JP2013216779A - 転写フィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】耐熱寸法安定性および耐熱変形性に十分に優れ、良好な引張伸び率及び離型性を有し、かつ、表面にマット調を有するシンジオタクチックポリスチレン系樹脂フィルムの転写フィルムを提供する。
【解決手段】本発明の転写フィルムは、シンジオタクチックポリスチレン系樹脂を含有する二軸配向フィルムであり、少なくとも片面が転写面であり、前記転写面が、マット化されている。このような転写フィルムは、耐熱寸法安定性および耐熱変形性に十分に優れ、良好な引張伸び率を有するという特長を有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、転写フィルムに関する。
プリント基板、セラミック電子部品、半導体パッケージ、熱硬化性樹脂製品、熱可塑性樹脂製品、化粧板等を製造する際、成型金型や成型ロールと被成型材料が融着しないように、その間にプラスチックフィルムを離型フィルムとして介在させる場合がある。また、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、セラミック、金属等の薄膜層の形成工程や所定の処理工程において、その薄膜層の支持や保護を目的とし積層し、最終的には薄膜層から剥離・除去される工程フィルムを用いる場合がある。この離型フィルムや工程フィルムの一つの使用法として、転写フィルムがある。転写フィルムは、フィルム自身に設けられた凹凸等を被成型材料や薄膜層の表面に転写する役目を有する。
前記のような転写フィルムを用いる場合、一般的に熱が付与される場合が多く、近年、より高い温度が付与される場合が増えている。それに伴い、転写フィルムに求められる耐熱性は厳しくなっている。当該転写フィルムとしては、フッ素フィルム、ポリ(4−メチルペンテン−1)フィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム等が用いられてきた。しかし、フッ素フィルムは高価であり、汎用性が無い。ポリ(4−メチルペンテン−1)フィルムは耐熱性が十分でなく、転写フィルム自体が金型やロールに融着したり、熱変形が大きく被成型材料の成型や薄膜層の積層工程、積層された薄膜層の熱処理工程で悪影響を及ぼすという問題がある。また、ポリエチレンテレフタレートフィルムはぬれ指数が高いため、離型性が不十分である。このぬれ指数が高い欠点を解消するため、ポリエチレンテレフタレートフィルム表面にシリコン系等の離型剤を塗布して用いることも可能であるが、その場合は、シリコン系等の離型剤が被成型材料表面や積層薄膜層に移行する問題がある。
また、プレス成形時の融着防止およびフィルム表面に設けられたマット調を被成型材料へ転写するために金型と被成型材料との間に転写フィルムを配置する場合、当該フィルムの寸法が変化すると、金型成形面の凹凸が十分に被成型体へ転写されず、かつ、当該フィルム表面に設けられたマット調を精度よく被成型体へ転写出来ない。よって当該転写フィルムには、特に良好な耐熱寸法安定性が求められている。一方、当該転写フィルムの伸び率が悪い場合、転写フィルムがプレス成形時に被成型材料の変形に追随できず、破れが起こり、金型と被成型材料との融着を有効に防止できない。従って、当該転写フィルムには、良好な引張伸び率も求められている。
本発明は、耐熱寸法安定性および耐熱変形性に十分に優れ、良好な引張伸び率及び離型性を有し、かつ、表面にマット調を有するシンジオタクチックポリスチレン系樹脂(以下、単にSPS系樹脂という)フィルムの転写フィルムを提供する。
本発明は転写フィルムであって、
前記転写フィルムが、シンジオタクチックポリスチレン系樹脂を含有する二軸配向フィルムであり、
少なくとも片面が転写面であり、
前記転写面が、マット化されていることを特徴とする。
本発明の転写フィルムは、耐熱寸法安定性および耐熱変形性に十分に優れ、良好な引張伸び率及び離型性を有し、かつ、表面にマット調を有する。
本発明の転写フィルムを離型用フィルムとして用いたときの評価方法を説明するための概略断面図である。
本発明者らは、耐熱寸法安定性および耐熱変形性に十分に優れ、良好な引張伸び率及び離型性を有し、かつ、表面にマット調を有するSPS系樹脂フィルムを得るため、様々な手法を検討した。具体的には、SPS系樹脂にフィラー等を配合し、表面が粗くなるように処方して押出成形した。しかしながら、フィラーの配合によりSPS系樹脂フィルムの強度が著しく低下するため、フィラーの添加量が制限される。そのため、フィラー等を配合したSPS系樹脂フィルムは、そのマット調の度合いを強くすることが困難であった。また、SPS系樹脂フィルムの表面に、フィラー等を含有した表面を粗くするためのコーティング剤を塗布し、乾燥させて、SPS系樹脂フィルムの表面にマット調を付与することを検討した。しかしながら、SPS系樹脂は離型性が高いため、コーティング剤がSPS系樹脂へ密着せず、SPS系樹脂フィルムの表面にマット調を付与することは困難であった。また、SPS系樹脂フィルムの表面をサンドブラスト加工した場合、SPS系樹脂フィルムの表面にマット調は付与できるが、その表面にブラスト剤が残留するため、その洗浄に問題があった。
