JP2014072398A - 半導体装置及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】後工程で複数回の熱処理を受けても再溶融しない耐熱性を持ち、ボイドを抑制し、かつPbフリーのダイボンド接続部を有する半導体装置の提供。
【解決手段】半導体チップと、支持基板と、該半導体チップと該支持基板とを接続するダイボンド接続部から成る半導体装置であって、該ダイボンド接続部が、Sn単体又はSnを含有する低融点金属から成るマトリクス中に、NiとSnとを含有する高融点金属粒子が分散しており、かつ、該高融点金属粒子表面が金属間化合物によって被覆され、該ダイボンド接続部におけるSn元素の含有量が75〜95質量%である、半導体装置。
【選択図】図1
【解決手段】半導体チップと、支持基板と、該半導体チップと該支持基板とを接続するダイボンド接続部から成る半導体装置であって、該ダイボンド接続部が、Sn単体又はSnを含有する低融点金属から成るマトリクス中に、NiとSnとを含有する高融点金属粒子が分散しており、かつ、該高融点金属粒子表面が金属間化合物によって被覆され、該ダイボンド接続部におけるSn元素の含有量が75〜95質量%である、半導体装置。
【選択図】図1
Description
本発明は、半導体チップと支持基板とが、ダイボンド接続部により接続された半導体装置、及びその製造方法に関する。
ボール・グリッド・アレイ(BGA)、チップ・サイズ・パッケージ(CSP)等に代表される大規模集積化(LSI)パッケージでは、固着及び放熱の為、半導体チップと基板とをダイボンド材によって接続している。
ダイボンド材は、Pb−Sn合金、Au−Si合金等の金属が溶融接合するはんだ材と、熱硬化性樹脂の硬化収縮によってAg等の導電性粒子を接触させる樹脂ペーストとに大別されるが、一般に260℃の温度に対する耐熱性が必要な高耐熱用途では、安価なPb−Snはんだ(Pb含有率が85質量%以上である)が使用されている。
しかしながら、近年ではPbの有害性が問題となり、環境汚染を防止する観点から、はんだ材のPbフリー化の研究が行われている。
本発明者等は、Pbフリーはんだのリフロー熱処理で溶融接合でき、接合後は、同じ熱処理条件では再溶融しないPbフリーはんだ材を提案した(特許文献1参照)。
Pbフリーはんだのリフロー熱処理条件とは、代表的なSn−3.0Ag−0.5Cu(融点217℃)で、はんだ接続する場合の一般的なリフロー熱処理条件であり、ピーク温度240℃〜260℃の範囲のことである。
はんだ材の金属フィラーは、Cuを主成分とする高融点金属粒子と、リフロー熱処理において溶融する低融点金属粒子との混合体から成り、リフロー熱処理において、新たな安定合金相を形成することで、再度のリフロー熱処理においても、再溶融しない特徴を有するものであった。
一方で、Ni粒子とSn粒子との混合体を金属フィラーとするはんだ組成物が提案されている(特許文献2参照)。引用文献2に記述されているはんだ組成物は、リフロー熱処理において合金化して、その組成物よりも融点の上昇した合金を形成し、その結果として、はんだ付け済みの基板等に更にはんだ付けを実施するときにも、ほぼ同一温度条件下ではんだ付けが可能となることを特徴としている。
しかしながら、特許文献1及び2に記載される技術においては、はんだ材は、再度のリフロー熱処理において、再溶融しない優れた特徴を有しているが、ダイボンドのような面実装における、はんだ接合部のボイドを防止する点で、なお検討の余地があった。接合部のボイドは、機械的強度、導電性及び熱伝導性の低下を招き、さらに信頼性試験においてはクラックの要因となって接続不良を引き起こす恐れがある。
したがって、本発明は、後工程で複数回の熱処理を受けても再溶融しない耐熱性を持ち、ボイドを抑制し、かつPbフリーのダイボンド接続部を有する半導体装置を提供することを目的とする。
本発明者等は、上記課題を解決すべく鋭意検討し、実験を重ねた結果、本発明を成すに至った。
即ち、本発明は、以下の通りである。
即ち、本発明は、以下の通りである。
[1] 半導体チップ、支持基板、及び該半導体チップと該支持基板とを接続するダイボンド接続部から成る半導体装置であって、該ダイボンド接続部は、Sn単体又はSn含有金属から成るマトリクス、及び該マトリクス中に分散しており、かつ該Sn単体又は該Sn含有金属より高い融点を有するNi及びSn含有金属粒子を含み、該Ni及びSn含有金属粒子の表面が、金属間化合物によって被覆されており、そして該ダイボンド接続部中のSn元素の含有量が、75質量%〜95質量%である、前記半導体装置。
[2] 前記Ni及びSn含有金属粒子は、20質量%〜85質量%のNi及び15質量%〜80質量%のSnを含む、[1]に記載の半導体装置。
[3] 前記Ni及びSn含有金属粒子、前記Sn単体又はSn含有金属から成る粒子及びフラックスを含むはんだペーストを、前記半導体チップと前記支持基板の間に供給し、該Sn単体又はSn含有金属から成る粒子の融点より高く、かつ該Ni及びSn含有金属粒子の融点より低い温度で該はんだペーストを熱処理して、前記ダイボンド接続部を形成する工程を含む、[1]又は[2]に記載の半導体装置の製造方法。
