JPWO2015099157A1 - ガラス基板の製造方法およびガラス基板製造装置 - Google Patents

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Abstract

熔融ガラスの流量が多い場合でも熔融ガラスの流量を制御することができるガラス基板の製造方法およびガラス基板製造装置を提供する。熔融ガラスを処理する際に、前記処理装置内の熔融ガラスの温度が前記処理をするのに適した範囲になるように、前記処理装置に通電をすることにより前記処理装置を加熱し、前記処理装置内の前記熔融ガラスの流量を、前記通電をする際の電力量により制御し、前記電力量が前記熔融ガラスの流量制御ができる電力量以上となり、かつ、前記熔融ガラスの温度が前記熔融ガラスの流量制御ができる温度範囲となるように、前記処理装置から外部への放熱量を調節する。

Description

本発明は、ガラス基板の製造方法およびガラス基板製造装置に関する。
ガラス基板は、一般的に、ガラス原料から熔融ガラスを生成させた後、熔融ガラスをガラス基板へと成形する工程を経て製造される。上記の工程中には、熔融ガラスが内包する微小な気泡を除去する工程(以下、清澄ともいう)が含まれる。清澄は、清澄管の本体を加熱しながら、この清澄管本体に清澄剤を配合させた熔融ガラスを通過させ、清澄剤の酸化還元反応により熔融ガラス中の泡が取り除かれることで行われる。より具体的には、粗熔解した熔融ガラスの温度をさらに上げて清澄剤を機能させ泡を浮上脱泡させた後、温度を下げることにより、脱泡しきれずに残った比較的小さな泡は熔融ガラスに吸収させるようにしている。すなわち、清澄は、泡を浮上脱泡させる処理(以下、脱泡処理または脱泡工程ともいう)および小泡を熔融ガラスへ吸収させる処理(以下、吸収処理または吸収工程ともいう)を含む。
清澄処理において熔融ガラスを加熱するために清澄管を加熱する技術として、例えば、上記の清澄管に1対のフランジ状の電極を設け、この電極対に電圧を印加することにより、清澄管を通電加熱する技術が知られている(特許文献1)。
特表2011−513173号公報
上記装置では、清澄管への通電量により、清澄管内の熔融ガラスに加える熱量を調整することができる。このため、清澄管を通過する熔融ガラスの流量が増加しても、流量に応じて通電量を増加させることで熔融ガラスの温度を脱泡処理に必要な温度まで上昇させることができる。
清澄管を通過する熔融ガラスの流量を決定するひとつの要因として熔融ガラスの粘度がある。熔融ガラスの粘度は熔融ガラスの温度によって定まり、熔融ガラスの温度は清澄管への通電量により制御されている。このため、清澄管出口への通電量により熔融ガラスの流量を制御することができる。
しかし、清澄管の低温領域の温度を上昇させ、その後の工程における加熱量を低減させると、清澄管出口への通電量が小さくなり、熔融ガラスの流量を制御することができなくなる。また、熔融ガラスの流量が多いと、例えば清澄管出口の通電量をゼロにしても熔融ガラスの温度を低下させることができなくなり、熔融ガラスの流量を制御することができなくなる。熔融ガラスの流量を制御することができなくなると、清澄管よりも下流の処理装置において熔融ガラスが溢れ出てしまうという問題が発生することが懸念される。また、熔融ガラスの温度を吸収処理に必要な温度まで低下させることが困難になるため、結果的に窒素や酸化硫黄に由来するリボイル泡が増加してしまうという問題がある。
上記の問題を回避するためには、清澄管内において熔融ガラスの温度を低下させる必要があるが、清澄管への通電量を低下させることで熔融ガラス温度を低下させると、低温領域で白金族金属の凝集が生じるおそれがある。また、上述した脱泡処理に必要な温度まで熔融ガラス温度を上昇させることが困難となり、十分な清澄効果を得ることができなくなる。
本発明は、熔融ガラスの流量が多い場合でも、清澄効果と熔融ガラスの流量制御とを両立することができるガラス基板の製造方法およびガラス基板製造装置を提供することを目的とする。
本発明は、以下の形態を有する。
(形態1)
熔融ガラスを処理する処理装置を用いるガラス基板の製造方法であって、
熔融ガラスを処理する際に、
前記処理装置内の熔融ガラスの温度が前記処理をするのに適した範囲になるように、前記処理装置に通電をすることにより前記処理装置を加熱し、
前記処理装置内の前記熔融ガラスの流量を、前記通電をする際の電力量により制御し、
前記電力量が前記熔融ガラスの流量制御ができる電力量以上となり、かつ、前記熔融ガラスの温度が前記熔融ガラスの流量制御ができる温度範囲となるように、前記処理装置から外部への放熱量を調節する、ガラス基板の製造方法。
(形態2)
熔融ガラスを処理する処理装置を用いるガラス基板の製造方法であって、
熔融ガラスを処理する際に、
前記処理装置内の熔融ガラスの温度が前記処理をするのに適した範囲になるように、前記処理装置に通電をすることにより前記処理装置を加熱し、
前記処理装置内の前記熔融ガラスの流量を、前記通電をする際の電流量により制御し、
前記熔融ガラスの流量制御ができる電流量以上となるように、前記処理装置から外部への放熱量を調節する、ガラス基板の製造方法。
ここで、熔融ガラスの流量とは、単位時間当たりの熔融ガラスの移動量(体積又は質量)を示す。
ここで、処理装置には、熔解槽、清澄装置、攪拌槽や成形装置、および、これらの装置管で熔融ガラスを移送する移送管、これらの装置にガラスを供給する供給管を含む。処理装置における処理には、ガラスの熔解処理、熔融ガラスの清澄処理、攪拌処理、成形処理、および、熔融ガラスの移送処理、供給処理が含まれる。
(形態3)
前記処理装置は内壁と熔融ガラス液面とから形成される気相空間を有し、前記内壁の少なくとも前記気相空間と接する部分は白金族金属を含む材料で構成され、
前記処理装置には、熔融ガラスを処理する際に高温領域と、高温領域よりも温度の低い低温領域が形成され、
前記高温領域と前記低温領域の温度差が200℃以下となるように前記放熱量を調整する、形態1又は2に記載のガラス基板の製造方法。
白金族金属とは、単一の白金族元素からなる金属、および、白金族元素からなる金属の合金を意味する。白金族元素は、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、ロジウム(Rh)、ルテニウム(Ru)、オスミウム(Os)およびイリジウム(Ir)の6元素である。
例えば、高温領域は、処理装置の温度が1600℃以上の温度範囲にある領域であり、低温領域は、処理装置の温度が1600℃未満の温度範囲にある領域であってもよい。又は、高温領域は、処理装置の温度が1620℃以上の温度範囲にある領域であり、低温領域は、処理装置の温度が1590℃以下の温度範囲にある領域であってもよい。
