JP5777590B2 - ガラス基板の製造方法及びガラス基板の製造装置 - Google Patents
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Description
より具体的には、粗熔解した熔融ガラスの温度をさらに上げて、清澄槽において清澄剤を機能させ泡を浮上脱泡させ、その後、温度を下げることにより、脱泡しきれずに残った小泡を熔融ガラス内に溶解吸収させる。すなわち、清澄処理は、泡を浮上脱泡させる脱泡処理及び小泡を熔融ガラスに吸収させる吸収処理を含む。
また、上述の方法で作製されるガラス基板をFPD(フラットパネルディスプレイ)用ガラス基板に用いる場合、FPD用ガラス基板の表面に半導体素子が形成されるため、FPD用ガラス基板は、アルカリ金属を全く含有しないか、含有しても半導体素子に影響を及ぼさない程度の微量のアルカリ金属を含有したガラスが用いられる。しかし、アルカリ金属を全く含有しないか、微量含有したガラスは、ソーダライムガラスなどのアルカリ金属を多量に含有したガラスに比べて、高温粘性が高く、製造中の熔融ガラスから泡が抜けにくいといった問題がある。
ガラス原料を熔解して熔融ガラスをつくる工程と、
白金あるいは白金合金で構成されるガラス供給管の内壁面から前記熔融ガラスを加熱しながら、前記熔融ガラスを流して管状の清澄槽に移送する工程と、
移送された前記熔融ガラスを前記清澄槽の内壁面から加熱しながら前記清澄槽で脱泡する工程と、を含む。
前記脱泡する工程は、少なくとも前記ガラス供給管において前記熔融ガラスを加熱して、2℃/分以上の昇温速度で前記熔融ガラスを1630℃以上に昇温させることにより、前記熔融ガラス中に泡を生成させて前記熔融ガラスの脱泡を行う工程を含む。
このとき、前記ガラス供給管の少なくとも一部分を流れて熱を受ける前記熔融ガラスの表面積は、前記ガラス供給管の前記一部分の管断面積に一致する断面積を有する、断面形状が正円である円管を基準としたとき、前記円管の内壁面から熱を受ける熔融ガラスの表面積に比して大きい。
前記熔融ガラスが前記ガラス供給管の少なくとも一部分を流れるとき、熱を受ける前記熔融ガラスの表面積は、前記断面が正円である円管の内壁面から受ける熔融ガラスの表面積に比して大きいので、熔融ガラスの温度を急速に、かつ、均一に昇温することができる。したがって、前記脱泡を行う工程で効率よく泡を抜くことができる。
ガラス原料を熔解して熔融ガラスをつくる熔解炉と、
白金あるいは白金合金で構成される管であって、当該管の内壁面から前記熔融ガラスを加熱しながら、前記熔融ガラスを移送するガラス供給管と、
移送された前記熔融ガラスを内壁面から加熱しながら脱泡する管状の清澄槽と、を含む。
前記清澄槽において脱泡するとき、少なくとも前記清澄槽において前記熔融ガラスを加熱して、2℃/分以上の昇温速度で前記熔融ガラスを1630℃以上に昇温させることにより、前記熔融ガラス中に泡を生成させて前記熔融ガラスの脱泡を行う。
前記ガラス供給管の少なくとも一部分を流れて熱を受ける前記熔融ガラスの表面積は、前記ガラス供給管の前記一部分の管断面積に一致する断面積を有する、断面形状が正円である円管を基準としたとき、前記円管の内壁面から熱を受ける熔融ガラスの表面積に比して大きくなるように前記ガラス供給管は構成されている。
前記熔融ガラスが前記ガラス供給管の少なくとも一部分を流れるとき、熱を受ける前記熔融ガラスの表面積は、前記断面が正円である円管の内壁面から受ける熔融ガラスの表面積に比して大きいので、熔融ガラスの温度を急速に、かつ、均一に昇温することができる。したがって、前記脱泡を行う工程で効率よく泡を抜くことができる。
図1は、本実施形態のガラス基板の製造方法の工程図である。
ガラス基板の製造方法は、熔解工程(ST1)と、清澄工程(ST2)と、均質化工程(ST3)と、供給工程(ST4)と、成形工程(ST5)と、徐冷工程(ST6)と、切断工程(ST7)と、を主に有する。この他に、研削工程、研磨工程、洗浄工程、検査工程、梱包工程等を有し、梱包工程で積層された複数のガラス基板は、納入先の業者に搬送される。