[4] 前記はんだペーストは、前記Sn単体又はSn含有金属から成る粒子100質量部に対して、前記Ni及びSn含有金属粒子を15質量部〜42質量部含む、[3]に記載の方法。
[5] 前記フラックスは、多価カルボン酸を含む、[3]又は[4]に記載の方法。
本発明のダイボンド接続部を有する半導体装置は、ダイボンド接続部が後工程で複数回の熱処理を受けても再溶融しない耐熱性を持ち、ダイボンド接続部のボイドが少ないので機械的強度、導電性、熱伝導性及び接続信頼性に優れている。
以下、本発明を実施するための形態(以下、実施の形態と略記する)を詳細に説明する。尚、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で変形して実施することができる。
<半導体装置>
本実施の形態では、半導体装置は、半導体チップ、支持基板、及び該半導体チップと該支持基板とを接続するダイボンド接続部から成る。また、ダイボンド接続部において、Sn単体又はSn含有金属(以下、「低融点金属」という。)から成るマトリクス中に、低融点金属より高い融点を有するNi及びSn含有金属(以下、「高融点金属」という。)粒子が分散しており、高融点金属粒子の表面が、金属間化合物によって被覆されており、そしてダイボンド接続部中のSn元素の含有量が、75質量%〜95質量%であることが好ましい。
本実施の形態では、半導体装置は、半導体チップ、支持基板、及び該半導体チップと該支持基板とを接続するダイボンド接続部から成る。また、ダイボンド接続部において、Sn単体又はSn含有金属(以下、「低融点金属」という。)から成るマトリクス中に、低融点金属より高い融点を有するNi及びSn含有金属(以下、「高融点金属」という。)粒子が分散しており、高融点金属粒子の表面が、金属間化合物によって被覆されており、そしてダイボンド接続部中のSn元素の含有量が、75質量%〜95質量%であることが好ましい。
半導体装置は、所定量のはんだペーストを支持基板のダイマウント部に供給し、その上に半導体チップを搭載し、その後にPbフリーはんだのリフロー熱処理条件下で半導体チップと支持基板を接続することにより製造されることができる。必要に応じて、半導体チップと支持基板の接続体に対して、ワイヤー・ボンディング等で電気的接続を取り、更に樹脂封止して、半導体装置を製造してもよい。
<ダイボンド接続部>
本実施の形態では、ダイボンド接続部は、Ni及びSnを含む高融点金属粒子と、Sn単体又はSnを含む低融点金属粒子と、フラックスとを含有するはんだペーストを熱処理して形成した合金構造体である。
本実施の形態では、ダイボンド接続部は、Ni及びSnを含む高融点金属粒子と、Sn単体又はSnを含む低融点金属粒子と、フラックスとを含有するはんだペーストを熱処理して形成した合金構造体である。
熱処理において、低融点金属粒子の融点以上の熱履歴が与えられると、低融点粒子は溶融し、高融点金属粒子の表面に濡れ広がり、金属間化合物を形成することで、高融点金属粒子を介して半導体チップと支持基板とを接続し、耐熱性の合金構造体を形成することができる。これに関連して、金属間化合物及び高融点金属粒子は、それらの融点が260℃以上であるため、260℃の温度に対する耐熱性が必要な高耐熱用途において使用可能である。
ダイボンド接続部中のSn元素の含有量は、ダイボンド接続部の全質量を基準として、75質量%〜95質量%であることが好ましく、78〜92質量%であることがより好ましく、80〜90質量%であることがさらに好ましい。Sn元素の含有量は、ボイドを抑制する観点から、75質量%以上であることが好ましく、一方で、耐熱性を得る観点から、95質量%以下であることが好ましい。
熱処理温度は、低融点金属粒子の融点より高く、且つ高融点金属粒子の融点より低いことが好ましく、低融点金属粒子の融点より10℃以上の高温での熱処理は、低融点金属粒子が溶融したときの濡れ性を向上させることができるので、より好ましい。
また、熱処理方法としては、特に限定されないが、赤外線(IR)又は熱風を用いたリフロー炉、又はオーブン、ホットプレート、レーザー等の既知の熱処理装置を使用することができる。中でも、低融点金属粒子の溶融特性を向上させるため、炉内酸素濃度を1000ppm以下に抑えた窒素リフロー炉を用いることが好ましい。
(高融点金属粒子)
本実施の形態では、はんだペーストに含まれる高融点金属粒子は、Ni及びSnを含み、かつ260℃以上の融点を有するNi合金粒子である。高融点金属粒子は、熱処理において溶融した低融点金属粒子のSn成分との間に金属間化合物を短時間の熱処理で僅かに形成させる観点から、Snと金属間化合物を形成する金属であることが好ましい。
本実施の形態では、はんだペーストに含まれる高融点金属粒子は、Ni及びSnを含み、かつ260℃以上の融点を有するNi合金粒子である。高融点金属粒子は、熱処理において溶融した低融点金属粒子のSn成分との間に金属間化合物を短時間の熱処理で僅かに形成させる観点から、Snと金属間化合物を形成する金属であることが好ましい。
