JP2013212524A - はんだ材及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、後工程で複数回の熱処理を受けても、はんだ接続部が再溶融しない耐熱性を有し、且つ、接合部のスタンドオフ高さを確保できるはんだ材を提供する。
【解決手段】第一の金属粒子、該第一の粒子と金属間化合物を形成し、かつ常温で固体である第二の金属、及び該第一の金属粒子が酸化されて形成される金属酸化被膜を除去する活性剤、を含むはんだ材であって、該第一の金属粒子が該第二の金属よりも高い融点を有し、該はんだ材が、該第二の金属中に該第一の金属粒子が分散した構造を有し、かつ該活性剤を該第一の金属粒子100質量部に対して0.5〜20質量部含む、はんだ材。
【選択図】なし

Description

本発明は、各種電子部品の接続に使用できるはんだ材、及びその製造方法に関する。
近年、半導体チップの回路基板及びパッケージ内部端子への電気的接続には、Au線等を用いたワイヤーボンディングが広く普及している。ワイヤーボンディングをする際には、半導体素子をインターポーザ等のプリント基板又はリードフレーム等の基材(以下、それらを基板と略す)に固定する必要があり、固定のための多くの接続材が提案されている。例えば、チップを基板に固着する場合には、エポキシ樹脂ベースのAgペースト等が多く利用されている。しかしながら、Agペーストは樹脂の硬化収縮によりAg粒子同士を点接触させて導通を得るため、熱伝導率が比較的低い傾向にあり、且つ、樹脂の吸湿による劣化の問題もある。また、Pb−Sn系の高温はんだ(融点300℃程度)は、樹脂系の導電性ペースト等と比較して、耐熱性及び放熱性に優れることから、パワーデバイス系の高発熱チップ等の接続に利用されている。
しかしながら、近年では、EUの環境規制(WEEE、RoHS指令)にあるように、Pbの有害性が問題となり、環境汚染を防止する観点から、Pbフリー化が急速に進んでいる。このような背景より、Pbフリーであり、耐熱性及び放熱性に優れたはんだ材が必要とされている。
本発明者等は、はんだのリフロー熱処理条件、例えばピーク温度246℃で溶融接合でき、接合後は、後工程で複数回の熱処理を受けても、はんだ接続部が再溶融しない高耐熱性の導電性フィラーを提案している(特許文献1)。
はんだペーストを用いない接合法の一つに、はんだシートを供給し、熱処理によって部品を接合する方法がある。シート状のはんだは、一般的にフラックスを殆ど含有していない点ではんだペーストと大きく異なる。
例として、はんだシート中に高融点のNiを主体とする金属粒子を分散させることによって、部品実装をした際に、適度なスタンドオフ高さを制御するはんだシート材が報告されている(特許文献2)。
一方、高耐熱性を有する接続材として、Cu粒子とSn粒子とを含むはんだ材料を圧延したはんだ箔が報告されている(特許文献3)。CuとSnとの間に形成されるCu−Sn合金相は、NiとSnとの間に形成される合金相に比べて速く成長するため、耐熱性に優れた接合部を形成する。
国際公開第2006−109573号パンフレット 特開2005−161338号公報 特開2002−305213号公報
特許文献1のような、導電性フィラーを用いたはんだペーストは、導電性フィラーをフラックスと混練してペースト化をするため、粒子同士の間には、フラックス由来の隙間が多く存在し、比較的大きな部品を実装する際には、ボイドが内包され易いという傾向があった。フラックスとは、はんだ接続を助ける重要な補助材料であり、主要成分として、フィラー表面の清浄作用及び再酸化の抑制作用を有する、ロジン等のベース材、同じくフィラー表面の清浄作用を示す活性剤、粘性を調整する溶剤、チキソ剤等を含む。
また、特許文献2に記載のはんだシート材を用いると、はんだ接合部にNi粒子を介在させることによって一定の厚みを確保し、はんだが基板と電子部材との熱膨張差を緩和することで、製品の信頼性を向上させることが可能である。しかし、Niとはんだの主成分であるSnとの間に形成される融点の高いNi−Sn系の合金相は、生成速度が遅いため、短時間の熱処理では耐熱性に優れた接合部の形成は困難である。
また、特許文献3に記載される技術においては、Cu粉末が酸化凝集し易いので、耐熱性に優れた接合部の形成の点で改善の余地があった。
本発明は、上記問題を鑑みて成されたものであり、はんだとフィラーとの界面に良好な金属結合を迅速に形成させることで、後工程で複数回の熱処理を受けても、はんだ接続部が再溶融しない耐熱性を有し、且つ、接合部のスタンドオフ高さを確保でき、放熱性に優れるはんだ材を提供することを目的とする。
本発明者等は、上記課題を解決すべく鋭意検討し、実験を重ねた結果、本発明を成すに至った。即ち、本発明は、以下の通りである。
[1] 第一の金属粒子、
該第一の粒子と金属間化合物を形成し、かつ常温で固体である第二の金属、及び
該第一の金属粒子が酸化されて形成される金属酸化被膜を除去する活性剤、
を含むはんだ材であって、
該第一の金属粒子が該第二の金属よりも高い融点を有し、