あるいは、処理装置に設けられた電極が設けられる領域である電極領域及び排気管が設けられた領域が低温領域であり、低温領域以外の領域又は電極と排気管の間の領域が高温領域であってもよい。
高温領域の最高温度が1600〜1750℃となり、かつ、低温領域の最低温度が1300〜1600℃となるように、放熱量を調節することが好ましい。高温領域と低温領域との温度差を低減することで、高温領域で揮発した白金族金属が低温領域で凝集する量を低下することができる。なお、上記白金族金属等の揮発物の凝集物に由来する異物の熔融ガラスへの混入の問題は、近年の高精細化に伴い、益々品質要求が厳しくなっている液晶ディスプレイに代表されるディスプレイ用ガラス基板ではより大きくなる。そのため、上記形態はディスプレイ用ガラス基板の製造方法により好適である。
(形態4)
前記処理装置は断熱材により覆われ、
前記断熱材により前記処理装置から外部空間への熱抵抗を調整することで、前記放熱量を制御する、形態1〜3のいずれか1つに記載のガラス基板の製造方法。
(形態5)
前記断熱材の熱伝導率および配置を調整することで、前記熱抵抗を調整する、形態4に記載のガラス基板の製造方法。
(形態6)
前記処理装置は、熔融ガラスを清澄させる清澄装置であり。
前記清澄装置を、前記清澄装置内の熔融ガラスの最高温度が、前記熔融ガラスに含まれる酸化錫の還元反応が生じる温度以上となるように、前記清澄装置に通電をすることにより加熱し、前記清澄装置内の前記熔融ガラスの流量を、前記通電をする際の電力量により制御し、前記電力量が前記熔融ガラスの流量制御ができる電力量以上となるように、前記清澄装置から外部への放熱量を調節する、形態1〜5のいずれか1つに記載のガラス基板の製造方法。
処理装置内の熔融ガラスの最高温度は1630℃〜1720℃であることが好ましい。最高温度が1630℃以上であることで、熔融ガラス内の清澄剤が清澄効果を発揮することができる一方、1720℃以下であることで高温領域と低温領域との温度差を低減することができ、気泡の低減と白金族金属の揮発量の低減とを両立することができる。
清澄剤として、酸化錫を用いることが好ましい。熔融ガラス中の酸化錫の含有量は、0.01〜0.3モル%であることが好ましい。酸化錫の含有量が少なすぎると、気泡の低減を十分に行うことができない。一方、酸化錫の含有量が多すぎると、酸化錫の熔融ガラスからの揮発量が増加し、揮発した酸化錫の凝集物が熔融ガラスに混入するという問題が生ずる。また、酸化錫の含有量が多すぎると、熔融ガラスから放出される酸素が増加しすぎてしまい、気相空間の酸素濃度が上昇することで、処理装置からの白金族金属の揮発量が増加してしまうという問題が生ずる。酸化錫の含有量を0.01〜0.3モル%とすることで、気泡を十分に低減しながら酸化錫又は白金族金属の凝集物が熔融ガラスに混入することを低減することができる。また、気泡を十分に低減しながら処理装置からの白金族金属の揮発量を低減することができる。
(形態7)
前記清澄装置は、熔融ガラス中の気泡が排出される気相空間を有する清澄管と、前記清澄管内へ供給される熔融ガラスが移送される第1の移送管と、前記清澄管から排出される熔融ガラスが移送される第2の移送管と、を有し、
前記第1の移送管、前記清澄管および前記第2の移送管において、清澄剤の還元反応により熔融ガラスの脱泡処理、および、清澄剤の酸化反応により熔融ガラス中の気泡を吸収する吸収処理を行い、
前記第1の移送管に通電する電力量、前記清澄管および前記第2の移送管のうち前記脱泡処理を行う領域に通電する電力量、および、前記清澄管および前記第2の移送管のうち前記吸収処理を行う領域に通電する電力量の比は、1:0.6〜1:0.1〜0.4である、形態6に記載のガラス基板の製造方法。
(形態8)
前記清澄装置は、熔融ガラス中の気泡が排出される気相空間を有する清澄管と、前記清澄管内へ供給される熔融ガラスが移送される第1の移送管と、前記清澄管から排出される熔融ガラスが移送される第2の移送管と、を有し、
前記清澄管の一部の領域において、清澄剤の還元反応により熔融ガラスの脱泡処理を行い、
前記清澄管の他の領域および前記第2の移送管において、清澄剤の酸化反応により熔融ガラス中の気泡を吸収する吸収処理を行い、
前記第1の移送管に通電する電力量、前記清澄管の一部の領域に通電する電力量、および、前記清澄管の他の領域に通電する電力量の比は、1:0.6〜1:0.1〜0.4である、形態6に記載のガラス基板の製造方法。
(形態9)
前記処理装置は、熔融ガラス中の気泡が排出される気相空間を有する清澄管と、前記清澄管内へ供給される熔融ガラスが移送される第1の移送管と、前記清澄管から排出される熔融ガラスが移送される第2の移送管と、を有し、
前記清澄管において、清澄剤の還元反応により熔融ガラスの脱泡処理を行い、
前記第2の移送管において、清澄剤の酸化反応により熔融ガラス中の気泡を吸収する吸収処理を行い、
前記第1の移送管に通電する電力量、前記清澄管に通電する電力量、および、前記第2の移送管に通電する電力量の比は、1:0.6〜1:0.1〜0.4である、形態6に記載のガラス基板の製造方法。
形態7〜9において、脱泡処理を行う領域は、温度が1620℃以上となる領域を指す。脱泡処理を行う領域における熔融ガラスの最高温度は1630℃〜1720℃であることが好ましく、1640℃〜1720℃であることがより好ましい。脱泡処理を行う領域における処理装置の最高温度は1630℃〜1750℃であることが好ましく、1640℃〜1750℃であることがより好ましい。この温度範囲とすることで、清澄剤の還元反応による気泡の除去を十分に行いながら、白金族金属の揮発を低減することができる。
形態7〜9において、吸収処理を行う領域は、温度が1620℃未満となる領域を指す。吸収処理を行う領域における熔融ガラスの温度は、1450℃〜1620℃であることが好ましい。この温度範囲とすることで、清澄剤の酸化反応による気泡の吸収を効果的に行うことができる。
形態7〜9において、気相空間中の酸素濃度は、0〜10%であることが好ましい。酸素濃度を小さくすることで、白金族金属の揮発量を低減することができる。
前記気相空間中の白金族金属の蒸気圧は0.1Pa〜15Paであることが好ましい。白金族金属の蒸気圧がこの範囲であると、還元された白金族金属が内壁面に付着するのを抑制することができる。
(形態10)
熔融ガラスを処理する処理装置と、
熔融ガラスを処理する際に、前記処理装置内の熔融ガラスの温度が前記処理をするのに適した範囲になるように、前記処理装置に通電をすることで加熱する通電装置と、
前記処理装置内の前記熔融ガラスの流量を、前記通電をする際の電力量により制御する制御装置と、を備え、
前記電力量が前記熔融ガラスの流量制御ができる電力量以上となり、かつ、前記熔融ガラスの温度が前記熔融ガラスの流量制御ができる温度範囲となるように、前記処理装置から外部への放熱量が調節されている、ガラス基板製造装置。
(形態11)