一方で、金属間化合物は一般的に硬くて脆い特性を有することが知られており、高温放置等の環境試験において、金属間化合物の経時的な成長速度が遅い方が好ましい。一般的に、Cu、Agなどの金属は、Niと比較して、Snとの金属拡散速度が速く、金属間化合物の成長が早いことが知られている。したがって、Snと金属間化合物を形成し、且つ金属間化合物の経時的な成長を抑制する観点から、本実施の形態では、高融点金属粒子は、Niを含有することが好ましい。
更に、低融点金属粒子の溶融成分のNi粒子に対する濡れ性を向上させる観点から、本実施の形態では、高融点金属粒子は、Snを含むNi合金粒子であることが好ましい。
尚、本発明の効果を奏する範囲で、高融点金属粒子は、例えば、Au、Ag、Bi、Cu、Ge、Sb、Zn等のその他の金属成分を含有していてもよい。
尚、本発明の効果を奏する範囲で、高融点金属粒子は、例えば、Au、Ag、Bi、Cu、Ge、Sb、Zn等のその他の金属成分を含有していてもよい。
本実施の形態では、Ni合金粒子を用いるときに、ダイボンド接続部には、Ni3Sn、Ni3Sn2、Ni3Sn4、NiaSnbZc{式中、a、b及びcは、任意の比率であり、そしてZは、Ni合金粒子に含まれるその他の金属であり、例えば、In、Cu、Au等として例示されることができる。)の金属間化合物が含有されることになる。尚、上記金属間化合物は、4種以上の金属元素を含む金属間化合物も含む。
一般的に、はんだペーストは、Cuと比較して、Niに対する濡れ性が悪いことが知られているので、高融点金属粒子としてNi−Sn合金粒子を用いた場合、溶融した低融点金属粒子に含まれるSn成分が、Ni−Sn合金粒子に対して良好に濡れ、フラックスの排出性を高め、ボイドを抑制できるように、高融点金属粒子であるNi合金粒子中にSnが15質量%以上含まれることが好ましく、より好ましくは20質量%以上であり、更に好ましくは30質量%以上である。
一方で、高融点金属粒子に含まれる相対的なNi含有量を増やし、はんだペーストを熱処理したときに、Ni及びSnを含む金属間化合物を形成させ、耐熱性の合金構造体を形成する観点から、Ni−Sn合金粒子中に含まれるSnは、80質量%以下であることが好ましく、より好ましくは75質量%以下であり、更に好ましくは65質量%以上である。
一方で、高融点金属粒子に含まれる相対的なNi含有量を増やし、はんだペーストを熱処理したときに、Ni及びSnを含む金属間化合物を形成させ、耐熱性の合金構造体を形成する観点から、Ni−Sn合金粒子中に含まれるSnは、80質量%以下であることが好ましく、より好ましくは75質量%以下であり、更に好ましくは65質量%以上である。
高融点金属粒子の平均粒径は、ペースト印刷特性を向上させる観点から100μm以下であることが好ましく、より好ましくは60μm以下であり、更に好ましくは45μm以下である。
一方で、金属粒子の平均粒径を大きくすることによって、粒子一つ当たりの質量が大きくなるため、熱処理時にフラックス中に高融点金属粒子が浮遊し難くなり、かつ単位質量当たりの金属粒子の酸素濃度を低くすることが可能となり、溶融した低融点金属粒子との濡れ性が良くなる。それ故に、高融点金属粒子の平均粒径は、5μm以上であることが好ましく、より好ましくは10μm以上であり、更に好ましくは14μm以上である。
一方で、金属粒子の平均粒径を大きくすることによって、粒子一つ当たりの質量が大きくなるため、熱処理時にフラックス中に高融点金属粒子が浮遊し難くなり、かつ単位質量当たりの金属粒子の酸素濃度を低くすることが可能となり、溶融した低融点金属粒子との濡れ性が良くなる。それ故に、高融点金属粒子の平均粒径は、5μm以上であることが好ましく、より好ましくは10μm以上であり、更に好ましくは14μm以上である。
(低融点金属粒子)
本実施の形態のはんだペーストに含まれる低融点金属粒子は、基板又は高融点金属粒子との濡れ性又は金属拡散反応による合金化の観点から、Sn単体若しくはSnを含有するSn合金粒子であることが好ましい。
本実施の形態のはんだペーストに含まれる低融点金属粒子は、基板又は高融点金属粒子との濡れ性又は金属拡散反応による合金化の観点から、Sn単体若しくはSnを含有するSn合金粒子であることが好ましい。
Sn合金粒子は、Ag、Bi、Cu、Ge、In、Sb、Ni、Zn、Auから成る群から選択される少なくとも1種の金属を含み、かつ240℃未満の融点を有する合金であることが好ましい。低融点金属粒子が溶融して形成するマトリクス中に、高融点金属粒子を分散させる観点から、低融点金属粒子は、Snを30質量%以上含むことが好ましい。
具体的には、低融点金属粒子としては、例えば、Sn、Sn−Bi系、Sn−In系、Sn−Cu系、Sn−Zn系、Sn−Ag系、Sn−Au系、Sn−Sb系、Sn−Bi−Ag系、Sn−Ag−Cu系、Sn−Bi−Cu系、Sn−Zn−Bi系、Sn−Bi−In系、Sn−Ag−In系、Sn−Ag−In−Bi系、Sn−Cu−Ni系、Sn−Cu−Ni−Ge系、Sn−Ag−Cu−Ni−Ge系などが挙げられる。
Sn合金粒子は、Sn粒子よりも融点が低いため、熱処理における高融点金属粒子との合金化反応が速くなる傾向がある。例えば、一般的なPbフリーはんだのリフロー熱処理条件(ピーク温度240℃〜260℃の範囲)で熱処理する場合には、低融点金属粒子として、Sn粒子、Sn−Ag−Cu系粒子、Sn−Ag系粒子又はSn−Cu系粒子を使用することが好ましく、そしてSn合金粒子は、0.3質量%〜4.0質量%のAg又はCuを含むことが好ましい。
