JP5883093B2 - ガラス基板の製造方法、熔融ガラス処理装置、およびガラス基板の製造装置 - Google Patents

ガラス基板の製造方法、熔融ガラス処理装置、およびガラス基板の製造装置 Download PDF

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Description

本発明は、ガラス原料を熔融して生成させた熔融ガラスを成形することによりガラス基板を製造するガラス基板の製造装置、ガラス基板の製造方法、及びガラス基板の製造装置に用いる熔融ガラス処理装置に関する。
ガラス基板は、一般的に、ガラス原料から熔融ガラスを生成させた後、熔融ガラスをガラス基板へと成形する工程を経て製造される。
ところで、高温の熔融ガラスから品位の高いガラス基板を量産するためには、ガラス基板の欠陥の要因となる異物等が、ガラス基板を製造するいずれの装置からも熔融ガラスへ混入しないよう考慮することが望まれる。このため、ガラス基板の製造過程において熔融ガラスに接する部材の内壁は、その部材に接する熔融ガラスの温度、要求されるガラス基板の品質等に応じ、適切な材料により構成する必要がある。たとえば、清澄管を構成する管の材料は、通常白金族金属あるいは白金族金属に含まれる複数の金属の合金(以降、単に白金または白金合金等という、)が用いられていることが知られている(特許文献1)。白金または白金合金等は、高価ではあるが融点が高く、熔融ガラスに対する耐食性にも優れているので、清澄管や攪拌槽に好適に用いられる。
特表2006−522001号公報
しかし、白金または白金合金は、高温になると揮発してしまうという問題があった。そして、この白金または白金合金等の揮発物が気相空間を取り巻く壁面に凝集して得られる結晶(白金異物あるいは白金合金異物)の一部が微粒子として熔融ガラス中に混入し、ガラス基板の品質の低下を招くおそれがあった。
上記白金または白金合金等の揮発物の凝集物に由来する微粒子の熔融ガラスへの混入の問題は、近年の高精細化に伴い、益々品質要求が厳しくなっている液晶ディスプレイに代表されるフラットパネルディスプレイ(FPD)用ガラス基板ではより大きくなる。
そこで、本発明は、以上の点を鑑み、ガラス基板の製造過程で用いる少なくとも一部が白金族金属を含む材料で構成された装置において、揮発した白金または白金合金等の揮発物の凝集を抑制することができるガラス基板の製造装置、ガラス基板の製造方法、及びガラス基板の製造装置に用いる熔融ガラス処理装置を提供することを目的とする。
本発明は、以下の形態を含む。
(形態1)
ガラスの原料を熔解して熔融ガラスを生成する熔解工程と、
前記熔融ガラスを有する液相と前記熔融ガラスの液面と内壁から形成される気相空間とを有し、前記気相空間を囲む内壁の少なくとも一部が白金族金属を含む材料で構成された熔融ガラス処理装置において前記熔融ガラスを処理する処理工程と、を有し、
前記熔融ガラス処理装置の前記気相空間には、気流が形成され、
前記気流は、前記気相空間と接する前記熔融ガラス処理装置の内壁の温度が低い部分から高い部分に向けて流れる気流であり、前記気相空間中に含まれる白金族金属が飽和蒸気圧となる温度以上の温度の領域を通るように形成される、ことを特徴とするガラス基板の製造方法。
(形態2)
ガラスの原料を熔解して熔融ガラスを生成する熔解工程と、
前記熔融ガラスを有する液相と前記熔融ガラスの液面と内壁から形成される気相空間とを有し、前記気相空間を囲む内壁の少なくとも一部が白金族金属を含む材料で構成された熔融ガラス処理装置において前記熔融ガラスを処理する処理工程と、を有し、
前記熔融ガラス処理装置の前記気相空間には、気流が形成され、
前記気流は、前記気相空間と接する前記熔融ガラス処理装置の内壁の温度が低い部分から高い部分に向けて流れる気流であり、前記気相空間中に含まれる白金族金属が飽和蒸気圧となる温度を下回る領域を通らないように形成される、ことを特徴とするガラス基板の製造方法。
(形態4)
前記気流は、前記気相空間内の圧力を調整することで形成される、形態1または2に記載のガラス基板の製造方法。
(形態5)
前記気流は、ガスを前記気相空間内に導入することで形成される、形態1、2、4のいずれか1つに記載のガラス基板の製造方法。
(形態6)
前記ガスの導入するガス量を変化させることによって前記気相空間内の圧力分布を調整する、形態5に記載のガラス基板の製造方法。
(形態7)
前記気相空間へガスを導入にするためのガス導入口の設けられる前記気相空間上の位置によって前記気流の向きを調整する、形態5または6に記載のガラス基板の製造方法。気流の向きは強制対流を発生させることで調整する。
(形態8)
前記気相空間へガスを導入されるとき前記ガスの導入の向きによって気流の向きを調整する、形態5〜7のいずれか1つに記載のガラス基板の製造方法。気流の向きは強制対流を発生させることで調整する。
(形態9)
前記ガスは、前記気相空間と接する前記熔融ガラス処理装置の内壁のうち、周りの温度に比べて温度が低い部分から前記気相空間に導入される、形態5〜8のいずれか1つに記載のガラス基板の製造方法。
(形態10)
前記ガスは、前記熔融ガラス及び前記白金族金属に不活性なガスである、形態5〜9に記載のガラス基板の製造方法。
(形態11)
前記気流は、前記気相空間と接続するように設けられた吸引装置によって前記気相空間内の圧力分布を調整することで形成される、形態1、2、4〜10のいずれか1つに記載のガラス基板の製造方法。
(形態12)
前記吸引装置の吸引圧を変化させることによって前記気相空間内の圧力分布の大きさを調整する、形態11に 記載のガラス基板の製造方法。圧力分布の大きさが変化することで、吸引装置に向かう気流の大きさが変化する。
(形態13)
前記気相空間内における前記吸引装置の吸引口の位置の変更によって前記気相空間内の圧力分布を調整する、形態11または12に記載のガラス基板の製造方法。
(形態14)
前記熔融ガラス処理装置では、前記熔融ガラスの清澄を行い、前記気相空間における前記熔融ガラスから放出されるガスのガス放出量あるいは前記気相空間内におけるガスを放出する放出領域を調整することにより前記気流を調整する、形態1、2、4のいずれか1つに記載のガラス基板の製造方法。前記気流は、前記ガス放出量及び前記放出領域の少なくともいずれか一方を調整することにより気相空間内の圧力分布または圧力を調整し、この調整により調整される。
(形態15)
前記ガス放出量及び前記放出領域の少なくともいずれか一方の調整は、前記熔融ガラス処理装置における熔融ガラスの温度履歴の調整により行う、形態14に記載のガラス基板の製造方法。
(形態16)
前記熔融ガラスの温度履歴の調整は、前記熔融ガラスを加熱するために前記熔融ガラスに与える供給熱量の調整により行なう、形態15に記載のガラス基板の製造方法。
(形態17)
前記熔融ガラスは、前記熔融ガラス処理装置の通電加熱される管を流れ、
前記熔融ガラスの温度履歴の調整は、前記管を通電加熱するために前記管に流す電流の調整、または前記管の場所に応じた電流の調整により行う、形態15または16に記載のガラス基板の製造方法。
(形態18)
前記熔解工程における熔融ガラス温度と、前記処理工程における熔融ガラス温度と、の差を調整することにより、前記ガス放出量あるいは前記放出領域を調整する、形態14〜17のいずれか1つに記載のガラス基板の製造方法。
(形態19)
ガラス基板は、酸化錫を0.01〜0.3モル%含む、形態1、2、4〜18のいずれか1つに記載のガラス基板の製造方法。前記ガス放出量は、酸化錫の含有量により調整される。
(形態20)
前記内壁の温度の最高温度は1400℃以上1750℃以下である、形態1、2、4〜19のいずれか1つに記載のガラス基板の製造方法。
