JP2013212942A - ガラス板の製造方法およびガラス板製造装置 - Google Patents

ガラス板の製造方法およびガラス板製造装置 Download PDF

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Abstract

【課題】ガラス板を連続的に製造する際に、ガラス板に残存する泡数を長期間に亘って効率よく低減することができるガラス板の製造方法およびガラス板製造装置を提供すること。
【解決手段】ガラス板の製造方法は、熔解工程では、清澄剤としてSnO2が添加されたガラス原料が用いられて熔解され、清澄工程は、基準となる温度測定手段の測定結果に基づいて、清澄槽外表面に固定された温度測定手段の測定変移を補正して清澄工程における温度管理を行い、熔融ガラスの温度を1620℃以上に昇温させることにより熔融ガラス中に泡を生成させて脱泡を行う脱泡処理工程と、脱泡処理工程の後、熔融ガラスを降温させることにより、熔融ガラス中の泡を熔融ガラスに吸収させる吸収処理工程と、を含む。
【選択図】図5

Description

本発明は、ガラス板の製造方法およびガラス板製造装置に関する。
液晶ディスプレイやプラズマディスプレイなどのフラットパネルディスプレイ(以下、「FPD」という。)に用いるガラス板には、厚さが例えば0.5〜0.7mmと薄いガラス板が用いられている。このFPD用ガラス板は、例えば第1世代では300・400mmのサイズであるが、第10世代では2850・3050mmのサイズになっている。
このような第8世代以降の大きなサイズのFPD用ガラス板を製造するには、オーバーフローダウンドロー法が最もよく使用される。オーバーフローダウンドロー法は、成形炉において熔融ガラスを成形体の上部から溢れさせることにより成形体の下方において板状ガラスを成形する工程と、板状ガラスを徐冷炉において徐冷する工程とを含む。徐冷炉は、対になったローラ間に板状ガラスを引き込むことにより所望の厚さに引き伸ばした後、板状ガラスの内部歪や熱収縮を低減するように、板状ガラスを徐冷する。この後、板状ガラスは、所定の寸法に切断されてガラス板とされて他のガラス板上に積層されて保管される。あるいはガラス板は次工程に搬送される。
このような成形により製造されたガラス板は、半導体素子をガラス表面に形成する液晶ディスプレイのガラス板に用いられるが、このガラス表面に形成する半導体素子の特性が、ガラス板のガラス組成によって劣化しないように、アルカリ金属の成分を全く含有しないか、含有しても含有量が少ないガラス板が好適に用いられる。
ところで、ガラス板中に泡が存在すると表示欠点の原因となるため、大きな泡が存在するガラス板は、フラットパネルディスプレイ用ガラス板として用いることはできない。このため、泡がガラス板に残存しないことが求められている。特に、液晶ディスプレイ用ガラス板や有機ELディスプレイ用ガラス板では、ガラス板の泡数に対する要求が厳しい。このため、ガラス原料を熔解した後の成形前に熔融ガラスの温度を上昇させて熔融ガラス中に残存する泡を脱泡する清澄工程を設けるとともに清澄工程での脱泡を促進させるために、ガラス原料中に清澄剤(たとえばAs23など)を添加している。
しかしながら、清澄剤として用いられていたAs23は、毒性や環境負荷の低減の観点から使用が制限されつつある。そこで近年は、As23に比べて清澄機能が劣るが環境負荷が少ないSnO2やFe23が清澄剤として用いられている。このため、最終製品としてのガラス板に泡が残存し易くなっている。
このような状況下で、例えば、清澄槽における熔融ガラスに直接的に接触していない頂部壁部分と熔融ガラスに直接的に接触する側部壁部分との温度差を低減(例えば10℃以下に制御)させることにより熔融ガラスの高温維持によって粘性を低下させて脱泡効果を改善する方法も提案されている(特許文献1)。すなわち、清澄槽の側部壁部分の温度は概略熔融ガラスの温度と等しく、その一方で、清澄槽の頂部壁部分の温度は熔融ガラスの温度よりも上昇する。清澄槽の温度が上昇すると、清澄槽を構成する材料としての白金または白金合金の酸化や揮発が促進され、最終的には白金または白金合金製の清澄装置の破壊が懸念される。そこで、清澄槽を構成する壁材の断熱性能を高めて清澄槽の頂部壁部分と側部壁部分(熔融ガラス)の温度差の低減を図ることにより、熔融ガラスの高温維持を実現させている。
特表2011−502934号公報
ここで、清澄剤としてのSnO2を用いたディスプレイ用ガラス板の製造工程にあって脱泡効率だけを考慮すれば清澄槽内での熔融ガラスの温度は高いことが望ましい。しかしながら、清澄工程での熔融ガラスの温度を高温にすればするほど、清澄槽の毀損が懸念される。
ここで、上記特許文献1に記載の技術をディスプレイ用ガラス板の製造工程に適用しても、短期間の運転では支障はないものの、長期間に亘る操業運転では、清澄槽を構成する素材(白金または白金合金)の揮発促進による破損または熔損の恐れがあるという問題が発生した。
ディスプレイ用ガラス板の製造工程にあっては、清澄工程での熔融ガラスの温度は、例えば、1600℃以上の高温維持が望まれる。このような高温維持が必要な清澄装置の温度管理では、高温に耐える白金または白金合金製の熱電対が清澄装置に溶接などにより固定されている。
しかしながら、清澄槽に固定されている熱電対は、絶えず高温に曝されることになり、1年を超えた長期間(例えば2年以上)に亘るガラス板の連続操業に際して、熱電対も過熱され、白金または白金合金が徐々に揮発され、熱電対の劣化が進行する。このように熱電対の劣化が進行すると、熱電対が示す温度は実際の測定温度より低下する。そこで、熱電対の劣化に気づかずに長期間にわたって操業を継続すると、清澄槽の温度が必要以上に上昇してしまう。これにより、清澄槽の高温部は運転期間に応じて加速度的に想定温度を超えて高温となってしまい、結果として、清澄装置の熔損または破損が生じてしまうという問題が発生する。この点、上記特許文献1には、温度測定手段としての熱電対の経時劣化については言及されていない。
そこで、本発明は、ガラス板を連続的に製造する際に、白金または白金合金製装置の破損を抑制しつつ、ガラス板に残存する泡数を長期間に亘って効率よく低減することができるガラス板の製造方法およびガラス板製造装置を提供することを目的とする。
本発明者らは、脱泡処理の効率向上の観点から清澄工程における温度を理想的に管理するとともに、清澄槽に固定されている(常設の)温度測定手段とは別個の温度測定手段による測定結果に基づいて、清澄槽に固定されている温度測定手段の測定変移を定期的に補正しつつ清澄工程の運転を行えば、脱泡処理の効率向上の観点から最適に設計される清澄工程における温度制御が正確に行えることにより、上述の課題は解決できるのではないかと考えた。
すなわち本発明(請求項1に係る発明)は、ガラス原料を熔解して熔融ガラスをつくる熔解工程と、白金または白金合金製の清澄槽内で前記熔融ガラス中に含まれる気泡成分を除去する清澄工程と、前記清澄工程後の前記熔融ガラスを板状ガラスに成形する成形工程と、を含むガラス板の製造方法であって、
前記熔解工程では、清澄剤として少なくともSnO2が添加されたガラス原料が用いられて熔解され、
前記清澄工程は、
基準温度測定手段の測定結果に基づいて、前記清澄槽外表面に固定された白金または白金合金製の温度測定手段の測定変移を補正し、前記清澄工程における温度管理を行い、前記熔融ガラスの温度を1620℃以上に昇温させることにより前記熔融ガラス中に泡を生成させて脱泡を行う脱泡処理工程と、前記脱泡処理の後、前記熔融ガラスを降温させることにより、前記熔融ガラス中の泡を前記熔融ガラスに吸収させる吸収処理工程とを含むことを特徴とするガラス板の製造方法である。
また、本発明は、前記清澄工程では、前記温度測定手段の熱起電力の変化量を補正する、請求項1記載のガラス板の製造方法である。
また、本発明は、前記清澄工程では、2℃/分以上の昇温速度で熔融ガラスの温度を1620℃以上に昇温させる、請求項1または2に記載のガラス体の製造方法である。
また、本発明は、前記ガラス板は、LiO2、NaO2、及びKO2の合計含有量が、0〜2質量%であるガラス組成を有する、請求項1〜3の何れか1項に記載のガラス板の製造方法である。
また、本発明は、前記ガラス板は、102.5dPa・sに相当する熔融温度が1500〜1750℃の範囲内にあるガラス組成を有する、請求項1〜4の何れか1項に記載のガラス板の製造方法である。
また、本発明は、前記清澄工程では、ガラス供給管内において熔融ガラスの温度が1500℃〜1690℃の範囲内であって熔融ガラスの粘度が500〜2000dPa・sの範囲内になるまで加熱されつつ清澄槽へ送り込まれるとともに、該清澄槽内においてはさらに熔融ガラスの温度が1620℃〜1750℃の範囲内であって熔融ガラスの粘度が200〜800dPa・sの範囲内になるまで加熱されつつ前記清澄槽内の上方に位置する雰囲気空間への脱泡が行われることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載のガラス板の製造方法である。
また、本発明は、前記ガラス供給管内の熔融ガラスにおいてかかる圧力は、前記清澄槽内の熔融ガラスにかかる圧力よりも高いことを特徴とする請求項6に記載のガラス板の製造方法である。
また、本発明は、前記圧力の調整は、前記ガラス供給管の熔融ガラスが流れる方向に垂直な断面積を、前記清澄槽本体の熔融ガラスが流れる方向に垂直な断面積に対比して小さく設計することにより行うことを特徴とする請求項7に記載のガラス板の製造方法である。
また、本発明は、前記清澄工程における前記熔融ガラスの昇温は、前記熔解工程が行われる熔解槽と前記清澄工程が行われる清澄槽本体との間を接続するガラス供給管に流す電流を制御することにより行われる、請求項1〜8の何れか1項に記載のガラス板の製造方法である。
また、本発明は、前記吸収処理工程では、前記熔融ガラスを1600℃から1500℃の範囲で2℃/分以上の降温温度で降温させる、請求項1〜9の何れか1項に記載のガラス板の製造方法である。
また、本発明は、前記ガラス板は、
(a) SiO2:50〜70質量%、
(b) B23:5〜18質量%、
(c) Al23:10〜25質量%、
(d) MgO:0〜10質量%、
(e) CaO:0〜20質量%、
(f) SrO:0〜20質量%、
(g) BaO:0〜10質量%、
(h) RO:5〜20質量%(ただしRはMg、Ca、SrおよびBaから選ばれる少なくとも1種であり、ROは、MgO、CaO、SrOおよびBaOのうち含有する成分の合計)、
(i) R'2O:0〜2.0質量%(ここでR'はLi、NaおよびKから選ばれる少なくとも1種であり、R'2OはLi2O、Na2O及びK2Oのうち含有する成分の合計)、