このような背景から、本発明者らは、SPS系樹脂を含有する二軸配向フィルムであれば、耐熱寸法安定性および耐熱変形性に十分に優れ、良好な引張伸び率及び離型性を有することを見出した。この知見に基づく発明は、別途、出願中である。さらに、本発明者らは、SPS系樹脂を含有する二軸配向フィルムを2本のロール間で加熱しながら加圧し、そのロールの少なくとも1本の表面がマット調である場合、SPS系樹脂フィルムの表面がマット調になることを見出した。このような知見に基づき、本発明者らは、本発明の転写フィルムを完成した。
本発明の転写フィルムは、シンジオタクチックポリスチレン系樹脂を含有する二軸配向フィルムであり、少なくとも片面が転写面であり、前記転写面が、マット化されていることを特徴とする。
本明細書中、耐熱寸法安定性とは、フィルムを加熱しても、フィルムの膨張および収縮が十分に防止されるフィルム特性を意味するものとする。耐熱変形性とは、フィルムを加熱しても、フィルムの軟化変形または溶融変形が十分に防止されるフィルム特性を意味するものとする。
<シンジオタクチックポリスチレン系樹脂>
本発明の転写フィルムに含有されるシンジオタクチックポリスチレン系樹脂は、いわゆるシンジオタクチック構造を有するスチレン系ポリマーである。シンジオタクチック構造とは、立体化学構造がシンジオタクチック構造、即ち、炭素一炭素結合から形成される主鎖に対して側鎖であるフェニル基または置換フェニル基が交互に反対方向に位置する立体構造を意味するものである。
SPS系樹脂のタクティシティー(立体規則性)は同位体炭素による核磁気共鳴法(13C−NMR法)により定量することができる。13C−NMR法により測定されるSPS系樹脂のタクティシティーは、連続する複数個の構成単位の存在割合、例えば、2個の場合はダイアッド、3個の場合はトリアッド、5個の場合はペンタッドによって示すことができる。本発明におけるSPS系樹脂は、通常、ラセミダイアッドで75%以上、好ましくは85%以上、若しくはラセミトリアッドで60%以上、好ましくは75%以上、若しくはラセミペンタッドで30%以上、好ましくは50%以上のシンジオタクティシティーを有するスチレン系ポリマーである。
SPS系樹脂としてのスチレン系ポリマーの種類としては、ポリスチレン、ポリ(アルキルスチレン)、ポリ(ハロゲン化スチレン)、ポリ(ハロゲン化アルキルスチレン)、ポリ(アルコキシスチレン)、ポリ(ビニル安息香酸エステル)、これらの水素化重合体等及びこれらの混合物、又はこれらを主成分とする共重合体が挙げられる。前記スチレン系ポリマーとしては、ポリスチレンが好ましい。
ポリ(アルキルスチレン)としては、ポリ(メチルスチレン)、ポリ(エチルスチレン)、ポリ(イソプロピルスチレン)、ポリ(ターシャリーブチルスチレン)、ポリ(フェニルスチレン)、ポリ(ビニルナフタレン)、ポリ(ビニルスチレン)等が挙げられる。ポリ(ハロゲン化スチレン)としては、ポリ(クロロスチレン)、ポリ(ブロモスチレン)、ポリ(フルオロスチレン)等が挙げられる。ポリ(ハロゲン化アルキルスチレン)としては、ポリ(クロロメチルスチレン)等が挙げられる。ポリ(アルコキシスチレン)としては、ポリ(メトキシスチレン)、ポリ(エトキシスチレン)等が挙げられる。
本発明に係る転写フィルムを構成するSPS系樹脂の重量平均分子量は、10,000〜3,000,000、好ましくは30,000〜1,500,000、特に好ましくは50,000〜500,000である。SPS系樹脂のガラス転移温度は60〜140℃、好ましくは70〜130℃である。SPS系樹脂の融点は200〜320℃、好ましくは220〜280℃である。
本明細書中、樹脂のガラス転移温度および融点はJIS K7121に従って測定された値を用いている。
SPS系樹脂は市販品として入手することもできるし、公知の方法によって製造することもできる。SPS系樹脂は例えば、出光興産株式会社製「ザレック」(142ZE、300ZC、130ZC、90ZC)等として入手できる。
転写フィルム中、SPS系樹脂は上記した範囲内で、タクティシティー(ラセミダイアッド、ラセミトリアッドまたはラセミペンタッド)、種類、ガラス転移温度および/または融点が異なる2種類以上のSPS系樹脂が含有されてもよい。
本発明の転写フィルムは、耐熱寸法安定性、耐熱変形性および製膜性に悪影響を与えない範囲で、上記SPS系樹脂以外に、他のポリマーを含有してもよい。
