JP2013218990A - リチウムイオン電池用外装材 - Google Patents

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Abstract

【課題】冷間成形における成形性と、得られる成形品の長期信頼性に優れたリチウムイオン電池用外装材の提供。
【解決手段】基材層の一方の面に、第一の接着剤層と、少なくとも片面に腐食防止処理層が設けられたアルミニウム箔層と、第二の接着剤層又は接着性樹脂層と、シーラント層とが順次積層してなる積層体から構成されるリチウム電池用外装材において、第一の接着剤層が、ポリエステルポリオール又はポリエステルポリオールのイソシアネート伸長物からなる主剤と、ポリイソシアネート系硬化剤とを含有するポリウレタン系接着剤で形成され、第一の接着剤層の赤外吸収スペクトルにおける、1730cm−1近傍のνC=Oに相当する吸収バンドの強度AνC=Oと、1530cm−1近傍のδN−Hに相当する吸収バンドの強度AδN−Hとが、0.8≦AδN−H/AνC=Oの関係にあることを特徴とするリチウムイオン電池用外装材。
【選択図】図1

Description

本発明は、リチウムイオン電池用外装材に関する。
従来、二次電池としてニッケル水素、鉛蓄電池が使用されてきたが、携帯機器の小型化や設置スペースの制限等により二次電池の小型化が必須になってきている。小型化の要求に応えるため、エネルギー密度が高いリチウムイオン電池が注目され、採用されている。リチウムイオン電池は、外装材で構成される筐体の内部に正極、負極および電解質層が封入されており、電解質層は、炭酸プロピレン、炭酸エチレン、炭酸ジメチル、炭酸ジエチル、炭酸エチルメチルなどの非プロトン性の溶媒と電解質から構成される電解液、または該電解液を含浸させたポリマーゲルを含んでいる。電解質としてはLiPF、LiBFなどのリチウム塩が用いられる。
リチウムイオン電池の筐体としては、従来は金属製の缶が用いられてきたが、軽量で、放熱性が高く、低コストで対応できるラミネートタイプの多層フィルムで構成されるものが用いられるようになってきた。リチウムイオン電池においては、電解質であるリチウム塩に水分が接触すると、加水分解反応によりフッ酸が発生する。フッ酸は金属の腐食や多層フィルムの各層間のラミネート強度の低下の原因となるため、外装材に用いられる多層フィルムは一般的に、水分浸入防止の目的で、内部に金属箔層を有している。金属箔としては、防湿性、展延性等の加工性、コスト等の点から、アルミニウム箔が主に用いられている。
上記多層フィルムの層構成としては、アルミニウム箔層の一方の面に接着層を介してシーラント層を積層し、他方の面に接着層を介して基材層を積層する構成(基材層/接着層/アルミニウム箔層/接着層/シーラント層)が一般的であり、任意にこれらの層間に他の中間層(たとえば腐食防止処理層)が設けられる。接着層としては、ドライラミネート用の接着剤を用いたドライラミネート構成と、熱可塑性材料を用いた熱ラミネート構成の2種類に大きく分類される。接着剤を用いたドライラミネート構成の場合、エステル基やウレタン基など加水分解性の高い結合部を有するため、フッ酸による加水分解反応が起こりやすい。したがって高い信頼性が求められる用途には、熱ラミネート構成が用いられることが多い。
外装材として多層フィルムを用いたリチウムイオン電池の形態としては、シーラント層が内側になるように重ね合わせた多層フィルムの外縁を一辺が開口するようにシールして製袋し、その内部に電池内容物(正極、負極、電解質層等)を収納した後密封した形態や、一対の多層フィルムの一方に、張出し成形、深絞り成形等の冷間成形により凹部を形成し、該凹部内に電池内容物を収納した後密封した形態がある。電池内容物をより多く収納し、エネルギー密度を高くできることから、後者の形態がとられることが多い。
外装材として用いられる多層フィルムは、内層側、外層側、全体それぞれで求められる主な性能が異なる。内層側には、耐酸性(電解質から発生するフッ酸への耐性)、水蒸気低透過性、ヒートシール性能が求められ、外層側には、耐擦性、用途によっては耐酸性が求められ、全体には、薄膜化、放熱性、成形性が求められる。特に、上記のように冷間成形を行うタイプの外装材の場合、成形性が重要となる。成形性として具体的には、冷間成形時にクラック、ピンホール等の不具合を生じることなく凹部を成形できること、該不具合を生じることなく成形し得る凹部の深さ(例えば深絞り成形における成型絞り深さ)の向上等が求められる。
成形性には、多層フィルムの基材層を構成するフィルム(基材フィルム)の材質や膜厚が強く寄与すると考えられている。基材フィルムとしては、成形性に優れることから、主に延伸フィルムが用いられている。また、特許文献1〜4では、冷間成形性の向上のため、延伸フィルムの特性(機械的性質の方向性、衝撃強度、比重又は収縮率)を調整する方法などが検討されている。
特許第3567230号公報 特許第4431822号公報 特許第4422171号公報 特開2006−331897号公報
しかし、上記のように基材フィルムの特性を調整する方法では、使用する基材フィルムが制限されたり、効果が不充分な場合がある。例えば特許文献1に記載の方法は、所定の機械的性質の方向性を有する延伸フィルム得るための製造プロセスに制約をうける。特許文献2に記載の衝撃強度30000J/m以上という値は、市販されている延伸ポリアミド樹脂系フィルムの一般的な特性であり、必ずしも成形性の改善効果は得られない。特許文献3に記載されている比重は一般的なポリアミドフィルムの比重値であり、必ずしも成形性の改善効果は得られない。特許文献4に記載の方法は、フィルム熱収縮率が大きいことで耐熱性や電池製造工程におけるベーキング工程などでカールなどの不具合が生じるおそれがある。そのため、外装材の冷間成形における成形性能を向上させることができる新たな手段に対する要求がある。
さらに、リチウムイオン電池が高温、高温多湿、温水中などの過酷な環境に曝される分野、例えば車載用途においては、成型絞り深さ等の成形性だけでなく、それらの環境下に保管している時の成形品の長期信頼性も厳しく問われる。具体的には、100℃−1500hの高温長期保管、60℃−95%RH−1500hの高温多湿下長期保管、又は50℃−1wの温水浸漬時に、成形品におけるアルミニウム箔とその外層側の基材層との間の密着強度が低下してディラミ現象(浮き)が発生するのを防止し得ることが要求される。しかし、この成形品におけるディラミ現象は、基材フィルムの特性だけでは改善することが困難である。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、冷間成形における成形性と、得られる成形品の長期信頼性に優れたリチウムイオン電池用外装材を提供することを目的とする。
上記課題を解決する本発明は、以下の態様を有する。
[1] 基材層の一方の面に、第一の接着剤層と、少なくとも片面に腐食防止処理層が設けられたアルミニウム箔層と、第二の接着剤層又は接着性樹脂層と、シーラント層とが順次積層してなる積層体から構成されるリチウム電池用外装材において、
前記第一の接着剤層が、ポリエステルポリオール又はポリエステルポリオールのイソシアネート伸長物からなる主剤と、ポリイソシアネート系硬化剤とを含有するポリウレタン系接着剤で形成され、
前記第一の接着剤層の赤外吸収スペクトルにおける、1730cm−1近傍のνC=Oに相当する吸収バンドの強度AνC=Oと、1530cm−1近傍のδN−Hに相当する吸収バンドの強度AδN−Hとが、0.8≦AδN−H/AνC=Oの関係にあることを特徴とするリチウムイオン電池用外装材。
[2] 前記AνC=Oと前記AδN−Hとが1≦AδN−H/AνC=Oの関係にある[1]記載のリチウムイオン電池用外装材。
[3] 前記ポリウレタン系接着剤における前記ポリイソシアネート系硬化剤の配合量が、前記主剤100質量部に対し100質量部以下である[1]又は[2]記載のリチウムイオン電池用外装材。
[4] 前記ポリウレタン系接着剤が、さらに、一般式:R−Si(OR’)[式中、Rは反応性官能基を有するユニットであり、R’はアルキル基、アルコキシアルキル基又はアシル基である。]で示されるオルガノシラン、その加水分解物及びこれらの誘導体、ならびに一般式:M(OR”)[式中、Mは金属であり、nはMの価数であり、R”はアルキル基である。]で示される金属アルコキシド及びその加水分解物からなる群から選択される少なくとも1種の化合物(X)を含有し、
前記化合物(X)の配合量が、前記主剤100質量部に対し0.1〜100質量部である[1]〜[3]のいずれか一項に記載のリチウムイオン電池用外装材。
本発明によれば、冷間成形における成形性と、得られる成形品の長期信頼性に優れたリチウムイオン電池用外装材を提供できる。
本発明の外装材を構成する積層体の層構成の一例を示す概略断面図である。
本発明のリチウムイオン電池用外装材(以下、単に「外装材」ということがある。)は、基材層の一方の面に、第一の接着剤層と、少なくとも片面に腐食防止処理層が設けられたアルミニウム箔層と、第二の接着剤層又は接着性樹脂層と、シーラント層とが順次積層してなる積層体から構成されるものであり、前記第一の接着剤層が、ポリエステルポリオール又はポリエステルポリオールのイソシアネート伸長物からなる主剤と、ポリイソシアネート系硬化剤とを含有するポリウレタン系接着剤で形成され、前記第一の接着剤層の赤外吸収(IR)スペクトルにおける、1730cm−1近傍のνC=Oに相当する吸収バンドの強度AνC=Oと、1530cm−1近傍のδN−Hに相当する吸収バンドの強度AδN−Hとが、0.8≦AδN−H/AνC=Oの関係にあることを特徴とする。
ここで、「近傍」とは、±20cm−1の範囲内を意味する。
IRスペクトルにおける1730cm−1近傍のνC=O(C=O伸縮振動)に相当する吸収バンドは、上記ポリウレタン系接着剤の主剤のエステル結合のC=O、及び該主剤とポリイソシアネート系硬化剤との反応により形成されたウレタン結合のC=Oに起因する。
また、1530cm−1近傍のδN−H(N−H変角振動)に相当する吸収バンドは、ウレタン結合から派生する結合、例えばウレタン結合にさらにポリイソシアネート系硬化剤が作用することで形成されるアロファネート結合のN−Hに起因する。
