JP5491665B2 - ガラス板の製造方法及びガラス板製造装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ダウンドロー法によるガラス板の製造方法及びガラス板製造装置に関する。
液晶ディスプレイやプラズマディスプレイなどのフラットパネルディスプレイ(以下、「FPD」という。)に用いるガラス基板には、厚さが例えば0.5〜0.7mmと薄いガラス板が用いられている。このFPD用ガラス基板は、例えば第1世代では300×400mmのサイズであるが、第10世代では2850×3050mmのサイズになっている。
このような第8世代以降の大きなサイズのFPD用ガラス基板を製造するには、オーバーフローダウンドロー法が最もよく使用される。オーバーフローダウンドロー法は、成形炉において熔融ガラスを成形体の上部から溢れさせることにより成形体の下方において板状ガラスを成形する工程と、板状ガラスを徐冷炉において徐冷する工程とを含む。徐冷炉は、対になったローラ間に板状ガラスを引き込むことにより所望の厚さに引き伸ばした後、板状ガラスの内部歪や熱収縮を低減するように、板状ガラスを徐冷する。この後、板状ガラスは、所定の寸法に切断されてガラス板とされて他のガラス板上に積層されて保管される。あるいはガラス板は次工程に搬送される。
このような成形により製造されたガラス板は、半導体素子をガラス表面に形成する液晶ディスプレイのガラス基板に用いられるが、このガラス表面に形成する半導体素子の特性が、ガラス基板のガラス組成によって劣化しないように、アルカリ金属の成分を全く含有しないか、含有しても含有量が少ないガラス板が好適に用いられる。
ところで、ガラス板中に泡が存在すると表示欠点の原因となるため、泡が存在するガラス板は、フラットパネルディスプレイ用ガラス基板として好適ではない。このため、泡がガラス板に残存しないことが求められている。特に、液晶ディスプレイ用ガラス基板や有機ELディスプレイ用ガラス基板では、泡に対する要求が厳しい。
しかしながら、半導体素子の特性の劣化を抑えるために、アルカリ金属の成分を含有しないか、含有しても含有量が少量であるガラス板は、ソーダライムガラスなどのアルカリ金属を多量に含有したガラス板に比べて高温粘性が高く、製造中の熔融ガラスから泡が抜けにくいといった問題がある。
環境負荷の低減の観点から、従来用いられていた毒性の高いAsの使用を制限することが求められている。そこで近年は、Asに代えてAsに比べて清澄機能が劣るSnOやFeが清澄剤として用いられている。SnOやFeは、ガラスの失透や着色の原因となるため、Asと同等の清澄機能を確保するために多量にガラスに添加するということはできない。このため、最終製品としてのガラス板に泡がより残存し易くなっている。
これに対して、ガラス化反応が1300〜1500℃で生じる無アルカリガラスを、例えば、1650℃まで温度上昇させて脱泡させるガラス基板の製造方法において、脱泡効果を改善するために、熔融ガラスが有するβ―OH値を0.485/mm以上とする技術が提案されている(特許文献1)。
特開2005−97090号公報
ここで、例えば、アルカリ金属を含有しないか、含有しても含有量が少量であるガラス組成では、熔融ガラス中に熔解できるSOの熔解度が小さいので、一旦SOの泡が生じると、最終製品としてのガラス板に泡の欠点として残存し易くなる。
しかし、上記特許文献1に記載の技術では、清澄工程後のSO泡の発生を十分に抑制することができないという問題があった。
そこで、本発明は、ガラス板を製造する際に、ガラス板に残存する泡を効率よく低減することができるガラス板の製造方法及びガラス板製造装置を提供することを目的とする。
本発明の第1の様態は、ガラス板の製造方法である。
当該製造方法は、
ガラス原料を少なくとも通電加熱により熔解してSnO を清澄剤として含む熔融ガラスをつくる熔解工程と、
前記熔解工程の後、2.5℃/分以上の昇温速度で前記熔融ガラスの温度を1630℃以上に昇温させることにより前記熔融ガラス中に泡を生成させて脱泡を行う脱泡処理と、前記脱泡処理の後、前記熔融ガラスを降温させることにより、前記熔融ガラス中の泡を前記熔融ガラスに吸収させる吸収処理と、を含む清澄工程と、
前記清澄工程後の前記熔融ガラスを板状ガラスに成形する成形工程と、を含む。
このとき、製造されたガラス板のSnOは、0.01〜0.5質量%、含有していることが好ましい。さらに、製造されたガラス板は、SnOとFeを組み合わせて含有することが好ましく、この場合、SnOを0.01〜0.5質量%含有し、Feを0.01〜0.1質量%含有することが好ましい。
本発明の第2の態様では、前記清澄工程における前記熔融ガラスの昇温は、前記熔解工程が行われる熔解槽と前記清澄工程が行われる清澄槽との間を接続する金属管を少なくとも用いて、前記金属管に流す電流を制御することにより行われる、本発明の第1の様態に記載のガラス板の製造方法である。
本発明の第3の態様は、1630℃の温度における前記熔融ガラスの粘度は、130〜350poiseである、本発明の第1または第2の様態に記載のガラス板の製造方法である。
本発明の第4の態様は、前記ガラス板は、R’ Oの含有量が0〜2.0質量%である(R’ OはLi O、Na O及びK Oのうち含有する成分の合計)、本発明の第1〜第3の様態のいずれかに記載のガラス板の製造方法である。
本発明の第5の態様は、前記ガラス板は、SiO :50〜70質量%、B :5〜18質量%、Al :10〜25質量%、MgO:0〜10質量%、CaO:0〜20質量%、SrO:0〜20質量%、BaO:0〜10質量%、RO:5〜20質量%(ただしRはMg、Ca、SrおよびBaから選ばれる少なくとも1種であり、ROは、MgO、CaO、SrOおよびBaOのうち含有する成分の合計)、を含有する、本発明の第1〜第4の様態のいずれかに記載のガラス板の製造方法である。
本発明の第6の態様は、前記清澄工程と前記成形工程との間に、熔融ガラスの成分を均質に攪拌する攪拌工程を含み、
前記熔解工程では、前記熔融ガラスの熔解開始時の温度に比べて高い温度で前記熔融ガラスが前記清澄工程に供給され、
前記清澄工程では、前記吸収処理後の温度に比べて低い温度で前記熔融ガラスが前記攪拌工程に供給され、
前記成形工程では、前記熔融ガラスの粘度η(poise)に関してlogη=4.3〜5.7となる温度で前記熔融ガラスが供給されて、板状ガラスに成形される、本発明の第1〜第5の様態のいずれかに記載のガラス板の製造方法である。
本発明の第7の態様は、前記熔解工程が行われる熔解槽と前記清澄工程が行われる清澄槽との間を接続する金属管において、2.5℃/分以上の昇温速度で熔融ガラスの温度を1630℃以上に昇温させる、本発明の第1〜第6の様態のいずれかに記載のガラス板の製造方法である。
本発明の第8の態様は、ガラス板製造装置であり、
ガラス原料を少なくとも通電加熱により熔解してSnO を清澄剤として含む熔融ガラスをつくる熔解槽と、
前記熔融ガラスの温度を、2.5℃/分以上の昇温速度で1630℃以上に昇温させることにより前記熔融ガラス中に泡を生成させて脱泡を行い、前記脱泡後、前記熔融ガラスを降温させることにより、前記熔融ガラス中の泡を前記熔融ガラスに吸収させる清澄槽と、
前記清澄槽を通過後の前記熔融ガラスを板状ガラスに成形する成形装置と、を含む。
上記態様のガラス板の製造方法及びガラス板製造装置は、ガラス板に残存する泡を効率よく低減することができる。
本実施形態のガラス板の製造方法の工程図である。 本実施形態のガラス板の製造方法のうち、熔解工程〜切断工程を行う装置を模式的に示す図である。 本実施形態の清澄工程を行う装置構成を主に示す図である。 本実施形態の成形工程及び切断工程を行う装置構成を主に示す図である。 本実施形態の熔解工程から成形工程に至る温度履歴の一例を説明する図である。 本実施形態の脱泡処理が行われるときの熔融ガラスに含まれるOの排出量と昇温速度の関係を示す図である。 ガラス板に残存する泡を再現したガラス中の孔内に含有されるSOの含有量の測定結果を示す図である。 図5に示す熔融ガラスの温度履歴を模擬した実験炉でガラス板を作製したときの泡レベルと降温速度の関係を示す図である。 図2に示すガラス板を製造する装置を用いてガラス板を製造したときのガラス板内に存在する泡レベルと降温速度の関係を示す図である。 図2に示すガラス板を製造する装置を用いてガラス板を製造したときのガラス板内に存在する泡レベルと昇温速度の関係を示す図である。
