーティング剤を硬化させることで、組合体の外周面にリアクトル防錆層を被覆する。
本発明リアクトルの製造方法によれば、リアクトルコーティング剤をスプレーして硬化させるだけで、リアクトルの防錆、特にリアクトルにおける磁性コアの防錆を担うリアクトル防錆層を形成することができる。このリアクトル防錆層の形成は、特許文献1のリアクトルのように、注型成形などで樹脂被覆部を形成するよりも遥かに簡単で手間がかからないし、樹脂の節約にもなる。注型成形には、成形型が必要で、しかも実際に注型成型を行なうには、成形型内に離型剤を塗布する、組合体などを成形型内に収納する、樹脂を充填し硬化させる、成形品を脱型する、といった煩雑で多くの工程を必要とする。これに対し、本発明リアクトルのリアクトル防錆層の形成には、そもそも成形型も注型成形のための樹脂の注入設備も必要としないので、大掛かりな製造設備を用いることなく、外部環境に対する保護対策がなされたリアクトルを作製することができる。また、本発明リアクトルの製造方法に備わる工程は、注型成形に備わる工程よりも簡素であるので、生産性良くリアクトルを作製することができる。
本発明リアクトルの製造方法の一形態として、防錆工程において、リアクトル防錆層の厚さを0.005〜2mmとすることを挙げることができる。
上記範囲の厚さを有するリアクトル防錆層であれば、組合体が錆びることを十分に抑制することができる。このような厚さのリアクトル防錆層は、短時間で形成することができ、その結果として、リアクトルの作製時間も短くできる(つまり、リアクトルの生産性が良くなる)。また、リアクトル防錆層の厚さを上記範囲とすることで、リアクトル防錆層の原料であるリアクトルコーティング剤を節約でき、リアクトルの作製コストを低減できるという効果もある。
本発明リアクトルの製造方法の一形態として、防錆工程で使用するリアクトルコーティング剤は、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、ポリイミド樹脂、アミドイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、シリコーン樹脂、またはフェノール樹脂である形態を挙げることができる。
上記列挙した合成樹脂は、被覆対象にスプレーによって被覆対象表面に付着させることができる熱硬化性樹脂である。組合体へのスプレー後は、熱処理によって組合体表面に定着させると良い。
本発明リアクトルの製造方法の一形態として、磁性コアは、コイルの内部に配置される内側コア部と、コイルから露出する外側コア部と、を有する形態を挙げることができる。その場合、組立工程の前に、次に示す前処理工程を行なうことが好ましい。
[前処理工程]…内側コア部の外周面にコアコーティング剤をスプレーし、当該外周面に付着したコアコーティング剤を硬化させることで、内側コア部の外周面にコア防錆層を被覆する。
なお、コアコーティング剤には、上述したリアクトルコーティング剤と同じものを利用することができる。もちろん、コアコーティング剤として、リアクトルコーティング剤と異なるものを利用することもできる。
コア防錆層を形成する前処理工程を行なうことで、リアクトルの耐食性を向上させることができる。但し、コイル内部に配置される内側コア部は、外部環境に暴露され難いため、前処理工程は行なった方が好ましいものの、必須ではない。
本発明リアクトルの製造方法の一形態として、リアクトルは、組合体が載置される非磁性金属製の放熱板を有する形態を挙げることができる。その場合、組立工程の後に、放熱板の上に組合体を固定する固定工程を備える。そして、続く防錆工程では、放熱板ごと組合体の外周面にコーティング剤をスプレーすれば良い。
放熱板を用いることで、リアクトルの作動時に発生した熱を効率良くリアクトル外に放熱させることができる。また、放熱板を用いることで、取付対象に対するリアクトルの安定性を向上させることができる。この放熱板上に組合体を固定するには、放熱板と組合体との間にゲル状の接着剤や接着シートを介在させると良い。
また、本発明リアクトルは、上述した本発明リアクトルの製造方法により得られたことを特徴とする。
