JP2013215039A - 電力変換装置 - Google Patents

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隆弘 山田
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Abstract

【課題】パワー半導体素子を過電流から効果的に保護することのできる電力変換装置を提供する。
【解決手段】供給される電力を変換するためのスイッチング動作を行うパワー半導体素子12と、パワー半導体素子12のスイッチング動作を制御する駆動信号を出力する駆動回路2と、パワー半導体素子12に流れる被制御電流の大きさが所定の閾値を超えたときにオン状態とオフ状態とが切り替わるように構成したスイッチ50を含むとともに、スイッチ50の切り替わりによってパワー半導体素子12への駆動信号の供給を停止し、パワー半導体素子12に流れる被制御電流を遮断するように構成した保護回路5とを備えていることを特徴とする電力変換装置1である。
【選択図】図1

Description

本発明は、パワー半導体素子を過電流から保護するための保護回路を備えた電力変換装置に関する。
電力変換装置に組み込まれたパワー半導体素子は、駆動回路から出力される駆動信号によりそのスイッチング動作を制御され、供給される電力の電力変換を行うことができるよう構成されている。パワー半導体素子は、過負荷や短絡等により通常動作時に比べて大きな電流(以下、これを「過電流」という。)が流れると素子が損傷を受けるおそれがある。そのため、電力変換装置には、過電流がパワー半導体素子に流れ続けることを防止するための保護回路を備えたものがある。
例えば、特許文献1には、センス電圧の値に基づいて過電流を検知する過電流検知部を備えた半導体素子制御装置の例が開示されている。過電流検知部は、IGBTより出力されるセンス電流をセンス抵抗に流し、該センス抵抗にかかるセンス電圧を計測する。そして、IGBTに過電流が流れたとき、すなわちセンス電圧が所定の値を超えたときに異常時遮断信号を出力し、IGBTに流れる電流を遮断するよう構成されている。
特開2011−29818号公報
しかしながら、閾値に対するセンス電圧の大きさの大小に基づいて過電流を検知する方式の保護回路において過電流の検出精度を向上させようとすると、以下のような問題がある。つまり、センス電流の変化に対するセンス電圧の変化は小さい。そのため、センス電圧によってセンス電流、ひいてはパワー半導体に流れる電流を正確に把握することは困難である。
また、センス電圧は、センス電流が一定値であってもセンス抵抗の抵抗値のばらつきや動作時の温度変化等によって大きく変動することがある。それゆえ、過電流と判定するためのセンス電圧の閾値を低くして過電流を精度よく検出させようとすると、通常動作中であってもセンス電圧の値が閾値を超えることがある。これにより、通常動作中にもかかわらず誤って過電流と判定されやすくなり、パワー半導体素子のスイッチング動作が阻害されるおそれがある。
このような過電流の誤検知を回避するため、センス電圧の閾値は、通常動作時におけるセンス電圧の大きさに対して、上述の変動要因に応じて大きめの値に設定されている。これにより、通常動作時に誤って過電流と判定される可能性は低くなるが、一方で過電流の検出精度が低下する。つまり、過電流が流れている状態にもかかわらず通常動作と判定され、パワー半導体素子の損傷を招くおそれがある。
本発明は、上記の背景に鑑みてなされたもので、パワー半導体素子を過電流から効果的に保護することのできる電力変換装置を提供しようとするものである。
本発明の一態様は、供給される電力を変換するためのスイッチング動作を行うパワー半導体素子と、
該パワー半導体素子のスイッチング動作を制御する駆動信号を出力する駆動回路と、
上記パワー半導体素子に流れる被制御電流の大きさが所定の閾値を超えたときにオン状態とオフ状態とが切り替わるように構成したスイッチを含むとともに、該スイッチの切り替わりによって上記パワー半導体素子への上記駆動信号の供給を停止し、上記パワー半導体素子に流れる上記被制御電流を遮断するように構成した保護回路とを備えていることを特徴とする電力変換装置にある(請求項1)。