熔融ガラスを処理する処理装置と、
熔融ガラスを処理する際に、前記処理装置内の熔融ガラスの温度が前記処理をするのに適した範囲になるように、前記処理装置に通電をすることで加熱する通電装置と、
前記処理装置内の前記熔融ガラスの流量を、前記通電をする際の電流量により制御する制御装置と、を備え、
前記熔融ガラスの流量制御ができる電流量以上となるように、前記処理装置から外部への放熱量が調節されている、ガラス基板製造装置。
(形態12)
前記処理装置は内壁と熔融ガラス液面とから形成される気相空間を有し、前記内壁の少なくとも前記気相空間と接する部分は白金族金属を含む材料で構成され、前記白金族金属の揮発物の凝集により生成される凝集物は、例えば、最大長さの最小長さに対する比であるアスペクト比が100以上である、形態1〜11のいずれか1項に記載のガラス基板の製造方法又はガラス基板製造装置。また、例えば、白金族金属の凝集物の最大長さは50μm〜300μm、最小長さは0.5μm〜2μmである。ここで、白金族金属の凝集物の最大長さとは、白金族金属の凝集物を撮影して得られる異物の像に外接する外接長方形のうち最大長辺の長さをいい、最小長さとは、前記外接長方形の最小短辺の長さをいう。
あるいは、前記白金族金属の揮発物の凝集により生成される凝集物は、最大長さの最小長さに対する比であるアスペクト比が100以上であり、白金族金属の凝集物の最大長さが100μm以上、好ましくは100μm〜300μmであるものを示してもよい。
(形態13)
前記ガラス基板は、ディスプレイ用ガラス基板である、形態1〜12のいずれか1項に記載のガラス基板の製造方法又はガラス基板製造装置。また、酸化物半導体ディスプレイ用ガラス基板又はLTPSディスプレイ用ガラス基板に好適である。
本発明によれば、熔融ガラスの流量が多い場合でも清澄効果と熔融ガラスの流量制御とを実現することができる。
本実施形態のガラス基板の製造方法の工程の一例を示す図である。 図1に示す熔解工程〜切断工程を行う装置の一例を模式的に示す図である。 清澄管120の構成を示す概略図である。 清澄管120の断面図である。
以下、本発明のガラス基板の製造方法及びガラス基板製造装置について説明する。
図1は、本実施形態のガラス基板の製造方法の工程の一例を示す図である。
(ガラス基板の製造方法の全体概要)
ガラス基板の製造方法は、熔解工程(ST1)と、清澄工程(ST2)と、均質化工程(ST3)と、供給工程(ST4)と、成形工程(ST5)と、徐冷工程(ST6)と、切断工程(ST7)と、を主に有する。この他に、研削工程、研磨工程、洗浄工程、検査工程、梱包工程等を有し、梱包工程で積層された複数のガラス基板は、納入先の業者に搬送される。
熔解工程(ST1)は熔解槽で行われる。熔解槽では、ガラス原料を、熔解槽に蓄えられた熔融ガラスの液面に投入し、加熱することにより熔融ガラスを作る。さらに、熔解槽の内側側壁の1つの底部に設けられた流出口から下流工程に向けて熔融ガラスを流す。
熔解槽の熔融ガラスの加熱は、熔融ガラス自身に電気が流れて自ら発熱し加熱する方法である通電加熱に加えて、バーナーによる火焔を補助的に与えてガラス原料を熔解することもできる。なお、熔融ガラスは、清澄剤を含有する。清澄剤として、酸化錫、亜ヒ酸、アンチモン等が知られているが、特に制限されない。しかし、環境負荷低減の点から、清澄剤として酸化錫を用いることが好ましい。酸化錫の含有量は、0.01〜0.3モル%であることが好ましく、0.03〜0.2モル%であることがより好ましい。酸化錫の含有量が少なすぎると、気泡の低減を十分に行うことができない。一方、酸化錫の含有量が多すぎると、酸化錫の熔融ガラスからの揮発量が増加し、揮発した酸化錫の凝集物が熔融ガラスに混入するという問題が生ずる。また、酸化錫の含有量が多すぎると、熔融ガラスから放出される酸素が増加しすぎてしまい、処理装置からの白金族金属の揮発量が増加してしまうという問題が生ずる。酸化錫の含有量を0.01〜0.3モル%とすることで、気泡を十分に低減しながら酸化錫の凝集物が熔融ガラスに混入することを低減することができる。また、気泡を十分に低減しながら処理装置からの白金族金属の揮発量を低減することができる。
酸化錫は、一般的に用いられていた亜ヒ酸に比べて清澄機能は低いが、環境負荷が低い点で清澄剤として好適に用いることができる。しかし、酸化錫は、清澄機能が亜ヒ酸に比べて低いので、酸化錫を用いた場合、熔融ガラスMGの清澄工程時の熔融ガラスMGの温度を従来よりも高くしなければならない。また、熔融ガラスの最高温度が高くなるため、白金族金属の凝集を抑えるために、処理装置の低温領域の温度を上昇させると、熔融ガラスの熔融ガラスの温度が高くなりすぎ、電流による流量の制御がしにくくなるという問題がある。そのため、後述する清澄管からの白金族金属の揮発量が増加し、結果的に白金族金属がガラス基板に異物として混入するという問題が顕著となる。
清澄工程(ST2)は、少なくとも清澄管において行われる。清澄工程は、脱泡処理と、吸収処理とを含む。
脱泡処理では、熔融ガラスが昇温されることにより、熔融ガラス中に含まれる酸素、CO2あるいはSO2を含んだ泡が、清澄剤の還元反応により生じた酸素を吸収して体積が増大し、熔融ガラスの液面に浮上して放出される。脱泡処理は、例えば、熔融ガラスの温度が1620℃以上となる処理装置の領域で行われる。熔融ガラスの温度が1620℃以上となる処理装置の領域を「脱泡処理を行う領域」とする。脱泡処理を行う領域の温度は、1620℃〜1750℃であることが好ましい。
脱泡処理を行う領域における熔融ガラスの最高温度は1630℃〜1720℃であることが好ましく、1640℃〜1720℃であることがより好ましい。脱泡処理を行う領域における処理装置の最高温度は1630℃〜1750℃であることが好ましく、1640℃〜1750℃であることがより好ましい。この温度範囲とすることで、清澄剤の還元反応による気泡の除去を十分に行いながら、白金族金属の揮発を低減することができる。
吸収処理では、熔融ガラスの温度を低下させることにより、清澄剤の還元反応により得られた還元物質が酸化反応をする。これにより、熔融ガラスに残存する泡中の酸素等のガス成分が熔融ガラス中に再吸収されて、泡が消滅する。吸収処理は、処理装置の脱泡処理を行う領域よりも下流側であって、熔融ガラスの温度が1620℃未満となる領域で行われる。この熔融ガラスの温度が1620℃未満となる処理装置の領域を「吸収処理を行う領域」とする。吸収処理を行う領域の温度は、1450℃以上1620℃未満であることが好ましい。
吸収処理を行う領域における熔融ガラスの温度は、1450℃〜1620℃であることが好ましい。この温度範囲とすることで、清澄剤の酸化反応による気泡の吸収を効果的に行うことができる。
清澄剤による酸化反応及び還元反応は、熔融ガラスの温度を制御することにより行われる。本実施形態の清澄工程では、酸化錫を清澄剤として用いる清澄方法について説明する。