(形態21)
前記内壁の温度の最低温度は1200℃以上1630℃以下である、形態1、2、4〜20のいずれか1つに記載のガラス基板の製造方法。
(形態22)
前記内壁の温度の最も高い部分と最も低い部分との間の温度差は、50℃以上300℃以下である、形態1、2、4〜21のいずれか1つに記載のガラス基板の製造方法。
(形態23)
前記熔融ガラス処理装置は、前記熔融ガラスの清澄を行い、前記清澄により生じる気体を、前記気相空間と大気とを接続した通気管を通して大気に排出する清澄槽であり、前記気流は、前記通気管に向かう流れである、形態1、2、4〜22のいずれか1つに記載のガラス基板の製造方法。
(形態24)
前記熔融ガラス処理装置は、前記熔融ガラスの清澄を行い、前記清澄により生じる気体を、前記気相空間と大気とを接続した通気管を通して大気に排出する清澄槽であり、
前記清澄槽は、前記清澄槽は、長尺状の清澄管を含み、
前記清澄管は、前記清澄管内を流れる前記熔融ガラスの流れ方向にそって温度分布が形成されている、形態1、2、4〜23のいずれか1つに記載のガラス基板の製造方法。
(形態25)
前記ガラス基板は、ディスプレイ用ガラス基板である、形態1、2、4〜24のいずれか1つに記載のガラス基板の製造方法。
(形態26)
前記気相空間内では、温度が高くなるほど圧力が低くなるように前記気相空間内の圧力を調整する、形態1、2、4〜25のいずれか1つに記載のガラス基板の製造方法。
(形態27)
前記熔融ガラス処理装置は、前記熔融ガラスの清澄を行い、前記清澄により生じる気体を、前記気相空間と大気とを接続した通気管を通して大気に排出する清澄槽であり、
前記清澄槽は、長尺状の清澄管を含み、前記清澄管には、前記清澄管の長手方向の一部分の位置の外周を囲むフランジが設けられ、前記ガスが、前記清澄管の前記フランジの設けられる部分から導入される、形態5〜10のいずれか1つに記載のガラス基板の製造方法。
(形態28)
前記フランジは、前記清澄管の長手方向の少なくとも2か所の位置の外周を囲むように少なくとも2つ設けられ、前記通気管は、前記長手方向の前記少なくとも2か所の間に少なくとも1つ設けられ、前記ガスは、前記少なくとも2か所から前記気相空間内に導入されて互いに対向する方向に向いて流れる気流をつくり、前記少なくとも1つの通気管から排出される、形態27に記載のガラス基板の製造方法。
ことが好ましい。
(形態29)
前記熔融ガラス処理装置は、前記熔融ガラス処理装置の通電により前記熔融ガラス処理装置が発熱することにより、前記熔融ガラスの温度を調整する構成である、形態1、2、4〜28のいずれか1つに記載のガラス基板の製造方法。
(形態30)
熔融ガラスを処理する熔融ガラス処理装置であって、
少なくとも一部が白金族金属を含む材料で構成された内壁と、
熔融ガラスを有する液相空間と、
前記熔融ガラスの液面と前記内壁とから形成される気相空間と、を有し、
前記気相空間には、気流が形成され、
前記気流は、前記気相空間と接する前記熔融ガラス処理装置の内壁の温度が低い部分から高い部分に向けて流れる気流であり、前記気相空間中に含まれる白金族金属が飽和蒸気圧となる温度以上の温度の領域を通るように形成される、熔融ガラス処理装置。
(形態31)
熔融ガラスを処理する熔融ガラス処理装置であって、
少なくとも一部が白金族金属を含む材料で構成された内壁と、
熔融ガラスを有する液相空間と、
前記熔融ガラスの液面と前記内壁とから形成される気相空間と、を有し、
前記気相空間には、気流が形成され、
前記気流は、前記気相空間と接する前記熔融ガラス処理装置の内壁の温度が低い部分から高い部分に向けて流れる気流であり、前記気相空間中に含まれる白金族金属が飽和蒸気圧となる温度を下回る領域を通らないように形成される、熔融ガラス処理装置。
(形態33)
前記気流を形成するために前記気相空間内の圧力を調整する圧力調整装置を有する、形態30または31に記載の熔融ガラス処理装置。
(形態34)
前記気相空間内では、温度が高くなるほど圧力が低くなるよう前記気相空間内の圧力を調整する、形態30、31、33のいずれか1つに記載の熔融ガラス処理装置。
(形態35)
ガラス原料を熔解して熔融ガラスをつくる熔解装置と、
形態30、31、33、34のいずれか1つに記載の熔融ガラス処理装置と、を備える、ことを特徴とするガラス基板の製造装置。
(形態36)
ガラス原料を熔解して熔融ガラスをつくる熔解装置と、
形態30、31、33、34のいずれか1つに記載の熔融ガラス処理装置と、を備える、ことを特徴とするガラス基板の製造装置。
(形態37)
ガラスの原料を熔解して熔融ガラスを生成する熔解工程と、
前記熔融ガラスを有する液相と前記熔融ガラスの液面と内壁から形成される気相空間とを有し、前記気相空間を囲む内壁の少なくとも一部が白金族金属を含む材料で構成された熔融ガラス処理装置において前記熔融ガラスを処理する処理工程と、を有し、
前記熔融ガラス処理装置の前記気相空間には、ガスを前記気相空間内に導入することで気流が形成され、
前記ガスは、前記気相空間と接する前記熔融ガラス処理装置の内壁のうち、周りの温度に比べて温度が低い部分から前記気相空間に導入され、
前記気流は、前記気相空間中に含まれる白金族金属が飽和蒸気圧となる温度以上の温度の領域を通るように形成される、ことを特徴とするガラス基板の製造方法。
(形態38)
ガラスの原料を熔解して熔融ガラスを生成する熔解工程と、
前記熔融ガラスを有する液相と前記熔融ガラスの液面と内壁から形成される気相空間とを有し、前記気相空間を囲む内壁の少なくとも一部が白金族金属を含む材料で構成された熔融ガラス処理装置において前記熔融ガラスを処理する処理工程と、を有し、
前記熔融ガラス処理装置の前記気相空間には、ガスを前記気相空間内に導入することで気流が形成され、
前記ガスは、前記気相空間と接する前記熔融ガラス処理装置の内壁のうち、周りの温度に比べて温度が低い部分から前記気相空間に導入され、
前記気流は、前記気相空間中に含まれる白金族金属が飽和蒸気圧となる温度を下回る領域を通らないように形成される、ことを特徴とするガラス基板の製造方法。
(形態39)
熔融ガラスを処理する熔融ガラス処理装置であって、
少なくとも一部が白金族金属を含む材料で構成された内壁と、
熔融ガラスを有する液相空間と、
前記熔融ガラスの液面と前記内壁とから形成される気相空間と、を有し、
前記気相空間には、ガスを前記気相空間内に導入することで気流が形成され、
前記ガスは、前記気相空間と接する前記熔融ガラス処理装置の内壁のうち、周りの温度に比べて温度が低い部分から前記気相空間に導入され、
前記気流は、前記気相空間中に含まれる白金族金属が飽和蒸気圧となる温度以上の温度の領域を通るように形成される、熔融ガラス処理装置。
(形態40)
熔融ガラスを処理する熔融ガラス処理装置であって、
少なくとも一部が白金族金属を含む材料で構成された内壁と、
熔融ガラスを有する液相空間と、
前記熔融ガラスの液面と前記内壁とから形成される気相空間と、を有し、
前記気相空間には、ガスを前記気相空間内に導入することで気流が形成され、
前記ガスは、前記気相空間と接する前記熔融ガラス処理装置の内壁のうち、周りの温度に比べて温度が低い部分から前記気相空間に導入され、
前記気流は、前記気相空間中に含まれる白金族金属が飽和蒸気圧となる温度を下回る領域を通らないように形成される、熔融ガラス処理装置。
上述の態様のガラス基板の製造方法及び製造装置及び熔融ガラス処理装置によれば、揮発した白金または白金合金等の凝集を抑制することができる。