他のポリマーの具体例としては、例えば、前記SPS系樹脂以外のポリスチレン系樹脂、スチレン−ブタジエンブロック共重合体(SBR)、水素添加スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SEBS)等のポリスチレン系合成ゴム;ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリトリメチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂;ポリフェニレンサルファイト;ポリアリレート;ポリエーテルサルホン;ポリフェニレンエーテル等が挙げられる。
前記SPS系樹脂以外のポリスチレン系樹脂とは、いわゆるアイソタクチックポリスチレン系樹脂およびアタクチックポリスチレン系樹脂を包含して意味するものである。
転写フィルム中の全ポリマー成分に対するSPS系樹脂の含有割合は、耐熱寸法安定性および耐熱変形性のさらなる向上の観点から、60質量%以上が好ましく、より好ましくは80質量%以上であり、最も好ましくは100質量%である。2種類以上のSPS系樹脂が含有される場合、それらの合計割合が上記範囲内であればよい。
<添加剤>
本発明の転写フィルムは上記したポリマー以外に、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、滑剤、帯電防止剤、無機フィラー、顔料や染料等の着色剤、結晶核剤、難燃剤等の添加剤を含有してもよい。
着色剤はプラスチックフィルムの分野で使用される任意の顔料および染料が使用できる。着色剤の含有割合は本発明の目的が達成される限り特に制限されず、例えば、ポリマー成分に対して1〜30質量%が好適である。
<転写フィルムの製造方法>
本発明の転写フィルムは以下の方法により製造できる。例えば、前記SPS系樹脂ならびに所望により含有される他のポリマーおよび添加剤を所定の割合で混合し、溶融・混練して前駆体フィルム(延伸前原反フィルム)を製造した後、得られた前駆体フィルムに対して二軸延伸工程を実施する。
前駆体フィルムの製造方法は公知の方法を採用できる。例えば、所望の成分からなる混合物を押出機により溶融・混練し、混練物をTダイより押し出した後、冷却すればよい。
前駆体フィルムの厚みは特に制限されるものではなく、例えば、20〜2000μmであり、好ましくは30〜1000μmである。
二軸延伸工程は、フィルムの二軸方向に対して延伸を行い、次いで任意に熱処理を行う工程である。このような二軸延伸工程によって、フィルムのガラス転移温度を上昇させたり、熱膨張率を減少させたり、熱収縮率の絶対値を減少させることができる。
二軸延伸は、MD方向およびTD方向について延伸を行う。延伸方式は、逐次二軸延伸方式と同時二軸延伸方式があるが、同時二軸延伸方式が好ましい。二軸延伸としては、MD方向もしくはTD方向のうち一方の方向に延伸を行った後、他方の方向に延伸を行う逐次二軸延伸を行ってもよい。本明細書中、MD方向とは、いわゆる流れ方向であって、押出機からの前駆体フィルムの引き取り方向(縦方向)を意味するものとする。TD方向とは、いわゆる幅方向であって、当該MD方向に対する直交方向を意味するものとする。
二軸延伸を行うに際して、延伸倍率、延伸温度および延伸速度は本発明の目的が達成される限り特に制限されるものではないが、以下の範囲とする。耐熱寸法安定性、熱収縮率がより一層、向上するためである。
延伸倍率は、MD方向およびTD方向ともに2.0倍以上の破断が起こらない範囲内であり、特に2.0倍〜5.0倍が好ましく、より好ましくは2.2倍〜4.0倍である。MD方向およびTD方向の延伸倍率は近似していることが好ましい。具体的には、MD方向の延伸倍率をPMD、TD方向の延伸倍率をPTDとしたとき、「PTD−PMD」は−0.6〜+0.6が好ましく、より好ましくは−0.3〜+0.3である。なお、MD方向の延伸倍率は延伸直前のMD方向長さに基づく倍率である。TD方向の延伸倍率は延伸直前のTD方向長さに基づく倍率である。
延伸倍率を上記範囲内で調整することにより熱膨張率の減少幅を制御することができる。例えば、所定方向の延伸倍率を増大させると、当該方向の熱膨張率の減少幅は大きくなる。
延伸温度は、当該フィルムを構成するポリマー成分のガラス転移温度をTgP(℃)としたとき、TgP以上、TgP+30℃以下であり、耐熱寸法安定性のさらなる向上の観点から好ましくはTgP℃以上、TgP+25℃以下である。なお、延伸温度は、延伸を行う雰囲気温度である。ポリマー成分が2種類以上のポリマーからなる場合、ポリマー成分のTgPは、各ポリマーのガラス転移温度に当該ポリマーの含有比率を乗じた値の和である。