従来のポリウレタン系接着剤は、一般的に、主剤の水酸基価と、ポリイソシアネート系硬化剤のイソシアネート価とがほぼ等価になるように配合設計されている。この場合、形成される接着剤層(ポリウレタン樹脂層)は、1530cm−1近傍の吸収バンドの強度AδN−Hが、1730cm−1近傍の吸収バンドの強度AνC=Oよりも大幅に弱く、AδN−H/AνC=Oの値は0.5未満となる。
本発明においては、主剤に対してかなり過剰なポリイソシアネート系硬化剤を配合することで、ウレタン結合から派生する結合を多く形成させ、0.8≦AδN−H/AνC=Oとしている。これにより、成形性が向上し、例えばクラックやピンホールの発生を伴うことなく成形絞り深さを向上させることが可能になる。また、長期信頼性が向上し、例えば100℃−1500hの高温長期保管、60℃−95%RH−1500hの高温多湿下長期保管、又は50℃−1wの温水浸漬した時の、成形品における基材層とアルミニウム箔層とのディラミ現象を防止できる。
つまり、0.8≦AδN−H/AνC=Oの関係にあることは、従来のポリウレタン系接着剤よりも、より緻密な架橋構造を形成していることを意味している。このように架橋密度がアップすることによって、第一の接着剤層の硬質化とせん断強度の向上が図られ、上記効果が得られると考えられる。
成形性に関して、例えば深絞り成形は、一般的に、多層フィルムを凹凸の成形金型によりせん断降伏させることにより行われるため、せん断降伏強度が強くなることで、成形性が向上することになる。
なお、上述した特許文献1〜4には、ウレタン系ドライラミネート系接着剤を用いることは記載されているものの、配合については何も記載されていない。接着剤の特性による成形性への影響に関する先行技術文献は開示されていない。
また、長期信頼性に関して、基材層−アルミニウム箔層間のディラミ現象は、各種保存環境下における基材層の収縮により成形コーナー部に応力が加わるために発生すると考えられる。本来、冷間成形では、成形による歪部分において、基材層は塑性変形を起こしていることが好ましい。しかし、各種保存環境によって基材層の収縮が起きるということは、成形歪部が完全に塑性変形を起こしているわけではなく、弾性変形の特性を残していることが挙げられる。つまり従来は、成形時の応力がシーラント層側(基材層側とは反対側)から基材層に加わることで塑性変形を起こすべきところが、基材層とアルミニウム箔層とを接着する接着剤層の弾性(やわらかさ・硬さに関わる要因)の影響で応力が吸収され、基材層が塑性変形を起こすまでの応力が加わっていなかったと考えられる。本発明では、第一の接着剤層が従来に比べて硬質化していることにより、成形時の応力がダイレクトに基材層に加わり、これによって基材層の塑性変形を伴う成形が可能になり、各種保存環境下での長期信頼性が向上(基材層/Al箔層間のディラミが改善)すると考えられる。
以下、本発明の外装材について、図面により実施形態を示して説明する。
図1は、本発明の外装材を構成する積層体の層構成の一例を示す概略断面図である。
本例の積層体10は、基材層SBの一方の面に、第一の接着剤層AD1、アルミニウム箔層AL、腐食防止処理層CL、第二の接着剤層AD2又は接着性樹脂層AD3、シーラント層SLが順次積層したラミネート構成を有する。これにより、リチウムイオン電池用外装材に必要とされる性能を発現できる。
<基材層SB>
基材層SBは、リチウムイオン電池を製造する際のヒートシール工程における耐熱性の付与、成形加工や流通の際に起こり得るピンホールの発生の抑制等の役割を果たす。特に大型用途のリチウムイオン電池の外装材の場合等は、耐擦傷性、耐薬品性、絶縁性等も付与できる。
基材層SBとしては、絶縁性を有する樹脂により形成された樹脂フィルムが好ましい。該樹脂フィルムとしては、ポリエステルフィルム、ポリアミドフィルム、ポリプロピレンフィルム等の延伸又は未延伸フィルムが挙げられる。基材層SBは、これらの樹脂フィルムのいずれか1種からなる単層構成の樹脂層であってもよく、これらの樹脂フィルムを2種以上積層した複層構成の樹脂層であってもよい。
該樹脂層としては、例えば、延伸または無延伸ポリアミドフィルム、延伸または無延伸ポリエステルフィルム、延伸ポリアミドフィルムと延伸ポリエステルフィルムとの2層フィルム等が挙げられる。
基材層SBとしては、特に、成形性、耐熱性に優れる点で、延伸ポリアミドフィルムを含む単層または複層構成の樹脂層が好ましい。さらに耐酸性を付与できる点で、延伸ポリアミドフィルムを含む複層構成の樹脂層が好ましく、延伸ポリアミドフィルムと延伸ポリエステルフィルムとの2層フィルムが特に好ましい。
基材層SBの厚みは、成形性、耐熱性、耐ピンホール性、絶縁性を向上させるという点で、6μm以上が好ましく、10μm以上がより好ましい。また、薄膜化、高放熱性の点では、60μm以下が好ましく、45μm以下がより好ましい。
基材層SBの最外層面(第一の接着剤層AD1側とは反対側の表面)には各種添加剤、例えば、耐酸性付与剤、難燃剤、スリップ剤、アンチブロッキング剤、酸化防止剤、光安定剤、粘着付与剤などが塗布されていてもよい。
耐酸性付与剤としては、ポリ塩化ビニリデン、塩化ビニリデン−塩化ビニル共重合体、無水マレイン酸変性ポリプロピレン、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、フッ素樹脂、セルロースエステル、ウレタン樹脂、アクリル樹脂等が挙げられる。
スリップ剤としては、脂肪酸アミド、例えば、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、ステアリン酸アミド、ベヘニン酸アミド、エチレンビスオレイン酸アミド、エチレンビスエルカ酸アミド等が挙げられる。
アンチブロッキング剤としては、シリカなどの各種フィラー系のものが好適である。
これらの添加剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
<第一の接着剤層AD1>
第一の接着剤層AD1は、基材層SBとアルミニウム箔層ALとの密着性を高める層である。
第一の接着剤層AD1は、上述したように、ポリエステルポリオール又はポリエステルポリオールのイソシアネート伸長物からなる主剤と、ポリイソシアネート系硬化剤とを含有するポリウレタン系接着剤で形成される層であり、該主剤とポリイソシアネート系硬化剤との反応により形成されるポリウレタン樹脂で構成される。
前記主剤としてのポリエステルポリオールとしては、例えば、少なくとも1種の多塩基酸と、少なくとも1種のジオールを反応させて得られるものを用いることが可能である。
多塩基酸としては、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スペリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ブラシル酸などの脂肪族系二塩基酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸などの芳香族系二塩基酸等の二塩基酸などが挙げられる。
ジオールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、メチルペンタンジオール、ヘキサンジオール、ヘプタンジオール、オクタンジオール、ノナンジオール、デカンジオール、ドデカンジオールなど脂肪族系ジオール、シクロヘキサンジオール、水添キシリレングリーコルなどの脂環式系ジオール、キシリレングリーコルなどの芳香族系ジオール等が挙げられる。
前記主剤としてのポリエステルポリオールのイソシアネート伸長物としては、上記のポリエステルポリオールの両末端の水酸基を、イソシアネート化合物の単体、または少なくとも一種のイソシアネート化合物からなるアダクト体、ビューレット体もしくはイソシアヌレート体を用いて鎖伸長したポリエステルウレタンポリオールなどが挙げられる。
イソシアネート化合物としては、例えば2,4−もしくは2,6−トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、メチレンジイソシアネート、イソプロピレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、2,2,4−もしくは2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、メチルシクロヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、イソプロピリデンジシクロヘキシル−4,4’−ジイソシアネートなどが挙げられる。
これらの主剤は、求められる機能や性能に応じて、いずれか1種単独で用いてもよく、2種以上のブレンドの状態で用いてもよい。
ポリイソシアネート系硬化剤としては、例えば、前記イソシアネート伸長物の説明で、鎖伸張に用いられるイソシアネート化合物として挙げたものと同様のものが挙げられる。また、上記イソシアネート化合物のアダクト体、ビューレット体、イソシアヌレート体等を用いることもできる。
具体的には、2,4−もしくは2,6−トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、メチレンジイソシアネート、イソプロピレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、2,2,4−もしくは2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、メチルシクロヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、イソプロピリデンジシクロヘキシル−4,4’−ジイソシアネートなどから選ばれるイソシアネート化合物の単体、あるいは上記イソシアネート化合物から選択される少なくとも一種のイソシアネート化合物からなるアダクト体、ビューレット体、イソシアヌレート体が挙げられる。
前記ポリウレタン系接着剤におけるポリイソシアネート系硬化剤の配合量は、主剤の水酸基価と、ポリイソシアネート系硬化剤のイソシアネート価とを考慮して、第一の接着剤層AD1のIRスペクトルにおける、1730cm−1近傍のνC=Oに相当する吸収バンドの強度AνC=Oと、1530cm−1近傍のδN−Hに相当する吸収バンドの強度AδN−Hとが、0.8≦AδN−H/AνC=Oの関係になるように設定される。