本実施形態のガラス基板の製造方法の工程の一例を示す図である。 本実施形態における熔解工程〜切断工程を行う装置の一例を模式的に示す図である。 (a)は、本実施形態の清澄槽を説明する斜視図であり、(b)は、本実施形態の清澄管の内部のガスの流れの一例を説明する図であり、(c)は、清澄管の内部のガスの流れの他の例を説明する図である。 本実施形態の清澄管の内壁の長手方向の温度分布の一例を示す図である。
以下、本実施形態のガラス基板の製造装置、ガラス基板の製造方法、及び熔融ガラス処理装置について説明する。図1は、本発明のガラス基板の製造方法の工程の一例を示す図である。
以降で説明する白金または白金合金等は、白金族金属であり、白金、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム、およびこれらの金属の合金を含む。
ガラス基板の製造方法は、熔解工程(ST1)と、清澄工程(ST2)と、均質化工程(ST3)と、成形工程(ST4)と、徐冷工程(ST5)と、切断工程(ST6)と、を主に有する。この他に、研削工程、研磨工程、洗浄工程、検査工程、梱包工程等を有し、梱包工程で積層された複数のガラス基板は、納入先の業者に搬送される。
熔解工程(ST1)は熔解槽で行われる。熔解工程では、熔解槽に蓄えられた熔融ガラスの液面にガラス原料を投入することにより熔融ガラスを作る。なお、ガラス原料には清澄剤が添加されることが好ましい。清澄剤については、環境負荷低減の点から、酸化錫が好適に用いられる。
清澄工程(ST2)は、清澄槽の、白金又は白金合金等で構成される清澄管の内部で行われる。清澄工程では、清澄槽の管内の熔融ガラスが昇温される。この過程で、清澄剤は、還元反応により酸素を放出し、後に還元剤として作用する物質となる。熔融ガラス中に含まれるO、COあるいはSOを含んだ泡は、清澄剤の還元反応により生じたOと合体して体積が大きくなり、熔融ガラスの液面に浮上して破泡し消滅する。泡に含まれたガスは、清澄槽に設けられた気相空間を通じて外気に放出される。
その後、清澄工程では、熔融ガラスの温度を低下させる。この過程で、清澄剤の還元反応により得られた還元剤が酸化反応をする。これにより、熔融ガラスに残存する泡中のO等のガス成分が熔融ガラス中に溶け込むことで、泡が消滅する。
均質化工程(ST3)では、清澄槽から延びる配管を通って供給された攪拌槽内の熔融ガラスを、スターラを用いて攪拌することにより、ガラス成分の均質化を行う。
成形装置では、成形工程(ST4)及び徐冷工程(ST5)が行われる。
成形工程(ST4)では、熔融ガラスをシートガラスに成形し、シートガラスの流れを作る。成形は、オーバーフローダウンドロー法あるいはフロート法を用いることができる。後述する本実施形態では、オーバーフローダウンドロー法が用いられる例を挙げて説明する。
徐冷工程(ST5)では、成形されて流れるシートガラスが所望の厚さになり、内部歪が生じないように、さらに、反りが生じないように冷却される。
切断工程(ST6)では、切断装置において、成形装置から供給されたシートガラスを所定の長さに切断することで、板状のガラス板を得る。切断されたガラス板はさらに、所定のサイズに切断され、目標サイズのガラス基板が作られる。
本実施形態のガラス基板の製造方法では、清澄工程〜均質化工程に用いる装置において以下の方法が実施される。
すなわち、ガラスの原料を熔解して熔融ガラスを生成する熔解工程後、熔融ガラスをシートガラスに成形する前に、熔融ガラスを処理するための熔融ガラス処理装置を通過させる。この処理装置は白金または白金合金等を含む金属製の管あるいは槽を含む。そのとき、熔融ガラスの処理装置は、熔融ガラスを有する液相と熔融ガラスの液面に対して液面の上方に位置する気相空間とを有し、気相空間の少なくとも一部が白金族金属を含む材料で構成された装置である。この熔融ガラスの処理装置の気相空間では、気相空間中に含まれる白金族金属が飽和蒸気圧となる温度を下回る領域を気流が通らないように、または飽和蒸気圧となる温度以上の温度の領域を気流が通るように、気流が形成される。好ましくは、気相空間と接する熔融ガラスの処理装置の内壁のうち温度が低い部分から内壁の温度が高い部分に向けて気流が形成される。このとき、ガスを気相空間内に導入して気流を形成することが好ましい。また、ガスとして不活性なガスを気相空間内に導入することにより、気相空間内で、白金または白金合金等の揮発を低減でき、これにより気相空間で揮発した白金または白金合金等の揮発物の凝集を抑制することもできる。この点は、後述する。
なお、白金または白金合金の凝集物は、一方向に細長い線状物である。このため、白金または白金合金の凝集物(異物)の最大長さ及び最小長さとは、白金または白金合金の凝集物を撮影したときのこの凝集物の像に外接する外接長方形の長辺の長さ及び短辺の長さをいう。本実施形態では、白金または白金合金の凝集物とは、凝集物の形状において最大長さの最小長さに対する比であるアスペクト比が100を超える白金族金属の異物を指す。例えば、白金族金属の異物(凝集物)の最大長さが50μm〜300μm、最小長さが0.5μm〜2μmである。
このような熔融ガラスの処理装置は、清澄工程から均質化工程の間の工程で用いる装置に適用される。例えば、清澄工程を行う清澄槽及び均質化工程を行う攪拌槽に適用される。以降では、代表して清澄槽に適用した形態で説明する。
図2は、本実施形態における熔解工程(ST1)〜切断工程(ST6)を行う装置の一例を模式的に示す図である。当該装置は、図2に示すように、主に熔融ガラス生成装置100と、成形装置200と、切断装置300と、を有する。熔融ガラス生成装置100は、熔解槽101と、清澄槽102と、攪拌槽103と、ガラス供給管104,105,106と、を有する。
図2に示す例の熔解槽(熔解装置)101は、ガラス原料を熔解して熔融ガラスをつくる。清澄槽102は、白金または白金合金等からなる清澄管102a(図3参照)を含む。清澄管102aの中において、熔融ガラスMGが液面を有するように気相空間が形成された状態で熔融ガラスMGを通過させる間、清澄槽102に設けられた一対の電極板間に電流を流して清澄管102aを通電加熱して熔融ガラスMGを気相空間に泡を放出させる脱泡処理を少なくとも行う。攪拌槽103は、スターラ103aによって熔融ガラスMGを攪拌して均質化する。
成形装置200は、成形体210を含み、清澄槽200、攪拌槽103で処理された熔融ガラスMGを、成形体210を用いたオーバーフローダウンドロー法により、成形してシートガラスSGとする。さらに、成形装置200において、板厚偏差、歪、及び反りがシートガラスSGに生じないように、シートガラスSGが徐冷される。
切断装置300は、徐冷したシートガラスSGを切断してガラス基板とする。
(清澄工程及び清澄槽)
図3(a)は、清澄工程を行う装置構成を主に示す図である。
清澄工程は、脱泡処理と吸収処理とを含む。以下の説明では、清澄剤として酸化錫を用いた例で説明する。酸化錫は、従来一般的に用いられていた亜ヒ酸に比べて清澄機能は低いが、環境負荷が低い点で清澄剤として好適に用いることができる。しかし、酸化錫は、清澄機能が亜ヒ酸に比べて低いので、酸化錫を用いた場合、熔融ガラスMGの清澄工程時の熔融ガラスMGの温度を従来より高くしなければならない。この場合、例えば清澄工程における熔融ガラスの温度の最高温度は、例えば、1630℃〜1720℃であり、好ましくは、1670℃〜1710℃である。
熔解槽101で熔解された熔融ガラスMGは、ガラス供給管104(図2参照)により、清澄槽102に導入される。
清澄槽102は、図3(a)に示すように、白金または白金合金等からなる長尺状の清澄管102aを含み、清澄管102aの頂部に設けられた通気管102bと、電極板102c,102dと、フランジ102e,102fと、ガス導入管102h,102iと、を備える。