本発明リアクトルの製造方法で得られた本発明リアクトルは、組合体の外周面に形成される薄い防錆層(リアクトル防錆層)を備える。このリアクトル防錆層の存在により、本発明リアクトルは錆び難い(より特定的には、リアクトルに備わる磁性コアが錆び難い)。また、スプレーにより形成されたリアクトル防錆層は非常に薄いため、組合体の外周を樹脂被覆部で覆った特許文献1のリアクトルに比べて軽量である。この軽量化は、リアクトル全体の重量からすれば微々たるものではあるが、ハイブリッド自動車を軽量化するために、ハイブリッド自動車に搭載される各部品をグラム単位で軽量化することが企図される現状に鑑みれば、僅かな軽量化であっても確かにハイブリッド自動車の軽量化に貢献する。
上記本発明リアクトルは、コンバータの構成部品に好適に利用することができる。本発明のコンバータとして、スイッチング素子と、上記スイッチング素子の動作を制御する駆動回路と、スイッチング動作を平滑にするリアクトルとを備え、上記スイッチング素子の動作により、入力電圧を変換するものであり、上記リアクトルが本発明リアクトルである形態が挙げられる。この本発明コンバータは、電力変換装置の構成部品に好適に利用することができる。本発明の電力変換装置として、入力電圧を変換するコンバータと、上記コンバータに接続されて、直流と交流とを相互に変換するインバータとを備え、このインバータで変換された電力により負荷を駆動するための電力変換装置であって、上記コンバータが本発明コンバータである形態が挙げられる。
生産性に優れ、かつ軽量な本発明リアクトルを用いた本発明コンバータ、及び本発明電力変換装置は、これらを備える機器(例えば、ハイブリット自動車などの車両)の生産性の向上、並びに軽量化に寄与する。
本発明リアクトルの製造方法によれば、外部環境に対する保護対策がなされたリアクトルを生産性良く製造することができる。
実施形態1に係るリアクトルの概略斜視図である。 実施形態1に係るリアクトルの組合体を構成する部材の分解図である。 実施形態1に係るリアクトルを構成する部材の分解図である。 ハイブリッド自動車の電源系統を模式的に示す概略構成図である。 本発明コンバータを備える本発明電力変換装置の一例を示す概略回路図である。
以下、本発明の実施形態をより具体的に説明する。図中の同一符号は同一名称物を示す。
<実施形態1>
≪リアクトルの概略構成≫
図1に示すリアクトル1は、コイル2と磁性コア3の組合体10、および組合体10が載置される放熱板6を備える。このリアクトル1の最も特徴とするところは、組合体10の外周面にリアクトルコーティング剤をスプレーして硬化させることで形成されたリアクトル防錆層5を備えることにある。以下、このようなリアクトル1の製造方法を説明する。
≪リアクトルの製造方法≫
本実施形態のリアクトルの製造方法は、次の工程を備える。
[前処理工程]…磁性コア3のうち、コイル2の内部に配置される内側コア部31の外周面にコアコーティング剤をスプレーする。
[組立工程]…コイル2と磁性コア3を組み合わせて組合体10を作製する。
[固定工程]…放熱板6に組合体10を固定する。
[防錆工程]…組合体10の外周面にリアクトルコーティング剤をスプレーし、当該外周面に付着したリアクトルコーティング剤を硬化させる。
なお、前処理工程は、行なうことが好ましいが、行なわなくても構わない。また、放熱板6を備えないリアクトル1を作製する場合、固定工程は省略できる。
〔前処理工程〕
本実施形態における磁性コア3は、コイル2のコイル素子2A,2Bの内部に配置される一対の内側コア部31,31と、コイル2から露出する一対の外側コア部32,32とを備える。内側コア部31は、図2に示すように、略直方体状のコア片であり、外側コア部32は、例えば、略ドーム形状の上面と下面を有する柱状のコア片である。これらコア片には、鉄などの鉄属金属やその合金に代表される軟磁性粉末を用いた圧粉成形体や、軟磁性粉末を含む樹脂からなる成形硬化体、絶縁被膜を有する磁性薄板(例えば、電磁鋼板)を複数積層した積層体などが利用できる。本実施形態では、内側コア部31は成形硬化体、外側コア部32は圧粉成形体として説明する。そうすることで、内側コア部31の磁気特性と外側コア部32の磁気特性とを異ならせ、磁性コア3全体の磁気特性を調整し、高周波での使用において磁気飽和し難い磁性コア3とすることができる。