上述したように、従来のポリウレタン系接着剤は、一般的に、主剤の水酸基価と、ポリイソシアネート系硬化剤のイソシアネート価とがほぼ等価になるように配合設計されており、この場合、AνC=Oに対するAδN−Hの強度比(AδN−H/AνC=O)の値は0.5未満となる。本発明においては、主剤に対してかなり過剰なポリイソシアネート系硬化剤を配合することで、0.8≦AδN−H/AνC=Oとすることができる。
つまり、AδN−H/AνC=O=0.8となるときの配合量が、主剤に対するポリイソシアネート系硬化剤の配合量の下限といえ、AδN−H/AνC=Oが大きくなるほど、ポリイソシアネート系硬化剤の配合量が多くなる。
δN−H/AνC=Oは、1以上(つまりAνC=O≦AδN−H)が好ましく、1.25以上がより好ましく、1.5以上が特に好ましい。AδN−H/AνC=Oが大きいほど、第一の接着剤層AD1が硬質化し、本発明の効果に優れる。
δN−H/AνC=Oの上限は特に限定されないが、AδN−H/AνC=Oが大きすぎると、つまりポリイソシアネート系硬化剤の配合量が多すぎると、膜質が硬くなりすぎて基材層SB/アルミニウム箔層AL間のラミネート強度の低下を伴うおそれがある。
したがって、ポリウレタン系接着剤におけるポリイソシアネート系硬化剤の配合量として、主剤100質量部に対し100質量部以下が好ましく、70質量部以下がより好ましい。100質量部を超えて配合しても、各種保存環境下における長期信頼性の効果という意味では性能面で飽和している状態であり、過剰の添加は、上述したようなラミネート強度の低下を伴うおそれがある。
IRスペクトルの測定は、市販のフーリエ変換型赤外分光光度計を用いて実施できる。
δN−H/AνC=Oは、以下の手順で求めることができる。
本発明の外装材の基材層SBをはがして第一の接着剤層AD1を露出させ、そのIRスペクトルを、KRS−5プリズムやZnSeプリズム等を用いたATR法により測定する。得られた吸収スペクトルにおけるバックグラウンドからνC=O、δN−Hの吸収バンドのピークトップまでの高さを、測定装置に付属の演算ソフト等を用いて求め、その結果から、強度比(AδN−H/AνC=O)を算出する。
前記ポリウレタン系接着剤に、さらに、一般式:R−Si(OR’)で示されるオルガノシラン、その加水分解物及びこれらの誘導体、ならびに一般式:M(OR”)で示される金属アルコキシド及びその加水分解物からなる群から選択される少なくとも1種の化合物(X)を含有させることが好ましい。これにより、基材層SBとアルミニウム箔層ALとの間の密着性がさらに向上し、成形品の長期信頼性がさらに向上する。
式R−Si(OR’)中、Rは反応性官能基を有するユニットである。「反応性官能基」とは、前記ポリウレタン系接着剤成分が有する各種官能基と反応し得る基を意味する。Rとしては、例えばビニル基、γ−メタクリロキシプロピル基、γ−グリシドキシプロピル基、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル基、γ−メルカプトプロピル基、γ−アミノプロピル基、γ−クロロプロピル基、N−β(アミノエチル)−γ−アミノプロピル基等が挙げられる。
R’はアルキル基、アルコキシアルキル基又はアシル基である。
アルキル基としては、例えばメチル基、エチル基等が挙げられる。
アルコキシアルキル基としては、例えばメトキシエチル基、エトキシエチル基等が挙げられる。
アシル基としては、例えばアセチル基等が挙げられる。
R−Si(OR’)で示されるオルガノシランとしては、シランカップリング剤等として用いられているものが利用でき、例えばビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
該オルガノシランの加水分解物としては、上記式中のOR’のうち、少なくとも1つがOHとなったものが挙げられる。
該オルガノシラン又はその加水分解物の誘導体としては、上記の加水分解物の二量体や三量体といった縮合物等が挙げられる。
式M(OR”)中、Mは金属である。該金属としては、例えばSi、Al、Ti、Zr等が挙げられる。
R”はアルキル基である。R”としては、前記のR’におけるアルキル基と同様のものが挙げられる。
M(OR”)で示される金属アルコキシドとして具体的には、テトラエトキシシラン、トリプロポキシアルミニウム等が挙げられる。
該金属アルコキシドの加水分解物としては、上記式中のOR”のうち、少なくとも1つがOHとなったものが挙げられる。
化合物(X)としては、1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
ポリウレタン系接着剤中、化合物(X)の配合量は、主剤100質量部に対し0.1〜100質量部が好ましく、5〜50質量部がより好ましい。0.1質量部以上であることにより、化合物(X)を配合することの効果が充分に得られる。100質量部より多くても構わないが、性能面で飽和に到達し、また過剰に添加する材料が多くなる分経済性という点で好ましくない。
前記ポリウレタン系接着剤に、さらに、接着促進のため、カルボジイミド化合物、オキサゾリン化合物、エポキシ化合物、リン化合物などを配合することも可能である。
カルボジイミド化合物としては、N,N’−ジ−o−トルイルカルボジイミド、N,N’−ジフェニルカルボジイミド、N,N’−ジ−2,6−ジメチルフェニルカルボジイミド、N,N’−ビス(2,6−ジイソプロピルフェニル)カルボジイミド、N,N’−ジオクチルデシルカルボジイミド、N−トリイル−N’−シクロヘキシルカルボジイミド、N,N’−ジ−2,2−ジ−t−ブチルフェニルカルボジイミド、N−トリイル−N’−フェニルカルボジイミド、N,N’−ジ−p−ニトロフェニルカルボジイミド、N,N’−ジ−p−アミノフェニルカルボジイミド、N,N’−ジ−p−ヒドロキシフェニルカルボジイミド、N,N’−ジ−シクロヘキシルカルボジイミド、およびN,N’−ジ−p−トルイルカルボジイミドなどが挙げられる。
オキサゾリン化合物としては、2−オキサゾリン、2−メチル−2−オキサゾリン、2−フェニル−2−オキサゾリン、2,5−ジメチル−2−オキサゾリン、2,4−ジフェニル−2−オキサゾリンなどのモノオキサゾリン化合物、2,2’−(1,3−フェニレン)−ビス(2−オキサゾリン)、2,2’−(1,2−エチレン)−ビス(2−オキサゾリン)、2,2’−(1,4−ブチレン)−ビス(2−オキサゾリン)、2,2’−(1,4−フェニレン)−ビス(2−オキサゾリン)などのジオキサゾリン化合物が挙げられる。
エポキシ化合物としては、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、ポリアルキレングリコールのような脂肪族のジオールのジグリシジルエーテル、ソルビトール、ソルビタン、ポリグリセロール、ペンタエリスリトール、ジグリセロール、グリセロール、トリメチロールプロパンなどの脂肪族ポリオールのポリグリシジルエーテル、シクロヘキサンジメタノールなどの脂環式ポリオールのポリグリシジルエーテル、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、トリメリット酸、アジピン酸、セバシン酸などの脂肪族、芳香族の多価カルボン酸のジグリシジルエステルまたはポリグリシジルエステル、レゾルシノール、ビス−(p−ヒドロキシフェニル)メタン、2,2−ビス−(p−ヒドロキシフェニル)プロパン、トリス−(p−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1,2,2−テトラキス(p−ヒドロキシフェニル)エタンなどの多価フェノールのジグリシジルエーテルもしくはポリグリシジルエーテル、N,N’−ジグリシジルアニリン、N,N,N−ジグリシジルトルイジン、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−ビス−(p−アミノフェニル)メタンのようにアミンのN−グリシジル誘導体、アミノフェールのトリグリシジル誘導体、トリグリシジルトリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、トリグリシジルイソシアヌレート、オルソクレゾール型エポキシ、フェノールノボラック型エポキシが挙げられる。
リン系化合物としては、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)4,4’−ビフェニレンホスフォナイト、ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトール−ジ−ホスファイト、ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトール−ジ−ホスファイト、2,2−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)オクチルホスファイト、4,4’−ブチリデン−ビス(3−メチル−6−t−ブチルフェニル−ジ−トリデシル)ホスファイト、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ジトリデシルホスファイト−5−t−ブチル−フェニル)ブタン、トリス(ミックスドモノおよびジ−ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、4,4’−イソプロピリデンビス(フェニル−ジアルキルホスファイト)などが挙げられる。
その他、接着剤に求められる性能に応じて、各種添加剤や安定剤も配合しても構わない。
第一の接着剤層AD1の厚みは、1〜10μmが好ましく、3〜5μmがより好ましい。1μm以上であると、接着剤としてのラミネート強度が向上し、10μm以下であると、冷間成形時のディラミを充分に抑制できる。
<アルミニウム箔層AL>
アルミニウム箔層ALを構成するアルミニウム箔としては、一般に用いられている軟質アルミニウム箔を用いることができる。さらなる耐ピンホール性、及び成形時の延展性を付与させる目的で、鉄含有率が0.1〜9.0質量%、好ましくは0.5〜2.0質量%の範囲内のアルミニウム箔を用いることが好ましい。鉄含有率が0.1質量%以上であると耐ピンホール性、延展性が十分に付与され、9.0質量%以下であると柔軟性が良好である。