該はんだ材が、該第二の金属中に該第一の金属粒子が分散した構造を有し、かつ該活性剤を該第一の金属粒子100質量部に対して0.5〜20質量部含む、はんだ材。
[2] 前記第一の金属粒子が、Cu粒子又はCu合金粒子であり、前記第二の金属がSn系はんだである、上記[1]に記載のはんだ材。
[3] 前記第一の金属粒子が、Cuを50〜99質量%含むCu合金粒子である、上記[2]に記載のはんだ材。
[4] 前記Cu合金粒子が、Cu50〜99質量%と、Sn、Ag、Bi、In、及びGeからなる群より選ばれる1つ以上の元素1〜50質量%とからなる、上記[3]に記載のはんだ材。
[5] 前記第一の金属粒子が、Ag5〜15質量%、Bi2〜8質量%、In2〜8質量%、Sn10〜20質量%及び残部のCuを含むCu合金粒子、又は、Ag1〜25質量%及び残部のCuを含むCu合金粒子、又は、Sn1〜25質量%及び残部のCuを含むCu合金粒子である、上記[2]〜[4]のいずれかに記載のはんだ材。
[6] 前記第一の金属粒子と前記第二の金属との界面に、Cu−Sn系合金相を有する、[2]〜[5]のいずれかに記載のはんだ材。
[7] 前記Sn系はんだが、Snを90質量%以上含む、上記[2]〜[6]のいずれかに記載のはんだ材。
[8] シート状である、上記[1]〜[7]のいずれかに記載のはんだ材。
[9] 少なくとも片側の表面に、前記第二の金属の層を3μm以上の厚みで有する、上記[1]〜[8]のいずれかに記載のはんだ材。
[10] 前記第一の金属粒子の平均粒径が2〜100μmである、上記[1]〜[9]のいずれかに記載のはんだ材。
[11] 2枚の前記第二の金属の箔の間に、前記第一の金属粒子と前記活性剤との混合物を分散させて、190℃以上且つ前記第二の金属の融点未満の温度で加熱しながら、プレス又は圧延することを含む、上記[1]〜[10]のいずれかに記載のはんだ材の製造方法。
本発明によるはんだ材は、鉛フリーはんだのリフロー熱処理条件で溶融接合でき、接合後は、後工程で複数回の熱処理を受けても、はんだ接続部が再溶融しない耐熱性を有する。また、本発明のはんだ材を用いれば、はんだ接合部に加重しながら熱処理をする場合にも、接合部のスタンドオフ高さの確保が可能であり、放熱性に優れる。本発明のはんだ材は特に有利にはシート状はんだ材である。
実施例1に係る、活性剤としてステアリン酸を用いたシート状はんだ材の断面の金属顕微鏡画像を示す図である。 実施例1に係る、シート状はんだ材を用いたCuチップ接合後のサンプルの断面の金属顕微鏡画像を示す図である。 実施例5に係る、活性剤として1,3,6−ヘキサトリカルボン酸を用いたシート状はんだ材の断面の金属顕微鏡画像を示す図である。
以下に、本発明を実施するための形態(以下、実態の形態と略記する)について詳細に説明する。尚、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で変形して実施することができる。
<はんだ材>
本発明の一態様は、第一の金属粒子、該第一の粒子と金属間化合物を形成し、かつ常温で固体である第二の金属、及び該第一の金属粒子が酸化されて形成される金属酸化被膜を除去する活性剤、を含むはんだ材であって、該第一の金属粒子が該第二の金属よりも高い融点を有し、該はんだ材が、該第二の金属中に該第一の金属粒子が分散した構造を有し、かつ該活性剤を該第一の金属粒子100質量部に対して0.5〜20質量部含む、はんだ材を提供する。
(第一の金属粒子)
第一の金属粒子は、第二の金属中に分散し、第二の金属と金属間化合物を形成する金属の粒子である。金属間化合物は典型的には第一の金属粒子を構成する金属と第二の金属との合金である。第一の金属粒子は第二の金属よりも高い融点を有し、高融点のフィラーとして作用する。これにより、実装時の加重が掛かった状態での、溶融したはんだ材の流動を防止できるため、良好なスタンドオフ高さが得られる。第一の金属粒子の融点は、好ましくは、300〜2000℃、より好ましくは、400〜1500℃、更に好ましくは、450〜1500℃である。該融点は、良好なスタンドオフ高さの実現の観点から、300℃以上であることが好ましい。本開示で、融点は、示差走査熱量測定で測定される最低温の吸熱ピークについてJIS Z3198−1に従って求められる融点である。
第一の金属粒子は、例えばAu及びAgは高価であること、Niでは第二の金属(特にSn)との合金相形成が遅いこと等の観点から、Cu粒子又はCu合金粒子であることが好ましい。この観点から、第一の金属粒子がCu粒子又はCu合金粒子であり、かつ第二の金属がSn系はんだであることは特に好ましい。
Cu合金粒子は、Cuを、好ましくは50〜99質量%、より好ましくは65〜99質量%、更に好ましくは65〜95質量%含む。Cu合金粒子中のCuの含有量が50質量%以上である場合、Cu系の合金相形成の観点から有利であり、99質量%以下である場合、粒子の酸化凝集の観点から有利である。
Cu合金粒子は、上記と同様の観点から、Cu50〜99質量%と、Sn、Ag、Bi、In、及びGeからなる群より選ばれる1つ以上の元素1〜50質量%とからなることが好ましい。