上述した内側コア部31と外側コア部32のうち、内側コア部31に対し、前処理工程ではその外周面にリアクトルコーティング剤をスプレーし、内側コア部31の外周面にコア防錆層310を形成する。コア防錆層310によって内側コア部31を確実に腐食から保護することができる。なお、外側コア部32の外周面にはコア防錆層を形成しなくても良い。後の防錆工程で組合体10の外周面にリアクトルコーティング剤をスプレーすることで、外側コア部32に防錆処理がなされるからである。もちろん、外側コア部32の防錆処理をより確実にするために、外側コア部32の外周面にコア防錆層を形成しても構わない。
コア防錆層310の形成に使用するリアクトルコーティング剤としては、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、ポリイミド樹脂、アミドイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、シリコーン樹脂、あるいはフェノール樹脂などを挙げることができる。ここに例示する合成樹脂は、後述するリアクトルコーティング剤と同じでものであるが、異なっていても良い。
コア防錆層310の厚さは、5μm以上あれば十分な防錆効果を発揮する。ここで、コア防錆層310の厚さを調整することで、コア防錆層310に防錆効果以外の効果を付与することができる。具体的には、内側コア部31の周面におけるコア防錆層310の厚さを調整することで、内側コア部31とコイル2との間の絶縁を確保するボビンとしての機能をコア防錆層310に持たせることができる。また、内側コア部31の端面におけるコア防錆層310の厚さを調整することで、内側コア部31の端面と外側コア部32との間でコア防錆層310にギャップ材としての機能を持たせることができる。
〔組立工程〕
組合体10の組み立てにあたり、上述した前処理工程で説明した内側コア部31と外側コア部32の他に、コイル2を用意する。本実施形態におけるコイル2には、一対のコイル素子2A,2Bと、両コイル素子2A,2Bを連結するコイル素子連結部2rとを備えるものを利用した。各コイル素子2A,2Bは、互いに同一の巻数、同一の巻回方向で中空筒状に形成され、各軸方向が平行するように横並びに並列されている。これらコイル素子2A,2Bは接続部の無い一本の巻線を螺旋状に巻回することで形成されており、その巻線をU字状に屈曲させることで上記コイル素子連結部2rが形成されている。もちろん、両コイル素子2A,2Bは、別個の巻線を螺旋状に巻回することで形成しても良く、その場合、例えば、コイル素子2A,2Bの端部(図2において紙面右側)同士を圧接や溶接などで接合する。
コイル2は、銅やアルミニウム、その合金といった導電性材料からなる平角線や丸線などの導体の外周に、絶縁性材料からなる絶縁被覆を備える被覆線を好適に利用できる。本実施形態では、導体が銅製の平角線からなり、絶縁被覆がエナメル(代表的にはポリアミドイミド)からなる被覆平角線を利用し、各コイル素子2A,2Bは、この被覆平角線をエッジワイズ巻きにしたエッジワイズコイルである。絶縁被覆は、各コイル素子2A,2Bの端部2a,2bで剥がされており、当該端部2a,2bに端子金具(図示せず)を接続できるようになっている。
以上説明したコイル2に対し、内側コア部31,31と外側コア部32,32を組み付け、組合体10を完成させる。これらコア部31,31,32,32の組み付けにあたっては、コイル素子2A,2Bの内部に内側コア部31,31を挿入し、並列された状態となった内側コア部31,31を、外側コア部32,32で挟み込む。その際、内側コア部31の端面31e、および外側コア部32の端面32eの少なくとも一方に接着剤を塗布しておく。そうすることで、コア部31,31,32,32が連結されて磁性コア3が完成する(即ち、コイル2に磁性コア3が挿通された組合体10が完成する)。
〔固定工程〕
固定工程にあっては、図3に示すように、放熱板6と接着シート7を用意する。そして、放熱板6の上に接着シート7を載せ、その上に組合体10を載置する。その結果、放熱板6上に組合体10が固定される。なお、接着シート7の代わりに、放熱板6の上に接着剤を塗布して、放熱板6上に組合体10を固定しても良い。
