JP2013213158A - ポリマーフィルムの鹸化方法及び複合機能フィルムの製造方法 - Google Patents

ポリマーフィルムの鹸化方法及び複合機能フィルムの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】片面鹸化する際のカールに起因する鹸化不良や裏回りの問題を防止することができる。
【解決手段】連続搬送されるポリマーフィルム14の上面と下面のうち、下面のみをアルカリ溶液Lで鹸化する片面鹸化工程16と、鹸化された下面に洗浄水を吹き付けてアルカリ溶液Lを洗い落とす水洗工程22と、洗浄された下面を乾燥する乾燥工程28と、を少なくとも備えたポリマーフィルムの鹸化方法において、ポリマーフィルム14の搬送方向における水洗工程22の上流側に、ポリマーフィルム14が水洗工程22に搬送されるまでに該ポリマーフィルム14の幅方向両端部14A,14Aに形成されたカールのカール方向及びカール量が、水洗工程22の際に所定のカール方向及び所定のカール量範囲内になるように調整するカール調整工程24を設けた。
【選択図】図1

Description

本発明は、ポリマーフィルムの鹸化方法及び複合機能フィルムの製造方法に係り、特にポリマーフィルムの幅方向両端部に発生するカールによる鹸化不良を解消する技術に関する。
近年、平面型画像表示装置(FPD)として液晶表示装置が様々な分野で採用されている。液晶表示装置は、液晶セルと偏光板及び光学補償シート(位相差板)等の光学的機能を有するシート材料(光学フィルム)で構成されている。
偏光板は、一般に偏光膜とその両側に設けられた2枚の透明保護膜から構成される。偏光膜は、一般に、ポリビニルアルコールに沃素または二色性染料の水溶液を含浸させて、これを一軸延伸することで得られる。光学補償シートは、画像着色を解消し、視野角を拡大することで液晶表示装置の表示品位を向上する機能を有するため、種々の液晶表示装置で採用されている。
光学補償シートとしては、従来から使用されていた延伸複屈折フィルムに代わり、透明支持体上に液晶性分子(特に、ディスコティック液晶性分子)から形成された光学異方層を有する光学補償シートを使用することが提案されている。この光学異方層は、液晶性分子を配向させ、その配向状態を固定することで形成する。液晶性分子、特にディスコティック液晶性分子を用いることで液晶セルの種々の表示モードに対応する様々な光学特性を有する光学補償シートを作ることができる。
上記した偏光板、光学補償シートの透明支持体としては、優れた光透過性、光学的な無配向性、優れた物理的、機械的特性、温湿度変化の少ない特性を有するポリマーフィルムが使用されており、特にセルロースアセテートフィルムに代表されるセルロースエステルフィルムが採用されている。
そして、透明支持体であるポリマーフィルムに偏光膜や光学異方層を接着層や配向膜(通常ポリビニルアルコール)を介して設けるが、これら接着層や配向膜との密着性を持たせるための手段の一つとして、ポリマーフィルムをアルカリ溶液に浸漬処理してポリマーフィルム面を親水化する方法が提案されている(例えば、特許文献1)。
また、ポリマーフィルムにアルカリ溶液を塗布することにより該フィルムの片側面を選択的に鹸化処理する方法も提案されている(例えば、特許文献2)。
さらに、全面均一に鹸化処理することで、生産性、表示欠陥のない光学補償シートを製造する方法も提案されている(特許文献3)。
特開平7−151914号公報 特開2002−82226号公報 特開2003−313326号公報
しかしながら、ポリマーフィルムの下面に片面鹸化した場合には、ポリマーフィルムは鹸化した下面が膨潤することによって、フィルム幅方向端部が鹸化した面とは反対側の上面方向にカールするという問題がある。
これにより、その後のアルカリ溶液を洗い流す水洗工程において充分な洗浄ができずに鹸化不良が発生するという問題がある。鹸化不良が生じた部分は塗布工程において塗布不良や塗布故障が発生し易くなる。この場合、カールしたポリマーフィルムの幅方向両端部は塗布に使用しないことで対応は可能であるが、大きな製品ロスが発生すると共に、大サイズ製品が製造しにくくなるという問題がある。
ちなみに、特許文献1のように、ポリマーフィルムをアルカリ溶液に浸漬処理させて両面鹸化する場合には、このようなカールの問題は生じない。