より詳細には、Sn合金粒子としては、例えば、Sn−0.3Ag−0.7Cu、Sn−0.7Cu、Sn−3.0Ag−0.5Cu、Sn−3.5Ag、Sn−4.0Ag−0.5Cu、Sn−2.5Ag−0.5Cu−1Bi等が挙げられる。
低融点金属粒子の平均粒径は、溶融した低融点金属粒子の濡れ性及び溶融特性の観点から5μm以上が好ましく、より好ましくは10μm以上であり、更に好ましくは15μm以上である。一方で、低融点金属粒子の平均粒径は、はんだペーストをスクリーン印刷等で印刷する観点から、100μm以下が好ましく、より好ましくは60μm以下であり、更に好ましくは45μm以下である。
高融点金属粒子及び低融点金属粒子の製造法としては、金属微粉末の製造方法として既知の方法を採用できるが、急冷凝固法が好ましい。急冷凝固法による微粉末の製造法としては、例えば、水噴霧法、ガス噴霧法、遠心噴霧法等が挙げられるが、粒子の酸素含有量を抑えることができるように、ガス噴霧法及び遠心噴霧法がより好ましい。
尚、金属粒子の元素組成は、例えば、誘導結合プラズマ(ICP)発光分析等で確認することができる。また、粒子断面の元素組成に関しては、SEM−EDX(特性X線分析装置)を用いることによって解析することができる。また、本明細書では、金属粒子組成に関して、不可避的不純物が含有されていてもよい。
(フラックス)
本実施の形態では、はんだペーストに含まれるフラックスとしては、一般的なはんだペーストに使用されるフラックスが使用できるので、フラックスは、金属表面の酸化膜等の清浄化作用及び再酸化防止機能を有する添加剤を含むことが好ましい。
本実施の形態では、はんだペーストに含まれるフラックスとしては、一般的なはんだペーストに使用されるフラックスが使用できるので、フラックスは、金属表面の酸化膜等の清浄化作用及び再酸化防止機能を有する添加剤を含むことが好ましい。
フラックスは、ロジン及び/又は変性ロジン、溶剤、チクソ剤、又は有機酸を含んでいることが好ましい。また、その他成分として、例えば、チクソ剤、消泡剤、酸化防止剤、アミン化合物又はハロゲン化合物等の活性剤、無機フィラー、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂及び硬化剤等の既知の添加剤が、フラックスに添加されていてもよい。
フラックスは、有機酸の中でも、加熱時に本実施の形態に用いる金属粒子の表面酸化皮膜を清浄化し、且つ、再酸化を抑制する観点から、モノカルボン酸、又はジカルボン酸、トリカルボン酸、テトラカルボン酸等の多価カルボン酸を含んでいることが好ましく、中でも金属粒子表面への活性作用の強い多価カルボン酸が好ましい。ジカルボン酸としては、例えば、シュウ酸、グルタル酸、アジピン酸、コハク酸、セバシン酸、マロン酸、マレイン酸、フマル酸、フタル酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、シトラコン酸、α−ケトグルタル酸、ジグリコール酸、チオジグリコール酸、ジチオジグリコール酸、4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸等が挙げられ、トリカルボン酸としては、例えば、トリメリット酸、クエン酸、イソクエン酸、シクロヘキサン−1,2,4−トリカルボン酸、1,2,3−プロパントリカルボン酸等が挙げられ、そしてテトラカルボン酸としては、例えば、エチレンテトラカルボン酸、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸等が挙げられる。
(はんだペースト)
本実施の形態では、はんだペーストに含まれる金属粒子(高融点金属粒子と低融点金属粒子の合計)含有量は、ペースト特性の観点から、はんだペーストの全質量(即ち、100質量%)を基準として、84質量%〜94質量%の範囲であることが好ましい。
はんだペースト中の金属粒子の含有量のより好ましい範囲は、ペーストの供給方法に応じて定めることができる。
本実施の形態では、はんだペーストに含まれる金属粒子(高融点金属粒子と低融点金属粒子の合計)含有量は、ペースト特性の観点から、はんだペーストの全質量(即ち、100質量%)を基準として、84質量%〜94質量%の範囲であることが好ましい。
はんだペースト中の金属粒子の含有量のより好ましい範囲は、ペーストの供給方法に応じて定めることができる。
例えば、スクリーン印刷では、版抜け性が重視されるので、はんだペースト中の金属粒子の含有量は、はんだペーストの全質量を基準として、好ましくは、87質量%〜92質量%の範囲であり、より好ましくは、88質量%〜91質量%の範囲である。
また、ディスペンス法では、吐出流動性が重視されるので、はんだペースト中の金属粒子の含有量は、はんだペーストの全質量を基準として、好ましくは、85質量%〜89質量%の範囲であり、より好ましくは、86質量%〜88質量%の範囲である。