固定工程で用いる放熱板6は、コイル2や磁性コア3からリアクトル1の設置対象(例えば冷却ベースなど)への放熱経路として機能する板状の部材である。具体的には、放熱板6の一面側(紙面上方側)がコイル2を搭載する搭載面であり、放熱板6の他面側(紙面下方側)がリアクトル1(図1参照)を冷却する冷却ベースへの取付面である。この放熱板6の四隅にはリアクトル1を冷却ベースに固定するためのボルトを挿通させる挿通孔60Hを有する取付部60が形成されている。
上記放熱板6は、コイル2に近接して配置されるため、非磁性材料から構成する。また、放熱板6は、リアクトル1の放熱経路に利用されるため、熱伝導性に優れる金属材料から構成する。例えば、放熱板6は、アルミニウムやその合金、あるいはマグネシウムやその合金などの非磁性金属から構成する。上記列挙した非磁性金属は軽量であるため、軽量化が望まれている車載部品の構成材料に適する。この放熱板6の厚さは、強度、磁束の遮蔽性を考慮して、2mm〜5mm程度とすることが好ましい。
一方、接着シート7は、合成樹脂を主体とするシート状の部材であって、組合体10を放熱板6に固定する役割を持つ。接着シート7は、コイル2と放熱板6との間を十分に絶縁可能な程度の絶縁特性と、リアクトルの使用時における最高到達温度に対して軟化しない程度の耐熱性とを有する絶縁性樹脂によって構成すると良い。例えば、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、不飽和ポリエステルなどの熱硬化性樹脂や、PPS樹脂、LCPなどの熱可塑性樹脂が接着シート7に好適に利用できる。この絶縁性樹脂には、窒化珪素、アルミナ、窒化アルミニウム、窒化ほう素、及び炭化珪素から選択される少なくとも1種のセラミックスフィラーが含有されていても良く、そうすることで、接着シート7の絶縁性および放熱性を向上させることができる。接着シート7の熱伝導率は、0.1W/m・K以上とすることが好ましく、より好ましくは0.15W/m・K以上、さらに好ましくは0.5W/m・K以上、特に好ましくは1W/m・K以上、最も好ましくは2.0W/m・K以上である。
ここで、放熱板6の上面のうち、接着シート7が載置される領域の少なくとも一部は粗面化処理(例えば、ショットブラストや、エッチングなど)されていることが好ましい。このように放熱板6に粗面化領域を形成することで、当該領域の凹凸に接着シート7が入り込んで、放熱板6と接着シート7との間の密着性が増す。また、放熱板6と接着シート7の接触面積が増大するので、放熱板6と接着シート7との間の伝熱効率が向上する。
〔防錆工程〕
防錆工程では、リアクトルコーティング剤を用意し、そのリアクトルコーティング剤を組合体10の外周面にスプレーする(図1を参照)。本実施形態では、放熱板6上に組合体10を載置・固定しているので、放熱板6と組合体10の組物の外周面全体にリアクトルコーティング剤をスプレーする(放熱板6の取付面(図1の下方側の面)を除く)。スプレー後は、組物の外周面に付着したリアクトルコーティング剤を硬化させ、組物全体を覆うリアクトル防錆層5を完成させる。
組物の外周面にスプレーするリアクトルコーティング剤としては、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、ポリイミド樹脂、アミドイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、シリコーン樹脂、またはフェノール樹脂などの熱硬化性樹脂を利用することができる。これらの熱硬化性樹脂のリアクトルコーティング剤をリアクトル防錆層5として組物の外周面に定着させるには、組物全体を熱処理する。熱処理の温度は、リアクトルコーティング剤として利用する熱硬化性樹脂の種類によって適宜選択すると良い。
組物表面に形成するリアクトル防錆層5の厚さは、0.005mm以上あれば十分である。防錆の観点からすれば、その厚さはあまり厚くても意味がないので、2mm以下とすると良い。
〔リアクトルの製造方法の効果〕
以上説明した工程を備えるリアクトルの製造方法により、図1に示すリアクトル1を生産性良く製造することができる。リアクトル1を生産性良く製造できるのは、スプレーという簡単な操作により短時間にリアクトル1の防錆処理を行なうことができるからである。
≪リアクトル≫
上記リアクトルの製造方法により得られた本発明リアクトル1は、組合体10の外周面を覆うリアクトル防錆層5を備え、組合体10に備わるコイル2と磁性コア3が外部環境に露出されていない。そのため、リアクトル1は、外部環境の雰囲気によってコイル2や磁性コア3が錆び難いリアクトル1である。