以下、本実施形態のガラス板の製造方法及びガラス板製造装置について説明する。
(ガラス板の製造方法の全体概要)
図1は、本実施形態のガラス板の製造方法の工程図である。
ガラス板の製造方法は、熔解工程(ST1)と、清澄工程(ST2)と、均質化工程(ST3)と、供給工程(ST4)と、成形工程(ST5)と、徐冷工程(ST6)と、切断工程(ST7)と、を主に有する。この他に、研削工程、研磨工程、洗浄工程、検査工程、梱包工程等を有し、梱包工程で積層された複数のガラス板は、納入先の業者に搬送される。
図2は、熔解工程(ST1)〜切断工程(ST7)を行うガラス基板製造装置を模式的に示す図である。当該装置は、図2に示すように、主に熔解装置200と、成形装置300と、切断装置400と、を有する。熔解装置200は、熔解槽201と、清澄槽202と、攪拌槽203と、ガラス供給管204,205,206と、を主に有する。なお、ガラス供給管204,205は、後述するように熔融ガラスMGを流す金属管であるとともに清澄機能を有するので、実質的に清澄槽でもある。以降では、ガラス供給管204を第1清澄槽204、清澄槽202を第2清澄槽202、ガラス供給管205を第3清澄槽205という。なお、熔解槽201以降、成形装置300までの各槽間を接続する第1清澄槽204,第3清澄槽205,ガラス供給管206および第2清澄槽202と攪拌槽203の本体部分は、白金あるいは白金合金管により構成されている。第1清澄槽204および第3清澄槽205は円筒形状もしくは、樋形状を成している。
熔解工程(ST1)では、SnOが清澄剤として添加されて熔解槽201内に供給されたガラス原料、すなわちSnOを清澄剤として含むガラス原料を、少なくとも電極を用いた通電加熱により熔解することで、熔融ガラスを得る。さらに、電極を用いた通電加熱の他に、図示されない火焔を用いてガラス原料を熔解して熔融ガラスを得てもよい。通電加熱と火炎を用いたガラス原料の熔解を行う場合、具体的には、図示されない原料投入装置を用いてガラス原料は熔融ガラスMGの液面に分散させて供給される。ガラス原料は、火炎で高温となった気相により加熱されて徐々に熔解し、熔融ガラスMG中に溶ける。熔融ガラスMGは、通電加熱により昇温される。なお、熔解工程、あるいは熔解工程と清澄工程の間において、熔融ガラス中で酸素ガスによるバブリングを行ってもよい。なお、バブリングは、熔解工程の初期において行わないことが好ましい。これは、熔解工程の初期(例えば、熔融ガラスが1540℃未満の温度)では、熔解槽201において熔融ガラスMGに通電加熱をするとき、熔解槽201を構成するレンガなどの部材の電気抵抗よりも、ガラスの電気抵抗の方が大きいため、レンガなどの部材に電流が流れ易くなり、電極を用いた熔融ガラスMGへの通電加熱が困難となるためである。
清澄工程(ST2)は、少なくとも第1清澄槽204、第2清澄槽202および第3清澄槽205において行われる。清澄工程では、第1清澄槽204内の熔融ガラスMGが昇温されることにより、熔融ガラスMG中に含まれるO、COあるいはSO等のガス成分を含んだ泡が、清澄剤であるSnOの還元反応により生じたOを吸収して成長し、熔融ガラスMGの液面に浮上して放出される。また、清澄工程では、熔融ガラスMGの温度の低下による泡中のガス成分の内圧が低下することと、SnOの還元反応により得られたSnOが熔融ガラスMGの温度の低下によって酸化反応をすることにより、熔融ガラスMGに残存する泡中のO等のガス成分が熔融ガラスMG中に再吸収されて、泡が消滅する。清澄剤による酸化反応及び還元反応は、熔融ガラスMGの温度を調整することにより行われる。熔融ガラスMGの温度の調整は、第1清澄槽204、第2清澄槽202、第3清澄槽205の温度を調整することにより、行われる。各清澄槽の温度の調整は、管そのものへ電気を流す直接通電加熱、或いは、第1清澄槽204、第2清澄槽202、第3清澄槽205の周りに配置したヒータを用いて各槽を加熱する間接加熱、さらに、空冷、水冷のクーラによる間接冷却、第1清澄槽204、第2清澄槽202、第3清澄槽205のへのエアー吹きつけ、また水噴霧等のいずれかの加熱、冷却方法、或いは、これらの方法の組み合わせによって行われる。また、図2では、清澄を行う槽が、第1清澄槽204、第2清澄槽202、第3清澄槽205の3つの部分に分かれているが、さらに細分化されても当然よい。
本実施形態の熔融ガラスMGの温度の調整では、上述した方法の一つである直接通電加熱が用いられる。具体的には、第2清澄槽202に熔融ガラスMGを供給する第1清澄槽204に設けられた図示されない金属製フランジと、第2清澄槽202に設けられた図示されない金属製フランジとの間で電流を流し(図3中の矢印)、さらに、第2清澄槽202に設けられた図示されない金属製フランジと、この金属フランジに対して熔融ガラスMGの下流側の第2清澄槽202に設けられた図示されない金属製フランジとの間に電流を流す(図3中の矢印)ことにより熔融ガラスMGの温度が調整される。本実施形態では、金属製フランジ間の1つ目の領域と、金属製フランジ間の2つ目の領域に、別々の一定の電流を流して第1清澄槽204と第2清澄槽202を通電加熱することにより、熔融ガラスMGの温度を調整するが、この通電加熱は2つの領域の通電加熱による温度調整に限定されず、1つの領域の通電加熱を行って、あるいは、3つ以上の領域で通電加熱を行って、熔融ガラスMGの温度調整を行うこともできる。
均質化工程(ST3)では、第3清澄槽205を通って供給された攪拌槽203内の熔融ガラスMGを、スターラ203aを用いて攪拌することにより、ガラス成分の均質化を行う。攪拌槽203は2つ以上設けられてもよい。
供給工程(ST4)では、ガラス供給管206を通して熔融ガラスが成形装置300に供給される。
成形装置300では、成形工程(ST5)及び徐冷工程(ST6)が行われる。
成形工程(ST5)では、熔融ガラスを板状ガラスGに成形し、板状ガラスGの流れを作る。本実施形態では、後述する成形体310を用いたオーバーフローダウンドロー法を用いる。徐冷工程(ST6)では、成形されて流れる板状ガラスGが、内部歪が生じないように冷却される。
切断工程(ST7)では、切断装置400において、成形装置300から供給された板状ガラスGを所定の長さに切断することで、ガラス板を得る。切断されたガラス板はさらに、所定のサイズに切断され、目標サイズのガラス板が作製される。この後、ガラスの端面の研削、研磨およびガラス板の洗浄が行われ、さらに、泡や脈理等の欠点の有無が検査された後、検査合格品のガラス板が最終製品として梱包される。
(清澄工程)
図3は、清澄工程を行う装置構成を主に示す図である。清澄工程は、脱泡工程と吸収工程とを含む。脱泡工程では、熔融ガラスMGを1630℃以上に昇温させて、清澄剤であるSnOが酸素を放出させ、この酸素を熔融ガラスMGの既存の泡Bに取り込ませ、既存の泡Bの泡径を拡大させる。これにより、熔融ガラスMGの温度上昇に起因した泡B内のガス成分の内圧上昇による泡径の拡大と、熔融ガラスMGの温度上昇に起因した熔融ガラスMGの粘性の低下との相乗効果により、泡Bの浮上速度が高まり、脱泡が促進する。
吸収処理では、脱泡処理とは逆に熔融ガラスMGの温度を低下させることにより、熔融ガラスMG中の泡B内の酸素を再び熔融ガラスMGに吸収させることと、熔融ガラスMGの温度低下により泡B内のガス成分の内圧を低下させることとの相乗効果により、泡径を縮小させ、熔融ガラスMG中に泡Bを消滅させる。