なお、清澄工程は、減圧雰囲気の空間を清澄管につくり、熔融ガラスに存在する泡を減圧雰囲気で成長させて脱泡させる減圧脱泡方式を用いることもできる。この場合、清澄剤を用いない点で有効である。しかし、減圧脱泡方式は装置が複雑化及び大型化するため、清澄剤を用い、熔融ガラス温度を上昇させる清澄方法を採用することが好ましい。
均質化工程(ST3)では、清澄管から延びる配管を通って供給された攪拌槽内の熔融ガラスを、スターラを用いて攪拌することにより、ガラス成分の均質化を行う。これにより、脈理等の原因であるガラスの組成ムラを低減することができる。
供給工程(ST4)では、攪拌槽から延びる配管を通して熔融ガラスが成形装置に供給される。
成形工程(ST5)及び徐冷工程(ST6)は、成形装置で行われる。
成形工程(ST5)では、熔融ガラスをシートガラスに成形し、シートガラスの流れを作る。成形には、オーバーフローダウンドロー法が用いられる。
徐冷工程(ST6)では、成形されて流れるシートガラスが所望の厚さになり、内部歪が生じないように、さらに、反りが生じないように冷却される。
切断工程(ST7)では、切断装置において、成形装置から供給されたシートガラスを所定の長さに切断することで、板状のガラス基板を得る。切断されたガラス基板はさらに、所定のサイズに切断され、目標サイズのガラス基板が作られる。
図2は、本実施形態における熔解工程(ST1)〜切断工程(ST7)を行う装置の一例を模式的に示す図である。当該装置は、図2に示すように、主に熔解装置100と、成形装置200と、を有する。熔解装置100は、熔解槽101と、清澄管120と、攪拌槽103と、第1の移送管104と、第2の移送管105と、ガラス供給管106と、を有する。
図2に示す熔解槽101には、図示されないバーナー等の加熱手段が設けられている。熔解槽には清澄剤が添加されたガラス原料が投入され、熔解工程が行われる。熔解槽101で熔融した熔融ガラスは、移送管104を介して清澄管120に供給される。
清澄管120では、熔融ガラスMGの温度を調整して、清澄剤の酸化還元反応を利用して熔融ガラスの清澄工程が行われる。清澄後の熔融ガラスは、移送管105を介して攪拌槽に供給される。なお、清澄工程のうち、脱泡処理は、移送管104において行われてもよい。すなわち、移送管104が「脱泡処理を行う領域」を有していてもよい。また、清澄工程のうち、吸収処理は、移送管105において行われてもよい。すなわち、移送管105が「吸収処理を行う領域」を有していてもよい。
清澄管120には、電極121a、121bが設けられており、電極121a、121bの間に電圧が印加されることにより、電極121a、121bの間の清澄管120に電流が流れて、清澄管120が通電加熱される。また、第1の移送管104および第2の移送管105の両端部には、図示しない電極が設けられており、電極間に電圧が印加されることにより、第1の移送管104および第2の移送管105に電流が流れて、第1の移送管104および第2の移送管105が通電加熱される。電極121a、121bは、過熱による破損を防止する観点からフランジ形状であることが好ましい。本実施形態の清澄管120の場合、フランジ形状を有する電極121a、121bは、高い放熱機能を有するので、電極121a、121b近傍の壁は、その壁の周辺の部分に比べて低温になる。さらに、電極121a、121bは、例えば、過熱による破損を抑制するために、液体又は気体により冷却されている。このため、気相空間と接する清澄管120の壁の温度は、熔融ガラスの流れ方向に沿って必然的に温度プロファイルを持つ。言い換えると、本実施形態の清澄管120の場合、清澄管120の温度が一定になることはなく、不可避的に温度差が生じる。
第1の移送管104に通電する電力量、清澄管120のうち脱泡処理を行う領域に通電する電力量、清澄管120および第2の移送管105のうち吸収処理を行う領域に通電する電力量の比は、1:0.6〜1:0.1〜0.4であることが好ましく、1:0.7〜1:0.15〜0.4であることが好ましい。
また、清澄管120の一部の領域において脱泡処理が行われ、清澄管120の他の領域および第2の移送管105において吸収処理が行われる場合、第1の移送管104に通電する電力量、清澄管120の脱泡処理が行われる領域に通電する電力量、および、清澄管120の吸収処理が行われる領域に通電する電力量の比は、1:0.6〜1:0.1〜0.4であることが好ましく、1:0.7〜1:0.15〜0.4であることが好ましい。
また、清澄管120にて脱泡処理が行われ、第2の移送管105においてのみ吸収処理が行われる場合、第1の移送管104に通電する電力量、清澄管120に通電する電力量、および、第2の移送管105に通電する電力量の比は、1:0.6〜1:0.1〜0.4であることが好ましく、1:0.7〜1:0.15〜0.4であることが好ましい。
攪拌槽103では、スターラ103aによって熔融ガラスが攪拌されて均質化される。攪拌槽103で均質化された熔融ガラスは、ガラス供給管106を介して成形装置200に供給される。
成形装置200では、オーバーフローダウンドロー法により、熔融ガラスからシートガラスが成形される。
(清澄管の構成)
次に、図3を参照して、清澄管120の構成について説明する。図3は、実施の形態の清澄管120の構成を示す概略図である。
図3に示すように、清澄管120の長さ方向の両端の外周面には、電極121a、121bが設けられており、清澄管120の気相空間と接する壁には、排気管127が設けられている。なお、清澄管120は、白金、強化白金又は白金合金製であることが好ましい。
なお、本明細書において、「白金族金属」は、白金族元素からなる金属を意味し、単一の白金族元素からなる金属のみならず白金族元素の合金を含む用語として使用する。ここで、白金族元素とは、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、ロジウム(Rh)、ルテニウム(Ru)、オスミウム(Os)、イリジウム(Ir)の6元素を指す。白金族金属は高価ではあるが、融点が高く、熔融ガラスに対する耐食性にも優れている。
なお、本実施例では、清澄管120が白金族金属から構成されている場合を具体例として説明するが、清澄管120の一部が、耐火物や他の金属などから構成されていてもよい。
電極121a、121bは、電源装置122に接続されている。電極121a、121bの間に電圧が印加されることにより、電極121a、121bの間の清澄管120に電流が流れて、清澄管120が通電加熱される。この通電加熱により、清澄管120の最高温度が例えば、1600℃〜1750℃、より好ましくは1630℃〜1750℃となるように加熱され、ガラス供給管104から供給された熔融ガラスの最高温度は、脱泡処理に適した温度、例えば、1630℃〜1720℃に加熱される。