具体的には、清澄槽102の清澄管102aは、熔融ガラスを有する液相とこの熔融ガラスの液面と清澄管102aの内壁とから形成される気相空間とを有する。気相空間を囲む清澄槽102の内壁の少なくとも一部は白金または白金合金等の材料で構成されている。清澄管102aの気相空間では、気相空間中に含まれる白金族金属が飽和蒸気圧となる温度を下回る領域を通らないように気流が形成される。あるいは、清澄管102aの気相空間では、気相空間中に含まれる白金族金属が飽和蒸気圧となる温度以上の温度の領域を通るように気流が形成される。好ましくは、気相空間と接する清澄管102aの内壁のうち温度が低い部分から内壁の温度が高い部分に向けて気流が生じるように気流が形成される。気流は、気流形成装置を用いて発生させることが好ましい。気流形成装置としては、気相空間内の圧力を調整(制御)する圧力調整装置を用いることが好ましい。気相空間内で圧力差を形成することで、圧力の高い領域から圧力の低い領域に向かって気流を発生させることができる。圧力調整装置としては、気相空間にガスを導入するガス導入管や気相空間の気体やガスを吸引する吸引装置などが挙げられる。ガス導入管や吸引装置では、意図的に気相空間内に圧力分布を生じさせることで、白金族金属が飽和蒸気圧となる温度を下回る領域を通らないように、あるいは、白金族金属が飽和蒸気圧となる温度以上の温度の領域を通るように、気流を形成する。あるいは、気相空間にガスを導入することで強制対流を発生させることで気流を形成してもよい。ガス導入によって、意図的に気相空間内に強制対流を生じさせることで、白金族金属が飽和蒸気圧となる温度を下回る領域を通らないように、あるいは、白金族金属が飽和蒸気圧となる温度以上の温度の領域を通るように、気流を形成する。
ガス導入管の場合、気相空間へ導入するガス量を変化させることによって気相空間内の圧力分布を調整することができる。また、気相空間へガスを導入にするためのガス導入口の設けられる気相空間上の位置によって気流の向きを調整することができる。さらに、気相空間へガスが導入されるときのガスの導入の向きによって気流の向きを変更することもできる。気流の向きは、ガス導入により発生する圧力分布の状態又は強制対流により調整できる。
吸引装置の場合、吸引装置の吸引圧を変化させることによって気相空間内の圧力分布の大きさ(圧力分布中の圧力差)を調整することができる。また、気相空間内における吸引装置の吸引口の位置の変更によって気相空間内の圧力分布を調整することができる。 また、熔融ガラスの脱泡処理により熔融ガラスから放出されるガス(気体)のガス放出量及び気相空間内におけるガスを放出する放出領域の少なくとも一方を調整することにより、気相空間内の圧力分布または圧力を調整することもできる。また、ガス放出量及びガスの放出領域の少なくとも一方を調整することにより気流を調整することもできる。ガス放出量及び放出領域の少なくともいずれか一方を調整することにより気相空間内の圧力分布または圧力を調整し、この調整により気流を調整することができる。圧力分布または圧力の調整は、熔融ガラス処理装置である清澄槽102における熔融ガラスの温度履歴の調整により行うこともできる。熔融ガラスの温度履歴の調整は、後述するような熔融ガラスが流れる管、すなわち清澄管が熔融ガラスを加熱するために熔融ガラスに与える供給熱量、例えば、熔融ガラスが流れる管を通電加熱するために管へ流す電流の調整、または管の場所に応じた電流の調整等により行うことができる。あるいは、熔融ガラスの温度履歴の調整は、上記管周辺に設けられた断熱部材(例えば、耐火物レンガ)の調整による管からの放熱量の調整により行うことができる。断熱部材の調整としては、断熱部材の種類、厚さ等の変更が考えられる。なお、上記管に熔融ガラスが流入する前の熔融ガラスの温度を調整することにより、清澄による気相空間内のガス放出量及び気相空間内におけるガス放出領域を調整することが好ましい。これにより、気相空間内のガス放出量及び気相空間内におけるガス放出領域を、より有効に、かつより大きく調整することができる。熔融ガラスの温度が高いほど、清澄剤の還元反応は進み、かつ熔融ガラスの粘度が低下するので、ガス放出量は増加するほか、急激に熔融ガラスの温度が上昇した領域では、清澄剤の還元は活発になる。この結果、ガス放出量は増大する。すなわち、清澄工程前の熔融ガラスの温度と清澄工程時の熔融ガラスの温度の温度差を大きくするほどガス放出量を大きくすることができる。つまり、ガス放出量を調整するには、管に熔融ガラスが流入する前工程である熔解工程における熔融ガラス温度と、処理工程における管を流れる熔融ガラス温度との差を調整することが好ましい。例えば、熔解槽101における熔融ガラスの最高温度と清澄槽102における熔融ガラスの最高温度との差は、50℃以上あることが好ましく、50〜200℃であることがより好ましく、70℃〜150℃であることが好ましい。
また、ガス放出量を増大するには、熔融ガラスの温度調整の他に、清澄剤、例えば酸化錫の含有量によって調整することができる。例えば、清澄剤が酸化錫である場合、その含有率は、0.01〜0.3モル%、好ましくは0.03〜0.2モル%であることが好ましい。清澄剤の含有量が多すぎると、熔融ガラスから揮発した清澄剤が清澄槽102の内壁等に凝集してしまう2次結晶問題が生じるので好ましくない。清澄剤の含有量が少ないと、清澄効果が小さく、泡数が増加する。
図3(a)に示す形態では、好ましい形態として、清澄槽102は、ガスを気相空間内に導入するガス導入管102h,102iを有する。ガスは、熔融ガラス及び白金または白金合金等に不活性なガス、例えば窒素ガス、あるいは、アルゴンガス、ヘリウムガス、ネオンガス等の希ガスあるいはこれらのガスの混合ガスを用いることが好ましい。これらのガスを導入することで、気相空間の酸素濃度が5%以下となることが好ましい。ガス導入管102h,102iは、清澄管102aの内壁に設けられたガス導入口102j,102kに接続されている。したがって、図3(b)に示すように、不活性ガスがガス導入口102j,102kを通して気相空間に導入される。図3(b)は、清澄管102aの内部のガスの流れを説明する図である。
ガス導入管102h,102iからの不活性なガスの導入は、本実施形態では、ガス導入口102j,102kのようなノズルから導入されるが、必ずしもノズルに制限されず、公知の方法で不活性なガスが導入されてもよい。導入される不活性なガスは、気相空間内の温度と温度差が大きくならないように、導入される気相空間の部分の温度近傍まで予め加熱することが好ましい。
通気管102bは、図3(b)に示すように、清澄管102bの気相空間と大気とを接続し、気相空間内の気体や不活性なガスを大気に排出する。本実施形態の通気管102bの形状は、煙突状に真っ直ぐ延びる形状をなしているが、この形状に制限されない。途中で屈曲する形状等であってもよい。
清澄槽102は、上述したように、気相空間中の気体を吸引する吸引装置が設けられることも好ましい。また、吸引装置は、通気管102bと接続するように設けられることが好ましい。ガス導入管、吸引装置、又はその両者を用いて気相空間の圧力を調整(制御)することで、気相空間内に所望の気流を発生させることができる。
清澄槽102の周りには、図示されないが、耐火物レンガで覆われていてもよい。清澄槽102の略中央部で、フランジ102eとフランジ102fとの間には、通気管102bが設けられている。