また、高融点金属粒子と低融点金属粒子との混合比は、耐熱性の観点から、低融点粒子100質量部に対し、高融点粒子が好ましくは15質量部以上であり、より好ましくは20質量部以上であり、更に好ましくは25質量部以上である。
一方、高融点金属粒子と低融点金属粒子との混合比は、接合部のボイド抑制の観点から、低融点粒子100質量部に対し、高融点粒子が好ましくは42質量部以下であり、より好ましくは40質量部以下であり、更に好ましくは35質量部以下である。
一方、高融点金属粒子と低融点金属粒子との混合比は、接合部のボイド抑制の観点から、低融点粒子100質量部に対し、高融点粒子が好ましくは42質量部以下であり、より好ましくは40質量部以下であり、更に好ましくは35質量部以下である。
次に実施例及び比較例を挙げて本実施の形態をより具体例に説明するが、本実施の形態はその要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
実施例又は比較例に使用される金属粒子の融点及び平均粒径を下記に示す方法で評価した。
実施例又は比較例に使用される金属粒子の融点及び平均粒径を下記に示す方法で評価した。
(a)示差走査熱量測定(DSC)
島津製作所株式会社製「DSC−60」を用い、窒素雰囲気下、昇温温度10℃/分の条件で、温度範囲40℃〜250℃で金属粒子を測定し、最低温の吸熱ピークを融点とした。
島津製作所株式会社製「DSC−60」を用い、窒素雰囲気下、昇温温度10℃/分の条件で、温度範囲40℃〜250℃で金属粒子を測定し、最低温の吸熱ピークを融点とした。
(b)平均粒径
Sympatec社(ドイツ)製レーザー回折式粒子径分布測定装置「HELOS&RODOS」により金属粒子の体積積算平均値を測定し、平均粒径値として求めた。
Sympatec社(ドイツ)製レーザー回折式粒子径分布測定装置「HELOS&RODOS」により金属粒子の体積積算平均値を測定し、平均粒径値として求めた。
[実施例1]
(1)高融点金属粒子
Ni6.0kg(純度99.9質量%以上)、Sn4.0kg(純度99.9質量%以上)をアルミナ坩堝に入れ、真空下において高周波誘導加熱装置により1600℃に加熱して、金属を融解した後、窒素ガスアトマイズにより、Ni合金粒子を作製した。
(1)高融点金属粒子
Ni6.0kg(純度99.9質量%以上)、Sn4.0kg(純度99.9質量%以上)をアルミナ坩堝に入れ、真空下において高周波誘導加熱装置により1600℃に加熱して、金属を融解した後、窒素ガスアトマイズにより、Ni合金粒子を作製した。
このNi合金粒子を日清エンジニアリング株式会社製気流式分級機「TC−15N」を用いて、5μm設定で分級し大粒子側を回収後、再度30μm設定で分級し小粒子側を回収した。回収したNi合金粒子の平均粒径を測定したところ、13.8μmであった。
次にNi合金粒子の示差走査熱量測定をしたところ、融点に由来する吸熱ピークは検出されなかった。
次にNi合金粒子の示差走査熱量測定をしたところ、融点に由来する吸熱ピークは検出されなかった。
(2)低融点金属粒子
低融点粒子として山石金属株式会社製Sn粒子「Y−Sn100−Q2510」を用いた。このSn粒子の平均粒径を測定したところ、20.4μmであった。
次にSn粒子の示差走査熱量測定をしたところ、融点232℃(融解開始温度:固相線温度)が検出された。
低融点粒子として山石金属株式会社製Sn粒子「Y−Sn100−Q2510」を用いた。このSn粒子の平均粒径を測定したところ、20.4μmであった。
次にSn粒子の示差走査熱量測定をしたところ、融点232℃(融解開始温度:固相線温度)が検出された。
(3)はんだペースト
前記Ni合金粒子とSn粒子とを質量比25:100で混合し、金属粒子混合体89.5質量%とロジン系フラックス10.5質量%とを混合し、株式会社マルコム製ソルダーソフナー「SPS−1」、松尾産業株式会社製脱泡混練機「SNB−350」に順次供して、はんだペーストを作製した。
尚、ロジン系フラックスとしては、ジカルボン酸であるグルタル酸を5.0質量%含むものを用いた。
前記Ni合金粒子とSn粒子とを質量比25:100で混合し、金属粒子混合体89.5質量%とロジン系フラックス10.5質量%とを混合し、株式会社マルコム製ソルダーソフナー「SPS−1」、松尾産業株式会社製脱泡混練機「SNB−350」に順次供して、はんだペーストを作製した。
尚、ロジン系フラックスとしては、ジカルボン酸であるグルタル酸を5.0質量%含むものを用いた。
(4)ボイド率の測定
次に全面銅張積層板に前記はんだペーストを印刷塗布し、10mm×10mmサイズのダイ(接合面Cuスパッタ)を搭載後、窒素雰囲気にて、ピーク温度260℃でリフロー熱処理してサンプルを作製した。
熱処理装置は、株式会社マルコム製リフローシミュレータ「SRS−1C」を使用した。温度プロファイルは、熱処理開始(常温)から140℃までを1.5℃/秒で昇温し、140℃から170℃までを110秒掛けて徐々に昇温後、170℃から260℃までを2.0℃/秒で昇温し、ピーク温度260℃で15秒間保持する条件を採用した。