本実施形態の熔融ガラスMGの温度の調整では、上述した方法の一つである直接通電加熱が用いられる。具体的には、第2清澄槽202に熔融ガラスMGを供給する第1清澄槽204に設けられた図示されない金属製フランジと、第2清澄槽202に設けられた図示されない金属製フランジとの間で電流を流し(図3(a)中の矢印)、さらに、第2清澄槽202に設けられた図示されない金属製フランジと、この金属フランジに対して熔融ガラスMGの下流側の第2清澄槽202に設けられた図示されない金属製フランジとの間に電流を流す(図3(a)中の矢印)ことにより熔融ガラスMGの温度が調整される。本実施形態では、金属製フランジ間の1つ目の領域と、金属製フランジ間の2つ目の領域に、別々の一定の電流を流して第1清澄槽204と第2清澄槽202を通電加熱することにより、熔融ガラスMGの温度を調整するが、この通電加熱は2つの領域の通電加熱による温度調整に限定されず、1つの領域の通電加熱を行って、あるいは、3つ以上の領域で通電加熱を行って、熔融ガラスMGの温度調整を行うこともできる。
均質化工程(ST3)では、第3清澄槽205を通って供給された攪拌槽203内の熔融ガラスMGを、スターラ203aを用いて攪拌することにより、ガラス成分の均質化を行う。攪拌槽203は2つ以上設けられてもよい。
供給工程(ST4)では、ガラス供給管206を通して熔融ガラスが成形装置300に供給される。
成形工程(ST5)では、熔融ガラスを板状ガラスGに成形し、板状ガラスGの流れを作る。本実施形態では、後述する成形体310を用いたオーバーフローダウンドロー法を用いる。徐冷工程(ST6)では、成形されて流れる板状ガラスGが、内部歪が生じないように冷却される。
切断工程(ST7)では、切断装置400において、成形装置300から供給された板状ガラスGを所定の長さに切断することで、ガラス基板を得る。切断されたガラス基板はさらに、所定のサイズに切断され、目標サイズのガラス基板が作製される。この後、ガラスの端面の研削、研磨およびガラス基板の洗浄が行われ、さらに、泡や脈理等の欠点の有無が検査された後、検査合格品のガラス基板が最終製品として梱包される。
図3(a)は、清澄工程を行う装置構成を主に示す図である。清澄工程は、脱泡工程と吸収工程とを含む。脱泡工程では、熔融ガラスMGを1630℃以上に昇温させて、清澄剤であるSnO2が酸素を放出させ、この酸素を熔融ガラスMGの既存の泡Bに取り込ませ、既存の泡Bの泡径を拡大させる。これにより、熔融ガラスMGの温度上昇に起因した泡B内のガス成分の内圧上昇による泡径の拡大と、熔融ガラスMGの温度上昇に起因した熔融ガラスMGの粘性の低下との相乗効果により、泡Bの浮上速度が高まり、脱泡が促進する。
吸収処理では、脱泡処理とは逆に熔融ガラスMGの温度を低下させることにより、熔融ガラスMG中の泡B内の酸素を再び熔融ガラスMGに吸収させることと、熔融ガラスMGの温度低下により泡B内のガス成分の内圧を低下させることとの相乗効果により、泡径を縮小させ、熔融ガラスMG中に泡Bを消滅させる。
なお、脱泡工程では、2℃/分以上の昇温速度で熔融ガラスMGの温度を1630℃以上に昇温させる。この熔融ガラスの昇温を実現するために、脱泡工程の一部を担うガラス供給管204の管断面形状は、後述するように扁平形状となっている。この点については後述する。なお、2℃/分以上の昇温速度とは、熔融ガラスMGの温度が、熔解工程後の熔融ガラスMGの温度(例えば1580℃であり、1560〜1620℃)から清澄温度(例えば、1630〜1700℃)に到達する範囲における、熔融ガラスMGの平均昇温速度が2℃/分以上であることをいう。
第1清澄槽204、第2清澄槽202及び第3清澄槽205それぞれの温度調整は、各清澄槽そのものを通電する直接通電加熱、或いは、各槽周りに配置した図示されないヒータによる清澄槽の間接加熱、さらに、空冷、水冷のクーラーによる間接冷却、各清澄槽へのエアー吹きつけ、水噴霧等のいずれか1つの方法を用いて、或いは、これらの方法の組み合わせを用いて行われる。
なお、本実施形態では、水平方向の長さD2が鉛直方向D1に比べて長い扁平形状であるが、水平方向の長さD2が鉛直方向D1に比べて短い扁平形状であってもよい。しかし、ガラス供給管204は、熔解槽201と接続する管であるので、十分に熔解した均質な熔融ガラスを溶解槽201の底部から抜き出す点を考慮すると、底部の熔融ガラスを抜き出すことが可能な形状であることが好ましい。したがって、水平方向の長さD2が鉛直方向の長さD1に比べて長い扁平形状であることが好ましい。また、本実施形態では、第1清澄槽であるガラス供給管204の管断面形状は、管の全長に亘って扁平形状となっているが、ガラス供給管204の一部において管断面形状は扁平形状となっていてもよい。
熔解槽201で熔解され、ガラス原料の分解反応により生成した泡Bを多く含んだ液状の熔解ガラスMGが、第1清澄槽204に導入される。