更に、第二の金属(特にSn系はんだ)との熱拡散による良好な合金化の観点から、第一の金属粒子は、Ag5〜15質量%、Bi2〜8質量%、In2〜8質量%、Sn10〜20質量%及び残部のCuを含むCu合金粒子、又は、Ag1〜25質量%及び残部のCuを含むCu合金粒子、又は、Sn1〜25質量%及び残部のCuを含むCu合金粒子であることが好ましい。上記それぞれの場合、Cuは第一の金属粒子の主成分(すなわち、最も含有量が多い成分)であることが好ましい。これらの組成を有する金属粒子は、Sn系はんだの融点(例えば、Snの場合232℃)よりも高融点(例えば融点が、450〜550℃)であり、本実施の形態のはんだ材の典型的な使用態様における熱処理(例えば260℃での熱処理)において、溶融しないため有利である。
尚、第一の金属粒子には、原料由来の不可避的不純物が含まれても構わない。
第一の金属粒子の平均粒径は、2〜100μmであることが好ましく、3〜50μmであることがより好ましく、5〜20μmであることが更に好ましい。はんだ材のスタンドオフ高さは、第一の金属粒子の平均粒径を大きくするか、若しくは第一の金属粒子の含有量を増加させることによって、コントロールすることが出来る。第一の金属粒子の平均粒径が2μm以上である場合、活性剤による金属酸化被膜除去の効果の観点から有利であり、100μm以下である場合、被接続体の平坦度の観点から有利である。特に、平均粒径が5〜20μmの比較的小さい第一の金属粒子を用いる場合、被接続体の平坦度を上げることができるという効果が顕著である。尚、本明細書における平均粒径とは、レーザー回折式粒子径分布測定装置で測定される値である。
また、粒度分布がよりシャープな第一の金属粒子を用いることにより、スタンドオフ高さのバラツキをより良好に低減でき、スタンドオフ高さをより精密に制御することが可能である。
第一の金属粒子を製造する方法としては公知の方法を採用できるが、急冷凝固法が好ましい。急冷凝固法による微粉末の製造法としては、水噴霧法、ガス噴霧法、遠心噴霧法等が挙げられる。中でも、粒子の酸素含有量を抑えることができる点から、ガス噴霧法及び遠心噴霧法がより好ましい。
ガス噴霧法では、通常、窒素ガス、アルゴンガス、ヘリウムガス等の不活性ガスを使用することができる。中でも、ガス噴霧時の線速を高くし、冷却速度を速くできる点で、比重の軽いヘリウムガスを用いることが好ましい。冷却速度は、500〜5000℃/秒の範囲であることが好ましい。遠心噴霧法では、回転ディスク上面に均一な溶融膜を形成する観点から、材質は、サイアロンであることが好ましく、ディスク回転速度は、6万〜12万rpmの範囲であることが好ましい。
(第二の金属)
第二の金属は、第一の金属粒子と金属間化合物(より典型的には合金)を形成する金属である。第二の金属は本実施の形態のはんだ材において連続相として存在しており、第一の金属粒子が第二の金属中に分散している。
第二の金属は、常温で固体である金属である。本開示において、常温で固体である金属とは、25℃1気圧の条件で固体状態である金属を意味する。第二の金属が常温で固体であることにより、はんだ材を被接続体に適用する際にはんだ材が流動せず、スタンドオフ高さを容易に確保できる。これにより良好な接合を実現できる。
第二の金属は、Cu−Sn系合金相を形成する観点から好ましくはSn系はんだである。本開示で、「Sn系はんだ」とは、Snの含有量が、50質量%以上であるはんだと定義する。Sn系はんだのSn含有量は、接続性の観点から、好ましくは90質量%以上、より好ましくは、95質量%以上、更に好ましくは、96.5質量%以上であり、100質量%であってもよい。
第二の金属の質量組成のより好ましい例は、Sn、Sn−3.5%Ag、Sn−3.0%Ag−0.5%Cu、Sn−0.3%Ag−0.7%Cu、Sn−1.0%Ag−0.7%Cu、Sn−0.7%Cu、Sn−2.5%Ag−0.5%Cu−1.0%Bi等が挙げられる。
第二の金属、好ましくはSn系はんだの融点は、良好な接続性を得る観点から、200〜235℃であることが好ましく、より好ましくは、210〜232℃である。
(金属間化合物)
第一の金属粒子を構成する金属と第二の金属とが形成する金属間化合物は、典型的には合金である。例えば、第一の金属粒子がCu粒子又はCu合金粒子であり、第二の金属がSn系はんだである場合、第一の金属粒子と第二の金属との界面には、Cu−Sn系合金相が形成される。この合金相は、接続部の耐熱性の観点から有利である。すなわち、Cu−Sn系合金相はSn系はんだ層(例えば、Snの場合、融点232℃、Sn−3.0Ag−0.5Cuの場合、融点217〜219℃)の融点に比べ高融点(例えば、Cu6Sn5の場合、融点415℃、Cu3Snの場合、融点676℃)を持つため有利である。尚、上記の接続部の耐熱性とは、鉛フリーはんだの一般的なリフロー熱処理温度である260℃における耐熱性を意味する。
(活性剤)