なお、脱泡工程では、2℃/分以上の昇温速度で熔融ガラスMGの温度を1630℃以上に昇温させる。2℃/分以上の昇温速度とは、熔融ガラスMGの温度が、熔解工程後の熔融ガラスMGの温度(例えば1580℃であり、1560〜1620℃の範囲である)から清澄温度(例えば、1630〜1700℃)に到達する範囲における、熔融ガラスMGの平均昇温速度が2℃/分以上であることをいう。例えば、第1清澄槽204内において熔融ガラスMGの温度が1630℃以上となる場合、昇温速度とは、熔解槽200の出口から接続した第1清澄槽204内の熔融ガラスMGの流入から流出までの平均昇温速度を示す。
第1清澄槽204、第2清澄槽202及び第3清澄槽205は、上述した温度履歴を、熔融ガラスMGに与えることにより、熔融ガラスMGの脱泡と、泡Bの吸収を行う装置である。このため、第1清澄槽204、第2清澄槽202及び第3清澄槽205を目的の温度に加熱、冷却することができるような温度調節機能を有している。
第1清澄槽204、第2清澄槽202及び第3清澄槽205それぞれの温度調整は、各清澄槽そのものを通電する直接通電加熱、或いは、各槽周りに配置した図示されないヒータによる清澄槽の間接加熱、さらに、空冷、水冷のクーラによる間接冷却、各清澄槽へのエアー吹きつけ、水噴霧等のいずれか1つの方法を用いて、或いは、これらの方法の組み合わせを用いて行われる。
図3にしたがって、より詳しく清澄を説明する。
熔解槽201で熔解され、ガラス原料の分解反応により生成した泡Bを多く含んだ液状の熔解ガラスMGが、第1清澄槽204に導入される。
第1清澄槽204では、第1清澄槽204の本体である白金あるいは白金合金管の加熱により熔融ガラスMGが1630℃以上まで加熱され、清澄剤の還元反応が促進されることにより、多量の酸素が熔融ガラスMGに放出される。熔融ガラスMG内の既存の泡Bは、熔融ガラスMGの温度上昇に起因した、泡B内のガス成分の圧力の上昇効果による泡径の拡大に、清澄剤の還元反応により放出された酸素が泡B内に拡散して入り込むことが重なって、この相乗効果により既存の泡Bの泡径が拡大する。この時、熔融ガラスMGは、2℃/分以上の昇温速度で1630℃以上の温度に達するまで加熱される。なお、第1清澄槽204は、第2清澄槽202よりも管断面が小さく、かつ第2清澄槽202とは異なり上部開空間が気相の雰囲気空間を有していないため、言い換えると、第1清澄槽204では、熔融ガラスMGが第1清澄槽204の内側断面全体に充填されて流れるため、第2清澄槽202と比較して効率的に熔融ガラスMGの温度を上昇させることができる。つまり、第2清澄槽202内で熔融ガラスMGの温度を1630℃以上まで昇温するよりも、第1清澄槽204内で熔融ガラスMGの温度を1630℃以上まで昇温する方が、第2清澄槽202の加熱温度を低くできるので、第2清澄槽202を構成する白金合金の揮発や熔損を抑制するという観点から好ましい。
続いて、この熔融ガラスMGが第2清澄槽202に導入される。
第2清澄槽202は、第1清澄槽204と異なり、第2清澄槽202内部の上部開空間が気相の雰囲気空間であり、熔融ガラスMG中の泡Bが熔融ガラスMGの液面に浮上して熔融ガラスMGの外に放出できるようになっている。
第2清澄槽202では、第2清澄槽202の本体である白金あるいは白金合金管の加熱により熔融ガラスMGは引き続き1630℃以上の高温に維持され、熔融ガラスMG中の泡Bは、第2清澄槽202の上方に向かって浮上して、熔融ガラスMGの液表面で破泡することにより熔融ガラスMGは脱泡される。特に、熔融ガラスMGが1630℃以上まで加熱されると(例えば1630〜1700℃になると)、SnOは、還元反応を加速的に起こす。このとき、例えば、液晶ディスプレイなどのフラットパネルディスプレイ用ガラス板を製造する場合、ガラスの粘度は、熔融ガラスMGの温度の上昇により、泡Bの浮上、脱泡に適した粘度(200〜800poise)になっている。
ここで、第2清澄槽202の上方の上部開空間で破泡、放出されたガス成分は、図示されない、ガス放出口より、第2清澄槽202外に放出される。第2清澄槽202において、泡Bの浮上、脱泡によって浮上速度の速い径の大きな泡Bが除去された熔融ガラスMGは、第3清澄槽205に導入される。
本実施形態では、例えば、図3に示すように、第2清澄槽202から第3清澄槽205においては本体を構成する白金あるいは白金合金管の長さ方向に延びる2つの異なる領域に別々に流す電流を制御することにより熔融ガラスMGの昇温が行われてもよい。また、清澄槽の本体を構成する白金あるいは白金合金管の長さ方向に延びる3つ以上の異なる領域に別々に流す電流を制御することにより熔融ガラスMGの昇温が行われてもよい。
このように、熔融ガラスMGの昇温が、清澄槽の異なる少なくとも2つの領域に別々に流す電流を制御することにより、行われることが、脱泡処理を効率よく行わせる点で好ましい。
第3清澄槽205では、第3清澄槽205の本体である白金あるいは白金合金管の冷却により、あるいは第3清澄槽205の加熱の程度を抑制することにより、熔融ガラスMGは冷却される。この冷却により熔融ガラスMGの温度が下がるので、泡Bの浮上、脱泡は行われず、残存した小さな泡B内のガス成分の圧力は下がり、泡径は徐々に小さくなる。さらに、熔融ガラスMGの温度が1600℃以下になると、脱泡処理においてSnOの還元反応で得られたSnOの一部は酸素を吸収して、SnOに戻ろうとする。このため、泡B内のガス成分である酸素は、熔融ガラスMG中に再吸収され、泡Bはますます小さくなり、熔融ガラスMG中に吸収されて最終的に消失する。この時、熔融ガラスMGは、1600℃から1500℃の温度範囲で平均2℃/分以上、より好ましくは平均3℃/分以上の速度で冷却される。なお、第3清澄槽205は、第2清澄槽202よりも断面が小さいため、第2清澄槽202と比較して効率的に熔融ガラスMGを冷却させることができる。つまり、第2清澄槽202内で熔融ガラスMGの温度を冷却するよりも、第3清澄槽205内で熔融ガラスMGの温度を冷却する方が、降温速度を速くできる観点から好ましい。
図3に示す例では、清澄工程を行う清澄槽は、第1清澄槽204、第2清澄槽202、及び第3清澄槽205の3つの部分に分かれているが、清澄槽はさらに細分化されても当然よい。清澄槽を細分化した方が、熔融ガラスMGの温度調整をより細かく行うことができる。特に、清澄槽を細分化することは、熔融ガラスMGの種類や熔解量を変更する場合、温度調整がし易い点で有利である。
また、上記説明では簡略化のために、第1清澄槽204では熔融ガラスMGが1630℃まで昇温され、第2清澄槽202では、熔融ガラスMGの泡Bの浮上、脱泡が行われ、第3清澄槽205では、熔融ガラスMGが熔融ガラスMGの降温により泡Bの吸収が行われるように、清澄槽毎に機能を分けて説明したが、清澄槽毎に機能が完全に分かれていなくてもよい。第2清澄槽202の長さ方向の途中までの部分が熔融ガラスMGを昇温させる構成としてもよく、第2清澄槽202の長さ方向の途中から第3清澄槽205の間を、熔融ガラスMGの降温を開始させる部分とするように構成することもできる。
本実施形態では、第1清澄槽204、第2清澄槽202、第3清澄槽205の表面温度、つまり熔融ガラスMGが流れていない清澄槽の外側の表面温度を測定して温度制御をすることにより溶融ガラスMGの昇温速度、降温速度を管理することができる。第1清澄槽204、第2清澄槽202及び第3清澄槽205の表面温度と、第1清澄槽204、第2清澄槽202及び第3清澄槽205の中を流れる熔融ガラスMGの平均温度(清澄槽内で温度分布を持つ熔融ガラスMGの温度の平均値)との関係を、コンピューターシミュレーションにより、清澄槽に供給する熔融ガラスMGの流速と温度の条件を用いて、予め算出することができる。このため、清澄槽の外側の測定された表面温度から、上記関係を用い昇温速度、降温速度を算出して昇温速度、降温速度を管理することができる。なお、熔融ガラスMGの流速は各装置の容積と、成形装置300に流入される単位時間当たりの熔融ガラスMGの量から算出することができる。また、熔融ガラスMGの温度は、ガラスの粘性と熱伝導度から算出することができる。