印刷パターン形成は、マイクロテック(株)製スクリーン印刷機(MT−320TV)を使用した。メタル製印刷マスクとウレタン製スキージを用いた。マスク開口サイズは、ダイサイズに合わせて10mm×10mmと設定し、マスク厚みは、0.08mmとした。印刷条件は、速度50mm/秒、印圧0.1MPa、スキージ圧0.2MPa、背圧0.1MPa、アタック角度20°、クリアランス0mm、及び印刷回数1回とした。
次に前記サンプルをX線撮影(図1)し、画像処理ソフト(三谷商事:ウインルーフ)を用いて、ダイ接合部のボイド率を求めた。測定は10点行い、平均を算出したところボイド率は55.3%であった。
尚、X線検査装置はデイジ・ジャパン株式会社製サブミクロンフォーカスX線検査装置「XD7600NT250」を使用した。
次に全面銅張積層板に前記はんだペーストを印刷塗布し、10mm×10mmサイズのダイ(接合面Cuスパッタ)を搭載後、窒素雰囲気にて、ピーク温度260℃でリフロー熱処理してサンプルを作製した。
熱処理装置は、株式会社マルコム製リフローシミュレータ「SRS−1C」を使用した。温度プロファイルは、熱処理開始(常温)から140℃までを1.5℃/秒で昇温し、140℃から170℃までを110秒掛けて徐々に昇温後、170℃から260℃までを2.0℃/秒で昇温し、ピーク温度260℃で15秒間保持する条件を採用した。
印刷パターン形成は、マイクロテック(株)製スクリーン印刷機(MT−320TV)を使用した。メタル製印刷マスクとウレタン製スキージを用いた。マスク開口サイズは、ダイサイズに合わせて10mm×10mmと設定し、マスク厚みは、0.08mmとした。印刷条件は、速度50mm/秒、印圧0.1MPa、スキージ圧0.2MPa、背圧0.1MPa、アタック角度20°、クリアランス0mm、及び印刷回数1回とした。
次に前記サンプルをX線撮影(図1)し、画像処理ソフト(三谷商事:ウインルーフ)を用いて、ダイ接合部のボイド率を求めた。測定は10点行い、平均を算出したところボイド率は55.3%であった。
尚、X線検査装置はデイジ・ジャパン株式会社製サブミクロンフォーカスX線検査装置「XD7600NT250」を使用した。
(5)260℃強度(耐熱性)の確認
次に前記はんだペーストをサイズ25mm×25mm、厚み0.25mmのCu基板上に印刷塗布し、サイズ2mm×2mm、厚み0.5mmのCuチップを搭載後、窒素雰囲気にて、ピーク温度260℃でリフロー熱処理してサンプルを作製した。
熱処理装置は、上記(4)と同様であり、そして印刷パターン形成のために、マイクロテック株式会社製スクリーン印刷機「MT−320TV」を用いた。また、メタル製印刷マスクとウレタン製スキージを用いた。印刷マスクについては、開口サイズを2mm×3.5mmとし、厚みを0.1mmとした。印刷条件は、速度50mm/秒、印圧0.1MPa、スキージ圧0.2MPa、背圧0.1MPa、アタック角度20°、クリアランス0mm、及び印刷回数1回とした。
次に前記サンプルをホットプレート上で260℃に加熱し、15分間保持した後、剪断方向のチップ接合強度をプッシュ・プルゲージにより、押し速度10mm/分で測定し、単位面積換算した。30個の平均値は0.8MPaであり、260℃でも接合強度を保持できる耐熱性を確認した。
次に前記はんだペーストをサイズ25mm×25mm、厚み0.25mmのCu基板上に印刷塗布し、サイズ2mm×2mm、厚み0.5mmのCuチップを搭載後、窒素雰囲気にて、ピーク温度260℃でリフロー熱処理してサンプルを作製した。
熱処理装置は、上記(4)と同様であり、そして印刷パターン形成のために、マイクロテック株式会社製スクリーン印刷機「MT−320TV」を用いた。また、メタル製印刷マスクとウレタン製スキージを用いた。印刷マスクについては、開口サイズを2mm×3.5mmとし、厚みを0.1mmとした。印刷条件は、速度50mm/秒、印圧0.1MPa、スキージ圧0.2MPa、背圧0.1MPa、アタック角度20°、クリアランス0mm、及び印刷回数1回とした。
次に前記サンプルをホットプレート上で260℃に加熱し、15分間保持した後、剪断方向のチップ接合強度をプッシュ・プルゲージにより、押し速度10mm/分で測定し、単位面積換算した。30個の平均値は0.8MPaであり、260℃でも接合強度を保持できる耐熱性を確認した。
[実施例2及び3、比較例1及び2]
実施例1に記載の高融点金属粒子と低融点金属粒子の混合比を下記表1に示す通りに変えて、実施例1と同様にペースト化及びサンプル作製を行なって、各評価を実施した結果を下記表1において実施例2及び3、比較例1及び2として示す。
実施例1に記載の高融点金属粒子と低融点金属粒子の混合比を下記表1に示す通りに変えて、実施例1と同様にペースト化及びサンプル作製を行なって、各評価を実施した結果を下記表1において実施例2及び3、比較例1及び2として示す。
表1から判るように、ダイボンド接続部中のSn元素の含有量が一定の範囲内(実施例1〜3)では、ダイ接合部のボイド率が、比較例1に比べ約25〜30%改善されており、さらに260℃に加熱した状態において、0.2MPa以上の接合強度があり、接続状態を保持するために十分な耐熱性を有することが確認された。
[実施例4]