延伸温度を上記範囲内で調整することにより熱膨張率の減少幅を制御することができる。例えば、延伸温度を低くすると、熱膨張率の減少幅は大きくなる。
延伸速度は、MD方向およびTD方向ともに50〜10000%/分であり、好ましくは100〜5000%/分、より好ましくは100〜3000%/分である。延伸速度とは、{(延伸後寸法/延伸前寸法)−1}×100(%)/延伸時間で算出される値である。
延伸速度を上記範囲内で調整することにより熱膨張率の減少幅を制御することができる。例えば、延伸速度を大きくすると、熱膨張率の減少幅は大きくなる。
熱処理は、延伸フィルムを延伸温度以上の温度で保持することにより、ポリマー分子の配向を固定する処理である。熱処理温度は、当該フィルムを構成するポリマー成分のガラス転移温度をTgP(℃)、融点、をTmP(℃)としたとき、TgP+70℃以上、TmP以下であり、耐熱寸法安定性および耐熱変形性のさらなる向上の観点から好ましくはTgP+75℃以上、TmP−20℃以下である。なお、熱処理温度は、フィルム保持を行う雰囲気温度である。ポリマー成分が2種類以上のポリマーからなる場合、ポリマー成分のTmPは、各ポリマーの融点に当該ポリマーの含有比率を乗じた値の和である。
熱処理温度を上記範囲内で調整することにより熱収縮率絶対値を制御することができる。例えば、熱処理温度を高くすると、熱収縮率絶対値は小さくなる。
熱処理は、二軸延伸処理時の張力を維持したまま熱処理を行う緊張式熱処理を実施してもよいし、当該処理と同時に当該張力を弛緩させて熱処理を行う弛緩式熱処理を実施してもよいし、または当該張力を維持して熱処理(第1熱処理)を行った後、当該張力を弛緩させて熱処理(第2熱処理)を行う複合式熱処理を実施してもよい。好ましくは弛緩式熱処理を実施する。熱処理を上記いずれの方式で実施するに際しても、熱処理温度は前記範囲内に設定される。
熱処理を上記した弛緩式または複合式で行う場合、熱収縮率の絶対値の低減、耐熱寸法安定性および耐熱変形性のさらなる向上、フィルムの平坦性の観点から、弛緩倍率はMD方向およびTD方向ともに0.8〜1.00倍が好ましく、より好ましくは0.85〜1.00倍、最も好ましくは0.90〜0.98倍である。MD方向およびTD方向の弛緩倍率は近似していることが好ましい。具体的には、MD方向の弛緩倍率をQMD、TD方向の弛緩倍率をQTDとしたとき、「QTD−QMD」は−0.1〜+0、1が好ましく、より好ましくは-0.05〜+0.05であり、最も好ましくは−0.02〜+0.02である。なお、MD方向の弛緩倍率は延伸直後のMD方向長さに基づく倍率である。TD方向の弛緩倍率は延伸直後のTD方向長さに基づく倍率である。
弛緩倍率を上記範囲内で調整することにより熱収縮率絶対値を制御することができる。例えば、所定方向の弛緩倍率を低減すると、当該方向の熱収縮率絶対値の減少幅は大きくなる。
次にこのようにして得られたフィルムをロール2本の間を加圧しながら通過させる。これらの2本のロールのうち、少なくとも1本のロールは、表面がマット調模様であればよい。前記ロールの少なくとも1本のロール表面のマット調模様をフィルムの表面へ転写して転写フィルムを得る。前記2本のロールとしては、金属ロールと金属ロール、金属ロールとゴムロール、またはゴムロールとゴムロールの組み合わせが挙げられる。また、ロール表面のマット調模様としては、得られる転写フィルムの表面が、表面粗さ(JIS B−0601:1994)に準拠して測定した算術平均高さ(Ra)が例えば0.5μm以上8.0μm以下であり、好ましくは0.6μm以上5.0μm以下であり、最大高さ(Ry)が例えば1.0μm以上30μm以下であり、好ましくは1.5μm以上20μm以下となるよう調整する。なお、得られる転写フィルムの表面粗さと同一またはより大きな値を有する表面粗さのロールを用いる。
前記ロール2本の間を加圧しながらフィルムを通過させる条件としては、そのフィルムのみを加熱する、少なくとも一方のロールを加熱し、そのロールを用いる、等が挙げられる。フィルムのみを加熱する場合、フィルムはIRヒーター等でロール2本間を通過させる前に加熱してもよい。マット調を付与するロールとして金属ロールを用いる場合、そのロールの温度は、例えば100℃〜250℃、好ましくは120℃〜220℃である。また、加圧力としては、例えば、0.1〜500kgf/cm、好ましくは1〜100kgf/cmである。また、前記ロール2本の間を加圧しながらフィルムを通過させる速度としては、例えば、0.1〜10m/分、好ましくは0.2〜5m/分である。なお、マット調を付与する方法については、上記ロール2本の間を加圧しながら通過させる方法を用いてもよいが、本発明は、それに限定されるものではなく、異なる方法でマット調を付与することも可能である。
<転写フィルム>