アルミニウム箔は脱脂処理が施されたものが好ましい。脱脂処理は大きくウェットタイプ、ドライタイプが挙げられる。
ウェットタイプの脱脂処理としては、酸脱脂、アルカリ脱脂などが挙げられる。
酸脱脂としては、硫酸、硝酸、塩酸、フッ酸などの無機酸を単独で、または2種以上を混合したものを用いる方法などが挙げられる。また、必要に応じてアルミのエッチング効果を向上させるという点でもFeイオンやCeイオンなどの供給源となる各種金属塩を配合するケースもある。アルカリ脱脂としては水酸化ナトリウムなどの強エッチングタイプが挙げられ、また弱アルカリ系や界面活性剤を配合したケースもある。これらの脱脂・エッチングは浸漬法やスプレー法で行われる。
ドライタイプの脱脂処理としては、アルミの焼鈍工程で行う方法が挙げられる。また、フレーム処理やコロナ処理なども挙げられる。さらにはある特定波長の紫外線を照射により発生した活性酸素により汚染物質を酸化分解・除去するような脱脂処理も挙げられる。
脱脂処理が施されるのは、アルミニウム箔の片側面であっても両側面であってもよい。
アルミニウム箔層ALの厚みは、バリア性、耐ピンホール性、加工性を考慮すると、9〜200μmが好ましく、15〜100μmがより好ましい。
<腐食防止処理層CL>
腐食防止処理層CLは、基本的には、電解液あるいはフッ酸によるアルミニウム箔層ALの腐食を防止するために設けられる層である。
腐食防止処理としては、脱脂処理、熱水変成処理、陽極酸化処理、化成処理、腐食防止性能を有するコーティング剤を塗工するコーティングタイプの腐食防止処理あるいはこれら処理の2種以上の組み合わせが挙げられる。
上述した処理のうち脱脂処理、熱水変成処理、陽極酸化処理、特に熱水変性処理や陽極酸化処理は、処理剤によって金属箔(アルミニウム箔)表面を溶解させ、さらには耐腐食性に優れる化合物を形成させることから、金属箔から腐食防止処理層まで共連続構造を形成している形になるために、化成処理の定義に包含されるケースもあるが、後述する希土類元素酸化物ゾルを含有するコーティング剤を用いる方法のような、化成処理の定義に含まれない純粋なコーティング処理のみで腐食防止処理層CLを形成させることも可能である。
脱脂処理としては、酸脱脂、アルカリ脱脂が挙げられる。酸脱脂としては上述した硫酸、硝酸、塩酸、フッ酸などの無機酸を単独あるいはこれらを混合して得られたものを用いる方法などが挙げられる。また酸脱脂として、一ナトリウム二フッ化アンモニウムなどのフッ素含有化合物を上記無機酸で溶解させた酸脱脂剤を用いることで、金属箔の脱脂効果だけでなく不動態である金属のフッ化物を形成させることが可能であり、耐フッ酸性という点で有効である。アルカリ脱脂としては、水酸化ナトリウムなどを用いる方法が挙げられる。
熱水変成処理としては、トリエタノールアミンを添加した沸騰水中に金属箔を浸漬処理することで得られるベーマイト処理が挙げられる。
陽極酸化処理としては、アルマイト処理が挙げられる。
化成処理としては、クロメート処理、ジルコニウム処理、チタニウム処理、バナジウム処理、モリブデン処理、リン酸カルシウム処理、水酸化ストロンチウム処理、セリウム処理、ルテニウム処理、あるいはこれらの混合相からなる各種化成処理が挙げられる。
これらの熱水変成処理、陽極酸化処理、化成処理は、事前に上述した脱脂処理を施した方が好ましい。またこれらの化成処理は湿式型に限らず、これらの処理剤を樹脂成分と混合した塗布型タイプでも適用が可能である。
腐食防止性能を有するコーティング剤を塗工するコーティングタイプの腐食防止処理に用いられるコーティング剤としては、希土類元素酸化物ゾル、アニオン性ポリマー、カチオン性ポリマーからなる群から選ばれる少なくとも1種を含有するものが挙げられる。特に、希土類元素酸化物ゾルを含有するコーティング剤を用いる方法が好ましい。
希土類元素酸化物ゾルを含有するコーティング剤を用いる方法は、純粋なコーティングタイプの腐食防止処理であり、この方法を用いることで、一般的なコーティング方法でも金属箔に腐蝕防止効果を付与させることが可能である。また、希土類元素酸化物ゾルを用いて形成される層は、金属箔の腐蝕防止効果(インヒビター効果)を有し、かつ環境側面的にも好適な材料である。
希土類元素酸化物ゾルは、液体分散媒中に希土類元素酸化物の微粒子(例えば平均粒径100nm以下の粒子)が分散したものである。
希土類元素酸化物としては、酸化セリウム、酸化イットリウム、酸化ネオジウム、酸化ランタン等が挙げられる。中でも酸化セリウムが好ましい。
希土類元素酸化物ゾルの液体分散媒としては、例えば水系、アルコール系、炭化水素系、ケトン系、エステル系、エーテル系など各種溶媒を用いることが可能であるが、後述する理由から水系が好ましい。
希土類元素酸化物ゾルは通常、希土類元素酸化物粒子の分散を安定化させるために、分散安定化剤として、硝酸、塩酸、リン酸などの無機酸、酢酸、リンゴ酸、アスコルビン酸、乳酸などの有機酸、それらの塩等が用いられる。これらの分散安定化剤のうち、特にリン酸やその塩は「ゾルの分散安定化」だけでなく、リチウムイオン電池用外装材の用途において、リン酸のキレート能力を利用した、「金属箔との密着性向上」、フッ酸の影響で溶出した金属物イオンを捕獲(不動態形成)することよる「電解液耐性の付与」、低温でもリン酸の脱水縮合起こしやすいことによる「酸化物層の凝集力アップ」などの効果が期待できることから好ましい。
分散安定化剤として用いられるリン酸又はその塩としては、オルトリン酸、ピロリン酸、メタリン酸、あるいはこれらのアルカリ金属塩やアンモニウム塩が挙げられる。特にはトリメタリン酸、テトラメタリン酸、ヘキサメタリン酸、ウルトラメタリン酸などの縮合リン酸、あるいはこれらのアルカリ金属塩やアンモニウム塩が、リチウムイオン電池用外装材としての機能発現に好ましい。特に、この希土類元素酸化物ゾルを用いて、各種コーティング法により希土類酸化物からなる層を形成させる時の乾燥造膜性(乾燥能力、熱量)を考慮すると、低温での反応性に優れる剤が好ましいことから、低温での脱水縮合性に優れるNaイオン塩などが好適に用いられる。リン酸塩を形成する塩としては、特に制約は受けないが、より好ましくは水溶性の塩であることが好ましい。
希土類元素酸化物ゾル中、リン酸あるいはその塩の配合量としては、希土類元素酸化物100質量部に対し、1質量部以上が好ましく、5質量部以上がより好ましい。1質量部以上であると、ゾルの安定化が良好であると共に、リチウムイオン電池用外装材としての機能を満たすことが容易である。希土類元素酸化物100質量部に対するリン酸あるいはその塩の配合上限は、希土類元素酸化物ゾルの機能低下を伴わない範囲であればよく、希土類元素酸化物100質量部に対し、100質量部以下が好ましく、50質量部以下がより好ましく、20質量部以下がさらに好ましい。
ただし、上述した希土類元素酸化物ゾルから形成される層は無機粒子の集合体であるため、乾燥キュアの工程を経ても、その層自身の凝集力は低い。そこでこの層の凝集力を補うために、アニオン性ポリマーで複合化させることが好適である。
該アニオン性ポリマーとしては、カルボキシ基を有するポリマーが挙げられ、具体的には、ポリ(メタ)アクリル酸(あるいはその塩)、あるいは(メタ)アクリル酸を主成分とするモノマー混合物を共重合させて得られる共重合体が挙げられる。該単量体混合物に(メタ)アクリル酸とともに用いられるモノマーとしては、アルキル基としてメチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、2−エチルヘキシル基、シクロヘキシル基であるアルキル(メタ)アクリレート系モノマー、さらには、(メタ)アクリルアミド、N−アルキル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジアルキル(メタ)アクリルアミド(アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、2−エチルヘキシル基、シクロヘキシル基等)、N−アルコキシ(メタ)アクリルアミド、N,N−ジアルコキシ(メタ)アクリルアミド、(アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基等)、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−フェニル(メタ)アクリルアミドなどのアミド基含有モノマー、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートなどの水酸基含有モノマー、グリシジル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテル等のグリシジル基含有モノマー、(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、(メタ)アクリロキシプロピルトリエトキシランなどのシラン含有モノマー、(メタ)アクリロキシプロピルイソシアネートなどのイソシアネート基含有モノマーなどが挙げられる。
上記アニオン性ポリマーは、上述したように、希土類元素酸化物ゾルを用いて得られた希土類元素酸化物層の凝集力を高め、安定性を向上させるために用いる材料である。その効果としては、硬くて脆い希土類元素酸化物層をアニオン性ポリマーで保護するという目的、さらには、希土類元素酸化物ゾルに任意に含まれるリン酸塩由来のイオンコンタミ(特にナトリウムイオン)をトラップする(カチオンキャッチャー)効果が挙げられる。本発明で用いるリチウムイオン電池用途に限らず、たとえば腐蝕性化合物による金属箔の腐食を防止するために設ける保護層(腐食防止処理層)中に、イオンコンタミ、特にナトリウムなどのアルカリ金属イオンやアルカリ土類金属イオンが含まれると、このイオンコンタミを起点にして保護層が侵されてしまうという問題点がある。希土類元素酸化物ゾル中に含まれるナトリウムイオンなどのイオンコンタミを固定化させ、皮膜の耐性を向上させるという点で、ポリアクリル酸などのアニオン性ポリマーが有効である。
したがって、アニオン性ポリマーを、腐食防止処理層CLにて希土類元素酸化物ゾルと組み合わせて用いることで、クロメート処理と同等の腐食防止性能を付与することが可能なる。かかる効果は、上記のような、本質的には水溶性であるアニオン系ポリマーを架橋させることでさらに向上する。