第1清澄槽204では、第1清澄槽204の本体である白金あるいは白金合金管の加熱により熔融ガラスMGが1630℃以上まで加熱され、清澄剤の還元反応が促進されることにより、多量の酸素が熔融ガラスMGに放出される。熔融ガラスMG内の既存の泡Bは、熔融ガラスMGの温度上昇に起因した、泡B内のガス成分の圧力の上昇効果による泡径の拡大に、清澄剤の還元反応により放出された酸素が泡B内に拡散して入り込むことが重なって、この相乗効果により既存の泡Bの泡径が拡大する。この時、熔融ガラスMGは、2℃/分以上の昇温速度で1630℃以上の温度に達するまで加熱される。
第2清澄槽202は、第1清澄槽204と異なり、第2清澄槽202内部の上部開空間が気相の雰囲気空間であり、熔融ガラスMG中の泡Bが熔融ガラスMGの液面に浮上して熔融ガラスMGの外に放出できるようになっている。
第2清澄槽202では、第2清澄槽202の本体である白金あるいは白金合金管の加熱により熔融ガラスMGは引き続き1630℃以上の高温に維持され、熔融ガラスMG中の泡Bは、第2清澄槽202の上方に向かって浮上して、熔融ガラスMGの液表面で破泡することにより熔融ガラスMGは脱泡される。特に、熔融ガラスMGが1630℃以上まで加熱されると(例えば1630〜1700℃になると)、SnO2は、還元反応を加速的に起こす。このとき、例えば、液晶ディスプレイなどのフラットパネルディスプレイ用ガラス基板を製造する場合、ガラスの粘度は、熔融ガラスMGの温度の上昇により、泡Bの浮上、脱泡に適した粘度(200〜800poise)になっている。
ここで、第2清澄槽202の上方の上部開空間で破泡、放出されたガス成分は、図示されない、ガス放出口より、第2清澄槽202外に放出される。第2清澄槽202において、泡Bの浮上、脱泡によって浮上速度の速い径の大きな泡Bが除去された熔融ガラスMGは、第3清澄槽205に導入される。
本実施形態では、例えば、図3に示すように、第2清澄槽202から第3清澄槽205においては本体を構成する白金あるいは白金合金管の長さ方向に延びる2つの異なる領域に別々に流す電流を制御することにより熔融ガラスMGの昇温が行われてもよい。また、清澄槽の本体を構成する白金あるいは白金合金管の長さ方向に延びる3つ以上の異なる領域に別々に流す電流を制御することにより熔融ガラスMGの昇温が行われてもよい。
このように、熔融ガラスMGの昇温が、清澄槽の異なる少なくとも2つの領域に別々に流す電流を制御することにより、行われることが、脱泡処理を効率よく行わせる点で好ましい。
また、上記説明では簡略化のために、第1清澄槽204では熔融ガラスMGが1630℃まで昇温され、第2清澄槽202では、熔融ガラスMGの泡Bの浮上、脱泡が行われ、第3清澄槽205では、熔融ガラスMGが熔融ガラスMGの降温により泡Bの吸収が行われるように、清澄槽毎に機能を分けて説明したが、清澄槽毎に機能が完全に分かれていなくてもよい。第2清澄槽202の長さ方向の途中までの部分が熔融ガラスMGを昇温させる構成としてもよく、第2清澄槽202の長さ方向の途中から第3清澄槽205の間を、熔融ガラスMGの降温を開始させる部分とするように構成することもできる。
本実施形態では、第1清澄槽204、第2清澄槽202、第3清澄槽205の表面温度、つまり熔融ガラスMGが流れていない清澄槽の外側の表面温度を測定して温度制御をすることにより熔融ガラスMGの昇温速度、降温速度を管理することができる。第1清澄槽204、第2清澄槽202及び第3清澄槽205の表面温度と、第1清澄槽204、第2清澄槽202及び第3清澄槽205の中を流れる熔融ガラスMGの平均温度(清澄槽内で温度分布を持つ熔融ガラスMGの温度の平均値)との関係を、コンピューターシミュレーションにより、清澄槽に供給する熔融ガラスMGの流速と温度の条件を用いて、予め算出することができる。このため、清澄槽の外側の測定された表面温度から、上記関係を用い昇温速度、降温速度を算出して昇温速度、降温速度を管理することができる。なお、熔融ガラスMGの流速は各装置の容積と、成形装置300に流入される単位時間当たりの熔融ガラスMRの量から算出することができる。また、熔融ガラスMGの温度は、ガラスの粘性と熱伝導度から算出することができる。
なお、上記降温速度は、速いほどガラス基板内に残存する泡数を低減できるが、この低減効果は上記降温速度の上昇に伴って小さくなっていく。上記降温速度は、3℃/分以上であることが好ましい。なお、上記降温速度の上限は特に設けられないが、ガラス基板を工業的に製造する場合、以下の理由から、50℃/分が上限となる。