また、通電加熱によって熔融ガラスの温度を制御することで、清澄管120内の熔融ガラスの粘度を調節し、これにより清澄管120を通過する熔融ガラスの流速を調節することができる。熔融ガラスの流速を調節するために、清澄管120に通電する目標電力量は5kW以上とすることがより好ましく、10kW以上とすることが好ましい。特に、清澄管120の出口に通電する目標電力量を、5kW以上とすることが好ましく、8kW以上とすることがより好ましい。電力量を上記範囲とすることで、熔融ガラスの流量を電力量にて調整することができる。
また、電極121a、121bには、図示しない温度計測装置(熱電対等)が設けられていてもよい。温度計測装置は電極121a、121bの温度を計測し、計測した結果を、制御装置123に出力する。
制御装置123は、CPU、メモリ等を含むコンピュータである。制御装置123は電源装置122が清澄管120に通電させる電流量及び電力量を制御する。これにより、制御装置123は、清澄管120内の熔融ガラスの温度および流速を調節することができる。
清澄管120の気相空間と接する壁には、排気管127が設けられている。排気管127は、清澄管120の本体外壁面から外側に向かって煙突状に突出する形状であってもよい。排気管127は、清澄管120の内部空間の一部である気相空間120aと、清澄管120の外部空間とを連通している。
図4は清澄管120の本体の長手方向および排気管127の長手方向における清澄管120の断面図である。清澄管120の本体の外壁面、電極121a、121bの外壁面および排気管127の外壁面には、断熱材140が設けられている。
断熱材140は、清澄管120が変形しないように支持するとともに、清澄管120を保温する役割を果たす。断熱材140には、優れた耐火性を有し、かつ、強度(剛性)が充分に高い部材を用いることができる。
清澄管120からの放熱量を精度よく制御するために、断熱材140として、熱伝導率の異なる材料を用いることが好ましい。例えば、熱伝導率がより高い第1の断熱材と、熱伝導率がより低い第2の断熱材を用い、清澄管120の放熱を促進する領域に第1の断熱材を配置し、その他の領域に第2の断熱材を用いることで、清澄管120の各領域からの放熱量を調整することができる。
第1の断熱材は、清澄管120の全領域と当接するように設ける必要はない。少なくとも高温領域と当接する箇所、および、低温領域と当接する箇所に伝熱媒体130を選択的に設けるとともに、両者を接続するように伝熱媒体130を設けることが好ましい。
第1の断熱材の熱伝導率は、第2の断熱材の熱伝導率の2倍以上であることが好ましく、5倍以上であることがより好ましい。
第1の断熱材には、1000℃における熱伝導率が2〜40W/m・Kである材料を用いることが好ましい。具体的には、第1の断熱材として、アルミナ電鋳耐火物、マグネシア質耐火物、炭化ケイ素耐火物等を用いることができる。
第2の断熱材には、1000℃における熱伝導率が0.1〜1W/m・Kである材料を用いることが好ましい。具体的には、第2の断熱材として、多孔質レンガ、セラミックファイバー等を用いることができる。
清澄管120から外部への放熱量は、制御装置123が目標電流量以上又は目標電力量以上となるように電流を清澄管120に通電しながら熔融ガラスの温度および流量を制御することができるように調節されている。この放熱量は、清澄管120を通過する熔融ガラスの流量が最大となるときに必要な放熱量である。放熱量は、清澄管120から外部空間への熱抵抗を調整することで、制御することができる。例えば、断熱材140として用いる第1の断熱材および第2の断熱材の熱伝導率や配置を調整することで、熱抵抗を調整することができる。
清澄管120から外部空間への熱抵抗を低下させることで、断熱材140を介して清澄管120から外部空間への熱伝導が促進される。これにより、清澄管へ通電する電力量が、熔融ガラスの流量制御ができる電力量以上となり、清澄管120を通過する熔融ガラスの流量が多い場合でも、電力量により熔融ガラスの流量制御をすることができる。
なお、清澄管120の高温領域と低温領域との温度差は、白金族金属の揮発の抑制と清澄効果とを両立する観点から、50℃以上200℃以下であることが好ましく、70℃以上150℃以下であることがより好ましい。ここで、高温領域とは、他の領域よりも温度が高い領域を示す。清澄管120の場合、例えば、高温領域は、清澄管120の温度が1600℃以上の温度範囲にある領域、あるいは、1620℃以上の温度範囲にある領域であってもよい。また、例えば、高温領域は清澄管120が熔融ガラスを処理する際に最高温度となる領域を含んでもよい。低温領域とは、他の領域よりも温度が低い領域を示し、具体的には、高温領域よりも温度が低い領域を示す。清澄管120の場合、低温領域とは、清澄管120の温度が1600℃未満の温度範囲にある領域、あるいは1590℃以下の温度範囲にある領域であってもよい。また、例えば、低温領域は清澄管120が熔融ガラスを処理する際に最低温度となる領域を含んでもよい。例えば、清澄管120の電極121a、121bとの接続部分、および、排気管127との接続部分は、電極121a、121bおよび排気管127から外部への放熱が行われるため、清澄管120の他の領域と比較して低温となりやすい。すなわち、清澄管の電極121a、121bとの接続部分、および、排気管127との接続部分の領域は、低温領域となり、電極121a、121bと排気管127の間の領域は、高温領域となる。
高温領域と低温領域との温度差を上記範囲とするために、低温領域の最低温度は1300℃以上1600℃以下であることが好ましく、1400℃以上1600℃以下であることがより好ましく、1500℃以上1600℃以下であることがさらに好ましい。また、高温領域の最高温度は1600℃以上1750℃以下であることが好ましく、1600℃以上1720℃以下であることがより好ましく、1610℃以上1700℃以下であることがさらに好ましい。
ところで、白金族金属が内壁面に用いられた処理装置を熔融ガラスが通過すると、加熱された内部表面の気相空間(酸素を含む雰囲気)に接する部分において白金族金属が酸化物として揮発する。例えば、白金族金属からなる清澄管120では、気相空間において白金族金属が酸化され揮発する。この揮発は特に清澄管120の高温領域で顕著である。一方、白金族金属の酸化物は、処理装置の局所的に温度が低下した位置(例えば電極の周辺)で還元され、還元された白金族金属が凝集し内壁面に付着(凝集)する。内壁面に付着した白金族金属の凝集物は熔融ガラス中に落下し異物として混入し、ガラス基板の品質の低下を招くおそれがある。特に清澄剤として酸化錫を用いる場合には清澄効果を得るために必要な最高温度が高くなるため、揮発および付着の問題が一層顕著となる。このため、処理装置の局所的に温度が低下する領域(低温領域)の温度を上昇させることで、白金族金属の凝集を防ぐことが考えられる。高温領域と低温領域との温度差が200℃以下、好ましくは150℃以下であると、高温領域で酸化された白金族金属の酸化物が低温領域で還元されることを低減でき、固化した白金族金属の凝集物が熔融ガラスに混入することがほとんどない。