本発明の転写フィルムの厚みは特に制限されるものではなく、例えば、10〜150μmであり、好ましくは12〜125μmである。
本発明の転写フィルムには著しく優れた耐熱寸法安定性および耐熱変形性が発現する。その結果、本発明の転写フィルムを耐熱フィルムとして使用し、例えば当該フィルム上に高温条件下で積層を行った場合においても、反りや溶融変形を十分に防止することができる。
本発明の転写フィルムは、耐熱寸法安定性および耐熱変形性に十分に優れ、良好な引張伸び率を有するのが好ましい。
具体的には、引張荷重5gf/2mm幅および昇温速度10℃/分の条件下で50℃から100℃まで昇温したときの熱膨張率は80ppm/℃以下であり、好ましくは70ppm/℃以下、より好ましくは60ppm/℃以下、最も好ましくは50ppm/℃以下である。熱膨張率は、MD方向およびTD方向のいずれの方向についても、上記範囲内である。熱膨張率が大きすぎると、熱プレス成型において本発明の転写フィルムを用いる場合、成型金型面の凹凸を精度よく被成型材料へ転写出来ず、かつ、転写フィルム表面のマット調を精度よく被成型体へ転写出来ないという問題点がある。また、本発明の転写フィルムが薄膜層の支持層として積層された場合は、積層工程や熱処理工程で反りや剥離が起こるという問題が生じ、かつ、転写フィルム表面のマット調を精度よく薄膜層へ転写出来ない。本発明の転写フィルムの熱膨張率は通常は、1〜80ppm/℃、好ましくは5〜70ppm/℃、より好ましくは10〜60ppm/℃、最も好ましくは15〜50ppm/℃である。
熱膨張率について、成型金型面の凹凸を精度よく被成型材料へ転写し、かつ、転写フィルム表面のマット調を精度よく被成型材料へ転写する、または、薄膜積層工程や薄膜積層品の熱処理工程での反りや剥離を防止する、かつ転写フィルム表面のマット調を精度よく薄膜層へ転写するという観点から好ましくは、熱膨張率のMD方向とTD方向との差の絶対値は50ppm/℃以下であり、より好ましくは40ppm/℃以下、さらに好ましくは20ppm/℃以下である。
本明細書中、熱膨張率は、試験片(2mm×25mm)を長手方向が鉛直方向になるように吊り下げて、該試験片の下端に5gf/2mm幅の引張荷重を印加し、雰囲気温度を昇温速度10℃/分で50℃から100℃まで昇温したときの熱膨張率である。熱膨張率は、引張方向がMD方向の場合およびTD方向の場合について測定され、具体的には後述する方法により測定される。熱膨張率の値は正の値が膨張を意味し、負の値が収縮を意味する。
180℃での熱収縮率の絶対値は3.0%以下であり、好ましくは2.5%以下、より好ましくは2.0%以下である。熱収縮率の絶対値は、MD方向およびTD方向のいずれの方向についても、上記範囲内である。熱収縮率の絶対値が大きすぎると、熱プレス成型において本発明の転写フィルムを用いる場合、成型金型面の凹凸を精度よく被成型材料へ転写出来ず、かつ、転写フィルム表面のマット調を精度よく被成型材料へ転写出来ないという問題点がある。また、本発明の転写フィルムが薄膜層の支持層として積層された場合、積層工程や熱処理工程で反りや剥離が起こり、かつ、転写フィルム表面のマット調を精度よく薄膜層へ転写出来ないという問題が生じる。
熱収縮率について、成型金型面の凹凸を精度よく被成型材料へ転写し、かつ、転写フィルム表面のマット調を精度よく被成型材料へ転写する、または、薄膜積層工程や薄膜積層品の熱処理工程での反りや剥離を防止し、かつ、転写フィルム表面のマット調を精度よく薄膜層へ転写するという観点から好ましくは、熱収縮率のMD方向とTD方向との差の絶対値は2.5%以下であり、より好ましくは2.0%以下、さらに好ましくは1.5%以下、最も好ましくは0.5%以下である。
本明細書中、熱収縮率は、試験片(200mm×200mm)を雰囲気温度180℃で30分間放置したときのMD方向およびTD方向の各方向における熱収縮率であり、具体的には後述する方法により測定される。熱収縮率の値は正の値が収縮を意味し、負の値が膨張を意味する。
耐熱変形性について具体的には、本発明の転写フィルムのガラス転移温度は150℃以上、好ましくは160℃以上、より好ましくは170℃以上である。本発明の転写フィルムはその製造過程において、特に前記した熱処理工程を含む二軸延伸工程の前後で、フィルムのガラス転移温度が50℃以上上昇し、好ましくは60℃以上、より好ましくは70℃以上上昇している。なお、本発明の転写フィルムのガラス転移温度は、250℃程度までであるが、特にそれに限定されない。また、ガラス転移温度の上昇温度幅は120℃程度までであるが、特にそれに限定されるものではない。本明細書中、転写フィルムのガラス転移温度はJIS C6481:1996「5.17.1 TMA法」に基づいて測定された値を用いている。