清澄管102aには、フランジ102e,102fを介して電極板102c,102dが設けられている。フランジ102eは、清澄管102aの一方の端部に設けられている。フランジ102fは、清澄管102aの長手方向の途中の位置に設けられている。勿論、フランジ102fも、清澄管102aの他方の端部に設けられてもよい。電極板102c,102dは、電力供給源である交流電源102gと接続され、所定の電圧が印加される。フランジ102e,102fは、導電性を有する金属で構成され、電極板102c、102dからの電流を、清澄管102aの周上に均一に分散するように流す。電極板102c,102dは、清澄管102aに電流を流して清澄管102aを通電加熱することにより、清澄管102aを流れる熔融ガラスMGの温度を例えば1630℃以上に昇温する。
一方、熔融ガラスMGは、清澄管102a内において、熔融ガラスMGが液面を有するように流れる。上述した清澄管102aの通電加熱により粘性が例えば120〜400ポアズになった熔融ガラスMGは、熔融ガラスMG内で清澄剤の作用により膨張した泡を浮上させ、熔融ガラスMGの液面で破泡させ気相空間に泡に含まれるガスを放出する。すなわち、脱泡処理が行われる。したがって、清澄管102aは、その内部に、熔融ガラスMGが液面を有するように気相空間を有する。
清澄管202の気相空間で破泡して放出された気体は、通気管102bから清澄管102外の大気に放出される。
清澄管102a内を流れる熔融ガラスMGの温度は例えば1630℃以上に維持された後、清澄管102aの後半部分以降または後続するガラス供給管105以降において徐々に(段階的にあるいは連続的に)降温され、泡の吸収処理が行われる。吸収処理では、上述したように気泡が熔融ガラスMGの降温により熔融ガラスMG内に吸収され消滅する。
図3(a)では、一対の電極板102c,102dを設けた例が示されているが、例えば、清澄管102aの後半部分において降温する場合、電極板102c,102dの他に1対以上の電極板を設けてもよい。
なお、清澄管102aは、上述したように、通電加熱により高温(例えば、1700℃程度)に加熱されるので、白金または白金合金等からなる清澄管102aの内壁から白金または白金合金等が揮発し易い。しかも、清澄管102aの気相空間は、上述したように、大気と通じているので気相空間内には酸素が存在し、さらに、脱泡により生じた気体にも酸素が成分として含まれているので、気相空間内の酸素濃度は、大気の酸素濃度よりも高くなっている。したがって、白金または白金合金等の揮発は促進される。このように、気相空間には、清澄管102aの内壁から揮発した白金または白金合金の揮発物を多く含んでいる。
本実施形態の清澄槽102では、図3(a)に示すように、ガス導入口102j,102kをフランジ102e,102fを設けた部分に設けられる。これは、ガス導入口102j,102kから導入された不活性なガスが、図3(b)に示すように、通気管102bに向かって流れるようにするためである。フランジ102e,102fは、電極板102c,102dからの電流を清澄管102aの周上に均一に拡散するために設けられるが、フランジ102e,102fは、清澄管102aから伝わる熱を外部に放射するため、また、熱によるフランジ102e,102fの破損を抑制するための図示されない冷却装置がフランジ102e,102fに併設されてフランジ102e,102fを冷却するので、フランジ102e,102fが設けられる清澄管102aの内壁の部分、すなわち、フランジ対応部分の温度は、このフランジ対応部分の周りの温度に比べて低くなっている。
図4は、清澄管102aの内壁の温度の清澄管102aの長手方向に沿った温度分布の一例を模式的に示す図である。このような温度は、熱電対等を清澄管102aの内壁あるいは内壁に近い気相空間に配置して計測することで取得することができる。清澄管102aの場合、フランジ102e,102fが設けられるフランジ対応部分で温度が周りの部分の温度に比べて低く、さらに言うと、最も低く、通気管102bに進むにつれて温度が徐々に高くなっている。しかし、通気管102bは、大気に近い領域に突出する管であるので、大気への熱の放射は避けられない。このため、通気管102bの設けられる部分では、温度が低下する。しかし、この部分の温度は、フランジ対応部分の温度よりも高い。清澄管102aでは、このような温度分布を有する。
このように、フランジ102e,102fが設けられるフランジ対応部分で、温度がその周りに比べて低くなっている。したがって、上記フランジ対応部分の周りで揮発した白金または白金合金等の揮発物が、低い温度の上記フランジ対応部分に触れると、揮発物の飽和蒸気圧の温度依存性に従って揮発物が凝集し易くなる。このため、上記フランジ102e,102fが設けられるフランジ対応部分の周りで揮発した白金または白金合金等の揮発物が、低い温度の上記フランジ対応部分に触れることがないように、フランジ対応部分から、上記フランジ対応部分よりも温度の高い部分に向かって不活性なガスによる気流を強制的に発生させる。すなわち、気相空間と接する清澄管102aの内壁のうち温度が低い部分から内壁の温度が高い部分に向けて、長尺状の清澄管102aの長手方向の気流が生じるように、熔融ガラス及び白金または白金合金等に不活性なガスを気相空間内に導入する。本実施形態では、上記フランジ102e,102fが設けられるフランジ対応部分に上述したようにガス導入口102j,102kが設けられている。
なお、図4に示すように、通気管102bの設けられる部分で温度が低下する場合、通気管102bの周りにヒータ等を設けて通気管102bを加熱することにより、通気管102bの内壁及び通気管102b近傍の清澄管102aの内壁に白金または白金合金等の揮発物が凝集しないようにすることができる。
また、熔融ガラスから放出された気体に加え、清澄管102a及び熔融ガラスと反応しない不活性なガスが気相空間内に導入されるので、気相空間内の気圧は、大気よりも高くなる。この圧力差のため、気相空間内の清澄により生じた気体、さらには、白金または白金合金等の揮発物を通気管102bを介して大気に素早く排出することができる。このため、白金または白金合金等の揮発物の凝集は生じ難くなる。あるいは、通気管102bに図示しない吸引装置を接続し、気相空間内の清澄により生じた気体、さらには、白金または白金合金等の揮発物を通気管102bから素早く排出させるようにしてもよい。このとき、気相空間内の気圧は、大気圧、あるいは、清澄槽103を取り巻く外部雰囲気の圧力よりも低くなっている。具体的には、気相空間内の気圧は、大気圧よりも0超〜10Pa小さく(0Pa<大気圧―気相空間内気圧<10Pa)てもよい。また、気相空間内に不活性なガスが導入されるので、白金または白金合金等を揮発させ易い酸素の気相空間内での分圧を低下させることができる。このため、白金または白金合金等の揮発を抑制することができる。
本実施形態では、清澄管102aの長手方向に内壁の温度分布が生じるので、不活性なガスの導入によるつくる気流は、図3(b)に示すように、清澄管102aの長手方向に沿っている。しかし、上記気流は、清澄管102aの長手方向に沿うことには限定されず、気相空間と接する清澄管102aの内壁のうち温度が低い部分から内壁の温度が高い部分に向けて気流が生じればよい。
なお、本実施形態では、清澄管102aの内壁の最高温度は1400℃以上1750℃以下であるとき、本実施形態では、清澄管102aや通気管102bにおける、気流による白金または白金合金等の揮発物の凝集を抑制する効果が大きくなる。また、白金または白金合金等の揮発物の凝集を抑制する効果は、清澄管102aの内壁の最高温度が1600℃以上、1630℃以上、さらには1650℃以上になるほど、この順番に大きくなる。清澄管102aの内壁の温度の最高温度が1400℃未満の場合、白金または白金合金等の揮発が問題となり難く、本実施形態の上記効果は小さい。清澄管102aの内壁の最高温度は1630℃以上1750℃以下であることがより好ましく、1650℃以上1750℃以下であることがより好ましい。上記最高温度が低すぎると、熔融ガラスの清澄が十分に得られない。一方、清澄管102aの内壁の最低温度は1200℃以上1630℃以下であることがより好ましく、1300℃以上1600℃以下であることがよりいっそう好ましく、1400℃以上1500℃以下であることが特に好ましい。上記最低温度が高すぎると、フランジ102e,102fが熔損する。また、上記最低温度が低すぎると、白金または白金合金等の揮発物の凝集が生じ易くなる。