また、本発明リアクトル1は、樹脂被覆部を備える従来のリアクトルに比べて軽量であるため、本発明リアクトル1を搭載する車両の軽量化に寄与する。本発明リアクトル1が従来リアクトルに比べて軽量なのは、リアクトル1の防錆を担うリアクトル防錆層5が極めて薄いからである。
≪リアクトルの用途≫
以上説明したリアクトルの製造方法により得られたリアクトル1は、通電条件が、例えば、最大電流(直流):100A〜1000A程度、平均電圧:100V〜1000V程度、使用周波数:5kHz〜100kHz程度である用途、代表的には電気自動車やハイブリッド自動車などの車載用電力変換装置の構成部品に好適に利用することができる。この用途では、直流通電が0Aのときのインダクタンスが、10μH以上2mH以下、最大電流通電時のインダクタンスが、0Aのときのインダクタンスの10%以上を満たすものが好適に利用できると期待される。
<実施形態2>
実施形態1のリアクトル1は、例えば、車両などに載置されるコンバータの構成部品や、このコンバータを備える電力変換装置の構成部品に利用することができる。
例えば、ハイブリッド自動車や電気自動車といった車両1200は、図4に示すようにメインバッテリ1210と、メインバッテリ1210に接続される電力変換装置1100と、メインバッテリ1210からの供給電力により駆動して走行に利用されるモータ(負荷)1220とを備える。モータ1220は、代表的には、3相交流モータであり、走行時、車輪1250を駆動し、回生時、発電機として機能する。ハイブリッド自動車の場合、車両1200は、モータ1220に加えてエンジンを備える。なお、図4では、車両1200の充電箇所としてインレットを示すが、プラグを備える形態としても良い。
電力変換装置1100は、メインバッテリ1210に接続されるコンバータ1110と、コンバータ1110に接続されて、直流と交流との相互変換を行うインバータ1120とを有する。この例に示すコンバータ1110は、車両1200の走行時、200V〜300V程度のメインバッテリ1210の直流電圧(入力電圧)を400V〜700V程度にまで昇圧して、インバータ1120に給電する。また、コンバータ1110は、回生時、モータ1220からインバータ1120を介して出力される直流電圧(入力電圧)をメインバッテリ1210に適合した直流電圧に降圧して、メインバッテリ1210に充電させている。インバータ1120は、車両1200の走行時、コンバータ1110で昇圧された直流を所定の交流に変換してモータ1220に給電し、回生時、モータ1220からの交流出力を直流に変換してコンバータ1110に出力している。
コンバータ1110は、図5に示すように複数のスイッチング素子1111と、スイッチング素子1111の動作を制御する駆動回路1112と、リアクトルLとを備え、ON/OFFの繰り返し(スイッチング動作)により入力電圧の変換(ここでは昇降圧)を行う。スイッチング素子1111には、FET,IGBTなどのパワーデバイスが利用される。リアクトルLは、回路に流れようとする電流の変化を妨げようとするコイルの性質を利用し、スイッチング動作によって電流が増減しようとしたとき、その変化を滑らかにする機能を有する。このリアクトルLとして、上記実施形態に記載のリアクトル1を用いる。軽量で扱い易いこれらリアクトル1を用いることで、電力変換装置1100(コンバータ1110を含む)の軽量化を図ることができる。
ここで、上記車両1200は、コンバータ1110の他、メインバッテリ1210に接続された給電装置用コンバータ1150や、補機類1240の電力源となるサブバッテリ1230とメインバッテリ1210とに接続され、メインバッテリ1210の高圧を低圧に変換する補機電源用コンバータ1160を備える。コンバータ1110は、代表的には、DC−DC変換を行うが、給電装置用コンバータ1150や補機電源用コンバータ1160は、AC−DC変換を行う。給電装置用コンバータ1150のなかには、DC−DC変換を行うものもある。給電装置用コンバータ1150や補機電源用コンバータ1160のリアクトルに、上記実施形態のリアクトルなどと同様の構成を備え、適宜、大きさや形状などを変更したリアクトルを利用することができる。また、入力電力の変換を行うコンバータであって、昇圧のみを行うコンバータや降圧のみを行うコンバータに、上記実施形態のリアクトルなどを利用することもできる。