また本発明の転写フィルムは良好な引張伸び率を有する。具体的には本発明の転写フィルムの引張伸び率は10%以上、特に15%以上であり、好ましくは20%以上である。本発明の転写フィルムにおける引張伸び率の上限値は通常、300%、特に200%である。
本明細書中、引張伸び率はJIS K7127に基づいて測定された値を用いている。
本発明の転写フィルムは、前記マット化されている面の(JIS B−0601:1994)に準拠して測定した算術平均高さ(Ra)が例えば0.5μm以上8.0μm以下であり、好ましくは0.6μm以上5.0μm以下であり、最大高さ(Ry)が例えば1.0μm以上30μm以下であり、好ましくは1.5μm以上20μm以下である。本発明の転写フィルムは、少なくとも片面が転写面であり、その転写面がマット化されている。すなわち、本発明の転写フィルムは、片面が転写面であっても、両面が転写面であってもよい。両面が転写面の場合、それぞれの面における表面粗さは、互いに異なっていても、同一であってもよい。
本発明の転写フィルムは、180℃×3分間の加熱後のマット化されている面の算術平均高さ(Ra)が0.4μm以上5.0μm以下であり、最大高さ(Ry)が0.8μm以上20μm以下であるのが好ましい。本発明の転写フィルムには耐熱寸法安定性と耐熱変形性が要求されるが、さらに、加熱により有効なマット状態が消滅しないことが必要である。加熱により有効なマット状態が消滅しないためには、180℃×3分間の加熱処理後において、上記特性を有することが重要となる。180℃×3分間の加熱処理は、転写フィルムを200mm×200mm程度にカットし、上記温度のオーブン中に宙吊りして行う方法を用いる。本発明の熱処理された転写フィルムは、少なくとも片面が転写面であり、その転写面がマット化されている。すなわち、本発明の熱処理された転写フィルムは、片面が転写面であっても、両面が転写面であってもよい。両面が転写面の場合、それぞれの面における表面粗さは、互いに異なっていても、同一であってもよい。
本発明の転写フィルムは、プリント基板、セラミック電子部品、半導体パッケージ、熱硬化性樹脂製品、熱可塑性樹脂製品、化粧板等を製造する際、成型金型や成型ロールと被成型材料との間に介在させる離型フィルムとして有用である。また、当該転写フィルムは、当該フィルムの表面に設けられたマット調を被成型材料の表面に転写する転写フィルムとして有用である。また、当該転写フィルムは、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、セラミック、金属等の薄膜層の形成工程や所定の処理工程において、薄膜層の支持や保護を目的とし積層し、最終的には剥離・除去される工程フィルムとして有用である。また、当該転写フィルムは、当該フィルムの表面に設けられたマット調を薄膜層の表面に転写する転写フィルムとして有用である。成型時には熱が付与されるので、当該転写フィルムは、成型金型や成型ロールと被成型材料の融着を防止することができる。当該転写フィルムは、耐熱寸法安定性および耐熱変形性に十分に優れ、良好な引張伸び率を有し、被成型材料に対して良好な離型性を示すため、成型金型や成型ロールの凹凸を精度よく被成型材料へ転写するとともに、所望の成型製品を得ることができる。また、当該転写フィルムは、薄膜層の支持層もしくは保護層としての役目を果たすとともに、薄膜層の表面にマット調を付与し、所望の薄膜製品を得ることができる。
被成型材料は特に制限されないが、通常は熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂等のプラスチック材料が用いられる。プラスチック材料の種類は特に制限されず、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、アルキド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂等が使用可能である。成型時の金型やロール温度、圧力および成型時間はプラスチック成形の分野で公知の条件が使用可能である。例えば、プレス時の金型温度は通常、80〜200℃である。プレス圧は通常、1〜150kg/cm2である。プレス時間は通常、0.5〜60分間である。
以下実施例により、本発明をさらに具体的に説明する。なお本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
[同時二軸延伸SPS系樹脂フィルムの製造]
シンジオタクチックポリスチレン樹脂(商品名「ザレック142ZE」、出光興産株式会社製、ガラス転移温度95℃、融点247℃)を、T−ダイを先端に取り付けた押出機を用いて280℃にて溶融押出後、冷却して前駆体フィルムを得た。この前駆体フィルムを115℃で延伸速度500%/分で縦方向(MD)に3.3倍、横方向(TD)に3.4倍同時二軸延伸した。延伸後、215℃で縦方向(MD)に0.92倍、横方向(TD)に0.92倍で弛緩処理して、厚み50μmの同時二軸延伸SPS系樹脂フィルムを得た。