(j) SnO2:0.01〜1.5質量%、
(k) 酸化スズSnO2、酸化鉄Fe23および酸化セリウムCe23の合計含有量が0.05〜1.5質量%、
を含有する、請求項1〜10の何れか1項に記載のガラス板の製造方法である。
また、本発明は、前記ガラス板は、
(a) SiO2:52〜78質量%、
(b) B23:3〜15質量%、
(c) Al23:3〜25質量%、
ただし、質量比((a)+(c))/(b)≧7.5
(h)RO:3〜20質量%(ここでRはMg、Ca、SrおよびBaのアルカリ土類金属から選ばれる少なくとも1種であり、ROは、MgO、CaO、SrOおよびBaOのうち含有する成分の合計)、
(j)SnO2:0.01〜1.5質量%。
(h) RO:3〜20質量%(ただしRはMg、Ca、SrおよびBaから選ばれる少なくとも1種であり、ROは、MgO、CaO、SrOおよびBaOのうち含有する成分の合計)、
(j)SnO2:0.01〜1.5質量%。
歪点が670℃以上の請求項1〜10の何れか1項に記載のガラス板の製造方法である。
また、本発明は、前記清澄工程と前記成形工程との間に、熔融ガラスの成分を均質に攪拌する攪拌工程を含み、
前記熔解工程では、前記熔融ガラスの熔解開始時の温度に比べて高い温度で前記熔融ガラスが前記清澄工程に供給され、
前記清澄工程では、前記吸収処理後の温度に比べて低い温度で前記熔融ガラスが前記攪拌工程に供給され、
前記成形工程では、前記熔融ガラスの粘度轗(dPa・s)に関してlog轗=4.3〜5.7となる温度で前記熔融ガラスが供給されて、オーバーフローダウンドロー法により板状ガラスに成形される、請求項1〜12の何れか1項に記載のガラス板の製造方法である。
また、本発明は、熔融ガラス中に含まれる気泡成分の除去を行う白金または白金合金からなる清澄槽と、
前記清澄槽の外表面に固定された白金または白金合金製の温度測定手段と、を有し、
前記清澄槽の温度管理は、基準温度測定手段の測定結果に基づいて前記温度測定手段の測定変移を補正して行われることを特徴とする、ガラス板製造装置である。
また、本発明は、前記清澄槽は、前記清澄槽に直接通電することで加熱され、
前記清澄槽の温度管理は、前記基準温度測定手段の測定結果に基づいて前記温度測定手段の熱起電力の変化量を補正し、前記直接通電の電流量を制御する、請求項14に記載のガラス板製造装置である。
本発明に係るガラス板の製造方法によれば、ガラス板を連続的に製造する際に、白金または白金合金製装置の破損を抑制しつつ、ガラス板に残存する泡数を長期間に亘って効率よく低減することができる。
本実施形態のガラス板の製造方法の工程図である。 本実施形態のガラス板の製造方法のうち、熔解工程〜切断工程を行う装置例を模式的に示す図である。 本実施形態の清澄工程を行う装置構成例を主に示す図である。 本実施形態の成形工程及び切断工程を行う装置構成例を主に示す図である。 本実施形態の熔解工程から成形工程に至る温度履歴の一例を説明する図である。 本実施形態の脱泡処理が行われるときの熔融ガラスに含まれるO2の排出量と昇温速度の関係を示す図である。 ガラス板に残存する泡を再現したガラス中の孔内に含有されるSO2の含有量の測定結果を示す図である。 図5に示す熔融ガラスの温度履歴を模擬した実験炉でガラス板を作製したときの泡レベルと降温速度の関係を示す図である。 図2に示すガラス板を製造する装置を用いてガラス板を製造したときのガラス板内に存在する泡レベルと降温速度の関係を示す図である。 清澄槽に溶接により固定された熱電対により測定された実測温度の経時変化を説明する図である。
以下、本実施形態のガラス板の製造方法について説明する。
なお、以下に示す実施形態では、清澄槽内における熔融ガラスの温度を管理する目的で清澄槽の適宜箇所に溶接により固定された温度測定手段としての白金または白金合金製の熱電対に加えて、当該熱電対の測定変移を補正(または更正)する目的での基準温度検出手段が用いられる。
(ガラス板の製造方法の全体概要)
図1は、本実施形態のガラス板の製造方法の工程図である。
ガラス板の製造方法は、熔解工程(ST1)と、清澄工程(ST2)と、均質化工程(ST3)と、供給工程(ST4)と、成形工程(ST5)と、徐冷工程(ST6)と、切断工程(ST7)と、を主に有する。この他に、研削工程、研磨工程、洗浄工程、検査工程、梱包工程等を有する。
図2は、熔解工程(ST1)〜切断工程(ST7)を行う装置例を模式的に示す図である。当該装置は、図2に示すように、主に熔解装置200と、成形装置300と、切断装置400と、を有する。熔解装置200は、熔解槽201と、清澄槽202と、攪拌槽203と、ガラス供給管204,205,206と、を主に有する。なお、ガラス供給管204,205は、後述するように熔融ガラスMGを流す金属管であるとともに清澄機能を有するので、実質的に清澄槽でもある。これにより、ガラス供給管204を第1清澄槽204、清澄槽202を第2清澄槽202、ガラス供給管205を第3清澄槽205と呼称することもあるが本実施形態では、第2清澄槽202を清澄槽202または清澄槽本体202と呼称する。なお、熔解槽201以降、成形装置300までの各槽間を接続するガラス供給管(第1清澄槽)204,ガラス供給管(第3清澄槽)205,ガラス供給管206および清澄槽(第2清澄槽)202と攪拌槽203の本体部分(熔融ガラスと接触する部分)は、白金あるいは白金合金管により構成または被覆されている。ガラス供給管204およびガラス供給管205は円筒形状もしくは、樋形状を成している。
熔解工程(ST1)では、少なくともSnO2が清澄剤として添加されて熔解槽201内に供給されたガラス原料を、図示されない火焔および電極を用いた通電加熱により熔解することで熔融ガラスを得る。具体的には、図示されない原料投入装置を用いてガラス原料Mは熔融ガラスMGの液面に分散されて供給される。ガラス原料Mは、火炎で高温となった気相により加熱されて徐々に熔解し、熔融ガラスMG中に溶ける。熔融ガラスMGは、通電加熱により昇温される。
清澄工程(ST2)は、少なくともガラス供給管204、清澄槽202およびガラス供給管205のいずれかにおいて行われる。ガラス供給管204内および清澄槽202内での清澄工程では熔融ガラスMGが昇温されることにより、熔融ガラスMG中に含まれるO2、CO2あるいはSO2等のガス成分を含んだ泡が、清澄剤であるSnO2の還元反応により生じたO2を吸収して成長する。また、清澄槽202内では、成長した泡が熔融ガラスMGの液面に浮上して雰囲気中に放出される。また、清澄槽202およびガラス供給管205内での清澄工程では、熔融ガラスMGの温度の低下による泡中のガス成分の内圧が低下することと、SnO2の還元反応により得られたSnOが熔融ガラスMGの温度の低下によって酸化反応をすることにより、熔融ガラスMGに残存する泡中のO2等のガス成分が熔融ガラスMG中に再吸収されて、泡が消滅する。
この清澄槽202内で成長した泡が雰囲気中に放出するのを促進するためには、ガラス供給管204やガラス供給管205内の熔融ガラスMGにかかる圧力よりも清澄槽202内の熔融ガラスMGにかかる圧力を低減させることである。ガラス供給管204やガラス供給管205内の熔融ガラスMGにかかる圧力を清澄槽202内の熔融ガラスMGにかかる圧力よりも高めることにより、清澄槽内での熔融ガラス中で成長した気泡を清澄槽202の上方に位置して脱泡された気体を収容する空間中に効率的に排出させることができる。ガラス供給管204やガラス供給管205内の熔融ガラスMGにかかる圧力を清澄槽202内の熔融ガラスMGにかかる圧力よりも高めるための好適な設計の一例は、ガラス供給管204やガラス供給管205の熔融ガラスMGが流れる方向(長手方向)に垂直な断面積を清澄槽202に対比して小さく設計することである。
清澄剤による酸化反応及び還元反応は、熔融ガラスMGの温度を調整することにより行われる。熔融ガラスMGの温度の調整は、ガラス供給管204、清澄槽202、ガラス供給管205の温度を調整することにより、行われる。各清澄槽の温度の調整は、管そのものへ電気を流す直接通電加熱、或いは、ガラス供給管204、清澄槽202、ガラス供給管205の周りに配置したヒータなどを用いて各槽を加熱する間接加熱、さらに、空冷、水冷のクーラーによる間接冷却、ガラス供給管204、清澄槽202、ガラス供給管205のへのエアー吹きつけ、また水噴霧等のいずれかの加熱、冷却方法、或いは、これらの方法の組み合わせによって行われる。ガラス供給管204、清澄槽202およびガラス供給管205の温度調整を、少なくとも管そのものへ電気を流す直接通電加熱を採用するのがよい。これにより、熔融ガラスの温度制御を容易に、かつ精度よく行うことができ、清澄剤としてのSnO2による清澄効果を十分に引き出すことができる。
また、図2では、清澄工程を行う槽が、ガラス供給管204、清澄槽202、ガラス供給管205の3つの部分に分かれているが、さらに細分化されてもよい。
本実施形態の熔融ガラスMGの温度の調整では、上述した方法の一つである直接通電加熱が用いられる。具体的には、ガラス供給管204に設けられた図示されない金属製フランジと、清澄槽202に設けられた図示されない金属製フランジとの間で電流を流し(図3中の矢印)、さらに、清澄槽202に設けられた図示されない金属製フランジと、この金属フランジに対して熔融ガラスMGの下流側の清澄槽202に設けられた図示されない金属製フランジとの間に電流を流す(図3中の矢印)ことにより熔融ガラスMGの温度が調整される。本実施形態では、金属製フランジ間の1つ目の領域と、金属製フランジ間の2つ目の領域に、別々の一定の電流を流してガラス供給管204と清澄槽202を通電加熱することにより、熔融ガラスMGの温度を調整している。この通電加熱は本実施形態のような2つの領域の通電加熱による温度調整に限定されない。たとえば、他の実施形態では、通電加熱の領域は1つであってもよく、また、別の他の実施形態では、この通電過熱の領域は、3つ以上の領域にわかれていてもよい。
均質化工程(ST3)では、ガラス供給管205を通って供給された攪拌槽203内の熔融ガラスMGを、スターラ203a等の攪拌手段を用いて攪拌することにより、ガラス成分の均質化を行う。攪拌槽203は2つ以上設けられてもよい。
供給工程(ST4)では、ガラス供給管206を通して熔融ガラスMGが成形装置300に供給される。
成形装置300では、成形工程(ST5)及び徐冷工程(ST6)が行われる。
成形工程(ST5)では、熔融ガラスを板状ガラスGに成形し、板状ガラスGの流れを作る。本実施形態では、後述する成形体310を用いたオーバーフローダウンドロー法を用いる。徐冷工程(ST6)では、成形されて流れる板状ガラスGが、内部歪が生じないように冷却される。