このように、脱泡処理の後、熔融ガラスMGの温度を1600℃から1500℃の温度範囲を、例えば2℃/分以上の降温速度で降温させるのは、後述するように、最終製品であるガラス板内に残存する単位質量当たりの泡数を低減させるためである。ここでいう泡は、予め設定された泡の体積、例えば直径20μmの泡の体積と同等以上の体積を有する泡をいう。
なお、上記降温速度は、速いほどガラス板内に残存する泡数を低減できるが、この低減効果は上記降温速度の上昇に伴って小さくなっていく。上記降温速度は、3℃/分以上であることが好ましい。なお、上記降温速度の上限は特に設けられないが、ガラス板を工業的に製造する場合、以下の理由から、50℃/分が上限となる。
すなわち、熔融ガラスMGの降温速度が速くなりすぎると熔融ガラスMGの泡B内の酸素が熔融ガラスMGへ再吸収される現象が阻害され、結果として、熔融ガラスMG中の泡Bそのものは減少しない可能性がある。また、ガラスの熱伝導度は高温でも20〜50W/(m・K)程度と小さいため、さらに、熔融ガラスMGの急激な冷却は特別な手段を取らない限り、第3清澄槽205の外側からしか冷却できないため、上記降温速度を速くした場合、第3清澄槽205の外表面近くの熔融ガラスMGのみが冷えてしまい、第3清澄槽205の中心部の熔融ガラスMGは高温のままに維持される。つまり、第3清澄槽205内において、熔融ガラスMGの外表面部分と中心部との間で温度差が大きくなってしまう。この場合、外表面部分の熔融ガラスMGの中から結晶が析出してしまうという問題が生じる。また、第3清澄槽205内において、熔融ガラスMGの外表面部分と中心部の間で熔融ガラスMGの温度差が大きくなった状態で熔融ガラスMGを攪拌すると、温度差の大きなガラスが混ざり合うので、泡Bが発生する他、ガラスの組成上、均質性を阻害し易くなる。また、熔融ガラスMGの降温速度を速くする為には、第3清澄槽205からの放熱を増やさなければならないので、第3清澄槽205の白金もしくは白金合金管の本体を支えるバックアップレンガ等の支持部材の厚さを薄くしなければならない。しかし、支持部材の厚さを薄くする分だけ、設備の強度が下がる。このため、ガラス板を工業的に製造する場合、熔融ガラスMGの降温速度をいたずらに速くすることは、上述したような問題を引き起こすのみであり、妥当とは言えない。
以上のことから、熔融ガラスMGの、1600℃から1500℃までの降温速度の上限は、50℃/分であることが好ましく、35℃/分であることがより好ましい。すなわち、本実施形態では、上記降温速度は、2℃/分〜50℃/分であることが好ましく、2.5℃/分〜50℃/分であることがより好ましく、3℃/分〜35℃/分であることがさらに好ましい。
(成形工程)
図4は、成形工程及び切断工程を行う装置構成を主に示す図である。成形装置300は、成形炉340と徐冷炉350を含む。
成形炉340および徐冷炉350は、耐火レンガ等の耐火物で構成された図示されない炉壁に囲まれて構成されている。成形炉340は、徐冷炉350に対して鉛直上方に設けられている。成形炉340及び徐冷炉350の炉壁で囲まれた炉内部空間に、成形体310と、雰囲気仕切り部材320と、冷却ローラ330と、冷却ユニット335と、搬送ローラ350a〜350dと、が設けられている。
成形体310は、図2に示すガラス供給管206を通して熔解装置200から流れてくる熔融ガラスMGを板状ガラスGに成形する。成形体310に供給されるときの熔融ガラスは、粘度η(poise)に関してlogη=4.3〜5.7となる温度となっている。この熔融ガラスMGの温度は、ガラスの種類によって異なるが、例えば液晶ディスプレイ用ガラスであれば、1200〜1300℃である。これにより、成形装置300内で、鉛直下方の板状ガラスGの流れが作られる。成形体310には、耐火レンガ等によって構成された細長い構造体であり、図4に示すように断面が楔形状を成している。成形体310の上部には、熔融ガラスを導く流路となる供給溝312が設けられている。供給溝312は、成形装置300に設けられた供給口において第3清澄槽205と接続され、第3清澄槽205を通して流れてくる熔融ガラスMGは、供給溝312を伝って流れる。熔融ガラスMGは供給溝312から溢れ出るように、供給溝312は構成されている。
供給溝312から溢れ出た熔融ガラスMGは、成形体310の両側の側壁の垂直壁面および傾斜壁面を伝わって流下する。側壁を流れた熔融ガラスは、図4に示す成形体310の下方端部313で合流し、1つの板状ガラスGが成形される。
(ガラス組成)
本実施形態のガラス板の製造方法により製造されるガラス板は、フラットパネルディスプレイ用ガラス基板に好適に用いられる。例えば、LiO、NaO、及びKOのいずれも実質的に含有されていないか、あるいは、LiO、NaO、及びKOのいずれか少なくとも1つが含有されているとしても、LiO、NaO、及びKOの内含有する成分の合計量が、2質量%以下であるガラス組成を有することが、本実施形態の効果を効率よく発揮する点で好ましい。ガラス組成は、以下に示すものが好適に例示される。
(a)SiO:50〜70質量%、
(b)B:5〜18質量%、
(c)Al:10〜25質量%、
(d)MgO:0〜10質量%、
(e)CaO:0〜20質量%、
(f)SrO:0〜20質量%、
(g)BaO:0〜10質量%、
(h)RO:5〜20質量%(ただしRはMg、Ca、SrおよびBaから選ばれる少なくとも1種であり、ROは、MgO、CaO、SrOおよびBaOのうち含有する成分の合計)、
(i)R’O:0.1質量%を超え2.0質量%以下(ただしR’はLi、NaおよびKから選ばれる少なくとも1種であり、R’OはLiO、NaO及びKOのうち含有する成分の合計)、
(j)SnO2、Fe23および酸化セリウムなどから選ばれる少なくとも1種の金属酸化物を合計で0.05〜1.5質量%。
なお、上記(i),(j)の組成は必須ではないが、(i),(j)の組成を含むことができる。上記のガラスには、AsおよびPbOを実質的に含まず、SnOが含まれている。なお、環境問題の観点からは、Sbも実質的に含まないことが好ましい。
また、(i)のR’Oの含有が0質量%であっても構わない。
上述した成分に加え、本実施形態のガラス板は、ガラスの様々な物理的、熔融、清澄、および成形の特性を調節するために、様々な他の酸化物を含有しても差し支えない。そのような他の酸化物の例としては、以下に限られないが、TiO、MnO、ZnO、Nb、MoO、Ta、WO、Y、およびLaが挙げられる。
また、本実施形態においては、SnOはガラスを失透しやすくする成分であるため、清澄性を高めつつ失透を起こさせないためには、その含有率が0.01〜0.5質量%であることが好ましく、0.05〜0.3質量%であることがより好ましく、0.1〜0.3質量%であることがさらに好ましい。
Feは、ガラスの赤外線吸収を高める成分であり、Feを含有させることで脱泡を促進することができる。しかし、Feはガラスの透過率を低下させる成分である。そのため、Feの含有量が多すぎると、ディスプレイ用ガラス基板には不適となる。以上のことから、上記金属酸化物にFeを含む場合、上記Feは、清澄性を高めつつガラスの透過率の低下を抑制する観点から、その含有量が0.01〜0.1質量%であることが好ましく、0.01〜0.08質量%であることがより好ましい。また、清澄性を高めて短時間で脱泡工程を完了させ、吸収工程におけるSO2泡の発生も抑制するという観点からは、0.01〜0.5質量%のSnOと0.01〜0.1質量%のFeとを組み合わせて使用することが好ましい。
また、上記(i)のR’Oは、ガラスから溶出してTFTの特性を劣化させ、また、ガラスの熱膨張係数を大きくして熱処理時に基板を破損するおそれのある成分であることから、液晶ディスプレイ用ガラス基板や有機ELディスプレイ用ガラス基板として適用する場合には、実質的に含まないことが好ましい。しかし、ガラス中に上記成分を敢えて特定量含有させることによって、TFTの特性の劣化を招くことなしに、ガラスの熱膨張を一定範囲内に抑制しつつ、ガラスの塩基性度を高め、価数変動する金属の酸化を容易にして、清澄性を発揮させることが可能である。また、R’Oはガラスの電気比抵抗を下げ、熔解性を向上させることができる。そこで、R’Oは0〜2.0質量%であることが好ましく、0.1質量%を超え1.0質量%以下であることがより好ましく、0.2〜0.5質量%がさらに好ましい。なお、LiO,NaOは含有させずに、上記成分中でも、最もガラスから溶出してTFTの特性劣化を生じ難いKOを含有させることが好ましい。KOの含有率は、0〜2.0質量%であることが好ましく、0.1〜1.0質量%がより好ましく、0.2〜0.5質量%がさらに好ましい。