以上のことから、熔融ガラスMGの、1600℃から1500℃までの降温速度の上限は、50℃/分であることが好ましく、35℃/分であることがより好ましい。すなわち、本実施形態では、上記降温速度は、2℃/分〜50℃/分であることが好ましく、3℃/分〜35℃/分であることがより好ましい。
図4は、成形工程及び切断工程を行う装置構成を主に示す図である。成形装置300は、成形炉340と徐冷炉350を含む。
成形炉340および徐冷炉350は、耐火レンガ等の耐火物で構成された図示されない炉壁に囲まれて構成されている。成形炉340は、徐冷炉350に対して鉛直上方に設けられている。成形炉340及び徐冷炉350の炉壁で囲まれた炉内部空間に、成形体310と、雰囲気仕切り部材320と、冷却ローラ330と、冷却ユニット335と、搬送ローラ350a〜350dと、が設けられている。
成形体310は、図2に示すガラス供給管206を通して熔解装置200から流れてくる熔融ガラスMGを板状ガラスGに成形する。成形体310に供給されるときの熔融ガラスは、粘度η(poise)に関してlogη=4.3〜5.7となる温度となっている。この熔融ガラスMGの温度は、ガラスの種類によって異なるが、例えば液晶ディスプレイ用ガラスであれば、1200〜1300℃である。これにより、成形装置300内で、鉛直下方の板状ガラスGの流れが作られる。成形体310には、耐火レンガ等によって構成された細長い構造体であり、図4に示すように断面が楔形状を成している。成形体310の上部には、熔融ガラスを導く流路となる供給溝312が設けられている。供給溝312は、成形装置300に設けられた供給口において第3清澄槽205と接続され、第3清澄槽205を通して流れてくる熔融ガラスMGは、供給溝312を伝って流れる。供給溝312の深さは、熔融ガラスの流れの下流ほど浅くなっており、供給溝312から熔融ガラスMGが鉛直下方に向かって溢れ出るようになっている。
供給溝312から溢れ出た熔融ガラスは、成形体310の両側の側壁の垂直壁面および傾斜壁面を伝わって流下する。側壁を流れた熔融ガラスは、図4に示す成形体310の下方端部313で合流し、1つの板状ガラスGが成形される。
本実施形態のガラス基板の製造方法により製造されるガラス基板は、フラットパネルディスプレイ用ガラス基板に好適に用いられる。例えば、Li、Na、及びKのいずれの成分も含有されていないか、あるいは、Li、Na、及びKのいずれか少なくとも1つの成分が含有されているとしても、Li、Na、及びKの内含有する成分の合計量が、2質量%以下であるガラス組成を有することが、本実施形態の効果を効率よく発揮する点で好ましい。ガラス組成は、以下に示すものが好適に例示される。
(a)SiO2:50〜70質量%、
(b)B2O3:1〜18質量%、
(c)Al2O3:10〜25質量%、
(d)MgO:0〜10質量%、
(e)CaO:0〜20質量%、
(f)SrO:0〜20質量%、
(g)BaO:0〜10質量%、
(h)RO:5〜20質量%(ただしRはMg、Ca、SrおよびBaから選ばれる少なくとも1種であり、ROは、MgO、CaO、SrOおよびBaOのうち含有する成分の合計)、
(i)R’2O:0.1質量%を超え2.0質量%以下(ただしR’はLi、NaおよびKから選ばれる少なくとも1種であり、R’2OはLi2O、Na2O及びK2Oのうち含有する成分の合計)、
(j)酸化錫、酸化鉄および酸化セリウムなどから選ばれる少なくとも1種の金属酸化物を合計で0.05〜1.5質量%。
なお、上記(i),(j)の組成は必須ではないが、(i),(j)の組成を含むことができる。上記のガラスには、As2O3およびPbOを実質的に含まず、SnO2が含まれている。なお、環境問題の観点からは、Sb2O3も実質的に含まないことが好ましい。
また、(i)のR’2Oの含有が0質量%であっても構わない。
また、本実施形態においては、SnO2はガラスを失透しやすくする成分であるため、清澄性を高めつつ失透を起こさせないためには、その含有率が0.01〜0.5質量%であることが好ましく、0.05〜0.3質量%であることがより好ましく、0.1〜0.3質量%であることがさらに好ましい。
上記金属酸化物に酸化鉄を含む場合、上記酸化鉄は、その含有量が0.01〜0.1質量%であることが好ましく、0.01〜0.08質量%であることがより好ましい。
図5は、本実施形態における熔解工程から成形工程に至る温度履歴の一例を説明する図である。