切断工程(ST7)では、切断装置400において、成形装置300から供給された板状ガラスGを所定の長さに切断することで、ガラス板を得る。切断されたガラス板はさらに、所定のサイズに切断され、目標サイズのガラス板が作製される。この後、ガラスの端面の研削、研磨およびガラス板の洗浄が行われ、さらに、泡や脈理等の欠点の有無が検査された後、検査合格品のガラス板が最終製品として梱包される。
(清澄工程)
図3は、清澄工程を行う装置構成を主に示す図である。清澄工程は、脱泡工程と吸収工程とを含む。脱泡工程では、熔融ガラスMGを1620℃以上に昇温させて、清澄剤であるSnO2が酸素を放出させ、この酸素を熔融ガラスMGの既存の泡Bに取り込ませ、既存の泡Bの泡径を拡大させる。これにより、熔融ガラスMGの温度上昇に起因した泡B内のガス成分の内圧上昇による泡径の拡大と、熔融ガラスMGの温度上昇に起因した熔融ガラスMGの粘性の低下との相乗効果により、泡Bの浮上速度が高まり、脱泡が促進する。
吸収処理では、脱泡処理とは逆に熔融ガラスMGの温度を低下させることにより、熔融ガラスMG中の泡B内の酸素を再び熔融ガラスMGに吸収させることと、熔融ガラスMGの温度低下により泡B内のガス成分の内圧を低下させることとの相乗効果により、泡径を縮小させ、熔融ガラスMG中に縮径された泡Bを溶解させて消滅させる。
ここで、本発明にかかる脱泡工程では、2℃/分以上の昇温速度で熔融ガラスMGの温度を1620℃以上に昇温させることが好ましい。2℃/分以上の昇温速度とは、熔融ガラスMGの温度が、熔解工程後の熔融ガラスMGの温度(例えば1580℃であり、1560〜1620℃の範囲内)から清澄温度(例えば、1620〜1700℃の範囲内)に到達する範囲における、熔融ガラスMGの平均昇温速度が2℃/分以上であることをいう。
ガラス供給管204、清澄槽202及びガラス供給管205は、上述した温度履歴を、熔融ガラスMGに与えることにより、熔融ガラスMGの脱泡と、泡Bの吸収を行う装置である。このため、ガラス供給管204、清澄槽202及びガラス供給管205を目的の温度に加熱、冷却することができるような温度調節機能を有している。
ガラス供給管204、清澄槽202及びガラス供給管205それぞれの温度調整は、各清澄槽そのものを通電する直接通電加熱、或いは、各槽周りに配置した図示されないヒータによる清澄槽の間接加熱、さらに、空冷、水冷のクーラーによる間接冷却、各清澄槽へのエアー吹きつけ、水噴霧等のいずれか1つの方法を用いて、或いは、これらの方法の組み合わせを用いて行われる。
図3にしたがって、より詳しく清澄を説明する。
熔解槽201で熔解され、ガラス原料の分解反応により生成した泡Bを多く含んだ液状の熔解ガラスMGが、ガラス供給管204に導入される。
ガラス供給管204では、ガラス供給管204の本体である白金あるいは白金合金管の加熱により熔融ガラスMGは、好ましくは2℃/分以上の昇温速度で1620℃以上の温度に達するまで加熱され、そのときの熔融ガラスの粘度は500〜2000dPa・sとなることが好ましい。熔融ガラスMGが1620℃以上、さらに好ましくは、1630℃以上まで加熱され、これにより清澄剤の還元反応が促進されることにより、多量の酸素が熔融ガラスMGに放出される。熔融ガラスMG内の既存の泡Bは、熔融ガラスMGの温度上昇に起因した、泡B内のガス成分の圧力の上昇効果による泡径の拡大に、清澄剤の還元反応により放出された酸素が泡B内に拡散して入り込むことが重なって、この相乗効果により既存の泡Bの泡径が拡大する。
続いて、この熔融ガラスMGが清澄槽202に導入される。
清澄槽202は、ガラス供給管204と異なり、清澄槽202内部の上部開空間が気相の雰囲気空間であり、熔融ガラスMG中の泡Bが熔融ガラスMGの液面に浮上して熔融ガラスMGの外に放出できるようになっている。
清澄槽202では、清澄槽202の本体である白金あるいは白金合金管の加熱により熔融ガラスMGは引き続き1620℃以上(好ましくは、1620℃〜1750℃、より好ましくは1630℃〜1750℃、さらに好ましくは1640〜1750℃、一層好ましくは1650〜1730℃)の高温に維持され、熔融ガラスMG中の泡Bは、清澄槽202の上方に向かって浮上して、熔融ガラスMGの液表面で破泡することにより熔融ガラスMGは脱泡される。特に、熔融ガラスMGが1620℃以上まで加熱されると(例えば1630〜1700℃になると)、SnO2は、還元反応を加速的に起こす。このとき、例えば、液晶ディスプレイなどのフラットパネルディスプレイ用ガラス板を製造する場合、ガラスの粘度は、熔融ガラスMGの温度の上昇により、泡Bの浮上、脱泡に適した粘度(200〜800dPa・s)になっている。
ここで、清澄槽202の上方の上部開空間で破泡、放出されたガス成分は、図示されない、ガス放出口より、清澄槽202外に放出される。清澄槽202において、泡Bの浮上、脱泡によって浮上速度の速い径の大きな泡Bが除去された熔融ガラスMGは、ガラス供給管205に導入される。
本実施形態では、例えば、図3に示すように、清澄槽202からガラス供給管205においては本体を構成する白金あるいは白金合金管の長さ方向に延びる2つの異なる領域に別々に流す電流を制御することにより熔融ガラスMGの昇温が行われてもよい。また、清澄槽の本体を構成する白金あるいは白金合金管の長さ方向に延びる3つ以上の異なる領域に別々に流す電流を制御することにより熔融ガラスMGの昇温が行われてもよい。
このように、熔融ガラスMGの昇温が、清澄槽の異なる少なくとも2つの領域に別々に流す電流を制御することにより、行われることが、脱泡処理を効率よく行わせる点で好ましい。
ガラス供給管205では、ガラス供給管205の本体である白金あるいは白金合金管の冷却により(加熱の程度を抑制することにより)熔融ガラスMGは冷却される。この冷却により熔融ガラスMGの温度が下がるので、泡Bの浮上速度は低下していくが、残存した小さな泡B内のガス成分の圧力は下がり、泡径は徐々に小さくなる。さらに、熔融ガラスMGの温度が1600℃以下になると、脱泡処理においてSnO2の還元反応で得られたSnOの一部は酸素を吸収して、SnO2に戻ろうとする。このため、泡B内のガス成分である酸素は、熔融ガラスMG中に再吸収され、泡Bはますます小さくなり、熔融ガラスMG中に吸収されて最終的に消失する。この時、熔融ガラスMGは、1600℃から1500℃の温度範囲で平均2℃/分以上の速度で冷却されることが好ましい。
ここで、清澄槽202において上記所定の高温で脱泡処理を行った後に、熔融ガラスMGを1600℃から1500℃の温度範囲で平均2℃/分以上の速度で冷却させることにより、本発明において製造されるガラス板中の泡数をさらに低減させることができる。
なお、熔融ガラス中へのガス成分の溶解度はガラス組成により変化するが、アルカリ金属成分を含まない無アルカリガラスやガラス中のアルカリ金属成分が少ない微量アルカリ含有ガラスの場合には亜硫酸ガスの溶解度は低いので、亜硫酸ガスは熔融ガラス中に再吸収し難く、泡数の増大の原因となる。この傾向は、SnO2を清澄剤として使用した場合に顕著に出現する現象であり、また、清澄工程での高温での処理時間が増大するに従って増大する。これは、熔融ガラスの高温での保持時間が長くなると、熔融ガラス内への既存の泡内への亜硫酸ガスの拡散が促進し、泡内に取り込まれたが雰囲気中の排出できなかった泡中に残存する亜硫酸ガスが、熔融ガラスへの溶解度が低いので、降温過程でのSnOからにSnO2への還元反応に貢献することができず、結果として泡が熔融ガラス中に残存することになる。すなわち、清澄工程での高温条件下で亜硫酸ガスの熔解ガラス中の拡散速度が速まり泡内への亜硫酸ガスの進入が容易になる一方で、降温過程では、泡内に進入した亜硫酸ガスが熔融ガラス中に放出されずに泡が残存するためであると考えられる。
これにより、泡数を減少させるには、清澄工程での時間を短縮することが好ましい。
図3に示す例では、清澄工程を行う清澄槽は、ガラス供給管204、清澄槽202、及びガラス供給管205の3つの部分に分かれているが、清澄槽はさらに細分化されても当然よい。清澄槽を細分化した方が、熔融ガラスMGの温度調整をより細かく行うことができる。特に、清澄槽を細分化することは、熔融ガラスMGの種類や熔解量を変更する場合、温度調整がし易い点で有利である。
また、上記説明では簡略化のために、ガラス供給管204では熔融ガラスMGが1620℃まで昇温され、清澄槽202では、熔融ガラスMGの泡Bの浮上、脱泡が行われ、ガラス供給管205では、熔融ガラスMGが熔融ガラスMGの降温により泡Bの吸収が行われるように、清澄槽毎に機能を分けて説明したが、清澄槽毎に機能が完全に分かれていなくてもよい。清澄槽202の長さ方向の途中までの部分が熔融ガラスMGを昇温させる構成としてもよく、清澄槽202の長さ方向の途中からガラス供給管205の間を、熔融ガラスMGの降温を開始させる部分とするように構成することもできる。
本実施形態では、ガラス供給管204、清澄槽202、ガラス供給管205の表面温度、つまり熔融ガラスMGが流れていない清澄槽の外側の表面温度を測定して温度制御をすることにより熔融ガラスMGの昇温速度、降温速度を管理することができる。しかしながら、本発明において測定された実測温度は経時変化を伴うので、定期的(不定期的を含む)または連続的なタイミングで測定変移が補正されることが必要である。測定変移が補正されることにより、長期間の運転に際しても常に正確な実測温度が測定でき、これにより所望とする温度以上の高温での操業を抑制することにより、製品としてのガラス板中に残存する泡数を常に低減させつつ、ガラス供給管204、清澄槽202、及びガラス供給管205、特に清澄槽202の寿命を延長させることができる。
ガラス供給管204、清澄槽202及びガラス供給管205の表面温度と、ガラス供給管204、清澄槽202及びガラス供給管205の中を流れる熔融ガラスMGの平均温度(清澄槽内で温度分布を持つ熔融ガラスMGの温度の平均値)との関係を、コンピュータシミュレーションにより、清澄槽に供給する熔融ガラスMGの流速と温度の条件を用いて、予め算出することができる。このため、清澄槽の外側の測定された表面温度から、上記関係を用い昇温速度、降温速度を算出して昇温速度、降温速度を管理することができる。
なお、熔融ガラスMGの流速は各装置の容積と、成形装置300に流入される単位時間当たりの熔融ガラスMRの量から算出することができる。
このように、脱泡処理の後、熔融ガラスMGの温度を1600℃から1500℃の温度範囲を、例えば2℃/分以上の降温速度で降温させるのは、後述するように、最終製品であるガラス板内に残存する単位質量当たりの泡数を低減させるためである。ここでいう泡とは、予め設定された泡の体積、例えば直径20μmの泡の体積と同等以上の体積を有する泡をいう。