[逐次二軸延伸SPS系樹脂フィルムの製造]
シンジオタクチックポリスチレン樹脂(商品名「ザレック142ZE」、出光興産株式会社製、ガラス転移温度95℃、融点247℃)を、T−ダイを先端に取り付けた押出機を用いて280℃にて溶融押出後、冷却して前駆体フィルムを得た。この前駆体フィルムを110℃で延伸速度1000%/分で縦方向(MD)に3.3倍延伸した。次いで、115℃で延伸速度500%/分で横方向(TD)に3.3倍延伸した。215℃で横方向(TD)に0.92倍弛緩処理して、厚み50μmの逐次二軸延伸SPS系樹脂フィルムを得た。
[転写フィルムの製造]
SPS系樹脂フィルム(厚み50μm)を表面がマット調模様のロール2本の間を通過させ、前記ロールの表面のマット調模様を前記SPS系樹脂フィルムの一方の表面へ転写して転写フィルムを得た。2本のロール間を通過させる際の条件(ロール温度、線圧、速度)は、以下の表1に示す。なお、2本のロールのうち1本は、表面マット調の金属ロール(Raは5μm、Ryは20μm)である。
得られた転写フィルムの物性(厚み、表面粗さ(加熱前)、表面粗さ(加熱後)ガラス転移温度)を表1に示す。なお、表面粗さは、得られた転写フィルム(200mm×200mmにカットしたもの)を測定した値(加熱前)と得られた転写フィルム(200mm×200mmにカットしたもの)を180℃で3分間、熱風循環式オーブン内に宙吊りにした後、測定した値(加熱後)である。
Figure 2013216779
実施例1〜4において得られた転写フィルムおよび熱処理した転写フィルムならびに比較例1のフィルムについて、評価した物性の測定方法は以下のとおりである。
<熱膨張率>
熱機械測定装置(Q400EM;TA INSTRUMENTS社)を用い、試験片(フィルム;2mm×25mm)を、該試験片の長手方向が鉛直方向になるように吊り下げ、該試験片の下端に5gf/2mm幅の引張荷重を印加した。その後、雰囲気温度を昇温速度10℃/分で昇温し、50℃から100℃までの寸法変化を1℃あたりの変化量に換算し、熱膨張率R1を測定した。熱膨張率は引張方向がMD方向およびTD方向の場合について測定した。熱膨張率R1について正の値は膨張したことを意味する。
◎:R1≦60ppm/℃(最良);
○:60ppm/℃<R1≦70ppm/℃(良);
△:70ppm/℃<R1≦80ppm/℃(実用上問題なし);
×:80ppm/℃<R1(実用上問題あり)。
<熱収縮率>
まず、長さ150mmの2本の直線をそれぞれ、MD方向およびTD方向に対して平行に、かつ互いに中点で交わるように、試験片(フィルム;200mm×200mm)上に描いた。この試験片を、標準状態(温度23℃×湿度50%)に2時間放置し、その後試験前の直線の長さを測定した。続いて180℃の雰囲気に設定された熱風循環式オーブン内で一角を支持した宙吊り状態にて30分間放置した後、取り出して、標準状態に2時間放置冷却した。その後各方向の直線の長さを測定し、試験前の長さからの変化量を求め、当該試験前の長さに対する変化量の割合として熱収縮率R2を求めた。熱収縮率R2について正の値は収縮したことを意味する。
◎:R2の絶対値≦2.0%(最良);
○:2.0%<R2の絶対値≦2.5%(良);
△:2.5%<R2の絶対値≦3.0%(実用上問題なし);
×:3.0%<R2の絶対値(実用上問題あり)。
<引張伸び率>
JIS K7127に従って引張伸び率を測定した。
◎:20%≦引張伸び率(最良);
○:15%≦引張伸び率<20%(良);
△:10%≦引張伸び率<15%(実用上問題なし);
×:引張伸び率<10%。
<ガラス転移温度(TMA)>
J1S C6481:1996「5.17.1 TMA法」に従ってガラス転移温度を測定した。詳しくは、熱機械測定装置(Q400EM;TA INSTRUMENTS社)により、試験片(フィルム;2mm×25mm)を、引張荷重5gf/2mm幅および昇温速度10℃/分の条件下で昇温し、Tgを測定した。Tgは引張方向がMD方向およびTD方向の場合について測定し、それらの平均値で示した。Tgの測定は、最終的に得られたフィルムおよび延伸直前のフィルムについて行い、上昇幅(℃)を求めた。
・最終的に得られたフィルムのTg
◎:170℃≦Tg(最良);
○:160℃≦Tg<170℃(良);
△:150℃≦Tg<160℃(実用上問題なし);
×:Tg<150℃。
・上昇幅
◎:70℃≦上昇幅(最良);
○:60℃≦上昇幅<70℃(良);
△:50℃≦上昇幅<60℃(実用上問題なし);
×:上昇幅<50℃。
<耐熱変形性>