上記電力変換装置は、上記パワー半導体素子に流れる被制御電流の大きさが所定の閾値を超えたときにオン状態とオフ状態とが切り替わるように構成したスイッチを含む保護回路を備えている。そして、上記保護回路は、上記スイッチの切り替わりによって上記パワー半導体素子への駆動信号の供給を停止し、上記パワー半導体素子に流れる被制御電流を遮断するよう構成されている。つまり、上記パワー半導体素子への駆動信号の供給、停止は、上記被制御電流の大きさと閾値との大小関係に応じて切り替わるように構成されている。それゆえ、上記被制御電流が閾値を超えたことを精度よく検出することができる。
また、上記保護回路内の各点における電位及び電流は、上記スイッチの切り替わりによって急峻に変化し、上記パワー半導体素子への駆動信号の供給、停止は急峻に切り替わる。その結果、過電流が流れた場合において、迅速に上記パワー半導体素子への駆動信号の供給を停止し、被制御電流を遮断することができる。
以上のごとく、上記態様によれば、パワー半導体素子を過電流から効果的に保護することのできる電力変換装置を提供することができる。
実施例1における、下アームに接続される制御回路の構成を示す回路図。 実施例1における、上アームに接続される制御回路の構成を示す回路図。 実施例1における、オフ状態のMEMSスイッチの平面図。 図3のIV−IV線矢視断面図。 実施例1における、オン状態のMEMSスイッチの断面図(図4に相当する断面図)。 実施例1の電力変換装置における、電力変換回路を示す回路図。 実施例2における、遮断トランジスタを有する保護回路を適用した回路図。 実施例2における、保護回路の動作を示す説明図。 実施例3における、チャタリング防止用フィルタを備えた保護回路を適用する場合の回路図。 実施例4における、保護回路を信号増幅回路の前段に接続する場合の回路図。
上記電力変換装置において、上記スイッチは、上記被制御電流により上記パワー半導体素子に発生するジュール熱を検知するとともにその大きさに応じてオン状態とオフ状態とが切り替わる接点部を有していてもよい(請求項2)。
この場合には、上記被制御電流の大きさを電子回路により検出する必要がなくなるため、上記保護回路を簡素な構成にすることができる。また、上記接点部を上記被制御電流が流れる経路から分離することができるため、上記接点部に過大な電流が流れること等を防止し、上記スイッチの焼損を防ぐと共に長寿命化することができる。
また、上記スイッチはMEMSスイッチであり、該MEMSスイッチの上記接点部は、その少なくとも一部をバイメタルにより構成していてもよい(請求項3)。
この場合には、上記スイッチにおける消費電力を低減することができる。また、上記スイッチを小型化することが容易であるため、上記保護回路を容易に小型化することができる。
また、上記保護回路は、上記スイッチの切り替わりに応じて導通状態と非導通状態とが切り替わるように構成された遮断トランジスタを有しており、該遮断トランジスタの状態の切り替わりによって上記パワー半導体素子への上記駆動信号の供給を停止するように構成されていてもよい(請求項4)。
この場合には、上記スイッチに流れる電流を上記パワー半導体素子へ供給される駆動信号の電流よりも充分に小さくすることができる。そのため、上記スイッチの小型化を容易に実現することができる。
また、上記駆動回路と上記パワー半導体素子との間に上記駆動信号を増幅する信号増幅回路を備えていてもよい(請求項5)。
この場合には、上記信号増幅回路により上記駆動信号を増幅することができる。その結果、上記パワー半導体素子を駆動させるために充分な大きさの上記駆動信号を供給することにより、上記パワー半導体素子の動作をより確実なものとすることができる。
また、上記スイッチと上記遮断トランジスタとの間にチャタリング防止用フィルタが接続されていてもよい(請求項6)。
この場合には、上記スイッチがチャタリングを起こした場合においても上記遮断トランジスタの動作を確実に行うことができる。これにより、上記保護回路の誤作動をより確実に防止することができる。
(実施例1)