なお、上記降温速度は、速いほどガラス板内に残存する泡数を低減できるが、この低減効果は上記降温速度の上昇に伴って小さくなっていく。上記降温速度は、3℃/分以上であることが好ましい。なお、上記降温速度の上限は特に設けられないが、ガラス板を工業的に製造する場合、以下の理由から、50℃/分が上限となる。
すなわち、熔融ガラスMGの降温速度が速くなりすぎると熔融ガラスMGの泡B内の酸素が熔融ガラスMGへ再吸収される現象が阻害され、結果として、熔融ガラスMG中の泡Bそのものは減少しない可能性がある。また、ガラスの熱伝導度は高温でも20〜50W/(m・K)程度と小さいため、さらに、熔融ガラスMGの急激な冷却は特別な手段を取らない限り、ガラス供給管205の外側からしか冷却できないため、上記降温速度を速くした場合、ガラス供給管205の外表面近くの熔融ガラスMGのみが冷えてしまい、ガラス供給管205の中心部の熔融ガラスMGは高温のままに維持される。つまり、ガラス供給管205内において、熔融ガラスMGの外表面部分と中心部との間で温度差が大きくなってしまう。この場合、外表面部分の熔融ガラスMGの中から結晶が析出してしまうという問題が生じる。また、ガラス供給管205内において、熔融ガラスMGの外表面部分と中心部の間で熔融ガラスMGの温度差が大きくなった状態で熔融ガラスMGを攪拌すると、温度差の大きなガラスが混ざり合うので、泡Bが発生する他、ガラスの組成上、均質性を阻害し易くなる。また、熔融ガラスMGの降温速度を速くする為には、ガラス供給管205からの放熱を増やさなければならないので、ガラス供給管205の白金もしくは白金合金管の本体を支えるバックアップレンガ等の支持部材の厚さを薄くしなければならない。しかし、支持部材の厚さを薄くする分だけ、設備の強度が下がる。このため、ガラス板を工業的に製造する場合、熔融ガラスMGの降温速度をいたずらに速くすることは、上述したような問題を引き起こすのみであり、妥当とは言えない。
以上のことから、熔融ガラスMGの、1600℃から1500℃までの降温速度の上限は、50℃/分以下であることが好ましく、35℃/分以下であることがより好ましい。すなわち、本実施形態では、上記降温速度は、2℃/分〜50℃/分であることが好ましく、3℃/分〜35℃/分であることがより好ましい。
(成形工程)
図4は、成形工程及び切断工程を行う装置構成を主に示す図である。成形装置300は、成形炉340と徐冷炉350を含む。
成形炉340および徐冷炉350は、耐火レンガ等の耐火物で構成された炉壁に囲まれて構成されている。成形炉340は、徐冷炉350に対して鉛直上方に設けられている。成形炉340及び徐冷炉350の炉壁で囲まれた炉内部空間に、成形体310と、雰囲気仕切り部材320と、冷却ローラ330と、冷却ユニット335と、搬送ローラ350a〜350dと、が設けられている。
成形体310は、図2に示すガラス供給管206を通して熔解装置200から流れてくる熔融ガラスMGを板状ガラスGに成形する。成形方法としてオーバーフローダウンドロー法を適用する場合、成形体310に供給されるときの熔融ガラスは、粘度轗(dPa・s)に関してlog轗=4.3〜5.7となる温度となっていることが好ましい。この熔融ガラスMGの温度は、ガラスの種類によって異なるが、例えば液晶ディスプレイ用ガラスであれば、1150〜1350℃である。これにより、成形装置300内で、鉛直下方の板状ガラスGの流れが作られる。成形体310には、耐火レンガ等によって構成された細長い構造体であり、図4に示すように断面が楔形状を成している。成形体310の上部には、熔融ガラスを導く流路となる供給溝312が設けられている。供給溝312は、成形装置300に設けられた供給口においてガラス供給管205と接続され、ガラス供給管205を通して流れてくる熔融ガラスMGは、供給溝312を伝って流れる。供給溝312の深さは、熔融ガラスの流れの下流ほど浅くなっており、供給溝312から熔融ガラスMGが鉛直下方に向かって溢れ出るようになっている。
供給溝312から溢れ出た熔融ガラスは、成形体310の両側の側壁の垂直壁面および傾斜壁面を伝わって流下する。側壁を流れた熔融ガラスは、図4に示す成形体310の下方端部313で合流し、1つの板状ガラスGが成形される。
成形体310の下方端部313の下方近傍には、雰囲気仕切り部材320が設けられている。雰囲気仕切り部材320は、一対の板状の断熱部材であって、板状ガラスGの両側を挟むように、板状ガラスGの厚さ方向の両側に設けられている。雰囲気仕切り部材320は、板状ガラスGと接触しない程度に隙間があけられている。雰囲気仕切り部材320は、成形炉340の内部空間を仕切ることにより、雰囲気仕切り部材320の上方の炉内部空間と下方の炉内部空間との間の熱の移動を遮断する。
雰囲気仕切り部材320の下方には冷却ローラ330が設けられている。冷却ローラ330は、板状ガラスGの幅方向の両端近傍の板状ガラスG表面と接触して、板状ガラスGを下方に引き下げて所望の厚さに板状ガラスGを伸ばすとともに、板状ガラスGの両端部を冷却する。
成形炉340の下方には、搬送ローラ350a〜350dが所定の間隔で設けられ、板状ガラスGを下方向にけん引する。図示される形態では、搬送ローラは4対設けられるが、5対以上であってもよい。成形炉340の下方の空間は、徐冷炉350の炉内部空間となっている。搬送ローラ350a〜350dのそれぞれは、ローラ対を有し、板状ガラスGの両側を挟むように板状ガラスGの幅方向の両側端部に設けられている。
(ガラス組成)
本実施形態のガラス板の製造方法により製造されるガラス板は、フラットパネルディスプレイ用ガラス板に好適に用いられるガラス組成が好適に用いられる。それらのガラス組成は、例えば、Li、Na、及びKのいずれの成分も実質的に含有されていないか、あるいは、Li、Na、及びKのいずれか少なくとも1つの成分が含有されているとしても、Li、Na、及びKの内含有する成分の酸化物としての合計量が、2質量%以下である。本実施形態では、Li、Na、及びKの成分の酸化物を実質的に含有しないガラスを無アルカリガラスと呼び、Li、Na、及びKの成分の酸化物を原料として添加し、Li、Na、及びKの内含有する成分の酸化物としての合計量が2質量%以下であるガラスを微量アルカリ含有ガラスと呼ぶ。
このような無アルカリガラスあるいは微量アルカリ含有ガラスは、アルカリ金属酸化物の含有量が2質量%を超えている一般的なアルカリガラスに比較して高温度域での粘性が高い。ここで、熔融ガラス中の気泡が浮上する速度は熔融ガラスの粘性の影響を受け、熔融ガラスの粘度が低いほど気泡の浮上速度は上昇する。清澄工程において効率的に清澄を行うためには、清澄槽内における熔融ガラスの粘度は、例えば、200〜800dPa・sであることが好ましい。高温度域での粘性が高い無アルカリガラスあるいは微量アルカリ含有ガラスの清澄工程では、熔融ガラスの温度は1630℃以上、好ましくは1640℃以上、より好ましくは1650℃以上という高温度が必要となる。そのため、温度測定手段の劣化も促進されやすく、温度測定手段が高温度が故に劣化しても、正確な温度制御が行える本発明の製造方法が好適に採用される。
LCD(液晶基板)用や有機EL用のガラス板では、パネル製造工程でガラス板からアルカリ成分が溶出すると、TFT特性を劣化させる虞があるために、アルカリ金属酸化物を実質的に含まない組成が好まれ、本発明の好ましい組成の一例である。ここで、アルカリ金属酸化物を実質的に含まない無アルカリガラスとは、原料としてアルカリ金属酸化物を添加しないことを意味しており、例えば、アルカリ金属酸化物を含んでも0.05質量%を超えないことを意味している。
本発明において、Li、Na、及びKのいずれか少なくとも1つの成分が含有され、かつ、該Li、Na、及びKの酸化物(アルカリ金属酸化物)の合計含有量が、0.05〜2質量%の範囲内にある微量アルカリ含有ガラス組成も好ましい組成の一例である。微量アルカリ含有ガラスは、アルカリ金属酸化物を微量含有していることで、TFT特性の劣化やガラスの熱膨張を一定範囲内に抑制しつつ、ガラスの塩基性度を高め、価数変動する金属の酸化を容易にして、清澄性能の向上を図ることができる。
(フラットパネルディスプレイ用ガラス組成)
以上のようなフラットパネルディスプレイ用ガラス板の好ましい一例はつぎのとおりである。
(a)SiO2:50〜70質量%、
(b)B23:0〜15質量%、
(c)Al23:5〜25質量%、
(d)MgO:0〜10質量%、
(e)CaO:0〜20質量%、
(f)SrO:0〜20質量%、
(g)BaO:0〜10質量%、
(h)RO:5〜20質量%(ここでRはMg、Ca、SrおよびBaから選ばれる少なくとも1種であり、ROは、MgO、CaO、SrOおよびBaOのうち含有する成分の合計)、
(i)R'2O:2.0質量%以下(ここでR'はLi、NaおよびKから選ばれる少なくとも1種であり、R'2OはLi2O、Na2O及びK2Oのうち含有する成分の合計)、
(j)SnO2:0.01〜1.5質量%。
また、
(k)酸化スズSnO2、酸化鉄Fe23および酸化セリウムCe23の合計含有量が0.01〜1.5質量%であることが好ましい。
以上の組成で、清澄剤としては、少なくともSnO2を用い、AS23やPbOを実質的に含まないことが望ましい。また、ガラス中の酸化鉄の含有量が0.01〜0.2質量%であることがさらに好ましい。
軽量化を求める場合には、アルカリ土類金属酸化物の使用において、(f)SrO+(g)BaOの合計割合を0〜10質量%にすることが好ましく、また、軽量化と環境負荷を考慮すると、(g)BaOの組成割合は0〜2質量%であることが望ましい。また、降温過程での泡数の低減を考慮すると(g)BaOの組成割合は0〜1質量%であることが望ましく、BaOを実質的に含有しないガラス板の製造方法にさらに好適である。その理由は後述される。
以上の組成により製造できるガラス板は、フラットパネルディスプレイ用ガラス板に要求される特性、例えば、歪点が650℃以上であり、密度が2.6g/cm3以下、またヤング率が70GPa以上を満たすことができる。
また、上記組成では、失透温度1250℃以下のガラス板を実現できるので、オーバーフローダウンドロー法を適用することも容易である。ただし、上記組成では失透温度が1050℃未満を実現しつつ、フラットパネルディスプレイ用ガラス板に要求される上述の特性を満たすことが困難であるため、失透温度は1050℃〜1250℃の範囲内とすることが好ましい。
(p-Si・TFT搭載ディスプレイ用または酸化物半導体搭載ディスプレイ用ガラス板)