気相空間中の酸素濃度を0%にすれば、白金族金属の揮発を防ぐことができる。このため、白金族金属の揮発を防ぐ観点からは、気相空間中の酸素濃度を0%にすることが好ましい。しかし、気相空間の酸素濃度を常に0%に保つためには清澄剤の含有量を極めて減らすことや、コストがかかるという問題がある。このため、泡低減、低コスト及び白金族金属の揮発の低減を両立するために、気相空間の酸素濃度は、0.01%以上であることが好ましい。気相空間の酸素濃度が小さくなり過ぎると、熔融ガラスと気相空間の酸素濃度差が大きくなることで熔融ガラスから気相空間に放出される酸素が増加し、熔融ガラスが還元され過ぎてしまうことで、結果的に成形後のガラス基板に硫黄酸化物や窒素等の気泡が残存するおそれがある。一方、酸素濃度が大きすぎると、白金族金属の揮発が促進され、揮発した白金族金属の析出量が増大するおそれがある。以上のことから、気相空間中の酸素濃度は、0〜30%であることが好ましく、0.1〜10%であることがより好ましく、0.1〜1%であることがさらにより好ましい。
気相空間中の白金族金属の蒸気圧は0.1Pa〜15Paであることが好ましく、3Pa〜10Paであることがより好ましい。白金族金属の蒸気圧がこの範囲であると、還元された白金族金属の凝集物が内壁面に付着するのを抑制することができる。
一方、低温領域の温度を上昇させると、低温領域で冷却されていた熔融ガラスが冷却されなくなることにより、目標とする温度よりも高温の熔融ガラスが下流に流出することとなる。下流に流出させる熔融ガラスとして最適な温度は決まっているため、低温領域の温度を上昇させると、その後の工程における加熱量を低減させる必要がある。
清澄管120においては、白金の還元を防止するために、電極121a、121bへの通電量を上昇させて低温領域である電極121a、121bの近傍の温度を上昇させると、熔融ガラスの温度が高くなりすぎてしまい、清澄管120よりも下流側での加熱量が小さくなるために流量の調整ができなくなるという問題が生じる。
本実施形態によれば、高温領域と低温領域との温度差を、断熱材140の熱伝導率や配置、量を調節することにより調整することができる。これにより、電極121a、121bへの通電量を上昇させることで流量の調整ができなくなることを回避することができる。
断熱材140の熱伝導率や配置、量を変えたときの伝熱量は、例えば、有限要素法やメッシュフリー法により作成した3Dモデルを用いた数値流体力学的計算(コンピュータシミュレーション)により算出することができる。例えば、清澄管120、断熱材140、清澄管120内の熔融ガラスおよび気相空間を再現した3Dモデルを作成し、これを有限多数の領域(計算格子)に分割し、境界条件(清澄管12内の熔融ガラスおよび気相空間の温度、外部空間の温度等)および材料特性(熱伝導率等)を規定する。次に、コンピュータによる反復計算を用いて各計算格子における熱量の出入りを解析する。コンピュータシミュレーションを用いることにより、断熱材140の最適な熱伝導率や配置、量を経済的に容易に算出することができる。
なお、本実施形態で抑制しようとしている白金族金属の凝集物は、一方向に細長い線状の形状をなし、最大長さの最小長さに対する比であり、アスペクト比が100以上である。例えば、白金族金属の凝集物の最大長さは50μm〜300μm、最小長さは0.5μm〜2μmである。ここで、白金族金属の凝集物の最大長さとは、白金族金属の凝集物を撮影して得られる異物の像に外接する外接長方形のうち最大長辺の長さをいい、最小長さとは、前記外接長方形の最小短辺の長さをいう。
(実験例1)
清澄剤として酸化錫を用い、かつ上記実施形態の製造装置を用いて、2270mm×2000mm、厚さが0.5mmのガラス基板を作成した。また、ガラス基板のガラス組成は、SiO 66.6モル%、Al 10.6モル%、B 11.0モル%、MgO,CaO,SrO及びBaOの合量 11.4モル%、SnO 0.15モル%、Fe 0.05モル%、アルカリ金属酸化物 0.2モル%であり、歪点は660℃、粘度が102.5ポアズであるときの熔融ガラスの温度は1570℃であった。また、清澄管から外部への放熱量を調節することで、第1の移送管104に通電する電力量、清澄管120に通電する電力量、および、第2の移送管105に通電する電力量の比は、1:0.8:0.3とした。その結果、泡数が規定数以下であるガラス基板を、熔融ガラスが処理装置から溢れ出すことなく製造することができた。また、白金族金属の異物のガラス基板への混入数を0.001個/kg以下に抑えることができた。なお、白金族金属の異物として、アスペクト比が100以上であり、最大長さが100μm以上のあるものをカウントした。
(実験例2)
実験例1に対して、製造するガラス基板のガラス組成を、SiO 70モル%、Al 12.9モル%、B 2.5モル%、MgO 3.5モル%、CaO 6モル%、SrO 1.5モル%、BaO 3.5モル%、SnO 0.1モル%に変更した以外実施例1と同様の方法でガラス基板を作製した。このとき、ガラス基板の歪点は745℃であった。
その結果、歪点が高く、清澄温度が実験例1よりも高くなるガラス基板を製造しても、実験例1と同様に、泡数が規定数以下であるガラス基板を、熔融ガラスが処理装置から溢れ出すことなく製造することができることがわかった。また、白金族金属のガラス基板への混入数を0.001個/kg以下に抑えることができることがわかった。
(比較例)
清澄管から外部への放熱量を調節しなかった点を除き、実験例1と同様の方法でガラス基板を作製した。このとき、このときの第1の移送管104に通電する電力量、清澄管120に通電する電力量、および、第2の移送管105に通電する電力量の比は、1:1.5:0.05であった。その結果、窒素又は酸化硫黄を含む泡数が規定数以上となった。
(ガラス組成)
酸化錫を含む無アルカリガラス基板、又は、酸化錫を含む微アルカリガラス基板であると、本実施形態の効果は顕著となる。無アルカリガラス又は微アルカリガラスは、アルカリガラスと比較してガラス粘度が高い。そのため、熔解工程で熔融温度を高くする必要があり、多くの酸化錫が熔解工程で還元されてしまうので、清澄効果を得るためには清澄工程における熔融ガラス温度を高くして、酸化錫の還元をさらに促進し、かつ熔融ガラス粘度を低下させる必要がある。つまり、酸化錫を含む無アルカリガラス基板、又は、酸化錫を含む微アルカリガラス基板を製造する場合には、清澄工程における熔融ガラス温度を高くする必要があるので、熔融ガラスの流量を処理装置に通電する際の電力量により制御しにくく、かつ、白金族金属(例えば、白金または白金合金)の揮発が生じやすい。ここで、本明細書において、無アルカリガラス基板とは、アルカリ金属酸化物(Li2O、K2O、及びNa2O)を実質的に含有しないガラスである。また、微アルカリガラスとは、アルカリ金属酸化物の含有量(Li2O、K2O、及びNa2Oの合量)が0超0.8モル%以下のガラスである。