上記電力変換装置の実施例を、図1〜図6を用いて説明する。電力変換装置1は、図1に示すごとく、供給される電力を変換するためのスイッチング動作を行うパワー半導体素子としてのIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)素子12と、IGBT素子12のスイッチング動作を制御する駆動信号を出力する駆動回路2を有する。また、IGBT素子12に流れる被制御電流の大きさが所定の閾値を超えたときにオン状態とオフ状態とが切り替わるように構成したスイッチとしてのMEMS(Micro Electro Mechanical System)スイッチ50を有する。そして、MEMSスイッチ50の切り替わりによってIGBT素子12への駆動信号の供給を停止し、IGBT素子12に流れる被制御電流を遮断するように構成した保護回路5を備えている。
電力変換装置1には、図6に示すごとく、IGBT素子12と、FWD(Free Wheeling Diode)素子13とが各々6枚ずつ含まれている。そして、これらの素子が互いに電気的に接続され、インバータ回路を形成している。すなわち、1枚ずつのIGBT素子12とFWD素子13とが互いに並列に接続されてアーム11(11a、11b)を形成している。また、一対のアーム11が互いに直列に接続されることにより、直列体10を形成している。そして、3対の直列体10が互いに並列に接続されてインバータ回路を構成している。以下において、各々の直列体10を構成するアーム11のうち、一方のアーム11を上アーム11aといい、他方のアーム11を下アーム11bという。なお、本例では、それぞれの直列体10における上アーム11aと下アーム11bの中点と回転電機15とが接続されている。また、各々の直列体10の両端と直流電源18とが接続され、上アーム11aが直流電源18の正極側、下アーム11bが負極側にそれぞれ配される。
また、各々のIGBT素子12に対して、駆動回路2と、保護回路5と、MEMSスイッチ50とを含む制御回路14が図6に示すごとく接続されている。制御回路14においては、図1及び図2に示すごとく、駆動回路2と、信号増幅回路3と、ローパスフィルタ4とが互いに直列に接続されている。駆動回路2は、パルス状の駆動信号を発生させる機能を有する。また、信号増幅回路3は、駆動回路2から出力される駆動信号をIGBT素子12の駆動に必要な電圧まで増幅する機能を有する。そして、ローパスフィルタ4は、信号増幅回路3から出力される駆動信号における高周波成分を遮断する機能を有する。このようにしてローパスフィルタ4から出力される駆動信号をIGBT素子12のゲート電極120に入力することにより、IGBT素子12のスイッチング動作を制御可能に構成されている。
駆動回路2は、図1に示すごとく、駆動信号を発生させるパルス発生器20を有する。パルス発生器20は、信号増幅回路3における後述する一対のトランジスタ30のベース電極と接続されており、パルス発生器20が発生する駆動信号により信号増幅回路3の動作が制御されるよう構成されている。なお、下アーム11bに接続される駆動回路2においては、図1に示すごとく、パルス発生器20と信号増幅回路3とは抵抗23を介して接続されている。一方、上アーム11aに接続される駆動回路2においては、図2に示すごとく、パルス発生器20と信号増幅回路3との間に、フォトカプラ21及びアンプ22を配しており、これらが互いに直列に接続されている。これにより、駆動回路2とIGBT素子12とを電気的に絶縁し、駆動回路2にスイッチング動作に伴うサージ電圧等の高電圧が印加されないように構成されている。
信号増幅回路3は、図1に示すごとく、駆動回路2とローパスフィルタ4との間に配されており、一対のトランジスタ30(30a、30b)を有する。一対のトランジスタ30は駆動信号の電位に応じていずれか一方を導通状態とし、他方を非導通状態とするように接続されている。また、信号増幅回路3には、駆動信号より高い電圧を出力可能な駆動電源32が接続されている。これにより、駆動信号の電位に応じて駆動電源32とIGBT素子12のゲート電極120との間を導通させ、駆動信号を増幅可能に構成されている。
NPNトランジスタ30a及びPNPトランジスタ30bは、エミッタ電極同士が接続されるように互いに直列に接続されており、その中点とローパスフィルタ4とが抵抗42を介して接続されている。また、各々のトランジスタ30a、30bのベース電極は駆動回路2と接続され、駆動信号がベース電流として一対のトランジスタ30へ入力されるよう構成されている。