従来、はんだペーストにおいて一般的に用いられるフラックスは、はんだ接続を助ける重要な補助材料である。フラックスの主要な成分としては、金属粒子表面の清浄作用及び再酸化の抑制作用を有するロジン等のベース材、同じく金属粒子表面の清浄作用を示し金属の拡散を促進する活性剤、粘性を調整する溶剤、チキソ剤等が挙げられる。
本実施の形態に係るはんだ材は、上記活性剤を含む。活性剤は、第一の金属粒子が酸化されて形成される金属酸化被膜を除去する作用を有することによって、第一の金属粒子の表面の清浄作用を有し、金属拡散を促進する。活性剤としては、公知の材料を使用することができ、例えばラウリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸等の1価のカルボン酸、アジピン酸、グルタル酸等の2価のカルボン酸、1,3,6−ヘキサトリカルボン酸等の3価のカルボン酸、等が挙げられる。しかし、活性剤としては、室温(25℃)で固体であるものが好ましく、プレス又は圧延の温度で融解するものが好ましく、また、活性剤としての酸化被膜の清浄作用が緩やかであるものが好ましい。以上のような観点から、活性剤としては、ラウリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸等の1価のカルボン酸が好ましい。
なお、はんだ材は、ボイドの内包を防止する観点から、フラックス成分の内、実質的に活性剤のみを含むことが好ましい。
第一の金属粒子100質量部に対する活性剤の使用量は、0.5〜20質量部であり、好ましくは1.0〜3.0質量部である。上記下限値は、第一の金属粒子、及びはんだ材の表面の金属酸化被膜を良好に清浄化(すなわち除去)する観点から上記値であることが好ましい。また、上記上限値は、例えばシート状はんだ材を製造する際のプレス時又は圧延時に、加熱によって溶融した活性剤が、第一の金属粒子をシート状はんだ材の外部へ流れ出させるという不都合が生じ難いという観点、及びはんだ材による接合部(例えばチップ接続部)における活性剤由来の空隙の形成を防止するという観点から上記値であることが好ましい。
はんだ材において、第一の金属粒子と第二の金属との組成比としては、第二の金属100質量部に対する第一の金属粒子の割合が2〜150質量部であることが好ましく、5〜100質量部であることがより好ましい。上記割合が2質量部以上である場合、良好な耐熱性およびスタンドオフ高さの確保の観点から有利であり、150質量部以下である場合、良好な接続性の観点から有利である。
尚、はんだ材における、第一の金属粒子、第二の金属及び金属間化合物(特に合金相)、並びに、これらを形成するための材料(例えば、Snを主成分とするはんだ箔等)の元素組成は、例えば、誘導結合プラズマ(ICP)発光分析等で確認することができる。また、粒子表面、並びに、はんだ材及びその材料の断面の元素組成に関しては、SEM−EDX(特性X線分析装置)によって解析することができる。
本実施の形態のはんだ材は、好ましくはシート状はんだ材である。シート状はんだ材は、例えばはんだペーストと異なりボイドを内包しにくいという観点から各種電子部品の接続において有利である。
本実施の形態のはんだ材は、少なくとも片方の表面に、第二の金属の層を有することが好ましい。より好ましくは、はんだ材は、第二の金属中に第一の金属粒子が分散した構造を有する層(本開示で、合金層ともいう)と、該合金層の少なくとも片方の表面に形成された第二の金属の層とを有するシート状はんだ材である。第二の金属の層は、好ましくはSn系はんだ層である。第二の金属の層の厚みは、接合部を良好に形成する観点から、好ましくは3μm以上、より好ましくは、4μm以上、更に好ましくは、5μm以上であり、良好な耐熱性の観点から、好ましくは、100μm以下、より好ましくは、50μm以下、更に好ましくは、30μm以下である。該厚みは、断面の寸法を実測して確認できる。
<はんだ材の製造方法>
本実施の形態のはんだ材の製造方法の例を以下に説明するが、はんだ材の製造方法は以下に限定されない。
本発明の別の態様は、2枚の上述の第二の金属の箔の間に、上述の第一の金属粒子と上述の活性剤との混合物を分散させて、190℃以上且つ該第二の金属の融点未満の温度で加熱しながら、プレス又は圧延することを含む、はんだ材の製造方法を提供する。以下、第二の金属がSn系はんだであるシート状はんだ材を製造する場合を例に具体的な製造手順を説明する。
Snを主成分とするはんだ箔と、Snを主成分とするはんだ箔との間に、第一の金属粒子と活性剤との混合物を分散させて、熱を加えながら、プレス又は圧延する。加熱時の雰囲気としては、空気、及び窒素等の不活性雰囲気がともに可能であるが、真空状態又は窒素雰囲気が、金属酸化を抑制できるという観点から好ましい。なおここで、Snを主成分とするはんだ箔とは、Snを90質量%以上含む、はんだ箔を意味する。例えば、Snを主成分とするはんだ箔として、Sn(融点232℃)、又は鉛フリーはんだとして代表的なSn―3.0Ag―0.5Cu(融点217℃)を用いた場合には、プレス又は圧延の際の加熱温度は、上記それぞれの融点未満であることが好ましい。更に、Snを主成分とするはんだ箔と第一の金属粒子との良好な接合の観点から、190℃以上の熱処理温度が好ましい。