本実施形態のガラス基板の製造に用いるガラス原料は、目標とする化学組成となるように、種々の原料を秤量し、よく混ぜ合わせてガラス原料が作られる。その際、SnO2が清澄剤として所定量、ガラス原料に添加される。こうして作られるSnO2が添加されたガラス原料は、熔解槽201に投入されて高温で熔解し、熔融ガラスMGがつくられる。熔解槽201に投入されたガラス原料は、その成分の分解温度に達したところで分解し、ガラス化反応により、熔融ガラスMGとなる。熔融ガラスMGは熔解槽201を流れる間に、徐々に温度を上げながら、熔解槽201の底部近くから第1清澄槽204(ガラス供給管204)に進む。
このため、熔解槽201では、ガラス原料の投入された時点における温度T1から第1清澄槽204(ガラス供給管204)に進入する時点における温度T3まで、熔融ガラスMGの温度はなだらかに上昇する温度履歴を有する。なお、図5中、T1<T2<T3であるが、T2=T3あるいは、T2>T3であってもよく、少なくともT1<T3であればよい。
さらに、第2清澄槽202に進入した熔融ガラスMGを、温度T4から温度T4と略同じ温度T5に維持する。なお、温度T3〜温度T5における温度調節は、本実施形態では、各清澄槽を通電加熱する方式を用いるが、この方式には限定されない。例えば、各清澄槽周りに配置した図示されないヒータによる間接加熱を用いて上記温度調節が行われてもよい。
泡径の拡大した泡Bはストークスの法則に従って泡Bの浮上速度が速くなり、泡Bの浮上、破泡が促進される。
第2清澄槽202でも、熔融ガラスMGは引き続き、1630℃以上の高温に維持されるため、熔融ガラスMG中の泡Bは、熔融ガラスMGの液表面に浮上し、液表面で破泡することにより、熔融ガラスMGの脱泡が行われる。
なお、熔融ガラスMGの温度が温度T4に達するのは、第1清澄槽204である例を挙げて説明したが、第2清澄槽202内であってもよい。
熔融ガラスMGの温度が低下することで、泡Bの浮上、脱泡が生じずに、熔融ガラスMGに残存した小泡中のガス成分の圧力も下がり、泡径はどんどん小さくなる。さらに熔融ガラスMGの温度が1600℃以下になると、SnO(SnO2の還元により得られたもの)の一部が酸素を吸収して、SnO2に戻ろうとする。このため、熔融ガラスMG中の残存する泡B内の酸素は、熔融ガラスMG中に再吸収され、小泡は一層小さくなる。この小泡は熔融ガラスMGに吸収されて、小泡は最終的に消滅する。
このSnOの酸化反応により泡B内のガス成分であるO2を吸収させる処理が、吸収処理であり、温度T5から温度T6を経て温度T7まで低下する期間に行われる。図5では、温度T5〜T6の降温速度が、温度T6〜T7の降温速度に比べて速いが、温度T5〜T6の降温速度が、温度T6〜T7の降温速度に比べて遅くてもよいし、同等であってもよい。少なくともこの吸収処理の間、熔融ガラスMGの温度が1600℃から1500℃の温度範囲を2℃/分以上の降温速度で降温されることが好ましい。しかし、熔融ガラスMGがより高温状態にあるときの降温速度を大きくして、後述するSO2の拡散を早期に抑制して、泡B内に取り込まれるSO2を減少させる点で、温度T5〜T6の降温速度が、温度T6〜T7の降温速度に比べて速いことが好ましい。すなわち、吸収処理において、熔融ガラスMGが1500℃以下である温度範囲における降温速度は、1600℃から1500℃の温度範囲における降温速度よりも遅いことが好ましい。
また、温度T6〜T7の降温速度を温度T5〜T6の降温速度よりも遅くすることで、泡B内に取り込まれるSO2を減少させつつ、攪拌槽203に流入される熔融ガラスMGの第3清澄槽205(ガラス供給管205)内における、外側表面部分と中心部との間の温度差を小さくすることができる。
なお、ガラス基板の生産性の向上と設備コスト削減の点から、吸収処理において、熔融ガラスMGが1500℃以下である温度範囲における降温速度は、1600℃から1500℃の温度範囲における降温速度よりも速いことが好ましい。なお、このような熔融ガラスMGの温度制御を行う場合、成形工程に供給する熔融ガラスMGの量を調整する流量調整装置を設けることが好ましい。
また、泡B内に取り込まれるSO2を減少させつつ、成形工程に供給する熔融ガラスMGの量を、ガラス供給管206内の熔融ガラスMGの温度管理にて調整できる点で、吸収処理において、熔融ガラスMGが1500℃以下である温度範囲における降温速度は、1600℃から1500℃の温度範囲における降温速度よりも遅いことが好ましい。これにより、ガラス供給管206を特別な形状に加工することや、ガラス供給管206以外に流量調整装置を設けることなしに、成形工程に流入される熔融ガラスMGの量は調整しやすくなる。また、成形工程に流入される熔融ガラスMGのガラス供給管206内における、外側表面部分と中心部との間の温度差を小さくすることができる。