実施例1で使用した低融点金属粒子の代わりに山石金属株式会社製Sn−3.5Ag粒子「Y−SnAg3.5−Q2510」を用いた。この粒子の平均粒径を測定したところ、20.1μmであった。この粒子を用いて実施例1と同様にペースト化、サンプル作製し、各評価を実施した結果を下記表2に示す。
実施例1で使用した低融点金属粒子の代わりに山石金属株式会社製Sn−3.5Ag粒子「Y−SnAg3.5−Q2510」を用いた。この粒子の平均粒径を測定したところ、20.1μmであった。この粒子を用いて実施例1と同様にペースト化、サンプル作製し、各評価を実施した結果を下記表2に示す。
[実施例5]
実施例1で使用した低融点金属粒子の代わりに山石金属株式会社製Sn−3.0Ag−0.5Cu粒子「Y−SnAg3Cu0.5−Q2510」を用いた。この粒子の平均粒径を測定したところ、20.2μmであった。この粒子を用いて実施例1と同様にペースト化、サンプル作製し、各評価を実施した結果を下記表2に示す。
実施例1で使用した低融点金属粒子の代わりに山石金属株式会社製Sn−3.0Ag−0.5Cu粒子「Y−SnAg3Cu0.5−Q2510」を用いた。この粒子の平均粒径を測定したところ、20.2μmであった。この粒子を用いて実施例1と同様にペースト化、サンプル作製し、各評価を実施した結果を下記表2に示す。
表2から判るように、実施例4及び5において、低融点金属粒子を変えた場合でも、実施例1〜3と同様の効果が奏されることが確認された。
[実施例6]
実施例1で使用した窒素ガスアトマイズにより作製したNi合金粒子を日清エンジニアリング株式会社製気流式分級機「TC−15N」を用いて、30μm設定で分級し大粒子側を回収後、再度75μm設定で分級し小粒子側を回収した。回収したNi合金粒子の平均粒径を測定したところ、27.5μmであった。
次にNi合金粒子の示差走査熱量測定をしたところ、融点に由来する吸熱ピークは検出されなかった。
このNi合金粒子を高融点金属粒子として、実施例1と同様にペースト化、サンプル作製し、各評価を実施した結果を下記表3に示す。また、実施例6で作製したダイ接合部のX線撮影図を図2に示す。
実施例1で使用した窒素ガスアトマイズにより作製したNi合金粒子を日清エンジニアリング株式会社製気流式分級機「TC−15N」を用いて、30μm設定で分級し大粒子側を回収後、再度75μm設定で分級し小粒子側を回収した。回収したNi合金粒子の平均粒径を測定したところ、27.5μmであった。
次にNi合金粒子の示差走査熱量測定をしたところ、融点に由来する吸熱ピークは検出されなかった。
このNi合金粒子を高融点金属粒子として、実施例1と同様にペースト化、サンプル作製し、各評価を実施した結果を下記表3に示す。また、実施例6で作製したダイ接合部のX線撮影図を図2に示す。
[実施例7]
実施例6で使用した高融点金属粒子と低融点金属粒子の混合比を下記表3で示す通りに変えて、実施例1と同様にペースト化、サンプル作製し、各評価を実施した結果を下記表3に示す。
実施例6で使用した高融点金属粒子と低融点金属粒子の混合比を下記表3で示す通りに変えて、実施例1と同様にペースト化、サンプル作製し、各評価を実施した結果を下記表3に示す。
表3から判るように、実施例6及び7において、高融点金属粒子の平均粒径を大きくするとダイ接合部のボイドが更に低減されることが確認された。
[実施例8]
Ni4.0kg(純度99.9質量%以上)、Sn6.0kg(純度99.9質量%以上)をアルミナ坩堝に入れ、真空下において高周波誘導加熱装置により1600℃に加熱して、金属を融解した後、窒素ガスアトマイズにより、Ni合金粒子を作製した。
このNi合金粒子を日清エンジニアリング株式会社製気流式分級機「TC−15N」を用いて、5μm設定で分級し大粒子側を回収後、再度30μm設定で分級し小粒子側を回収した。回収したNi合金粒子の平均粒径を測定したところ、13.5μmであった。
次にNi合金粒子の示差走査熱量測定をしたところ、融点に由来する吸熱ピークは検出されなかった。
このNi合金粒子を高融点金属粒子として、実施例1と同様にペースト化、サンプル作製し、各評価を実施した結果を表4に示す。
Ni4.0kg(純度99.9質量%以上)、Sn6.0kg(純度99.9質量%以上)をアルミナ坩堝に入れ、真空下において高周波誘導加熱装置により1600℃に加熱して、金属を融解した後、窒素ガスアトマイズにより、Ni合金粒子を作製した。
このNi合金粒子を日清エンジニアリング株式会社製気流式分級機「TC−15N」を用いて、5μm設定で分級し大粒子側を回収後、再度30μm設定で分級し小粒子側を回収した。回収したNi合金粒子の平均粒径を測定したところ、13.5μmであった。
次にNi合金粒子の示差走査熱量測定をしたところ、融点に由来する吸熱ピークは検出されなかった。
このNi合金粒子を高融点金属粒子として、実施例1と同様にペースト化、サンプル作製し、各評価を実施した結果を表4に示す。
[比較例3]
日本アトマイズ加工株式会社製SFR−Ni10μmを日清エンジニアリング株式会社製気流式分級機「TC−15N」を用いて、15μm設定で分級し大粒子側を回収後、再度30μm設定で分級し小粒子側を回収した。回収したNi粒子の平均粒径を測定したところ、13.3μmであった。