本実施形態で製造されるガラス基板として、以下のガラス組成のガラス基板が例示される。したがって、以下のガラス組成をガラス基板が有するようにガラス原料は調合される。本実施形態で製造されるガラス基板は、例えば、SiO2 55〜75モル%、Al23 5〜20モル%、B23 0〜15モル%、RO 5〜20モル%(ROはMgO、CaO、SrO及びBaOの合量)、 R’2O 0〜0.4モル%(R’はLi2O、K2O、及びNa2Oの合量)、SnO2 0.01〜0.4モル%、含有する。
このとき、SiO2、Al23、B23、及びRO(Rは、Mg、Ca、Sr及びBaのうち前記ガラス基板に含有される全元素)の少なくともいずれかを含み、モル比((2×SiO2)+Al23)/((2×B23)+RO)は4.0以上であってもよい。モル比((2×SiO2)+Al23)/((2×B23)+RO)は4.0以上であるガラスは、高温粘性の高いガラスの一例である。高温粘性の高いガラスは、一般的に清澄工程における熔融ガラス温度を高くする必要があるので、熔融ガラスの流量を処理装置に通電する際の電力量により制御しにくく、白金族金属の揮発が生じやすい。つまり、このような組成を有するガラス基板を製造する場合には、熔融ガラスの温度が熔融ガラスの流量制御ができる温度範囲となるように、処理装置から外部への放熱量を調節することで、熔融ガラスの流量を処理装置に通電する際の電力量により制御しやすくすること、熔融ガラス中に白金族金属の凝集物が異物として混入することの抑制と電力量による熔融ガラスの流量調整の両立といった本実施形態の効果は顕著になる。なお、高温粘性とは、熔融ガラスが高温になるときのガラスの粘性を示し、ここでいう高温とは、例えば、1300℃以上を示す。
本実施形態によれば、ガラス基板におけるアルカリ金属酸化物の含有率が0〜0.8モル%であっても、電力量によって熔融ガラスの流量を制御することができ、熔融ガラス中に白金族金属の凝集物が異物として混入することを抑制することができる。アルカリ金属酸化物の含有率が小さいほど、高温粘性が高くなるので、アルカリ金属酸化物の含有率が0〜0.8モル%のガラスは、アルカリ金属酸化物の含有率が0.8モル%を超えるガラスと比較して高温粘性が高い。高温粘性の高いガラスは、一般的に清澄工程における熔融ガラス温度を高くする必要があるので、処理装置に通電する電力量による熔融ガラスの流量制御をしにくく、白金族金属の揮発が生じやすい。つまり、この高温粘性の高いガラスを用いるときには、熔融ガラス中に白金族金属の凝集物が異物として混入することを抑制しつつ、熔融ガラスの温度が熔融ガラスの流量制御ができる温度範囲となるように、処理装置から外部への放熱量を調節することで、熔融ガラスの流量を処理装置に通電する際の電力量による制御を行いやすくするという本実施形態の効果は顕著になる。
本実施形態で用いる熔融ガラスは、粘度が102.5ポアズであるときの温度は1500〜1700℃であるガラス組成であってもよい。このように、高温粘性の高いガラスは、一般的に清澄工程における熔融ガラス温度を高くする必要があるので、処理装置に通電する電力量による熔融ガラスの流量制御をしにくく、白金族金属の揮発が生じやすい。すなわち、高温粘性のガラス組成であっても、本実施形態の上記効果は顕著になる。
本実施形態で用いる熔融ガラスの歪点は650℃以上であってもよく、660℃以上であることがより好ましく、690℃以上であることがさらに好ましく、730℃以上が特に好ましい。また、歪点が高いガラスは、粘度が102.5ポアズにおける熔融ガラスの温度が高くなる傾向にある。つまり、歪点が高いガラス基板を製造する場合ほど、本実施形態の上記効果は顕著になる。また、歪点が高いガラスほど、高精細ディスプレイに使用されるため、白金族金属の凝集物が異物として混入する問題に対する要求が厳しい。そのため、高歪点のガラス基板ほど、白金族金属の凝集物混入を抑制できる本実施形態が好適となる。
また、酸化錫を含み、粘度が102.5ポアズであるときの熔融ガラスの温度が1500℃以上となるガラスになるようにガラス原料を熔解した場合、より本実施形態の上記効果は顕著になり、粘度が102.5ポアズであるときの熔融ガラスの温度は、例えば1500℃〜1700℃であり、1550℃〜1650℃であってもよい。
ガラス基板の表面に位置する白金族金属の凝集物は、ガラス基板を用いたパネル製造工程において離脱すると、離脱した部分が凹部となり、ガラス基板上に形成される薄膜が均一に形成されず、画面の表示欠陥を引き起こすという問題がある。さらに、ガラス基板中に白金族金属の凝集物が存在すると、徐冷工程において、ガラスと白金族金属の熱膨張率差により歪が生じるため、画面の表示欠陥を引き起こすという問題がある。そのため、本実施形態は、画面の表示欠陥に対する要求が厳しいディスプレイ用ガラス基板の製造に好適である。特に、画面の表示欠陥に対する要求のさらに厳しい、IGZO(インジウム、ガリウム、亜鉛、酸素)等の酸化物半導体を使用した酸化物半導体ディスプレイ用ガラス基板及びLTPS(低温度ポリシリコン)半導体を使用したLTPSディスプレイ用ガラス基板等の高精細ディスプレイ用ガラス基板に好適である。
以上のことから、本実施形態で製造されるガラス基板は、フラットパネルディスプレイ用ガラス基板を含むディスプレイ用ガラス基板に好適である。酸化物半導体ディスプレイ用ガラス基板又はLTPSディスプレイ用ガラス基板に好適である。また、本実施形態で製造されるガラス基板は、アルカリ金属酸化物の含有量が極めて少ないことが求められる液晶ディスプレイ用ガラス基板に好適である。また、有機ELディスプレイ用ガラス基板にも好適である。言い換えると、本実施形態のガラス基板の製造方法は、ディスプレイ用ガラス基板の製造に好適であり、特に、液晶ディスプレイ用ガラス基板の製造に好適である。
また、本実施形態で製造されるガラス基板は、カバーガラス、磁気ディスク用ガラス、太陽電池用ガラス基板などにも適用することが可能である。
以上、本発明のガラス基板の製造方法について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更をしてもよいのはもちろんである。
例えば、図示しないが、清澄管120の近傍と断熱材140の外部との間に冷媒の循環管を設け、循環管の内部で冷媒を循環させることで、放熱量を調節してもよい。この場合、冷媒の循環量を制御することで放熱量を調整することができる。