150℃の雰囲気に設定された熱風循環式オーブン内にフィルム(100mm×100mm)を10分間放置し、そのとき、フィルムに起こる変形を目視で判断した。
◎:変形は全く認められなかった;
△:変形がわずかに認められたものの実用上問題なかった;および
×:変形が明らかに認められた。
<表面粗さ>
JIS B0601:1994に従って表面粗さを測定した。Raは算術平均高さ、Ryは最大高さを意味する。
<成型評価>
エポキシ樹脂フレークを熱プレス成型するに際し、実施例1〜4および比較例1のそれぞれにおいて得られた転写フィルムを用いた。詳しくは、図1に示すように、エポキシ樹脂フレーク1を上下金型2,3により熱プレス成型するに際し、フレーク1と金型2,3との間にフィルム4を介在させた。フィルム4は金型より外側で把持し固定した。プレス時において、金型2,3の接近はスペーサー5により制限された。プレス条件は以下の通りであった。
金型2,3の温度;150℃
プレス圧;100kg/cm2
プレスクリアランス1mm
プレス時間;10分間
プレス成型後、成型体を取り出し、放置冷却した後、フィルム4を成型体から剥離した。成型体の表面に転写された転写面を目視により観察し、転写性について評価した。
評価:
◎:エポキシ成型体の転写面には光沢がなく、転写フィルムのマット面がそのまま良好に転写されていた;
○:エポキシ成型体の転写面には、ほぼ光沢がなく、転写フィルムのマット面がほぼ転写されていた;
△:エポキシ成型体の転写面にはやや光沢があり、転写フィルムのマット面の転写が完全ではなかった;
×:エポキシ成型体の転写面には光沢があり、転写フィルムのマット面が転写されなかった。
<離型性>
成型後、転写フィルムから成型体を取り出す際、弱い力で成型体を剥がすことができるか、成型体に転写フィルムが付着するかどうかを評価した。
評価:
◎:転写フィルムから成型体を剥がす際、ほとんど抵抗なく、成型体に転写フィルムが付着することはなかった。;
○:転写フィルムから成型体を剥がす際、少し抵抗があったが、成型体に転写フィルムが付着することはなかった。;
△:転写フィルムから成型体を剥がす際、抵抗が大きかったが、成型体に転写フィルムの付着は見られなかった。;
×:転写フィルムから成型体を剥がす際、抵抗が大きく、成型体に転写フィルムの付着が見られた。
本発明の転写フィルムは、耐熱寸法安定性および耐熱変形性に十分優れ、良好な伸び率を有し、成型性および離型性に優れ、被成型体に十分なマット調を付与することが出来る。
本発明の転写フィルムは、プリント基板、セラミック電子部品、半導体パッケージ、熱硬化性樹脂製品、熱可塑性樹脂製品、化粧板等を製造する際、成型金型や成型ロールと被成型材料との間に介在させる離型フィルムとして有用である。また、本発明の転写フィルムは、当該フィルムの表面に設けられたマット調を被成型材料の表面に転写する転写フィルムとして有用である。また、本発明の転写フィルムは、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、セラミック、金属等の薄膜層の形成工程や所定の処理工程において、薄膜層の支持や保護を目的とし積層し、最終的には剥離・除去される工程フィルムとして有用である。また、本発明の転写フィルムは、当該フィルムの表面に設けられたマット調を薄膜層の表面に転写する転写フィルムとして有用である。
1 エポキシ樹脂フレーク
2 下型
3 上型
4 転写フィルム
5 スペーサー

Claims (5)

  1. 転写フィルムであって、
    前記転写フィルムが、シンジオタクチックポリスチレン系樹脂を含有する二軸配向フィルムであり、
    少なくとも片面が転写面であり、
    前記転写面が、マット化されている転写フィルム。
  2. 前記二軸配向フィルムが、シンジオタクチックポリスチレン系樹脂を含有するフィルムを同時二軸延伸することにより形成された請求項1に記載の転写フィルム。
  3. 前記転写フィルムの引張荷重5gf/2mm幅および昇温速度10℃/分の条件下で50℃から100℃まで昇温したときの熱膨張率が80ppm/℃以下であり、
    180℃での熱収縮率の絶対値が3.0%以下であり、
    ガラス転移温度が、150℃以上である請求項1または2に記載の転写フィルム。
  4. 前記マット化されている面の算術平均高さ(Ra)が0.5μm以上8.0μm以下であり、最大高さ(Ry)が1.0μm以上30μm以下である請求項1〜3のいずれか一項に記載の転写フィルム。
  5. 180℃×3分間の加熱後の前記マット化されている面の算術平均高さ(Ra)が0.4μm以上5.0μm以下であり、最大高さ(Ry)が0.8μm以上20μm以下である請求項4に記載の転写フィルム。
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