本実施形態のガラス板が、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ等に用いられるガラス基板として好適に用いられるような特性を得るためには、熔融ガラスMGの清澄温度における粘度が、アルカリを多量に含有したガラス板等に比較して高くなるので、脱泡処理において泡の浮上速度が遅くなりやすい。特に、低温ポリシリコン・TFTをガラス表面に形成するガラス基板は歪点が高いことが求められるため、高温粘性が高くなりやすく、熔融ガラスMGの清澄温度における粘度がさらに高くなる。このため、例えば、歪点が680℃以上、特に歪点が690℃以上のガラスを製造する場合には、脱泡処理において泡の浮上速度がさらに遅くなりやすい。本実施形態のガラス板が、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ等を構成するガラス基板である場合、例えば、1630℃の温度における熔融ガラスMGの粘度が130〜350poiseであることが好ましい。また、ガラス基板を構成するガラスは、ガラス粘度がlogη=2.5のときのガラス温度が、1550℃〜1680℃であると本実施形態が好適となり、1570℃〜1680℃の範囲であると本実施形態の効果が顕著となり、1590℃〜1680℃の範囲であると本実施形態の効果がより顕著となる。
(熔融ガラスの温度履歴)
図5は、本実施形態における熔解工程から成形工程に至る温度履歴の一例を説明する図である。
本実施形態のガラス板の製造に用いるガラス原料は、目標とする化学組成となるように、種々の原料を秤量し、よく混ぜ合わせてガラス原料が作られる。その際、SnOが清澄剤として所定量、ガラス原料に添加される。こうして作られるSnOが添加されたガラス原料は、熔解槽201に投入されて少なくとも通電加熱により熔解されることで、熔融ガラスMGがつくられる。熔解槽201に投入されたガラス原料は、その成分の分解温度に達したところで分解し、ガラス化反応により、熔融ガラスMGとなる。熔融ガラスMGは熔解槽201を流れる間に、徐々に温度を上げながら、熔解槽201の底部近くから第1清澄槽204(ガラス供給管204)に進む。
このため、熔解槽201では、ガラス原料の投入された時点における温度T1から第1清澄槽204(ガラス供給管204)に進入する時点における温度T3まで、熔融ガラスMGの温度はなだらかに上昇する温度履歴を有する。なお、図5中、T1<T2<T3であるが、T2=T3あるいは、T2>T3であってもよく、少なくともT1<T3であればよい。
第1清澄槽204の図示されない金属製フランジと第2清澄槽202の図示されない金属製フランジとの間で一定の電流を流して第1清澄槽204の白金あるいは白金合金管を通電加熱することにより、さらに、第2清澄槽202の図示されない金属製フランジと第2清澄槽202の図示されない別の金属製フランジとの間で一定の電流を流して第2清澄槽202の白金あるいは白金合金を通電加熱することにより、第1清澄槽204に進入した熔融ガラスMGを、温度T3からSnOが酸素を急激に放出する温度T4(例えば1630℃以上であり、1630〜1700℃であることがより好ましく、1650〜1700℃であることがさらに好ましい)まで、2℃/分以上の昇温速度で昇温する。昇温速度を2℃/分以上とするのは、後述するように、昇温速度が2℃/分以上の場合に、Oガスの放出量が急激に大きくなるからである。なお、温度T3と温度T4の差が大きいほど、熔融ガラスMG中のSnOが放出するOの量が多くなり、脱泡が促進される。このため、温度T4は、温度T3と比べて例えば50℃程度高いことが好ましい。
さらに、第2清澄槽202に進入した熔融ガラスMGを、温度T4から温度T4と略同じ温度T5に維持する。なお、温度T3〜温度T5における温度調節は、本実施形態では、各清澄槽を通電加熱する方式を用いるが、この方式には限定されない。例えば、各清澄槽周りに配置した図示されないヒータによる間接加熱を用いて上記温度調節が行われてもよい。
このとき、熔融ガラスMGは1630℃以上に加熱されることにより、清澄剤であるSnOの還元反応が促進される。これにより、多量の酸素が熔融ガラスMG中に放出される。熔融ガラスMG中の既存の泡Bは、熔融ガラスMGの温度上昇に起因した泡B内のガス成分の圧力の上昇効果による泡径の拡大に、上記清澄剤の還元反応により放出された酸素が泡B内に拡散して入ってくることが重なり、この相乗効果によって泡径が拡大する。
泡径の拡大した泡Bはストークスの法則に従って泡Bの浮上速度が速くなり、泡Bの浮上、破泡が促進される。
第2清澄槽202でも、熔融ガラスMGは引き続き、1630℃以上の高温に維持されるため、熔融ガラスMG中の泡Bは、熔融ガラスMGの液表面に浮上し、液表面で破泡することにより、熔融ガラスMGの脱泡が行われる。
脱泡処理は、図5中では、温度T3から熔融ガラスMGの温度が温度T4に上昇し、その後、温度T4と略同じ温度T5に維持される期間で行われる。図5中、T4とT5が略同じであるが、T4<T5であってもよいし、T4>T5であってもよい。
なお、熔融ガラスMGの温度が温度T4に達するのは、第1清澄槽204である例を挙げて説明したが、第2清澄槽202内であってもよい。
また、熔融ガラスMGが第1清澄槽204を流れるときの熔融ガラスの第1の最高温度は、第2清澄槽202内を流れるときの熔融ガラスMGの第2の最高温度と同等、あるいはそれより高いことが好ましい。これにより、熔融ガラスが第1清澄槽204から第2清澄槽202に移動するとき、熔融ガラスMGの温度は十分に高く、清澄剤の還元反応が生じる温度以上に維持されるので、第2清澄槽202は、熔融ガラスをさらに昇温するための加熱を要しない。このため、第2清澄槽202の加熱温度を従来よりも低く抑えることができる。したがって、白金あるいは白金合金で構成される第2清澄槽202から白金の揮発を抑制し、白金の揮発により第2清澄槽202内の内壁面に付着する白金結晶物などの異物が熔融ガラスMGに混入してできる欠陥、すなわち上記異物に起因する欠陥が少ないガラス板を製造することができる。熔融ガラスMGが第1清澄槽204を流れる途中で、熔融ガラスMGの温度は第1の最高温度に達することが好ましい。この場合、第1清澄槽204と第2清澄槽202との接続位置で熔融ガラスが第1の最高温度及び第2の最高温度に達する場合に比べて、第2清澄槽202の加熱温度は低くなるので、白金あるいは白金合金で構成される第2清澄槽202から白金の揮発をより容易に抑制することができる。
次に、第2清澄槽202から第3清澄槽205に進んだ熔融ガラスMGは、残存する泡Bを吸収するため、温度T5から、温度T6(例えば、1600℃)を経て、温度T7(攪拌工程に適した温度であり、ガラス硝種と攪拌装置のタイプで異なるが、例えば、1500℃である。)まで、冷却される。
熔融ガラスMGの温度が低下することで、泡Bの浮上、脱泡が生じずに、熔融ガラスMGに残存した小泡中のガス成分の圧力も下がり、泡径はどんどん小さくなる。さらに熔融ガラスMGの温度が1600℃以下になると、SnO(SnOの還元により得られたもの)の一部が酸素を吸収して、SnOに戻ろうとする。このため、熔融ガラスMG中の残存する泡B内の酸素は、熔融ガラスMG中に再吸収され、小泡は一層小さくなる。この小泡は熔融ガラスMGに吸収されて、小泡は最終的に消滅する。