また、清澄管102aの内壁の最低温度と最高温度の温度差が大きいと、白金または白金合金等の飽和蒸気圧の差が大きくなり、凝集が発生しやすくなる。内壁のうち、最も温度の高い部分の最高温度と最も温度の低い部分の最低温度の温度差は、50℃以上300℃以下であるとき、本実施形態における白金または白金合金等の揮発物の凝集を抑制する効果が大きくなる。上記温度差が50℃未満である場合、白金または白金合金等の揮発物の凝集の程度は小さく、凝集の問題は生じにくい。上記温度差が150℃以上、さらには250℃以上であると、揮発物の凝集の抑制の効果は顕著に大きくなる。
また、本実施形態の気相空間内では、温度が高くなるほど圧力が低くなるよう、あるいは圧力が低くなるほど温度が高くなるよう、気相空間内の圧力を調整(制御)することが、揮発物の凝集の抑制する点から好ましい。
(ガラス組成)
このようなガラス基板として、以下のガラス組成のガラス基板が例示される。したがって、以下のガラス組成をガラス基板が有するようにガラス原料は用いられる。SiO2:55〜75モル%、
Al23:5〜20モル%、
23:0〜15モル%、
RO:5〜20モル%
(RはMg、Ca、Sr及びBaのうち、ガラス基板に含まれる全元素)、
R’2O:0〜0.8モル%(R’はLi、K、及びNaのうち、ガラス基板に含まれる全元素)。
上記ガラスは、高温粘性が高いガラスの一例である。このようなガラスにおいて、清澄管102aにおいて適正な熔融ガラスの粘度で脱泡を行うために熔融ガラスを高温に加熱する。このため、清澄管102aの内壁から揮発物は多量に揮発し、揮発物の凝集が問題となる。このような場合、白金または白金合金等の揮発物の凝集を抑制する本実施形態の効果は顕著となる。
このとき、SiO2、Al23、B23、及びRO(Rは、Mg、Ca、Sr及びBaのうち前記ガラス基板に含有される全元素)の少なくともいずれかを含み、モル比((2×SiO2)+Al23)/((2×B23)+RO)は4.0以上であってもよい。すなわち、モル比((2×SiO2)+Al23)/((2×B23)+RO)は4.0以上であるガラスは、高温粘性が特に高いガラスの一例である。そのため、白金または白金合金等の揮発物の凝集を抑制する本実施形態の効果はより顕著となる。また、アルカリ金属酸化物の含有量が少ないほどガラス粘度は高くなる傾向にあるので、アルカリ金属酸化物の合量であるR’2Oが0〜0.8モル%であるガラスは特に粘性が高い。粘度が高いガラスを十分に清澄させるためには清澄槽温度(白金または白金合金)の温度を高くする必要があるが、このような粘度の高いガラスを製造する場合であっても、本実施形態を適用することで白金または白金合金等の揮発物の凝集を抑制する効果が得られる。
また、本実施形態の白金または白金合金等の揮発物の凝集を抑制する効果は、上述した高温粘性の高いガラスを用いる場合の他、熔解温度の高いガラスを用いる場合においても、顕著となる。例えば、熔解温度の指標となる粘度が102.5ポアズであるときの温度が1500℃以上であるガラスを製造する場合には、本実施形態の白金または白金合金等の揮発物の凝集を抑制する効果が顕著となる。
ガラス基板の歪点は650℃以上であってもよく、690℃以上であることがより好ましく、730℃以上であることがよりいっそう好ましい。また、歪点が高いガラスは、粘度が102.5ポアズにおける
熔融ガラスの温度が高くなる傾向にあるため、本実施形態の効果が顕著となる。
また、酸化錫を含み、粘度が102.5ポアズであるときの熔融ガラスの温度が1500℃以上となるようにガラス原料を熔解した場合、より本実施形態の効果が顕著となり、粘度が102.5ポアズであるときの熔融ガラスの温度は、例えば1500〜1700℃であり、1550〜1650℃であってもよい。
本実施形態で製造されるガラス基板は、フラットパネルディスプレイ用ガラス基板を含むディスプレイ用ガラス基板に好適である。IGZO(インジウム、ガリウム、亜鉛、酸素)等の酸化物半導体を使用した酸化物半導体ディスプレイ用ガラス基板及びLTPS(低温度ポリシリコン)半導体を使用したLTPSディスプレイ用ガラス基板に好適である。また、本実施形態で製造されるガラス基板は、アルカリ金属酸化物の含有量が極めて少ないことが求められる液晶ディスプレイ用ガラス基板に好適である。また、また、有機ELディスプレイ用ガラス基板にも好適である。言い換えると、本実施形態のガラス基板の製造方法は、ディスプレイ用ガラス基板の製造に好適であり、特に、液晶ディスプレイ用ガラス基板の製造に好適である。
また、本実施形態で製造されるガラス基板は、カバーガラス、磁気ディスク用ガラス、太陽電池用ガラス基板などにも適用することが可能である。
さらに、作製するガラス基板の板厚が薄いガラス基板、例えば0.5mm以下、さらには0.3mm以下、さらには0.1mm以下のガラス基板においても、本実施形態の白金または白金合金等の揮発物の凝集を抑制する効果は、板厚の厚いガラス基板に比べて顕著となる。清澄管102a等の内壁に凝集した白金または白金合金等の凝集物の一部が微粒子となって熔融ガラス中に落下し、熔融ガラス中に混入しガラス基板に含まれる。この場合、ガラス基板の板厚が薄いほど、欠陥となる微粒子はガラス基板の表面に位置することが多い。ガラス基板の表面に位置する微粒子は、ガラス基板を用いたパネル製造工程において離脱すると、離脱した部分が凹部となり、ガラス基板上に形成される薄膜が均一に形成されず、画面の表示欠陥をつくる。したがって、本実施形態のように清澄管102aにおいて白金または白金合金等の揮発物の凝集を抑制する効果は、板厚が薄いガラス基板ほど大きくなる。
なお、本実施形態では、清澄槽102に適用した例を示したが、熔融ガラスを均質化する攪拌槽103に適用することもできる。この場合、攪拌槽103の内壁のうち温度が低い部分は、攪拌槽103の天井壁と側壁の接続部分である場合が多い。この場合、上記接続部分から不活性なガスを気相空間内に供給することが好ましい。このとき、攪拌槽103とスターラ103aとの間の隙間から気相空間内の気体やガスを外部に流すことができる。
以上本実施形態についてまとめると以下のことが言える。
(1)本実施形態では、気相空間には、前記気相空間中に含まれる白金族金属が飽和蒸気圧となる温度を下回る領域を通らないような気流が形成される。これにより、気相空間内における白金又は白金合金の凝集が抑制される。また、気相空間内の温度の低い領域から高い領域に向かって気流をつくることで、より白金又は白金合金の凝集を抑制することができる。当該気流は、気相空間内の圧力を調整(制御)する圧力調整(制御)装置を含む気流形成装置を用いて形成することが好ましい。
圧力調整装置としては、気相空間内にガスを導入するガス導入管、気相空間を吸引する吸引装置、又はその組み合わせを用いることが好ましい。
気相空間の圧力は、気相空間の温度が高い領域ほど低くなるように調整(制御)されることが好ましい。これにより、気相空間内の温度の低い領域から高い領域に向かって気流をつくることができる。