SiO2:60質量%
Al2O3:19.5質量%
B2O3:10質量%
CaO:5.3質量%
SrO:5質量%
SnO2:0.2質量%
図6によると、O2の排出量を高くするには、熔融ガラスMGの昇温速度を2℃/分以上にすればよいことがわかる。なお、図6の測定結果において、CO2は、空洞が形成されたガラス基板に他のガラス基板を積み重ねることにより空洞内の気体(CO2)を密封し、この状態で各ガラス基板を加熱して融着させることにより、熔融ガラスMG内に泡として存在させたものである。このような昇温速度を達成するために、本実施形態では、第1清澄槽であるガラス供給管204の管断面形状を扁平形状としている。第1清澄槽であるガラス供給管204は、同じ管断面積を有する等価円管の場合に比べて大きな加熱表面積で熔融ガラスに熱を与えるので、熔融ガラスの温度を急速に、かつ、均一に昇温させることができる。
本実施形態では、昇温速度の実質的な上限はなく、例えば、10℃/分以下であればよい。ガラスは熱伝導度が小さいため、昇温速度を上昇させるためには、熱伝達面積を増やさなければならない。熱伝達面積を増やすためには、金属管である第1清澄槽204や第2清澄槽202等の内径を小さくし、さらに第1清澄槽204や第2清澄槽202等を長さ方向に長く形成することが挙げられる。また、熱伝達面積を増やすためには、第1清澄槽204や第2清澄槽202等の温度を、熔融ガラスMGの温度よりも著しく高い温度まで上げることも挙げられる。しかし、第1清澄槽204や第2清澄槽202等の内径を小さくし、さらに第1清澄槽204や第2清澄槽202等を長さ方向に長く形成すると、ガラス基板製造装置が大型化してしまい、好ましくない。また、第1清澄槽204や第2清澄槽202等の温度を、熔融ガラスMGの温度よりも著しく高い温度まで上げると、高温によってガラス基板製造装置が破損するおそれがある。したがって、昇温速度の実質的な上限は10℃/分以下であることが好ましい。以上のことから、昇温速度は、2℃/分〜10℃/分であることが好ましく、3℃/分〜8℃/分であることがより好ましく、3℃〜6.5℃/分であることがさらに好ましい。この範囲において、脱泡処理を効率よく行い、ガラス基板に残存する泡を効率よく低減することができる。
温度T3から温度T4に熔融ガラスMGを昇温して温度T5に至る期間、SnO2が酸素を放出して還元される温度である1600〜1630℃以上に熔融ガラスMGは昇温されるので、熔融ガラスMG内の泡に、SnO2が放出した酸素の取り込みが促進される他、高温になって熔融ガラスMG内に溶存するO2、CO2、SO2の拡散が促進されて、上記泡B内に熔融ガラスMG内に溶存するO2、CO2、SO2も取り込まれる。なお、熔融ガラスMG中へのガス成分の熔解度は、ガラス成分により変わるが、SO2の場合、アルカリ金属成分の含有量の多いガラスでは比較的熔解度が高いが、アルカリ金属成分を含まないか、含んでも少量である本実施形態のような液晶ディスプレイ用ガラス基板に用いるガラス基板では熔融ガラスMG中に熔解できる熔解度は低い。液晶ディスプレイ用ガラス基板に用いるガラス基板では、本来、ガラス原料として、人為的にはS(硫黄)成分を加えないが、原料中の不純物として、或いは、熔解槽201で用いる燃焼ガス(天然ガス、都市ガス、プロパンガス等)に、不純物として、微量に含まれている。このため、これらの不純物として含まれるS成分が、酸化されてSO2となり、熔融ガラスMGに含まれている泡B内に拡散して入り込む。SO2は再吸収されにくいので泡Bとして残る。この現象は、従来のAs2O3を清澄剤として使用していた時に比べ、非常に顕著に現れる。
SnO2を清澄剤として使用したガラス組成の場合、熔融ガラスMGの高温での保持時間が長くなるほど、熔融ガラスMG内の既存の泡B内へのSO2の拡散が促進する。これは、高温になってSO2の熔融ガラスMG中の拡散速度が速まり、泡B内へ進入し易くなったためであると考えられる。
ガラス基板は、アルカリ金属の含有量が少ない上述した液晶用ディスプレイ用ガラス基板と同じガラス組成を有し、清澄剤としてSnO2を含有する。具体的には、図6の測定結果を得るときに作製したガラス基板と同様のガラス組成を有する液晶ディスプレイ用ガラス基板を用いた。