本発明を適用するのに適した他のガラス組成は、p-Si(低温ポリシリコン)・TFTや酸化物半導体・TFTを用いたフラットパネルディスプレイ用ガラス板の製造のためのガラス組成である。p-Si・TFT搭載ディスプレイ用ガラス板や酸化物半導体搭載ディスプレイ用ガラス板では、α-Si・TFTの形成工程よりも高温で熱処理工程が行われる。そのため、ガラス板の熱収縮率が小さいことが望まれ、ガラスの歪点を高めることが望まれている。歪点が670℃以上であると、p-Si(低温ポリシリコン)・TFTや酸化物半導体・TFTを用いたフラットパネルディスプレイ用ガラス板の製造に好適となる。しかし、歪点が670℃以上と高くなると、logη=2となる温度が高くなる。つまり、高温度域における熔融ガラスの粘度が高くなるので、清澄効果を十分に得るためには、清澄工程において、歪点が670℃未満のガラスと比較して、熔融ガラスの温度を高くしなくてはいけない傾向にある。つまり、歪点が670℃以上であり、logη=2となる温度が1600℃以上のガラス板の製造に対して本発明を適用することにより、本発明の作用効果を最大限に発揮させることができる。
熱収縮を低減させる目的での好ましい歪点は670℃以上であるが、675℃以上または680℃以上、特には690℃以上の歪点を有するガラス組成が好ましい。歪点が670℃以上、特には675℃以上であるガラス板の組成の一例としては、次の組成が例示される。
(a)SiO2:52〜78質量%、
(b)B23:3〜15質量%、
(c)Al23:3〜25質量%、
ただし、質量比((a)+(c))/(b)≧7.5
(h)RO:3〜20質量%(ここでRはMg、Ca、SrおよびBaのアルカリ土類金属から選ばれる少なくとも1種であり、ROは、MgO、CaO、SrOおよびBaOのうち含有する成分の合計)、
(j)SnO2:0.01〜1.5質量%。
ここで、歪点を上昇させるためには、例えば、質量比((a)+(c))/(b)を上昇させるか、β-OH値を適切に保つことである。歪点を上昇させるには、例えば質量比((a)+(c))/(b)≧7.5にすることであり、β-OH値を0.01〜0.3(mm−1)とすることである。
上記組成において、熔解時にガラスではなく熔解槽に電流が流れてしまわないように、少量のアルカリ金属酸化物R'2Oまたは酸化鉄Fe23をいれることが好ましい場合もある。少量のアルカリ金属酸化物R'2Oを入れることによりガラスの比抵抗を低下させることができる。
(i)R'2O:0.01〜0.8質量%(ここでR'はLi、NaおよびKのアルカリ金属から選ばれる少なくとも1種であり、R'2OはLi2O、Na2O及びK2Oのうち含有する成分の合計)
(k)Fe23:0.01〜1.0質量%
上記組成において、さらに高い歪点を実現させつつ、かつ、失透温度の上昇を防止するために、アルカリ土類金属酸化物RO(ROは上記に同じ)中の酸化カルシウムの含有率を確保したり、また、質量比((a)+(c))/(b)の範囲を適切にすることがある。具体的には質量比CaO/ROを0.65以上(CaO/RO≧0.65)としたり、また、質量比((a)+(c))/(b)を7以上20以下の範囲内(7≦質量比((a)+(c))/(b)≦20)にすることである。以上の管理を行うことにより、歪点を上昇させつつ、オーバーフローダウンドロー法の適用が可能な失透温度1250℃以下を維持させることができる。
また、モバイル機器などに用いるガラス板に本発明が適用されることを考慮する場合には軽量化の観点から、アルカリ土類金属酸化物中におけるSrOおよびBaの合計含有量が2質量%未満(SrO+BaO<2質量%)とすることが好ましい。また、降温過程での泡数の低減を考慮すると(g)BaOの組成割合は0〜1質量%であることが望ましく、また、BaOを実質的に含有しないことが好ましい。
本発明が適用される好ましい組成は、1500〜1750℃における熔融粘度で表現でき、102.5dPa・sに相当する熔融温度が1500〜1750℃の範囲内にある組成である。102.5dPa・sに相当する温度が高いほど清澄温度近傍での粘度も高くなり、熔融ガラスから気泡が抜けにくいので、一般的に清澄工程における脱泡を確実に行うには熔融ガラスの清澄温度を高温に設定する必要がある。清澄温度を高温に設定する必要があるガラス組成に対して本発明を適用することにより、本発明の作用効果を最大限に発揮させることができる。
上述した成分に加え、本実施形態のガラス板は、ガラスの様々な物理的、熔融、清澄、および成形の特性を調節するために、様々な他の酸化物を含有しても差し支えない。そのような他の酸化物の例としては、以下に限られないが、TiO2、MnO、ZnO、Nb25、MoO3、Ta25、WO3、Y23、およびLa23が挙げられる。
また、本実施形態においては、清澄剤としてのSnO2はガラスを失透しやすくする成分であるため、清澄性を高めつつ失透を起こさせないためには、その含有率が0.01〜0.5質量%の範囲内であることが好ましい。含有率を0.01質量%以上、好ましくは0.05質量%以上、特に好ましくは0.1質量%以上とすることにより清澄性能を増大させる。好ましい含有量は、0.05〜0.3質量%の範囲内であり、0.1〜0.3質量%であることがさらに好ましい。
上記金属酸化物に酸化鉄を含む場合、上記酸化鉄は、その含有量が0.01〜0.1質量%であることが好ましく、0.01〜0.08質量%であることがより好ましい。
なお、上記のガラス組成には、SnO2が含まれているが、As23およびPbOを実質的に含まず、環境問題の観点からは、Sb23も実質的に含まないことが好ましい。
また、上記(i)のアルカリ金属酸化物(R'2O)は、ガラスから溶出するとTFTの特性を劣化させ、また、ガラスの熱膨張係数を大きくして熱処理時に基板を破損するおそれのある成分であることから、液晶ディスプレイ用ガラス板や有機ELディスプレイ用ガラス板として適用する場合には、実質的に含まないことが好ましい。
しかし、ガラス中に上記成分を敢えて特定量含有させることによって、TFTの特性の劣化を招くことなしに、ガラスの熱膨張を一定範囲内に抑制しつつ、ガラスの塩基性度を高め、価数変動する金属の酸化を容易にして、清澄性を発揮させることが可能である。また、R'2Oはガラスの電気比抵抗を下げ、熔解性を向上させることができる。
このようなアルカリ金属酸化物成分R'2Oの合計含有率は0.05〜2.0質量%の範囲内であるが、0.1質量%を超え1.0質量%以下であることがより好ましく、0.2〜0.5質量%がさらに好ましい。なお、Li2O,Na2Oは含有させずにK2Oを含有させることが好ましい、上記成分中でK2Oは含有されてガラスから溶出してもTFTの特性劣化を生じ難い。このようなK2Oの含有率は、0〜2.0質量%であることが好ましく、0.1〜1.0質量%がより好ましく、0.2〜0.5質量%がさらに好ましい。
本実施形態のガラス板が、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ等に用いられるガラス板として好適に用いられるような特性を得るためには、熔融ガラスMGの清澄温度における粘度が、アルカリを多量に含有したガラス板等に比較して高くなるので、脱泡処理において泡の浮上速度が遅くなりやすい。本実施形態のガラス板が、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ等を構成するガラス板である場合、例えば、1630℃の温度における熔融ガラスMGの粘度が130〜350dPa・sであることが好ましい。
(熔融ガラスの温度履歴)
図5は、本実施形態における熔解工程から成形工程に至る温度履歴の一例を説明する図である。
本実施形態のガラス板の製造に用いるガラス原料は、目標とする化学組成となるように種々の原料が秤量され、よく混ぜ合わせてガラス原料が作られる。こうして作られるSnO2が添加されたガラス原料は、熔解槽201に投入される。
熔解槽201に投入されたガラス原料は、その成分の分解温度に達したところで分解し、ガラス化反応により、熔融ガラスMGとなる。熔融ガラスMGは熔解槽201を流れる間に、徐々に温度を上げながら、熔解槽201の底部近くからガラス供給管204(第1清澄槽204)に進む。
このため、熔解槽201では、ガラス原料の投入された時点における温度T1からガラス供給管204に進入する時点における温度T3まで、熔融ガラスMGの温度はなだらかに上昇する温度履歴を有する。
なお、図5中、T1<T2<T3であるが、T2=T3あるいは、T2>T3であってもよく、少なくともT1<T3であればよい。
ガラス供給管204の図示されない金属製フランジと清澄槽202の図示されない金属製フランジとの間で一定の電流を流してガラス供給管204の白金あるいは白金合金管を通電加熱することにより、さらに、清澄槽202の図示されない金属製フランジと清澄槽202の図示されない別の金属製フランジとの間で一定の電流を流して清澄槽202の白金あるいは白金合金を通電加熱することにより、ガラス供給管204に進入した熔融ガラスMGを、温度T3からSnO2が酸素を急激に放出する温度T4(例えば1620℃以上であり、1650〜1700℃であることがさらに好ましい)まで、2℃/分以上の昇温速度で昇温する。昇温速度を2℃/分以上とするのは、昇温速度が2℃/分以上の場合に、O2ガスの放出量が急激に大きくなるからである。なお、温度T3と温度T4の差が大きいほど、熔融ガラスMG中のSnO2が放出するO2の量が多くなり、脱泡が促進される。このため、温度T4は、温度T3と比べて例えば50℃程度高いことが好ましい。
好適な実施態様の一例は、清澄槽202へ送り込まれる熔融ガラスMGの温度を高温に設定することである。このため、ガラス供給管204において、例えば、熔融ガラスの温度で1500〜1690℃の範囲内まで加熱し、そのときの熔融ガラスの粘度を500〜2000dPa・s程度まで下降させることである。清澄槽202に送り込まれる熔融ガラスMGの温度を清澄槽202内での温度に適した温度またはそれに近い温度になった状態であれば、清澄槽202の入り口近傍から効果的な清澄を促進させることができる。同様に、清澄槽202に送り込まれる熔融ガラスMGの粘度を清澄槽202内での清澄に適した粘度(200〜800dPa・s)またはそれに近い粘度になった状態であれば、清澄槽202の入り口近傍から清澄を促進させることができる。これにより、高温度が必要とされる清澄工程での滞留時間を比較的短く抑えることができ、また、熔融ガラスが清澄槽202内の窒素ガスを含有する雰囲気に晒される時間を短縮できる。これにより熔融ガラスMG内への窒素ガスの溶け込みを防止しつつ、その一方で既存の泡内へのSO2の拡散が促進されることを抑制することができる。熔融ガラス内の既存の泡内へのSO2の拡散が促進されると、熔融ガラスMGへの溶解度が小さいSO2が泡としてガラス板内に残存してしまう恐れがある。他方、窒素ガスなどが熔融ガラスに溶け込むと、熔融ガラスの温度を低下させる工程で、リボイル泡としてN2が生じることが想定される。すなわち、清澄槽202における熔融ガラスの滞留時間が比較的短くできれば、SO2、窒素ガスN2などのリボイル泡を抑制することができ、これによりガラス板の泡数を低減させることができる。