ところで、ポリマーフィルムの一方面に第1機能層を有し、他方面に第2機能層を有する複合機能フィルムの製造において、ポリマーフィルムの一方面に紫外線硬化剤を含む第1機能層(例えばハードコート層)を形成する場合、第1機能層の面を紫外線照射して硬化反応を行う。この硬化反応により第1機能層が収縮するので第1機能層と同じ面側にカールが発生する場合がある。第1機能層がカールするか否か、どちらの方向にカールするか、及びカールする場合のカール量は、第1機能層の塗布液組成、紫外線硬化剤の含有量、紫外線照射条件等により異なる。
そして、この第1機能層によるカールが発生した場合には、他方面の片面鹸化工程の際に鹸化不良が生じたり、その後の水洗工程の際にアルカリ溶液を含んだ洗浄水が裏回りしたりするという問題がある。裏回りした部分に汚れが生じ、この汚れが最終的に製造された複合機能フィルムの品質不良の原因になる。
したがって、片面鹸化する際のカールに起因する水洗不良や裏回りの問題を防止することが重要になる。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、片面鹸化する際のカールに起因する鹸化不良や裏回りの問題を防止することができるポリマーフィルムの鹸化方法を提供すると共に、該鹸化方法を採用することによって、製品ロスを減少し且つ大サイズ製品の製造を可能とする複合材料フィルムの製造方法を提供することを目的とする。
本発明のポリマーフィルムの鹸化方法は前記目的を達成するために、連続搬送されるポリマーフィルムの上面と下面のうち、下面のみをアルカリ溶液で鹸化する片面鹸化工程と、前記鹸化された下面に洗浄水を吹き付けて前記アルカリ溶液を洗い落とす水洗工程と、前記洗浄された下面を乾燥する乾燥工程と、を少なくとも備えたポリマーフィルムの鹸化方法において、前記ポリマーフィルムの搬送方向における前記水洗工程の上流側に、前記ポリマーフィルムが前記水洗工程に搬送されるまでに該ポリマーフィルムの幅方向両端部に形成されたカールのカール方向及びカール量が、前記水洗工程の際に所定のカール方向及び所定のカール量範囲内になるように調整するカール調整工程を設けたことを特徴とする。
本発明によれば、水洗工程において、鹸化された下面に洗浄水を吹き付けてアルカリ溶液を洗い落とす際に、ポリマーフィルムの幅方向両端部のカール方向とカール量とが所定方向及び所定量になるようにカール調整するためのカール調整工程を設けた。
これにより、片面鹸化によるカールの問題を解消してアルカリ溶液の充分な水洗を行って鹸化不良を防止できると共に、アルカリ溶液を含んだ洗浄水が裏回りする問題も解決できる。
ここで、水洗工程の上流側とは、片面鹸化工程と水洗工程との間のみを指すのではなく、片面鹸化工程の前段の工程でポリマーフィルムにカールが生じている場合には片面鹸化工程の前にカール調整工程を設けてもよい。
本発明の鹸化方法においては、前記所定のカール方向は0〜前記ポリマーフィルムの上面側へのカールであると共に、前記所定のカール量は0mm〜20mmの範囲内であることが好ましい。
ここで、カール方向が0とは、ポリマーフィルムの幅方向端部にカールが無く平坦であることを意味する。
このように、水洗工程を行う際のカール方向及びカール量を0mm〜20mmに規定することによって、鹸化してアルカリ溶液が付着しているポリマーフィルムの下面に洗浄水を吹き付けても、アルカリ溶液を含んだ洗浄水が上面側に裏回りすることを防止できる。また、カール量がプラス方向に20mmを越えなければポリマーフィルムの幅方向両端部についても充分な水洗を行うことができる。
本発明の鹸化方法においては、前記水洗工程では、複数のローラを前記ポリマーフィルムの上面側に接触させてローラ搬送することが好ましい。これにより、水洗時のカール方向及びカール量を、確実に0mm〜20mmの範囲に調整できる。
この場合、ローラは0mm〜20mmの範囲内のカール量に相当する表面形状を有するクラウンローラであることが更に好ましい。
0mm〜20mmの範囲内のカール量に相当する表面形状の複数のクラウンローラを、ポリマーフィルムの上面側に接触させて搬送するようにしたので、水洗時のカール方向及びカール量を0mmを超えて20mm以下にすることができ、裏回りの防止を一層確実に行うことができる。
本発明の複合機能フィルムの製造方法は前記目的を達成するために、ポリマーフィルムの一方面に第1機能層を形成した後、片面鹸化により前記ポリマーフィルムの他方面を親水化してから該他方面に第2機能層を形成する複合機能フィルムの製造方法であって、前記他方面の親水化として、請求項1〜4の何れか1に記載のポリマーフィルムの鹸化方法を使用することを特徴とする。