このSnOの酸化反応により泡B内のガス成分であるOを吸収させる処理が、吸収処理であり、温度T5から温度T6を経て温度T7まで低下する期間に行われる。図5では、温度T5〜T6の降温速度が、温度T6〜T7の降温速度に比べて速いが、温度T5〜T6の降温速度が、温度T6〜T7の降温速度に比べて遅くてもよいし、同等であってもよい。少なくともこの吸収処理の間、熔融ガラスMGの温度が1600℃から1500℃の温度範囲を2℃/分以上の降温速度で降温されることが好ましい。しかし、熔融ガラスMGがより高温状態にあるときの降温速度を大きくして、後述するSOの拡散を早期に抑制して、泡B内に取り込まれるSOを減少させる点で、温度T5〜T6の降温速度が、温度T6〜T7の降温速度に比べて速いことが好ましい。すなわち、吸収処理において、熔融ガラスMGが1500℃以下(具体的には、1500℃から成形工程に供給されるときの熔融ガラス温度までの範囲であり、例えば1500℃〜1300℃)である温度範囲における降温速度は、1600℃から1500℃の温度範囲における降温速度よりも遅いことが好ましい。
また、温度T6〜T7の降温速度を温度T5〜T6の降温速度よりも遅くすることで、泡B内に取り込まれるSOを減少させつつ、攪拌槽203に流入される熔融ガラスMGの第3清澄槽205(ガラス供給管205)内における、外側表面部分と中心部との間の温度差を小さくすることができる。
なお、ガラス板の生産性の向上と設備コスト削減の点から、吸収処理において、熔融ガラスMGが1500℃以下(具体的には、1500℃から成形工程に供給されるときの熔融ガラス温度までの範囲であり、例えば1500℃〜1300℃)である温度範囲における降温速度は、1600℃から1500℃の温度範囲における降温速度よりも速いことが好ましい。なお、このような熔融ガラスMGの温度制御を行う場合、成形工程に供給する熔融ガラスMGの量を調整する流量調整装置を設けることが好ましい。
また、泡B内に取り込まれるSOを減少させつつ、成形工程に供給する熔融ガラスMGの量を、ガラス供給管206内の熔融ガラスMGの温度管理にて調整できる点で、吸収処理において、熔融ガラスMGが1500℃以下である温度範囲における降温速度は、1600℃から1500℃の温度範囲における降温速度よりも遅いことが好ましい。これにより、ガラス供給管206を特別な形状に加工することや、ガラス供給管206以外に流量調整装置を設けることなしに、成形工程に流入される熔融ガラスMGの量は調整しやすくなる。また、成形工程に流入される熔融ガラスMGのガラス供給管206内における、外側表面部分と中心部との間の温度差を小さくすることができる。
上記吸収処理後、あるいは吸収処理の途中で、攪拌槽203に熔融ガラスMGは進入する。攪拌槽203は、熔融ガラスMG中の組成ムラを小さくして熔融ガラスMGを均質化する。なお、攪拌槽203において、上記吸収処理が継続して行われてもよい。この後、成形工程における成形に適した温度T8、例えば1200〜1300℃になるまで熔融ガラスMGは降温される。
上述したように、清澄工程と成形工程との間に、熔融ガラスMGの成分を均質に攪拌する攪拌工程を含む。清澄工程と成形工程との間にとは、撹拌工程が開始されるタイミングが、清澄工程が開始されるタイミングと成形工程が開始されるタイミングとの間にあることをいう。熔融ガラスMGの撹拌工程は、清澄工程の途中で開始されてもよく、清澄工程後に開始されてもよい。なお、図1において、清澄工程(ST2)および均質化工程(ST3)は、開始されるタイミングの早さの順に示される。熔解工程では、熔融ガラスMGの熔解開始時の温度T1に比べて高い温度T3で熔融ガラスMGが清澄工程に供給される。清澄工程では、温度T7に比べて低い温度で熔融ガラスMGが攪拌工程に供給される。攪拌工程では、粘度η(poise)に関してlogη=4.3〜5.7となる温度で熔融ガラスMGが成形工程に供給される。成形工程では、熔融ガラスMGの温度が、例えば、1200〜1300℃の状態で、熔融ガラスMGは板状ガラスに成形される。なお、ガラス板の液相粘度は、logη=4以上であることが好ましく、ガラス板の液相温度は、1050℃〜1270℃であることが好ましい。このような液相粘度及び液相温度とすることにより、成形方法としてオーバーフローダウンドロー法を適用することができる。
図6は、実験炉において行われた測定結果であり、脱泡処理が行われるときの熔融ガラスに含まれるOの排出量と昇温速度の関係を示す図である。昇温速度は、1550℃から1640℃の温度範囲における平均速度である。この測定に用いられたガラス板は、アルカリ金属の含有量が少ない液晶用ディスプレイ用ガラス基板と同じガラス組成を有し、清澄剤としてSnOが用いられた。具体的には、以下に示すガラス組成を有する液晶用ディスプレイ用ガラス基板を用いて、図6に示す測定結果が得られた。
SiO:60質量%
Al:19.5質量%
:10質量%
CaO:5.3質量%
SrO:5質量%
SnO:0.2質量%
図6によると、Oの排出量を高くするには、熔融ガラスMGの昇温速度を2℃/分以上にすればよいことがわかる。なお、図6の測定結果において、COは、空洞が形成されたガラス基板に他のガラス基板を積み重ねることにより空洞内の気体(CO)を密封し、この状態で各ガラス基板を加熱して融着させることにより、熔融ガラスMG内に泡として存在させたものである。
本実施形態では、昇温速度の実質的な上限はなく、例えば、10℃/分以下であればよい。ガラスは熱伝導度が小さいため、昇温速度を上昇させるためには、熱伝達面積を増やさなければならない。熱伝達面積を増やすためには、金属管である第1清澄槽204や第2清澄槽202等の内径を小さくし、さらに第1清澄槽204や第2清澄槽202等を長さ方向に長く形成することが挙げられる。また、熱伝達面積を増やすためには、第1清澄槽204や第2清澄槽202等の温度を、熔融ガラスMGの温度よりも著しく高い温度まで上げることも挙げられる。しかし、第1清澄槽204や第2清澄槽202等の内径を小さくし、さらに第1清澄槽204や第2清澄槽202等を長さ方向に長く形成すると、ガラス板製造装置が大型化してしまい、好ましくない。また、第1清澄槽204や第2清澄槽202等の温度を、熔融ガラスMGの温度よりも著しく高い温度まで上げると、高温によってガラス板製造装置が破損するおそれがある。したがって、昇温速度の実質的な上限は10℃/分以下であることが好ましい。以上のことから、昇温速度は、2℃/分〜10℃/分であることが好ましく、3℃/分〜8℃/分であることがより好ましく、3℃〜6.5℃/分であることがさらに好ましい。この範囲において、脱泡処理を効率よく行い、ガラス板に残存する泡を効率よく低減することができる。
また、上述したように、脱泡処理後に行われる泡の吸収処理では、熔融ガラスMGが1600℃から1500℃の温度範囲で2℃/分以上の降温速度で降温される。これは以下説明する理由により行われる。
温度T3から温度T4に熔融ガラスMGを昇温して温度T5に至る期間、SnOが酸素を放出して還元される温度である1600〜1630℃以上に熔融ガラスMGは昇温されるので、熔融ガラスMG内の泡が、SnOが放出した酸素を取り込むことが促進される他、高温になって熔融ガラスMG内に溶存するO、CO、SOの拡散が促進されて、上記泡B内に熔融ガラスMG内に溶存するO、CO、SOも取り込まれる。なお、熔融ガラスMG中へのガス成分の熔解度は、ガラス成分により変わるが、SOの場合、アルカリ金属の含有量の多いガラスでは比較的熔解度が高いが、アルカリ金属を含まないか、含んでも少量である本実施形態のような液晶ディスプレイ用ガラス基板に用いるガラス板では熔融ガラスMG中に熔解できる熔解度は低い。液晶ディスプレイ用ガラス基板に用いるガラス板では、本来、ガラス原料として、人為的にはS(硫黄)成分を加えないが、原料中の不純物として、或いは、熔解槽201で用いる燃焼ガス(天然ガス、都市ガス、プロパンガス等)に、不純物として、微量に含まれている。このため、これらの不純物として含まれるS成分が、酸化されてSOとなり、熔融ガラスMGに含まれている泡B内に拡散して入り込む。SOは再吸収されにくいので泡Bとして残る。この現象は、従来のAsを清澄剤として使用していた時に比べ、非常に顕著に現れる。