アニオン性ポリマーの架橋は、架橋剤を用いて行うことができ、このような架橋剤としては、イソシアネート基、グリシジル基、カルボキシ基、オキサゾリン基を有する化合物が挙げられる。
イソシアネート基を有する化合物の例としては、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネートあるいはその水素添加物、ヘキサメチレンジイソシアネート、4−4’ジフェニルメタンジイソシアネートあるいはその水素添加物、イソホロンジイソシアネートなどのジイソシアネート類、あるいはこれらのイソシアネート類を、トリメチロールプロパンなどの多価アルコールと反応させたアダクト体、水と反応させることで得られたビューレット体、あるいは三量体であるイソシアヌレート体などのポリイソシアネート類、あるいはこれらのポリイソシアネート類をアルコール類、ラクタム類、オキシム類などでブロック化させたブロックポリイソシアネートなどが挙げられる。
グリシジル基を有する化合物の例としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール等のグリコール類とエピクロルヒドリンを作用させたエポキシ化合物、グリセリン、ポリグリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール等の多価アルコール類とエピクロルヒドリンを作用させたエポキシ化合物、フタル酸、テレフタル酸、シュウ酸、アジピン酸等のジカルボン酸とエピクロルヒドリンとを作用させたエポキシ化合物などが挙げられる。
カルボキシ基を有する化合物としては、各種脂肪族あるいは芳香族ジカルボン酸などが挙げられ、さらにはポリ(メタ)アクリル酸やポリ(メタ)アクリル酸のアルカリ(土類)金属塩を用いることも可能である。
オキサゾリン基を有する化合物は、オキサゾリンユニットを2つ以上有する低分子化合物やあるいはイソプロペニルオキサゾリンのように重合性モノマーを用いる場合には、アクリル系モノマー、例えば、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルなどと共重合させたものを用いることが可能である。
さらにはシランカップリング剤を用いて架橋点をシロキサン結合にさせることも可能である。シランカップリング剤としては、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルメトキシシラン、ビニルトリクロロシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−イソシアナートプロピルトリエトキシシランが挙げられ、特にアニオン性ポリマーとの反応性を考慮すると、エポキシシラン、アミノシラン、イソシアネートシランが好適に使われる。
これらの架橋剤の配合量は、アニオン性ポリマー100質量部に対し1〜50質量部が適切である。1質量部より少ないと架橋構造が不十分であり、50質量部より多い以上であると塗液ポットライフの低下を伴う恐れがある。好ましくは、10〜20質量部である。
アニオン性ポリマーを架橋させる方法としては上述した架橋剤に限らず、チタニウムやジルコニウム化合物を用いたイオン架橋などの架橋構造を形成させても構わない。
上述した希土類元素酸化物ゾルやアニオン性ポリマーを含有するコーティング剤を用いて腐食防止処理層を形成する場合は、クロメート処理に代表される化成処理とは異なり、金属箔層と化成処理層との間で傾斜構造を形成させる必要は無い。クロメートに代表される化成処理はこの金属箔との傾斜構造を形成させるため、特にフッ酸、塩酸、硝酸、硫酸あるいはこれらの塩を配合した化成処理剤を用いて金属箔に処理を施し、クロムやノンクロム系の化合物と作用させて化成処理層を金属箔に形成させることは上述してきたとおりである。しかしながらこれらの処理剤は酸を用いていることから、作業環境やコーティング装置の腐食を伴うものである。上述のコーティング剤を用いる方法は、金属箔に対して傾斜構造を形成させる必要がなく、そのような点で化成処理とは定義が異なるものである。その結果、コーティング剤の性状も酸性やアルカリ性や中性に制約を受けることがないことから作業環境的にも優しい処理方法であるといえ、さらには、クロメート処理に用いるクロム化合物の環境衛生性を考慮すると、その代替案を望まれている腐食防止技術分野の点からも興味深い内容であるといえる。
腐食防止処理層CLは、上述した希土類酸化物ゾルから形成される層、または希土類酸化物ゾルとアニオン性ポリマーとを複合化した層に、カチオン性ポリマーと架橋剤とを併用したコート層を積層した多層構造であってもよい。
カチオン性ポリマーとしては、エチレンイミン、ポリエチレンイミンとカルボン酸を有するポリマーからなるイオン高分子錯体、アクリル主骨格に1級アミンをグラフトさせた1級アミングラフトアクリル樹脂、ポリアリルアミンあるいはこれらの誘導体、アミノフェノール等が挙げられる。
架橋剤としては、カルボキシル基やグリシジル基といったアミン/イミンと反応が可能な官能基を有するものが好ましい。
またポリエチレンイミンとイオン高分子錯体を形成するカルボン酸を有するポリマーも架橋剤として用いることが可能であり、その例としてポリアクリル酸あるいはそのイオン塩などのポリカルボン酸(塩)、あるいはこれにコモノマーを導入させた共重合体や、カルボキシメチルセルロースあるいはそのイオン塩などのカルボキシル基を有する多糖類が挙げられる。ポリアリルアミンとしては、アリルアミン、アリルアミンアミド硫酸塩、ジアリルアミン、ジメチルアリルアミンなどの単独重合体あるいは共重合体を用いることが可能であり、さらに、これらのアミンはフリーのアミンでも酢酸あるいは塩酸による安定化物でも用いることが可能である。またさらに共重合体成分として、マレイン酸、二酸化イオウなどを用いることも可能である。さらには1級アミンを部分メトキシ化させることで熱架橋性を付与させたタイプも用いることが可能である。アミノフェノールも利用することが可能である。特に好適なのはアリルアミンあるいはその誘導体が挙げられる。
なお、ここではこのカチオン性ポリマーも腐食防止処理層を構成する一構成要素として記載しているが、その理由としては、リチウム電池用外装材で要求される電解液耐性、フッ酸耐性を付与させるべく様々な化合物を用い誠意検討を行った結果、カチオン性ポリマー自体も、電解液耐性、耐フッ酸性を付与することが可能な化合物であることを見出したためである。この要因は、フッ素イオンをカチオン性基でトラップする(アニオンキャッチャー)ことで、金属箔のダメージを抑制している為と推測される。そのような理由から、上述した腐食防止処理層として希土類酸化物ゾルを用いた場合に、その保護層として上述したアニオン性ポリマーを用いる変わりに、カチオン性ポリマーを用いても構わない。
以上の内容から、上述したコーティングタイプの腐食防止処理の組み合わせの事例として、
(1)希土類酸化物ゾルのみ、
(2)アニオン性ポリマーのみ、
(3)カチオン性ポリマーのみ、
(4)希土類酸化物ゾル+アニオン性ポリマー(積層複合化)、
(5)希土類酸化物ゾル+カチオン性ポリマー(積層複合化)、
(6)(希土類酸化物ゾル+アニオン性ポリマー:積層複合化)/カチオン性ポリマー(多層化)、
(7)(希土類酸化物ゾル+カチオン性ポリマー:積層複合化)/アニオン性ポリマー(多層化)、
等が挙げられる。なかでも(1)、(4)〜(7)が好ましく、(4)〜(7)が特に好ましい。ただしこれらに限られるわけではない。たとえば腐食防止処理の選択の事例として、カチオン性ポリマーは、後述する接着性樹脂層AD3の説明で挙げる変性ポリオレフィン樹脂との接着性が良好であるという点でも非常に好ましい材料であることから、接着性樹脂層AD3を変性ポリオレフィン樹脂で構成される場合においては、接着性樹脂層AD3に接する面にカチオン性ポリマーを設ける(例えば構成(5)や(6)などの構成)、といった設計が可能である。
上述した内容に限らず、例えば公知技術である塗布型クロメートのように、樹脂バインダー(アミノフェノールなど)にリン酸とクロム化合物を配合した剤を用いることで、腐食防止機能と密着性を双方兼ね備えた層を形成することが可能になる。また、上述した化成処理層(脱脂処理、熱水変成処理、陽極酸化処理、化成処理、あるいはこれら処理の組み合わせにより形成した層)に対して、密着性を向上させるために、上述してきたカチオン性ポリマーやアニオン性ポリマーを用いて複合的な処理を施したり、あるいはこれらの処理の組み合わせに対して多層構造としてカチオン性ポリマーやアニオン性ポリマーを積層させることも可能である。また、塗液の安定性を考慮する必要があるが、上述してきた希土類酸化物ゾルとカチオン性ポリマーあるいはアニオン性ポリマーとを事前に一液化して得られたコーティング剤も用いることも可能である。
腐食防止処理層CLは、単位面積あたりの質量が0.005〜0.200g/mの範囲内となるように設けることが好ましく、0.010〜0.100g/mの範囲内となるように設けることがより好ましい。0.005g/mより薄い場合は、金属箔層の腐食防止機能に影響を与えるおそれがある。0.200g/mより厚い場合は腐食防止機能の性能が飽和してしまう、あるいは希土類酸化物ゾルを用いたケースの場合には、塗膜が厚いと乾燥時の熱によるキュアが不十分となり、凝集力の低下を伴うおそれがある。
なお、上記内容では単位面積あたりの質量で記載しているが、比重がわかればそこから厚みを換算することも可能である。
なお、図1には、アルミニウム箔層ALのシーラント層SL側(基材層SBとは反対側)の面のみに腐食防止処理層CLを設けた例を示しているが、本発明はこれに限定されるものではない。例えばアルミニウム箔層ALの基材層SB側の面のみに腐食防止処理層CLを設けてもよく、アルミニウム箔層ALの両面に腐食防止処理層CLを設けてもよい。
電解液あるいはフッ酸によるアルミニウム箔層ALの腐食を防止するという観点からは、アルミニウム箔層ALのシーラント層SL側(基材層SBとは反対側)の面又は両面に腐食防止処理層CLが設けられていることが好ましい。
<第二の接着剤層AD2又は接着性樹脂層AD3>
第二の接着剤層AD2又は接着性樹脂層AD3は、腐食防止処理層CLとシーラント層SLとを貼り合せる層である。
[第二の接着剤層AD2]