なお、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。例えば、コイル素子を一つ備えるコイルを用いたリアクトルの製造にも本発明リアクトルの製造方法を適用することもできる。
本発明リアクトルの製造方法は、ハイブリッド自動車などの車両に搭載される双方向DC−DCコンバータといった電力変換装置の構成部品であるリアクトルの作製に利用することができる。
1 リアクトル
10 組合体
2 コイル
2A,2B コイル素子 2r コイル素子連結部 2a,2b 端部
3 磁性コア
31 内側コア部 31e 端面 310 コア防錆層
32 外側コア部 32e 端面
5 リアクトル防錆層
6 放熱板 60 取付部 60H 挿通孔
7 接着シート
1100 電力変換装置
1110 コンバータ 1111 スイッチング素子 1112 駆動回路
L リアクトル
1120 インバータ
1150 給電装置用コンバータ 1160 補機電源用コンバータ
1200 車両
1210 メインバッテリ
1220 モータ
1230 サブバッテリ
1240 補機類
1250 車輪

Claims (8)

  1. コイルに磁性コアを挿通した組合体の外周面を被覆するリアクトルの製造方法であって、
    前記コイルと前記磁性コアを組み合わせて組合体を作製する組立工程と、
    前記組合体の外周面にリアクトルコーティング剤をスプレーし、当該外周面に付着したリアクトルコーティング剤を硬化させることで、前記組合体の外周面にリアクトル防錆層を被覆する防錆工程と、
    を備えること特徴とするリアクトルの製造方法。
  2. 前記防錆工程において、前記リアクトル防錆層の厚さを0.005〜2mmとすることを特徴とする請求項1に記載のリアクトルの製造方法。
  3. 前記防錆工程で使用するリアクトルコーティング剤は、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、ポリイミド樹脂、アミドイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、シリコーン樹脂、またはフェノール樹脂であることを特徴とする請求項1または2に記載のリアクトルの製造方法。
  4. 前記磁性コアは、前記コイルの内部に配置される内側コア部と、前記コイルから露出する外側コア部と、を有し、
    前記組立工程の前に、前記内側コア部の外周面にコアコーティング剤をスプレーし、当該外周面に付着したコアコーティング剤を硬化させることで、前記内側コア部の外周面にコア防錆層を被覆する前処理工程を備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のリアクトルの製造方法。
  5. 前記リアクトルは、前記組合体が載置される非磁性金属製の放熱板を有する形態であり、
    前記組立工程の後に、前記放熱板の上に前記組合体を固定する固定工程を備えることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のリアクトルの製造方法。
  6. コイルと、そのコイルに挿通される磁性コアと、の組合体を備えるリアクトルであって、
    請求項1〜5のいずれか一項に記載のリアクトルの製造方法により得られたことを特徴とするリアクトル。
  7. スイッチング素子と、前記スイッチング素子の動作を制御する駆動回路と、スイッチング動作を平滑にするリアクトルとを備え、前記スイッチング素子の動作により、入力電圧を変換するコンバータであって、
    前記リアクトルは、請求項6に記載のリアクトルであることを特徴とするコンバータ。
  8. 入力電圧を変換するコンバータと、前記コンバータに接続されて、直流と交流とを相互に変換するインバータとを備え、このインバータで変換された電力により負荷を駆動するための電力変換装置であって、
    前記コンバータは、請求項7に記載のコンバータであることを特徴とする電力変換装置。
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