また、NPNトランジスタ30aのコレクタ電極と駆動電源32とが抵抗31を介して接続され、PNPトランジスタ30bのコレクタ電極と接地線16とが接続されている。これにより、駆動信号の電位が正電位となる際にNPNトランジスタ30aが導通状態になり、駆動電源32とIGBT素子12のゲート電極120とが導通するよう構成されている。なお、上アーム11aに接続される制御回路14においては、図2に示すごとく、接地線16は上アーム11aと下アーム11bとの中点に接続される。また、下アーム11bに接続される制御回路14においては、図1に示すごとく、接地線16はグラウンドに接続される。
ローパスフィルタ4は、図1に示すごとく、インダクタ40と抵抗41とから構成されている。インダクタ40は、信号増幅回路3とIGBT素子12のゲート電極120との間に直列に接続されている。また、抵抗41は、インダクタ40とゲート電極120との間と、接地線16とを接続するように配されている。
保護回路5は、駆動信号の伝達経路と接地線16とを短絡することにより、IGBT素子12のゲート電極120への駆動信号の伝達を遮断することができるよう構成されている。具体的には、本例の保護回路5は、図1に示すごとく、信号増幅回路3とローパスフィルタ4との間と、接地線16とがMEMSスイッチ50を介して接続されることにより構成されている。これにより、MEMSスイッチ50がオフ状態にあるときには駆動信号がIGBT素子12のゲート電極120へ入力され、MEMSスイッチ50がオン状態に切り替わると、信号増幅回路3と接地線16とが短絡されてIGBT素子12のゲート電極120へ向かう駆動信号を遮断できるよう構成されている。
MEMSスイッチ50は、図4に示すごとく、被制御電流によりIGBT素子12に発生するジュール熱を検知するとともにその大きさに応じてオン状態とオフ状態とが切り替わる接点部51を有している。また、MEMS技術を用いてIGBT素子12と同一のシリコンチップ52上に作製されており、接点部51の少なくとも一部をバイメタルにより構成している。
MEMSスイッチ50の接点部51は、図3及び図4に示すごとく、シリコンチップ52上に形成された固定電極510と、可動電極511とから構成されている。固定電極510は、図3に示すごとく、シリコンチップ52上に金により形成された長方形状の電極である。また、固定電極510は、その長手方向(以下、この方向を「長手方向X」という。)の一端において、図4に示すごとく、IGBT素子12のゲート電極120と導通しているゲート側パッド53に接続されている。これにより、固定電極510とゲート電極120とが電気的に接続されている。
可動電極511は、図3に示すごとく、ゲート側パッド53に対して長手方向Xにおける固定電極510の他端側に形成されており、シリコンチップ52の厚み方向(以下、この方向を「厚み方向Z」という。)から見て長方形状を呈している。可動電極511の基端部515は、図4に示すごとく、IGBT素子12のエミッタ電極121と導通しているエミッタ側パッド54に接続されており、固定電極510の方向(長手方向X)へ向けて延伸されている。そして、可動電極511は、図4に示すごとく、エミッタ側パッド54と固定電極510の他端との間において厚み方向Zへ屈曲されており、その先端部が再び固定電極510側(長手方向X)へ向けて延伸されている。このように形成された可動電極511の先端部516と固定電極510とは、図4に示すごとく、厚み方向Zにおいて互いの間に空隙を設けた状態で対向配置されている。
また、可動電極511は、図4に示すごとく、金とアルミニウムとのバイメタルにより構成されており、受熱の大きさに応じて屈曲可能に構成されている。本例の可動電極511では、金が固定電極510に近い側の内側層512に、アルミニウムが固定電極510から遠い側の外側層513に配されるようにして積層されている。これにより、IGBT素子12の内部において生じたジュール熱がシリコンチップ52やエミッタ端子等の図1に示す伝熱経路514を伝導して可動電極511に加わると、金とアルミニウムとの熱膨張率の差により、図5に示すごとく固定電極510側へ屈曲するように構成されている。
上述のごとく構成されたMEMSスイッチ50の動作は、以下のようになる。つまり、被制御電流が所定の閾値以下であるときには、IGBT素子12に発生するジュール熱の大きさが比較的小さいため、可動電極511の屈曲量が小さくなる。そのため、図4に示すごとく、固定電極510と可動電極511との間に空隙が形成され、MEMSスイッチ50がオフ状態となる。