第二の接着剤層AD2の形成に用いられる構成する接着剤としては、ポリエステルポリオール又はポリエステルポリオールのイソシアネート伸長物からなる主剤と、ポリイソシアネート系硬化剤とを含有するポリウレタン系接着剤が好ましい。該ポリウレタン系接着剤における主剤やポリイソシアネート系硬化剤の種類やそれらの配合組成は、第一の接着剤層AD1の形成に用いるポリウレタン系接着剤と同じであっても異なってもよい。ただし電解液による膨潤やフッ酸による加水分解のおそれがあるため、本用途で接着剤を用いる場合、加水分解しにくい骨格の主剤を用いる、架橋密度を向上させる、などの組成設計を行う必要がある。
たとえば、ポリエステルポリオール系接着剤組成物の架橋密度を向上させる手法として、多塩基酸としてダイマー脂肪酸あるいはそのエステルあるいはその水素添加物、あるいはダイマー脂肪酸あるいはそのエステルあるいはその水素添加物の還元グリコールを用いることが挙げられる。ダイマー脂肪酸とは、各種不飽和脂肪酸を2量体化させたものであり、その構造としては非環型、単環型、多環型、芳香環型が挙げられるが、本接着剤で用いるポリエステルポリオールの原料である多塩基酸としては特に制限を受けることはない。ダイマー脂肪酸の出発物質である不飽和脂肪酸としては特に制限受けることはなく、モノ不飽和脂肪酸、ジ不飽和脂肪酸、トリ不飽和脂肪酸、テトラ不飽和脂肪酸、ペンタ不飽和脂肪酸、ヘキサ不飽和脂肪酸等が適宜使用できる。モノ不飽和脂肪酸としては、クロトン酸、ミリストレイン酸、パルミトレイン酸、オレイン酸、エライジン酸、バクセン酸、ガドレイン酸、エイコセン酸、エルカ酸、ネルボン酸などが挙げられる。ジ不飽和脂肪酸としてはリノール酸、エイコサジエン酸、ドコサジエン酸などが挙げられる。トリ不飽和脂肪酸としては、リノレン酸、ビノレン酸、エレオステアリン酸、ミード酸、ジホモ−γ−リノレン酸、エイコサトリエン酸などが挙げられる。テトラ不飽和脂肪酸としてはステアリドン酸、アラキドン酸、エイコサテトラエン酸、アドレン酸などが挙げられる。ペンタ不飽和脂肪酸としては、ボセオペンタエン酸、エイコサベンタエン酸、オズボンド酸、イワシ酸、テトラコサベンタエン酸などが挙げられる。ヘキサ不飽和脂肪酸としてはドコサヘキサエン酸、ニシン酸などが挙げられる。不飽和脂肪酸を二量体するときの不飽和脂肪酸の組み合わせは、どのような組み合わせでもかまわない。このダイマー脂肪酸のバルキーな疎水性ユニットが接着剤としての架橋密度を向上させる。
このような上記ダイマー脂肪酸を必須成分として、通常のポリエステルポリオールで用いられるような二塩基酸も導入してもかまわない。該二塩基酸としては、例えば、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スペリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ブラシル酸などの脂肪族系、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸などの芳香族系から選択することが可能である。
本発明で用いる接着剤の主剤(ポリエステルポリオール又はポリエステルポリオールのイソシアネート伸長物)として、好ましいものとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、メチルペンタンジオール、ヘキサンジオール、ヘプタンジオール、オクタンジオール、ノナンジオール、デカンジオール、ドデカンジオールなど脂肪族系、シクロヘキサンジオール、水添キシリレングリーコルなどの脂環式系、キシリレングリーコルなどの芳香族系ジオールの一種以上を用いて得られた成分が挙げられる。また、このポリエステルポリオールの両末端の水酸基を、イソシアネート化合物の単体、または少なくとも一種のイソシアネート化合物からなるアダクト体、ビューレット体もしくはイソシアヌレート体を用いて鎖伸長したポリエステルウレタンポリオールなどが挙げられる。イソシアネート化合物としては、例えば2,4−もしくは2,6−トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、メチレンジイソシアネート、イソプロピレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、2,2,4−もしくは2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、メチルシクロヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、イソプロピリデンジシクロヘキシル−4,4’−ジイソシアネートなどが挙げられる。また後述するイソシアネート成分もポリエステルポリオールの鎖伸張剤として用いることも可能である。
上記主剤に対する硬化剤としては、上記ポリエステルポリオールの鎖伸張剤として用いた類のイソシアネート化合物を用いることが可能であり、繰り返しにはなるが、2,4−もしくは2,6−トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、メチレンジイソシアネート、イソプロピレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、2,2,4−もしくは2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、メチルシクロヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、イソプロピリデンジシクロヘキシル−4,4’−ジイソシアネートなどから選ばれるイソシアネート化合物の単体、あるいは上記イソシアネート化合物から選択される少なくとも一種のイソシアネート化合物からなるアダクト体、ビューレット体、イソシアヌレート体が挙げられる。
さらに電解液耐性(特に電解液に対する溶解性・膨潤性)を改善させるといった目的で、クルードトリレンジイソシアネート、クルード(あるいはポリメリック)ジフェニルメタンジイソシアネートから選ばれるポリイソシアネートの単体あるいは混合物、あるいはこれらのアダクト体を用いることが有効である。これらの硬化剤を用いることは、接着剤塗膜の架橋密度の向上による溶解性や膨潤性の改善につながると共に、ウレタン基濃度がアップすることから、腐食防止処理層CLとシーラント層SLとの密着性の改善も期待される。上述したポリエステルポリオールの鎖伸張剤として、上記クルードトリレンジイソシアネート、クルード(あるいはポリメリック)ジフェニルメタンジイソシアネートを用いることも、リチウムイオン電池用外装材として用いるにあたり好適な材料といえる。
接着剤組成である主剤と硬化剤の比率としては、主剤100質量部に対し硬化剤1〜100質量部が好ましい。1質量部より少ないと、密着性や電解液耐性という点で性能が発現しないおそれがある。100質量部より多いと過剰なイソシアネート基が存在することになり、未反応物の残留による接着剤膜質への影響や、硬さに影響を与えるおそれがある。より好ましくは、5〜50質量部の範囲である。
前記主剤に対し、さらに、接着促進のため、一般式:R−Si(OR’)で示されるオルガノシラン、その加水分解物及びこれらの誘導体、ならびに一般式:M(OR”)で示される金属アルコキシド及びその加水分解物からなる群から選択される少なくとも1種の化合物(X)、カルボジイミド化合物、オキサゾリン化合物、エポキシ化合物、リン化合物などを配合することも可能である。
化合物(X)、カルボジイミド化合物、オキサゾリン化合物、エポキシ化合物、リン化合物としてはそれぞれ、第一の接着剤層AD1の説明で挙げたものと同様のものが挙げられる。
その他、接着剤に求められる性能に応じて、各種添加剤や安定剤も配合しても構わない。
第二の接着剤層AD2の厚みは、1〜10μmが好ましく、3〜5μmがより好ましい。1μm以上であると、電解液耐性とラミネート強度が向上し、10μm以下であると、ラミネート材の端面から透過する水分量が改善される。
[接着性樹脂層AD3]
接着性樹脂層AD3を構成する熱接着性樹脂としては、ポリオレフィン樹脂に対し、不飽和カルボン酸またはその酸無水物あるいはそのエステルから導かれる不飽和カルボン酸誘導体成分を有機過酸化物の存在下でグラフト変性してなる変性ポリオレフィン樹脂が挙げられる。
ポリオレフィン樹脂としては、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、エチレン−αオレフィン共重合体、ホモ、ブロック、あるいはランダムポリプロピレン、プロピレン−αオレフィン共重合体などが挙げられる。
ポリオレフィン樹脂をグラフト変性する際に用いる不飽和カルボン酸またはその酸無水物あるいはそのエステルのうち、不飽和カルボン酸としては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマール酸、イタコン酸、シトラコン酸、テトラヒドロフタル酸、ビシクロ[2,2,1]ヘプト−2−エン−5,6−ジカルボン酸などが挙げられる。不飽和カルボン酸の酸無水物としては、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ビシクロ[2,2,1]ヘプト−2−エン−5,6−ジカルボン酸無水物などが挙げられる。不飽和カルボン酸のエステルとしては、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、マレイン酸ジメチル、マレイン酸モノメチル、フマール酸ジエチル、イタコン酸ジメチル、シトラコン酸ジエチル、テトラヒドロ無水フタル酸ジメチル、ビシクロ[2,2,1]ヘプト−2−エン−5,6−ジカルボン酸ジメチルなどが挙げられる。
上述した変性ポリオレフィン樹脂としては、ベースとなるポリオレフィン樹脂100質量部に対し、上述した不飽和カルボン酸またはその酸無水物あるいはそのエステル0.2〜100質量部を加え、ラジカル開始剤の存在下で加熱することにより製造することができる。この反応温度条件は、通常50〜250℃、好ましくは60〜200℃である。反応時間は製造方法にも左右されるが、二軸押出機による溶融グラフト反応の場合、押出機の滞留時間内、例えば2分〜30分好ましくは5〜10分程度である。また変性反応は、常圧、加圧いずれの条件下においても実施することができる。