また、Snを主成分とするはんだ箔の厚みが大きいほど、得られるシート状はんだ材の表面に形成されるSn系はんだ層を厚くすることができる。好ましい態様においては、更に良好な接合を与える接合部を形成するために、シート状はんだ材の少なくとも片側の表面に、前述したような第二の金属の層としてSn系はんだ層が形成されるようにする。第二の金属の層は、2枚のはんだ箔の間に第一の金属粒子と活性剤との混合物を分散させてプレス又は圧延する方法によって容易に形成することができる。前記プレス工程においてプレス時間、プレス圧力、プレス温度を調整することで、第二の金属の層を所望の厚み(例えば、第二の金属に関して前述したような好ましい厚み範囲)で確実に形成することができる。具体的には、プレス時間を長く、プレス圧力を高く、プレス温度を高くすると第二の金属の層を薄くすることができ、逆にプレス時間を短く、プレス圧力を低く、プレス温度を低くすると第二の金属の層を厚くすることができる。
また、第一の金属粒子と活性剤との混合物を均一に分散させるには、第一の金属粒子と活性剤とを攪拌混合するか、第一の金属粒子の表面を活性剤で被覆した粉体を用いることが好ましい。
例えば、Snを主成分とするはんだ箔と、Snを主成分とするはんだ箔との間に、第一の金属粒子と活性剤であるステアリン酸(融点71℃の活性剤)との混合物を分散させて、熱を加えながら200℃でプレスした場合、ステアリン酸は融解して、第一の金属粒子表面全体の酸化被膜を清浄化し、第一の金属粒子とSnを主成分とするはんだ箔との間で金属の拡散が生じ、第一の金属粒子とSn系はんだ層とがこれらの界面で合金相を形成する。また、加熱状態でのプレス又は圧延の時間が長いほど、また、加熱温度が高いほど、金属の熱拡散が進み、第一の金属粒子とはんだとの界面に、はんだよりも融点の高い、耐熱性に優れた合金相が成長する。
<はんだ材の使用>
本実施の形態のはんだ材は、基板と各種部品との接合において広範に使用できる。例えばシート状はんだ材を用いた部品実装に際しては、基板と部品との間に、シート状はんだ材を置き、第二の金属(例えばSn系はんだ層)の融点以上の温度で熱処理することが好ましい。より典型的には、熱処理温度は、第一の金属粒子の融点未満で、且つ、第二の金属(例えばSn系はんだ層)の融点以上に設定される。熱処理時の雰囲気は、空気、及び窒素等の不活性雰囲気がともに可能であるが、窒素雰囲気は、一般的に金属の酸化を抑制できるので好ましい。
また、より良好な接合を行うため、はんだ材の表面に、酸化被膜を清浄化する目的で、フラックス層を極めて薄く付与して使用することが好ましい。尚、フラックスを使用しない場合は、水素還元、プラズマリフロー、ギ酸リフロー等の手法を用いても同様の効果が得られる。本実施の形態に係るはんだ材を用いて、電子デバイス等の搭載部品電極と基板電極とを接続する場合、第二の金属(例えばSn系はんだ層)の融点以上の熱履歴が与えられると第二の金属は溶融し、第一の金属粒子と搭載部品電極と基板電極とが接合する。この時、第一の金属粒子と第二の金属との間で、金属間の熱拡散反応が加速的に進み、該第二の金属の融点よりも高融点の新たな安定合金相が、第一の金属粒子と第二の金属との界面に成長し、第一の金属粒子と、搭載部品電極と、基板電極とを接続する接続構造体を形成する。この新たな接続構造体における上記安定合金相は、融点が、Sn―3.0Ag−0.5Cuからなる代表的な鉛フリーはんだのリフロー熱処理温度(例えば260℃程度)より高く、後工程で複数回の熱処理を受けても溶融しないため、耐熱性に優れている。
次に実施例及び比較例を挙げて本実施の形態をより具体的に説明するが、本実施の形態はその要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
尚、各金属粒子の平均粒径は、Sympatec社(ドイツ)製レーザー回折式粒子径分布測定装置「HELOS&RODOS」により体積積算平均値を測定し、平均粒径値として求めた。
融点は、島津製作所株式会社製「DSC−60」を用い、窒素雰囲気下、昇温10℃/分の条件で、測定温度範囲30〜600℃で測定し、最低温の吸熱ピークについてJIS Z3198−1に従って求められる融点とした。尚、吸熱量を定量した際、1.5J/g以上あるものを測定対象物由来のピークとし、それ未満のピークは分析精度の観点から除外した。
また、第二の金属の層の厚みは、はんだ材を切断した断面の任意の部分を、金属顕微鏡にて長さ250μmにわたって観察し、各第一の金属粒子の中で、はんだ材の最表面からの距離が最短のものについての該距離を厚みとして計測した。
[実施例1]
(1)金属粒子(第一の金属粒子)の製造
Cu6.5kg(純度99質量%以上)、Sn1.5kg(純度99質量%以上)、Ag1.0kg(純度99質量%以上)、Bi0.5kg(純度99質量%以上)、及びIn0.5kg(純度99質量%以上)(合金組成は、Cu65質量%、Sn15質量%、Ag10質量%、Bi5質量%、In5質量%)を黒鉛坩堝に入れ、99体積%以上のヘリウム雰囲気で、高周波誘導加熱装置により1400℃まで加熱、融解した。