このように、ポリマーフィルムの一方面に第1機能層の形成し、他方面の片面鹸化の後に第2機能層を形成する順番で複合機能フィルムを製造する場合であっても、第2機能層の塗布前のポリマーフィルムの親水化として、請求項1〜4の何れか1に記載のポリマーフィルムの鹸化方法を使用するようにしたので、鹸化不良や裏回りの問題がなくなる。これにより、高品質な複合機能フィルムを製造できると共に、製品ロスを減少し且つ大サイズ製品の製造が可能となる。
本発明のポリマーフィルムの鹸化方法によれば、片面鹸化する際のカールに起因する鹸化不良や裏回りの問題を防止することができる。
また、複合機能フィルムの製造方法によれば、塗布前の親水化として本発明のポリマーフィルムの鹸化方法を用いるようにしたので、高品質な複合機能フィルムを製造できると共に、製品ロスを減少し且つ大サイズ製品の製造が可能となる。
複合機能フィルムの製造方法における第1機能層及び第2機能層の形成ラインの一例を示す全体図 ポリマーフィルムの幅方向両端部のプラス方向のカールを示す図 カールの測定方法を説明する概念図 第1機能層がプラス方向のカールを有する場合のカール調整の説明図 カールのカール方向及びカール量と水洗状態との関係を示す表図 マイナス方向カールとプラス方向カールとの水洗状態の説明図 第2機能層の形成ラインにおけるカール調整工程の配置位置の別態様図 第1機能層がマイナス方向のカールを有する場合のカール調整の説明図 水洗工程をクラウンローラでローラ搬送する図
以下、添付図面を参照しながら、本発明のポリマーフィルムの鹸化方法及びその鹸化方法を用いた複合機能フィルムの製造方法の実施の形態を詳細に説明する。
ここで、図中、同一の記号で示される部分は、同様の機能を有する同様の要素である。また、本明細書中で、数値範囲を“ 〜 ”を用いて表す場合は、“ 〜 ”で示される上限、下限の数値も数値範囲に含むものとする。
図1は、本発明の実施の形態のポリマーフィルムの鹸化方法を組み込んだ複合機能フィルムの製造ラインであり、ポリマーフィルムの一方面に第1機能層が形成され、他方面に第2機能層が形成される。なお、連続搬送されるポリマーフィルムの一方面に第1機能層を形成してロール状に一旦巻き取ってから、巻き戻してポリマーフィルムの他方面に第2機能層を形成する場合で説明する。
[第1の実施の形態]
第1の実施の形態は、ポリマーフィルム14の一方面に紫外線硬化剤を含む第1機能層(例えばハードコート層)を形成する場合であり、第1機能層形成の際の収縮によってポリマーフィルムの幅方向両端部にプラス方向のカールが発生する場合で説明する。
以後、横方向に連続搬送されるポリマーフィルム14の上面側へのカールをプラス方向のカールと称し、下面側へのカールをマイナス方向のカールと称することにする。換言すると、横方向に連続搬送されるポリマーフィルム14の下面に片面鹸化処理するので、片面鹸化処理する面に対して反対側へのカールをプラス方向のカールと称し、鹸化処理面と同じ方向へのカールをマイナス方向のカールと称する。
[第1機能層形成]
(第1の片面鹸化工程)
図1(A)の第1機能層を形成する形成ライン10に示すように、送出機12から送り出された透明なポリマーフィルム14は、図1に示すように、除塵機30に送られてゴミ等の異物が除去される。
透明なポリマーフィルム14としては、特に限定は無いが、セルロースアシレートフィルム(例えば、セルローストリアセテートフィルム)、セルロースジアセテートフィルム、セルロースアセテートブチレートフィルム、セルロースアセテートプロピオネートフィルム)、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエーテルスルホンフィルム、ポリアクリル系樹脂フィルム、ポリウレタン系樹脂フィルム、ポリエステルフィルム、ポリカーボネートフィルム等を使用できる。これらの中では特にセルロースアシレートフィルムが最も好ましい。
次に、ポリマーフィルム14は塗布装置32に送られて第1機能層用の塗布液が塗布される。図1では塗布装置32としてグラビア塗布装置を使用したものである。グラビア塗布装置は、グラビアローラ32Aの下方に、液受けパン32Bが設けられており、この液受けパン32Bには塗布液が満たされている。そして、グラビアローラ32Aの約下半分は塗布液に浸漬されている。また、ポリマーフィルム14を挟んだグラビアローラ32Aの反対側にはバックアップローラ32Cが設けられる。この構成により、グラビアローラ表面のセルに塗布液が供給されることとなる。グラビア塗布装置は、クリーンルーム等の清浄な雰囲気に設置するとよい。その際、清浄度はクラス1000以下が好ましく、クラス100以下がより好ましく、クラス10以下が更に好ましい。