前記変性反応において使用されるラジカル開始剤としては有機過酸化物が挙げられる。代表的なものとしては、アルキルパーオキサイド、アリールパーオキサイド、アシルパーオキサイド、ケトンパーオキサイド、パーオキシケタール、パーオキシカーボネート、パーオキシエステル、ハイドロパーオキサイドが挙げられ、これらの有機過酸化物は温度条件と反応時間によって種々選択することが可能である。上述した二軸押出機による溶融グラフト反応の場合は、アルキルパーオキサイド、パーオキシケタール、パーオキシエステルが好ましい。特に良く使用されるのはジ−t−ブチルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ−t−ブチルペルオキシ−ヘキシン−3、ジクミルペルオキシドなどが好ましい。
上述したような変性ポリオレフィン樹脂としては、無水マレイン酸により変性されたポリオレフィン樹脂が代表的であり、三井化学製アドマー、三菱化学製モディック、日本ポリエチレン製アドテックスなどが挙げられる。
上述した変性ポリオレフィン樹脂に、さらに、熱可塑性エラストマーを配合してもよい。上記変性ポリオレフィン樹脂は、グラフト化させた不飽和カルボン酸またはその酸無水物あるいはそのエステルから導かれる不飽和カルボン酸誘導体成分と、各種金属あるいは各種官能基を含有するポリマーと反応性を利用して接着性を付与させるものである。このような反応による接着とは異なり、各種熱可塑性エラストマーを配合することで、このグラフト変性ポリオレフィン樹脂をラミネートする際に発生する残留応力を開放し、粘弾性的な接着性の改善を付与することが可能である。
このような熱可塑性エラストマーとしては、三井化学製タフマー、三菱化学製ゼラス、モンテル製キャタロイ、三井化学製ノティオや、スチレン系エラストマー、特に水添スチレン系エラストマー(AKエラストマー製タフテック、クラレ製セプトン/ハイブラー、JSR製ダイナロン、住友化学製エスポレックスなど、クレイトンポリマー製クレイトンGなど)が好ましい。
また、その他各種添加剤、例えば、難燃剤、スリップ剤、アンチブロッキング剤、酸化防止剤、光安定剤、粘着付与剤など各種添加剤を配合しても構わない。
接着性樹脂層AD3の厚みは、3〜50μmが好ましく、10〜40μmがより好ましい。3μm以上であると、接着性が向上し、50μm以下であると、ラミネート材の端面から透過する水分量が改善される。
<シーラント層SL>
シーラント層SLは、第二の接着剤層AD2又は接着性樹脂層AD3を介して、腐食防止処理層CLを設けたアルミニウム箔層ALと貼り合わされる層であり、リチウムイオン電池用外装材のヒートシールによる封止性が求められる。
シーラント層SLを構成する材質としては、一般的には、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、エチレン−αオレフィン共重合体、ホモ、ブロック、あるいはランダムポリプロピレン、プロピレン−αオレフィン共重合体などのポリオレフィン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体あるいはそのエステル化物あるいはイオン架橋物などが挙げられる。
シーラント層SLは上述した樹脂のいずれか1種あるいは2種以上のブレンドからなる材料の単層から構成されても良く、さらにはシーラントに求められる他の要求性能に応じて多層構造を形成しても構わない。この多層構造の例には、エチレン−酢酸ビニル共重合体の部分あるいは完全ケン化物やポリ酢酸ビニル共重合体の部分あるいは完全ケン化物といったガスバリア性を有する樹脂を介在させるということも含まれる。
<積層体10の製造方法>
図1に示す層構成の積層体10フィルムは、たとえば以下の工程(1)〜(3)を有する製造方法により製造できるが、これに限定されない。
工程(1):アルミニウム箔に対して腐食防止処理を行い、アルミニウム箔層ALと腐食防止処理層CLとが積層された第一の積層体を得る工程。
工程(2):前記第一の積層体のアルミニウム箔層AL側と基材とを、ポリウレタン系接着剤を使用して貼り合わせて、基材層SBと第一の接着剤層AD1とアルミニウム箔層ALと腐食防止処理層CLとが積層された第二の積層体を得る工程。
工程(3):前記第二の積層体の腐食防止処理層CL側に、接着剤又は熱接着性樹脂を使用してシーラント層SLを積層する工程。
(工程(1))
アルミニウム箔に対する腐食防止処理としては、上述した脱脂処理、熱水変成処理、陽極酸化処理、化成処理、あるいは腐食防止性能を有するコーティング剤を塗工するコーティングタイプの腐食防止処理などが挙げられる。
脱脂処理については焼鈍法やスプレー法あるいは浸漬法にて、熱水変成処理や陽極酸化処理については浸漬法にて、化成処理については化成処理のタイプに応じ浸漬法、スプレー法、コート法など選択可能である。
腐食防止性能を有するコーティング剤のコート法についてはグラビアコート、リバースコート、ロールコート、バーコートなど各種方法を用いることが可能である。
なお、腐食防止処理層CLは、図1に示すようにアルミニウム箔層ALの片面のみに設けても、両面に設けてもよいが、少なくともアルミニウム箔層ALのシーラント層SL側(内層側)に設けることが好ましい。
腐食防止処理層CLは、上述したとおり、単位面積あたりの質量が0.005〜0.200g/mの範囲内となるように設けることが好ましい。
乾燥キュアが必要な場合は、用いる腐食防止処理層の乾燥条件に応じて、母材温度として60℃〜300℃の範囲で行うことができる。腐食防止処理層CLの厚みはドライで0.1〜0.2μmであることが好ましい。これらの層は乾燥ユニットにおいて150〜200℃で焼き付け処理を施して、アルミニウム箔層ALと腐食防止処理層CLとが積層された第一の積層体を製造する。
(工程(2))
工程(2)では、工程(1)で得た第一の積層体のアルミニウム箔層AL側と基材とを、接着剤を使用して貼り合わせて、基材層SBと第一の接着剤層AD1とアルミニウム箔層ALと腐食防止処理層CLとが積層された第二の積層体を得る。
接着剤としては、上述した第一の接着剤層AD1で説明したポリウレタン系接着剤を用いる。貼り合わせの方法としては、ドライラミネートの手法を用いることが好ましい。
(工程(3))
工程(3)では、例えば、工程(2)で得た第二の積層体の腐食防止処理層CL側と、シーラント層SLとを接着剤(AD2)を用いて貼り合わせる。貼り合わせは、例えばドライラミネーション、ノンソルベントラミネーション、ウェットラミネーションなどの手法で、上述した接着剤を、ドライ塗布量として1〜10g/mの範囲内、より好ましくは3〜5g/mの範囲内で設ける。この時、接着促進のため、室温〜100℃の範囲内でエージング(養生)処理を行ってもかまわない。
以上はドライラミネート構成になるが、下記に記載する熱ラミ/熱処理構成も適応が可能である。
その方法としては、押出ラミネート機を用いて接着性樹脂層AD3をシーラント層SLと共にサンドラミネーションを行うことで、基材層SB/接着剤層AD1/アルミニウム箔層AL/腐食防止処理層CL/接着性樹脂層AD3/シーラント層SLとなる層構造を形成させることが挙げられる。さらには、接着性樹脂層AD3とシーラント層SLを共押出により製膜しても構わない。
この場合、さらに、アルミニウム箔層AL/腐食防止処理層CL/接着性樹脂層AD3/シーラント層SL間の密着性を向上させ、電解液耐性や耐フッ酸性を付与するという意味でも熱処理を施すことが好ましい。この時の熱処理温度は、積層体最高到達温度として、室温〜シーラント層SLの融点+20℃の範囲内が好ましく、接着性樹脂(AD3)の融点〜シーラント層SLの融点+20℃の範囲内がより好ましい。処理時間は処理温度に依存するが、低温なほど長時間、高温なほど短時間の処理を施すことが好ましい。
この時の熱処理の方法としては、例えば生産性やハンドリングを考慮すると、高温(例えば100℃以上)に設定した乾燥炉やベーキング炉を通過させるといった方法が好ましい。また、熱ラミネーション(熱圧着)やヤンキードラム(熱ドラムに抱かせる)といった熱処理方法を用いて処理を施すことも好ましい。
工程(3)の後、必要に応じて、得られた積層体の最外層および/または最内層にスリップ材および/またはアンチブロッキング材を塗布する工程を行ってもよい。
スリップ材および/またはアンチブロッキング材を塗布することにより、静摩擦係数を低下させることができ、成形性能が向上する。
スリップ剤および/またはアンチブロッキング剤は溶媒に溶解・分散して塗布することが好ましい。塗布は、公知のコーティング手法により実施できる。
得られた積層体10は、リチウムイオン電池の外装材として用いられる。この外装材は、冷間成形により成形品とされる。
冷間成形は、常温で行う成形方法であり、たとえば深絞り成形、張り出し成形等のプレス成形などが挙げられる。
冷間成形では、通常、電池セル(正極、セパレータ、負極)を収納するための凹部が形成される。
本発明の外装材を用いるリチウムイオン電池の形態は、冷間成形が施された成形品で筐体の一部または全部が構成されるものであれば特に限定されず、公知の形態を採用できる。また、本発明の外装材を用いたリチウムイオン電池の製造は、公知の製造方法を採用できる。
以下、実施例を示して本発明を詳細に説明する。ただし、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
以下の各例で、腐食防止処理層CLの形成に用いた使用材料は下記の通りである。なお、各成分の配合量は固形分としての量を示した。
CL−1:酸化セリウム100質量部に対してリン酸のNa塩を10質量部配合し、溶媒として蒸留水を用いて固形分濃度10質量%に調整した「ポリリン酸ナトリウム安定化酸化セリウムゾル」。
CL−2:ポリアクリル酸アンモニウム塩(東亞合成製)90質量%とアクリル−イソプロペニルオキサゾリン共重合体(日本触媒製)10質量%とからなる混合物を、溶媒として蒸留水を用い、固形分濃度5質量%に調整した組成物。
CL−3:ポリアリルアミン(日東紡製)90質量%とポリグリセロールポリグリシジルエーテル(ナガセケムテックス製)10質量%とからなる混合物を、溶媒として蒸留水を用い、固形分濃度5質量%に調整した組成物。
CL−4:溶媒として1質量%濃度のリン酸水溶液を用い、固形分濃度1質量%に調整した水溶性フェノール樹脂(住友ベークライト製)に対し、フッ化クロム(CrF)を最終乾燥皮膜中に存在するCr量として10mg/m2となるように濃度を調整した化成処理剤。