循環管に循環させる冷媒は、水などの液体であってもよいし、空気などの気体であってもよい。
循環管には、融点が高い金属材料を用いることができる。具体的には、白金、ロジウム、銀、パラジウム、金、またはこれらの合金を循環管の材料として用いることができる。
上記説明においては、清澄管120を中心に本発明の説明をしたが、清澄管120に限らず、熔解装置100の他の部分(熔解槽101、攪拌槽103、移送管104、105、ガラス供給管106)や成形装置200からの放熱量を調節してもよい。
101 熔解槽
103 攪拌槽
104、105 移送管
105 ガラス供給管
120 清澄管(清澄装置)
121a、121b 電極
122 電源装置
123 制御装置
127 排気管
140 断熱材
200 成形装置

Claims (11)

  1. 熔融ガラスを処理する処理装置を用いるガラス基板の製造方法であって、
    熔融ガラスを処理する際に、
    前記処理装置内の熔融ガラスの温度が前記処理をするのに適した範囲になるように、前記処理装置に通電をすることにより前記処理装置を加熱し、
    前記処理装置内の前記熔融ガラスの流量を、前記通電をする際の電力量により制御し、
    前記電力量が前記熔融ガラスの流量制御ができる電力量以上となり、かつ、前記熔融ガラスの温度が前記熔融ガラスの流量制御ができる温度範囲となるように、前記処理装置から外部への放熱量を調節する、ガラス基板の製造方法。
  2. 熔融ガラスを処理する処理装置を用いるガラス基板の製造方法であって、
    熔融ガラスを処理する際に、
    前記処理装置内の熔融ガラスの温度が前記処理をするのに適した範囲になるように、前記処理装置に通電をすることにより前記処理装置を加熱し、
    前記処理装置内の前記熔融ガラスの流量を、前記通電をする際の電流量により制御し、
    前記熔融ガラスの流量制御ができる電流量以上となるように、前記処理装置から外部への放熱量を調節する、ガラス基板の製造方法。
  3. 前記処理装置は内壁と熔融ガラス液面とから形成される気相空間を有し、前記内壁の少なくとも前記気相空間と接する部分は白金族金属を含む材料で構成され、
    前記処理装置には、熔融ガラスを処理する際に高温領域と、熔融ガラスを処理する際に高温領域よりも温度の低い低温領域が形成され、
    前記高温領域と前記低温領域の温度差が200℃以下となるように前記放熱量を調整する、請求項1又は2に記載のガラス基板の製造方法。
  4. 前記処理装置は断熱材により覆われ、
    前記断熱材により前記処理装置から外部空間への熱抵抗を調整することで、前記放熱量を制御する、請求項1〜3のいずれか一項に記載のガラス基板の製造方法。
  5. 前記断熱材の熱伝導率および配置を調整することで、前記熱抵抗を調整する、請求項4に記載のガラス基板の製造方法。
  6. 前記処理装置は、熔融ガラスを清澄させる清澄装置であり、
    前記清澄装置を、前記清澄装置内の熔融ガラスの最高温度が、前記熔融ガラスに含まれる酸化錫の還元反応が生じる温度以上となるように、前記清澄装置に通電をすることにより加熱し、
    前記清澄装置内の前記熔融ガラスの流量を、前記通電をする際の電力量により制御し、
    前記電力量が前記熔融ガラスの流量制御ができる電力量以上となるように、前記清澄装置から外部への放熱量を調節する、請求項1〜5のいずれか一項に記載のガラス基板の製造方法。
  7. 前記清澄装置は、熔融ガラス中の気泡が排出される気相空間を有する清澄管と、前記清澄管内へ供給される熔融ガラスが移送される第1の移送管と、前記清澄管から排出される熔融ガラスが移送される第2の移送管と、を有し、
    前記第1の移送管、前記清澄管および前記第2の移送管において、清澄剤の還元反応により熔融ガラスの脱泡処理、および、清澄剤の酸化反応により熔融ガラス中の気泡を吸収する吸収処理を行い、
    前記第1の移送管に通電する電力量、前記清澄管のうち前記脱泡処理を行う領域に通電する電力量、および、前記清澄管および前記第2の移送管のうち前記吸収処理を行う領域に通電する電力量の比は、1:0.6〜1:0.1〜0.4である、請求項6に記載のガラス基板の製造方法。
  8. 前記清澄装置は、熔融ガラス中の気泡が排出される気相空間を有する清澄管と、前記清澄管内へ供給される熔融ガラスが移送される第1の移送管と、前記清澄管から排出される熔融ガラスが移送される第2の移送管と、を有し、
    前記清澄管の一部の領域において、清澄剤の還元反応により熔融ガラスの脱泡処理を行い、
    前記清澄管の他の領域および前記第2の移送管において、清澄剤の酸化反応により熔融ガラス中の気泡を吸収する吸収処理を行い、
    前記第1の移送管に通電する電力量、前記清澄管の一部の領域に通電する電力量、および、前記清澄管の他の領域に通電する電力量の比は、1:0.6〜1:0.05〜0.4である、請求項6に記載のガラス基板の製造方法。
  9. 前記処理装置は、熔融ガラス中の気泡が排出される気相空間を有する清澄管と、前記清澄管内へ供給される熔融ガラスが移送される第1の移送管と、前記清澄管から排出される熔融ガラスが移送される第2の移送管と、を有し、
    前記清澄管において、清澄剤の還元反応により熔融ガラスの脱泡処理を行い、
    前記第2の移送管において、清澄剤の酸化反応により熔融ガラス中の気泡を吸収する吸収処理を行い、
    前記第1の移送管に通電する電力量、前記清澄管に通電する電力量、および、前記第2の移送管に通電する電力量の比は、1:0.6〜1:0.1〜0.4である、請求項6に記載のガラス基板の製造方法。
  10. 熔融ガラスを処理する処理装置と、
    熔融ガラスを処理する際に、前記処理装置内の熔融ガラスの温度が前記処理をするのに適した範囲になるように、前記処理装置に通電をすることで加熱する通電装置と、
    前記処理装置内の前記熔融ガラスの流量を、前記通電をする際の電力量により制御する制御装置と、を備え、
    前記電力量が前記熔融ガラスの流量制御ができる電力量以上となり、かつ、前記熔融ガラスの温度が前記熔融ガラスの流量制御ができる温度範囲となるように、前記処理装置から外部への放熱量が調節されている、ガラス基板製造装置。
  11. 熔融ガラスを処理する処理装置と、
    熔融ガラスを処理する際に、前記処理装置内の熔融ガラスの温度が前記処理をするのに適した範囲になるように、前記処理装置に通電をすることで加熱する通電装置と、
    前記処理装置内の前記熔融ガラスの流量を、前記通電をする際の電流量により制御する制御装置と、を備え、
    前記熔融ガラスの流量制御ができる電流量以上となるように、前記処理装置から外部への放熱量が調節されている、ガラス基板製造装置。
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