他方、被制御電流が所定の閾値を超えたときには、IGBT素子12に発生するジュール熱が大きくなり、可動電極511が大きく屈曲する。そして、可動電極511の先端部516と固定電極510とが接触し、MEMSスイッチ50がオン状態となる。ここで、可動電極511の先端部516と固定電極510とがごく近接すると、両者の間に作用するファンデルワールス力や可動電極511と固定電極510との電位差による静電気力等の引力により、可動電極511の先端部516は固定電極510側に引き寄せられる。そして、可動電極511の先端部516と固定電極510とが接触した後は、両者の間に電流が流れることで部分的に発熱が生じるため、より可動電極511が変形する。これにより、可動電極511の先端部516は、図5に示すごとく、固定電極510に沿うように、固定電極510側に凸の状態で湾曲する。
このようにして、IGBT素子12に過電流が流れた時、MEMSスイッチ50がオン状態となり、IGBT素子12のゲート電極120への駆動信号の入力が遮断され、IGBT素子12に流れる被制御電流が遮断される。
次に、本例の作用効果について説明する。電力変換装置1は、図1及び図2に示すごとく、IGBT素子12に流れる被制御電流の大きさが所定の閾値を超えたときにオン状態とオフ状態とが切り替わるように構成したMEMSスイッチ50を含む保護回路5を備えている。そして、保護回路5は、MEMSスイッチ50の切り替わりによってIGBT素子12への駆動信号の供給を停止し、IGBT素子12に流れる被制御電流を遮断するよう構成されている。つまり、IGBT素子12への駆動信号の供給、停止は、被制御電流の大きさと閾値との大小関係に応じて切り替わるように構成されている。それゆえ、被制御電流が閾値を超えたことを精度よく検出することができる。
また、保護回路5内の各点における電位及び電流は、MEMSスイッチ50の切り替わりによって急峻に変化し、IGBT素子12への駆動信号の供給、停止は急峻に切り替わる。その結果、過電流が流れた場合において、迅速にIGBT素子12への駆動信号の供給を停止し、被制御電流を遮断することができる。
また、MEMSスイッチ50は、図4及び図5に示すごとく、被制御電流によりIGBT素子12に発生するジュール熱を検知するとともにその大きさに応じてオン状態とオフ状態とが切り替わる接点部51を有している。そのため、被制御電流の大きさを電子回路により検出する必要がなくなり、保護回路5を簡素な構成にすることができる。また、接点部51を被制御電流が流れる経路から分離することができるため、接点部51に過大な電流が流れること等を防止し、MEMSスイッチ50の焼損を防ぐと共に長寿命化することができる。
また、MEMSスイッチ50の接点部51が、図4に示すごとく、バイメタルにより構成されている。そのため、MEMSスイッチ50における消費電力を低減することができる。また、スイッチを小型化することが容易であるため、保護回路5を容易に小型化することができる。
また、図1及び図2に示すごとく、駆動回路2とIGBT素子12との間に駆動信号を増幅する信号増幅回路3を備えている。そのため、信号増幅回路3により駆動信号を増幅することができる。その結果、IGBT素子12を駆動させるために充分な大きさの駆動信号を供給することにより、IGBT素子12の動作をより確実なものとすることができる。
以上のごとく、上記態様によれば、パワー半導体素子を過電流から効果的に保護することのできる電力変換装置を提供することができる。
(実施例2)
本例は、実施例1における保護回路5に遮断トランジスタ6を適用した例である。本例の保護回路5は、図7に示すごとく、MEMSスイッチ50の切り替わりに応じて導通状態と非導通状態とが切り替わるように構成された遮断トランジスタ6を有しており、該遮断トランジスタ6の状態の切り替わりによってIGBT素子12への駆動信号の供給を停止するように構成されている。
以下、保護回路5について詳説する。保護回路5は、図7に示すごとく、IGBT素子12のゲート電極120への駆動信号の伝達経路と接地線16とを短絡させる手段として、遮断トランジスタ6を用いたものである。つまり、遮断トランジスタ6のドレイン電極が信号増幅回路3とローパスフィルタ4との間に接続され、ソース電極が接地線16に接続されている。