このNi粒子を高融点金属粒子として、実施例1と同様にペースト化、サンプル作製し、各評価を実施した結果を下記表4に示す。また、比較例3で作製したダイ接合部のX線撮影図を図3に示す。
日本アトマイズ加工株式会社製SFR−Ni10μmを日清エンジニアリング株式会社製気流式分級機「TC−15N」を用いて、15μm設定で分級し大粒子側を回収後、再度30μm設定で分級し小粒子側を回収した。回収したNi粒子の平均粒径を測定したところ、13.3μmであった。
このNi粒子を高融点金属粒子として、実施例1と同様にペースト化、サンプル作製し、各評価を実施した結果を下記表4に示す。また、比較例3で作製したダイ接合部のX線撮影図を図3に示す。
[比較例4]
日本アトマイズ加工株式会社製SFR−Ni10μmを日清エンジニアリング株式会社製気流式分級機「TC−15N」を用いて、30μm設定で分級し大粒子側を回収後、再度75μm設定で分級し小粒子側を回収した。回収したNi粒子の平均粒径を測定したところ、21.7μmであった。
このNi粒子を高融点金属粒子として、実施例1と同様にペースト化、サンプル作製し、各評価を実施した結果を下記表4に示す。
日本アトマイズ加工株式会社製SFR−Ni10μmを日清エンジニアリング株式会社製気流式分級機「TC−15N」を用いて、30μm設定で分級し大粒子側を回収後、再度75μm設定で分級し小粒子側を回収した。回収したNi粒子の平均粒径を測定したところ、21.7μmであった。
このNi粒子を高融点金属粒子として、実施例1と同様にペースト化、サンプル作製し、各評価を実施した結果を下記表4に示す。
表4から判るように、実施例8において、高融点金属粒子のSn組成比が増せば、ボイド率が減少し、Ni単体ではボイド率が増加することが確認された。また、低融点金属粒子のSn成分を高融点金属粒子に濡れ易くし、ボイドを抑制するには、高融点金属粒子がSnを含有することが好ましいことが確認された。
本発明のダイボンド接続部を有する半導体装置は、ダイ接合部のボイドが少ないので機械的強度、導電性、熱伝導性及び接続信頼性に優れ、LSIパッケージ等に好適に利用可能である。
Claims (5)
- 半導体チップ、支持基板、及び該半導体チップと該支持基板とを接続するダイボンド接続部から成る半導体装置であって、該ダイボンド接続部は、Sn単体又はSn含有金属から成るマトリクス、及び該マトリクス中に分散しており、かつ該Sn単体又は該Sn含有金属より高い融点を有するNi及びSn含有金属粒子を含み、該Ni及びSn含有金属粒子の表面が、金属間化合物によって被覆されており、そして該ダイボンド接続部中のSn元素の含有量が、75質量%〜95質量%である、前記半導体装置。
- 前記Ni及びSn含有金属粒子は、20質量%〜85質量%のNi及び15質量%〜80質量%のSnを含む、請求項1に記載の半導体装置。
- 前記Ni及びSn含有金属粒子、前記Sn単体又はSn含有金属から成る粒子及びフラックスを含むはんだペーストを、前記半導体チップと前記支持基板の間に供給し、該Sn単体又はSn含有金属から成る粒子の融点より高く、かつ該Ni及びSn含有金属粒子の融点より低い温度で該はんだペーストを熱処理して、前記ダイボンド接続部を形成する工程を含む、請求項1又は2に記載の半導体装置の製造方法。
- 前記はんだペーストは、前記Sn単体又はSn含有金属から成る粒子100質量部に対して、前記Ni及びSn含有金属粒子を15質量部〜42質量部含む、請求項3に記載の方法。
- 前記フラックスは、多価カルボン酸を含む、請求項3又は4に記載の方法。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016089191A (ja) * | 2014-10-30 | 2016-05-23 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 | レーザ照射による金属粉末を用いた金属造形物作成法、そのための形成材料、及び作成された構造体 |
CN106001996A (zh) * | 2015-03-26 | 2016-10-12 | 株式会社田村制作所 | 焊料组合物及使用了该焊料组合物的电子基板 |
US10926514B2 (en) | 2015-12-24 | 2021-02-23 | Tatsuta Electric Wire & Cable Co., Ltd. | Solder connection structure and film forming method |
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-
2012
- 2012-09-28 JP JP2012217761A patent/JP2014072398A/ja active Pending
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CN106001996A (zh) * | 2015-03-26 | 2016-10-12 | 株式会社田村制作所 | 焊料组合物及使用了该焊料组合物的电子基板 |
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