なお、塗布装置32として、グラビア塗布装置の例で示したが、これに限定されない。例えば、ディップコート法、エアーナイフコート法、カーテンコート法、ローラーコート法、ワイヤーバーコート法、マイクログラビア法やエクストルージョンコート法等の方法を適宜使用することができる。
次に、第1機能層A(図2参照)が塗布形成されたポリマーフィルム14は、乾燥装置34により乾燥される。この場合、ポリマーフィルム14が塗布装置32を通過してから3秒以内、又は、ポリマーフィルム14が塗布装置32を通過してから塗布液の塗布時に含有される有機溶媒に対する該有機溶媒の含有率が50%未満(より好ましくは70%未満)となるまでの何れか短い時間以内に乾燥装置34内に導入することが好ましい。
そして、乾燥装置34では、第1機能層A中の有機溶媒成分の濃度が塗布時の有機溶媒成分の濃度の50%以下(半分以下)に減少するまで、あるいは塗布膜の粘度が10mPa・s以上になるまでのうちの何れか早い方まで乾燥することが好ましい。
乾燥装置34で乾燥されたポリマーフィルム14は、後段乾燥ゾーン36、加熱ゾーン38を通過した後、紫外線ランプ80により第1機能層Aを硬化する硬化反応が行われる。これにより、ポリマーフィルム14に一方面に第1機能層Aが形成され、巻取機40に巻き取られる。なお、符号44は、ポリマーフィルム14の搬送ラインを形成する搬送ローラである。
このように形成された第1機能層Aを有するポリマーフィルム14は、紫外線ランプ80での硬化反応により第1機能層Aが収縮する。その結果、図2に示すように、ポリマーフィルム14の幅方向両端部14A,14Aが、第1機能層Aと同じ側、即ちプラス方向にカールする。
なお、本実施の形態では、第1機能層Aを形成する塗布工程前において、ポリマーフィルム14の一方面を予め片面鹸化処理して親水化する工程を設けない場合で説明したが、片面鹸化処理の工程を設けてもよい。
[第2機能層の形成]
次に、図1(B)及び図4にしたがって、第1機能層Aが形成された側とは反対側のポリマーフィルム14の他方面に第2機能層を形成する方法を説明する。
送出機12から送り出された透明なポリマーフィルム14は、先ずカール調整工程24に送られて第1機能層Aによるカールの矯正を行う。
(カール調整工程)
カール調整工程24では、後段の水洗工程22において、連続搬送されるポリマーフィルム14の鹸化面である下面を洗浄水で水洗する際に、カールのカール方向及びカール量が、水洗工程の際に所定のカール方向及び所定のカール量範囲内になるように調整する。所定のカール方向は0〜ポリマーフィルム14の上面側であるプラス方向のカールであると共に、所定のカール量は0mm〜20mmの範囲内であることが好ましい。ここで、カール方向が0とは、カールが無いことを意味する。
即ち、水洗工程22の前にポリマーフィルム14の幅方向両端部14A,14Aに形成されたカールが、水洗工程22の際に、0〜プラス側へのカール方向で且つ0mm〜20mmの範囲内のカール量になっているように調整する。水洗工程22でのカール方向及びカール量は以下のように測定することができる。
図3は、水洗工程22におけるポリマーフィルム14の搬送テンション条件下において、ポリマーフィルム14の幅方向両端部14A,14Aのカール量を測定する方法を示した概念図である。なお、図3では、第1機能層Aの形成によってポリマーフィルム14にプラス方向のカールが発生した場合であり、ポリマーフィルム14の幅方向両端部14A,14Aが測定基盤26から離れる方向にカールする場合である。
図3に示すように、測定フィルムとして、所定長さに切断したポリマーフィルム14を作成し、表面が鏡面加工された測定基盤26上にポリマーフィルム14を載置する。そして、ポリマーフィルム14の長手方向(搬送方向)の一方端を図示しない固定装置で固定し、他方端にフィルム幅方向で均一になるように引張力Fを付与する。この引張力Fは、水洗工程22での搬送テンション(例えば35N)に相当する。この状態でポリマーフィルム14の固定されていない部分における幅方向両端部のカール量を測定基盤26表面からの距離Hで測定する。これによって、ポリマーフィルム14に発生しているカール方向及びカール量を把握する。
そして、カールの調整を必要とする場合には、カール調整工程24においてカール調整を行う。
カール調整工程24においてポリマーフィルム14のカールを調整する方法としては、過熱蒸気方式(スーパスチーム方式)、溶剤塗布方式、アニール方式等を採用することができる。
〈過熱蒸気方式〉