さらに、清澄槽202に進入した熔融ガラスMGを、温度T4から温度T4と略同じ温度T5に維持する。なお、温度T3〜温度T5における温度調節は、本実施形態では、各清澄槽を通電加熱する方式を用いるが、この方式には限定されない。例えば、各清澄槽周りに配置した図示されないヒータによる間接加熱を用いて上記温度調節が行われてもよい。
以上により清澄工程では、熔融ガラスMGは1620℃以上に加熱されることにより、清澄剤であるSnO2の還元反応が促進される。これにより、多量の酸素が熔融ガラスMG中に放出される。熔融ガラスMG中の既存の泡Bは、熔融ガラスMGの温度上昇に起因した泡B内のガス成分の圧力の上昇効果による泡径の拡大に、上記清澄剤の還元反応により放出された酸素が泡B内に拡散して入ってくることが重なり、この相乗効果によって泡径が拡大する。
泡径の拡大した泡Bはストークスの法則に従って泡Bの浮上速度が速くなり、泡Bの浮上、破泡が促進される。
清澄槽202でも、熔融ガラスMGは引き続き、1620℃以上の高温に維持されるため、熔融ガラスMG中の泡Bは、熔融ガラスMGの液表面に浮上し、液表面で破泡することにより、熔融ガラスMGの脱泡が行われる。
脱泡処理は、図5中では、温度T3から熔融ガラスMGの温度が温度T4に上昇し、その後、温度T4と略同じ温度T5に維持される期間で行われる。図5中、T4とT5が略同じであるが、T4<T5であってもよいし、T4>T5であってもよい。
なお、熔融ガラスMGの温度が温度T4に達するのは、ガラス供給管204である例を挙げて説明したが、清澄槽202内であってもよい。
また、温度T4、温度T5の設定温度が1630℃を超えて高い場合(例えば、1700℃〜1780℃の場合)、温度T2または温度T3が1630℃を超えてもよい。
次に、清澄槽202からガラス供給管205に進んだ熔融ガラスMGは、残存する泡Bを吸収するため、温度T5から、温度T6(例えば、1600℃)を経て、温度T7(攪拌工程に適した温度であり、ガラス硝種と攪拌装置のタイプで異なるが、例えば、1500℃である。)まで、冷却される。
熔融ガラスMGの温度が低下することで、泡Bの浮上、脱泡が生じ難くなり、熔融ガラスMGに残存した小泡中のガス成分の圧力も下がり、泡径はどんどん小さくなる。さらに熔融ガラスMGの温度が1600℃以下になると、SnO(SnO2の還元により得られたもの)の一部が酸素を吸収して、SnO2に戻ろうとする。このため、熔融ガラスMG中の残存する泡B内の酸素は、熔融ガラスMG中に再吸収され、小泡は一層小さくなる。この小泡は熔融ガラスMGに吸収されて、小泡は最終的に消滅する。
このSnOの酸化反応により泡B内のガス成分であるO2を吸収させる処理が、吸収処理であり、温度T5から温度T6を経て温度T7まで低下する期間に行われる。図5では、温度T5〜T6の降温速度が、温度T6〜T7の降温速度に比べて速いが、温度T5〜T6の降温速度が、温度T6〜T7の降温速度に比べて遅くてもよいし、同等であってもよい。少なくともこの吸収処理の間、熔融ガラスMGの温度が1600℃から1500℃の温度範囲を2℃/分以上の降温速度で降温されることが好ましい。しかし、熔融ガラスMGがより高温状態にあるときの降温速度を大きくして、SO2の拡散を早期に抑制して、泡B内に取り込まれるSO2を減少させる点で、温度T5〜T6の降温速度が、温度T6〜T7の降温速度に比べて速いことが好ましい。すなわち、吸収処理において、熔融ガラスMGが1500℃以下である温度範囲における降温速度は、1600℃から1500℃の温度範囲における降温速度よりも遅いことが好ましい。
また、温度T6〜T7の降温速度を温度T5〜T6の降温速度よりも遅くすることで、泡B内に取り込まれるSO2を減少させつつ、攪拌槽203に流入される熔融ガラスMGのガラス供給管205(ガラス供給管205)内における、外側表面部分と中心部との間の温度差を小さくすることができる。
なお、ガラス板の生産性の向上と設備コスト削減の点から、吸収処理において、熔融ガラスMGが1500℃以下である温度範囲における降温速度は、1600℃から1500℃の温度範囲における降温速度よりも速いことが好ましい。なお、このような熔融ガラスMGの温度制御を行う場合、成形工程に供給する熔融ガラスMGの量を調整する流量調整装置を設けることが好ましい。
また、泡B内に取り込まれるSO2を減少させつつ、成形工程に供給する熔融ガラスMGの量を、ガラス供給管206内の熔融ガラスMGの温度管理にて調整できる点で、吸収処理において、熔融ガラスMGが1500℃以下である温度範囲における降温速度は、1600℃から1500℃の温度範囲における降温速度よりも遅いことが好ましい。これにより、ガラス供給管206を特別な形状に加工することや、ガラス供給管206以外に流量調整装置を設けることなしに、成形工程に流入される熔融ガラスMGの量は調整しやすくなる。また、成形工程に流入される熔融ガラスMGのガラス供給管206内における、外側表面部分と中心部との間の温度差を小さくすることができる。
ここで、本発明にかかる上記清澄工程の温度は、清澄槽の外表面の適宜箇所に溶接により固定された熱電対(常設熱電対)により測定されているが、本発明においては、この常設熱電対により測定された温度が、他の温度測定手段により測定された値により更正(または補正)されて管理される。ここで、常設熱電対は、本実施形態では溶接により固定されているので、以下、溶接TC(thermocouple)または溶接熱電対と呼ぶこともある。
ここで、熱電対とは、材質の異なる2本の金属線で閉回路をつくった場合、二つの接点の温度が異なると、この閉回路に電流が流れるという、いわゆるゼーベック効果を利用して温度を測定する手段である。そして、この電流を起こさせる起電力を熱起電力と呼称し、その熱起電力の大きさは両接点の温度のみにより定まり、金属線の太さ・長さおよび接点以外の部分の温度には無関係である。したがって、この起電力を測定することで溶接固定されている側部の温度を計測することができる。そして、清澄槽のような高温度箇所の測定に適した熱電対を構成する電極としては、白金と白金合金の組み合わせ、または、白金合金と白金合金の組み合わせである熱電対が挙げられ、白金合金としては白金ロジウムなどが挙げられる。
しかしながら、1620℃または1630℃を超えることが必要とされるような清澄条件において用いられる溶接熱電対では、実際に高温度に長期間晒されることにより、過熱使用限度を超えて使用されることがある。
これにより、溶接熱電対の電極または白金線などの各部材の一部は、その雰囲気中では揮発し昇華する、あるいは付着しやすくなる。これにより電極である+極または−極の、例えばロジウム濃度の差を低下させ、結果として側温接点と基準接点との起電力差が少なくなり、熱電対で測定する温度が実温度に比べて低下する。このことに気づかずに操業を行えば、所定の温度に保っている熔融ガラスの温度が所望の温度を超えて高温となってしまう。
そこで、本発明においては、溶接熱電対に加えて、当該溶接熱電対の測定変移を補正(または更正)する目的での温度検出手段が併用されて用いられる。そして、本実施形態に係る温度管理では、これらの溶接熱電対による測定温度は、当該溶接熱電対の測定変移を補正(または更正)する目的での温度検出手段により測定された結果に基づいて補正される。これにより、溶接熱電対の経時劣化による測定変移が補正された実際の正確な温度推定に基づいて管理される。
経時劣化による測定変移の補正は、起電力差が明確である基準となる基準温度測定手段の測定結果に基づいて定期的に行えばよい。このような測定変移が生じていない基準温度測定手段には、本発明の目的を達成できる温度測定手段であれば、任意の温度測定手段を用いることができる。それらは、例えば、接触式の温度測定手段であっても、また、非接触式の温度測定手段であってもよい。
接触式の温度測定手段の好適な一例としては、溶接固定される熱電対と同種類の白金または白金合金製の熱電対が含まれる。同種類の熱電対であっても、補正の目的で使用される場合には、清澄槽との接触時間が短時間であるので熱電対の劣化の懸念は無視できる。
熱電対のような接触式温度検出手段に換えて、放射温度計のような非接触式の温度検出手段により測定温度の補正(または更正)を行うこともできる。ここで、放射温度計のような非接触式の温度検出手段では、絶対的な温度を正確に把握することが一般的に困難であるが、相対的な温度変化を経時的に測定することはでき、固定された熱電対の補正(または更正)には十分であることが本発明者らにより確認されている。
本発明に係る典型的な実施例では、清澄槽に溶接固定された熱電対(溶接TC)と、溶接TCと同種類の白金または白金合金の揮発が進行していない熱電対(あるいは揮発量が明確であり、起電力差が明確な熱電対)(以下、雰囲気TC(thermocouple)と呼ぶ)を用いて、清澄槽に固定された熱伝対(溶接TC)の定期的な補正(更正)を行っている。
定期的な補正(または更正)は、例えば、1回/週程度でよいが、程度に応じて更正頻度を変更(増減)できる。例えば、使用年数が長くなると、熱伝対の劣化速度が速くなるので、定期的な補正(または更正)の回数を増加させる必要がある。ここで、非接触式の温度検出手段を用いる場合には温度検出手段の劣化の懸念はない。それ故、放射温度計によるリアルタイムな相対的な温度変化の検出結果を用いて、常設熱電対の劣化による測定変移をリアルタイムでフィードバックして制御することもできる。
なお、非接触式の温度検出手段を用いてリアルタイムな相対的な温度補正のフィードバック制御を行いつつ、かつ、定期的な雰囲気TCによる更正を追加して実施することもできる。
これにより、溶接TCの測定変移が他の温度測定手段により更正できるので、溶接TCの経時劣化による測定変移が相殺されて、実際の正確な温度の推定がなされ、正確な清澄槽の温度管理を行うことができる。これにより、清澄槽の温度を必要以上の高騰させることを防止でき、清澄槽を構成する白金部材の揮発・熔損を確実に低減させることができ、結果として白金または白金合金製の清澄槽を用いて長期の連続運転を可能とする。
ついで、上記吸収処理後、あるいは吸収処理の途中で、攪拌槽203に熔融ガラスMGは進入する。攪拌槽203は、熔融ガラスMG中の組成ムラを小さくして熔融ガラスMGを均質化する。なお、攪拌槽203において、上記吸収処理が継続して行われてもよい。この後、成形工程における成形に適した温度T8、例えば1200〜1300℃になるまで熔融ガラスMGは降温される。