次に、得られた溶融金属を、坩堝の先端より、ヘリウムガス雰囲気の噴霧槽内に導入した後、坩堝先端付近に設けられたガスノズルから、ヘリウムガス(純度99体積%以上、酸素濃度0.1体積%未満、圧力2.5MPa)を噴出してアトマイズを行い、金属粒子を作製した。この時の冷却速度は、2600℃/秒であった。
更に、この金属粒子を日清エンジニアリング株式会社製気流式分級機「TC−15N」を用いて、10μm設定で分級し、大粒子側を回収後、もう一度20μm設定で分級し、小粒子側を回収した。回収した金属粒子の平均粒径を測定したところ、8.1μmであった。また、該金属粒子の融点は492℃であった。
(2)Snを主成分とするはんだ箔(第二の金属)
Snを主成分とするはんだ箔として、福田金属箔粉工業株式会社製の厚み30μmのSn箔(融点232℃)を用いた。
(3)シート状はんだ材の作製
表1に示すように、金属粒子100質量部と活性剤としてのステアリン酸2.6質量部とを混合した粉体を、15cm×10cmのサイズにカットした前記Sn箔の上に均一に分散させ、その上に同サイズのSn箔を置き、下記の条件で真空熱プレスをした。この時、前記金属粒子の量がSn箔に対して4.5mg/cm2となるように分散させた。ここで得られたはんだシート材を以降、シート状はんだ材Aと表記する。
シート状はんだ材Aの断面を金属顕微鏡で観察した結果を図1に示す。図1に示すように、第一の金属粒子11が第二の金属12中に分散している合金層1の両側の表面に厚み19.2μm以上の第二の金属の層2が形成されていることが確認された。
更に、断面をSEM−EDXで解析したところ、シート状はんだ材Aの両表面には、Sn系はんだ層(Sn90質量%以上)が形成されており、一方、厚み方向中心には、金属粒子周囲にCu―Sn系の耐熱性の高い合金相が形成されていることが判った。
<プレス条件>
温度:200℃
時間:1分
圧力:33MPa
真空度:13kPa
(4)Cuチップの接合強度の測定
サイズ25mm×25mm、厚み0.25mmのCu基板上に、フラックスを極少量塗付し、その上に3.0mm×3.0mmに切断した、シート状はんだ材Aを置き、更にフラックスを極少量塗付し、その中央部に、サイズ2.0mm×2.0mm、厚み0.5mmのCuチップを載せた。
これを次に大気中で260℃のホットプレート上に静置し、Cuチップに対して、0.65MPaの加重をかけながら30秒間の熱処理を施した。Cuチップ接合後のサンプルの断面を金属顕微鏡で観察した結果を図2に示す。図2に示すように、合金層1によってCu基板3とCuチップ4とが良好に接続されていることが確認された。またこれより、Snの融点よりも高温である260℃において、0.65MPaの加重をCuチップに加えているにもかかわらず、シート状はんだ材中に高融点の第一の金属粒子が存在することによって、第一の金属粒子の粒子サイズより厚い、40μmのスタンドオフ高さを確保できることが判った。
次に、常温(25℃)で、前記で作製したサンプルの剪断方向のチップ接合強度を、プッシュ・プルゲージにより、押し速度10mm/分で測定し、単位面積換算したところ、26MPaであった。更に前記で作製したサンプルを、260℃に加熱したホットプレート上に静置し、空気雰囲気下で1分間加熱をした後、加熱された状態で上記と同じ方法で剪断方向のチップ接合強度を測定したところ、1.1MPaであり、260℃の熱処理下でも接合部は強度を保持できる耐熱性を有することが確認できた。
このことは、Cuチップ接合部に、Snの融点よりも高い融点を有する合金相を有する構造体が形成されていることを示している。尚、260℃加熱時の接合強度を保持できる耐熱性とは、上記温度で1.0MPa以上の接合強度を示すものとした。
[実施例2〜4、比較例1〜3]
表1に示すように、第一の金属粒子に対するステアリン酸の混合比を変化させたことを除いて、実施例1に関して上記(3)に記載したのと同様にシート状はんだ材を作製し、(4)に記載したのと同様に、Cuチップ接合時のスタンドオフ高さの測定と260℃加熱時の接合強度の測定とを行った。また、第一の金属粒子を加えず、0.114mg/cm2(実施例1のステアリン酸添加量と同一)となるようにステアリン酸を分散させたことを除いて、実施例1に関して上記(3)に記載したのと同様にシート状はんだ材を作製し、(4)に記載したのと同様に、Cuチップ接合時のスタンドオフ高さの測定と260℃加熱時の接合強度の測定とを行った。
第一の金属粒子100質量部に対して、ステアリン酸を0.5〜20.0質量部で混合した実施例2〜4では、何れも40μm±10%程度のスタンドオフ高さを確保することができ、また1.0MPa以上の260℃加熱時の接合強度を示し、高い耐熱性を有することが確認できた。
一方、ステアリン酸を添加しない比較例1の260℃加熱時の強度は、1.0MPa未満であった。これは金属酸化被膜の影響で、Sn箔と金属粒子との界面における熱拡散による合金相形成が十分でなかったためと考えられる。