この方式は、水や溶剤の沸点以上に過熱した過熱蒸気をポリマーフィルム14のカール方向とは逆方向からカール調整処理を行う方法であり、カール方向とは逆方向から過熱蒸気を吹き付けて過熱蒸気に曝す。即ち、第1機能層Aがプラス方向にカールしていれば、カールしたプラス方向である上面とは逆方向の面である下面に過熱蒸気を吹き付ける。過熱蒸気を吹き付ける面を以下「カール方向反対面」という。溶剤を使用する場合には、ポリマーフィルム14の素材に対して溶解性を有するかあるいは膨潤性を有する溶剤が効果的で好ましい。溶解性が強すぎると二次的な不都合を生じやすいため、溶解性の小さな溶剤や溶解はしないが膨潤しやすい溶剤を選定することが好ましい。ポリマーフィルム14としてセルロースアシレートフィルムを使用する場合は、水が最も好ましい。炭素数1から8のアルコール類、ケトン類、炭素数4以上のエステル類も好ましい。塩化メチレンやクロロホルムの如き炭素数2以下のハロゲン含有溶剤や炭素数3以下のエステル類は単独で使用してもよいが、水や他の溶剤と混合してセルロースアシレートに対する溶解性を低減することにより、より好ましい溶剤として使用できる。
過熱蒸気をポリマーフィルム14に吹き付ける装置としては、細いノズルの先端又は狭いスリットの隙間からポリマーフィルム14のカール方向反対面に向けて噴射する方式のものが好ましい。カール方向反対面における過熱蒸気濃度は2質量%以上100質量%以下が好ましく、10質量%以上90質量%以下がより好ましく、30質量%以上80質量%以下が更に好ましい。カール方向反対面が過熱蒸気Sに曝される時間は1〜600秒が好ましく、2〜120秒がより好ましく、4から40秒が更に好ましい。
〈溶剤塗布方式〉
この方式は、ポリマーフィルム14のカールした面に溶剤を塗布した後乾燥する方法である。使用する溶剤は、ポリマーフィルム14の素材に対して溶解性を有するかあるいは膨潤性を有する溶剤が効果的で好ましい。溶解性が強すぎると二次的な不都合を生じやすいため、溶解性の小さな溶剤や溶解はしないが膨潤しやすい溶剤を選定することが好ましい。セルロースアシレートフィルムの場合は、炭素数1から8のアルコール類、ケトン類、炭素数4から8のエステル類などが好ましい。塩化メチレンやクロロホルムの如き炭素数2以下のハロゲン含有溶剤や炭素数3以下のエステル類は単独で使用してもよいが、水や他の溶剤と混合してセルロースアシレートに対する溶解性を低減することにより、より好ましい溶剤として使用できる。また複数の溶剤を混合調整して使用することにより、より精密にカールを制御できる。溶剤の塗布量は1平方メートルあたり0.1gから100gが好ましく、0.5gから50gがより好ましく、2gから20gが更に好ましい。溶剤を塗布する方法は特に制限は無く、グラビアコータ、リバースコーターあるいはワイヤーバーコーターなどのよく知られた一般の方法で塗布できる。塗布後の乾燥条件の好ましい温度範囲は30℃〜100℃であり、より好ましくは40℃〜90℃であり、更に好ましくは50℃〜80℃である。好ましい乾燥時間は15秒〜10分であり、より好ましくは20秒〜7分であり、更に好ましくは30秒から3分である。最も好ましい乾燥条件としては45℃〜80℃の温度で30秒から3分である。
〈アニール方式〉
この方式は、ポリマーフィルム14のカールした面を外側にして回転軸にロール状に巻回して巻回ロールを形成し、この巻回ロールを温度調整室(図示せず)内でアニーリング処理(加熱処理)してカールを矯正する方法である。
図4は、第1機能層Aの形成によるプラス方向のカール及びカール量をどのように調整するかを示した説明図である。なお、図4において示したカールの図は、ポリマーフィルム14を幅方向に切断した断面図である。
(カール調整方法)
図4に示すように、第1機能層Aの形成によって形成されたプラス方向のカール量を例えば40mmとする。
カール調整工程24では、ポリマーフィルム14の第1機能層Aが形成された面とは反対側面であるカール方向反対面(図4の下面)に、ポリマーフィルム幅と略同等のスリット状の吹出口を有するノズル24Bから過熱蒸気Sを吹き付けて下面を過熱蒸気Sに曝す。これにより、ポリマーフィルム14の幅方向両端部14A,14Aを下面側方向、即ちマイナス方向にカールさせる作用が働く。この結果、第1機能層Aの形成によるプラス方向のカールとカール調整工程24によるマイナス方向のカールとで相殺し合う。この場合、完全に相殺し合うとポリマーフィルム14のカール量は0mmとなる。
しかし、次の片面鹸化工程16におけるポリマーフィルム14の下面へのアルカリ溶液の塗布により下面が膨潤するので、ポリマーフィルム14の幅方向両端部はプラス方向へカールする。したがって、片面鹸化工程16でのプラス方向へのカールを考慮して、カール調整工程24では、0〜マイナス方向のカール状態、例えば0mm〜−20mmのカール状態になるようにカール調整しておくことが好ましい。