<実施例1〜12、比較例1〜8>
[積層体の作製]
図1に示す層構成の積層体を以下の手順で作製した。
厚み40μmのアルミニウム箔(AL)の内層側に、CL−1を塗工、乾燥し、その後CL−2を塗工、乾燥し、さらにその後CL−3を塗工、乾燥して腐食防止処理層(CL)を設けた。塗工はマイクログラビアコートにより行った。塗工量は、CL−1〜CL−3のトータルのドライ塗布量として70〜100mg/mとなる量とした。塗工後の乾燥(焼き付け処理)は、乾燥ユニットにおいてCL−1〜CL−3それぞれのタイプに応じて150〜250℃で行った。
腐食防止処理層(CL)を設けたアルミニウム箔(AL)の外層側に、接着剤(AD1)を用いて基材層(SB)を積層させた。この時はグラビアリバースコートにより、ドライ塗布量として4〜5g/mになるようにラミネートを行った。その後、エージング処理を施すことで接着剤(AD1)を硬化させた。接着剤(AD1)としては、主剤(ポリエステルポリオール)100質量部に対し、硬化剤(トリレンジイソシアネートのアダクト体)、R−Si(OR’)[Rがグリシジル基含有ユニット、R’がメチル基であるもの]をそれぞれ表1に示す配合量で配合したものを使用した。
その後、上記ラミネート品の腐食防止処理層(CL)側に、接着剤(AD2)を用いて、厚み80μmのシーラント層(SL)を積層させた。この時もグラビアリバースコートにより、ドライ塗布量として4〜5g/mになるようにラミネートを行った。その後、エージング処理を施すことで接着剤(AD2)を硬化させてドライラミネート構成の積層体を得た。
シーラント層(SL)としては、ランダムPP/ブロックPP/ランダムPPからなるトータル厚みが80μmの3層多層フィルム(融点:高温域で約160℃)を用いた。
<第一の接着剤層のIRスペクトルの測定と強度比の算出>
得られた積層体の基材層(SB)をはがし、硬化させた接着剤(AD1)のIRスペクトルを、フーリエ変換型赤外分光光度計で、KRS−5プリズムを用いたATR法により測定した。得られた吸収スペクトルにおけるバックグラウンドからνC=O、δN−Hの吸収バンドのピークトップまでの高さを、測定装置に付属の演算ソフトを用いて求め、その結果から、強度比(AδN−H/AνC=O)を算出した。
また、求めた強度比から、AνC=OとAδN−Hとの関係を下記基準で分類した。結果を表1に示す。
(基準)
(1)AνC=O>>AδN−H:AδN−H/AνC=O<0.5
(2)AνC=O>AδN−H :0.5≦AδN−H/AνC=O<0.8
(3)AνC=O≒AδN−H :0.8≦AδN−H/AνC=O<1.2
(4)AνC=O<AδN−H :1.2≦AδN−H/AνC=O<1.5
(5)AνC=O<<AδN−H:1.5≦AδN−H/AνC=O
[成形性評価]
得られた積層体について、60×40mmサイズ、絞り深さ3〜10mmまで調整可能な深絞り成形用装置を用いて、何ミリまで絞れるかの評価を行った。エアシリンダーによる型閉め圧は0.5〜0.8MPaで、ストローク速度は5mm/sec.とした。
成形性の評価結果を表2に示す。結果は、4.75mmから0.25mm刻みで成形評価をスタートし、同じ絞り深さで、連続してn=100回サンプルを成形したときの良品数(クラックなどの不具合なく成形できた数)として95〜100個成形可能であったうちの最大深さを記載した。5.0mm以上を合格とした。
[長期信頼性評価]
上記の成形性評価において、5.00mm成形したサンプルを用いて下記に記載の保存環境下に保存した。ただし、比較例1〜8については、95〜100個成形できなかったため、5.00mm絞れたサンプルを選び出し、それを評価に用いた(n=5の評価)。結果を表2に示す。
・高温多湿:60℃−95%RH環境に保管し、最大1500時間(h)保管した。600h以上問題なかったものを○、ディラミ現象が生じたものを×とした。
・高温放置:100℃−湿度フリー環境に保管し、最大2400h保管した。1500h以上問題なかったものを○、ディラミ現象が生じたものを×とした。
・温水浸漬:50℃温水に浸漬し、最大168h浸漬した。168h以上問題なかったものを○、ディラミ現象が生じたものを×とした。
[ラミネート強度]
成形前の状態で、積層体の基材層−アルミニウム箔層間のラミネート強度を測定した。T型剥離300mm/min.で5N/15mm以上の強度を○とし、3N/15mm以上を△とした。それより弱いものは×とし、△以上を合格とした。結果を表2に示す。
Figure 2013218990
Figure 2013218990
上記結果に示すとおり、実施例1〜12で作製した積層体は、比較例1〜8と比較して高い成形性を有し、得られた成形品の長期信頼性も優れていた。
<実施例13〜24、比較例9〜16>
ラミネート品の腐食防止処理層(CL)側へのシーラント層(SL)の積層を、接着剤(AD2)の代わりに接着性樹脂(AD3)を使用し、以下の手順で行った以外は実施例1〜12、比較例1〜8と同様にして積層体を作製した。
接着性樹脂(AD3)を260〜300℃の範囲内になるように、上記ラミネート品の腐食防止処理層(CL)側に、20μmの厚みになるように押出しラミネートを行い、厚み60μmのシーラント層(SL)と共にサンドイッチラミネートを行った。
接着性樹脂(AD3)としては、ランダムポリプロピレン(PP)ベース(融点(AR):約135℃)に対して無水マレイン酸をグラフト変性させた変性PPに対して、エチレン−αオレフィン共重合体からなるエラストマーを配合した変性ポリオレフィン樹脂(三井化学製)を使用した。
シーラント層(SL)としては、ランダムPP/ブロックPP/ランダムPPからなるトータル厚みが60μmの3層多層フィルム(融点:高温域で約160℃)を使用した。
その後、腐食防止処理層(CL)と接着性樹脂層(AD3)とを強固に密着させるために、熱ラミネーション法により、母材温度が、シーラント層の融点を超えない範囲で融点近傍となるように熱圧着を施した。これにより、アルミニウム箔層(AL)の内層側に厚さ80μmの樹脂層が存在する熱ラミネート/熱処理構成の積層体を得た。
得られた積層体について、上記と同様に成形性、長期信頼性、ラミネート強度の評価を行ったところ、実施例13〜24、比較例9〜16はそれぞれ実施例1〜12、比較例1〜8と同様の結果が得られた。
<実施例25>
腐食防止処理層(CL)を、以下の手順で形成した以外は実施例4と同様にして積層体を形成し、成形性、長期信頼性、ラミネート強度の評価を行った。
厚み40μmのアルミニウム箔(AL)の内層側に、CL−4を塗工、乾燥して腐食防止処理層(CL)を設けた。塗工はマイクログラビアコートにより行った。塗工量は、ドライ塗布量として70〜100mg/mとなる量とした。塗工後の乾燥(焼き付け処理)は、乾燥ユニットにおいて150℃で行った。
その結果、成形性評価結果は5.75mm、長期信頼性評価のうち「高温多湿」は1000h(○)、「高温放置」は2000h(○)、「温水浸漬」は168h(○)、ラミネート強度は○であった。
本発明の外装材は、成形性に優れ、例えばクラックやピンホールの発生を伴うことなく成形絞り深さを向上させることが可能である。しかも、得られる成形品の長期信頼性が高く、例えば高温多湿下保管(60℃−95%RH−600h)、高温保管(100℃−1500h)、温水浸漬(50℃−168h)したときの、基材層とアルミニウム箔層との間のディラミ現象の発生を抑制できる。
したがって、本発明の外装材は、電気自動車など長期信頼性・安全性が求められる用途に適応が可能であり、不具合なく凹部の深さを向上させることで「大電流を取り出す」という電池性能面の向上も期待されることから、さらにエネルギー密度を高めたい要望に対しても貢献することが可能である。
さらに、本発明の外装材の腐食防止処理層を、希土類元素酸化物ゾルを含有するコーティング剤を用いて形成した場合、クロメート処理などの化成処理を施さずとも、電解液耐性を付与することが可能である。かかる外装材は、今後クロム化合物に対する規制が強まった際にも、安全性に優れる電池包材として適応することが可能である。
10 積層体
SB 基材層
AD1 第一の接着剤層
AL アルミニウム箔層
CL 腐食防止処理層
AD2 第二の接着剤層
AD3 接着性樹脂層
SL シーラント層

Claims (4)

  1. 基材層の一方の面に、第一の接着剤層と、少なくとも片面に腐食防止処理層が設けられたアルミニウム箔層と、第二の接着剤層又は接着性樹脂層と、シーラント層とが順次積層してなる積層体から構成されるリチウム電池用外装材において、
    前記第一の接着剤層が、ポリエステルポリオール又はポリエステルポリオールのイソシアネート伸長物からなる主剤と、ポリイソシアネート系硬化剤とを含有するポリウレタン系接着剤で形成され、
    前記第一の接着剤層の赤外吸収スペクトルにおける、1730cm−1近傍のνC=Oに相当する吸収バンドの強度AνC=Oと、1530cm−1近傍のδN−Hに相当する吸収バンドの強度AδN−Hとが、0.8≦AδN−H/AνC=Oの関係にあることを特徴とするリチウムイオン電池用外装材。
  2. 前記AνC=Oと前記AδN−Hとが1≦AδN−H/AνC=Oの関係にある請求項1記載のリチウムイオン電池用外装材。
  3. 前記ポリウレタン系接着剤における前記ポリイソシアネート系硬化剤の配合量が、前記主剤100質量部に対し100質量部以下である請求項1又は2記載のリチウムイオン電池用外装材。
  4. 前記ポリウレタン系接着剤が、さらに、一般式:R−Si(OR’)[式中、Rは反応性官能基を有するユニットであり、R’はアルキル基、アルコキシアルキル基又はアシル基である。]で示されるオルガノシラン、その加水分解物及びこれらの誘導体、ならびに一般式:M(OR”)[式中、Mは金属であり、nはMの価数であり、R”はアルキル基である。]で示される金属アルコキシド及びその加水分解物からなる群から選択される少なくとも1種の化合物(X)を含有し、
    前記化合物(X)の配合量が、前記主剤100質量部に対し0.1〜100質量部である請求項1〜3のいずれか一項に記載のリチウムイオン電池用外装材。
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