SnOを清澄剤として使用したガラス組成の場合、熔融ガラスMGの高温での保持時間が長くなるほど、熔融ガラスMG内の既存の泡B内へのSOの拡散が促進する。これは、高温になってSOの熔融ガラスMG中の拡散速度が速まり、泡B内へ進入し易くなったためであると考えられる。
なお、熔融ガラスMGの温度が1630℃以上の高温に保持される時間が長いと、熔融ガラスMGが還元されすぎてしまい、熔融ガラスMGの降温を行う際に、下記SOの泡が発生しやすくなる。他方、1630℃以上に保持する時間が短すぎると脱泡工程における脱泡が不十分になる。このため、熔融ガラスMGの温度を1630℃以上に保持する時間は、15分〜90分であることが好ましく、30分〜60分であることがより好ましい。
この後、温度T5から温度T7に熔融ガラスMGの降温を行うとき、SnOの還元により得られたSnOが酸化反応によりOを吸収して酸化しようとする。したがって、熔融ガラスMG内に残存する泡BにあるOはSnOに吸収される。しかし、熔融ガラスMG中のSOやCOの、既存の泡B内への拡散は依然として維持される。このため、温度T5から温度T7の期間中における泡B内のガス成分は、温度T3から温度T5の期間中に比べてSO,COの濃度が高い。特に、本実施形態で用いる熔融ガラスMGでは、アルカリ金属の含有量が少ない組成であるので、SOの熔融ガラスMGにおける熔解度が小さい。このため、SOがガスとして一旦泡Bに取り込まれると、このSOは、吸収処理において熔融ガラスMG内に吸収されにくい。
以上、温度T5から温度T7の期間では、泡B内のOはSnOの酸化反応によりSnOに吸収されるが、SO,COの、既存の泡B内への拡散が依然として維持されるので、この期間を短期間にすることにより、SO,COの、既存の泡B内への拡散を少なくし、泡Bの成長を抑制することができる。このため、温度T5から温度T7の吸収処理の期間中、熔融ガラスMGが1600℃から1500℃の温度範囲で2℃/分以上の降温速度で降温することにより、後述するようにガラス板中の泡数を抑制することができる。
図7は、ガラス中の泡Bを再現した孔内に含有されるSOの含有量の測定結果を示す図であり、ガラスの温度条件と温度維持時間に対するSOの含有量の依存性を示す。図7中の黒丸の大きさが泡Bの大きさを示し、SOの含有量を示す。
ガラス板は、アルカリ金属の含有量が少ない上述した液晶用ディスプレイ用ガラス基板と同じガラス組成を有し、清澄剤としてSnOを含有する。具体的には、図6の測定結果を得るときに作製したガラス板と同様のガラス組成を有する液晶ディスプレイ用ガラス基板を用いた。
このガラス組成の熔融ガラスを板状に成形したガラス板に孔を人工的にあけ、孔をあけたガラス板の両側に酸素雰囲気中で、同種のガラス組成のガラス板を挟むことにより、Oが充填された孔を泡として再現した。この孔を有するガラス板を、1200℃以上の温度と温度維持時間とを種々変えて熱処理し、孔内のSOの含有量をガス分析により測定した。1200℃以上にガラス板を加熱するので、ガラス板は熔融状態となって、熔融ガラス内に残存する泡Bを再現することができる。
図7によると、略1500℃以上の温度でOの充填された孔にSOが含有されることがわかる。特に、高温になるほど、さらに温度維持時間が長くなるほど、SOの含有量が増えることがわかる。これは、熔融状態となったガラス内に溶存するSOの拡散が高温により促進され、孔に取り込まれることを意味する。
したがって、熔融ガラスMGは、脱泡処理後の吸収処理において、速やかに1500℃未満に降温されることが好ましく、本実施形態では、熔融ガラスMGは1600℃から1500℃の温度範囲で2℃/分以上の降温速度で降温されることが好ましい。
図8は、図5に示す熔融ガラスMGの温度履歴を模擬した実験炉でガラス板を作製したときの発生する泡レベルと降温速度の関係を示す測定結果を示す図である。降温速度は、1600℃から1500℃の温度範囲における平均速度である。作製したガラス板は、アルカリ金属の含有量が少ない液晶用ディスプレイ用ガラス基板と同じガラス組成を有し、清澄剤としてSnOが用いられた。具体的には、図6の測定結果を得るときに作製したガラス板と同様のガラス組成を有する液晶ディスプレイ用ガラス基板を用いた。
降温速度が2℃/分未満では、泡レベルが急激に上昇することがわかる。なお、泡レベルとは、降温速度を10℃/分としたときの単位ガラス質量当たりの泡数を基準として、泡数がどの程度悪化するかを表す。例えば泡レベル3は、降温速度を10℃/分としたときの泡数に対して3倍の泡数を意味する。したがって、降温速度が2℃/分未満では、泡数が急激に上昇することがわかる。
図8によると、泡数を低くするには、降温速度を2℃/分以上にすることが好ましい。
(実施例1)
図9は、図2に示すガラス板を製造する装置を用いてガラス板を製造したときのガラス板内に存在する泡数と降温速度の関係を示す測定結果を示す図である。熔解工程、清澄工程、攪拌工程を経た後、オーバーフローダウンドロー法によってガラス板を製造した。このとき、熔融ガラスMGの温度履歴は、降温速度を除いて図5に示す履歴をとった。降温速度とは、1600℃から1500℃の温度範囲における平均速度である。作製したガラス板は、アルカリ金属の含有量が少ない液晶用ディスプレイ用ガラス基板と同じガラス組成を有し、清澄剤としてSnOが用いられた。具体的には、図6の測定結果を得るときに作製したガラス板と同様のガラス組成を有する液晶ディスプレイ用ガラス基板を用いた。図9で示す泡レベルとは、降温速度を8.4℃/分としたときの単位質量当たりの泡数を基準として、泡数がどの程度悪化するかを表す。例えば泡レベル5は、降温速度を8.4℃/分としたときの泡数に対して5倍の泡数が含有されていることを意味する。降温速度が7.9℃/分の泡レベルは1.1であり、降温速度が4.9℃/分の泡レベルは1.6であり、降温速度が4.2℃/分の泡レベルは1.8であり、降温速度が3.0℃/分の泡レベルは1.8であった。他方、降温速度が1.8℃/分の泡レベルは3.0であり、降温速度が0.5℃/分の泡レベルは83であり、降温速度を8.4℃/分としたときの泡数に対して3倍以上の泡が含まれていた。
図9によると、降温速度が2℃/分未満では、泡レベルが急激に上昇することから、泡数が急激に上昇することがわかる。したがって、熔融ガラスMGを1600℃から1500℃の温度範囲で2℃/分以上、より好ましくは2.5℃/分以上の降温速度で降温されると、泡数が低減することがわかる。図9より、例えば降温速度が3℃/分〜8℃/分において泡数を低減する点でより有効であることがわかる。なお、SiO2:60質量%、Al23:19.5質量%、B23:10質量%、CaO:5.3質量%、SrO:5質量%、SnO2:0.15質量%、Fe23:0.05質量%を有するガラス板では泡数が全体的に少量減少したものの、ほぼ同様の結果が得られた。また、SiO:61質量%、Al:19.5質量%、B:10質量%、CaO:9質量%、SnO:0.3質量%、RO(Rは、Li,Na,Kの中の、ガラス板に含有する全成分):0.2質量%を有するガラス板(歪点700℃)の製造においても、上記と同様の結果が得られた。
(実施例2)
図10は、ガラス板内に存在する泡数と昇温速度の関係を示す図である。作製したガラス板は、アルカリ金属の含有量が少ない液晶用ディスプレイ用ガラス基板と同じガラス組成を有し、清澄剤としてSnOが用いられた。具体的には、図6の測定結果を得るときに作製したガラス板と同様のガラス組成を有する液晶ディスプレイ用ガラス基板を用いた。前記ガラス組成となるように調合されたガラス原料を、1580℃(=T3)にて熔融した後、1640℃(=T4)まで昇温した。1640℃で一定時間保持した後、1600℃(=T6)まで10℃/分の速度で降温し、さらに1500℃(=T5)まで5℃/分の速度で降温した。このとき、昇温速度を、0.5℃/分、1℃/分、1.5℃/分、2℃/分、3℃/分、4℃/分、5℃/分、6℃/分、と変えて泡数の変化を観察した。図10で示す泡レベルとは、昇温速度を2℃/分としたときの単位質量当たりの泡数を基準として、泡数がどの程度悪化するかを表す。例えば泡レベル5は、昇温速度を2℃/分としたときの泡数に対して5倍の泡数が含有されていることを意味する。昇温速度が2℃/分の泡レベルは1であり、昇温速度が3℃/分の泡レベルは0.8であり、昇温速度が4℃/分の泡レベルは0.7であり、昇温速度が5℃/分の泡レベルは0.7であり、昇温速度が6℃/分の泡レベルは0.6であった。他方、昇温速度が0.5℃/分の泡レベルは4.8であり、昇温速度が1℃/分の泡レベルは2.3であり、昇温速度が1.5℃/分の泡レベルは1.6であり、昇温速度を2℃/分としたときの泡数に対して1.5倍以上の泡が含まれていた。