この場合、カール調整工程24において、マイナス方向へのカール調整が強すぎても問題があるので、マイナス方向へのカールが強すぎた場合にプラス方向にカールを戻せるように、ポリマーフィルム14の上面側にも過熱蒸気を噴出するノズル24Aを設けておくことが好ましい。
(片面鹸化工程)
図1(B)及び図4に示すように、カール調整工程24を経たポリマーフィルム14は、片面鹸化工程16において、第2機能層が形成される下面(第1機能層の反対面)に、アルカリ溶液Lが塗布される。これにより、下面が鹸化されて親水化すると共に、アルカリ溶液Lが塗布された下面が膨潤してポリマーフィルム14をプラス方向へカールする。しかし、前段のカール調整工程24において、片面鹸化工程16でのプラス方向へのカールを予め考慮して、ポリマーフィルム14のカール状態を0mm〜−20mmのカール状態にしてある。したがって、片面鹸化工程16後のポリマーフィルム14のカール状態を図4に示すように0mm〜+20mmの範囲にすることができる。
片面鹸化する塗布装置20としては、特に限定されないが、アルカリ溶液Lの塗布量は、その後の水洗工程22における廃液発生量を考慮して極力抑制することが好ましい。具体的には、1〜100cc/mが好ましく、1〜50cc/mがより好ましい。したがって、少ない塗布量でも安定して精度良く塗布できるスロットダイコータ、ロッドコータ、グラビアコータ、ブレードコータを好適に使用できる。
鹸化反応に必要なアルカリ塗布量は、ポリマーフィルム14の単位面積当りの鹸化反応サイト数に第1機能層Aとの密着を発現させるために必要な鹸化深さを乗じた総鹸化サイト数(=理論アルカリ塗布量)が目安となる。鹸化反応の進行に伴ってアルカリ溶液中のアルカリ剤が消費され反応速度が低下するため、実際には上述の理論アルカリ塗布量の数倍を塗布することが好ましい。具体的には、理論アルカリ塗布量の2〜20倍であることが好ましく、2〜5倍であることが更に好ましい。
アルカリ溶液Lの温度は、反応温度(=ポリマーフィルム14の温度)に等しいことが望ましい。使用する有機溶媒の種類によっては、反応温度がアルカリ溶液Lの沸点を越える場合もある。安定にアルカリ溶液Lを塗布するためには、アルカリ溶液Lの沸点よりも低い温度であることが好ましく、沸点よりも5℃低い温度であることが更に好ましく、沸点よりも10℃低い温度であることが最も好ましい。
アルカリ溶液Lを塗布した後、鹸化反応が終了するまで、ポリマーフィルム14の温度を室温以上に保つことが好ましい。ポリマーフィルム14の温度は、アルカリ溶液塗布前に加熱した温度と同じでも異なっていてもよい。また、鹸化反応中に温度を連続的、又は段階的に変更してもよい。フィルム温度は、15〜150℃、好ましくは25〜100℃、更に好ましくは30〜80℃である。
アルカリ溶液Lを塗布して、洗い落とすまでに上記温度範囲に保持する時間は、ポリマーフィルム14の搬送速度にもよるが、1秒〜300秒間に保つことが好ましく、2〜100秒間に保つことがより好ましく、3〜50秒間に保つことが特に好ましい。
(水洗工程)
図1(B)及び図4に示すように、片面鹸化工程16を経たポリマーフィルム14は、片面鹸化工程16においてポリマーフィルムの下面に塗布されたアルカリ溶液Lを洗い落とす水洗工程22が行われる。
水洗工程22での洗浄装置22Aは、洗浄水を塗布する方法、洗浄水を吹き付ける方法で好適に採用できる。洗浄水をポリマーフィルム14の鹸化面である下面に吹き付ける方法は、一般的に、塗布ヘッド(例、ファウンテンコーター、フロッグマウスコーター)を用いる方法、あるいは、空気の加湿や塗装、タンクの自動洗浄に利用されるスプレーノズルを用いる方法を好適に採用できる。
また、洗浄装置22Aから吐出する洗浄水の吐出方法は、図4に示すように、ポリマーフィルム14の搬送方向上流側に角度θだけ傾斜させることが好ましい。傾斜角度θとしては、30〜90°、好ましくは50〜80°、特に好ましくは65〜70°にするとよい。
しかし、水洗工程22において、ポリマーフィルム14のカール方向及びカール量が所定のカール方向及びカール量になっていないと、上述の通り水洗不良に伴う鹸化不良や裏回りの問題が発生する。
図5は、ポリマーフィルム14の幅方向両端部14A,14Aに形成されるカールのカール方向及びカール量と、水洗工程22での水洗状態との関係を示す表図である。