また、金属粒子に対するステアリン酸の混合比が多い比較例2の260℃加熱時の接合強度は、1.0MPa未満であった。これは内包された過剰なステアリン酸の存在が、合金化を阻害したためと考えられる。
また、第一の金属粒子を含まない比較例3では、スタンドオフ高さは2μmとなり、極めて低かった。これはシート状はんだ材中に高融点の第一の金属粒子が存在していないため、加重が掛かった状態では、溶融したはんだ材の流動を防止できなかったためと考えられる。また、260℃加熱時の接合強度は、2.9MPaと高かったが、これは、スタンドオフが低かったことで、Cuチップ、Cu板とはんだ材との間で合金相形成が急速に進行したためと考えられる。
[実施例5]
前記金属粒子100質量部と1,3,6−ヘキサトリカルボン酸2.6質量部とを混合した粉体を、実施例1に関して上記(3)で記載したのと同様の条件で、15cm×10cmのサイズにカットした上記Sn箔の上に均一に分散させて、その上に同サイズのSn箔を置き、真空熱プレスをした。この時、前記金属粒子の量がSn箔に対して4.5mg/cm2となるように分散させた。
図3に、得られたシート状はんだ材の断面を金属顕微鏡で観察した結果を示す。図3に示すように、第一の金属粒子11が第二の金属12中に分散している合金層1の両側の表面に厚み18.9μm以上の第二の金属の層2が形成されていることが確認された。1価のステアリン酸とは異なり、3価のカルボン酸である1,3,6−ヘキサトリカルボン酸を活性剤として用いた場合にも、Sn箔と金属粒子との界面で良好な金属結合が形成したことが、断面観察から確認された。しかしながら、活性剤による酸化被膜の清浄作用が緩やかである1価のステアリン酸を用いた方が、シート状はんだ材の断面にて観察される空隙が少ない傾向であった。
[実施例6]
実施例1の金属粒子の代わりに、福田金属箔粉株式会社製のCu粒子「Cu−HWQ15μm」を使用した。このCu粒子の平均粒径を測定したところ15.4μmであった。また、この金属粒子の融点は、測定温度範囲30〜600℃では検出されず、600℃より高温であることが判った。この粒子を用いて実施例1に関して上記(3)に記載したのと同様にシート状はんだ材を作製し、(4)に記載したのと同様に、Cuチップの260℃加熱時の接合強度を測定した結果を表2に示す。
[実施例7]
実施例1の金属粒子の代わりに、Cu80質量%及びAg20質量%からなるCu合金粒子を使用した。前記Cu合金粒子は以下の通り作製した。Cu8.0kg(純度99質量%以上)、Ag2.0kg(純度99質量%以上)を、黒鉛坩堝に入れ、99体積%以上のヘリウム雰囲気で、高周波誘導加熱装置により1650℃まで加熱し、融解した。
次に、得られた溶融金属を、坩堝の先端より、ヘリウムガス雰囲気の噴霧槽内に導入した後、坩堝先端付近に設けられたガスノズルから、ヘリウムガス(純度99体積%以上、酸素濃度0.1体積%未満、圧力2.5MPa)を噴出してアトマイズを行い、Cu合金粒子を作製した。この時の冷却速度は、2600℃/秒であった。
更に、この金属粒子を、日清エンジニアリング株式会社製気流式分級機「TC−15N」を用いて、10μm設定で分級し、大粒子側を回収後、もう一度20μm設定で分級し、小粒子側を回収した。回収した金属粒子の平均粒径を測定したところ、8.3μmであった。また、この金属粒子の融点は、測定温度範囲30〜600℃では検出されず、600℃より高温であることが判った。この粒子を用いて実施例1に関して上記(3)に記載したのと同様にシート状はんだ材を作製し、(4)に記載したのと同様に、Cuチップの260℃加熱時の接合強度を測定した結果を表2に示す。
[実施例8]
実施例1の金属粒子の代わりに、Cu95質量%及びAg5質量%からなるCu合金粒子を使用した。前記Cu合金粒子は以下の通り作製した。Cu9.5kg(純度99質量%以上)、Ag0.5kg(純度99質量%以上)を、黒鉛坩堝に入れ、99体積%以上のヘリウム雰囲気で、高周波誘導加熱装置により1650℃まで加熱し、融解した。
次に、この溶融金属を、坩堝の先端より、ヘリウムガス雰囲気の噴霧槽内に導入した後、坩堝先端付近に設けられたガスノズルから、ヘリウムガス(純度99体積%以上、酸素濃度0.1体積%未満、圧力2.8MPa)を噴出してアトマイズを行い、Cu合金粒子を作製した。
更に、この金属粒子を、日清エンジニアリング株式会社製気流式分級機「TC−15N」を用いて、10μm設定で分級し、大粒子側を回収後、もう一度20μm設定で分級し、小粒子側を回収した。回収した金属粒子の平均粒径を測定したところ、8.1μmであった。また、この金属粒子の融点は、測定温度範囲30〜600℃では検出されず、600℃より高温であることが判った。この粒子を用いて実施例1に関して上記(3)に記載したのと同様にシート状はんだ材を作製し、(4)に記載したのと同様に、Cuチップの260℃加熱時の接合強度を測定した結果を表2に示す。
[実施例9]
実施例1の金属粒子の代わりに、Cu95質量%及びSn5質量%からなるCu合金粒子を使用した。前記Cu合金粒子は以下の通り作製した。Cu9.5kg(純度99質量%以上)、Sn0.5kg(純度99質量%以上)を、黒鉛坩堝に入れ、99体積%以上のヘリウム雰囲気で、高周波誘導加熱装置により1650℃まで加熱し、融解した。