また、遮断トランジスタ6のゲート電極は、MEMSスイッチ50からの出力が接続されている。これにより、遮断トランジスタ6は、MEMSスイッチ50の切り替わりに応じて導通状態と非導通状態とが切り替わるように構成されている。なお、本例において、遮断トランジスタ6は、エンハンスメント型のNチャネルMOSFET素子である。
また、MEMSスイッチ50は、図7に示すごとく、駆動電源32と接地線16との間に接続されている。つまり、MEMSスイッチ50の固定電極510と駆動電源32とが分流抵抗55を介して接続され、可動電極511と接地線16とが分圧抵抗56を介して接続されている。そして、MEMSスイッチ50と分圧抵抗56との間と遮断トランジスタ6のゲート電極とが接続され、MEMSスイッチ50がオン状態となった時に、駆動電源32からの出力が遮断トランジスタ6のゲート電極へ入力されるように構成されている。なお、本例では、MEMSスイッチ50の固定電極510は、IGBT素子12のゲート電極120とは電気的に絶縁されている。
次に、図8を用いて本例の制御回路14の動作を説明する。本例の制御回路14は、図8(a)に示すIGBT素子12の被制御電流が閾値以下であるときは、MEMSスイッチ50がオフ状態であり、遮断トランジスタ6のゲート電極が接地線16と同電位になっている。そのため、MEMSスイッチ50がオフ状態にあるときには、遮断トランジスタ6は非導通状態となり、駆動信号はIGBT素子12のゲート電極120へ入力される。これにより、図8(c)及び図8(d)に示すごとく、駆動信号に伴ってゲート電極120に電圧が印加され、IGBT素子12はスイッチング動作を行う。
ここで、IGBT素子12の被制御電流が閾値を超えると、図8(b)に示すごとく、MEMSスイッチ50の受熱量が大きくなり、可動電極511が固定電極510側へ屈曲する。そして、上述したごとくMEMSスイッチ50の可動電極511が固定電極510と接触し、オン状態に切り替わる。これにより、遮断トランジスタ6のゲート電極に駆動電源32からの正電位が印加され、遮断トランジスタ6が導通状態となる。その結果、信号増幅回路3と接地線16とが短絡され、図8(d)に示すごとく、駆動信号の接地線に対する電位が0Vとなる。これにより、IGBT素子12のゲート電極120へ駆動信号が入力されなくなるため、図8(c)に示すごとく、IGBT素子のスイッチング動作が停止される。なお、図8の各グラフにおいて、横軸は時間を表すが、その一目盛(Δt)は、例えば0.1〜1μ秒程度である。
その他は、実施例1と同様である。なお、図7、図8において用いた符号のうち、実施例1において用いた符号と同一のものは、特に示さない限り実施例1と同様の構成要素等を表すものとする。
このように、本例の保護回路5は、図7、図8に示すごとく、遮断トランジスタ6の状態の切り替わりによってIGBT素子12への駆動信号の供給を停止するように構成されている。これにより、MEMSスイッチ50に流れる電流をIGBT素子12へ供給される駆動信号の電流よりも充分に小さくすることができる。そのため、MEMSスイッチ50の小型化を容易に実現することができる。その他、実施例1と同様の効果を奏することができる。
(実施例3)
本例は、実施例2におけるMEMSスイッチ50と遮断トランジスタ6との間に、チャタリング防止用フィルタ7を接続した例である。本例のチャタリング防止用フィルタ7は、図9に示すごとく、抵抗71とコンデンサ72とからなるローパスフィルタと、シュミットトリガゲート73とから構成されている。つまり、MEMSスイッチ50と遮断トランジスタ6のゲート端子との間に、抵抗71とシュミットトリガゲート73とが直列接続されている。そして、抵抗71とシュミットトリガゲート73との中点と接地線16とがコンデンサ72を介して接続されている。その他は実施例2と同様である。なお、図9において用いた符号のうち、実施例2において用いた符号と同一のものは、特に示さない限り実施例2と同様の構成要素等を表すものとする。