図5の表の「水洗状態」において、×はアルカリ溶液Lを含む洗浄水が裏回りし裏回りした部分に汚れが発生する場合であり、×の数が多いほど裏回りが大きいことを意味する。△は水洗が不充分になり部分的に鹸化不良が発生する場合であり、△の数が多いほど鹸化不良の程度が大きいことを意味する。○は裏回りも鹸化不良も発生しない良好な水洗状態を示す。
図5の表から分かるように、カール方向がマイナスの場合には×の評価となった。またカール方向がプラスで且つカール量が30mmを超えると△の評価であった。そして、カール方向が0〜プラスで且つカール量が0〜20mmの範囲内は○の評価であった。
図6(A)はポリマーフィルム14の幅方向両端部14A,14Aがマイナス方向にカールしている場合である。また、図6(B)はポリマーフィルム14の幅方向両端部14A,14Aがプラス方向に0〜20mmの範囲内でカールしている場合である。
図6(A)の場合には、洗浄装置22Aからポリマーフィルム14の下面に吹き付けられた洗浄水は、矢印Xで示すように、ポリマーフィルム14の幅方向両端部14A,14A側に流れ両端部に溜まることによって上面側に裏回りする。
これに対して、図6(B)の場合には、ポリマーフィルム14の下面に吹き付けられた洗浄水は、矢印Yで示すように、ポリマーフィルム14の中央部側に流れるので、裏回りすることはない。また、プラス方向のカール量が20mm以内であれば、ポリマーフィルム14の幅方向両端部14A,14Aの洗浄にも特に支障がない。
このように、水洗工程22の前までに、カール方向を0〜プラス方向とし、カール量を0mm〜20mmの範囲内とすることによって、水洗工程22においてポリマーフィルム14の下面に付着しているアルカリ溶液Lを洗浄水で充分に洗い落とすことができる。また、アルカリ溶液Lを含む洗浄水がポリマーフィルム14の上面側に裏回りすることも防止できる。
なお、本発明は、水洗工程22の前でカール方向が0〜プラス方向で、カール量が0mm〜20mmの範囲内であればよい。したがって、図4では、カール調整工程24→片面鹸化工程16→水洗工程22の順番であったが、図7に示すように片面鹸化工程16→カール調整工程24→水洗工程22の順番で行うこともできる。
しかし、片面鹸化工程16→カール調整工程24→水洗工程22の場合、ポリマーフィルム14のカールが大き過ぎると片面鹸化工程16でのアルカリ溶液Lの塗布に支障がでる懸念がある。したがって、その場合には、片面鹸化工程16の前段に更に第1のカール調整工程を設けて、第1のカール調整工程→片面鹸化工程16→第2のカール調整工程24→水洗工程22とすることもできる。
(水洗工程後の工程)
図1(B)に示すように、水洗工程22においてアルカリ溶液Lが洗い落とされたポリマーフィルム14は、乾燥装置28において洗浄水の膜が形成されたポリマーフィルム14の下面を乾燥する。ここで使用する乾燥装置28は特に限定されないが、エアナイフからのジェットエアをポリマーフィルム14の下面に当てて水切りする方式を好適に使用することができる。
そして、片面鹸化処理後の乾燥が終了したポリマーフィルム14は、除塵機30、塗布装置32、乾燥装置34、後段乾燥ゾーン36、及び加熱ゾーン38を経由して第2機能層Bが形成され、巻取機40に巻き取られる。
これにより、一方面に第1機能層Aを有し、他方面に第2機能層を有する複合機能フィルムを製造することができる。
[第2の実施の形態]
第2の実施の形態は、第1機能層Aの形成によってマイナス方向に40mmのカールが発生しているポリマーフィルム14について第2機能層Bを形成するための片面鹸化を行う場合である。
図8は、片面鹸化工程16の前に過熱蒸気方式のカール調整工程24を設けて、第1機能層Aのマイナス方向のカール及びカール量をどのように調整するかを示した説明図である。
図8に示すように、カール調整工程24では、ポリマーフィルム14がカール方向であるマイナス方向とは逆方向の面、即ち第1機能層Aが形成されている上面に、ポリマーフィルム幅と略同等のスリット状の吹出口を有するノズル24Bから過熱蒸気Sを吹き付けて上面を過熱蒸気Sに曝す。これにより、ポリマーフィルム14の幅方向両端部14A,14Aを上面側方向、即ちプラス方向にカールする。この結果、第1機能層Aによるマイナス方向のカールとカール調整工程24によるプラス方向のカールとで相殺し合う。
この場合、第1の実施の形態と同様に、次の片面鹸化工程16においてポリマーフィルム14の下面を片面鹸化することによりプラス方向のカールが発生する。したがって、このことを考慮して、カール調整工程24でのプラス方向のカールを小さめにしておく。即ち、カール調整工程24と片面鹸化工程16とのプラス方向のカール量の合計が0〜20mmの範囲内に入るようにする。したがって、例えば片面鹸化工程16でのプラス方向のカール量が20mmであった場合には、カール調整工程24でのマイナス方向のカール量は0mm〜−20mmの範囲内に入るようにしておく。