上述したように、清澄工程と成形工程との間に、熔融ガラスMGの成分を均質に攪拌する攪拌工程を含む。熔解工程では、熔融ガラスMGの熔解開始時の温度T1に比べて高い温度T3で熔融ガラスMGが清澄工程に供給される。清澄工程では、温度T7に比べて低い温度で熔融ガラスMGが攪拌工程に供給される。攪拌工程では、粘度轗(dPa・s)に関してlog轗=4.3〜5.7となる温度で熔融ガラスMGが成形工程に供給される。成形工程では、熔融ガラスMGの温度が、例えば、1200〜1300℃の状態で、熔融ガラスMGは板状ガラスに成形される。なお、ガラス板の液相粘度は、log轗=4以上であることが好ましく、ガラス板の液相温度は、1050℃〜1250℃であることが好ましい。このような液相粘度及び液相温度とすることにより、成形方法としてオーバーフローダウンドロー法を適用することができる。
図6は、実験炉において行われた測定結果であり、脱泡処理が行われるときの熔融ガラスに含まれるO2の排出量と昇温速度の関係を示す図である。昇温速度は、1550℃から1640℃の温度範囲における平均速度である。この測定に用いられたガラス板は、アルカリ金属の含有量が少ない液晶用ディスプレイ用ガラス板であり、清澄剤としてSnO2が用いられた。具体的には、以下に示すガラス組成を有する液晶用ディスプレイ用ガラス板を用いて、図6に示す測定結果が得られた。
SiO2:60質量%
Al23:19.5質量%
23:10質量%
CaO:5.3質量%
SrO:5質量%
SnO2:0.2質量%
図6によると、O2の排出量を高くするには、熔融ガラスMGの昇温速度を2℃/分以上にすればよいことがわかる。なお、図6の測定結果において、CO2は、空洞が形成されたガラス板に他のガラス板を積み重ねることにより空洞内の気体(CO2)を密封し、この状態で各ガラス板を加熱して融着させることにより、熔融ガラスMG内に泡として存在させたものである。
本実施形態では、昇温速度の実質的な上限はなく、例えば、10℃/分以下であればよい。ガラスは熱伝導度が小さいため、昇温速度を上昇させるためには、熱伝達面積を増やさなければならない。熱伝達面積を増やすためには、金属管であるガラス供給管204や清澄槽202等の内径を小さくし、さらにガラス供給管204や清澄槽202等を長さ方向に長く形成することが挙げられる。また、熱伝達面積を増やすためには、ガラス供給管204や清澄槽202等の温度を、熔融ガラスMGの温度よりも著しく高い温度まで上げることも挙げられる。しかし、ガラス供給管204や清澄槽202等の内径を小さくし、さらにガラス供給管204や清澄槽202等を長さ方向に長く形成すると、ガラス板製造装置が大型化してしまい、好ましくない。また、ガラス供給管204や清澄槽202等の温度を、熔融ガラスMGの温度よりも著しく高い温度まで上げると、高温によってガラス板製造装置が破損するおそれがある。したがって、昇温速度の実質的な上限は10℃/分以下であることが好ましい。以上のことから、昇温速度は、2℃/分〜10℃/分であることが好ましく、3℃/分〜8℃/分であることがより好ましく、3℃〜6.5℃/分であることがさらに好ましい。この範囲において、脱泡処理を効率よく行い、ガラス板に残存する泡を効率よく低減することができる。
また、上述したように、脱泡処理後に行われる泡の吸収処理では、熔融ガラスMGが1600℃から1500℃の温度範囲で2℃/分以上の降温速度で降温される。これは以下説明する理由により行われる。
温度T3から温度T4に熔融ガラスMGを昇温して温度T5に至る期間、SnO2が酸素を放出して還元される温度である1600〜1630℃以上に熔融ガラスMGは昇温されるので、熔融ガラスMG内の泡に、SnO2が放出した酸素の取り込みが促進される他、高温になって熔融ガラスMG内に溶存するO2、CO2、SO2の拡散が促進されて、上記泡B内に熔融ガラスMG内に溶存するO2、CO2、SO2も取り込まれる。なお、熔融ガラスMG中へのガス成分の熔解度は、ガラス成分により変わるが、SO2の場合、アルカリ金属成分の含有量の多いガラスでは比較的熔解度が高いが、アルカリ金属成分を実質的に含まない無アルカリガラスか、含んでも少量である微量アルカリ含有ガラスである本実施形態のような液晶ディスプレイ用ガラス板に用いるガラス板では熔融ガラスMG中に熔解できる熔解度は低い。液晶ディスプレイ用ガラス板に用いるガラス板では、本来、ガラス原料として、人為的にはS(硫黄)成分を加えないが、原料中の不純物として、或いは、熔解槽201で用いる燃焼ガス(天然ガス、都市ガス、プロパンガス等)に、不純物として、微量に含まれている。このため、これらの不純物として含まれるS成分が、酸化されてSO2となり、熔融ガラスMGに含まれている泡B内に拡散して入り込む。SO2は再吸収されにくいので泡Bとして残る。この現象は、従来のAs23を清澄剤として使用していた時に比べ、非常に顕著に現れる。
SnO2を清澄剤として使用したガラス組成の場合、熔融ガラスMGの高温での保持時間が長くなるほど、熔融ガラスMG内の既存の泡B内へのSO2の拡散が促進する。これは、高温になってSO2の熔融ガラスMG中の拡散速度が速まり、泡B内へ進入し易くなったためであると考えられる。
この後、温度T5から温度T7に熔融ガラスMGの降温を行うとき、SnO2の還元により得られたSnOが酸化反応によりO2を吸収して酸化しようとする。したがって、熔融ガラスMG内に残存する泡BにあるO2はSnOに吸収される。しかし、熔融ガラスMG中のSO2やCO2の、既存の泡B内への拡散は依然として維持される。このため、温度T5から温度T7の期間中における泡B内のガス成分は、温度T3から温度T5の期間中に比べてSO2,CO2の濃度が高い。特に、本実施形態で用いる熔融ガラスMGでは、無アルカリガラスあるいは微量アルカリ含有ガラスであるので、SO2の熔融ガラスMGにおける熔解度が小さい。このため、SO2がガスとして一旦泡Bに取り込まれると、このSO2は、吸収処理において熔融ガラスMG内に吸収されにくい。
以上、温度T5から温度T7の期間では、泡B内のO2はSnOの酸化反応によりSnOに吸収されるが、SO2,CO2の、既存の泡B内への拡散が依然として維持されるので、この期間を短期間にすることにより、SO2,CO2の、既存の泡B内への拡散を少なくし、泡Bの成長を抑制することができる。このため、温度T5から温度T7の吸収処理の期間中、熔融ガラスMGが1600℃から1500℃の温度範囲で2℃/分以上の降温速度で降温することにより、後述するようにガラス板中の泡数を抑制することができる。
図7は、ガラス中の泡Bを再現した孔内に含有されるSO2の含有量の測定結果を示す図であり、ガラスの温度条件と温度維持時間に対するSO2の含有量の依存性を示す。図7中の黒丸の大きさが泡Bの大きさを示し、SO2の含有量を示す。
ガラス板は、アルカリ金属の含有量が0〜2質量%の上述した液晶用ディスプレイ用ガラス板と同じガラス組成を有し、清澄剤としてSnO2を含有する。具体的には、図6の測定結果を得るときに作製したガラス板と同様のガラス組成を有する液晶ディスプレイ用ガラス板を用いた。
このガラス組成の熔融ガラスを板状に成形したガラス板に孔を人工的にあけ、孔をあけたガラス板の両側に酸素雰囲気中で、同種のガラス組成のガラス板を挟むことにより、O2が充填された孔を泡として再現した。この孔を有するガラス板を、1200℃以上の温度と温度維持時間とを種々変えて熱処理し、孔内のSO2の含有量をガス分析により測定した。1200℃以上にガラス板を加熱するので、ガラス板は熔融状態となって、熔融ガラス内に残存する泡Bを再現することができる。
図7によると、略1500℃以上の温度でO2の充填された孔にSO2が含有されることがわかる。特に、高温になるほど、さらに温度維持時間が長くなるほど、SO2の含有量が増えることがわかる。これは、熔融状態となったガラス内に溶存するSO2の拡散が高温により促進され、孔に取り込まれることを意味する。
したがって、熔融ガラスMGは、脱泡処理後の吸収処理において、速やかに1500℃未満に降温されることが好ましく、本実施形態では、熔融ガラスMGは1600℃から1500℃の温度範囲で2℃/分以上の降温速度で降温されることが好ましい。
図8は、図5に示す熔融ガラスMGの温度履歴を模擬した実験炉でガラス板を作製したときの発生する泡レベルと降温速度の関係を示す測定結果を示す図である。降温速度は、1600℃から1500℃の温度範囲における平均速度である。作製したガラス板は、アルカリ金属の含有量が0〜2質量%の液晶用ディスプレイ用ガラス板と同じガラス組成を有し、清澄剤としてSnO2が用いられた。具体的には、図6の測定結果を得るときに作製したガラス板と同様のガラス組成を有する液晶ディスプレイ用ガラス板を用いた。
降温速度が2℃/分未満では、泡レベルが急激に上昇することがわかる。なお、泡レベルとは、降温速度を10℃/分としたときの単位ガラス質量当たりの泡数を基準として、泡数がどの程度悪化するかを表す。例えば泡レベル3は、降温速度を10℃/分としたときの泡数に対して3倍の泡数を意味する。
図8によると、泡レベルを低くするには、降温速度を2℃/分以上にすることが好ましい。
図9は、図2に示すガラス板を製造する装置を用いてガラス板を製造したときのガラス板内に存在する泡レベルと降温速度の関係を示す測定結果を示す図である。このとき、熔融ガラスMGの温度履歴は図5に示す履歴をとる。降温速度は、1600℃から1500℃の温度範囲における平均速度である。作製したガラス板は、アルカリ金属の含有量が0〜2質量%の液晶用ディスプレイ用ガラス板と同じガラス組成を有し、清澄剤としてSnO2が用いられた。具体的には、図6の測定結果を得るときに作製したガラス板と同様のガラス組成を有する液晶ディスプレイ用ガラス板を用いた。泡レベルとは、降温速度を8℃/分としたときの単位質量当たりの泡数を基準として、泡数がどの程度悪化するかを表す。例えば泡レベル5は、降温速度を8℃/分としたときの泡数に対して5倍の泡数を意味する。図9によると、降温速度が2℃/分未満では、泡レベルが急激に上昇することがわかる。したがって、熔融ガラスMGを1600℃から1500℃の温度範囲で2℃/分以上の降温速度で降温されると、泡レベルが低減することがわかる。図9より、例えば降温速度が3℃/分〜8℃/分において泡レベルを低減する点でより有効であることがわかる。
図10は、清澄槽に溶接により固定された熱電対により測定された値の経時変化(測定変移)を説明する図であり、操業期間と溶接熱電対により測定された実温度と放射温度計により測定された温度との差異を示す。