このように、スイッチと遮断トランジスタ6との間にチャタリング防止用フィルタ7を接続することにより、スイッチがチャタリングを起こした場合においても遮断トランジスタ6の動作を確実に行うことができる。これにより、保護回路5の誤作動をより確実に防止することができる。その他、実施例2と同様の作用効果を奏することができる。
(実施例4)
本例は、実施例1における保護回路5の接続位置を変更した例である。本例の保護回路5は、図10に示すごとく、駆動回路2と信号増幅回路3との間と、接地線16とをMEMSスイッチ50を介して接続するように構成されている。その他は実施例1と同様である。なお、図10において用いた符号のうち、実施例1において用いた符号と同一のものは、特に示さない限り実施例1と同様の構成要素等を表すものとする。
このように、保護回路5は、駆動信号の供給を遮断することができる位置であれば、接続する位置を特に限定されることはなく、実施例1と同様の作用効果を得ることができる。
なお、実施例1〜4には、電力変換装置1のインバータ回路に対してスイッチを適用した保護回路5を接続した例を示したが、コンバータ回路等の、インバータ回路以外の電力変換回路を備えた電力変換装置1に適用することも可能である。また、パワー半導体素子としてはIGBT素子12以外に、例えばMOSFET(Metal−Oxide Semiconductor Field−Effect Transistor)素子等の半導体素子を適用することも可能である。
また、実施例1〜4は、MEMSスイッチ50がオン動作となる時に駆動信号を遮断する構成を示しているが、この逆の構成にすることも可能である。例えば、実施例2において、可動電極511における内側層512をアルミニウムから形成し、外側層513を金から形成すると共に、遮断トランジスタ6にデプレッション型のPチャネルMOSFETを適用する構成が考えられる。この場合には、被制御電流が閾値を超えたときにMEMSスイッチ50がオフ状態となり、遮断トランジスタ6が導通状態となるため、被制御電流が閾値を超えたときに駆動信号を遮断することが可能となる。
1 電力変換装置
12 IGBT素子
2 駆動回路
5 保護回路
50 MEMSスイッチ

Claims (6)

  1. 供給される電力を変換するためのスイッチング動作を行うパワー半導体素子(12)と、
    該パワー半導体素子のスイッチング動作を制御する駆動信号を出力する駆動回路(2)と、
    上記パワー半導体素子に流れる被制御電流の大きさが所定の閾値を超えたときにオン状態とオフ状態とが切り替わるように構成したスイッチ(50)を含むとともに、該スイッチの切り替わりによって上記パワー半導体素子への上記駆動信号の供給を停止し、上記パワー半導体素子に流れる上記被制御電流を遮断するように構成した保護回路(5)とを備えていることを特徴とする電力変換装置(1)。
  2. 請求項1に記載の電力変換装置において、上記スイッチは、上記被制御電流により上記パワー半導体素子に発生するジュール熱を検知するとともにその大きさに応じてオン状態とオフ状態とが切り替わる接点部(51)を有することを特徴とする電力変換装置。
  3. 請求項2に記載の電力変換装置において、上記スイッチはMEMSスイッチ(50)であり、該MEMSスイッチの上記接点部は、その少なくとも一部をバイメタルにより構成してあることを特徴とする電力変換装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の電力変換装置において、上記保護回路は、上記スイッチの切り替わりに応じて導通状態と非導通状態とが切り替わるように構成された遮断トランジスタ(6)を有しており、該遮断トランジスタの状態の切り替わりによって上記パワー半導体素子への上記駆動信号の供給を停止するように構成されていることを特徴とする電力変換装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の電力変換装置において、上記駆動回路と上記パワー半導体素子との間に上記駆動信号を増幅する信号増幅回路(3)を備えていることを特徴とする電力変換装置。
  6. 請求項4または5に記載の電力変換装置において、上記スイッチと上記遮断トランジスタとの間にチャタリング防止用フィルタ(7)が接続されていることを特徴とする電力変換装置。
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