これにより、水洗工程22において鹸化面である下面のアルカリ溶液Lを洗浄水で洗い流す際に、カール方向を0〜プラスとし、カール量を0mm〜20mmの範囲内とすることができる。したがって、図6で説明したと同様に、ポリマーフィルム14の下面に付着しているアルカリ溶液Lを充分に洗い落とすことができると共に、アルカリ溶液Lを含む洗浄水が上面側に裏回りすることを防止できる。
このように、本発明の実施の形態の複合機能フィルムの製造方法によれば、本発明の実施の形態のポリマーフィルムの鹸化方法を実施するようにしたので、水洗工程22において鹸化不良や裏回りを防止できる。これにより、ポリマーフィルム14の両面に第1機能層Aと第2機能層とを精度良く塗布することができると共に、塗布した第1機能層A及び第2機能層がポリマーフィルム14から剥離してしまうこともない。また、複合機能フィルムを製造する際の製品ロスを減少し且つ大サイズ製品の製造を可能とする。
なお、第1の実施の形態及び第2の実施の形態では、第1機能層Aを形成した後、ポリマーフィルム14を一旦巻き取るようにしたが、巻き取らないで第2機能層Bの形成を連続して行うこともできる。
また、上記した第1の実施の形態及び第2の実施の形態において、第1機能層Aの形成及び第2機能層の形成における水洗工程22においてはポリマーフィルム14の上面をローラを接触させてローラ搬送することが好ましい。これにより、カール調整工程24と相俟って水洗時のカール方向及びカール量を、確実に0mm〜20mmの範囲に調整できる。
この場合、図9に示すように、水洗工程22でポリマーフィルム14を搬送する搬送ローラの形状を次のように形成するとよい。即ち、搬送ローラを、水洗工程22での適切なポリマーフィルム14の幅方向両端部のカール量である0mm〜20mmの範囲内に倣った表面形状(断面湾曲形状)に形成されたクラウンローラ52にすると一層よい。これにより、ポリマーフィルム14の幅方向両端部14A,14Aをプラス方向に少しだけカールさせた状態で水洗を行うので、裏回りを確実に防止できる。
10…第1機能層の形成ライン、12…送出機、14…ポリマーフィルム、16…片面鹸化工程、18…ローラ、20…アルカリ溶液の塗布装置、22…水洗工程、22A…洗浄装置、24…カール調整工程、24A…ノズル、26…測定基盤、28…乾燥装置、30…除塵機、32…第1機能層の塗布装置、34…乾燥装置、36…後段乾燥ゾーン、38…加熱ゾーン、40…巻取機、44…パスローラ、50…第2機能層の形成ライン、52…クラウンローラ、A…第1機能層

Claims (5)

  1. 連続搬送されるポリマーフィルムの上面と下面のうち、下面のみをアルカリ溶液で鹸化する片面鹸化工程と、
    前記鹸化された下面に洗浄水を吹き付けて前記アルカリ溶液を洗い落とす水洗工程と、
    前記洗浄された下面を乾燥する乾燥工程と、を少なくとも備えたポリマーフィルムの鹸化方法において、
    前記ポリマーフィルムの搬送方向における前記水洗工程の上流側に、前記ポリマーフィルムが前記水洗工程に搬送されるまでに該ポリマーフィルムの幅方向両端部に形成されたカールのカール方向及びカール量が、前記水洗工程の際に所定のカール方向及び所定のカール量範囲内になるように調整するカール調整工程を設けたことを特徴とするポリマーフィルムの鹸化方法。
  2. 前記所定のカール方向は0〜前記ポリマーフィルムの上面側へのカールであると共に、前記所定のカール量は0mm〜20mmの範囲内である請求項1のポリマーフィルムの鹸化方法。
  3. 前記水洗工程では、複数のローラを前記ポリマーフィルムの上面側に接触させてローラ搬送する請求項1又は2に記載のポリマーフィルムの鹸化方法。
  4. 前記ローラは前記0mm〜20mmの範囲内のカール量に相当する表面形状を有するクラウンローラである請求項3のポリマーフィルムの鹸化方法。
  5. ポリマーフィルムの一方面に第1機能層を形成した後、片面鹸化により前記ポリマーフィルムの他方面を親水化してから該他方面に第2機能層を形成する複合機能フィルムの製造方法であって、
    前記他方面の親水化として、請求項1〜4の何れか1に記載のポリマーフィルムの鹸化方法を使用することを特徴とする複合機能フィルムの製造方法。
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