(2)本実施形態では、ガス導入管から導入させるガスは、熔融ガラス及び白金族金属に不活性なガスであることが好ましい。不活性なガスを、気相空間に導入することで、気相空間内の酸素分圧を低下させ、清澄管102aの内壁から白金又は白金合金の揮発量を低減することができる。さらに、本実施形態では、不活性なガスを、気相空間と接する清澄管102aの内壁のうち内壁の温度が低い部分から気相空間に導入し、揮発した白金または白金合金が気相空間内の温度の低い領域から高い領域に向かって気流をつくることが、白金または白金合金等の揮発物の凝集を抑制する点で好ましい。例えば、不活性なガスは、清澄管102aの内壁のうち、周りの温度に比べて温度が低い部分、例えば温度が極小となっている部分から気相空間に導入されることが好ましい。特に好ましくは、清澄管102aの内壁のうち、温度が最も低くなっている部分から気相空間に導入される。
本実施形態では、清澄管102aのうち揮発物が凝集し易い内壁の温度が低い部分から不活性ガスを導入するので、揮発物が凝集し易い場所から揮発物を速やかに流す気流をつくるとともに、酸素分圧を低くする。したがって、揮発物の飽和蒸気圧の分圧依存性に従って、揮発物の凝集は抑制される。
(3)本実施形態では、熔融ガラスの清澄を行う清澄管102aに適用される。清澄管102aは、清澄から成形直前までの、白金または白金合金等を用いる装置の中で、熔融ガラスの温度を最も高く加熱する装置である。このため、清澄管102aにおいて、白金または白金合金等の揮発は上記装置の中で最も激しい。しかも、清澄管102aで行われる脱泡によって気相空間に放出される気体の成分には、白金または白金合金等の揮発を助長する酸素が多く含まれるため、気相空間内の酸素分圧は、大気に比べて高い。このため、気相空間では、内壁から白金または白金合金等がよりいっそう揮発する。さらに、清澄管102aは、攪拌槽103等の他の装置に比べて、内壁の最高温度と最低温度の差が大きく、揮発物の飽和蒸気圧の差も大きくなるので、揮発物が通気管102bを通して大気に排出されるまで、揮発物の凝集が生じやすい。したがって、揮発物の凝集を抑制するために、気相空間中に含まれる白金族金属が飽和蒸気圧となる温度を下回る領域を通らないような気流が形成されること、清澄管102aに適用することが好ましい。この場合、清澄により生じた気体及び導入された不活性なガスの気流は、通気管102bに向かう流れであるので、清澄により生じた気体も容易に大気に排出することができる。
なお、清澄管102aの通気管102bは、大気に近い位置に設けられるため、通気管102bの温度は清澄管102aの内壁の温度に比べて低くなり易く、飽和蒸気圧が小さくなるので、通気管102bを通る揮発物は凝集し易くなる。このため、飽和蒸気圧が通気管102b近傍の揮発物の蒸気圧よりも大きくなるように通気管102bを加熱して、揮発物の凝集を抑制することが好ましい。
(4)清澄槽102は、長尺状の清澄管102aを含み、清澄管102aには、清澄管102aの長手方向の一部分の外周を囲むフランジ102e,102fが設けられている。そして、ガスは、清澄管102aのフランジ102e,102fの設けられる部分から導入される。フランジ102e,102fは、清澄管102aの外部の温度にさらされるので、フランジ102e,102fから熱が放出される。したがって、フランジ102e,102fが設けられる清澄管102aの内壁の部分の温度は、その周りにおいて低くなる。この部分に、ガスが導入されるので、フランジ102e,102fが設けられる清澄管102aの内壁の部分に触れようとする揮発物を周りの温度の高い部分に移動させるので、揮発物を凝集させることを効果的に抑制することができる。
(5)フランジ102e,102fは、清澄管102aの長手方向の2か所の位置の外周を囲むように2つ設けられる。そして、通気管102bは、清澄管102aの長手方向の前記2か所の間に1つ設けられる。このとき、図2(b)に示すように、ガスは、前記2か所から気相空間内に導入されて互いに対向する方向に向いて流れる気流をつくり、1つの通気管から排出される。したがって、清澄管102aの長手方向の2か所の位置に設けられたフランジ102e,102fによって温度が低下する内壁の2か所の部分において、揮発物が凝集することを同時に抑制することができる。
(6)本実施形態では、2か所に設けられるフランジの少なくとも1つは、清澄管102aの端部に設けられることにより、熔融ガラスを清澄管102aの端部から加熱することができる。特に、熔融ガラスが攪拌槽103に向けて流れる方向の上流側の清澄管102aの端部に設けることにより、効率よく熔融ガラスを加熱することができる。
清澄槽102は、清澄管102aの通電加熱により清澄管102aが発熱することにより、熔融ガラスの温度を調整する。これにより、熔融ガラスの清澄を素早く行うことができる。しかし、清澄管102aを通電加熱するので、清澄管102aの内壁の温度は、極めて高くなる。このため、白金または白金合金等の揮発は極めて激しい。このような場合であっても、本実施形態の清澄槽102は、気相空間内に上述したような気流をつくるので、清澄管102a内で揮発物の凝集を抑制することができる。
清澄槽102の清澄管102aには、清澄管102aの長手方向の一部分の位置の外周を囲むフランジ102,102fが設けられ、フランジ102e,102fから清澄槽102の清澄管102aに電流を流して清澄管102aを発熱させることにより、熔融ガラスの温度を調整する電力供給源を有するので、清澄管102aの周上において清澄管102aは比較的均一な発熱をし、熔融ガラスの温度にムラを生じさせない。このため、熔融ガラスの清澄を効率よく行わせることができる。
なお、本実施形態では、熔融ガラスの加熱に清澄管102aに直接電流を流して発熱させる通電加熱の方式を用いるが、通電加熱の方式に制限されない。例えば、清澄管102aの周囲にヒータ等の熱源を設けることにより、清澄管102aを間接的に加熱することにより、熔融ガラスの温度を調整してもよい。清澄管102aに電流を流す通電加熱の方式では、熔融ガラスの温度の調整がしやすい。しかし、清澄管102aの内壁も同時に高温になるため、清澄管102aの内壁で温度のムラが生じやすく、白金または白金合金等の揮発物の凝集が起こりやすくなる。しかし、本実施形態を採用することで、このような通電加熱の方式の場合でも、白金または白金合金等の揮発物の凝集を抑制することができる。したがって、通電加熱の方式の場合、清澄管102aをヒータ等により間接的に加熱する場合に比べて白金または白金合金等の揮発物の凝集を抑制する効果は大きくなる。
(7)本実施形態では、ガス導入口102j,102kから気相空間内に、熔融ガラスの液面に対して垂直下方の方向にガスを噴射するが、ガスの噴射方向は特に制限されない。図3(c)は、清澄管102aの内部のガスの流れの他の一例を説明する図である。図3(c)に示すように、ガスの噴射方向は、清澄管102aの通気管102bが設けられる長手方向の中央の側に向かうように、ガスを斜めに噴射させることが、ガスの通気管102bに向かう流れを容易に作ることができる点で、好ましい。また、清澄管102aの両端に向けてガスを気相空間内に導入し、清澄管102aの両端の壁面でガスを反射させた後に、通気口102bに向かう流れを作るようにしてもよい。
以上、本発明のガラス基板の製造装置、ガラス基板の製造方法、及び熔融ガラス処理装置について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更をしてもよいのはもちろんである。
100 熔融ガラス生成装置
101 熔解槽
101d スクリューフィーダ
102 清澄槽
102a 清澄管
102b 通気管
102c,102d 電極板
102e,102f フランジ
102g 交流電源
102h,102i ガス導入管