このガラス組成の熔融ガラスを板状に成形したガラス基板に孔を人工的にあけ、孔をあけたガラス基板の両側に酸素雰囲気中で、同種のガラス組成のガラス基板を挟むことにより、O2が充填された孔を泡として再現した。この孔を有するガラス基板を、1200℃以上の温度と温度維持時間とを種々変えて熱処理し、孔内のSO2の含有量をガス分析により測定した。1200℃以上にガラス基板を加熱するので、ガラス基板は熔融状態となって、熔融ガラス内に残存する泡Bを再現することができる。
図7によると、略1500℃以上の温度でO2の充填された孔にSO2が含有されることがわかる。特に、高温になるほど、さらに温度維持時間が長くなるほど、SO2の含有量が増えることがわかる。これは、熔融状態となったガラス内に溶存するSO2の拡散が高温により促進され、孔に取り込まれることを意味する。
したがって、熔融ガラスMGは、脱泡処理後の吸収処理において、速やかに1500℃未満に降温されることが好ましく、本実施形態では、熔融ガラスMGは1600℃から1500℃の温度範囲で2℃/分以上の降温速度で降温されることが好ましい。
降温速度が2℃/分未満では、泡レベルが急激に上昇することがわかる。なお、泡レベルとは、降温速度を10℃/分としたときの単位ガラス質量当たりの泡数を基準として、泡数がどの程度悪化するかを表す。例えば泡レベル3は、降温速度を10℃/分としたときの泡数に対して3倍の泡数を意味する。
図8によると、泡レベルを低くするには、降温速度を2℃/分以上にすることが好ましい。
図9によると、降温速度が2℃/分未満では、泡レベルが急激に上昇することがわかる。したがって、熔融ガラスMGを1600℃から1500℃の温度範囲で2℃/分以上の降温速度で降温されると、泡レベルが低減することがわかる。図9より、例えば降温速度が3℃/分〜8℃/分において泡レベルを低減する点でより有効であることがわかる。
より詳細には、ガラス組成として含有されるMgO、CaO、SrO、BaOは、炭酸塩として原料に添加されることが多く、その分解温度は、MgOが最も低く、CaO、SrO、BaOの順に高くなる。つまり、分解温度が高いほど、CO2を放出しはじめる温度が高い。上記のことからも明らかなように、脱泡処理の後に熔融ガラスMGが降温すると、分解温度が高いものほど高い温度でCO2を吸収しはじめる。例えば、BaOは1300℃近でCO2の吸収がはじまる。
しかし、ガラス組成として比較的高い温度領域でCO2の吸収がはじまるBaOやSrOの含有量が少ないガラス基板の製造では、CO2の吸収が、熔融ガラスMGの温度が低下してから、つまり熔融ガラスMGの粘度が高くなってからはじまる。ここで、CO2は熔融ガラスMGの粘度が低い方が、熔融ガラスMG中に速く拡散する。そのため、熔融ガラスMGの粘度が高くなってから(温度が低くなってから)CO2の吸収が始まるガラス基板の製造方法では、CO2が泡とし熔融ガラスMG中に残存しやすくなる。
本実施形態のように熔融ガラス中に泡のガス成分として存在するSO2を低減できれば、上述のようにCO2が残存しやすいガラス基板の製造であっても、キャビテーションの核となる泡の発生も抑制することができ、結果として最終製品としてのガラス基板中の泡数を低減することができる。以上のことから、本実施形態は、BaOの含有量が0〜1.0質量%のガラス基板の製造に好適であり、BaOを実質的に含有しないガラス基板の製造方法にさらに好適である。また、本実施形態は、SrOの含有量が0〜3.0質量%のガラス基板の製造に好適であり、SrOを実質的に含有しないガラス基板の製造方法にさらに好適である。
図10(a),(b)は、本実施形態の第1清澄槽であるガラス供給管204の管断面形状の変形例を示す図である。管断面形状は、図10(a)に示すように、水平方向に細長い略矩形形状であってもよいし、図10(b)に示すように、水平方向に細長い略矩形形状の角部が直線状に面取りされた断面形状であってもよい。これらの管断面形状であっても、ガラス供給管204の加熱源となる内壁面と接触して熱を受ける熔融ガラスMGの表面積は、従来の同じ管断面積を有する正円の管の内壁面から熱を受ける熔融ガラスの表面積に比べて大きくなっている。このため、熔融ガラスMGは広い表面積で熱を受けるので、熔融ガラスMGの温度を急速に、かつ、均一に昇温することができる。すなわち、第1清澄槽であるガラス供給管204の管断面積に一致する断面積を有する、断面形状が正円である円管を基準とする。このとき、図10(a),(b)に示す管断面形状を有する第1清澄槽であるガラス供給管204の内壁面に接触して熔融ガラスMGが熱を受ける表面積は、断面形状が正円である円管内を熔融ガラスMGが流れて円管の内壁面から熱を受ける熔融ガラスMGの表面積に比べて大きくなっている。このように、図10(a),(b)に示す熔融ガラスMGは広い表面積でガラス供給管204の加熱源となる内壁面から熱を受けるので溶融ガラスMGと内壁面との間の最短距離のばらつきは小さくなり、熔融ガラスMGの温度を急速に、かつ、均一に昇温することができる。したがって、脱泡を行う清澄槽では効率よく泡を抜くことができる。