図10によると、昇温速度が2℃/分未満では、泡レベルが急激に上昇して、泡数が急激に上昇することがわかる。したがって、熔解工程の後、熔融ガラスMGが1630℃以上となるまで2℃/分以上、より好ましくは2.5℃/分以上の昇温速度で昇温されると、泡数が低減することがわかる。これより、2℃/分〜10℃/分であることが好ましく、3℃/分〜8℃/分であることがより好ましく、3℃〜6.5℃/分であることがさらに好ましいといえる。また、図10により、例えば昇温速度が3℃/分〜8℃/分、3℃/分〜6℃/分、4℃/分〜6℃/分、あるいは4℃/分〜10℃/分において泡数を低減する点で有効であることがわかる。なお、SiO:60質量%、Al:19.5質量%、B:10質量%、CaO:5.3質量%、SrO:5質量%、SnO:0.15質量%、Fe:0.05質量%を有するガラス板では泡数が全体的に少量減少したものの、ほぼ同様の結果が得られた。また、SiO:61質量%、Al:19.5質量%、B:10質量%、CaO:9質量%、SnO:0.3質量%、RO(Rは、Li,Na,Kの中の、ガラス板に含有する全成分):0.2質量%を有するガラス板(歪点700℃)の製造においても、上記と同様の結果が得られた。
以上のように、本実施形態によれば熔融ガラス中のSOの泡数を低減できるので、攪拌工程における攪拌翼回転によって発生するキャビテーションの核となる泡も低減することができ、結果としてガラス板中の泡数を低減することができる。この効果は、ガラス組成としてBaOやSrOの含有量が少ないガラス基板の製造方法において、より顕著となる。
より詳細には、ガラス組成として含有されるMgO、CaO、SrO、BaOは、炭酸塩として原料に添加されることが多く、その分解温度は、MgOが最も低く、CaO、SrO、BaOの順に高くなる。つまり、分解温度が高いほど、COを放出しはじめる温度が高い。上記のことからも明らかなように、脱泡処理の後に熔融ガラスMGが降温すると、分解温度が高いものほど高い温度でCOを吸収しはじめる。例えば、BaOは1300℃近でCOの吸収がはじまる。
しかし、ガラス組成として比較的高い温度領域でCOの吸収がはじまるBaOやSrOの含有量が少ないガラス板の製造では、COの吸収が、熔融ガラスMGの温度が低下してから、つまり熔融ガラスMGの粘度が高くなってからはじまる。ここで、COは熔融ガラスMGの粘度が低い方が、熔融ガラスMG中に速く拡散する。そのため、熔融ガラスMGの粘度が高くなってから(温度が低くなってから)COの吸収が始まるガラス板の製造方法では、COが泡とし熔融ガラスMG中に残存しやすくなる。
本実施形態のように熔融ガラス中に泡のガス成分として存在するSOを低減できれば、上述のようにCOが残存しやすいガラス板の製造であっても、キャビテーションの核となる泡の発生も抑制することができ、結果として最終製品としてのガラス板中の泡数を低減することができる。以上のことから、本実施形態は、BaOの含有量が0〜1.0質量%のガラス基板の製造に好適であり、BaOを実質的に含有しないガラス基板の製造方法にさらに好適である。また、本実施形態は、SrOの含有量が0〜3.0質量%のガラス基板の製造に好適であり、SrOを実質的に含有しないガラス基板の製造方法にさらに好適である。
以上、本発明のガラス板の製造方法及びガラス板製造装置について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更をしてもよいのはもちろんである。
200 熔解装置
201 熔解槽
202 清澄槽
203 攪拌槽
203a スターラ
204,205,206 ガラス供給管
300 成形装置
310 成形体
312 供給溝
313 下方端部
320 雰囲気仕切り部材
330 冷却ローラ
335 冷却ユニット
350a〜350d 搬送ローラ
340 成形炉
350 徐冷炉
400 切断装置

Claims (8)

  1. ガラス板の製造方法であって、
    ガラス原料を少なくとも通電加熱により熔解してSnO清澄剤として含む熔融ガラスをつくる熔解工程と、
    前記熔解工程の後、2.5℃/分以上の昇温速度で前記熔融ガラスの温度を1630℃以上に昇温させることにより前記熔融ガラス中に泡を生成させて脱泡を行う脱泡処理と、前記脱泡処理の後、前記熔融ガラスを降温させることにより、前記熔融ガラス中の泡を前記熔融ガラスに吸収させる吸収処理と、を含む清澄工程と、
    前記清澄工程後の前記熔融ガラスを板状ガラスに成形する成形工程と、
    を含むことを特徴とするガラス板の製造方法。
  2. 前記清澄工程における前記熔融ガラスの昇温は、前記熔解工程が行われる熔解槽と前記清澄工程が行われる清澄槽との間を接続する金属管を少なくとも用いて、前記金属管に流す電流を制御することにより行われる、請求項に記載のガラス板の製造方法。
  3. 1630℃の温度における前記熔融ガラスの粘度は、130〜350poiseである、請求項1または2に記載のガラス板の製造方法。
  4. 前記ガラス板は、R’Oの含有量が0〜2.0質量%である(R’OはLiO、NaO及びKOのうち含有する成分の合計)、請求項1〜の何れか1項に記載のガラス板の製造方法。
  5. 前記ガラス板は、
    SiO:50〜70質量%、
    :5〜18質量%、
    Al:10〜25質量%、
    MgO:0〜10質量%、
    CaO:0〜20質量%、
    SrO:0〜20質量%、
    BaO:0〜10質量%、
    RO:5〜20質量%(ただしRはMg、Ca、SrおよびBaから選ばれる少なくとも1種であり、ROは、MgO、CaO、SrOおよびBaOのうち含有する成分の合計)、を含有する、請求項1〜の何れか1項に記載のガラス板の製造方法。
  6. 前記清澄工程と前記成形工程との間に、熔融ガラスの成分を均質に攪拌する攪拌工程を含み、
    前記熔解工程では、前記熔融ガラスの熔解開始時の温度に比べて高い温度で前記熔融ガラスが前記清澄工程に供給され、
    前記清澄工程では、前記吸収処理後の温度に比べて低い温度で前記熔融ガラスが前記攪拌工程に供給され、
    前記成形工程では、前記熔融ガラスの粘度η(poise)に関してlogη=4.3〜5.7となる温度で前記熔融ガラスが供給されて、板状ガラスに成形される、請求項1〜の何れか1項に記載のガラス板の製造方法。
  7. 前記熔解工程が行われる熔解槽と前記清澄工程が行われる清澄槽との間を接続する金属管において、2.5℃/分以上の昇温速度で熔融ガラスの温度を1630℃以上に昇温させる、請求項1〜6のいずれか1項に記載のガラス板の製造方法。
  8. ガラス原料を少なくとも通電加熱により熔解してSnO を清澄剤として含む熔融ガラスをつくる熔解槽と、
    前記熔融ガラスの温度を、2.5℃/分以上の昇温速度で1630℃以上に昇温させることにより前記熔融ガラス中に泡を生成させて脱泡を行い、前記脱泡後、前記熔融ガラスを降温させることにより、前記熔融ガラス中の泡を前記熔融ガラスに吸収させる清澄槽と、
    前記清澄槽を通過後の前記熔融ガラスを板状ガラスに成形する成形装置と、
    を含むことを特徴とするガラス板製造装置。
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