102j,102k ガス導入口
103 攪拌槽
103a スターラ
104,105,106 ガラス供給管
200 成形装置
210 成形体
300 切断装置

Claims (17)

  1. ガラスの原料を熔解して熔融ガラスを生成する熔解工程と、
    前記熔融ガラスを有する液相と前記熔融ガラスの液面と内壁から形成される気相空間とを有し、前記気相空間を囲む内壁の少なくとも一部が白金族金属を含む材料で構成された熔融ガラス処理装置において前記熔融ガラスを処理する処理工程と、を有し、
    前記熔融ガラス処理装置の前記気相空間には、気流が形成され、
    前記気流は、前記気相空間と接する前記熔融ガラス処理装置の内壁の温度が低い部分から高い部分に向けて流れる気流であり、前記気相空間中に含まれる白金族金属が飽和蒸気圧となる温度以上の温度の領域を通るように形成される、ことを特徴とするガラス基板の製造方法。
  2. ガラスの原料を熔解して熔融ガラスを生成する熔解工程と、
    前記熔融ガラスを有する液相と前記熔融ガラスの液面と内壁から形成される気相空間とを有し、前記気相空間を囲む内壁の少なくとも一部が白金族金属を含む材料で構成された熔融ガラス処理装置において前記熔融ガラスを処理する処理工程と、を有し、
    前記熔融ガラス処理装置の前記気相空間には、気流が形成され、
    前記気流は、前記気相空間と接する前記熔融ガラス処理装置の内壁の温度が低い部分から高い部分に向けて流れる気流であり、前記気相空間中に含まれる白金族金属が飽和蒸気圧となる温度を下回る領域を通らないように形成される、ことを特徴とするガラス基板の製造方法。
  3. 前記気流は、前記気相空間内の圧力を調整することで形成される、請求項またはに記載のガラス基板の製造方法。
  4. 前記気流は、ガスを前記気相空間内に導入することで形成される、請求項1から3のいずれか1項に記載のガラス基板の製造方法。
  5. 前記ガスは、前記気相空間と接する前記熔融ガラス処理装置の内壁のうち、周りの温度に比べて温度が低い部分から前記気相空間に導入される、請求項に記載のガラス基板の製造方法。
  6. ガラスの原料を熔解して熔融ガラスを生成する熔解工程と、
    前記熔融ガラスを有する液相と前記熔融ガラスの液面と内壁から形成される気相空間とを有し、前記気相空間を囲む内壁の少なくとも一部が白金族金属を含む材料で構成された熔融ガラス処理装置において前記熔融ガラスを処理する処理工程と、を有し、
    前記熔融ガラス処理装置の前記気相空間には、ガスを前記気相空間内に導入することで気流が形成され、
    前記ガスは、前記気相空間と接する前記熔融ガラス処理装置の内壁のうち、周りの温度に比べて温度が低い部分から前記気相空間に導入され、
    前記気流は、前記気相空間中に含まれる白金族金属が飽和蒸気圧となる温度以上の温度の領域を通るように形成される、ことを特徴とするガラス基板の製造方法。
  7. ガラスの原料を熔解して熔融ガラスを生成する熔解工程と、
    前記熔融ガラスを有する液相と前記熔融ガラスの液面と内壁から形成される気相空間とを有し、前記気相空間を囲む内壁の少なくとも一部が白金族金属を含む材料で構成された熔融ガラス処理装置において前記熔融ガラスを処理する処理工程と、を有し、
    前記熔融ガラス処理装置の前記気相空間には、ガスを前記気相空間内に導入することで気流が形成され、
    前記ガスは、前記気相空間と接する前記熔融ガラス処理装置の内壁のうち、周りの温度に比べて温度が低い部分から前記気相空間に導入され、
    前記気流は、前記気相空間中に含まれる白金族金属が飽和蒸気圧となる温度を下回る領域を通らないように形成される、ことを特徴とするガラス基板の製造方法。
  8. 前記気流は、前記気相空間と接する前記熔融ガラス処理装置の内壁の温度が低い部分から高い部分に向けて流れる気流である、請求項またはに記載のガラス基板の製造方法。
  9. 前記気流は、前記気相空間と接続するように設けられた吸引装置によって前記気相空間内の圧力分布を調整することで形成される、請求項1〜のいずれか1項に記載のガラス基板の製造方法。
  10. 前記内壁の温度の最も高い部分と最も低い部分との間の温度差は、50℃以上300℃以下である、請求項1〜のいずれか1項に記載のガラス基板の製造方法。
  11. 前記熔融ガラス処理装置は、前記熔融ガラスの清澄を行い、前記清澄により生じる気体を、前記気相空間と大気とを接続した通気管を通して大気に排出する清澄槽であり、前記気流は、前記通気管に向かう流れである、請求項1〜10のいずれか1項に記載のガラス基板の製造方法。
  12. 前記ガラス基板は、ディスプレイ用ガラス基板である、請求項1〜11のいずれか1項に記載のガラス基板の製造方法。
  13. 熔融ガラスを処理する熔融ガラス処理装置であって、
    少なくとも一部が白金族金属を含む材料で構成された内壁と、
    熔融ガラスを有する液相空間と、
    前記熔融ガラスの液面と前記内壁とから形成される気相空間と、を有し、
    前記気相空間には、気流が形成され、
    前記気流は、前記気相空間と接する前記熔融ガラス処理装置の内壁の温度が低い部分から高い部分に向けて流れる気流であり、前記気相空間中に含まれる白金族金属が飽和蒸気圧となる温度以上の温度の領域を通るように形成される、熔融ガラス処理装置。
  14. 熔融ガラスを処理する熔融ガラス処理装置であって、
    少なくとも一部が白金族金属を含む材料で構成された内壁と、
    熔融ガラスを有する液相空間と、
    前記熔融ガラスの液面と前記内壁とから形成される気相空間と、を有し、
    前記気相空間には、気流が形成され、
    前記気流は、前記気相空間と接する前記熔融ガラス処理装置の内壁の温度が低い部分から高い部分に向けて流れる気流であり、前記気相空間中に含まれる白金族金属が飽和蒸気圧となる温度を下回る領域を通らないように形成される、熔融ガラス処理装置。
  15. 熔融ガラスを処理する熔融ガラス処理装置であって、
    少なくとも一部が白金族金属を含む材料で構成された内壁と、
    熔融ガラスを有する液相空間と、
    前記熔融ガラスの液面と前記内壁とから形成される気相空間と、を有し、
    前記気相空間には、ガスを前記気相空間内に導入することで気流が形成され、
    前記ガスは、前記気相空間と接する前記熔融ガラス処理装置の内壁のうち、周りの温度に比べて温度が低い部分から前記気相空間に導入され、
    前記気流は、前記気相空間中に含まれる白金族金属が飽和蒸気圧となる温度以上の温度の領域を通るように形成される、熔融ガラス処理装置。
  16. 熔融ガラスを処理する熔融ガラス処理装置であって、
    少なくとも一部が白金族金属を含む材料で構成された内壁と、
    熔融ガラスを有する液相空間と、
    前記熔融ガラスの液面と前記内壁とから形成される気相空間と、を有し、
    前記気相空間には、ガスを前記気相空間内に導入することで気流が形成され、
    前記ガスは、前記気相空間と接する前記熔融ガラス処理装置の内壁のうち、周りの温度に比べて温度が低い部分から前記気相空間に導入され、
    前記気流は、前記気相空間中に含まれる白金族金属が飽和蒸気圧となる温度を下回る領域を通らないように形成される、熔融ガラス処理装置。
  17. ガラス原料を熔解して熔融ガラスをつくる熔解装置と、
    請求項13から16のいずれか1項に記載の熔融ガラス処理装置と、を備える、ことを特徴とするガラス基板の製造装置。
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