なお、本発明者は、シミュレーションにより、上記効果を有することを確認している。
201 熔解槽
202 清澄槽
202a,202b,202c 金属製フランジ
203 攪拌槽
203a スターラ
204,205,206 ガラス供給管
204a 管内加熱源
300 成形装置
310 成形体
312 供給溝
313 下方端部
320 雰囲気仕切り部材
330 冷却ローラ
335 冷却ユニット
350a〜350d 搬送ローラ
340 成形炉
350 徐冷炉
400 切断装置
Claims (5)
- ガラス基板を製造するガラス基板の製造方法であって、
ガラス原料を熔解して熔融ガラスをつくる工程と、
白金あるいは白金合金で構成されるガラス供給管の内壁面から前記熔融ガラスを加熱しながら、前記熔融ガラスを流して管状の清澄槽に移送する工程と、
移送された前記熔融ガラスを前記清澄槽の内壁面から加熱しながら前記清澄槽で脱泡する工程と、を含み、
前記脱泡する工程は、少なくとも前記ガラス供給管において前記熔融ガラスを加熱して、3℃/分以上の昇温速度で前記熔融ガラスを1630℃以上に昇温させることにより、前記熔融ガラス中に泡を生成させて前記熔融ガラスの脱泡を行う工程を含み、
前記ガラス供給管の少なくとも一部分を流れて熱を受ける前記熔融ガラスの表面積は、前記ガラス供給管の前記一部分の管断面積に一致する断面積を有する、断面形状が正円である円管を基準としたとき、前記円管の内壁面から熱を受ける熔融ガラスの表面積に比して大きい、ことを特徴とするガラス基板の製造方法。 - 前記一部分の管断面形状は、長軸と短軸とを有する、請求項1に記載のガラス基板の製造方法。
- 前記一部分の管断面形状は、水平方向の長さが鉛直方向に比べて長い扁平形状である、請求項1または2に記載のガラス基板の製造方法。
- ガラス基板を製造するガラス基板の製造方法であって、
ガラス原料を熔解して熔融ガラスをつくる工程と、
白金あるいは白金合金で構成されるガラス供給管の内壁面から前記熔融ガラスを加熱しながら、前記熔融ガラスを流して管状の清澄槽に移送する工程と、
移送された前記熔融ガラスを前記清澄槽の内壁面から加熱しながら前記清澄槽で脱泡する工程と、を含み、
前記脱泡する工程は、少なくとも前記ガラス供給管において前記熔融ガラスを加熱して、2℃/分以上の昇温速度で前記熔融ガラスを1630℃以上に昇温させることにより、前記熔融ガラス中に泡を生成させて前記熔融ガラスの脱泡を行う工程を含み、
前記ガラス供給管の少なくとも一部分を流れて熱を受ける前記熔融ガラスの表面積は、前記ガラス供給管の前記一部分の管断面積に一致する断面積を有する、断面形状が正円である円管を基準としたとき、前記円管の内壁面から熱を受ける熔融ガラスの表面積に比して大きく、
前記一部分には、前記内壁面から前記熔融ガラスを加熱する壁面加熱源の他に、前記ガラス供給管の一部分の管内に設けられ、前記熔融ガラスと接触する管内加熱源が設けられている、ガラス基板の製造方法。 - ガラス基板を製造するガラス基板の製造装置であって、
ガラス原料を熔解して熔融ガラスをつくる熔解炉と、
白金あるいは白金合金で構成される管であって、当該管の内壁面から前記熔融ガラスを加熱しながら、前記熔融ガラスを移送するガラス供給管と、
移送された前記熔融ガラスを内壁面から加熱しながら脱泡する管状の清澄槽と、を含み、
前記清澄槽において脱泡するとき、少なくとも前記清澄槽において前記熔融ガラスを加熱して、3℃/分以上の昇温速度で前記熔融ガラスを1630℃以上に昇温させることにより、前記熔融ガラス中に泡を生成させて前記熔融ガラスの脱泡を行い、
前記ガラス供給管の少なくとも一部分を流れて熱を受ける前記熔融ガラスの表面積は、前記ガラス供給管の前記一部分の管断面積に一致する断面積を有する、断面形状が正円である円管を基準としたとき、前記円管の内壁面から熱を受ける熔融ガラスの表面積に比して大きくなるように前記ガラス供給管は構成されている、ことを特徴とするガラス基板の製造装置。
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