ガラス板は、アルカリ金属の含有量が0〜2質量%の上述した液晶用ディスプレイ用ガラス板と同じガラス組成を有し、清澄剤としてSnO2を含有する。具体的には、図6の測定結果を得るときに作製したガラス板と同様のガラス組成を有する液晶ディスプレイ用ガラス板を用いた。
このガラス組成のガラス原料を熔解して熔融ガラスとした。この熔融ガラスを白金合金製の配管を介して清澄槽に搬送し、熔解ガラスを白金合金製の清澄槽にて1620℃以上に昇温させて清澄を行った。この清澄槽の外表面には熱電対が溶接により固定されているが、この溶接熱電対による温度測定に加えて放射温度計を用いて清澄槽内の雰囲気温度も測定された。
つぎに、清澄後の熔融ガラスを攪拌槽にて攪拌した後、成形体に熔融ガラスを供給し、オーバーフローダウンフロー法にてガラスリボンに形成し、切断して、厚さが0.7mm、大きさが2200mm×2500mmのフラットパネルディスプレイ用ガラス板を製造した。
結果、9ヶ月操業を継続したところでの清澄槽外表面の白金の最大揮発量は1.0mmを超えていた。この結果、2年程度の期間、操業を続けると清澄槽の破壊が懸念された。
これに対し、放射温度計の値に基づいて清澄槽に固定された溶接熱電対の劣化による測定変移を補正しつつ操業を続けたところ、1年半後の清澄槽外表面の白金の最大揮発量は0.7mmであった。これにより、2年を超えて操業を続けても安定にフラットパネルディスプレイ用ガラス板を製造できることが推定された。
以上のように、本実施形態によれば熔融ガラス中のSO2泡数を低減できるので、攪拌工程における攪拌翼回転によって発生するキャビテーションの核となる泡も低減することができ、結果としてガラス板中の泡数を低減することができる。この効果は、ガラス組成としてBaOやSrOの含有量が少ないガラス板の製造方法において、より顕著となる。
より詳細には、ガラス組成として含有されるMgO、CaO、SrO、BaOは、炭酸塩として原料に添加されることが多く、その分解温度は、MgOが最も低く、CaO、SrO、BaOの順に高くなる。つまり、分解温度が高いほど、CO2を放出しはじめる温度が高い。上記のことからも明らかなように、脱泡処理の後に熔融ガラスMGが降温すると、分解温度が高いものほど高い温度でCO2を吸収しはじめる。例えば、BaOは1300℃近でCO2の吸収がはじまる。
しかし、ガラス組成として比較的高い温度領域でCO2の吸収がはじまるBaOやSrOの含有量が少ないガラス板の製造では、CO2の吸収が、熔融ガラスMGの温度が低下してから、つまり熔融ガラスMGの粘度が高くなってからはじまる。ここで、CO2は熔融ガラスMGの粘度が低い方が、熔融ガラスMG中に速く拡散する。そのため、熔融ガラスMGの粘度が高くなってから(温度が低くなってから)CO2の吸収が始まるガラス板の製造方法では、CO2が泡とし熔融ガラスMG中に残存しやすくなる。
本実施形態のように熔融ガラス中に泡のガス成分として存在するSO2を低減できれば、上述のようにCO2が残存しやすいガラス板の製造であっても、キャビテーションの核となる泡の発生も抑制することができ、結果として最終製品としてのガラス板中の泡数を低減することができる。以上のことから、本実施形態は、BaOの含有量が0〜1.0質量%のガラス板の製造に好適であり、BaOを実質的に含有しないガラス板の製造方法にさらに好適である。また、本実施形態は、SrOの含有量が0〜3.0質量%のガラス板の製造に好適であり、SrOを実質的に含有しないガラス板の製造方法にさらに好適である。
以上、本発明のガラス板の製造方法について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更をしてもよいのはもちろんである。
200 熔解装置
201 熔解槽
202 清澄槽(清澄槽本体)
202a,202b,202c 金属製フランジ
203 攪拌槽
203a スターラ
204,205,206 ガラス供給管
300 成形装置
310 成形体
312 供給溝
313 下方端部
320 雰囲気仕切り部材
330 冷却ローラ
335 冷却ユニット
350a〜350d 搬送ローラ
340 成形炉
350 徐冷炉
400 切断装置

Claims (15)

  1. ガラス原料を熔解して熔融ガラスとする熔解工程と、白金または白金合金製の清澄槽内で前記熔融ガラス中に含まれる気泡成分を除去する清澄工程と、前記清澄工程後の前記熔融ガラスを板状ガラスに成形する成形工程と、を含むガラス板の製造方法であって、
    前記熔解工程では、清澄剤として少なくともSnO2が添加されたガラス原料が用いられて熔解され、
    前記清澄工程は、
    基準温度測定手段の測定結果に基づいて、前記清澄槽外表面に固定された白金または白金合金製の温度測定手段の測定変移を補正し、前記清澄工程における温度管理を行い、
    前記熔融ガラスの温度を1620℃以上に昇温させることにより前記熔融ガラス中に泡を生成させて脱泡を行う脱泡処理工程と、
    前記脱泡処理工程の後、前記熔融ガラスを降温させることにより、前記熔融ガラス中の泡を前記熔融ガラスに吸収させる吸収処理工程とを含むことを特徴とするガラス板の製造方法。
  2. 前記清澄工程では、前記温度測定手段の熱起電力の変化量を補正する、請求項1記載のガラス板の製造方法。
  3. 前記清澄工程では、2℃/分以上の昇温速度で熔融ガラスの温度を1620℃以上に昇温させる、請求項1または2に記載のガラス体の製造方法。
  4. 前記ガラス板は、LiO2、NaO2、及びKO2の合計含有量が、0〜2質量%であるガラス組成を有する、請求項1〜3の何れか1項に記載のガラス板の製造方法。
  5. 前記ガラス板は、102.5dPa・sに相当する熔融温度が1500〜1750℃の範囲内にあるガラス組成を有する、請求項1〜4の何れか1項に記載のガラス板の製造方法。
  6. 前記清澄工程では、ガラス供給管内において熔融ガラスの温度が1500℃〜1690℃の範囲内であって熔融ガラスの粘度が500〜2000dPa・sの範囲内になるまで加熱されつつ清澄槽へ送り込まれるとともに、該清澄槽内においてはさらに熔融ガラスの温度が1620℃〜1750℃の範囲内であって熔融ガラスの粘度が200〜800dPa・sの範囲内になるまで加熱されつつ前記清澄槽内の上方に位置する雰囲気空間への脱泡が行われることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載のガラス板の製造方法。
  7. 前記ガラス供給管内の熔融ガラスにおいてかかる圧力は、前記清澄槽内の熔融ガラスにかかる圧力よりも高いことを特徴とする請求項6に記載のガラス板の製造方法。
  8. 前記圧力の調整は、前記ガラス供給管の熔融ガラスが流れる方向に垂直な断面積を、前記清澄槽本体の熔融ガラスが流れる方向に垂直な断面積に対比して小さく設計することにより行うことを特徴とする請求項7に記載のガラス板の製造方法。
  9. 前記清澄工程における前記熔融ガラスの昇温は、前記熔解工程が行われる熔解槽と前記清澄工程が行われる清澄槽本体との間を接続するガラス供給管に流す電流を制御することにより行われる、請求項1〜8の何れか1項に記載のガラス板の製造方法。
  10. 前記吸収処理工程では、前記熔融ガラスを1600℃から1500℃の範囲で2℃/分以上の降温温度で降温させる、請求項1〜9の何れか1項に記載のガラス板の製造方法。
  11. 前記ガラス板は、
    (a) SiO2:50〜70質量%、
    (b) B23:5〜18質量%、
    (c) Al23:10〜25質量%、
    (d) MgO:0〜10質量%、
    (e) CaO:0〜20質量%、
    (f) SrO:0〜20質量%、
    (g) BaO:0〜10質量%、
    (h) RO:5〜20質量%(ただしRはMg、Ca、SrおよびBaから選ばれる少なくとも1種であり、ROは、MgO、CaO、SrOおよびBaOのうち含有する成分の合計)、
    (i) R'2O:0〜2.0質量%(ここでR'はLi、NaおよびKから選ばれる少なくとも1種であり、R'2OはLi2O、Na2O及びK2Oのうち含有する成分の合計)、
    (j) SnO2:0.01〜1.5質量%、
    (k) 酸化スズSnO2、酸化鉄Fe23および酸化セリウムCe23の合計含有量が0.05〜1.5質量%、
    を含有する、請求項1〜10の何れか1項に記載のガラス板の製造方法。
  12. 前記ガラス板は、
    (a) SiO2:52〜78質量%、
    (b) B23:3〜15質量%、
    (c) Al23:3〜25質量%、
    ただし、質量比((a)+(c))/(b)≧7.5
    (h)RO:3〜20質量%(ここでRはMg、Ca、SrおよびBaのアルカリ土類金属から選ばれる少なくとも1種であり、ROは、MgO、CaO、SrOおよびBaOのうち含有する成分の合計)、
    (j)SnO2:0.01〜1.5質量%。
    (h) RO:3〜20質量%(ただしRはMg、Ca、SrおよびBaから選ばれる少なくとも1種であり、ROは、MgO、CaO、SrOおよびBaOのうち含有する成分の合計)、
    (j)SnO2:0.01〜1.5質量%。
    歪点が670℃以上の請求項1〜10の何れか1項に記載のガラス板の製造方法。
  13. 前記清澄工程と前記成形工程との間に、熔融ガラスの成分を均質に攪拌する攪拌工程を含み、
    前記熔解工程では、前記熔融ガラスの熔解開始時の温度に比べて高い温度で前記熔融ガラスが前記清澄工程に供給され、
    前記清澄工程では、前記吸収処理後の温度に比べて低い温度で前記熔融ガラスが前記攪拌工程に供給され、
    前記成形工程では、前記熔融ガラスの粘度轗(dPa・s)に関してlog轗=4.3〜5.7となる温度で前記熔融ガラスが供給されて、オーバーフローダウンドロー法により板状ガラスに成形される、請求項1〜12の何れか1項に記載のガラス板の製造方法。
  14. 熔融ガラス中に含まれる気泡成分の除去を行う白金または白金合金からなる清澄槽と、
    前記清澄槽の外表面に固定された白金または白金合金製の温度測定手段と、を有し、
    前記清澄槽の温度管理は、基準温度測定手段の測定結果に基づいて前記温度測定手段の測定変移を補正して行われることを特徴とする、ガラス板製造装置。
  15. 前記清澄槽は、前記清澄槽に直接通電することで加熱され、
    前記清澄槽の温度管理は、前記基準温度測定手段の測定結果に基づいて前記温度測定手段の熱起電力の変化量を補正し、前記直接通電の電流量を制御する、請求項14に記載のガラス板製造装置。
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