次に、この溶融金属を、坩堝の先端より、ヘリウムガス雰囲気の噴霧槽内に導入した後、坩堝先端付近に設けられたガスノズルから、ヘリウムガス(純度99体積%以上、酸素濃度0.1体積%未満、圧力2.8MPa)を噴出してアトマイズを行い、Cu合金粒子を作製した。
更に、この金属粒子を、日清エンジニアリング株式会社製気流式分級機「TC−15N」を用いて、10μm設定で分級し、大粒子側を回収後、もう一度20μm設定で分級し、小粒子側を回収した。回収した金属粒子の平均粒径を測定したところ、8.0μmであった。また、この金属粒子の融点は、測定温度範囲30〜600℃では検出されず、600℃より高温であることが判った。この粒子を用いて実施例1に関して上記(3)に記載したのと同様にシート状はんだ材を作製し、(4)に記載したのと同様に、Cuチップの260℃加熱時の接合強度を測定した結果を表2に示す。
[実施例10]
実施例1のSn箔の代わりにSn―3.0Ag−0.5Cu箔(融点217〜219℃)を使用した。この箔を用いて実施例1に関して上記(3)に記載したのと同様にシート状はんだ材を作製し、(4)に記載したのと同様に、Cuチップの260℃加熱時の接合強度を測定した結果を表2に示す。
金属粒子又ははんだ箔の種類を変えた実施例6〜10の何れにおいても、1.0MPa以上の260℃加熱時の接合強度を示し、高い耐熱性を有することが確認できた。
[実施例11]
活性剤として、実施例1のステアリン酸の代わりにアジピン酸を使用した。この活性剤を用いて実施例1に関して上記(3)に記載したのと同様にシート状はんだ材を作製、(4)に記載したのと同様に、Cuチップの260℃加熱時の接合強度を測定した結果を表3に示す。
[実施例12]
活性剤として、実施例1のステアリン酸の代わりにグルタル酸を使用した。この活性剤を用いて実施例1に関して上記(3)に記載したのと同様にシート状はんだ材を作製、(4)に記載したのと同様に、Cuチップの260℃加熱時の接合強度を測定した結果を表3に示す。
活性剤を変えた実施例11及び12の何れにおいても、1.0MPa以上の260℃加熱時の接合強度を示し、高い耐熱性を有することが確認できた。即ち、はんだ箔と金属粒子との界面で金属拡散が起こり、耐熱性の高い合金相が形成されることを確認した。
本発明によるシート状はんだ材は、後工程で複数回の熱処理を受ける部品やデバイス(例えば、ダイアタッチ、モジュール、メタルケース等)の接続用途に適用できる。
1 合金層
11 第一の金属粒子
12 第二の金属
2 第二の金属の層
3 Cu基板
4 Cuチップ

Claims (11)

  1. 第一の金属粒子、
    該第一の粒子と金属間化合物を形成し、かつ常温で固体である第二の金属、及び
    該第一の金属粒子が酸化されて形成される金属酸化被膜を除去する活性剤、
    を含むはんだ材であって、
    該第一の金属粒子が該第二の金属よりも高い融点を有し、
    該はんだ材が、該第二の金属中に該第一の金属粒子が分散した構造を有し、かつ該活性剤を該第一の金属粒子100質量部に対して0.5〜20質量部含む、はんだ材。
  2. 前記第一の金属粒子が、Cu粒子又はCu合金粒子であり、前記第二の金属がSn系はんだである、請求項1に記載のはんだ材。
  3. 前記第一の金属粒子が、Cuを50〜99質量%含むCu合金粒子である、請求項2に記載のはんだ材。
  4. 前記Cu合金粒子が、Cu50〜99質量%と、Sn、Ag、Bi、In、及びGeからなる群より選ばれる1つ以上の元素1〜50質量%とからなる、請求項3に記載のはんだ材。
  5. 前記第一の金属粒子が、Ag5〜15質量%、Bi2〜8質量%、In2〜8質量%、Sn10〜20質量%及び残部のCuを含むCu合金粒子、又は、Ag1〜25質量%及び残部のCuを含むCu合金粒子、又は、Sn1〜25質量%及び残部のCuを含むCu合金粒子である、請求項2〜4のいずれか1項に記載のはんだ材。
  6. 前記第一の金属粒子と前記第二の金属との界面に、Cu−Sn系合金相を有する、請求項2〜5のいずれか1項に記載のはんだ材。
  7. 前記Sn系はんだが、Snを90質量%以上含む、請求項2〜6のいずれか1項に記載のはんだ材。
  8. シート状である、請求項1〜7のいずれか1項に記載のはんだ材。
  9. 少なくとも片側の表面に、前記第二の金属の層を3μm以上の厚みで有する、請求項1〜8のいずれか1項に記載のはんだ材。
  10. 前記第一の金属粒子の平均粒径が2〜100μmである、請求項1〜9のいずれか1項に記載のはんだ材。
  11. 2枚の前記第二の金属の箔の間に、前記第一の金属粒子と前記活性剤との混合物を分散させて、190℃以上且つ前記第二の金属の融点未満の温度で加熱しながら、プレス又は圧延することを含む、請求項1〜10のいずれか1項に記載のはんだ材の製造方法。
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